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- 第183回社会保障審議会医療保険部会 議事録
第183回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和6年9月30日(月)15:58~18:09
場所
全国都市会館 大ホール
議題
- 1.働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方について
- 2.マイナ保険証の利用促進等について
- 3.医療DXの更なる推進について
- 4.第四期医療費適正化基本方針の見直し及び後発医薬品の使用に係るロードマップの改訂について(報告)
- 5.出産費用の見える化等について(報告)
議事
- 議事内容
- ○姫野課長 それでは、定刻前ではありますけれども、皆さんおそろいですので、ただいまより第183回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、内堀委員、河野委員、前葉委員、横本委員より、御欠席の御連絡をいただいております。
また、本日の会議は傍聴希望者向けにYouTubeにおいてライブ配信を行っております。
会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は退席をお願いいたします。
それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 それでは、まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。内堀委員の代理として根本和代参考人、前葉委員の代理といたしまして木﨑彰参考人、横本委員の代理として井上隆参考人、以上3名の出席につき御承認賜れればと思いますが、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事のほうに入ってまいります。
本日は、「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方について」「マイナ保険証の利用促進等について」「医療DXのさらなる推進について」を議題といたします。
では、まず「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方について」を議題といたします。
早速でございますけれども、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
お手元の資料1「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方について」を御覧ください。
まず、右下1ページ目でございます。
働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会、この医療保険部会に御報告する前に懇談会のほうで検討していたわけでございますけれども、そこの場で御意見をいただいております。具体的な内容につきまして、1ページ目の上で箱囲いしておりますけれども、短時間労働者の被用者保険適用の時間要件として、今現在、週所定労働時間20時間がございますけれども、最低賃金の状況を踏まえると、標準報酬が健保の場合には5.8万円といった枠がございますけれども、こういう5.8万円等といった方はどういう方が該当しているのか、その辺りを教えてほしいということで懇談会のほうで御指摘をいただいております。
こういう御指摘を踏まえまして、事務局のほうで悉皆調査はなかなかないものですから個別にヒアリング等を行ったわけでございますけれども、このヒアリング等の結果、標準報酬月額5.8万円~7.8万円の被保険者の方として、例えば以下のようなケースがあることが確認をされております。1ページ目の下に黒ポツで3つございますけれども、まず1点目としては最低賃金の減額の特例許可制度が適用されるケースということで、具体的には障害をお持ちの方で、最賃の減額特例の許可の件数ということで、年間で3,000件弱ございますけれども、そういう方が該当するのではないかということ。
2点目として、経営者の配偶者等の御家族を従業員として扱っているケース、いわゆる同居家族のような形で働いておられる方でございます。
3点目として、代表取締役であったり役員の方のケース、具体的なケースとして例えばこういう事例もございますということでありましたけれども、基本給、報酬を極端に低く設定をして、高額な賞与を支給しているというケースも存在するということでございました。
一番下の3点目に関しまして、矢羽根がございますけれども、論点を1つ整理してございます。現在、健康保険法上には標準賞与額ということで上限額を設定してございます。年度で573万円でございますけれども、この573万円については標準報酬の月額と民間の年間平均賞与月数に基づいて現在は設定をされておりますが、先ほど申し上げたような実態もあること等を踏まえると、例えば標準賞与額の上限についてどう考えるか、この辺り御議論いただければと考えてございます。
右下2ページ目、3ページ目、参考資料をつけてございます。似たような資料でございますので、右下の2ページ目で一括して御説明を申し上げますと、2ページ目は協会けんぽの被保険者の数字でございます。2ページ目の左と右でグラフをつけてございますけれども、左側が被保険者数の年間の標準賞与額別の分布でございます。字が小さくて大変恐縮ですけれども、一番左側の棒グラフがボーナスが年間10万円以下の方、一番右側の青いグラフが年間の標準賞与額が570万~573万の方の被保険者数の推移でございまして、棒グラフが実数、赤の折れ線グラフが全被保険者に占める割合でございまして、平成28年~令和4年度を比較しますと、全被保険者数に占める割合が2倍ぐらい、0.1%から0.19%となってございます。
資料は飛びまして、右下4ページ目でございます。
適用拡大の関係2点目でございますけれども、適用拡大に係る国保制度等への影響についてでございます。7月の医療保険部会、この場で御報告をした際に、国保への影響、この辺りはどういう形で考えられるのか、しっかり影響を分析した上で、慎重に検討を進めるべきではないかという形で御意見を頂戴しております。その関係で、現在ある資料、数字等々を整理しましたので、この場で御報告を申し上げます。
まず、右下5ページ目でございます。適用拡大に伴う医療保険における加入者移動のイメージでございまして、令和2年の改正で被用者保険の適用拡大、企業規模要件を引き下げるということをやっておりますけれども、令和2年の法改正の前に国保から被用者保険のほうにどのぐらいの被保険者の方が移動するであろうかという見積りの数字でございます。当時は約40万人の方が適用拡大によって国保から移動するのではないかと見込んでございました。
続きまして、右下6ページ目でございます。
6ページ目は社保の加入による国保脱退者の人数でございまして、令和4年10月に100人超の企業等まで適用拡大が広がっておりますけれども、令和3年と令和4年を比較して、大体どの程度のような影響があったのかを整理しているものでございます。
まず左側、令和3年でございますけれども、10月~12月の3か月間で約64万人の方が社保の加入によって国保を脱退したという状況でございましたが、令和4年度、右側の棒グラフでございますけれども、同じ時期の3か月間で約87.7万人の方が社保の加入によって国保脱退をしておられる。大体24万人の方が増加をしておるというのが6ページ目のスライドでございます。
右下7ページ目でございますけれども、こちらは市町村国保の世帯数、それから被保険者数の推移でございまして、被保険者数、世帯数ともに年々減少基調にあるということでございます。人口減少に伴って恐らく今後も減少傾向が続くであろうと見込んでおります。
右下8ページ目でございます。
8ページ目は市町村国保の世帯主の職業別構成割合の推移でございまして、一番左側が昭和40年度、一番右側が令和4年度でございまして、現在でいいますと約半分、45%が黄色の棒グラフ、無職でございます。緑の被用者が大体32%ということでございますけれども、昔は一番下のブルーの農林水産業の方が一番多かったわけでございますが、だんだん減少しているということでございます。
被用者保険の適用拡大が始まったのが平成28年10月でございますけれども、被用者保険の適用拡大、平成28年以降、徐々に被用者の割合は低下基調にありまして、今後、適用拡大を進めていったら緑の部分が恐らく減少していくのではないだろうかということでございます。
右下9ページでございます。
9ページは市町村国保の所得の推移でございまして、時系列で棒グラフを作ってございますけれども、平均所得については経年での傾向は特にございませんでして、100万円~110万円程度で推移をしているということでございます。また、所得に占める保険料調定額の割合も12%半ば~13%程度で安定的に推移をしているということでございます。
以下の参考資料をつけてございますけれども、時間も限られておりますので、説明は割愛させていただきます。
事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
2点申し上げたいと思います。
まず1点目は、先ほども説明がございました資料の2ページ、3ページのグラフを見ますと、年間標準賞与額の分布や、その上限額に該当する被保険者の数が近年上昇傾向にあるということで、若干違和感を覚えます。特に標準賞与額の上限については、「報酬を極端に低く設定し、高額な賞与を支給しているケース」を含め、上限を超える被保険者の標準報酬月額の実態等のさらなる分析をした上で議論する必要があるのではないかと考えております。
2点目でございますが、今までも申し上げておりますけれども、適用拡大に当たっては、国民健康保険だけでなく、短時間労働者の割合が高い業態の被用者保険保険者、健保組合も大変大きな影響を受けることが想定されますので、懇談会の取りまとめにも記載いただいたように、「保険者の財政や運営への影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策」をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございますか。
では、原委員、よろしくお願いします。
○原委員 ありがとうございます。
まず、ファクトとして7ページ、被保険者数の推移が出ていますけれども、実はこれは令和4年度までの実績でございまして、直近は令和6年の4月まで判明をしておりますが、既にもうこの時点で2322万人と、対前年同月比で約4%ずつずっと減り続けている。もちろんこの影響は適用拡大に限らず人口構成の変化とかそういったこともございますが、国保の被保険者数の減少というのはずっと続いている。それが今年の10月にまた企業規模要件の拡大ということになりますので、今後も減少が続いていくことが必至であろうと、こういう状況をまず御理解いただきたいと思います。
その上で、今回の被用者保険の適用拡大については、7月3日の医療保険部会におきましても私のほうから5点ほど御意見、御要望を申し上げさせていただいております。
1点目は、年金保障の充実という趣旨から、適用拡大をすること自体は反対をするものではございませんけれども、医療保険に与える影響をしっかりと考えていく必要があるということ。
それから、今回の対応に限らず、政府の閣議決定では、今後も勤労者皆保険というのはずっと続けていくのだという趣旨のようなことが書かれていますので、これがどんどん進められた場合には、地域の連帯感を基礎とした国保の保険者機能の発揮が困難となり、ひいては国民皆保険体制の基盤となっている国保制度の存立そのものに大きな影響を与えるのではないかということを危惧しているということ。
3点目として、そうならないようにするため、少なくとも医療保険制度においては、年金とは別に一定の歯止めを設けることも将来は考えなければいけないのではないかということ。
4点目として、この問題については、今後、医療保険部会で議論される際に、改めて厚生労働省からの資料説明等を聞いた上で意見を申し上げたいということ。
最後、5点目として、具体案の議論に当たっては、国保関係者の意見をしっかりとお聴きいただき、その理解と納得を得ながら対応を進めていただきたいということ。
こういったことについて申し上げまして、これはもう今でも変わりません。
本日もいろいろ資料を出していただき、感謝を申し上げますけれども、今言ったいろいろな私どもの懸念そのものについて判断するための新しい情報はまだ出ておりませんので、具体的な意見については、今後この秋また資料が提出されて、議論が行われるものと理解をしておりますので、その段階で申し上げたいと思います。
いずれにしましても、来年予定されている適用拡大のための法律改正により、国保の財政や保険者機能に看過できないマイナスの影響が及ぶ場合には、財政支援をはじめ国民皆保険体制の基盤を守るための具体的な措置を国に対して求めていくことも考えられるということを現時点では申し上げておきたいと思います。
その上で2つ質問がございます。
1点目は、資料1の8ページにおきまして、令和4年度において市町村国保の世帯主の32%を被用者が占めており、被用者保険の適用拡大により、被用者の減少が見込まれる旨の内容が示されておりますが、適用拡大によって減少するのは本当に被用者の部分だけなのか、特に今後、5人以上個人事業所の非適用業種の解消や、5人未満個人事業所への適用拡大が進められた場合には、農林水産業や自営業の部分についても被用者保険への移行が進み、減少していくことになるのではないかと、そんな心配もしておりますので、この点について厚生労働省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
