2024年5月9日 薬事審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和6年5月9日(木)18:00~

会場

厚生労働省専用第15会議室

出席者

出席委員(18名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理 



欠席委員(3名)五十音順

行政機関出席者
  •  城克文(医薬局長)
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬品審査管理課長)
  •  野村由美子(医薬安全対策課)
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、「薬事審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 はじめに、新しく当部会の委員として、愛知県がんセンター臨床試験部部長の安藤正志先生、佐賀大学医学部附属病院教授・薬剤部長の島ノ江千里先生に御就任いただいておりますので、御紹介いたします。まずは、安藤先生に御挨拶をお願いできればと思います。
○安藤委員 どうも初めまして。愛知県がんセンターの臨床試験部の安藤と申します。新参者で、いろいろ分からないことがたくさんあると思いますが、皆様、どうかよろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございました。続いて、島ノ江先生に御挨拶をお願いできればと思います。
○島ノ江委員 こんにちは。佐賀大学医学部附属病院の薬剤部長の島ノ江と申します。私も初めてですので、皆様に勉強させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございました。本会議は、ペーパーレスでの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点がありましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日の会議における委員の出席についてですが、石井委員、山口委員、山本俊幸委員より御欠席との御連絡を頂いております。このほか、浦野委員、松下委員がまだ参加されておられませんが、後ほど御参加いただくことになっております。本日、現在のところ、当部会委員数21名のうち、15名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続いて、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、これについても御報告させていただきます。先生方におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
──記者 退出──
○医薬品審査管理課長 それでは、清田部会長、以後の進行をお願いいたします。
○清田部会長 清田でございます。それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申し出状況について御報告をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~No.18を用いますので、お手元に御用意いただけますか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料No.18に記載のとおりです。これらに関する委員からの申し出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりです。
 議題1の「ジャイパーカ錠」、退室委員は南委員、議決に参加しない委員は亀田委員です。
 議題2の「プレバイミス錠」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は亀田委員、中野委員です。
 議題3の「アビガン錠」、退室委員、議決に参加しない委員ともになしです。
 議題4の「レルベア」、退室委員、議決に参加しない委員ともになしです。
 議題5の「希少疾病用医薬品の指定の可否」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は亀田委員、中野委員です。
 議題6の「再審査期間延長の可否」、退室委員はなし、議決に参加しない委員は南委員です。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。今の事務局からの御説明に、特段の御意見はございませんか。よろしいですか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。本日は、審議事項が6議題、報告事項が7議題、その他事項が1議題となっております。
 それでは、審議事項の議題に移ります。議題1、南委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づき、議題1の審議の間、会議から御退室して待機いただくことといたします。南委員は御退室をお願いいたします。
──南委員 退室──
