中央社会保険医療協議会薬価算定組織 令和6年度第2回、第3回

日時

第2回:令和6年7月16日(火)
第3回:令和6年7月30日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第2回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、森山光彦委員、諸井雅男委員
河原昌美専門委員、神田善伸専門委員、高橋悟専門委員、谷本光音専門委員、古田淳一専門委員、三澤園子専門委員、山口正和専門委員
第3回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、諸井雅男委員        

<事務局>
清原薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について 市場拡大再算定の要件該当性等について

 

議事

 
ブリィビアクト錠25mg、同錠50mg
日時:令和6年7月16日(火)

○薬価算定組織委員長
「ブリィビアクト錠25mg、同錠50mg」です。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 類似薬効比較方式で、ビムパット錠100mgのほうが値段が安くなることは当然だろうと思いますし、加算の問題ですけれども、確かに最初にぱっと投与しやすいというメリットは認めていいと僕も思うのですけれども、他の点は、ほかの薬が出たときにも同じようなことをずっと言っているわけで、要するに、多剤併用ですから、そこに上乗せをした効果があるかということは、薬を組み合わせて起こっていますので、特にこの薬だけが特別有用とする根拠はまるでないと思います。だから、事務局案に賛成です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から、ほかに御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。特にないでしょうか。先ほどの□□□□には該当しないということに関しても、納得できるようなことでございますので、よろしいかと思いますけれども、先ほど言われたように、上乗せということも、恐らく、領域的に、いろいろな薬剤を1つ上乗せするとよくなるのではないかということをおっしゃいましたので、いろいろな領域で若干違うこともあるのですけれども、今、□□先生が言われたとおりなのでしょうかね。この薬だから上乗せをして特に効果があるということではないという評価だと思いますけれども。
○□□委員
 そういうことが証明されていないというか、この治験では、この薬の併用だけが特別有用ということを調べているわけではないですよね。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
  
ジンタス錠50mg
日時:令和6年7月16日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 「ジンタス錠50mg」です。特に意見を伺う委員として、森山委員、河原委員にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 これは、ノベルジン錠よりも優れているかどうかというところがあまりはっきりしないなという感覚です。ただ、消化管症状が少ないということが、逆に言うと、もしかしたら吸収効率が悪いのではないかという心配が少しあるかなと思いました。それはこの薬価の委員会でのことではないので、事務局案は、全く問題なく、受け入れることができる、妥当であると思っています。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局案が妥当と判断いたしました。
 1点だけ、私は少し疑問に思ったのですけれども、外国価格がなしと書かれているのですが、インタビューフォームの開発の経緯等を見ますと、ドイツで既に承認・販売されているヒスチジン亜鉛水和物があるということなのですが、これの価格は全く参考にならないものなのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがですか。
○事務局
 ドイツで販売されているものはOTC薬でございますので、参考にできる外国薬価はないという状況でございます。
○□□委員
 承知いたしました。OTCということですね。よい薬だと思います。事務局案に賛同いたします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から、ほかに御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 企業の意見陳述後にまた御意見を伺いたいと思います。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思いますので、事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、ジンタス錠50mgについて、5分以内で御説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて、委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いします。
○申請者
 低亜鉛血症治療薬のジンタス錠に係る意見表明をさせていただきます。
 めくっていただいて、1ページを御覧ください。本日は、有用性加算(Ⅱ)の適用に絞って、主張させていただきます。ジンタスは、御覧の要件、③-a及び③-bの2要件を満たすと考え、加算率は10%と考えております。
 ③-aの根拠につきまして、2ページを御覧ください。ヒスチジン亜鉛製剤のジンタスは、消化管で解離する亜鉛イオンが酢酸亜鉛等の無機亜鉛塩より少ないため、悪心・嘔吐等、亜鉛イオンによる直接的な副作用の低減が期待されております。
 3ページを御覧ください。実際に、第Ⅲ相試験では、本剤群のほうが、酢酸亜鉛製剤群のノベルジン群より、有意差はございませんが、悪心・嘔吐の発現率が低かったことが認められております。また、消化器症状として、胃潰瘍につきましても、添付文書上の記載が両剤では異なっており、ノベルジンにおいては、重大な副作用とされております。
 4ページを御覧ください。亜鉛欠乏症の診療指針2018に亜鉛投与が推奨されており、本剤は③-bの要件を満たしていると考えます。
 5ページを御覧ください。さらに、算定比較薬であるノベルジンは、低亜鉛血症の効能追加後に、薬価算定上、その有用性が評価されておりません。そのため、同じく標準治療として位置づけられることになる本剤においては、③-bを適用されてもいいのではないかと考えております。
 以上の点につきまして、□□□□先生より、医学専門家のお立場により、御意見をいただきます。
 先生、お願いします。
○申請者(専門家)
 □□の□□でございます。
 私は、□□□□として、先ほどノーベルファーマが説明した2018年度版亜鉛欠乏症の診療指針を取りまとめました。また、臨床医として、長年、低亜鉛血症の患者さんを診療しています。ジンタスの臨床上の有効性について、私の経験を踏まえ、御説明いたします。
 まず、副作用の悪心・嘔吐について、臨床試験では、ノベルジンとジンタスで有意差は出ておりませんが、酢酸亜鉛服用による消化器症状を訴える方は少なくなく、臨床では大きな問題です。実際、胃潰瘍と診断した患者さんも何人かいます。このような消化器症状を訴える患者さんには、投薬時間の変更やナウゼリン、ビオフェルミン、H2ブロッカーなどの処方をしても、症状が改善せず、休薬を余儀なくされる方もいます。ジンタスは、このような消化器症状を低減することが期待されます。
 続いて、ジンタスの臨床上の位置づけについてです。冒頭、申し上げましたとおり、私は2018年度の亜鉛欠乏症の診療指針を取りまとめましたが、2018年の診療指針でも既に亜鉛製剤を標準治療として記載しております。この亜鉛欠乏症の診療指針2018は、現在、改定中で、7名の医師らが分担執筆しております。執筆者間での内容の確認は終了しており、今後、パブリックコメントを経て、今年中に日本臨床栄養学会から発表される予定です。その改訂版には、次に述べますことが記載されています。すなわち、低亜鉛血症で保険適用疾患として承認されているものはヒスチジン亜鉛と酢酸亜鉛である、ヒスチジン亜鉛は2024年3月に製造販売承認されたもので、1日1回投与で、消化器症状などの副作用も少なく、使用しやすい薬剤であると明記しています。したがって、今後、亜鉛製剤の中でも、1日1回投与でよく、消化器症状も少ないことが期待されるジンタスが、主流になると考えております。
