社会保障審議会障害者部会(第142回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第7回)合同会議議事録

日時

令和6年10月22日(火)15:00~17:00

場所

ベルサール飯田橋駅前
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階

出席者

障害者部会委員(五十音順)
 
阿部委員            小﨑委員            竹下委員
安藤委員            小林委員            冨岡委員
伊豫委員            酒井(大)委員         永松委員
岡田委員            櫻木委員            中村委員(代理:一政参考人)
叶委員             佐々木委員           丹羽委員
菊池委員            清水委員            樋󠄀口委員
河野委員            白江委員            藤井委員
小阪委員            新保委員            吉野委員
 
障害児支援部会委員(五十音順) ※障害者部会兼務委員については記載省略
 
有村委員            北川委員(代理:米川参考人)  山本(圭)委員
一見委員(代理:池田参考人)  小島委員            吉田委員
大胡田委員           酒井(康)委員         渡辺委員
小澤委員            陶山委員
加藤委員            田村委員
 

議題

  1. (1)障害福祉サービスデータベースにおける第三者提供について
  2. (2)その他

議事

内容
 
 ○小野障害児支援課長 定刻になりましたので、ただいまから、第142回社会保障審議会障害者部会、第7回こども家庭審議会障害児支援部会、合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙のところ、御出席をいただきましてありがとうございます。
 まず、本日の合同開催の趣旨につきまして御説明いたします。
 昨年6月の第136回障害者部会において、こども家庭庁発足後も障害児・者の支援について必要な連携を図っていくことが必要であるため、障害者支援、障害児支援の双方に関連する重要事項を審議する際は、両部会を合同で開催することとしておりました。
 今回は、障害者と障害児双方に関する「障害福祉サービスデータベースにおける仮名化情報の第三者提供について」が主な議題ですので、両部会の合同会議を開催することとなりました。
 事務局において事前に両部会長と御相談し、合同会議を開催する際は、司会進行を交互にお願いすることとし、2回目となる本日は、障害児支援部会の有村部会長にお願いすることとなりました。
 合同会議の開催に当たり、まずは菊池障害者部会長及び有村障害児支援部会長から一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 皆様、こんにちは。御苦労様でございます。
 本日も合同会議ということでございますので、どうか忌憚のない、活発な御議論をいただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○有村部会長 皆様、よろしくお願いいたします。有村でございます。
 本日の議題は、大きくは情報と施策についてでございますが、こどもの領域に関しましては、障害の有無にかかわらず、全てのこどもはこどもとして必要な支援を確保していく。そういった意味で、きちんと議論が進められればと思っております。
 どうぞよろしくお願いします。
○小野障害児支援課長 それでは、本日の進行を有村部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、本日は私が進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の会議につきましては、こちらの会場にて原則対面としつつ、オンラインも併用して開催をいたします。事務局においては、資料説明はできる限り分かりやすく、要点を押さえた説明をお願いいたします。
 加えて、各委員からの御発言についてお願いがございます。議事に応じまして、私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いいたします。その後、オンラインの方に御意見を募ります。Zoomの「手を挙げる機能」を使用してください。私の指名により発言を開始していただければと思います。
 これだけの皆様に御参加いただいておりますので、より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できる限り簡潔に御発言をいただけますと幸いです。
 また、御発言の際は、まずお名前を名乗っていただきまして、可能な限りゆっくり、分かりやすくお話をいただければと思います。その際、資料の記載内容について御発言される場合には、資料番号と記載内容の位置について御教示お願いします。
 また、会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話ください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしていただけますようお願いをいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いします。
 それでは、事務局より本日の委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○小野障害児支援課長 それでは、委員の出席状況について御報告申し上げます。
 最初に、障害者部会についてですが、江澤委員、沖倉委員、野澤委員から御都合により御欠席との御連絡をいただいております。なお、藤井委員につきましては、遅れて御出席いただく予定となっております。
 次に、障害児支援部会についてですが、石澤委員、小野委員から、御都合により御欠席との御連絡をいただいております。また、両部会を兼務されております山本(則)委員から、御都合により御欠席との御連絡をいただいております。
 続いて、委員の代理について、障害者部会では中村委員の代理として一政参考人に出席させたいとの申出があり、障害児支援部会では一見委員の代理として池田参考人に、北川委員の代理として米川参考人に出席させたいとの申出がありましたが、皆様よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 また、事務局において人事異動がございましたので、御報告させていただきます。
 まずは、厚生労働省について御報告させていただきます。
 障害保健福祉部長の野村でございます。
○野村障害保健福祉部長 野村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小野障害児支援課長 障害保健福祉部企画課長の本後でございます。
○本後障害保健福祉部企画課長 本後です。よろしくお願いいたします。
○小野障害児支援課長 続きまして、こども家庭庁について御報告させていただきます。
 支援局担当審議官の源河でございます。
○源河支援局担当審議官 源河です。どうぞよろしくお願いいたします。
○小野障害児支援課長 支援局総務課長の山下でございます。
○山下支援局総務課長 山下でございます。よろしくお願いいたします。
○小野障害児支援課長 最後に、支援局障害児支援課長の小野でございます。よろしくお願いいたします。
 では、本日の資料でございますけれども、議事次第、資料1~4、参考資料1~6、以上となります。
 会場にお越しの方で、これらの資料の不足などがございましたら事務局にお申しつけください。
 では、カメラ撮りはここまでということで御協力をお願いいたします。
 それでは、有村部会長、議事のほうをお願いいたします。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 まず、議題1につきまして、資料1、2の説明を事務局からお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 厚生労働省の企画課長の本後でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料1と2を一括して御説明をいたします。
 まず、資料1でございます。資料1は、これまで御議論いただいております匿名化情報についての資料でございます。
 まず、1ページ目、これまでの経緯です。障害福祉サービスデータベースの第三者提供につきましては、第三者への提供に当たってのガイドラインを定める必要がございます。これは医療、NDB、介護のDBにおいても定められたガイドラインに基づき、第三者提供が行われております。
 この第三者提供に当たりましては、社会保障審議会、それから、こども家庭審議会の意見を聴かなければならないとされております。これを御議論いただいた上で、専門委員会を両部会の下に設置するということを承諾いただきました。
 去る9月18日に第1回の専門委員会を開催いたしております。この際には、ガイドラインにおいて定める審査基準等々について検討を行っております。障害福祉データベースのガイドラインの検討に当たりましては、基本的には医療、NDBや介護DBのガイドラインを踏襲しながら、他の公的データベースと比べて障害の場合は件数が少ないことなども踏まえながら、提供申出に対する審査時、成果物の公表前の審査時において、個人の特定の可能性の回避に特に留意すること。それから、差別・偏見につながらないよう特に留意すること。これをほかのデータベースのガイドラインに加えまして明記すべき、こういった議論が今行われているところでございます。
 1ページ飛ばしていただきまして、3ページ目ですけれども、今後のスケジュールについてでございます。
 今ほど申し上げました第1回の専門委員会以降、今年度はガイドライン(案)の検討を進めてまいります。来年度に入りましたら、この専門委員会で模擬審査という形で行いまして、その上でガイドライン(案)について、この部会でも御紹介をさせていただきながら決定をしていくということにしたいと思っております。施行は来年の12月を予定しております。
 続きまして、今日、皆様に主に御議論いただきます仮名化情報についてでございます。資料2にいきたいと思います。
 「障害福祉サービスデータベースにおける仮名化情報の第三者提供について」ということでございます。
 1ページ目、これは今年の骨太の方針ですけれども、医療・介護の公的データベースの利活用を促進するということが政府の方針としても記載をされております。
 それを踏まえて2ページ目ですけれども、厚生労働省全体の方針といたしまして、「近未来健康活躍社会戦略」、8月に公表いたしましたこの戦略の中で、医療・介護などの公的データベースの利用促進、仮名化情報の利用・提供の促進ということを、大きな方針として打ち出してございます。
 3ページ目、厚生労働省が保有するデータベースにつきましては、医療のデータベース、NDB、介護のDB、そのほか、予防接種、あるいは感染症、難病、小児慢性がん、そういった様々なデータベースがございます。
 今日御議論いただきます障害福祉のデータベースも、様々あるデータベースの1つということになります。仮名化情報の第三者提供につきましては、現在、他の審議会でもこれら全てのデータベースにつきまして、並行して議論をいただいているということでございます。障害福祉データベースもそのうちの1つということになります。
 4ページ目ですけれども、仮名化情報は、これまでの匿名化情報とどう違うかということでございます。
