第3回電子処方箋推進会議 議事録

日時

令和6年9月11日(水)15時00分~16時00分

場所

田中田村町ビル(6階)
東京都港区新橋2-12-5

議事

議事内容
○長嶋課長補佐 定刻になりましたので、ただいまより、第3回「電子処方箋推進会議」を開催したいと思います。
 これまで、こちらの会議は電子処方箋推進協議会としてきたところですが、「各府省庁大臣官房長等申合せ 審議会等及び懇談会等行政運営上の会合の運営について」を踏まえ、協議会という名称を控え、会議と変更して開催させていただきます。
 初めに、前回開催時から構成員の交代についてお知らせいたします。日本歯科医師会は宇佐見構成員から小野寺構成員に変更となりました。また、日本薬剤師会におかれましては、渡邊構成員から田中構成員へ変更がございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、本日の出欠についてです。本日は、構成員8名全員が御出席、大道構成員、小野寺構成員、長島構成員はオンラインにて御出席いただいております。
 また、本日は参考人といたしまして白山石川医療企業団公立松任石川中央病院の副企業長の横山様、オンラインにて石川県薬剤師会常務理事の伊藤様、株式会社ファーメスト営業企画部長の石畑様に御出席いただき、電子処方箋に対する取組について御説明いただきます。
 では、資料の確認をさせていただきます。現場の皆様方におかれましてはタブレットで、オンライン参加いただいている先生方におかれましては、議事次第、資料1、資料2、資料3、資料4、参考資料1、2を事前にお送りしているかと思います。手元のタブレットの操作方法につきましては説明資料を置かせていただいておりますので、御不明点がございましたら、事務局へお尋ねいただけると幸いです。
 また、ウェブを併用する形での開催に当たって、進行について御説明をいたします。御意見、御質問の際は挙手にてお知らせいただき、事務局より指名した後、御発言いただけると幸いです。御発言の際は御所属と御指名を御発言ください。ウェブで御参加いただいている構成員におかれましては、Zoomの挙手機能にてお知らせください。御発言の後はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
 事務局の紹介につきましては、割愛させていただきます。
 それでは、これより議事に入らせていただきたいと思いますので、カメラのみの方は御退席いただくようお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○長嶋課長補佐 それでは、まず議題2(1)について、事務局より説明をいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○猪飼室長 厚生労働省医薬局の猪飼と申します。
 私から資料1に基づきまして、電子処方箋の普及拡大に向けた対応状況等について御説明させていただきます。
 電子処方箋の普及状況につきましては、9月1日現在、全国3万を超える施設に電子処方箋を導入いただいております。内訳としましては、医療機関で数パーセント、薬局で約45%が導入をいただいておりまして、仮に薬局につきましては、足元の導入実績が継続すると仮定しますと、年度内には大宗の薬局への導入が見込まれるという状況になってございます。
 続きまして、電子処方箋のシステムの御説明としまして、この医療機関・薬局の皆様から処方情報、調剤情報を電子処方箋管理サービスという中央のシステムに御登録いただくことによりまして、従来、レセプトで見られていた情報と比べまして直近の薬剤情報が共有可能となります。それを重複投薬や併用禁忌のシステムチェック等に生かしていただくというところが大きなメリットであるということでございます。右下にございますとおり、医療機関が入れていなくて薬局だけが電子処方箋システムに対応している場合でありましても、紙で来た処方箋を薬局のほうで電子処方箋管理サービスに入力いただくことによりまして調剤結果を登録していただき、患者の薬剤情報を充実させていくことができるというシステムになっております。薬局の調剤結果登録状況につきましては、直近8月の実績で申し上げますと一月当たり2500万件を入力いただいておりまして、累計件数でいきますと1.9億件を超えているという状況にございます。そして、このグラフの下の青い折れ線でございますけれども、調剤結果登録割合と呼んでいますけれども、先ほどの2500万件を分子としまして、各月の全国における処方箋発行枚数を分母とした場合の比率を示したグラフでございます。その上の緑の折れ線、薬局の導入比率をつぶさに追っているという状況にございまして、今の足元の状況のごとく薬局で導入が進み、そして順調に調剤結果情報を登録いただけることが進むと仮定すれば、今年度末には大宗の薬剤情報が入力される、蓄積されることが見込まれる状況にございます。実際に重複投薬等チェックの機能の利用回数も増えておりまして、重複投薬や併用禁忌を回避した好事例というのも多数厚生労働省に報告をいただいております。
 続きまして、他方、医療現場で多くの皆様に入れていただけていないという状況がございまして、そこにつきましては厚生労働省でも個別にヒアリング等を重ねて参りまして、主に5つほど電子処方箋を入れていただけない要因を特定しております。1つ目が、導入に係る費用負担が多いということで、2つ目が、周囲の医療機関・薬局が導入しておらず緊要性を感じないという、言わばお見合い状況が起きている。3つ目、複数のシステム改修が次々と必要になるということの負担が大きい。4つ目、電子署名対応に関して手間がかかる。5つ目、患者から要請がないのでニーズを感じない。それぞれにつきまして厚生労働省としては対策を打ってきてございまして、特に直近講じた対策について個別に御説明させていただきたいと思います。
 導入の費用の負担が多いという点につきましては、令和5年度補正予算で措置をしました都道府県による追加の導入費用の助成、間接補助金をもって実質的に補助額・補助率の上乗せを図るという施策でございます。下にございますとおり19都府県が実施を正式に決定しているほか、宮城県、栃木県、石川県、滋賀県、奈良県、岡山県、その他数県が9月補正事業における実施に向けて調整をいただいているということで、過半数の都道府県が既に実施をする方向で動いていただいているという状況にございます。
 診療報酬における手当としまして、医療DX推進体制整備加算は6月から既に医療機関の皆様、薬局の皆様に算定していただいていると思います。この中で10月からさらにマイナ保険証の利用率に応じて増点される見込みです。要件としまして電子処方箋を今年度末(令和7年3月末)までに運用開始するということが条件になってございまして、当然ながら電子処方箋を運用していただけない場合にはこの加算が取れなくなるということでございます。