 以上です。
○申請者
 6ページを御覧ください。以上より、本剤は、要件ハ、治療方法の改善が客観的に示されていることを満たすと考え、御覧の③-aと③-bの2ポイントから10%の加算が適用されると考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から、何か御質問があれば、お願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 2点ほどあるのですけれども、まず、既存のノベルジンやポラプレジンクで効果が不十分であった方への効果は調べられているのでしょうか。
○申請者
 臨床試験の中で、ノベルジンからジンタスへの切替えといった切替試験は行っておりませんので、そこの観点での副作用の差はなかなか分からないのですけれども、今回は、第Ⅲ相試験の非劣性試験、並行群間試験というデザインの中で比較した成績になっております。
○□□委員
 今の発表の中でも、消化器官症状等で使えない患者さんに有効であるということはやってみないと分からないのではないかということが、1点です。
 もう一点は、小児に対する使用例が少ないのですけれども、小児の場合は、成人と比べると、消化管等での作用は非常に敏感なような気がするのです。小児に使った場合、安全性はどうかということをぜひお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
○申請者
 今回の試験の中では、小児の例数は少ないですので、その小児に対する安全性で懸念されるところは、特段、ありませんでした。これに関しては、今後、市販後の調査の中で成績を見ていって判断することになるかと思います。
○□□委員
 分かりました。
 私からは、以上です。
○申請者(専門家)
 私は小児科医なのですが、一般的に、薬のそういう消化器症状などは、成人より小児のほうが出にくいという印象を持っております。例えば、いろいろな抗生剤などを投与したときに、成人の場合は消化剤などを一緒に併用されることが多いと思うのですけれども、小児ではそういうことを行うことはありませんので、一般論ですけれども、むしろ、比較的、小児のほうが消化器症状は出ることが少ないような気がいたします。当然、ジンタスに関しても、今後、検討することが大切だと思います。
 以上です。
○□□委員
 ありがとうございます。
 最後に、1つだけ、メーカーの方にお願いしたいことは、1日100mgに近い亜鉛を投与すれば、必ずや低銅と低鉄という血症が出てまいりますので、それらの微量元素のモニターは必ず行うように、小児に関しては特に行うように、お願いしたいと思います。
 私からは、以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 今の最後の意見に関しては、何かございますでしょうか。例えば、患者説明用文書とかに何かを入れるとか、そのようなことは、厚労省かPMDAから言われているのですかね。
○申請者
 安全性については、ノベルジンも現在は行っていますけれども、ジンタスもより注意喚起をしたいですし、患者さん向けの資材についても、現在、作成を検討しております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 続いて、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 1日1回投与というところが非常にメリットかなと思ったのですけれども、ノベルジンのほうは1日2回投与ですか。その投与の回数によって、患者さんが脱落した、あるいは、ジンタスのほうが優位だったというデータはございますか。
○申請者
 服薬コンプライアンスに関しましては、治験ということで、どちらも99%程度の服薬コンプライアンスがありましたので、この点に関しては、特に差はないところです。ただ、1日1回のほうが、コンプライアンスというか、服薬アドヒアランスに有利だということは自明のことだと思いますので、実際の販売の中でそういったメリットが示されていくのかなと考えています。
○□□委員
 服薬をするタイミングは、食後・食前・食間、別にいずれでも構わないのでしたか。
○申請者
 低亜鉛血症の用法に関しましては、全て、ノベルジンも含めて、ジンタスも食後投与で効能を取っています。これは、食後のほうが副作用は出づらいのではないかということで、低亜鉛血症に関しては、食後で進めたところでございます。
○□□委員
 承知いたしました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 そのほか、委員の皆様から、いかがでしょうか。
 企業の方に確認したいのですけれども、先ほど、ノベルジンは低亜鉛血症に関して標準的治療としては認められていないようなことをおっしゃいましたけれども、それはそのとおりでよろしいのでしょうか。
○申請者
 いえ、そもそも、診療指針の2018年版で亜鉛製剤と書かれているものは、ノベルジンを指されております。
○薬価算定組織委員長
 そういうことですね。分かりました。
 それと、この市場規模予測が、ピーク時で11万人ですかね。今のノベルジンもあまり人数的に変わらないかなと思うのですけれども、これは、企業としては、ノベルジンに取って代わるという予測と考えてよろしいのでしょうか。
○申請者
 基本的には、そのように考えております。ですので、類似薬効比較方式での算定比較薬として取り上げているところです。
○薬価算定組織委員長
 要するに、取って代わる、かなりの部分で代わるのではないかという予測なのでしょうかね。
○申請者(専門家)
 実際に臨床の現場で薬を処方するときに、先ほども言いましたけれども、1日1回投与でいいということと消化器症状が少ないということで、非常に使いやすい薬だと思って、多分、皆さん、使うときは、ジンタスに変わっていくのではないかと予想されます。
○薬価算定組織委員長
 分かりました。ありがとうございます。
 そのほか、委員から、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ないようですので、これで企業意見の聴取を終了したいと思います。
 企業の方は、御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 最初に述べたとおりで、言い出せば本当にべらぼうに出てくるので、なぜヒスチジンと酢酸にしたのかなということが、一番私が分からなかった内容です。ただ、それはここで言ってもしようがないので、事務局案に、ノベルジンよりも安い価格で、それは妥当だろうと思っています。加算については、事務局どおりでよろしいと思っています。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局案でよろしいと思います。低亜鉛血症が効能・効果なのですが、臨床で、ノベルジンは実はがん化学療法のときの味覚障害で亜鉛欠乏をしたときに投与されている例が多いように思うのですが、これも同じ感じの使い方をされる可能性はあるということですよね。
○薬価算定組織委員長
 どうなのですかね。
 □□先生、例えば、肝疾患のときとか、ノベルジンとほとんど同じ使い方ということでよろしいのですか。
○□□委員
 □□□□にも講演をしていただいたことがあるのですけれども、抗がん剤と併用することで、脱落率というか、コンプライアンスが上がるというデータを示されていましたので、抗がん剤との併用においても、味覚障害を含めて、効果的なのだろうと思っています。
 もう一つは、何でしたか。
○薬価算定組織委員長
 いや、それだけです。
○□□委員
 肝疾患は、PPIを飲んでいらっしゃる方に亜鉛を使うと、胃の中で亜鉛イオンになりにくいということがあるので、効果はないのですよね。非常に使い方は難しくて、むしろ1日1回がいいのかどうかという問題はあるのかなと思ったのですけれども、私も、データはないので、何とも言えませんでした。肝疾患にも、使うことは使います。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、これは、正確に言うと、効能・効果というか、多分適応が若干違うのですよね。