 元データとして例を挙げております「氏名」、厚労花子さん、例えばこういう名前といたしますと、匿名化情報の中では、研究者などが申請するたびに異なった値にこれが変換をされるということになります。一方で、仮名化情報の場合は、同じ研究者の方が申請をしても、同じ値に加工されるということになります。厚労花子さんという名前が、申請ごとに同じ値に変換されるということでございます。
 それから、「生年月」という部分でありますけれども、匿名化情報ですと生年月を年齢階級に変換するという形になりますけれども、具体的な加工基準は今後の検討ではありますものの、基本的には削除・改変はしないということで、生年月はそのままという形になります。こういった違いが匿名化情報と仮名化情報であるということでございます。
 特に最初に申し上げました申請ごとに同じ値に加工されるという部分ですけれども、5ページ目に、医療の中でもそういった仮名化情報の特性を踏まえまして、仮名化情報を利用・提供を行うメリットといたしまして、同一対象群に関する追加データの取得・解析が可能だということが挙げられております。
 こういったことを障害福祉関係の情報の活用ということに照らし合わせてみますと、6ページ目ですけれども、匿名化情報とは異なりまして、同一個人を将来に向かって長期の時系列で追えるようになる、こういった利点があるというふうに考えてございます。
 具体的には、同一対象群の障害者、または障害児が利用している障害福祉サービス、あるいは障害児のサービスの種類、費用額、経時の変化を見ることができます。年齢が上がるにつれまして、どのようなサービスの需要が高まり、費用額はどう推移するのか。そういったことでございます。
 例の2つ目といたしまして、NDBとの連結を想定いたしますと、例えば、同一対象群の精神障害者に対して提供されている医療サービスによる自立訓練ですとか、就労系のサービスの内容の変化、医療サービスにより利用するサービスの種類がどう変化するのか。そういったものを見ていくことができる。
 あるいは、介護DBとの連結を想定いたしますと、現在、障害福祉サービスのみを利用している方が、将来的に介護保険サービスに移行した際のサービス内容の変化、そうしたものを見ていくことができる。仮名化情報を活用する例としては、こういったものが挙げられます。この点に関しては、障害福祉の様々な政策を検討する上でも非常に重要なものになるのではないかと考えてございます。
 一方で、7ページ目ですけれども、こういった仮名化情報に当たりましては、データベースの管理、保護措置をより強固にしていく必要があると考えております。
 医療も含めました様々なデータベースの中で、データベースの管理、例えば行政機関の長に求められる水準と同等の安全管理の措置を講ずること。あるいは、利用可能な場面を仮名化情報が必要と認められる場合に限定すること。それから、利用に関しましても、Visiting解析環境ということで、ログの活用などによりまして利用者のデータの利用状況を日常的に監視ができる環境の下で利用してもらうこと。そういったことが、他のデータベース仮名化の第三者提供に当たっても検討されているところでございます。
 障害福祉のデータベースにつきましては、こういったことをほかのデータベースと同様に講じつつ、それに加えまして、個別審査をより丁寧に行う旨を記載したガイドライン、公表前の審査時においても匿名化の審査基準を参考にしながら、公表のデータの内容に加えて、利用者の体制も含めて個人の特定につながらないように十分配慮した審査基準をしっかりとつくっていくこと。こういったことを、今後検討していきたいと考えてございます。
 本日、御議論いただきまして、方向性について御了承いただけましたならば、ほかのデータベースと並行してということになりますけれども、必要な準備を進めてまいりたいと考えてございます。
 説明は以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局の説明について、皆様から御質問、御意見がありましたらお願いをいたします。なお、御発言については、できるだけ簡潔にお願いいたします。
 それでは、会場のほうから、御質問のある方はお手を挙げていただければと思います。
 まず、会場から順番にいきたいと思います。それでは、丹羽委員からお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。仮名化情報の第三者提供についてお聞きしたいと思います。
 これについて、匿名性または仮名化は確実に守られるのでしょうか。データから当該個人の情報を元にたどることはあり得ないのかということを、念のため確認したいと思います。
 資料2の7ページ目に、「データ格納時に、それだけで本人の特定が可能となる氏名等の情報を削除するなどの措置を講ずる」とありますが、具体的にはどのように措置を講じるのでしょうか。削除し忘れなどのヒューマンエラーなどは起きないのでしょうか。また、どのような防止策がなされているのかをお聞かせいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○有村部会長 それでは、事務局、お願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 ありがとうございます。
 これは、先ほど御説明させていただきましたとおり、資料2の4ページ目になりますけれども、障害者の情報、障害のデータベースの情報ですけれども、例えば氏名は、基本的には加工された形でデータベースに格納されまして、そういったものの提供をされるということになります。したがって、氏名そのものが何らかの形で外に出るということはないわけであります。
 これに加えまして、様々なデータを合わせて個人が特定できる、そういった形になることを防ぐために、具体的な加工基準は今後検討ということになりますけれども、単体それらの情報を組み合わせて特定の個人を識別できることがないように、そういった情報については削除していくということを、今後、具体的にどういった形でやっていくのかということは検討していくことになります。これは、ほかのデータベースの内容も踏まえまして、検討が進められるということになります。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 日本視覚障害者団体連合の竹下と申します。仮名化によるデータが今後どのように利用されるかというところを、一つ確認させていただきたいと思っています。
 すなわち、障害児に対する障害福祉サービスの利用者が、その後、成人化したときに、障害福祉サービスの利用がどのように変化、あるいは連続性をもって進むのか。先ほど、事務局からあった、障害者が65歳を超えた場合の介護保険へのサービス移行の場合もほぼ同じようなことが言えるわけですが、そういうことを意識した場合に、仮名化されたデータの一体化した流れ、一体化した両方のサービスの提供が必要になるかと思うのですけれども、そういう取扱いは一つの審査において行われるのか、それぞれのデータごとに審査されるのかについて教えていただきたいと思います。
 以上です。
○有村部会長 事務局、お願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 ありがとうございます。企画課長でございます。
 障害福祉のデータに関しましては、障害児、障害者共にデータとしては入っております。したがいまして、今お尋ねがありました障害児から障害者になる、そういった、長期的にどうなっていくかということも、このデータ、仮名化の中で追っていくことが可能ということになります。
 したがいまして、これは研究者の申請によりまして、例えばあるときに障害児であった方が、数年後、どういったサービスを利用するようになっているのか。そういった申請をしていただければ、この仮名化の情報のデータの中で、もちろん審査は必要ですけれども、そういった情報をお出ししていくことになろうかと思います。
 以上ございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。私からは、2点意見を言わせていただければと思っています。
 まず1点目が、このデータベースに関する事前説明を受けた際に、これが障害者のためになると私はお聞きしました。障害者の方のデータを使うわけですから、当然障害をお持ちの方に還元されるべきものだと思っていますので、その点、私は国を信じて前に進めていただければと思っています。
 その1点に続けて、障害領域によっては、いまだに本当に強い差別・偏見がある障害領域があると思っています。具体的に言ってしまえば精神障害領域です。そこに関する情報漏洩については、非常に、危険性というか心配な点というのが正直なところです。
 例えば、間接的に言うと、精神障害が分かると、今、私は居住支援も一緒にやっているのですけれども、精神障害というだけで1物件も紹介してもらえないということが平気であり得ます。具体的な生活の困り事につながってしまう可能性があるので、情報漏洩については十分御検討いただいていると思うのですけれども、御配慮いただければと思います。
 2点目が、精神の立場からで恐縮ですけれども、難病などの特殊なご病気等と、自治体の情報がクロスされるようなデータベースの在り方があり得るのであれば、自治体の住民数が少ないと個人を特定できてしまう可能性があるのではないのかというのが、精神の当事者の立場からは心配があるということで、一つ声が挙がったので御紹介させていただきました。
 以上になります。
○有村部会長 ただいまの御発言は御意見ということで賜れればと思います。ありがとうございます。
 続きまして、伊豫委員、お願いいたします。
○伊豫委員 国際医療福祉大学の伊豫と申します。私からも2点、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目は、仮名化した情報を使用した研究というのは、複数のデータベースを連結できますし、前向きに見えていけるということで、未来の障害福祉行政や、施策や、障害の支援方法、医療の開発に極めて大きく貢献するものだと思っております。私も研究をしてきて、そういったものがなかなかないので非常に少人数を対象にしたものしかできなく、画期的な支援、医療の開発というのは難しかった。それが、データベースを仮名化したもので使えるというのは非常に重要だと思うので、私は、ぜひ推進していただきたいと考えております。
 もう1点は、先ほどから出ております個人情報に関してです。複数のデータベースを連結できるということは、直感的には、マイナンバーに近いレベルでの仮名化が行われる可能性があるので、そうなってくると、複数を結びつけるとマイナンバーにもたどり着いてしまう可能性もゼロではないと思いますので、そこのところの漏れが絶対ないように注意して、そういった形での安全保持を考えていただければと思います。
 以上2点です。
○有村部会長 ありがとうございます。こちらも意見として賜らせていただきます。
 続きまして、小澤委員、お願いいたします。
○小澤委員 筑波大学の小澤です。
 私は、実はこの問題に関しましては専門委員をしておりますけれども、ガイドラインの検討ということで、特に小規模なデータ、あるいは小規模な自治体のありようなど、今、いろいろと検討をしているところでありますので、今日出た御意見を含めて、また専門委員会で議論がされると思います。
 2点目は、メリットの話が資料2の5ページと6ページに出ています。基本的には、いろいろな研究スタイルがあるかと思います。特に障害福祉計画、あるいは障害児福祉計画は、PDCAサイクルを回すことにはなっているのですが、実際にデータで検証するのは非常に困難です。また改めてデータを取り直すというようなことがよく行われるので、そういう点ではこういった形のデータベースを様々な行政施策に反映できれば、その意味での政策の効果とか有効性の評価につながるのではないか。こういったこともメリットとして考えられると思いましたので、これは意見ですけれども追加させていただきました。
