第22回 特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会

日時

令和6年11月27日(水)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム 5階 501+502号室
東京都港区新橋1-18-1 航空会館

議事

○樋渡地域医療計画課補佐 定刻になりましたので、ただいまから第22回「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本検討会は、8月20日に第21回検討会を行って以来の開催となります。私は事務局の医政局地域医療計画課補佐の樋渡でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、松田座長がオンラインでの対応となるほか、門脇構成員、松本構成員、村松構成員、山本構成員がオンラインによる参加となっております。
 また、本日は長尾構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 事務局ですが、局長の森光及び審議官の森は、本日公務により欠席となっております。
 また、地域医療計画課長は遅れての出席となっております。
 また、今回、オブザーバーとして、前回に引き続き文部科学省医学教育課からも参加いただいております。
 続きまして、お手元の資料を確認いたします。
 議事次第、座席表のほか、次のとおりとなっております。
 資料1-1 大学病院の現状と課題について。
 資料1-2 大学病院を取り巻く現状と課題について。
 資料2 大学病院本院の現状等。
 資料3 本検討会の今後の進め方について。
 資料4 特定機能病院における医療安全上の調査についてでございます。
 なお、会場出席者におかれては、前回同様、今回もタブレットでの資料閲覧となっております。タブレットの不調等がございましたら、事務局までお申しつけください。こちらはよろしいでしょうか。
 また、本日は、現地参加及びオンラインによる同時開催となっております。オンラインで御参加の委員の皆様に御注意いただきたい点として御連絡申し上げます。
 発言時以外は基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、御発言がある際にはZoomの挙手機能やコメント機能等を用いて意思表示をお願いいたします。座長の指名に基づき御発言をお願いします。
 また、御発言の際は、記録のため、最初に御自身のお名前をお願いいたします。
 現地参加の方におかれましては、座長がオンライン参加となっておりますので、事務局にて挙手を確認の上、座長に口頭もしくはチャット機能にてお伝えいたします。
 では、冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○樋渡地域医療計画課補佐 それでは、以降の進行は座長にお願いします。
○松田座長 それでは、議事の1「大学附属病院本院からのヒアリング」について入りたいと思います。
 これまでの議論において、大学附属病院本院について求められる機能を整理し、異なる承認基準を求めることも含めて、現状分析を含めてまずは検討を行うことになっていたかと思います。その上で、現在の大学病院本院についてどのような懸念点があるのか、現状を含めて御説明をお願いしたいと思います。
 今回、文部科学省及び大学病院の協力をいただいた上で資料の御提出をいただいています。
 それでは、早速ですが、資料1-1「大学病院の現状と課題について」を全国医学部長病院長会議の会長でもあられます相良構成員より、資料1-2「大学病院を取り巻く現状と課題」を文部科学省から俵医学教育課長より御説明いただきたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。
○相良構成員 AJMC会長の相良でございます。私から大学病院の現状と課題について話をさせていただきます。
 次のスライドですが、大きく3つですけれども、まず1つ目は教育、研究、医療における貢献、2番目が学部教育、卒後教育、3番目が卒後臨床教育等の受け入れ実績について話をさせていただきます。
 次のスライドについて、こちらのほうは、教育、研究、医療による貢献ということです。まず、この教育における貢献に関しましては、診療参加型臨床実習。つまり、学部学生を受け入れているということ。2番目は臨床研修。これは臨床研修医を受け入れてその教育をしている。3番目は専門研修。これは、専攻医の受け入れをやっているということで、適切な診断・治療を提供できる形の医師の育成をやっているということであります。
 右のほう、研究における貢献に関しましては、臨床研究中核病院の認定を受けていて、15認定病院のうちの13大学が認定されているということです。あとは、臨床研究部門を設置している。これは71大学が設置をしています。これに関しましては、難治性疾患の原因解明であったり、新しい診断法・治療法の研究開発に従事しているということであります。
 医療における貢献に関しましては大きく3つ書いてありますけれども、高度先進医療の提供、がんゲノム医療中核拠点病院、地域の医療機関への医師派遣等、それぞれ中核的な医療機関として地域の医療提供体制を維持しているということでございます。
 次のスライドはいわゆる学部教育と卒後教育です。
 御存じのように、学部教育に関しましては、診療参加型臨床実習を受け入れているということで、2016年度、共用試験(CBT、OSCE)を実施して、2023年度から公的化に伴って、CATOにおける臨床実習生、いわゆるClinical Clerkship Traineeとして認定をされていて、医学の学生、診療参加型臨床実習から臨床研修におけるシームレスを目指した形で今進んでいるということでございます。
 卒後教育に関しましては、医師臨床研修制度が2年間必修化になっていますので、ここのところ。医師専門研修制度ですけれども、この専門医の養成をやり、ここの診療参加型臨床実習(CBT、OSCE)から国家試験を通して臨床研修医、それから専攻医としてシームレスの中で動いているということでございます。
 こちらは卒後臨床教育の受け入れに関してです。臨床研修医、専攻医の数ですが、2019年、2021年、2023年を見ていただきますと、臨床研修医の数は余り変わってはいませんけれども、専攻医の数が増えてきているということです。こちらに関しましては、当然ながら、いわゆる博士号を取ったり、専門医を取ったりということで、大学のほうに専門医を含めた形での取得をするということで専攻医の数が増えてきているということであります。
 一方で、コメディカルの研修の受け入れもやっておりまして、こちらのほうも数的には国公私立ともに増えてきているという現状でございます。
 卒後臨床教育等の受け入れに関しましても、総合診療領域研修プログラムの設置、総合診療科の専門医の数、指導医の数に関しても増えてきているということです。
 次のスライドに関して、高度医療の実践ということで大きく4つの話をさせていただきます。まず1番目の大学病院の位置づけ、2番目は臓器移植施設及び移植件数、3番目がE難度及びD、E難度の手術件数、4番目が難病患者数及び10万点以上の手術件数であります。
 その次ですが、大学病院の位置づけです。大学病院は79の病院が特定機能病院に指定されているほか、臓器移植登録施設あるいはがん診療連携拠点病院等々ですけれども、多くの医療施設として承認を受けているということであります。こちらのほうを見ていただきますと、いろいろなところで、多くの施設の中で認定を取ってきているということであります。
 こちらは臓器移植施設及び移植件数です。ここの大きな違いは何かと言いますと、臓器別で見てみますと、腎臓以外のところはほぼ大学病院に集中しているということで、多くの臓器移植を実施しているのが大学病院本院ということでございます。
 これはE難度及びD・E難度の手術件数で、大学病院本院はDPC標準病院と比較して非常に多くの難病患者さんの診療、あるいは高難度の手術を実施しているということであります。左のほうがE難度手術件数で、右のほうがD・E難度手術件数でございます。
 こちらは難病患者数及び10万点以上の手術件数です。大学病院本院におきましては、ほかの病院と比べて難病患者さんの数を非常に多く受け入れているということと、10万点以上の手術件数に関しても非常に多く施行しているということであります。
 こちらは、どれだけその医師を各医療機関に派遣しているのか、あるいは地域の医療機関をカバーしているのかということであります。
 こちらのほうは、国立大学病院の医師派遣の数あるいは地域を示しております。8,892箇所に兼業による非常勤の医師の派遣、それから4万6,363人の常勤医師の派遣を行っているということで、地域医療を支えているのだということでございます。
 こちらは、同じように、私立医科大学等々を踏まえてですけれども、加盟大学における地域医療体制のところを見てみますと、30大学で合計1万3,543病院、4万3,291名を派遣しているということで、国公私立をともに合わせてみますと非常に多くの派遣をしている。地域医療体制を我々が担っているということでございます。
 次のスライドからは大学病院の経営状況について話をさせていただきます。1番目としましては患者数の推移、2番目に2023年度、2024年度の経営実績のお話をさせていただきます。
 こちらは患者さんの数の推移です。左の上が外来の延べ患者数、右が初診患者、下のほうへいきまして、左が入院患者、右のほうが新入院患者数であります。2020年からコロナ禍になって、その前と比較してみますと、2020年度から2021年、2022年ということで、数的には多少戻りつつはありますけれども、なかなかコロナ前に戻り切っていないというのが現状でございます。入院の患者さんの延べ数を見てみましても、なかなか伸び切らないということがあって、ちょっと厳しい状況が続いている。つまり、受診控えがずっと続いている状況でございます。
 これは患者さんの数の推移の2番目で、手術件数です。手術件数に関しましてはコロナ以前の実施件数に戻っているということでありますけれども、2024年度に関しては少し落ち込んでくる可能性がある。ここは、働き方改革が4月から始まって、その影響を踏まえて多少減少するのではないか、あるいは手術の件数を少し後ろ倒しにするという大学病院が出てくる可能性があるということでございます。
 次のスライドが2023年度、2024年度の経営実績です。こちらはいわゆる2023年度の医業収入の合計と医業費用の合計です。医業収入に関しては当然伸びてはきていますけれども、それ以上に医業費用のほうも伸びてきているということで、これから見ると損益が生じているということでございます。
 こちらは、先生方よく御存じのように、高額医薬品の割合が非常に高くなってきたということで、ここにおける医業費用の増加につながっていて、なかなか厳しい状況になってきているということであります。上位の10品目を挙げてみますと、全医薬品購入費の3割近くを占めているということがあって、右のほうを見ていただきますと、免疫チェックポイント等々を踏まえて非常に高額な医薬品があるということであります。
 次のスライドからは大学病院の研究状況に関して大きく3つ話をさせていただきますけれども、1つは研究支援組織等の整備状況、2番目が研究時間の現状、3番目が臨床研究の取組例等です。
