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医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第16回)の議事録
日時
令和6年10月2日(水)18:00~20:00
場所
AP虎ノ門11F 会議室C+D
(東京都港区西新橋1-6-15(NS虎ノ門ビル))
(東京都港区西新橋1-6-15(NS虎ノ門ビル))
議題
1.医療用医薬品の安定供給について
2.その他
2.その他
議事
-
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 定刻となりましたので、ただいまから、「第16回医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中、御参集をいただき、誠にありがとうございます。
最初に、構成員の先生方の御出欠について報告いたします。本日13名の構成員が会場での参加、関構成員、本間構成員、松本構成員はオンラインでの参加となっております。また、坂巻構成員は所用のため途中からオンラインで参加される予定と伺っております。
また、本日は参考人として、日本製薬団体連合会安定確保委員会より、供給不安解消タスクフォースリーダーの國廣吉臣様にお越しいただいております。
報告は以上となります。
以降の議事運営につきましては、座長にお願いしたいと思います。清田座長、よろしくお願いいたします。
○清田座長 皆様、こんばんは。清田でございます。
それでは、まず事務局から資料の確認と、議事進行における留意点に関する御説明をお願いいたします。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
本日の会議資料を確認させていただきます。会場におられる構成員の皆様のお手元に議事次第、座席表、資料1、資料2、参考資料1~3まで御準備しております。
資料の不足等がございましたらお知らせいただければと存じます。
次に、議事に入る前に、本日の会議の進め方の留意点をお知らせいたします。
オンラインで参加の先生におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言がある際には挙手機能でお知らせいただくとともに、チャット機能で発言を求める旨、お知らせ願います。
また、会場での参加の先生は、手を挙げるなどしてお知らせください。
御発言いただく際にはマイクを御利用いただき、御発言の最初にお名前をお知らせいただいた上で御発言ください。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
会議中、マイクの調子が悪くなるなど、ほかの出席者にとって聞きづらい状況が続く場合には、音声の代わりにメッセージで御意見等を御記入いただくことがあります。その際は、事務局または座長からお願いさせていただくことがございます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局まで御連絡をお願いいたします。
また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局からメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
○清田座長 それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、「1.医療用医薬品の安定供給について」「2.その他」となっております。
それでは、議題1に関して、事務局より御説明をお願いいたします。
○藤沼首席流通指導官 事務局、首席流通指導官の藤沼です。
資料1「供給情報ワーキンググループについて」というお手元の資料を御覧ください。
資料1で説明いたしますのは、供給不安に対処するための情報把握の仕組みについてということで、安定確保会議の下に「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議供給情報ワーキンググループ」というワーキンググループが設置されています。これまで、こちらのワーキングのほうでいろいろ議論をさせていただきました。お手元の資料1につきましては、9月13日に開催した供給情報ワーキングに配付した資料になります。
ただ、この2ページ目のワーキングの設置要綱と、3ページ目の構成員の名簿、こちらの資料につきましては、本日の会議用に追加した資料になります。
それでは、資料に沿って説明をさせていただきます。
まず最初に、2ページを御覧ください。供給情報ワーキングの設置要綱になります。
まず、開催趣旨ですが、医薬品の供給情報などをできる限り迅速に把握・提供するために、より効果的な供給情報の収集とか、あるいは医療現場等への情報提供のあり方、こういったものについて具体的に検討を進めるために、供給情報ワーキングのほうで議論してきました。
検討事項は2番目に書いてございますが、これまでに安定確保会議で指摘された課題等の整理、(2)で、その他の必要な事項、こういったものについて議論してきました。
構成員につきましては、スライド3を御覧ください。
9人の構成員で構成されているということで、三村構成員に座長をお引き受けいただきまして、これまで検討を、第1回を令和5年の9月に開催いたしまして、それを皮切りにして、4回ほどワーキングを開催してきました。
本日御紹介いたします、供給不安に対処するための情報把握の仕組みにつきましては、第3回と第4回の会議で御議論いただいたところです。
続きまして、4ページのスライドを御覧ください。こちらのほうですけれども、「新たな仕組みと安定供給確保マネジメントシステムとの関係」でございます。
まず、上段のほうですが、これまで安定確保会議のほうでもいろいろ御議論をいただきました「安定供給確保マネジメントシステム」について、ここに記載をしてございます。
まず1つが、平時の供給不安発生前の対応措置といたしまして、➀の「企業の体制整備」、あるいは➁の「需給情報を把握し必要に応じた調整」、あと、有事の供給不安発生時への対応ということで、➂の「供給不安解消のための対応措置」と、こういったものが「安定供給確保マネジメントシステム」ということでございます。
今回、資料のほうで御説明いたします「新たな仕組み」は、下の四角囲みに書いてあります。
供給情報ワーキングで新たな仕組みにつきまして御議論をいただきましたけれども、平時から行政において、製造販売業者、卸売販売業者、医療機関とか薬局における医療用医薬品の入荷、出荷とか、あるいは調剤・投薬とか、そういった数量情報を把握・分析するための仕組みを構築したいと考えていて、まさに、その上に書いてあります、安定供給確保マネジメントシステムの「需給状況の把握・調整」、あるいは「供給不安解消策」の実効性を下支えするための仕組みということで位置づけて、検討を進めてきました。
続きまして、スライドの5ページ御覧ください。
こちらは、具体的に把握する情報の項目とか、把握した情報の取り扱い、あるいは把握対象とする品目について、整理した資料になります。
青色の「把握情報の取扱」ということで、一番上の四角を御覧ください。ここに3つほど○が書いてございますけれども、○印の一番上を御覧ください。
こちらのほうは、まず、平時から、川上と川下の需要と供給の状況を、国としてモニタリングするということで、川上と川下のそれぞれで把握する情報をここに記載してあります。
