第5回 縦断調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和6年10月24日(木)10:00~11:15

場所

厚生労働省仮設第4会議室

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
  •  泉田 信行
  •  佐藤 香
  •  菅原 慎矢
  • ◎高橋 陽子
  •  野口 晴子
構成員以外の関係者
  •  石田 浩 (東京大学特別教授)
  •  西郷 浩 (早稲田大学政治経済学術院教授)
  •  廣松 毅 (東京大学名誉教授)
事務局
  •  森川政策統括官
  •  河野政策立案総括審議官
  •  古瀬企画調整担当参事官
  •  飯島統計企画調整室長
  •  長山審査解析室長
  •  藤井世帯統計室長
  •  菅沼縦断調査管理官
  •  清水世帯統計室長補佐
  •  村田世帯統計室長補佐
  •  野仲世帯統計室長補佐

議題

  1. 1 21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について(案)
  2. 2 新たな集団の対象者、調査内容
  3. 3 その他

議事

議事内容
 
○飯島統計企画調整室長
 ただいまから第5回縦断調査の改善に関するワーキンググループを開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の出席状況ですが、全ての委員が御出席でございます。また、本日は、審議協力者として、東京大学特別教授の石田委員、早稲田大学政治経済学術院教授の西郷委員、東京大学名誉教授の廣松委員に御出席いただいております。
 続いて、審議に入ります前に、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。政策立案総括審議官の河野です。企画調整担当参事官の古瀬です。
 それでは、以後の進行につきましては、高橋主査にお願いします。
 
○高橋主査 
 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
 本日の議題ですが、議題1「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について」、議題2「新たな集団の対象者、調査内容」、議題3「その他」となっております。
 本日のワーキンググループは12時までを予定していますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、御予定がある方は御退席いただいても結構です。
 まず、1つ目の議題の「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について」です。こちらは、先日開催しました第4回のワーキンググループで皆様方から御議論いただいた内容につきまして、事務局において対応案を整理いたしました。それでは、事務局から説明をお願いします。
 
○菅沼縦断調査管理官 
 それでは、私から資料の御説明をいたします。資料1―1、資料1-2と続けて御説明します。まず、資料1-1を御覧ください。平成13年出生児の客体を対象とした新たな調査、いわゆる成年者向け調査についての御説明となります。
 それでは、2ページを御覧ください。前回、第4回ワーキンググループでいただいた主な御意見となります。御意見に対する対応の詳細については、追って具体的に御説明させていただきますが、対応方針の概要を御説明いたします。事項の1つ目、調査目的についてです。調査目的の変更案に「少子化」という言葉がないという御指摘を頂きました。対応としましては、「少子化対策」に限定せず、成年者の生活実態全般を把握することを目的とするため、原案のままとさせていただきました。
 事項の2つ目、問1、世帯構造についての御指摘を頂きました。世帯の範囲について、前回は、「生計を共にしている者」に限定しておりましたが、生計を共にしている者とは別に、二世帯住宅等の同居者についても把握することとしました。詳細は追って御説明いたします。
 一番下になります。問11、体の健康状態について。体の健康状態とは別に「こころの状態(K6)」についても把握すべきではないかとの御指摘を頂きました。対応としましては、周期項目として「こころの状態(K6)」を追加しました。以降、3ページにおいて、就業や結婚・出産・子育てに関する多くの御意見を頂いております。
 今回、成年者向け調査として衣替えを実施し、最初の調査となります。このタイミングで大幅な脱落者を発生させないよう、質問数は最小限にしたいと考えており、御指摘のあった結婚や出産、子育て等に関する質問については、今後の調査の回収状況を踏まえ、周期化等を行い、検討させていただければと考えております。周期化する項目については、追って御説明をいたします。
 5ページです。黄色マーカー部分が、前回第4回審議資料からの変更箇所となります。調査目的の課題としまして、こども未来戦略において、「若者・子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできない」と打ち出されております。様々なライフイベントが重なる成年者において、今まで十分に把握できていなかった成年者の生活環境や経済的基盤を観察していく必要があるとさせていただきました。
 6ページです。調査項目の検討について、平成24年成年者縦断調査が13回で終了してしまった反省を踏まえ、調査対象者の脱落防止を優先したいと考えております。その上で、今まで十分に把握できていなかった成年者の生活環境や経済的基盤を観察することとし、就業・結婚・出産・育児等の動向については、周期化したテーマとして検討していきたいと存じます。また、脱落防止の観点から、オンライン化も併せて推進してまいりたいと考えております。
 8ページです。今回新たに追加した資料となっております。この成年者向け調査を開始する年度の変更についてとなります。現状として、昨年度取りまとめていただきました「中間まとめ」では、平成13年出生児縦断調査は、第26回(令和9年)から厚生労働省を実施主体とする成年者向け調査として実施することが適当であるとしていただきました。下の青色の網掛け部分となりますが、文部科学省では、平成13年出生児縦断調査を第25回(令和8年)調査まで実施する予定となっており、さらに、平成22年出生児についても、令和8年から実施主体を変更し実施する予定となっております。このため、文部科学省では、令和8年に2本の出生児縦断調査を実施することとなります。これにつきまして、文部科学省と相談し、赤字部分となりますが、平成13年出生児縦断調査について、極力早く厚生労働省が実施する成年者向け調査に移行したほうが政策的な貢献度は高められるのではないかということで、成年者向け調査の実施年を令和9年から令和8年に前倒しをし、厚生労働省で実施したいと考えております。
 10ページが、平成13年出生児縦断調査のスケジュールとなっております。オレンジ色の部分です。以上が資料1-1についての御説明となります。
 引き続き、資料1-2の「調査項目案」について御説明いたします。資料1-2を御覧ください。こちらも黄色マーカー部分が変更箇所となります。問1、世帯構造について、経済的な基盤が同じ単身赴任の配偶者等が前回は除かれてしまっていたため、「ふだん一緒にお住まいで、」は削除させていただきました。これにより、単身赴任の方も併せて世帯として把握したいと考えております。補問についても同様です。
 2ページです。問2として、生計を共にしている者とは別に、同居している方を把握するため新たに追加しました。両親やその他の親族、同居には、いわゆる二世帯住宅や同一敷地内の別の棟を含んでおります。なお、若い方が調査対象者ですので、友人との同居やシェアハウス、会社の寮なども一定数想定されますが、ここは子育て等に影響する親族を中心に質問をさせていただきました。
 前回の御審議を踏まえ、問3として、この1年間にあった結婚、離婚、死別に関する発生状況を質問として追加しました。
 3ページからが就業に関する質問となっております。問5についてです。
 
