第17回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録

日時

令和6年9月20日(金) 10:00~12:00

場所

厚生労働省専用第21会議室(WEB会議併用)

出席者

出席委員(五十音順)

(会議室)
(テレビ会議)

※◎委員長 ○委員長代理

行政関係出席者

厚生労働省
(会議室)
  • 佐々木 昌弘 危機管理・医務技術総括審議官
大臣官房厚生科学課
  • 眞鍋 馨(厚生科学課課長)
  • 水野 嘉郎(医薬品等行政評価・監視委員会室室長)
  • 江田 美沙子(医薬品等行政評価・監視委員会室室長補佐
健康・生活衛生局
  • 小塩 真史(感染症対策部予防接種課長補佐)
医薬局
  • 福田 悠平(医薬安全対策課課長補佐)
  • 浦 克彰(医薬品審査管理課課長補佐) 
  • 中矢 雄太(監視指導・麻薬対策課課長補佐)
 

議題

  1. 1.委員の求めに応じた個別事項への対応について
  2. 2.医薬局からの定期報告について
  3. 3.医薬品等行政評価・監視委員会の活動状況について
  4. 4.その他

議事

○水野室長 定刻となりましたので、ただいまから第17回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開催したいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、御多用の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員会につきましては、ウェブ形式と併用して実施しております。会場にお越しいただいている委員と、厚生労働省の省外からウェブにおいて御参加いただいている委員がいらっしゃいます。
 また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っております。事務局や担当部局からの説明、回答は、できるだけゆっくり、はっきり御発言いただくようにお願いいたします。
 なお、資料は随時投映させていただきますが、通信環境が悪くなった場合には、通信負荷軽減の観点から資料の投映を中断し、音声配信を優先する等の対応を取ることがございますので、御了承いただければと思います。
 議事に入ります前に、事務局に異動がありましたので、御報告をさせていただきます。7月5日付で危機管理・医務技術総括審議官に佐々木が着任しております。
○佐々木審議官 危機管理・医務技術総括審議官の佐々木でございます。
 恐縮ですが、少しお時間をいただきたいと思います。
 4年前の9月28日、第1回の医薬品等行政評価・監視委員会が開催されたときに、私は当時厚生科学課長でした。あれから4年がたつわけですけれども、改めて第1回委員会のときの当時の田村憲久厚生労働大臣の挨拶を引用、紹介させていただきたいと思います。
 当委員会は、平成22年、薬害肝炎事件の発生を受け、その下で事件の検証、再発防止の検討を行った委員会において、このような医薬品行政の監視・評価を行う第三者組織が必要であるというお話をいただきました。その後、平成25年、薬事法改正の折にこの議論になりました。ちょうど私は大臣でございまして、いろいろな方法を考えながら、何とかこの第三者組織ができないかと検討させていただきました。本当に関係者の方々には大変なお力添え、御尽力をいただいたわけですが、残念ながらこのときには思いがかなわなかったということがありまして、それぞれの皆様方に大変御迷惑をおかけしたなと思っております。
 その後、法改正の中でこれが盛り込まれたということでありまして、その折には大変うれしい思いでいっぱいであったわけであります。私は一議員でございましたが、本当にいろいろと今まで募った思いというものがやっと実現したかなと。ただ、法律ができるわけではありませんでして、いよいよこの委員会が立ち上がるということで、医師の先生方、薬剤師の先生方、法律家の方々、そして何よりも薬害被害者の皆様方、それぞれのお立場、専門的な御知識や御経験、こういうものを踏まえてしっかりと医薬品等の安全確保、また、薬害の再発防止という意味でこの委員会が機能を発揮いただきますことを心からお願い申し上げる次第であります。
 厚生労働省といたしましても、当委員会でいろいろな御議論をいただいて、その機能を十分に発揮いただけるよう、委員会の皆様方の御意見を尊重し、薬害の再発防止をしっかりと進めてまいりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
ということを当時田村大臣は申し上げておりました。
 このポジションに就くに当たって、改めてこの思いを行政の実務の立場として推進してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○水野室長 次に、7月5日付で厚生科学課長に眞鍋が着任しております。
○眞鍋厚生科学課長 御紹介いただきました眞鍋でございます。よろしくお願い申し上げます。
○水野室長 次に、私、7月5日付で医薬品等行政評価・監視委員会の室長に着任いたしました水野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ほか、同日付で室長補佐に江田が着任しております。
○江田室長補佐 (起立一礼)
○水野室長 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、以後の議事・進行は磯部委員長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 最初に事務局から委員の出席状況の報告をお願いします。
 また、利益相反の取扱い規程に基づいて、各委員の申告内容の報告をお願いします。
○水野室長 まず、委員の出席状況をお知らせいたします。本日は9名全員の委員に御出席いただく予定でございますけれども、伊豆津委員からは30分ほど遅れてオンライン参加となるという旨、御連絡をいただいております。花井委員は急遽オンライン参加に切り替えるということですので、追って御参加いただけると思います。ということで、お二方が遅れて参加ということで、現在9名中7名の委員が御出席いただいており、委員会開催の定足数に達しているということを御報告いたします。
 次に、利益相反について御報告いたします。まず、利益相反の取扱い規程に基づく、個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございます。本日は議題1の「委員の求めに応じた個別事項の対応」におきまして個別の医薬品の議論を行う可能性がございます。そのため、関連企業からの寄附金等の受取状況についてあらかじめ御申告いただいております。各委員の申告書につきましては、今回の監視委員会の資料と併せまして、厚生労働省のウェブサイトに掲載しております。詳細はそちらを御覧いただきますようにお願いいたします。
 事務局におきまして規定の基準への該当性を確認いたしましたところ、奥田委員におかれましては、塩野義製薬株式会社からの寄附金・契約金等の受取実績から、資料1について御意見をいただくことは可能ですが、仮に何らかの議決を行う場合には当該議決に加わることはできないということでございます。資料1以外の議論につきましては、御意見をいただくことも、議決への参加についても可能となっております。
 続きまして、「委員会の議題によらない全般的な利益相反の定期的な開示」ということでございます。こちらは議題とは関係なく、薬事に関する企業や厚生労働省、PMDA、AMEDとの関係性を広く毎年一度申告いただき、利益相反の状況として公開するものでございます。項目としては、審議会への参画状況とか研究費の受取状況などがございます。それぞれの該当の有無につきましては、参考資料8に取りまとめておりますので、御報告いたします。
 また、各委員の申告書につきましては、本日の委員会終了後以降に本委員会のウェブサイトにて公開いたしますことを申し添えたいと思います。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は、議題1「委員の求めに応じた個別事項への対応」として、「催奇形性を示す薬剤に関する安全対策の現状について」と、「9価HPVワクチンの接種状況について」、この2つのテーマを取り扱うこととしています。さらに、議題2は医薬局からの定期報告、議題3として本委員会の活動状況について扱うこととしています。
 では、資料1。今、画面にも出ていると思います。本日の議題1「委員の求めに応じた個別事項への対応」の1つ目「催奇形性を示す薬剤に関する安全対策の現状について」。佐藤委員から取扱いの御要望をいただいておりました。
 それでは、資料1について、医薬局医薬安全対策課から御説明をお願いいたします。
○医薬安全対策課 医薬局医薬安全対策課でございます。
 資料1に基づきまして、催奇形性を示す医薬品に関する安全対策に係る最近の取組について御説明させていただきます。
 まず、昨年の2月に発出いたしました「医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンス」について御説明いたします。最初に、本ガイダンス発出の背景について簡単に御説明いたします。平成29年に医療用医薬品の添付文書の記載要領が改正されまして、第9項「特定の背景を有する患者に関する注意」の中に「生殖能を有する者」の項が新設されまして、患者及びそのパートナーにおいて避妊が必要な場合には、その旨と避妊が必要な期間それぞれを記載することとされております。しかしながら、その当時、避妊を推奨する条件ですとか適切な避妊期間に関する統一的な考え方というものは示されていませんでした。
 一方で、米国では平成29年にFDAの方から抗悪性腫瘍剤の治療中止後の避妊期間に関して、添付文書への記載を推奨する事項を規定したガイダンスのドラフトが公表されてございます。
 このような状況を踏まえまして、AMEDの研究事業の方で研究班を立ち上げまして、公表文献や関連するガイドライン等の最新の科学的知見、海外での規制動向等を踏まえて、調査、検討が行われまして、本ガイダンスが作成されてございます。
 ガイダンスの中身についてかいつまんで御説明差し上げます。本ガイダンスでは、遺伝毒性または催奇形性を含む発生毒性のリスクに基づきまして、医薬品の投与中及び最終投与後の避妊期間の設定に係る基準が示されております。まず、遺伝毒性のある医薬品につきましては、男性患者においては、最終投与日からの血中の消失期間、これは半減期の5倍の期間とされておりますが、この期間にプラスして精子形成期間及び未射出精子の滞留期間である3か月間を加えた期間が避妊期間として規定されてございます。
 一方で、女性患者におきましては、最終投与日からの血中消失期間、ここは同じですが、それに原始卵胞が排卵するまでの期間である6か月間を加えた期間が必要な避妊期間として設定されてございます。これが遺伝毒性のある医薬品についての規定でございます。
 一方、遺伝毒性はないけれども、発生毒性がある場合の避妊期間というのが別途規定されてございます。男性患者におきましては、精液移行した医薬品が膣粘膜等からの吸収を介して胚・胎児への影響が想定される場合に、最終投与日からの血中消失期間が避妊期間として設定されております。
 また、女性患者におきましても、最終投与日からの血中の消失期間が必要な避妊期間として規定されてございます。
 続きまして、アビガン錠の男性避妊に関する取扱いについて御説明差し上げます。