○□□委員
 違いますね。ただ、亜鉛を含む製剤が、ノベルジンが出る前は、何でしたっけ、今は名前が出てこないのですけれども、胃潰瘍のお薬、1つ。
○薬価算定組織委員長
 ポラプレジンク。
○□□委員
 そうです。それはよく使われていて、ノベルジンが出てから、そっちを使うようにどんどん変わってきているので、今度はジンタスが出たらジンタスに変わるのかなと思いながら、資料を読んでいたのですけれども、1回ということは、化学療法をする患者さんにとっては、メリットがあるのかなと。本来の使い方とは違いますけれども。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 委員の皆様から、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○事務局
 今お話しいただきました亜鉛欠乏のお話でございますが、ノベルジンと本剤いずれも、承認された効能・効果は、低亜鉛血症というところです。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 そうすると、ノベルジンと同じだけの人数が示されているのですけれども、本当はこんなに使ってはいけないということなのでしょうかね。
○□□委員
 ただ、抗がん剤を使っている切除不能の患者さんはほぼ低亜鉛血症になっているのではないかと思うので、亜鉛を測れば、大体通るような気はするのです。ただし、ノベルジンのジェネリックとこのお薬とがあった場合に、臨床医の先生方が果たしてどちらを使うかということはその先生の判断によるのではないかなという気がして、ノベルジンを使っている人が全部こちらに移行するかどうかは見てみないと分からないかなという気はします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 特に意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業は了承すれば、中医協に報告いたします。
 
ファビハルタカプセル200mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ファビハルタカプセル200mg」です、特に意見を伺う委員として、眞野先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 今、事務局から説明がありましたけれども、申請者と事務局の見解は一致しておりますし、有用性加算につきましても、新規の作用機序ということで有用性加算を5%をつけるのは妥当だと思いますので、事務局案が適当だと考えています。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 昨年から、この疾患に対しては、補体活性化経路の上流を阻害する薬剤が次々と出てきているわけですけれども、この薬に関しては、また新たな作用点を持っているということで、有用性加算、類似薬効比較方式の対象薬についても、妥当だと感じました。
 以上になります。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の委員の先生方から、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 領域違いでなかなか難しいのですけれども、今、□□委員が言われたように、幾つか、同じようなというか、経路は同じですけれども場所が違うような薬剤が幾つも出てきていて、使い分けみたいなことなのですかね、直接比較は恐らくされていないと思いますので、どのように見ていくのかということは、現場にお任せなのでしょうかね。□□先生、何かありますか。
○□□委員
 基本的には、従来のC5阻害薬でうまくいかない人が最初は対象になってくると思うのですけれども、そんな中で、同様のC5阻害薬無効例に対する薬剤が幾つも出てきています。特徴として、経口薬か、注射薬にしても頻度の違いあるいは皮下注か静注かの違い等がありますので、現場では恐らくそういったところが使い分けのポイントになっていくのだと思います。直接の比較試験は恐らく今後も行われないと思いますので、現場でそういう判断がされていくことになると思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の先生方から、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補整加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○前田委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
オムジャラ錠100mg、同錠150mg、同錠200mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「オムジャラ錠100mg、同錠150mg、同錠200mg」です。特に意見を伺う委員として、下井委員、神田委員にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 今回の薬剤に関しましては、RCTのフェーズⅢ試験が2つ行われておりまして、1つは、ルキソリチニブを対象とした、初回の治療としてのhead-to-headの試験でございまして、もう一つは、JAK阻害薬等の治療抵抗性の場合でほかの選択肢であるダナゾールとの比較試験がございます。後者の試験のほうがまさに③-aの該当性ということで、既存の治療、JAK阻害薬等で、進行しているというか、効いていない骨髄線維症の方に対して有効性を示した薬剤ということでありますので、③-aの該当性には同意いたします。
 一方で、①-bに関しては、最初に見たときは該当するのではないかと感じたところではあるのですけれども、JAK1/2だけではなくてACVR1阻害作用もあること、審査報告書では脾臓容積の縮小のみで有効性を判断することはできないみたいな記載はあるのですけれども、実際にルキソリチニブのフェーズⅢ試験は2つともその縮小割合がベストサポーティブケアやほかの治療法に対して優越性があるということで承認されている現状もございますので、一定程度の評価軸だとは思っています。ただ、主要評価項目は非劣性であって、副次評価項目の24週時点での輸血不要割合が少し本剤のほうが高めというところをこのACVR1の阻害作用と言えるのかというところになってしまうと、これは関係性がはっきりしないということで、より有効性が高い薬剤の可能性はあるのだけれどもというところをどこまで①-bで評価してよいかというところで迷いました。今回、基本的には非劣性試験の薬剤ということから考えますと、基本的にはルキソリチニブとの比較ということで考えますと、同じ有効性の薬剤で、加算の該当性は、基本的には優越性もないので、難しいという原則からしまして、①-bの該当はなしという最終的な御判断に賛同いたしました。
 以上でございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も、同じ考えでありますACVR1阻害によってヘプシジン産生を抑制して赤血球造血を改善させるという期待を持った薬剤ではあるのですけれども、ルキソリチニブとの比較においてそれが明らかには示されておりませんので、事務局案が妥当だと判断いたしました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の委員から、御意見があれば、お願いいたします。特にないでしょうかね。よろしいでしょうか。
 このアクチビンの受容体に関しては、結局、その作用が、臨床試験からは、証明されていないというか、効果がどのぐらいかということが分からなかったという評価でよろしいのでしょうかね。
○事務局
 はい。事務局としては、そのように判断していて、確かに、薬理作用の期待される効果としては、先ほど先生方もおっしゃられていたとおり、貧血の改善が期待はされるのですけれども、結局、このACVR1の阻害作用によって、どの程度、実際によい結果が得られたかという点については、臨床試験の結果からは読み取れないので、この点について有用性加算は少し難しいかなと判断しています。
○薬価算定組織委員長
