2024年3月25日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

日時

令和6年3月25日(月)18:30~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(15名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理 


欠席委員(3名)五十音順

行政機関出席者
  •  城克文(医薬局長)
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  中山智紀(医療機器審査管理課長)
  •  野村由美子(医薬安全対策課長) 他

議事

○医療機器審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、お忙しい中、そして、遅い時間帯に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本会議はウェブ会議形式を併用して開催いたします。
 現時点で、再生医療等製品・生物由来技術部会委員18名のうち、14名の委員に御出席いただいております。1名、宮川委員は別の会議で遅れられているようです。局長、審議官も同じ会議だとのことです。現時点で薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを報告いたします。
 なお、今のところ14名ですけれども、8名の委員の方々にはオンラインから参加いただいているという状況です。
 議事に先立ちまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。
 薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任された委員はおられませんでした。報告させていただきます。
 委員の皆様には、会議の開催の都度、書面で御提出をいただいております。御負担をおかけいたしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
 続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、事務局から説明させていただきます。
○事務局 事務局でございます。
 平成13年の薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2以降の議題については再生医療等製品の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。
 会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。
 また、ウェブにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。
 ウェブ会議で御参加される委員の皆様におかれましては、審議中はマイクをミュート、通信環境等に支障のない限りカメラオンでお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。
 以降の進行につきましては、合田部会長、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、これより議題に入ります。本日は議題1、議題3が報告事項、議題2が審議事項となっております。
 それでは、まず公開案件、議題1「再生医療等製品に係る条件及び期限付承認並びにその後の有効性評価計画策定に関するガイダンス及び次世代再生医療等製品評価指標について」に入ります。
 まず事務局、資料の説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1について事務局より御説明いたします。
 資料1の24分の1ページを御覧ください。
 まず、本ガイダンス及び評価指標の策定の経緯から御説明をさせていただきます。
 平成25年に薬機法にて新たに「再生医療等製品」が分類され、その特性を踏まえた承認制度である再生医療等製品の条件及び期限付承認制度が新設されました。その後、条件及び期限付承認とするか否かについては、法律上に要件が三つ示されてはいるのですが、申請データの内容によって規制当局がケース・バイ・ケースで判断をしてきたというところでございまして、令和3年、内閣府の再生・細胞医療・遺伝子治療開発協議会において、条件及び期限付承認の予見可能性が確保されることが期待されるとの指摘がございました。
 これを受けまして、2ポツ目、本ガイダンスを作成した趣旨でございますが、条件及び期限付承認を得た品目については、製造販売後、期限内に改めて申請をしなければなりません。その際の製造販売後承認条件評価における有効性及び安全性の評価について、合理的かつ実行可能性のある計画が製造販売承認申請時に提示される必要がございます。そのため、条件及び期限付承認制度の対象となる再生医療等製品の開発の可能性を高めるということを目的といたしまして、本制度の適用対象となるものを具体的に例示するとともに、開発における留意事項のほか、条件及び期限付承認制度における製造販売後承認条件評価として実施する製造販売後使用成績調査もしくは製造販売後臨床試験のデザイン計画等について、どのような点に留意をするべきか等に関する基本的な考え方を示すものとして本ガイダンスは策定されました。
 続きまして、本制度の適用の範囲についてでございます。詳細は次のページを御覧いただければと思います。
 3ポツ、適用の範囲でございます。本制度の設立の背景に立ち返ったとき、本制度の適用となるものについては三つ要件を示しております。これらは、繰り返しになりますが、薬機法にも示されているものなのですけれども、よりかみ砕いてこれらの考え方について整理をさせていただきました。
 一つ目、申請に係る再生医療等製品が均質でないことの考え方についてでございます。例1としては細胞加工製品を想定したものでございますけれども、そういったヒトから採取した細胞は均質な細胞集団ではなく、培養や分化等の加工によってもさらに形質が変化し、亜集団が生じるため、均質でない場合もあるということ。また、例2としては遺伝子治療製品を想定したものでございますが、体内で発現する遺伝子を含有するものについては、その発現過程で薬理作用発現物質の発現量が均質でない場合もあるということを挙げております。
 二つ目として、申請に係る効能、効果または性能を有すると推定されるものであることの考え方についてでございます。こちらは、適切な臨床試験データから有効性について評価することが可能であり、申請に係る効能、効果または性能を有すると推定されるものが前提となりますが、一つ目のマルとして本制度の適用を前提とした開発を行う場合と、二つ目のマルとして実施済みの試験から事後に効能、効果また性能を有すると推定されるものを探索的に評価する場合にそれぞれ分けて記載させていただいております。
 まず、趣旨のところでも御説明したとおり、本ガイダンスは本制度の適用対象となる再生医療等製品の開発の可能性を高めるということを目的として策定されたものでございますので、本制度の適用を前提とした開発を行う場合には、申請前に機構の対面助言で治験デザインの適切性を相談することが勧められること、評価の対象となる臨床試験は適切なデザイン及び運用により実施されることが前提であること、有効性評価指標については、基本的には確立した指標で評価する必要があること、事前に定めた仮説により全体集団で有効性の傾向を確認する試験を計画でき、そのために達成基準を統計学的に設定できるかが重要であることをそれぞれ挙げさせていただいております。
 次に、二つ目のマルでございますけれども、実施済みの試験から事後に効能、効果または性能を有すると推定されるものを探索的に評価する場合には、もちろん臨床試験成績のほか、適用となる疾患の希少性・重篤性、十分な効果を有する既存治療法が存在しないことなどを考慮することにはなりますが、自然経過による改善が認められず、リハビリテーションなどのバイアスを排除した上でなお、当該疾患に対し一定程度の臨床的意義がある情報が得られていること、病状の進行が速く、また、致死性の高い疾患を対象としており、投与群において一定程度の臨床的意義のある生存期間の延長が長期にわたって認められること、確立した有効性の指標と相関が期待されるバイオマーカーなどのほかの指標で一定の臨床的意義のある情報が得られていること、外科的手術を伴う場合において、手法確立までの試行錯誤や十分な検討が必要であり、かつ一定程度の臨床的意義のある情報が得られていること、そして、進行性かつ不可逆性の疾患であり、一定以上病状が進行すると既存薬の投与による有効性が期待しづらくなる疾患において、当該製品群の投与群の一部において、当該疾患に対して一定程度の臨床的意義のある情報が得られていることなど、これらについて、こうした背景事情を考慮したとき、有効性が推定されるものと判断するに際し、規制当局側と議論の余地があると考えられるものとして挙げさせていただいております。