2点目は、今日は説明がございませんでしたけれども、資料の10ページは社会保障審議会年金部会で7月3日に提出された資料でございますけれども、①~④のケースがあって、拡大した場合の影響みたいなものの対象者数が記載されているのではないかと思いますが、適用拡大が一番小さいケースは①だと思いますけれども、Aの部分、20万人と70万人を足した90万人、基本的にはこの90万人は、国保の被保険者が被用者保険に移行すると考えてよろしいのか、その点について資料の見方をお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
2点御質問がございましたので、回答のほうをお願いします。
○唐木課長 国保課長でございます。
ただいま御質問いただきました2点について、御説明をさせていただきます。
まず1つ目ですけれども、個人事業所の被雇用者につきましては現在、被用者の区分でございまして、事業主自身は自営業、農林水産業に該当いたします。今後、被用者保険の適用拡大につきまして、どのように進めていくかということではございますけれども、個人事業所が被用者保険の適用対象となった場合でも、個人事業主自身は、被用者保険ではなく国保に加入するといった整理になろうかと思っております。
○若林課長 年金課長でございます。
資料の10ページの適用拡大の対象者のお尋ねがございました。
御指摘のとおりでして、10ページのAの方々、現状ですと企業規模50人以下と書いております。この70万人の方は、年金でいえば国民年金、医療でいえば国民健康保険に入ってらっしゃる方、同様に5人以上の非適用業種につきましても、国民年金、国民健康保険に入ってらっしゃる方になりますので、適用拡大した場合には90万人の方が健康保険、厚生年金に移られると見込んでいる数字でございます。
○田辺部会長 原委員、よろしゅうございますか。
○原委員 ありがとうございました。結構でございます。
○田辺部会長 では、根本参考人、よろしくお願いいたします。
○根本参考人 ありがとうございます。
国民健康保険制度につきましては、都道府県が財政運営の責任主体となっておりますので、保険者の立場で発言をさせていただきます。
今回、適用拡大に係る国保制度等への影響について、医療保険における加入者移動のイメージ図やこれまでの被保険者数の推移などをお示しいただきましたけれども、5年後、10年後に国保の被保険者数や医療費総額、1人当たりの保険料などがどうなっていくのかという具体的な将来推計を行っていただく必要があると考えております。国民健康保険は国民皆保険の最後の砦です。国保財政が安定した運営を継続できるよう、十分に配慮した上で検討を進めるようにお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
事務局から補足があるようでございますので、よろしくお願いします。
○鈴木課長 調査課長でございます。
先ほどの90万人のところに関して補足をさせていただければと思います。
先ほど質問いただきました①の90万人でございますけれども、全員が国保から移るというわけではございませんで、資料にも、年金部会の資料ですので、1号から2号、3号から2号という欄があるかと思います。3号の方もいらっしゃるということで、被扶養者の方もいらっしゃる。なので、90万人の方の中には、今、被用者保険の被扶養者になっている方もいらっしゃるということですので、90万人全員が国保ではないというところを補足させていただきます。
○若林課長 年金課長です。
今の調査課長の説明で正しいです。失礼しました。
○田辺部会長 それでは、木﨑参考人、よろしくお願いします。
○木﨑参考人 ありがとうございます。
全国市長会の前葉に代わりまして、出席させていただいております。よろしくお願いします。
国保の立場から申し上げますと、人口減少に伴いまして、国保の被保険者が減少していく中で、さらに被用者保険の適用拡大により、一定の所得を有する被保険者の離脱が一層進みまして、地域における医療保険のセーフティーネットとしての役割を担う国保の基盤が危うくなることを懸念しております。第180回の医療保険部会でも申し上げましたが、被用者保険の適用拡大を検討する際には、国保の基盤がどのようになっていくのか、将来を見据えた国保制度や国保に対する支援などを常にセットで検討いただく必要があると考えておりますので、御検討のほう、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
私のほうからも適用拡大に関してでございますが、これは何も国が進めるという方向性に異論はないわけですが、多くの方がおっしゃっておられますように、特に職業団体としてまとまって運営をしている小規模事業所等におきましては、この適用拡大がかなり大きな影響を及ぼすということも想定されますので、それぞれの事業所の運営、また財政に支障を来さないというような形の制度設計をぜひともお願いしたいと思いますし、そのためには、それぞれの具体的な聞き取りをさらに行っていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
私のほうからは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
意見を申し上げます。
まず1つ目は、ほかの委員もおっしゃったのですけれども、1ページ目、標準報酬月額5.8~7.8万円ということで、ヒアリング等の結果の御説明がありました。先ほど御指摘もあったように、この中に出ている報酬を低く抑えて高額な賞与で支給しているケースなどもあるということですので、ぜひ実態を正確に把握していただいて、慎重かつ長期的なことも踏まえた検討をしっかりしていく必要があると思いました。
8ページ目でございますけれども、市町村国保の世帯主の職業別構成割合の推移がグラフで出ています。大変分かりやすいグラフになっていますが、これはもう10年あるいは20年ぐらい前から指摘されている構造とあまり変わっていません。このグラフの示す状況に出ているように、国保スタートのときは、昭和36年ぐらいからだと思いますけれども、40年代が出ていますね。このときの人口、特に世帯主の職業構造を現在の令和4年度、右端に出ているものと比べると大きく変わっていますね。特に無職の方が増えて、いろいろな課題も出てきているのが長年言われていることなのですけれども、基本的な構造のベースになるものが変わっているので、ぜひ厚生労働省で今後の全世代型社会保障制度の議論の中で、また、先ほどほかの委員も「最後の守り、砦」だとおっしゃったのですけれども、そういったことを踏まえると、今後どうあるべきかというのは聖域なく考えていただく必要があると感じております。今後全体をどうするのか、保険制度として国民の安心あるいは健康のみならず暮らしの上でも医療にアクセスができる体制というのはすごく大事ですので、そこを財政的なことも含めて保険制度としてどうするのかということを、ぜひ今後のいろいろな検討会で聖域などを設けずに、いろいろな率直な検討をしていただきたいなと考えます。そのことで中期的を超えて長期的にどう安定させるか、そういったことをぜひ研究いただきたいと思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
私からは2点申し上げたいと思います。
1点目は、今回お出しいただいた標準報酬の下限及び上限の関係であります。私は、適用拡大の検討の際には、パート適用の関係で、最低賃金が上がっていけばおのずとこの辺りの状況は変わってくるのだろうと思っておったのですけれども、今回、必ずしもそうでないということが分かりましたのと同時に、また上限の問題もそこに関係するということが分かってまいりました。その辺りは標準報酬と報酬比例年金が結びついている年金と違いまして、現在でも医療保険の場合は総報酬制の関係のボーナス、賞与の部分というのは高い水準でありますので、そういう点からいえば、やはりその辺りも含めて上下限全体としてどう考えるかという検討が必要なのだろうと思っているわけであります。それはまた働き方に中立的、全世代型社会保障改革という点からも重要と思っております。
2点目は、今回の中で国保の被保険者、適用対象が減っていくというお話でありましたけれども、国保に限らず、逆に今後を考えますと後期高齢者医療のほうは人数も増えていく。そういう中で、恐らく医療保険というのはかなり構造的な問題をまた考えなければいけない時代が来るのではないかと思っておりますので、適用拡大ということだけではなくて、年金とは異なる部分が医療保険はありますので、医療保険としてどういうふうに考えていくかという視点が重要ではないかと思っております。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」については、議論の取りまとめで、被用者にふさわしい保障を実現していくという意義や、働き方に中立的な制度を構築していくという重要性は、基本的な方向として共通の認識として示されているところでございます。こういった認識を下に、適用拡大を強力に進めていただきたいと考えております。
市町村国保の役割は重要だと考えておりますが、その財政基盤の課題は、御説明にもありましたとおり、人口減少の中で生じている課題でもございます。職域内の連帯に基づく被用者保険と、自営業など地域単位の連帯に基づく市町村国保の性格の違いを共通の認識とした上で、適用拡大の推進とは切り分けて検討いただきたいと考えております。
また、佐野委員、横尾委員もおっしゃっておりましたけれども、標準報酬月額と標準賞与額の関係で、スライドの1ページ目に、報酬を極端に低く設定し、高額な賞与を支給している代表取締役や役員のケースが紹介をされております。この点、ヒアリングがどの程度どのように行われたものなのかということがよく分からない部分でございますが、いずれにしても実態を把握し、さらなる分析をした上での検討が必要だと考えております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
4ページでございます。適用拡大に係る国保制度等への影響について申し上げます。
7月の当部会で申し上げたとおり、被用者保険への加入者が増えることで、個人事業者やその配偶者などが加入する市町村国保が先細りすることは明らかであります。自治体として支え切れないところをどのようにして維持していくのか、国としてよく御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
本件につきましては、特に1ページのヒアリングの結果で指摘されておりますけれども、医療保険そのものが被保険者の皆様の負担能力に応じた保険料負担ということを通じて一定の所得の再配分機能も有していると認識しております。被保険者の実際の負担能力に応じた保険料の賦課となるよう、ここで御指摘されているような標準賞与額の上限設定の見直しについても、ぜひ検討を進めていただければと考えております。
もう一点、これも繰り返しになりますが、今後の適用拡大に関しましては、協会けんぽの財政運営に影響を与えることが想定されております。そのため、財政影響等について、早めにお示しをいただきたいと思っております。特に、以前も申し上げましたけれども、実際に行う段階になった場合の非常に大規模な加入者の移動等になりますと、実務も相当程度の負荷がかかりますので、そうしたことも念頭に置きながら、早め早めの実態の提示、御議論の進め方をよろしくお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、ほかに特に御意見がないようでございますので、本件につきましてはこれまでとしたいと存じます。
本日出てまいりました意見も踏まえつつ、今後、医療保険部会においても議論を深めていただければと存じます。
次に、「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
「マイナ保険証の利用促進等について」の1ページはでございますが、オンライン資格確認の利用状況の御報告です。真ん中の赤い線が利用率であります。分母がオンライン資格確認の利用件数、分子がマイナ保険証の利用件数で、令和6年8月が12.43%となっております。下段は人に着目した利用率でありますが、令和6年8月のマイナ保険証の利用人数は、1263万人となっております。この1か月に医療機関を受診した人のうちマイナ保険証を利用した人の割合を推計いたしますと、医療機関受診者に占めるマイナ保険証利用者の割合が19.4%、医療機関受診者の中で、マイナ保険証登録者に限定しますと、その利用者の割合は32.2%となっております。
次のページは5点記載しております。本日は5点、運用の改善を御報告し、御議論いただきたいと思っております。
めくっていただきまして1点目、通常の受付窓口とは異なる路線で資格確認を行う場合の居宅同意取得型の活用でございます。
4ページ。訪問診療などの場合、在宅の患者のマイナンバーカードを医療機関の端末で読み取って資格確認を行う、いわゆる居宅同意取得型の仕組みを活用しております。通常の受付窓口とは異なる動線で資格確認を行う必要がある場合には、この居宅同意取得型を活用できるということでございます。
オンライン診療では患者の端末も利用していることも踏まえまして、患者の端末も利用可能とする。ただし、この場合には窓口で本人確認が必要だと考えております。
主な利用用途としては、3点黒いポツを書いております。
発熱や風邪症状のある患者に対して、通常とは異なる動線で受付や診療を行う場合。
2点目ですが、緊急入院により受付窓口を通らず入院した場合。長期入院などで、ベッドサイドで資格確認を行う場合。
3点目ですが、車内に患者がおりまして、ドライブスルー方式で資格確認を行う場合。