 以上です。
○有村部会長 どうもありがとうございます。
 続きまして、加藤委員、お願いいたします。
○加藤委員 全国医療的ケア児者支援協議会の加藤でございます。発言の機会をありがとうございます。
 既にほかの委員の方々からも御指摘の点、かぶる点もあるとは思いますけれども、資料1、2をまたいで1点質問がございます。その上で、意見を述べさせていただけますと幸いです。
 御承知のとおり、医療的ケア児・者の実態把握が非常に難しくて、全国に2万人という医ケア児の推計がございますけれども、これは埼玉医大チームのNDBのデータベース解析に基づく推計値となってございます。障害福祉領域の中でもとりわけ個別性が高く、さらに、少数派でもあるこどもたちの特徴を捉えるためには、医療的ケアの有無や人工呼吸器の有無、障害者手帳の種別といった項目だけでは足りず、デバイスの種類、さらには重複障害を外して実際にどの自治体に何人いるかといったような、分布の細やかなデータを抽出できることが重要となると考えております。
 そこで、お尋ね申し上げます。資料1の匿名化情報による障害福祉データベースでは、医療保険データベース、あるいは介護保険DBとの連結、突合、分析ができるようにならなければ、医療的ケア児・者の実態とか経年推移を拾い出して、ニーズや課題を施策に反映させることは現実的にはかなり難しいのではないかと考えております。
 資料2の3ページ以降、とりわけ6ページでございますが、障害福祉等関連情報の仮名化情報の活用例、ユースケースを拝見いたしますと、NDBや介護DB、電子カルテ情報との連結が想定されております。これが実現すると、日本人全体の保健情報を知る上で大変有益であると同時に、個別性が高く母集団が少ない医療的ケア児・者についても、臨床実態に基づいた長期的な状態像や自治体分布などの実態把握が可能になるのではないかと期待をしておりますけれども、方向性としてこの理解で合っておりますでしょうか。
○有村部会長 御質問ということですので、事務局より御説明をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 ありがとうございます。
 基本的には、今、加藤委員が御質問いただいたようなことが可能となるということでございます。
 連結するに当たりましては、NDB、これは基本的にはレセプト情報ということになります。DBに入っている限りの情報において連結ということにはなりますけれども、ただ、医療のDB、障害福祉のDBを連結させることで、その方々の状態、使っているサービス等々を正確に把握しながら、データの抽出、利用が可能になってくるということだと考えております。
○加藤委員 ありがとうございます。
 その上で、意見を1点簡潔に述べさせていただきます。
 成人の医療的ケア者の実態把握における大きな問題として、小児期からの先天性の医療的ケアの方々と、ALSや事故などの後天的障害、もしくは高齢による在宅酸素療法の開始による方々が、現在、データ上、区別・判別できないという問題がございます。
 令和6年度の臨時の厚労科研費研究において、今まさに医療的ケア者の定義の確立や、調査手法の研究を推し進めていただいている最中ではございますが、個人情報の保護には細心の注意を払った上で、資料2の3ページに記載されているデータ利用手続の一元化によって、障害福祉DB、医療介護DBなどの将来的な連結解析が実現すれば、医療的ケア児の成人後の状態を初めて把握できるようになって、より的確な施策につながるものと大変期待をしております。
 以上、意見でございます。ありがとうございます。
○有村部会長 ありがとうございました。
 陶山委員、お願いいたします。
○陶山委員 日本難病・疾病団体協議会の陶山です。発言の機会をいただきありがとうございます。
 皆さん言われているところではあるのですけれども、第三者への提供に関しましては、匿名であっても、特に人数の少ない希少疾患の患者さんは特定される可能性が大きいので、取扱いには慎重にお願いしたいと思います。また、全体的に行政とか担当者、研究機関に提供することに関しては、障害福祉サービスの充実に貢献できるのであれば提供したいと思っております。
 しかし、資料1の6ページ中ほどにあります、提供される第三者として、「三 民間事業者その他の主務省令で定める者」の括弧のところで、「特定の商品又は役務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く」とありますけれども、今の医学では根治しないような難病ですとか慢性疾患を持った人に、健康食品等の商品を提供している民間業者にこの情報が流れてしまうことがないのかなと、ここをとても危惧しております。
 また、資料2の4ページの図を事前に説明していただいて、匿名化と仮名化の違いを理解することができましたけれども、最初、資料を読んだだけでははっきり理解することができませんでした。国民に周知する場合、データベースに載せると個人が特定されて情報漏洩になってしまうのではないかと誤解されてしまう可能性がありますので、国民には丁寧に説明してほしいなと思います。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。御意見として賜らせていただければと思います。
 吉野委員、お願いいたします。
○吉野委員 全日本ろうあ連盟の吉野です。
 資料2についてですけれども、データベース、第三者への提供について、私から意見を申し上げたいと存じます。
 個人的にこの事業は問題ないと思っております。これは障害福祉サービスだけではなく、介護や医療などと、双方が連携することでデータがしっかりとつながり把握できる、これが支援につながるという部分では大変いい形だと思います。
 懸念事項といたしましては、第三者にデータを渡す中身についてです。仮名の場合は名前を変えて、生年月日も日までは入れないとなっておりますけれども、障害を持つ方は、例えば視覚とか聴覚とか、様々な障害の情報も付記して第三者に渡されるのでしょうか。特に障害には、視覚、聴覚、免疫障害、免疫機能障害、様々な状況の中で、例えば免疫機能障害と記載した情報が、第三者にそのまま渡されてしまうのかどうか、データの提供の仕方を確認したいと思います。
 2つ目、めったにないことだと思いますが、例えば障害者の方々が犯罪に加担して逮捕された場合に、個人情報を提供するよう自治体に求められることがあると思いますが、そういった請求があったときの対応方法を確認したいです。
 このデータベースが活用されてしまう可能性もあるのですが、そのときの情報提供はどこからどこまでになるのか、判断は誰がされるのか。こういったところがルール化されないと自治体によってばらつきが生じてしまう可能性があります。そのためしっかりと通達があったほうがよいのではないかと思います。このような請求があったときにどのような部署が担当し、誰がこれを管理し、許可していくのか、本人の許可を取らないでやるのか。そういったことをルール化していくということも確認していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○有村部会長 それでは、質問を含んでおりましたので、事務局より御説明をお願いします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 今のお尋ねに関しまして、これは提供されるデータの内容、どういったものかということだったかと思います。資料を御覧になれる方は、8ページ目を御覧になりながらお聞きいただければと思いますけれども、障害福祉データベースの中に入っているデータにつきましては、一つは、サービスの利用に関する給付費の明細書の情報、いわゆるレセプトの情報ということになります。
 そして、もう一つ大きなものといたしましては、障害支援区分の認定情報、これは市町村が有しているデータをデータベースとして集めているものになりますけれども、障害支援区分の認定の際にチェックした項目に関しましては、このデータベースの中で取っていくことが可能になります。当然審査は入りますけれども、それを踏まえて提供していくことが可能になるということでございます。
 2点目、犯罪等々との関連でありますけれども、このデータベースを提供するに当たりまして、名前に関しましては、御説明させていただきましたとおり加工された上で提供されることになりますので、個人が、何かそのほかの犯罪等の情報と結び合わせられるという形での使われ方、使用の仕方というものは想定されないということになります。
 以上でございます。
○有村部会長 御説明ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました。オンラインで御参加の安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会の安藤です。
 情報管理システムのデータベース化の件ですが、総論としては賛成です。ぜひやっていただきたいと思っています。理由としては、人口が減少している中、業務効率を上げていかないと、このサービス水準が維持されないのではないかという不安があります。ぜひ、むだなところは省いてサービス向上に注力していただきたいと思っています。
 一方で、当事者からは、大変懸念の声が挙がっています。例えば、このデータベースで平準化が起きて、突出した自治体はサービス水準が減らされてしまうのではないか、低くなってしまうのではないかといった懸念の声もあります。ですので、導入に当たっては、丁寧なアナウンスとサービス水準の低下を招かないように、きちんとアナウンスをしていただいて始めていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○有村部会長 ただいまの御発言は、御意見として賜らせていただければと思います。ありがとうございます。
 続きまして、河野委員、お願いいたします。
○河野委員 JPAの河野です。先ほど、当会の陶山が意見を述べたとおり、個人情報に関して、特定できないようにしっかりそこのところはしていただきたいということ。
 あと、この件については大賛成としているのですが、なぜかと言いますと、我々難病は障害者として最近になって加わったことで、障害福祉サービスについて、利用されているというデータが、昨年少し出てきましたが、なかなか分からないということで、こういう形でしっかりと難病データベースとか障害のデータベースでリンクして、私たちがどういう福祉サービスを利用しているか、それとも、案外と障害福祉サービスが難病患者に合っていないのではないかということで、新しいサービスが必要なのではないかということも考えられますので、そういうことを含めて我々としては期待をしております。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、清水委員、お願いいたします。
○清水委員 国立障害者リハビリテーションセンター病院で眼科医をしています、清水といいます。
 私は1点確認というか、聞き漏らしていたら申し訳ないのですけれども、こういうデータベースをつくるときは、つくったら安心してしまって、しばらく何も更新されないということを経験することがあるのですけれども、現段階でどのぐらいのペースで更新をしていかれるのか。例えば、私の領域でいくと、視覚障害の方で手帳5級を持っていたけれども、病気の進行等で2級になったとか、そういうこともしばしば経験します。生きたような形でデータベースを活用していくには、そういう視点も重要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○有村部会長 それでは、事務局より回答をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 先ほど、データの内容について御説明をさせていただきましたけれども、障害福祉のデータは、レセプト、障害福祉サービスなどを利用したときの請求の情報が一つになります。これは、利用するごとに毎月請求がなされますので、自動的に毎月、その月、その月のデータが格納されていくということになります。