○清田部会長 それでは、議題1について、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品ジャイパーカ錠50mgほかの製造販売承認の可否等について説明いたします。以後の審査報告書のページ数は、各ページの「73分の幾つ」で記載している数字を使用いたします。本剤の有効成分であるピルトブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害作用を有する低分子化合物であり、既存のBTK阻害剤に抵抗性となったBTKC481S等の耐性変異を有するB細胞性腫瘍に対しても、BTKの活性部位に非共有結合し、BTKのキナーゼ活性を阻害することにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられています。
 今般、本剤は「BTK阻害剤抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を効能・効果として承認申請されました。令和6年1月時点において、本剤は38の国又は地域で承認されています。本品目の専門協議には、8人の専門委員に御参加いただきました。詳細は資料No.17を御覧ください。
 以下、臨床試験成績を中心に、審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者等を対象とした国際共同第I/II相試験である18001試験が提出されました。
 有効性については、審査報告書の38ページの表27を御覧ください。他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のMCL患者における主要評価項目の奏効率は56.9%であり、事前に設定された有効性の判断基準を満たし、かつ、臨床的に意義のある結果でした。以上の結果等より、本剤の一定の有効性が示されたと判断いたしました。
 安全性については、審査報告書の43ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与時に特に注意すべき有害事象として、感染症、骨髄抑制及び出血が認められています。これらの有害事象については、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師によって、有害事象の観察や管理、本剤の休薬、減量等の適切な対応により忍容可能と判断いたしました。
 以上のような審査の結果、機構は、「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品にはいずれも該当せず、原体及び製剤は、いずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事審議会には報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問がございましたら、承りたいと思います。いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ないようですので、議決に移ります。亀田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。ロビーで御待機されています南委員をお呼びください。
──南委員 入室──
○清田部会長 続いて、議題2に移ります。議題2について、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品プレバイミス錠240mg及び同点滴静注240mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.2の審査報告書のファイルをお開きください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に「30分の幾つ」で記載している数字を使用いたします。
 ヒトサイトメガロウイルス(以下、「CMV」)は、乳幼児期に感染し、その後、生涯にわたり潜伏感染する可能性のあるウイルスですが、臓器移植後は一般に免疫抑制状態にあることから、移植を受けた患者自身又は移植された臓器中のCMVが再活性化してCMV感染症を発症する場合があり、その長期予後は不良とされています。本剤は、CMVゲノムのパッケージングに必要なDNAターミナーゼ複合体を阻害するレテルモビル(以下、「本薬」)を有効成分とする製剤であり、同種造血幹細胞移植患者におけるCMV感染症の発症抑制を効能・効果として、2018年3月に承認されています。今般、腎移植患者を対象とした国内外臨床試験が計画・実施され、本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本申請の専門委員として、資料No.17に記載の5名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明いたします。有効性について、審査報告書の17ページの表13を御覧ください。本審査報告書では、臓器移植のドナーを「D」、レシピエントを「R」、抗CMV抗体の有りを「+」、無しを「-」で表記しています。D+/R-の腎移植患者を対象とした海外第III相試験(以下、「海外002試験」)において、主要評価項目である移植後52週以内に中央判定でCMV感染症を発症した被験者割合は、本薬群10.4%及びバルガンシクロビル群で11.8%であり、群間差の95%信頼区間の上限が、非劣性マージンの10%を下回ったことから、バルガンシクロビルに対する本薬の非劣性が検証されました。
