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第8回ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ 議事録
日時
令和6年9月27日(金)17:00~19:00
場所
厚生労働省 専用第12会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 本館15階18号室)
※オンラインとのハイブリッド開催
(東京都千代田区霞が関1-2-2 本館15階18号室)
※オンラインとのハイブリッド開催
議題
- 基本計画の策定に向けた今後の検討、計画の構成について
- その他
資料
議事
- 議事内容
○神原専門官
それでは、定刻になりましたので、菅野構成員と山田構成員がまだおそろいではありませんが、ただいまより第8回「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、全員御出席予定となっておりますが、五十嵐構成員が途中退席と伺っております。また、前回のワーキンググループ以降、事務局において異動がございました。研究開発政策課長に長谷川が着任しております。
〇長谷川研究開発政策課長
長谷川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〇神原専門官
続いて、資料の確認をさせていただきます。資料は、厚生労働省のウェブサイトに掲載しております。議事次第、資料1、参考資料1~5までございますので御確認ください。また、本ワーキンググループは公開としており、議事録については、各構成員への確認の上、後日公開いたします。
会議の進め方について簡単に御説明させていただきます。御発言がある際には適宜挙手をお願いいたします。オンライン出席者におかれましては、画面上の「手を挙げる」ボタンを押していただければ、会場のほうから御指名いたしますので、その後御発言いただければと思います。御発言されない間は、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。また、音声等が不安定になった場合は、一旦ビデオをオフにするなどの対応を試みていただくようお願いいたします。
傍聴に際しては、携帯電話等の音の出る機器については、電源を切るか、マナーモードに設定してください。頭撮りはここまでとさせていただきます。以降の運営を座長にお願いいたします。
○中釜座長
中釜です。本日もよろしくお願いいたします。時間も限られていますので、早速、本日の議題に入りたいと思います。お手元の資料に従いますが、まず、議題1「基本計画の策定に向けた今後の検討、計画の構成について」議論を行います。事務局から資料1について説明をお願いいたします。
〇松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。それでは、資料の説明をさせていただければと思います。これまで開催いたしましたワーキンググループにおきまして、事務局として想定させていただいた検討テーマについては、一通り御議論いただいたものと認識しております。今後の計画の策定に向けまして、具体的な内容の議論を進めていただきたいと考えております。このため今回の資料といたしまして、計画の構成案とこれまでの先生方の議論を踏まえた盛り込むべき要素を事務局で整理したものについて用意いたしましたので、御説明させていただければと思います。
それでは、資料1に沿って御説明させていただきます。1枚おめくりください。
2ページ目、「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の策定に向けた今後の検討、計画の構成」ということで、これまでの議論等を踏まえまして、基本計画に盛り込むべき内容の具体化を進めることが必要と考えております。基本計画には法に基づきまして、1番、ゲノム医療施策についての基本的な方針、2番、ゲノム医療施策に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策、3番、そのほか、ゲノム医療施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を盛り込むほか、具体的な目標やその目標の達成時期を定めることとされておりまして、他の政府計画の構成や各施設の趣旨・目的等を踏まえまして、以下の構成とすることを想定しております。
まず「序文」、第1として「全体目標、分野別目標」。第2といたしまして「分野別施策と個別目標」。第3といたしまして「その他必要な事項」について記載させていただければと考えております。
3ページにつきましては、法の第8条についての記載をしてございます。
4ページ目でございます。先ほど御説明申し上げたそれぞれの項目についての盛り込むべき事項ということで、まず「序文」「第1 全体目標、分野別目標」に盛り込むべき要素ということで、基本計画の序文や全体目標・分野別目標につきましては、他分野における基本計画や本ワーキングにおいてこれまで議論された点を踏まえまして、以下のとおり要素を盛り込むこととしてはどうかと考えております。
まず「序文」につきましては、ゲノム医療に関する我が国の施策の取組や経緯等を記載。また、基本計画の性質、位置づけや計画期間等について明記することとしてはどうかと考えてございます。
また、「第1 全体目標、分野別目標」につきましては、法の基本理念、下記に①、②、③とございますけれども、これらを踏まえまして基本計画における諸記載を包含することができる目標を設定してはどうかと考えております。
5ページ目でございます「第2 分野別施策と個別目標」に盛り込むべき要素につきましては、法の第3章におきまして、国または地方公共団体が取り組むべきものとして位置づけられているものの重要性に鑑みまして、これらの事項について計画に盛り込むこととしてはどうかと考えております。
その上で、本ワーキングにおけるこれまでの議論を踏まえまして、ゲノム全体についての国民の医療に関する理解と啓発、ゲノム医療等を推進するための体制構築、ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進、この3つの柱を明記いたしまして、これらの柱ごとに関連する施策の記載を盛り込む構成としてはどうかと考えてございます。
また、法の規定を踏まえまして、基本計画に盛り込むべき施策の具体的な目標や達成時期について盛り込むこととしてはどうかと考えてございます。
6ページ目につきましては、第5回のワーキンググループでもお示しした基本計画に盛り込む項目のイメージでございます。
7ページ以降につきましては、これまで本ワーキングでの議論において基本計画への記載が必要であると意見があった事項について、事務局において整理いたしたものでございます。
まず、7ページ目「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」ということで、「差別等への適切な対応の確保」と「教育及び啓発の推進」について、これまでいただいた意見を取りまとめてございます。