 もう一つは、障害支援区分の認定に関する情報ということになります。これは認定に関する情報でありますので、その方が認定を受けたとき、あるいは、何らかの状況で認定区分が変わるとき、そういったときの情報がそのつどこのデータベースの中に入っていくことになります。そういった形で更新がされていくということでございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、白江委員、お願いいたします。
○白江委員 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。私からは、1点質問と、1点意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず質問ですけれども、審査委員会の在り方といいますか、メンバー構成であったり、他のデータベースとの関係であったり、また、審査基準、判断基準なども当然つくられていくと思うのですが、その辺りの見通しについて教えていただきたいと思います。
 意見としましては、先ほど来、出ているのですけれども、連結が増えれば増えるほど、また、データとしての項目が増えれば増えるほど、個人の特定が可能になってくるかなと思います。これはやむを得ない部分もあるのかもしれませんけれども、そういったことも含めて個人情報が漏れないようなさらなる対策を、ぜひ検討を重ねていっていただきたいと思います。
 矛盾する言い方になりますけれども、データベースの連結が増えたり、項目が増えれば、利活用する意味も増えてくるとは思うのですが、その辺りがジレンマとしてあると思いますので、ぜひ、検討を進めるに当たってよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、質問がありましたので、事務局より御回答をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 審査の体制についてという御質問だったかと思います。これは、既に最初御説明させていただきました匿名化の情報については、専門委員会ということでスタートさせていただいております。資料1の2ページ目、説明の中では飛ばしてしまった資料ですけれども、この中に匿名情報の提供に関する専門委員会の名簿を載せさせていただいております。
 全体で8名の方に委員になっていただいておりまして、基本的には医療介護のデータベースのほうの専門委員もされていて、こういった審査に、知見、経験を有されている方と、この部会の委員の方にも入っていただいておりますけれども、障害児あるいは障害者の分野の専門家の方、こういった方々の体制で今検討を進めております。
 まず、匿名化のほうについては、この専門委員会の中でガイドライン、模擬審査を経て、スタートすることになります。仮名化につきましては、いずれにしましても今後のことになりますので、体制についてはまだ確定的なことを申し上げられる段階ではありませんけれども、障害のデータベースに関する匿名化の専門委員会の状況、それから、仮名化に関するほかのデータベースの状況、そういったことも踏まえまして、しっかりとした審査ができる体制を考えていく必要があろうかと思っております。
 その際には、これは匿名化のときも同様でありますけれども、資料の中にも入れさせていただいているように、ほかのデータベースと並びの管理、あるいは安全性の確保に加えまして、障害福祉データベースに関する事項といたしまして、個人の特定につながらないように十分配慮した体制、こういったことがしっかりと審査の中でできていく。そういった形の体制を取っていくということを考えているところでございます。
 以上でございます。
○白江委員 ありがとうございました。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。国立精神・神経医療研究センターの藤井でございます。
 私は専門委員会の委員も務めさせていただいております。もう既に多くの委員の皆様方がおっしゃっていたので繰り返しになってしまうのですけれども、私自身は障害福祉データベースの仮名化情報第三者提供につきましては、ぜひ進めていただきたいと考えている立場です。
 現在、医療福祉介護連携で包括的なケアを提供することが望ましいと言われているわけですから、よりよい支援体制の構築を目指す上では、それぞれのサービスを別々に分析するのではなくて、連結した上で縦断的に分析することが望ましいというのは、これは言うまでもないことかなと思います。
 私は精神の領域の研究をしておりますけれども、例えば精神障害の方に関していえば、退院した後の障害福祉サービスの利用状況と、その後の医療サービスの医療状況の関連を確認したり、病名ごとの医療介護福祉の長期的な利用状況と、あと、将来の疾病構造の変化などを踏まえて、将来的なサービスの需要を推定して、より患者さん、利用者さんのニーズに適した資源配置を検討するといったことなど、様々な活用方法が考えられると思います。
 もちろん仮名化したデータを活用できるようになったからといって、全てがそれでクリアになるわけではなくて、様々な限界はあると思います。実際には、より詳細な分析や研究が必要な場合も多いと思うのですけれども、その場合であっても、ビッグデータで全体を把握した上で、より詳細な研究調査が必要な課題は何かというのを絞り込んでいくという、そういうこともできますので、より精緻な研究ができるのではないかと期待しています。
 もちろん多くの委員の皆さんが指摘されたように、個人情報保護の観点などから、あとは法的側面だけではなくて倫理的な妥当性というものをクリアしなければいけないのは言うまでもないことで、その点は専門家の意見も伺った上で、しっかりガイドラインを策定していくことが重要であるという認識でおります。
 万が一、ガイドラインが遵守されなかった場合の事後対応であるとか罰則規定、そういう細部についてもこれから定めていくものと認識しておりますけれども、そういう管理、保護措置をしっかり取った上で、せっかく構築されたデータベースですので、それが当事者の方にとってより望ましいサービスにつながるように、しっかり体制を整えていく必要があると考えております。
 以上です。
○有村部会長 御意見として承らせていただきます。
 続きまして、小﨑委員、お願いいたします。
○小﨑委員 全国肢体不自由施設運営協議会の小﨑です。質問が1点と意見が2点になります。
 まず、質問ですが、今回、取り上げられている2つの匿名化されたデータベースと仮名化されたデータベース、使う目的が違うということも理解したのですが、使い分けに関するガイドラインのようなものを、今後、策定を想定されているのかということと、あと、そういったものについて、例えば申請に対して審査会がこちらのデータベースを使ったほうがいいよといったような、助言機能的なものを持たせるといった考えがあるかということが1点です。
 意見としては、今まで多くの委員の方がおっしゃっていたように、患者数が1桁、2桁レベルといった非常に希少な疾患の場合には、個人特定が容易になされる可能性があるので、そういったものに対する対策も十分に取っていく必要があると思います。
 他方で、特に仮名化情報データベースは、様々な障害状況にあるこどもと家族の支援状況を捉えることができるビッグデータということで、重要だと思っています。非常に複雑だなというのは現場で感じていますが、例えば、今後AIを使って類型化などが行えると、そういった研究成果の還元を通して、人材育成の面でも役立つ可能性があるのではないかという期待を持っております。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。御質問をいただきましたので、事務局より回答をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 今、御質問いただきましたのは、匿名化、仮名化の使い分けということだったかと思います。
 まず、使い分けのガイドラインのようなものが考えられるかということであります。資料2の7ページ目を御覧になっていただければと思うのですけれども、仮名化情報の利用の場面について、「基本的には仮名化情報が必要と認められる場合に限定する」という形になっております。したがいまして、申請をいただいた調査分析の内容が匿名化情報の利用で十分その分析が可能である場合には、基本的には匿名化情報を利用していただく。仮名化情報については、まさに仮名化情報が必要と認められる場合に利用する。こういった形が基本になるということでございます。
 それを踏まえまして、審査会の中で、匿名化、仮名化のどちらか助言をしていただくようなことはあるのですかということだったかと思います。これは審査の内容ということになりますので、今後、検討ということにはなろうかと思いますが、こういった情報の活用の趣旨から考えますと、例えば仮名化情報の利用ということで調査分析の申請が提出されましても、「匿名化情報の分析で可能ではないですか」という助言を匿名化情報の審査のほうでやっていただく。そういったことは十分考えられるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○有村部会長 御回答ありがとうございました。
 続きまして、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 日本発達障害ネットワーク、JDDnetの小林です。よろしくお願いします。3つ、感想、意見といった感じでお願いします。
 1つ目ですが、我がJDDnetは研究者と当事者が混在しているネットワークです。今回の話で、どんなふうにみんなが考えているのかということは様々です。まず、研究者側の意見ですけれども、先ほど、小阪委員がお話しされていたところで、逆に研究者側としては、情報を受け取るの研究者側も義務の程度が分かるように、そして、何が利用可能なのかということのレベル分けがあるととてもありがたいという話をしておりましたが、今、本後課長の話から、その部分が少し明確になったのかなと思いながらお話を伺っていたところです。これが1つ目です。
 2つ目ですが、先ほど藤井委員がおっしゃられていた、ビッグデータ化されることで様々な情報が連結して、そして、分析可能になるので、精緻な解釈というか、政策にも反映しやすいだろうなということが分かりました。一方で、安藤委員がおっしゃっておられたと思うのですが、量的分析が主になるビッグデータだと思いますので、そうなると平準化されやすくて、平準化されているところに関して量的なところだけ見てしまう可能性があるとなると、質的なものが見落とされがちになって、そこがきちんとした施策に反映されるのかというのが懸念事項です。
 3つ目ですけれども、システムの管理に関しては十分考えられ始めて、方向性が示されているようですが、医療介護関係のデータベースのシステムをつくっていらっしゃるほうが少し優先というか、先に進められているようなので、それとタイアップするというか、くっついていく形になったときに、システムを統括するシステムというか、統括するものが必要になるということも当然話し合われていると思いますけれども、今後、専門委員会の中で、討議の一つの中で話題にしていただけるとありがたいなということを、JDDnetとしては意見としてお話しさせていただきました。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。感想と、主に御意見ということで承らせていただきます。
