中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和6年度第1回

日時

第1回:令和6年4月23日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第1回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、森山光彦委員、諸井雅男委員
青木茂樹専門委員、河原昌美専門委員、神田善伸専門委員、谷本光音専門委員、古田淳一専門委員、前原健寿専門委員、山口正和専門委員
         
<事務局>
安川薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
市場拡大再算定の要件該当性等について

 

議事

 
エンレスト粒状錠小児用12.5mg、同粒状小児用31.25mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「エンレスト粒状錠小児用12.5mg、同粒状錠小児用31.25mg」です。特に意見を伺う委員は田﨑先生、諸井先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 小児加算については、事務局案も申請者の希望も同じですので、基本的にこちらでよろしいかと考えます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案でいいと思います。
 事務局に確認しておきたいのですが、成人ではこのエンレストは非常に売れていて、市場拡大再算定を受けていたと思うのですが、小児の場合は市場規模が非常に少ないですよね。そのことは小児加算での評価にも含まれているのかもしれませんが、それの影響は受けないということですか。
○事務局
 御指摘いただきましたとおり、成人に用いるエンレストの錠剤につきましては、市場拡大再算定を受けておりますので、既に調整された価格になってございます。本剤につきましては、そちらを類似薬としまして規格間調整で算定しておりますので、価格が調整された後の価格を参照して本剤も算定している形になってございます。
 一方で、小児加算で、小児についての開発というところについては、一定程度評価ができていると考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、よろしいでしょうか。
○□□委員
 成人の場合、すごく薬価が下げられているのですが、小児の場合はまだ非常に少ないので、当初の薬価と比較するのかなとも思ったのですけれども、それを受けた後での発売ということですので、それは算定ルールでは妥当と思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 本剤は特に問題がなさそうですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

オルミエント錠1mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
「オルミエント錠1mg」です。特に意見を伺う委員として齋藤先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 小児加算は、国際共同で何%、何人ぐらいの日本人小児が入っていればいいのかとか、なかなか難しいですけれども、今回は15%ということでございます。
 そのほかは特に大きな問題点はないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、皆様からは特に御意見がないようですが、事務局、よろしいですか。
○事務局
 特に御意見を伺う先生方からも事務局案が適当という事前意見も頂いておりますので、問題はないと思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

レズロック錠200mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「レズロック錠200mg」です。特に意見を伺う委員として下井先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 本邦におきましても、慢性GVHDの治療に対するイブルチニブ、ルキソリチニブのいずれも承認がございますし、それぞれも少数のPhaseⅡ試験で承認されている薬剤ということで、やはり有効性の位置づけというところからしますと、新しい選択肢が入ったと感じております。
 希少疾病であるというところを踏まえても、ほかの治療薬もあるということと、それに対する優越性等が評価されているわけではないなということで、今回はランダム化PhaseⅡですけれども、用法が違うものを2つ比較しているということでありましたので、これらのことからいたしますと、今の有用性加算等の評価に関しては、事務局案が妥当で、申請者はあれもこれもとかなり希望しているのですけれども、そこを評価するだけのものは全然ないなと思いました。
 市場性加算と小児加算に関しましても、ここのところ、市場性加算等は難しかったのですけれども、実際には書かれている内容に納得感がございまして、事務局案に賛同しております。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見はないでしょうか。
 事務局、何かございますか。
○事務局
 特に追加・補足はございません。
○薬価算定組織委員長
 事務局の説明は納得できるものかなと思います。特に反対意見等もないようですので、よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解は適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

トルカプ錠160mg、同錠200mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「トルカプ錠160mg、同錠200mg」です。特に意見を伺う委員としては諸井先生、山口先生にお願いしております。
 下井先生が退室委員となりますので、御退室をお願いいたします。
(下井委員退室)
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 今いろいろお聞きしまして、まず、算定方式ですけれども、資料からは、比較薬がイブランスであるということに私は特に異論はございません。
 これを最類似薬とするという根拠、臨床的な位置づけ、それから、特に投与形態、剤形区分、剤形及び用法から見た類似薬というところを総合的に加味してということで、類似薬があればということでいえば、イブランスというのも最適と判断してよろしいのではないかと思います。
 その上に立ちまして、有用性加算ですけれども、これも事務局案でよろしいかなと思いました。特に③-bの標準的治療法として位置づけられるというところですが、米国ではそういう位置にあるということですけれども、日本ではそこまで至っていない、今後のところかなということをお聞きしましたし、イブランスを類似薬効比較方式で最類似薬としたということを踏まえまして、イブランスにも③-bが含まれていない、取り上げていないということでしたら、現在のところ、③-bがちょっと難しいかなというのは納得できるところではないかと思います。
 あと、③-eなどに関しましても、変異陰性の患者さんも含めた臨床試験の中で、変異陰性集団では、陽性集団と比較して類似していないということが言われた結果のようですので、③-eもちょっと難しいかなと思いました。
 以上のところで、結論的には事務局案で問題はないのかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 論点になっております③-bの判断なのですけれども、先ほどの事務局の説明で納得がいきましたので、特に問題ないと考えております。事務局案が妥当であろうと判断いたします。
○薬価算定組織委員長
 そのほかはいかがでしょうか。
 ③-eは、広く適用を通そうと思ったら、やはり限定的だったというと、加算がつかなくなってしまうかなというところは企業の作戦ミスなのかなという感じもしないでもないのですけれども、よく中身を見ていただいてという感じで、ルール上はこれでよろしいかなと思っております。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ファセンラ皮下注10mgシリンジ
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「ファセンラ皮下注10mgシリンジ」です。特に意見を伺う委員として小方先生、齋藤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席の委員を含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 ファセンラ皮下注30mgシリンジとの規格間調整での算定ということと、あとは、小児加算15%ということで妥当だと思いますので、事務局案でよいと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も小児加算は20%ではなくて15%が妥当という事務局案がいいと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 事務局、特に小児加算の15%というのは非常に微妙な数値なのですが、20%ではないことは何となく分かるのですけれども、10%ではなくて15%というのはなぜなのでしょう。
○事務局
 小児加算をつける上での数字というのは、なかなか評価が難しいのかなと考えてございますが、本剤につきましては、評価できる点といたしまして、やはり小児においては一般に注射は負担であるかと思っております。そんな中で、6歳から11歳の小児を対象に臨床試験を実施してきたことと、小児においては、投与頻度の減少というのは特にプラスに働くかと考えてございます。
 また、ファセンラの小児の規格というのは、米国で既に承認されているところでございますが、日本も大きく遅れずに開発がなされておりまして、承認そのものは日本が一番早かったというところもございましたので、今まで小児加算といえば5%をつけていたところでございますが、上乗せで15%程度はつけてもいいのかなと考えてございます。
 今回の柔軟な運用というのは令和6年4月から始めているところでございまして、事例をこれから積み上げていった上で、このパーセントはさらに精査がなされていくかなと考えてございます。今回の品目については、事務局としては、先ほど申し上げた有用性というところを評価して15%程度かなと考えているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 皆様から何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