8ページ、9ページ、10ページにつきましては、「(2)ゲノム医療等を提供するための体制構築」といたしまして、「ゲノム医療の提供の推進」「検査実施体制の整備」「相談支援に係る体制の整備」「生命倫理への適切な配慮の確保」「ゲノム情報の適切な取扱いの確保」「医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」「人材の確保」といたしまして、それぞれの意見を取りまとめてございます。
11ページ、12ページにつきましては、「(3)ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」といたしまして、「ゲノム医療の研究開発の推進」「情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備」「相談支援に係る体制の整備」「生命倫理への適切な配慮の確保」「ゲノム情報の適正な取扱の確保」「人材の確保」ということで、それぞれいただいた意見を取りまとめたものでございます。
13ページ目を御覧ください。「第3 その他必要な事項」に盛り込むべき事項といたしまして、記載のとおり関係者等への連携協力の更なる強化や地方公共団体における医療施策の策定及び実施、あるいは必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化、基本計画の評価・見直し等の要素について記載を検討してはどうかと考えてございます。
以上の資料について、御議論いただければと考えております。特に7~12ページまでに記載された各取組内容に関する記載につきましては、計画におきましては政府として推進すべきものを盛り込むべきという考えのもと、不足している要素がないか、あるいは既に記載されているもののうち計画に盛り込むことは不適というものがないかなど御指摘等いただければと考えております。
また、参考資料4でございますけれども、8月20日よりQ&Aを厚生労働省のホームページにて公開しております。ゲノム情報による不当な差別等への対応の確保に係るQ&Aを公表しておりますので、それをお示ししたものになってございます。事務局からの説明は以上でございます。
〇中釜座長
ありがとうございます。ただいまの事務局の説明を少し簡単にまとめますと、まず、この計画の構成案が示されています。必要な施策に伴って、2ページに序文から第1、第2、全体目標・分野別施策、必要な事項という構成にし、具体的に分野別施策と個別目標に関しては、5ページに整理されています。大きく3つの柱「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」、2つ目が「ゲノム医療等を提供するための体制構築」、3つ目が「ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」ということで、ここにそれぞれ11個の実施すべき施策が重複を含めて盛り込まれているという全体構成になっています。まず、この構成について何か御意見ございますか。御意見がある方は挙手ボタンを押していただけると、私のほうで指名させていただきます。では、五十嵐構成員、お願いいたします。
〇五十嵐構成員
どうもありがとうございます。全体の流れについて特に異議はありません、これでいいと思いますが、12ページを御覧いただきたいのですけれども、「生命倫理への適切な配慮の確保」で「新たな課題」と書いてございます。これはいろいろなものがあると思っているのですけれども、1つお願いなのですが、新たな課題の中にこのワーキンググループとして着床前の遺伝学的検査について入っているのかどうか、ぜひ厚労省側の御意見をいただきたいのですが、当然、検討すべき内容ではないかと思いますが、そのような考えでよろしいでしょうか。
〇中釜座長
今の御指摘に対して事務局、いかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。御指摘の点も含めて、過去にこども家庭庁の母子保健課からも御説明があったものと承知しておりますので、それらも含めて今回の議論の内容と思ってございます。以上でございます。
〇五十嵐構成員
ちょっと余計なことを言いますと、今こうした対応は学会レベルで、日本産科婦人科学会が中心になってやっていらっしゃるわけですけれども、海外含めますと、認定の仕方、検討の仕方が随分違っているということで、日本は先進諸国に比べると大変制度的に遅れているのではないかと思います。PGT(着床前遺伝学的検査)の問題は、このワーキンググループでしか検討するところが法的にはない状況ですので、よろしくお願いいたします。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。続きまして、深田構成員、お願いいたします。
〇深田構成員
がん研・有明の深田でございます。これまでの議論をまとめていただきまして、事務局の皆様には御礼申し上げます。まず、座長から全体の構成についてということでしたので、1点だけコメントさせていただければと思います。
5ページになりますが「(1)ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」という項目に関しまして、これまでのワーキングの議論におきましても非常に重要なことであると考えられますので、3つの柱のうちの冒頭に持ってきていただいていることに関しましては、とても賛成しておりますし、異論はございません。以上でございます。
〇中釜座長
ありがとうございます。では、続きまして水澤構成員、お願いいたします。
〇水澤構成員
ありがとうございます。最初の1点は、今、深田構成員が言われたことと同じでありまして、5ページの(1)を最初に持ってきていただいたことは大変すばらしいと思いました。
そういう観点で、1つ戻って4ページの序文や全体の目標等の項目がありますけれども、そこでは全体の目標等では③に入っているかなと思うのですが、今の点ですね。この全体のところでも今のことが分かるような形で書いていただけるのかなと思っているのですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
〇中釜座長
今の御指摘いかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。いただいた御指摘踏まえて検討させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇水澤構成員
ありがとうございます。よろしくお願いします。
〇中釜座長
では、続きまして、佐保構成員、お願いいたします。
〇佐保構成員
ありがとうございます。5ページの盛り込む要素にある「差別等への適切な対応の確保」としては、情報が流出し差別が起こることがないよう、防止に向けた対応が必要であり、そのためには厳格な情報管理、漏えい対策が不可欠であることは改めて申し上げたいと思います。
今後の作成に当たっては、これまでの議論の内容がどう反映されるのか分かりませんが、これまで出された意見はできるだけ丁寧に具体的に盛り込んでいただきたいと思っております。