中のゴシックで下線部のところに書いてありますが、まず、前段のほうが川上の情報になります。同一薬効・成分における医薬品の製造販売業者の生産計画とか、あるいは在庫・受注・出荷に係る数量、こういったものを把握することで、こういった同一薬効・成分における医薬品市場全体の供給量を、そういった状況を平時からモニタリングしていくことが、川上の考え方になります。
もう一つ後段のほうに、川下について書かせていただいておりますけれども、同じように、同一の薬効・成分単位での医薬品について、こちらは、卸業者から医療機関、薬局等への出荷量、それと、医療機関、薬局における投薬・調剤に関する数量、このような川下の需要と供給の状況を、国として平時からモニタリングしていくことで、供給不安の兆候を早めに察知・把握していきたいと考えています。
文章だけだと、ちょっとイメージを持ちづらいと思いますが、この後、資料2のほうで、図などを用いて、もう少し具体的に説明させていただきます。
続きまして、その下の「把握情報の取扱」の2つ目の○ですが、こちらは、供給不安が発生した際の限定出荷とか、出荷停止に関する情報の把握でございます。こちらは、同一薬効・成分における卸業者の在庫量を把握したいと考えてございます。こちらは、現在でも、供給不安とかが発生したら、卸業者に御協力をいただきながら、報告をいただいている情報になります。
続きまして、一番下の3つ目の○を御覧ください。こちらが、今回把握した情報の取り扱いについて書いております。今回把握した情報は、あくまでもマクロの視点で把握し、それぞれの推移・変化とかを捉えるために、薬効とか成分単位での数量を集計していくことを考えています。そのため、個別の卸とか医療機関、薬局単位での集計とかを、想定しているものではございません。
続きまして、その下の「把握対象の品目」のところですが、当初は、全ての医療用医薬品を対象にして、平時からモニタリングをすることで御議論いただいていましたが、実現性や費用対効果とかを考えると、現実的ではないということで、現時点では、対象品目は、医療供給のために必要で、安定確保について特に配慮が必要な医薬品と定義がされている、いわゆる安定確保医薬品と、感染症対応医薬品の2つを対象として、考えています。
次のスライド、6ページを御覧ください。こちらが、今、文章で書いてあった把握する情報を、今度は、フローで図示したものになります。それぞれ左から製造販売業者、卸売販売業者、薬局等というところで区分していますけれども、今回、把握を考えているのが、この薄い緑で囲まれている➀番の生産計画から、➈番までの投薬・調剤量を把握したいと考えています。
このうち、➅番の在庫量は、卸さんの在庫量のところにつきましては、先ほど御説明したとおり、供給不安が発生したときと捉えて考えておりますけれども、それ以外の情報につきましては、平時から把握していきたいと、こんなふうに考えております。
薬局等のところの➇番の処方量と➈番の投薬・調剤量のところですが、こちらのほうは、電子処方箋から把握するということを考えてございます。
ただ、こちらにつきましては少し課題がございまして、電子処方箋の情報だと、DPCの包括診療分や、電子処方箋が未導入の医療機関とかで処方された医薬品の把握が困難だというところであります。ワーキングでも同様の御意見がありましたので、これにつきましては、どのように取り扱っていくかということが、今後の検討課題になっていきます。
続きまして、資料7ページは飛ばさせていただきまして、最後の8ページの資料を御覧ください。こちらは、「今後、検討を進める上での法令上の課題等について」というところで、下に矢印があり、そこに3つの●が書いてあります。一番上の●に書いてあるとおり、今回、新たな仕組みによってモニタリングを実施していくことにした場合、まず1つが、製造販売業者とか卸売業者からの報告徴収規定とか、あるいは電子処方箋データを活用するということであれば、その根拠規定の整備が必要になりますので、今後、マネジメントシステムの構築に向けた議論がいろいろ進んでいくと思いますので、そういった議論を踏まえながら、引き続き、こちらについては検討をしていくことになります。
それと、資料の一番下の●のところを御覧ください。ワーキングの議論でも、今回の仕組みにつきまして、いろいろな御意見がありました。実用化に向けましては、実運用の前に、様々な課題についての検証作業が必要になるというところでございます。
そのため、ワーキングで提案した内容のままで実運用化を目指すものではありません。あくまでも、現時点での案は、当課で考えた、仮説に基づく案でございますので、今後、検証を進めながら、さらに、費用対効果、こういったものを含めて、実現性について検討していく必要があります。
ただ、今後、電子処方箋のデータを利用したサンプル調査とか、検証作業が必要になりますので、今後、そういった検証作業を行いながら、実現を高めていきたいと考えております。
ワーキングの中では、様々な御意見がございました。総論としては、川上の情報としての製販業者の生産量とか出荷量、在庫量、生産計画の情報を平時からしっかりと把握していくことは大事なことといった意見とか、あるいは、これにつきまして、製薬団体としても、同一薬効・成分単位での市場全体の品目・数量等が把握できれば、より精緻な生産計画を立てるのに有効ではないかといった意見がありました。その一方で、実現性に向けて、様々な課題もあるということで、今後、検証に向けて、様々な課題の整理が必要という御意見もございましたので、今後、検証結果や費用対効果を踏まえながら、実現性のある仕組み構築につなげていきたいと思っております。
以上、簡単ではございますけれども、資料1についての説明は、以上になります。
○田中総括調整官 続きまして、事務局から、資料2について御説明させていただきたいと思います。資料2をお手元に御準備いただけますでしょうか。
まず、資料おめくりいただきまして、3ページ以降になりますけれども、前回9月2日第15回の会議で、マネジメントシステムについて御議論いただいたところでございます。
その関係でいただいた御意見を、事務局のほうで4~6ページにかけて整理させていただいております。簡単に御紹介をさせていただきます。
まず、<総論>部分でございます。4ページの一番上の●のところでございます。これは、まさに今回の供給ワーキングの議論にも関わってくる内容だと思いますが、青の太字の部分でございます。
マネジメントシステムにおいては、製薬企業における生産量・在庫量・出荷量を厚生労働省が把握して、現場にも明らかにしていくことが重要ではないかといったようなお話がございました。
加えて、それに関連してまいりますけれども、使用量が生産量を上回っていることが分かることで解決される問題もありますが、そうでないものについて、その先、どう対応していくか、そういったことも考えていく必要がある。実効性がある体制整備が求められるといったようなお話があったところでございます。
その後、2つの●につきましては、改正する法律との関係で、例えば薬機法の改正を考えるのであれば、理念との整合性を検討する必要がある、そういった内容とか、どの法改正をするかによって変わってくるところがございますので、そういったことを具体的に議論する必要があるのではないかといったお話がございました。
一番最後のところにつきましては、これまで、いろいろな医薬品の供給不足に対応してきておりますので、そういった過去の経験も踏まえながら、何が必要かを整理して、対応を検討していく必要があるのではないかといったような御意見があったところでございます。
続きまして、5ページにつきましては、マネジメントシステムの中での安定供給確保に向けた体制整備について御議論いただいた際の御意見でございます。
冒頭、3つの●のところにつきましては、安定供給責任者の位置づけについての御意見でございます。