 アビガン錠につきましては、初回承認時には添付文書において、本剤を服用した男性患者は一定期間避妊を行うよう注意喚起がされていたところです。
 その後、本年の6月にマダニ媒介感染症でございますSFTSウイルス感染症の効能追加に係る一部変更承認を行ったときに、この取扱いを変更してございまして、男性患者の避妊は不要としております。これについては承認審査におきまして、先ほど御説明しましたガイダンスに基づいて評価を行ってございます。具体的には、アビガン錠は発生毒性はございますけれども、遺伝毒性はない医薬品でございまして、精液移行によるリスクがないと評価される場合には、男性患者の避妊は不要となります。重度肝機能障害を有する被験者をワーストケースとして仮定しまして、精液を介した女性パートナーの血中の本薬濃度を推定しましたところ、その最高値が0.19μg/mLとなりまして、初期胚発生及び催奇形性リスクに対して十分な安全域(それぞれ23.8倍及び153倍)が確保できることから、精液移行によるリスクはなく、避妊は不要と考えられました。この考え方につきましては、審査の過程におきましてPMDAの専門協議でも妥当と評価されてございまして、その結果といたしまして、添付文書から男性避妊に関する注意喚起の記載を削除してございます。
 続きまして、妊婦・授乳婦を対象とした医薬品の適正使用に係る取組について御説明いたします。
 まず、妊娠と薬情報センターについてでございます。妊娠と薬情報センターにつきましては、厚生労働省の事業といたしまして、平成17年10月に国立成育医療研究センター内に設置されております。妊娠中もしくは妊娠を希望される女性であって、妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方の御相談に対応してきております。
 全国47都道府県の拠点病院に「妊娠と薬外来」を設置しておりまして、各地域の相談外来で相談を受けていただくことが可能となっております。
 さらに、同意をいただいた相談者等を対象としまして、妊娠の転帰や児の予後に関する調査を行いまして、それらの調査結果に基づきまして妊娠中の薬剤使用に関する安全性のエビデンスを創出しております。
 こちらが妊娠と薬情報センターが令和3年度までに受けた相談の件数ですけれども、2万4000件余りとなっております。そのうち妊娠結果の回答があったのが7,000件余りとなります。医薬品別に見ますと、医療用医薬品が8,500品目、一般用医薬品が1,500品目。薬効分類で見ますと、精神神経系疾患の治療薬が44%という形で最も多く、次いで感染症治療薬、アレルギー疾患治療薬という形で続いてまいります。
 こちらは、平成28年度に妊婦・授乳婦を対象とした薬の適正使用推進事業という事業を開始してございます。妊娠と薬情報センターにワーキンググループを設置いたしまして、これまでの取組で収集した情報の整理・評価を行い、添付文書の改訂案の検討を進めてきております。
 添付文書の改訂に至った具体例といたしましては、左下にお示ししておりますが、免疫抑制剤、カルシウム拮抗剤、βブロッカー等の妊婦禁忌の解除に至った事例がございます。
 また、厚生労働省では妊娠と薬のホームページを作成しておりまして、妊娠中の医薬品の使用に関するQ&Aや事前チェックリスト等を掲載してございます。
 続きまして、新型コロナウイルス感染症治療薬に関する注意喚起について御説明いたします。
 新型コロナウイルス感染症治療薬の一部につきましては、催奇形性リスクを有することから、妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされております。しかしながら、新型コロナウイルス治療薬の服用後に妊娠が判明した事例が相次いで報告されたことを受けまして、製造販売業者による情報提供だけではなく、厚生労働省といたしましても事務連絡を発出して注意喚起を行ったり、関連学会から医療従事者向け、もしくは女性患者向けに発出された注意喚起文書の周知を行ったり、さらにはこども家庭庁と連携した注意喚起といったことを実施してきてございます。
 また、一般の方向けの注意喚起といたしまして、厚生労働省のX(旧Twitter)のアカウントにおきまして妊娠と薬に関する情報発信も行ってきております。
 最後になりますが、事前に佐藤委員から御要望をいただきましたので、新型コロナウイルス感染症治療薬の服用後に妊娠が発覚した事例の件数と転帰について簡単にまとめております。ゾコーバ錠につきましては、製造販売業者からPMDAの方に提出されました安全性定期報告におきまして、2024年5月21日までに累積40例の妊娠事例が報告されております。
 転帰につきましては、40例のうち5例が出産に至り、いずれも出生児の健康状態には問題なし。また、3例の流産が報告されております。
 別途製造販売業者等から副作用報告として上がっている情報も確認してございますけれども、これについては2024年4月までに流産が3例報告されてございます。これは安定報と同一症例だと思われます。
 ラゲブリオ錠につきましてですが、これも安全性定期報告におきまして、これはデータロック日が古いのですけれども、2023年11月3日までに累積12例の妊娠事例が報告されてございます。
 転帰については、12例のうち2例が出産に至り、1例が流産というふうに報告されております。
 また、製造販売業者等からの副作用報告といたしましては、2024年4月までに流産1例、新生児黄疸1例、腹壁破裂及び側湾症の症例が1例報告されてございます。
 資料1についての御説明は以上になります。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見があれば御発言をお願いしますが、今の最後のページの出産例のところで、ゾコーバは「5例(いずれも出生児の健康状態に問題なし)」という括弧書きで、ラゲブリオ錠のほうは「(いずれも奇形なし)」という括弧書きで、これはあえて書き分けているということでしょうか。
○医薬安全対策課 基本的にはラゲブリオ錠の方も出生児の健康状態はいずれも問題ないということでございます。あえて書き分けているわけではございませんで、ゾコーバについてもラゲブリオについても出生事例についてはいずれも児の健康状態には問題ないと。
 失礼いたしました。出産2例のうち1例が、下の副作用報告にありますけれども、新生児黄疸の1例のようでして、それがございますので、「健康状態に問題なし」とは書けないので、奇形はないということで記載させていただいております。
 以上でございます。
○磯部委員長 分かりました。
 それでは、佐藤先生、どうぞ。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。
 今の磯部委員長の御質問に関係するのですが、このデータでゾコーバに関しては40例報告があるうちの出産が5例、流産が3例ということですけれども、その8例を除いた32例に関しては情報がないということなのでしょうか。ラゲブリオについても12例中3例の情報はありますが、残りの9例については情報がないということなのでしょうか。
○医薬安全対策課 残りの症例については、例えば出産予定の症例ですとか、もしくは現時点では情報がなくて不明なもの等が含まれております。
○佐藤委員 よく聞き取れなかったので、もう一度お願いできますでしょうか。
○医薬安全対策課 申し訳ございません。残りの症例につきましては、情報がなくて不明なもの、もしくは今後出産予定のもの等が含まれてございます。
○佐藤委員 分かりました。
 この点に関して、以前からこういうことが起きていて、それに対する安全対策をどうするのかということを聞きたかったのです。私が今回の議題を出した意図としては。以前こういう問題が起きたときに厚労省として注意喚起をされたと思うのですが、それが有効だったのかどうか。その時点ではたしかもっと数が少なくて、今は数が累積でかなり増えていますので、注意喚起をした後もこのような事例がその後生じていると理解しますけれども、そういう点では、厚労省が注意喚起しただけではこの問題は防ぐことが難しいのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○医薬安全対策課 ゾコーバ錠、ラゲブリオ錠につきましては、服用後の妊娠発覚事例が立て続いたということがございまして、先ほど御紹介した注意喚起もしてございますし、それに加えまして、服用開始前にチェックリストで妊娠の有無を確認することにしてございますが、このチェックリストにつきまして、患者本人が妊娠に気づいていない可能性というのも考慮しまして、前回の月経後に性交渉を行った場合は妊娠している可能性があること、避妊をしていても妊娠していないとは限らないこと等を強調したり、追記したりするような改訂を行ってございます。
 現時点におきましては、推定使用患者数と比較しまして妊娠事例の報告数が増加しているような傾向にはございませんで、追加の安全対策は現時点では不要と判断してございますけれども、製造販売業者とも連携いたしまして引き続き状況を注視して、適切な安全対策を取っていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○佐藤委員 累積で40例も起きていて、追加の安全対策が必要ないと言い切るその感覚はどういうことですか。そんなことで厚生労働行政はやっていけるのですか。薬害の教訓が何も生かされていないではないですか。あなた方は本当にそれでいいと思っているんですか。
 リスク管理計画を根本から見直すべきだと私としては思います。これは意見として申し上げます。
○医薬安全対策課 どうもありがとうございます。
 製造販売業者の方とも相談しまして、どういった対策が取れるかということを検討してまいりたいと思います。
○磯部委員長 花井さん、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。
 ゾコーバ錠のRMP資材の件ですが、かねてから何度か指摘しているんですけれども、リスク管理計画の遵守状況をチェックするという装置がないのです。今回の場合で言えば、このチェックリストは、お医者さんと患者さんがお互い話しながらチェックしていくということが求められていて、それが悉皆遵守されていれば、一定程度服薬の段階でかなりの問題意識と、先ほど行政が説明しているとおり、妊娠の可能性についても詳細にそこに記されているので、かなりの危険回避の効果があると思うのです。
 僕が分からないのは、どの程度処方現場でこのチェックリストをちゃんと使って対面で患者さんに説明して処方箋が書かれているかという遵守状況なのですが、これについてどうやって調べるか問題というのがあると思うのです。少なくとも妊娠されてしまった方々の患者さん本人にこのチェックリストを使用して、処方の段階で詳しい説明を聞きましたかということを聞いてもらったりすると、ちょっとそれが分かるかなと。
 おおむねMRさんたちはこれで各先生方にお願いして回っていて、その結果どうなったかというのは、「いや、先生、ちゃんとやっていますね」などと言うMRは多分いないと思うので、ここがいつも課題になると思うので、患者さん側に何らか聞いてみるという可能性はないのですか。そうすると、今回妊娠してしまったケースにおいても、よく分からずに妊娠してしまったのか、十分理解していたのだけれども自分の不注意でこうなってしまったということなのかということは、このRMPの効果を調べる意味でも重要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○医薬安全対策課 御指摘ありがとうございます。