 私どもがヒアリングしている中では、医療機関の皆様がベンダーの皆様に対して仕様の検討、見積り、そして改修作業をお願いさせていただく中で6か月ぐらい時間がかかるというお話を聞くこともありますので、全国の医療機関・薬局の皆様にはまさに今月、着手をいただいて、しっかりとこの加算を取っていただく方向で動いていただくことを呼びかけていきたいと思っております。
 続きまして、先ほどのお見合い状況にあってなかなか一向に導入が進まないという問題につきまして、昨年11月に武見厚生労働大臣自らが厚生労働省所管の公的病院の皆様に対して、また、他省庁所管の公的病院に対しては厚生労働省の幹部から、率先的に導入をいただくよう要請をしてまいりました。それを受けての結果が今般、取りまとまりましたので、公表させていただきます。
 「小計」というところを御覧になっていただきますと、厚生労働省所管の病院グループで7割、他省庁所管のもので4割、合わせまして5割の公的病院が今年度中に具体的に導入をする計画を持って動いていただいております。さらにその横の「中計」というところを御覧になっていただきますと、さらにそこから1年強経過した時点を見ますと、厚生労働省の所管の病院で9割、他省庁所管のものを合わせたとしても7割の病院において導入いただくという具体的な検討を持っていただいているという状況にございます。
 個別に少し日程が遅れる等の理由につきまして、電子カルテの全更改をちょうど控えているところなので少し待ってほしいとか、院内処方を中心にやっているのでといった状況もございますけれども、そうでない場合は引き続き早めに導入いただくことを呼びかけていこうとは思っております。いずれにしましても、先ほど申し上げた約5割の公的病院の皆様が今年度中に具体的に導入をする計画を持っております。この病院の皆様は個別にその名称と立地位置を別添資料で公開させていただきましたので、これは満遍なく全国に広まっておりますので、その周辺の医療機関の皆様、薬局の皆様もそれに合わせて導入を進めていただくようにお願いしていきたいと思います。
 続きまして、電子署名に手間がかかるという御指摘につきまして、これは特にHPKIカードがグローバルな半導体不足によりまして発行が遅延しているという状況を受けて、HPKIの物理カードに代わりましてマイナンバーカードをかざしていただければ電子署名が打てるという仕組みを昨年末に厚生労働省で公開させていただいたところでございます。この実装につきまして、各ベンダーが開発を進めていただいておりまして、この表でいきますと、病院向けのベンダーでいきますと電子処方箋基本機能にはほとんど対応していただいているのに加えまして、一番右のマイナンバーカードを本人認証として用いた電子署名も多くが既に対応済み、または具体的に近々対応できる、すなわち末端の医療機関の皆様からの御要望に応じて納入ができる状況が整うということになってございます。
 このスライドの病院向け、医科診療所向け、歯科診療所向け、薬局向けとなってございますけれども、いずれも基本機能を中心に各追加機能につきましても対応を進めていただいているベンダーが非常に多いということが見ていただけると思います。
 また、薬局特有の問題としまして、薬局で使われているレセコンと電子薬歴システムが他社からそれぞれ調達されている場合に、このレセコンと電子薬歴システムの間で情報連携ができないということが問題であるということをよく挙げられて参りました。これにつきましては、ベンダー団体であるJAHISのほうで御検討を重ねていただきまして、来月10月にはこの情報連携の方法を具体的に公開いただく予定が立ちましたので、これをもって大幅に解決が進んでいく見通しとなってございます。
 続きまして、国民の皆様への情報発信が足りないのではないかという点につきまして、これまで厚生労働省におきましては、学会や医療機関・医師の団体、薬局・薬剤師の団体等々、200回以上の講演も開催し、オンラインでの説明会も繰り返して参りました。それに加えまして、国民向けの周知広報としまして、人気アニメでありますTVアニメ『薬屋のひとりごと』とタイアップした周知広報ということで、この右にございますとおりのポスターを全国の医療機関・薬局の皆様にお送りして掲示をお願いしたことによって、全国の国民の皆様にも電子処方箋という言葉に触れていただく機会を創出しました。
 また、患者さんが自らの周辺の医療機関・薬局で電子処方箋に対応しているところを調べやすいように、厚生労働省においてマップを公表する等の対策を講じてございます。この患者の皆様に使っていただけるような周知広報、また、利用を呼びかけていくような周知広報は今後も力を入れて参りたいと思っております。
 このように一連の対策を講じることによりまして、残り半年間で大幅な普及の加速を試みてまいりたいと思います。
 私からの説明は以上でございます。
○長嶋課長補佐 続きまして、議題2(2)について、横山参考人様から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
○横山参考人 御紹介にあずかりました、白山石川医療企業団の横山邦彦と申します。本日はこのような機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。
 地域の調剤薬局と一緒になって推し進めてきた電子処方箋の普及推進の取組及びその実績の一環を今日は御報告申し上げたいと思います。石川県にあります白山市、野々市市、川北町の2市1町が2つの病院と3つの診療所を開設しておりまして、地方公営法全適の当医療企業団がこの5つの医療機関を一個のグループとして一体的に運営をしているという、いわゆる公設公営でございます。このグループの中で急性期を担当しているのが石川県の白山市にございます公立松任石川中央病院ということになりまして、私の所属はそこになります。ここはPETが3台稼働しておりますが、私の専門がPETの核医学の読影や、外来で甲状腺疾患の患者さんを診察するということをやっております。病院の規模感としまして305床なので決して大きい病院ではないのですけれども、医療圏人口が約20万人で稼働率が大体90%超えですので、非常に忙しくしているという状況です。外来の数は一日700人前後で、処方箋の枚数ですが、月平均で7,000枚から7,500枚ぐらいの間を推移しております。周辺の調剤薬局でございますけれども、100局ぐらいございます。
 我々が電子処方箋の取組に行こうと思った理由・動機というのは2つございます。一つは、電子処方箋管理サービスでございます。この仕組みを使うと、処方の内容が国のサーバーで一元化されるということになりますので、医療機関の枠を超えて重複投薬や併用禁忌というものがチェックできるようになる。これは今までできなかったことですし、患者にとっては安全性、あるいは医療の透明性が大きく向上するだろうと思いました。ただし、この仕組みを実効性を持って担保するとするならば、全ての病院、全てのクリニックが電子処方箋に対応しなくてはならないわけですけれども、これにはいささか時間がかかるだろうと思っていたわけです。