例えば1つ目の●のところの青の太字の部分でございますけれども、安定供給責任者について、現在の総括製造販売責任者とは違った立場からのその役割をしっかり果たしていただく必要があるのではないかといった御意見、さらに、2つ目の●の部分でございますけれども、まさにそういう状況になってまいりますので、安定供給責任者と総括責任者の関係が非常に重要であるといった御意見、さらに3つ目の●の部分でございますけれども、安定供給責任者を決定したがゆえに、供給不安がその人の責任にならないようにすべき、つまり、最終的には製薬企業全体の問題であるということを明確にすることが必要といったような御意見がございました。
加えて、下から2つ目の●のところでございますけれども、安定供給責任者の設置は、製薬企業に一定程度御負担になるという部分もございます。そういったことを考えれば、製薬企業への支援も重要ではないかといったような御意見がございました。
これと関連いたしますけれども、一番最後の●の部分、製薬企業に対する財政支援だけで安定供給は確保されるわけではございませんので、先ほど議論の中で出ましたような、原因把握、ディスクロージャーが重要であるというお話とか、その原因を含めて、製薬企業のほうからも、供給不安になったならばどういう財政支援が必要かということを明確にする必要があるのではないかといった御意見があったところでございます。
1ページおめくりいただきまして、6ページの部分でございます。こちらは、前回御議論させていただきましたマネジメントシステムの中の供給不安の迅速な把握、報告徴収、協力要請の部分と安定確保医薬品に関連する議論でございます。
こちらの1つ目の●のところであった御意見でございますけれども、供給不安報告、供給状況報告を法令に位置づけたとしても、現在、我々のほうでやっておりますような情報公開も、引き続き丁寧に行われる必要があるのではないかといったようなお話がございました。
続きまして、<安定確保医薬品の供給確保要請>のところ、1つ目の●のところでございますけれども、こちらは、製薬企業に要請や義務をかけることも、これは必要ではありますが、適切な収益が確保されないと持続可能性はございませんので、そういったこともしっかりと勘案する必要があるのではないかといったような御意見があったところでございます。
続きまして7ページ、こちらも確認になりますけれども、前回お示しさせていただいたマネジメントシステムの構築に関する議論のたたき台ということで、ここにある青・緑・赤のそれぞれの制度の論点について、御議論いただいたところでございます。
続きまして、1ページおめくりいただいた8ページでございます。こちらは、「今後の議論の進め方」ということで、こちらも前回の会議でお出しさせていただいた資料でございます。
左側の青の枠の部分でございますけれども、マネジメントシステム構築に関する議論ということで、安定確保会議での議論を複数回行っていただきたいと申し上げました。その際に、「供給ワーキングの議論も踏まえて検討」と真ん中の赤の枠で書かせていただいておりますけれども、本日は、こちらの議論のほうをさせていただきたいと考えております。
加えまして、右側の赤の部分でございますけれども、サプライチェーン強靱化についても、安定確保医薬品の再選定を含めて議論が必要だということをいただいておりました。こちらについては、今回、議題に挙げるのは間に合っていないのですけれども、右側に書かせていただいているとおり、今申し上げた再選定の議論とか、それから、後発医薬品の安定供給に向けた取組、こちらにつきましても、事務局のほうで議論を進めておりますので、また、先生方に御議論をこの会議でいただきたいと考えているところでございます。
続きまして、9ページ以降の資料になってまいります。先ほど事務局のほうから御説明させていただきました、供給ワーキングの議論を踏まえたイメージということで、資料のほうを挙げさせていただいております。
10ページは、まさに、先ほど事務局から御説明した資料そのものでございますけれども、青の枠の一番上の部分、「把握情報の取扱」ということで、藤沼のほうから、2つの平時からのモニタリングということで、同一の成分における製造販売業者の生産量・在庫量・出荷量、そういったものの把握のお話、それから、川下と申し上げましたけれども、医療機関・薬局の入荷、投薬・調剤に関する数量の把握を申し上げました。
これを図示する形でお示ししたのが、11ページ、12ページになってございます。11ページのほうをお開きいただけますでしょうか。こちらの冒頭のところで、「課題」と書かせていただいておりますけれども、製造販売業者のほうで、薬効や成分ごとの供給状況を適切に把握するのが難しいという状況でございます。このため、市場全体の供給不安の状況や要因を把握するのが現在困難ではないかということを書かせていただいております。
その関係でのモニタリングのイメージということで書かせていただいているのが真ん中のグラフ2つでございまして、左側の部分、まさにここに書かせていただいていますとおり、平時から、製造販売業者全体の足元の生産量・在庫量といったものをグラフ化することで、市場全体で供給がどうなっているのか、下がっていないか、そういったことを把握することができる、供給不安時にも、市場全体で生じている変化を可視化できるのではないかというような議論でございます。
右側、受注量と書かせていただいておりますけれども、例えば感染症が拡大したとき、通常出荷の状態であったとしても、感染症が拡大すると受注量が大きく上がってくるようなこともあるのではないかと。それで、限定出荷が防御的に起こったとしても、それがだんだん落ち着いてくれば、平時からの受注量を把握することによって、その市場全体が今落ち着いているのか、落ち着いていないのかというところも見えてくるのではないかというような議論で、書かせていただいております。
まさに、今ほど申し上げたようなモニタリングがなされれば、一番最後の一番下の矢印、青の太字の部分でございますけれども、市場全体の供給量の適正化・見える化につながる可能性があるのではないか。さらに、こういったことが、限定出荷の解除等の企業判断にも資する可能性があるのではないかということで書かせていただいております。
重ねてになりますけれども、先ほど事務局のほうから御説明申し上げたとおり、実用化に向けては、様々な課題が考えられるところでございます。技術的なところで申し上げれば、出荷量等を表示する際の品目をどういうふうに成分ごとに集計するかとか、それから、先ほど申し上げた、システム構築の実現の可能性とか、そういったこともございますので、今後、費用対効果も踏まえながら、具体的な検証を進めることとしてはどうかと書かせていただいております。
続きましておめくりいただいて、12ページになります。同じように、冒頭の課題の部分を読み上げさせていただきますが、供給側の問題に端を発する供給減、感染症等の流行期における需要増の供給不安と比べて、その潜在的な要因による不安の兆候は事前に察知するのが非常に難しいというような事情がございます。
こちらは、あくまでイメージということでちょっと書かせていただいております。右側の都道府県のマップのほうの絵を御覧いただければと思うのですけれども、電子処方箋を導入している薬局で、調剤データを電子処方箋システムのほうに御登録いただいているような薬局であれば、そこで行われた調剤量を理論上把握することが可能でございます。
そこで、実際にどの薬局でそういった取組が行われているかというのは分かりますので、卸に御協力をいただいて、そこの薬局に卸した出荷量・入荷量が把握できるのであれば、地域全体で、マクロでその地域における調剤量と入荷量の関係を捉えることができるのではないかという発想でございます。