こういった場合を想定しております。
次のページが財政支援でございます。モバイル端末などの導入、レセプトコンピューターなどの改修に対して財政支援をしたいと考えております。
補助内容は2の表のとおりでありますが、居宅同意取得型の導入に当たって、既に補助の対象としている訪問診療等と同様の補助内容としております。
6ページがスケジュールであります。10月に準備作業に入りまして、11月に補助金申請のポータルサイトを公開したいと考えております。
7ページ、2点目ですが、経過措置対象医療機関における簡素な資格確認の仕組みでございます。
8ページです。
令和5年4月より、オンライン資格確認の導入が原則義務化されておりますが、やむを得ない事情がある保険医療機関・薬局については、期限つきの経過措置が設けられております。経過措置でやむを得ない事情というのが(1)~(6)までございます。例えば「(2)オン資に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関、保険薬局」、このように規定されております。
下の段でありますけれども、12月2日以降、経過措置対象の機関において、マイナンバーカードを持参した患者の資格確認ができないという事態を防ぐために、時限的な措置として簡素な資格確認の仕組みである、いわゆる資格確認限定型の導入を任意で可能としてはどうかと考えております。上の表の(1)(3)(5)は12月2日の前に期限が来ますので、導入対象とするのは12月2日時点でオンライン資格確認を導入できない可能性のある(2)(4)(6)が適用されている保険医療機関・薬局としてはどうかと考えております。
次のページは、資格確認限定型の概要であります。事業者のPC、モバイル端末と汎用カードリーダー、これは認証された端末で行うこととなります。
財政支援につきましては10ページであります。
汎用カードリーダー、モバイル端末の導入を支援いたします。
補助内容としましては、基準とする事業額4.1万円を上限に、その4分の3を補助します。なお、この財政支援も既に補助の対象としております義務化対象外の施設への財政支援と同様としています。
11ページがスケジュールでありますが、11月に利用申請・補助金申請のポータルサイトを公開したいと考えております。
12ページ。3点目は顔認証つきカードリーダーの同意画面の改善であります。
今般、2点の改善を10月7日よりリリースしたいと考えております。
1番目は、限度額適用認定証情報の提供同意画面の省略であります。現行では「高額療養費制度を利用する方はこちら」というところを押していただいて、情報を提供するしないを選んでいただいておりますが、表示を省略し、同意も不要とします。
2点目が右側でございますが、薬剤情報等の受提供同意の包括同意でございます。今は手術歴に同意し、診療、お薬情報に同意し、健診情報に同意する、と3回の同意を求めていますけれども、3画面分の同意をこの1画面でまとめて取得可能にしたいと考えております。
14ページ。4点目がスマホに関してであります。
15ページでありますが、スマホ搭載された電子証明書をかざして読み取る方法であります。Android及びiPhone同時に令和7年春にリリースしまして、実証事業を経た上で普及を目指していきたいと考えております。
①、顔認証つきカードリーダーでスマホによる手続を選択し、②で認証いたしまして、③資格確認端末に接続されておりますが、スマートフォンを汎用カードリーダーにかざして電子証明書を読み取り、同意の登録をするという仕組みを考えております。
最後、5点目でありますが、円滑な移行に向けた対応であります。
17ページであります。
12月2日にマイナ保険証を基本とする仕組みに移行するに当たりまして、最大1年間は現行の保険証を使用可能とし、デジタルとアナログの併用期間を設けることとしております。
2つ目の○ですが、後期高齢者はITに不慣れな面もあります。また、75歳到達や転居に伴う後期高齢者医療への加入に際しまして、資格取得届出の提出が省略されています。このため、後期高齢者につきましては、12月2日以降に保険者との接点がなくて本人が十分認識しないまま現行の保険証が失効し、マイナ保険証のみになるケースがあると考えられます。
下段でありますが、このため暫定的な運用としまして、来年夏の一斉更新までの間、現行の保険証が失効する後期高齢者に資格確認書を職権交付することといたします。保険資格の移動のない大半の後期高齢者との均衡を図るという観点もありまして、9月26日付で事務連絡を発出しております。
あわせまして、高齢者のマイナ保険証の利用促進、利用環境の整備が大切だと思っております。マイナ保険証の利用促進としまして、マイナ保険証の使い方やメリット、カードの安全性等をしっかりと周知してまいります。あわせて、利用環境の整備といたしまして、包括同意画面の導入ですとか、目視モードの利用改善に向けた改修を行ってまいりたいと考えております。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら挙手にてお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
17ページの円滑な移行に向けた対応のところについてコメントさせていただきます。
後期高齢者については、「暫定的な運用」として、一定の配慮が必要だということはもちろん理解をしております。ただし、マイナ保険証を使用できる方に対しても一律に資格確認書を送るというのは、マイナ保険証を利用して質の高い医療を受けるという機会を逆に妨げてしまう可能性があるのではないかと考えます。
現役世代においても、当分の間は資格確認書の職権交付を行うということになっておりますが、マイナンバーカードを持っているけれども保険証の利用登録をしていない方が職権交付の対象になっておりまして、やはり利用促進の妨げになるのではないかと考えます。
今後、情報連携を活用する等によって、前の保険者における資格確認書の交付履歴を取得した上で、真に必要とする者のみに資格確認書を交付する等、運用を整理する必要があるのではないかと考えております。
さらに申し上げますと、「マイナンバーカードの交付有無」のデータが保険者に連携されていないことが一番の課題であると思いますので、真に必要とする方だけに職権交付できるように、保険者に連携されるデータを見直していただき、保険者がしっかりと利用促進に取り組むことのできる環境整備をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 マイナ保険証につきましては、前回も広報とか説明が不足しているということを申し上げました。前回申し上げたのは、12月2日で保険証が全く使えなくなるのではないかと思っている高齢者が少なくないということです。もう一つは、マイナンバーカードを持っていれば、リーダーにかざせばいいということです。そうすれば医療保険とつながるということですが、それもほとんど伝わっていないと思います。
昨年、ポイントがつく際に、役所に行って手続をした人はいいのですけれども、あのときに面倒くさいとかいろいろ事情があって行かれなくて医療保険とつながっていない人も少なくないのです。でも、役所に行かなければならないのは面倒くさいから行かないとかそういうふうに思っている人が少なくないので、この辺ももうちょっと丁寧に説明しないと、もう諦めてしまっている人も少なくない。カードは持っているのだけれども、医療保険につながっていないという人も少なくないです。
それから、医療機関へのPRもまだまだ不足しているのではないかという気がします。私自身、8月の終わりに風邪を引いて、近所のクリニックへ行ったのですが、保険証を出してくださいとは言われましたが、マイナンバーカードを出してくださいとは言われませんでしたので、そのままスルーしてしまったのですが、まだまだPRが足りないのではないかと思っております。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
いずれも基本的に異論ございませんので、ぜひ政府におかれましては引き続き普及啓発・拡大に努めていただければと思います。
今回の論点で1点、資料2の13ページ、マイナ保険証利用時の同意について申し上げたいと思います。
何度も同意を求められるのが不安だとか面倒だという声を結構よく聞くわけでございまして、これが改善されるのは大変よいことだと思います。ただ、それでも受診時に一度は同意をしなければならないという状況が残るわけでございまして、これが紙の保険証利用時よりも手間がかかると思われてしまうと、マイナ保険証の普及自体にも影響が出るということを懸念しておるわけでございます。何らかの事情で、同意したくない項目がある場合を除くオプトアウトの考え方を採り入れ、基本的に一括同意にするとか、利用2回目以降の同意を不要とするなど、利用者目線に立った利便性の向上を御検討いただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
全体を通して言えることだと思うのですけれども、先ほど袖井委員もおっしゃったとおりでありまして、次々に起こる医療機関においての受付方法の変化といいますか、移ろいといいますか、これは高齢の患者さんにとってみたら非常に困惑をされていることが実際の現場では多いですし、また、医療機関においても様々な混乱が生じているのは事実であろうと思います。ですので、これは本当に国民だけではなくて医療機関に対してもより丁寧で分かりやすい説明、支援をさらにお願いしたいということを全体通してまず述べたいと思います。
その上で、特に注意が必要と思われる点としては、3.の同意画面の改善に関しては、これも恐らく高齢の方は、同意画面がいつもの画面と違うというだけで困惑するということもあろうと思いますし、そのために受付に人を配置して丁寧な対応をするということで、人手がまた必要になるということも起こり得ると思います。
さらには4.のスマホ搭載に関しても、この説明資料ではスマホが現在のマイナ保険証そのものと取って代わるということではなくて、スマホをかざしながら、その後も幾つかの操作をしなければいけないということもあるわけですので、正しく理解がされるような説明と周知をお願いしたいと思います。
そして、5.円滑な移行に関しても、資格確認書を受け取った後期高齢者の方が、なぜこの資格確認書が届いたのかということを御理解いただけない方もそれなりには発生すると思いますし、そういう意味では、当然、医療機関の窓口においてもそれを提示することで混乱が生じることも考えられます。さらには、せっかくマイナ保険証を利用していたにもかかわらず、資格確認書にまた移ってしまうということも起こりかねないということもございますので、この辺りは国民に対して本当にしっかりとした分かりやすい丁寧な周知、説明をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
全体を通じていつも申し上げていることなのですけれども、ぜひこれを機会に、今回のマイナ保険証はデジタルガバナンスのトリガー、引き金、入り口になると思っています。そしてその先にはプッシュ型の行政サービスのリンクを急ぐべきだと常日頃思っています。ごく最近、前回申し上げたかもしれませんけれども、エストニアのいろいろな行政サービスを知る機会がありましたが、その中で典型的な例であるのは、赤ちゃんがお産まれになったら、その瞬間からはじまり、医療機関から政府の機関とリンクをして、行政サービス提供が御本人へ、といってもこの場合は赤ちゃんですので、ということはその御家族へ提供が始まるという仕組みになっているし、様々な社会保障、福祉につながるところまでリンクしていくわけです。人口の多い少ないという議論は片方にありますけれども、これはシステムとして可能なことなので、ぜひ日本政府も早くこれに匹敵する公的サービス実現を加速していくべきだと感じています。
そういった意味でも、マイナ保険証の重要性ということで、より多くの方々に知っていただく必要があると強く感じているところです。特にこの中でも触れていただいていますけれども、後期高齢者の皆さんは確かにデジタルについては、まだまだ「苦手だな」とか、「え触ったことないな」とかなど、複雑なことがあるとか、あるいは「新聞・テレビでいろいろな事件も出てきて不安だな」というお気持ちもあるかと思いますけれども、やはりここを解きほぐしながら、重要性をお伝えしていくという丁寧な、また地道な努力も一方で必要です。急がなければいけませんけれども、そういった意味でも、丁寧な高齢者の皆さんへの啓発、周知はとても大切だと思っているところです。
有用性、つまりマイナ保険証を使っていくことによっていかに便利になるかということと、様々な行政サービスをスムーズに受けることができるということを、政府として、政府広報の中で全面的に優先事項に挙げてPRしていただきたいと強く思っています。
このことをやるためには、単に政府広報だけではなくて、マスコミ、報道機関の御理解や協力も当然必要でありますので、厚生労働省、デジタル庁、総務省が連携をして、特に頑張っていただきたいなと強く思っています。
例えば、一般の方が使いやすい、理解しやすい情報の入手の仕方として動画によるものが今どんどん広がってきていると思いますので、分かりやすい説明を動画説明というスタイルでアップしたらどうかなと思っています。これがいいところは、自分のペースで繰り返し分かるまで聴けるということです。例えば、コロナのワクチン接種のことがありましたけれども、私が市長を務める多久市では、ワクチン接種会場での接種方法に関するビデオを作り、ホームページで公開しました。職員で模擬ケースの場面を作って、そこでの接種過程を演じていくわけです。実際にワクチン接種をスタートしたとき、会場に来る方にお話をほぼ毎日実は聞いていたのですけれども、年配の方がいらっしゃったので、「おばあちゃん分かりましたか、準備に不安ありませんでしたか」と聞いたら、「孫が来てくれて、ホームページを教えてくれて、一緒に見て、何遍も見たからイメージがもう頭の中に入っています」と話されました。そしてさらに「会場に来て、実際にやっていったらもう不安はありません」ということでした。こういうように、丁寧な対応が肝心と思うのです。情報の提供には、報道を通じた広く大きなメッセージの伝え方と同時に、一人一人が理解し納得できる、そういった工夫をすることも一方では準備していく必要があると思っています。