 三つ目についてですが、申請に係る効能、効果または性能に比して著しく有害な作用を有することにより、再生医療等製品として使用価値がないと推定されるものではないことの考え方として、適切な臨床試験データから安全性を評価することが可能であり、その結果、上記に該当しないと判断されたものを挙げております。
 また、本制度による承認後の承認条件評価計画の評価において留意すべき事項は、ヒト由来の間葉系幹細胞等を原料とするヒト細胞加工製品の条件及び期限付承認並びにその後の有効性評価計画に関する評価指標から引用させていただいております。
 3ページを御覧ください。
 次世代評価指標作成事業については、医療ニーズが高く実用可能性のある医療機器及び再生医療等製品について、審査時に用いる技術的な評価指標等をあらかじめ作成・公表することにより、製品開発の効率化及び承認審査の迅速化を図ることを目的として、平成17年からこれらの評価指標を検討し、公表しているものでございます。
 当該指標は、申請資料の収集や承認審査の迅速化等の観点から、製品の評価において着目するべき事項を示すものでございまして、技術開発の著しい次世代の医療機器・再生医療等製品を対象として、現時点で考えられる事項について示したものでございます。なお、当該評価指標は法的な基準という位置づけではなく、製品開発の際に参考となる事項をまとめたものとなっております。
 本評価指標の作成の経緯についてでございますけれども、近年、様々な疾患領域において間葉系幹細胞または間葉系間質細胞、いわゆるMSCを原料としたヒト細胞加工製品の開発が進められております。MSCを原料とした製品については、細胞の亜集団から構成される製品として不均質性を有していることから、条件及び期限付承認制度の活用も想定されております。
 こうした背景を踏まえ、次世代評価指標作成事業において、MSCを原料とした製品をベースに条件及び期限付承認を受けた後の製造販売後承認条件評価において留意すべき点を評価指標として取りまとめたものが今回御報告させていただく指標となります。
 なお、MSCを原料とする製品をテーマとしておりますが、本指標の中でヒトMSC加工製品以外の再生医療等製品でも参考になる可能性があると記載していただいておりますので、ほかの再生医療等製品においても参考になる指標として作成されております。
 続きまして、4ページを御覧ください。
 本指標において、大きく分けてヒトMSC加工製品の製造販売承認審査において留意すべき事項と条件及び期限付承認後の承認条件評価計画に基づく評価において留意すべき事項の二つの観点で構成されております。
 まず、ヒトMSC加工製品の製造販売承認審査において留意すべき事項について御説明させていただきます。
 ヒトMSC加工製品の特性として、細胞亜集団であり、ドナー間で差が生じ得ること、MSCは様々な生理活性を有することに言及しております。
 また、実用化の観点から、ヒト細胞加工製品を用いた再生医療等製品にあっては、重篤で生命を脅かす疾患、身体の機能を著しく損なう疾患、QOLを著しく損なう疾患等に罹患し、従来の治療法では救えない患者さんにも適用できる可能性があることから、安全性を確保しつつ、できるだけ早期に患者のアクセスを確保することが重要であるとまとめられております。
 これらのMSC加工製品の特性を踏まえまして、条件及び期限付承認を検討する際の留意事項として、本承認に係る製造販売承認審査までに証明するべき事項の特定、患者にもたらすベネフィットと想定される当該製品投与時のリスクを低減した上で、なお残るリスクとの間のバランスを確認することを留意すべき点として挙げております。
 続いて、条件及び期限付承認後の承認条件評価計画に基づく評価において留意すべきポイントとして、症例数、評価実施施設数、評価パラメータの客観性、症例のランダム化、評価の盲検化、対照群の設定と方向、製造販売後使用成績調査等の選択の妥当性の観点から、それぞれ留意事項が示されております。これらの観点を含めた開発計画の妥当性を明らかにするとともに、有効性のエビデンスの収集が達成できないというリスクに関する管理計画も提示し、条件及び期限付承認の取得前に規制当局と合意しておくことも重要なポイントであると最後に言及させていただいております。
 最後に1ページに戻っていただきまして、5ポツ目、最後にでございます。本ガイダンスの締めくくりの言葉でございますが、本制度の対象として条件及び期限付承認を受けたものについて、期限内に改めて承認申請された後、機構において審査結果に基づき審議会で審議した結果、有効性が確認できないと判断された場合には、承認の継続は認められないということ。本制度の治療を待つ患者に製品を早期に届けるということが本制度を設立した目的であるということも踏まえまして、製造販売承認申請をしようとする再生医療等製品が条件及び期限付承認制度により早期に治療が受けられると期待を寄せている患者の尊厳や信頼を損なうものであってはならないことを改めて明記させていただきました。
 議題1についての御説明は以上でございます。
○合田部会長 説明ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
 ウェブの先生方もよろしいですか。
 では、佐藤陽治先生、お願いします。
○佐藤(陽)委員 国衛研の佐藤陽治です。
 御説明ありがとうございました。
 一つ、用語のことで御検討いただきたいことがあります。前回の部会で議題の一つになっていたヒト細胞加工製品の同等性/同質性のガイドライン案の中では、細胞集団中の細胞間の形質のばらつきにつきましては、「不均質性」ではなくて「不均一性」との用語が用いられておりまして、製品ロット間の品質のばらつきを示す「不均質」や「均質でない」との用語との区別がなされていたと思います。なので、整合性を持たせるためには、資料1のこの二つの文章についても同様の整理が要るかと思います。
 例えば資料の2ページの3の1の例1の赤い字で書かれている「均質な細胞集団」というのは、前回の部会で議題になっていた同等性/同質性ガイドラインの表現と同様にするならば、「均一な細胞集団」です。その後ろのほうに書いてある、同じ行の一番最後、「細胞加工製品は均質でないと考えられる」と、こちらは均質で結構です。この辺の整理は改めて御検討しておいていただいたほうが、文書間の整合性があるのではないかなと思います。
 以上です。
○合田部会長 佐藤先生、細かい指摘をどうもありがとうございます。
 文章をそろえるというのはなかなか意味があることだと思います。ただ、テクニカルに細かく見ていただかなくてはいけないので、今日はこれでお願いするということでよろしいですか。
 では、ほかに御質問、御意見はございますか。
 小牧先生。
○小牧委員 小児科医としてこういう難病の治療法がどんどん出てくることはすごくありがたいのですけれども、最後の尊厳、信頼はまさにそのとおりだと思うのですが、有効性とか早くアクセスできるだけではなくて、この薬が例えば治験の対象から外れている層に投与した場合にどれぐらい意味があるのか。そういったリスクもあり得るので、リスクの負担もありますので、そういうことも踏まえていただけるとありがたいなと。臨床医の立場としては、なかなかこういう治療をやりたいときに、続けたいと言われたときに、止めにくい、止められないということで、そこは本当に患者さんにとってハッピーないいことなのかどうかと一緒に困っている現実もやはりあります。そこも臨床医の立場としてはお伝えさせていただきます。
○合田部会長 ありがとうございます。
 事務局、何かありますか。
 一応最後のところの「5.最後に」というのは、実にそのことを考えて書かれた文章で、安易にいろいろ進めないでくださいねということはしっかり書かれているわけですけれども、現場の先生だとまたそこが一番。
○小牧委員 長期のエビデンスの有効性、安全性がなかなか市販後になると非常に分かりづらくなってくる。なので、続けたいというときにどうしてもこの人には意味ないなと思っていても止めにくい、止められない。根拠がないと私たちも言えないというのが困っているところです。
○合田部会長 この部分は、どこかに文章を加えるということありますか。これは運用上の問題になってしまいますよね。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤(陽)委員 だからこそ、この文章は条件・期限付承認後の製造販売後の調査計画がしっかりしたものでなくてはならず、有効性をきちんと示すことが期待できる計画でなければ承認してはいけないというメッセージになっているのだと思います。
○合田部会長 この話は、具体的にやる際、機構でどういう実験結果を考えられるかとか、そういうのも全部念頭に置いて考えていただくという形ですかね。
 ほかに御意見等はございますか。
 永井先生、お願いします。
○永井(洋)部会長代理 京大の永井です。