○菅原委員 
 すみません、質問、意見の類いはどのタイミングで入れれば良いのですか。
 
○高橋主査
 御説明を一通りいただきまして、後ほどまとめて御意見、御質問を頂ければと思います。
 
○菅原委員
 分かりました。では、お願いします。
 
○高橋主査
 大丈夫ですか。すみません。
 
○菅沼縦断調査管理官
 それでは、御説明を続けます。
 
(音声トラブル発生)
 
○菅沼縦断調査管理官
 それでは音声が回復したようですので、3ページ、「就業の有無」の所から説明をさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。それでは説明を再開させていただきます。
 まず、問5の就業の有無についてです。就業の有無では、11月現在における仕事の有無について説明しております。事前の説明で御質問がありましたので、少し補足をさせていただきます。仕事の状況について、他の調査ではもう少し期間を限定して質問している調査もありますが、縦断調査では、ふだんの状況ということで、11月現在の状況を質問してまいりました。調査の継続性を踏まえ、従来からの質問の方法とさせていただきました。
 その下、補問5-1です。前回の御審議では、離職があった場合の離職理由について尋ねておりましたが、この1年間にあった離職等の就業の変化についてと変更させていただきました。以前の会社を辞めて新たに仕事を始めたか、同じ勤め先で働き続けているかといった内容となります。なお、就業の変化については、主たる仕事の変化についてお答えいただきます。現在、文部科学省で実施されている平成13年出生児縦断調査から引用させていただきました。
 4ページです。就業形態に関する補問として、補問6-1で副業の有無を追加いたしました。
 飛びまして、7ページを御覧ください。主観的な質問でもあります「生活の満足度」、「悩みや不安」に関する問いについては、政策的な評価も難しいことから、記入者負担軽減のため削除とさせていただきました。なお、「悩みや不安」に代わり、孤独や孤立状況を把握するため、周期項目として、ふだん「頼りにしている人」に関する問いを追加させていただきました。追って説明をさせていただきます。
 飛びまして、10ページです。10ページから「経済状況について」となります。所得、支出、資産といった内容となっております。
 飛びまして、12ページです。総合的な暮らし向きとして質問を追加させていただきました。
 13ページを御覧ください。ここからが周期化にする調査項目案となります。今後、調査の回収状況を踏まえ、脱落者が多くならないよう、記入者負担のない範囲で追加させていただきたいと考えております。まず周期化の1つ目として、「配偶者のいない人」に対して、独身でいる理由を質問しております。結婚の必要性や自分の生活感、結婚資金、親との関係の問いになっております。2つ目は「この1年間に配偶者を得られた人」に対して、夫婦が知り合ったきっかけを質問しております。学校や職場での友達関係、インターネット・SNSの活用となっております。
 14ページです。ここから、出産・育児に関する項目となります。周期化する3つ目として、希望するこどもの数について質問しております。その下、4つ目は、こどもを持った場合の就業継続意欲を質問しております。仕事を続けたいか、軽減したいか、転職したいか、辞めたいかといった内容となっております。
 15ページを御覧ください。周期化する5つ目として、「こどもはもたない(これ以上もたない)」とお考えの方に対して、その理由を質問しております。子育て費用や環境、その他の理由について質問しております。その下、周期6として、子育てする際の相談先となります。親、兄弟、友人、医師や保育士、インターネット等です。なお、育児や育児休業など両立支援制度関係については、職場の実態や家庭の状況、希望したように制度を取得できているのか等、詳細な実態把握が必要になり、調査項目も多くなってしまうことから、今回の案では見送りとさせていただきました。
 16ページを御覧ください。周期化する「その他」の項目として、先ほど御説明しました孤立の状況を把握するため、周期7として、日頃から頼りにしている方を追加させていただきました。親族、同僚、友人といった内容となっております。なお、こちらは中高年者縦断調査から引用させていただきました。その下、周期8として、体の健康状態とは別に、心の状態としてK6を追加いたしました。
 17ページを御覧ください。御説明してきました周期化の項目については、成年者向け調査の2回目以降、回収状況を踏まえ、記入者負担とならない範囲で実施したいと考えております。2回目は「結婚」について、3回目は「出産・子育て」についてといったように繰り返していくことを想定しておりますが、回収状況によっては質問数などを調整させていただければと考えております。なお、今後、結婚や出産が増える年代とも重なってくるため、そのような場合には、連続して調査することも引き続き検討したいと考えております。
 以上が、前回の御審議を踏まえ、成年者向け調査の修正箇所に関する御説明となります。御審議、よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明にありました事項について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。菅原先生、お願いいたします。
 
