第13回循環器病対策推進協議会 議事録

厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課

日時

令和6年12月12日(木)10:00~12:00

場所

新橋ビジネスフォーラム(オンライン開催)

議題

  1. 開会
  2. 会長選任及び会長代理指名
  3. 循環器病対策の現状と中間評価の進め方(案)について
  4. 第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価に向けた研究班での検討状況について
  5. その他

議事

2024-12-12 第13回循環器病対策推進協議会
○宮川主査 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第13回「循環器病対策推進協議会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。私は、事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課の宮川と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず冒頭に事務局の異動について申し上げます。
○鶴田課長 令和6年7月5日付で健康・生活衛生局がん・疾病対策課長に拝命を受けました鶴田と申します。皆様方としっかり議論しながら中間評価をやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 なお、本日、健康・生活衛生局長は、公務のため欠席とさせていただきます。引き続き会長の選任が行われるまでの間、進行を務めさせていただきます。
それでは、委員の皆様の自己紹介をさせていただきます。お手元の委員名簿に沿ってお名前を読み上げさせていただきますので、ウェブで御出席の方はミュートを解除していただき、一言御挨拶をよろしくお願いいたします。
まず初めに、山形県病院事業局病院事業管理者、阿彦忠之委員、本日御欠席とお伺いしております。
続きまして、安藤美帆委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○安藤委員 安藤美帆と申します。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 続きまして、国立研究開発法人国立循環器病研究センター理事長、大津欣也委員、一言御挨拶をお願いします。
○大津委員 国立循環器病研究センターの大津でございます。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 続きまして、大橋未歩委員、一言御挨拶をお願いします。
○大橋委員 脳卒中経験者の大橋未歩と申します。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 一般社団法人日本脳卒中学会理事長、小笠原邦昭委員、一言お願いします。
○小笠原委員 脳卒中学会の理事長をしております、今現在は岩手医科大学の学長をしております小笠原と申します。よろしくお願いします。
○宮川主査 続きまして、川勝弘之委員、一言お願いいたします。
○川勝委員 日本脳卒中協会、川勝弘之です。よろしくお願いします。
○宮川主査 公益社団法人日本看護協会常任理事、木澤晃代委員、一言お願いいたします。
○木澤委員 日本看護協会の常任理事をしております木澤晃代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 株式会社フジテレビジョン報道局解説委員、木幡美子委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○木幡委員 フジテレビの木幡と申します。日本循環器協会の理事も務めさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 千葉大学大学院医学研究院循環器内科学教授、小林欣夫委員、一言御挨拶をお願いします。
○小林委員 日本循環器学会の代表理事をしております千葉大学の小林です。皆様としっかり議論していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 公益社団法人日本医師会常任理事、坂本泰三委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○坂本委員 日本医師会常任理事、坂本泰三です。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 聖マリアンナ医科大学リハビリテーション医学講座主任教授、佐々木信幸委員、一言御挨拶をお願いします。
○佐々木委員 聖マリアンナ医科大学でリハビリテーション医学講座をやっております佐々木と申します。よろしくお願いします。
○宮川主査 つるかめ診療所所長、鶴岡優子委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○鶴岡委員 日本在宅医療連合学会から参加させていただきます鶴岡です。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 学校法人自治医科大学学長、永井良三委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○永井委員 自治医科大学学長の永井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 公益財団法人榊原記念財団附属榊原記念病院循環器内科部長、中山敦子委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○中山委員 榊原記念病院の中山と申します。心臓リハビリテーション室と東京の脳卒中心臓病等総合支援センターも担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会会長、野口百香委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○野口委員 ありがとうございます。日本医療ソーシャルワーカー協会の会長の野口でございます。所属は、埼玉県戸田市にございます戸田中央医科グループの本部でソーシャルワーカー部門のスーパーバイザーをやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 杏林大学医学部脳卒中医学教室教授、平野照之委員、一言御挨拶をお願いします。
○平野委員 平野照之と申します。杏林大学で脳卒中を担当しています。日本脳卒中協会の東京都の支部長も拝命しております。どうぞよろしくお願いします。
○宮川主査 公益社団法人全日本病院協会副会長、美原盤委員、一言御挨拶をお願いいたします。
○美原委員 全日病の副会長の美原です。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 続きまして、湯野川恵委員です。一言御挨拶をお願いします。
○湯野川委員 特発性拡張型心筋症という心臓病のほうを患っています湯野川恵と申します。よろしくお願いいたします。
○宮川主査 学校法人日本体育大学大学院保健医療学研究科研究科長・教授、横田裕行委員です。一言御挨拶をお願いします。
○横田委員 横田でございます。よろしくお願いします。元日本救急医学会の代表理事をしていまして、現在は東京都の循環器病対策協議会の会長をさせていただいています。よろしくお願いします。
○宮川主査 国立保健医療科学院生涯健康研究部長、横山徹爾委員、一言御挨拶をお願いします。
○横山委員 国立保健医療科学院の横山徹爾と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 本日は、委員20名のうち19名の方に御出席をいただいており、定数に達していることを御報告申し上げます。
また、本日、参考人といたしまして、国立循環器病研究センター病院長、飯原弘二先生にも御出席いただいております。
○飯原参考人 国立循環器病研究センターの病院長の飯原でございます。本日は、循環器病対策の進捗評価法の確立に関する研究の進捗状況について情報提供させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮川主査 続きまして、資料の確認をさせていただきます。資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。議事次第、資料1及び資料2並びに参考資料1から5がございますので、御確認ください。
続きまして、ウェブ参加の委員を含めた本日の会議の進め方について御説明させていただきます。
御発言については、ウェブ参加の委員におかれましては、Zoomの「手を挙げる」機能を御活用ください。カメラは常に映る状態にしていただき、発言のないときはミュートにし、発言するときのみ、ミュートを解除していただきますようお願いいたします。また、本日はチャット機能は使用を予定しておりませんので、御了承願います。
それでは、議題(1)「会長選任及び会長代理指名」に移ります。参考資料2の循環器病対策推進協議会令を御覧ください。
本協議会の運用について定めた政令となっておりますが、「協議会に、会長を置き、委員の互選により選任する。」こととされており、また、「会長は、会務を総理し、協議会を代表する。」「会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」と定められております。
本日は委員の皆様方が新たに選任されて最初の協議会となりますので、本規定に基づきまして、委員の互選により会長を選任させていただきたいと思いますが、どなたか御推薦はございますでしょうか。
○坂本委員 日本医師会の坂本でございます。
循環器内科領域の診療及び研究の第一人者として、当該分野の発展に貢献されました永井良三委員に、前回に引き続き取り仕切っていただくのが妥当ではないかと思います。皆さんの御意見はいかがでしょうか。
○宮川主査 ただいま、坂本委員より御推薦がございましたが、そのほかいかがでしょうか。
それでは、全員一致のようですので、永井委員に本協議会の会長をお願いいたします。それでは、永井会長、御挨拶をお願いいたします。
○永井会長 ただいま御推挙いただきました、自治医科大学の永井でございます。私はこの循環器病対策については、最初のときから関与させていただいております。課題はまだまだたくさんあろうかと思います。特にがん対策に比べますと、循環器病対策は10年以上の遅れがございます。がん対策に早く追いつくように、循環器病対策をしっかり進め貢献したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○宮川主査 ありがとうございます。続いて、永井会長より会長代理を御指名いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井会長 会長代理でございますが、お忙しいところ恐れ入りますが、小笠原委員にお引き受けいただくとありがたいと思います。いかがでしょうか。
○小笠原委員 はい、分かりました。よろしくお願いします。
○永井会長 ありがとうございます。それでは、小笠原委員に本協議会の会長代理をお願いするということにいたします。