 いわゆる臨床研究中核病院の認定及び臨床研究部門の設置に関しましては、非常に多くのところを設置して体制を整えているということ、研究プロジェクトの数も増えてきているということであります。特許の出願・取得件数も増えてきているのが現状でございます。
 一方で、研究時間がどれだけ取れているのかということであります。ここにおける労働時間、そこにおけるエフォートを見てみますと、研究時間は、いろいろな職位があって、どの職位が増えているか等々を見てみましても、なかなかうまく増えてはいっていないのが現状です。その中でも特に助教クラス、もちろん研究をもっとやっていただきたいようなところでありますけれども、5時間以内が55.2%ということで、ここのところはなかなか時間が取れていないということであります。したがって、ここの研究のところにもう少し時間が取れるような体制もつくっていかなければいけないのではないかということでございます。
 一方で、その臨床研究の取組例に関しては、もちろんそういう中にあっても、1つは、臨床研究を推進するための基盤の整備ができてきたり、あるいは「研究」質の高い臨床研究を促進するための実施体制の整備が整ってきたり、イノベーション創出のための研究開発基盤も整ってはきている。知的財産の中での社会実装の代表例ということで主に2つ挙げましたけれども、新型コロナウイルス関連であれば、検査の抗原キットの開発ですとか、リハビリテーション関連でしたら、HALあるいはウェールオーク等々の開発等々にも従事をしているということでございます。
 そういうことで、AJMCとしましては、いろいろな形で大学病院の問題点あるいは課題を抽出し、今後も取り組んでいきたいと思いますけれども、財政面でも非常に厳しい状況にある中で、研究時間をいかに確保していかなければいけないのか等々いろいろな問題がございます。医業費用に関しても、特に高額医薬品がどんどん出てきている中でかなり逼迫している状況下にあり、その中で、大学病院を取り巻く環境は厳しくて、今、大体半数以上が赤字に転落しているというのが現状でございます。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
 続きまして、文部科学省から御説明をお願いいたします。
○俵文部科学省医学教育課長 ありがとうございます。文部科学省の医学教育課の俵です。
 私も、相良先生とできるだけ重複しないように、大学病院の経営の状況と研究、最後に文部科学省の取組について紹介をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 最初の概要は、これまでも紹介されていると思いますので省略をしたいと思います。
 2ページ目も、日本全体の中での大学病院の分布を示しています。
 ここから経営状況ということで、これは国立大学の状況となります。上が収益、下が費用です。収益に関しては、大学病院は8割を超える収益が附属病院収益で、一部、7.3%が運営費交付金、その他、共同研究といった事業費がこれぐらいの割合となっています。費用を見ていただくと、下の赤いところが診療経費、オレンジのところが人件費で、それぞれ6割、4割程度となっており、おおむねこれら経費が費用を占めている状況です。
 これは国立大学の平成22年度からの状況です。青が収益、オレンジが費用、赤が業務損益です。先ほど相良先生からも紹介がありましたが、令和5年度に関しては、全体で見たときに60億円の赤字という状況であり、これはおそらく光熱水費等の物価高と人件費によるものが大きいと考えられます。
 先ほどは全体で見た内容ですけれども、個々に見てみると、42の大学病院のうち22の大学病院が赤字で、赤字だけを見ると221億円の赤字という状況です。
 実は、これは皆さんに共有されていると思いますけれども、赤字という状況ですが、先生方の給与水準で言うと、私立大学もおおむね同じ水準だと思いますけれども、国立大学は、助教で見ると、国立病院機構と比べても400万円強の違いがあり、教授の先生で見ても600万円強の違い。こうした状況でも赤字になっているというのが現状です。
 こちらは医療機器の使用状況に関して調べたものになります。耐用年数の2倍を超えて維持して使っているものが相当数ある状況です。金額で言うと3,000億円弱のものが更新されずにいますけれども、これは一見黒字に見えるところでも、どうしても医療機器の更新を抑えつつ経営をしているという状況があるかと思います。
 できるだけその収益を増やそうということもあり、増収を追求した結果、手術件数をこれだけ増やしていたり、入院患者の数もこれだけ増やしていたり、そのような状況にあります。
 一方で、これだけの診療を行うにはやはり人が必要ということで、職員の数及び医師の数もこれぐらい増えてきていて、結局、最終的には増収・減益ということで、令和5年度はトータルで見ても赤字が相当増えているという状況にあります。
 研究力の現状について紹介したいと思います。これも先ほど相良先生からありましたけれども、助教の先生で見ると、赤いところが研究活動になりますが、保健分野で見ても31.9%ということで、ほかの分野と比較して研究エフォートが少なくなっている現状です。
 これは助教の先生の基礎医学と臨床医学それぞれについて、平成14年度からおおむね5年ごとに調べたものです。基礎医学についても、オレンジが研究の時間になりますが、73.9%から56.3%。特に臨床医学に関して言うと、32%から15.4%ということで相当減少していて、これは先ほど相良先生からもあったように危惧されるところかなと思います。
 これは先ほど相良先生からあった助教の先生の研究時間を調べたものです。
 大学・大学病院でもできるだけ研究時間が確保できるように、研究日・研究時間を設定したり、病棟業務を免除したり、いろいろな工夫をしている現状にはありますが、そこにさらに働き方改革ということで時間の確保が難しいという状況になっています。
 論文数の現状ですけれども、基礎生命科学、臨床医学とも、日本も増えてはいるのですけれども、ほかの国と比べると増加率が相当に抑えられている、そんな状況があります。
 トップ10%の論文シェアで見ても、左が1999年から2001年のもの、右側がほぼ10年後のものになりますが、順位で見ると、基礎生命科学は世界4位から12位。
 臨床医学は4位から9位ということで、国際的なシェアで見ると、落ち込んでいる、そんな状況があるかと思います。
 これは昨年度の『Nature』誌に掲載されたものです。「JAPANESE RESEARCH IS NO LONGER WORLD CLASS」というタイトルだったようですけれども、黄色のところの「特に医学分野では若い研究者が診療に多くのエフォートを割いている実態がある」。その隣を見ていただくと、「研究支援人材についても日本の大学は他国に比べて少なく」というような状況も指摘されています。
 これが研究支援者の現状になります。左下のグラフは研究者1人当たりの研究支援者数。少し見えづらいのですが、黒括弧で書いてあるものがその数になっていまして、日本は0.26、イギリスが0.50ということで、やはり研究支援者の数が少ない。そんな状況も影響していると思います。
 ここからは大学ごとに研究の状況を分析したものになります。左から、大学病院の業務収益が多い順に並べました。厚生労働省が認定している臨床研究中核病院に指定されている病院を「●」で示しています。収益の大きい大学がやはり論文の数、治験の数とも多いのですが、地方の中小規模の大学も特色を生かした研究でそれぞれ成果を出しているということを見ていきたいと思います。
 科研費で見ると、全体としては左のほうが採択件数が多い状況になっているかと思います。ただ、ばらつきが結構あって、右のほうの大学においても一定の成果が出ていて、科研費の採択で言うと、ばらつきがあるというのが分かると思います。
 これは科研費の分野ごとに見たものです。いわゆる地方の中小規模の大学を赤字で示してみましたけれども、それぞれこの5つの分野で見ると、大きな大学だけではなくて地方の中小規模も成果を出していることが分かるかと思います。
 これは企業主導治験、医師主導治験の数を調べたものです。上の臨床研究中核病院は11あり、それ以外が31ということで、国立大学の中で比べたものです。個々の大学で見ると臨床研究中核病院が圧倒的に多いのですが、トータルで見ると31の病院でも結構な数の治験が行われているというのが分かるかと思います。
 これはトップ10%補正論文の数について先ほどの国立大学ごとに見たものです。青が論文数、オレンジがトップ10%の補正論文数、赤がいわゆるQ値と呼ばれている論文数に占めるトップ10%の補正論文数の割合ということで、質の高さの指標として見て取れるかと思います。数で言うと、論文数についても、トップ10%補正論文数についても、やはり臨床研究中核病院や、規模の大きい大学が多いというのが分かるかと思います。赤のQ値で見ると、ばらつきが結構あるということが分かるのではないかと思います。
 これは、公立、私立についても同じように見たものですけれども、同じように、中小規模の大学においても一定の成果が出ている、そんなことが見て取れるかと思います。
 ここから文部科学省の取組を紹介させていただきたいと思います。
 これは、ちょっと細かいですけれども、昨年度からの内容を整理したものです。厚生労働省と文部科学省で大学病院に対する支援を一体的に取り組んでいまして、令和6年度、7年度をそれぞれ書いてみたものになっています。
 令和6年度の取組の中で、大学病院でも自己改革が必要だということで、大学病院改革プランを当面の6年間ということで策定してもらい、この改革プランに基づいて教育、研究、診療、地域貢献について取り組んでいただいている、そんな状況があります。その改革プランをより推進できるように文部科学省、厚生労働省からの支援を何とか充実させていきたいということで取り組んでいます。
 昨年度は、文部科学省では、最先端設備の整備と臨床研究・臨床実習体制の整備ということで、左側のオレンジの上の項目に書いていますが、その取組をしています。
 右側は、来年度の概算要求に向けて、同じように最先端設備の整備と大学病院の研究力強化に関する取組を進めたいということで概算要求を行っています。後で少し詳しく説明したいと思います。
 この支援策を検討するに当たって、文部科学省の中で、今回参加いただいている先生方にも参加いただき、厚生労働省にもオブザーバーで参加をいだいて、昨年度5月から有識者の検討会を開いて進めてきました。その結果を踏まえた文部科学省の対応は先ほどの内容になっています。
 これは大学病院改革のイメージです。働き方改革が大きな課題でしたので、働き方改革を進める中でも、どうしても、教育、研究、そして診療が一定程度確保できるように進めていかなければいけない。教育・研究、特に研究だと思いますけれども、ここの時間を確保できるように進めたい、そんなことで検討していきたいという内容になります。
 これは先ほど紹介した改革プランの概要になっています。6年間の内容について、運営、教育・研究、診療、財務・経営と下の表に記載していますが、この4つの視点で、それぞれ大学病院において改革プランをつくって進めていただいている、そんな状況にあります。
 これは先ほど紹介した昨年度の取組で、厚生労働省、文部科学省はこんな形で取組を進めている、そんな状況があります。