アジンマ静注用1500
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「アジンマ静注用1500」です。特に意見を伺う委員としては眞野先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。特にないでしょうか。特になさそうですね。
 米国よりも結構高くなってしまっていますが、ほかの海外薬価はこんなものなのですかね。
○事務局
 残念ながら、現在参照できる価格は米国のAWPのみとなってございまして、通常、薬価算定において参照してございます保険償還リストへの掲載というのはまだなされていないという状況でございます。
○薬価算定組織委員長
 類似薬効比較方式での算定なので値段としては仕方ないのかなと思いますけれども、若干高いかなというところですかね。
 それ以外は特に御意見はないでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

エルレフィオ皮下注44mg、同皮下注76mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「エルレフィオ皮下注44mg、同皮下注76mg」です。特に意見を伺う委員として下井先生、山口先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 ③-bに関しては、単群のPhaseⅡ試験などですと、標準治療に上回ったという形でどちらか1つというような見方はできなかったのですね。なかなかそれをもって標準治療の位置づけを考えるのは困難でしたけれども、これまでも血液疾患のような希少疾病におきましては、そういった評価がなされてきているというところも踏まえまして、アンメットニーズが大きい、ほかの治療ができないというところを踏まえまして、事務局案に賛同と判断いたしました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案が適当と判断いたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、御意見がないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
ビキセオス配合静注用
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「ビキセオス配合静注用」です。特に意見を伺う委員として田﨑先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 原価計算方式での査定と有用性加算については、事務局案でよいと思っています。市場性加算に関しても、それでよろしいと思います。 
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 最類似薬は存在しないということも明らかですし、有用性加算も臨床試験の結果を踏まえて45%というのは妥当だと思いました。
 市場性加算が難しいですけれども、事務局から説明いただきまして、今回の10%というのは従来の数字と比較しても決して低い数字ではないので、妥当なラインかなと判断いたしました。 
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 これは□□先生に聞きたいのですが、今後、現場ではやはりこれが使われるようになるのでしょうか。
○□□委員
 かなり限定された適用になっていまして、治療関連AMLとか、形態異常を伴うAMLとか、ごく一部の患者さんに適用されることになると思います。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ビロイ点滴静注用100mg
日時:令和6年4月23日(火)※企業陳述あり