では、これからの進行は私のほうでさせていただきます。まず、議題(2)「循環器病対策の現状と中間評価の進め方(案)について」、資料1の説明を事務局よりお願いいたします。
○宮川主査 事務局でございます。
資料1「循環器病対策の現状と中間評価の進め方(案)について」を御覧ください。こちらにつきまして御紹介させていただきたいと思います。
2ページ目を御覧ください。「循環器病対策推進基本法について」ということで御紹介させていただきます。
3ページ目を御覧ください。「循環器病対策に関連する歩み」でございます。
4ページ目を御覧ください。「健康日本21(第三次)の概要」となりますので、御参照いただければと思います。
5ページ目にお示ししておりますのは、「健康日本21(第三次)の基本的な方向と領域・目標の概要」となります。循環器病の発症予防、重症化予防として目標が設定されている項目といたしまして、年齢調整死亡率、高血圧、脂質高値、メタボ該当者・予備軍、特定健診・特定保健指導が記載されております。
6ページ目を御覧ください。平成30年12月に公布、令和元年12月に施行されました循環器病対策基本法の概要をお示ししております。
7ページ目にお示ししておりますのは、循環器病対策基本法の概念図でございます。「脳卒中、心臓病その他の循環器病が、国民の疾病による死亡・介護の主要な原因となっている現状に鑑み、循環器病予防等に取り組むことで、国民の健康寿命の延伸を図り、医療・介護の負担軽減に資する」ことを趣旨とし、国は、循環器病対策推進協議会において意見を聴取し、循環器病対策推進基本計画を閣議決定・国会報告しております。都道府県におかれましては、国と連携し、都道府県の実情を踏まえた計画の策定を行っているところです。
8ページ目にお示ししておりますのは、国の循環器病対策推進協議会について御説明したものです。左に本協議会令、右に現在の委員について記載しておりますので、御参照いただければと思います。
9ページ目を御覧ください。こちらは第2期循環器病対策推進基本計画の概要でございます。
10ページ目を御覧ください。こちらは「脳卒中の医療体制」ということで、第8次医療計画の見直しのポイントを掲載しております。
11ページ目にお示ししているものは、御参考で、第8次医療計画において脳卒中の医療体制の構築に係る現状把握のための指標例ということで、こちら、循環器病対策推進基本計画における指標と同じ項目として整理を行っております。表の見方といたしましては、縦軸がストラクチャー、プロセス、アウトカムの構成になっており、列として、予防・啓発、救護、急性期、回復期、維持期・生活期、再発・重症化予防という形で疾病の発症の時系列に沿った形で整理しております。
12ページを御覧ください。こちらは「心筋梗塞等の心血管疾患の医療体制」ということで、脳卒中と同様に、第8次医療計画の見直しのポイントを掲載しております。
13ページ目を御覧ください。脳卒中と同様の構成で、「心筋梗塞等の心血管疾患の医療体制構築に係る現状把握のための指標例」として、同じように整理しておりますので御参照いただければと思います。
続きまして14ページにお示ししているのは、「循環器病の医療提供体制イメージ」として、これまで御説明した内容をまとめたものとなっております。一番下のほうにございます各都道府県における脳卒中や心臓病等の患者に対する支援の中心的な役割を担う医療機関に対し、脳卒中・心臓病等総合支援センターを設置し、地域の診療水準の向上や患者支援機能の強化を現在目指しているところでございます。
15枚目を御覧ください。「脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業」ということで、令和4年度に10府県、令和5年度に15府県、令和6年度に12都道県で実施しており、令和7年度には全国に設置される予定でございます。全国に設置された後、各都道府県の総合支援センターを循環器病対策において今後どのように活用していくかという点につきましても、委員の皆様に今後御議論いただきたいと考えておるところです。
16ページ目を御覧ください。前回第12回の循環器病対策推進協議会にて、宮本参考人より御説明をいただきました京都府での取組について御紹介しております。
17ページ目を御覧ください。同じく辻田参考人より御説明いただきました熊本県での取組について御紹介しております。
18ページ目を御覧ください。ここからは「循環器病の基本データと世論調査の結果について」ということで御説明させていただきます。
19ページ目にお示ししているのは「健康寿命の推移」でございます。令和元年の健康寿命は、男性が72.68歳、女性が75.38歳と統計開始の平成22年から延伸している状況でございます。
続きまして、20ページ目でございます。こちらは「循環器病の年齢階級別の死亡者数の推移」をお示ししております。近年、85歳以上の高齢者で増加している状況です。
21ページ目を御覧ください。こちら、「循環器病の疾患別死亡者数の推移」をお示ししております。近年、心不全の死亡者数は増加、脳梗塞や急性心筋梗塞は減少しているという状況にございます。
22ページ目を御覧ください。「循環器病の性・疾患別年齢調整死亡率の推移」をお示ししたグラフになります。年齢調整死亡率は、近年、男女とも減少傾向にございます。
続きまして、23ページ目にお示ししているのは、令和6年7月に内閣府で実施いたしました「脳卒中や心臓病等に関する世論調査」の結果でございます。今回の調査は脳卒中や心臓病等に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考にすることを目的に初めて調査を実施したものになります。
調査項目はスライドにお示ししたとおりで、本調査結果の詳細は内閣府のウェブサイトに掲載されておりますので、御参照いただければと思います。
24ページ目を御覧ください。「脳卒中や心臓病等の予防(生活習慣の改善の意識)について」の結果をお示ししております。「既に改善を始めて6か月以上である」と回答した人の割合は37.8%、「既に改善を始めて6か月未満である」と回答した人の割合は7.5%でございました。一方で、「改善しようと思っていない」と回答した人の割合は31.6%であり、特に20~30歳代で高い傾向にありました。
続きまして、25ページ目を御覧ください。「脳卒中や心臓病等の初期症状が現れてからの受診行動について」の結果をお示ししております。「脳卒中」では、片側の手足の動かしにくさやしゃべりづらさ、「心筋梗塞」では、胸の痛みや呼吸の苦しさが現れることを今回初期症状として定義し、これらの症状が現れた場合に「すぐに救急車を呼ぶ」と回答した人の割合は76.5%、「救急車を呼ばない」と回答した人の割合は3.4%でございました。
続きまして、26ページ目を御覧ください。「脳卒中や心臓病等の発症後の仕事と治療の両立支援について」の結果をお示ししております。「脳卒中や心臓病等の発症後にも働き続けられる環境だと思う」と回答した人の割合は、いずれも20%台でございました。
最後に、27ページから「第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方について」御説明をさせていただきます。
28枚目を御覧ください。第2期循環器病対策推進基本計画の実行期間は、令和5年度から令和10年度までの6年間を目安とし、また、本計画の進捗状況を把握し管理するため、3年を目途に中間評価を行いたいと考えております。また、各都道府県におかれましても、国の閣議決定の文書を踏まえ、令和6年度から令和11年度までの6年間を目安に都道府県に循環器病対策推進計画の策定を行っていただいておるところです。
29ページにお示ししているのは、「都道府県の循環器病対策推進基本計画(第2期)の策定状況調査結果」となります。
島根県を除く46の都道府県でこちらの計画の策定が行われており、また、今回の計画から医療計画や健康増進計画等と一体的に策定することも可能とするといった通知をお示ししており、一定程度の都道府県で一体的に策定しているという結果が得られました。
30ページ目を御覧ください。「第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方(案)」でございます。中間評価につきまして、全体目標と個別策について、以下のとおり分析・評価を進めてはどうか、併せて、都道府県の循環器病対策の進捗状況の公表、好事例の横展開を推進してはどうかとしております。
まず初めに、全体目標について、2040年に向けました健康寿命の延伸と男女別の年齢調整死亡率の減少の進捗状況を評価したいと考えております。
また、個別施策につきましては、第8次医療計画の策定指針で定めている指標例を基に、1循環器病の予防や正しい知識の普及啓発、2保健、医療及び福祉に係るサービスの医療提供体制の充実、3循環器病の研究推進のそれぞれの項目において重点的に評価する指標(コア指標)を選定し、メリハリをつけて分かりやすく分析・評価してはどうかとしております。
また、各施策に関する関係課室・省庁等の取組状況の把握を行ってはどうかとしております。
続きまして、都道府県ごとの循環器病対策の進捗状況の測定・公表と好事例の横展開の推進につきましては、都道府県ごとの循環器病対策の進捗状況を評価するため、都道府県ごとに評価可能な指標については、可能な限り測定・公表しているところ、今後、都道府県の循環器病対策を見える化しながら、地域の実情に応じたよりよい取組の横展開を進めてはどうかとしております。
また、最後に今後の進め方といたしまして、コア指標につきましては、中間評価前(令和7年度夏頃)の協議会で指標案をお示しし、議論してはどうか、また、その他、必要な検討課題(「脳卒中・心臓病等総合支援センター」のあり方等)について、個別に議論してはどうかとしており、本日、委員の皆様より御意見等をいただければと思っております。
続きまして、31ページ目にお示ししているのは、中間評価の成果物のイメージでございます。がん対策や腎疾患対策と同様に中間評価報告書や概要を作成し、公表することを予定しております。
最後になりますが、32ページ目を御覧ください。「今後の循環器病対策推進協議会の検討スケジュール(案)」でございます。本日の第13回の議論を踏まえ、令和7年夏頃から令和8年春頃にかけ、本協議会で議論し、中間評価報告書及び概要を公表したいと考えております。
事務局からの説明は以上となります。
○永井会長 ありがとうございます。
それでは続いて、議題(3)、一緒に御説明いただきます。第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価に向けた研究班での検討状況についてでございます。資料2の説明を飯原参考人にお願いいたします。
○飯原参考人 皆さん、こんにちは。国立循環器病研究センターの飯原でございます。
それでは、本年度開始されました循環器病対策の進捗評価法の確立を目指した本研究班の取組について御報告させていただきます。
循環器病対策の目標を達成するために、計画の進捗状況を、透明性と科学的根拠を維持しながら、評価する手法の開発が急務です。
第2期循環器病対策の中間評価法を確立することを目的として、海外の代表的な事例を参考に、令和7年度に開始される中間評価の議論に、有用な手法案を提案いたします。
手法案の提言には、関連厚労研究班(EBPM班)、都道府県行政担当者、厚労省がん・疾病対策課、日本脳卒中学会、日本循環器学会と連携し、調査を行いたいと考えております。