通常であれば、入荷量と調剤量を、地域全体でおおむね釣り合うことが想定されますけれども、感染症の患者が増えてくる、これに伴ってだんだん調剤量が増えてまいりますので、そうすると、今ここで書かせていただいている出入比率のヒートマップが、次第に赤に変わってくるのが見えるのではないかということを想定して書かせていただいております。さらに、これを全国ベースで、例えば数字で捉えれば、需要量と供給量のギャップという形で見えるのではないかと。あくまで、今ほど申し上げた調剤量のデータが登録されている薬局に限った議論ではございますけれども、想定としてはこういった議論ができるのではないかと考えております。
これができればということになりますけれども、一番下のところに書かせていただいていますとおり、地域ごとマクロで医薬品の成分の供給不足の兆候を把握できる可能性があるのではないかということで書かせていただいております。一方で、実用化に向けては、先ほどと同じように、様々な検討課題が考えられますので、費用対効果も踏まえながら、今後、検証していくということで書かせていただいております。
最後に、1枚だけちょっと御説明させていただきまして、14ページでございます。
今ほど、平時からのモニタリングの話をさせていただきました。先ほど事務局からの説明にもございましたとおり、法的な根拠がないと難しいというところも若干ございます。その関係で、前回お示しをしたマネジメントシステムの議論のたたき台の絵を少し補足させていただいておりまして、黄色マーカーの部分を追加させていただいております。
まず、安定確保医薬品の供給確保要請のところでございますけれども、前回、感染症法並びの規定と同様の措置と申し上げました。現在の感染症法では、医薬品の需給状況の把握のための報告徴収規定も設けられてございます。安定確保医薬品について、このモニタリングの対象としていくのであれば、同様の規定を置くことが適切かと考えられますので、赤の黄色マーカー部分の一番下のところに書いてございますとおり、報告徴収規定A・B・Cを想定して設けるとしております。ただ、安定確保医薬品全部で506成分ございまして、全体についてモニタリングは実態としては難しいというところもございますので、※のところに書かせていただいているとおり、実際には、対象医薬品は、追って御相談させていただく、追って検討していくことになるのではないかと考えております。
一番最後の部分でございます。オレンジの枠を新たに追加させていただきました。先ほど、事務局のほうからも、マネジメントシステムの実効性を下支えすると申し上げたところでございますが、今ほど申し上げた、電子処方箋システムのデータ、それから、平時からのモニタリングのデータ、こういったものを活用して、供給不安の兆候、市場全体の供給状況を把握すれば、マネジメントシステム全体の下支えになるということで、その取組を検証・実施することとしてはどうかということを、追記させていただいておるものでございます。
形としては、供給ワーキングで行われた議論を、マネジメントシステムに埋め込むような形で、今回、御提案させていただいております。こういった内容について、実効性とかいろいろな議論があると思いますので、先生方の御意見をぜひいただければと考えているところでございます。
長くなりましたが、説明は以上になります。
○清田座長 ありがとうございました。
それでは、質疑応答の時間とさせていただきますけれども、今日は、マネジメントシステムが一番大きい話題になっておりますけれども、大体の方向性はお示しいただいていますし、今後の課題ですね、クリアしなければならない法的なものとかそういうのを御説明いただきました。どんな御質問でも結構です。
どうぞ。
○平川構成員 日精協の平川と申します。
非常にいい案だと思いますが、平時という感覚が、今の私たちにはなくて、今、有事なのですね。今、薬がなくて、大変困っている。例えばキシロカインゼリーがなくて内視鏡もできない。ブスコパンもなくて、内視鏡のときに胃の動きも止まらない。そんな検査もできないような状態が有事以外の何物でもないと思う。イランからミサイルが飛んできているような状況だと私は思っていて、有事に平時の話をするのは非常に違和感があるのですけれども、多分、その辺の議論があったと思うのですけれども、この会議の中でどんな議論されたか教えていただきたいのです。
○清田座長 どうぞ。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘ありがとうございます。
論点としては幾つかあると思っておりまして、中長期的なものもあれば、短期的な課題もあります。今回、マネジメントシステムとしてお話しさせていただいた内容は、例えばこの資料に書かせていただいたとおり、安定供給の体制の整備とか、供給不安の状況を把握するとか、こういったものでして、方向性としては、将来的な供給不安の発生のリスクを下げるためのものになります。
ただ、構成員御指摘のとおり、同時に、今起きている問題の対応も、また必要だと思っておりまして、今回、資料にはおつけしておりませんが、そういったものも我々継続的にやらせていただいております。例えば、個別で対応が必要な事例に対しては、企業に、個別品目の安定供給の状況を確認して、増産のお願いをしたりとか、場合によっては、必要な補助を行ったりとか、あと、これまでに、この会議でご議論いただきましたけれども、限定出荷を解除するための取組を、公取と調整しながら進めたりとか、場合によっては、産業構造の改革に向けた取組も実施するといったものも進めております。
幾つか個別の医薬品についてお尋ねいただきましたので、少しお話しさせていただきますと、例えばこういった場合に、個別で、我々、企業ともよくお話をしながら対応を進めているというところになります。
構成員御指摘のとおり、キシロカインとかブスコパンと、こういったものの供給不安が、今、指摘があるところで、我々も取組を進めさせていただいておりまして、例えばキシロカインのお話をさせていただくと、これについては、製造メーカーのほうで、製造管理とか品質管理の向上のために、体制の見直しを行うことがあったとのことで、一時的に供給量が低下したと聞いております。ただ、対応自体は、既に完了しておりまして、現在、供給量は引き続き上昇させている段階と聞いております。また、増産についても、我々のほうから働きかけておりまして、今年中には増産を行っていく予定であると聞いております。
ブスコパンについては、これも個別では対応させていただいておりまして、状況としては、委託製造所のほうの製造のリソースが逼迫しているというのが原因と聞いております。こういった課題がありますので、今、メーカーのほうでも検討いただいておりますけれども、我々も一緒になって、どういった対応ができるかというのを考えていきたいと思います。
このように、個別の今起きている安定供給の問題も、引き続き、我々はやらせていただいておりますし、また、今回、議論をお願いしたような中長期的な課題と、こういったものもまた議論をお願いしたいと思っておりまして、本日の議題としましては、中長期的なものをお願いしているという状況となります。
○清田座長 どうぞ。
○平川構成員 ありがとうございます。
例えば、この資料2の12ページの薬局の電子処方箋の情報を一つ根拠にするというお話ですけれども、注射薬などは、薬局は関係ないですよね。今回、ブスコパンの注射もそうですし、キシロカインを薬局で売っているわけではないですから、本当に現場で使う薬が足りないというのが、今の我々の本当に困っているところで、これ、将来の不安は改善しませんし、病院の中の電子カルテ上の電子処方箋については、先日のデータでは、病院は1.9%しか電子処方箋に対応してないと。多分、2030年過ぎるまで、その辺は情報としては全く上がってこないだろうと私は思っていますので、随分先の話をして、その可能性、可能性って、5年も10年も先の話でもしようがないのではないかという気がちょっとするのですけれども、いかがでしょうか。