○薬価算定組織委員長
 「ビロイ点滴静注用100mg」です。特に意見を伺う委員として田﨑先生、森山先生にお願いしております。
 弦間先生と下井先生が退室委員となりますので、御退室をお願いいたします。
(弦間委員、下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局案でいいと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 いい薬だと思うのですけれども、③-eですか、そこはやはり事務局案のとおりで私も妥当だと思います。 
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。企業の意見陳述の後にまた御意見を伺いたいと思います。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思いますので、事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、ビロイ点滴静注用100mgについて、5分以内で説明をお願いいたします。
 なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて委員側から質問をさせていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 本日は、意見陳述の機会を頂きまして、ありがとうございます。
 本剤は、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果とした新規の作用機序を有する医薬品でありまして、日本で世界最初の承認を取得してございます。
 本剤の薬価算定希望内容について、簡単に御説明を申し上げます。
 本剤の薬価算定につきましては、現在、HER2陰性胃がん患者の一次治療に推奨されておりますオプジーボを比較薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)による算定に有用性加算(Ⅰ)40%を希望しているところです。
 本日は、弊社が該当していると考えております3つの補正加算の要件項目に関しまして、本剤の有用性等について、□□□□□□でございます、□□先生より専門医のお立場から御説明いただきたいと思っております。
 それでは、□□先生、よろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
 □□□□□□の□□と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど説明がありましたように、このビロイというお薬は、CLDN18.2という新たな標的の新規作用機序を持った医薬品として世界で初めて承認を得た薬であるということでございます。
 ステージ4、あるいは再発症例の胃がん患者さんの5年生存率というのはまだまだ低く、Median Survivalも15か月ぐらいでして、新たな治療選択肢というのが強く望まれているところでございます。
 HER2陰性患者の一次治療は、今、ケモとニボルマブの併用療法が標準治療となっていますが、PD-L1の発現を見るCPS5というカットオフ未満の患者さんにおいては、アンメットメディカルニーズが非常に高い状況でございます。
 そんな中、ビロイのようなニボルマブとはまた異なる新たな標的を対象とした治療薬というのは、アンメットメディカルニーズを満たすことが期待できる薬ということがいえると思います。
 ビロイが対象疾病に対する標準治療に位置づけられるかという点についてでございます。
 示していますのは、胃がん治療ガイドライン作成委員会で、近々、恐らくビロイの発売と同時にウェブ速報版としてホームページ上で発表されるガイドラインの絵になっておりまして、CLDN18.2陽性でHER2陰性の治癒切除不能進行・再発胃がんに対する一次治療として、ゾルベツキシマブと化学療法という併用療法を推奨するといった内容の速報版を今準備しているところでございます。本剤は、HER2陰性胃がんの一次治療において、ニボルマブと同様、標準治療の選択肢の一つとして位置づけられることになっております。
 次、特定の患者集団に適応が限定され、高い効果が示される点についてでございます。
 HER2陰性胃がん患者さんに対するこれまでの一次治療というのは、CPS等により特に患者集団を限定することなく、実際、ニボルマブが多く用いられていました。本剤のようにコンパニオン診断薬を用いて高い有効性を示すことができる患者集団というのは、手段としてCLDN18.2陽性患者を特定するということ、対象患者を限定するということは、患者さんへの効果の予測を高めるということにおいて非常に価値が高いと考えております。
 ビロイは2つの第Ⅲ相臨床試験、グローバルトライアルが行われまして、いずれも日本人は入っておりますが、OS、PFSの有意な延長が全集団で認められ、特に事前に規定された日本人集団においても、同様の傾向、あるいはよりいい傾向が確認されている点が高く評価できる点でございます。
 このように、これまで明確な標的治療がなかったHER2陰性の胃がん治療に対して、非常に高い効果が期待できる治療選択肢が増えるということは、臨床現場においては大いなる福音だと私どもは考えております。
 私からは以上でございます。
○申請者
 □□先生、どうもありがとうございました。
 以上をもちまして、弊社からの意見陳述を終わらせていただきます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から何か御質問等があれば、お願いいたします。
 □□先生、いかがでしょう。
○□□委員
 ゾルベツキシマブと化学療法について、この薬剤がCPSが5以下の患者群においても有効性を示しているというデータはあるのでしょうか。
○申請者(専門家)
 それは私からお答えさせていただきます。
 5以上、5未満ということは、バイオマーカーの検討においては恐らく調べられているのですが、そのデータは現時点では公表されておらず、CPSによらず、HER2陰性、CLDN陽性に効果が出たということだけが今分かっているところでございます。
○□□委員
 ありがとうございます。
 CPSが5未満の患者さんというのは、割合としてはどれぐらいいるのでしょうか。
○申請者(専門家)
 CPSというのは、今、いろいろな検査会社や院内で測定されておりまして、結構ばらつきがございまして、CPS5以上でいいますと陽性率は4割から6割ぐらい、つまり、陰性率5未満という患者でいくと6割から4割ぐらいという規模で、5未満の患者さんはそこそこいらっしゃいます。CLDN陽性は38%いますので、そこは結構オーバーラップもしていますし、CPS5未満だけが対象ではなくて、5以上であっても、CLDN陽性であればもちろん対象になり得るという点でございます。
○□□委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 事務局、特に何かございませんか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、私からお伺いしたいのですが、CPS5以下のときには、今後はCLDNが陽性であれば、こちらが明らかにファーストラインになるということでガイドラインは出されるということなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 ありがとうございます。
 ガイドラインの記載はHER2陰性であるということが条件ですが、CLDN陽性の場合には、CPSのデータやその他の全身状態に応じて、ゾルベツキシマブを使うのか、ニボルマブ等の免疫チェックポイント阻害薬を使うのかは、各患者さんとの相談の中で決めていただきたいということになっておりまして、多くはゾルベツキシマブが使われる可能性があると私どもは考えておりますが、時に副作用の観点等でニボルマブが選ばれる場合もあろうかと思っております。その判断基準としてCPSというのが一つ参考値としてあるということでございます。
○薬価算定組織委員長
 これは同じような条件というか、どちらでもいいと先生が判断された場合でも、ニボルマブよりもこちらのほうが効果があるのではないかということなのでしょうか。それとも効果は基本的には同等であると考えるべきなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 ありがとうございます。
 直接比較した試験ではないのです。つまり「化学療法+ニボルマブ バーサス 化学療法+ゾルベツキシマブ」という試験はないので、どちらが優れているということは言えないのですけれども、副作用とか効果の度合い、その他で考えていくことになろうかと思っております。ただ、ニボルマブは三次治療でも使えるのと、ゾルベツキシマブは一次治療が基本ですので、恐らくCLDN陽性であればゾルベツキシマブが使われるケースが多くなるだろうと考えております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見もないようですので、それでは、これで企業意見の聴取を終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 確かにCLDN陽性でHER2陰性だったら、多分、標準療法に該当するのかなとは思うのですが、比較した試験がございませんので、そういった意味からは、惜しいけれども、ちょっと当てはまらないかなという意見です。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 確かに作用点はもちろん新しいので、そちらはよろしいかと思うのですけれども、ファーストラインとしてこの治療が確実に優れているというわけではなくて、選択肢の一つとして中に入るということ以上のことは今のところは言えないかなと思いますので、明らかにオプジーボによる治療よりも優れているということがなければ、有用性加算は限られたものになるのかなと思いますし、事務局の見解は適当かなと私は思いますが、いかがでしょうか。
 選択肢の幅が広がるということをどう評価するかというのはなかなか難しいのですが、事務局、特に同等なものが新しく出てきてもプラスになるとは思えないですけれども、基本的にはそういう考え方でよろしいのですよね。
○事務局
 おっしゃっていただいたとおりです。横並びの治療方法がある場合は、あえて加算をつけるという評価はこれまでもしてきていないという認識でございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、御意見はよろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