また、ゲノム情報とは何を指しているのか、どのような対応が必要なのかなど、医療関係者など専門家だけしか分からないといった内容にならないよう、分かりやすく記載いただきたいと思っております。私からは以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。重要な御指摘かと思います。関連して私から質問なのですけれども、この構成は、私もこれでよいと思うのですけれども、今御指摘のそもそもゲノム情報とはという点について、最初のゲノム全般のところでいきなり差別・教育に入る前に、ゲノム情報とは人の多様性を表現するものだという部分があってもよいのではないかと思いました。序文との関係かとも思うのですけれども、そのあたりはどういう見解でしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。ゲノム情報の定義につきましては、法の第2条第2項で定義はされているところではございますが、御指摘を踏まえて分かりやすい文章になるよう検討していきたいと思います。
〇中釜座長
では、続きまして大沢構成員、お願いいたします。
〇大沢構成員
よろしくお願いします。8ページの相談支援体制に関わるところですけれども、遺伝カウンセリング加算の施設基準の届出を行っていない病院でも、届出を行っている病院と連携体制をとることで検査ができるようになっているのは患者さんにとっても利便性が高くありがたいと思います。あとは検査を受けて陽性だった場合には連携している施設基準をとっている病院へしっかりと遺伝カウンセリングの依頼がなされていけばいいと考えます。遺伝に関する相談や説明すべきことは増えているので、相談支援に携わる医療者が遺伝に関するリテラシーを高められるよう学ぶ機会を増やすのも意義があると考えます。
〇中釜座長
ありがとうございます。7ページ以降の分野別施策については、そのページごとに個別議論していきたいと思いますが、まず最初に、事務局から説明のあった全体の構成、大きな3つの柱について特段追加での御発言はございませんか。よろしいでしょうか。では、大きくはこの方向でということで進めさせていただきます。
それでは、7ページからの分野別施策、個別目標の分野をページごとに議論できればと思います。7ページ「(1)ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」。ここには「差別への適切な対応の確保」「教育及び啓発の推進」の2項目を書いていますが、この記載内容について何か御意見ございましたら。天野構成員、お願いいたします。
〇天野構成員
御説明ありがとうございました。7ページについて2点ございます。まず1点目が、「差別等への適切な対応の確保」の3つ目についてですが、「ゲノム情報による不当な差別について」ということで幾つか事例を挙げていただいているわけですが、具体的にこの部分については、既に本日参考資料でもお示しいただいてはいますが、労働分野と金融・保険分野の2つについては諸外国の状況を踏まえても対応が必要なので、あえてここで労働分野と金融・保険分野について検討を加えることが必要だという言葉を入れていただければというのが1点目です。
2点目が、「教育及び啓発の推進」についてでございますが、1つ目で「児童生徒にとって比較的難しい内容であることを踏まえ、資料や教育の在り方については工夫が必要」と書いていただいています。確かに、ゲノムは大人にとっても理解が難しい部分もございますので、工夫が必要だというのはそのとおりですが、実際これから10年、20年先を見据えた場合、これから生きていく児童生徒の方々がゲノムについての知識に乏しいというのはあってはならないことだと思いますので、例えば、具体的に文科省では恐らく近々、いわゆる指導要領の改訂が行われるかと思うのですが、その部分において加えていただく、もちろんゲノム以外にも様々な分野から加えてほしいという要望があるのは重々承知しておりますが、ゲノム分野についても可能であれば触れていただくよう検討いただきたいと思っております。私からは以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御意見よろしいですか。事務局からございますか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。御指摘を踏まえて、また、関係省庁とも御相談すべき事項かと思いますので、応相談の上記載を検討していきたいと思います。
〇中釜座長
では、続きまして、上野構成員、お願いいたします。
〇上野構成員
差別等への対応と教育啓発にまたがるようなコメントなのですけれども、差別等の項目の中で、社会全体のリテラシーの向上を図るということをちゃんと掲げていただいておりまして、リテラシー向上のための教育啓発だと思うのですけれども、教育啓発の項目で国民全体のリテラシー向上を図るということを書いていただきつつ、具体的なターゲットとして児童生徒と医療従事者を書いていただいています。もちろん児童生徒に対する若いうちからの教育というのは非常に重要で、将来的にはその方たちが国民全体になっていくわけですけれども、少なくとも最初の何年間かは既に教育システムを卒業した大人の方たちも含めて社会全体、国民全体のリテラシー向上を図らなければならないということで、ターゲットに応じた啓発を考えていくところもポイントとして入れていただきたいなと思いました。以上です。
〇中釜座長
重要な御指摘ありがとうございます。よろしいでしょうか。水澤構成員、お願いいたします。
〇水澤構成員
ありがとうございます。前回でしたか、患者の団体からのいろいろなコメントがあったかと思います。その中で、医療の現場、専門職でもいいかもしれませんけれども、まず最初に診断を受けるといった場面があるかと思うのですけれども、そういったところでの様々な不適切な言葉などで非常に大きな衝撃・打撃を受けられることがあったと思います。医療者や専門職もどちらがいいのか、なかなか難しいかなと思ったのですが、ちょっと考慮する必要があるのではないかと思いました。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。それでは続きまして、神里構成員、お願いします。
〇神里構成員
ありがとうございます。差別の話と教育、そして先ほど五十嵐先生がおっしゃられた生命倫理のことと関連する話なのですけれども、着床前診断のみならず出生前診断のこともこの射程に入っているのかを確認したいと思います。出生前診断に関しましては一定の認証制度などできてはいるものの、認証を受けていない施設でのかなり広範な疾患を対象とした出生前診断が行われている現状があります。そういう中で、疾患を持っている方への差別につながってきますし、それが優生思想の助長ということへも傾いていくことが懸念されておりますので、その辺も含めた差別への対応・教育が必要かと思います。もうちょっとここを広めに入れていただければと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘に関して、事務局よろしいでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。どこまでということについては、本文の中で御相談させていただければと思っておりますけれども、差別への適正な対応等につきましては記載することになっておりますので、具体的な文言の中で御相談させていただければと思います。