○田中総括調整官 御指摘ありがとうございます。
先ほど事務局のほうから御説明を申し上げたとおり、まず,足元でいろいろな薬が足りなくて、医療現場が困っているというお話は多々いただいておりますので、それは、まず個別に状況を確認して、いろいろな要請を製薬企業にかけさせていただくようなお話もしております。
加えて、限定出荷がこれだけ起きておりますので、前々回だったと思うのですけれども、限定出荷を我々で調査をした状況のほうを出させていただいて、その後、限定出荷を少しでも解除していただけるように、どういった取組を進めていけるか、どういった論点があるか、これは、事務局のほうから先ほど公取と協議をするという話を申し上げましたけれども、その状況も今進めておりますので、この点につきましては、安定確保会議で、今後、先ほどサプライチェーン強靱化のところで申し上げましたけれども、御議論いただきたいと思っております。まず、それが前提でございます。
加えまして、12ページのところで御指摘をいただきました。今まさに、構成員から御指摘いただいた内容は、供給ワーキングでもかなり議論になったところでございます。これは、あくまで、今使えるアベイラブルなビッグデータということで、1つ御提案させていただいたものでございますけれども、実際、供給ワーキングのほうでも、特に供給不安で問題になるのは注射薬、特に病院で使われるようなものが多いので、そういったところが把握できないのか、把握するすべはないのかといったようなお話はいただいているところでございます。
ただ、これは、現状使えるデータ、電子処方箋システムであれば、そこからのデータを活用することで、把握できるところはあります。一方で、医療機関で使われるデータになりますと、DPCのEFファイルとかに適切に入っているか、そこで入っている範囲であれば確認できるのですけれども、取れないようなデータがあると、こういったヒートマップで確認するところは難しくなってまいります。供給ワーキングのほうでも、そういった御議論を多々いただきまして、我々のほうで、今後、どういうデータを活用できるかというのは勉強させていただきたいとお答えさせていただいております。そこは、今後の議論とさせていただければと考えております。
○清田座長 どうぞ。
○平川構成員 電子処方箋を扱える薬局さんはもう大手チェーンですよね。小さな薬局では、多分、電子処方箋に対応できないと思うのですね。そういうところは、また、前年の実績がない、その薬品の前年度実績がないために、新しい薬を注文しようとしても、それを取れないということで、本当に薬が全然手元にないという状況が起きているのが小さな薬局で、この大手チェーンのデータだけピックアップしても、現場と乖離してしまう気がして、その辺、どうするつもりなのかなと思います。
結局、小さな薬局は、うちの病院の周りでも、大手チェーンに食われているという言い方は悪いですけれども、大手チェーンの傘下に入っていかないとやっていけないという現状があるので、大手チェーンが勢力をどんどん増していく原因を国がつくっているようなものではないかと心配しています。
○田中総括調整官 今、御指摘の点をお答えさせていただきます。
現在、電子処方箋の導入につきましては、厚生労働省の別の部局のほうで推進しているところでございます。今、先生に御指摘いただいたとおり、店舗数の多い薬局と店舗数が限られる薬局では、やはり導入率に差があるのは事実でございます。全体として、9月1日時点の数字で45%程度だったと思いますが、ただ、それでも、現状、電子処方箋の導入が進んできている状況ではございまして、店舗数が特に少ないラインであったとしても、先日、別の部局で開催しました「電子処方箋の利活用のワーキンググループ」のほうで、大体30%ぐらいが現状という数字が出てございます。
ただ、今、関係団体の皆様の御協力もあって、電子処方箋の導入はかなり進んできておりますので、今後、その状況も見ながら、御指摘のような、数字のぶれと申しますか、データが変に出てしまうことがないように、その状況もウォッチしながら、検証のほうを進めさせていただきたいと考えております。
○清田座長 これからということですね。
ほかに御意見ございますでしょうか。
どうぞ。
○川上構成員 関連して発言をさせていただこうかと思います。現状の電子処方箋のイメージだけでなく、病院の中で使っている薬剤の使用量データをどうやって電子処方箋の仕組みの中に取り入れていくかという議論も、先ほど言及されたワーキングの中ではしています。今はすぐ捉えられなかったとしても、近い将来は、院内使用量も可能な限り電子処方箋の仕組みの中に取り入れていこうということで議論されていますので、近い将来そうなれば、今ここで考えている内容をより前に進められるのかと思います。
それから、厚労省が御提案いただいているのは、全量把握することよりも、ある医薬品が、これまでは通常出荷だったものが、例えば限定出荷とか出荷停止に陥っていく、その変化を捉えることであり、全量よりもその傾きをいかに捉えられるかということが、この仕組みの中では重要だと思うのですね。
ですから、先生がおっしゃるとおりに、例えば個店の薬局を含めて全量を把握できないのではないかということは、その通りだと思うのですけれども、一定の割合でも確実に捉えられていれば、そこからの変化は十分に検出できるのかなと思います。その可能性を少し考えたいと、自分はそんな思いでワーキンググループの議論には参加していた次第でございます。
以上でございます。
○清田座長 どうぞ。
○國廣参考人 日薬連の参考人の國廣です。
只今の川上構成員のご発言に関連しますので、12ページの地域のデータの件で御意見として申し上げたいと思います。
確かに、全量把握できるわけではないと思いますが、例えば感染症が流行したときに、地域のどこから流行っていくのだろうかというのは、私ども個社としては、例えば感染症のサーベイランスを参考にしながら卸さんのほうに出荷しているわけですが、また医薬品を回収したりする必要がありますので、各医療機関・薬局に販売されている数量のほうも、随時、データとしては持ってございまして、その動向を地域別の量で見たりして、例えば沖縄から流行ってきているとかということが、どこまで速報性があるかは分かりませんけれども、もし、こういうヒートマップがあれば、感染症のこのうねりみたいなものについて、参考情報になる可能性があると思っていまして、様々な課題があると思うのですけれども、川上先生と同じように、私どもとしても、どれぐらいの量がどの地域でということを考える上では大変可能性があるのではないかなと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
宮川先生、どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。
平川構成員がおっしゃったことは当然のことで、ワーキンググループの中でもかなりいろいろ多方面から議論をさせていただきました。その中で、川下の部分は、現状の中で困窮している状況を見ていくことですけれども、私から非常に重要であるという御指摘をしたのは、資料1の6ページの➀~➄までの部分が非常に重要であろうということをお話ししました。