 そういうことですね。ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg」です。特に意見を伺う委員としては、眞野先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 論点は有用性加算のところだけだと思いますけれども、希少疾患なので、なかなか比較は難しいのだろうと思います。企業側は、論文のデータと比較して②-1aや②-2bを主張していますけれども、事務局の考えのとおり、患者背景が異なるので、比較するのは難しいと思いますし、これらに該当すると言うのは難しいと思います。また、標準的治療法についても、既にたくさんの他の薬剤が推奨されていますので、ここも事務局の考えのとおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の先生方から、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。今の□□先生の意見がそのものだと思いますけれども、よろしいでしょうかね。希少疾患というか、希少な患者さんたちなので、なかなか難しいですけれども、現場で確かめてもらうしかないという気がします。よろしいでしょうか。
 特段意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補整加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ハイイータン錠50mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ハイイータン錠50mg」です。特に意見を伺う委員として、弦間先生、山口先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も、事務局案に賛成でございます。基本的に、有効性等について直接的に比較するようなエビデンスもありませんし、安全性についても同様でございますので、事務局案に賛成させていただきます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案が妥当と考えておるのですけれども、申請者が要望を出しております要件ハ、③-aには、臨床的位置づけは類似薬と同様ということで、当てはまらないと考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方から、ほかに御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
 有用性加算の点だけですし、これまでの類似薬と比較して改めて加算をつける必要はないという御意見だったと思いますけれども、皆様、そちらでよろしいでしょうか。
 それでは、特に御意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

アビガン錠200mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「アビガン錠200mg」です。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 算定方式・原価計算方式はよろしいと思います。基本的に事務局案に賛成なのですけれども、補正加算は、結果がこういった形で期待できるという形になっていますので、ここに点数をつけることは難しいのかなということは理解できます。また、市場性加算についても限定的ということで、意義はあるだろうということで、10%でよろしいのかなと考えました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 非常に重篤かつ希少な疾患への初めての薬剤ということで、できるだけ評価できる方向にと考えたのですが、基本的には、事務局案に賛同いたします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から、御意見はいかがでしょうか。感染症分野でないと、こういう評価は難しいなと。かなりはっきりしたものではないことは明らかなのですけれども、□□先生、現場では、これは使われるのでしょうかね。
○□□委員
 私は、あまり専門とは言えないと思います。すみません。
○薬価算定組織委員長
 いかがですか。
 どうぞ。
○□□委員
 これは、もともと新型インフルエンザのときに大分言われた薬ですよね。新型インフルエンザに対しては、もし必要だったら政府が買い上げて配付するみたいな意味なのですか。そこが、分からなかった。今回の薬価とは関係がないといえば関係がないのですけれども、そういうものはどのような買取価格になっているのかとか、そういうことを知りたいなと思ったのですけれども。
○薬価算定組織委員長
 事務局、何か御意見や御回答はございますか。
○事務局
 新型インフルエンザについてですけれども、国が備蓄として買い上げているというところは御承知のとおりかと思います。先ほど御説明申し上げましたとおり、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症について、その感染症への対策に使用すると厚生労働大臣が判断した場合においてのみ使用するとなりますので、平時の状態では、今回、収載希望をされている重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症においてのみ使用される薬剤と考えております。
○薬価算定組織委員長
 市場規模予測に関しては、基本的には2番の効能・効果についてということで、1番に関しては恐らく政府が買い取って備蓄しているということなのでしょうかね。
○事務局
 市場規模予測につきましては、今回の重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症についてのものでございます。
○□□委員
 つまり、研究開発費とかを考えるときに、これを単独で考えているのか、政府が買い取った価格とかはある程度考慮されているのかということが分からなかったのですけれども。
○事務局
 原価計算において研究開発費を精査させていただいておりまして、事務局の資料に本剤の一般管理販売費の内訳をお示しさせていただきましたが、これは今回の効能・効果であります重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症の開発にかかった費用のみを計上しています。
○□□委員
 すみ分け、切り分けは難しいと思う。多分、本当はあるとは思うのですけれどもね。しかし、こういうルールで、こういうものは、普通のお薬ではないので、薬価の組織の判断ということでこのような価格のつけ方と理解したらいいわけですよね。
 僕は、別に全く反対ではないです。賛成です。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうかね。
 研究開発費は、今、今回の2番のものに対する開発費しか載っていないとおっしゃっていましたけれども、これは政府が全部を払っているかどうかは分かりませんけれども、実際には本当のその薬剤の開発費もどこかで回収されるはずなので、それが多少含まれているかもしれないということはなかなか切り分けが難しいと思うので、仕方がないのかなという気はします。
○事務局
 基礎研究費や臨床研究費、実際にどの試験にどれだけの費用がかかったかということは、精査をさせていただいておりまして、本適応症に係るものだけであることを確認しているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 本当のというか、薬剤開発費とか、その辺はまたどういうことになっているのか、なかなかここからは見えないですけれども、それはこの中には入っていないと。基礎研究費に入っているのですかね。非臨床試験等というものですかね。
○事務局
 非臨床試験の内訳ですと、今回、審査報告書に記載があるこの感染症に関してのin vivoの試験のみが計上されている状況でございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 委員の皆様から、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○□□委員