○菅原委員
 よろしくお願いします。前回の審議内容等をだいぶ反映していただいて、良い調査になっていると思うのですが、1点、かなり質問項目を減らそうということは、非常に大事だとは思うのですが、やはりこの世代に関して、育児に関する質問というのはかなり重要な調査項目となると思いますので、今回、考えた結果、無くしたということだったのですが、幾つかの項目はもう少し審議していただきたいなと思います。
 3つ挙げさせていただきます。1つは補問5-1に関して、今回、離職有無理由を無くすということですが、やはり育児・介護離職は重要ですので、その辺に関しては尋ねてほしいと思う。こちらは、聞くとしても離職者のみなので、それほど負担ではないのかなと思われるのですが、どうでしょうか。
 2つ目、やはり両立支援系ですね。育休、介護休暇などについて、有無ということですと、今はほとんどの会社にあるのかもしれないので、有無というようなことを聞くのは、確かに大変ですので、無くても良いのかもしれないのですが、少なくとも利用しているかどうかということぐらいは聞いたらすぐに答えられることだと思うので、聞いていただけないでしょうか。
 3つ目、育児に関して、周期項目で聞くということなのですが、1つ追加してほしいこととして、育児のもう少し細かいこと、誰が保育をしているのか、両親の育児分担はどうなっているのか、子育て費用、保育料といった項目を周期項目に入れていただけないかということです。周期項目に関しては、また今後考えるということもありますので、今後の検討項目として、是非とも残していただきたいなと思います。以上です。よろしくお願いします。
 
○高橋主査 
 ありがとうございました。離職理由について、会社の両立支援制度の利用状況について聞いてほしいこと、誰が子育てをしているのか、分担はどうなっているのか、また、費用の面についての設問を、可能であれば追加していただきたいという御意見を頂きました。
 事務局からお返事をお願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 貴重な御意見をありがとうございます。離職理由や両立支援、保育の分担の状況など、貴重な御意見を頂きました。これについては、また改めて整理をいたしまして、事務局のほうで整理をしてお示しをしたいというように考えております。また引き続きよろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 よろしいでしょうか。
 