 一方、調剤薬局に関して言いますと、電子で持ち込まれた処方箋以外で、紙の処方箋であっても調剤薬局が電子に対応していればそれを電子処方箋管理サービスに上げることができるということに気づきまして、それならば地域で一緒にやりませんかという声がけを周辺の調剤薬局にさせていただいたということです。この実効性を担保するためには、とにかく面で展開するということが必要になります。
 当時、電子処方箋をやり始めようとしたときには、HPKIカードの供給問題が非常に大きゅうございました。実際、もう一つの我々が電子処方箋に踏み切った理由が、HPKIカードを使わないカードレスのセカンド認証、いわゆるリモートの署名は今後、病院の中でいろいろな運用に関わってくるだろうという思いがありました。これに関しては今回、割愛させていただきますけれども、このセカンド認証というものが公式にアナウンスされるのを待ちまして、2023年1月から電子カルテのベンダーとシステムの構築ということの検討を始めたわけです。ただ、この頃は本当にカードどころかHPKIセカンド電子証明書のほうもなかなか手に入れることが難しく、何とか日本医師会、あるいは電子処方箋サービス推進室の御協力を得ながら、2023年8月には当院の16名分のHPKIセカンド電子証明書を得ることができましたので、2023年8月から松任石川中央病院で電子処方箋の運用を開始しました。
 それに先立つこと2週間前に、ここに書きましたように調剤薬局のチェーン、それから地区及び県の薬剤師会のメンバーの会員店、それから全国的なドラッグストアのチェーンに当院から処方箋が行っていると想定されるところは全てお声がけ、皆さんにお集まりいただいて、8月から当院でやるという話をさせていただいたという次第です。このときはリアルとウェブを合わせて100名の方に参加していただいています。
 実際にこの16名で始めてみましたが、そのときは職員が当該16名の医者の診察を待っている患者さんを待合室で探し出して、まだ数が少なかった電子処方箋対応の調剤薬局に行っているかどうかを確認した上で電子処方箋はどうですかという御説明をさしあげるということで、かなり人的業務をかける割には、後ほど示しますように全く電子処方箋というものが発行できなかったような状況です。これは16名ということに問題があるということで、何とか全常勤医の認証情報をいただくということに努力をしまして、ここでも大変お世話になりました。11月にはHPKIセカンド電子証明書がそろいましたので、今度は全常勤医でやるということを、また2週間ほど前に皆様に集まっていただいて御説明をさしあげたわけです。
 当院の薬剤師が病院の中で電子処方箋の説明をしてもなかなか難しく、調剤薬局のほうは松任石川中央病院が電子に対応したということはアナウンスしてあるので、松任石川中央病院の紙の処方箋が持ち込まれた調剤薬局であれば、そこで電子にしてはどうかという説明をしてもらったらどうかということに気づきました。そこで、周りの調剤薬局の方にこういった専用のテンプレートをお渡しして、小さい字ですけれども、電子処方箋が何たるものかということを説明しました。あるいは安全性を説明したとか、次回、松任で処方を受けるときに電子がいいのか、紙がいいのか、あるいはどちらでもいいのかということをチェックしてもらって、トレーシングレポートという形で当院に送り返していただくという試みを始めました。これは非常に役に立ちまして、トレーシングレポートがそれこそ毎週数百枚来るような状況で、この中で洗い出しをして、次回電子でいいという方を電子カルテの中でマークしておいて、医師が間違いなく電子処方箋を発行できるような形にしました。やはり紙と電子が混在するということは様々な間違いの元なので、当初から我々は明確にいつかは電子一本化ということを考えておりました。
 こういう試みをしまして、当院が電子カルテ上で許している最大処方が90日間(3か月)でございますので、その倍の6か月間の間には少なくとも2回は調剤薬局に行くだろうということで、11月の半年後、すなわち5月末に3回目の会議を開きまして、いよいよ来月から電子処方箋に一本化するというお話をさしあげました。このタイミング、2月、3月、4月と私自身が外来で処方箋を書いていて、患者さんに「あなたはどこの調剤薬局に行っていらっしゃいますか?」と聞いたときにだんだんと電子処方箋対応の調剤薬局に行っている比率が肌感覚として上昇していると分かってきました。5月12日時点でこういう情報を当院の薬剤部が調べてくれまして、店舗ベースでいくと83%、108薬局のうちの89でございましたけれども、枚数ベースでいくと処方箋の96%が電子処方箋対応薬局に持ち込まれることが確認できましたので、5月23日の会議で6月1日より原則廃止して電子処方箋に一本化を宣言しました。これはあくまでも患者さんの混乱を避けるためであり、紙と電子2つが両立しているというのはやはり問題があるだろう、何とかシンプルにしたいという思いからです。
 2024年の6月をもって、第3期とお書きましたけれども、原則電子という形を取ったわけでございます。
 これが5月23日の第3回目の会議で、このときは150名の方がリアル及びウェブで集まっていただきました。当院の処方箋が行っているところは医療圏のみならず他県にもまたがりますので、そういった方々も参加していただいたのだと思っておりますけれども、3つのお願いをさせていただきました。とにかく患者さんを路頭に迷わせないでということ、いろいろな原因でその当日持ち込まれた電子処方箋が発行できないということもございます。でも、そのときに「うちは今日駄目なのです、もう一回紙処方箋をもらってください。」と言った瞬間から患者さんは「二度と電子なんか利用しない」という話になりますので、これだけは避けてくださいとご依頼しました。そのために、連絡してくれれば電子から紙に当院のほうからも切り替えますといったことの御説明をさせていただきました。
 それと2番目、持ち込まれた紙の処方箋は当院以外であっても電子処方箋管理サービスにとにかく上げてくださいということです。電子処方箋管理サービスへ上げることが最大の目的ですので、これをやってくださいというお願いをさせていただいたわけです。
 ちょうどその2日前ですけれども、地元紙にかなり大きく取り上げられました。ちょっとセンセーショナルな書き方ではございますけれども、やはりインパクトが大きくて、地元紙は購読のシェアが非常に高いので影響力が高いのですけれども、松任ではこういう形で紙の処方箋をやめにしたのだということが知られるようになりました。