また、具体的には、これも繰り返しになるかもしれませんけれども、仕組みの中にも入ってきましたが、限度額認定に関するものがリンクされるとか、いろいろな意味でも大切なことだと思います。
ほかの委員もおっしゃったのですけれども、医療機関の皆さんにぜひ協力をいただいて、武見大臣も強く求められたように、医療機関あるいは薬局の窓口での保険資格確認の際に、保険証ではなくてマイナ保険証とか、マイナンバーカードの保険証ということを先に言っていただくと、そっちのほうへ気持ちは行くし、行動もより進んで行くと思いますので、ぜひこのことはお願いしたいなと改めて思っております。
そして、最後に加えるならば、これも以前に申し上げましたけれども、医療費に関することが最終的には出てきて、年間の税務の確定申告のときに必要になってきます。このことと早くリンクしていただいて、医療費に関するデータも集約をして、御本人へちゃんと送信なり伝達ができる。そして、そのデータは確定申告にもすぐ使えるというところまでリンクしていくことを、ぜひ技術的にも、スケジュール的にも、法律的にも叶うようにしていければもっと利便性が高まりますし、「こんなに便利なのだな」と広く知っていただけます。そして、自分の1年間の医療に関することもデータとして分かるのだなということを多くの方々が理解されますから、ぜひこういったことも前向きに進めていただきたいと思っています。そのことが、年齢の多い少ないにかかわらず多くの方の理解と促進につながると思っています。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、大杉委員、よろしくお願いいたします。
○大杉委員 ありがとうございます。
私からは、要望2点、質問1点をお願いしたいと思います。
まず要望ですが、8ページにオンライン資格確認導入の原則義務化における経過措置(2)(4)(6)が適用されている保険医療機関・薬局における資格確認限定型、簡素な資格確認の仕組みの導入についての補助が示されていますけれども、タブレット、スマホ等のモバイル端末に対し、上限4.1万円の補助とあり、ホームページ等にも対応可能な機種等を例示していただいているとのことですけれども、一般のスマホが10万円以上する中、医療機関の負担が相応に発生をします。申請期限も1月15日と短く、補助の拡大と申請期間の延長について、ぜひとも配慮をお願いしたいと思います。
また、外来診療等におけるスマホ対応に対して、汎用カードリーダーの設置が必要でありますけれども、度重なるオン資システムの改修費用及びランニングコストがかかっているので、汎用カードリーダーの無償配布の御検討をお願いしたいということであります。
こちらは質問になりますけれども、17ページには後期高齢者における75歳到達や転居に伴う後期高齢者医療への加入に際し、本人が十分認識しないまま現行の保険証が失効し、マイナ保険証のみになるケースが示されておりますけれども、暫定的な運用として、来年夏の一斉更新までの間、現行の保険証が失効する後期高齢者に対し、資格確認書を職権交付するとのことですけれども、やはり混乱を招くと思いますし、来年夏の一斉更新以降も起こり得る事例であり、なかなか展望が見えないなど、どのように対応するのかお伺いしたいと思います。
以上、よろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 1点御質問がございましたので、回答のほうをお願いいたします。
○安中課長 高齢者医療課長です。
17ページの来年夏の一斉更新までの暫定的な運用につきましては、今、委員からも御指摘いただきましたように、後期高齢者医療への加入に際して届出の提出が省略されている中で、本人が十分に認識されないままマイナ保険証のみになってしまうというケースへの対応として考えたものでございます。
それと併せまして17ページの資料の下段にありますとおり、マイナ保険証の利用促進、高齢者の方についても利用していただけるような利用促進に取り組むということで、また、利用環境の整備についても取り組むこととしております。こうした取組を通じて、まず来年の夏の一斉更新まで利用率を高めていくという取組を進めていきたいと思っております。
その後の状況についてということでの御質問ではございますけれども、まずはそういったマイナ保険証の利用促進に取り組む中で、また必要に応じて必要な対応を考えていくことになるかと思いますが、現時点ではマイナ保険証の利用促進に取り組むということで考えております。
以上です。
○田辺部会長 大杉委員、よろしゅうございますか。
○大杉委員 なかなか一般の方々でマイナ保険証の増加率が低い中、厳しいことだと思いますけれども、周知をしていただきながら増やしていっていただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。
渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
今後もこの利用促進をしていく中で、現場の状況から2点質問と2点要望をお願いしたいと思います。
1点目なのですけれども、居宅同意取得型に関して、さらなる利用シーンの拡大については、災害時にも話が出ていましたように、賛成するものであります。
ただ、現在、在宅で用いている場合に、在宅患者さんに4桁のPINコードを入力していただけなければならないシステムとなっていますが、今回の利用シーンの拡張とともに、従来から話が出ている目視モードはいつ導入いただけるのか確認させていただきたいと思います。
それと、今回の顔認証付きカードリーダーの同意画面の部分ですが、これに関しては、先ほど袖井委員からもありましたが、初回紐付けが必要となる患者さんに関しては、この一連の同意画面の後に初回紐付けが行われて、その後もう一回同じ同意画面へと遷移します。この2回同じ操作が発生している部分に関しても、このときに一緒に直るのか、併せて御質問したいと思います。
2点要望なのですけれども、スライドの15にありますスマホ搭載に関してなのですが、令和7年の春にリリースする際、まず一部施設で、記載されている実証事業等をして、課題等を整理した上で、本格運用をしていただく等の必要があると思っています。というのは、本格運用に当たって、先ほどもありましたように、医療機関、薬局において汎用のカードリーダーの設置が必須になってきますけれども、これが一律に設置されるとはなかなか思いにくいところがありますので、スマホのみで行かれて、設置されているところとないところがあると困るのは患者さんということになるかと思いますので、ここに関しては全ての施設が汎用のカードリーダーが設置できるような支援等も併せてお願いした上で、全体に広げていただきたいと思います。
スライドの17の資格取得届出の提出が省略されている後期高齢者医療の方の移行ですが、これに関しては本人に認識なく従来の紙の保険証が失効するという状況が発生するかと思いますので、これに関しては無条件に資格確認書を交付いただくのはもちろん必要な部分かと思うのですけれども、ここで資格確認書と一口して言っているように、現場に送られてきた方はこれが資格確認書なのだという認識はかなり薄いと思いますので、資格確認書をお送りされる際には、丁寧な説明もしくは郵送時の配慮等々のことをお願いしておきたいと思います。送られた方にとっては、それが資格確認書なのか何なのか分からないまま切れた保険証を持参されるという状況があり得ると思いますので、併せてお願いしとておきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
2点ほど御質問がございましたので、回答のほうをお願いします。
○河合室長 保険データ企画室長でございます。
2点御質問をいただきました。
1点目、居宅同意取得型の件につきましては、本人確認の際、4桁のPINを入れていただいていますが、訪問診療等と訪問看護につきましては、この10月から目視確認も選択できるアプリを配信したいと思っております。一方、今回御提案している通常の受付窓口とは異なる動線で資格確認を行うものにつきましては、もう少し時間がかかりますが、検討していきたいと思います。
2点目、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録する際の同意の部分につきましては、こちらも10月から改善をしていきたいと考えております。
以上です。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○渡邊委員 10月からというのは、もう明日から動くのですか。
○河合室長 10月7日からとなります。
○渡邊委員 分かりました。
○田辺部会長 ほかいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用促進に向けて、今後のさらなる進化であるとか広がりというのを考えたときに、ぜひ健診機関に対しても財政支援あるいは義務化とか、そういった観点での検討を進めていただきたいなと思っております。といいますのも、この後出てまいります医療DXの観点の中で、特に保険者にとってみると健診データというのは非常に重要な領域でございまして、DXを進める上で、マイナ保険証を健診機関で一般化していただくということは非常に有意であると思っております。
また、若干個人的な体験なのですが、先日人間ドックを受けたときに、まず持ってきてほしいものに保険証と書いてあります。ある大学病院の人間ドックだったのです。当然、大学病院のほうはもう完全にマイナ保険証優先でやっているのですが、人間ドックサイドは保険証オンリーということを体験したのですけれども、はたと考えてみますと、全く病院に来ない人、年に1回人間ドックにしか来ない人というのも一定数いるであろうと。そういう方にとってみると、ますますやはり保険証なのかと、後退してしまうおそれもありますし、そういった観点からも、ぜひ健診機関でのマイナ利用ということも視野に入れていただくと、さらなる進化につながるのではないかなと思って、一言御意見申し上げさせていただきます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、レスポンスをお願いします。
○河合室長 保険データ企画室長でございます。
北川委員から御指摘ありました健診の実施機関につきましては、本年の4月よりオンライン資格確認の導入を任意で可能としておりますが、足下の状況を見ますと、なかなか進んでない部分もございますので、そちらについては改めて周知を図ってまいります。
○田辺部会長 ほかいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、この件に関してはここまでとしたいと存じます。
続きまして、資料の3-1及び3-2に関しまして、御説明のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○西川企画官 医政局でございます。
資料3-1の「電子カルテ情報共有サービスについて」、御説明いたします。
資料の2ページ目です。共有サービスの概要でございます。
診療情報提供書ですとか健診結果などの3文書、それから傷病名、薬剤アレルギー、感染症など6情報について、全国の医療機関等で電子的に共有することができるような取組でございます。左の医療機関からHL7FHIRという国際標準規格で、真ん中の支払基金に構築中の電子カルテ情報共有サービスのデータベースに電子的に登録していただくという形で今、進めております。
3ページでございます。
6情報の中の感染症情報ですとか、検査の具体的な項目を整理したものでございます。
次の4ページでございます。
3文書6情報の具体的な保存期間ですとか、6情報のどういったコードで登録をしていただくかというものを整理したものでございます。
次の5ページでございます。
6情報が電子カルテに入力をされた後、いつ支払基金に構築中のサービスのほうに登録されるかというタイミングを整理したものでございます。
次の6ページでございます。
来年の1月をめどに、全国の10か所ぐらいの地域でモデル事業を開始するべく今、調整中でございます。ここに記載の10か所の地域、また病院と現在調整中でございます。
次の7ページでございます。
運用開始までのロードマップです。今申し上げたように、来年1月めどにモデル事業を開始したいと思っております。その後、来年の通常国会へ法案を提出し、その成立後、令和7年度中に本格稼働と運びたいと思っております。
次の8ページでございます。
電子カルテ情報共有サービスの主なメリットを整理したものでございます。
患者・被保険者、医療機関等、それから医療保険者という形で整理をしております。
患者・被保険者におきましては、日常診療、救急時、災害時を含めて、より質の高い安全な医療を受けることが可能になるということ。
それから、外来での待ち時間の短縮など、より効率的な受診が可能になる。
また、マイナポータルで自身の医療情報を閲覧することができるようになりますので、健康管理や疾病予防に役立てることができます。
それから、医療機関のほうでも、より質の高い安全な医療の提供が可能になる。
また、医療機関の事務コストの削減の効果ですとか、より効率的な働き方が可能になり、魅力ある職場環境の実現などにも資すると考えております。