そこでは、大変強い言い方になるかもしれませんが、企業が、恣意的とか意図的とか言えるような、生産のところに対しての調整をしている部分があろうかなと思います。平時が重要であるということは何なのかというと、この生産計画というところだろうと私は考えております。これは、もう5年も10年も前から、日本の状況の中でどのくらい薬が必要であったかというところで、平時の状況を把握しながら、企業はその生産計画を立てているわけだと思うのです。その中で、感染症とかいろいろなことがあっても、普通は、ある程度のバッファーとして、2割か3割か、ある程度余裕のあるような生産計画を立てているはずです。
ところが、そういう現状の中で、今困窮する状況になっているのは何なのかというところなのです。ですから、川上の状況の生産計画から生産量・在庫量・出荷量というところが非常に重要です。そして、受注量は世の中からの要請であり、多方面からあった受注状況を、卸が製販業者に上げていくわけです。そのときに、その反応はどうなのかというところが、この生産計画から出荷という中で見えてくるということです。ここをきちんとディスクローズしていただけるということで、これは日薬連でも同意していただきました。ワーキンググループの中で、それを同意していただいたということは、これから、このマネジメントシステムの中では齟齬が起きないだろうというところをはっきりとお示ししていただいたのだろうと思います。ですから、常々私が申し上げている、意図的な限定出荷が今後起こった場合には、マネジメントシステムで見えてくるはずです。
ですから、そこが非常に重要です。有事であろうが、平時であろうが、製販業者が受注量というか、世の中から要請された部分に対して、どのように日本の中で企業があるべき姿を見せるのかということがここで見えてくるのだろうと思います。その中で、いろいろな大きな問題があって、サプライチェーンの問題等がある場合に、今後、国としてどのように考えていくのか、そして、どのように国が支援していくのかが分かってくるのだろうと思います。
この川上の部分がはっきり分かることが非常に重要であり、川上構成員も含めて、ワーキンググループではかなり突っ込んだ意見も出ていたのだろうと思います。その中でこの図式が出てきたのだろうなと考えております。ここでは、そういう考え方を持って、齟齬がないように、これを示していただく。ただし、どのくらいのタイムスケジュールというか、ロードマップとして、どのくらいの時間的なことで出ていただけるのかということを、これから法的な部分を検討しながら、精緻にそれを計画していくということが非常に重要です。
でなければ、現場として、平川先生も私もとてもやっていられない。現場は、本当は待ったなしの状況です。最初に平川構成員が言ったように現場は困窮している状態であり、これを平時とはとても思えません。しかしながら、生産業者は生産計画を常に立てている。それも、5年前から10年前からずっとやっている。それがきちんと分かれば、これはどのくらい余裕を持って世の中に出していくのかということが明白になっていくのではなかろうかなと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○平川構成員 今、ちょうど同じ資料1の6ページ目が開かれていて、宮川先生のほうで、➃番、➄番を大事だというお話がありましたが、私、真ん中の卸さんのところは、入荷量と出荷量と同じだからスルーしていいと、把握が不要になっているようですけれども、実際、我々医療機関からすると、持ってきてくれるのはこの卸さんたちで、ここで全然分けてもらえないのですよ。おたくは実績ありませんから駄目ですと。ほかの大きな薬局に聞くと、ありますよと言うのです。そういう非常に不公平が卸さんのところで生まれているのも事実なので、ここの卸の偏りについても、ぜひ把握してもらいたいと私は思います。
○宮川構成員 宮川です。
平川構成員がおっしゃったように、それは分配のときの地域差ではないけれども、そういうような偏在という形の中で出てくるので、それは偏在として見なければいけない。つまり、これはマスとして、入荷と出荷が日本のマクロの部分ではほとんどイコールだろうというものです。そして、偏在の中では大きなところ、小さなところのバイイングパワーによって少し変わってくるというところなので、全体の入荷量と出荷量はほぼニアイコールだろうという考え方です。多分、一條構成員が言われることだろうと思います。
○平川構成員 大きい小さい全部が一緒だというのは、それは乱暴で、大きなところは、前年度の実績、いろいろな品種があるでしょうけれども、小さいところは1種類か2種類しか取ってないので、そうすると、実績がないからと全部はねられてしまうので、圧倒的に不利なのですよ。それをマクロで見ればいいというものでもないように思います。
○宮川構成員 それは、私も思っています。
ですから、それは、今ある偏在の形をどう解消するのかというところで議論していかなければいけない。企業が生産して、私たちに届けてくれる全体のマスのところをこのマネジメントシステムで見ていく。しかしながら、偏在とか不分配というのはまた別な角度でしっかりと見ていかないといけません。平川構成員と全く同じです。意図は同じです。意見も同じです。そういうふうに考えていかなければいけないのだろうなと思っています。
○清田座長 一條さんですね。
○一條構成員 ありがとうございます。
我々は、前年度実績とかそういう顧客の売った実績は、全てメーカーさんに分かるようにしています。ですので、メーカーさんのほうで、その実績に合わせた分しか送ってもらえないということなのです。ですから、その前年というか、そういう実績を基に送られるものですから、それに対して、新しいところへものは納めないでいただきたいという話をされているのです。
あともう一つ、メーカーさんから入荷するときに、メーカーさんによって、月初めにどんと入れてくる、1回だけ入れてくる、月の半ば3回、または、並列でずっと入れてくれるメーカーさん、全部ばらばらです。1回目にどんと入ってくるメーカーさんの場合は、そこで、その前年実績に合わせてどんと注文が来てしまうので、最初に入れてしまうという形になります。ですから、小さいところも全て、前年実績で納めることはできるのですけれども、それが、山が来たときの偏在が起きてしまう。最初はどんと入るので、月初めはあるけれども、月の終わりになるとなくなってしまう。ましてや、そこで処方が変わってしまうと、そのずれが出てしまうというのがございます。
ですので、今、メーカーさんに対しても、入荷するのを月1回のところではなくて、月3回ぐらいにしてほしいとか、そういうことも要請しながら、今はやっている最中でございます。平準化したほうが、みんな平準に行くのですよね。最初どんと来ると、分かっているから、みんな最初どんと注文をよこして。だから、大きいところにはありますよと。大きいところは、店が100店舗、200店舗、300店舗ありますから、その中での調整をかけます。で、出てくるけれども、確かに1軒しかやってないとかそういうところに関しては、また、どこかから借りてきているとか、そういうのもやっている最中で、薬局間の貸し借りもそれでいろいろやっていらっしゃって、大変苦労なさっていると思います。そこは、豊見先生のほうが一番分かると思うのですけれども、薬局さんのほうでも苦労しながら、お互い貸し借りしながらやっていくというシステムもできてきて、八戸なんかはそうですね。そういうシステムを今度組んでいる、薬剤師会の先生方で組んでいるということで、現場は対応してやっているという形です。
ただ、そういう意味では、大きいところ、小さいところ、お金を払う。どうしても小さいところは、債権、お金を払うときに、経済的にそう大きくないですから、ぎりぎりで回さなければいけないということで、多く買えないというところがあります。大きいところは、それなりに大変多く買うものですから、それなりの財力がある。その差がちょっと出てきているのかなと感じております。