 実施済みの試験から事後に承認申請を出す場合の考え方についてです。これまでは基本的に、例外はあるにしても、GCPのデータにのっとって審査されていたと思います。今回ここに改めてあえて取りあげていることは、再生医療安確法とか倫理指針に基づくデータであっても、信頼性がきちんと確保されていれば、審査資料として認めることを積極的に打ち出しているのでしょうか。
○合田部会長 事務局、よろしいですか。
 どうぞ。
○再生医療製品等審査部長 機構からお答えさせていただきます。
 治験か臨床研究か、その区分としては今、このガイダンスを作成している段階ではフィージビリティスタディーも含めた治験ということを想定はしていたのですけれども、ただ、今、臨床研究をGCP準拠でやっているものというのは評価した経験もございます。臨床研究もこういう疾患領域で患者さんも少ないということであれば、信頼性が確保されているということであれば、評価に使えるかどうかしっかり判断して、評価に使っているという状況かと思います。
○合田部会長 永井先生、どうぞ。
○永井(洋)部会長代理 多分、機構に届出をしない時点でGCPではないということになるのですよね。ICHに沿ってはいいのですが、過去にnon-GCPのデータが承認申請の評価資料になったこともあるのでお尋ねしました。
○合田部会長 ウェブでお願いします。
○再生医療製品等審査部長 お答えします。
 評価資料にする場合は、基本的にはGCP準拠というところで、non-GCPであれば参考資料ということで、安全性とか、そういったところは活用しているという状況だと思います。
○合田部会長 ありがとうございます。
 永井先生、何かありますか。
○永井(洋)部会長代理 取りあえず結構です。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに御質問等はございますか。
 ウェブの先生方、よろしいですか。
 特に追加の質問はないようですので、よろしければこれで議題1を終了したいと思います。
○医療機器審査管理課長 それでは、以降の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様は御退席いただきますようお願いいたします。
 準備が整い次第、非公開案件の議題の審議等を開始したいと思います。
 以上です。
――傍聴者退席――

○医療機器審査管理課長 それでは、準備が整ったようなので、部会を再開いたします。
 事務局からまず報告したいと思います。
○事務局 本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。
 資料4「競合品目・競合企業リスト」をお開きください。
 本日の審議事項に関する競合企業として、資料4に示す企業について、委員の皆様から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、薬事分科会審議参加規程第13条より、議決に御参加できない委員はいらっしゃいませんでした。
 以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 以降の進行につきましては、合田部会長、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 今の事務局の説明について御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、これより議題に入ります。議題2、再生医療等製品「アクーゴ脳内移植用注」についての審議に入ります。
 事務局より説明をお願いします。
○事務局 議題につきまして、まず医療機器審査管理課より御説明させていただきます。
 通常、今回のアクーゴ脳内移植用注のように個別製品の審議を行っていただくに際しては、議題として製造販売承認の可否、条件及び期限の要否並びに再審査期間の指定の要否について御審議いただくこととなっておりますが、本議題では本品アクーゴ脳内移植用注についてとしておりまして、これは製造販売承認の可否ではなく、本品に係るこれまでの経緯を御報告した上で、今後の方向性について本部会において一定の御了承をいただくために御審議をお願いしたいと事務局としては考えております。
 資料2-1の2ページを御覧ください。
 初めに、本製品に関するこれまでの経緯を御説明いたします。
 本品アクーゴ脳内移植用注は、平成31年に先駆け指定制度の指定を受けており、また、令和2年に希少疾病用再生医療等製品の指定を受けており、令和4年3月に薬事承認申請がなされたところでございますが、機構における審査中に同社都合による異物管理戦略の検討に端を発した収量確保のための製造方法の見直しが繰り返し行われたことから、承認審査が遅延しておりました。
 その後、一定の収量が見込める製造方法の見直しが図られたものの、後ほど機構からも御説明いただきますが、治験製品と本品との同等性/同質性の確認はなされておりません。
 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
 続きまして、本製品に関する今後の方向性について、本部会で御審議いただきたい点を御説明させていただきます。
 資料2-1の2ページ、後半部分を御覧ください。
 一つ目の論点でございますけれども、本品の品質に関する論点については、製造方法の見直しにより一定の収量の改善は図られたものの、現時点で得られたデータでは、治験製品と本品との同等性/同質性を確認することは困難であると事務局としては考えております。したがって、同社から評価に必要なデータ等が提出され、機構において治験製品と本品との同等性/同質性に関する追加の評価がなされた結果を踏まえ、本部会において改めて本品の承認の可否をお諮りすることとしたいと考えております。
 二つ目の論点でございますけれども、後ほど機構から御説明いただく審査報告書において、臨床に関する論点については、治験製品と本品との同等性/同質性が確認された場合という前提ではあるものの、一定の有効性は期待でき、ベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と。本品の有効性及び安全性に関する情報は現時点では限定的であるものの、本品を臨床現場に提供する意義があるものと評価がなされております。
 なお、治験製品と本品との同等性/同質性が確認された場合、本品については条件及び期限付承認を与えるということが想定されております。
 以上、本品に関するこれまでの経緯を受けた今後の方向性について御説明させていただきました。
 続けて、機構より本品の審査内容について御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、機構より現時点までの審査内容について御説明させていただきます。
 資料については、まずは製品の説明をさせていただきますので、当日配付資料「アクーゴ脳内移植用注」品目概要のファイルを御覧いただければと思います。
 この製品につきましては、左上に書いてあるのですが、健康成人から採取した骨髄液由来の間葉系幹細胞、報告書ではMSCと書いてございますけれども、この細胞にヒトNotch-1細胞内ドメイン遺伝子を一過性に導入したヒト同種由来の脳内移植用細胞懸濁液(SB623)を主構成体とした製品でございまして、細胞懸濁液の調製に用いる専用の調整液や専用の投与機器セットを副構成体とするコンビネーション製品でございます。
 薬理作用としては、製品から分泌されるサイトカインによる内因性神経幹細胞の増殖・分化、血管新生、免疫調節の促進等を介した神経細胞の修復作用が期待されております。
 細胞移植の手技についてですけれども、定位脳手術によりまして、頭蓋骨に穴を1か所開けまして、専用投与機器セットを用いて、この1か所の穴から三つの移植経路を設定しまして、3回針を挿入し細胞液を脳損傷部位周辺に移植するものになります。
 以上が製品の概要でございます。
 続きまして、開発の経緯から御説明させていただきますので、お手元の資料番号2-3の再生医療等製品アクーゴ脳内移植用注についてのファイルを御覧いただければと思います。
 まず、こちらの1017分の6ページを御覧ください。
 こちらの「1.2 開発の経緯」から御説明させていただきます。
 対象疾患は外傷性脳損傷になります。報告書では「TBI」と略して記載させていただいております。この外傷性脳損傷は、交通事故等による頭部への物理的衝撃が原因となって生じ、運動機能障害及び認知障害を引き起こします。根本的な治療法はございませんが、後遺症に対してリハビリテーションが行われています。しかし、受傷後6か月を目安に運動機能障害の度合いは安定しまして、受傷後12か月以上経過するとそれ以上の改善は認められないことが報告されております。
 今般、本品は外傷性脳損傷後の運動機能障害の改善を効能、効果または性能として承認申請が行われました。
 なお、本品は再生医療等製品に係る先駆け審査指定制度の対象品目、また、希少疾病用再生医療等製品に指定されております。