第2期循環器病対策の指標の整理、コア指標、目標値の選定方法、ベースライン値、現状値を基にした進捗状況の評価を、体系的に行う手法を提言したいと考えております。
これは先ほどお示しした第8次医療計画とこの循環器病第2期の循環器病対策に共通する指標案のリストでございます。このスライドの心筋梗塞等の医療提供体制に係る現状把握のための指標で、これは28項目ございます。予防・啓発から再発・重症化予防までのシームレスなステージと、それをストラクチャー、プロセス、アウトカムに分類した指標でございます。
この中の●がついているところが先ほど示した重点指標でございまして、これからこの重点指標をどのように考えていくかというコンセンサスの形成が必要なのではないかと考えております。
さて、これは「脳卒中の医療提供体制に係る現状把握のための指標例」でございまして、こちらは31項目ございます。分類は先ほどと同じ分類にされていますけれども、脳卒中の分野におきましては、この重点項目、●で出た部分が4項目に設定されているということでございます。循環器病対策推進基本計画では、この医療計画の指標を基に都道府県で指標が設定されているということでございます。
さて、がん領域とは異なり、循環器領域ではロジックモデルを国の公的な指標としては採用しておりませんが、先行研究である平田班では、日本脳卒中学会、日本循環器学会が中心となり、ロジックモデルの推奨案を策定しております。
しかし、現在も全ての都道府県ではこれは採用されておらず、指標も地域の実情に応じてかなり多様性があるということで、国全体の中で都道府県ごとの体系的な評価というのはなかなか困難なのが現状でございます。そこで、第2期の循環器病対策の中間評価に向けて重点項目の選定も含めて、研究班と行政、学会等が密接に連携して、透明性と科学的な根拠を基にコア指標を策定する手法の開発が急務なのではないかと考えているところでございます。
このスライドは、透明性と科学的根拠を基に指標と目標値を策定する指標の一つとして、米国で20年来行われているHealthy People 2030の試みを紹介いたします。この取組は、がん領域の指標の整理にも先行厚労研究班でも検討されています。米国で50年にわたるこの計画の中においても、指標の目標値の設定については、体系的なプロセスはごく最近まで存在しておりませんでした。Healthy People 2030で、2020年に初めてこのプロセスが公表されたところでございます。
そこでは、コア指標として、根拠に基づく介入、Evidence-based Interventionが可能で、測定可能な355の公衆衛生目標から成るとされています。その中で優先度に応じてまた設定されているところでございますけれども、このコア指標の評価については、進捗状況を5段階で評価しているということで、そのコア指標に加えて、今後、開発目標とか、あるいは研究目標というのが設定されているところでございます。
このスライドは、Healthy People 2030における目標値の設定手法の選択フローを示しております。例えば、ここでスタートするわけですが、ここで目標値が既存の国家プログラム、規制、政策又は法律と合致しているかという質問をまず投げて、それに合致しておれば、その国家プログラム規制、政策又は法律との整合性がある目標値が設定されます。
日本においても、先ほど健康日本21の取組が紹介されておりますが、循環器、脳卒中だけではなくて、予防の領域は他の日本の試みと整合するような目標値を設定する必要があります。さらに、もしそれがない場合、基礎値、ベースライン値が各都道府県で測定された場合に、既に目標値が水準に達しておれば基準値を維持するという方針になりますし、それがない場合、次は比較対照となるデータが3点以上存在しているかという問いに進みます。
3点以上なければ、目標値に対して改善率や最小統計的優位性で評価するということになっておりまして、Healthy People 2030では、例えば目標値で20%改善しましょうと、%の改善の目標値とか、そういうところがデフォルトとして設定されているということでございます。
それで、もしこの比較対照のデータが3点以上存在する場合は、数理モデル、あるいはトレンド予測が可能に実施されているかという問いになって、それが使用されていて、目標値が予測に基づいたものであれば、この改善率や最小統計的優位性で評価し、それがない場合、この研究班が提案したものと合致している場合は、この数理モデルやトレンド予測のデータを用いて目標値を設定するという流れになっています。もちろん、その後に、コンセンサスとして、これらの推奨以外の目標値を定めることも可能ということで、原典は、Target-Setting Methods in Healthy People 2030として論文化されているところでございます。
すなわち、米国での基本的な考え方としては、可能な限りデータ主導のアプローチを行うということで、もし3点以上の信頼できる経時的な計測可能なデータがあれば、Projection(予測・シミュレーションモデル)を使いましょうという提言がされています。これが最優先として考えているのですが、これがなかなか十分使えない場合、例えば3つのデータポイントが存在しない場合とかそういう場合は、先ほどお話ししたような、%の改善値を目標とするとか、最小の統計学的優位性の部分を目標とするとか、このようなことが推奨されているわけでございます。
その下にある循環器病対策推進計画、健康増進計画、健康日本21、学会のガイドラインとかたくさんございますし、各国のポジションペーパーに基づいた指標もたくさんあります。これらは、これらの指標として国全体として統一的な基準として採用することも可能でございまして、もしこのプロジェクションモデルが日本でうまく使えれば、欧米にキャッチアップするような目標値の設定方法が可能になるということでございます。
そこで、本邦で利用可能なシミュレーションモデルとして次のスライドでBayesian-APCモデルとIMPACT NCDモデルの御紹介をさせていただきたいと思います。これは国立循環器病研究センターの予防医学疫学情報部の西村部長と尾形室長が英国のリバプール大学と共同研究で開発したモデルでございます。BAPCモデルというのはベース統計モデルを用いて、年齢、時代、世代効果を抽出することで高精度な予測値を算出可能ということで、従来の手法と比較して死亡数、各都道府県別に死亡数が出てまいりますが、この精度予測が良好ということが報告されています。
すなわち、予測の死亡率とこれから未来において観測する死亡率を比較することで、都道府県別に死亡トレンドを考慮して循環器病死亡数の減少を推定することが可能であるということでございます。これによって過去の長いデータを基に精度高く予測ができれば、循環器病対策の施策の有効性ということが科学的に証明されるということでございます。この予測精度についても、このモデルが開発された後のデータを使ってこのB-APCモデルの予測モデルの誤差を見ると、これは男性、女性、脳卒中、心臓病の死亡数の誤差というのが、2020年から2023年までの論文化されていない以後のデータを用いて解析すると、この予測誤差はほぼほぼ5%未満ということで、予測精度がすごく高いということが実証されています。
将来的にこのような、これは2040年の年齢調整死亡率予測値でございまして、これをマップ化して日本全体の将来の、これは脳卒中のデータでございますけれども、冠動脈疾患の死亡数をこのように予測すること、年齢調整死亡率を予測して日本地図上にマップすることが可能になるということでございます。
このように、予測モデルを用いてどのように目標値を設定していくか、このHealthy People 2030というのは公衆衛生の国全体の取組なわけでございますが、その中で心臓病と脳卒中の予防に特化したCDCがしているMillion Heartsという事例がございます。こちらも先ほどのHealthy People同様に、予測モデルをはじめとする数理モデルのデータ駆動アプローチを取り入れておりまして、それによってイベントの発症率が、ここのスライドに示すように、イベントの発症率の実績値をはかっていった場合に、将来の予測、それと各都道府県別の発症数の実績の値を比較することによって、その政策が非常にうまくいっていて死亡数が減少している、あるいはイベント発症率が、政策を打った後もその目標値より上回っていて、施策の見直しが必要とかそのようなことが、介入効果を観測値から予測値を引くことで評価できるという取組でございます。
これによってエビデンスに基づくコア指標を選定するということで、例えばこれは予測で見てみると、収縮期の血圧というのはSBPというのですが、これが喫煙の改善、先ほどの医療計画、循環器病対策の推進計画の中でも予防・啓発の段階で幾つかのリスクファクターが挙げられていましたが、そこにはコア指標という丸はついていないですね。ところが、例えば血圧の改善とか喫煙とかいうことは、非常にこの改善率が高いということがこの数理モデルを用いて証明されておりますし、一方、脂質異常症、HbA1cとか運動習慣というのはその2つと比べると改善効果に与える傾向は少ない、影響は少ないという結論が得られています。このような考えも、数ある指標の中でより重点指標を選ぶ際に根拠となり得るということで、これは関係の学会とか協議会の皆様とまた協議できればと考えておるところでございます。
指標の評価方法について、これから、各私たちの研究班で最初にまずやろうとしていることは、循環器病対策の第1期と第2期で、先ほど挙げた指標の整理がどのようにされているか、実測値がどれぐらい取れているかということですね。都道府県向けの調査を考えております。それによって中間評価指標の資料作成に資する知見が得られるものと考えております。
後半は、関連学会の皆様との協議のもとに、先ほどお話ししたコア指標をどのように選定するかということを考えているところでございます。これは最初の都道府県別の循環器病対策推進計画の調査でございまして、目標は第1期から第2期の計画の中で、都道府県が定めた目標とか指標とか、その目標値の設定、その指標を用いた評価方法をどう考えているのかということで、循環器病対策の進捗評価法を確立することにあります。
対象は全都道府県の行政機関の循環器病対策の政策立案の方でございまして、今年度中に回答していただく予定にしております。ウェブのアンケート調査で、調査項目はここに示した6つで、第1期から第2期への指標の変更、あるいは新指標を採用されたのか、指標削除したのか。例えば大阪府の計画においても、この指標採用と指標の削除が行われていました。これを全国都道府県で調べたいということで、目標値が変更されれば、どのような会議体でそれを検討して、具体的にどのような形で目標値を変更したのか、あるいは国の目標値をそのまま使ったのか、そういうことを調べたいと思っております。それによって各都道府県が進捗状況を実際にどのように評価されたのかということを考えたいと思っておりますし、これらの対策を検討・評価するためにどのような会議体でお話をされて、その構成員の皆さんからどのように意見が挙がっているか、あるいはパブリックコメントを実施して各都道府県がどのようにフィードバックしたか、このようなことを調査したいと考えております。