 これは昨年度の臨床研究、臨床実習の体制整備の内容になります。先ほど紹介したように、地方の中小規模の大学においても特色のある研究を進めていて、それを強化していく必要性があるだろうということで、2つのタイプに分けた支援を今年度から進めています。臨床と基礎の一体的な研究を強化していこうということで、主には規模の大きな大学を念頭に置き、10件の採択で今進めてもらっているというのが左側になります。右側は特色のある臨床研究を強化したいということで、30件の大学病院に今取り組んでいただいている、そのような状況があります。これは6年間の取組なので、改革プランに沿った形で進めていただくというふうにしています。
 これは来年度の概算要求の内容になります。左側は大学病院の設備整備への支援ということです。これは教育プログラムに必要な設備整備への支援ということで、医師偏在等に対応したプログラムに必要なものということで、50億円の概算要求を行っている状況です。右側は研究支援ということです。これは、大学病院から一定の若手、例えば助教の先生をピックアップいただいて、その先生方に対する研究費の支援と、併せて、できるだけそういった先生が研究時間を確保できるように、大学病院における研究環境の整備に必要な経費ということで、例えば支援者の雇用経費を確保するとともに、他の分野の研究者と一体的な研究が行えるようにしたい。そういう研究環境整備費との一体的支援を行えるように取り組んでいるところです。今、報道されているように、経済対策あるいは補正予算が議論されていますが、この内容に関してはできるだけ前倒しして補正予算、経済対策に盛り込んで取り組めるように今検討しています。
 最後に「まとめ」ということで書かせていただきました。これまで議論されてきているように、この大学・大学病院が研究成果の多くを占めていることが1つあると思います。
 最初の○になりますが、目の前の患者さんだけではなくて、中長期的に見ても、患者により良い医療を提供し続けるためという観点でも、教育・研究というのがやはり必要不可欠であろうと思っています。また、地域医療提供体制の維持という観点から、先ほど紹介いただいた医師派遣のような地域医療への貢献も重要な役割だろうと思います。
 2番目の○に書いていますが、設立の経緯や所在する地域によって大学病院に求められる機能はそれぞれ異なると思います。その大学病院の体制や役割に応じた支援が必要だろうということがあります。これからもそういった工夫を考えながら、厚生労働省とも一体的に大学病院の機能を発揮できるような取組をしていきたいと考えています。
 3番目の○。今回の特定機能病院の制度の見直しは非常に重要であり、かつ、影響も大きいと思います。今、大学病院もなかなか厳しい状況に置かれているというのが、他の病院等も同じだとは思いますが、全ての大学病院に共通していると思います。また、大学病院が働き方改革を進めながら、これら機能の維持・向上ができるようにしていくという観点も大事だろうと思います。
 最後、今回の見直しが大学・大学病院の教育・研究の機能を維持できるようにしていくとともに、地域医療提供体制の維持ということで、ちょっと書きそびれましたけれども、先ほど紹介いただいた高度で先端的な医療と、全ての診療科をそろえて総合的な医療提供体制を確保している現状と、医師派遣等による地域貢献の機能を今後の大学病院でも発揮できるように、特定機能病院の制度と併せて診療の評価にもつながる検討をお願いしたいということで、最後まとめたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○松田座長 ありがとうございました。
 相良委員、それから文部科学省から、大学病院が置かれている現状について御説明いただきました。ただいまのお2人の御説明につきまして、委員の先生方から御質問、御意見等ございますでしょうか。
 吉村構成員、お願いします。
○吉村構成員 御説明ありがとうございました。
 3点あります。1点目は大学病院ではやはり中長期的に、診療以外の教育・研究に係る人件費についての必要十分な手当を行うことが重要です。医療専門職は人材の流動性がある中で、現在の様に十分な手当てがない状況が続くと、医師を含む様々な職が学病院外へ流出が加速します。2点目、大学病院は高度な医療や人材育成のために様々な投資を行いますので、支出の「消費税」分を医療機関が引き受ける問題が大きくのしかかってき、その点の配慮が必要です。3点目は人口の少ない地域・郡部の大学病院は医師の確保・派遣能力も限界があります。それぞれの特色や実情に合わせた評価も行う必要があると考えます。診療・教育・研究人材や医師以外の医療専門職の獲得についても、その難易度・内容に違いがあると思いますので、その点の考慮も必要と思います。ありがとうございました。
○松田座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 泉構成員、お願いいたします。
○泉構成員 構成員の泉です。ありがとうございます。
 相良構成員、それから文科省から非常に詳しい御説明があって、実情がよく分かったと思うし、非常に苦労されていると思うのですけれども、相良構成員にちょっと御質問です。
 大学病院の本院についてのお話があったと思うのですが、今、非常に重要なのは、医師の育成、卒前教育・卒後教育ということだと思うのですけれども、大学病院の分院とかでこういった機能を分担してやっているとか、そういうことがございますでしょうか。
○相良構成員 ありがとうございます。確かに分院のほうで教育に関しては分担してやっているということがございますけれども、ほぼ本院のほうで研究あるいは教育等をやっていますので、そこを押したいという形で考えさせていただいています。
○泉構成員 特定機能病院の選定という条件に非常に重要かと思うのです。
 それからもう一つ。今日は余り説明がなかったのですが、看護師を初めコメディカルですね。やはり地域医療全体のレベルを保つということで、コメディカルの育成も非常に重要だと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。
○相良構成員 コメディカルに関しても同様だと思いますし、当然ながら、教育体制もしっかりと整えた上で地域医療体制の支援も行っているのが現状でございます。
○俵文部科学省医学教育課長 ありがとうございます。
 先ほど吉村先生や泉先生からもコメディカルの対応に関して御意見がありました。今、大学病院の病院長の先生方とも意見交換を重ねていまして、その中でも1つ、看護師、あるいは薬剤師、そういうコメディカルの方々の確保も難しいというのが課題になっているというのをよく聞きます。どうしても大学病院は忙しいということもありますし、難しいということもあり、コメディカルの確保が課題になっている中で、大学病院の中での実習であったり、OJTによる教育であったり、そういうことを進めながら、より良い環境をつくりつつ教育をしていきながら人を確保していく、そんなことで苦労されているということもよくお伺いしたりします。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございます。御意見ということでよろしいかと思いますが。
 そのほかいかがでしょうか。
 オンラインのほうに行ってもよろしいですか。
 では、山本構成員、お願いいたします。
○山本構成員 ありがとうございます。日本歯科医師会の山本です。
 大学病院が非常に厳しい状況だということは大変よく分かりました。1つ御質問といいますか、ちょっと分からないことなのですが、相良先生の資料の5ページのところに、いわゆる専門医の数が載っていたと思います。これを見ていますと、数が年々非常に増えているということになると、大学病院としては非常に厳しくなるのかなという感じがするのです。今後もここの部分の専攻医の先生方というのはどんどん増えていく状況にあるのでしょうか。すみません、質問です。
○相良構成員 ありがとうございました。
 ここに関しては、先ほども少しお話し申し上げましたけれども、いわゆる専攻医の数がどんどん増えてきているというのは、1つは、専門医を取得するというところと、あと1つは、博士号を取るというところもあって、両方がそこに入ってきているのではないかということであります。したがって、今後、専攻医の制度がどんどん入るにしたがって、恐らくこの数はもう少し伸びていくのではないのかと思っています。そうしますと、結果的には、そこに注視する時間も入ってきますので、教育が当然入ってきます。そうすると、当然そこに時間が割かれるわけなので、またかなり厳しい状況にはなりつつあるかなとは危惧しております。
 以上です。
○松田座長 よろしいでしょうか。
○山本構成員 ありがとうございました。
○松田座長 他はいかがでしょうか。
 泉構成員、お願いいたします。
○泉構成員 泉です。
 今の専攻医に関してなのですが、やはり大学病院ですので、広範囲にわたる領域の専攻医を育成することが地域医療にとって非常に重要かと思うのです。今日の資料にはなかったのですが、20あるいは21のプログラムの専攻医をやってくださっている大学病院が多いということがあったのです。2つとか、3つ、4つ欠けているところもあるということですけれども、大学病院の本院ではほぼ全領域にわたる広域な専攻医の育成プログラムを持っていただいているということなのでしょうか。
○相良構成員 そこに関しては、大学病院の本院ということで言いますと、網羅的にそこはカバーできているとは認識しております。例えば、偏った形で専門医を取れないという状況下にはないというふうには認識しております。したがって、いろいろな形で多くの診療科がそこに労力を割かなければいけない状況になっているということでございます。
○松田座長 よろしいでしょうか。
 山崎構成員、お願いいたします。
○山崎構成員 山崎です。よろしくお願いいたします。
 従来の認定の基準の話でありますと、大学病院の本院と民間のアクティブな病院との差が判別しにくくなってきているということで、今回新たなお話になってきているという側面もあるかと思うのです。相良先生の資料の10ページになるかと思うのですけれども、確かにDPCの標準病院群と比べて、臨床の実績に関しては大学病院のほうがかなり大きくなっているというのは分かるのですが、DPCの特定病院群と比べるとどうなのかというところをもし分析されていたら教えていただきたい。多分、差はこれより少し縮まるとは思うのですけれども、それに比べても大学病院の実績はかなり大きいのかどうかといったところだけでも、もしデータがあればというお話なのですが。
○相良構成員 今回お示ししていませんけれども、恐らく余り変わらないだろう。多少は縮まるとは思いますけれども、例えばこの状況には余り変化はないと思います。
○松田座長 よろしいでしょうか。
 これは、以前、DPCのデータで分析をして、DPC評価のほうにデータが出ていますけれども、領域によってはかなり近い部分はあります。例えば眼科などですと、眼科専門病院などもありますので、そういう意味では、領域別に少し異なる部分はあろうかと思います。
 ただ、もし可能であれば、これは厚労省のほうで1回分析をしていただけるといいのかなとは思います。
 他はいかがでしょうか。