 現時点において、本品はいずれの国及び地域においても承認はされておりません。
 本品の専門協議に御参加いただいた専門委員につきましては、最初の1ページに専門委員リストがございまして、そこにお示ししております5人の先生にお願いしました。
 現時点における審査の概要につきまして、まず最初に、本品の最大の課題である品質に関する内容を、その次に臨床成績に関する内容を御説明させていただきます。
 まず、資料については、1017分の7ページの経緯から御説明させていただきますので、そこを御覧いただければと思います。
 品質に関する最大の課題につきましては、本品の市販において予定している製造方法、以下「市販製法」と呼ばせていただきますが、この市販製法の製造実績が1ロットのみでございまして、市販製法品と治験製品との品質の同等性/同質性が確認されていないことになります。
 申請前の経緯からございますので、御説明させていただきます。お開きいただいている7ページの2行目以降を御覧ください。本品は、先駆け審査指定制度の対象品目でございまして、承認申請に先立ち、先駆け総合評価相談が実施されました。その際、このページ内の黒ポツで記載させていただいておりますとおり、先駆け総合評価相談のGCTPにおいて最終製品の異物混入が確認されたことから、製法の異物管理戦略の構築を求めておりました。しかしながら、対応が不十分なまま本品の承認申請が行われ、一次容器の変更等、製法変更を伴う異物管理戦略の構築が承認申請後になされました。
 承認申請後の対応により、異物混入リスクの一定の低減化は達成されましたが、収量の顕著な減少が連続して発生しました。具体的に言いますと、承認申請前の1回当たりの収量につきましては、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○十分な収量が得られない、うまく作れない状況が続きました。
 収量を含む製造成績の状況につきましては、審査報告書の1017分の13ページの表6に記載させていただいております。表6自体が13ページから始まりまして、14ページの上に書いてある表の最後の部分に収量とございまして、そこに数字が並んでございます。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
 承認申請前と同等の収量を得ることを目的としてプロセス評価を行った結果、承認申請後6回目、一番右端が6回目の製法のデータになるのですけれども、6回目の製法にて承認申請前と同等の収量を得たことから、この製法が市販製法とされました。
 なお、承認申請後の製法の検討経緯の詳細につきましては、審査報告書の1017分の12ページから記載しております。表5です。こちらに詳細を記載しております。それぞれ各承認申請後に作った製造ロットごとにどのような評価を行って、その後、どのような製法の改善を行ったかというところの情報を置かせていただいております。
 市販製法品1ロットの品質特性の確認なのですけれども、治験製品ロットの品質特性の範囲から著しく異なる傾向は認められないものの、現時点で得られている情報は限られておりまして、両製品の同等性/同質性は確認できていないと判断しております。申請者は、製造販売承認を踏まえ、市販製品の出荷開始前までに3ロットの市販製法品を製造し、同等性/同質性の追加評価を行うと説明しておりますが、機構としては同等性/同質性の追加評価結果を踏まえて本品の承認の可否を判断する必要があると考えております。
 続きまして、臨床試験の成績に関して御説明させていただきます。臨床の評価においては、治験製品と市販製法品の間で品質の同等性/同質性を有しているとの前提で検討を進めました。
 まず、有効性について説明いたします。審査報告書の1017分の29ページを御覧ください。
 評価資料として提出された臨床試験は一つのみでございまして、国際共同第II相試験として実施されたTBI-01試験でございます。外傷性脳損傷に起因する慢性期運動機能障害を有する患者を対象に、本品の有効性及び安全性を検討することを目的とした偽手術対照無作為化二重盲検比較試験が実施されました。有効性の主要評価項目は、上肢及び下肢の運動機能を評価するために一般的に使用されているFMMSスコアとされ、本品移植後または偽手術実施後24週目における主要評価項目のベースラインからの変化量の結果につきましては、審査報告書の1017ページ分の31ページの表22にお示ししております。また、変化量の推移につきましては、次のページの図2のとおり、お示ししております。
 試験における主たる比較解析については、各用量群を併合したSB623群と偽手術群の比較とされ、主要評価項目において、偽手術群と比較してSB623群で統計的に有意に高い値であったこと等を踏まえまして、機構は本品の運動麻痺改善に関する一定の有効性は期待できると判断いたしました。ただし、本試験は外傷性脳損傷患者対象の唯一の臨床試験でございまして、現時点で得られている本品の有効性に関する情報は極めて限られていることから、製造販売後も引き続き本品の有効性について評価する必要があると判断いたしました。
 なお、製造販売後の評価計画として、前向きの対照群を設定した製造販売後臨床試験及び本品を使用した全ての患者を対象とした使用成績調査が計画されております。
 安全性につきまして、TBI-01試験におけるSB623群の有害事象について、偽手術群と比較して問題となる事象は認められていないことから、現時点で本品の安全性は許容可能であると判断いたしました。ただし、本品は定位脳手術により脳への局所投与を行う製品でございまして、頭蓋内出血等の手技に伴う合併症を含め、本品の臨床試験で認められた事象については十分な注意が必要であることから、外傷性脳損傷の治療及び定位脳手術に十分な経験及び知識を有する医師が、本品に関する十分な知識を有した上で、術後合併症等に関して十分な設備及び体制の整った施設で使用することが重要であると判断しております。
 以上の審査を踏まえ、機構は、現時点で品質に関する課題が解決しておらず、治験製品と本品との同等性/同質性に関する追加の評価結果を踏まえて、本品の承認の可否を判断する必要があると考えます。
 治験製品と本品の同等性/同質性が確認された場合には、本品目の外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善について一定の有効性は期待でき、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と考えます。本品の有効性、安全性に関する情報は現時点で限定的であるものの、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善に対する治療の選択肢の一つとして本品を臨床現場に提供する意義はあるものと考えます。
 以上、機構より現時点までの審査内容を説明させていただきました。
○合田部会長 ありがとうございました。
 ただいま、事務局から本件についてこれまでの経緯と今後の方向性並びに本品の審査内容について御説明がございました。
 委員の先生方から御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
 小野寺先生、お願いします。
○小野寺委員 成育の小野寺です。
 何点か確認させていただきたいのですけれども、この細胞はNotchの細胞内ドメインをプラスミドで導入して、ネオマイシンでセレクションしているのですよね。確かに一過性に導入していますが、この細胞はNotchを発現し続けますよね。ここはいかがですか。
○合田部会長 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答させていただきます。
 御理解のとおり、プラスミドでNotchの細胞内ドメインを発現させて、○○○○○○○でセレクションを行っているのですけれども、そのNotch-1によるシグナルが入った細胞が増えることによって最終製品になっていくというところで、Notch-1は一過性に発現させているという製品になります。
○小野寺委員 いいえ。Notch-1遺伝子は○○○○○○○による薬剤選択を行っていますからゲノムに導入されていると思います。プラスミドの挿入解析は行っていますか。これはプラスミドを導入し、ネオマイシンで選択しているわけですから、通常はゲノムに入り込むはずです。つまり、この間質性幹細胞は、Notch-1を安定して発現していると思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
 インテグレーションに関する評価は提出されておりませんので、申請者に確認させていただきたいと思います。
○小野寺委員 これは非常に重要な点で、通常、一過性と言った場合、発現がトランジェント(一過性)であり、プラスミドやmRNAで導入した場合、その発現が時間とともに無くなる場合を指します。今回の場合、Notch-1の発現が無くなるのではなく、この細胞が生存している限りはNotch-1の発現があるわけです。この細胞を脳内に投与した場合、生存期間はどの程度ありますか。
