令和6年度 第4回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和6年8月5日(月) 14:00~16:33

場所

TKP新橋カンファレンスセンター
東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング14階

議事次第

  1. (1)化学物質の危険有害性情報提供制度における成分名等の通知等について
  2. (2)濃度基準値の検討
  3. (3)濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について
  4. (4)その他

議事内容

午後2時00分 開会
◯長山環境改善・ばく露対策室長 本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、令和6年度第4回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。
本日は、前半に化学物質の危険有害性情報提供制度における成分名等の通知について及び濃度基準値の検討、後半に濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について検討することとしております。
開催要項別紙の構成員名簿の全ての方々に本日は御参集いただいております。出席者は18名で、うち、竹林構成員と平林構成員がオンライン参加となっております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しております。
会場参加の皆様におきましては、御発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いいたします。
オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きましてマイクをミュートに設定していただきますようよろしくお願いいたします。また、御発言の際には、あらかじめチャットで御発言の旨を入れていただくか、又はお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、御承知置きください。
また、本日の会議は公開としており、一般傍聴者につきましてはWebでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、最初に事務局の人事異動がございましたので、令和6年度第4回化学物質管理に係る専門家検討会の開催に当たり、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の井内から一言御挨拶申し上げます。
○井内安全衛生部長 ただいま御紹介いただきました安全衛生部長の井内でございます。7月5日から参りました。よろしくお願いいたします。
まずは、先生方には平素より労働安全衛生対策の推進の形で御尽力いただいており、誠にありがとうございます。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
本検討会につきましては、昨年度から、ばく露上限となる濃度基準値や測定方法、併せて、成分情報が営業上の秘密に該当する場合の取扱いといったところの御検討をしていただいていると聞いております。
本日は第4回ということでございますが、第8回まで予定しておりますので、先生方におかれましては、御知見を生かしていただき、忌憚のない御議論を頂ければと思っております。
甚だ簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
◯長山環境改善・ばく露対策室長 なお、井内部長は公務の都合により検討会中に中座させていただきます。
また、事務局にその他人事異動もございましたので、一言御挨拶させていただきます。
まず安井課長、お願いいたします。
○安井安全課長 安井でございます。7月5日付で化学物質対策課長から安全課長に異動いたしました。対策課長在職中は大変お世話になりまして、厚く御礼申し上げます。
本日は、安全衛生部のプロジェクトのメンバーという形で議題1に関しまして議論に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
◯長山環境改善・ばく露対策室長 次に土井課長、お願いします。
○土井化学物質対策課長 7月5日付で化学物質対策課長に異動になりました土井でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯長山環境改善・ばく露対策室長 次に猿渡補佐、お願いします。
○猿渡化学物質評価室長補佐 同じく7月5日付で化学物質対策課評価室長補佐になりました猿渡と申します。よろしくお願いいたします。
◯長山環境改善・ばく露対策室長 最後になりますけれども、本日司会を務めさせていただきます私も異動がありまして、環境改善・ばく露対策室長の長山と申します。よろしくお願いいたします。
なお、安井課長におきましては、公務の都合により議題1の審議後に中座させていただきます。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長 皆様、猛暑の中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
◯長山環境改善・ばく露対策室長 資料は、本日は、まず議事次第と配付資料一覧がございます。資料としては資料1から資料5-3まで、参考資料は参考1から参考9-2までを御用意しております。それぞれタブレットに格納しております。また、検討対象物質一覧の資料4-1と4-2については印刷した資料も配付しております。会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては、資料の抜けなどございませんでしょうか。
また、オンラインで参加いただいている先生にも資料を事前にメールで送付させていただいておりますが、何かありましたら事務局までお知らせください。
また、本日の資料は、厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方におかれてはそちらを御覧いただきたいと思います。
資料の確認は以上でございます。
○城内座長 ありがとうございました。
(1)化学物質の危険有害性情報提供制度における成分名等の通知等について
○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
議事1「化学物質の危険有害性情報提供制度における成分名等の通知等について」についてですが、事務局から資料1の中間取りまとめ(案)の説明の後、ローマ数字の大項目ごとに区切って議論をお願いしたいと思います。
それでは、事務局から資料の説明をお願いします。
○猿渡化学物質評価室長補佐 資料について、猿渡から説明させていただきます。
こちらの中間取りまとめ(案)につきましては前回の検討会において詳しく御議論いただきましたので、本日につきましては前回から修正いただいた点を中心に説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず資料1をお開きいただければと思います。
修正する箇所なのでページを飛ばしまして、10ページ目を開いていただければと思います。ローマ数字Ⅲ番の第1の1(2)のイの部分でございます。こちらは城内座長から、もともとこちらのイの部分の「急性毒性を有する物質」という表記につきまして、急性毒性だけでいいのかという御指摘を頂きました。また、宮川委員から、「急性毒性」の意味につきまして、JIS、GHSだと致死作用をメインとした急性毒性ということだが、こちらはそういう意味だけではないのではないかという御指摘を頂きまして、下線にあるとおり、「急性毒性に区分される物質等、急性の健康影響を有する物質」と変更させていただきました。また、その後も、「作業内容に応じた」という文言を「保護具」の前につけさせていただいた修正でございます。
続きまして、10ページから11ページにまたがるところでございます。こちらは、流出その他の事故が発生した場合で医師の応急措置が必要となった場合に医師が治療方針を決定する際の問い合わせ先として日本中毒情報センターの連絡先を通知する事項とすることが望ましいという意見を、こちらは前々回でございますけれども、頂きました。本件につきまして、前回検討会後に省内関係部局及び日本中毒情報センターさんと意見交換をさせていただきました。その後、同センター内で検討いただきまして、方針を決めたということで回答いただきました。こちらの方針につきまして紙で頂いておりまして、こちらを読み上げさせていただきたいと思います。
読み上げさせていただきます。
SDSにおいて24時間対応可能な緊急連絡先として日本中毒情報センター中毒110番の電話番号を記載することに関しまして、日本中毒情報センターとして検討した結果をお伝えいたします。
中毒110番の電話番号記載については、従来、当法人の賛助会員のみ(有償)としておりましたが、今回の労働安全衛生法におけるSDS制度の見直しに合わせて、SDSに限り広く無償で記載を可能とする方針に変更いたします。ただし、緊急対応の観点からも企業が次の要件を満たすことが必須であり、当該事項の企業への周知を条件とさせていただきたいと存じます。
日本中毒情報センターが企業に求める要件。
1点目、SDSの記載方法の統一(テンプレートの使用)。
2点目、SDSの日本中毒情報センターへの全件登録(SDSのPDFファイルとExcelのリスト)。
3点目、SDS担当者の明示(連絡先の共有と日本中毒情報センターからの照会対応)。
以上につきまして回答いただいたところでございます。
本方針を踏まえまして、「医師が治療方針を決定する際の問い合わせ先として、日本中毒情報センターの連絡先を通知事項とすることが望ましい」と本文に記載するとともに、11ページの注5の部分に、今読み上げさせていただいた内容と同じなのですけれども、「日本中毒情報センターの連絡先を通知事項とするためには、次の条件を満たす必要がある。①連絡先は、定められたテンプレートに従って記載すること、②該当する製品の危険有害性情報の通知事項(SDS等)と当該SDS等に関する担当者の連絡先を日本中毒情報センターにあらかじめ登録すること」ということについて記載させていただきました。
11ページの注意書きのところでも修正させていただいております。こちらの注1の部分でございます。こちらにもともと書かれているのは、CAS番号の登録番号のところでございます。こちらは、西村委員からCAS番号と突合できるような形になっていることを示してほしいというような話がありましたので、注1を追加させていただきました。こちらの「厚生労働省HPで公開している法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧―括弧の文は省略させていただきます―においては、該当するCAS登録番号を参考として示している(法令上の名称の整理により、複数の物質をまとめた名称として規定しているもの等でCAS登録番号が特定できない場合がある。)」という形で、こちらは正確に記載させていただいたところでございます。
続きまして、その下の注4の部分でございます。こちらは、宮本委員から、女性則第2条第1項第18号における化学物質等に関する有害業務について、妊婦にかかわらず全ての女性に対して就労制限がある旨を踏まえつつ、女性の就労制限の範囲が限定されることも示しつつ、女性排除と取られないように表現すべきという御意見を頂きました。こちらにつきましては、極力条文の内容を正確に書くことで理解を促進したいと思っております。中身につきましては、注4に書かれている二重下線の部分、「特別則適用物質のうち、国のGHS分類により、生殖毒性若しくは生殖細胞変異原性が区分1A又は1Bに分類され、又は授乳影響ありとされた26物質について、呼吸用保護具の使用が義務付けられている業務又は作業環境測定の結果、第三管理区分に区分された屋内作業場における業務をいう」というのを注でつけさせていただきまして、それ以下の部分は同様でございます。
続きまして、12ページの部分でございます。こちらの2番の(3)のアの部分でございます。こちらにつきましては、宮内委員から、保護手袋のポジティブリストの場合には作業により適切なものが選べるようにすべきという意見を頂いたところ、作業内容に応じて適切に選択できるという趣旨が分かるようにするため、「作業内容に応じて」という文言を追記させていただいた部分でございます。
続きまして、12ページから13ページにまたがる部分でございます。「「貯蔵又は取扱い上の注意」の記載事項における呼吸用保護具について」という部分の(3)のところでございます。こちらは、当初の書きぶりだと何の取扱説明書等かが分からない、全体として表現が不明確ではないかという意見を小野委員から頂きました。ここは、最終的に商品である塗料などの説明書から、スプレー塗装のように作業されることが想定される場合には、防毒だけの観点ではなく、防じん機能を有するマスクの使用についても記載したいという意図でありましたので、御指摘も含めまして内容の明確化について修正させていただいたところでございます。