 今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 御説明ありがとうございました。私からは質問になろうかと思うのですけれども、大学というのは文科省と厚労省と両方でかかってきますと、先ほども文科省からは厚労省と協力しながらというお話がありましたけれども、一方で、人・物・金のお金の部分というのは主にどちらが出すのかというところは非常に大事な部分かなと。教育の部分というのは他の一般の大学病院以外の病院と違って医師の教育を含めて非常に大きな部分であると、相良構成員のお話でもありましたが、教育の部分に十分お金が出ていないのか出ているのか。もし出ていないとすれば、今後これは文科省の役割なのか、それとも最終的には診療に関わるのだから厚労省が出すべきものなのか、ここら辺の切り分けが質問の1つ目。
 同様に、もう一つは、研究の部分に関しては文科省のほうはかなり力を入れていくというお話でしたけれども、この研究自体は日本国内での研究を目指しているのか、グローバルな研究を目指しているのか、こちらはどちらなのだろうなと。
 なぜそういう質問をするかというと、もしグローバルな研究を目指しているということであれば、一般的な他国、特にOECD先進国の研究開発費と言われるものからすると、1桁違うのかなと思っていましたけれども、この数字だと2桁も違うのではないかというところで、このお金で研究しろというのは現実的ではないのではないか。そうしたときに、結果、研究ができない、かつ、苦しいので大学病院本院は診療のほうに走らざるを得ないという、先ほどの相良構成員のお話からも見えてくるとすると、ここの問題を解決せずに、単に今の大学病院本院の問題だけでは解決できないと思うのですけれども、ここは研究に関してどう考えていらっしゃるのか。
 3つ目の質問は、今回、この大学病院本院のあり方の中では、医師派遣含めて基本的に医学部教育は医師の教育の部分のお話が中心でしたけれども、今のチーム医療等を考えて、今回の議論の中に、いわゆる医師以外のそういった医療スタッフの育成だとかの部分は入るのか入らないのか、これが3つ目の質問になります。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 俵課長、お願いします。
○俵文部科学省医学教育課長 御説明ありがとうございます。
 最初の教育に関して、これは厚生労働省、文部科学省がどのような役割分担で行うのか。完全に分けられるかどうかはあるのですけれども、教育で言うと、学部教育あるいは大学院教育に関して言えば文部科学省中心、学部を卒業した後の臨床研修や専門研修は厚生労働省中心に取り組んでいくというのが基本になるかと思います。ただ、どうしてもシームレスである必要というのが当然あるので、完全にこれを分けるのがいいのかというのはありますし、横断した支援をそれぞれやっていると思いますけれども、基本的にはそういう考え方で進めるのかなと思います。
 研究に関しては、これもまたがる部分があって、厚生労働省において臨床研究中核病院というのを指定していただきながら取り組んでいるというのと、文部科学省においても、研究振興局がより広いライフサイエンスに対しての研究支援、大学病院に限らずにやっている研究支援があります。それに加えて、今回は、大学病院向けの、あるいは大学病院に特化した研究支援を行おうということで、概算要求としては26億円。今、補正予算の中で検討しているのは、これを基金化して3年で100億を超える規模にしようと。これでも多分1桁違うのだとは思いますけれども。
 そういう意味で、大学病院の研究に特化した支援を今回新たにやろうと考えています。ただ、全体で見ると、大学病院だけではなくて、ライフサイエンスの研究というのが必要なので、その規模で言うと、もっと政府全体で考えればより大きいのかなと思っています。
 グローバルな点に関して言うと、これは先生方からの意見もお伺いできればとは思いますけれども、グローバルな視点も当然大事で、その点になってくると、もともと体制ができている、あるいは大きな大学・大学病院が中心になってくると思います。先ほどのような特色あるものも国際的に戦えるものもあると思いますけれども、より広い視点で大学病院の教育研究が大事だということで言うと、やはり診療につながるような、あるいは診療にとって最低限必要な研究というのがあると思うので、そういう部分と、特色のあるものと、特色のあるものでグローバルに共同できるもの、そして大学あるいは政府全体として海外と争って取り組んでいくもの、こういう幾つかの段階があるのかなと思っています。これが2番目ですね。
 3番目は厚労省から。
○松本医療安全推進・医務指導室長 厚労省の松本です。こちらからお答えしたいと思います。
 最後の御質問のところは、大学で行っているコメディカルの教育などはどうかというところを論点としてどこまで入れるのかという御質問でした。次のスライドでも御説明しますが、前回までの議論の中で、先生方がおっしゃっていた医学部の卒前から卒後の教育、そこと一体となった医師派遣で地域医療を支える機能というのが他の専門病院とは一線を画しているという論点で大学附属病院本院を今切り出して議論していると認識をしております。大学附属病院本院が行っていることで、他の病院も行っている。先ほど議論にもなっていましたが、高難度の手術などが一般病院でも行われていたとかいうことがあると思います。このため、大学附属病院本院で特異的に行われていて、地域で必要となるという観点が切り出されているという認識ですので、大学附属病院本院が行っていることすべてが論点になるというよりは、おそらく地域医療構想との関連なども後ほどのスライドに出てきますが、地域で、国全体で大学附属病院本院でなければ果たしていない機能というのがまずあって、そのほか、現状を踏まえてどういうふうなあり方を検討するかという順番になるかと思います。まずは、地域でも行われていて本院でもやられていることというよりは、本院でやられていて地域に必要なもの、特異的なものにフォーカスを当てるのかなということはありますが、それだけではないかもしれません。順番かなと思います。
 以上です。
○松田座長 川上構成員。
○川上構成員 川上です。
 今の厚労省のコメントに自分も発言したいと思うのですけれども、今回、大学病院の本院にフォーカスを当てて議論されている点は理解をしました。大学とは、単に学部だけを持っているだけではなくて大学院も持っています。医師以外に、薬剤師、その他の職種も、例えば大学病院あるいは関連病院等に勤務して診療に従事しながら、大学院生としても、文科省に所掌されている学校教育の一環として大学院教育を受けているケースがあります。大学院で博士号を取ろうと思うと、インパクト・ファクターのある『国際ジャーナル』に論文を載せないと学位研究としても評価されないので、そういったことをやっている点では研究にも携わっています。その結果、博士号を持った医師やその他のメディカルスタッフも将来の指導者となって、また診療や教育・研究などを支えていく。大学という世界はこういった知の循環を生んでいると思うのです。これは医学科の卒前・卒後教育のみならず、看護の分野でも同じように大学院を持っていますし、薬学の領域など分野横断的に行われていると思いますので、医師以外のメディカルスタッフへの教育も含めて、大学病院本院が果たしている役割をしっかりと捉えて議論いただければよろしいかと思う次第でございます。
○松本医療安全推進・医務指導室長 ありがとうございます。
 座長、よろしいでしょうか。松本です。
 今、川上構成員が御議論されているのは、例えば博士課程を一般病院というか医学部附属病院以外も持っていると思いますけれども、その博士課程みたいな研究機能を病院が持つ価値の話と医学部附属病院がやっていることという両面でお話をされていたかと思うのです。特定機能病院の承認が今までいろいろ幅広いところに広がってくる中で、特定機能病院のそもそものあり方に立ち戻るような問題提起の中で今回議論がされておりますので、まずはその中での議論をしていくことになるかと思います。一般病院を含めて研究をやるところの価値というのは、特定機能病院の中での議論だけなのか、それとも専門、博士課程というものが学問領域以外のところにしみ出していく価値みたいな議論なのかというところはあると思いますけれども、特定機能病院として何を評価するかという論点は少し切り分けられているかもしれないと思います。
 以上です。
○松田座長 門脇構成員、お願いいたします。
○門脇構成員 門脇です。
 いろいろな御意見を伺っていますと、基本的には、大学病院あるいは特定機能病院、特に大学病院に求められるものが余りに多過ぎて、それの割に、人手とか設備、お金が少ないという状況が全体像だと思うのですね。しかも、その働き方改革で、限られた時間でそれをやるというかなり無理難題を求められているというのが正直なところです。特に私のように地方の大学におりますと、地方新設医大ですので、どうしても人も少ないわけです。求められる機能の幅は、大学病院の規模の大小を問わず、レパートリーは大きくは違わないという状況ですので、1人の者にかかってくる業務量が極めて大きい。かつ、病院経営のことを考えると診療に注力せざるを得ない。そうなってくると、先ほどの助教の研究時間が短いということですが、正直、研究などをしている暇がない、研究している場合ではない。研究をおとしめるような語弊があるかもしれませんが、そういう厳しい状況です。
 先ほど、例えば研究に出す財政的なサポートがどの程度あるのか、研究に出しているお金の桁が他の国と違うのではないかというお話があって、それならお金をどこから出すのだということになってくると、厚労省、文科省の方々に非常にサポートしていただいてかなり密に議論していますけれども、その中で話していてはらちが明かないというか、もうちょっと国全体の問題として捉えていかないと、同じところをぐるぐる回っているだけみたいな感じで解決が難しいのではないか。結局、財政ということになっていくのですけれども、様々なタスクをちゃんと満足のいくレベルでこなすだけの人員を雇えるかどうかということですね。それにしてももちろん人件費が要りますし、そういうことに必要十分なサポートをして初めていろいろな業務が果たせるということで、もうちょっと広く国レベルで考えていただいたらと考えております。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 私も大学病院の経営担当の副院長をやっていますので、非常に困っているのが、1つは消費税。もう一つは、今回Student Doctorが入ってきて、Student Doctorが新たに記載するのですけれども、それはいわゆる指導医が研修医の診療内容・記録内容に関するカルテをチェックするのと同じようにやらなければいけない。この業務もかなり負担になっています。
 それから、働き方改革で、小さな大学では、医局長だったりその他の医師が若い先生たちの労働時間のチェックをして、多くの場合はそれに対してメンタルヘルスの面談をするということもやっています。
 そういう意味で業務量が非常に増えているのですけれども、そういう先生というのは診療にも研究にも当たれないという状況が出てきているというのが、今、全国の状況だろうと思います。そういう新しいものに対してどのように人的な補塡をしていくかということもぜひトータルとして考えていただきたいと思います。
 また、研究に関しては、諸外国と比較すると、例えば諸外国の場合には研究費から自分の給料をある程度払うことができます。日本は原則これができない状況になっているので、そういう意味では、経済的なサポートという面でも少し問題があるのかなと思います。
 そういうことで、いろいろと検討すべき課題はありますので、また統括的に検討していただきたいと思います。