 これがその実績です。当初より枚数を競うという意味はございませんでしたけれども、棒グラフのほうが電子処方箋の発行枚数でございます。数字で書いてあるものが電子化率、すなわち当院の全処方箋における電子処方箋の割合でございますけれども、先ほど申し述べましたように、16名でやっていたときはほとんど伸びておりません。16名から全常勤医発行してからは1,000~1,500枚ぐらいにはなっていますけれども、この一本化の後を見ていただくと、大きくジャンプアップしているということがお分かりいただけるかと思いますし、直近ですと歯科が対応したという関係もありまして、9月は恐らく85%ぐらいまで行くのではないかと思っています。
 これは9月1日現在の石川県内の電子処方箋に対応した薬局の割合でございます。黄色く塗った部分が当院の医療圏になります。当院が存在する白山市は49薬局中48局が対応していただいております。
 紙の処方箋が一番右で、これが電子処方箋管理サービスに上がらないわけですけれども、左2枚が処方箋として上に上がります。この登録率が一番の我々の目標ですけれども、今は92%で、残り6%ぐらいを今後上げていくという努力をしていきたいと思っています。これは私が今後の課題かなと思っていますけれども、FAXで引換番号を送るというのは、実際にマイナポータルの引換番号にたどり着くまでにかなりの深い階層までのぞかないといけないということが現状はあります。患者さんにこれというのはなかなか難しいと思っています。
 当院としてはこういうPHRのアプリを使って、FAXの方々をなるべくペーパーレスのほうに持っていきたいと考えています。
 以上です。どうもありがとうございました。
○長嶋課長補佐 ありがとうございました。
 続きまして、議題2(3)です。伊藤参考人様から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤参考人 ありがとうございます。石川県薬剤師会常務理事の伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
 石川県薬剤師会としての取組に関しまして、本日は御紹介させていただきます。まず、先ほどの横山先生の公立松任石川中央病院の関係ということで、まず石川県薬剤師会から取り組ませていただきました。かつ、もう一つは本年1月に発災しました能登半島地震の影響に関して、皆様方に大変御協力いただきまして本当にありがとうございます。こちらのところでも電子処方箋が普及する一つの原因になりました。それと、石川県薬剤師会として研修会活動を利用して、あるいは設置ベンダーへの依頼等々を行いました。
 まず、公立松任石川中央病院の電子処方箋発行ということで、先ほど横山先生が昨年度の6月に大々的に発表するということで、まず病院は電子処方箋を発行するので準備を実施していただきたいという旨の会員薬局への連絡をさせていただきました。これはFAX等々です。その後、応需可能かどうかのアンケートも実施しました。これは限定された松任石川病院の地域が対象でした。
 もう一つは、公立松任石川中央病院では電子処方箋を発行するに当たり「NOBORI」という電子処方箋情報を先に送るFAXコーナー的な役割のものがあるという言葉だけが先行しまして、それと同時に国立病院機構金沢医療センターと金沢大学付属病院でも同様の採用が決まったということがいろいろと噂されました。そのことによってどこもかしこも電子処方箋の発行が近いのではないかということが話題として進んだというのも一つの原因だと思います。
 令和6年能登半島地震の影響といいますのは、まず対象地域にはオンライン資格確認の緊急時医療情報・資格確認機能のアクティブ化をしていただきました。これに関しまして、マイナンバーカードがなくても患者様から口頭などで同意を取得すれば、過去の薬剤情報、処方情報等々は電子処方箋管理サービスに登録したものが確認できました。通常はレセプト情報がここに格納されているのですけれども、震災直後の1月は実際のレセプトが12月の頭に出されたレセプトということで、11月のデータまでしかなく、12月の部分は全くの空白でした。そこからリストアップした中で、避難所での処方や医療機関での処方を接続するためにいろいろ見ていったのですけれども、それ以降、薬局で電子処方箋管理サービスに対して紙処方箋ベースのものを登録している件数がすごく増えまして、よりリアルタイムで処方情報が入手できたということで、それは診療医にすごく助かったという事実を多くの薬局で知ることができました。そのために、オンライン資格確認は実装するけれども電子処方箋はまだ様子を見るという薬局も多かったのですが、一気に電子処方箋の有用性が分かったために実装が進んだという形も一つ考えられます。
 研修会の活用ということで、昨年度秋から石川県薬剤師会の全体研修、小会議、その他研修、電子処方箋の補助金が出るということも、早急に採用していただくように補助金のアナウンスと同時に実施しました。ただ、当初電子処方箋云々というのはオンライン資格確認と何が違うのですかという感じで捉えられている薬局も多かったと思いますけれども、説明を繰り返すうちに何となく理解をされてきたような感じが多かったです。それと、先ほど横山先生のお話にもありましたけれども、チェーン薬局やドラッグストア系列の薬局が一気に協力してくれたということも、導入が早まった原因かと考えます。
 それと、ベンダーに対しての協力要請ということに関しましては、電子処方箋導入に当たって薬剤師会から紙処方箋情報も電子処方箋管理サービスに調剤結果を登録してもらいたいと。そうしないと電子処方箋の有効性が医科のほうでの感覚としても掴みにくいということがあったので、それをいろいろ要請いたしました。しかし、FAX、あるいは研修会、その他もろもろのときにいろいろお話しさせていただいたのですけれども、まだ努力義務ですよねという形でそれ以上はなかなか推進ができなかったので、設置するベンダー全てに声をかけ、設置後にポータルサイトにて運用開始登録の実装まで実施してもらうと同時に、それ以降、電子処方箋管理サービスに調剤結果、紙処方箋の登録もできるだけしていただくように、またそちらからも協力要請をさせていただきました。
 こちらは今年2月までの部分ですけれども、7月に松任石川病院に呼びかけて一気に大きく伸びております。それを受けて、その後の9月~10月頃に石川県薬剤師会からFAX、その他諸々での案内をしたおかげでまたそちらのほうでも伸びております。1月の震災があった後、2月にまた伸びております。それは先ほど言った内容も含めてちょっと理解された部分があったから、電子処方箋というものが増えたのではないかなと思っております。
 こちらは具体的な薬局数です。薬局数が石川県全体で564のところ、8月末段階で375件が導入しています。一番大きなものは金沢市内ですけれども、249件中159件。白山、野々市は松任石川病院の管轄だと思うのですけれども、90薬局に対して90数%が採用しておるという状況です。