続きまして、13ページから14ページにかかる部分でございます。(3)のところなのですけれども、こちらはもともと、「推奨し、それを前提として、通知事項の変更時のユーザーへの通知を義務付けるべきである」という記載でございました。西村委員から、この記載だと電子化を義務付けられているように誤解されることがあるというような指摘を頂きました。御指摘のとおり、電子化及び標準化を義務付けるという趣旨ではございませんので、(3)も修正させていただいて、一回切るとともに、(4)を追加することで明確化を図らせていただいたという修正でございます。
続きまして、14ページから15ページにかかるところでございます。2番の「SDS等の作成者に対する支援」のところでございます。こちらの(3)の電子化及び標準化のところに注書きをさせていただいておりまして、こちらは、「電子的な通知にあたっては、必要に応じ、セキュリティが確保された方法も利用可能とするよう検討する」という書き方だったのですけれども、西村委員から、化学業界としてはメーカーの知的財産が侵害されないことが前提で、セキュリティよりは知的財産の部分が本質だという御指摘を頂きました。この御指摘を踏まえつつ、注2については、「製造者の知的財産の保護の必要性に応じたレベルのセキュリティ対策が利用可能となるような仕様とする」という修正をさせていただいたところでございます。
続きまして、ページが飛びまして、20ページの部分でございます。「営業秘密として非開示とした場合のSDS等における通知事項及び履行確保の方法」の部分でございます。この4番のところなのですけれども、鷹屋委員から、営業秘密として非開示とした事業場が廃業した場合、その当時どういったものが非開示情報であったのか分からなくなるという御指摘を頂きました。本件については御指摘はごもっともでございますので、こちらは修正箇所が複数にまたがっているのですけれども、こちらについて合わせて説明させていただきます。
まず4のウにおいて、非開示として代替名等を通知した場合の保存義務について記載しております。こちらの注2で記載しておりますが、5年間という形で保存しなければならないことと定めさせていただきました。この5年という保存期間につきましては、リスクアセスメント対象物質の保存期間が5年であること、30年の保存期間が義務付けられている特化則等の化学物質につきましては営業秘密の非開示対象外であることを踏まえながら、5年という期間を設定しております。
続きまして、こちらで合わせて御説明するので飛びますけれども、22ページを御覧ください。22ページの一番下の部分でございます。こちらは鷹屋委員から直接御指摘がありました営業秘密として非開示した事業場が廃業した場合について、所管労働基準監督署宛てに記録を提出することを義務付けるべきということを書かせていただきました。注2も追記させていただいていますけれども、こちらにつきましては、事業場自体は廃業したものの事業が譲渡される場合につきましては、引き継がれた事業場がその情報を引き続き保存するということになりますので、こちらの場合はこの限りではない、対象外という注記をつけさせていただいているところでございます。
すみませんが、20ページにもう一度戻っていただきまして、第5の部分でございます。こちらは医療上の緊急事態が発生した場合の非開示情報の開示の関係です。こちらにつきまして、前回検討後に省内関係部局及び医師会にも御意見を頂いたところでございます。
共通する修正といたしまして、(1)~(3)のところですけれども、前回の案では、「医師」の部分は「医師又は看護師」と書かせていただいておりました。こちらにつきましては、治療等のために非開示情報が必要と判断するのは医師ということでありましたので、こちらについては「医師」と修正させていただいております。
また、(3)におきましては、医師から要請があった場合、医師本人からではなくて、緊急対応要員を通じての開示請求を認めるべきということが書いてあります。本部分につきましても、前回案では「緊急対応要員(緊急搬送従事者等)」と記載しておりましたけれども、緊急搬送従事者が医師の指示を受けて連絡することはあまりないということなので、こちらは括弧で書くのはふさわしくないという御意見がありましたので、削除させていただいております。
また、医師会からは、次のページの注でつけさせていただいたのですけれども、医師が診断をするに当たりまして、SDS等をできる限り持参して、それを医師に伝達することが非常に大事だという意見を頂きました。こちらにつきましては、21ページの一番上の注のところでその旨を書かせていただいた修正をしております。
続きまして、その21ページの2の部分でございます。「非緊急事態(産業保健上の必要)における開示」の部分でございます。こちらにつきましても、前回案では「産業医又は産業看護職等」と記載しておりました。こちらも同じく判断するのは産業医ということでございましたので、「産業医」と修正しております。
また、(3)というのがありまして、そこでは産業医の選任義務がかからない50人未満の事業場の場合を想定した記載をしておりました。こちらにつきましても、地域産業保健センターの医師等を指しているのか、安衛法の条文の書きぶりである労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師という記載を安衛法ではしておりますので、そちらと合わせていただきながら、(3)ではなくて、(1)の産業医のところに注をつけさせていただくような修正をいたしました。
同じ部分なのですけれども、2の(2)のアの部分でございます。こちらは、城内座長から、非緊急事態における開示について、ある特定の物質を行うことから実施している健康診断の結果から、SDSの中からは読み取れない健康障害が起きた場合は、非開示物質による影響があるのではないかと。なので、こちらは、もともと「おそれのある」というのがついていなかったのですけれども、意図するところは、この時点では健康診断ではその物質が影響しているか分からないということなので、これは可能性があるということで、「おそれのある」という文言を追記しております。
最後に、21ページから22ページにまたがるところでございます。3の(2)非緊急事態の「情報開示の条件として、秘密を保持する方策が必要である」という部分でございます。この書きぶりだけでは誰がその方策をつくるのかというのが分かりにくいという御意見を宮本委員から頂きましたので、22ページ目の冒頭にあります注2というのを付け加えさせていただきました。「秘密を保持する方策としては、秘密保持契約が一般的なものであるが、営業秘密情報の開示を受け、当該契約の対象となる者については、事業場の実態に応じ、当該開示情報に係る産業保健活動に従事した者に限定することが想定される」、秘密保持契約は会社同士の契約が一般的だろうと。ただ、どの部分をその会社の中で対象とするかというのは事業場の実態に応じて判断されることが想定されるということを記載させていただいたところでございます。
二重下線のある前回から修正した部分については以上でございます。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
それでは、論点ごとに検討を進めていきたいと思います。
まずは、3ページから9ページのⅠ「検討の趣旨及び経緯等」とⅡ「化学物質の危険有害性情報の通知制度に関する検討の趣旨について」について、御意見等ございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、先に進みたいと思いますが、続いて、10ページから15ページのⅢ「現行の危険有害性情報の通知制度の運用改善について」について、御意見等ございますでしょうか。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 早く伺えばよかったのですが、手袋について、「材質」という表現なのですけれども、「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」で「材料」という言葉の定義を最初に入れていたと思うのです。意味合いはそんなに変わらないと思うのですけれども、統一するなら「材質」よりも「材料」のほうがいいかと私は思うのです。それだけです。何か所かあると思いますけれども、「材質」というと性質になってしまうので、材料の性質と取られるとちょっと違うので、やはり「材料」という言い方でマニュアルは統一していたと思います。以上です。
○城内座長 事務局、よろしいでしょうか。
○安井安全課長 マニュアルに合わせた表現に見直させていただきます。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほかにございませんでしょうか。
西村委員、お願いします。
○西村構成員 日本化学工業協会の西村でございます。
10ページから11ページにかかるところでございますけれども、(4)の最後、「医師が治療方針を決定する際の問い合わせ先として、日本中毒情報センターの連絡先を通知事項とすることが望ましい」ということで、注5に飛んでおりますけれども、この注5というのは、具体的な日本中毒情報センターの連絡先を通知事項とするための方法等を決めていくことになるかと思いますけれども、その際におきましては私ども日本化学工業協会としても協力させていただければと思っております。その最終的な方法等が決まってくるかと思いますけれども、広範なSDS作成者にその方法を伝達する必要があると考えますため、その方法につきましては、最終的には日本中毒情報センター又は厚生労働省様から周知いただく必要があるのではないかと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○城内座長 これについて、事務局からよろしいですか。
○安井安全課長 こちらにつきましては、具体的にどうするかというところにつきましては日化協さんと中毒情報センターさんで、できれば厚生労働省も入って打ち合わせをさせていただいて、そこで得られた成案につきましては御指摘のとおり周知するように努めたいと思います。
○城内座長 そのほかはございますでしょうか。
山室委員、お願いします。
○山室構成員 中災防の山室です。
13ページの上から4行目、(3)に「防じん性能を有する防毒用の呼吸用保護具」とありますけれども、これはガスとミスト等の粒子状物質を両方防ぐという意味で、給吸気式というのも当然該当しますので、これも含めていただいたほうがよろしいかと思います。
○城内座長 これは問題ないですか。
○安井安全課長 「給吸気式」と露骨に書くか、「防毒用の呼吸用保護具等」にするか、その辺は検討させていただきます。
○城内座長 そのほかはございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、私から、これは質問というかお礼が言いたいのですけれども、実はGHSを日本に導入したときに諸外国とすごく大きな点が1つあって、それは、救急のときに中毒センターに電話するとか連絡して情報を取るというのは諸外国では制度としてかなり確立していたのですが、日本だけはそれが確立していないで、ずっと困ったものだなと思ってきました。今回、事務局に御努力いただいて、中毒センターとの交渉で11ページの注5のようになったということは非常に大きな成果だと思って、とてもとてもうれしく思っています。
ただ、1つ懸念は、これは今ここで議論することではないと思うのですが、SDSを中毒センターに登録するというのは小規模事業場では結構大変なことかなと思いますので、どのような方策で進めていけばいいか、それは当然更新作業もあるわけですので、そういうことについて行政のほうで支援策を考えていただければいいかなと思いました。これはもちろん今の議論のところではありませんが、よろしくお願いいたします。
そのほかはございませんでしょうか。
宮本委員、お願いします。
○宮本構成員 宮本です。
本質的な話ではないのですが、13ページの2の(2)の2行目に「川上、川中、川下」という言い方があるのですけれども、こういった取りまとめに書くときに、何となく意味は分かるのですけれども、これが何を示しているのか書かなくてよろしいのかという思いがあります。製造者とか中間加工者とか、途中段階で商社が入るのでしょうか、あるいはこれはどこまでのことを書いているのかとか、具体的に書いたほうがいいのかなと思った次第ですが、いかがでしょうか。
○城内座長 事務局、お願いします。
○安井安全課長 分かりました。括弧書きか何かで、化学業界でない人でも理解できるようにさせていただきます。
○城内座長 そのほかはよろしいでしょうか。
宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 11ページの注5に関連して、これは大変結構だと思うのですけれども、1つ質問といいますか御検討いただきたいのは、政府がモデルSDSというのを公表していると思いますけれども、モデルSDSの場合は担当者の連絡先を書くのはなかなか難しいところもあるかもしれません。そのあたりについても、中毒センターなどと打ち合わせの上、御検討いただければと思います。