 1点だけ、申し訳ありません。本体の審査報告書等を見ますと、もともと呈されていたというか、推定される致死率が12%、既存のデータからは6%みたいな設定をして、いずれも満たさなかったけれども、もろもろを鑑みて重症な疾患なので、承認して使用してもらうことには意義があるでしょうということで、実質的には、もしかしたらなのですけれども、プラセボや本剤以外の支持療法だけと比べまして本当にこの薬剤における重症化や致死率の低下自体があるかどうかは分からないという御審査には読めるのです。そういったところからすると、何となく、疾患の重篤性や希少性から、仕方がないから使えるようにはしてもいいかなという審査にも読めております。単純に症例数が少ない疾患だからというところからしますと、市場性加算等がついていくという自動的な計算は、何となく、分かりはするのですけれども、その有効性の薬効というところで、十分検討がなされていないというか、検証がされていない薬剤というところでも、市場性加算等はつけてもいいと、このシステムでいいのかなということは、少しもやもやするところがあるのです。申し訳ないのですが、事務局の方、この審査報告書の段階ではあまり十分に評価されていない薬剤は、これまでも新型コロナウイルス等でもあるのですけれども、そういったところに加算がついていくことは致し方なしと、我々も対応することが適切なのでしょうか。
○薬剤管理官
 □□委員、どうもありがとうございます。
 有用性につきましては当初の目標に試験では達しなかったというものでございますが、この市場性加算については、有用性とは切り分けて、こういうなかなか開発してくれない分野について開発することに対してのインセンティブと考えていただければよろしいかと思っております。
○□□委員
 承知しました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 国内企業だからこういうことができるのかなという気もしないでもないのですけれども、それはそれで、よろしいかなと思います。
 何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
リブテンシティ錠200mg
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「リブテンシティ錠200mg」です。特に意見を伺う委員として、幸原先生、河原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
 (事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 これも、原価計算方式は特に問題はないと思います。新規の類似薬はないということで、いいと思うのですけれども、この有用性加算で□□を申請しているということですよね。そのうちの40%を認めているわけですけれども、確かに、事務局のおっしゃるとおり、□□とするに足るだけの、効果というか、優位性というか、そういうものはないように、この報告書を読んでいて、私も思いました。したがって、40%でもかなり効果を認めているほうだと思いますし、十分ではないかと思います。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も、非常に新しい画期的なお薬だとは思うのですけれども、その反面、味覚障害が非常に気にかかるところでもあり、事務局案の有用性加算、40%も非常に大きな加算と思いますので、妥当な判断と思います。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から、御意見はいかがでしょうか。
 これは、既存の治療で難治のものと書かれていますけれども、今後、第一選択薬として使われる可能性はあるのでしょうか。□□先生。
○□□委員
 私は、今のところ、難治のものに限ってという使われ方をするのではないかなと、この効果と副作用プロファイルを見ていて、思いました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。臓器移植におけるというぐらいは取れるかもしれないですけれども、対象患者数はそんなにはたくさん増えないような気がします。よろしいでしょうか。
 それでは、意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目についても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
ザビセフタ配合点滴静注用
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ザビセフタ配合点滴静注用」です。特に意見を伺う委員として、弦間先生と高橋先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 まず、最類似薬が一つの争点だと思いますけれども、効能・効果、薬理作用、用法、いろいろなことを考えて、基本的に事務局案で問題はないのかなと考えました。
 また、標準的治療薬としての位置づけについても、選択肢の一つという事務局案は妥当と考え、そういうことを踏まえて、事務局案でいいと、私は考えました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 委員の先生方から、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。確かに、先ほど御意見があったように、最類似薬の設定は、恐らくこの価格にかなり響いていると思いますので、重要なのだと思いますけれども、事務局案で特に問題はないかなと思いますけれども、この辺で御意見のある先生方は、よろしいですかね。「敗血症、肺炎」に使われることが基本的には多く、多くの重症感染症で使われると思いますので、最類似薬に関してはよろしいかなとは思いますが、何か御意見はございますか。
 どうぞ。
○□□委員
 このピーク時の使用予測が622人と書いてあるのですけれども、こんなものかなとは思うのですよね。これは、どういう根拠での予測なのでしょうね。
○薬価算定組織委員長
 確かに、そうですね。事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 市場規模予測について、御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 本剤が使われる適応菌種のうちにカルバペネム耐性腸内細菌目細菌が含まれますので、こちらに関して、まず、申請者は、疫学データにおける分離数と国立感染症研究所より公表される感染症数より、保菌から感染に至る割合を約7%と算出いたしました。また、菌種ごとに感染症が引き起こされる割合は変わらないものと仮定いたしまして、こちらのカルバペネム耐性腸内細菌目細菌以外の菌種-ESBLや耐性緑膿菌においても、同様に、疫学データにおける分離数の7%を感染患者数といたしました。これらの感染症の患者数について、適応症ごとに市場調査結果及びガイドラインにおける位置づけを基に、本剤使用患者の割合を推定いたしまして、ピーク時の市場規模を622人と予測した次第でございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 もっと多いような気がしますけれどもね。年間で600人しか使われないということは相当少ないですけれども、人数から予測したと。かなり限定された患者さんにしか使われないということなのでしょうかね。
 いかがでしょうか。何か御意見や御質問等はございますでしょうか。特にないようですかね。
 ありがとうございます。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
セプーロチン静注用1000単位
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「セプーロチン静注用1000単位」です。特に意見を伺う委員としては、田﨑先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局の案どおりでよろしいかと思います。有用性加算についても、幾つもありますが、この製剤はほかにも類似のものがあるという見解でよろしいかなと思います。また、小児加算についても、限定的な評価で、15%も妥当なところだと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から、ほかに御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。有用性加算に関しては、先ほどの御説明のとおり、③-cのみ、投与時間がかなり短くなるということ。小児加算の15%が妥当かどうかは、なかなか難しい。何せ症例数がすごく少ないので、以前でしたら5%や10%だったと思うのですが、最近、こちらはかなり高いパーセンテージでつくようになって、15%が妥当な線なのかどうかはなかなか難しいかと思うのですけれども、この辺で御意見はないですかね。外国価格から見ても特に高いわけではないようですし、患者さんの数がかなり少ないようですので、よろしいでしょうかね。