 続きまして、渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺と申します。確認が1点と意見を2つ、申し上げたいと思います。
 確認したいのは、これは国のデータベースなので、仮名加工をしたデータであっても同意とかオプトアウトは一切必要なくて、仮名加工を第三者提供できるはずですよねという確認が一つ。
 意見としましては、先ほどから委員の先生方がお話しなさっておられるように、匿名化と仮名化のリスクとベネフィットが十分理解されておられないような気がいたします。データを利用する方々が賛成というのは当然のことで、ベネフィットしかないわけですけれども、データを利用される側の方々には、周知ではなく、国民に理解していただくということが本来必要だろうと思います。
 それから、仮名化の程度を今後検討するということですけれども、本来、障害の種類によっても仮名化のレベルというのは考慮するべきです。もう一つは、ほかのデータベースでも同じような協議をしているのですが、横の連携を全くせずに、例えば障害福祉データベースは障害福祉データベースで仮名加工のレベルを決めるのかという辺りは、何となく行政として曖昧なところがあります。
 先ほど、課長が「今後、検討します」とおっしゃったのですが、本来は、そういう方針を示された上でなければ、仮名加工のレベルは議論できないのではないかと思います。ある程度の方針を示されないと、「仮名加工がいいですよね」という議論は、本来するべきではないのではないかと思います。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問がありましたので、事務局より御説明をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 ありがとうございます。
 御質問いただいた点に関しましては、このデータベースに入っている情報の利用に関して、あらかじめオプトアウトのような形で、御本人の同意を得ることが必要であるかどうかということだったかと思います。これは、今、渡辺委員が確認ということでおっしゃられましたとおり、国のデータベースということでありますので、そういった同意、あるいはオプトアウトということは必要ないということでございます。
 それから、3番目に御指摘をいただきました仮名化に関して、そのデータ、個人の特定につながらないように記述を削除等々をする。この具体的な基準を示すべきではないかという御指摘は、承りたいと思います。仮名化情報を考えるに当たりまして、現段階では確かに様々なケース、どういった形でお示しをするかというところまで具体的に提示できる段階にはなっておりませんけれども、基本的な考え方といたしまして、ここに記載をさせていただいております。
 具体的な加工基準、この情報の中で、単体または組み合わせにより特定の個人を識別することができる記述については削除が必要。こういったことを基本的な考え方といたしまして、具体的、詳細に、どういった場合にどういった適用の仕方をするのか、あるいは基準をどう考えていくのかということについては、ほかのデータベースの状況等々も十分に踏まえながら検討していきたいと考えてございます。
 御指摘ありがとうございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 お待たせしました。櫻木委員、お願いいたします。
○櫻井議員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 資料2の6ページにありますように、仮名化情報を活用するということで、かなりいろいろなことが期待できると考えます。例えば、NDBのデータと連結するということを考えれば、医療サービスと障害福祉サービス、これがうまく連携がもっとできるようになるのではないかと考えて期待をしています。
 ただ、その前提として、いわゆる電子カルテの情報、「3文書6情報」とありますけれども、この電子カルテが、いろいろなシステムが林立していて標準化できていないという現実があります。3文書6情報に限って標準化していこうということで進んでいるとは思いますけれども、なかなかそこのところが円滑に進んでいない状況なのだろうと思います。その方面からのことがうまく進まないと、このことは絵に描いた餅になるのではないかということですので、厚生労働省全体としてその辺の取組をお願いしたいと思います。
 それから、同じ資料2の9ページに、いろいろなデータベースが挙げてあります。よく知られたところで言えばNDB、これは診療報酬の改定のときにも非常に有用な情報が得られるということですけれども、今後、障害福祉データベースを活用して、障害福祉サービスの改定のときに活用する方向で進んでいるのかどうかということと、それをするために、どういうふうに連結をしていくかということが、「未定」というふうに表の中にはあるのですけれども、今後、その辺の連結をどういうふうに考えておられるのかということについて、教えていただければと思います。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。ありがとうございます。
 障害福祉データベースと障害福祉の報酬の改定の際にどう活用していくかということにつきましては、現段階では、こうしなければいけないという方針が具体的にあるわけではございません。障害福祉のデータベース仮名化が実際に制度になりましてスタートする段階、そういった状況を踏まえながら、今後検討していくことになろうかと考えております。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 続きまして、本日御欠席されております山本(則)委員より、御意見を承っております。事務局から御紹介いただければと思います。よろしくお願いします。
○小野障害児支援課長 事務局、障害児支援課長でございます。山本(則)委員から意見を預かっておりますので、読み上げさせていただきます。
 障害福祉サービスデータベースにおける第三者提供について、大きく2点意見をいたします。
 1点目、障害福祉サービスデータベースにおける第三者提供について、国では専門委員会やワーキンググループなどを立ち上げ様々に議論が進められていますが、個人情報を含む重要情報の利活用に関しては、情報漏洩や不正利用など、当該個人への不利益となる事象を防ぐことが特に重要です。
 そのため、情報活用のメリットだけでなく、実際の運用にはリスクがあることを前提に、十分な検討を重ねることが重要であります。特に起こりうるリスク、事象を洗い出し、対策をあらかじめ検討しておく必要があると考えます。これを踏まえ、議論を進めていただきたいと思います。
 2点目です。障害福祉サービスデータベースの利活用には、特に希少難病や遺伝性疾患など、個人の特定につながる可能性があるなど権利擁護の観点から懸念があるため、当事者の目線での議論も踏まえる必要があるのではないかと考えます。今後の検討過程において、当事者の目線での御意見、懸念への対応を担保するための方策を御検討いただいているようでしたら、教えていただきたいと思います。
 また、今回お示しいただいた資料の中で、今後検討、引き続き検討とされている部分、例えば資料2の4ページ、具体的な加工基準などや、今後の運用の段階の個別審査をどのように行うのか、専門委員会にて行うのかについては、具体的な検討を進めていただく必要があると考えますため、その詳細に関して明示くださいますようよろしくお願いいたします。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 質問が含まれておりましたので、こちらも事務局より御説明お願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 今の山本(則)委員の2点目であったかと思います。これは、先ほど渡辺委員から御質問いただいた内容と重なる部分があると思っております。資料2の4ページ目、「具体的な加工基準については今後検討」というところでありますけれども、情報の中で、単体または組み合わせにより、特定の個人を識別できる記述については削除していく。どういった形で削除していくのかということについての基準は、今後検討するということになっております。
 これは障害のデータベースのみならず、ほかのデータベースにおいても同じ、並行して検討ということになろうかと思います。どういったケース、どういった情報、そういった様々な検討があると思いますけれども、ほかのデータベースにおける検討と併せまして、障害福祉のデータベースにおいてもどういったことを考えるべきかということを、今後ここに書かせていただいている「特定の個人を識別できる記述については削除が必要である」、こういった基本的な考え方に基づいて、検討していくということになろうかと思います。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに委員の皆様から御意見、御質問、ございませんでしょうか。
 それでは、米川参考人、どうぞよろしくお願いします。
○米川参考人 本来でしたら、北川先生がいらっしゃってこちらで御発言されるのだろうとは思うのですけれども、参考人という形で、日本知的障害者福祉協会の児童発達のほうでやらせてもらっている米川でございます。
 縷々お聞きをさせていただいて思っておりますのが、仮名化情報をする段階です。私は、どちらかというと就学前のこどもさんたちの発達支援をやらせてもらっているのですけれども、障害児と申しましても、気になるお子さんであったり、集団になじみにくいお子さん、そして障害のあるお子さんであったり、どの時点で仮名化をされるかというところ。
 もう一つは、最近、保護者の受容というものが、ある意味、児童発達を受けさせるというところで、セルフプランの申請をされて受ける保護者の方が今非常に多くなっています。でも、ある意味、もう少し様子を見たほうがいいよね、もう少しゆっくりと育てたほうがいいよね。そういうお母さんたちもいらっしゃいますし、専門家の方も、もう少し待ったほうがいいのではないかと。就学前のこどもさんたちの仮名化情報というものを、どういう段階で、どういう状態でされるかというところをお聞かせいただけるとありがたいと思います。
 ありがとうございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 御質問がありましたので、事務局より御回答をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 ありがとうございます。企画課長でございます。
 障害福祉の仮名化に関しまして、これは匿名化についても同じであると思います。データベースに入っているデータということで言いますと、就学前ということでありますと障害児のサービスを利用されたときに、利用した請求の情報がこのデータベースの中に入っていくということになります。したがいまして、匿名化にしましても、仮名化にしましても、データベースの中で第三者提供という形で、利用ができる情報は、請求情報がある段階以降ということになります。
 今、参考人から御質問いただきました内容を確実に理解できているか分かりませんけれども、まだサービスを利用していない段階、様々気になる段階、自治体が把握している段階、そういった段階からのデータが、このデータベースの中に含まれているわけではないものですから、利用する前の段階から、利用し始めたときの段階、ここの研究をどうするかというのは、データベースの中だけだとなかなか十分に分析しきれないということもあろうかと思います。そういった点に関しての分析方法というのは、また様々御意見をいただきながら研究していく必要があろうかと思っております。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 それでは、ただいま委員の先生方から御意見を踏まえて、事務局の案で準備を進めていただければと思います。