 続きまして、議事の2のほうに移りたいと思います。議事の2は「大学附属病院本院の現状及び特定機能病院としての取扱い上の論点について」ということでお願いしたいと思います。
 先ほど大学病院の現状について御説明いただきましたけれども、改めてこれまでの論点も含めて議論できればと思います。
 それでは、資料2の説明について事務局からお願いいたします。資料を説明していただいた上で、前半の医師提供及び医師派遣における論点と後半の研究及び教育の論点に分けて議論できればと思います。よろしくお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局の医療安全推進・医務指導室長の松本でございます。資料2で御説明をしてまいりたいと思います。
 まず、3ページから、前回、その前の論点としてまとめたものをお出ししております。10ページが前回の最後に出した資料でございまして、特定機能病院の制度創設後に起こった医療の高度化、医師需給の変化、臨床研修・専門医制度などの変化、他の病院が整備されている研究の環境などが変わっているということで、特定機能病院に求められる機能としての整理ということでこの議論が始まっております。
 2つ目の○です。前回、門脇構成員も、今、地域が非常に厳しいということをおっしゃっていましたが、この地域において医療提供を継続することで特定機能病院が拠点となるという観点、教育・研究、高度な医療、医師派遣等はそこにつながっていくということが議論されておりました。
 最後の○でも、実情の違いなどを踏まえていくということが言われております。
 11ページ。前回、最後の最後に出したものですが、特定機能病院に求められる機能については改めて整理・検討する。その際、大学附属病院本院に関して求められる機能を整理して、異なる承認基準を設けることも含めて、現状分析を含めた検討をするというふうにされております。
 前回、委員の先生方からいただいた御意見を12ページにまとめております。承認要件の見直しも含めて検討していくということが1つ目の○。
 2つ目の○ですが、手術等の診療実績は、地方に合わせた基準で考えると、都市部では基準が相対的に低くて甘く、特定機能病院の趣旨に必ずしも合致しない病院が承認されてしまうように見えるということ。それから、医師少数県や1県1医大のように、医師育成によって地域医療が成り立っているところを評価する視点が重要ではないか。その観点を踏まえると、医師偏在是正の観点を含めて、都市と地方の違いにも着目した承認要件の議論が重要ではないかということと、今、松田座長もおっしゃっていましたが、卒前・卒後教育の観点、Student Doctorを含むようなところが重要だという御指摘です。
 次の○です。ただ、資源が少ない地域においては、他の附属病院との連携という論点も、前回、吉村構成員などから出ておりましたので、長期的なところだと思いますが、専門研修を一緒に行うとか、サブスペシャルティを一緒に行うとか、研究を一緒に行うといった観点があるかというところだと思います。
 次の○は、附属病院本院がそれだけをもって自動的に特定機能病院として承認するという考え方ではなくて、都市や地方といった前提条件の違いを踏まえながら、それぞれの状況に沿って役割を果たしていただくということで承認要件を徹底するということが重要ではないかということ。また、村松構成員がおっしゃっていた教育や医療を受ける側の視点というのもあるのではないかということです。
 次が医療に関するものです。先ほどE難度手術も一般病院で行われているという話もありましたが、医療内容だけでは違いが余り明確ではないということで、医療提供の観点で何を評価するかという議論、それから、地域医療構想における連携の観点。附属病院の本院が地域の必要な医療すべてを提供するわけではないということも分かりましたが、重要な論点だということでございます。
 それから、医療提供や医療安全の観点では、多職種、先ほどコメディカルといった体制的な意味での御指摘があったと思いますが、質的な観点、量的な観点もあるのではないかという御指摘です。
 13ページ、教育、医師派遣のところです。1つの目の○です。医師派遣と医師の養成教育を一体的に行うことが重要だというところ。括弧の中にありますが、地域枠や自治医大の医師の専門性を育てる。教育・育成と一体的な医師配置の重要性ということがありました。それから、複数の大学病院から派遣のある地域では、連携上の課題が散見されるので、連携上のところも観点に入れるべきではないか、地域医療構想との連携が重要ではないかという点。
 次の○で、先ほど相良構成員もおっしゃっていましたが、本院と分院は役割がかなり違うから議論を分けることが重要だということです。
 次の○が、メジャー科の専攻医は一般病院でも受け入れられているが、少ないところ、マイナー科は附属病院や本院の役割が大きくて、県によっては唯一その大学でということもありますということで、少数分野のところが重要な観点ではないかということであります。
 次の○ですが、多数県でも診療科によっては厳しいところもあるにはあるという御指摘がありました。
 最後、研究のところですが、大学附属病院の本院としては、偏った領域ではなくて幅広いところでの業績のあることが重要な論点であるということと、ハゲタカもあるということで、インパクト・ファクターでもハゲタカが評価されている部分もある中で、どういう業績を評価するかをしっかり検討したほうがいいということと、Original ArticleとCase Report等が同じになっているというところは考え直したほうがいいところもあるのではないか。それから、小さな研究をしっかりやることが人材育成にもつながるという御指摘がありました。
 最後の○ですが、医療安全の観点でも、地域の医師等を循環させて教育、再教育をしていくという観点があるのではないかという御指摘がありました。
 次に、現在地域医療構想の検討が医政局、国のほうで進んでおります。こちらの議論を御紹介させていただきたいと思います。
 次の資料以降は、今年の新たな地域医療構想に関する検討会の資料です。まずは9月のものですが、働き方改革について資料の15ページ、16ページは先ほどあった医師派遣の話。
 17ページです。左側を見ていただくと、移植医療ですけれども、腎臓以外の移植医療はほぼ大学附属病院本院で行われているということ。右側は、前回山崎構成員からも御指摘ありましたが、5疾病5事業等のところです。がん診療連携拠点病院は、県レベルだと、大学附属病院とそれ以外で半々、救命救急センターは大学以外が多い、総合周産期は大学以外がやや多いという状況がございます。
 18ページですが、全国にある構想区域の地域医療構想調整会議への大学の関与の状況。左側が半々というところ、右側がアドバイザーの状況でございます。
 19ページですが、地域医療構想に関する県と大学の連携です。左側は医師派遣のものが多いですが、右側は地域医療構想に関しても増えているような状況がございます。
 20ページは、医療法に基づく病院類型の整理となっております。
 22ページですが、これも第8回「新たな地域医療構想等に関する検討会」の観点ですが、下の今後の進め方のうちの真ん中「医療機関機能の明確化」。これまで将来の必要病床数等に基づいて病棟単位の連携とか再編とかを議論してきましたが、医療機関機能を明確化していこうという議論をしております。
 23ページですが、85歳以上の高齢者が急増するとか、生産年齢人口の減などの地域差がかなり大きくなる2040年に向けての対応で、医療機関機能のところでございます。上のところが、地域ごと、構想区域ごとにそれぞれ役割分担。高齢者救急であったり。これはまだ検討中のところですが、在宅医療であったり、救急急性期を幅広く提供する機能というのが上の段にありますが、下の段、より広域な観点からということで、例えば県全体とか広域なところでの機能、医師派遣、医育機能、より広域な観点で診療を担う機能ということで、これが大学附属病院のイメージと重なるところだと思いますが、こういうのを位置づけるという議論をしております。年内で一旦取りまとめますので、次回以降、その取りまとめも踏まえて特定機能病院のほうでも検討してまいりたいと考えております。
 24ページ以降は、医療、研究、教育という3本柱プラス医療安全、それから医師派遣というのが今まで論点になっていますので、それぞれに分けて議論してまいります。
 25ページは、前々回の資料ですが、脳腫瘍の手術ありの実績です。一番左が大学附属病院本院で、右2つに400床以上の病院とか分院があります。脳腫瘍のところは、附属病院本院のほうが実績はあるものの、400床以上の病院でも一定程度行われていることが分かります。
 26ページは縦隔悪性腫瘍です。大学附属病院本院のほうが実績は大きいですが、おそらく下25%ぐらいに実績がない状況です。
 27ページは大腸がんということですが、大学附属病院本院と400床以上の病院で分布がかなり重なっております。Common Diseaseを両方でやっているような状況があるかと思います。
 28ページは、肝腫瘍ということで、やや難易度が高いということで、大学附属病院のほうが大きめの実績になっているということです。
 29ページは手術ありの急性膵炎です。大学のほうと400床以上の特定機能病院以外の病院であまり実績は変わらないものの、大学附属病院のほうの少ないほうで実績内容がかなりあるという状況です。
 30ページは心不全。処置2ということで、やや重症なものですが、大学附属病院本院と400床以上で分布はかなり重なっているというところ。
 31ページが複雑性指数です。これは大学附属病院だから高いというわけでもない傾向というのが見えます。
 32ページ、カバー率です。幅広い医療というのはやはり大学附属病院本院で行われているという印象ですが、一部低いところがあるということ。このあたり、前回までにお示しをしております。
 33ページです。これも前回お示しした資料ですが、附属病院の本院とDPC6桁のところを見たときに、上回っている実績が存在する大学附属病院本院が27存在して、1県1医大でも6ありましたというところでございます。
 34ページですが、1県1医大と2大学ある場合と3以上ある場合で比較をしていますが、やはり3以上あるところでは頭頚部腫瘍で実績がやや大きい傾向があるところです。
 35ページは同じことを肝がんで行っていますが、2大学、3大学あるところにより若干増えているような傾向があります。
 36ページは急性膵炎手術です。これも若干右肩上がりの傾向がありますが、附属病院本院が3以上ある大都市部でも実績がない大学はあるという状況でございます。
 以上、37ページまできましたが、37ページはまとめということでございます。
 1つ目の○は、前回もお示しをしたところ、400床以上と特定機能病院、大学附属病院本院のところの違いはあまり明確でない可能性があるということです。
 2つ目の○は、同一都道府県内に大学附属病院本院よりも実績が高い病院が存在するというのは一定程度あります。
 3つ目の○は、一定程度高度な医療について、実績が特に低い大学附属病院本院も存在しております。25から75パーセンタイルが重なっていたり、逆に、25パーセンタイルのところで、ない、ゼロに重なっているようなところがあります。
 次の○ですが、相良構成員もお示ししましたが、腎移植以外の移植医療と大学附属病院本院、すべてではないですが、本院でしかできない医療というのが存在しているということです。