 また、腎移植患者を対象とした国内第III相試験(以下、「国内042試験」)のD+/R-の被験者における移植後52週以内に中央判定でCMV感染症を発症した被験者割合は16.7%でした。少数例での検討であり、試験間比較のため評価に限界はあるものの、海外002試験の本薬群の結果である10.4%と大きな差異はないと考えています。なお、国内042試験のR+の被験者では、移植後52週以内のCMV感染症の発症及びCMVDNA血症は認められませんでした。
 以上より、日本人腎移植患者におけるCMV感染症の発症抑制に対する本剤の有効性は期待できると判断いたしました。
 安全性について、審査報告書の19、20ページの表14~16を御覧ください。海外002試験の本薬群における有害事象や副作用の発現状況について、バルガンシクロビル群と比較して特段の懸念は認められておらず、国内042試験における発現状況と大きな差異は認められていません。また、既承認効能・効果である同種造血幹細胞移植患者を対象とした国際共同001試験の本薬群と比較して、海外002試験及び国内042試験の本薬群で新たな安全性上の懸念は認められなかったことから、腎移植患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
 次に、審査報告書の21ページの「7.R.4 効能・効果及び臨床的位置付けについて」の項の1行目から始まる申請者の説明を御覧ください。本開発では、腎以外の臓器移植患者を対象とした臨床試験は実施されていませんが、箇条書きで示したとおり、肝機能が安定している場合であれば、移植臓器によらず本薬のPKは同様と予想され、有効性及び安全性が確認された本薬の曝露域を踏まえれば、移植臓器の違いによって本薬のPKが臨床上意味のある変動を示す可能性は低いと考えています。また、移植臓器によって使用される免疫抑制剤の種類や感染症対策は類似しており、バルガンシクロビル等の類薬も移植臓器の違いによる推奨投与量は異なっていないこと等を踏まえ、移植される臓器等を限定せずに、本剤の効能・効果を臓器移植におけるCMV感染症の発症抑制と設定することは可能と判断いたしました。
 この点に関して、審査報告書の26ページの「1.1 腎以外の臓器移植患者への投与について」の項を御覧ください。先に述べた機構の判断に対する専門委員の意見を記載しています。専門委員からは、機構の判断はおおむね支持されましたが、箇条書きで示した意見も踏まえ、腎以外の臓器移植患者については全症例を対象に使用成績調査を実施すること、また、臓器移植後に肝機能が安定するまで期間を要する患者も存在することから、添付文書上で移植後の肝機能状態を踏まえて投与の適否を慎重に判断するよう促すことを指示いたしました。
 以上の審査を踏まえて、機構は本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品目は、希少疾病用医薬品として承認された新有効成分含有医薬品に対する希少疾病用医薬品に指定されていない効能・効果の追加に係るものであることから、再審査期間は5年10か月と設定することが適切と判断しています。薬事審議会には報告を予定しています。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようですので、議決に入りたいと思います。亀田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題3に移ります。議題3について、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品アビガン錠200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明します。
 資料No.3、審査報告書のファイルをお開きください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に「29分の幾つ」で記載している数字を使用します。
 重症熱性血小板減少症候群(以下、「SFTS」)は、ダビエバンダウイルス(通称、SFTSウイルス)による感染症で、発熱、倦怠感、頭痛、消化器症状等が認められ、重症例では死に至る疾患であり、SFTSウイルスが主にマダニや動物の体液を介してヒトに感染することで発症しますが、近年ではヒトヒト感染も報告されています。SFTSは、本邦の感染症法において全数把握の四類感染症に指定されており、年間症例数は40~132例と報告されていますが、これまでにSFTSに対して本剤が承認された国又は地域はなく、確立した治療法や予防法も存在していません。