 それでは、特に御意見がないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目についても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同30吸入用
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同30吸入用」です。特に意見を伺う委員として、小方先生、齋藤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 有用性加算に関しては、今、事務局から説明がありましたように、吸入回数の差異は限定的であるということで、有用性加算なしでよろしいのではないかと思います。小児加算に関しましても、10%ということで、事務局案に賛成です。
 よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局案に、基本的に賛成です。
 吸入はまた違うのかもしれませんけれども、先ほど2回が1回になることは臨床からいうとかなり違うと臨床の先生が言われたので、限定的ということが、基準として、3回が1回ぐらいになったらなるけれども、1~2回が1回になったのでは駄目みたいな基準のようなものがあるのか、事務局にお伺いしたい。
 先ほどの小児加算が、□□□□、先ほど挙げられたような要素でいうと、10%ぐらいが適当かなとは思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の先生から、御意見はございますか。
 事務局、今のことに関して、特によろしいですか。
○事務局
 薬価算定においてはという話になってしまいますけれども、吸入回数が1日に2回から1回という使用方法の違いについて、有用性があるとは判断していないところでございます。あくまでも薬価算定においてでございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 これは、領域によっても、先ほどは3回が1回になったらいいのではないかとか、基準が難しいことは難しいのですけれども、薬価算定上は、これぐらいだと有用性加算には該当しないということだと思います。
 そのほかはいかがでしょうか。小児用加算に関しても、先ほどから、15%、5%、10%と来て、正直、さじ加減みたいな感じで出てきているのです。以前は10%までしかほとんどついていなかったので、10%か5%かみたいな感じだったのですけれども、最近は、20%、15%、10%、5%と、幾つか分かれているというか、実際につけられている感じなのですが、この辺は、事務局として、何か、基準というか、設けているのでしょうか。我々は、何となく、納得感があるときとないときとがあるのですけれども。
○事務局
 小児加算の加算率の数字というのは、なかなか難しいところですけれども、判断基準の要素といたしまして、例えば、その疾患の患者数を踏まえ、臨床試験でどのぐらい小児患者が組み入れられたのかであったり、先ほどの他の品目でもあったように、海外と同時に開発をしているかであったりを考慮して考えているところでございます。
 令和6年度の薬価改定から小児加算の柔軟な運用を行っているところかと思いますので、今後さらに事例を積み重ねながら、先生方と評価の仕方について議論していきたいと思っております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 我々は、事務局と議論していけるのですけれども、企業がどういう判断で何%と希望してくるか、企業側からするとなかなか難しいのではないかと思いまして、その辺は、事務局としてというか、薬価算定組織として、ある程度の指標があると、企業側にも優しいのではないかとは思います。
 それでは、そのほかはよろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
ブイタマークリーム1%
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ブイタマークリーム1%」です。特に意見を伺う委員として、深山先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 問題は、結局、10%の小児加算をつけるかつけないかということだと思うのですが、申請者の小児加算の理由にはほとんど数字がなくて情報が少なく、事務局のほうは比較薬を使いながらきちんと数値が出てきて納得できるような話なので、小児加算はなしということでよいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
○□□委員
 この比較薬が、5%かな、小児加算の適用を受けていて、それからあまり日がたっていないから、これも、要するに、小児加算の5%を受けたとみなすという考え方ですか。
○事務局
 考え方としましては、小児加算が付されてから薬価改定によって引下げが行われていなければ、その小児加算は、ずっと乗ったままというか、価格に充当されているものと判断しておりまして、本剤については、先ほど御説明したとおり、10%の小児加算が乗っている価格から、薬価改定において1%が引き下げられているのですけれども、まだ小児加算は約10%分は乗っているものと判断して、評価をしております。
○□□委員
 併せて、質問なのですけれども、今のその経緯はこの申請者のほうも調べようと思えば調べられるということでしょうか。
○事務局
 経緯としては、モイゼルト軟膏に小児加算5%の評価が乗っていて、そのモイゼルト軟膏の比較薬であるコレクチム軟膏に小児加算5%の評価が乗っているということは、公開されている資料から確認することが可能です。
○□□委員
 申請者も可能ということですね。
○事務局
 おっしゃるとおりです。
○□□委員
 ありがとうございます。
○□□委員
 分かりました。つまり、今、その前の5%が出されて、さらにモイゼルトで5%なので、両方で今は10%の価格になっているという意味合いなのですね。それが、そのまま、横並びというか、それで価格設定をしているから、10%の加算をもらったものと同じだよという解釈なのですね。
○事務局
 おっしゃるとおりでございます。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 □□先生、御意見をお願いできますでしょうか。
○□□委員
 はい。類似薬の考え方は、ステロイドによらない免疫調節薬ということで妥当と考えました。また、小児加算につきましては、既に類似薬に算定済みで含まれているということで説明は理解いたしましたので、事務局案は妥当かと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の委員から、何か御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
デュピクセント皮下注300mgシリンジ、同皮下注300mgペン及び皮下注200mgシリンジ
日時:令和6年7月16日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 市場拡大再算定候補品目の「デュピクセント皮下注300mgシリンジ、同皮下注300mgペン、同皮下注200mgシリンジ」です。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、再算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、本件に対する御意見をお願いいたします。
 いかがでしょうか。10%と7.5%という小児加算はなかなか微妙ですけれども、この辺はよろしいでしょうか。