医療保険者のほうですけれども、今申し上げた患者・被保険者、医療機関等におけるより効率的・効果的な医療提供体制をつくることができるということでございます。
それから、健診結果の電子的な共有が可能になることで、より迅速かつ確実に取得することができる。また、保険者における電子化の手間も削減されるということが考えられると思います。
それから、電子カルテ情報の二次利用をすることによりまして、サービスの費用対効果、質の評価に関するより精緻な分析も可能になると考えております。
9ページでございます。
電子カルテ情報共有サービスについて、具体的に法律に位置づけて実施をしていきたいと思っております。現在想定しています主な法律事項について整理したものでございます。
まず(1)ですけれども、この3文書6情報を医師または歯科医師等が支払基金に対して電子的に提供することができる旨を法律に位置づけたいと考えております。質が高く効率的な医療提供体制を構築する、または医療機関における負担を軽減するという観点から、法令に根拠を設けることで、個人情報保護法の法令例外ということにしたいと考えております。具体的に3文書6情報を医療機関から提供する都度の患者の同意取得を不要とするということでございます。
一方で、登録された情報を他の医療機関から閲覧するときには、患者の同意を必要とするということで、整理をしたいと考えております。
(2)が目的外利用の禁止であります。支払基金等に集められた3文書6情報について、支払基金等は医療機関等への共有以外の目的には使用してならないという旨を法律に位置づけてはどうかと考えております。
(3)ですけれども、運用費用、ランニングコストの負担の在り方であります。運用費用の負担者、また負担方法について法律に規定をしたいと考えております。
(4)が電子カルテ情報共有サービス導入努力義務でございます。速やかな普及促進を図るという観点から、特に電子的な情報共有が求められる地域医療支援病院や特定機能病院、またその他救急や災害で医療提供を担う病院などに、体制整備の努力義務規定を設けてやろうかと考えております。
(5)が次の感染症危機に備えた対応でございます。新型コロナへの対応の反省を踏まえまして、感染症の発生届出の作成の際の医療機関の負担を軽減するという観点から、電子カルテシステム上で作成をし、この電子カルテ情報共有サービスを経由して発生届出を提出することができる旨を規定してはどうかと考えております。
最後の10ページでございます。
電子カルテ情報共有サービスの費用でございます。共有サービスのシステム開発につきましては、国が全額補助で行っております。また、医療機関においても、電子カルテシステムの改修、また電子カルテの導入の費用が発生いたします。また、支払基金に構築するデータベースにつきましても、システムの保守管理、またはクラウドサービスの利用料、回線利用料等が発生いたします。こうしたランニングコストの負担の在り方について、先ほど見ていただいた関係者のメリットなども踏まえまして考えていくことが必要ではないかと考えております。
資料の説明は以上でございます。
○坂西薬局地域機能推進企画官 続きまして、資料3-2に基づきまして、「『医療機関・薬局間の情報』の共有・標準化等について」、医薬局から御説明します。
おめくりいただきまして、1ページを御覧ください。
上側の枠、医療DX工程表では、枠内の下のほうの下線部のとおり、薬局側から医療機関側に提供される服薬状況等のフィードバック情報に関し、その内容や共有方法、必要性についても今後検討するとされています。
また、下の枠、いわゆる骨太の方針2024におきましては、枠内の一番下の下線部、調剤録等の薬局情報のDX・標準化の検討を進めるとされているところでございます。
おめくりいただきまして、2ページを御覧ください。
このような方針等を踏まえまして、健康・医療・介護情報利活用検討会の電子処方箋等検討ワーキンググループにおきまして、「医療機関・薬局間の情報」の共有・標準化等について、まず、どのような情報が、どのような方法でやり取りされているのか、現状の把握等を行ってまいりました。
ワーキンググループの構成員や開催実績につきましては、それぞれ左下、右下の枠内の記載のとおりでございます。
おめくりいただきまして、3ページを御覧ください。
このページでは、医療機関・薬局間でどのような情報のやり取りがなされているかをまとめております。
上の○の1つ目ですが、薬局では、処方箋に基づき薬剤師が調剤した薬剤に係る情報のほか、患者への服薬指導に係る情報が保有されています。それらの情報は、他の医療機関・薬局に郵送やFAX等で文書として共有されています。
このような薬局から他の医療機関等へ共有される情報は、服薬情報提供書、トレーシングレポート等と呼ばれまして、医療保険上においても薬局から医療機関への情報提供が要件に組み入れられているところでございます。
下のほうは、実際に行われている情報提供の例であり、青い矢印のところ、上から化学療法に関する情報提供文書でありますとか、吸入薬指導に関する情報提供文書などが発行されているところでございます。
おめくりいただきまして、4ページを御覧ください。
このページでは、医療機関・薬局間で共有が行われている情報の項目や様式を例示しております。
緑の枠の上、例1ですが、調剤報酬点数表の区分15の5服薬情報等提供料では、中ほどの表の様式1-1及び1-2に基づき、記載のような項目の情報を提供することとなっております。
また、下の例2では、同じく服用薬剤調整支援料における項目などをお示ししております。
なお、情報共有する際の様式については、国が示している様式のほか、これに準ずる様式を用いることも可能となっております。
おめくりいただきまして、5ページを御覧ください。
このページでは、情報共有で使用されているトレーシングレポート等の様式について、実際にどのようなものが用いられているか情報収集し、大まかにまとめたものでございます。
まず、パターン1としまして、様式上は記載項目を規定せず、汎用的な様式になっているもの。
パターン2として、国が示している様式1-1などに、各地域で必要な項目や目的に応じて専門的な項目を付加したもの。
パターン3として、国が示している様式の項目にとらわれず、各地域や目的に応じて必要な項目を定めたものがありました。
また、一番下の○ですが、FAXで送られたトレーシングレポート等について、医療機関の職員が電子カルテに打ち込んで電子的に閲覧できるようにしている実態などがありました。
おめくりいただきまして、6ページを御覧ください。こちらが御説明の資料の最後になります。
この資料ですが、右上に記載のとおり、9月24日に開催された電子処方箋等検討ワーキンググループにおける検討で用いられた資料となっております。
上の1つ目の○ですが、薬局から医療機関等へ共有されている情報についても電子的な共有を進めることで、以下のようなメリットが考えられるのではないかとまとめております。
具体的には、左の緑色の枠の中ですが、医療機関や薬局では電子カルテへ反映する一連の手間が減ったり、コミュニケーションが円滑化したり、電子化の促進等につながるのではないかと考えております。
また、右側ですが、医療を受けられる患者さんにとっても、医療機関・薬局間の連携が進み、適切なコミュニケーションが促進され、副作用の重篤化の回避等や、最適な処方の検討等、医療の質の向上につながる可能性があると考えております。
その上で、2つ目の○ですが、現在、医療DXの工程表に基づき様々な情報共有の取組が進められており、オンライン資格確認の基盤を基に、保健・医療・介護の情報を共有可能な全国医療情報プラットフォームの構築が進められているところであります。一番下の○ですが、電子処方箋の普及拡大や電子カルテ情報共有サービスの構築等も進められている中、情報の受け手である医療機関等の負担や実情も踏まえ、医療機関・薬局間で共有されている情報の電子的な取扱いをどう考えるか、引き続き関係者を交えて議論を進める必要があるとされております。
また、一番下の注釈ですが、今後、医療DX全体の進捗状況とも整合性を取りながら検討を進めるとされております。
事務局といたしましては、引き続き、医療機関・薬局間の情報の共有・標準化について、電子処方箋等検討ワーキンググループや、内容に応じて適切な検討の場で検討を進めてまいりたいと考えております。
資料3-2の御説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら挙手にてお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
主として資料3-1について、2点コメントしたいと思います。
まず、全体的な話になりますが、医療DXの重要性は今さら言うまでもないことでございます。一方で、これまでもオンライン資格確認や電子処方箋など様々な施策が実施されてきましたが、運用開始から普及までに大変長い時間を要しており、その間、国民がメリットを感じることができず、そのことが普及を遅らせるという悪循環に陥っていると考えております。今回の電子カルテ情報共有サービスについても、最終的には2030年度までにおおむね全ての医療機関が導入すると示されておりますが、国民がメリットを実感できるためにも、スピード感を持った対応が極めて重要だと思いますので、具体的な普及策や中間的な目標を示すなど、国を挙げての早期の推進をぜひともお願いしたいと思います。
そのうえで、資料3-1の10ページに費用負担について、運用費用の負担の在り方については「関係者のメリット等を踏まえて考える」とありますが、先ほど申し上げましたように、普及状況も踏まえた負担方法とするのは当然のことであり、最終的におおむね全ての医療機関が導入する2030年度までは、基盤整備の期間として、国が責任を持って負担すべきと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
資料3-1、3-2の丁寧な御説明ありがとうございました。
全体的に国としてやっていこうという方向性に関しては、全く異論はないわけですが、このシステムがきちんと運用されるためには、まず電子カルテが基本的には全医療機関に普及するということと、それから、先ほどからのお話にもあったように、オンライン資格確認のところがきちんと患者の同意といったことも含めてそういったもので意思確認ができるというところが整備されて初めてこの全体像が生かされてくるものだろうと思っておりますので、国としてそこのところ、200床未満の中小病院とか診療所の半分ぐらいはまだ紙カルテを運用しているといった実態から、早くそこを脱却するような、先ほども委員のお話もありましたように、そこを徹底的に進めていただきたいということ。
資料3-1の10ページとかにもありますけれども、資料に係る情報、3文書6情報というのは最低限必要な情報でありまして、これだけで全て診療が行われるわけではありませんけれども、少なくともこれは基本骨格としては絶対きちんと運用していくということは重要だろうと思っていますが、HL7FHIRを改修しなければならないのです。こういった国としてやっていこうとするところの改修費用とか、それからランニングコストとか、そういったものは当然国が持つべきだろうと考えますが、なかなか費用の問題は難しい問題があると思いますけれども、いずれにしてもそういう全体的なシステム整備を急いでやっていただきたいなというのが意見でございます。
それから、3文書6情報の中で、先ほどの議題の中に健診のところが保険証オンリーみたいなところが結構あるという話がありましたけれども、これに関しては健診団体協議会というところがあって、私は責任者をやっていますので、こちらのほうで、なるべくマイナンバーカードを利用していただくという話も進めていきたいと思います。
私からは以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
この医療DXの中でも、電子カルテ情報共有サービスがまさに本丸だと思っています。医療情報プラットフォーム全体で、将来的には二次利用を含めて民間のヘルスケアであるとか、あるいは今後の研究開発にも活用できるようなシステムを、いずれにしても早期に普及をさせていっていただきたいと切にお願いを申し上げます。
先ほど佐野委員からもありましたけれども、費用負担につきましては、当面の間は誰がメリットを得るかということははっきりしないと思いますので、完成する段階、メリットがそれぞれの主体で分かる段階に至るまでは、国のほうで御負担いただくことを原則として考えるのがよろしいのではないかなと思います。
先ほどの資料の中で、8ページ辺りにそれぞれの主体ごとの主なメリットは書いてありますけれども、この辺りが実際に動き出した際、どういうメリットがあるのかということをそれぞれに明らかにしながら、費用負担の在り方を改めて考えていくことが必要かなと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、根本参考人、よろしくお願いいたします。
○根本参考人 ありがとうございます。
国民健康保険制度の財政運営の立場から発言をさせていただきます。
今回、電子カルテ情報共有サービスの想定される主なメリットや運用費用の負担について、医療保険者が関係者として明記をされております。前々回の医療保険部会においても、全国医療情報プラットフォームの運営費用に関して意見を申し上げましたけれども、改めて運営費用の全体額や誰がどのくらい負担するのかなど、負担の在り方を早急に示した上で関係者と丁寧に調整し、その納得を得た上で法律に規定することが適切であると考えております。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