 本剤は、ファビピラビル(以下、「本薬」)を有効成分とし、細胞内酵素により代謝された本薬のリボシル三リン酸体が、SFTSウイルスのRNAポリメラーゼを阻害することで、SFTSウイルスの増殖を抑制します。本邦では「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)」の効能・効果で2014年3月に承認されましたが、「厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと。」の承認条件に従いまして、現在のところ、製造販売はなされていません。
 今般、SFTS患者を対象とした国内第III相試験が計画・実施され、得られた試験成績等を踏まえて、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本申請の専門委員として、資料No.17に記載の5名の委員を指名しました。主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に説明します。
 有効性について、審査報告書16ページ、「7.R.1 有効性について」の項の2行目からの文章を御覧ください。国内第III相試験(以下、「JP321試験」)は、SFTSが希少かつ重篤な疾患で治療法が存在しないこと等を考慮して、全被験者に本剤を投与する非盲検非対照試験として実施し、主要評価項目である投与開始後28日目までの累積致死率について、国立感染症研究所が公表している感染症発生動向調査(以下、「動向調査」)により得られた累積致死率をもとに事前設定した閾値である12.5%と、JP321試験の点推定値を比較検討する計画とされました。
 JP321試験の結果、RT-PCRでSFTSウイルスが検出され、かつ、症状発症後5日以内に投与が開始されたmITTE集団における投与開始後28日目までの累積致死率は15.8%であり、閾値である12.5%を上回ったことから、事前設定に基づいた本剤の有効性は示されませんでした。
 JP321試験において、主要評価項目で事前設定した成功基準を満たさなかった要因について、審査報告書17ページ4行目からの文章を御覧ください。SFTSは感染症法による全数把握の対象疾患で診断後直ちに保健所に届け出ることとされ、届出後の経過は動向調査の各種数値には反映されていないことから、届出後の死亡が考慮されていない動向調査に基づくJP321試験の致死率の閾値12.5%は、投与開始後28日目までの累積致死率よりも低値であった可能性が考えられました。
 本来であれば、適切な致死率の閾値を改めて設定した上で、追加の臨床試験を実施し、有効性を確認すべき状況ではあるものの、動向調査の届出情報には届出後に死亡した患者情報が反映されていないことは理解でき、SFTSの患者数は限られ、有効性を確認する臨床試験を新たに実施するには相当な期間を要する可能性があり、SFTSに対する治療薬が現時点では存在しないことを考慮し、JP321試験で得られた致死率について多角的に考察を行うことは否定されるものではないと考えています。
 同じページの表14の下の段落及び次のページの表15を御覧ください。SFTS患者の致死率に関する国内疫学調査を網羅的に検索し、メタアナリシスが行われた結果、SFTS患者の致死率は、変量効果モデルで24.6%、固定効果モデルで20.9%と算出されました。メタアナリシスに用いられた報告間で、患者の重複、本薬投与の有無、致死率の算出方法の差異等が認められることに加え、JP321試験の検討例数は限られるため致死率の推定精度は低いことにも留意する必要があるものの、メタアナリシスでの致死率と比較して、JP321試験での致死率は点推定値で低いことが確認されました。
 当該確認結果に係る審査概要について、審査報告書24ページ、「1.1 有効性について」の項を御覧ください。専門委員からは、JP321試験では有効性が示されたとは言えないものの、動向調査に基づいた致死率の閾値は低値に見積った可能性がある点は理解でき、SFTSが希少かつ重篤な疾患で、治療法が存在しない現状では、厳格な流通管理の下で、使用全例に対する有効性及び安全性に係る調査を実施することを前提に、多角的な検討結果に基づき、本剤をSFTS患者に対して使用可能とすることに一定の意義はあるとの機構の考えに、支持が得られました。
 次に、安全性について、審査報告書16ページ、表13を御覧ください。JP321試験において2例以上で認められた有害事象及び副作用を示しており、尿酸値上昇に関連する有害事象及び副作用が高頻度で認められましたが、既知の事象であり、添付文書において追加の注意喚起は不要と判断しました。
 次に、審査報告書20ページ、表17を御覧ください。申請効能・効果と対象疾患が異なるものの、SARS-CoV-2による感染症患者を対象としたJP324及びJP325試験の本剤群において、プラセボ群よりも肝機能障害に関連する事象が多く認められ、重篤な副作用や投与中止に至った副作用が複数例で生じていることから、添付文書において投与開始前及び投与中は肝機能検査を実施し、観察を十分に行うように注意喚起することが必要と判断しました。
 次に同じページの「7.R.2.3 胚致死及び催奇形性のリスクについて」の項を御覧ください。本薬はヒトにおいて胚致死及び催奇形性のリスクが強く懸念されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とし、妊娠する可能性のある女性に本剤を投与する場合、投与前に妊娠検査とともに妊娠の可能性について十分な問診等を行うとともに、本剤投与期間中及び投与終了後は一定期間の避妊を行う必要があると判断しました。