以上でございます。
○城内座長 そのほかはございますでしょうか。
では、次に進みたいと思いますが、続いて16ページから22ページ、「危険有害性情報の通知制度における営業秘密の保持について」について、御意見等ございますでしょうか。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 大前です。
20ページの1の(1)の3行目に「ばく露した者への治療等のために」という部分がございますけれども、これは治療だけではなくて診断時にも要ると思うので、「診断及び治療」と変更したらどうかと思います。
以上です。
○城内座長 そのほかはございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、申し訳ないのですが、私から質問。
○安井安全課長 先ほどの大前先生のコメントは御指摘のとおり修正させていただきます。
○城内座長 お願いいたします。
18ページから19ページにかけて、「リスクアセスメントの実施に支障のない範囲として、営業秘密として非開示にできる化学物質の有害性の範囲及び濃度」というタイトルがついているのですが、これは、非開示の範囲といいながら、具体的な例、括弧のところは全て「非開示の対象とすべきではない」と書いてあるので、私の頭の中では混乱して、ここは非開示にしていいよというのだったらそういう書き方のほうがいいかなと思うし、逆だったら、これは非開示の対象とすべきではないというのであればそのように書いたほうが分かりやすいのではないかなと個人的には思いました。そこがこの第3の大きなところです。
それと、もう一つ気になったのが、19ページの上から2行目の「急性毒性には、濃度限界値という概念がないので、濃度限界値の制限は適用しない」ということで、実はこれは事前の打ち合わせのときに、「濃度限界値」という言葉はもしかしたらGHSでいう「cut-off value」なのですかということで、もしそうだとすれば急性毒性に濃度限界値がないというのは多分当たらないのでここはちゃんと検討してくださいというお願いをしました。それで一応事務局からの回答で、これはJISに基づいた濃度限界の話だということが分かりました。「濃度限界」と「濃度限界値」というのは実はJISの中では使い分けているというか、「濃度限界値」という言葉はJISの中では使われていないので、これが「濃度限界」であればJISの定義に従って使用してもいい言葉だと思うのですが、そこが不明でしたので、御回答いただければいいかなと思います。
あと、今の話ともつながるのですが、例えば急性毒性だと、第3の1の(4)で、区分1~3については非開示の対象とすべきでないというような言い方をしていて、2の(1)でまた急性毒性についてのことが書かれているわけですけれども、そうすると、区分4については非開示にしてもいいですよという結論に行くのかどうか、その辺も具体例がよく分からないので、こういうことも含めてもうちょっと説明する必要があるか、あるいは簡単にしたほうが分かりやすいのかというのを検討していただきたいと感じました。
以上です。
事務局からお願いします。
○安井安全課長 まず18ページの柱書きのところでございますが、こちらは御指摘のとおり非開示の範囲を書いているところでございますので、1番の柱書きと合わせるような形で修正を考えたいと思います。
それから、19ページでございますが、こちらの趣旨は、急性毒性はATEという急性毒性値で決めて、もともと濃度という概念がないので、濃度限界値というものは使いませんという趣旨でございますので、それがもうちょっと分かりやすいようにしたいと思います。あと、JISは、「濃度限界値」、「値」というのは確かについていないのですが、「濃度限界」という言葉自体は出てきますので、当然それを指しているということではございますが、御指摘を踏まえてもうちょっと適正な表現に直したいと思います。趣旨はそういうことでございます。
それから、急性毒性のところでございますけれども、こちらは区分1~3については非開示対象としては認めないということでございますので、裏返して考えると区分4は非開示の対象となります。これは書きぶりが、(1)~(4)は全て非開示の対象とすべきでないものだけを書いておりまして、こちらも同様の書き方をしておりますので、これはこのままでいいのかなと考えてございます。
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。
そのほか、皆様からコメント等ございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、中間取りまとめについてはこの辺で御意見を締め切りたいと思いますが、よろしいでしょうか。―ありがとうございます。
それでは、本日の御意見を踏まえた修正版を事務局から各委員に確認いただきたいと思います。その上で、中間取りまとめの確定は私に一任いただくことでよろしいでしょうか。―どうもありがとうございます。
(2)濃度基準値の検討
○城内座長 それでは、本日の議事に入っていきます。
議事2「濃度基準値の検討」についてですが、本日は24物質について検討する予定としております。
では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 それでは、議事2「濃度基準値の検討」の資料につきまして、小永光より御説明させていただきたいと思います。
また、資料の御説明をした後に、構成員の先生方から事前に頂きました御質問、御意見について事務局から説明させていただきたいと思います。その御質問と御意見を踏まえまして、個別物質ごとに御議論いただければと思います。
なお、検討に必要な一次文献の印刷版が必要な場合は事務局にお知らせいただければと思います。文献のデータはタブレットに入っておりますので、適時確認いただければと思います。
それでは、資料2-1と2-2を御説明させていただきたいと思います。
まず資料2-1でございますけれども、こちらが本年度の濃度基準値設定対象検討リストとなっておりまして、このリストのうち、本日検討分は丸がついている21物質となっております。また、資料2-2が昨年度令和5年度再審議分の物質のリストとなっておりまして、このリストのうち、本日御検討いただくのは○がついている3物質となっております。個別の物質については資料3で御説明させていただきますので、続きまして資料3を御覧いただければと思います。
順に御説明させていただきたいと思います。
資料3の一番上から、①のストリキニーネでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、ストリキニーネの8時間濃度基準値としては0.15 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文の欄に記載の1文献となっておりまして、提案理由としましては、コメントのとおりですけれども、まとめとして、動物試験の結果から、筋緊張性収縮を臨界影響としたLOAELを2.5 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数を考慮した0.15 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、プロパンでございます。
プロパンにつきましては、こちらも詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、プロパンの8時間濃度基準値としては1,000 ppmを提案いたします。
根拠論文等は根拠論文に記載の1文献となっておりまして、提案理由ですけれども、コメント欄に記載のとおり、まとめとして、ヒトの知見から、1,030 ppmをNOAELと判断し、1,000 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、過酢酸でございます。
こちらも詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、過酢酸の短時間濃度基準値としては0.5 ppmを提案させていただきます。
根拠論文等は根拠論文に記載の3文献となっておりまして、提案理由としては、コメント欄に記載のとおり、まとめとして、こちらもヒトの知見から、過酢酸による目、皮膚、上気道の刺激を臨界影響としたNOAELを0.5 ppmと判断し、短時間濃度基準値0.5 ppmを提案する、なお、慢性ばく露に係る知見に乏しいことから8時間濃度基準値は設定できしないことを提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、m-ニトロトルエンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査のみとなっておりまして、m-ニトロトルエンの8時間濃度基準値としては2 ppmを提案いたします。
根拠論文等はこちらの1文献となっておりまして、提案理由としては、コメントの最後の記載ですけれども、まとめとして、動物実験の結果から脾臓のヘモジデリン沈着を臨界影響としたLOAELを48 mg/kg bw/dayと判断しまして、不確実係数を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案いたします。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、5つ目のp-ニトロトルエンでございます。
こちらも初期調査のみとなっておりまして、p-ニトロトルエンの8時間濃度基準値は2 ppmを提案いたします。
根拠論文はこちらの1文献となっておりまして、提案理由としましては、コメント欄に記載のとおり、雌雄ラットの腎尿細管障害を臨界影響としたLOAELを55 mg/kg bw/dayと判断しまして、不確実係数等を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート、4,4'-MDIでございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、4,4'-MDIの8時間濃度基準値としては0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文に記載の4つの文献でございまして、提案理由としましては、提案理由のコメント欄の最後のところでございますけれども、動物実験における肺病変を臨界影響としたNOAELを0.19 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案する、なお、短時間濃度基準値に資する情報が少ないことより、現時点では短時間濃度基準値は設定できないと判断するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、7つ目でございます。4-メチル-2-ペンタノールでございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、8時間濃度基準値としては20 ppm、短時間濃度基準値としては40 ppmを提案いたします。
根拠論文等はこちらの2文献となっておりまして、提案理由としましては、動物実験の結果から、臨界影響を腎障害としたNOAELを198 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した20 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。また、ヒトのばく露試験の結果から短時間濃度基準値として40 ppmを提案するという形になっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、n-ブチルアミンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、n-ブチルアミンの8時間濃度基準値としては2 ppmを提案いたします。
根拠論文等は根拠論文の欄に記載の1文献となっておりまして、動物実験の結果から、呼吸上皮における扁平上皮化生及び炎症細胞の浸潤を臨界影響としたLOELを17 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した2 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
次にシクロヘキセンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、シクロヘキセンの8時間濃度基準値としては20 ppmを提案いたします。
根拠論文はこちらに記載の4文献となっておりまして、動物試験(マウス)の結果からNOAELを300 ppmと判断し、不確実係数を考慮した20 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、1,2,4-トリクロロベンゼンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、1,2,4-トリクロロベンゼンの8時間濃度基準値としては0.05 ppmを提案いたします。