会としては、そういう意見をいただいていますということで、卸の連合会では、そういう話をしている最中でございます。
○清田座長 論点がちょっとずれてしまったのですけれども、宮川先生がおっしゃる最初の部分のディスクロージャーですよね。これはとても大事という皆さんの共通認識でよろしいのではないかなと思うのですね。それを実現する具体的なタイムスケジュールみたいなのは、イメージとして、事務局のほうで持っていらっしゃいますでしょうか。
○田中総括調整官 資料11ページ、12ページのとおり、実用化に向けていろいろな検討課題がございますので、費用対効果も踏まえつつ検証と書かせていただいております。
少し具体的に申し上げるとするのであれば、例えば12ページのヒートマップの関係でございますと、これは、具体的に法律上の規定が整備されれば、例えば電子処方箋のデータを活用して、卸様にも御協力をいただいて、こういったデータの検証をしてみるということはできると思います。そういった関係につきましては、我々のほうでも、いろいろな数字のほうを確認させていただいて、今後、検証して、先生方にも御議論いただきたいと考えているところでございます。
11ページのほうの川上の話は特に重要だというお話がございました。こちらは、製造販売業者様に御協力をいただいてやっていくことになります。ただ、現状は、仮に御協力をいただけたとしても、人的な手作業でこれを一気に積み上げていくのはかなり難しい状況でございます。なので、そのシステムの状況も見ながら、どういった品目についてこういうのがやっていけるのかというのは、我々のほうで、今後、予算なども見ながら、順次検討させていただきたいと考えているところでございます。
○清田座長 ありがとうございます。
それで、分配のほうですね。平川先生がおっしゃった分配のほうは、今後、どういったペースで、これはこれでやっていかれるのですかね。
○田中総括調整官 先ほど、平川先生のほうから御指摘いただいた卸の関係がございました。事実関係として、会議の議論を申し上げれば、例えば資料1の5ページで、「把握情報の取扱」を書かせていただいております。
「把握情報の取扱」の一番上の青の枠のところの○3つがございまして、事務局のほうから、1つ目の○のところだけ御説明申し上げましたが、実際にワーキングでも、2つ目の○のところでございますけれども、実際に供給不安が発生した、平川構成員がおっしゃったように、今こういう状況だと思いますけれども、医薬品の適正量の増産等に活用するために、卸様からも情報を確認するといったようなことは書かせていただいております。これは、平時からのモニタリングという形では挙げさせていただいておりませんが、実際、我々も、昨年の秋冬に発生した感染症対応治療薬の不足のときもそうですけれども、かなり医薬品が来ないというお話をいただきますので、卸様にも、在庫の状況がどうなっているかというのは、確認をさせていただいております。
こういった取組をしながら、現在、解熱・鎮痛剤の関係での110番とかもございますけれども、現場のお声をいただいて、それから、卸に状況を確認させていただいて、医薬品の供給のほうが適切に行われるように、我々としてもいろいろな要請のほうをかけさせていただいております。現状、全くノータッチというわけではございませんし、その議論の中で、全く触れられていないというわけではございませんでして、その点、御報告させていただきたいと考えております。
○清田座長 宮川先生、どうぞ。
○宮川構成員 このマネジメントシステムの話は、今、事務局からあったように、資料1の5ページの「把握情報の取扱」の3ポツ目、つまり、マクロの視点で推移変化を捉えるためにという、そのところが非常に重要で、川上構成員がおっしゃった、そのところなのだろうと思います。
そして、今、資料2の11ページの下段、矢印の下のところに、市場全体の供給量の適正化・見える化につながる可能性があるとあります。事務局に僕は何回も申し上げたのですけれども、12ページのこのところ、特に、その中の下段の右のほうですね。それをあんまり強調すると話がおかしくなるのです。それは個別の話なのです。これは、市場としてどういうふうになるべきなのか、国のありていとして、それから、国内の生産、いわゆる医薬品メーカーがどうあるべきなのかということをしっかり検討するのがこの会で、そこのところはしっかりと把握しながら議論を進めていかないといけない。資料1の5ページの「把握情報の取扱」の3○目、そして、資料2の11ページの矢印の下のところ、ここがしっかりとされるべきところで、実効性のあるものとしてできなければ、市場として、私たちの手に届くところの精緻化ができないのです。大きなグローバルな目でしっかりとしたものができないと、私たちが幾ら欲しいと言っても、全体量がないと、小さいところの中で、私が欲しい、こっちが欲しいと、何とか融通してほしいとなってしまい、本来からするとあるべき話ではないのかなと考えます。ですが、例えば流改懇であれ、もっと細かいところであれ、これは、私たちは主張しなければいけないことではあります。
ですから、医療者としては、本当はもってのほかだと、平川先生のように怒りたいわけですね。だけど、この場面では、このところをしっかりとつくっていただくことが、将来につながるので、これを法的にどのようにしっかりと組み立てていただけるのかということを、私たちは強くお願い申し上げたいというところだろうと思います。
○清田座長 どうぞ。
○平川構成員 申し訳ないです。私は精神科医の立場で申し上げると、精神科は、同一薬効・同一成分で、薬の形が違うだけでもう患者さんは拒否してしまうのです。今、長期収載品でいろいろ薬局の窓口は大変だと思いますけれども、本当にちょっとしたことで飲まなくなってしまう。統合失調症の人なんかは、もともと飲みたくないところに持ってきていますので、それで退薬してしまって、悪化してしまう人とか、そういう猜疑的な人は、主治医との関係さえもひびが入ってしまう。薬というのは非常に大事なところで、変わらないということが大事で、同じ薬を飲み続けることができることが一番の幸せだと思います。
ですから、マクロの考え方では仕方がないと思いますけれども、その辺の細かな配慮をしていただきたい。DPCに精神科は入っていませんので、精神科薬はDPCでは出てこないというところで、これをどうするのかという問題もちょっと指摘させていただきます。よろしくお願いいたします。
○清田座長 ありがとうございます。
○田中総括調整官 宮川構成員、平川構成員、御指摘ありがとうございます。
まず、宮川先生に御指摘いただきましたとおり、これは、供給ワーキングでも本当に議論に何度も出ておりました。安定供給は、安定的な医薬品の供給量が確保されるということでございますので、まず、11ページに掲げているような、平時からのモニタリングという形で市場全体をまず見える化していくことが重要だと。さらに、12ページのほうでお示しさせていただきましたが、先ほど状況を、電子処方箋を導入している薬局とかそういったところに限られるというお話を申し上げましたけれども、今あるデータの中で、その状況が少しでも捉えられるものがあるとするのであればということで、御説明申し上げたところでございまして、当然、これが分かれば、医薬品の安定供給は必ず確保されるという形にはなりませんので、11ページのところの平時からのモニタリング、市場全体を見える化していくということの重要性は重々理解しているところでございます。