 審査報告書21ページ、「7.R.2.4 避妊期間について」の項を御覧ください。SFTS患者での避妊期間について、本剤の初回承認後に公表された最新のガイダンスに基づき、効能・効果を問わず、妊娠する可能性のある女性では「投与期間中及び投与終了後10日間」と設定し、男性では避妊に関する注意喚起を行わないことは適当と考えています。
 次に審査報告書22ページ、「7.R.7 本剤の適正使用の方策について」の項を御覧ください。胚致死及び催奇形性リスクの回避の観点に加え、初回承認時に、通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施することが承認条件として付されていることも踏まえ、処方医の事前研修及び事前登録を行うこと、原則として入院管理下で投与すること、医療機関における薬剤在庫を最小化し、申請者が在庫状況を把握すること、治療開始に先立ち同意説明を行うことといった適正使用の方策を講じるよう申請者に指示しています。
 最後に、審査報告書26ページ、総合評価を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構は、JP321試験成績のみからSFTSウイルス感染症に対する本剤の有効性が示されたと判断することは困難であるものの、提出された資料から総合的に評価し、希少かつ重篤な疾患で治療法が存在しない状況において本剤を使用可能とすることは一定の意義があると考え、審査報告書27ページに記載の承認条件を付した上で、承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。
 本申請は、希少疾病用医薬品に指定された効能・効果の追加に係るものであることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の再審査期間は10年と設定することが適切と判断しています。薬事審議会には報告を予定しています。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、事務局から補足をお願いいたします。
○事務局 事務局です。併せまして、承認条件に関する資料を付けさせていただいています。「アビガン錠の承認条件の変更について」という資料を御覧いただけますか。今回のSFTSに関する適応追加に関連して、過去に新型又は再興型インフルエンザに関する適応症で承認された際の承認条件についても整備をする必要があることから、こちらの資料のとおり記載を整備してはどうかと考えています。
 まず表の一番左の列が現行の承認条件ですが、真ん中の列が「変更案」、右側が「変更理由」となっています。1ポツ目は変わりませんが、2ポツ目については、3ポツへ移動ということで、後ほど御説明します。
 3ポツ目の、「厚生労働大臣の要請がない限りは製造販売を行わないこと」という承認条件が付与されていましたが、今回の承認に伴って、SFTSウイルス感染症に対しては通常どおり製造販売を行う必要があるため、この承認条件は削除としてはどうかと考えています。
 また4ポツ目については、「通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう、厳格な流通管理、安全対策を実施する」といった承認条件が付与されていましたが、今回の適応追加に伴いまして、本剤が承認されている効能・効果においてのみ使用されるようといった記載整備を行ってはどうかと考えています。
 また、次の5ポツ目の患者に対する文書による同意を得るといった趣旨の承認条件が付与されていますが、SFTSウイルス感染症に対しては文書による同意を得ることが困難な症例も想定されるといったことから、こちらを削除としてはどうかと考えています。
 次の3ポツについては、先ほど申し上げた2ポツからの移動で、4ポツ以降は先ほどの機構からの説明のとおりです。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。事務局からの追加をスキップしてしまいました。すみませんでした。
 それでは、委員の先生方からの御質問を承ります。いかがでしょうか。
○亀田委員 この疾患に対して、海外の状況は現時点でどうなっていますか。
○清田部会長 事務局からお答えできますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明します。このSFTSという疾患ですが、東アジアに特有の疾患になりまして、東アジア、欧米含め、いずれの国でも治療薬は承認されていないといった状況になります。
○亀田委員 中国ではリバビリンを試して、それもうまくいかなかったということだったと思いますが、ただ、この薬剤が以前に、10年ぐらい前だと思いますが、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対して、もちろん試験もなく承認という特殊な状況になっていて、今回も試験としては当初の成績が得られずに、また承認ということになってしまうことに対しては懸念があります。様々な解析の仕方をしたとしても、感染症として致死率を例えば50%以下に減らすということではないわけです。そういう状況ですので、本当にこれで承認した場合、どうしても「効く」という期待を持って使われてしまうと思いますが、その辺りが、本当にリスクベネフィットバランスとしてどうなのだろうかと、副作用の点も考えて、疑問に思いましたので、お伺いします。