根拠論文はこちらの4文献となっておりまして、提案理由としましては、ラットの腎臓及び肝臓への影響を臨界影響としてNOAELを6.7 mg/kg bw/dayと判断しまして、不確実係数等を考慮した0.5 ppmを8時間濃度基準値として提案いたします。
その他のコメントはございません。
続きまして、オキサロトリル、別名ジシアンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、ジシアンの8時間濃度基準値としては5 ppmを提案いたします。
根拠論文はこちらに記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましては、動物試験の結果から、体重増加抑制を臨界影響として、NOAELを11 ppmと判断し、不確実係数を考慮した8時間濃度基準値5 ppmを提案する、また、ヒトの知見でのばく露時間が短いことから短時間濃度基準値は設定できないと判断するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、塩化シアンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、塩化シアンの短時間濃度基準値としては0.3 ppmを提案いたします。
根拠論文等はこちらに記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましては、ヒトの最低刺激濃度1 ppmをLOAELとし、不確実係数等を考慮した短時間濃度基準値0.3 ppmを提案する。この値はシアンによる内呼吸障害の予防にも資すると考えられる、塩化シアン単独の慢性影響に係る知見に乏しいことから8時間濃度基準値は設定できないとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、シクロペンタジエンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、シクロペンタジエンの8時間濃度基準値としては1 ppmを提案いたします。
根拠論文は根拠論文に記載の8文献となっておりまして、提案の理由としましては、1,3-シクロペンタジエンは反応性が高く、液体の形では常温でジシクロペンタジエンに自発的に反応するということから、本物質の二量体であるジシクロペンタジエンの動物試験における常同行動及び疼痛反応の低下を臨界影響としたNOAELを5.1 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、14番目のビス(ジチオりん酸)S,S'-メチレン-O,O,O',O'-テトラエチル、別名エチオンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、エチオンの8時間濃度基準値としては0.05 mg/m3を提案いたします。
根拠論文はこちらの1文献になっておりまして、提案理由としましては、ヒトの知見に基づいて赤血球コリンエステラーゼ阻害を臨界影響としたNOAELを0.1 mg/kgと判断し、不確実係数を考慮した0.05 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも御覧いただければと思いますけれども、25℃の飽和蒸気圧における濃度換算値0.03 mg/m3と濃度基準値0.05 mg/m3との比が0.6であることから、蒸気と粒子と両方を捕集できる捕集法を必要とし、濃度基準値のところにとしてはIFVということで右側に記載させていただいております。
続きまして、15番目のN-メチル-2- ピロリドンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、N-メチル-2- ピロリドンの8時間濃度基準値としては1 ppmを提案いたします。
根拠論文は根拠論文に記載の3文献となっておりまして、提案の理由としましては、動物実験における発達毒性を臨界影響としたNOAELを51 ppmと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、O-エチル-S-フェニル=エチルホスホノチオロチオナートでございます。ホノホスです。
こちらは詳細調査不要で、初期調査のみとなっておりまして、ホノホスの8時間濃度基準値としては0.1 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は根拠論文のところに記載の1文献となっておりまして、提案理由としましては、動物試験の結果から、コリンエステラーゼ活性阻害を臨界影響としたNOAELを0.2 mg/kg/dayと判断しまして、不確実係数等を考慮した0.1 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、17番目のフッ化スルフリルでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、フッ化スルフリルの8時間濃度基準値としては1 ppmを提案いたします。
根拠論文等はこちらに記載の1文献になっておりまして、理由としましては、動物実験の結果から、歯、脳、肺、腎における変化を臨界影響として30 ppmをNOAELと判断し、不確実係数等を考慮した1 ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、モリブデンでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっております。モリブデンの8時間濃度基準値としては、水溶性化合物について、モリブデンとして0.5 mg/m3、金属及び不溶性化合物については設定できないということで提案いたします。
根拠論文等はこちらに記載の7文献となっておりまして、提案理由としましては、水溶性のモリブデン化合物については、動物実験の結果から、呼吸器への炎症を臨界影響としたNOAELを10 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.5 mg/m3を水溶性モリブデンにおける8時間濃度基準値として提案するとなっております。また、難溶性である金属モリブデン、また不溶性の化合物につきましては、粉じんばく露以外の特異的な所見がみられないことから濃度基準値は設定できないことを提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思いますけれども、2023年度までの政府GHS分類ではモリブデン及びその化合物はこちらに記載の7物質となっております。そのうち①、③、⑦が不溶性、②、④、⑤、⑥が水溶性化合物ということになっております。
続きまして、アジ化水素でございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、アジ化水素の短時間濃度基準値としては0.1 ppmを提案いたします。
根拠論文等は根拠論文に記載の2文献となっておりまして、提案理由としましては、ヒトの血管拡張効果に伴う血圧低下を臨界影響とした0.3 ppmをLOELと判断し、不確実係数等を考慮した0.1 ppmを短時間濃度基準値として提案する、なお、慢性影響に資する試験に乏しいことより8間濃度基準値は設定できないを提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、フッ化亜鉛でございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査のみとなっております。フッ化亜鉛の8時間濃度基準値としては、フッ素として2.5 mg/m3を提案いたします。
根拠論文はこの3文献となっておりまして、提案理由としましては、無機のフッ素化合物によるヒトの骨変化を標的影響としたNOAELを2.64 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した2.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントには、フッ化亜鉛単独の有害影響に乏しいため、フッ素の無機化合物の長期ばく露による影響として評価した、なお、本物質はフッ素と亜鉛双方の有害情報から検討したと記載されております。
続きまして、弗化カリウムでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、弗化カリウムの8時間濃度基準値としては、フッ素として2.5 mg/m3を提案いたします。
文献等ははこちらの2文献となっておりまして、提案理由として、無機のフッ化物によるヒトの骨変化を臨界影響としたNOAELを2.64 mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した2.5 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントには、弗化カリウム単独の有害影響の知見に乏しいため、フッ素の無機化合物の長期ばく露による影響として評価したと記載されております。
続きまして、一酸化窒素でございます。
こちらは詳細調査となっておりまして、一酸化窒素の8時間濃度基準値としては0.5 ppmを提案いたします。
根拠論文等は根拠論文欄に記載の2文献となっておりまして、提案理由としては、ヒトの疫学研究の結果から、呼吸器障害を臨界影響としたNOAELを0.58 ppmと判断し、8時間濃度基準値0.5 ppmを提案するとなっております。
その他のコメントはございません。
続きまして、テルブホスでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査となっておりまして、テルブホスの8時間濃度基準値としては0.1 mg/m3を提案いたします。
根拠論文等は根拠論文欄に記載の2文献となっておりまして、提案理由としましては、ヒトの知見から、赤血球コリンエステラーゼ活性の阻害を臨界影響としたNOAELを11 µg/hrと判断し、0.01 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
次に、最後でございます。ジチオりん酸O-エチル-O-(4-メチルチオフェニル)-S-n-プロピルでございます。
こちらは詳細調査不要で、初期調査のみとなっておりまして、8時間濃度基準値としては0.1 mg/m3を提案いたします。
根拠論文は根拠文献欄の1文献でございまして、提案理由としましては、動物試験の結果からコリンエステラーゼ活性阻害を臨界影響としてNOELを0.2 mg/kg bw/dayと判断し、不確実係数等を考慮した0.1 mg/m3を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
その他のコメントも御確認いただければと思いますけれども、25℃の飽和蒸気圧における濃度換算値0.01 mg/m3と濃度基準値0.1 mg/m3との比が0.11であることから、粒子と蒸気の両方を捕集できる捕集方法が必要であると記載しておりまして、濃度基準値の欄にIFVと記載させていただいております。
資料3の説明は以上になります。
また、資料4-2が今御説明させていただいた物質の一覧となっております。
資料の説明は以上になります。
○藤田化学物質評価室長 続きまして、委員限り資料としてお配りしておりますとおり、あらかじめ御質問や御意見を頂いております。まずは事務局からそれら意見等に対する回答をいたしたいと思います。
化学物質評価室長、藤田と申します。よろしくお願いいたします。
今回、質問一覧を新規と継続部分と分けて作成してしまっているので、実は資料3と順番が前後してございます。大変申し訳ございません。机上配付してある質問の順番に御回答させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、まず最初の御意見、御質問ですけれども、プロパンについてです。資料3の3ページまで戻っていただけますでしょうか。
頂いた御意見、御質問ですけれどもは、試験はプロパンではなく、プロパンとイソブタンの混合物でのばく露で、イソブタンの量やその有害性についての情報がなく、プロパンの有害性を測る試験としては適切とは言い難く、濃度基準値を定めるのに値する試験結果と言えないのではないでしょうかといった御意見を頂いてございます。
これに対する回答でございますが、プロパンを高濃度で吸入すると中枢神経の抑制を引き起こすことが知られていますが、ヒトでの閾値に関するデータを探すことができませんでした。また、動物実験のデータも不足しております。収集できた限られたデータの中で基準値を策定しようとしたためにこのような提案となっておりますことを御理解いただければと思います。
続きまして、m-ニトロトルエンでございます。これは7ページまで飛んでください。