〇中釜座長
重要な御指摘ありがとうございました。7ページに関して、ほかに御意見ございますか。よろしいですか。またもし後ほどお気づきの点等ありましたら、御意見いただければと思います。
では、続きまして8ページに移らせていただきます。8ページは「(2)ゲノム医療等を提供するための体制構築」です。ここには「ゲノム医療の提供の推進」「検査の実施体制の整備」「相談支援に係る体制の整備」の項目がありますが、この3点についてここに記載されている内容含めて御意見がありましたら。吉田構成員、お願いいたします。
〇吉田構成員
2点御意見をさせていただきたいと思います。1点目は、最初の「ゲノム医療の提供の推進」の1つ目ですが、「国民が住み慣れた地域でゲノム医療を受けられるよう提供体制のあり方の検討が必要」というのは確かにそうですけれども、もう少し具体性を持った表現がよいのではないかと思います。
1つは、医療の偏在を防ぐということと、あとは私も以前お話ししたような、どこに遺伝子診療科があるのか分からないという問題があるので、診療科標榜によって医療体制を構築するというところまで計画に盛り込んでいただきたいと思います。
2つ目は「検査の実施体制の整備」の1つ目ですが、「ゲノム結果の解釈の質の担保を図る」ということは確かに重要ですが、解釈の手前の検査自体の精度管理も同じように重要です。検査自体の精度管理基準をしっかり整えた上で、解釈の質の担保も図るという2段階が必要なのではないかと思います。以上でございます。
〇中釜座長
ありがとうございます。2点御指摘がありましたが、最初の御指摘、具体的な表記、診療科標榜等についてはいかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。基本計画を書く中で、もう少し踏み込んだ記載についてはおっしゃるとおりかと思います。個別の診療科標榜等々につきましては、記載できるかどうかも含めて検討して、また案として御相談させていただければと思います。
〇中釜座長
2点目は重要な御指摘ですので、検査自体の精度管理についても記入をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。では続きまして、横野構成員、お願いいたします。
〇横野構成員
ありがとうございます。8ページのゲノム医療の提供体制や環境整備あるいは相談支援に係る体制に含まれているのかもしれないのですけれども、遺伝カウンセリングの体制を充実させることは必須だと思います。遺伝カウンセリングに関しては、人材のところに入っていますけれども、ぜひ8ページにもカウンセリングも含めてという形で一言入れていただけるとよいかと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。お願いいたします。続きまして、天野構成員、お願いいたします。
〇天野構成員
私から2点ございます。先ほどの構成員の方々からの御指摘とかぶるところもございますが、まず1点目「ゲノム医療の提供の推進」に書いてあることはそのとおりなのですが、もう少し具体性を持った項目が必要かと思いました。具体的には、例えば、患者さんが現在ゲノム医療ということで遺伝子パネル検査を受けた後に、お薬の候補薬を提案されるわけですが、未承認薬あるいは適応外薬を提案される場合がしばしばございまして、現状こういった未承認薬や適応外薬について、特に遺伝子パネル検査で提案された未承認薬あるいは適応外薬をより使いやすくするための方策の検討について入れていただかないと、なかなか患者さんのゲノム医療の遺伝子パネル検査を受けた後のいわゆる薬剤到達率は向上しませんので、そのあたりの項目も入れていただきたいということです。
2点目が「相談支援に係る体制の整備」ということで、これも先ほど複数の構成員の方々から御指摘があった点とかぶりますが、特に患者から誰に相談したらいいのか、どこに相談しに行ったらいいのかをより明確にする必要があるかと思いますので、例えば先ほどもあったように、ゲノム医療診療科を標榜診療科とすること、あるいは認定遺伝カウンセラーに関してもいろいろなところで指摘されていますが、身分保障あるいは職務権限の明確化をしていただくことが必要かと考えます。私からは以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘について、事務局よろしいでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘踏まえて、また御相談させていただければと思います。それぞれの御指摘、本当にありがとうございます。
〇中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、水澤構成員、お願いいたします。
〇水澤構成員
ありがとうございます。8ページの「ゲノム医療の提供の推進」に当たるかと思うのですけれども、これは「住み慣れた地域で」というところが強調されているのですが、誰でもがアクセスできる、受けられるという、その「誰でもが」がとても重要だと思いますので、序文にも書かれるのかもしれませんけれども、そちらとのバランスでここにもそういうことが書けたらいいのではないかと思いましたので、よろしくお願いいたします。
〇中釜座長
ありがとうございます。事務局よろしくお願いいたします。続きまして、三木構成員、お願いいたします。
〇三木構成員
「ゲノム医療の提供の推進」に関してですが、6ページの「2.ゲノム医療の提供の推進」には、「全ゲノム解析に基づく医療の推進」という項目が入っています。やはりこれはここに入れていただきたいと。全ゲノム解析に基づく医療及びその提供体制の検討あるいは構築というようなことを、少し具体性のある言葉も入れていただければと思います。
それから、「検査の実施体制の整備」に関してですが、1つ目「ゲノム結果の解釈の質」と2つ目「ゲノム検査結果の解釈の質」、これはあえて意図的に区別されているのでしょうか。私はどうも同じように思うのですが。
それと、先ほど吉田先生がおっしゃった、結果の解釈だけではなくて、シークエンス情報の質の担保を図るということで、内部及び外部精度管理あるいは第三者認定、ISOとかCLEARということも少しここに入れていただければと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。3点の御指摘ですが、最初の全ゲノム解析等ついても記載いただけないかということに関して、よろしいでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。御指摘を踏まえて記載を検討したいと思います。
〇中釜座長
2点目の項目を2つ分けたところ、ゲノム結果と検査結果の違いは。
〇松浦医療イノベーション推進室長
大変失礼いたしました。表記ゆれでございますので修正したいと思います。ありがとうございます。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございました。では続きまして、深田構成員、お願いいたします。
〇深田構成員