○清田部会長 御意見ありがとうございます。これに対して、機構からどうですか。これも考え方だと思いますが。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、臨床試験では、事前に設定した閾値を達成できなかったということで、試験としては失敗といった形になっています。その上で、閾値の設定に対しては国立感染症研究所で集めているデータから設定されているのですが、そちらのデータが届出時点の情報を集約したものになっていまして、実際の致死率よりも低い値として設定されていたというところが、申請者から考察されました。その点については機構でも確認し、閾値の設定が適切ではなかったということについては、ある程度理解はできるということで、国内の疫学調査でSFTSの患者さんがどれくらいの致死率であるのかというところを網羅的に調べて、その結果と臨床試験の試験を比較したところ、点推定値ではあるのですが、本剤投与で低かったといったところを確認できました。
 そのようなデータを踏まえまして、なかなか難しい議論ではあると思いますが、専門協議を行い、治療薬がない現状では本薬について使用可能にしておくことも一定の意義があるだろうといった意見もあり、今回こういった形で御審議いただく形を取らせていただいています。
○清田部会長 過度な期待を抱かせない説明というのは重要だろうというふうに思いますが、今の御説明でいかがでしょうか。
○亀田委員 はい、承知しました。
○清田部会長 SFTSは致死率が高くて恐ろしい疾患ですが、薬がありません。今後の新薬の開発でもプラセボコントロールスタディはなかなかしにくいです。そういうときに、このお薬があった方がコントロールにもなり得るという考え方だろうと思います。
 Webの方から手が挙がっています。大隈先生、いかがですか。
○大隈委員 関西医大の大隈です。質問させていただいてよろしいですか。今の御説明で、審査報告書の6ページなのですが、in vivoの抗ウイルス活性については御説明がなかったと思いますが、この表で質問させていただきます。
 これによると、ウイルス接種して、1時間後辺りは血中のウイルスRNA量は少し減っているように見えるのです。ウイルス接種5日後等、時間がたってから薬を投与された場合はあまりウイルスRNA量は減ってないように見えるのですが、この辺りはどのように評価されているのでしょうか。
○清田部会長 表1についておっしゃっているのですね。
○大隈委員 そうです。表1です。
○医薬品医療機器総合機構 この結果もそうですし、このSFTSという疾患が1~2週間程度で急激に症状が現れて、死亡に至ってしまうということも踏まえますと、本剤の使用方法としては、なるべく早期に投与することが重要ではないかと考えています。
 SFTSの診断については、今のところ国立感染症研究所に検体を送って、そこでPCR等の検査を行って確定診断を行うということで、それなりの時間を要する状況なのですが、その結果を待って投与するか、それとも、その前に投与するかというところは、臨床現場の方でいろいろな周辺状況を踏まえて、なるべく早期に投与するような形も取られるものと理解しています。
○大隈委員 ありがとうございます。私はこの結果を見まして、同じ考えを持ちました。そうすると結構、感染して時間がたった方も、臨床的にはケアする場合も多いかなと思いますが、もし感染後かなり時間がたってしまっているということが状況から分かった場合にも、これは専門家の先生が見られて判断されるのでしょうが、そういったかなり時間がたってしまった場合の投与もあり得るのでしょうか。
○清田部会長 エビデンスがあるかどうか、私も分かりませんが、答えにくい御質問かと思いますが。
○大隈委員 もしですね、例えば、こういったin vivoの結果などや臨床的なもので、結構時間がたってからの投与は効果が余りないとすれば、そういったことも含めて、添付文書などにも、参考と言いますか、記載されたりはしないのでしょうか。
○清田部会長 そういうデータはあるのですか。
○新薬審査第四部長 臨床試験は、発症して5日目までの方を対象に試験を実施されたということなので、できるだけ早期に投与するというのが先生からも御指摘あったところだと思います。今ちょっと添付文書を確認したところ、そういった記載はどうも見当たらないというところですので、今回の部会での御意見を踏まえまして、感染から早期に投与するといったような旨の注意喚起ができるか、少し考えさせていただきたいと思います。
○清田部会長 大隈先生、よろしいでしょうか。
○大隈委員 分かりました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、横幕先生から手が挙がっています。
○横幕委員 先ほどの御質問にも少し関連するのですが、この薬の、抗ウイルス活性のことについて少し教えていただきたいことがあります。