○医薬品医療機器総合機構 動態に関する資料においては、1か月までには本品は消失するということが確認されております。
○小野寺委員 それはマウスの実験ですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。あと、カニクイザルと。
○小野寺委員 つまり、1か月の間、Notchを発現している細胞が生体内に存在することになるので、造腫瘍性は確認する必要はあると思います。造腫瘍性は見ていますか。
○医薬品医療機器総合機構 造腫瘍性についても評価しておりますが、少々お待ちください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えさせていただきます。
 造腫瘍性の評価に関しましては、資料の1017分の27ページに記載されております。評価としては、細胞遺伝学的解析、軟寒天コロニー形成試験を実施しており、造腫瘍性を示唆する所見は認められなかったという判断をしております。一般毒性試験における9か月の観察を含む造腫瘍性評価においても、造腫瘍性はないという判断を行っております。
 以上でございます。
○小野寺委員 了解しました。ただ、この点は極めて気を付けるべきだと思います。個人的には一過性という書き方はすごくまずいと思っています。今回の場合は、プラスミドを導入後、ネオマイシンの薬剤選択を行っていますのでStable Expressionであり、その細胞が生体内で腫瘍化する可能性は十分考えられます。そのため、ここは造腫瘍性試験を含め患者説明書に記載するべきであると考えます。それが1点目です。
 次の質問として、記載されている異物とは何ですか。
○医薬品医療機器総合機構 異物は培養の資材等から含まれる繊維などが確認されております。
○小野寺委員 資材ということは、何かが漏れ出たということですか。あるいは、溶け出したということですか。
○医薬品医療機器総合機構 プレートとか、あと、バックから混入してくるものです。
○小野寺委員 それを今回の製造工程に変更したら減少したということですか。
○医薬品医療機器総合機構 異物が認められた資材に関して、代替できるものに関しては別の製品を使ったり、異物管理戦略が構築されて低減化が認められております。
○小野寺委員 今回の治験は最初の製品と製造変更後の製品の2種類で行っているということですか。たしか46人から出ていますよね。
○医薬品医療機器総合機構 治験は製法変更前のもので行っております。
○小野寺委員 そうであれば、製造変更後の製品に関してはいまだ臨床では使用されていないということですか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりです。
○小野寺委員 そうであれば、どのように同等性を確認して行く予定ですか。
○医薬品医療機器総合機構 同等性の評価計画に関しては、品質特性を比較していただいて同等性の評価を行う予定になっております。
○小野寺委員 品質特性での評価はin vitroの試験で行うということですか。非臨床でのin vivoの試験は実施しないということですか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりです。in vitroの試験まで、品質の工程内管理試験や規格試験、それから、そのほかのin vitroの評価を行う予定です。
○小野寺委員 話は戻りますが、異物があった状態で治験をやっていたということですか。
○医薬品医療機器総合機構 治験製品から今の市販製法の製造所に移管した後に異物が出てくることが確認されておりますので、治験製品で異物が出てきたかどうかというところは説明されていないです。製造所を変えた後に異物が確認されているという状況です。
○小野寺委員 私はこの千何ページを全部読んでいないので分からないのですけれども、やはりこれは結構、重要な点だと思っています。今、言われたように同等性/同質性をどう見ていくかというのも極めて重要だと思いますし、製造変更後の特性解析は何をもって同じにするかとか、品質だけで本当にいいのか、有効性に関してはどのように考えるのか等、そこをもう少し説明していただけると助かるのですけれども。
○合田部会長 機構、何かありますか。よろしいですか。
 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。
 小野寺先生がおっしゃっているのは、同質性の評価の仕方でよろしいですか。
○小野寺委員 今回であれば異物があった状態で治験が行われた訳ですし、何をもって安全性、有効性に関し、治験で使用された製品と今回製造変更した製品が同じかということを評価する方法ですね。
○医薬品医療機器総合機構 まず、異物に関してはもう一度御説明しますと、治験で使っていた製法というのは、製法Bダッシュという大分前のもので、その後、製造所を変更して申請製法となった。その段階で異物があるということが分かったので、正確に言うと、治験製品でどれぐらい異物があったかというのは分からないのです。申請製法で異物があったので対応してもらったというところです。対応して異物を低減化するということをやってもらったというのがまず一つです。
 同等性に関しましては、セルセラピーですけれども、バイオ医薬品と同じような考え方で、まずは品質特性が一致しているかどうか。一致していなければ非臨床、臨床という形でデータを積み上げていって、総じて同等か同質かというところを判断するというところですが、セルセラピー、臨床もしくは非臨床で同等性/同質性を評価するというのは、かなり難しい評価系を構築しないといけないかなと。それも症例数が多分かさむということで、恐らく皆様、一般的には品質が製造を繰り返して同じものを作り上げていくというところに持っていかれるのかなと思いますので、まずは今固まった市販製法というところで何ロットかデータを取って、これまで治験製品で取られていた品質特性と、その範囲内に市販製法品が入っているかどうかというところを品質特性でまずは見ようというのが今の計画になっております。
○小野寺委員 分かりました。
 さっき言われたロット数は重要だと思っています。通常は最低3ロットを作って、それで同等性を見ないと分からないと思いますが、今回はまだ1ロットしかなく、それも今後も本当にできるかという不安はあります。ここは慎重にやっていただければと思いました。
 以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。
 それでは、荒戸先生、よろしいですか。
○荒戸委員 1点確認させていただきたく思います。
 この製品、たしか治験には米国とかウクライナとかが入っていたと思うのですが、まだほかの国で承認されていないようなのですけれども、その原因の一つとして、やはり同じように製造所移管がうまくいかなくて、最終的な市販製剤の製造が1ロットしかできていない、同等性が示されていないといったことがあるのか、あるいはほかにも問題点があるのか、ほかの国での開発なり審査の状況が分かれば教えていただきたく思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
 本品はほかの国での承認申請はまだされておらず、先駆けでもございまして、日本で最初に承認申請がされている品目でございます。
○合田部会長 ありがとうございます。
 荒戸先生、よろしいですか。
○荒戸委員 そうすると、問題点の議論は海外で行われていないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりでございます。
○荒戸委員 分かりました。
○合田部会長 ほかに御質問等はございますか。
 小牧先生。
○小牧委員 小牧です。
 臨床試験のところでよろしいでしょうか。特に図2のところの解釈の仕方に関係するのですけれども、48週間のコントロール群との比較試験で、24週間をプライマリーと置かれたということでよろしいですよね。48週ではなくて24週に置かれた背景とか理由というのは何かあるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。お答えさせていただきます。
 このTBI-01試験については、外傷性脳損傷患者に対し本品を使用する最初の治験でございました。それで、この主要評価項目の評価のタイミングにつきましては、先立って実施されておりましたほかの対象疾患の患者、慢性期の脳梗塞患者を対象とした別の治験においてFMMSスコアの変化量が移植から6か月後以降は横ばいとなったという情報がありましたので、その情報等を基にこの治験のデザインがされたという経緯があります。対象疾患は異なりますが、ほかに情報がなかったことや、ダメージを受けた神経細胞という意味では同様と考えて、24週に設定したと申請者から説明をもらっております。
 以上でございます。