こちらに対する御意見、御質問でございますが、本物質は液体ですが、mg/m3単位ではなくppm単位としたのにはどのような理由があるのか教えていただけないでしょうかということで頂いております。
専門家でない方が傍聴しているかどうか分かりませんが、そのような方に向けて御説明させていただきますと、水の沸点は100℃でございますが、皆様御存じのように、室温でも飽和水蒸気圧までは空気中に湿気を含むことができます。同様に、m-ニトロトルエンの20℃での飽和蒸気圧は0.1 mmHgであり、約130 ppmとなります。したがって、濃度基準値付近までは蒸気圧、つまり分子として空気中に存在することが可能であるということになります。なので今回はppm単位として設定させていただいているということになります。
続きまして、シクロペンタジエン、こちらは26ページまで飛んでください。
こちらのシクロペンタジエンというのは一量体なのですけれども、ジシクロペンタジエンという二量体のデータを用いて濃度基準を定めようとしてございます。この二量体のデータを用いて濃度基準を定めることができる根拠は何でしょうかということで頂いています。本物質と二量体とは異なる有害性を示しており、二量体であるジシクロペンタジエンの結果から濃度基準を計算するのは不適切ではないでしょうかといった御意見を頂いておとなります。
回答でございますが、今回対象としております1,3-シクロペンタジエンは反応性が高く、液体の形では室温で二量体であるジシクロペンタジエンに自発的に反応してしまう物質でございます。したがって、シクロペンタジエン単体の試験結果というものはほとんどございません。また、あったとしても、そのうちのどの程度がジシクロペンタジエンに反応しているか分かりませんでした。このことから、本会議の前に安衛研で専門家会議を開催していただいておりますけれども、そちらの会議ではジシクロペンタジエンのデータを用いて検討することが妥当であると判断されています。収集できた限られたデータの中で基準値を策定しようとしたためにこのような提案となっていることを御理解いただければと思います。
続きまして、エチオンになります。こちらは28ページまで飛んでください。
こちらの御意見につきましては、ヒトでのNOAEL値があって、そこに掛けるべき不確実係数とは何でしょうか、個体差と思いますが、令和5年度の第7回化学物質管理に係る専門家検討会の議事録で以下のような発言があったので、質問させていただきましたということです。、その発言の内容というのは、人の関係ですが、「労働安全の分野では、対象者の大部分が働くことが可能な体力のある成人であることから、個体差を取らないことが慣例となっております」とそのときの御質問に回答させていただいております。
今回の回答でございますが、本件では、最初のほうにあります文献1)の論文をキー論文として用いています。文献1)では、上のほうの数行を見ていただくと分かりますが、人に対して21日間カプセルで経口投与して影響が見られなかった。体重1 kg当たりの0.1 mgをNOAELとしております。これは経口投与ですので、労働者のばく露を考えますと、これを吸入ばく露に換算したほか、ばく露期間が今回21日でしたが、これだとちょっと短いので、長期のばく露に換算するための不確実係数その他もろもろの不確実係数を加味すると、今回の濃度基準値の提案となってございます。
続きまして、フッ化スルフリルでございます。34ページまで飛んでください。
これは、結論のところを見ていただきますと、NOAELが30 ppmと判断しておりますが、NOAELなのに不確実係数が30 ppmでは大き過ぎるのではないでしょうかと、この30 ppmから基準値1 ppmを出しているのでそのような御意見を頂いております。他の物質とのバランスを考えると3~5 ppmでよいように思えるといった御意見でございます。
こちらに関する回答でございますが、不確実係数については、試験データに基づいて、種差のほか、先ほどのように経口から吸入への変換ですとか、ばく露時間ですとか、投与期間のほか、試験内容ですとか臨界影響の重大性、試験結果の解釈など、様々な要素を加味して検討され、専門家による総合的な判断により決定されております。したがって、ほかの物質とのバランスによって基準値を決定することはできないということを御理解いただければと思います。
続きまして、メチレンビスでございます。こちらは最初のほうに戻っていただきまして、11ページから12ページのあたりに戻ってください。申し訳ございません。
こちらは4,4'-MDIですけれども、これには異性体があります。CAS番号で5873-54-1の2,4-MDIで、令和7年4月1日に表示・通知対象物質として追加される予定となっております。今回定める濃度基準は4,4'-MDIのものになりますが、異性体の2,4-MDIの濃度基準についてはどのように考えればよろしいでしょうかといった御質問でございます。
これはCAS番号で引きますと、実は2,4-MDIではなくて、似たような2,4'-MDIのことだと思いますので、2,4'-MDIに関して御回答させていただければと思います。
本検討会では、リスクアセスメント対象物のうち、欧米等の機関で基準値が策定されているものについて優先的に基準値を設定することとしておりますが、2,4'-MDIについては欧米等の機関では基準値が設定されていないことから、令和4年度に取りまとめられた報告書で、令和4年度から令和7年以降までに検討する基準値設定の対象物質の候補とはなっておりません。しかしながら、2,4'-MDIが令和7年4月1日からリスクアセスメント対象物になることですとか、この評価書を見ていただきますと、「4,4'-MDI、4,4'-MDIのオリゴマーに2,2'-MDIなど他のモノマー異性体を加えたポリメリックMDIに関するデータセットは、他のMDI類似体に関する試験結果もカバーしている。これらの物質は、モノメリックMDIの過剰量や、(環境)毒性の主要な決定因子と考えられている同等の-NCO含有量など、密接に関連した組成を有しているため、カテゴリーアプローチは妥当であると考えられる」と記載されています。このようなことから、本結論を2,4'-MDIにも適用して基準値を設定するかどうか、安衛研の専門家検討会と、事務局のほうでも併せて検討させていただきたいと思います。他機関で基準値を設定していないものですから、設定してよいかどうかを含めて検討させていただければと考えております。
続きまして、最後の御意見、御質問でございます。一酸化窒素です。最後のほうの45ページまで飛んでください。
こちらは、評価書の中で、単体でのばく露が起こり難く、作用についても区分し難いと述べている一方で、単体での濃度基準を定めることに意味があるのでしょうか、NO2との合算濃度など別の方法で濃度基準を定めるべきではないでしょうかと頂いております。
こちらの回答でございますが、本検討会では、リスクアセスメント対象物のうち、欧米等の機関で基準値が策定されているものについて優先的に基準値を設定することとしております。法令では一酸化窒素単体としてリスクアセスメント対象物に指定されてございます。また、欧米の機関等でも一酸化窒素単体として濃度基準値が策定されていることから、本検討会でも一酸化窒素単体で濃度基準を設定することが適当であると考えてございます。評価書にあるとおり、一酸化窒素というのは容易に酸化されて二酸化窒素となり、一酸化窒素単体の知見は見当たりません。今回結論に用いた論文では、一酸化窒素濃度が0.58 ppmに対して、二酸化窒素は0.007 ppmと十分に小さく、また、二酸化窒素のほうが有害性が高いということから、安全性を見ると、今回の結論で、安衛研の専門家会議では混合ばく露のコホート研究をキー論文として濃度基準値を設定することが妥当であると判断されております。
以上が事前に頂きました質問に対する回答でございます。ありがとうございました。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
それでは、事前に頂いた御質問、御意見やそれに対する事務局回答を踏まえ、1物質ごとに議論していきます。
それでは、個別物質ごとに結論の確認をいたしますが、まず最初にストリキニーネで、8時間濃度基準値0.15 mg/m3、これについて御意見等ございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、ストリキニーネの8時間濃度基準値は0.15 mg/m3としたいと思います。
続きまして、プロパンについてですが、これについて御意見等ございますでしょうか。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 先ほど、イソブタンとの混合ばく露ということで、資料が少ないのでやむを得ないというお話がありましたけれども、イソブタンの濃度というのはデータとしてあるのでしょうか。もしイソブタンのほうがうんと高いのであれば、もっと低いのかなという気がしますので。
○大前構成員 原文に戻れば多分あると思いますけれども、今回のこのデータは、両方ばく露しても何もなかったというデータです。何かあればそこらのことも考えなくてはいけないのでしょうけれども、何もなかったというデータですので、それを使ったという理屈です。
○城内座長 そのほかに御質問等ございますでしょうか。
保利委員は今の御回答でよろしいですか。
○保利構成員 はい。
○城内座長 ありがとうございます。
○保利構成員 いずれにしても安全側にはなるので、問題ないと思います。
○城内座長 それでは、プロパンについては、8時間濃度基準値1,000 ppmにいたします。
続きまして、過酢酸についてコメント等ございますでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、過酢酸については、短時間ばく露濃度基準値0.5 ppmにいたします。
続きまして、m-ニトロトルエンについてはいかがでしょうか。―御意見等ございませんでしょうか。
それでは、m-ニトロトルエンにつきましては、8時間濃度基準値2 ppmにいたします。
続きましてp -ニトロトルエンについてはいかがでしょうか。
では、p -ニトロトルエンにつきましても、8時間濃度基準値2 ppmにいたします。
続きまして、メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネートについてはいかがでしょうか。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 濃度基準値については特にないのですけれども、MDIはがたしか指導勧奨による特殊健康診断の対象物質になっていたと思うのです。これの濃度基準が出てくるとを超えた時に、場合によっては、健康診断をする必要が生じると思います。指導勧奨による特定健康診断はというときに、昭和40年の基発なので相当古いと思いますがうのですけれども、こちらが上位になるのではとかと思いうのですました。その辺の兼ね合いがというか、今後どんな感じになるのかなと思いました。本題とは関係ないと思いますがうのですけれども。たしかここで一次検診、二次検診の診断項目もしっかりうたわれていたと思いますので、スクリーニングとしては、かなりしっかりしているものが昭和40年の頃に出ていたものですから、長年ずっとやっていらっしゃる方が多いと思います。うのですけれども、整合性というか、もしそういう方向がについて分かればと思いいうことでお伺いしました。
○城内座長 事務局、いかがでしょうか。
○藤田化学物質評価室長 事務局、藤田でございます。
今のところ、濃度基準と健康診断や指導勧奨と何か整理しているということではございませんが、今後何かあるかもしれないので、気に留めておければと思います。
○宮内構成員 かなり値がも低いのということで、多分1/2を超えることは十分にあり得るかなと思っいましたので、一応お伺いいたしました。
以上です。ありがとうございます。
○城内座長 そのほかにコメント、御質問等ございますか。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 大前です。
濃度基準値の提案理由のところの第2段目の第1行の「MDIは4,4'-MDIとそのオリゴマーに少量の他のモノマー2,4-MDI」、これは多分「2,4'」だと思うので、「2,4」なのか「2,4'」なのか確認して修正していただきたいと思います。
○藤田化学物質評価室長 事務局でございます。
ありがとうございます。確認いたします。
○城内座長 そのほかはございませんでしょうか。
それでは、メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネートにつきましては、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、4-メチル-2-ペンタノールにつきまして、御質問等いかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、4-メチル-2-ペンタノールにつきましては、8時間濃度基準値20 ppm、短時間濃度基準値40 ppmといたします。