アキュミン静注
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「アキュミン静注」です。特に意見を伺う委員として下井先生、前原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 本件のデータに対しては、T1強調MRIのところにPETを併用することによって陽性的中率が改善するということで、もともと規定した値の70%よりも有意によいという話でございました。実際、それでどのぐらい切除の可能性が上がるとか、残存腫瘍体積が減るとか、それが最終的に生命予後を改善するとか、そこまでは示されていないということではあるのですけれども、そういうところも踏まえまして、最終的に事務局案の「薬理作用発現のための薬剤の標的分子が既収載品目と異なる」という点に関しての加算というところに関して賛同しております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生。
○□□委員
 こういう悪性の神経膠腫はなかなか治療が難しいのは事実ですし、こういうモダリティーの違うPET検査で切除の精度が高まって、何らかの形で患者の生命予後、あるいは治療の予後に寄与するのではないかということに関しては賛成しています。ですから、事務局案の有用性加算に関しては賛成していますし、また、市場性加算(Ⅱ)には該当しないというのは、これはもうこのままの定義でいいと考えています。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生方から御意見があれば、お願いいたします。
 どうぞ。
○□□委員
 今回の診療報酬の改定におきまして、PET等の検査の診療報酬上の評価が変わって、このように自分の病院の中でPET検査薬をつくれる場合と、外部から購入して検査する場合とで、2つとも算定が可能になりました。その中で、今回、薬剤料が設定されるようになったと認識しています。今後も、今までは技術料の中に包括になっていた検査薬が、改めて薬価が設定される可能性というのはあるのでしょうか。
○事務局
 本剤は、これまで技術料で薬剤費を包括していた分野のお薬になりますが、今後は自身の病院内でつくるというものではなく、いわゆるデリバリーの検査薬に対応する上での今回の改正と承知してございまして、薬剤費と技術料を別個にするパターンも用意したと理解してございます。
 今後、そのような分野が増えてくるということであれば、また診療報酬改定において議論がなされて、最終的には今回と同じような形で使える検査薬というのも出てくると思いますけれども、そこはあくまで今後の議論次第ということになろうかと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、よろしいでしょうか。
○□□委員
 既に技術料に包括されているものについて、企業が薬価をつけてほしいという形で、保険適用が既にされているのに、薬価基準収載希望を出してくるということはないと認識しておいてよろしいですね。
○事務局
 現状、今回の会議で御審議いただきます3種類の品目がございますけれども、これらのみと事務局としては考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


アミヴィット静注
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「アミヴィット静注」です。特に意見を伺う委員として小方先生、幸原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 有用性加算についてなのですが、イの①-bで「アミロイドPETによる脳内アミロイドベータの検出は認知症の診断の重要な位置を占めると判断できる」ということで、これから標準的診断法と位置づけられるという可能性はないのでしょうか。有用性加算がもう少しつくのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 本剤につきましては、最近収載がなされましたレカネマブ、商品名レケンビでございますけれども、そちらの使用に際して、アミロイドベータのPET検査又はCSF検査をして、投与の可否を判断するということで薬事承認が得られております。現在は、合成装置のほうで検査されていて、また、CSF検査もされていると承知してございます。
 そのような形で、治療薬の投与に際して判断する上で重要な指標ということでアミロイドベータというものが確立されているようですので、本剤につきまして、この分野であれば、この検査というのは一定程度の評価ができるのではないかということで、①-bの加算をつけてはどうかという事務局案とさせていただいているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。
 事務局、アミヴィットとビザミルで市場規模が異なるのはどういう理由でしょうか。
○事務局
 市場規模の予測のところでございますけれども、まず、アミヴィットはPDRファーマ、ビザミルは日本メジフィジックスということで、申請者が異なりますので、予測の仕方が異なるところはあるかと思います。
 この予測について、大きな開きがございます理由といたしましては、持っている製造所の数が影響していると考えてございます。本剤は放射性医薬品でございますので、配送する上で距離的な制約はどうしても生じるかと思います。それを前提に考えますと、PDRファーマのアミヴィットのほうは、全国2か所で製造すると聞いてございます。それに対しまして、日本メジフィジックスのほうは、日本全国で7か所の工場を持っているということもございまして、配送できる範囲も日本メジフィジックスのほうがかなり広いと考えてございます。その辺りも加味した上での市場規模予測となってございますので、このような差が生じているものと事務局としては考えております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 加算のこれが標準的かというところですが、確かに我々臨床医にとって、髄液検査をするのは簡単です。髄液検査でも全く同じレベルのことができるのです。髄液検査のほうがずっと安いのです。安く済むのですが、我々神経内科医は慣れていることなのですけれども、恐らく別の診療科の先生はあまり経験がないこともあると思いますから、そういうこともあってPETが標準的になっていると思います。
 ただ、とにかくこれは数が多い。PDRファーマの力や、それから、メジフィジックスも以前から日本全体で使われているものですから、当然、対象患者数はすごく多いはずです。本剤を使うところは限定されるだろうということも確かに予測はできますけれども、ともかくこれは原価計算方式ですから、有用性加算については、10%で私は妥当だと思います。それ以上のものをつける必要はないと考えています。 
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 2品目を比較していただいて、かなり分かりやすくなったかなと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、アミヴィットに関しまして、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ビザミル静注
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「ビザミル静注」です。特に意見を伺う委員としては幸原先生、青木先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 確かにビザミルの市場規模2万人というのは少なめの予想だろうなと思います。実際問題、今、もうレカネマブの使用が始まって、やはり希望者は予想以上に順調に多いのですよね。そういうこともありますから、多くなるのではないかなと思います。
 原価をかなり査定していて、アミヴィットと値段が大体横並びぐらいになっていて、有用性加算も5%で割と妥当な希望だと思いますし、この価格は原価から考えて適正だろうと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、お願いいたします。
○□□委員
 外国価格について、量が違って、値段が違うのですけれども、特に1瓶の値段が10万円以上違うというのは、それも配送するのにかかる時間とかが関係してこのようなことになっているのですか。教えていただければと思います。
○事務局
 大前提といたしまして、PDRファーマのアミヴィットですと、参考としてお示ししている外国価格は米国のRed bookのものになります。また、ビザミルにつきましても、参考という形で米国AWPのものをお示ししてございます。
 薬価算定におきましては、Red bookやAWPは参考としてお示しはしておりますけれども、算定には使わないリストプライスでございます。
その上で、御指摘の外国価格との価格差については、特に米国におきましては、医薬品の価格が高く設定されることが多いと考えてございまして、そこもあっての金額の差かなと考えております。
 また、米国と日本では医療環境や、保険の考え方も異なってまいりますので、単純にこれらの外国価格と日本の算定額を比較できるものではないと考えてございます。
 一方で、この2剤につきましては、かなり開示率も高くなってございますし、原価での計算ということでございますので、メーカーとしては納得できる数字になっているのではないかと事務局としては考えてございます。
○□□委員
 もう一点よろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 アミヴィットとビザミルで有用性加算も10%と5%と違うので、そこも今聞いておいたほうがいいのかなと思いますので、よろしくお願いします。
○事務局
 アミヴィットのほうは、事務局としては①-bと①-dの2つの点に該当すると判断して10%としております。
 一方で、ビザミルのほうは①-bが該当すると考えており、その差である①-dというのは、製造方法等を工夫することによって何か有用性が得られたときに加算するというもので、アミヴィットは、配送の距離に応じて、半減期を考慮し、充塡する放射性医薬品の量を調整する点を評価しています。ビザミルは、固定液量の充塡で、用法・用量を担保するように製造されているので、アミヴィットはそこを可変にすることによる有用性が高いとPMDAも評価していますし、我々もそのように判断させていただいたので、アミヴィットのほうが5%高い加算となっているということになります。
○□□委員
 大変よく分かりました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から何か御意見、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 先ほどからの議論で疑問点は大体解決されたかなと思いますので、よろしいでしょうか。市場規模に関しては何とも言えないですが、現場ではもう少し多そうだということですけれども、今のところのデータでは何人なのでしょうか。
 □□先生、この2つのPET検査薬が収載されると劇的に増えるという感じなのでしょうか。
○□□委員
 レカネマブの適応を考えるときに、PETを受ける前にまずスクリーニングがあるのですけれども、今、マスコミなどもたくさん周知していますよね。そうすると、受ける人が増えてくると、どうしてもPETまで回る人が増えてきますから、もちろん最初はたまっている人たちがたくさんいるわけですから、わっと増えてくるとは思うのですが、数年間が恐らくピークで、それからは下がってくると思うのですが、確かにビザミルの市場規模2万人は少なめの予想だろうなと思います。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特にありませんか。
○事務局
 市場規模の御指摘もございましたが、小さい見積りかもしれませんが、再算定というルールもございますので、そういったところでまた価格を調整していくことになろうかと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ミチーガ皮下注用30mgバイアル
日時:令和6年4月23日(火)