 最後の○ですが、「新たな地域医療構想等に関する検討会」で、医師派遣機能、医育機能を組み合わせて広域な観点で診療を担うということで、より広域な観点から医療提供体制を維持するために求められる機能ということで、医療機関機能のイメージが検討されております。大学附属病院と都道府県の連携ということも議論が行われているような状況でございます。前回のこの検討会の指摘事項との関連で言いますと、地域医療構想調整会議での協議を踏まえつつ、地域で求められる医療を行うということと、地域でこの病院以外は本院以外では提供できないというものが重要。設備にすごく投資が要るものなどが議論されていたと思います。
 最後、論点ですが、一般病院と重複する医療提供が相当程度行われていることであるとか、「新たな地域医療構想等に関する検討会」における検討を踏まえて、地域内で比較を行う際にどういうふうな医療提供を特定機能病院、大学附属病院本院として求めるという論点があるということでございます。
 38ページからは、医師派遣の状況等ということです。41ページまでは前回お示しをした資料でございます。
 41ページを見ていただくと、これは文科省の資料ですが、上段が国立、下段が公立・私立ということになりますが、医師派遣機能が見えまして、赤いところが医師少数区域に対する派遣状況でございます。国立も東西で状況がかなり違うということ。私立のほうでちょっと低めの大学が散見されるなどの特徴があります。
 42ページはこれを全体でまとめたものでございまして、左側がヒストグラムになっております。派遣医師数で見てみると、99人以下という大学が15病院あります。一方で、1,000人以上のところが13病院ありまして、かなりばらつきがあるという状況です。右側を見ていただくと、ほぼないと言っていいぐらいですが、やはり病院の規模と関係ありそうで、常勤医師の派遣数と論文発表には緩やかな相関があります。
 43ページですが、論文実績下位20の病院だけ取り出して見てみますと、派遣数99以下というのが最頻値になっている。一方で、右側を見ていただくと、研究実績としては低めになるけれども、派遣数としてはかなり多いという病院が存在しています。逆に言えば、論文実績と医師派遣というのは必ずしもトレードオフにはなっていないという状況だと思っております。
 44ページが、1県1医大、2医大、3以上というところで比較をしております。特に右側、少数県への常勤医師派遣は1県1医大のところで行われておりまして、先ほど門脇構成員も、地方ではかなり厳しい中でやっているということですが、その中で少数区域を助けていただいているという状況も垣間見えるかと思います。
 45ページですけれども、医師少数区域への派遣だけを見たものです。左側のヒストグラムを見ていただくと、19以下というのが35病院以上ありまして、ここもすごく少ないところと頑張って派遣しているところの差が見えているということと、右側、論文発表実績との相関は小数点だけ見るとなくなるということになります。
 46ページを見ると、論文実績下位20を見たときに、やはり少数区域には送っていないところと送っているところで分かれるということでございます。
 47ページ。本院にいる医師1人当たりと派遣の規模を比べてみると、かなりばらつきができることになりまして、これは詳細に突っ込まなければいけないところかもしれませんが、地方などで本院の医師が少ない中で派遣を頑張っていただいている。本院の医師1人当たり1以上のところは右側になりますので、派遣している医師のほうが多いということになりますが、このような状況もある一方で、0.1以下というところもあるという状況でございます。
 論文発表実績下位20位で見ても48ページのような状況になります。
 49ページですが、先ほどの1県1医大から2、3というところを見てみますと、先ほどよりも差が広がりますので、やはり地方の1県1医大のところで医師1人当たりの医師派遣を見るとかなり大きくなる。少数区域で見てもなるという状況でございます。
 50ページにこのあたりをまとめてございます。1つ目の○は前回の再掲ですが、医師派遣機能に関しては、地域医療の維持の観点からも重要で、特定機能病院の要件として取り扱うことも含めて様々な観点から検討していってはどうかというところと、2つ目の○で、多数県と少数県の意味の違いや地域医療構想との関連が重要だという点がございます。
 3つ目の○ですが、少数県のところの派遣のばらつきなどが論点になっておりました。やはり研究とトレードオフに必ずしもなっていない状況もあるということでございます。
 最後、論点ですが、特に構想の話と都道府県との連携・協力を踏まえることが前提としてありながら、要件を含めた求められる医師派遣等についてどのように考えるかということと、次の○にありますように、医療、教育、研究、医療安全という柱とのバランス、医師派遣機能を要件として検討していくのであれば、高度な医療を提供するためという議論があったことを踏まえてどのようなものを検討していくかということでございます。
 51ページからが研究のところです。
 52ページ、53ページは前回お示しをしたところになります。
 54ページも前回お示ししています。
 55ページです。Original Articleだけに限ってみると、論文実績下位20は、1県1医大に多いということになります。
 56ページです。先ほど文科省さんの資料にも、医師1人当たりで見ると生産性はかなりいいのではないかということで、下位20のところを医師1人当たりにするとかなり戻るのではないと考えております。
 57ページは、現在の臨床研究における法的な取扱いで、臨床研究法というのが平成29年からございます。
 58ページ。特定臨床研究というものにより、実績の見える化がかなり可能になってきています。医薬品・医療機器のところはここに入っていますが、手術・手技等は任意になっておりまして、実績は外からの見え方に限りがございます。
 59ページは、臨床研究中核病院の承認要件となっており、ここも特定領域のものを求められたり、特定臨床研究が求められるということで、医薬品・医療機器のほうがここに入ってきやすい状況があります。
 60ページ、臨床研究データベース(jRCT)ですが、こちらも臨床研究法のところが主に見える化をされている状況でございます。
 62ページにその研究の全体像があるという状況でございます。
 63ページにまとめの論点がございます。先ほど申し上げましたように、医師派遣等とトレードオフになっていないものの、都市部でも実績がやや低調なところがある。一方で、地方でも頑張って出しているところがあるということ。2つ目の○のように、研究を支える体制の重要性という御指摘もあったところでございます。
 3つ目の○ですが、前回あったように、Case ReportやLetterが同じ扱いなのかという論点、それから、「また」以降、筆頭ではなくても体制の整った臨床研究への参画・貢献などがあって、大学附属病院はそういうことをするので地域臨床が育てられるのではないかという御指摘。
 それから、4つ目の○。そういうレジストリとかの中身を評価すると、jRCTみたいに、医薬品・医療機器のものはある程度定着しているものの、手術・手技などが見えにくいというところで、見え方の工夫が要るのではないかということでございます。
 下に論点としてございますが、研究・開発をどのように考えるかというところ。特にCase Report、Letterとかは同じ重さなのかという論点と、「また」以降、筆頭ではなくても体制の整ったところへの参加、多施設共同研究への参加等がセカンドオーサー以下でも評価される場合があるのではないかというところ。それから、承認要件を含めて、そういうのを大学附属病院の要件としてどう考えるか。
 最後、地方と都市の違いで、地方は医師派遣や教育が優先されていく必要がどうしてもある状況をどう考えるかという論点でございます。
 最後、教育のところが大きな柱です。
 65ページ以降ですが、前回お示ししたように、研修医等はやはり大学に多いということで、専門研修が大学でカバーされていることが多いです。
 68ページ。先ほど泉構成員と相良構成員で御議論いただきましたが、何領域カバーしているかというと、19領域全部カバーしているところが55病院、18領域が24病院ということでございます。17、14という病院も若干ございます。
 72ページでございます。前回お示ししました外科の研修プログラムですが、やはり地方で少ない傾向がございます。
 以上を踏まえて73ページにまとめを載せさせていただきました。そもそもこの議論、卒前教育から卒後まで連続性のある医学生、医師等の教育のところから始まっているというところ。
 2つ目の○で、一部大学附属病院では実績が低いというところ。
 3つ目の○で、専攻医プログラムは十分あるけれども、基本領域をカバーされているところが多いというところ。
 4つ目の○で、しかし、専門研修よりも高次なサブスペなどもあるけれども、一部では連携しないとそういうのができないのではないかという議論がこれまでございました。
 また「一方で」のところです。一部で研修医の実績などが低いところがあったり、外科医などでは都市部でも低いところが見られるというところ。
 それから、最後の○ですが、コメディカルの卒前教育、リカレント教育、看護師の特定行為研修などの高度な教育についても一定の役割があるのではないかというところでございます。
 最後、論点ですが、この教育をどのように考えるかということで、現在は研修医数だけが承認要件となっておりますが、都市部、地方部等の前提条件の違いや臨床研修・専門研修制度の現状や、全部ではないかもしれませんが、サブスペ等の研修の観点があります。それから、常勤で来てもらってトレーニングを行うだけではなくて、勉強会等がありますが、頻度、効果などの逆側の観点もあるので、このあたりをどう考えるかということでございます。
 最後、74のところは地方と都市の違いで、今まで触れてまいりましたが、やはり1県1医大のところなどが地域を支えている。一方で、一部研究が低調となっているところもございます。都市部でもこれらの医師派遣や研究などの実績が低めのところがあったり、医療内容は代替性があったりというところもありますので、このあたり、比較的豊富な資源がある都市部と、先ほど門脇構成員もおっしゃられていたぎりぎりの地方との違いなどをどういうふうに明確に求めていくかということでございます。
 77ページは、最後、まとめでございます。1つ目の○、確認ですが、医療・教育・研究・医療安全をいずれも高度に行っている大学附属病院本院の幅広さ、それから、そこからつながる医師派遣機能、網羅するためのコスト・手間を踏まえて、附属病院本院全体のところを他と異なる議論をするということは、改めて今までの合意事項だと考えております。
 2つ目の○ですが、実績等を鑑みると、かなりばらついているということ、一部低調なものが見られるということ。その際、地理的条件があったときに、地方ではなくて都市部のほうで実績が低調の場合もある一方で、地方少数県でかなり苦労されている中で医師派遣等を頑張っていただいているケースがあるということでございます。
 3つ目の○ですが、大学附属病院本院同士で比較したとしても、都市部と地方では特定機能病院として果たしている機能はかなり異なっているのではないかという御指摘がございました。これらの違いなどを踏まえて、大学附属病院本院の中を異なる類型に分けることも含めて検討を深めていってはどうかというところでございます。