 続いて、議事の2に移ります。資料3、4について、事務局から説明をお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長をしております、伊藤と申します。どうぞよろしくお願いします。
 資料3を御覧ください。
 「同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について」ということで、本日、御審議をお願いしたい事項でございます。
 1ページをお願いします。
 1ページは前提となる情報ですが、同行援護従業者養成研修というのがございまして、一般課程と応用課程の2段階になっています。ちなみに昨年、令和5年6月23日の障害者部会において御議論いただきまして、令和7年の4月からカリキュラムの見直しが行われるということになっております。
 2ページをお願いします。
 今回の御提案は、同行援護のサービス提供責任者の要件についてですが、現行の要件は真ん中の青の四角で囲ってあるところで、次の(1)又は(2)を満たすものということで、(1)はさらに①及び②の要件を満たすものと、これが現行でございます。
 こういった状況に関して、同行援護の事業者様等から御意見をいただいているのが下半分の○のところですが、同行援護のサービス提供責任者がやむを得ない事由により欠如した場合など、介護福祉士等の人材確保が困難で代替職員を確保できず、サービス提供の継続が難しい場合があると。
 もう一つは、一般課程を修了して同行援護に従事されている方は、視覚障害者・児に対する外出支援を専門に行われておりまして、このうち同行援護の支援に一定の経験を積んだ方については十分な支援技術があると考えられるということで、これまでの現行要件の介護福祉士等の資格と同様に、応用課程の研修を受けることでサービス提供責任者としての業務が遂行できるのではないか。すなわち、現在の要件と比べても同等の質的な担保があるのではないかというような御意見をいただいているということでございます。
 こういった声を踏まえまして、3ページをお願いします。今回、御提案させていただいている対応(案)ということです。
 同行援護の質の向上を図るとともに、サービス提供責任者の人材確保を図るためということで、令和7年4月から一般課程を修了した方についても、視覚障害者等の介護の実務経験を積んでいることを条件としまして、サービス提供責任者に従事できるように要件を改正してはどうかと考えております。
 具体的には、①一般課程を修了した方で3年以上視覚障害者の介護等の業務に従事した方が、②応用課程を修了した場合にサービス提供責任者の要件に追加してはどうかという御提案でありまして、御審議をお願いしたいと思います。
 最後に、参考資料を少し御紹介させてください。4ページをお願いします。
 これは現行の訪問系サービスの資格要件をまとめた表ですが、今回、見ていただきたいのは赤枠のところです。同行援護のサービス提供責任者の、今でいうと⑨のところです。一般課程修了者のところが×になっていますが、ここを実務要件を課して○にしてはどうかという御提案でございます。
 ちなみに、その右の行動援護のサービス提供責任者の⑫のところですが、行動援護の従業者養成研修というのがあるのですが、こちらは既に「○(実務3年)」となっていますので、同じようにしてはどうかという御提案になります。
 5ページをお願いします。
 5ページは、「訪問系サービスの資格別の人員配置の状況」ですが、色が付いているところで、同行援護につきましては、今回の御提案に関しまして、養成研修の終了者は全体の15%ほど従事していらっしゃるというデータになっております。
 最後に6ページです。
 こちらは、「訪問系サービス1事業所当たりの人員配置の状況」です。今回のサービス提供責任者で言いますと、少しの差ではありますが、4つのサービスで見ますと同行援護の配置状況というのは一番低いという実態になってございます。
 私からの説明は以上です。
○有村部会長 続きまして、資料4につきまして、御説明をお願いいたします。
○羽野地域生活・発達障害支援室長 厚生労働省地域生活・発達障害支援室長の羽野のほうから、資料4を御説明したいと思います。株式会社恵についてでございます。
 株式会社恵、障害者グループホームを中心に運営している会社でございます。こちらにつきましては、障害者部会では今年の7月に御報告をさせていただきましたけれども、取消処分を受けまして、連座制の適用を厚生労働省として判断したということを御報告させていただいたところでございます。これにつきまして、その後の状況について御報告をしたいと思います。
 資料としては2枚になっております。プレスリリースを2つお付けしております。
 1ページ、8月2日付のプレスリリースでございます。1番のところにございますけれども、株式会社恵が運営する事業所につきましては、全体としては一括での事業譲渡を行う方針であるということ。ただし、10月までに運営ができなくなる事業所が3か所ございます。いずれも愛知県内の事業所ですけれども、そちらについては個別の譲渡を前提に対応を検討することとなっております。
 プレスリリース8月時点では検討するとしておりますが、その後、状況の更新といたしましては、愛知県内にある、ある介護事業を運営する会社に個別の事業譲渡が行われたというような状況でございます。その後も、運営が円滑に引き継がれているという報告を愛知県、名古屋市から受けております。
 なお、こちらの資料にはございませんけれども、この8月に障害児通所支援についても状況の動きがありました。今年の8月に名古屋市内に同社が運営している障害児通所支援事業所についても不請求などが発覚いたしまして、名古屋市が指定取消を行っています。
 実は、連座制の適用自体は法律によって分かれておりますので、厚生労働省が先日判断をした連座制は、障害者総合支援法に基づく連座制の判断になりますが、障害児通所支援につきましては児童福祉法になりますので、そちらについては別の制度ということになります。その上で、障害児通所支援につきましては、名古屋市内にとどまる3か所ということになりますので、この場合は、連座制の判断主体は名古屋市になりまして、名古屋市が連座制の適用を、障害児通所支援についても行ったという状況がございます。
 今回の事業譲渡の検討につきましては、先ほど申し上げたグループホームの検討と併せて、障害児通所支援についても事業譲渡を一括して検討がされていると、そういう状況でございます。
 その上で、1ページの2番目ですけれども、厚生労働省として行政指導を行いましたということでありまして、指定取消日以降も希望する利用者の方々がいらっしゃれば、転居することなく継続的に障害福祉サービスができるように、速やかに調整を行うようにということで厚生労働省から指導を行いました。
 続きまして、2ページ目を御覧いただければと思います。
 2ページは、9月12日付のプレスリリースになります。
 1番目のところは、年内の譲渡の調整をしていますということで、同じような情報でございます。
 2番目、「株式会社恵のアドバイザーについて」というところでございますが、一括譲渡の譲渡先を検討するに当たりましては、障害福祉の観点からも検討を行うことが必要であると考えております。譲渡先が経営上の観点のみで判断されるのは、厚生労働省としても適切ではないと考えていますので、障害福祉の観点からも検討されるべきということで、福祉の専門家の意見を求めるべきであるということを厚生労働省から恵に対して指導したところでございます。
 それに基づきまして、厚生労働省のほうから3名の専門家の方々にお願いをして、同社のアドバイザーに就任いただくということをお願いし、実際に就任いただきましたという御報告でございます。
 お名前をここに掲載しておりますが、筑波大学の小澤先生、それから、日本相談支援専門員協会の冨岡代表理事、同協会の吉田事務局長、いずれもこの部会に御出席されている3名の方々でございますが、大変お世話になっておりますけれども、そういったアドバイザーの方々の御助言もいただきながら、利用者に引き続き適切なサービスが提供されるようにということで、まだ年内譲渡に向けての調整中という段階でございますが、調整を行っていきたいと考えております。
 以上、御報告になります。
○有村部会長 ありがとうございます。
 ただいま、資料3、資料4を御説明いただきましたけれども、皆様から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。御発言につきましては、できるだけ簡潔にお願いします。まずは会場のほうからいきたいと思います。
 それでは、丹羽委員、お願いいたします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 資料4に関連して、日中サービス支援型グループホームは協議会で評価を受けることになっています。しかし、評価の方法など地域によって様々ですし、実際に書面を見てチェック表などを活用したとしても、評価後、どのように扱ったらよいか分からないという声も聴きます。
 また、来年度から地域連携推進会議の設置が義務化されていますが、チェックリスト等を使用して運営体制を管理するという目で、地域住民が参加することへの責任と関係性の構築が難しいという声も出始めています。本来的には、グループホームの入居者が日常的に地域住民とつながりを持ち、知り合い、困っているときのちょっとした手助けや、地域住民としての役割に自然に参加する土壌づくりに、地域連携推進会議の重要な意義があると考えます。
 一方で、今回の事件は協議会などでもかなり前から問題をキャッチしていながら、そこに立ち入る機能や権限の行使の弱さに課題もあったと考えます。このグループホームを巡る外部評価、監督の役割の整理を明確に示し、しっかり機能していけるよう通知を出すことにとどまらない周知徹底を図っていただきたいと思います。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。御意見として賜らせていただきます。
 続きまして、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 日視連の竹下です。資料3について意見を申し上げます。
 結論としては、今回のサービス提供責任者の要件を実態に合わせ、あるいは、事業所の運営に大きな壁となっている部分が解決できると思いますので、非常に歓迎しております。この内容で速やかに実施していただきたいと思っております。
 その上で、2点申し上げます。
 昨年の告示改定で、同行援護従事者の養成研修のカリキュラムが変わりました。それによって、これまで以上に質の高いガイドヘルパーが養成されてくるものと期待しております。カリキュラム改定に伴うテキストの作成もほぼ決まったようで、来年1月に発行できるとお聞きしております。そうした状況を踏まえて、来年4月から、より質の高いガイドヘルパーが養成されるよう、自治体に十分な周知徹底を図っていただきたいと思っております。
 2点目であります。
 資料3に基づく改定は非常にありがたいというか、これまで、特に介護福祉士の資格を持った方のサ責を確保するのは非常に現場では困難だったようであります。それに対して、同行援護事業に従事した方が3年以上実績を持っているというのは、非常に密度の高い実績を積んだ方であるわけであります。