その調査票のイメージ図でございますが、指標ごとに、例えば1番は予防・啓発の中で喫煙率ですね。国民生活基礎調査でこれは国の統計から出てくることでございますけれども、実測値を2018年から2023年まで、これは各都道府県の御担当の方が実際にこの実績値をどのように記載して評価しているのかということでございます。
目標値を設定して、あり・なし、目標値を達成したかしていないか、進捗状況をどのように評価されているかということでございますし、これをまず医療計画、循環器病対策基本計画に載っている項目について調査をする予定でございます。
今さっきお話ししたように、統計学的な数理モデルを使うのであれば3点以上の実測値の把握の有無が大切でございまして、それに応じて自由にコメントも追加していただくということでございます。これによって、各都道府県が横並びでどのような形で評価しているかということが明らかになると考えております。
こちらは学会の都道府県委員を対象にした研究班の調査でございますけれども、これは両学会の先生方とじっくり相談させていただいて考えていきたいと考えております。
研究班からの案としては、コア指標とか新規指標をどのように選定しているのか、例えばアウトカムへの寄与度が高いもの、都道府県単位で測定可能なもの、二次医療圏単位で測定可能なものとか、経時的に信頼できるデータが取得できるものとか、施策目標との関連性とか、国民の皆さんに分かりやすい指標を選定することが大事なので、その指標の意味が非常に分かりやすいのか、施策目標との関連性はどうであるか、このような観点で選定を学会のアカデミアの皆さんがどのように考えていらっしゃるのかということでございます。
これは両学会の先生方とこれから御相談させていただきたいと思いますが、例えばこの評価ですね。今さっきお話しした評価が、段階的に評価、アウトカムへの寄与度がどのくらい高いか、皆さんがどのように考えていらっしゃるか、そのようなことを調査したいと考えております。そのところで、最終的なイメージとしては、ストラクチャー、プロセス、アウトカムで、このフェーズの指標がこれこれで、データソース、定義、実際に集計されているのか。データブックで出るものにおいても、各都道府県で十分それを活用できているのかとか様々あると思いますので、実際のリアルワールドのところ、学会の皆様と改めて検討することを提案したいと考えているところでございます。
例えば新指標を選ぶ場合は、これはまだこれからのことですけれども、急性期脳梗塞に対して血栓回収を患者さんがどれぐらい受容できるかということでございます。これはもともとサーキュレーションで、国際比較で出た論文なのですが、例えばGlobal Burden of DiseaseとかNDBを使って日本のデータをざくっとこのように並べると、この血栓回収が、非常にエビデンスの高い、治療効果の高い治療が各都道府県でどれぐらいできているのかということが分かります。
恐らくこういう指標は、先ほどお話ししたような選定理由に関して、全ての選定理由を満たしているのではないかということでございますので、このような形でまた、各都道府県、あるいは学会の皆さんから指標の提案が可能になるのではないかと考えているところでございます。
研究全体の概念はこのようなことで、診療報酬とか医療計画のような評価、医療経済面の評価など、また、国民の皆さんにとって分かりやすい評価指標を提案するというのが私たちの研究班の目標でございます。
以上、御清聴ありがとうございました。
○永井会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局と参考人の飯原先生からの説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。挙手ボタン等でお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。
小笠原委員、どうぞ。
○小笠原委員 飯原先生に聞きたいのですけれども、最初の予測モデルは過去のデータを使うわけですよね。過去のデータで未来を予測して、未来になったときに、過去に予測したものと今回の中間評価でその数字がどうなっていたか。それが同じだったら何の発展もないと私は理解したのですけれども、そうすると、そのデータを、何といいますかね、作成する年代を毎年更新するのか、そうではなくて、例えば中間評価というのは3年ですね。3年ごとの数字を使ってやるのかというのが、前提となる数字の使い方によって変わりますよね。先が。そうすると、例えば3年前にやられたものでやって、今回その3年前の予測でやって、それよりもよくなっていれば、それは非常にいい施策をしていたということになって、でも、それを次にやるときにも、よくなったものをもう一回使って、さらによくするためにまず予想すればもっと下がるとか上がるとか、その前提となる数字はどのぐらいに一回更新する必要があるのかということをちょっと聞きたいのです。
それと、多分3年に1回評価をしなければいけないので、このモデルを使うとしたら、3年おきのデータを追加していくのかということ、トレンドが多分それで変わるような気がするのですけれども、それはどう解釈すれば。何か同じような質問を、私、学会でした記憶もあるのですけれども。
○飯原参考人 私の声、聞こえていますか。
○小笠原委員 はい、聞こえています。
○飯原参考人 詳しく説明すると、このモデル自身は非常に長期間のモデルで、1995年から2015年までのデータを用いて一回モデルをつくって、2015年から2020年まででそのモデルがどれぐらい予測当たるかということをまず一回やったのですね。それをさらに、そこまで論文化した。その次のステップが、今のスライドは論文化した後のまた数年間で、2020年以降の観測値でそれがどれぐらい精度あったかということを示しているので、まさに今先生がおっしゃったように、非常に短い期間でも、それまで非常に長いトレンドを用いて構築したモデルで、より精度高く、この数年間の実測値との違いを見れているのです。ですから、先生おっしゃるとおりで、まさに。
ただ、リスクファクターのコントロールとかいうのが非常に長い年月をかけて行われてきていますよね。国民のリスク因子の。ですので、その辺りは、長い期間使うのは、私は個人的には悪くないと思うのですけれども、今、先生おっしゃったように、比較的短い期間でこんな研究ができるのでいいのです。
ところが、ここをちょっと見ていただいたらいいと思いますが、観測値で、この男性も女性も、脳卒中でちょっと数値が上振れしていますよね。尾形先生らの解釈では、これはコロナによる過剰死亡だということを言っています。ですので、今後、新興感染症とか出てきたりした場合に、短期間ではこういう上振れしたりとかそういうことが、突発現象が起こるとこのようなことが起こる可能性はありますけれども、ただ、今お話ししたように、こういうことを踏まえても、実測の予測誤差というのは5%未満という非常に高い精度で予測されていたので、このモデルを使う意義は、政策というのは、一回政策打っても、その効果が現れるのはすごく長くかかります。ですので、このモデル使うことを、今、先生お話しされたように、数年間の、前向きに実測値との違いを見ることによってその政策の効果というのは短期間で見ることができると思います。
○小笠原委員 分かりました。そうすると、その次のスライドで、2040年でしたか、6年後の話ですよね。
○飯原参考人 16年後。
○小笠原委員 これをもうちょっと短期間でも当然予想できるわけですよね。
○飯原参考人 おっしゃるとおりですね。
○小笠原委員 それを施策によってどのぐらい減ったかで、そうすると効果があったということは言えるということですよね。
○飯原参考人 おっしゃるとおりです。
○小笠原委員 言い方悪いですが、下がればということですよね。
○飯原参考人 そうです。
○小笠原委員 分かりました。ありがとうございました。
○永井会長 美原委員、どうぞ。
○美原委員 全日病の美原です。
教えていただきたいのですが、このようにある指標を基にトレンドを見ていくということは十分理解できるのですが、その指標をよくしていこうという介入がなければデータは動きようがないわけですね。では、そのデータをよくしたもの、介入というのは一体何だったのだろうかということは議論されるのでしょうか。というのは、このような話があるのです。自分は病院機能評価のサーベイに行っているのですが、患者満足度というのをどこの病院でも調査しているわけです。
そうすると、去年4.5点でした。今年も4.5点でした。何も介入していないなら変わらないのは当たり前です。ですから、その患者満足度を上げるために何をしたのかという介入が議論されなくてはならないのではないかと思っているわけです。たくさんの指標が出たときに、またその指標をよくするためには、それぞれの地域でもその介入方法って大分変わってくるのではないかなと思うのですが、その介入方法に関して何か議論するということが今後考えられていくのでしょうか。
以上です。
○飯原参考人 大変重要な御質問ありがとうございました。全てにおいて答えを出すというのは難しいと思うのですけれども、一つの考え方としては、このスライドに示すとおり、先ほどお話ししたように、予防・啓発のところで医療計画、循環器病対策計画の中で幾つかこういう生活習慣病のリスク因子の、例えば高血圧、年齢調整受容率、NDBでも出るような、国民生活栄養調査かな、いろいろありますけれども、そのような個々のリスク因子をどう管理していくのが将来このような予防効果出るのかという推定したのがこのスライドなのです。
ですので、同じような生活習慣病の管理の並びの中でも、あの中では重点指標をどれも書いていなかったのですが、実はこのスライドから分かることは、もちろん、全リスク改善したら発症数がこれだけ下がりますよ。この赤の情報で見たところですね。それと、例えば収縮期血圧を下げたらこれだけ変わりますよ、喫煙はこれぐらい変わりますよということなのですね。
ところが、LDLとかHbA1c、BMI、運動習慣、野菜・果物摂取量の改善効果は割と少なかったというのが出ていますので、先生おっしゃる患者満足度調査とか、非常に難しい問題たくさんあると思うのですけれども、より単純な、国の統計で出るようなリスク因子に関しては、こういう科学的なデータを基に、これをコア指標としてやるべきであると。例えば都道府県別に血圧の管理目標が全然達成できていないというところは、そこにやはり強く介入するという理論的な根拠が出てくるわけですね。
ところが、LDLとかそういうことに関してはそれほど、この結果からすれば、血圧とか禁煙指導とかそこまでは強く推奨を求めなくてもいいのではないかというのがメッセージだと思うのです。ですので、各都道府県別に見たときに、同じ物差しで、国として推奨がこのようになって、各都道府県でデータも出していただいて、それが先ほど小笠原先生おっしゃったような都道府県の地図にどのように反映してくるかとか、そういうことが見えたら、科学的なアプローチができやすいところでそのような答えが出てくるかもしれません。今のところ言えるのはそれぐらいかなと思います。
○永井会長 よろしいでしょうか。
では、横田委員、どうぞ。
○横田委員 横田です。
飯原先生、どうもありがとうございました。今、小笠原先生から質問もあったことと関連するのですが、様々な指標の中で何を抽出するかというところがポイントです。例えば、救急の立場の視点からで言いますと、突然の心肺停止で、1年間に搬送される中で、心原性心停止が全国で約9万人です。その中で、救命できた人数というのも、これも毎年消防庁のほうから統計が出ているのですけれども、驚くべき結果が出てます。永井先生、画面共有してよろしいでしょうか。