続きまして、n-ブチルアミンにつきまして、いかがでしょうか。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 別に濃度基準値に関してのは意見がではないのですけれども、これはかなり酸化性が強い物質だと思うのです。いわゆる危険性のところでは非常に反応性が高いので取扱いが難しいかと思うのですけれども、そういうところのコメントも書いた方がいいと思いますみたいなのは特に書かなくてもいいのかなと思って。有害性については比較的問題ないと思いますがけれども、特に危険性については注意しなくてはいけない物質なので、かなと思ったので、一応コメントいたしました。
以上です。
○城内座長 事務局、お願いします。
○藤田化学物質評価室長 事務局でございます。
今までも有害性については書いておりますが、危険性についてはあまり書いたことがないと思いますので、これまでの例に倣って酸化性ということは多分書かないのかなと思います。
○宮内構成員 今後何かの機会のときに、はぜひ是非、どこかで書いていただいたほうがいいと思います。
○藤田化学物質評価室長 多分危険性については、SDSには書かれることがあるのかなと思います。
○宮内構成員 了解いたしました。
○城内座長 そのほかはよろしいでしょうか。
それでは、n-ブチルアミンにつきましては、8時間濃度基準値2 ppmにいたします。
続きまして、シクロヘキセンについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、シクロヘキセンにつきましては、8時間濃度基準値20 ppmといたします。
続きまして、1,2,4-トリクロロベンゼンについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、1,2,4-トリクロロベンゼンにつきましては、8時間濃度基準値0.5 ppmといたします。
次に、オキサロトリルにつきましてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、オキサロトリルつきましては、8時間濃度基準値5 ppmといたします。
続きまして、塩化シアンについてはいかがでしょうか。
宮内委員、お願いします。
○宮内構成員 一個前に戻って、ジシアンのところなのですけれども、よろしいですか。
○城内座長 はい。
○宮内構成員 これが短時間ばく露濃度の基準値が設定できない理由は、人数が少ないということと、この測定したときは6分間とか8分間とかで非常に短時間だから15分間としては評価できないという意味かなと思ったのですけれども、ただ、非常に刺激性が強い物質だと思うのです。2A-2Bと書いてありますので、本当は短時間の基準値で示したほうが使うときには安全かと思うのです。現状では短時間過ぎてできない示せないということだと思うのですけれどもいますが、今後、もしそういう知見が出たデータがあったときは、ぜひ入れていただいたほうがいいと思います。要は8時間だけでこの刺激性のものを取り扱うのは問題があるかなと個人的に思いましたので、要望でございます。
以上です。
○城内座長 では、要望は事務局としてよろしいですか。
○藤田化学物質評価室長 要望として承りますが、今回は8時間濃度基準を5 ppmとしております。6分間とか8分間ばく露したものは16 ppmとか8 ppmになってございまして、そことあまり大きな差がないということなので、5 ppmを守っていれば短時間のほうでも大きな危険はないと思われます。
○宮内構成員 それは分かるのですけれども、例えば、本当に10分間とか15分間で数十 ppmになった場合ということが、短時間でばく露したとき以外ににほかにばく露がないと8時間平均で5 ppm以下になってしまう可能性、要するに、高濃度短時間ばく露ということがあったときに、そこが防げないかなと思うのです。だから、8時間で5 ppmといっても、短時間では10、20 ppmと瞬間的に高い、もしくは15分間で20、30 ppmあってもおかしくないので、そこは意味がちょっと違うかと思いましたうのです。だから、データがないというのは致し方ないと思いますがうのですけれども、今後、新たな知見が出てきた場合には、是非、考慮して頂きたいぜひと思いました。
以上です。
○城内座長 保利委員、お願いします。
○保利構成員 私もそこはちょっと気になっていたのですけれども、5 ppmですよね。それで、8 ppmではNOAELかもしれないのですけれども、16 ppmでほぼ全員に目と鼻の炎症が観察されたということであれば、例えば5 ppm程度で毎日ばく露された場合に感作されるようなことはないのかというのが気になるのです。ヒトのデータというのは短時間だけですので、動物実験では一応こういう結果が出るのは分かったのですけれども、何か気になるところではあります。
以上です。
○城内座長 事務局からはよろしいですか。
○藤田化学物質評価室長 ありがとうございます。気になるという御懸念は非常によく分かりました。一応、8時間濃度基準が5 ppmだった場合に、上が幾らでもいいか、8時間で平均して5 ppmになれば15分間で 50 ppmになればいいかというと、そんなことはなくて、努力義務として8時間濃度基準の3倍以下にしてくださいというのはありますので、15 ppm以下になるようにしていただく努力義務というのはかかってございます。ただ、本当に15ppm分間で大丈夫なのかということになると、確かに確証は得られませんので、またデータ等が集まれば、これで確定ということではなくて、見直しということもあり得るのかなと思います。
○宮内構成員 了解いたしました。
○城内座長 それでは、8時間濃度基準値は今のままでいいということでいいかと思いますが、戻りまして、塩化シアンについてはいかがでしょうか。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 塩化シアンは8時間基準値を設定できないというのはいいと思うのですけれども、短時間のところで明確に毒性としてシアンの内呼吸障害が有害性要因であるということが書いてあるのであれば、例えば、基準値ではないけれども、コメントで、短時間だけではなくて8時間のばく露もシアン化水素に換算した濃度程度に制限するとか、そういったことは何かしら情報を与えるほうがいいのではないか。つまり、刺激が強いので先にシアンの毒性よりも短時間では毒性が出ているわけですけれども、長時間で言った場合に、シアンによる内呼吸障害というのは、シアンそのものの毒性による影響も塩化物になったことで消えているわけではないということが明確に文献で出ているのであれば、やはりそれはシアン化水素とかそういったものに準じたレベルでの管理が望ましいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 コメントのところで動物実験の2年間の混餌投与というのがあります。ここのところでNOELが10.8 CN mg/kg bw/dayで、これを換算すると5 ppmぐらいで、今回0.3 ppmは短時間ですので、5 ppmだったらまあ大丈夫だということです。
○鷹屋構成員 ずっと高いから、短時間でも0.3 ppmでコントロールしている分には間違いないだろうということですか。
○大前構成員 はい。
○鷹屋構成員 承知いたしました。
○城内座長 そのほかはいかがでしょうか。
それでは、塩化シアンは、短時間濃度基準値0.3 ppmにしたいと思います。
続きまして、シクロペンタジエンについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、シクロペンタジエンにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmにいたします。
続きまして、短い名前で読みますが、エチオンについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、エチオンにつきましては、8時間濃度基準値0.05 mg/m3といたします。
続きまして、N-メチル-2- ピロリドンにつきましてはいかがでしょうか。
宮本委員、お願いします。
○宮木構成員 ちょっと確認です。こちらも動物実験のNOAELでいくと50 ppmで、不確実係数を50ぐらいに取って1 ppmとなっていまして、先ほどのフッ化スルフリルと同じですが、これも研究所で専門の方が調べてこれだけの数値にするということでよろしいのですか。ほかの動物実験のNOAELからの不確実係数の考え方は数値が随分ぶれるような気もしているので、何でこんな大きな値に対して小さい1 ppmにしたのかというのがよく分からなかったので、少し御説明いただけるとありがたいと思います。
○城内座長 事務局、お願いします。
○藤田化学物質評価室長 僭越ですが、大前先生にお答えいただけそうだったのですが、私で申し訳ございません。
こちらは文献3)の試験結果からNOAELを51 ppmとして用いてございますが、投与期間が6時間/日、7日/週で、34日齢から雄は100日まで、雌は離乳期の143日目までといった投与期間となっております。したがって、投与期間の調整等を含めてこのような結果になっているということでございます。
○城内座長 大前委員。
○大前構成員 大前です。
追加ですけれども、これは人の疫学データが1つありまして、それは1)番の文献なのですが、この1)番の文献は日本のデータでして、ばく露濃度が0.59 ppmとか0.32 ppmとか、このレベルでは何もなかったということなので、これも考えて1 ppmという数字になっています。合わせ技みたいなイメージです。
○宮木構成員 分かりました。
○城内座長 そのほかはよろしいでしょうか。
それでは、N-メチル-2- ピロリドンにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmといたします。
続きまして、ホノホスについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、ホノホスにつきましては、8時間濃度基準値0.1 mg/m3といたします。
続きまして、フッ化スルフリルについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、フッ化スルフリルにつきましては、8時間濃度基準値1 ppmにいたします。
続きまして、モリブデンについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、モリブデンにつきましては、8時間濃度基準値として、水溶性化合物の場合0.5 mg/m3、これはモリブデンとして、それから金属及び不溶性化合物は設定できないというということになります。
続きまして、アジ化水素についてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、アジ化水素につきましては、短時間濃度基準値0.1 ppmにいたします。
続きまして、フッ化亜鉛についてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、フッ化亜鉛につきましては、短時間濃度基準値2.5 ppm(フッ素として)にいたします。
続きまして、弗化カリウムについてはいかがでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 申し訳ございません。私の資料4-2が誤っておりまして、資料4-2では先ほどのフッ化亜鉛は短時間濃度基準値2.5ppmののほうに記載がありますが、8時間濃度基準値2.5ppmの誤りになります。るのですけれども、個別の資料の資料3では8時間濃度基準値が2.5 ppmとなっておりまして、個別の資料3の8時間濃度基準値のほうが正しいです。ので、すみませんでした。
○城内座長 申し訳ありません。訂正いたします。私もA3の長い用紙のほうで。
○小永光有害性調査機関査察官 すみません。資料4-2が、そちらが事務局の資料作成の際にの誤りで間違えておりました。
○城内座長 先ほど申し上げましたフッ化亜鉛につきましては、2.5 ppm(フッ素として)は8時間濃度基準値ということですので、よろしくお願いします。訂正をお願いいたします。
弗化カリウムについてはよろしいでしょうか。
○鷹屋構成員 すみません、これが漢字なのは、漢字が正しいのですか。物質名。1つ前は片仮名で。
○小永光有害性調査機関査察官 こちらの名称は政府GHS分類から持ってきております。
○鷹屋構成員 では、法令上これが正しいということですか。
○小永光有害性調査機関査察官 法令上の名称をは、ここで議論していただいて、実際の法令、省令に定める際は、ときに、別途こちらで、他法令であるとか、IUPACであるとかを参考に命名することになりますが、、そういうのを調べさせていただいて設定させていただきます。こちらの資料はあくまでも現時点の政府GHS分類の名称ということで御理解いただければと思います。
○鷹屋構成員 承知いたしました。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 コメントなのですけれども、この弗化カリウムも、それから前のフッ化亜鉛も、そのもののデータから出していないのです。そういうのが時々あります。これはやむを得ないのでこういう形になっています。