 そういう方は、サービス提供の管理をしていく上で非常に的確な能力を持ち合わせているということがこれまでにも各事業所から報告されている状況を踏まえますと、この改定内容を十分に生かされた形で事業所の運営が、今までサ責任を確保できないために事業所を閉鎖したところが幾つもあるわけですが、そういうことがないように継続性が確保されて、各地で視覚障害者の外出が保障されていくことを強くお願いしたいと思っております。
 以上です。
○有村部会長 御意見として賜れればと思います。ありがとうございます。
 続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
○佐々木委員 全国手をつなぐ育成会連合会の佐々木でございます。
 踏み込んで行政指導していただいたことに、大変感謝しております。ただ、先ほど丹羽委員からもお話がありましたけれども、今回の問題は極めて構造的なものであったと認識しております。日中サービス支援型グループホームは、地域の協議会に毎年運営状況を報告されていたはずでありまして、市町村として運営改善に乗り出すチャンスはあったのではないかと推察いたします。
 また、ほかの入所施設やグループホームで断られた強度行動障害のある人や、医療的ケアのある人たちが、このふわふわを最後の砦として利用していたケースは多数あると聞いております。実際、私の地元の会員さんも、他県のふわふわにお願いして入りましたけれども、2年間の間に同じ恵さんが運営しているグループホーム、3か所に移動したと聞いております。でも、お母様は高齢のために自宅に戻すことはできず、大変心配しながらもずっと利用を続けていたということでした。
 ですので、これから自治体が重度障害者の支援のことを主体的に考えていただいて、全ての利用者さんが暮らしの場を失われるようなことがないように、国からも各自治体に、強く、強く御指導いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○有村部会長 御意見ありがとうございます。
 それでは、続きまして、大胡田委員、お願いいたします。
○大胡田委員 日本視覚障害者団体連合の大胡田でございます。
 まず、資料3に関してでございます。
 同行援護のサービス提供責任者の要件緩和ですが、これについては賛成でございますが、1点質問がございます。実務経験3年ということなのですが、同行援護の従事者には、月に1回か2回従事する者から、毎日のようにやっている者、たくさんいるわけですけれども、実務経験3年の濃淡といいましょうか、どの程度を考えていらっしゃるのかということをお聞きしたいというのが御質問です。
 もう一つは意見ですが、資料4に関するものでございます。恵の件でございますが、残りの101か所ほどの事業所を、一括して譲渡を検討されていると聞いています。経営上の判断があるのかもしれませんけれども、そうすると、全国展開をしている大手企業しかないと思います。そうではなくて、地域の実情に根ざした中小規模の事業者に譲渡するということも考えていったほうが、結局、利用者にとってはいいことがあるのではないかと思います。アドバイザーの先生方が大変丁寧に見てくださっていると思いますけれども、一括譲渡に拘泥する必要はないのではないかというのが意見でございます。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局より御発言をお願いしてよろしいでしょうか。
○羽野地域生活・発達障害支援室長 ありがとうございます。
 先に、資料4の恵の関係で御意見をいただきましたので、そのことを少しだけコメントさせていただきたいと思います。御意見ありがとうございます。
 我々としても、一番大事なのは質の高いサービスが引き続き利用者さんに、できれば転居することなく適切に提供される体制をつくっていくことが重要でございますので、一括でないといけないということに、もちろんこだわっているものではございません。
 ただ、安定的に事業運営ができるところに、できる限り速やかに移していきたいという思いはございますので、その過程の中で、当然企業の判断もありますから、恵側の意向も聴きながら利用者のためにできる限りの調整をしていく。今のところの調整としてはそのようにしておりますというところでございます。
 もちろん、話がまとまりましたら、皆様に速やかに御報告、公表していきたいと思っておりますが、まだその段階には至っておりませんので、調整をしていく中において、可能性を排除することなく、柔軟に検討しながらアドバイザーの皆様にも御意見をいただきながらやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長です。3年のカウントの仕方ということです。
 先ほど4ページで御紹介したとおり、これまでも実務経験の何年という要件がございまして、そちらのルールと基本的に同じになってくると思いますが、これまでは、その期間のうち約半分ぐらい従事しているとみなしているので、3年ですと、1年半ぐらい現に就労しているかどうかというのが、一応この期間従事しているということの考え方になっております。今回も基本的には同じと考えております。
○有村部会長 大胡田委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 続きまして、山本委員、お願いいたします。
○山本(圭)委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の山本と申します。御説明ありがとうございました。
 資料4について意見を申し上げます。御助言いただきましたアドバイザーの先生方、そして、御対応いただきました行政や関係の皆様に感謝したいと思います。
 「株式会社 恵」の問題について、グループホームで暮らす障害者が行き場をなくすことのないよう、自治体と連携しながら御対応いただいたと伺っておりますが、先ほど、佐々木委員からもありましたとおり、環境の変化に敏感な利用者にとってやはり大きな負担だったことと思います。利用者やその家族が、これ以上大変な思いをされることのないよう、引き続き丁寧な御対応をお願いいたします。
 現在、重症心身障害や医療的ケアのある方を対象にしたグループホームを先駆的に取り組んでいるところが幾つか出てきています。こうした方たちの生活の場の選択肢が広がったという意味では、親たちも期待を寄せているところです。しかし、中には営利目的だけで参入してきているのではないかと思われるところもあり、どのように支援の質を担保するか、人員確保や医療との連携、研修体制の充実などが課題となっています。
 また、一部には、濃厚な医療が必要になると退所を余儀なくされたり、土日は自宅に帰されるところもあると伺っていますが、親が高齢になると自宅での介護には限界があります。例えば、体調が不安定な間や土日はショートステイを利用できるなど、医療体制のある重症心身障害児者施設などが後方支援を担い、最後の砦としての役割を果たしていただくことが、安心・安全な地域生活につながると思います。
 また、障害に限らず、グループホームの場合はスタッフが少なく、外部の目も入りにくいことから、虐待のリスクも高くなりやすく、さらなる工夫や配慮が必要かと思います。特に重症心身障害者の場合は、それを訴えることができないため、利用者の人権とサービスの質を担保する上で第三者評価の受審や指導監査体制が重要になります。
 なお、介護や保育も含め、障害福祉サービスの人手不足が深刻になる中、グループホームに限らず、どの事業所においても経営危機に陥るリスクはあります。そうしたときに、環境への適応が難しく、自らの意思を伝えることが困難な重症心身障害児者や医療的ケアを必要とする人たちが、命の危険にさらされることのないような御支援を引き続きお願いいたします。
 以上です。
○有村部会長 御意見ありがとうございます。
 それでは、ここからオンラインの先生方に移りたいと思います。
 それでは、清水委員、お願いいたします。
○清水委員 国リハの清水です。
 資料3についてですけれども、同行援護を拡充していただけるような体制を組んでいただいて、ありがとうございます。
 実際に私も視覚障害の患者さんを多く拝見していますけれども、同行援護を利用していたけれども、そこが利用できなくて通院もままならず、家族がお仕事を休んで無理やり来ていただくといいますか、そういったことをよくお話として聴きますので、竹下委員もおっしゃっていましたけれども、視覚障害の方々の移動の非常に重要なサービス手段の一つですから、引き続き御検討いただければと思います。
 以上です。
○有村部会長 御意見ありがとうございます。
 続きまして、樋口委員、お願いいたします。
○樋口委員 日本知的障害者福祉協会の樋口でございます。
 資料4、グループホームのことについて発言させていただきます。
 厚生労働省の令和4年度の障害者虐待対応状況調査の結果によりますと、福祉施設従事者による虐待を受けた障害者のうち72.6%が知的障害者、21%が身体、15.8%が精神と、圧倒的に知的障害のある方が被虐待者となっています。虐待が認められた事業所別の割合で見ますと、一番多い種別がグループホームで、これは母数との関係もありますが、次いで、障害者支援施設22.4%となっております。
 暮らしの場で多くの虐待が発生しています。この数字は誰よりも私ども事業者団体が重く受け止めなければならない数字と受け止めていますが、近年、恵さんだけではなくて、多くのグループホームにおいて、スキル、経験のない事業者の参入が目立ちます。その状況は深刻なものがあると感じております。
 特に24時間を通じて支援を提供する日中サービス支援型グループホームについては、閉鎖的な環境にありがちであり、利用者の権利侵害が発生しやすい環境となる、そういう懸念が高いです。これはグループホームに限らず、障害者支援施設も含めて、昼間の活動の場と暮らしの場を明確化していくことが、御本人の意思に基づかないこうした形態のサービス利用については、特に必要ではないかと思っております。今も国でグループホームのサービスの質についての検討会が始まっているわけですけれども、グループホームの事業所指定の在り方についての検討も、必要な時期に来ているのではないかと思います。
 また、グループホームについては、従前、サービスの質を評価する仕組みとして自立支援協議会というものがあるわけですけれども、自立支援協議会というのは強制力がなくて、なかなか機能していない協議会も多いのではないかと思います。今回、令和6年度の報酬改定によって、グループホームと障害者支援施設には地域連携推進会議の設置が義務化されます。これは望ましいことだと思いますけれども、質の担保に、評価につながるかどうかというのはこれからの問題だと思いますし、形式的な機能にならないように運営の中身についての検討が必要ではないかと思います。
 以上です。
○有村部会長 御意見ありがとうございます。
 続きまして、永松委員、お願いいたします。
○永松委員 全国市長会の杵築市長の永松です。グループホームの関係です。
 先ほど、委員の皆様方から、利用されている方々の命の危険があるということで、市町村としては、いかに早くこれに気がつくかが大切なポイントだと思います。国のほうでも、来年の4月から、グループホームに「地域連携推進会議」の開催が義務化され、地域の関係者がグループホームの情報を共有できるようになるということです。ただ、当該会社の職員さんも、採用後すぐにはどうすればいいのか分からなかったり、ほかの職員が辞めてしまい、過重の労働になるとか、また、ハンディキャップの大きい利用者さんの処遇自体の研修や引継ぎが不十分なこともあったのではないかと思います。
 そういう中で、自治体としては、障害のある人や家族からの相談を待つだけではなく、施設で働く職員が日々の支援の中で気付く、利用者さんにとって理不尽なことや人権上、問題のあることを相談できる窓口機能の充実をはかることが大切だと考えます。SOSを出してくれた職員の立場にも考慮しながら監査権限はありませんが、すぐに短時間でも訪問し、状況を確認し、記録に残すことが必要です。