○永井会長 お願いします。どうぞ。
○横田委員 ありがとうございます。これは直近の令和5年のデータですけれども、目撃ありの心室細動、脈なしVTの生存率の47都道府県のリストです。例えば和歌山県とか。福岡県は生存率が非常に高いですね。一方で、東京都は、3年前は全国でほぼ最下位だったのです。その理由は、その場に居合わせた人が心肺蘇生をする割合が統計的に実は一番相関するのです。私、東京都の今回東京都循環器病対策推進計画の改定のときに、この心停止傷病者のその場に居合わせた人の心肺蘇生術をする人、すなわちバイスタンダーCPRの割合の指標を上げるような目標を入れたのです。飯原先生の項目の中にバイスタンダーCPRの割合も入っているかもしれないのですけれども、こういう視点からも、あってもいいのかなと思ってコメントさせていただきました。
以上です。飯原先生、ありがとうございました。
○永井会長 ありがとうございます。事務局には本日御欠席の阿彦委員からの御意見が届いていると思いますが、よろしければ読み上げていただけますでしょうか。
○宮川主査 永井会長、ありがとうございます。事務局でございます。
本日御欠席の阿彦委員からの御意見につき、我々のほうから代読させていただきます。
資料1のP30に提案されております中間評価の進め方案に基本的に賛成する立場から補足的な意見を申し上げます。
2の個別施策については、第8次医療計画の策定指針で定めている指標例を基に、何々分析評価してはどうかと提案されていますが、指標例、資料1、脳卒中の場合はP11でございますが、として示されていない重要な指標もあると思われます。
例えば脳卒中は、特に回復期、維持期、生活期において再発や合併症(誤嚥性肺炎など)による病状の悪化又は救急入院等による治療を繰り返しながら、身体機能の低下が進行するといった症例が多いことも課題の一つでございます。
両疾患とも、上記の策定指針で定めた指標例のほかにも重要な評価指標があると思われますので、さらなる検討をお願いしたいと存じます。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。ほかに御意見いかがでしょうか。今日は議論の時間が十分にございますので、どんな点についてでも結構でございます。
飯原先生、お願いします。
○飯原参考人 先ほどのコメントに対することなのですが、再発・重症化のところについては、今、御指摘あったとおりでございまして、例えば慢性心不全の再発、ケアを重視するとか無視とかいうことで、再発とかそういうところの患者の数とかそういうのはやはり出てこない。再入院率とか。今週月曜日に、私たち、厚労科研のこのFA15の班会議があったのですけれども、もちろんこれは医療計画から出てくる指標なので、できるだけ国の統計から出るものがふさわしいということで、医政局と健康局、様々なところからデータ出していただいていると思うのですが、そのときに、奈良医大の今村先生からいただいた御意見として、再入院とかそういうところは、例えばNDBを使っても、縦串で患者を把握することが非常に難しいということで、恐らく様々な議論も今回のこの第8次医療計画の指標作成するのにあったと思うのですけれども、様々な議論の中で、やはり公的な統計で精度よく出ない数字というのはなかなか指標として採用しにくかったという御意見があったので、一言御紹介させていただきます。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
小笠原委員、どうぞ。
○小笠原委員 今の、こういう議論をすると、コア指標は、やはりこれも必要だ、これも必要だと。これはそれぞれの見ている立場から言いますよね。病前、それから急性、超急性期病院、回復期病院、それから維持期、生活期、もちろん患者さん側、いろんな意見があるのですよ。もちろんそれはあるのですが、今、飯原先生言ったように、私たちも脳卒中学会でいろんな議論しているのですが、やはり数字がないのですね。今の問題は、再発の話は、そもそも疾患プログラム、急性期から回復期、維持期にいったときに、その患者さんを管理するプログラムがきちっとまだ成立していないということで、これも脳卒中学会で藤本班がやっているのですけれども、それが全くやられていない、プログラムさえ維持期にいっていないということなので、これは裏を返すと、ないと、ほとんどやっていないという数字をむしろ出したほうがいいかなという議論までしていますので、それをやるためには、さらに開業医の先生までいかないとこれが分からないのですね。再発ですから。それも、今の数字では全く出せないのですが、そういう出さないのもあるということをきちっと公的に会議に乗せるということも私は重要でないかなと。そうすると、それは施策で、ではどうすれば、やらなければならないのだということを国も考えてくれますので、多分そういうものというのは、今のカルテの統一化しかないのですよね。それをやるためにはパーソナルヘルスレコードしかないのですが、そういう、できないものをできないということを上げることも私はこの会議の一つの結論としていいのではないかなと思っています。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。飯原先生、何か御意見ありますか。
○飯原参考人 小笠原先生おっしゃるとおりで、私も、できるだけ地域の連携パスというのが、脳卒中、昔からあるのですけれども、できるだけIT化できないかという話もあり、将来的な大きな目標の一つだと考えています。何らかの形でそのようなデジタル化が進んでいかないと、そういうリンケージがなかなか難しいと思うのですね。私たちも別の厚労科研でデジタルヘルスの研究班やっているのですが、そこでも、小笠原先生おっしゃったように、脳卒中とか心不全とか、そういう領域でもデジタルデバイスを使っていて、そういう連携をしているというのがまだ非常に少ないという実情がありますので、そういうところで、やはり国全体として進めていくにはどうしたらいいか。現状では、データがないというのは小笠原先生おっしゃるとおりだと思うので、そういうところをどう進めていったらいいのかということが大事なのではないかと思います。そういうことを進めるには、お金もそうですけれども、そういう教育をするというのが大事で、学会でもそういうことを中心に進めていただける方がいらっしゃって、医師会とか、患者さんにもそういうものを使っていただけるように、私たち、プロバイダーの方々と協力しながら継続的な努力は非常に必要かなと考えています。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。事務局、会場からどなたかいらっしゃいますか。
○中山委員 中山ですけれども、すみません、心臓からもよろしいでしょうか。
○永井会長 どうぞ。
○中山委員 東京都のほうで、脳卒中・心臓病等総合支援センターの事業の一環で、CCUネットワーク、全80施設にアンケートを取りまして、回答率95%ではあったのですけれども、先ほど挙げられている心臓のほうの重点項目の2つの項目が外来と心臓のリハビリテーション実施件数となっておりますが、これはまだ固定でないということで、これらの指標はよろしいでしょうか。
実はこの件数に関しましては、JROADで自然とというか、自動的に出てくる数字にはなるのですけれども、アンケートを行いますと、東京都でほぼ9割に近い施設が入院の心臓リハビリテーションを実施していると答えておりまして、ただ、外来の心臓リハビリテーションを実施している施設は58%という数字ではありましたが、実際は、JROADの数字を見ますと、10%未満の患者さんしか外来の心臓リハビリテーションできていないという、ちょっとその乖離するような、先ほどお話が挙がっておりました介入の指標も考えたほうが、何をしたからこの数字がよくなったというのを検証したほうがよいというような御意見もございましたので、未来を変えていくという点では、指標をもうちょっと検討していただくというのがいいのかなあと思いました。
あともう一点だけ言わせていただきますと、両立支援コーディネーターもこの数字項目挙がっておりますけれども、冒頭で永井先生おっしゃったとおり、がんと心臓と大分両立支援違っておりまして、同じアンケートで実施しておりますと、同施設で両立支援をがんに対して行っていると回答した施設が64%ございましたが、それは心臓に対しても行っていますかと聞きますと、14%しか行っていないというところでございますので、ここも大きくがんと乖離しているところかなと思いますので、情報提供までさせていただきます。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。では、木澤委員、どうぞ。
○木澤委員 ありがとうございます。看護師の立場からは、再発・重症化予防が非常に重要だと思っています。先ほど小笠原先生から御意見がありました数値がないという点では、NDBやDPCでは、どのような介入をしたかがなかなか出にくいということがあります。指標には看護師数が入っていますが、やはり予定外の入院をされる方は生活習慣が乱れている場合もあり、教育介入もするなど、伴走型で非常に密接に関わっていくことが必要だと思います。
生活イベントや様々なストレスによって、服薬ができなくなったり、栄養が足りなくなったりするため、介入の量だけではなく、質やタイミング、睡眠などが非常に重要です。しかし、その時々によって変わりますので、介入によってどのような効果あったかということはなかなか示しにくいと考えております。ただ、患者さんにとっても数値的に改善しているということが幾つかのタイミングで分かるとモチベーションが上がるため、非常に伴走が大切だと思っています。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。横山委員、どうぞ。
○横山委員 科学院の横山です。
先ほど飯原先生からもお話がありましたように、2020年以降に、恐らく新型コロナの影響で心疾患の血管疾患の死亡数が上昇ということが起きていたかと思います。これは死亡だけでなくて、平均寿命もここで一旦短縮していますし、恐らく、最新の健康寿命、まだ公表されていませんけれども、そちらもそれに引きずられて若干短縮しているという可能性が高いのかなと思います。
このコロナの影響を踏まえて評価するというのは非常に厄介な問題なのではないかと考えるのですけれども、その辺り、コロナの影響を受けそうな指標について、今後長期的に見ていくに当たってどのように考えたらいいのかという考えがもしありましたら、飯原先生にお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
○飯原参考人 コロナの影響に関しては、厚労科研でも前回、坂井信幸先生が班長をされていらっしゃったときに、様々な救急の搬送に与える影響というのがかなり、限りなく近い、リアルタイムに近い形で調査されていらっしゃると思いますけれども、コロナのことに関しては、循環器疾患、脳卒中でやはり救急搬送のところが非常に強く影響を受けたと思いますね。詳しくはまた小笠原先生が御存じかもしれませんけれども、受療の時間が延びたりとか、搬送困難事例が伸びたりとか、あるいは大動脈疾患なんかでは、ICUが詰まることによってより広域の搬送が必要になったりとか、そのようなことがあると思うので、そのような影響が、コロナが今度おさまって、ポストコロナの時代になって、また救急搬送が少しずつ伸びてきて、コロナ前の状況に近くなってきて、今度はより超高齢の救急搬送事案が増えてきたということで、いろんな疾患を持った患者さんが高齢者の搬送が増えてきていて、国としても今様々な試みをされていると思いますけれども、純粋な循環器疾患だけではなくて、ほかの病気を持った高齢者の患者さんの救急搬送が増えてきているという話も聞いているので、コロナ終わって、超過死亡もあって、救急搬送事案が増えたという時期を超えて、今後はまた別の救急搬送の問題が出てきているのではないかなと思います。