 こちらは石川県の地図ですけれども、真ん中よりちょっと下のほうに白山市というところがございます。ここでピンク色がついているところが松任石川病院で、その周辺の薬局がまず参加されました。それ以降、金沢市内でも開業医さんが10数件採用されておりまして、それが上のほうのピンク色になっております。また、それに伴って周りの薬局の導入がこういった形で進んでいます。
 当たり前のことなのですけれども、その地域に影響のある基幹病院の公立松任石川中央病院や金沢大学、あるいは国立医療センターという大きなところが電子処方箋を発行するということがまず大事なことかなと思います。それと同時に、これは受け手の薬局が増えれば増えるほど開業医さんへの導入開始にもつながるのではないかなと考えております。
 問題としてはランニングコスト、電子処方箋の機器は導入しましたが、ランニングコストというのは電子処方箋管理サービスに登録した後、電子処方箋を保管するサービスですけれども、これがベンダーごとによって月々の費用が変わる等、いろいろしていた部分が、厚生労働省のほうで今度やっていただく調剤済みの処方箋保存サービスの案内もさせていただいて、そういった形で少しずつ進んでいるのではないかなと思います。
 それと、私どもも最初に導入したときは外用薬の一部のコードの登録がなかなか難しかったこともあるのですけれども、その後、実際に大分広がっていってはおりますけれども、こちらは進めば進むほどいいのではないかなと思います。それに関してはその都度個別に説明しております。
 以上です。ありがとうございました。
○長嶋課長補佐 御説明いただきありがとうございました。
 最後に、石畑参考人より御説明をよろしくお願いします。ちょっと時間が押しておりますので、大変恐縮でございますけれども、簡潔に御説明いただければ幸いです。何卒、よろしくお願いいたします。
○石畑参考人 承知いたしました。
 今回、お招きいただきましてありがとうございます。株式ファーメストの石畑と申します。本日は弊社の取組ということで「電子処方箋導入効果~薬局・患者さんの立場から~」ということでお話しさせていただければと思っております。
 次をお願いいたします。2022年8月に電子処方箋モデル地域に参加してみませんかというお声がけをいただきまして、喜んで快諾させていただきました。その際に、ただ単に電子処方箋を受けて出せるようなシステムを構築するだけではせっかく参加した意味がないなということで、まず目標を掲げさせていただきました。まず薬局側の目標としますと、紙から電子に変わりますのでコストダウンが狙えないかということと、業務の効率化ということが進められないかということです。もちろん患者さんに対するメリットも出していかなくてはいけませんので、この段階ではどのようなメリットが出るかということが想像できませんでした。そのため、一番患者さんから声が高い、同じお薬をもらうのであれば早くもらいたい、同じお薬をもらうのであれば信頼ある薬剤師さんから頂きたい、同じお薬をもらうのだったらより安いところでもらいたいという声をよくお聞きすることが多かったので、この3つの目標をクリアできないかどうかということで目標に掲げさせていただきました。
 その目標を掲げながら、この電子処方箋を導入するときにつくったシステムが、タブレット端末を使用したシステムになります。まず受付の流れなのですが、患者さんがマイナンバーカードをカードリーダーに通したときに、そのまま電子処方箋が読み込まれます。そのときに、要はレセコンの受付のところにも電子処方箋がすぐに表示されるのですけれども、同じようにタブレットのほうに処方箋が飛んできます。そうするとすぐに調剤行為に移れるということで、入力が確定する前から同時進行で業務が進められるという最大のメリットが生かせるシステムでございます。その後、タブレット端末を使いながら調剤しまして服薬指導、最後に薬歴記入という形になります。
 ここでもう一つ目標に掲げたのが業務の短縮化といったところで、予定短縮時間の目標を約10分ということで設定させていただきました。ここに実際どれぐらい短縮できたかという一覧表を出しています。
 これはまた後で詳細をお話ししますので、次をお願いいたします。なぜこの10分という時間を設定したかといいますと、弊社の薬局はどうしても混み合ったときに50~60分、約1時間待たせてしまうという事例が多々ありました。その中で患者様のアンケートを取りまして満足度調査をさせていただきますと、20分から40分の間に患者さんはもらいたいという声が多かったものですから、そこに対して10分短縮できればこの範囲に持っていけるということで設定させていただきました。
 実際に業務の効率化でどのようにこの10分を捻出したかといいますと、電子処方箋導入効果ということで、導入したときに紙で入力作業を行うのと2次元バーコードリーダーを使って入力する作業よりも約10分削減できています。というのは、電子処方箋ですと手で入力せずにそのまま入力が終わってしまうものですから、そこでチェックしてそのまま入力を確定できるというメリットがあります。
 また、電子処方箋の場合、マイナ保険証で引換番号の入力作業などが削減されます。引換番号で電子処方箋を取った場合は手で入力が必要なのですけれども、マイナ保険証でやった場合というのはそのまま直接番号が入ってきますので、その中でも30秒削減できます。
 また、家族がお薬を取りに来るというパターンも結構あるのですけれども、そのパターンでは電子処方箋ですと既に処方箋を頂いていますので、家族に紙処方箋を渡すという行為が全部削減されます。そのまま家族が取りに来られますので、その待ち時間も削減されるという効果がございました。
 また、タブレットを導入したときの効果なのですけれども、薬歴を入力する時間というのがどうしてもかかりますので、そこの部分が一人一人がタブレットを持ったことにより1時間程度削減されています。また、ソフトの中に検査値等も入っていますので、それをほかのパソコンを見ながら立ち上げるという必要性もないということで、10分ほど削減できます。
 また、最大のメリットとすると、完全ペーパーレス化が目指せるシステムになっていますので、今の段階は完全ペーパーレスにはなっていないのですけれども、その中でも月7,000円ほどの経費削減が行われています。また、在宅・一包化・散薬等でもコピーをしなくてよくなりましたので、ペーパーレスになっています。また、在宅にも直接持っていきますので、そういうところで業務が効率化されたということでございます。
 最後のところは補足のところで書かせていただきました。あくまでもこちらの2次元バーコードリーダーをうちは導入していますので、それに比べて何分という形になっていますので御了承いただければと思います。
 以上が業務効率化のお話になります。
 電子処方箋の最大のメリットであります重複投薬・残薬等の併用がすぐにかかってくれますので、安心感が患者さんにも与えられるということです。そのことに関しまして、薬剤師にも同じように信頼感が与えられると考えております。