○小牧委員 先ほど非臨床では1か月ぐらいで細胞が消失するとか、あと、このデータを見ていると上げ止まって下がる可能性もある。あと、これは読み方が難しいなと思ったのですけれども、コントロールも今この疾患は12か月以上が臨床的改善は期待できないとおっしゃっておられるのですけれども、このスコアは微増しているように見えて、そうすると、この患者層だと24週で意味があっても48週が意味がないと、それはぬか喜びになってしまうのではないかなと。この製品の特性を考えると、初期は効果があったとしても、ある程度永続性というか、1年で微妙になってくるというのは、ベネフィットというのはどれがあるのかなというのは非常に疑問に思いました。
 あと、確認ですけれども、FMMSスコアというのは海外のデータも含めてMCIDは存在しないのですね。この臨床的最小変化量というのは、そういったデータはないと書いてあったと思うのです。確認ですけれども、これはどこを探してもないということなのですね。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおり、ございません。
○小牧委員 そうすると、この48週で40のコントロールの変化はどう解釈すればいいのか分からなかったのですが。
○医薬品医療機器総合機構 まず、麻痺につきまして評価する指標として、このFMMSスコアというのが国内外で一般的に使用されているスコアで、この試験でも採用されているのですけれども、この差の意味という部分なのですけれども、様々な動作ごとに点数がついていまして、各動作について0点から2点で評価する指標ですので、全く手首が動かなければ0点で、ちょっとでも動くようになれば2点というところで、複数の動作においてできることが可能になりというようなところの差をこのデータは示しているのかなと判断して、一定の有効性を判断しているところでございます。
 あと、先生から御指摘のあった48週の部分についても、確かに我々としてもここの部分は今後も注視が重要と考えておりまして、そこの部分については製造販売後臨床試験の計画において、長期といいますか移植後48週の有効性のデータを含めて、引き続き収集、評価する計画が提示されておりまして、ここの有効性の持続については引き続き検討が必要と考えてございます。
○小牧委員 分かりました。
○合田部会長 ほかに御質問等はございますか。
 永井先生、お願いします。
○永井(洋)部会長代理 京大の永井です。
 今、市販後のことが話題になったので、少しだけコメントさせてもらいます。
 最初のガイドラインの議論のときにもありましたように、これは市販後にきちんと決着をつけなければなりません。その意味で、審査報告書の55ページに書かれている市販後の臨床試験計画は、もう少し詰めないといけないと思いました。非盲検でやるのは仕方ないとしても、先ほどコントロール群でもじわじわよくなっているのではないかという議論がありましたが、実際、リハビリをやっていますから少しずつはよくなってくるわけです。
 そういうことを考えると、例えば若い人だったらよりよくなる、あるいは重症度が低い人だったらよりよくなる、高次脳機能が障害されていない人のほうがよりよくなるなど、このようなオープンラベルの場合には、それらを層別因子おしてきちんとコントロールしておかないと、雑音だらけになってしまうのです。これを詰めていく段階で、その点を御検討いただきたいと思います。
 あと、評価者盲検ということですが、ここも結構リスキーなところがあります。確かに評価者が完全に盲検になっていればいいのですが、これはフェイス・トゥ・フェイスで評価するものであり、そこで、おかげさまで注射を打ってくれたのでよくなりましたとか一言言われたら終わりなのです。なので、その辺のプロセス、手順をしっかりと作り込む必要があると拝見しました。
 以上、コメントです。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。
 事務局、ありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。いただいた御意見を踏まえて、もし今後、品質のデータが出て、先の話にはなりますけれども、適切な時期に開発者と検討させていただいて、対応させていただければと思います。ありがとうございました。
○合田部会長 ありがとうございます。
 それでは、永井宏和先生、よろしくお願いします。
○永井(宏)委員 名古屋医療センターの永井です。
 先ほどの荒戸先生の質問と似ているのですが、海外ではまだ承認申請はされていないということですが、その後の動きはありますか。慢性脳梗塞対象の開発経緯は分かりますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。
 まず、先行して進められていた脳梗塞対象の試験については、フェーズIII試験を主要評価項目でミートせずに失敗したという経緯がありました。なので、そこの開発については、まだ企業はどうするかというところがある。そういう状況はございますが、ほかの国の開発とかそういう部分については、我々のほうは承知していない状況でございます。
○永井(宏)委員 企業のほうからもそういう説明はないのですか。
○再生医療製品等審査部長 機構からお答えします。
 海外は全て閉じてしまって、日本に来ています。このTBIに関しましても、条件、期限付承認もあるということと先駆け指定がなされたというところで、日本の市場での開発というところに集約してきたという背景です。ほかの疾患というのは、今、脳梗塞だけですが、先ほど御説明したように治験の結果としては失敗しているというところで、開発はペンディングと認識しております。
○永井(宏)委員 ありがとうございます。
 FMMSですが、6点ぐらい回復していますが、専門委員の先生方は、6点の回復というのは臨床的に有用であると判断されているということでよろしかったですか。。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおり、専門協議の議論の結果としてはそのような機構の有効性があるというところの判断について御賛同いただいておりまして、特にこれが全然効いていないとか、そういうような御意見は特にございませんでした。
○永井(宏)委員 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 あと、申し訳ございません。1点修正をさせていただきたいと思います。先ほど私のほうから脳梗塞のフェーズIIIというところの試験でフェールしたという御説明をさせていただいたのですけれども、そこは訂正させていただいて、フェーズIIbでございまして、本品の審査報告書の1017分の36ページに記載させていただいております試験のことでございますので、おわびと訂正の連絡をさせていただきます。
 以上でございます。
○合田部会長 ありがとうございます。
 それでは、今、荒戸先生が手を挙げていらっしゃいますけれども、追加はありますか。お願いします。
○荒戸委員 1点、別の点について確認させていただきたく思います。
 先ほど来、議論になっている図2のスコアの変化量なのですけれども、本製品群の下限値とコントロール群の下限値はそんなに変わらなくて、一方で、上限値がむしろ投与群でぐっと上がっているように見えるのですけれども、そうすると、これはもしかして今回の投与対象の中からより効果のある集団というのがあるのかなと思ったのですが、審査の段階ではその辺りはどのようにお考えになったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。
 審査の中で特定の患者に効いているというところの話は説明を受けておりませんで、やはり少し症例数に限界があるというところから、まだそこまでの解析結果で結論を出すのはなかなか難しい状況というところで我々は今のところは考えております。
○合田部会長 ありがとうございます。
 荒戸先生、n数を見てもなかなか議論がしにくいところかなとは思いますけれども、よろしいですか。
○荒戸委員 今のところ、支障はないかなと思いますが、万一継続して開発することになったら、その辺も確認だけはしていただければと思います。
○合田部会長 では、宮川先生、お願いします。
○宮川委員 今の議論に関連していることなのですけれども、ダメージされたエリア、大きさというものはどのようにこれに関係しているのか。今言ったように、ベースラインがほとんど同じで、変化量のところですごく上のほうが振れてくる。ダメージしたサイズがある程度小さくて、その部分が包括されるように注入されるということになれば、より効きやすくなることは想定されるわけですけれども、サイズというのがきちんとこの試験の中に入って比較されているのかどうか。これで見ると、そういうふうに少し読めるわけですよね。同じベースというか下限値が同じで、上振れしているところがどんどん変化してくるわけですよね。そうすると、半年でほぼ固定されるというところに近づいてくる。そこから1年進むとほとんど変わらないというところになるということで、収束されてしまうのかどうかということは非常に危惧されるのです。サイズの問題ですけれども、それに対して見解はどうでしょうか。