 最後、定量的な要件のところ、今までは先進医療と論文数と研修医の数となっておりますが、今まで議論してきた大学附属病院の実態、これまでの指摘を踏まえて、これらの要件を含めて見直してはどうかというところです。
 以上でございます。
○松田座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、医療と医師派遣のところについて御質問、御意見等ございますでしょうか。
 吉村構成員、お願いいたします。
○吉村構成員 医師の派遣に関連して3点コメントをいたします。
 1点目は、16ページの資料で前回も出されておりますが、これまで各大学からの派遣の人数ですとか、一部少数区域か否かという区分については御説明がありました。一方、医師確保の現場を見ますと、派遣する先の病院の特性・特徴に違いがあるのですね。具体的には、例えば臨床研修病院をやっているところ、ないしは地域医療支援病院など十分な医療提供や教育体制を持っているところに派遣されている医師。一方で、例えば5~6名で少数区域を支えている、典型的には自治医大卒の医師が支えている医療機関に対して派遣されている場合に大きく分けられます。その辺の派遣の意義・特性を切り分ける必要があるのではないかという点です。そして2点目は、自治医科大学の医師たちの技術修練・専門医資格・研究能力の付与に大学病院が機能している地域も複数あります。その点も評価していく必要があります。3点目、現在の特定機能病院の要件の中で臨床研修医の人数が評価されています。しかし、近年は医師多数県では、臨床研修医の定員そのものが限定されてもいますので、そういった地域特性ないし医師偏在対策政策が変化する中で、各大学病院が努力できる範囲を評価・後押しする視点で、新たな要件を定める必要があると思います。以上3点です。
○松田座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 本田構成員、お願いします。
○本田構成員 ありがとうございます。本田です。
 私も医師派遣のところと、もう一つ意見なのですけれども、医師派遣機能をきちっと評価するということは、もちろんこれからの視点として入れるべきだと思っています。その中で、先ほど吉村構成員もおっしゃっていましたけれども、どういうところに出しているかということもとても重要だと思いますし、さらに、先ほどの厚労省からの説明もありましたけれども、地域医療計画等でこれから地域の医療体制をどうやってつくっていくのか、もしくはこれからの人口減少社会においてはある程度病院の役割を機能分担してもらって、もしかしたら統廃合とか、そういうことも考えていかなければいけない。サテライト機能とか、そういうことを考えていく中で、医師を派遣している、供給しているというか、大学が地域医療に果たす役割というのはすごく重要になっていくと思っています。なので、そういう観点も評価軸として入れるべきだと思っていまして、地域とか県の議論に参画するのはもちろん、そういう中の議論、どういうふうに医師を派遣していくのかという中で地域医療の体制を考えていくというのは、特に地方部のところはとても重要だと思いますし、都市部の地域においても、数だけではなくて、そういうことに関わっているのかということをある程度評価するべきだと私は考えます。
 もう一つ、これは地方部と都市部との評価軸を工夫することができるのかどうかというのはちょっと分からないのですけれども、そういうことを入れてほしいと思っています。
 もう一つは、特定機能病院というのは診療報酬で評価するということですので、先ほど来、この研究分野、診療報酬で評価する研究というのは何なのかというところも、一般市民として、それは文科省の予算でするべきことではないのかとか、そこら辺が一般の人間にも分かるような説明づけがないと、なかなか理解が。医療費を払っているわけですから、そこが分かるようにしてもらいたいと思いました。
 そういう意味で、私が分かる程度というのは、これまで論文数とかインパクトファクターとか、そういうことで議論されていますけれども、それだけではない軸というのもちゃんと考えてほしいと感じました。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 尾形構成員、どうぞ。
○尾形構成員 尾形です。
 私は、この新たな地域医療構想等に関する検討会の構成員でもありますので、地域医療構想の視点から1点コメントをさせていただきたいと思います。
 御案内のように、現在の地域医療構想は来年が目標年次ですけれども、病棟単位で病床機能報告が軸になってやっているわけです。そうすると、特定機能病院の場合は、恐らくほとんどが高度急性期を選択されるということになっていて、率直に言って、地域医療構想に特定機能病院が深く関わることはこれまではあまりなかったのではないかと思います。ただ、今日御説明がありましたように、現在、次の新たな地域医療構想の検討が進んでおりますが、その中では、従来の病床機能報告に加えて医療機関機能を見ていこうということになっていて、具体的には、先ほど御紹介があったように、特に資料2の23ページの図の下のほうにベージュで塗ってある部分が3つ出ていますが、ここは特定機能病院をかなり意識した医療機関機能というのが。これはまだ最終案ではありませんけれども、議論されていることは事実であります。
 そうすると、今後、これまで以上に地域医療における役割あるいは機能といったことが特定機能病院についても求められてくるわけでありまして、そうした視点から見ると、将来、特定機能病院の類型化、あるいは地域における役割の類型に応じて見ていくというような視点も重要なのではないかと考えます。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 泉構成員、お願いします。
○泉構成員 泉です。
 私も今の本田構成員、尾形構成員と同じような意見で、地方における特定機能病院、大学病院本院の役割というのは、やはり地域がしっかり医療を守るということだろうと思うので、地域医療構想に参画をして、派遣した医師がどういう病院でどういった活躍をしてくれているか、どこの病院でどういうふうに役割を担ってもらうかということが、地域の大学において極めて重要な役割なのではないか。
 もう一つは、都道府県との関わりで、どの病院がどのような役割を果たすかということ、これと医師育成が大学病院本院として重要なので、これを特定機能病院として極めて重要な項目にしないと地域の病院が守れないかなということで、先ほど厚労省から御案内があったように、手術とか研究業績。今、研究業績の評価も非常に難しいのですけれども、そういったものからは、もし大学の分院とか特定機能病院として立候補してきたときに差別化ができないのかなというので、やはり地域における役割、医師派遣、地域医療構想の中の役割、都道府県との関与とか、そこを重要視したものにしないと、特定機能病院としての役割、重要性が出てこないのかなと思いました。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 猪口です。よろしくお願いします。
 今、地域医療構想のお話が出ましたけれども、大学病院の本院というのは、高度かつ広範な医療も行い、研究、そして学生・研修医・専攻医の教育、さらに医師派遣と、極めて多彩な機能を有しており、そしてまた実践しているわけです。他の特定機能病院はもとより、やはり他の病院とは機能が大きく異なるのだろうと思います。
 したがいまして、地域医療構想の中では、これは都道府県によって違うと思いますけれども、本院の位置づけというのはそれぞれの病院とは違って、三次医療圏を中心としたものになるべきではないかと思います。各構想区域という考え方からいうと、各病院がどこをどういうふうに受け持つということよりも、さらに上位の存在になっていると思っております。
 それから、医師派遣の話も出ておりました。これも、多大学がある都道府県と1医科大学のところと違うと思いますけれども、やはり行政と綿密にパートナーとして話合いを行って派遣を行っていく必要があるのだろうと思います。特に今、各科によって派遣が行われていることが多いのですけれども、できるならばいろいろなデータ、そして医療提供体制を考えた上で、各大学病院としてどのような派遣体制をつくっていくかということがこれから重要になるのではないかと思っております。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。とても重要な御指摘だと思います。
 他はいかがでしょうか。
 上田構成員、お願いいたします。
○上田構成員 私も今の猪口先生の御意見に賛成でございます。
 76ページで、全体を通した論点として、医療・研究・教育・医療安全をいずれも高度に行っていることに加えて、今回、医師派遣という機能が位置づけられました。これまでも実績がありますが、今、猪口先生がおっしゃられましたように、これを大学病院の組織として、あるいは総合的な視点で取り組むことが大事ですので、今回、これを見直して、これまでの特定機能病院の機能に関して今言いましたような機能を新たに加えるというのは、非常に大事だと思っております。
 併せて、研究についてもいろいろ議論がございましたが、私は確かに、一定のレベルを求めて大学病院にそういう体制をつくるというのは非常に大事だと思います。一方、先ほどのStudent Doctorですとか、医学教育、卒後教育などが求められておりますので、現実に携わるドクターといいますか、教職員の皆さんが非常に疲弊していると思います。これは今までも議論がありましたが、大学病院としての体制を厳しくするという視点は大事ですが、一方、現実にそれに携わっている職員が意欲を持って取り組むという体制もやはり大事だと思います。
 私も医療においては常に研究マインドを持って医療の質に取り組むことは非常に大事だと思いますし、そういうことも含めて、これまでの研究についての基準も幅広く御検討していただくとありがたいと思っております。
○松田座長 ありがとうございました。
 他はいかがでしょうか。
 吉川構成員、お願いします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
 今回、特定機能病院の中の特に大学病院本院に求める機能についての検討ということで、幾つか出ておりますが、教育と医師派遣機能について意見を述べさせていただきます。
 その前の議題の際に意見が出ておりましたけれども、医師以外の医療従事者の教育は、地域医療の提供体制の確保や、安全な医療の提供を考えますと、非常に重要な項目、ポイントであると考えています。そういった中で、大学がバックにある大学附属病院本院では、病院内における研修体制や、地域の医療職者または患者さん向けの研修会の開催等の研修体制が整っていると考えております。
 そういった中で、このたび、71枚目に特定行為研修についてのスライドを入れていただいております。特定行為研修は、医師の協力なくしては研修ができないことと、既に55の大学病院で研修が行われていること、また、これから特定行為研修修了者の育成がますます重要になってくること等を考えますと、大学附属病院が果たす役割は非常に大きくなると考えております。こういったことから、特定行為研修の指定研修機関になっていることは大学附属病院本院の機能として必要ではないかと考えます。