1つ目のところ、「国民が住み慣れた地域でゲノム医療を受けられるよう」という文言は非常に重要で、この文言に全く異論はございません。また、水澤構成員からも御指摘がありましたように、「誰もが」という言葉も非常に重要かと思っております。私は第2回のワーキングの説明資料におきましても、当院が行いましたアンケートをお示ししながら、全国のがん診療連携拠点病院においても、HBOC診療の一部において施設間や地域格差が生じている可能性をお示ししております。
誤解があってはいけないのかなと思いまして少しコメントをさせていただければと思いますが、先ほど天野構成員からもありましたように、パネル検査後の未承認の薬剤到達、これは非常に重要なことかと思っておりますけれども、当然ながら全国、全てのクリニックや病院で同じような医療が提供できる、する必要があるというわけでもないのかなと思っておりまして、既存のがん診療やゲノム医療の提供体制の枠組みの中で求められている役割がございますので、まずは、それぞれの医療機関がその役割をしっかり果たすことによって、国民が住み慣れた地域でゲノム医療が受けられるようになればと考えております。
その上で、必要に応じた新たな在り方の検討も重要かと思っております。以上でございます。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘の点に関して、天野構成員、先ほどの未承認薬の到達の問題が今の深田構成員のところでカバーできるか、少し個別的な表現が必要かという点はいかがでしょうか。
〇天野構成員
ありがとうございます。まさに今、深田構成員が御指摘のとおりだと思っておりまして、未承認薬や適応外薬がどこでも使えるようになることを意図して申し上げたわけではございませんが、具体的に例えば、現行でも未承認薬や適応外薬を使う制度として、患者申出療養あるいは拡大治験といった制度があるわけですが、こういった制度について、より使いやすくするための方策を何らか検討していただけないかということを申し上げたものでございますので、日本中どこでも未承認薬や適応外薬が野放図に使えるようにしてほしいというわけではないということは申し添えます。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございました。このページに関して、ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。また、もし後ほどお気づきの点がありましたら御意見ください。
続きまして、9ページに移ります。こちらも3つの項目があります。これもゲノム医療提供に関することですが、「生命倫理への適切な配慮の確保」「ゲノム情報の適正な取扱いの確保」さらには「医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」ですが、この3点について御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。それでは、菅野構成員、お願いいたします。
〇菅野構成員
ここで申し上げるのが適当なのかどうかちょっと分からないのですけれども、ゲノム医療の段階で得られる様々なゲノム情報の使い方です。ここで考えられているのは、個人情報保護を念頭に安易な利用の対策や情報漏えいの問題ということがあるわけですけれども、一方で、そういう情報は今後のゲノム医療の進歩のために非常に重要な情報として、ここでなくてもいいのかもしれませんが、利用することで一層ゲノム医療の推進が図られると思っているんです。そういうことを考えたときに、個情法(個人情報の保護に関する法律)との関係が問題になってくるかなと思っておりまして、そのあたり確かに個情法では研究レベルだと例外規定になるのですけれども、例えば、製薬会社がある薬を出して、そこで副作用がある方についてゲノム解析をするときの情報をどのように取り扱うかみたいなことになってきますと、かなりグレーゾーンと言ったらあれかもしれませんが、これは研究なのか、あるいはいわゆる薬を売るための一つの手段なのかという形で、取扱いの仕方が現在の個情法だと違ってくる。それに国の研究室とか大学の研究室が参加して研究する場合には、複雑なことが起こってくるというようなことがありますので、どこにそういうことを書いたらいいのか分からないのですが、適正な取扱いについて、ゲノム医療において得られるゲノム情報の利用についても、何らかのコメントがあってもいいのかなという気がしております。
そもそもこの法律が考えられたポイントは、例えば、アメリカなどでは差別を禁止することができているので、ある意味研究レベルでの配列情報の取扱いは非常に自由にできるところがある。そことの関係が、今見せていただいているところだと、情報の取扱いは情報の取扱いできちんとやりなさいと、利用は利用できちんとやりなさい。差別を禁止することで利用を促進するという関係性みたいなものが、あまりこういう中に見える形で書かれていないので、法律をやったときに研究は促進してどんどんやりなさいと言っていながら、倫理のところはしっかりとやって、差別につながるようなことはきっちりやりなさいと両方のところでばらばらに話が進むと、全体として整合性のとれないことが起こり得るかなと思ってちょっと懸念をしましたので、ここであえて発言させていただきました。長くなりまして、すみません。
〇中釜座長
ありがとうございます。大変重要な御指摘かと私も思いました。ここで記載するのか、あるいは1本目の柱の「ゲノム全般についての国民の理解」で広く一般的な利活用による国民への裨益と同時に、個人情報としての取扱い、セキュアな環境で情報をきちんと確保するところの課題かと思いますが、いかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。御指摘ありがとうございます。ゲノム情報の取扱いに係る部分、医療に係る部分と研究開発の部分と取扱いに係る御指摘だと理解いたしました。5ページでお示ししているとおり、まさに御指摘の点、医療の体制の構築と研究開発の推進と、どちらも御指摘の点について記載していくことになろうかと思いますが、まさに整合性のとれるような記載にすべきだという御指摘と理解いたしましたので、しっかり案文をつくる段階で検討していきたいと思います。ありがとうございます。
〇中釜座長
よろしいでしょうか。それでは、山田構成員、お願いいたします。
〇山田構成員
ジェネシスヘルスケア株式会社の山田でございます。スライドの一番下「医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」で、私どもいわゆるDTC(direct to consumer)検査サービスといいますか、一般消費者向けにサービスを提供している部分もございますので、その観点から申し上げますと、まさにここに書かれているとおりだと思っております。診療などを行うためではないということで受けられている方が大勢いらっしゃるのですけれども、そういった方についても倫理に配慮した検査や結果の取扱いは非常に重要だと考えておりますし、制度面でも私ども衛生検査所で検査したり、それ以外の認証を得ているサービスもあるのですが、そういったものに依拠して、ちゃんと適正な結果をお客様にお返しできるように配慮しているところですので、これはまさにお書きいただいているとおりかなと思います。