小笠原先生、何か追加コメントございますか。
○小笠原委員 先生言われるとおりで、これは坂井班でコロナの影響のデータが既に厚生労働省に出ていますので、ホームページ見ていただければ、神戸の坂井信幸先生が脳卒中に関するコロナの影響のデータ、入っています。これは平野先生も御存じだと思いますが、かなり影響あるということがありますが、さっきの横山委員の質問は、それがこのモデルに入れるのか入れないかと、簡単にいえばそういう質問だったと私は思っているのですけれども、これは入れたほうがいいと私は思うのですね。
結局、この先も同じことが起こってくるわけです。新興感染症が出る可能性もあるし、今言ったような人口構成変われば運ばれる患者さんも変わりますので、それは世界の、世の中の流れ、疾病の流れなので、この先、極端なことを言ったら、脳卒中ががんがん減って感染症がぼんぼん増えることだってあり得るわけなので、その中に入れないと何か変な、理想的な数字だけ出てきて、現実的な数字ではなくなるので、こういう新興感染症で脳卒中医療が一時的に崩壊しつつあったというデータを含めたものをつくったほうが私は現実的でないかなと、私個人はそのように思います。
以上です。
○飯原参考人 ありがとうございます。今の小笠原先生の御意見もそうで、今回の数理モデルに関しては、入れている変数というのが人口動態統計と国民健康栄養調査ですので、今、小笠原先生おっしゃったような救急搬送の、搬送の支援とかそういうところの要素はあの数理モデルの中自身には含まれていません。ただ、今回の研究班で、今日出したのは道府県がどう評価するかということで出しているのですけれども、先ほども御意見あったようなJROADとか、J-ASPECTとか、脳卒中データバンクとか、様々な学会単位、あるいは研究者単位で持っているデータでは恐らく統計学的な解析が可能になると思いますので、多面的な、対象人口とかそれはちょっと異なってきますけれども、様々な切り口が可能になると考えております。
以上です。
○横山委員 どうもありがとうございます。APCモデルのPの部分が恐らくこの時代の効果ということなので、モデルに入れることでよりよくなるのかなと思いますので、引き続き御指導いただければと思います。よろしくお願いします。
○永井会長 平野委員、どうぞ。
○平野委員 御指名ありがとうございます。今、名前が出たので、坂井班に少し関わりましたので、発言させてください。
2022年の時点で、超過死亡、多分、コロナの影響で高くなっているという御指摘、ごもっともだと思うのですけれども、俯瞰してみると、そこをもしベンチマークとすると、対策が余りよくなくても、もとが悪ければかなりいい、そういったところの変動する要因もうまく吸収するためにはもっと長いスパンでトレンドを見ないといけないのだろうなと思って拝見した次第でございます。
あと、特に脳卒中に関しましては、第1次5か年計画の最も死亡率降下に寄与したのは血栓回収療法の普及だと理解しておりますので、やはりいろんな治療法のブレークスルーとかあると、そこもかなり変化させる要因になりますから、そういったところをうまく取り込みながら解析を進めるのが大事だなと思って聞いておりました。
意見は以上です。ありがとうございました。
○永井会長 ありがとうございます。心臓関係の先生方、何か御発言ございませんでしょうか。課題でもよろしいと思いますが、いかがでしょうか。
では私から。これはもう脳卒中も心臓病も同じだと思うのですけれども、先ほど小笠原委員言われたように、数字がないという話ですね。これはもう共通して、この対策協議会で政府に要望していかないといけないと思います。
今、第3期健康医療戦略ということで議論が進んでいて、今度8つの統合プロジェクトが立っています。その5番目がデータ利活用ライフコースという柱なのですね。それはまさにデータでいろいろな調査をするはずなのですけれども、ただ、中身を見るとやはりゲノムの科学、ゲノムに絡めてのデータ利活用であり、少しは循環器のライフコースもありますけれども、非常に比重が小さいのですね。これは脳卒中学会、あるいは循環器学会のほうからもどんどん、このデータ利活用ライフコースはゲノムだけではありませんよと、もっと今日議論になるような基盤になる数字を出すような研究を推進してくださいということをぜひ学会等を通じて要望していただきたいと思いますね。この会でもきっちりその点は指摘させていただきたいと思います。
私からはそういうところですが、小林委員、どうぞ。
○小林委員 私としては、手法などには全く異論はなく、これから日本循環器学会で検討していきたいと思っております。ただ、議論が一段落してからと思っていたのですが、現在日本循環器学会で問題になっているのが、会員の数は微増しているのですが、20代、30代の若手の循環器医が減っていることです。これは内科、外科両方です。このモデルの中に、治療の担い手が減っていくということが入っていないと思いました。なかなかそこを入れ込むのは難しいので、入れてくださいというわけではないのですが、そういう問題点があるということも御理解いただきたいと思っています。
特に、非都市部で急性冠症候群に対してカテーテル治療を行う医師が減っていて、さらに働き方改革の影響がこれからどう出てくるか、分からないのですが、より一層非都市部で厳しい状況になってくるだろうと予想されます。そうすると、今まで日本の急性心筋梗塞の死亡率は世界的にも非常に低かったのですが、これがだんだん悪くなることが予想され、皆さんにお伝えしたく、最後のほうで発言させていただきました。
○永井会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
大津先生、何か普段感じていらっしゃること、あるいは今回の資料についてでも結構ですが、いかがでしょう。
○大津委員 循環、心臓と脳との大きな違いは、リハビリがやはり脳のほうは非常に進んでいて、回リハも含めてですね。でも、心臓のほうはその辺は余り進んでいない、回リハ病院も余りありませんし、また、あっても重症度、重症の患者しか入れない、割合が高くということで、実際的にはなかなか難しいということもありますので、心臓のリハビリテーション、発症後の後の医療を進めるためにも、やはりそのような指標、今は本当にどうなっているのかというところも調査が必要かなあと思っています。
○永井会長 ありがとうございます。あと、この病気を経験された方々、いかがでしょうか。事務局、あるいは委員の方々でもどなたかお答えいただきたいのですが、国民への啓発活動のなかで、予防については割といろいろなところで行われていると思いますが、恐らく患者さんには初期症状への教育も大事です。これが脳卒中の前触れだったのかとか、心臓病の前触れだったのか、そうした症状があれば早く受診しましょう、そういう教育はいかがでしょうか。大津先生、いかがでしょうか。こういう単なる予防ではなくて、早期対応の教育ということをもう少し強化してもよいように思うのですが。
○大津委員 私も先生と同じ意見です。やはり今の医療、サイトカイン療法を受けるためには、いかに早くそういう医療機関に行っていただくかということが必要だと思いますので、その辺の教育が必要かと思います。我々もSTOP-MIキャンペーンと銘打って近隣の都市でやっているのですけれども、全国的な啓蒙の取組というのが必要かなと思っています。
○永井会長 ありがとうございます。幾つか手が挙がりましたので、まず会場からお願いいたします。
○川勝委員 川勝です。よろしくお願いします。
今、啓発の話があったのですけれども、それは後にお話をして、ちょっと資料で気になるところで、教えてほしいことがあります。宮川さんが御説明された資料1の21ページで「循環器病の疾患別死亡者数の推移」とあります。表題には、心不全の死亡者数が増加、そして脳梗塞、急性心筋梗塞の死亡者数が減少とあります。確かにグラフを見るとそのとおり。私、脳梗塞経験者ですけれども、確かに2005年、これはt-PAの開始だと思いますけれども、8万人が、最新データでは6万人に落ちていると。とってもよいなと思うのですけれども、一方、脳内出血がずうっと3万人のままスライドしているのですね。これは四捨五入の関係ですから微妙でしょうけれども、はっきりいって減っていないというか、増えてもいないのか知らないですけれども、脳内出血の方、実は後遺症の重い方が結構いらっしゃるのですよ。それは最近ちょっと私も気になっていて、すごく注意すべきかなと思っています。
それで、8次医療計画の指標例、この中に実は脳出血という言葉がないのですね。脳卒中はもちろんあります。脳卒中と一括りにされると、脳出血の方がやはりちょっとお気の毒と言ったら変ですけれども、脳出血に対する治療とかをもう少しクローズアップして、減らしていかないといけないのではないかなという気がかなりしております。それがこの指標についての私の意見です。
それから、今、啓発のお話がありましたので参考までにお話をします。私、脳梗塞経験をこの20年ずうっと人前で話をしてきました。これまで370回、講演会していまして、5万人の方にお話をしています。一番大事なのが、先ほど来お話があった、発症したときにどんなことが起きるのかというのを国民の皆さんに教えないと、様子見るのですね。それを一生懸命ずっとやってきました。5万人を超えていまして、実際に発症に気づいて助かったという方からお礼状が来たりしています。日本脳卒中協会では、私のような語り部という、脳卒中の経験を話せる脳卒中スピーカーズバンクというのを今育成しています。今後20名体制でいきたいなと思っているのですけれども、そのようなメンバーを、各地で先生方が行っておられるような啓発に経験者の話を持ち込む。それで、一番大事なのは気づくことですよということで教えていくということに力を入れたいと思っています。
以上、御紹介と最初の質問です。よろしくお願いします。
○永井会長 ありがとうございます。事務局、何かコメントありますか。
○宮川主査 事務局でございます。先ほどの川勝委員の御意見につきましては、御意見いただきましてありがとうございます。脳出血のところも切り分けて、できればコア指標の選定の際の御参考にさせていただければと思っております。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。では、野口委員、どうぞ。
○野口委員 ありがとうございます。日本医療ソーシャルワーカー協会の野口です。。
医療ソーシャルワーカーの立場から一言コメントさせていただきます。第2期循環器病対策推進基本計画の全体目標は、健康寿命の延伸と年齢調整死亡率の減少に置かれているので、先ほどの予防やあと急性期の指標開発というところにどうしても焦点はいきがちになるかと思います。その辺りはとても大事な観点だということは重々理解しているのですが、私どもソーシャルワーカーは、そういう大変な急性期を何とか生き延びリカバリーすることができた方々が、その後、どういう生活を取り戻したいのかというところで相談を受ける役割を担っています。その辺りの相談にも乗る機関として、今回の第2期計画では脳卒中・心臓病等総合支援センターを全国に拠点として設置する計画になっているかと思います。