それからもう一つは、先ほど塩化シアンとか、あるいはシクロペンタジエンなんかはそのままではなくて、反応物とか、あるいは分解物でやらざるを得ないというのが時々ありますので、そこら辺はどうぞ御了承ください。
○城内座長 ありがとうございました。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 私もそれは思っていたのですけれども、先ほどのフッ化亜鉛と弗化カリウムは元の文献は基本的に一緒ですよね。それをそれぞれの基準値として提案するという形になっているわけですね。
○大前構成員 はい。
○城内座長 小野委員、お願いします。
○小野構成員 フッ化亜鉛とフッ化水素については、フッ素を有害性の起因物としているということはいいのですけれども、その場合には測定法もフッ素を測るという形で設定していくほうが妥当かなと思うのですけれども、そういう解釈でよろしいですか。
○藤田化学物質評価室長 そのようにお願いいたします。
○小野構成員 あと、ジシクロペンタジエンも、シクロペンタジエンの測定法をつくりますかということで専門家会議にお聞きしたら、瞬間でジシクロになるわけではないから両方測るようにしておいてくれと言われて。ただ、標準物質があるのかどうかとか、そういったことで、もちろんターゲットとする元素とかそういったものについては検討するつもりでおりますけれども、どうしてもできない場合には何らかの説明をつけることで測定法をつくらせていただきますので、御了承いただければと思います。
○藤田化学物質評価室長 はい。ありがとうございます。すぐに反応してしまうものも結構ありますので、それはその中でできる範囲で検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○城内座長 そのほかはございますでしょうか。
ということで、弗化カリウムは、8時間濃度基準値2.5 ppm(フッ素として)にしたいと思います。
続きまして、一酸化窒素についてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、一酸化窒素につきましては、8時間濃度基準値0.5 ppmにいたします。
続きまして、テルブホスについてはいかがでしょうか。―よろしいでしょうか。
では、テルブホスにつきましては、8時間濃度基準値0.01 mg/m3といたします。
続きまして、最後の物質、ジチオりん酸O-エチル-O-(4-メチルチオフェニル)-S-n-プロピルについてはいかがでしょうか。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 この物質名のところに「スルプロホス」という言葉をつけておいていただきたい。
○藤田化学物質評価室長 括弧で別名ですね。
○大前構成員 はい。
○藤田化学物質評価室長 了解いたしました。
○城内座長 そのほかはいかがでしょうか。
では、ジチオりん酸O-エチル-O-(4-メチルチオフェニル)-S-n-プロピルにつきましては、8時間濃度基準値0.1 mg/m3といたします。
以上ですが、まとめはありますか。お願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 本日御議論いただきました24全ての物質について皆様の御了解を頂きました。ありがとうございました。
ご指摘の部分については、資料の若干の修正をはさせていただきます。ので、よろしくお願いいたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 それでは、議題3の測定方法に入る前に一旦休憩を挟みたいと思います。
なお、冒頭申し上げたとおり、井内部長は公務の都合によりここで中座させていただきますので、先ほど御議論いただきました中間取りまとめに当たり、部長より一言お礼を申し上げます。
○井内安全衛生部長 安全衛生部長の井内ですけれども、所用により中座させていただき、申し訳ありません。
まず、本日は、ずっと議論いただいておりましたが、化学物質の危険有害性情報の通知制度に関しまして取りまとめていただきまして、誠にありがとうございました。
我々としては、この取りまとめを受けまして、制度化ということで対応していきたいと思っております。
また、今もばく露の上限となる濃度基準のことを御議論いただいておりましたし、これから私が抜けてからと聞いておりますが、測定方法についての検討もしていただけると聞いております。
ここでの検討の結果が現場で運用されることにつながっていくと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。
すみません、途中で失礼いたします。
○長山環境改善・ばく露対策室長 それでは、ここから10分間休憩とさせていただきます。16時ちょうどに再開したいと思いますので、それまでにお席にお戻りいただきますようお願いいたします。
午後3時50分 休憩
午後4時00分 再開
(3)濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について
○長山環境改善・ばく露対策室長 それでは、時間になりましたので、後半の議題を再開したいと思います。
お願いします。
○城内座長 それでは、議事の3番目、「濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について」、事務局から資料5-1から5-3まで、説明をお願いいたします。
○田上中央労働衛生専門官 資料5-1から5-3まで、環境改善・ばく露対策室の田上から御説明いたします。
まず資料5-1についてですけれども、こちらは毎回出している資料でございます。濃度基準値設定候補物質の測定法の採否についての判断基準を示している資料でございます。
基本的な内容はあまり変わらないのですけれども、下線部について今回修文しているものでございます。
主な点は2点ございまして、1点目がb.の下線部、「濃度基準値(※)」というところですけれども、もともとこちらは「OEL」と記載していたところでございます。前回の検討会で、最終的に測定法の採否を判断していくのは設定される濃度基準値に対して適用可能かどうかというところなので、「OEL」ではなくて「濃度基準値」という記載が適切ではないかということで御意見を頂きましたので、こちらを修正しております。ただ、濃度基準値の設定と測定法がそれぞれ並行して一対一で検討が進められるわけではなくて、前後する場合がございますので、その場合、測定法が先行する場合はACGIH等で設定されているOELのうち最小のものを利用して検討を行うということと、仮に設定された濃度基準値が検討時のOELと異なる場合には改めて当該濃度基準値に対して適用可能かということを検証しているという状況でございますので、その旨※で注書きをしております。
続きまして、2枚目のi.ですけれども、こちらは破過についての留意事項を記載したものでございます。そのうちの2文目のところからは、通常の破過実験をやっていない場合でも、あらかじめ相当量の物質を捕集剤に添加して、そこに通気をして、回収率で十分な量回収できていれば破過がないものと判断するという形でも問題ないこととしてございます。その通気時間なのですけれども、もともと中災防のリスク評価のときには4時間ということでデータを取っていたという状況がございますけれども、海外の文献ですとそこまでのデータがない場合がございますので、4時間に縛られないというような形で「一定時間」としてございます。ただ、どのぐらいの時間、2時間だったらいいのかとか、1時間だったら駄目なのかとか、3時間だったらいいのかとか、そういった明確な基準は一概にはお示しできないということになりますので、通気時間ですとか、そのときの濃度ですとか、そういった条件を備考欄とかに記載して、そこから捕集条件を検討していただくというような形を取れればと考えております。また、検討会でも記載した条件をもって破過について問題ないかというところは改めて検討いただくというような形を取っていければと考えております。
そのほかの記載につきましては記載の適正化というような形になりまして、あまり内容に変更があるものではございません。
続きまして、資料5-2を御覧いただければと思います。
こちらは、前回の資料5-2を修正したものでございます。前回、基本的には52物質の測定法を提案して、いずれも承認いただいたという形でございますけれども、一部資料の記載誤りですとか記載方法のぶれみたいなところを御指摘いただきまして、改めて修正した上で今回御提示するということになってございましたので、その資料になります。
オレンジのセルが何かしらの修正をした箇所でございますけれども、基本的に測定法の採否に関係するものはほとんどございません。ただ1点、一番左の欄外の通し番号の19番、りん酸ジ-ノルマル-ブチルにつきましては、前回、試料採集方法はろ過捕集方法ということで提案していたものでございますけれども、こちらはIFVの評価値が0.1~3.1ということで、この値上は粒子状のものとガス状のものが両方存在する形になりますので、本当にろ過捕集方法だけで問題ないのかというところは改めて検証した上で再度お諮りするというような形にしたいと考えておりますので、こちらは○からPという形に変えております。
そのほかの主な修正点でございますけれども、まず測定法の総合評価のところが○か△という形になってございます。これまで全部○のものであれば当然○になるのですけれども、全部○のものでも△になっていたり、一部NDになったりしているものでも○になっている部分もございましたので、これからは、全部○であれば○、何かしらNDなり△のものについては、測定法の総合評価は△にする。ただ、最終的に実用上の判断を○にしているものを基本的にこの検討会にはお出ししているものですので、備考に何かしら、一部△となっているとかNDとなっていても実用上の判断としては○とする理由について記載するという形にこれからは漏れなく統一するという形にしております。
そのほか、捕集方法につきましては3段構成になっていまして、一番上の段にサンプラーの種類、真ん中の段に通気流量、一番下の段に捕集時間を記載するという形が大部分を占めていたのですけれども、一部そうなっていなかったので、分かりやすさの観点から大部分を占めるほうに統一していくということで、今回はそうなっていなかったところを修正しているというものになります。
また、溶解法に関しましても、基本的には溶媒の種類とその量という形にしていたのですけれども、一部詳細な攪拌方法とかを記載している部分がございましたので、そちらはこの資料上はそこまでの情報は要らないだろうということで、記載をシンプルにするというような形で、溶媒の種類とその量に統一する形で修正しております。なお、そういう詳細な情報、必要な留意事項につきましては、今後追って個別の物質ごとに個票票個表を作成しますので、必要であればそういったところに追加していくというような形を取れればと考えております。
そのほか、前回一番御指摘いただいた破過についての記載ですけれども、基本的に○であれば○なのですけれども、△としたときに、例えば一番左の欄外の通し番号で言うと10番のところを御覧いただければと思いますが、2-ニトロプロパンですね。こちらは破過を△にしているのですけれども、以前までは、○のものであったりしても、ちょっと不安があれば、濃度基準値を超える範囲では破過の可能性があるので捕集流量を下げるとか、そういった備考を付していたのですけれども、今後、懸念があれば△ということにして、その代わり、より具体的に、括弧書きで備考欄に記載しておりますけれども、「OELの1倍相当濃度の10.4L通気で5%が破過した」といった形で、どの条件だったら破過が見られたとか、逆に言うと確認した文献でどこまでだったら破過が生じていないのかというように具体的なデータを記載していくというような形で、この情報を踏まえて、破過について問題がないかというところは検討会で御御議論いただくような形を取れればと思います。逆にこの情報から捕集剤のキャパ的なところは分かりますので、そこから捕集条件を調整いただくというような形を取っていただけるかと思います。
そのほか、一部前回NDとしている部分だったり△としていた部分でも、改めて文献とかを確認してデータがあったものですとか、△の十分なデータが改めて確認できたものは、△から○ですとか、NDから△、○、どちらかに変更しているものがございます。ただ、量がそれなりに多いので、ここでの説明は割愛させていただきます。
資料5-2の御説明としては以上となります。
続きまして、資料5-3でございますけれども、こちらが今回新規で測定法を提案する物質の一覧になっております。
今回の12物質はいずれも令和6年度の設定対象物質になります。
物質の名称のところは黄色くなってございますけれども、今回も前回に引き続き、分析方法はガスクロによるものでございます。