 「ミチーガ皮下注用30mgバイアル」です。特に意見を伺う委員として深山先生、古田先生にお願いしております。
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長 
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局が説明してくださったように、効能・効果が既収載品とちょっと異なるということを考えると、5%で妥当ではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、お願いいたします。
○□□委員
 治験の症例数や、皮疹そのものを治す効果が限定的なので、評価も限定的で、小児加算について事務局案はもちろんいいと思うのですけれども、発疹が治らなかったら意味がないわけではなくて、かゆみで困っている人が多いので、かゆみだけでも治したいという意味で意味合いはあると。それがお子さんでも使えるというのは意味があるので、それで小児加算がこのパーセントだということで、それは賛同いたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 いわゆる皮疹そのものを治すという効果ではなくて、掻痒を抑える薬になるのですかね。少し加算率は限定的な評価にならざるを得ないのかなと思うのですけれども、今、□□先生が言われたように、掻痒を静めるというのも相当な効果であるとも思うのですよね。ですけれども、今回は5%が妥当だということで、事務局、よろしいですか。
○事務局
 御指摘いただきましたとおり、かゆみというのが重要な疾患ということも理解しているところでございますが、この分野におきましては、同じ位置づけのお薬、デュピクセントなどが挙げられると思いますが、小児についてはそれらも既に使えるという現状を踏まえますと、効能・効果が一段劣るような本剤につきまして、小児の適応が追加されたからといって、さらなる加算率というのはなかなか難しいかなと思いますので、5%という案にさせていただいておりますし、御議論を伺っておりますと、その点も御支持いただいていると考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ベイフォータス筋注50mgシリンジ、同筋注100mgシリンジ
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「ベイフォータス筋注50mgシリンジ、同筋注100mgシリンジ」です。特に意見を伺う委員として弦間先生、河原先生にお願いしております。
 事務局は、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局の算定に対して妥当と思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局の算定案は非常にリーズナブルなものであると考えております。シナジスに比べて、1回投与で1年後においても抗体が維持されているので、非常に有用な薬だと考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、お願いいたします。
○□□委員
 1つよろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 本剤は、海外におきましては、例えば、フランスなどは国家で全て買取りをしていると記載されておりまして、それによって薬価が非常に安く算定されております。RSウイルスによる感染症というのは、小児にとっては非常に脅威なものの一つだと思うのですが、現在は使われる患者さんはかなり限られた状態で承認が下りています。
 これが、将来、ワクチン接種の対象者が広がったときに、この金額のままだと、もしかすると、非常に高額なまま移行するというのは、考えなくてはいけないことがあるのではないかと思うのですが、そういう場合は改めて考え直すことになるのでしょうか。
○事務局
 本剤につきましては、既に収載されておりますシナジスとほぼ同じ位置づけかと考えております。御指摘いただきましたとおり、保険診療下においては、ある程度リスクを持っている新生児、乳児、それから、幼児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制という形の適用になってございます。
 一方で、本剤の承認自体は全ての新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防という形になってございます。ただ、保険診療におきましては、予防は療養の給付には当たらないということで、あくまで今回の算定薬価というのは保険診療下で使われる場合の価格と認識してございます。
 シナジスについても同様で、リスクを持っている患児に対して使用した場合にのみ保険上で認められるという形になってございます。
 いわゆる予防の中での価格は別途に設定されるかと思いますので、今回、この会議で算定する薬価がそのまま予防における価格になるというものではないと考えてございます。
 収載しますと、基本的には毎年の薬価改定において価格の見直しは行われますが、あくまで市場実勢価格に合わせた薬価の改定という形になりますし、本剤につきましては有用性加算の対象になってございますので、新創加算によって、毎年の改定を経てもそこまで価格は下がらないのかなと考えてございます。
○□□委員
 分かりました。
 このままの価格ですと、なかなか私費で受けようという方も少ないかなと思うのですけれども、もしかすると、将来的に保険適応というか、法改正がされた場合にはこのままでは厳しいなと思いましたので、意見を述べさせていただきました。1年に1回というのは非常に有用なものだと思っております。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 これは制度上というか、ルールに則って金額がつけられているので、しようがないと思うのですけれども、原価で計算するとかなり安くなっているものなのではないかなという気もいたしますので、その辺はなかなか難しいと思います。
 例えば、パンデミックみたいになってしまったときに、世の中で広く打つ場合には、おそらく、保険とは関係なく国がたくさんワクチンを買い取るなども起こり得るかなということなのでしょうかね。今のところ、そういう制度はなかなかないのですかね。
○□□委員
 そこは私も何とも読み切れないことはあるのですが、シーズンごとにRSウイルスに関する注意というのが臨床現場にはやってきますので、そういうときに不安を覚えるお母さん方が受けたいといったときに、なかなかアクセスしづらい金額だなと感じたものですから、母親の身としては、もう少し安いほうがありがたいだろうなと思ったのですが、おっしゃるとおり、シナジスを比較対象とすると非常に妥当な値段だと思っております。
○薬価算定組織委員長
 事務局、何か御意見はございますか。
○事務局
 薬価の算定という観点ですと、このような方法をとらざるを得ないと考えてございます。
 また、感染症に対する医薬品でございますので、それは流行した時々、その場合の特別な対応ということはあり得るかもしれませんが、今は何とも申し上げるのは難しいと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