 加えて、資料にも示されていますように、既にコメディカルの卒前教育やリカレント教育などにおいても一定の役割を果たしています。今後、医療関係職種全体への研修や教育に加え、地域の医療機関の看護職、また他の医療職種への教育・研修機能も大学附属病院本院の機能として必要ではないかと考えます。
 次に、医師派遣機能についてです。そもそも医師数による違いがある中で、一律的に派遣機能や診療実績、さらに論文の実績を求めることは非常に難しく、厳しいのではないかと思います。そのことから、医師少数区域や医師多数区域、それぞれの大学附属病院本院の派遣機能については、分けて考えてよいのではないかと思います。
 そうした中で看護の領域については、地域の医療の質の担保に向けて、既に一定の領域では専門看護師や認定看護師、特定行為研修修了者の地域への派遣も行われておりますので、今後さらに領域も拡大しつつ、大学附属病院本院の機能とすることも必要ではないかと思います。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。
 川上構成員、お願いいたします。
○川上構成員 川上です。ありがとうございます。
 一番最後の77ページ目「全体を通した論点等(案)」についてです。特定機能病院の特色といえば、やはり高度の医療と医療安全かと思います。その点で申し上げると、4番目の○に、定量的な要件として幾つか具体的にお記しいただいています。これら以外にも、例えば薬剤師、看護師などの人員配置もあると思います。特定機能病院の制度ができてこの30年間、医療の進歩や医学・薬学の高度化など様々なことがあって、社会、患者さんからの要求度も高まってきているのではないかと思います。医療の質や安全性を確保する、患者安全のみならず職員の安全も確保する。いろいろな観点を含めると、ここに挙げられていない人員配置も含めて、今まで見直してこなかった承認要件をこの際一度見直していただきたいと思う次第でございます。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 では、オンラインのほうで、松本構成員、お願いいたします。
○松本構成員 ありがとうございます。
 10ページにあります過去の議論の整理と、今言及がありました77ページの全体を通した論点についてコメントさせていただきます。
 大学病院本院につきましては、まず、地理的な条件を考慮した上で類型化することに異論はございませんけれども、どの大学病院本院も、今までと同じままで何らかの類型に該当させるような現状追認の考え方ではなく、地域性を考慮しつつも、特定機能病院の中で、今回特に意見がたくさん出ております大学病院本院に期待される役割を念頭に置いた上で、目標となるような基準を設定すべきだと考えます。
 その際には、新たな地域医療構想を推進する中で、大学病院本院以外の高度な医療を提供する病院のあり方が今後変化していくことも踏まえた検討をする必要があるのではないかと考えております。
 私からは以上でございます。
○松田座長 ありがとうございました。
 村松構成員、お願いいたします。
○村松構成員 ありがとうございます。私から、各論として2点研究についてと、全体について1点コメントをさせていただきます。
 77ページの4つ目の○にある「査読付き英語論文」の本数等を見直しすることで、56ページのほうの、医師1人当たりに直すと余り違いがなくなってくるのではないかという分析を本省のほうにしていただいていたと思います。医師の数が少なければ、当然、医学部の定員はほぼどこの大学も同じですので、教育等の負担も大きいと考えますと、人数については考慮されてしかるべきかと考えます。したがって、医師1人当たりとか100人当たりとか、そういった指標も検討されるべきかと思います。
 加えて、63ページの下の四角の2つ目の○に、多施設共同研究への評価をしてはどうかと。そちらについても賛成の立場から意見をします。
 こうした研究は協力機関がなければ成立し得ないものだと思いますので、そうしたものも、例えば英語論文になってきた時点でファーストオーサーやコレスポ以外もある程度の評価をしてはどうかと思います。
 最後、全体を通して77ページですが、類型化の話が先ほどから出ています。私も類型化していくことには賛成の立場でございます。先ほどのヒアリングでもありましたし、厚労省からもデータをたくさんお示しいただいていますが、では、どれを以て類型化するかというところで、一旦主観を除いた上で、例えば主成分分析してみるとか、ある程度機械的な分析も行った上で、どの指標を見ていくのが分別度が高いのかということも検討されてはどうかなと考えました。
 私からは以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 時間がちょっと押しておりますので、ここで締めたいと思います。
 医師派遣の定義ですけれども、例えば北海道などだと、北大から稚内の病院に毎日外来の支援にドクターが行っている。多分これはすごく重要な医師派遣機能だと思うのですけれども、そういう医師派遣の中身については事務局のほうで少し整理をして案を出していただけたらと思います。
 では、すみません、時間がちょっと押していますので、議事の3と議事の4の資料の説明を一緒にしていただいて、その後また御意見をいただけたらと思います。
 お願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 松田座長、一応後半部分も御意見をいただいたりしましたけれども、後半部分のほうも御意見がないか、少し。
○松田座長 では、後半も含めて御意見があればどうぞ。
 山崎構成員、よろしくお願いします。
○山崎構成員 先ほど猪口構成員がおっしゃられたように、実際の派遣は本当に診療科単位になることが非常に多くて、そういう意味では、三次医療圏で都道府県と一緒にということと、その診療科が何科の医師を派遣したのかというところまで、できれば今後の地域医療構想等を都道府県で進めていくに当たって粒度を上げていただけるといいのではないかと思います。すみません。
○松田座長 そのほか御意見いかがでしょうか。
 では、議事の3と4をまとめて説明していただいてよろしいですか。内容的にかぶらないように。
○松本医療安全推進・医務指導室長 承知しました。事務局の医療安全推進・医務指導室長です。
 資料3ですが、今後の進め方でございます。これまで2回開催してまいりまして、本日22回です。もともと年内の取りまとめを目指しておりましたが、地域医療構想や医師偏在対策と違いまして、今議論されているあり方自体は、例えば厚生労働省令の中でも議論できることが多々ございますので、議論を熟させることを優先しまして、年明け、年度内をめどに議論を取りまとめるために進めていって必要な見直し等につなげていければと考えております。
 以上が資料3の御説明です。
 資料4ですが、簡単に御説明をしてまいります。これは医療安全についての御説明です。
 2ページですが、東京女子医科大学、群馬大学の特定機能病院の取消しを受けまして、医療安全の強化を目的に、平成28年、29年、令和3年に医療法改正、省令改正等を行ってまいりました。その内容が5ページに示されております。例えば医療安全管理責任者ということで副院長の配置であるとか、医師・薬剤師・看護師の常勤の専従者の配置義務化などを行ったり、死亡事例を把握する医療安全部の仕組みを昨っていただいて事故調に適切に出していただくとか、監査委員会の監査を受けていただくということを行ってまいりました。
 6ページですが、医療安全管理部門、法的に求められているものだけの場合もあったり、それ以上しっかり置いていただいている場合もあったり、7ページ、10年間、法に基づく医療事故調査制度を運営してまいりましたが、まだ報告のない特定機能病院が3つございます。900床以上の病院で年平均1回弱の報告がありますので、少し低調な印象があるということです。
 8ページですが、前回、長尾構成員等から御指摘いただいた省令等の見直しで外形的なところは整備されつつあるが、まだ課題が残っているのではないかということがございました。
 9ページです。今後の対応ですが、この法改正等の対応状況、実態を把握させていただきたく、具体的には下のところですけれども、今年度、自治医科大学の永井良三学長に「医療機関の特性に応じて求められる医療安全活動及び必要な組織体制等に関する研究」という厚生労働科学研究を担っていただいており、具体的には下の4項目、合併症等のモニタリング項目は今、特定機能病院にお任せをしていますが、この状況に、法的に求められている等の担当者の背景や役割など、それから監査委員会、それから事故調への取組具合。特に医療安全管理部門が死亡を把握してスクリーニングすることになっておりますので、こちらの状況等をお調べして、必要があればまたこの場で議論させていただいて見直し等につなげていきたいと考えているものでございます。
 御説明は以上でございます。
○松田座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か委員から御意見、御質問ございますでしょうか。
○上田構成員 上田です。
 先ほどからも議論がありますが、私も医療安全の取組というのは非常に大事だと思います。第三者評価についても要件としても取り上げられておりますが、第三者評価について以前にお話しさせていただきましたように、大学病院で各診療科の横断的な取組の課題なども見えてきておりますので、必要に応じて、第三者評価からの課題について御説明させていただきます。この点について議論していただきたいと思います。
○松田座長 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 安全の問題は、起こってしまったときのインパクトがすごく大きいので、大学病院としてはしっかり取り組まなければいけない重要な課題だと認識しております。
 他はいかがでしょうか。
 よろしいですか。ありがとうございました。
 では、これで全体の議事を終了したいと思います。全体を通じて御質問、御意見等ございますでしょうか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 松本でございます。
 本日御議論いただいた点等につきましては、次回に向けてまた論点等を整理してまいりたいと考えております。
 以上です。
○松田座長 お願いします。
 評価の軸とか厚労省のほうとして腹案をお持ちだと思いますので、先ほど村松構成員からそういうものをある程度定量的に評価したらどうかという案が出ましたので、そういうことも少し含めて次回資料を出していただけたらと思います。
 よろしいでしょうか。
 途中端折らせてしまいましたけれども、では、次回日程等について御説明をお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 次回日程につきまして、先ほどの資料にもありました1月から2月を予定しております。日程が決まりましたら、委員の皆様には追ってお知らせします。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 それでは、これで閉会したいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

照会先

医政局 地域医療計画課

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