 ゾコーバ錠、ラゲブリオ錠につきましては催奇形性を有するということで、妊娠事例のフォローアップについて製造販売業者さんの方にきちんとやっていただくことにしてございます。その中で投与後に妊娠が発覚してしまった事例の転帰も含めて確認してございますので、もう少し突っ込んでどういった経緯でそういう事態になってしまったのかというところについて確認できるというところを、製造販売業者の方とも相談して、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
○花井委員 よろしくお願いします。
 このチェックリストは、対面して臨床現場でちゃんと適切に使えば、相当程度の効果がなければおかしい話なので、現場でちゃんと説明を受けたけれどもというところがどうかというところを中心的に聞いてもらえたらなと思いました。
 以上です。
○医薬安全対策課 申し訳ございません。チェックリストの使用状況等については、きちんと製造販売業者の方で確認していると聞いております。
○花井委員 そうですか。でも、製販から確認してというのは、「先生、使いましたか」みたいな形になるのではないですか。だから、それは、「いや、ちゃんとやっていますよ」という、そういうやり取りというのはよく分かるのですけれども。医師と製販との関係者は。私が言いたいのは、その説明を聞いた患者さん側の受け止めなのです。つまり、シェアード・ディシジョンメイキングとかインフォームド・コンセントというのは、形式的になされたとか、なしたという話が多いのです。臨床研究でもそうなのですが、実際にはこういう場合は本当に患者さんが理解したかということが重要で、だから、説明を受けた患者さんの主観的世界においてどう受け止めたかということと併せて。つまり、ありがちなのは、ちゃんと説明したのに理解してもらえていなかったのだよねということが起こるわけです。だから、患者さんとして「説明が少なかったよ」と思ったのか、このチェックリストを見て、「ああ、自分もかなり読んだ」とか、「読んだけれども分からなかった」とか、そういうものまでやらないと、ICを受けましたかとか、そういうことを言っても、それは実態には迫れないと思います。
 実態が分かってこそ次の対策ということが生きるわけですので、製販さんに先生からその情報を得られるかと考えると、そこは難しいのではないかなという気がするので、患者さんに聞くという回路。それは悪いとは言いませんけれども、製販だけではない方法を考えてほしいというのが私の意見の趣旨です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 渡邉先生、佐藤先生、戸部委員の順番でコメントしてください。お願いします。
○渡邉委員 渡邉です。
 ラゲブリオ錠の記載について少し確認させてください。ラゲブリオ錠の出産のところで、「出産2例(いずれも奇形なし)、流産1例」と書いてありますが、この3例が製造販売業者等からの副作用報告の3例に一致するのでしょうか。先ほどの御説明だと、出産2例の中に新生児黄疸1例が含まれているということだったので。
○磯部委員長 では、その事実だけ教えてください。
○医薬安全対策課 出産は、2例のうち1例が新生児黄疸の症例になります。出産自体は副作用ではございませんので。流産は副作用報告として1例報告されていますので、これは恐らく安全性定期報告の1例と一致すると。それとは別に、安全性定期報告のデータロック日以降に報告された副作用として腹壁破裂・側湾症の1例が報告されているということになります。
○渡邉委員 少し聞きにくかったので、正確に聞き取っているかどうか分からないのですが、では、この出産2例には新生児黄疸1例が含まれるけれども、腹壁破裂・側湾症1例は含まれていないということですか。
○医薬安全対策課 左様でございます。
○渡邉委員 分かりました。
 そうすると、腹壁破裂・側湾症は、その後の時点ですけれども、奇形はあると考えられるのでしょうか。奇形1例と。
○医薬安全対策課 この症例については外部専門家にもご意見を伺ってございますが、この症例で認められた所見につきましては、自然発生の可能性も否定できないということでございまして、現時点では本剤との因果関係は不明と伺ってございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 先ほどの話に戻るのですけれども、御説明の中で販売量に比例する形で妊娠事例の報告が増えてはいないという説明がありましたが、裏を返せばそれは減っていないということを意味すると理解したのですが、それでよろしいですか。減っていないということは、先ほど花井委員が言われたように、医療現場での説明がきちっとなされているのならば、減るはずが減っていないということですから、きちんと現場でそういうことが行われているかは疑わしいと考えざるを得ないということになりますが、いかがでしょうか。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 まとめて後でお答えいただこうと思います。
 戸部先生、どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
 先ほどの処方時のインフォームド・コンセントに関しての質問ですけれども、チェックリストはトレースできるのでしょうか。それぞれの患者さんに遡って確認することができるのかどうかということと、そこに例えば妊娠が疑わしいかどうか分からないとか、医師と患者さんとの間でどのような確認、説明があったのかが確認できれば今後の対応の在り方の検討につながるのではないかなと思いますが。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 いずれも安全対策の有効性が、具体的にどう書かれるのかということだと思いますけれども、佐藤先生のご質問と併せてお願いします。
○医薬安全対策課 佐藤先生の御指摘につきましては、確かに使用患者数に比して妊娠事例の報告数が増加しているわけではありませんが、御指摘のとおり、必ずしも減っている状況でもないということは事実でございます。ですので、先ほど花井先生にも御指摘いただきましたけれども、そういったことも含めて、追加でどういった対策が取れるかということはきちんと検討してまいりたいと考えてございます。
 チェックリストについては、製造販売業者の方で把握できる範囲では、どのようなやり取りが行われたかということも含めて情報収集した上で分析していると認識しております。
○磯部委員長 把握できる範囲では分析可能だというのはそうなのでしょうが、把握できる範囲というのがどれほどなのかということと、必ず把握できるとなっていないのはなぜなのでしょうか。一体チェックリストは誰がどのタイミングで使って、それは病院側がカルテと一緒に集めているのか、写しが手元に行くだけなのか、どうなっているのかがよく分からないということなのですね。それをどこまで把握されているのでしょうか。
○医薬安全対策課 今、手元にその情報がございませんので、また確認させていただきたいと思います。申し訳ございません。
○磯部委員長 お医者さんなり製造販売業者さんなりの役割も重要ですが、患者さんが結局、リスクをよく理解して気をつけて使っているのか。大事なのは最後のところではないかというのが、花井さんがおっしゃったことで、それまでに誰がどういう役割を果たしているのか、40例は少なくないのだから、一個一個のケース、もちろん妊娠されたり、流産されたり、分からない方にデリケートなことを聞いていくのは大変ではあるのですが、有効な対策が取れているかどうかを検証するためには、自分たちのチェックリストがどうだったのかというのを後から振り返ってみるなどということをしてもいいのではないかなというのが、今、お話を伺っていて感じたことです。
 すみません。40分で、時間が来ているのですけれども、では、佐藤さん、手短にお願いします。
○佐藤委員 ゾコーバ、ラゲブリオの話でなくて、アビガンのことについての質問なので、その話が終わってからと思いますが、そちらに移ってもよろしいでしょうか。
○磯部委員長 どうぞ。
○佐藤委員 アビガンは精液中に移行するということが分かっていて、かつ今、画面に映っている資料の下のほうに、精液を介した女性パートナーの血漿中濃度というのが測定されていますので、精液を介して女性パートナーの血液中にこの薬が移行するということまで分かっているのです。それなのに「精液移行によるリスクなし」と分類されている根拠が何なのかということですが、その次の下から3行目のところに「初期胚発生及び催奇形性リスクに対して十分な安全域(それぞれ23.8倍及び153倍)が確保できることから、避妊は不要と考えられた」。
 つまり、安全域があるので問題ないと判断しているようなのですが、何倍なら大丈夫かということに関してはまた別のガイドラインがあるようです。私、うかつだったのが、そのガイドラインが出たときにきちんと意見を申し上げるべきだったと今、反省しているところですが、この安全域というのがいかに当てにならないものかということについては、サリドマイド、あるいはその類似薬であるレナリドミドについて教訓があるわけです。サリドマイドに関しては、齧歯類では催奇形性が当初認められなかったということがありますし、その類似薬のレナリドミドに関しては、ウサギの実験でも催奇形性が認められずに、当初催奇形性のない医薬品として製薬会社はアメリカで最初に製造販売承認の申請を出したわけですが、アメリカのFDAは基本的に化学構造が同じであるということを重視して、サリドマイドと同じリスク管理システム、RMPを求めたわけです。その後、レナリドミドについては、カニクイザルの実験で初めて催奇形性が認められたわけです。ですから、例えばラットやマウス、ウサギと2種類の動物種で催奇形性が全く出なかったとしても、それはリスクがないということの保証にはならないわけです。これがサリドマイド薬害事件、あるいはその後の類似薬のリスク管理から得られた教訓なのです。そのことの教訓が全く踏まえられていないガイドラインになっていると私は思います。
 ですから、厚労省としてはこのガイドラインに沿ってアビガンをそこに当てはめただけなので、何が悪いというふうにおっしゃるのでしょうけれども、そういうことでは薬害は防げないのだということをこの場で強調しておきたいと思いますし、少し専門的になるのかもしれませんが、この安全域を根拠にしたガイドラインが果たして適切なのかということに関しては、もう一度見直す余地があるのではないかと思います。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 では、お願いします。
○医薬品審査管理課 医薬品審査管理課でございます。
 佐藤先生、御意見いただき、ありがとうございました。
 まず、本件、正確に申し上げますと、アビガンの成分が男性の精液に移行するということは確認されております。その上で、今回お示ししているデータにつきましては最も悪いケースを想定した場合ということでして、精液に含まれるファビピラビルという成分が全て女性に移行した場合を仮定して、計算したものということになっており、アビガンを投与した男性と性交した女性において薬物血中濃度をダイレクトに測ったというものではないということはまずお伝えさせていただければと思います。