あと、私どものようなDTCの会社、業界団体、AGI(一般社団法人遺伝情報取扱協会)というものがございますけれども、そこに加盟して、認証あるいは格付けといったものを受けているサービスについては、その基準に従ったものを提供するということで業界としても努力しているところでございますけれども、その団体自体も強制加入ではないということで、入られていない業者様もいらっしゃることは4月の会議でも申し上げたとおりです。そのあたり今後、水準が上がっていくようになるといいかなと願っております。私からは以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。事務局よろしいでしょうか。では続きまして、吉田構成員、お願いいたします。
〇吉田構成員
先ほど菅野構成員も指摘されたゲノム情報の適正な取扱いについては、欧州では最近、EHDS(European Health Data Space)という新しい法制度ができています。このなかでは、生体情報・個人情報の定義や取扱いが日本の個情法と違うところもあるので、適切な保護と利活用の両立に加えて諸外国との調和を目指すこともぜひ盛り込んでいただきたいと思います。以上でございます。
〇中釜座長
重要な御指摘ありがとうございます。事務局よろしいでしょうか。では続きまして、神里構成員、お願いいたします。
〇神里構成員
9ページの「生命倫理への適切な配慮の確保」でございます。書いてくださっていることの具体化に関するコメントになるのですけれども、生命倫理への適切な配慮は基本理念として掲げられていて、それは第3条2項に入っています。そして、なぜ適切な配慮が必要かについては、条文の中で、「子孫に受け継がれ得る遺伝子の操作を伴うもの」だから生命倫理への適切な配慮が必要なのだとしています。恐らく今の「子孫に受け継がれ得る遺伝子の操作」は生殖細胞系列のことを言っていると思うのですけれども、その操作について具体的に書かざるを得ないというか、対応しないといけないことだと思いますので、それは具体化の中で次回以降入れていただければと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘の点についてはよろしいでしょうか。では続きまして、横野構成員、お願いいたします。
〇横野構成員
先ほど菅野構成員から御指摘があった点で、この点は御承知のことと思いますが、第15条でゲノム情報については保護が図られつつ有効に活用されることが重要であるという趣旨が規定されておりますので、ぜひ、そこを踏まえて御検討いただければと思います。
あともう一点ですけれども、「医療以外の目的で行われる核酸に関する解析の質の確保」に関して、ここに掲げられているような取組が必要だと思うのですが、これらについて消費者や一般市民に対して、適切に情報の公開や提供が行われることも同様に重要だと思いますので、そうした点についても御検討いただければと思います。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございます。事務局よろしいでしょうか。ほかに9ページに関して御意見ございますか。よろしいですか。ありがとうございます。
では、続きまして10ページに移らせていただきます。こちらは「人材の確保」についての1項目ですが、この点について何が御発言ございますか。先ほど来、人材については御意見をいただいているところですが、よろしいですか。ありがとうございます。
では、続きまして11ページ。こちらは「(3)ゲノム医療の実現に向けた研究開発の推進」の柱です。ここには2つの項目として「ゲノム医療の研究開発の推進」と「情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備」について書かれていますが、この点について御発言ございますか。それでは、角山構成員、お願いいたします。
〇角山構成員
経団連の角山でございます。いろいろ資料をまとめていただきまして、ありがとうございました。ここで「研究開発等における二次利用の促進が必要」としていただきまして、ありがとうございます。先ほど菅野先生から御指摘がありましたけれども、関連する法律との整合性あるいは二次利用に関する障害に関しましては、ぜひ再精査をしていただいて、課題があれば解決するようにしていただきたいと思います。ほかには、医療分野では特別法の策定ですとか法律の改正など、いろいろなアプローチがあると思いますので、ぜひ二次利用の利用者のニーズに応えられるような検討をお願いいたします。
それから、ここに国際連携の推進があるのですけれども、こちらも個情法や倫理指針がそれにできるようになっているのかが課題に思っております。海外データを提供するのに、先にどの国にどのように提供するのか分かっていないといけないとか、なかなかそういうことは厳しいと思いますので、実際、海外のデータ提供を前提とできないとなってしまえば、インフォームド・コンセントにもかかれないわけで、では、海外提供していきましょうとなると、もう一回作業を全部やり直すと大変なことになりますので、ここはぜひ、そういったコストを下げるように必要な取組をしていただきたいと思います。以上でございます。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の点についてはよろしいでしょうか。ぜひ、検討させていただきたいと思います。三木構成員、お願いいたします。
〇三木構成員
「ゲノム医療の研究開発の推進」の3つ目の〇ですが、「全ゲノム解析の研究について、国が責任を持って情報管理を行うことが必要」という項目が入っております。これは、むしろ基盤の整備ということで、次の「情報の蓄積及び活用に係る基盤の整備」になるのではないかと思います。この基盤の整備に4つほど書かれています。ただ、その前に情報解析センターをどのように構築するのか、あるいは蓄積のためのデータセンターというものをどうしていくのか。例えば、災害あるいは事業継続計画等々を考えて、2~3か所国内につくるとか、あるいは情報はクラウドを使うといった少しハードのところをどの基盤整備ということも、ここに含めるほうがよろしいのではないかと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。基盤の整理としてどう書き込むのかということだと思いますけれども、御指摘の点を踏まえて、事務局いかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。記載の位置の御指摘については事務局で対応したいと思います。また、先ほどいただきました意見も踏まえまして検討したいと思います。
〇中釜座長
よろしいでしょうか。続きまして、横野構成員、お願いいたします。
〇横野構成員
先ほどゲノム医療の提供体制のところで、治療薬の到達率が課題であるという御指摘がありましたけれども、そのことと関連してゲノム情報を活用した創薬の推進も、もう少し明確に(3)に書いていただけるとよいのではないかと考えております。以上です。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございます。事務局よろしくお願いいたします。続きまして、天野構成員、お願いいたします。