○合田部会長 事務局、お願いします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 そこの損傷のサイズの部分については、今回のこの試験の中ではデータはとらえておりませんで、そこの先生の御指摘の部分の検討はなかなかできない状況でございますが、今後、今計画されている市販後情報とか、どこの形で情報を収集して検討できるかというのは検討させていただければと思います。
○宮川委員 分かりました。
 しかしながら、そういうふうな形で市販後の情報収集をするにしても、例数が上がってこないので、情報として取れるものが少なければ比較にならないですよね。だから、これはみんな推定するしかないという形になっていくのだろうと思うのです。そういう確証がないものに対して、市販後も含めてだけれども、私たちがそういう市販後の結果を課するというか、委託するというわけではないのですけれども、委託するということが本当に正しいのかどうかということはどのように考えなければいけないのでしょうか。それは、私は非常に危ういとしか考えられないと思います。
○合田部会長 治療法が今のところない疾患ですから、それも考慮してこういうシステムで審査をしているという形だろうとは思いますけれども、事務局、ありますか。機構もいいですか。
 ほかに御質問等はございますか。
 小牧先生。
○小牧委員 質問なのですけれども、この薬剤というのは反復投与はありでよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 この薬剤について反復投与は想定していない製品でございまして、一度の手術での投与。
○小牧委員 例えば今の製品安定しなかったのではないですかとか、クオリティーが悪いからうまくいかなかったのだとか、あと、場所の問題だとかが患者さん方から主張された場合に、そういうときも基本的にはこれは反復投与の可能性はないということなのですか。
○医薬品医療機器総合機構 そのようなことが起きないように、事前に使用者につきましてはきちんとした教育の部分、更新も含めて適切に使用されることができるような体制を、市販後、もしこれが承認されて実際の現場で使われる場合には、この部分が重要と考えておりますので、まずはそこのところに注視して対応を検討させていただくことを考えております。
○小牧委員 多分、中途障害でほかに治療法がないとなると、やはりそういうことを強く要求される方は当然出てくると思うのですよね。だから、そこで現場が混乱してしまわないように、やはりうまく想定しておく必要はあるのかなと感じています。
○合田部会長 ほかに御質問等はございますか。
 中岡先生。
○中岡委員 今、データを見ていて気になった部分があるのですけれども、主要評価項目は確かに有意差が出ているような形で今議論はされていて、その後の表23以降のデータで副次効果のほうを見ていると、あまりそちらのほうはいい成績が出ていないような数値になっているような気がしたのですが、ここに関しての見解というか、ここから何か見出せる判断とかというのはございましたでしょうか。これを見ていると、わざわざ分類されていますよね。副次効果のところは上肢障害、下肢障害を有する者に分けていろいろなスコアを出されているのですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
 副次評価項目を含めた有効性の検討結果につきましては、報告書の39ページ以降に記載させていただいておりまして、対照群と比較してすごく明確な差ではないものの、それなりに有効性が示唆する傾向は認められたというところで判断はしております。
○中岡委員 先ほども永井先生から御指摘あったように、多分患者背景とかも踏まえていろいろ解析していかないと、ここら辺のことは本当に分からないし、あと、宮川先生も言われていたとおり、損傷のエリアとかの相関とかそういうのは見たほうがいいのかなという印象がありました。そういう意味では結構大変だとは思うのですけれども、やはり有用性がありそうだというのであれば、どういう患者さんに明確に有効性があるかというところの条件を洗い出すような感じで考察するのが結構大事なのかなと思いましたので、そこら辺も、実際は多分この後になるのでしょうけれども、またいろいろと検討していただければいいかなと思います。
 以上です。
○合田部会長 ありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。いただいた御指摘を踏まえて検討させていただきます。
○合田部会長 井関先生、どうぞ。
○井関委員 1点確認させてください。先ほどの海外の第IIb層試験で結局駄目になってしまったということでしたけれども、これは慢性の脳梗塞ということですよね。そして、外傷性の場合、あまり時間がたってしまうと効果がないとのことでした。先ほどの小牧委員のいわゆる反復投与はないのかについてですが、慢性期のときにもいわゆる反復投与、繰り返しの投与はなかった。変な話、それで効かなかったからという、当然、脳梗塞と外傷は回復する過程というのは同じではないと思うのですけれども、そうすると、効き始めたら効いている間にもう一回入れてあげるというのは本当はありなのかなとは思いました。一方、慢性になって効かないとなったとき、反復投与することは一切考えずに、何で1回の投与なのですか。先ほど話題となった腫瘍試験とか造腫瘍試験を考えると腫瘍化する可能性もあるにしても、細胞は1か月でなくなってしまうわけですよね。そう考えたときに、もう一度入れてあげるということはやはり考えられるとは思うのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。
 今回実施された試験の用法の設定としては、ワンショットの1回の移植での設定というところで、そのデータでもっての現時点の機構の評価を御説明させていただいているところで、そこの2回投与はどうかというのは当然検討の余地はあるとは思うのですけれども、そこはなかなか実際にそういう試験が行われていないのでデータがないところで、我々としてはそちらのほうがいいとか悪いとかと言うだけの情報は持っていない状況でございます。
○井関委員 ありがとうございます。
○合田部会長 ほかに御質問等はございますか。
 永井宏和先生、お願いします。
○永井(宏)委員 名古屋医療センターの永井です。
 頂いた資料の中で、小児とか高齢者についてもディスカッションがあるようなのですが、何か方向性とかはあるのでしょうか。「小児は患者さんが対象となっていないので検討されるべきである」、「高齢者も対象になっていないので考えるべきである」という記載はありました。一番長期の方でも例えば脳腫瘍はできていないとか、そういうようなデータはありましたでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。
 まず小児についてなのですけれども、現時点では小児患者を対象とした臨床試験はございませんので、原則成人が対象となる製品であると考えております。一方で、小児においても外傷性脳損傷に起因する慢性期の麻痺の治療選択肢が限られているというのは変わりはございませんで、小児においても成人と同様の体格で同じ移植手技、定位脳手術が可能な場合があるというところで、ここの小児の情報については、もし仮に今後承認されて使用された場合には、適切に市販後に情報を収集するというところが重要になってくると考えております。
○永井(宏)委員 体格と言われましたが、下の年齢制限は今のところはないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 適応対象、用量としては成人の用量というところを明示して承認する製品であると考えておりますが、小児に対して禁忌というところでは考えておりません。
○合田部会長 永井先生、よろしいですか。
○永井(宏)委員 一番最初に治験されたような海外の最も長い症例の安全性の情報はあるのでしょうか。例えば5年とか10年で腫瘍ができなかったとかできたとか、そういうのはありましたでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
 ここの臨床試験が終了して以降のフォローに関する情報というのは、この審査の中では提示されておりませんで、我々も情報としては持っていませんが、少なくとも臨床試験の中ではそういう脳腫瘍の有害事象は出ていないというところは確認しています。なので、やはり長期の情報というのは重要と考えておりまして、例えば今後本品が仮に承認されて市販後に使用され始めた場合には、やはり脳腫瘍を含めた長期の安全性の情報というのはきちんと把握できる体制で情報を収集し、評価することが重要と考えております。御指摘ありがとうございました。
○合田部会長 ありがとうございます。
 永井先生、よろしいですか。
○永井(宏)委員 大丈夫です。
○合田部会長 では、その次、小野寺先生、お願いします。