 いわゆる共連れ品について、何となく、こちらのほうが下がってしまってくる感じもあって、以前から、この辺は本当にこれでいいのですかということは、いつもどおり、この辺は改善するべきなのかどうかも分かりませんけれども、変わっていないというところです。何か、御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。
 事務局、特にございませんか。
○事務局
 特に追加はございません。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、資料の事務局の見解が適当ということで、よろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
イブグリース皮下注250mgオートインジェクター、同皮下注250mgシリンジ
日時:令和6年7月30日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 特例市場拡大再算定対象品目の類似薬「イブグリース皮下注250mgオートインジェクター、同皮下注250mgシリンジ」についてでございます。
 事務局から、今回の不服意見と事務局の見解に欠席委員の御意見も含め、説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局案を説明)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局案に対する御意見をお願いいたします。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、企業の意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、イブグリース皮下注250mgオートインジェクター、同皮下注250mgシリンジについて、10分以内で御説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 日本イーライリリーの□□と申します。本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 本剤は、成人用途の開発時に小児用途の開発計画が同時に策定された品目であって、当該計画に沿って開発が進められている品目でございます。本日の意見陳述は、この小児開発を補正加算の形で御評価いただきたいという趣旨でお伺いしております。
 御承知のとおり、小児開発は困難で採算が合わないことが多いものでありますが、弊社は、本剤のみならず国内の小児患者様のアンメットニーズに応えるべく多くの開発を行ってまいりました。本年は現時点までに□□の小児適応の承認を取得、現在も□□の小児適応を開発中でございます。
 本年4月の薬価制度改革では、イノベーションを評価、促進する多くの措置が導入されました。これについて、日米欧製薬3団体の共同声明の中でも、ラグ・ロス解消の第一歩を踏み出したと考えているとありますが、私どもとしても同様に捉えておりまして、これが、今後実際どのように適用されていくのか、日本におけるイノベーションへの投資が実際に事例として評価されていくという期待を持って米国本社からも注目されているところでございます。
 その一連の改革の中の一つ、小児開発に取り組んでいる企業の評価として、成人開発時に小児の開発計画を同時に策定し開発を進めているものは、その小児用途が開発中の段階であっても市場拡大再算定において引下げ率を緩和するという改定が行われております。本日御説明させていただくイブグリースについては、まさにそのような小児開発を行っているものでありますので、ラグ・ロス解消に向け踏み出す第一歩を目に見えるものにする一つの事例として、この後、具体的に御説明させていただく内容について、ぜひ御検討いただきたく、よろしくお願いいたします。
○申請者
 それでは、3枚目を御覧ください。
 本日の陳述内容は次のとおりです。
 まず、本剤が補正加算のどの項目に該当するか説明いたします。
 次に、本剤の小児開発状況及び開発時期について説明いたします。
 その次に、今年の1月12日に発出された審査管理課長通知に対する本剤の該当性を説明します。
 最後に、課長通知の対象となる品目について、弊社からの要望をお伝えいたします。
 4枚目を御覧ください。
 まず、本剤が補正加算のどの項目に該当するか説明いたします。
 本剤は、薬価算定の基準についての別表6、市場拡大再算定対象品目の計算方法の4、(1)、ハ、令和6年1月12日に発出された審査管理課長通知に基づき、PMDAの確認を受けた小児開発計画で遅滞なく開発が進められている品目に該当します。
 5枚目を御覧ください。
 本剤の小児開発状況及び開発時期について説明いたします。
 本剤は「□□以上□□歳未満」及び「□□歳以上□□歳未満かつ体重□□kg未満」の小児に対して、審査管理課長通知が発出される前、□□□□年から国際共同治験を開始し、日本も参加しています。
 初回の承認申請におけるCTD M1.5にもその旨が記載されており、審査報告書の中でも小児開発の計画がPMDAの確認を受けており、それが評価されて再審査期間も10年に延長されています。
 以下の四角の枠にCTD M1.5の記載を記しています。
 6枚目を御覧ください。
 このページでは、審査報告書の該当箇所を記しており、赤字のとおり、この年齢の小児開発に対する本剤の開発意義は、申請者の方針は妥当というPMDAの確認が得られています。
 7ページを御覧ください。
 審査管理課長通知に対する本剤の該当性を説明します。
 この課長通知に対しては、今年の3月29日に質疑応答集が発出されております。Q3の質問は、具体的な手続方法に関するものであり、回答には、以下の赤字のように、成人を対象とした医薬品の承認申請後のPMDAの確認を受ける場合、承認申請資料のCTD M1.5に開発計画を記載することと記されており、本剤は、先ほど御説明したとおり、CTD M1.5に小児開発の計画を記載しており、審査報告書の中でも小児開発の計画がPMDAの確認を受けております。
 8ページを御覧ください。
 同じく、質疑応答集のQ11になりますが、質問は記録の残し方についてであり、その回答は、赤字で示したように、成人の適応症に係わる審査報告書にも、小児開発のPMDAの確認を受けたことが記されていることとなっており、こちらも本剤は該当します。
 9ページ目を御覧ください。
 1月12日に発出された審査管理課長通知の対象品目につきまして、企業が自発的に小児のドラッグラグ・ロス解消のために行った努力も同様に評価していただきたいと考えております。
 例えば、①の例として、課長通知の対象となる品目が、通知が発出された令和6年1月12日以降に限定されるのであれば、約1年後以降に承認される品目しかこの新ルールが適用されないことになります。
 また、②の例として、課長通知前に成人用の審査報告書が作成されていた品目は、小児開発を進めていても、課長通知に基づき小児開発を進めている旨を審査報告書に明記するタイミングがなく、再算定に加算を得ることができなくなってしまいます。
 このように、ルールの運用が1月12日以降に限定されると、市場拡大再算定には該当するが小児加算には該当しないという矛盾が今後ずっと続くので、柔軟な対応をお願いしたいと考えております。
 10ページ目を御覧ください。
 最後に、本日の陳述いたしました内容をまとめますと、本剤は、2024年1月12日の通知が発出される前から、より低年齢・低体重の「□□以上□□歳未満」及び「□□歳以上□□歳未満かつ体重□□kg未満」の小児開発に着手しておりました。これは、前述の通知及び質疑応答集の趣旨にも合致しており、令和6年度の薬価制度改革の趣旨に基づき新設された補正加算の対象品目に該当すると考え、補正加算の□%を訴求いたします。
 以上になります。ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から何か御質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。
 先ほどの資料の3、「審査管理課長通知に対する本剤の該当性について」の最後のところに赤線が引いてありますけれども、これに関してはPMDAの確認を受けたことが記載されるというのは、記載は確実にされているということなのでしょうか。
○申請者
 はい。成人用のCTD M1.5の中に。そのときに既に小児開発を進めている旨を記載させていただいております。