オビザー静注用500
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「オビザー静注用500」です。特に意見を伺う委員として森山先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。) 
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 補正等につきましては、事務局案で全く問題ないと思います。
 まず1点目は、ちょっと不思議に思うのは、市場規模予測が5人というのはちょっとどうなのかなという気がしないではないのですけれども、後天性血友病A患者さんで、そんなにいい薬であれば、もっと多いような気がするというのが1つです。
 それと、外国価格よりも高いということなのですが、これはレートが1ドル142円なので、150円になれば同じになるかもしれないのですが、やはり日本のほうがちょっと高いなという感覚を持ちました。それが不思議な点です。コメントです。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 まず、外国価格との比較でございますが、御指摘のとおり、外国の価格に比べて若干高くなってございますが、ここは原価の計算の結果、このようになってございますので、なかなか難しいのかなと。また、大きな価格の開きもございませんので、外国価格調整の対象にもならないというところでございますので、算定のルール上、このぐらいの価格に落ち着くのかなと考えてございます。
 市場規模予測のところでございますが、後天性血友病Aの本邦における患者数の全国調査がなされてございまして、そちらから算出されております。年間の予測症例数としてはおおむね250例程度が存在していますけれども、本剤投与後の血液凝固第Ⅷ因子の活性を適時に測定することで治療効果のモニタリングが必要な製剤でございます。そういうことが可能な医療機関での使用が見込まれるということでございますので、使用される施設もある程度限られるということで、そこも加味した上で、本剤はかなり限定的な投与対象となってございます。
 今申し上げられる情報としては、以上でございます。
○□□委員
 価格については理解できました。
 あと、ピーク時の予測は、幾ら限られた施設で使われるとしても、そこに紹介されればそこで使われるということで、後天性血友病A患者さんの診断が、今後、こういういい薬が出た場合に、啓発されることによって臨床医の知識がさらに増えると考えられると思うのです。なので、5人は少ないのだけれども、数が多くなれば、再算定でやればいいのかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、そのほかはいかがでしょうか。
○事務局
 少し補足でございますけれども、今、市場規模予測のところで御指摘いただいていたところでございます。本剤の全例調査の予定症例数としても、薬事承認の際に登録がなされている規模というところもございまして、基本的にはこちらを使っていくのかなと考えているところでございます。
 市場拡大再算定、価格の見直しについても御指摘を頂いたところでございますが、本剤につきましては、ピーク時予測の人数は少ないのですが、額も少なくなってございますので、恐らく市場拡大再算定の要件のラインである150億円を超えることは、なかなか難しいのかなと考えてございまして、市場拡大再算定での価格調整というのはちょっと見込めないかなという感触でございます。
○薬価算定組織委員長
 そうですね。一方で、1人当たりのお金は、1800万円とか、それぐらいになるので、結構高いですけれどもね。
 よろしいでしょうか。そのほか、特に御意見はないでしょうか。ほかによろしいですかね。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

ピアスカイ注340mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「ピアスカイ注340mg」です。特に意見を伺う委員として眞野先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 まず、最類似薬としてはユルトミリスで問題ないと思います。有用性加算のところなのですが、小児で適応があるということは、現場では非常にありがたい新しい薬剤ということになりますけれども、小児加算のほうで10%ついていますので、③-bについては適応にならないのかなと判断いたしました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 今回、小児加算が10%なのは、企業が10%を希望してきていますから、それ以上つけなくてもいいのかなと思うのですが、事務局、10%ということについて、何か理由はございますでしょうか。
○事務局
 本剤につきましては、小児の用量が成人とも区別なく設定されておりますが、第Ⅲ相臨床試験では日本人症例が含まれていなかったというところもございますので、10%超にはならないのかなという感触でございました。
 一方で、本剤につきましては、薬事承認の審査の中で、小児の日本人症例は含まれていないわけですけれども、一定程度評価はできる、本剤の治療効果は期待できると結論づけられていますので、小児加算の評価自体はできるのかなと考えているところでございます。
 また、本剤は国際共同治験によって開発がなされておりまして、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスといった観点からも、世界同時開発ということについて、一定程度は評価できると考えてございます。この辺りを勘案いたしまして、本剤につきましては、10%とさせていただいたところでございます。
○薬価算定組織委員長
 特に御意見はございませんでしょうか。
 特にないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