〇天野構成員
このページに「患者が治験に参加しやすくなる体制の構築を進めていくことが必要」と書いていただいて、まさにそのとおりなのですが、ここももし可能であれば幾つか具体的なことを書いていただけるといいかなと思っております。例えば、情報提供に関して厚生労働省でjRCT(臨床研究等情報サイト)の改修作業を初めとした臨床試験の情報提供をより分かりやすく患者さんに提供することを進めていただいていることや、あるいは国立がん研究センターなどにおいて、いわゆるリモート治験を推進していただいていることも、ここに加えていただけるとよいのかなと思いました。以上です。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございました。では、小崎構成員、お願いいたします。
〇小崎構成員
「国際間の情報共有の在り方を検討することが必要」と書いてあって、その後に「ゲノム情報の保護体制」は非常に重要なことだと思うのですが、国際間の情報共有の標準的な様式については、GA4GH(Global Alliance for Genomics and Health)その他の国際的な団体が新たなものを経常的につくり出しておりますので、そういうところに我が国が積極的に入っていって、データの扱いの形式そのものについての標準化に関わっていくような動きが現在不足しているのではないかと感じておりますので、もし可能であればそのような記載もお願いしたいと思います。以上です。
〇中釜座長
大変重要な御指摘かと思いますので、そのあたりもよろしく御配慮をお願いいたします。それでは続きまして、吉田構成員、お願いいたします。
〇吉田構成員
ありがとうございます。最初の「ゲノム医療の研究開発の推進」ということで4つ項目が挙げられていてどれも重要ですが、さらに具体的に全ゲノム解析等実行計画の事業実施組織等についても触れる必要があると思います。先ほどの研究開発の推進は事業実施組織などで実施するという形で具体的に記載されてはいかがでしょう。以上でございます。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございます。今の指摘についてはよろしいでしょうか。事務局お願いします。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘踏まえて対応したいと思います。ありがとうございます。
〇中釜座長
ほかに11ページの項目に関して御意見ございますか。小崎構成員、お願いいたします。
〇小崎構成員
「ゲノム医療の研究開発の推進」の3行目「全ゲノム解析の研究について、国が責任を持って情報管理を行うことが必要」と、まさにそのとおりだと思うのですが、逆にゲノムの医療、つまり診療として行われる情報について、個人のゲノムの情報を国が管理するという趣旨ではないことが、もう少し分かりやすく書かれたほうがよいのかなと思っております。以上です。
〇中釜座長
重要な御指摘ありがとうございます。今の点もよろしいでしょうか。では、そのことも踏まえて記載を注意したいと思います。ほかによろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、続きまして12ページに移ります。「相談支援に係る体制の整備」「生命倫理への適切な配慮の確保」「ゲノム情報の適正な取扱の確保」さらに「人材の確保」ですけれども、この4点について御意見・御発言がございましたらお願いいたします。では、まず横野構成員、お願いいたします。
〇横野構成員
これは、もしかしたらこの箇所ではないかもしれないのですけれども、生命倫理への適切な配慮等の関連で「継続的かつ体系的な調査研究の実施等が必要」と書いていただいています。これは差別の問題についても、実態においてどのような課題があるのかについて継続的に調査していく、あるいは相談支援のプロセスを通じて把握していくことが必要になってくると思いますので、そうしたこともぜひ盛り込んでいただければと思います。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。事務局よろしいでしょうか。よろしくお願いします。ほかには御意見ございますか。よろしいでしょうか。人材の確保はなかなか難しいところですけれども、これも非常に重要な課題ですので、このあたりについても、具体的な施策等書き込めるところがあれば書いていただいて進めていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、最後13ページです。「その他必要な事項」に盛り込む要素についてです。こちらには4つの項目、関係者間等の連携協力の更なる強化、地方公共団体によるゲノム医療施策、必要な財政的措置、基本計画の評価・見直し、この4点について書かれていますが、この点について御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。天野構成員、お願いいたします。
〇天野構成員
この中で「地方公共団体によるゲノム医療施策の策定及び実施」という項目があります。例えば、がん対策基本法では、国でもがん対策推進基本計画を策定しますし、都道府県も同様の計画を策定することになっていると思うのですが、ゲノム基本法ではそういうことにはなっていなくて、法律ではその地域の状況に応じて必要な施策を推進すると書かれているので、こういった項目を入れていただいていると思うのですが、具体的に国では地方公共団体によるゲノム医療施策の策定及び実施というのは、どういった計画であるとか地方公共団体の施策の中で入れ込むことが適当だと考えていらっしゃるか、もしお考えがあれば教えていただきたいと思いました。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。この点について事務局お願いいたします。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。御指摘のとおり、本記載は法の第5条の地方公共団体の責務に基づいて記載しているものでございますが、法律上、都道府県独自の計画の策定までを求めている条文ではないと理解しております。したがいまして、それら踏まえて、あるいは既存の計画等もございますので、どういうところまで求めていくかも含めて、この場で御意見等もいただきながら検討していきたいと考えてございます。
〇中釜座長
今の説明で天野構成員、よろしいでしょうか。
〇天野構成員
例えば、都道府県のがん対策計画というのはそれぞれ都道府県にありますし、ほかにも医療計画や差別防止となってくるとほかの計画等があり得るのかと思うのですが、そういったところで入れ込んでいただくことを想定しているものかと思いました。ありがとうございました。
〇松浦医療イノベーション推進室長
関係部局とも相談いたしまして、御指摘の点も含めて検討したいと思います。御指摘のとおりかと思います。ありがとうございます。
〇中釜座長
よろしいでしょうか。では続きまして、小崎構成員、お願いいたします。
〇小崎構成員