 私ども協会では、現在、42か所まで広がった総合支援センターのソーシャルワーカーに参加してもらい昨年度から意見交換会を開催し、急性期から回復期、そして在宅に帰られた方々がどのようなかたちで社会参加できているのかをモニターしたいと考えています。就労はもちろん社会参加の重要な一つの形態ですが、そこまで回復できない方々も大勢おられ、その方たちが他にどのような形で社会参加できるのか、様々な参加の形態を模索しているセンターもございます。
 厚労省に報告書として上がっている実績がございますので、その辺りと、私どもの協会のほうで集約できたものを御披露しながら、急性期、回復期後の指標としてどのようなものが挙げられるかを意見できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井会長 ありがとうございます。では続いて木幡委員、どうぞ。
○木幡委員 フジテレビの木幡です。
普及啓発について一言申し上げたいと思います。先ほど事務局から、内閣府の脳卒中や心臓病等に関する世論調査の結果、一部だけ御紹介あったかと思いますが、こちら、詳しく見てみますと、国民が脳卒中や心臓病にどんな印象を持っているかという問いかけに対して、95.7%が怖い印象、どちらかというと怖い印象を持っていると。怖くないと思っている人は1.1%しかいない。これはやはり皆さん、非常に怖いということは分かっていて、なぜかという問いかけには、死に至るから、突然訪れるから、あとは後遺症があるからということで、ここまではすごく恐怖感も持っているということが分かるかと思います。
ところが、生活習慣を改善しようと思うかという問いかけには、「思っていない」とはっきり回答している方が31.6%もいらっしゃるのですね。ということは、生活習慣がこの病気と関係しているということが余り伝わっていないのではないかなと感じました。弊社でも、最近、働き盛りの社員が突然亡くなるという事がございまして、こういった突然死とか、今、人口も減る中大きな損失になっていると思いますので、そうした生活習慣、日々の生活の積み重ねで予防ができるのだというポイントをぜひ発信すべきではないかなと思っています。
その際に発信の仕方なのですが、ぜひ従来のやり方だけにとらわれず、今人々がどこから情報を得ているかというと、SNS、これ、無視できないと思います。きちんと使えばすごく効果的な発信にもつながると思いますので、ぜひ普及啓発の際にこういったSNSの活用なども考えていただければなと思いました。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。続いて小林委員、どうぞ。
○小林委員 予防・啓発に関しての前に、先ほどの循環器医師不足のことで補足させていただきますと、循環器医療が魅力ないわけではなくて、若い人たちも魅力あると思ってくれています。ただ、急性心筋梗塞などで、夜中に緊急で呼ばれてカテーテル治療をやって、それで翌日も働かなくてはいけないというのが、若手医師に大変に思えて、QOL重視の今の若い人たちにはなかなか選んでいただけないということを御理解ください。
さて、予防・啓発ですけれども、先日もそのようなことを議論する機会がありまして、そこで聞いたのが、一般向け講演会は効果があるのだけれども、来る人たちは健康意識の高い人がほとんどなので、意外と効果が限定的だと伺いました。私は詳細を知らないのですが、がんに関しては学校教育の教育指導要領に入る方向で検討されていると伺いました。循環器疾患も同様に子供の頃から教育を受けさせる、また心肺蘇生も学校で教えて行くことが、親にも波及効果があり、良いと思います。心肺蘇生も子供たちが全部できるようになるとは思えませんが、一回でもやったという経験が非常に重要だと思うので、完璧なものでなくてもいいので、経験してもらうということから始めるのがいいのではないかと思っています。
○永井会長 ありがとうございます。佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 すみません。今回初めてなので、いろいろ聞かせていただいて、リハビリ医の立場からちょっとお話しさせていただければと思います。
脳卒中のリハビリができる医療施設とか、あと両立支援とか、そういうところも重点項目に入っていると思うのですけれども、やはり脳リハビリテーションというもの自体がなかなか一定していない。例えば心リハというのは割合、ATポイントとかCPXを使ってとか、何々を指標に心臓の機能をどう上げていくというのはある程度確立していて、循環器疾患のリハビリテーションとはまた別ですけれども、心臓の機能のリハビリについてはある程度全国的な、世界的なコンセンサスを得られていると思うのですけれども、脳卒中はバリアンスが非常に多いので、人によって違うとしか言いようがないところもありますし、あと、リハビリやっている連中、リハビリ専門医の中でもそうですし、セラピストなんていうのもそうですし、例えば脳卒中の麻痺になったら筋トレすればいいと思っているとか、むしろ筋トレは逆効果のこともあるのにそういうことを分かっていないところもまだまだたくさんあるし、痙縮に至っては、セラピストとか介護保険領域でも、これ、治療できるということを知らないわけですね。2010年からボツリヌス療法とかそういうのが始まっているわけですけれども、それを存在すら知らない人がまだまだ多い。
そういうのは特に地域差が多くて、関東は脳リハ、割合得意ですけれども、関西では脳リハの専門医はかなり少ないとか、そういった偏在もあるので、脳リハができる施設というのをどう判断していくかというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、全国規模、国レベルの話ですと、やはりモータリティとか急性期に話がいってしまうけれども、そういうところもカバーできていければなとちょっと思いました。
あと、両立支援についても、麻痺はともかく、高次脳系はなかなか難しいところはあると思うのですけれども、例えば前頭葉機能障害、遂行機能障害とか注意障害の人は難しいかもしれないですけれども、失語症とか記憶障害だったら、それは体制整えれば、両立支援、かなり簡単なので、そういうところも分けて考えていただければなと思います。
すみません。以上です。
○永井会長 ありがとうございます。続いて大橋委員、お願いします。
○大橋委員 脳卒中を経験しました大橋と申します。
普及啓発について意見を言わせていただきたいのですけれども、脳卒中の症状としてFASTというのがあると思うのですが、実際に私も倒れたときに、そのFASTというのをまさに経験しまして、顔がゆがむ、ろれつが回らない、腕がだらーんとするというのを経験したのですけれども、そのFASTという標語を知ったのは後からのことで、まさに自分が経験したことと同じだと思ってびっくりしまして、これは啓発しないとということで、折に触れてSNSなどでも発信してきたのですけれども、先ほどお話にもありましたように、耳を傾けてくださる方というのは大体意識の高い方で、大体同じというか、幅広く発信していきたいなという層にどういう手段が有効なのかというのがちょっとまだつかみ切れていないのですよね。
なので、例えばFASTであったり、先ほどもお話に出てきましたSTOP-MIキャンペーンでしたか、そういった標語みたいなものが幾つかあると思うのですけれども、そういったものが全国的なアンケートの中でどれぐらい周知されているのか、どれぐらいの人たちに知られているのかというのが数値などで把握することなどができたら、どういった層に有効的に訴えていけばいいのかとかが視覚的に分かりやすくなって、もしかしたら有効なのかなと思ったりもしました。
○永井会長 ありがとうございます。それでは、会場からどうぞ。
○中山委員 中山ですけれども、先ほど野口委員からお話いただいた両立支援に関しまして、心臓の病気、脳卒中の病気の後、怖くて仕事につきにくいと、アンケートの結果、2割ぐらいあったところでございますが、患者さんも、両立支援、仕事と病気の支援を病院がしてくれるというのをほとんど知らないという事実もありながら、一方で、医療従事者も知らなかったりするというところがございまして、今回、こちらの厚労省のセンター事業で、心臓病の両立支援の研修会を、先ほど小林先生の日循にも御後援いただいて、サポートいただいて研修会を行いましたところ、東京都ですけれども、東京都に限らずということで実施しましたところ、509名もの参加者がいらっしゃいまして、薬とかそういう話ではないので、学会でも取り上げづらいどころか、研究会でもほとんど取り上げづらいというところでございますので、こういう厚労省の事業にでもしなければ、皆さん情報に飢えていたというところが実情でして、現に、今、両立支援に従事していると、アンケートで答えた方が2割弱なのですね。
ところが、令和4年度から、心臓病も両立支援に保険収載されていますが、実際それをちゃんと勤務情報提供書を介してやっていますかと、保険収載やっていますかというアンケートを取りましたら、6%しか、ほとんど使っていないのですね。こちらもちょっと指標の、コアでなくても、一つの指標にしていただいて、本来であれば医療機関が行うようなものになってございますので、それを医療従事者がまず知らなければいけないというところもあるかなというところが1点でございます。
もう一個だけ、大津先生がおっしゃっていた、外来心リハの普及が少ない。入院心リハは普及しているのですね。なぜかというと入院心リハはコストが取れるからなのです。もうかるからというところで、今どの病院も赤字対策していると思いますけれども、外来に関しては、JROADデータも10年以上ずっと6%、7%行き来で、10%切っておりますので、この普及率が海外に比べると圧倒的に低くて、啓発だけだと足りないというところがございますので、診療点数の話も絡んでくるところではございますけれども、東京都ですら、外来心臓リハビリテーションをサービスとして行っている施設というのは相当限られてしまいますので、多摩地区でも、我々でも、東京都西半分でも4施設ほどというところでございますから、ここら辺、根本的な問題もちょっと考えていかなければいけないかなと思いましたので、お答えさせていただきます。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。坂本委員、どうぞ。
○坂本委員 日本医師会の坂本でございます。ありがとうございます。
先ほどから専門医等のお話も出たところでございますけれども、第8次医療計画・医師偏在・診療科偏在、新たな地域医療構想2040年に向かってということで、12月中に骨格は出ると思います。来年度以降、都道府県別も含めて策定等が始まると思いますけれども、循環器専門医、脳卒中専門医も含めて非常に偏在が起こっているのが現実だと思います。