○菅原委員
 ありがとうございます。
 
○高橋主査
 ほかに御意見や御質問がある方、どうぞよろしくお願いいたします。
 石田先生、お願いします。
 
○石田委員
 ありがとうございます。事前に御相談させていただいて、また言うのはちょっと気が引けるのですが、本当に細かい所と、割と大きな点になります。細かい所として、問3の離別・死別というカテゴリーになっているのですが、離別と死別というのを分けることはできないかというのは、分けたほうが良いのかなという気がしたのですが。つまり、死別の方というのは少ないのですけれども、それなりの数がおられるので、離別したのか死別したのかによって、その後の生活もいろいろと変わると思いますので、これは分けたらいいのかなというのが細かい所ですが、1点目です。
 それから、企業規模についての括りなのですが、この括りで良いのか。例えば、経済産業省における中小企業の定義ですと、製造業では300人以下みたいなところも重要な区別の基準になりますけれども、その辺りを少し考慮しなくて良いのかという、本当に細かい所ですけれど。
 それから、主観的健康については入れていただいて、最後の所の、K6については周期的に入れるというようなお話だったのですが、多分、心と体の話は対になっているので、もし、K6を入れるのであれば、周期的ではなくて、毎回入れていただいたほうが良いかなという気がしました。
 それと、これも細かい所で恐縮なのですが、問15の所得の所は金額を記入するような形になっているのですが、これはカテゴリーのほうが答えやすいのではないかという印象もあるので、御検討いただければと思います。
 それから、最後の13ページ辺りの所で独身の理由を聞いていただいているのですが、やはり未婚者については、恐らく一番重要な質問というのは結婚意向の質問だと思います。つまり結婚したいかどうか、「是非結婚したい」から「できれば結婚したい」という、国立社会保障・人口問題研究所でもそういった調査はかなりやっておられます。この質問は、それ以後、実際に結婚するかどうかということの重要な要因になってくるので、この質問は入れていただいたほうが良いのではないかと感じました。
 それから、14ページの育児・出産についての所についてです。この質問は配偶者がいる人にだけ聞かれているのですが、これはどうしてなのかというのがちょっと分からなくて。未婚で出産される方もいますし、出産・育児の希望というのは、別に配偶者がいる人だけで無くても良いのではないかなと思うのですが、それについて質問させていただければと思います。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。全部で6つ御意見を頂きました。1つ目、離別・死別の選択肢を分けたほうが良いのではないかということ。2つ目、企業規模は中小企業の定義を考慮して300人以下という選択肢を設けたほうが良いのではないかということ。3つ目は、K6については、周期ではなく、毎回聞いたほうが良いのではないかということ。4つ目は、案では所得は実数で書いていただくのですが、カテゴリーのほうが回収率が良くなるのではないかということ。5つ目、独身の方、未婚の方に、まず結婚希望を聞いてから未婚の理由について尋ねたほうが良いのではないかということ。6つ目は、出産については未婚の方や配偶者がいない方についても尋ねるべきではないかということ。貴重な御意見を頂きました。事務局からお返事いただけますでしょうか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 御意見ありがとうございます。まず、問3の離別・死別について、ちゃんと御説明をしていなくて申し訳ないのですが、今日お示しした資料では、問3では、離婚と死別は分けて資料をお示ししてあるかと存じます。同様に問7について、企業規模についても、従来、100~999人の所が100~999人と1つのカテゴリーになっておりましたけれど、ここは平成13年出生児と同様、100~499人、500~999人というように、2つのカテゴリーのほうに分けさせていただきました。
 少し飛びますが、所得の状況について、現在はカテゴリーの把握ではなくて、直接何万円かというように記入いただく内容となっておりますが、ここについては、カテゴリーにしてしまうと、カテゴリーの中間部分が把握できなくなるということで、所得については実質金額のほうが利用しやすいといった御意見もあったものですから、ちょっと御負担があるのかもしれませんが、実質金額を入れていただくようにしております。
 また少し飛んでしまいますが、周期3で、希望するこども数について、配偶者のいる人のみに質問をしているのですけれども、こちらについては、独身者についても記入させたほうが良いのではないかということで、独身でこどもを持ちたいという方もいらっしゃるかと思うのですが、また、既にお子さんがいらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、従来、成年者調査のほうで、配偶者のいる方ということで質問をさせていただいていますので、調査の継続性を踏まえ、対象者は配偶者がいる方ということで限定をさせていただいております。
 そのほか、周期化を行う、「こころの状態(K6)」を毎年調査したほうが良いのではないか、あと、独身者に対して、独身でいる理由だけではなくて、そもそも結婚をする意向があるのか、したいのかといったところも把握したほうが良いのではないかということについては、貴重な御意見として、また事務局のほうで整理をして、お示しをしていきたいというように考えております。私からの回答は以上となりますが、不足している部分はございますか。
 
○石田委員 
 ありがとうございました。すみません、私がちょっと古いファイルを見ていたものですから、改正した部分を見過ごしていて申し訳ないです。以上、回答していただいたもので結構です。ありがとうございました。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
 
○廣松委員
 よろしいでしょうか。
 
○高橋主査
 よろしくお願いいたします。
 
○廣松委員
 説明をありがとうございました。事務局の説明に対して、菅原さん、石田さんからコメントがありました。私も賛成なのですが、微妙なところで、迷うところではあります。
 と言いますのも、事務局の説明の中でもありましたとおり、令和8年から、文部科学省から厚生労働省に主管を変えて、平成13年出生児縦断調査を改めて成年者の生活に関する縦断調査という形で、継続するということですので、その段階で、脱落がなるべく起きないようにすることが最も重要だと考えます。確かに、脱落の問題とお二人のコメントにあった調査項目の問題とは必ずしも直結しているわけではないのですが、私の個人的な意見としては、脱落がなるべく少なくなるように努力する必要があると考えます。ちょっと変な比喩かもしれませんが「角を矯めて牛を殺す」ことにならないように、是非十分な検討をお願いをしたいと思います。
 と言いますのも、先日、文部科学省の担当者の方から事前に説明を伺ったときに、「既に学校は終えているのに、どうして文部科学省から調査が来るのか」というようなクレームが結構届いているということで、ある意味で、調査疲れが表れている兆候もありますので、その点も考慮した上で、是非、調査項目を含めて、慎重に検討していただければと思います。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。調査の主管が変わるタイミングで脱落が起きないようにすることは最も配慮すべきことであるという御意見を頂きました。事務局からお返事はありますか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。この成年者向け調査の基になる平成13年出生児縦断調査についても、今、お話がありましたように、もう既に20回以上調査をしており、文部科学省のほうからは、調査対象者にだいぶ負担を掛けてきたといったようなお話も聞いております。なお、一方、今後、出産・育児については大きく変化がある所ですので、ここは御負担のない範囲で、極力その実態を把握できればというように考えておりますが、そこは微妙な線引きが難しい所かと思いますので、今日頂いた貴重な御意見を踏まえ、事務局のほうで次回のワーキンググループに向けて整理をしていきたいと思います。ありがとうございます。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。野口先生、よろしくお願いいたします。
 