続きまして、平川構成員からお話がありました話、我々、代替薬の増産要請とかそういったお話を確かによく申し上げるところでございますので、個別の薬によって、代替薬でも難しいということは承知しておりますので、今後の安定確保医薬品を選ぶ議論とか、それから、平時モニタリングでの議論で、そういった点もきちんと踏まえて、対応していけるように、考えていけるようにさせていただければと考えております。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。平川構成員の思いがすごく大事なんです。ですから、私が、生産計画と先ほどから何回も申し上げているのは、一つ一つの会社の生産計画がものすごく大事なのです。勝手に生産をやめられてしまっては困る。途中で勝手に撤退することがあってはならないので、ここは非常に重要であるということは最初に言ったつもりです。これは平川構成員にとっても非常に重いことで、精神科の患者さんは、本当に色や形や、それから、臭いとて変わってはならないし、本当に困窮する状況があろうかなと思います。ぜひとも、この生産計画がきちんと出て、それから、生産量・在庫量・出荷量が、一つ一つの会社から情報がしっかり出すことにより、勝手な撤退とかそういうのがないようにしていただきたいと思います。国はそういうものを監視していただいて、特に精神科の薬に関しては、そのようなところをしっかり見ていただくことが非常に重要なことだろうと私も思っておりますので、ぜひ、事務局等、そのところはこれからもしっかり見ていただきたい部分と思います。
○清田座長 ありがとうございます。
いろいろになってしまいましたけれども、そういうのも含めて検討していただけると思います。
どうぞ。
○國廣参考人 宮川先生がおっしゃったとおりで、とにかく需要に応える供給量をしっかり全体が分かるようにしていただきたいのは、私たちも同じでございまして、需要に応えられてないのは、全体がよく分からない、もちろんそれだけではないですけれども、それが原因で十分な供給ができていない、限定出荷がかかっているみたいな問題を抱えてございますので、供給サイド、川上としても先ほど宮川先生がおっしゃったところを、ぜひとも実現をするほうに進めていただきたいと思っています。
それから、需給の状況はマクロでの公開とか共有ということになると思いますが、私どもは現在でも、先ほどありました➁、➂、➄辺りですね、毎月違う目的で報告をしていますが、これは全ての薬価収載医薬品を薬価単位で報告してございます。さっき平川構成員がおっしゃったような情報も全部集まってくるということになってくると思いますので、それは非公開だと思いますが、そういったところにも役に立つのではないかなということで、ぜひとも、川上の情報のところをしっかりやらなければいけないのではないかなと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
ほかによろしいでしょうか。
いろいろ御議論いただいて、本当にありがとうございます。
私からは、実際のモニタリングの対象となる薬剤ですね、どこら辺から始められる。先ほどは、安定供給のカテゴリーの高いほうからということで、それだけでも多いですよね。どこら辺から、もう既に、平時ではない薬剤がありますよね。そこら辺からなのでしょうかね。
○田中総括調整官 事務局でございます。
例えばですけれども、感染症の医薬品につきましては、感染症の平時モニタリングの規定が既にございますので、その対象医薬品については、この安定確保会議で先生方に御議論いただいて、対象成分は選ばせていただいております。
具体的に、例えば11ページとか12ページの議論で、どういう医薬品を選定していくかということにつきましては、これから、まず事務局のほうで、どのぐらいのデータを処理できるかという話もございますので、我々のほうでまず議論させていただいて、安定確保医薬品のAから選ぶのか、それとも、今、足元で何か問題になっているところを選ぶのかとか、そういった内容を今後検討させていただいて、御議論させていただきたいと思っております。
○清田座長 現場としては、いつ原状回復できるのかという目安をはっきりさせていただくと、安心感があると思うのですね。多分、これを全部一つずつやっていけば、それに近いものになるのではないかなと思いますので、ぜひ皆さんで頑張りたいと思います。
どうぞ。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございます。
この問題をすぐに解決するのはなかなか難しいと思いますので、先ほど、短期的なお話とか、中長期的な取組をしっかり進めていくというお話をさせていただきました。個別のものは、先ほどお話ししましたように、個別にきちんと対応いたしますし、あるいはこの問題は、産業構造の改革も必要だと思いますので、例えば、おおむね5年と区切った上で、産業の構造も改革した上で、あるべき供給の姿にしていきたいと思っております。
安定確保医薬品の見直しにつきましては、今、事務局のほうで整理しておりますので、近いうちに、ここの会議体で、どういったふうに選ぶかとか、そういったものをまた議論をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○清田座長 ありがとうございます。
それでは、本日の議題は、以上となりますけれども、全体を通じて御意見があれば。
どうぞ。
○蛭田構成員 今日は非常に充実した議論が行われている中で、しようもないことを1つ事務局にお願いですけれども、「マネジメントシステム」という名前につきまして、いろいろなマネジメントシステムがある中で、単に「マネジメントシステム」と言うと、議論が非常にぼやけてしまうような気がします。本会議のメンバーであれば、議論を重ねているので、当然理解していると思うのですけれども、そのほかの方々については、勘違いされやすいのではないかと思いますので、できたら、適切な名前をつけていただきますよう御検討いただければと思います。
○清田座長 では、御検討をよろしくお願いいたします。
では、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○宮川構成員 宮川です。
事務局から、今、お話ありましたように、「安定確保医薬品」というのをどういう概念で考えるか。今、そういうことを計画されているというお話がありますけれども、どのような位置づけで、どういうものがこれから入っていくのか。A・B・C、もう随分世の中が変わってきたということなので、この枠組みを新たに考えていただいて、それをなるべく早急に立ち上げていただくことが、これからの私たちの現場においても必要なことになろうかなと思います。それから、検討する際にも、非常に重要な項目の1つになろうかと思いますが、安定確保の医薬品は多方面から考えなければいけない。感染症ということだけではなかろうかなと思います。先ほど平川構成員の御発言にあったように、キシロカインであっても何であっても、足元では非常に困窮する状況があろうかなと思います。必要性のあるものを、どのようなところに真に入るようにしていくのかだろうと思いますけれども、そういうところも明確に区分を考えていただいて、議論の俎上に上げていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。当然、おっしゃる要素を含めて再検討していただくというふうになると思います。
ほかによろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、ほかに意見がないようでございますので、本日はこれまでとさせていただきますが、事務局から何かございますでしょうか。
○藤井医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 次回の日程等につきましては、メール等にて御連絡をさせていただきます。
○清田座長 それでは、本日の会議は以上となります。
皆様、御多忙のところ、本当にありがとうございました。