利用者さんの命に関わる場合もありますので、「牽制球」を投げ、早めに相談に応じる体制を整えることが先決です。もちろん地域連携推進会議の機能強化ということも、早くしなければいけないと痛切に感じました。
 特に保護者の皆さんが高齢化していく中で、成人したこどもさん方が地域で生活できるようにとの切実な思いは変わらないと思います。親御さんも含めて福音になる制度設計に向けて、さらに相談支援や地域づくりの支援を進めていきたいと考えます。
 以上です。
○有村部会長 どうもありがとうございます。
 続きまして、櫻木委員、お願いいたします。
○櫻木委員 ありがとうございます。櫻木です。
 恵の問題に関しては、どうしてこういうことが起こったかという要因の分析をそれぞれの委員の先生からいただいて、例えばスキルが十分でない職員が運営に当たっていたのではないかとか、あるいは地域にあまり密着していない全国展開、場合によっては営利目的中心の事業者が参入したのではないか。様々な要因の分析をしていただいたところではありますけれども、今回、特別なケースというよりは、御指摘になった要因というのが様々な事業所でも見られるのではないかと考えます。
 入所している障害者の皆さんが、継続的にサービスが受けられるように専念されていたのだろうとは思いますけれども、今後、同じようなことが起こらないように、いわゆる再発防止としてはどのようなことをお考えなのか、お教えいただければと思います。
○有村部会長 ありがとうございます。
 質問をいただきましたので、事務局より回答をお願いいたします。
○羽野地域生活・発達障害支援室長 ありがとうございます。
 櫻木委員から再発防止について御質問をいただいております。
 ほかの委員の先生からもコメントいただいておりますけれども、まずは、この前の報酬改定において地域連携推進会議というものを導入すると。今年度から努力義務化をし、来年度から義務化をするということで動いております。もちろん日中支援型についての協議会との連携などの課題もあると思いますけれども、まずは外部の目を入れるということで、今年度、それから来年度というところで動いていきたいと思っております。
 それに加えまして、これも言及いただいた委員の方がいらっしゃいましたけれども、グループホームの質の確保の問題については、今回の地域連携推進会議にとどまらず、これからも考えていく必要があるだろうと考えております。そのために、今年度、調査研究で検討の場を設けるということをやっております。グループホームの質の確保の問題、それから、管理者、事業者などの資格要件でありますとか、研修などの観点も含めてグループホームの質をどのように確保していくのか、その辺りのところを改めて検討するということを進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 ただいま、様々御意見いただきましたので、資料3について、事務局の案で準備を進めていただければと思います。
 先ほど、資料1、2のところで、最後、お手を挙げていただいていた方々に質問の時間を十分確保できていなかったということでございますので、戻ってしまうのですが、オンラインで御参加の阿部委員、お手を挙げていただいていたと思います。元に戻る形で申し訳ありませんけれども、御質問、御意見等あれば賜れますでしょうか。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。時間があればということで挙手させていただいたのですけれども、このデータベースの活用については、様々委員の方々がお話ししたようにメリットがとても多いと思います。ただ、これにはデメリットというのもあるのかどうなのかということです。
 例えば、民間の保険会社の介護保険加入に関して、障害がある方のそれぞれの推移を元に、契約ができなくなったりすることがあるものかどうかということで不安に思ったもので、お話しさせていただきました。つまり、データベースを活用するときには、その活用に関する倫理委員会とか、これから検討されるのかもしれませんけれども、誰にでも出すものなのかどうかということだけを知りたくて手を挙げたところでした。
 以上です。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局より回答をお願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 改めまして、企画課長でございます。
 今、御質問いただいた件、データベースの活用についてデメリットもあるのかということであったと思います。
 活用自体は、仮名化については長期的に状況を追っていけるということで、研究・分析という観点では非常にメリット、とりわけ障害福祉分野においては大きいところもあろうかと思います。一方で、多くの委員の皆様から御指摘もいただきましたとおり、個人の特定につながるのではないかといった点、あるいは、利活用の方法によって差別・偏見につながってしまうのではないかといった点。こういった点は十分に、そういったことがないように配慮しながら進めていかなければいけないというふうに考えてございます。
 民間の保険会社というお話がございました。あくまで個人のお名前が明確になった形で個人の情報が利用できるということではございませんので、それで実際の保険会社がどうこうということは生じないということになります。ただ、民間の保険会社でありましても、調査・研究という目的であればこのデータの利活用は可能になってまいります。
 これは匿名化の際にも同じでございますけれども、あくまでこれは相当の公益性を有することが原則であるということ。あるいは、特定の商品とか役務の広告、マーケティング、そういったことに利用することは当然のことながら利用の対象外であること。これは、匿名化でも仮名化でも共通だというふうに考えております。そういった懸念点、配慮すべき点を十分に考慮しながら、検討、準備を進めてまいりたいと考えております。
○阿部委員 ありがとうございます。十分に配慮していただければと思います。
 先ほど、個人による民間の保険会社の契約ということよりも、障害がある人とか、特に人数を絞った上での今後のことというのは、いろいろこのデータから見えてくると思いますが、そのことが逆に、民間の会社から、私たちにとってはうまく活用されなくなるようなことがあってはならないということでお話しさせていただきました。
 その辺、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○有村部会長 ありがとうございました。
 続きまして、田村委員、お願いいたします。
○田村委員 立命館大学の田村です。
 今まとめられた点でいいと思うのですが、御発言の中にもあったように、連結するデータが多くなればなるほど、やはり個人の特定のリスクは高くなると私も思います。そういう意味では、どの項目をどういう理由で何と連結をして、いわゆるデータを分析していくのかということについては、基本的な考え方と基本的な連結の方針みたいなものは最初からきちんと決めておくべきだと思っています。その上で、その方針を超える連結の仕方、在り方については、やはり個人情報の特定がされやすいので、ガイドラインを決めた上で倫理委員会に諮って、きちんとそれを判断するというふうにしていただきたいと思います。
 研究とか情勢分析とか計画化という意味では、とても有効だとは思うのですが、個人にとってみたら、いわゆる、何と連結されるのかということによっては、個人が丸裸にされる可能性はないことはない。しかし、それはどう使うのかというところでストップできるということだけれども、いわゆる現在の科学技術でいうと、ハッキングも含めて、そういうふうなリスクは高いわけで、やはりその辺りを防いでいくようなものをつくっていく必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○有村部会長 御発言ありがとうございました。ただいまの御意見を踏まえて進めていただければと思います。
 本日の質疑は以上となりますが、事務局より、参考資料等について補足があれば、お願いいたします。
○本後障害保健福祉部企画課長 企画課長でございます。
 参考資料1「障害者の希望を踏まえた結婚、出産、子育てに係る支援の推進について」、事務局から補足をさせていただきます。
 旧優生保護法に係る本年7月3日の最高裁判決を受けまして、全閣僚を構成員とする対策推進本部が設置をされました。厚生労働省といたしましても、結婚・出産・子育てを含め、障害のある方の希望する生活の実現に向けた支援を行うことが重要であると考えております。
 厚生労働省といたしましては、令和4年12月に北海道内のグループホーム利用者が不妊処置を受けていたという事案が発覚したことを受けまして、令和5年度に調査研究を実施いたしました。今年の6月に障害のある方の希望を踏まえた結婚・出産・子育てに関する支援に関する事例集を作成したところです。資料の中にこれを入れさせていただいております。
 今後も様々な研修、イベントなどの機会を通じて、さらなる周知を図るほか、本年度中に解説動画、それから、障害当事者の方にも伝わりやすいリーフレットを作成いたしまして活用を図るなど、引き続き必用な取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○有村部会長 ありがとうございます。
 お手が挙がっておりますので、丹羽委員、どうぞお願いします。
○丹羽委員 すみません、時間が迫っている中、1点だけ意見を申し上げさせてください。今の障害者の希望を踏まえた結婚・出産・子育てに係る支援の推進について、全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
 活用できる施策に関して、周知だけでなく、予算措置を伴う拡充が必要と考えます。また、グループホームなどで支援をした場合に評価するべきではないかと思います。その際に、不足しているサービス、施策について、これまで子育てで苦労してきた障害当事者からのヒアリングを検討してください。
 本後課長からもありましたが、本年7月3日の旧優生保護法に関する最高裁判決後、今日は初めての合同部会となります。この判決を踏まえた取組として、結婚・出産・子育てに係る支援の推進が挙げられていますが、優生思想に基づく障害者差別を根絶していくことが求められています。そのためには、最高裁判決を受けた障害者基本法の改正が必要です。障害福祉に関わる者全てが真剣に検討すべきと考えます。
 来週29日に障害者政策委員会も予定されていますが、今後、障害者部会、障害児支援部会などでも議論し、それをすり合わせながら、確実に取組を推進する体制づくりが必要であると考えます。
 以上です。
○有村部会長 大切な御意見、ありがとうございます。
 様々御意見まだおありかもしれませんけれども、引き続き議論をしていく内容かと存じております。
 最後に、今後のスケジュール等について、事務局からお願いいたします。
○小野障害児支援課長 事務局でございます。
 本日は御多忙の中、御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の部会につきましては、追って事務局よりお知らせをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○有村部会長 ありがとうございます。
 それでは、委員の皆様、本日は御多忙の中、御議論どうもありがとうございました。
 次回の部会について、追って事務局よりお知らせしていただくということでございますので、よろしくお願いします。それでは、これにて会議を終わります。どうもありがとうございました。