 その上で、サリドマイド関係、あるいはレナリドミド関係、こういったものに対するデータについて御意見をいただいたところですけれども、歴史的には先生がおっしゃっているとおりでして、サリドマイドの件を踏まえながら、例えば催奇形性試験の動物種については齧歯類と非齧歯類と2種類で必ずやらなければいけませんと求めることとされたり、あるいはFDAの例としてご意見いただいたように、特に知見があって、対応が必要であれば、確認を求めたりということが実際には起こっているのだろうと思っております。
 他方で、実際にどうしても妊婦さんでお薬を飲まなければいけないケースというのもあるでしょうし、そういったことを考えていきますと、我々としてはしっかりとデータを取りながら患者さんに薬を届けていくということもやっていかなければいけないのかなと思っております。
 先生からいただいた御意見の中できちんと教訓を生かしてということも言っていただきましたけれども、我々としても患者さんの安全を守りながらお薬を届けていくということは大事だと思っておりますので、科学的知見にのっとってやっていかなければいけないという部分はございますが、そういった御意見があるということをしっかり受け止めながらこれからお薬の承認等に対応していきたいと思います。
 ありがとうございます。
○佐藤委員 私は、この薬を承認すべきでないとか、そんなことを言っているわけではないです。アビガンがコロナに対して臨床研究が行われたときには、男性の避妊期間10日間ということが設けられていたわけです。このガイドラインが出た後に、これを不要としたわけですが、10日間程度の避妊をした上で使えばそれで問題がないわけで、特段そのことによって患者さんに薬が届かなくなるわけでもないですし、その問題ではないと思うのです。これはリスク管理計画の在り方の問題として発言させていただいております。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 ちなみに、ガイダンスというのは、25倍を超える場合にはと書いてあるのですが、23.8倍でもいいのですか。
○医薬品審査管理課 これは重度の肝機能患者さんである場合ということで、非常に厳しいケースを想定しているもので、先ほど申し上げたように、全部が吸収されたことを想定しているとか、そういったことを踏まえています。あと、ここには書いておらないのですけれども、実際に動物、ラットでということにはなるのですが、ラットというのは、アビガンに関しては催奇形性に関して感受性がある動物種になりますけれども、雄のラットのみにアビガンを投与して、それで性交渉をして、女性の胎児に影響が出るかということを試験して、影響はなかったというデータもございまして、0日では胎児に影響を及ぼさなかったということもございます。そういったデータを総合的に考えまして、ほぼ25倍相当であろうということもありますし、避妊に関する注意喚起が必要ないということで判断させていただいたということになります。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 避妊が不要か、不要でないかという結論だけ見てしまうと、どういう総合判断でその結論になったのかというのはちょっと見えにくいなと思ったものですから伺いました。
 すみません。早くも司会の不手際という感じで進行しておりますので、議題1についてはここまでとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、資料2、同じく「委員の求めに応じた個別事項への対応」として、「9価HPVワクチンの接種状況について」でございます。このテーマは、泉委員から取扱いの御要望をいただいております。HPVワクチンについては本委員会でも何度か取り上げていますが、9価のHPVワクチンが令和5年4月から定期接種の対象に追加され、1年程度経過したことから、9価HPVワクチンの接種状況を御報告いただくことになりました。
 それでは、医薬局医薬安全対策課及び感染症対策部予防接種課より資料2に基づいての御説明を、両課合わせて10分程度ということでお願いしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課 医薬局医薬安全対策課でございます。
 資料2に基づきまして、9価HPVワクチンについて御説明いたします。
 まず、9価HPVワクチン(シルガード9)の副反応疑い報告の状況について御説明いたします。ワクチン接種後の副反応が疑われる症例につきましては、予防接種法または薬機法に基づきまして、医療機関または製造販売業者の方からPMDAに報告されております。報告された副反応疑い症例につきましては、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同部会の方に報告いたしまして、安全性の評価を行っていただいております。
 薬機法に基づく製造販売業者からの報告につきましては、重篤症例のみ(入院相当以上)が報告対象とされてございます。
 一方、予防接種法に基づく医療機関からの報告につきましては、重篤症例に加えまして非重篤なものも必要と判断されるものについては報告されてございます。
 合同部会への報告に際しましては、製造販売業者からの報告、医療機関からの報告、それぞれお示しする形にしてございますけれども、同一の症例について製造販売業者と医療機関、両方から報告があった場合は、重複してカウントすることはせずに、医療機関からの報告の方に集約する形にしてございます。この集約の際に両者で重篤度の評価が異なる場合には、医療機関の方の評価を採用しております。
 このページにお示ししておりますのが令和6年3月末までに報告されましたシルガード9の副反応疑い症例を今、申し上げたような形で集計した数字になります。これは本年の7月に合同部会に報告しております。令和3年2月の販売開始から令和6年3月末までに報告された副反応疑い症例は、製造販売業者のみからの報告が165例、医療機関からの報告が118例となってございまして、うち重篤症例が15例となっております。重篤症例の転帰につきましては、下段にお示ししておりますとおりでございます。
 こちらは、事前に佐藤委員からいただいた御要望を踏まえまして、医療機関からの報告のうち症状の程度が重いとして報告された症例のリストをお示ししております。全15例ございまして、主な症状としましては失神、関節痛、倦怠感等がございまして、転帰についてはほとんどの症例で回復しているという状況でございます。
 シルガード9の副反応疑い報告の重複確認についてでございますが、製造販売業者のみから報告されたものが165件、医療機関からの報告で重篤なもの15件のうち、製造販売業者からも重複して報告されたものが14件、医療機関のみから報告されたものが1件でございました。この1件につきましては、データロックの翌日、4月1日に製造販売業者のほうから報告されていることを確認しております。
 医療機関からの報告で非重篤なもの103件のうち、製造販売業者からも重複報告されたものが27件、医療機関のみからのものが76件となってございます。
 医薬局からの説明は以上でございます。
○感染症対策部予防接種課 続けまして、感染症対策部予防接種課から御説明をさせていただきます。
 そもそも接種後の症状につきましては、今、説明のあった副反応疑い報告で事務的に報告・集計されているものでございますけれども、それに加えて、HPVワクチンの安全性に関するフォローアップ研究というものを事業として実施してございますので、そちらの御説明でございます。
 概要を書いてございますが、本研究の目的は、HPVワクチンの積極的勧奨が再開となりました2022年4月以降、ワクチン接種後の体調不良を主訴として協力医療機関を受診した患者数の推移を把握するというものでございます。全国の73の協力医療機関を調査対象として月1回Webアンケート調査の形で把握しています。報告の対象となりますのは、ワクチン接種後に何らかの症状を訴えて協力医療機関を受診した患者、これは因果関係が不明な場合も含めて報告をいただいているものでございまして、それぞれ下に書いておりますような調査項目ごとの数を集計しているというものでございます。
 こちらに調査の立てつけを図示しておりますが、協力医療機関から今、申し上げましたように報告を月1回いただいておりまして、それを厚生労働省にて把握し、それをこの医療機関様に地域ブロック拠点病院整備事業等でフィードバックさせていただいているものでございます。
 調査の結果、2022年3月以降の分を続く3枚で表としてお示ししております。表の左から3列目になりますが、ワクチンの納入数が書かれておりまして、その右隣に合計の受診患者数。合計と申しますのは、その右に新規の受診の患者数とさらに右に継続の受診の患者数という数がございまして、さらにその右はその内訳でございます。
 見方といたしましては、表の破線の上に2022年3月分が比較の対象として単月分の数が書いてありますが、例えば今御覧のページの最下段は2022年度の3月、つまり、2023年3月の数がありまして、例えばこの月はワクチンの納入数が21万7000弱となっておりまして、これは2022年3月に比べると2倍強となっております。それに比べまして新規の受診の患者数は10となっておりまして、これは同じ比較対象と比べると、5に対する10で2倍。継続受診の患者数は42に対して47ということで、こちらは1点数倍というところでございます。
 その次のページは続く月になっておりますが、一番下の段を見ていただくと、2023年3月は21万7000弱で、それに対して新規の患者数が8、継続受診患者数が32。さらに次のページを見ていただきますと、これが一番直近のデータでございますけれども、2024年度の5月はワクチンの納入数が17万6000ちょっとに対して、新規の患者数が12で、継続受診患者数が27という結果でございました。
 これらの結果を踏まえますと、再開前の2022年3月と比べまして、新規の患者数というのは、ワクチンの納入数が一定増加しているのに伴いまして一定程度増加しているものでございますが、納入数の増加に比して顕著な増加、つまり、納入数の増加が例えば2倍程度であるのに対して、新規の患者数が10倍になっているとか、オーダーの異なるような顕著な増加というのは認めない結果となっています。また、継続受診の患者数は必ずしも多くなっていなくて、少ない月も多くありますので、そのような解釈をしてございます。
 いずれにしましても、本調査は割合を精緻に見ているものではございませんけれども、体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業と併せて活動を把握しているものでございます。
 次のページに研究班のまとめが書かれてございまして、上段は私が今、申し上げたような解釈を書いておりますけれども、「今後に向けて」のところで、引き続き患者数の把握を継続いたしまして、変動の早期把握を行える体制を維持するとともに、こういった結果を拠点病院整備事業の地域ブロック会議などを通じて、また、サーベイランスの結果を共有しまして、全国の都道府県や協力医療機関と連携していくといった体制を取っていきたいと思っております。