○小野寺委員 さっきからしつこいようですけれども、基本的に機構は、これをNotchの一過性の発現と考えているのですか。それとも安定性発現と考えていますか。どちらですか。
○医薬品医療機器総合機構 一過性の発現と考えております。
○小野寺委員 なぜ一過性の発現なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 現時点でインテグレーションに関する情報は持ち合わせておりませんので、その点は確認をさせていただきたいと思います。
○小野寺委員 通常、ネオマイシンで薬剤選択した場合、遺伝子はゲノムに挿入されステーブルで発現するので、その場合、細胞における遺伝性毒性を見る必要があると思うのです。そして、これは遺伝子を導入していないヒト間質性幹細胞を投与したのとは違って、追加遺伝子があるため生体内分布も見る必要があると思います。その辺はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 一過性であるかどうかを確認させていただいて、必要に応じてそういった観点からも審査を継続させていただきたいと思います。
○小野寺委員 今後、細胞治療において遺伝子を導入した細胞を用いたものが多く出てくると思います。個人的には、やはりこれは通常のヒト細胞とは異なり、追加遺伝子としての遺伝性毒性という観点から安全性を確認する必要があると思われ、遺伝毒性があった場合には生体内分布を各組織で確認する必要があると思います。あと危惧することは腫瘍化が本当に頭だけで起こるものなのか、それとも生体内に移動し異なった臓器でも起こるものなのか。特に、Notchシグナルが一定期間発現しているわけですから、ここをしっかり通常の間質性幹細胞と違って遺伝子を入れたときの細胞特性を確認する必要があると思います。それを「一過性」という文言で安心であるとするのは問題があるような気がします。ぜひそこはしっかり確認されて、今後どうするかを教えていただきたいと思います。
 以上です。
○合田部会長 井上先生が手を挙げられていて、多分そのことの関係だと思います。井上先生、お願いします。
○井上委員 小野寺先生が御指摘された点は、私も全くの同感です。もう一点は同等性/同質性を確認するための品質評価項目ですが、重要品質特性をどう考えておられるのか、その評価項目を選択された根拠をお聞きしたい。それと、Notchを発現させることによって得られる有効性を担保する品質特性として何を想定されており、その根拠をどのように考えておられるかをお聞きしたく思います。
○合田部会長 機構、よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 本品のCQAに関しては当然検討されておりまして、そのCQAを確保するための規格試験が現時点では設定されていると判断しておりますので、規格試験、もちろんそれ以外の特性解析、in vitroの解析も含めた同等性の評価計画を確認していく予定でございます。
○井上委員 具体的にはどういうところが、特にNotchを導入することによって得られる有効性を担保する指標として、何が設定されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 特性解析で薬理試験の項目に記載させていただいておりますけれども、元の遺伝子導入前のMSCと比較して、幾つかの液性因子の発現の増加が認められているというところは確認されております。そのうちの代表としてFGF2が規格試験として設定されている状況でございます。
○合田部会長 井上先生、今の回答でよろしいですか。
○井上委員 大丈夫です。ありがとうございます。
○合田部会長 では、井関先生。
○井関委員 確認ですが、これはNotchを発現していることで性質は変わるかもしれませんけれども、MSCを脳内に打ったときに、そのMSCは生き残るのですか。私は勝手に1か月ぐらいで細胞死を起こしてしまうから出なくなるのだろうと思っていたのですけれども、違うということですね。いるけれども出さなくなるということですか。
○医薬品医療機器総合機構 移植した細胞は1か月程度で消失するというところが動物試験で確認されている。
○井関委員 それは細胞死を起こしているということですか。それは脳幹とかから出ていくということではなくて、死んでいるということですか。
○医薬品医療機器総合機構 ほかの臓器の分布も見ておりまして、ほかの臓器には分布していないというところも確認されております。
○井関委員 それから、確認はしていないけれども、細胞死が起きたと。だから、一応Notchを発現する細胞はいなくなっているという解釈なのですね。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりです。
○合田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問等はございますか。
 なかなかデータが不十分な商品なのですけれども、待っている患者さんもいらっしゃるということもありますので、まず、有効性のデータは、当然これも十分ではないのは確かなのですけれども、この製品の性質上、この方向性でやっていくということについては多分皆さん御同意いただいているのだろうと思います。
 それから、もう一つ重要なのが品質の問題で、n1のデータでこのままどうかと。再現性は全然今の製造方法で見られないので、少なくともそのことは機構が言われているように、ちゃんとそのものについて同一のもの、同等のものと言うのですかね。同じように作れるということを確認しない限りは先に進めないだろうとは思いますけれども、その点も委員の皆様、御同意をいただけますよね。よろしいですね。
 それでは、厚労省と機構の説明の内容につきまして同意いただけるということで、本部会としての今後の方向について了承することといたしたいと思います。よろしいですね。
 御異議ないようですので、次の議題に移らせていただきます。
 次は議題3で報告事項です。「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認及び同13条に基づく遺伝子組換え生物等の第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について」に入ります。
 事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 議題3、資料番号3について事務局から御報告いたします。
 カルタヘナ法では、ウイルスを含む遺伝子組換え生物を治験等を目的として特段の拡散防止措置を取らない開放系で使用する場合には、カルタヘナ法に基づいて承認された第一種使用規程を遵守する必要があります。また、医薬品や遺伝子治療用製品を製造するために遺伝子組換え生物等を用いる場合には、カルタヘナ法に基づく一定の拡散防止措置を取った閉鎖系で収集する必要があります。
 前回の部会での御報告以降で、令和6年1月から2月までに第一種使用規程の承認を行った品目は、こちらの品目となります。機構での評価、学識経験者からの意見を踏まえ、本申請における第一種使用規程に従って本遺伝子組換え生物等の使用を行う限り、生物多様性に影響が生じるおそれはないと判断したものです。
 続きまして、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について御報告いたします。2ページの一覧を御覧ください。
 令和6年1月から2月までに第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目は、こちらの延べ6品目となります。機構での調査、学識経験者からの意見を踏まえ、いずれの遺伝子組換え生物等についても取られる拡散防止措置は適切であると判断したものです。
 事務局より以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの件につきまして先生方から御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 ウェブの先生方もないようですので、これで議題3を終了させていただきます。
 本日の議題は以上でございます。
 事務局から連絡事項はありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 本日も遅い時間まで御議論いただきまして、どうもありがとうございました。
 次回の部会につきましては、また後日メールにて御連絡させていただきたいと思っております。
 連絡事項は以上です。
○合田部会長 それでは、これをもちまして、本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会いたします。
 本日はどうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

照会先

医薬局

医療機器審査管理課  課長補佐 飯野 彬(内線2787)