今日、全体の議論を拝聴しておりまして特に重要と思われたのは、8ページに記載されていた国民が住み慣れた地域あるいはそれぞれの地域、つまり全国一様にということ、それから、どの局面においても人材の育成が強調されておりまして、裏を返せば人材が不足しているということです。この両方を同時に並行して満たしていくような努力が必要ですが、人材が不足している現状を考えると、遠隔診療のような技術を積極的に使っていくことを明示的に記載してもよいと思いますし、研究においても診療を目指した研究が多いと思いますが、私どもは全国の新生児にゲノム医療を提供する研究を実施しておりますが、ほとんどの遺伝カウンセリングが今日使っているような遠隔会議システムを応用しておりますので、もし明示的に記載ができれば、そういったこともその他の欄に書けるとよいのかなと感じました。以上でございます。
〇中釜座長
重要な御指摘ありがとうございます。それから、情報基盤をうまく構築し、活用するということが地域差での差をならす、といった意味でも重要だと思いましたので、その辺も関連づけて記載できればと感じました。よろしくお願いします。ほかはよろしいでしょうか。それでは、水澤構成員、お願いいたします。
〇水澤構成員
最初の〇の2つ目に国際連携というのが出てきております。先ほど11ページで少し議論があったと思いますが、主には研究面で、特に先進国同士での研究という側面かと思います。しかし、研究以外にも診療や教育の面で世界全体としてのゲノム医療の水準が実際にWHO等で議論になっておりますので、そういう面も含めて国際連携をこの中で分かるようにしていくことが大事ではないかと思っております。その点は事務局としては考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。
〇中釜座長
今の御指摘いかがでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。まさに国際連携に関して研究開発だけではないだろうという御指摘かと思います。御指摘を踏まえて本文も御相談していきたいと思います。
〇水澤構成員
よろしくお願いします。
〇中釜座長
吉田構成員、お願いいたします。
〇吉田構成員
こちらの4つ目の「基本計画の評価・見直し」ですけれども、冒頭の総論のところでも「基本計画に盛り込む諸施策の具体的目標や達成時期について盛り込むこととする」と記載がありますが、現時点でどの程度の粒度で記載されるのか、個別の施策名とその達成時期についても記載いただきたいと思います。以上でございます。
〇中釜座長
御指摘ありがとうございます。では、事務局お願いいたします。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。御指摘の粒度等につきましては、個別の施策について恐らく施策ごとに粒度についてはかなり異なってくるものと思いますので、施策ごとに御相談ということになろうかと思います。
一方で、第3の計画の評価・見直しについては、法令上、計画について何年ごとに見直しという規定等は置かれていないところではございますけれども、事務局としてはそういう規定が必要なのではないかと考えまして、4つ目の項目で入れさせていただいているということでございます。具体的にどういうふうにすべきか等々は御意見賜れればと思います。
〇中釜座長
今の御指摘は、この計画の中により具体的なマイルストーン設定をしたほうがよいのかということかと思いますが、その点について吉田構成員いかがでしょうか。事業ごとに異なってくる可能性もあるので。
〇吉田構成員
項目によっては、ある程度個別に具体的に設定しないと、評価しづらいと思うので、個別項目について、目途となる年、月を示すように御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
〇中釜座長
大きな目標の中で一定のマイルストーン設定は可能かなと思いましたので、そのあたりは御検討いただきたいと思います。ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
少し早足になりましたが、非常に多くの項目を含んだ計画の概要について、それぞれの項目を含めて御議論いただきましたが、全体を通してあるいは最初の大きな柱である「ゲノム全般についての国民の適切な理解と啓発」は非常に重要な部分だと思います。全体を通してあるいは各項目でもよろしいですが、何か改めて御意見がありましたら、お願いいたします。天野構成員、お願いいたします。
〇天野構成員
ありがとうございます。1点、参考資料4で、厚生労働省から出していただいた通知について触れていただきました。労働分野における対応ということで、今までこういった通知が全くなかった中で、厚生労働省から公的な文書として提示いただいたのは本当にありがたいことで、これが今後の特に労働分野におけるゲノム情報や不当な差別の基本的な指針になるものと期待しております。
ただ一方で、これはあくまで基本的な指針だと思っておりまして、例えば、がん領域では、がん患者さんの就労支援が国の政策として行われているわけですが、そういった就労支援を行う場合、患者さんのゲノム情報を含めた医療情報と患者さんを支援する、あるいは安全配慮義務との兼ね合いで、どこまで情報が共有されるべきであるのかといったところがより明らかにならないと、なかなか実効性を保ってこない部分もあるかと思いますので、これはあくまで第一歩ということで受け止めておりまして、今後、基本計画の中では労働分野においても引き続き議論をお願いしたいと考えているところでございます。以上です。
〇中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘について事務局よろしいでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
御指摘ありがとうございます。まさにQ&Aを出して終わりではないのだという御指摘かと思いますので、しっかりとその点も踏まえて検討していきたいと思います。
〇中釜座長
よろしいでしょうか。ほかにございますか。特にございませんね。本日は、事務局から基本計画の策定を受けた今後の検討、さらには計画の構成について説明いただき、それに関して構成員の先生方から様々な御意見をお伺いいたしました。いただいた御意見を踏まえて、必要に応じて構成員の方々とも改めて相談しつつ資料の修正を行いたいと思います。その上で次回のワーキンググループからは、計画の具体的なイメージを見ながらの議論を行いたいと考えているところですので、事務局においては骨子案の用意等をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
〇松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。本日いただきました御意見を踏まえまして、次回以降のワーキンググループにおいて基本計画のより具体的な骨子をお示しできるようにしたいと考えております。
〇中釜座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、本日はスムーズな議事進行に御協力いただき、構成員の皆様、誠にありがとうございました。以上をもちまして、本日の会議は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。