○薬価算定組織委員長
 これは事務局でも把握されていますか。事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 はい、把握してございます。
○薬価算定組織委員長
 委員の先生方からいかがでしょうか。
 どうぞ。
○□□委員
 意見陳述、ありがとうございます。
 お伺いしたいのは、今回、国際共同試験におきまして、小児を含む試験であったということで、日本からは小児はどのぐらい参加された試験になっておりますでしょうか。
○申請者
 現在実施中の小児の試験への御質問と考えて回答させていただきます。
 現在、まだ実施中でございまして、まだ、登録が続いているという状況でございます。
○□□委員
 実際の日本からの小児の参加はよく分からないということですか。
○申請者
 質問の意図を確認させてください。□□歳からの小児という意味でありましたら、成人のときに同時に行っております。そして、その分では、□□例、日本から入っております。
○□□委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 それでは、これで企業意見の聴取は終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
○申請者
 ありがとうございました。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、改めまして皆様の御意見はいかがでしょうか。
 事務局に質問したいのですけれども、先ほどの事務局の見解の2ページ目の真ん中辺の➢の2つ目、「本剤の審査報告書において当該確認を受けた旨の記載はなく、また、その旨が記載された対面助言の記録も提出されていない」というのは、これはどういう意味なのか、もう一回説明してもらってよろしいですか。
○事務局
 PMDAに確認を受けた場合の記載・記録については、先ほど御紹介したQA11に具体的な記載方法が例示されており、この記載の有無について、事務局で確認させていただいたところです。今回の品目については、既にこの通知が発出される以前にPMDAでの審査が終了しているものでございまして、企業の主張のとおり、機会を逃してしまっているというところについては理解を示すところではあるのですが、本件については、医薬品審査管理課の通知に基づく確認はなされていないため、補正加算については適用しないことが適当ではないかと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 先ほど、企業資料の4ポツにありますよね。「課長通知前に成人用の審査報告書が作成されていた品目は、小児開発を進めていても」というのが書いてありますけれども、ここですよね。この②というのは、何となくその説明を一生懸命していたのかなという気はするのですけれども、その辺は特に、無視という意味ではないですけれども、これではその説明にはなっていないということですか。
○薬剤管理官
 薬剤管理官です。
 委員長、どうもありがとうございます。おっしゃるとおり、内容的に言えば企業の主張というのもあるのかもしれませんが、実は今年の1月のこの通知が出るまでの小児でのPMDAの審査における確認というのは、今、小児の開発をしていますよという程度だったのです。この通知が出た後については、開発計画についても、そのプロトコル等の内容も見た上で確認をしたということが付されるようになりました。まずは見ている内容が違います。
 1月の通知に基づくPMDAの確認を受けたものに対して、加算、あるいは今回の再算定での緩和というルールで中医協で認めていただいておりますので、そこから考えますと、企業の主張の根拠となるものはこの通知に基づくものではありませんので、今回の再算定の引下げの緩和というものに適用できないと事務局としては判断したものでございます。
○薬価算定組織委員長
 皆様、御意見いかがでしょうか。
 どうぞ。
○□□委員
 こういった通知がもともと評価の対象になるようなものが出たときに、それ以前の事例を遡って対象にするかどうかというところを明確化されていなかったり、逆に、今のルール上が、順序立てて、評価したものだけが対象になるというところは、これまでもルール上、新しく評価をするといった場合に起き得た事情かなと思いますので、そういったときに、ある一定程度評価されたものであれば遡ってでも評価し得るというのが、また今後、検討の余地があるものなのかなと思って聞いておりました。そういうことは、次回以降の改定においてあり得るのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。これは事務局の皆様に御意見をいただければと思うのです。
○薬剤管理官
 ありがとうございます。
 次回の令和8年の改革のときにはそういう検討もあるかもしれませんが、今の状況では、柔軟な対応は難しいと思っています。
 あとは、次回は多分2年後になりますので、それまでの間、成人を開発する場合には、恐らくCTDに、小児の開発もするとか、あるいは開発していますというのが、成人の審査報告書に恐らく書かれていくだろうと思っております。いずれにしても、当然、次の制度改革のときには見直しの議論はできると思います。
○□□委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○□□委員
 何となく内容的には合致するのだけれども形式的な問題だという話のように受け取ったのですが、令和6年度の薬価制度改革の趣旨からいうと、本当はもう少し広く取ってやってもいいのかなと思ってしまいます。小児用医薬品のドラッグラグ・ロス解消という観点からいうと、そこに関してかなり急いで制度改革したようなところもあるにもかかわらず、形式的な問題でこれは駄目と言ってしまうのは何かすごくもったいない気はします。もうちょっといいやり方はないのかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 事務局、何かございますか。
○薬剤管理官
 御意見ありがとうございます。お気持ちは大変よく分かるのですが、ただ、今回のルールは遊びがないように書かれています。そういう意味では、昨年、医薬局のほうで検討会があった中、ドラッグロス対策、開発されない領域で小児が多いということで新しく取り入れたルールということもあり、それ以前の、開発するとかの意思表示のみでも可能であったものと同じように取り扱うのはなかなか難しかったのかなと思います。したがって、今回の新しい通知に基づいてきちんと確認されたものは、こういう薬価上でも優遇しましょうということでめり張りをつけて今回制度をつくったのかなと考えております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 そのほか、御意見いかがでしょうか。
 どうぞ。
○□□委員
 その次に□□□□の例が書いてあって、今の形式の話で言うと、□□□□と書いてあるのですが、こちらだけで押し切ることはできないのですか。書いてあっても駄目なのだから、あまりはっきり書いていないのは駄目というのは。
○薬剤管理官
 当然そのとおりでございます。ただ、対企業には、結局ここの部分というのはまだ公開されていませんので、前例がありますから駄目ということは、対企業に対してはお答えは難しい状況なのです。
○□□委員
 我々に対しては併せて一本みたいなご説明をいただいたということでしょうか。
○薬剤管理官
 既に方向は決まっておりますとしか言えない状況でございます。
○□□委員
 方向は決まっていたということですけれども。分かりました。我々に示していただいた資料として、それについても書いてあるということですね。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 ルール上、事務局の御意見も非常に納得できました。ただ、結構、外資系の会社で、何となく言わんとしていることも理解はできるかなという感じですけれども、なるべく早くこの辺が解消されるといいなというのは思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、再類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても「事務局の見解」が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。