 調査に関連しまして、寄り添った支援の一環として現在行ってございますHPV感染症の予防接種に関する相談支援・医療体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業というものがございまして、そちらの概要を今、御覧に入れております。こちらの目的は、先ほど来申し上げております感染症の予防接種を進めるに当たって、協力医療機関の中からさらに地域ブロック別に拠点病院というものを設けまして、HPV感染症予防接種に関する相談支援・医療体制の強化を図るというものでございまして、事業内容のところに書いてございますリード文だけ読ませていただきますけれども、全国を10ブロックに分けまして、地域ブロック別に拠点病院(1~2医療機関)を選定します。これは全国に12の医療機関がございます。この拠点病院は、下の図にございますように、自治体や関係団体と情報共有をしっかり図り、また、地域の拠点医療機関の診療支援であるとか診療の相談、調査への協力、研修機会の提供というものを行っているところでございます。
 最後のページになりますが、こういった事業も通じましてHPVワクチン接種後に症状を有する方の支援全体といたしましては、こちらに図示されてございますように、患者様はまず症状がありましたら、恐らく接種をした医療機関に相談に行くと思いますが、最終的にはその地域にございます全国95の協力医療機関や、全国12のブロック拠点病院につながってまいりまして、そこで連携しながら対応されていきます。
 私どもとしては、そういった協力医療機関から、先ほど御報告いたしましたような調査を通じて数を把握したり、あるいは本報告ではまだ報告いたしませんでしたが、右下にございます「HPVワクチンなどのワクチン接種後に生じる種々の症状についての調査とその対応方法に関する研究」、これは個別の事例を追いかけて、どのぐらい症状が続いたとか、そういったことを研究しているものでございまして、こういった研究も通じてしっかりと体制強化を図ってまいりたいと考えております。
 少々時間が延長しておりますけれども、参考資料5と6に私どもが積極的勧奨の再開以後に自治体様や関連する団体様に、接種の機会をしっかりと提供するということについての情報提供をするための事務連絡とリーフレットをおつけしてございまして、この場では説明は省かせていただきますが、ご質問がございましたら、こちらにも触れさせていただきます。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 今、資料2に基づいて御説明いただき、参考資料5と6がそれに関連する厚労省からの文書。さらに参考資料4に、キャンペーンの即時中止を求める要請書というのも来ておりましたので、こちらもつけてあります。
 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見があれば御発言をお願いいたします。佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員 今のスライド、拠点病院の話は、寄り添った支援というふうに厚労省の方はおっしゃいますが、被害者の方から話を聞くと、全く寄り添った診療は受けられていないということをたびたび耳にしますので、そのことは心に留めていただきたいと思います。
 私のコメントはリーフレットのほうですが、キャッチアップ接種のリーフレットです。参考資料6です。このリーフレットはかなり問題があると思います。1つは、リスクに関する情報がここに載っていないのです。「まれに」としか書いていない。以前この委員会で見せていただいた一般的なリーフレットに関しては、例えば1万人当たり5人とか、そういう具体的な数字が書いてあったわけですが、ここには「まれに」としか書いていないです。頻度をきちんと示すべきであろうと思います。「まれに」としか書いていなければ、まあ、そんなことはめったに起こらないのだなというふうにしか一般の方は受け取らないわけで、効果のほうに偏った情報の出し方になっています。
 今度は効果に関してですが、今の画面の下、四角で囲んであるところの「定期接種の対象年齢(高校1年生相当まで)を過ぎても接種の効果はありますか?」と書いてあって、16歳以上の年齢が接種してもある程度の有効性があることが国内外の研究で示されていますと言うのですが、本当ですか。少なくとも国内の研究で示されていますか。
 その下の小さい字で書いてあるところです。「性交経験によるHPV感染症によって、ワクチンの予防効果が減少することが示されていますが、性交経験がある場合でも、ワクチンの予防効果がなくなってしまうわけではありません」。このこと自体は書いてある内容として誤ってはいないのですが、要は、これは感染を予防するワクチンですから、HPVに感染症した後には基本的には感染予防効果がないのは当然なわけです。そのことが明確になるように書かれていないという点でもかなりミスリーディングなリーフレットになっていると思います。私からの意見は以上です。
 ですから、このリーフレットは非常にリスクが過小に受け取られるように、効果は逆に過大に受け取られるような書き方になっているので、これはリスクコミュニケーションのツールとしては極めて問題がありますので、これについては改善をお願いしたいと意見を申し上げます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 何かリアクションは。
○感染症対策部予防接種課 予防接種課でございます。
 先生、御指摘、どうもありがとうございます。
 先生が前半におっしゃられたように数値そのものを出すのではなく、「まれ」という表現を使うことによって、それは一定解釈の入ったといいますか、そういう表現になっているという御指摘は、効果のほうは何%防ぎますと数値そのものが書いてあるのに対してという意味でごもっともかと思います。
 また、その下の囲みの中で、一定の年齢以上の方にも効果がありますかということで、こういった説明が書いてあるわけですが、先生が今、御指摘のとおり、より詳細に、どういう場合であれば効果がより期待できるということが、この文言で一定は書いてあると認識しておりますけれども、これが十分に判断できる情報量であるのか、あるいは書かれ方、表現であるのかということについては、御指摘はごもっともかと思います。こういった御意見も踏まえさせていただきながら、今後の厚労省からのリーフレットであるとか情報の伝え方というものは、引き続き前向きにしっかり検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 そのほか、この辺りはいかがでしょうか。
 私も医療広告のガイドラインの協議会の座長とかやっているのですが、長所のみを強調して、リスクについての情報が乏しいと、それは適切な選択ができなくなるということで、リスクでも副作用でもきちんと分かりやすく記載して、適切に十分な情報が提供できなければならないと一般論として書くわけです。それはどんなときでもそうで、むしろワクチンについてはなお一層そうであってもいいのかなという気もするので、今の佐藤先生の御指摘は非常に重要なものかなと感じました。
 花井さん、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。花井です。
 今後のことですが、今、佐藤委員が指摘されたことはとても重要で、こういった科学的に完全に明らかになるというのは難しいわけです。特に公衆衛生とか予防接種とか、そういうときに。ということは、結局、行政がいろんな比較考量に基づいて判断しているということになので、内外の研究とかという書き方は今後やめて、こういうふうに考えていますと言って、参照論文の出典を書くと。つまり、この論文を国は正当と考えてこういう判断をしたと。そういう理路でこういう文章は意識して書くべきで。
 というのは、ワクチンに関してはいろんな情報、いろんな論文が出るわけですが、それによっていろんな表面上の言説がいろんな方から出るという状況の中にあるので、絶対正しいなどということは国だって言えないわけですけれども、少なくとも国は政策判断で決断しなければいけないわけです。そのときに何を参照して、これをしたという理路をちゃんと書くというのはいいのではないですか。
 今回「国内外」と書いていますが、国としては有効性があると判断していますと。※印にその根拠となった論文の具体論文名を書く。そういう形にしたほうが、後から間違ったときに、その論文が間違いであればそれが根拠になるし、要するに、曖昧な書き方をすると、国の意思決定の妥当性を後から検証できないですね。そこは注意して書かれたらよかったのではないかなと思いますし、修正できるならそういうふうにしてください。
 以上です。
○磯部委員長 お願いします。
○感染症対策部予防接種課 御指摘ありがとうございます。予防接種課でございます。
 確かに私どもつくる側としても、できるだけデシジョンメイキングの過程であるとか根拠であるというものはしっかり明示していきたいと思ってございまして、リーフレットの次のページにございます厚労省のホームページに飛んでいただければ、当然このリーフレットの基となるような解説、判断の根拠というのは、関連する審議会できちんと御検討いただいておりまして、その資料にはそれらの根拠もしっかり一つずつ明記されているものでございます。リーフレットとしては分かりやすい形でその情報を集約して伝えるため、この段階で一旦丸めた書かれ方になっているものでございます。ですので、今、まさに貴重な御意見をいただいたと思ってございますので、そういったところも今後しっかり考えていきたいと思います。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、戸部委員、どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
 私も今、先生方の御意見をお伺いしていて、正直このリーフレットの位置づけというものはどう考えたらいいのかなと思っていました。エビデンスに基づいた情報提供というのは確かに大事だと思うのですけれども、ただ、これを受け取った側として見たときに、どういう情報が欲しかったのか、知りたいことが分かるように記載されているのかという点について、違いがあったのかどうかを確認したいです。
 例えば「HPVワクチンの効果とリスク」のところなどは、読んでいて、これまで見てきたいろんなリーフレットに比べると、接種後に接種部位の痛みとか、痛みについても広い範囲だとか、体を動かしにくくなるとか、その状態が割とイメージできるような表現になっているところは、受け取る側としては非常に分かりやすい。ただし、発生の数というところは実際との乖離、ギャップがあるのかなという気はします。そこで、このリーフレットを見た人、あるいはワクチンを接種して、その後何か不具合が出た人がこういった情報に関してどういう認識を持っているのか、そういうことの検証ができるシステムになるといいなと思いました。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 今の御意見に対して何かありますか。
○感染症対策部予防接種課 御意見ありがとうございます。
 最後に御指摘いただいた、実際に症状をお感じになった方が振り返って、このリーフレットのこの部分の記載をどう思うかということに関しましては、現在そういったものをしっかり調査して検証しているとか把握しているということは必ずしもございません。ですので、今いただいた御意見も踏まえまして、いわゆる当事者という言い方が適切か分かりませんが、その方々の御意見というものも今後前向きにどういったことができるかというのは考えていきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 海外の事例などを調査している中で、医薬品行政に患者団体とかが参画する例はいろいろあるという話は聞くのですが、このリーフレット、いかがでしょう、どういうインプレッションでしょうかというのを聞くなどというのは一つのアイディアかなという気がしました。