○野口委員
 今の点、非常に重要な点だと思っております。こういった調査は鏡文を付けるわけですよね。長年にわたって、彼らも20年以上にわたって調査をされているわけですから、やはり調査疲れは確かにあると思います。ただ、やはり調査に対する愛着もあるはずで、生まれたときから調査ということで親御さんがやってきて、自分がやってきてということで。ですので、この鏡文に、例えば、文部科学省から厚生労働省に今度移管されるしっかりとした理由ですね、例えば、今の若い世代にとって、やはり社会保障の問題はすごく大きな重要な問題だというように、X(旧Twitter)などを見ていると、そういうように皆さん、若い子たちが、これ以上払いたくないとか何とか言っていて、何というのですかね、やはりそういう社会保障にかかる、要するに、将来、自分たちが今後働いていく上で、あなた達の社会保障、皆さんの社会保障政策を考える上で非常に必要な調査である、あるいは、皆さんのライフコースというものを考え検討する上でというか、それに基づいて政策を立てる上で非常に重要な調査であるということを、鏡文に、何とかうまく厚生労働省様のほうで文章を考えて、やはり彼らが納得して、愛着ある調査、ただ、調査疲れもしているといった調査なのだけれども、皆さんの働き始めてからの生活に非常に関わる重要な調査であることを、鏡文で何とかうまく説明されてはいかがかなというように思いました。
 何というのですかね、非常に量、質問項目が多いということも回答率に影響があるということは分かるのですが、こういった内容を聞くことが、彼らの生活を支えるセーフティネットに関わりがあるのだということを強調して説得するというか、調査に応ずることを御納得いただけるような鏡文にするということが非常に重要だと思います。以上です。すみません。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。脱落が起きない工夫として、鏡文に調査の意義についてしっかりと書き込むという御意見を頂きました。いかがでしょうか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。非常に貴重な御意見を頂きました。この成年者向け調査も、突然、文部科学省から厚生労働省が引き継ぎましたということだけでは、回答者の方も戸惑うかと思いますので、今、御助言いただいた、そもそもの調査の目的であったり、これが今後どういう政策に活されるのかといったところも含めて、調査を開始する前から、丁寧に説明をして理解をいただいていくようにしたいと思います。ありがとうございます。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。廣松先生、お願いします。
 
○廣松委員
 今の野口さんの御意見に大賛成です。令和8年になると平成13年出生児の人は25歳になるわけです。その意味で、25年間続いてきた、あるいは協力をしていただいたということに対して、高く評価し感謝するということも加えても良いのではないでしょうか。また、実施者側として、特にこの調査を始めるときから関係していた者にとっては四半世紀も調査が継続してきた大変感慨深い思いです。それを踏まえて今後も継続していただきたいというか、御協力いただきたいということを、是非、加えていただければと思います。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。いかがでしょうか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 今、御意見を頂いた鏡文については、お礼も含め、御協力に感謝をし、そして、今までどんな政策に活されてきたのかというような評価も踏まえて、丁寧に説明していきたいと思います。ありがとうございます。
 
○高橋主査
 泉田先生、よろしくお願いいたします。
 
○泉田委員
 中身のほうの話に戻って恐縮なのですが、問6の所で、いわゆるギグワークに就いている方というのは10番を選ぶというイメージなのか、そうではないのかという所の確認をさせていただきたいです。あと、14ページの周期4なのですが、メインとサブの仕事があるので、現在の仕事を続けたいですかと聞かれたときに、サブだけ辞めたいみたいなケースをどう扱うか、この2点の確認をさせていただきたいです。
 あと、調査から脱落しない所の話で、資料1-1の6ページに、メールでお知らせするという話があったのですけれど、今は多分、大学のゼミの連絡は恐らくほとんどLINEですし、高校でもクラスLINEなどをやっているので、メールよりはLINEのほうが良いのか。世代的にはそうかなというのがあるので、セキュリティの問題があるのかもしれないのですけれど、回答データをLINEでやり取りするわけではないので、ちょっとそこも検討していただいたら良いのかなと思いました。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。問6について、ギグワーカーについては、自営業種というと設問の10に丸を付けると想定して良いのかという点。2つ目が14ページ、仕事を辞めたいかどうかというときに、サブの仕事だけは辞めたいというように考えている場合はこの選択肢で良いのかということ。また、3つ目ですが、調査のお知らせをメールでするということについて、LINEを検討してはどうかという御意見を頂きました。事務局、いかがでしょうか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 問6について、ギグワークは配送などといった方ですか。
 