まず、質問させていただく前に、フェーズIIIで当初設定された評価項目が達成されなかったことから、いろいろな理由を付けて承認するという流れは、個人的にはよくないと思います。
 まず、資料の5~6ページにin vitro、in vivoのデータが出ています。まず、in vitroのデータにEC90が出ていますが、本剤は非常に高濃度で投与しないと効果がない薬です。SFTSウイルスをin vitroで抑えるに、ファビピラビルは、インフルエンザの複製を抑制する場合よりも高い濃度がいる必要です。また、先ほど議論になったマウスの実験についても、マウス体重当たりの120mg/kg/dayという投与量を考えても、ヒトについてもかなりの高用量投与時の結果と相当すると思われます。今回の承認条件で、果たしてこのマウス実験で得られたウイルスの低下が、本当にヒトでも得られるか疑問があります。
 あとファビピラビルの薬剤耐性化について、SARS-CoV-2のときにも議論があったと思いますしインフルエンザの承認の際の議論にもあったかもしれませんが、本当に効く薬であれば、特にこういったRNAのウイルスであれば、耐性誘導されるのが通常です。耐性誘導ができないもしくは難しい薬は、よほど効く薬か、全く効かない薬かのどちらかです。
 今回、耐性誘導について、精々10継代ぐらいのところで耐性誘導がなかったというデータが出ています。耐性に対するバリアが高い、もしくは、薬剤の溶解度の問題で薬の濃度があげられなくてこれ以上の耐性誘導ができない状況だったと思われますが、おそらく、本剤は有効な抗ウイルス効果が本当にないか、若しくは弱いと考えるのが一般的ではないかと思います。
 今回、主要評価項目がウイルスの量の低下ではないので、本質的な議論ではありませんが、主要評価項目に議論すべきところがある状況下であれば、せめてこの薬がインフルエンザウイルスに対する場合と同じ用量で、SFTSウイルスの複製抑制効果があるというデータはやはり必要だと思います。
 あと、臨床試験における3例の死亡例について、添付資料などには詳細な経過が記載されています。これは本剤の薬効を評価するときにしっかりと患者背景を考えなくてはいけないということが理解できました。今回、試験の症例数は精々20、30例ですので、この薬の有効性が本当か議論をするについては、専門委員の先生は評価されていらっしゃいますが、せっかくこれだけの先生方が集まっているので、各症例で、どんな状況でどういうふうに投与されて、どういった経過をたどったのかということをみんなで見て評価してもいいのではと思いました。
 機構におかれましては、もし抗ウイルス効果について解釈等が私の方のところで誤解等があるというふうであれば、御指摘いただければと思います。
長くなりましたが、以上です。
○清田部会長 それでは、機構からお答えいただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 我々の方では、この結果をもって、抗ウイルス活性は示されたと判断したところではありますが、今の横幕先生の御意見も理解できるところです。
○清田部会長 結局、更なるエビデンスを求めるのは、なかなかきついことかとは思いますが、横幕先生の御提案は何かありましたら。
○横幕委員 承認後、診療現場で使用される中で症例を集める、いわゆる市販後調査的な形で情報を集めるという方法も一つだと思います。また、承認条件として、入院させて施設も絞って処方医も限って使用を認めるという環境下であれば、もう少し研究的なスキームで継続して調査を行うという形でもいいのかなと考えたりもしますがいかがでしょうか。
○清田部会長 今の御提案でいかがですか。ちょっと無理があるかもしれませんが。
○新薬審査第四部長 ご指摘、ありがとうございます。承認をした上で、例えば今おっしゃったような、製造販売後臨床試験のようなものを組むというのも、単群試験のような形であれば、できなくはないかと思います。ただ、今回、実施予定の全例調査において、死亡に至った患者さんの割合が想定どおり又は想定より低くなるかどうかというところを検討していくことでも、基本的には同程度の情報が収集できるのではないかとも思っております。今、ご提案のあったような研究的なものと、eラーニング等をした先生方に使っていただくことにはなりますが、実臨床での使用時の情報収集を両立させる形は、少し難しいのではないかと、御意見を伺っていて思ったところです。
○横幕委員 ありがとうございました。理解しました。
○清田部会長 なるべくそういう方向で、可能な限り。
○宮川委員 宮川です。今の横幕先生の御提案というのは非常に重要なことだろうと考えています。つまり、承認ということになれば、この薬効を認めたという形になるということですよね、国としてです。それが本当であるのかどうかという段階での承認というのは非常に問題である。今の前段の所で、このウイルス活性に関しても不確かであるというところで、そして臨床上、潜伏期間が14日近くあるという中で、国が承認した薬を臨床で用いて治療に当たることはどうなのかといった場合、国が救済措置も含めて、しっかりとした立付けを作らなければ、これは問題があるだろうと私は認識しています。