 私は予防接種・ワクチン分科会の基本方針部会にもいますので、これを改訂したときにいたのです。リスコミの専門家がいるのかというと、そうではなかったかもなと思って、審議会でぱっと資料で出てきただけでは深い議論はしていないだろうなという気がしましたので、今の御意見も参考にさせていただければと思います。
 それでは、泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。泉です。
 今の厚生労働省の説明は、全くすべきことをしていないで、そのままキャッチアップを始めてしまったような感覚があります。この資料以外に、今、出していただいたのは、薬害オンブズパーソン会議のお仕事もなさっている江戸川大学の特任教授の隈本先生がおつくりになった資料ですが、3枚あります。2枚目に赤い印で書いてあるのが、まさにキャッチアップを始めてから副反応のひどい人たちが出たものの資料であります。先ほど厚生労働省から部会のほうに令和6年7月に出した資料があるということは、細かく拝見しましたが、それとこれを1回確認作業をしてみてくださいということが1つです。
 すみません。この資料は急に私が出しましたので、この委員会の参考資料としては出ていないはずだと思いますので、恐れ入ります。事務局、これを参考資料としてこの後、この委員会の添付資料としておつけくださればありがたく存じます。
○江田室長補佐 事務局より補足させていただきます。直前に頂きましたのでホームページ掲載が間に合っておらず、申し訳ありません。会場にお越しの委員には紙でお配していますし、オンライン参加の皆様には会議直前にメールでお送りさせていただきました。資料は今のように投映させていただいていますので、YouTubeで御覧の皆様はそちらを御覧ください。資料は会議終了後に速やかにホームページに掲載させていただきますので、どうぞ御了承ください。
 以上です。
○泉委員 私もずっと持っていたわけではなくて、直近でもらったので、委員会のほうに御迷惑をかけてすみません。では、よろしくお願いいたします。
 次に、今回薬害オンブズパーソン会議、民間団体からキャッチアップ接種についての要望書が出ていますが、それは参考資料としてありますか。
○磯部委員長 参考資料4ですね。
○泉委員 はい。これを読んで私はびっくりしました。先ほど厚生労働省は、キャッチアップをするためにではないけれども、こういう広告関係で広く都道府県に通知しているという話だったのですが、これを読みますと、ここのところ。
 その前に、ここに3つぐらい、産婦人科学会とか富山とか大学のほうの資料がついていると思うのですが、それを先に見せていただけますか。
○磯部委員長 それ自体はついていないので。これはURLでジャンプしてくださいという要請書ですから。
○泉委員 分かりました。
 では、この資料を基に話していきますと、この資料の2枚目の一番上に「いま、若い世代の子宮頸がんが増えているんだって!」「無料接種期限迫る!」。こういう書き方は何なのですかねということ。それから、「若い世代の子宮頸がんが増えているんだって!」。これはうそですよね。この下に表によると、若い方は下のほうで、年齢が多いごとに増えていくという形になっています。ですから、いわゆる間違えた資料をそのまま各都道府県、あるいは各医師会なり大学が出しているという現実を厚生労働省は一体どういうふうに考えているのか。それをまず聞きたいということ。
 それから、この委員会ではキャッチアップ接種をするときの広告に関しても話し合って、ここは直すべきというような指示をしたはずですから、新たにこういう広告があれば、この委員会にも資料を最初から提出すべきだと思います。私たちが気づかない前にもうそういう資料は出ているわけですから、引き続きHPVに関してのキャッチアップもしくは副反応に関してはこの委員会はずっと見ていきますので、資料として出してもらいたいと思います。
 先ほどの隈本先生の資料によると、積極勧奨再開後に被害が出た人が非常に多いということが見てとれるわけなので、これも厚生労働省がおつくりになった令和6年7月の資料と併せ持って、私たちにどういうことで違うのか、どういうことでそのとおりなのか、それを御提示してもらいたいと思います。
 この資料に戻ると、本当にいろいろなことが書いてあってびっくりするのですが、この中には薬害オンブズパーソン会議が出された先のリーフレットが載せてあるのですけれども、今回はこれは出ないということですので、話だけにしていくと、3枚目の(3)のところ、医薬品等適正広告の基準に完全に違反しているポスターとか広告的なものが入っております。これは本当に許してはいけないものであると思います。薬機法の66条と68条を自ら法律としてつくっている厚生労働省が、こういう広告を出してくださいと言ったまま確認もしていないということは、許されることではないように私は思うのですが。
 そして、(4)のちょっと上に、民間の薬害オンブズパーソン会議がこのような医薬品の広告規制に抵触するポスターを用いたキャンペーンを行うことは到底許されませんと書いてあります。これを厚生労働省はどのように私たちに説明してくださいますかということです。
 4ページ、2のところに「大学での集団接種はやめるべき」と書いてあります。集団接種というのは、この文章のところに出てくるのですが、自己決定権のない形になってしまう。みんなすれば何とかだの話ではないですけれども、こういうのを自ら大学がつくるということ。厚生労働省が文科省に各大学にこういう通知をしてくださいということをもし出しているのであれば、そういうところからどういう資料が出ているのかを収集して、訂正すべきは訂正、直すべきは直すというような行動をなさってください。
 この要望書のほうに出ていましたが、若い女性がいっぱい亡くなっているというような書き方をしている。これは絶対に違いますので、うそを書かないでもらいたいし、うそを書かせては駄目です。そういう行政指導をすべきところが要請しないでどうするのですか。そういう意見です。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 では、今の点、いかがでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 御指摘ありがとうございます。私、医薬局監視指導・麻薬対策課の中矢と申します。薬機法に基づく広告規制の担当の立場から回答させていただきます。
 御質問につきましては、東京産婦人科医会、富山県医師会によるワクチンキャンペーンポスターにおいて、いただいたような表現が薬機法上問題ではないかということを御質問いただいていると考えております。薬機法における医薬品等の広告の監視指導につきましては、個別の広告資材を全体としまして、顧客を誘因する意図が明確である。特定医薬品等の商品名が明らかにされている。一般人が認知できる状態にある。今、申し上げました3つのいずれの要件も満たす場合に、薬機法の規制対象となる広告として監視指導・取締りを行っているところでございます。
 今回いただきましたポスターを私ども監視指導・麻薬対策課で確認いたしましたところ、特定の商品名を明らかにしているものではないため、現行の薬機法の広告規制として取り締まることができない、そういうものであると認識しております。
 薬機法の広告担当からの説明は以上でございます。
○感染症対策部予防接種課 続きまして、予防接種課から御回答いたします。
 今、御説明、御紹介いただいたような様々な地域の事例をどう考えるかということにつきしましては、まずこういった各自治体や各機関がそれぞれにやっている広告は、御紹介いただいた事例を含めまして、私どもで一つ一つ具体に把握しているわけではございませんので、こういった御指摘、共有があれば、それを個別具体に確認していくものと存じます。本件に限らず、医療や健康に関する広告というのは様々な広告の実施主体から様々な方法でなされているものと承知しておりまして、HPVワクチンに関しましては、厚生労働省として先ほど参考資料5と6でおつけいたしましたような事務連絡として、対象者が接種を検討・判断するためのHPVワクチンに関する情報や、接種を希望する場合の円滑な接種のための必要な情報を丁寧かつ確実に提供することが重要という観点で書かせていただいております。参考資料6のリーフレットも最初のページの上に少し大きな字で「HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します」と記載しています。これは接種を積極的に推奨しますという文言ではなくて、機会を提供するものです。あるいは2ページ目に、なぜ改めて接種の機会が設けられるのですかというQAの形で、公平な接種機会を確保する観点から接種の機会を御提供していますと、そういう哲学に基づいて記載しているものでございます。
 こういったいろんなリーフレットや広告資料を、まさにそのまま使っていただけるように様々な媒体や形式で関係団体の皆様に御提供しているものでございまして、厚生労働省としては、先ほど幾つかの数字の観点等から御指摘はいただきましたものの、できるだけフラットなメッセージを伝えるようには努力しております。自治体や教育機関が独自に取り組まれるものは、いい取組と、いま御報告いただいたような取組の様々なものがあるとは存じますけれども、独自の取組に対して、これを一概に回収したり、指導を行うような立場にはないのではないかと考えてございます。繰り返しになりますけれども、個別具体にこういった情報をいただきました際には、その都度検討させていただければと思います。
○磯部委員長 泉さん、どうですか。あまり時間がないので、手短にお願いします。
○泉委員 私はそれには納得できません。なぜならば、大学に関しても、若い方が亡くなっているわけではないのに、広告には若い方が亡くなっていると書かれています。
 それから、東京の産婦人科のところにも「若者に増えている子宮頸がん」という間違えた記載が出ています。それを取り締まらなくて、あなた方の仕事は何の仕事をなさるのですかと言いたい。厚生労働省は、国民を健康の視点からそういうふうな選択、誘導をしないような形。つまり、ナッジを使う場合は特に注意するようにという指針を出しているにもかかわらず、そういう書いたものは個別だから我知らぬよと。そんなことで、このパンフレットをもらった子供たちはどうするのですか。そういうことまで考えた上で、自分たちはこういうのをつくったからもういいのだと。それでは許されないと思いますので、検討していただきたい。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 それでは、佐藤さんも手短にお願いできれば。どうぞ。
○佐藤委員 今の泉委員の御指摘に関連するのですけれども、先ほどの薬害オンブズパーソン会議の要望書の広告の基準に違反するかという点ですが、先ほどの厚労省の回答は論理をすり替えて回答していると思いました。ここで指摘されているのは、HPVワクチンのそういう広告を出すことそのものが薬機法に違反しているかという論点で回答されたと思うのですけれども、ここで指摘されているのは、書かれている内容が虚偽であったり、誇大な書き方がされている。例えば「若い世代の子宮頸がんが増えている」ということは、事実に反する内容が書かれているので、そのことがこの法律上の正確な情報の伝達に努めるべきとされていることに抵触しているのではないかという指摘です。それから、「今だけ無料」とか「マジで自腹」とかいうあおり文句については、品位を損なう広告に当たるのではないかということを指摘しているわけで、この点について薬機法に反するかどうかということが論点になるべきであって、厚労省の回答はその論点をすり替えて回答しているように思いますが、いかがでしょうか。