○高橋主査
 それは、例えば、ネットでちょっと副業的にやっている方もいるし、メインでUber Eats(ウーバーイーツ)などの配達員をやっている方などもいろいろあるので。
 
○菅沼縦断調査管理官
 その方は、今のところ、10番の自営業主のほうに回答していただくのかなというように想定をしております。あと、14ページの周期4について、こどもを1人以上持った場合、就業している人に対して仕事の継続意欲を聞いていますけれども、これがメインの主な仕事についてなのか、副業、サブの仕事についても含めてなのかという所については、次回のワーキングまでに少し整理をしたいと思います。
 あと、資料1-1のほうで、現在、6ページのほうで、脱落防止の観点で、メールアドレスによりお知らせ等を発信するという所について、最近、若い方についてはLINEやSNSを活用されている方もいらっしゃいますので、それも含めて検討してはという御意見を頂きました。そこについては、厚生労働省のSNSの利用方針などもありますので、メールアドレス等ということも含めて、また引き続き、どこまで可能なのかということも含めて検討をさせていただければと考えております。
 
○高橋主査
 問6はギグワーカーについてなのですが、いろいろなケースがあると思いますので、多くは10番を選択するのだと思うのですけれど、選択肢の下にどこに答えて良いのか分かる誘導の説明を入れたら良いのではないかと思っております。少し検討をさせていただければと思います。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 本議題について、先生方から頂いた御意見や御要望については、主査に御一任いただきまして、追って、事務局のほうで整理をしていただき、本グループの取りまとめに向けて作業を進めてまいりたいと思います。なお、今、議論が出ましたが、これまでの成年者縦断調査では、脱落者が大変多く、調査継続ができなかった経験も踏まえて、まずは調査対象者の脱落防止を優先する必要があるというように考えております。記入者負担の観点で、今回頂いた御意見の全てを反映することは難しいかと考えております。今回反映できなかった御意見等については、今後作成される報告書をまとめる際に、御意見があった旨を記載する形とさせていただきたいと思っております。
 それでは、続いて2つ目の議題「新たな集団の対象者、調査内容」についてです。こちらは、現在実施している出生児縦断調査、成年者縦断調査、中高年者縦断調査に続く、新たなパネル調査を立ち上げるための集団について、御意見を頂くものです。今回、第5回のワーキンググループと次回の第6回のワーキンググループで御議論いただきたいというように思っております。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 それでは、資料2について説明させていただきます。本資料は、縦断調査として新たなパネルを立ち上げる場合に、どのような調査目的で、どのような集団を追跡していくか、御意見を伺う趣旨となります。今後新たな調査を企画し、予算を確保していくに当たっての御助言として、意見を頂ければと考えております。
 それでは、1ページを御覧ください。課題といたしまして、現在実施している縦断調査も、いずれ客体数の減少により調査が中止となることが想定されます。そのため、厚生労働省として、新たな縦断調査の集団及び取り扱うテーマについて検討する時期となっております。
 まず、表ですが、出生児縦断調査は、平成22年出生児縦断調査については令和8年から文部科学省に引き継いで実施されていくこととなりますが、調査を開始した平成22年(2010年)以降、3回目となる新たな出生児縦断調査は実施されておりません。
 次の段、成年者縦断調査は、平成24年成年者縦断調査が令和6年で中止となりますが、当面、平成13年出生児を対象とした成年者向け調査として継続していくことを予定しているところでございます。また、資料にはございませんが、今回、文部科学省に引き継ぐ平成22年出生児縦断調査が、いずれまた厚生労働省に戻り、成年者向け調査として引き継がれるということも想定されるところでございます。
 下の段、中高年者縦断調査は、令和7年から調査項目を大幅に変更し、調査を継続して行く予定でございますが、調査を開始した平成17年(2005年)以降、2回目となる新たな中高年者縦断調査は実施されておりません。
 2ページを御覧ください。新たな調査を立ち上げた場合の効果と課題を整理させていただきました。出生児縦断調査は、3回目のパネルが期待されるところでございますが、課題といたしまして、調査目的を少子化対策とした場合、それらの政策が現在こども家庭庁に移管されていることから、今後は厚生労働省として主体的に予算を確保して政策を議論していくことが難しい面がございます。
 成年者縦断調査については、実務面としての課題がございます。名簿作成に当たり、出生児縦断調査は人口動態統計の出生票から対象者の氏名・住所を把握しており、比較的簡単に母集団を把握できますが、成年者縦断調査は対象者が特定されていないため、調査員が調査地区に赴き、対象年齢の住民がいるか、その方の氏名・住所を聞き取ってくる予備調査が必要となり、そのための予算も別途必要となってまいります。
 下の段、中高年者縦断調査の効果といたしましては、調査を開始する対象者を50歳から59歳とした場合、就職氷河期世代の一部と重なってくることから、その動向を観察できることが期待されます。一方、やはり調査客体の特定には予備調査が必要となり、予算的なハードルが高くなっております。
 以上、出生児縦断調査、成年者縦断調査、中高年者縦断調査と既存の集団を取り上げて説明してまいりましたが、今までのパネルとは全く別の新しい集団や調査手法も想定されていますので、併せて御助言いただければと考えております。今回の議題につきましては、報告書において結論を1つに絞るということは想定しておりませんので、様々な可能性について御助言いただき、今後の調査の企画、予算確保に反映させていただければというふうに考えております。
 資料2の説明は以上となります。御質問等につきましては、その都度回答させていただきますが、御意見・御提案に対する事務局の考え方につきましては、最後にまとめて回答させていただければと考えております。それでは、御審議をよろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明にあった事項について、まずは先生方から一通り御意見、御質問を頂きたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。菅原先生、お願いいたします。
 