 最後に、コストダウンのところだけお話しさせてもらいます。やはり電子処方箋を入れるとコストがかかってしまって、ランニングコストもかかってしまってこれはなかなか導入できないなみたいなことを考えていらっしゃる薬局さんも多いのかなとはいまだに感じております。その点で言いますと、弊社の場合、そういうコストアップということはなかったです。全部コストダウンで導入できております。ウィーメックスヘルスケアシステムズさんのものを使っているのですが、もちろんベンダーさんによって全然違うとは思うのですけれども、ペーパーレスでコストダウンを狙っていくと、うちの場合は大体月2万円以上削減できますので、その分で非常に大きいメリットがあったと考えております。
 最後に、電子処方箋導入効果ということで最初に掲げた目標なのですが、薬局側はほぼほぼ達成できたのかなと思います。ただ、患者さん側のメリットというところではもう少し出していければなと思います。今、1日に50枚ぐらいの電子処方箋を頂いているのですけれども、この半年間で患者様からクレームが来たというのは私が知っているだけでも1件だけでございます。患者さんの効果も高いシステムでございますので、今後、波及していければなと思っております。
 最後に、ありがとうございましたということで示させていただきます。
 以上でございます。
○長嶋課長補佐 御説明ありがとうございました。
 各参考人の御説明及び事務局の説明事項に関しまして、各構成員の先生方から御意見、御質問等がありましたら、時間も押しておりますので大変恐縮ではございますが、簡潔にお願いいただけると幸いです。事務局にいただいた質問に関しましては、最後にまとめて回答する方針とさせていただきたいと思います。
 そうしましたら、挙手をよろしくお願いいたします。美原構成員、よろしくお願いします。
○美原構成員 全日病の美原です。どうもありがとうございました。
 私どもの病院も積極的に電子処方箋を導入しようと考えているところです。そこで、横山参考人にお聞きしたいのですが、私どもの病院は200床弱の少し小さな規模の病院なのですが、問題となるのはコストだろうと思います。この病院は群馬県にあって補助金も入るのですが、電子カルテの改修費用とネットワーク工事に補助金が入るため、実質的に我々の病院の負担は260万~270万となります。それから、先ほどから話になっているランニングコストが、システムの保証費やネットワーク、サポートなどで年間25万~30万ぐらいかかります。そうした状況で電子処方箋を導入してペイするのだろうかということを考えた場合、医療DX推進体制整備加算がありますが、当院の初診患者数は月に500~600例ぐらいで、ぎりぎりペイするかというところなのです。ですから、公的病院としては電子処方箋導入に関する収支についてどのようにお考えになっているのかというのが一つです。
 それからもう一つは、病院の職員であるドクター及び病院の薬剤師の方がこれによって本当に楽になったと思っているかということをお聞きしたいです。もちろん紙と電子カルテが両方ともあった場合にはとても大変だろうと思うのですが、1つになればそれなりになるとはと思ってはいるのですが、当院の薬剤師に聞くと、病院長が入れるから入れるというだけで、そんなにメリットを感じないと言っているのです。また導入した結果、この電子処方箋の目的というのは安全、あるいは効率的な医療の推進と思われるのですが、実際にポリファーマシー対策がちゃんとできる、重複投与がなくなる、その結果、薬剤総合評価調整管理料の算定件数が増えているかなどについてお聞きしたいと思います。
○横山参考人 白山石川医療企業団の横山でございます。事務局のほうから簡潔にということなので十分お答えにならないかと思うのですけれども、後ほどまたと思います。
 我々はまず今の段階でコストというのはあまり考えていないというか、どういうものであってもそうだと思うのですけれども、使うか使わないかだと思うのですね。使うのであれば、とにかく使いやすいものをつくっていけば必ずそれは役に立つという、これは信念に近いものです。ですので、院内の薬局に関しても周りの薬局に関してもその考え方に共鳴してくれたのではないかなと思っていますし、薬剤師のほうからも、とにかく紙と電子が両立するというのはいろいろな意味で間違いの元であり、患者さんに混乱を与えるというので何とか電子一本化してほしいということを言われておりましたし、周りの薬局からも一本化するのであればそれのほうがいいだろうと聞いております。
 すみません、ちょっと答えになっていないかもしれません。
○美原構成員 ありがとうございます。
 石川県の場合、いわゆる個人経営の薬局というのはあまりないのですか。今日説明があったのは大きなチェーン店みたいなものが多くて、先ほど先生がお話しになられたように、全ての薬局、全ての医療機関が電子処方箋に対応しないと意味のあるデータにならないわけですね。調剤薬局の90%くらいが電子処方箋に対応していればいいのかも知れませんが、そういった中、我々の地域ですと個人薬局もそれなりにあり、このような個人薬局は電子処方箋にはなかなかこれに手が出しにくいと思うのですが、先生のところはいかがなのでしょう。
○横山参考人 大体の数で言うとチェーンと県薬剤師会のメンバーのところと半々ぐらいですね。動きの速さというのは個人薬局のほうが速いですね。皆さん非常に危機感を持って対応していただいております。
○美原構成員 どうもありがとうございました。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。
 続きまして、日本医師会の長島構成員からよろしくお願いいたします。
○長島構成員 日本医師会の長島でございます。
 7月にはこちらの病院と薬局の方から直接お話を聞く機会がありまして、そのときに大変感心いたしました。そこで横山先生にお聞きしたいのですが、こんなにすごいのはほかと何が違うのかというところです。私の見た感じではそもそも医療企業団という在り方自体が地域全体を面として支える存在であったということと、地域の特に薬剤師会や薬局の強力な協力が得られたこと、あるいはIDリンク、PHR等のITの基盤があったこと、そして恐らく何よりも横山先生という超強力なリーダーがいたことだと思うのですけれども、先生はこれがこんなに進んだポイント、あるいはほかとの違いというのは何だとお考えでしょう。
○横山参考人 2015年、今から10年ぐらい前から先生のおっしゃるようにIDリンクを使って薬局と病院との間の情報連携というのをやってまいりましたし、それから、いろいろなことで薬局と病院との間で様々な催し物であったり、あるいは研究会であったりというものを地道に重ねてきて、顔と顔が見える関係性ができていたというのが一番大きいかなと思っております。
○長島構成員 ありがとうございました。