電子カルテ情報共有サービスについてですが、この導入に関しては、各医療機関がそれぞれ具体的にどのような作業をするのかということに関しては、その都度、情報を適宜出していっていただく必要があると思います。そういう状況において、特に導入の費用負担に関してはまだまだ明確に示されていない部分もございますし、このシステムは導入を急速に全国的に広めていくことが非常に重要であろうと思いますし、そういう意味においては、中小の医療機関に関して、特に診療所に関して、さらなる支援の検討をお願いしたいということがまず1点でございます。
もう一点、資料の9ページの(4)、努力義務の対象として地域医療支援病院と特定機能病院、ここは努力規定という形が適切であろうと思いますが、その次にその他救急・災害時における医療提供を担う病院等、これは恐らく二次救を担う中小の病院等が対象に入ってくると思いますが、これらの病院に対して、この導入を現状努力義務とはいえ規定するということは、まだ現実的にはなかなか困難な部分もあろうと思いますので、特に中小の場合は受け手の場合も多いですので、例えば情報の閲覧をするということについては努力規定とするということ等、少し検討を加えていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、薬局と医療機関に関しての情報の共有ですが、薬剤の情報というのは、先ほども御説明のときにありましたように、医療機関・薬局双方にとって必要なものであろうということでございますが、薬局から一方通行に送るもの、また、医療機関から一方通行的に送るものではないということでございますので、例えば標準型の電子カルテの機能等も踏まえて、医療DX全体としてその検討を進めていただきたいなと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、木﨑参考人、よろしくお願いします。
○木﨑参考人 ありがとうございます。
国保の立場から言いますと、財政基盤の脆弱な国保保険者を負担者とする場合、過度な財政負担とならないよう、御配慮いただくような検討が要るかと思いますので、よろしくお願いいたしします。
また、全国医療情報プラットフォームには幾つものサービスやシステムが想定されております。これまでのオンライン資格確認等システムに加え、今般の電子カルテ情報サービスに関する提案でありますが、これら以外のサービスやシステムも含めた全国医療情報プラットフォーム全体に対して、保険者もしくは地方公共団体に財政負担が生じるものにつきましては、今後、費用負担の全体像が分かるように、具体的にお示しいただきますようお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
私からは、資料3-1の電子カルテ情報共有サービスについて発言させていただきます。
2ページに示されております電子カルテ情報共有サービスの概要は、医療等情報利活用ワーキンググループでも示されており、3文書6情報の共有の仕組みと理解をしています。今回示された資料は、主に病院におけるモデル事業を行うということで理解をしていますが、歯科においてはどのような仕組みになるのか示されていませんが、歯科においては、口腔の情報、特に自分の歯の歯式というものがありますが、共有できる情報として導入されるかどうかなど、これまでも本会から意見させていただいておりますが、進捗がありましたら早めに共有させていただきたく、お願いを申し上げます。
また、こちらは何度も発言させていただいていますが、歯科診療所は小規模なところが多く、かつ、ベンダーも小規模なところが多い状況で、レセコンを主に使用しています。電子カルテ情報共有サービスの目的は、あくまで電子カルテの情報を共有することにより患者さんに効果的な医療サービスを提供することであり、こうした目的に沿う現行のレセコンでも情報共有可能な小規模歯科診療所も負担なく導入できる仕組みの構築をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。意見を申し上げます。
今回もいろいろなDXの推進について、分かりやすい説明ありがとうございました。また、資料も感謝いたします。
最初の資料3-1、電子カルテ情報共有サービスの1ページ目に書いてあります右側の方の表示、ユースケースのメリット例として4つあって、1つは救急・医療・介護現場の切れ目ない情報共有、2つ目が医療機関・自治体サービスの効率化・負担軽減、3つ目が健康管理、疾病予防、適切な受診等のサポート、4つ目に公衆衛生、医学・産業の振興に関する二次利用とあります。この3にありますけれども、私もついこの間、人間ドックを受けたのですけれども、3の2項目にあるように、自分のデータを自分で確認して生活習慣病を治すとか、健康をよりよく高めていくとか、本当にデータが有効なのです。そういった意味でも、医療データに関するもののユースケース・メリット例にも書いてあるようなことがぜひ進むことを願っています。
そのことはより詳しく8ページ目に書かれていまして、利用する側、患者・被保険者、2つ目に医療機関、そして3つ目に医療保険者と書かれています。ここに分かりやすく整理されているように、こういったこと一つ一つがより加速して具現化できるように、ぜひ関係の皆さんの力を借りながら推進していくことがとても大切だと思っています。
2点目に申し上げたいのは、前にちょっと触れたかもしれませんけれども、デジタルガバナンスの先進事例を調べていくと、その大前提としてよく一般論でも言われているのですけれども、デジタル社会はデータをストックして、それの有効活用が非常に産業界を活性化し、暮らしを高めていく意味でも基本となる資源なのだという言い方がありますが、まさにデータをちゃんとストックして、それを活用するという仕組みをつくっていかないといけないと思っています。つい目の前にある作業を簡素化しようとか、こういうシステムができたらこれを投入してみようとか考えがちです。でも、そういう部分的なものではなくて、オールジャパンとして医療・健康等に関するデータをストックして、有効に活用することが重要です。そこから、例えば疾病をよく分析をするとか、がん登録情報からよりよいがんの対策を考えていくことで、予防策を考えていくなど、そういった分析も片方で可能です。さらに関連して、新しい創薬のことも可能になると思うのです。そういった意味でも、データをよりよくストックして、それを活用するという大きなフレームワークと、それを戦略的にやっていく、計画的にやっていく、そういう視点を持たないといけないと思います。ほかの進んだエストニアなんかの場合は、それを計画的・戦略的にされていると強く感じています。
ぜひこういったところでも負けないように、日本のよさを発揮して、よりよくできるようにしていただきたいと思います。そして、そのことがひいてはここにもメリットとして書いてあるように、利用者の皆さん、そして患者の皆さん、そして医師や薬局や専門の皆さんがよりよく活用していただける、さらには国全体としても安心して健康の維持管理をみんなでできるのだということをぜひ実現してほしいと思っています。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。
では、渡邊委員。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
私からは、「医療機関・薬局間の情報」の共有の部分についてコメントさせていただければと思います。
現在、医療機関と薬局の間では、ほとんどFAX等の紙のやり取りがなされているのが現状なのですけれども、先ほど城守先生からもありましたように、DXを進めていく中では決して一方通行の話ではないと思っておりますので、今後、これらの内容に関しては、電子薬歴、調剤録からどのような項目を抜き出して、どのような様式のどのような文書を作り、それを電子的に渡したら医師側でもどのようにカルテに反映して取り込んでいけるのかということを一緒に話していかなければならないと思っています。
この部分に関しては、両者の項目の整合性であったり、標準化であったりというのが必要になるのですけれども、これらの検討に関しては、先ほど御説明があったように、電子処方箋等検討ワーキングで検討が進められているところですが、資料の最後にありましたように、医療DX全体の進捗状況とも整合性を取りながら検討を進めると書かれておりますように、電子カルテ情報共有サービスであったりプラットフォーム全体での議論という部分の中で、どのような基盤でどのように取り扱うかということに関して、今後有効な方法を検討していく必要があると思いますので、DX全体の中での連携した協議が必要と考えていますので、今後ともどうぞよろしくお願いをしておきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
医療DXを確実に進め、データの利活用促進や業務効率化を図ることは、医療費の適正化に直結する、社会保障における構造改革の大きな柱であります。特に情報共有に向けた取組は、関係者間の信頼醸成の下に、理解を得て力強く進めていただきますよう、お願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 では、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
資料3-1について2点申し上げます。
1点は、スライドの9ページ、医療機関から支払基金等への3文書6情報の提供についてです。この点で、患者同意について、支払基金等への3文書6情報の提供自体は患者同意を不要とするとございますが、患者の希望に応じて、カルテの情報を共有しないような対応策などは検討されているのかということについて、1点お伺いしたいと思います。
2点目は、先ほど佐野委員、井上参考人からもございましたが、運用費用の負担についてでございます。スライド10では、開発費用は国が負担となっておりますが、運用費用は関係者のメリットなどを踏まえ考えることが必要と記載がございます。こちらについて、電子カルテ情報共有サービスの想定メリットは記載をされておりますけれども、あくまでも想定されるということでございまして、実際の効果はどうなるのかとか、それがいつ実現するのかということも分かっておりません。そういった中で、そのコストを患者、被保険者に負担を求めるということについてはいかがなものかと思います。給付と負担の関係性に基づく社会保険の原則からしても、なかなか納得は難しいと考えております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
1点御質問だと思いますけれども、回答のほうをお願いいたします。
○西川企画官 医政局でございます。
9ページの患者同意についての御質問でございました。
ここで申し上げたのは、医療機関から支払基金に提供するときの患者の都度の同意取得を不要にするということであります。一方で、閲覧をされたくないという場合には、同意のところで制御するという形で行いたいと思っております。
村上委員の御指摘は、提供もしたくないという希望についてだと思いますけれども、これにつきましては来年の1月からモデル事業を開始いたしますので、そういった中でそうしたニーズがどれぐらいあるのかとか、またシステム上、実務上どこまで対応可能かといった点も踏まえながら、引き続き検討したいと考えております。
○田辺部会長 村上委員、よろしゅうございますか。
○村上委員 ありがとうございます。
カルテというものは非常に機微な情報でございますので、そういった扱いにつきましては、個人情報保護の観点からも、今おっしゃっていただきましたけれども、慎重な検討をお願いしたいと思います。
○田辺部会長 では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 2点ございまして、1点はコメントで1点は質問です。
9ページにありますように、電子カルテ情報共有サービスについては法律に位置づけるということのようでありますけれども、機微情報でありますので、情報の流出のリスク、メリットとともにリスクというものを常に考えないといけないわけであります。そういった点でのガバナンス、もし想定外の事態が起きたときにどのように対応するのかといった組織体制という点も重要なのではないかと考えております。
2点目の質問のほうなのですけれども、私の資料の読み込みが浅いのかもしれませんが、私の理解では、3文書6情報は本人もそのまま閲覧できると理解しております。もしそういう前提だとすると、情報に関しては医療機関と関係者は第三者への提供ということは制限されるわけですけれども、本人が自らの情報を提供するのはどうなるのだろうかというところが少し気になっているところであります。
閲覧ということですので、見るだけでダウンロードするとかそういうことはできないのかどうか、その辺りもよく分からなかったわけですけれども、何かございましたら教えていただけますでしょうか。
○田辺部会長 では、この点、よろしくお願いいたします。
○西川企画官 医政局でございます。
3文書6情報につきましては、本人もマイナポータルで閲覧することができますが、中でも診療情報提供書につきましては医療機関に直接送られるということであります。
また、6情報の中でも、特に傷病名がそうですけれども、医師の判断で患者にそのまま見せることが適当でない場合には、医師の判断で未告知・未提供フラグを立てることができるようなっていますので、この場合にはマイナポータルでの閲覧はできないという形になります。
ダウンロードにつきましては、今どうするか、システム上もどこまで可能か検討中でございます。
以上です。
○田辺部会長 伊奈川委員、よろしゅうございますか。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