○菅原委員
 よろしくお願いします。出生児の縦断調査の新しいものに関してです。今の御説明で、こども家庭庁ができて、厚生労働省の政策を離れてしまったという話でしたが、こども家庭庁はできたばかりで、このパネルデータをやるようなノウハウの類いは全く持ってないと思われますので、ここはやはり厚生労働省がバックアップするような形、厚生労働省と協力して、こども家庭庁と合同という形になるかと思いますが、やはり少子化対策は、日本の今後にとって非常に重要な問題なので、是非、そういう形で何とか出生児縦断調査のほうはやってほしいと思っています。意見は以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかにありますか。野口先生、お願いいたします。
 
○野口委員 
 菅原先生の御意見に全く賛成です。多分、こども家庭庁は、今、そういう状態にはなれていないと思いますので、是非、厚生労働省の方が介入してというか、協働して、10年ごとにやるのは非常に重要なことなので、また異なる項目でやっていただきたいと思います。
 もう1つは、中高年者縦断調査の件です。就職氷河期世代というのは、社会保障において、今後、非常に大きな問題になると思います。この世代のいろいろな生活の実態というのは、引きこもっている人などもいて、なかなか難しいとは思うのですが、ここの生活実態を捕らえることが、今後の社会保障の鍵になると言っても過言ではないと思います。ですから、是非、予算等に余裕があるのであれば、中高年者縦断調査のこの就職氷河期世代を挟んだ世代を、新たにコーホート(集団)して、縦断調査を立ち上げていただきたいというように希望します。よろしくお願いします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。お願いします。
 
○泉田委員
 3点あります。出生児、成年者、中高年を一般集団というように考えれば、野口先生がおっしゃったように、中高年者縦断調査については非常に大きな課題になっています。縦断調査の形で、継続して調査していったほうが良いのではないかと考えています。出生児についても問題意識は非常にあるのですけれども、第二次ベビーブーマーのボリュームゾーンが、年齢として通り過ぎているので、なかなか難しいところはあるかと思います。
 2点目です。こういう一般集団ではなくて、名簿作成のコストというところをおっしゃっていたので、名簿がもうできているものは何かないかと、アイデアだけをお話できればと思います。1つ目は、児童養護施設の退所者の方がどう暮らされているのかというのを継続的に調査するというのはあるのかなと思います。名簿は児童養護施設に御協力をいただく形になるかと思います。
 2つ目も全く同じ発想で、障害者のライフコースがどうなっているかです。施設やグループホームに在籍されている方が、自己実現、ライフコースを達成できているかどうかを把握する調査があっても良いのかなというのが、2つ目です。
 3つ目は、出入国在留管理庁との連携になるかと思います。定住を目指して日本に来られている外国の方が、日本で上手に定着できているかというところを把握する調査があっても良いのかなと。これは入国時点で名簿ができるはずなので、それを追跡するという形があるのかなと思います。
 4つ目は、更にアイデア段階の話ですが、事前の御説明のときに、オンライン調査とインターネット調査は違うというお話があって、インターネット調査で何ができるのかを調べたのです。インスタグラムで調査対象者の募集をして、それでレスポンスのあった人に調査票を撒くという方法はどうかと。ただ、本当にアイデアだけです。特定の偏った集団になるのではないかとか、そういう人たちに縦断調査を掛けたときに継続するのかというところは当然あるので、そういうところは度外視して、アイデアの登録というか、共有という形で発言させていただきました。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかに先生方、いかがでしょうか。佐藤先生、お願いいたします。
 
○佐藤委員
 ありがとうございます。佐藤です。出生児縦断調査をこども家庭庁にやっていただくにしても、厚生労働省の協力が必要だという点は、全く賛成です。ただ、出生児調査は、こどもが生まれた方が対象になるので、少子化という意味では、むしろこどもを産もうか産むまいか迷っている成年者縦断調査が、一番困難があると思いますが、この調査が実は重要ではないかと思います。ただ、これが困難であることは良く分かっておりますので、平成13年の出生児の縦断調査を、脱落者なく継続していくことに注力するのが、一番パフォーマンスが良いのかなと思って聞いておりました。
 中高年者縦断調査は、介護の問題とか、認知症が増えていくとか、医療費の問題とか、厚生労働省の政策に非常に関わるところが多いかと存じますので、中高年者縦断調査は積極的に実施の方向で御検討いただくのが良いかと私は考えております。よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。そのほかに先生方、いかがでしょうか。では廣松先生、お願いします。
 