 また、先ほどの薬局のほうの様々な工夫点も大変参考になりましたので、ぜひこれを全国にどんどん普及していただければと思います。
 ありがとうございました。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。時間が押しておりますので、次の構成員様からと思っておりますけれども。
○新垣構成員 1つだけお聞きしていいですか。
○長嶋課長補佐 新垣構成員、よろしくお願いします。
○新垣構成員 全体を通してでいいのですね。
○長嶋課長補佐 おっしゃるとおりです。よろしくお願いします。
○新垣構成員 時間もないので全体的に。電子処方箋を推進していくために3つお願いしたいことがあります。
 まず、国民の周知徹底はこれまでに行っていると思いますが、ベンダーの目線から見るとまだ不十分だという印象を受けております。国民への周知徹底をさらに強化していただきたいというのが1点目です。
 2点目は補助金のFAQに関してです。ベンダー向けの勉強会で、運用後でなくても補助金の申請ができるよう見直しが行われたという情報を入手しています。これはベンダーだけではなく、医療機関や薬局にも周知徹底をお願いしたいと思います。
 3点目は、ベンダーからのお願いです。現状、インターネット環境で検証環境が提供されていないため、電子処方箋の導入を促進するためにも、検証環境の実現に向けた検討をお願いしたいです。特にオン資ネットワーク上でのカードレスの検証環境も検討していただければ幸いです。
 ここまでが依頼事項になります。1点だけ認識の確認をさせてください。第1回電子処方箋推進会議の資料11ページに、普及拡大に向けた具体的な進め方が示されています。このページには、第3フェーズとして2025年3月末までにおおむね全ての医療機関・薬局への導入を目指すと記載されています。この目標設定に対する現時点での評価や見解を教えていただきたいです。
 ベンダーの目線から見ると様々な対策を講じていただいておりますが、さらに対策を講じる必要があると感じています。この目標の達成は難しいのではないかと思っております。
 以上になります。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。事務局の回答は最後にまとめて対応いたします。
 ほかの構成員の先生方、いかがでしょうか。
 そうしましたら、日本薬剤師会の田中構成員からよろしくお願いします。
○田中構成員 ありがとうございます。
 事務局の資料説明並びに先生方の取組の御発表はとても参考になりました。ありがとうございました。そこに関しまして幾つか意見を発言させていただきたいと思います。
 まず、電子処方箋の推進によって、医療安全に寄与してより迅速な情報の共有化というところが行われることを期待しております。本会としても継続的な取組を行っていきたいと思っております。
 ただ一方、これまでの紙の処方箋から変わることによって、調剤情報の即時登録等を行っていくことによって手間が増えてしまっているというのも間違いないところでございます。また、電子処方箋の手動入力の手間が減るというお話もございましたけれども、技術的なことで言えば用法コードの不整合等々もありますし、データやその他修正等の確認作業、薬剤師のいろいろな作業といったものが多々増えてきているという例も多く見受けられております。また、薬局内の調剤業務自体のデジタル化といったものを考えますと、まだまださらなるシステムの進化というのも必要なのではないかなと思います。
 それから、事務局様からありましたスライドに課題と対策ということでいろいろありますけれども、導入に関しまして補助金があるのですが、追加機能というのがどうしても五月雨式にずっと来ておりますので、何回もシステム改修が必要になって追いついていないということがあります。導入時の補助金等はありますけれども、導入後もこういったことで毎月維持費がかかってきてしまっているというのが現実の話かなと思います。
 これはこの場で言うことかどうか分かりませんけれども、紙処方箋の処理に比べて電子処方箋の処理は薬局薬剤師のほうに多くの時間や労力というのをどうしても要しておりますので、これまで補助金等もありましたが、診療報酬の一定の手当てを検討していただくといったところも考えていただければと思います。
以上です。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。
 そうしましたら、日本チェーンドラッグ協会の関口構成員からお願いいたします。
○関口構成員 ありがとうございます。日本チェーンドラッグストア協会の関口でございます。
 私も先ほど新垣構成員が御指摘された内容と同じでしたので、それについて御回答いただきたいというところが1つ目。
 そして2つ目として、これを進めるに当たって少しインセンティブをつけたほうがいいと考えられます。それはどういったことかと言いますと、例えば全国統一システムである医療情報ネット、ナビイの検索上位に電子処方箋対応医療機関を持ってくるということが具体的には考えられるのではないかと思いますので、そういったことも含めて御検討いただければと思います。
 また、一つの意見としてですけれども、調剤後登録というものは一生懸命我々薬剤師が頑張ってやっております。ただ、作業が1段階増えるということで薬剤師の負担は非常に大きいです。例えば修正が起きるたび、その都度患者データをPCに呼び出して一つ一つ修正して再度登録するといった作業に非常に手間がかかるということ、そして外来患者様もさることながら、在宅領域の在宅患者様において非常に煩雑になる。処方修正の頻度も格段に多くなっていますので、外来と比べて在宅業務の非効率性に調剤後登録の集計業務が拍車をかける形となっておりますので、この辺の評価をまた検証していただければと思います。
 以上です。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。
 そうしましたら、柄澤構成員からよろしくお願いいたします。
○柄澤構成員 ありがとうございます。
 今日はお三方の御発表、ありがとうございました。大変参考になって勉強になりました。
 地域の薬局で電子処方箋がこれほど進んだというのは、間違いなく病院の皆さんに何度も連携会議をしていただいて、理解を深めていただいた御尽力に感謝します。その中ですごく思ったのは、せっかくこれだけの薬局が参加してきて、横山先生のところでも実践されていたところで、例えばこの地域で医療機関が中心となって、周辺のクリニックが進むように進んでいる地域から集中的に進めていくというのも一つの方法ではないかなと思います。患者のほうも大きな病院で電子処方箋ということを御経験されているので、もしかしたらクリニックに行っても「先生のところは電子処方箋はないのですか?」ということになってくるのではないかと思ったら、前回御説明がありましたようにまず進んでいる地域ごとに医療機関を引っ張って進んでいくというところに注力いただけるというのがありがたいことかなと思いました。