医療DXの運用費用の負担の在り方につきましては、多くの委員からも御指摘がありましたし、私も何度も申し上げておるところですが、電子カルテ情報共有サービスの運用費用負担につきましては、受益に応じた費用負担とすべきと考えております。ぜひ今後議論を深めていただきたいと思っております。
同じくその意味では、今回出ております全国医療情報プラットフォームの普及の運用費用についてということで、ステージが変わる際、また参加者等が増えてくるといった局面においての検討ということも同じコンテクストだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
同様に、資料3-2であります「医療機関・薬局間の情報」の共有・標準化についても、同じ観点で御議論を進めていただければと思っております。
もう一点、資料3-1の8ページに医療保険者のメリットということで整理をされております。特にマルニについてですけれども、先ほど来申し上げておりますけれども、健診等での結果に関する情報共有は非常に重要だと保険者は認識しておりますので、ぜひこの促進もお願いしたいと思っております。
ただ、それに際しまして、実は実際の実務において、健診機関からいただくデータに一定の誤り、誤記があるのです。それを私ども保険者のほうで修正・訂正をして実際に活用すると、こんなプロセスをしておりまして、健診機関サイドでのクオリティーを一定程度高めていただければ大変ありがたいなと。まさにこういったデータがさらに流通するという局面を今後迎えてきますので、健診機関サイドでのデータの質の維持という点についても御高配をいただければと考えております。
それともう一点、最後ですけれども、マルイチに書いてございますより効率的な医療提供体制というメリットですが、やはり我々保険者として見ると医療費適正化という効果を具体的に描いていただけると大変力強く感じるなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見がなければ、本件についてこれまでとしたいと存じます。いただいた御意見を踏まえつつ、今後、医療保険部会においても議論を進めてまいりたいと存じます。
続いて、資料4-1及び資料4-2に関しまして、御説明のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○山田課長 医療介護連携政策課長です。
資料4-1「第四期医療費適正化基本方針の見直しについて」の1ページをお開きください。
昨年6月、医療保険部会で御議論いただいた資料でありますが、第四期医療費適正化計画、2024~29年度に向けた見直しの際、後発医薬品の使用促進に関しまして、黄色く塗っておりますがバイオ後続品の目標設定などを踏まえた新たな数値目標を設定ということになっております。
2ページでありますが、それを踏まえまして本年3月、医療保険部会で御議論いただきました。基本的考え方は3点でございます。
現行の数量ベースの目標は変更しない。主目標といたしまして、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上、これを継続する。
2つ目でありますが、バイオシミラーにつきまして、副次目標を設定して、使用促進を図っていく。
副次目標の①としまして、2029年度末までにバイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上。
3つ目、副次目標の②としまして新たに金額ベースで設定しています後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上であります。
めくっていただきまして3ページでありますが、都道府県ごとにプロットしている資料でございます。
左側でありますが、数量ベースでの使用割合と金額ベースでの使用割合は正の相関関係にあることが分かります。
一方で、数量ベースでの使用割合が80%に達成していても、金額ベースでは最も高い県でも65%に達していません。
右側でございますが、後発医薬品の使用が進んでいる都道府県においても、バイオ後続品の使用割合が相対的に低い都道府県が見られるという状況でございます。
4ページであります。
医療費見込みの推計方法であります。赤字が今回の改正内容でございますが、令和3年度のNDBデータを用いて、後発医薬品のある先発品を全て後発医薬品に置き換えた場合の効果額を推計しまして、この結果を用いて、①の式により数量ベースでの効果額を算定するとともに、②の式により金額ベースでの効果額を算定した上で、いずれか大きいほうの額を後発医薬品の使用促進による効果とするということであります。
推計式のイメージを記載しております。都道府県ごとに推計し、①か②のうちいずれか大きいほうの額を後発医薬品の使用促進による効果といたします。
めくっていただきまして、リフィル処方箋についてであります。
リフィル処方箋につきましては、令和4年度診療報酬改定で導入され、6年度改定の附帯意見において「長期処方やリフィル処方に係る取組について、改定による影響の調査検証を行うとともに、適切な運用や活用策について引き続き検討する」こととされました。
また、本年6月に開催されましたデジタル行財政改革会議におきまして、リフィル処方のKPIの設定と進捗モニタリング・改善に取り組むということになりました。
今回、適正化基本方針にもその旨を追記したいと考えております。赤字が追記事項でありますが、「リフィル処方箋については、保険者、都道府県、医師、薬剤師などの必要な取組を検討し、実施することにより活用を進める必要があると記載されていることを踏まえた上で、今後、具体的な指標の設定を検討し、必要な対応を速やかに行う」、このように追記したいと考えております。
6ページでは、第四期医療費適正化計画を推進するための取組を記載しております。都道府県への支援、国民への働きかけ、データの見える化・実証の推進に関して、具体的な取組を整理しております。
資料4-1は以上でございます。
○水谷課長 続きまして、医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
資料4-2「後発医薬品の使用に係るロードマップの改訂について」、御説明申し上げます。
このロードマップそれ自体は参考資料の2と3につけてございますが、時間の関係もございますので、資料4-2の概要資料をもって御説明申し上げます。
1ページ目でございます。
2013年、平成25年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」というものを改訂いたしました。それに基づいて取組を進めてきたわけでございます。今般、先ほど医療介護連携政策課長から説明があったとおり、今年3月の医療保険部会に御報告をさせていただきました新たな数値目標を踏まえた形で、新しくロードマップを改訂するというものでございます。
ただ、現下、後発医薬品を中心といたしまして、医薬品の供給不安に課題がございます。こうした課題への対応を基本としながら、後発医薬品を適切に使用していく、そうしたための取組として、このロードマップを策定しております。
また、概要の3つ目の○でございます。バイオ後続品につきましては、その特性、開発状況等が、化学合成品である後発医薬品とは大きく異なるということで、今回、ロードマップの別添といたしまして、新しくバイオ後続品の使用に係る取組方針を策定いたしました。
1ページ目は、本文のロードマップのほうの概要でございます。
下の取組施策、(1)安定供給・国民の信頼確保に向けた取組ということで、まず足元、品質確保に係る取組、そして安定供給に係る取組、こうしたことを講じていくことを記載しております。
品質確保につきましては、PMDAと都道府県による高リスク製造所に対する無通告立入検査、全ての後発医薬品企業における徹底した自主点検、それから日本ジェネリック製薬協会を中心としたクオリティーカルチャー醸成に向けた取組、こうしたことを記載しております。
安定供給につきましては、今年の4月から供給不安報告、供給状況報告の仕組みを開始したこと。後発医薬品企業における安定供給に係る情報の公表の仕組みを開始したこと。そのほか供給リスクの継続的な把握・分析のためのマニュアルの作成に今年度取り組んでいること。そして、医薬品の安定供給確保に係るマネジメントシステムの法的枠組みを検討することとしていること。そして、日本ジェネリック製薬協会で安定供給責任者会議を開催するなど、取組を進めていただいていることを記載しております。
右側、(2)新目標の達成に向けた取組でございますが、使用環境の整備、これは新しく副次目標として金額ベースの目標を定めましたので、金額ベースでの薬効分類別等の後発医薬品の置換率情報を提供する。そして、都道府県の協議会、それから都道府県の医療費適正化計画、それから保険者による差額通知、様々な取組によりこうしたことを進めていくことを記載しております。
また、医療保険制度上の事項といたしまして、本年10月から長期収載品につきまして、選定療養の仕組みを導入することなどを記載しております。
一番下のところでございます。※の1つ目でございますが、今後6年間にわたるロードマップということでございますが、その中間、令和8年度末を目途に状況を点検し、必要に応じて目標の在り方を検討するということを記載しております。
2ページ目にお進みいただきまして、このロードマップの別添として整理をいたしましたバイオ後続品の使用促進のための取組方針でございます。
概要の1つ目の○でございます。バイオ後続品は、医療費適正化の観点、そして我が国におけるバイオ産業育成の観点からも使用を促進する必要があるということで、新しく取組方針を整理いたしました。下のほうで取組施策を大きく4つに分けて書いております。
1つ目の普及啓発でございますが、バイオ後続品はがんなど特定領域での使用が中心ということで、特定の使用者を念頭に置いた取組とか、あるいは自己負担額が変わらずに患者にメリットがない、高額療養費制度の対象となる患者さんの場合にはそうしたこともございますので、様々な観点からの周知が必要だということでございます。
バイオ後続品の対象患者、それに関わる医療関係者や保険者をターゲットとした講習会ですとか、バイオ後続品を採用する、しない、それから先行バイオ医薬品から処方の切替えをする、こうしたことを医療関係者に検討していただく際に必要な情報につきまして、市販後データも含めて整理して公表するという取組を来年度から開始したいと思っております。
そのほかバイオ後続品に係る一元的な情報提供サイト、そして保険者インセンティブ制度におきましても、保険者によるバイオ後続品の普及啓発に係る指標の追加を検討したいと考えております。
(2)安定供給体制の確保でございますが、我が国で販売されるバイオ後続品は、海外製の原薬あるいは製剤を使用するケースが多くなってございますので、必要な原薬、製剤の在庫の確保等を行っていきたいと考えております。
(3)使用促進に向けた制度上の対応ということでございます。令和6年度の診療報酬改定におきまして、入院医療につきまして、バイオ後続品使用体制加算を新設していただきました。
このほか2つ目のポツでございます。令和6年10月、今年の10月から長期収載品の選定療養の仕組みが開始されます。先行バイオ医薬品はこの仕組みの対象にはなってございませんが、こうしたことも参考にしながら、保険給付の在り方について検討を行うということ等々を記載しております。
(4)国内バイオ医薬品産業の育成・振興に関する取組ということでございます。バイオ後続品の製造販売企業のうち、原薬の製造を海外で行っている企業が7割以上、製剤化も海外で実施している企業も半数程度占めてございます。バイオ医薬品が製造可能な国内の施設・設備の不足、あるいはバイオ製造人材の確保・育成が課題となっております。
1つ目のポツでございますが、バイオ医薬品の製造に係る研修、これは予算事業で引き続き実施をしてまいりますし、さらに実生産スケールでの研修等の実施を検討する、こうした取組をしてまいります。また、今年度から遺伝子治療製品等の新規バイオモダリティーに関する製造人材研修も実施しております。
こうした取組を通じまして、バイオ後続品の使用促進、そして安定供給を基本とした形で後発医薬品の適切な使用を促進してまいりたいと考えております。
説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
本件は報告事項ではございますけれども、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
後発医薬品の使用促進によって医療費の適正化を図る方向性については、十分理解をしておりますが、製造現場における人件費の上昇、原材料に係る価格高騰や入手困難の拡大、多品目少量生産という構造的問題の上に、薬価の引下げが度重なり、後発医薬品の供給環境は大変厳しい状況が続いております。現に供給停止あるいは出荷調整が発生しておるわけでございます。バイオ医薬品に限らず、原末の海外調達化は大変進んでいるわけでございまして、カントリーリスクということを考えますと非常に不安であると考えざるを得ないと思います。
また、医療費適正化や医療資源の効率的な活用を進める観点から、緊急性や重篤性の高い治療に関わる医薬品の生産を優先あるいは重点化するとともに、軽度な疾病の場合はOTC医薬品など薬局で対応できる形に投薬の誘導がなされるような方向で改革を進めることも必要ではないかと思います。
コロナ禍において鎮咳剤が逼迫したということは記憶に新しいところでございますが、あのときにどうしたかというと、同じ薬効群のOTC医薬品で補わざるを得ませんでした。しかし、それで問題が起きたかというと、そうではないと考えます。そうであるならば、ほかの薬効群であっても、逼迫している場合にOTCでうまく補うということは、そんなに不思議ではないのかなと考えております。そのためにも、国民のヘルスリテラシーや自助の意識を高め、セルフメディケーションの取組が進むような政策をぜひ期待したいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料4-1の5ページにありますリフィル処方箋について1点コメントいたします。