先ほどからの資料1の21ページ等に死亡者数の推移とか出ておりますけれども、多分、都道府県、あるいは二次医療圏等で、医師多数圏、医師少数圏等で地域差があるのではないかなと思っております。地域差というのも、救急要請から医療機関への時間の問題、その辺も、今後地域医療構想で患者さんが、三次医療救急病院、高度医療救急病院まで、専門医までどれぐらいの時間で到達するかというのも非常に大事な問題であると思いますので、その辺も含めてもちろん指標として入ってくると思うのですけれども、東北地方とかそういうところと東京都ではかなり差があると思いますので、その辺も検討していただいたらと思います。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。続いて湯野川委員。
○湯野川委員 心臓病経験者の湯野川です。
先ほど初期症状への教育というワードが出たので、少しコメントさせていただきたくて、挙手のほう、いたしました。この初期症状への教育というのは、私自身、病気とつき合いながら生きていて、すごい大事なワードだと本当に意識しております。私、民間企業で働いている一般社員なのですけれども、私の勤め先はかなり健康経営に力を入れている会社ではあるのですけれども、予防に関してはとても力を注いでいるのですが、初期症状教育というものは全くといっていいほど追いついていないという現状が当社ではあります。今、法定の健康診断の結果を生かして、なるべく早く精密検査に、検査に持っていくという意味で、さっき大橋さんがおっしゃっていたFASTみたいな形のキーワードみたいなものをインプットしていこうみたいな動きは出ているのですけれども、やはりまだまだ初期症状教育ができていないので、上、政府からやっていただくというのは非常に大事になっていくのではないかなと思っておりますというのが1点と、あと、先ほど問いいただいた資料2のP26にありました、心臓病、脳卒中持たれている方の就労状況に関するグラフがあったと思いますが、あの数字を見たとき、個人的に結構ショッキングだなと思っておりました。
というのも、私は心室細動を6年前に都内で起こして、たまたまその近くに人がいらっしゃって、心臓マッサージしていただいて、後遺症もなく回復したという経緯が実はあるのですけれども、その際にICDを埋め込んだので、最初、埋め込んだ後に障害者として認定がなされていたのですね。何が言いたいかというと、障害者だったので、障害者認定がなされていたので医療費がかからなかったのですけれども、ICDって、入れて何年かたつと障害者等級が下がることになるので、医療費というものが一気にしっかりかかってくるようになります。なので、今、病気とつき合っていく上において、医療費も結構かかるので、就労することってすごい大事だなといつも意識しながら生きています。なので、すごくあの数字はショッキングでした。
先ほどの初期症状教育の話に戻るのですけれども、その初期症状教育というものがまず浸透していたら、そこから発展して、病気がどのような症状が出ていくのかというのに発展して知識を深めていくみたいな流れができていけば、企業として、病気があっても就労ができる環境というものを用意できるなという意識を持ったりして、用意してくれる企業というのは増えていくのではないかなという気もしています。
なので、まとめると、初期症状教育というものを国や政府、上からしっかりやっていただくことで、それが企業などのコアの、もっと皆さんに普及していく人たち、企業に伝わって、その企業から一般市民、社員に伝わっていくというふうになっていけば、疾患を持っている患者として、疾患を持ちながら、急性期も乗り越えて、これから頑張って生きていくぞという、疾患持ちながら生きていくというのがすごくやりやすくなるので、こういった教育とか意識改革みたいなところも今後議論がぜひできたらいいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ということで、私からは以上になります。
○永井会長 ありがとうございます。小笠原委員、どうぞ。
○小笠原委員 すぐ終わります。2つですけれども、就労支援、両立支援の話ですが、要するにこれはきちんとした悉皆性のあるデータがないのですね。実はこれは宮本班で、脳卒中学会でもう総合支援センターでやっていまして、要するに仕事ができる年齢の自宅に帰った方というのは大体11%いるのですが、その中で就労支援、支援をされたかと言われると、回復期リハは6割はされているのですけれども、直接急性期病院から帰ると、20%はされていない。要するに、全く両立支援がされていないという事実をまず出そうということで、そのデータを宮本班でこの後、恐らくこの会議でも出ると思いますので、実態が分からなくて議論してもしようがないと思って、その数字を学会としてつくろうということで、これは今お話しされた全国のメディカルソーシャルワーカーの方々と一緒にやって、そういう数字をこれから公表しますので。されていないという事実を。それからもう一つは、PT、ST、OTの方が一生懸命就労支援したとしても、全くそれは保険点数に反映されていないという事実もそのうち出ますので、これが1つ。
それから教育の話ですけれども、先ほど学校教育の話がありましたが、実は脳卒中協会、私も理事ですけれども、協会でこれを年に何回か集まって議論しています。学校教育で何とかやってくれないかと。無理なのですね。なぜかというと、教育界に行けば、皆さん、行ったことがあると思いますけれども、学校は今、カリキュラムがいっぱいで、例えばSNSの犯罪の話とか詐欺の話とかで、とてもとても入る余地がないと言われます。ですので、一つの、脳卒中、あるいは心臓病だけで教育の現場にお願いしたってはじかれます。ですので、これはなかなか難しいのですが、実は、私、県と一緒に、毎年中学校と高校で、無料でもう5年間ぐらいずうっと講演してきました。そうしたら、親に波及するのですね。だから、今言われたように、やはり子供の教育が一番いいのですが、都道府県によっては絶対に受け付けないところもある。ただ、県に、私、ずっとしつこく言ってきたのでそれが可能になったということなので、個人の努力ではやはりだめなので、厚労省から文科省にこういうことを言うのが可能かどうか私分かりませんが、やはり子供の教育にがんと一緒にそれも入れてもらう。同じ時間でしか僕はないと思うのですが、予防はほとんど似ていますので、そのような施策が必要ではないかなと思います。幾ら成人した人に何を話したって言うこと聞きません。皆さん、自分のこと考えればそうだと思いますが、ですので、やはり子供に教育するということをいかにうまく持っていくしか、私は予防はないのではないかなと個人的には思って、個人的にはそういう活動をしていますけれども、そういうこともこの会議で決めていただければと思います。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。会場からどなたか御発言ありますか。
○鶴岡委員 つるかめ診療所の鶴岡です。
在宅医療の現場で感じていることからコメントさせていただきます。市民啓発に関して、例えば脳卒中などの初期症状への市民啓発、とても重要だと思っていますが、それと同時に、救急車を呼ぶときの適正使用に関して、これもとても大きな課題かと思っています。同時に、病院の役割分担に関しては市民とともに考えていく課題だと思っています。
というのは、結局、救急車を呼んでも、そこで止まっている。病院に搬送されない。それは脳卒中の患者さんではないかもしれないのですけれども、そこで止まっているという社会であるということを市民の方にも分かってもらう必要があると思います。
超高齢社会で、心不全だけでない、脳卒中だけでない、複合的な、複雑な課題があります。それを疾患ベーストではなくて、社会の課題として市民と考えていく必要があるのではないかなと思います。かかりつけ医を持つと脳卒中の予防ができるかということと同時に、なったときの対応が変わってくるというのが見える化するといいなと思っています。ありがとうございます。
○永井会長 ありがとうございます。では、最後に美原委員、どうぞ。
○美原委員 どうもありがとうございます。小林委員、坂本委員がお話しされていたことと関係するのですが、やはり医師の偏在というようなことが大きな問題だろうと思っています。例えば血管内治療をしましょうと言ったときに、ある医療機関に症例が集中していたほうが、質が高いというのは十分理解しているのですが、がんと違って、脳卒中の場合には治療開始までの時間が重要であって、県に1つの施設だけが対応できればいいというものではないと思います。今、専門医制度が進んでいて、地域の1か所ぐらいの病院だけに若い先生方が集まってしまうと、地域の中で急性期医療ができる病院が少なくなってしまう。
何が言いたいのかというと、専門医制度、あるいは専門医制度が始まったことによって、たくさんの手術ができる、治療ができる大きな病院に人が集まってしまって、それはそれで非常に重要なことだと思われるが、がんと違って、時間が勝負な脳卒中などに関してはある程度地域の中で数が、急性期治療に対応できるような病院がなくてはならない。そういったときに、今この指標の中でも病院数、急性期の血栓回収療法ができる病院というものが指標に挙がっておりますが、これの適正な数というものがある程度議論されてほしいと思うのです。それを伝えたいと思いました。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
議論の時間がそろそろなのですが、今日のまとめとしまして、まず、第2期循環器病対策推進基本計画の中間評価の進め方について、全体目標、個別施策についてお話を伺いました。分析評価の進め方ですが、特に第8次医療計画の策定指針で定められている指標例を基に重点的に評価するコア指標を選定して、めり張りをつけて分かりやすく分析・評価するということ。各施策に関する関係課室、省庁の取組状況を把握するということ。併せて、都道府県の循環器病対策の進捗状況の公表、好事例の横展開を推進する、この辺りを基本に中間評価を進めていただきたいということ。今日の御意見も参考にしながら、このような視点からお願いしたいということで御意見を伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それともう一つ、今後の進め方ですけれども、コア指標については、中間評価前、令和7年度夏頃の協議会で指標の案を示して議論するということ、それから、そのほかに必要な検討課題、脳卒中・心臓病等総合支援センターのあり方等につきましては個別に議論するということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○永井会長 ありがとうございます。いろいろ細かい点についてはご意見があろうかと思いますので、また事務局にお寄せいただければと思います。
それでは、進め方については皆様の合意をいただいたということ、その方針に沿って引き続き事務局で中間評価に向けた準備を進めていただくようにお願いいたします。
予定した議事は以上ですが、その他、何か全体を通じて御発言ございませんでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日は熱心な御討議ありがとうございました。
事務局から今後の予定等をお願いいたします。
○宮川主査 先生方、ありがとうございました。最後にまとめまして、本日、先生方からいただきました御意見等につきましては、今後、省庁内外の御議論の状況なども踏まえまして、コア指標の選定の検討の参考として関連学会の先生方とともに御検討させていただきたいと考えております。
委員の皆様方、本日はありがとうございました。次回の協議会の日程と場所につきましてですが、決定次第、案内を申し上げます。お忙しい中、本日は御参加いただきましてありがとうございました。