主なところですけれども、まず一番左の通し番号の8、9、12番ですけれども、こちらはろ過と固体捕集を組み合わせる試料採取方法を採用しているものでございまして、IFVの評価値を記載しております。いずれも農薬ではあるのですけれども、9番と12番につきましては、備考として記載はしているのですけれども、IFV評価値が0.1~10の間に収まっているので、自動的にろ過と固体捕集を組み合わせるというような形になります。8番につきましては、IFV評価値が41ということで、基本的にはガス状のものになるのですけれども、こちらは農薬ということで、噴霧して使用することが想定されるため、ミストも捕集できるようにということで、ろ過捕集を組み合わせているものでございます。
また、8番のジクロトホスと9番のエチオンですけれども、こちらは①の測定範囲から③の保存安定性までが△になってございますけれども、こちらは確認されているデータの濃度範囲がOELの0.5~10倍と、エチオンにつきましては0.8~16倍ということで、下のほうの濃度が0.1倍をカバーしていないということで△にしてございますけれども、濃度基準値を超えるか超えないかの判断につきましては実用上は可能な測定方法だろうということで、総合評価の実用上の判断としては○ということで提案しているものでございます。
御説明としては以上となります。
○城内座長 ありがとうございました。
ただいま事務局が説明した資料5-1から5-3につきまして御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
大分見やすくアップグレードしたかなという感じがいたしますが、すばらしいです。
宮本委員、お願いいたします。
○宮本構成員 ありがとうございます。宮本です。
ちょっと確認させてください。5-2とも5-3もなのですが、例えば5-2でいきますと、捕集法の御説明があって、3行構成にされているということなのですが、例えば一番下の測定時間というのは、5分~600分とか5分~700分といったら、ものこれは測定する方で物すごい差があるのですけれども、ある程度現実的な幅で設定できるものなのかというのと、5-2ですと例えば欄外の25番なんかは2,500分とか、5-3のほうでいくと3,000分というのもあったと思うのですけれども、3,000分なんて、どうやって50時間測定するのかというのも含めて、これは作業環境測定士は測定する方が見て分かるものなのか、教えていただければと思います。
○城内座長 小野委員、お願いします。
○小野構成員 小野でございます。
まず時間についてなのですけれども、あくまでもこれは参考にしている文献でどのぐらいの時間まで試験をしたかというデータをお出ししています。前から申し上げていますように、今までの作業環境測定のガイドブックは基本10分ということになっていましたけれども、これからは、作業をやっている時間であったり、あるいは1日測れるなら1日サンプリングしてもいいですし、作業時間が2時間しかないなら2時間しか測定はできません。ということで、測定する方がそこは御自身で判断して測定していかなければいけないということですので、何分というのを御提示するつもりは原則としてございません。アメリカのOSHAの場合には、この条件でこの時間までという分かりやすい形で書かれています。例えば5-2で言いますと、欄外3のノルマル-プロピルアルコールだと、0.05 L/minで240分、これが推奨の測定法になります。明らかにこういうデータを出してくれていればそれを書いています。ただ、これも240分測定しなさいということで御提案しているわけではありません。作業がないときに測っても結局データがおかしくなるだけですから、時間が短いときはあらかじめ掛け算しなければ8時間値を出せなくなります。高めに見積もることで安全側にしますので、そういったことも踏まえた上で測定する方に選んでいただかざるを得ません。という書きぶりになっております。3,000分とかいうのは、あくまでも計算上一番低いサンプリング時間で推奨の捕集量を取ろうとしたら3,000分かかりますよということで、破過しなければもう少し流量を上げることで300分にするとかいうこともできますし、その辺は測定者の能力に依存してまいります。そこは御了承いただかないと個人ばく露測定はできません。ということは申し上げておきます。これが、時間確保がいいのか、推奨の捕集ガス量、100 Lとかを確保が分かりやすいのかという議論はあるのですけれども、どうも皆さんは時間のほうに興味があるようなので、今は時間に統一して書いております。ただの掛け算なので、時間だろうが量だろうが、どっちでもいいのですけれども、今はそういう形で書いております。
これで御質問にお答えしていますでしょうか。もう一点あったような気もするのですが。
○宮本構成員 ありがとうございます。
流量のところでみると、0.2~1 L/minなど、とかいうと5倍とか、せいぜい10倍の幅の中で時間だけが100倍になったりというのがあったので、何か違う要素が入っているのかなと思ってしまったというのがあります。
○小野構成員 すみません。その辺は手計算をしているときに何らかゼロが増えてしまったということがあるかもしれません。そこはもう一度確認しますけれども、中身としてはそういうことになっております。
以上です。
○宮本構成員 分かりました。ありがとうございます。
○城内座長 そのほか。
大前先生。
○大前構成員 大前です。
よく知らないので教えていただきたいのですが、資料5-3の5と6、p-トルイジンとm-トルイジンの溶解法のところが0.17Nというのは随分中途半端な数字なのですけれども、これはやはり0.17なのですか。
○小野構成員 これもあくまでも実際にそういうふうにやっていたということだけです。ただ、基準を質量ベースで試薬を作った場合、モル濃度―今はモル濃度と言わないのかな、こういう形で書くときに半端が出て、それで0.17になっている可能性はあります。分子量が40なので、計算するとどこかちょうどいいところがあると思うのですけれども、すみません、そういう事情です。
○城内座長 山室委員、お願いします。
○山室構成員 中災防の山室です。
まず、資料5-1のb.の④です。「濃度基準値の2倍の濃度で破過なく測定できる条件があること」というところで、これは4時間の通気の縛りをなくしたという話をお聞きしました。これはそういうデータがなくても2層式のサンプラーを使えば十分対応できるかと思いますので、そういうデータが不十分であるということを個表に書いていただけたら、測定する人がちゃんと理解して2層式のものを使って、1層目も2層目もきちんと分析するという対応を取るかと思いますので、そんな情報があったらいいかなと思いました。
もう一点は、資料5-3の8番、9番ので、OELの0.5倍からとか0.8倍からというところで確認できているデータですという話がありました。測定誤差を考えるとOELの0.5倍から測れたほうがいいかなと思いまして、そうすると、8番のジクロトホスはいいとしても、9番のエチオンについては、濃度範囲の下側が0.8倍なので、ちょっと認めるのは厳しいのかなという感想を持ったところであります。
以上です。
○小野構成員 2段捕集にするのが望ましいとかいうのは、一部の物質、破過しやすいブロモクロロエタンとかには書いたりしております。ただ、全てについては書いていない。測定法のほうにそういうことには十分注意すべきだというのが書いてある場合には書き込んでおりますけれども、それ以外のものについても書き込むことは考えてまいります。
それを若干補助するつもりで、今、山室委員からも御指摘がありましたけれども、OELに対してどこからどこまで測れるか、破過が△のときには特にそれを書くようにしております。一応ルールとして0.5倍から、検量線の範囲は1/10からだけれども、1/5からでも何とか調整することでカバーしてくださいということで、1/2からというのは数回前から御了承いただいているかと思います。0.8倍というのをたまたま書きましたのは、農薬類はまとめて実験をしていることもありまして、同じ濃度範囲にうまく収まらないことがございます。あと、農薬については濃度基準値がどうも下がる傾向がありますので、全て改めて濃度基準値に合わせて再検証しなければいけないかなとは考えております。ただ、0.8倍とは書いておりますけれども、検量線を引いた範囲がその範囲であって、定量下限値とか定性下限値とかはさらにその1/10、1/100というのが出ていることもありますので、その辺はできる人ならばサンプリング用の調整とかでカバーできるかなとは思いますけれども、おっしゃるとおり、一応0.5からは◯にして、0.8は△にするのがルール上はよろしいのかなと思います。ただ、検証するつもりで、何もかも検証になると◯になるものがなくなってしまうのですけれども、そういうことも考えておりますというのは背景としてお話しさせていただきます。
○城内座長 保利委員、お願いします。
○保利構成員 資料5-3の1番のペンタクロロエタンですけれども、保存安定性の試験が低濃度で安定であるということはこれからも分かりました。一応◯なので問題はないと思うのですけれども、低濃度というのはどれぐらいのレベルでされたのかというのが分かれば。もしかすると量によって安定性の問題というのは変わってくる可能性がありますので、どのあたりでやられたかというのが分かれば教えていただければと思います。
○小野構成員 お答えさせていただきます。
今、全部の測定法が頭に入っていないものですから。少ないというときは1/10よりも下だったような気がします。これも補足になりますけれども、使ったOELの値がDFGとNIOSHで1桁以上違うということもございますし、濃度基準値がそこから外れるということもございます。ただ、濃度が低いときは概して脱着率とかが悪くなる傾向がございますので、そちらは濃度が低いときは◯にしてあげたいなと思って、破過のほうは濃度が低いのはノーという形で、ただ、2やっていなくても、1やっていれば測定時間を半分にすればいいという考えもできますので、なるべくそれが判断できるような最低限の情報をこの表には書こうとしております。最終的には個表のほうで御判断いただくか、個表ができるまでの間に追加の実験ができれば、そこもサポートした形で最終的な個表が出せるようにしたいとは思っております。
以上です。
○保利構成員 分かりました。
○城内座長 そのほかはいかがでしょうか。
私の印象だと、流量のこととか、個別の分析に関わることとか、一般的にこういうことは言ってもいいんじゃないという小野委員が何回も話されていることを箇条書きにして見える化する必要があると思うのですけれども、それは可能でしょうか。
○小野構成員 5-1をさらにサポートする5-100番ぐらいかもしれないのですけれども、要するに幾つそういうものを出していけばいいのか、一概にここだけというわけにいかないですし、今はガスクロの話だけだからいいですけれども、今度さらに酸を使って金属を溶かすとかになると膨大なサポート資料が必要になってきます。ただ、今言ったような流量をどうするとかの最低限のところ、流量を変えていいのはガスの物質だけで、粒子状物質は流量を変えると大きさが変わるから駄目だよとか、そういった根本的なことは何らか出していかざるを得ないかと思っております。
○城内座長 ありがとうございます。期待します。
そのほかにコメント等はございますでしょうか。
多分、今日私が確認しなければいけないのは、新しい12物質について基本的にこの分析方法でいいのでしょうかということですかね。
○田上中央労働衛生専門官 ええ、そうです。
○城内座長 最終的にはそういうところに持っていこうと思っていますが、そのほかにコメント、御質問等はございませんでしょうか。―よろしいでしょうか。
それでは、先ほどの繰り返しになりますけれども、資料5-3のペンタクロロエタンから2ページの12番目のジチオりん酸O-エチル-O-(4-メチルチオフェニル)-Sn-プロピルまでの分析方法はこれでよろしいでしょうか。
では、御賛同いただいたということで進めたいと思います。
(4)その他
○城内座長 一応これを御承認いただくと、本日予定の全ての物質の測定法の審議が終わったということになりますが、何か事務局から確認事項等ありますか。
○長山環境改善・ばく露対策室長 特に事務局で用意してはおらず、本日の議事は以上でございます。
○城内座長 ありがとうございます。
○長山環境改善・ばく露対策室長 それでは、本日の議事録については、後日構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
また、次回の日程ですけれども、9月30日の月曜日午後2時から5時を予定しております。構成員名簿のうち、前半に「全般に関する事項」と「毒性に関する事項」の先生方、後半に「全般に関する事項」と「ばく露防止対策に関する事項」の先生方に御参集いただく予定としております。議事については、前半に「濃度基準値の検討」、後半に「濃度基準設定対象物質ごとの測定方法について」ということで予定しております。正式な開催案内などは後日お送りさせていただきたいと思います
以上です。
○城内座長 ありがとうございました。今日は順調に進んだと思います。
以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
午後4時33分 閉会