2024年9月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第595回議事録

日時

令和6年9月25日(水)薬価専門部会終了後~

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階

出席者

構成員等
事務局

議題

  • 高額医薬品(認知症薬)に対する対応について

議事

議事内容

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第595回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は末松委員、岡本委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「高額医薬品(認知症薬)に対する対応について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 お手元の資料総-1の2ページを御覧ください。
 こちらは、アルツハイマー型認知症を対象としましたレケンビ点滴静注の薬価収載の検討にあたり、昨年の11月に当総会で了承されました内容でございます。
 赤枠のとおり、本剤と同様の薬剤を薬価収載する場合には、必要に応じて、中医協総会で本剤を含む取扱いを改めて検討するとされております。
 3ページを御覧ください。
 昨日9月24日でございますが、レケンビ同様のアルツハイマー型認知症を対象といたしました抗体薬であるケサンラ点滴静注液が薬事承認されましたので、本日は、その薬価収載の進め方について御審議いただくものでございます。
 4ページを御覧ください。
 こちらは、レケンビの薬価収載時の対応及び薬価収載後の対応についてでございます。
 薬価収載時の対応及び薬価収載後の対応は、御覧のとおりとなっております。
 5ページを御覧ください。
 今回承認されましたケサンラと、既に薬価収載されていますレケンビとの比較でございます。
 承認された効能・効果、剤形は同一、薬理作用がアミロイドβに結合して、脳内アミロイドβを減少させる点が類似。
 用法が、本剤が4週間に1回投与、レケンビが2週間に1回投与というところでございますが、大きな点は類似していると考えております。
 6ページを御覧ください。
 本剤については、レケンビ同様、最適使用推進ガイドラインの作成を予定し、その内容は、こちらにお示ししているような内容を予定しております。
 1枚飛びまして、8ページを御覧ください。
 費用対効果評価の対象品目の指定基準を示しております。
 算定方式及びピーク時の市場規模予測に応じて区分が定められており、本剤についても、費用対効果評価の対象品目として指定され、基準に応じて、いずれかの区分に指定される予定でございます。
 9ページを御覧ください。
 今回御審議いただきたいことは、論点の1ポツのとおり、本剤の薬価収載について類薬のレケンビと同様に進めてはどうかというところでございます。
 具体的には、1つ目の矢印といたしまして、本剤の具体的な薬価算定方法につきましては、薬価専門部会において検討し、その結果を基に総会で御議論していただくということ。
 2つ目の矢印といたしまして、本剤の費用対効果評価につきましては、費用対効果評価専門部会において検討し、その結果を基に総会で御議論していただくこととしてはどうかということ。
 3つ目の矢印といたしまして、これらの議論を効率的に進めるため、薬価専門部会と費用対効果評価専門部会を合同部会として開催して、検討することとしてはどうかというものでございます。
 また、最後のポツでございますが、本剤の薬価収載に向けた議論に際しましては、今後開発され得る同様の薬剤への対応も考慮してはどうか。
 こちらは、レケンビやケサンラの類薬の開発が進められていることから、今後、仮に薬価収載の希望があった場合を見越して、より効率的な手続等も考えてはどうかというものでございます。
 なお、参考1及び2といたしまして、レケンビにおける特例的な対応についての資料をつけております。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 論点についてコメントします。
 9月24日に薬事承認された新規のアルツハイマー病治療薬、ケサンラの薬価収載に向けて、レケンビと同様の進め方で中医協で検討していく提案でありますが、両医薬品の類似性を踏まえ、今回示された論点に異論ありません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 9ページ目に示されている論点についてですが、ケサンラの薬価収載に向けた議論の進め方や、今後開発される可能性のあるアルツハイマー病治療薬への対応については異論ありません。ケサンラについては、本剤の治験や承認の状況などの特性を踏まえつつ、レケンビのときの議論と同様に進めていくべきだと考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、資料の9ページの論点に沿ってコメントいたします。
 まず、ケサンラの薬価収載向けた対応につきましては、資料を拝見いたしますと、投与頻度以外はレケンビとほぼ同じということですので、事務局から御提案のとおり、レケンビと同様の手順で議論を進めることに異論はございません。