○磯部委員長 まとめて。花井さんもどうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。
 私は2点。今、何人かの委員が指摘していますけれども、具体例として富山県と富山県医師会の「メーデー、メーデー、子宮ちゃん」という広告ですが、県と医師会が明らかにこれは情報提供ではなくてワクチンの広告になっている。レトリックが明らかに行き続き過ぎているということで、品位という意味では、職能団体がこういうものを出すことは誠に残念なのですが、1つ指摘しておきたいのは、先ほどの薬機統制の中で、1種類しかない場合は具体名を出さなくても広告に当たるのです。今、恐らくMSDとGSK、2社入っていて、事実上、ほぼMSDのワンメイクになりつつあって、例えばシルガード9がワンメイクになれば、HPVワクチンを広告しただけでも広告規制に抵触するとか、そういうルールがあったと思うので、そこで事実上もワンメイクに近い場合にその運用ができないのかというのが1点目の指摘です。薬機法でもライバル薬がたくさんある場合はその薬品名が重要なのですが、事実上、選ばれるのがそれだけの場合は駄目というルールがあったと思うので、そこをどこまで解釈するかというのは検討があるかなと。
 もう一つは、これもかねてから指摘していることですけれども、富山県医師会だけを名指しにするつもりはないですが、ワクチン事業というのは、市町村が地方医師会に委託事業として委託しているという利害関係があるのです。経済行為として事業を委託しているので、ある種COIになっている。医師会というのはワクチンを打つという事業を委託されているということがあるので、そういったCOIの観点もあるので、これは歴史的にもそうなので、直ちに駄目とは言えない。もちろん医師会なので、職能団体であるから、医師免許を持っている者としての矜持とか責任があるので、それによって守られているという立てつけだと思うのですけれども、やはりそういう事業を受けて行っている医師会が明らかに広告みたいなものを出すというのはちょっと問題だと思うのです。
 なので、これは別途日本医師会とかに、ワクチン事業をやめろとかそういう気はないのですけれども、職能団体としての矜持を守るということは、日本医師会としても各医師会に徹底してもらうとか、そういうことを言ったほうがいいのではないか。これはレトリックどころか、広告代理店の仕事のような今回の事例はさすがに厳しいのではないかなという指摘があります。
 だから、今、医師会、職能団体としての責任という観点と、薬機統制上の広告規制の実質的な運用について可能性があるのではないかというところを指摘したいと思います。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 では、お願いします。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
 先ほどお話ししたことの繰り返しになってしまいますが、現行の薬機法の規制におきましては、先ほど私から説明いたしました要件該当性の関係から、今回この要請書において御指摘のあったポスターについて薬機法に基づく取締りを行うことはできないと考えております。薬機法の取締りにつきましては、もともとどういった広告が対象となるかといったことを通知でお示ししておりますので、その通知に該当しないものにつきまして、それを乗り越えて取締りをするのは難しいものと考えております。
 一方で、花井先生から御指摘いただきました内容に関連して、医薬局で実施しております医薬品医療機器制度部会のほうで広告の適正化の推進ということを議題の一つとしておりまして、広告の適正化を今後も図っていくということを打ち出しております。これらの検討の中でいただいた論点も含めて今後の広告の適正化につきまして検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○磯部委員長 どうぞ。
○感染症対策部予防接種課 予防接種課でございます。
 先ほど泉委員から御指摘いただいた点につきまして、私の先ほどの御説明は、私どもがリーフレットをつくらせていただいて、あとは個別にどのような創意工夫があるかについては、別に知らない、関係ないというような意味合いで申し上げたわけでは決してございませんで、私どもが全国津々浦々の市町村や教育機関、あるいはその他の団体の広告を一概に全部把握しているわけではございませんということを申し上げました。その上で、今回のように個別具体に共有をいただけましたら、それはその都度その必要性を検討していくものと考えています、という趣旨で申し上げたものでございます。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 多分まだまだ不満はあるのだろうと思いますが、悉皆的に何でも全部という、あるいはそういう制度にいずれ変えていくということもあるのかもしれないですけれども、表現の自由もあるし、そこは難しいところですが、でも、医薬品に関わることだからこそ全部規制するという国もあるわけで、そこはさてということですね。
 現時点で事実誤認、虚偽表示ではないかとか、少なくとも品位を損する、値段を強調し過ぎいないか。要するに、落ち着いて安心して、よく理解して接種するという意思決定を損なうような表記が氾濫していませんかねということを言っているわけです。既に具体例がある中で、先ほどその都度その必要性を検討していくとおっしゃっていましたが、では、今、必要性を感じますかということを今、泉さん達は聞いていたわけで、この場をお答えにならないとしても、これはまずいというのであれば、明確にそこはアクションを取っていただきたいという強い御要請があったということで御理解いただきたいということです。
 薬機法の適用があるかないか、それだけの話を今、しているのではなくて、薬機法の趣旨に反することになっていませんかということが問題なわけです。
 私も基本方針部会にいるときは、例えば青森県でしたか、こんな柔軟なやり方がありますとか、生理用品にステッカーを貼ってやっている自治体もありますとか、柔軟ないい取組がありますということは言うわけですよ。でも、ちょっとやり方がまずいというのについては及び腰、腰が重いという感じには見えてしまっているので、そこはバランスが悪くないかなということは私もちょっと感じる次第です。「やばいよ。10万円、自腹」とかいうのも確かにちょっとなというふうに私も思ったので、いずれにしても、結局、それだと予防接種を受ける方々の意思決定の環境として望ましくないことになっているということを各担当局が真摯に受け止めていただいて、できないことはできないでなくて、その中でやれることは何かということを考えていただきたいという御要望なのだと思います。
 本当はいろいろあるのですけれども、絶望的に時間管理がまずいので、また引き続き議論させていただければと思います。
 では、こんな中で議題1の2つ目については以上ということにさせていただくのでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、資料3と4についてということで、医薬局からの定期報告です。事務局から説明をお願いします。
○江田室長補佐 それでは、事務局から資料3と資料4をまとめて御説明いたします。
 まず、資料3「医薬局から定期報告」を御覧ください。医薬局からの定期報告としましては、1、製造販売承認された医薬品の情報、2、国内における市販後の安全対策の措置状況、3、外国での新たな措置の報告状況の3点を御報告しているところです。
 2点目、3点目の市販後安全対策に関する報告に関しましては、薬事審議会安全対策部会に報告された事項のうち、この委員会への報告対象となる事項を抽出して御報告していますが、前回の監視委員会以降、安全対策部会が開催されていませんので、今回の監視委員会での御報告はありません。次回の監視委員会で該当する情報をまとめて御報告させていただく予定です。そのため、今回は承認審査関係の報告のみの御報告となります。
 また、第16回監視委員会以降、緊急安全性情報や安全性速報、いわゆるイエローレターやブルーレターについて新たに発出されておりませんことも併せて御報告いたします。
 それでは、製造販売承認された医薬品の情報について御説明します。表紙の※1に今回の御報告の対象となる医薬品を記載しています。前回の7月の監視委員会で御報告した後に新たに承認された新有効成分を含有する医薬品のうち、マル1からマル5の要件に該当するものが定期報告の対象となります。今回は要件に該当する4品目の情報が記載されています。いずれの品目も海外で未承認の品目という要件マル5に該当し、本年6月24日に承認されたものになります。2ページ目、3ページ目にお示ししています4品目になります。
 続きまして、資料4を御覧ください。こちらは欧米での承認状況を調査した結果をお示しするものになります。調査対象や調査完了の考え方、凡例は、今回から表紙に記載させていただいております。
 調査対象品目は、資料の2ページ目から6ページ目に一覧表としてお示ししておりまして、今回は合計57品目を調査対象としております。
 今回の調査において新たにFDAまたはEMAで通常承認されたり、情報に更新があった品目はFDAまたはEMAの欄を赤字にしております。それらについてかいつまんで御説明します。
 まず、2ページ目のR2-08、エクロックゲルがFDAで通常承認されましたので、この品目は今回の調査をもってFDAにおける状況調査が終了となります。
 続きまして、4ページ目の一番上、R3-13、ラゲブリオカプセルは、FDAのファクトシートに更新がありました。まだ通常承認はされていませんので、今後とも調査を継続していきます。
 次に、6ページ目、R5-13、ピアスカイ注がFDAで、R6-2、アウィクリ注がEMAでそれぞれ通常承認されたことが明らかとなりましたので、今回の調査をもってFDAまたはEMAにおける状況調査が終了となります。
 R6-1、ブイタマークリームは、FDAで承認されているのは一部の効能のみですので、引き続きFDA、EMAともに調査対象としていきます。
 以上が資料4の概要となります。
 以上になります。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 以上につきまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。
 では、よろしいでしょうか。定期報告については次回以降も引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、議題3「医薬品等行政評価・監視委員会の活動状況について」です。当委員会の第2期の任期が間もなく満了しようとしているところで、第2期のメンバーとしての委員会は今日が最後だろうと思いますが、これまでの活動状況について振り返って、各委員方1分強ぐらいで御発言いただきたいかなと思っております。何にも手ぶらだとやりにくいかということで、資料5-1と5-2をつくっていただきました。何か御説明があればお願いいたします。
○江田室長補佐 委員長にお話しいただいたとおり、事務局のほうで5-1と5-2を御用意しています。5-1としまして、これまでの委員会で皆様より挙げられた意見を列挙させていただきました。「医薬品等行政の評価・監視機能を果たすため、委員会の議論をいかに充実させていくか」や「海外調査の活用について」、御意見をいただいていたかと思います。