シスタドロップス点眼液0.38%
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「シスタドロップス点眼液0.38%」です。特に意見を伺う委員として深山先生、眞野先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
  それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
  事務局案を聞いていますと、一般管理販売費をはじめとして、小児加算も含めて全体として、申請者の希望は過剰かなと思うぐらいのものなので、これは事務局案でよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
○□□委員
 この疾患、ピーク時26人というのはすごく少ない数ですよね。この数というのは割と正確な値なのですか。希少疾患だと思うので、市場性加算のところでも20%、それだけでも主張しているということかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。26人だとすると、ほとんど患者さん自体が分かっているぐらいの感じだと思うのですが。
○事務局
 本疾患につきましては、小児慢性特定疾病ということになってございまして、日本でもかなり特定されているものと考えてございますので、ピーク時26名はある程度正確ではないかと考えてございます。
 年に1名程度増えるのではという予測の下、このピーク時人数は予測されているところでございまして、診療する病院も限られているかなとも考えておりますので、患者については、ほとんどが把握されているのではないかと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 希少疾患の医薬品として指定されて承認された場合、だからといって、例えば、市場性加算が20%になるというルールはないわけですね。10%が標準という。
○事務局
 希少疾病用医薬品に指定されているということが市場性加算(Ⅰ)の要件となってございます。希少疾病用医薬品に指定されているものについては、基本的には最低限10%はつくという形になってございます。
 例えば、開発の状況が欧米から遅れていないかとか、成人、小児の開発の充実なども踏まえて加算ということで、15%、20%というのはあり得るのかなと考えてございますけれども、本品目につきましては、特に市場性加算を20%とする旨の理由は特にメーカーからも主張がなされていないところでもございますので、最低限の10%が基本になると考えております。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。小児加算に関しても、これだけ患者が少ないと組み入れるのもなかなか難しいかなと思いますが、5%になってしまって、結局、市場性加算と小児加算は併加算しないので、市場性加算10%が加算されるということだと思うのですが、企業もこれだけ少ない症例数で物を言うのもなかなか難しいかなという気はするのですけれども、ルール上では事務局案でよろしいかなという気はしますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見もないようですので、よろしいですかね。
○□□委員
 26人ぐらいの規模でせいぜい年4億円でしょう。企業としては、要するに、要請を受けたからつくったという感じもあるのでしょうから、ある程度はつけてあげたほうがいいかなという気はしましたけれども、それだけです。
○薬価算定組織委員長
 海外よりは少し高いのですよね。よろしいでしょうか。そのほか、特に御意見がなければ。よろしいですかね。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