○廣松委員
 廣松です。私も今御発言のあった委員の方々の意見に賛成です。出生児縦断調査の場合、第3ウェーブを考えることに関して、こども家庭庁に入っていただくのが必須だと思います。ただ、こどもというのが、どこまでを指すのかどうもはっきりしない。こども家庭庁の設置法で決まっているわけではなくてこどもが幾つまでを指すのかは、多分決まってないと思います。その点は横に置くにしても、こども家庭庁の協力は必須だと思いますし、文部科学省にも、当然、御協力いただかなければいけないことになるのではないかと思います。その意味で、3つの省庁が協力あるいは共管して調査を行うとなると、また一つ難しい問題が出てくるかもしれませんけれども、そこは是非検討をお願いしたいと思います。
 中高年者縦断調査に関しては、調査を始めたときは、団塊の世代を念頭に置いていたわけですが、2026年に団塊の世代は全員が後期高齢者に入ってしまうわけですから、当然調査項目も変えざるを得ません。中高年者縦断調査の第2ウェーブとして資料の中に就職氷河期世代というのが候補として出ていますけれども、先ほどの説明のとおり、50歳から59歳ぐらいまでの年代に関して、新たな調査を起こすということに私は十分意義があると思います。
 確かに成年者調査が一番悩み深い層ですが、やはり今の状況では、平成13年出生児とその次の平成22年出生児の方々がその年代に達したときに、成年者継続調査という形で進めるのが、一番、実現可能性としては高いのではないかと考えます。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。石田先生、お願いいたします。
 
○石田委員
 石田です。私も今まで委員の先生方がおっしゃっていたことに同感です。特に出生児縦断調査と中高年者縦断調査については、新たな対象を選んで調査を始めることについて、できる限り努力をしていただけると大変有り難いと思いました。出生児については、確かにこども家庭庁の管轄になるかもしれないのですが、調査の対象で回答するのは親なので、そうすると親、特に女性の就業と出産・育児という観点から、親のワーク・ライフ・バランスなどの観点からも重要な調査になってきますので、その視点から言うと、厚生労働省についても、そういう調査をやることの意味が十分あると思います。是非ともこども家庭庁と協力して、このような調査が実施できるかどうか、可能性を探っていただければと思いました。
 それから、調査の方法についてです。私は個人的には、まず対象者の抽出については、代表性のある形で抽出する調査をやっていただくのがいいのではないかと思っております。代表性のあるということになると、何らかの抽出の基になる台帳等があって、そこから層化などを使って無作為抽出していく形でやっていただくのが良いかと。それから、継続の方法については、紙媒体だけでなく、オンラインや様々な形で継続が容易にできる調査の形式を考えていただく、そこの部分で工夫ができるのではないかと考えています。特に脱落の最大の問題は、やはり住所が分からないというか、対象者とコンタクトができないところだと私は思います。継続調査、パネル調査の場合はそこが一番問題だと思っております。そこの部分を何とか乗り越えられるような工夫を考えることが大事かと思いました。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。
 では私も2点、意見を言わせていただきたいと思います。中高年者縦断調査として今行っているのは、2005年10月時点で50から59歳を対象としていましたけれども、私が一度マイクロデータを利用させていただいた際には、50代の方は皆さん健康で、特に男性は失業も転職もなくて動きがないということがあって、労働の観点からは、パネルデータの分析がしにくいという印象を受けました。そういう意味で、調査費用や調査疲れのことを考えると、対象年齢を5歳ほど後ろ倒しにしても良かったのではないかと考えています。
 2点目は、1点目と矛盾しますが、就職氷河期世代への支援というのは、先ほどから御意見を頂いておりますけれども、厚生労働省にとっても重要な施策だと思いますので、この世代の就労や生活を追跡できる新たな調査を行う意義は大きいと考えています。特に氷河期世代の中でも最も厳しかったのは、2000年代前後に就職活動した方たちです。当時、高校生だった方が今は40代前半で、大学卒だと40代後半ですので、その方たちをしっかり捕捉できるように、50歳になるタイミングで調査を開始できるように準備を進めてはどうかと考えています。以上です。
 そのほかに何かありますか。よろしいでしょうか。それでは委員の先生方からいただいた御意見については、事務局のほうで御検討いただいて、次回のワーキンググループで資料を提出させていただきたいと思います。
 最後に議事3として「その他」となっております。事務局から何かありますか。
 
○飯島統計企画調整室長
 事務局からは特段ございません。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、本日予定しておりました議題は以上となりますが、全体を通して、先ほど御発言できなかったことも含めて、御意見や御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。では、本日の議題は全て終了となります。事務局にお返しいたします。
 
○飯島統計企画調整室長
 皆様、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。また、資料の説明の途中で音声トラブルがあり、会議が中断しましたことをおわび申し上げます。それでは、これをもちまして、第5回縦断調査の改善に関するワーキンググループを閉会させていただきます。次回の開催日程については、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
 
(了)

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