 また、資料5-2は前回の監視委員会でお示しした資料に一部加筆したものになります。前回の御指摘を踏まえて、4ページ目の下のほうから5ページ目の冒頭にかけて、令和3年12月にこの委員会から発出した意見書に対する行政側の対応状況を追記しております。こちらを基に御感想、御意見などをいただければと思います。よろしくお願いします。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 何か御意見があればということですけれども、あいうえお順で当てていくという、議論が活発でないゼミみたいな運用の仕方で申し訳ないですが、伊豆津先生からお願いしてよろしいですか。伊豆津先生、泉先生、奥田先生と続いていきます。
○伊豆津委員 伊豆津ですけれども、この間、非常に重要な議論をしてきたと思います。その内容というのはいろいろな意見があると思うのですが、私はこのほかに、あまり注目されない、それから厚労省の中でもあまり動いていない部分で、仕組みがないから放置されている部分というのをこれからいろんなところで見ていかなければいけないのだろうなと思っているということだけ発言させていただきます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 それは具体例がありますか。注目されていない、動いていないところ。
○伊豆津委員 特に古い医薬品であったりとかということで、一般用の医薬品であったり。医療用のものに関しては非常に厳しい目で見ているということはあるのですが、一般用のところが少し遅れている部分がある、対応できない、難しいというところがあるのかなと思っています。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 泉委員、お願いします。
○泉委員 泉です。
 私は、海外調査です。今、行政の方に頼んで調べていただいておりますが、予算がさほどついていないのではないか。もう少しこの委員会として予算の概算要求をしてもいいのではないかと思います。それに皆さんで話し合って、もうちょっと充実しないと、国内に持ってきて、今の薬事行政に足りないもの、どういう形ができるかというのを知りたいための海外調査ですので、ただの報告では困るわけで、そこのところの予算の関係をもうちょっと充実してもらいたいということです。
 それから、私の、あるいは花井さんの入っている団体でカルテの保存に関しても話し合いを今後していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 奥田先生、お願いできますか。
○奥田委員 奥田でございます。
 この委員会を通して数々のことを非常に勉強させていただいている状況かなと思っています。特に行政と一般目線でのコミュニケーションのギャップというところが、この委員会で取り上げて、明らかにしつつあるテーマなのかなと思っておりますし、現在海外での調査事業とかも並行して進んでいる中で、特にユーザーである患者さん目線からの医薬品開発、あるいは安全対策、今日議題になったような情報共有みたいなところのギャップを埋めていく活動がもっと進められればいいかなと強く感じている次第であります。そういう観点から今後も議論を深められればなと思っております。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 小風委員、お願いできますか。
○小風委員 参加させていただいて非常に勉強になっております。疫学的なアプローチでいわゆる有意差等々だけでは測れない部分、やはり一つ一つの有害なものに対してどう考えていくかというところで、そういった数値だけで割り切れない部分というのを非常によく勉強させていただいたなと思っております。そこに対してこれからどういうふうに政策として向き合っていくかというところで、正解というのがなかなかないかと思いますが、丁寧に一つ一つ見ていくという形で今後もこういった活動を続けていければと思います。
 私からは以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員 1つ、資料のつくり方に関して意見を述べさせていただきたいのですけれども、厚労省のほうでこういうふうに行政としてやっていますという資料は、それはそれで必要なのですが、それだけでは測れないものがあると思いまして、我々委員として独自に資料を入手して、情報収集していく必要があると思っております。それができるように、先ほど泉委員が言われたような予算立てなどをしていただきたいというのが私からの要望です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 では、戸部さん、お願いします。
○戸部委員 今、見せていただいているこれまでの活動の一覧を拝見して、いろいろなことを検討してきたなと思っております。
 令和2年度からスタートして、それから薬を処方される現場、服用する現場、あるいは医療機関での診療の現場というところにこの場での議論がどう反映され、変わっていくのかというところをこれから検証していかないといけない時期なのかなと思っております。今日のリーフレットとか推奨のポスターというところも現場の情報の一つだと思いますが、アウトプットがどう変化をもたらすのかということだとか、どういう変化をもたらしていきたいのかということを認識しながら今後また議論ができればと思っております。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 花井さん、お願いします。
○花井委員 ありがとうございます。
 海外調査も含めて、日本の薬機統制とかPMDAの機能について不十分なところがあるのであれば、どこかのタイミングで海外調査の結果を踏まえて、この委員会としてこの辺はもうちょっと拡充すべきだとか、場合によっては薬機法自体にも言及するような、本来のこの委員会の仕事というのがあるとともに、もう一点は、今、何人かの先生が指摘されたように、薬機以外の話ですね。予防接種行政、公衆衛生行政とか、健康局がやることとか、あと先ほどの医政、そういったことについては、具体的な医師法がどうとか医療法がどうとかというのは難しいと思うのですが、薬機統制の手が届かないところでも問題点があるので、そこは何らかの改善を促すような提言として同時に盛り込んだ何かアウトプットを出すというのが必要かなと考えたらいかがでしょうかということを思っています。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 渡邉先生、お願いします。
○渡邉委員 私は途中から日本医学会連合の推薦を受けて委員に就任いたしました。途中からの参加ですけれども、この会は様々な立場の委員の方々が非常に活発に意見交換をされていると感じています。
 私自身はこれまで医薬品開発という立場で主に活動してまいりました。健全な医薬品開発には医薬品の安全性の確保、あるいは薬害の防止が欠かせない要素ですので、その立場から今後も意見を述べさせていただきたいと思っています。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 これまでの活動状況について振り返っての御意見ということで、今、先生方からいただきました。
 あいうえお順だと、本当は私が一番だったのですけれども、最後に。この委員会の活動については、私自身は今のところ全く不満足です。それはタイムキーパー的にそちらにばかり気を取られて意見を好きなように言えないということはさておきまして、ここでの議論というのが、何で法律改正をしてこの委員会を設置したのか。確かに大臣に対する意見というのは1回しかやっていないですが、それでなくても、いろんなことを言っているのが反映されていないのかというと、厚労省、本気で反映させる気があるのだろうかということをいろんなところで不満に思うのです。
 私はワクチン分科会にもいますし、基本方針部会とかにもいて、実はワクチン接種の取組を推進する側にもいるので、この論点については根本的に微妙な立場ではあるのですが、一応それぞれの立場だと思って話はしています。でも、例えばワクチン分科会で監視委員会ではこういう議論がありましたと話題が提供されるかといったら、そんなことはないのです。それは私からしゃべらなければいけないということになっていて、横の連携などが取れている気はしないという具合ですし、先ほどのやり取りでもそうですけれども、そもそも積極的勧奨を再開したとき、では、治療の在り方についてはどうですかと言ったら、それは医薬品安全の話ではないのではないか、この委員会の所掌から外れるのではないかとか、まずそこから始まってしまうというところがあって、これはこの法律の適用外ではないですかと。私も法律家ですから解釈論は若干は分かるつもりですけれども、やれるべきなのに、やったほうがいいのにやらなくていい理屈をまず言うというのは、ちょっとよくないのではないか。やらなくていいのか、今やれないのがまずいなら、やれるようにするためにはどうしたらいいかという発想で考えていただきたいなということを常々思っているところであります。
 しかし、そうは言っても、いろいろお願いすれば、この場でたくさん御説明いただけますし、資料も出していただけているとは思っています。あとはそれをどう生かすかで、予算、何とかなるかどうかは、審議官、どうぞよろしくということを申し上げるしかないのですけれども、例えば海外調査についてはたくさん情報が出てきています。では、これをどういうふうに生かせるかというのであれば、例えばこの委員会の中に専門部会でもつくって、もうちょっと人を集めて研究を地道に続けるなどということがあるのではないか、年4回この場でやるというだけでは全く足りないのではないかなどということを考えています。さらに、リーフレットのつくり方はどうなのだ、行政はもうちょっと頑張れと幾ら言っても、やはり読む側が大事だというのであれば、医薬品等行政評価・監視委員会っぽくないかもしれないけれども、しかし、一般の人にどういうふうに医薬品安全のための行動ということを考えていただくか、一般社会に向けていろいろ発信していくということも今後考えなければいけないのかなということも思います。まだまだ課題は山積しているということを感じている次第です。
 力不足でここまでだったのかなというふうに思いつつ、そんなところで、まとまりませんが、泉さん、何か。
○泉委員 今、間違えて押しました。先生の話に拍手したつもりでした。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 今、時間が過ぎていますが、もう少し続けたいと思います。そのほか、この際置き土産的にコメントしておきたいということがあれば。よろしいですか。
 それでは、これで本日の議題は終了ということになりますかね。
 事務局から何かございますか。
○水野室長 ありがとうございます。
 本日で第2期は満了という形になりますので、次回の委員会の日程、議題については、第3期の委員の皆様と御相談をさせていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、これで第17回「医薬品等行政評価・監視委員会」は終了したいと思います。まずは2期2年間、区切りでありますので、どうもありがとうございました。
 YouTubeで御覧いただいている方もありがとうございました。