 ただ、ケサンラとレケンビは、5ページにあります作用機序を拝見しますと、作用のポイントが若干異なる部分があり、場合によっては、2剤を併用あるいはレケンビが終わったらケサンラを使用するという可能性も否定できないのではないかと思っております。
 2つの薬で完全に市場は分け合う形になるのか、市場が拡大していくのかといったことも慎重に見ていく必要があると考えております。
 また、将来的な課題になるかもしれませんが、どちらを優先的に使うのかといったことも含め、レケンビの最適使用推進ガイドラインも見直し、2剤の使い分けを整理することも、専門家の視点で十分な検討をお願いし、後日、説明をいただければと考えております。
 次に、論点の2つ目につきましては、同じようなアルツハイマー治療薬が出てきた場合、複数の薬剤で市場を分け合うとなったとしても、全体としては、徐々に市場規模が拡大していけば、やはりトータルで保険財政に大きな影響を与えることが想定されます。
 先ほど申し上げましたが、使い分けの整理に加えて、市場拡大再算定の在り方につきましても議論をする必要があると考えております。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 私も9ページの論点については、異論はございません。
 なお、レケンビを使用した後に、プラークの減少を目的にケサンラを使用することがあるかどうかについては、今後の状況を見てみないと分からないかもしれませんが、今後、認知症の方が増加すると予想され、新しい治療薬が次々と開発されていく中で使用範囲や方法が広がることも考えられます。これからも注意深く状況を見ていきたいと考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 事務局、よろしいですか。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先ほどの松本委員、佐保委員の御意見でございますが、ごもっともでございます。松本委員の1点目のご指摘である2剤の使い分けにつきましては、とても重要なことだと思っております。
 他方、今、佐保委員もおっしゃったように、まだ、2剤が実臨床において、使用された実績があまりないということもありますので、今後の課題かとは思っておりますが、可能な限り今回の段階でも検討ができれば、検討を進めていきたいと思っております。
 2つ目の松本委員、佐保委員からの御指摘いただきました点ですけれども、今後開発され得る類似薬も含めました市場の在り方につきまして、市場拡大再算定で、ご指摘の点が現行のルールで対応できるのかどうかも含めまして、また、次期制度改革等で検討していければと考えております。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 永瀬委員、お願いいたします。
○永瀬委員
 前回医療費の推移について、5年平均でみるとコロナを挟み伸び率は横ばいに近く問題がないといろいろ説明を受けたのですけれども、コロナの時期に患者の受診が下がったにもかかわらず5年平均では以前をやや上回る伸びで気になります。認知症の薬剤というのは、進行を若干遅くする薬剤であると伺ったのですけれども、今後、認知症患者大きく増えていくという予想がある中で、先ほど佐保委員や松本委員もおっしゃっておられましたけれども、どのぐらいそれが国民負担になっていくのかの試算というのは、追々していくという、そのような予定なのかどうかということを教えてください。
○小塩会長
 事務局いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。御指摘ありがとうございます。
 それぞれ薬価収載をするときには、市場規模予測が個別の医薬品で出ております。それで、個別の医薬品を見ていくのかなと考えています。
 また、佐保委員、松本委員、あと、永瀬委員の御指摘のように、領域全体の市場規模、これについても、また、今後どのような評価が必要なのかを見ていかなければいけないと思いますが、前例で、オプジーボ、キイトルーダという市場規模の大きな抗がん剤の領域があるのですが、今のところ、市場拡大再算定のいろいろな個別ルールの中で、ある程度コントロールされております。今度、新しい領域であります認知症の領域、こちらのほうが、今のルールで対応可能なのか、対応可能でなければ、どのような対応が必要なのか、また、この場で御議論をしていただければと思っております。
 いずれにいたしましても、レケンビのほうは、市場規模の推移というのは、随時ウォッチすることになっておりますので、何か大きな変化等あれば、また、御報告をし、御検討していただこうと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかは、よろしいでしょうか。
 ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりといたします。中医協総会といたしまして、この資料の9ページの論点に示された方針にて検討を進めることとしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、本議題に関しましては、薬価専門部会及び費用対効果評価専門部会で議論していただき、その結果を総会に報告していただくようにお願いいたします。
 今回いただいた御意見に関しましては、それぞれの部会における検討の参考とするようにお願いいたします。
 本日の議題は以上となります。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。