○長嶋課長補佐 ありがとうございます。
 そうしましたら、小野寺構成員も手を挙げていらっしゃるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小野寺構成員 日本歯科医師会の小野寺です。ありがとうございます。
 本日、石川県の皆様の取組を拝見させていただいて、大変感銘を受けております。このような形でできるだけ多くの医療機関でこのような導入が進むことは望んでおります。
 ただ、歯科の場合、非常には状況が遅れておりまして、全国でもまだ150件程度しか電子処方箋のシステムが導入されていないということ、あとはHPKIカードを持っている歯科医師がまだ全国で1,000人ぐらいしかいないというところもあります。現在、来年の3月で補助金が切れるということで、国の補助金が半分ですからそれが来年の3月で切れる。あとは、各都道府県の半分は超えたと言いますが、やはり半分程度でしか4分の1の補助が出ないということを考えると、どうしてもこの補助金に関しては来年の3月までというのは非常に厳しいという状況になります。そうしますと、もし4分の3の補助が出れば10万円で済むものが、来年の3月になると40万円かかるということになると大変大きなハードルになると考えられますので、この補助金の延長に関しましてはまた御考慮いただきたいと要望したいと思います。
 歯科の場合はいろいろな特殊な事情があって、院外処方の歯科医療機関はあるデータでは2割から3割ぐらいしかないという話もありますが、この前の医療DX加算に関しましては大体10数パーセント、歯科医院でも応募しております。そういう歯科医院にとっては恐らく院内処方のほうから電子処方箋のシステムに入るところも多くございますので、その点も御配慮いただければと思います。
 以上でございます。
○長嶋課長補佐 ありがとうございました。
 時間も押しておりますので、御質問はこちらで終わらせていただき、最後に事務局からまとめて御回答をさせていただきます。
○猪飼室長 まず、新垣構成員、関口構成員から。事務局の見解をということで、御質問のあった、目標に対して現行の状況の認識ということですけれども、目標はおおむね全ての医療機関・薬局に来年3月末までに電子処方箋を導入いただくという目標を維持しておりますので、これに向かって進めていかなくてはいけないという意識は我々は常に持っております。この現行の数字を見たとおり、非常に高い目標となっていると言わざるを得ないというのはそのとおりだと思いますけれども、だからこそといいますか、本日、公表させていただきました公的病院の名称等というのも、先ほど申し上げましたとおりお見合い状況で誰かやるまではやらないでおこうという雰囲気を打ち破るという意味で公表させていただきました。これらの情報を的確にといいますか、より広く発信していくことによって少しでもこの目標の達成に向けて近づけていきたいと考えております。
 その他、柄澤構成員からいただきました地域ごとに注力してはどうかということも、事務局としましては全国民の皆様に安全にお薬を届けていくというメリットは享受していただきたいという目標はございますけれども、他方で、今回の公的病院につきましても、それぞれが地域で核となってこれを果たしていらっしゃる病院というのが非常に多くございます。これが全ての都道府県に満遍なく広まっているという状況ですので、それぞれの地域が全国で地域として進めていただくことを期待しております。
 その他、構成員の皆様からいただいた御要望につきましては、よくよく今後御相談させていただきまして検討させていただきたいと思います。
○長嶋課長補佐 最後に、医薬局長の城から一言挨拶を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○城局長 医薬局長の城でございます。本日はお忙しい中、電子処方箋推進会議に御臨席いただきまして、誠にありがとうございます。
 電子処方箋はもう皆様御承知のとおり、医療DXの中でも特に一番に進めていくべき、そしてその体制が整っている部分だと思っております。これを国民の皆様がマイナ保険証と併せて使っていただくことができましたら、個々人の薬歴も含めてリアルタイムで医療機関でも薬局でも共有できるし、これが患者の皆様にまさに重複や禁忌といったものの排除ということでメリットを出していけるものだと考えております。
 ただ、今日も我々の資料でお示ししましたように、まだまだ阻害要因と現場から御指摘されているものが相当ございました。補助金の問題もそうですし、周辺の普及の問題もそうですし、その他いろいろございましたが、こういったものに我々がどのように一つ一つ対策を取っていくかということでやってまいりました。事務局からも御説明しましたように、個別の中心となる公的医療機関がどこで、いつこれを導入することになっているのかというのを全部公表するということでありますとか、都道府県の補助金のかさ上げ部分をもっと広くお願いするといったことを進めて参りましたが、本日もさらにシステムの問題も含めまして、そして補助金の継続の問題も含めましていろいろと御意見をいただきました。高い目標を掲げております関係ですが、ただ、私どももまだ半年ございますので、ここでとにかく目標達成に向けてひたすらにしっかり努力をしていく、そして御協力を求めていく、その中で支援策もさらに考えていくということで考えております。特に薬局の皆様におかれては、実際の紙を電子登録することによりまして、全ての患者様に少なくとも調剤の段階まで来れば全てのシステム的なメリットが享受していただけるという状況になりますので、ここを中心的に進めていただいた上で、そのメリットはクリニックでも見られるという形になってきますので、ぜひそれを進めていただきたいと思っています。
 本日、いただいた御懸念等につきましても、これからまた皆様方とよく御相談させていただいた上で解決をしっかり図っていきたいと考えております。引き続き御指導、御協力いただきますようよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
○長嶋課長補佐 本日、皆様方からいただきました御意見に関しては、電子処方箋の普及等に向けてさらに検討を進めて、報告させていただきたいと考えております。次回の開催につきましては、また追って事務局より御連絡いたします。
 また、事前にコメントいただいていた件を少し触れます。資料1にもありますように電子処方箋を運用開始した施設を載せた地図を公表していますが、少しずれがあるという指摘をいただいておりました。この点に関して、運用開始施設の公表とこの地図の公表タイミングにずれがあって生じているところもあること、一言申し上げます。
 それでは本日の第3回「電子処方箋推進会議」を終了いたします。本日は大変ありがとうございました。
(了)