サルグマリン吸入用250μg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 「サルグマリン吸入用250μg」です。特に意見を伺う委員として弦間先生、河原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 これはいわゆる標準治療としては、全肺洗浄という極めて侵襲性の高いものとの比較になります。しかも、本剤は内服ではなくて吸入ということもあって、いろいろな副作用、有害事象についてリスクの低いものであり、極めて侵襲性の高いものとの比較ということで非常に悩ましい。安全性である程度自明と判断される部分はあると思うのは、そもそも片肺ずつしかできないし、1年半後ぐらいには大多数の患者は繰り返し行うような状況があって、かつ、半日から1日人工呼吸管理をしないといけないような低酸素血症にもなります。また、この処置を行う上では、画像上、白い肺の中に感染症があると重篤になるということを考慮しながら、判断しないといけない。
 まず、特に事務局の論点のロのところに3点挙げられているうち、最後の1つは私は妥当だと思うのですけれども、あとの2つの、例えば、全肺洗浄は専門施設という前提の中で行われているので、重症例とか、血液疾患があったりとか、恐らく施行者は感染症を警戒、ケアしながらやっているのですが、これを「ガイドラインに安全と記載されている」としていることに関して、私は違和感があるのです。
 もう一つ、3点目の長期の観点で不十分な部分があるということは本当にそのとおりと思っているのですが、一方で、アナフィラキシーは、全然話が違うと思っていて、また、ハの③-cに関しては、有効性に関しては基本的に私は不十分だと思いますが、安全性については、全肺洗浄は侵襲性が高く入院が必要であるので、安全性は自明だろうと思っています。侵襲性というところも含めて評価できればいいのかなと思っていて、この記述は厳しいなと思っています。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 「ロ 類似薬に比した高い有効性又は安全性」のところの3つ、そのうちの1つ目と2つ目、こちらが御指摘いただいた部分と考えてございます。
 1つ目につきましては、診療ガイドラインにおいて「安全に施行できるものといえる」と記載がなされているものの、それは専門施設で行うことが前提であって、侵襲性の高い処置であることに変わりはないという御指摘。
 それから、2つ目、肺洗浄という処置を行うと、当然に起こり得ることで、これらを理由に加算をつけないというのは乱暴ではないかという御指摘だったと受け止めております。
 書き方を工夫させていただきまして、例えば、診療ガイドライン上では安全に施行できるものとされているが、侵襲性が高いことに変わりはなく、というような形で、ロについて加算を認め、画期性加算70%をつけることも可能かと考えておりました。
 こちらの記載は整えたいと思いますが、加算までつけるのが適切なのかというところも含めて御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょう。
○□□委員
 私もこの3つ目は、全く情報が不十分なので、加算するか、しないかだと、加算してもいいと思うのですけれども、加算しない選択肢もあると思います。侵襲性の在り方で、短期に起こる有害事象についても侵襲性の中に入っているという解釈であれば、③-cで既に評価しているということでもいいかなと思っています。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。それでは、□□先生に御意見を伺いたいのですが、よろしいでしょうか。
○□□委員
 判断が大変難しいところだなと思いながらこの資料を何度も読んでいたのですけれども、読み込んだ後では事務局案が妥当なのかなと私は思いました。ただ、何となく全肺洗浄というのは危険だなというイメージは、この中からは受けました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生、いかがでしょうか。
○事務局
 比較する手技について、安全な施行という観点のみでの判断ということでいいのかどうかという点は、今後の算定にも影響がありうると思っておりまして、今回御指摘いただいているロの②-1bのところで、改めて、侵襲性が高いということも考慮した上で、安全性上有用な薬剤なのだという判断をいただけるのであれば、画期性加算という評価もいただけるものとは思っております。
○薬価算定組織委員長
 現場での御経験はない方がほとんどだと思いますので、画期的なのかという判断が結構難しいのですけれども、いかがでしょうか。皆さん、何か御意見はございますでしょうか。
○□□委員
 結局、画期的というのはやはり効果という意味だと思うのですよね。これは吸入でいいわけですから、侵襲が少ないのは当然ですよね。本剤の効果については、□□先生、実際のところはどうなのですかね。かなり効果がある薬剤なのですか。もしそうだとしたら、本当に画期的だと思いますが。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょう。
○□□委員
 短期的な指標としてやったエンドポイントではしっかり出ていますね。ただ、それが長期的にどうかとかは出ていないのと、今までの肺胞洗浄はそういったデータが出ているという状況と思います。ですけれども、短期的なエンドポイントとしてはしっかり出ているかと思います。
○薬価算定組織委員長
 なるほど。がんのときですと、OS、真の有用性としてよく挙げられますが、こういう悪性疾患ではない場合の真の有用性という評価はなかなか難しいかなと思うのですけれども、最終的に予後を延ばすというか、寿命を延ばすというところまではもちろん今回のものでは出ていないということで、でも、それが真の有用性がないということではないかと思うのですが、□□先生、何かこの辺の評価について、御意見はございますか。
○□□委員
 意見というよりは本当におっしゃるとおりだなと思って、実際に慢性的な病気にかかっていらっしゃる方でありますと、安全性が軽いとか、QOLを維持すること、それこそが真の有用性に直接反映するものだと思いますので、おっしゃるとおりだと思っております。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、改めていかがでしょうか。
○□□委員
 私としては、やはりある程度の有用性と圧倒的な侵襲のなさというところから、お認めいただければと思っています。
○薬価算定組織委員長
 そのほか。
○薬剤管理官
 ロに該当するかどうか、画期性があるかどうかというのは重要なところでございまして、お話を聞く限り、肺洗浄という侵襲性の高い処置を全く行わなくて良くなるわけではないのだけれども、頻度が確実に減るということに関して、侵襲性がかなり抑えられているということのよさというところが結果的には安全性にもつながるということで評価もし得るという観点であれば、今日の先生方の御議論と事務局からの話も含めると、評価するという判断を下してもいいのではないのかと思います。
 加算係数がゼロなので結果的に加算がつかないのは、残念なところではあるのですけれども、物としては、こういった疾患に対して、安全性も含めて治療効果が高まるというところで、イ、ロ、ハを客観的に見ても評価されたということで評価するというのもあっていいのかなと事務局としては考えているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、皆様の意見はいかがでしょうか。ロの高い有効性または安全性ということで、これは②-1bをつけるということですかね。
○事務局
 ロにつきましては、②シリーズは両方つけて掛け算でポイントが加算されることになります。本剤ですと②-1bと②-2bでの評価となりまして、それぞれ1ポイントずつですので、1掛ける1で1ポイントが加算されることになります。
○薬価算定組織委員長
 皆様、いかがでしょうか。その方向性でよろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、よろしいでしょうか。
○事務局
 それでは、議論の方向性といたしましては、ロも加算をするという形で事務局案のほうは修正をさせていただければと思っております。一方で、加算係数0でございますので、算定額へは影響がないというものでございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、御意見がないようでしたら、ロの加算をつけてということにしたいと思いますが、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定案のうち、有用性加算のロの②-1b及び②-2bをつけていただいて、画期性加算ということになるのですけれども、そこを修正していただく。ただし、加算係数は0のために、算定薬価に関してはこのままということになるかと思います。当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思います。
 事務局、それでよろしいでしょうか。
○事務局
 大丈夫です。よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。

イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 用法用量変化再算定候補品目の「イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg」です。
 弦間委員と下井委員が退室委員となりますので、御退室をお願いいたします。
(弦間委員、下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、再算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、本件に対する御意見をお願いいたします。
 10%以上安くなったという感じなのでしょうか。
○事務局
 前回の四半期再算定とNDBデータの時期からややこしくなっておりますが、用法・用量の量を勘案しまして、前回の四半期再算定前薬価から33%程度調整されてございます。現行の薬価からですと11%程度安くなってございます。
○薬価算定組織委員長
 そうなのですね。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。何か質問等がなければ、よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、再算定案のとおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。


ユルトミリスHI点滴静注300mg、同点滴静注1100mg
日時:令和6年4月23日(火)

○薬価算定組織委員長
 市場拡大再算定候補品目の「ユルトミリスHI点滴静注300mg、同点滴静注1100mg」です。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、再算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、本件に対する御意見をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 これは疾患別にいろいろ加算を計算されたのですけれども、これは一番上を1個だけ取るという感じなのでしょうか。幾つもあると、最終的にどれを取るのかというのがよく分からないのですが。
○事務局
 御指摘ありがとうございます。
 補正加算の考え方でございますが、基本的には効能ごとに判断するということで整理をしてございます。ですので、今回、3つから4つの効能がございましたが、それぞれにつきましてAの値をいくつにするかというのを御検討いただき、最終的には補正加算αの値を算出して、全てのαを足し合わせて引下げ幅を緩和するということになってございます。
 1つの効能の中で複数の加算に該当してしまう場合につきましては、真の臨床的有用性というのは併加算が認められておりますけれども、それ以外の加算、例えば、小児加算と希少疾病での加算につきましては、大きいほうを採用するという運用となってございます。
○薬価算定組織委員長
 皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特に御意見がないようです。事務局も特によろしいでしょうか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 資料の事務局の見解は適当ということでよろしいでしょうか。
(「結構です」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、再算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。