リフィル処方箋は制度導入から2年以上経過しているにもかかわらず、残念なことにほとんど普及しておりません。今回、適正化計画基本方針に追加されたことは、普及に向けた第一歩としては評価するものの、デジタル行財政改革会議において、「リフィル処方のKPIの設定と進捗モニタリング・改善に取り組むべき」と指摘されていることを重く受け止め、具体的な普及のための取組をぜひ加速させていただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
後発医薬品の使用促進に関しては、医療費適正化計画とそれに伴うロードマップの変更という部分にもちろん賛成いたしますが、1点だけ切にお願いをしておきたい部分がございます。何回も言っている部分ではあるのですけれども、長期にわたる後発医薬品を中心とした医薬品の不安定供給の中にあって、これを進めるのは現場にとってはかなり厳しい状況にあるということだけは御理解をいただきたいと思います。
それにプラスアルファなのですが、今まで現場においては金額シェアを考えて代替をしてこなかったので、金額シェアを目標に出てくるということは、それの具体的な施策という部分を併せて御提示いただくことによって対応していきたいと思っています。
バイオシミラーに関しましては、もちろん同一性が担保されているわけではないので、基本的に今までの後発品を考えるような置換というような考え方はなかなかしにくい部分になります。今後新しく使っていく患者さん等々に関して、ドクター等と連携していく中で、バイオシミラーを使っていくということを推進していかなければならないと思いますので、これに関しても併せて今後このような取組に関しては行政と医師、薬剤師等々と施策を図っていく必要があるのではないかと思っています。
これに関しては、安定的な供給というのが大前提というのはもう間違いない部分なのですけれども、現状の使われ方であったり、その内容であったりを分析して、具体的な施策につなげていただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、大杉委員、よろしくお願いいたします。
○大杉委員 ありがとうございます。
第四期医療費適正化基本方針の見直しについては賛同するものですけれども、1ページに後発医薬品に係る新目標が示され、かつ、医療費適正化計画の実効性を高めるための取組が示されており、資料4-2では、後発医薬品の使用に係るロードマップの改訂において、安定供給の確保を基本として、後発薬品を適切に使用していくために様々な対策を立てられており、感謝しているところでありますけれども、マクロにおいては供給が増えてきているのかもしれませんが、取り扱う医薬品が少量少品目となる医療機関が多い歯科医療現場においては、汎用性の抗菌薬、鎮痛剤が手に入らず不足しており、地域歯科医療に影響が出てきておりますので、さらなる対策等を早急にお願いしたいと申し上げます。
一応、現場の状況をお示しさせていただいたというところであります。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
後発医薬品に関しましては、医療費適正化の観点から大変重要で、協会けんぽとしましても大変力を入れてこれまで普及に努めてまいりました。ただ、普及啓発ということに関しましては、やはり関係する方、国、自治体、医療関係者を含めて、皆様の御協力が不可欠であると認識しております。先ほど来御指摘のある供給不足ということもありますけれども、この流れは一層加速していかなければいけないと考えております。
特に今回、資料4-2でも出ておりますけれども、バイオシミラーについてはまだまだ国民の理解が足りていないと思います。また、バイオ医薬品に関しては、高額な商品、また非常にシリアスな治療の現場での話になってしまうことから、なかなかこのメリットを患者の皆様に体感していただくというのが、後発医薬品一般に関してよりも1段、2段難しいと認識しております。したがいまして、ぜひこうした点も踏まえて医療費適正化に向かうような普及啓発活動を国を挙げて考えて、進めていっていただければと考えております。
また、医療費適正化という観点では、第四期の計画の中でもうたわれておりますが、特にフォーミュラリーが有効であると私どもも考えております。非常に難しい面も多々ありますけれども、フォーミュラリーというものを活用して、医療費の適正化を1段進めていただければと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
薬の処方に関しましては、もう皆様方御案内のとおり、通常の処方、そしてリフィル処方、さらには分割調剤、そして長期処方とそれぞれございます。ただし、患者さんには、それぞれの処方がどういう役割をしているのかということの正確な御理解はまだまだであろうと思っておりますので、まずはこの辺りの正確な情報の周知の検討を考えていかれるのがよろしいのではないかなと思いますので、御検討のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
薬の処方に関しましては、もう皆様方御案内のとおり、通常の処方、そしてリフィル処方、さらには分割調剤、そして長期処方とそれぞれございます。ただし、患者さんには、それぞれの処方がどういう役割をしているのかということの正確な御理解はまだまだであろうと思っておりますので、まずはこの辺りの正確な情報の周知の検討を考えていかれるのがよろしいのではないかなと思いますので、御検討のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございますしょう。
では、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
北川委員から今言われましたフォーミュラリー、院内採用の薬というのは無制限に採用するわけではございませんので、それぞれの施設でこういう疾患にはこういう採用している薬がきちんと適用があるといったところをそれぞれの医療機関で考えるといったことは非常に重要なことだろうと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見等がないようでございますので、次に資料5に関する御説明のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
資料5「出産費用の見える化等について」でございます。
1ページおめくりいただきまして、右下1ページ目でございます。
4月の医療保険部会に御報告を申し上げました「出産なび」の進捗状況について御報告を申し上げるというものでございます。
右下1ページ目、御覧のとおり今年の5月に「出産なび」を公開いたしました。
その利用状況でございますけれども、2ページ目でございます。「出産なび」の掲載状況、アクセス状況でございますけれども、左側に分娩取扱施設の掲載状況がございます。2,062ということでございまして、開設時からプラス19、掲載同意割合が98%ということでございまして、関係の団体の皆様、また医療機関の皆様、御協力いただきまして、ほぼ全ての施設において掲載を同意いただいているという状況でございます。
2ページ目、右側は週当たりのページビューの数でございますけれども、開設から3か月間で約174万PVを記録ということでございます。開設3週目以降は大体週平均で約3万3000PV、この程度御覧いただいているという状況でございます。
また、ユーザーの声といたしまして、非常に分かりやすくなってよかったと、こういう趣旨の声を中心にいただいておるところでございますけれども、例えば施設内部などの写真が見たいですとか、あるいはサービス内容や出産費用など比較できる機能を追加してほしい。それから、産前産後の情報といったものも掲載してほしいというお声もいただいているところでございます。
1ページおめくりいただきまして、3ページ目でございます。
「出産なび」の周知広報ということでございまして、ローンチイベントのほか、自治体の皆様、また薬局・ドラッグストア等の御協力もいただきながら周知広報を行っております。また、メディア等も通じた周知広報も行っているところでございます。
右下4ページ目でございますけれども、「出産なび」を通じた見える化のさらなる推進ということでございまして、出産費用の見える化の推進という観点から、年間の分娩件数が21件以上の施設については、「出産なび」での掲載をお願いしているところでございますけれども、21件以上あっても、「出産なび」における出産費用等の情報の公表を行っていない分娩取扱施設、左下にございますとおり今、約44ございます。こういう施設に対して、当該施設に対しては事前の通知を行って、施設による一定の対応期間、こういったものを設けた上で、それでもなお対応のない場合には、妊婦等に対する周知期間を設けた後に、当該施設の出産育児一時金の直接支払制度の利用を停止するということにしてございます。こちら要綱を実際に改正してございますので、こういう形で進めていきたいと考えてございます。
具体的なスケジュール感、右下に掲載をしてございますけれども、今後の対応の流れ・スケジュールということでございまして、既に現在、掲載不同意の施設に対して、事前に通知をしているところでございますけれども、引き続き働きかけ続けまして、今年の11月ぐらいには、それでもなお御協力いただけないという施設に対しては、直接支払制度利用停止の確定通知、また対象予定施設のリストの周知等々を行いながら、我々としても粘り強く掲載を呼びかけた上で、それでもなおということでございましたら、もともと4月の段階では、来年の夏頃という形で御報告を申し上げておりましたけれども、2025年の9月上旬頃に直接支払制度の利用の停止をするという形で進めていきたいと考えてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
本件も報告事項でございますけれども、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
私自身も参加させていただいております妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策に関する検討会でございますが、このヒアリングの中でも、妊産婦並びに関連団体のほうから、見える化についての要望・ニーズは大変多く聞かれた部分でございます。これらに応えるためにも、「出産なび」についてはさらに分かりやすくするなどの質の向上もそうですし、また、内容の充実も含めた形でもって出産費用の見える化のさらなる推進に向けて、しっかりと取組を続けていただきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。
では、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員 ありがとうございます。
出産費用の見える化につきまして、関係者の皆様が精力的に取り組んでいただいているということが分かりました。ありがとうございます。妊婦の皆さん方が適切に医療機関を選択できるように、全ての分娩取扱施設の情報が掲載されるよう、引き続き見える化に取り組んでいただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、よろしくお願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
今回御紹介いただきました「出産なび」でございますけれども、この公開によって妊婦さんの動向がどのように変わるのか、変わったのかという検証もしっかりと優先的に行っていただきたいと思います。
それとともに、この「出産なび」に協力をしない医療機関のペナルティー的な扱いのような形で、協力しない医療機関に関しては、直接支払制度の利用を停止するとされております。しかし、これらの施設の中にも、やむを得ない事情によって協力をできていないという医療機関が、その地域において出産の要になっているという場合もあろうと思いますので、個別にその施設の事情を丁寧に調査するなど、慎重な検討をお願いしたいと思います。
また、直接支払制度というものは、医療機関にとっては収入が保証されるということもございますが、それ以上に妊婦さんにとって出産育児一時金の利用に関する手続等が非常に簡易になるということ、また、出産費用を立て替える必要がないということが大きなメリットになっているわけですから、妊婦さんにマイナスの影響が出ない対応もお願いをしたいと思います。
私のほうからは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、木﨑参考人、よろしくお願いします。
○木﨑参考人 ありがとうございます。
参考資料としまして、たくさんの分析したデータをお示しいただきまして、ありがとうございます。
もう一つお願いですけれども、今後、出産費用の保険適用に関する議論を行う際がありましたら、出産費用に関して分析を行った資料などをお示しいただきますよう、お願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見等がないようでございますので、本日はこれまでとしたいと存じます。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡申し上げます。
本日は、御多忙の折、御参加いただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、散会いたします。