 ですから、この薬が、SFTSに関して有効であるということを認めた形で承認するという体裁を取ることに対しては、非常に問題があるのではないか。市販後に、全例調査をして、そしてその中で患者さんをお救いすることができるかできないか、そして救済措置が得られるのかを検討していくという形になりますと、国の姿勢が問われるのではないかなと私は非常に懸念をしているところです。
 ですから、その前段階で、もう1回しっかりとした立付けを作って、これに対して有効性があるのかどうか、そういうことを考えないといけない。この25ページの後段ですが、一番最後の所の「機構は・・・」という箇所から、eラーニング含めてですが、そういった対応をして登録等を行ったとしても、これは非常に問題として問われるところではないかなと私は認識していますが、事務局、それから機構、いかがでしょうか。
○医薬品審査管理課長 事務局ですが、救済という意味でいくと、承認をされれば救済制度の対象になります。一方で、そうでない場合であれば救済制度の対象にならないということになります。これは、今回の医薬品については、臨床結果も全て添付文書に掲載した上で、現場で判断していただく。その上で、副作用というものがでれば、条件はありますが、それは救済制度にのることになるということだと理解をしています。それで、またそれ以外にも何らかの形でこの条件を付して対応するような方向性があるのであれば、是非、お知恵を頂きたいのですが、今ちょっとそれが思い付かないというところになっています。以上です。
○宮川委員 宮川です。今、横幕先生はじめ、それから大隈先生からお話がありましたが、有効性が確立したと言い切れる根拠がある段階ではないのにかかわらず、ここで、承認という形をとるのは問題があるのではないかなと懸念するところです。
○清田部会長 つまり継続審議ということですか。
○宮川委員 はい、私としては、これはしっかりとした臨床試験というか、横幕先生の指摘もありましたが、臨床試験でしっかりとした結果がなければ、これは承認すべきものに当たらないのではないかなというところも懸念しているところです。
○清田部会長 そうすると、厳密な前向きのプラセボコントロール試験が必要だということをおっしゃっているのですか。
○宮川委員 先ほど横幕先生は後段の所で、そういう提言をされたのですが、その辺が可能なのかどうかというところだと思います。
○新薬審査第四部長 ご指摘、ありがとうございます。この開発の当初の段階から、プラセボコントロールスタディというのは、なかなか疾患の致死率等を考えると難しいということで、非対照の試験が組まれていたところなのですが、非対照試験というところもあって、致死率の閾値を設定しての試験が行われたというところです。今回、御指摘で、もし何かを考えるというのであれば、これまでの開発で行われたものを更に精度を上げるような形のものというのは、ひとつ考える余地はあるのかもしれないのですが、実際の患者さんの発生数を考えたときに、果たして現実的な期間の中で実施できるかといったところについて、今この場で、できます、できませんということをお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。
○清田部会長 ありがとうございます。島ノ江先生からお手が挙がっているようです。お願いします。
○島ノ江委員 ありがとうございます。今までの先生方のコメントがありますので、その決着が付いてからという話にもなるし、これまでの話も含めることになるのですが、22ページの所に、今回、最後の所で、同意の所を削除するというお話が出ていたと思います。承認条件の変更の所です。ただ、22ページの所では、同意は、きちんと有効性と安全性を、まず。それ以前の問題で今ちょっとディスカッションに入っていますが、有効性と安全性の所をきちんと説明してから同意するという話ですが、現状は難しいだろうという話も当然分かるのですが。ただ、そのときに、22ページの所で専門協議での意見を踏まえて最終化するとあって、次は27ページの所が多分、そこになるのですが、そのときには何も触れずに、今回その承認条件の変更の所では、同意の取得が全然なしになっている。つまり、きちんとした説明がされて本当にいくのかどうか。家族の方は当然おられるとは思いますが、有効性で、まずちょっと問題のあるところがありますが、そういったところがどんなふうになって、この同意取得の説明の所がいいとなったのかという経緯が、もし分かれば教えていただきたいと思いました。以上です。
○清田部会長 お答えになれますか。
○事務局 事務局です。説明が少し不十分で失礼しました。承認条件から同意の項を削除するというのは、もう一切、同意が不要といった趣旨ではなく、特に、この承認条件は文書による同意を得るということが記載された承認条件になりましたので、文書による同意が難しいということで削除とさせていただく予定でした。
 ただ、同意は不要ということではなく、添付文書を御覧いただければ分かりやすいかと思いますが、添付文書の最初の警告欄の中でも、文書という記載はしていませんが、赤枠の中の「1.4」の項において、同意を得てから投与を開始するといった注意喚起は維持していますので、承認条件という形では削除といった御提案をさせていただきましたが、注意喚起としては残るということで運用したいと考えています。
○島ノ江委員 分かりました。やはり有効性と安全性の所が、ここの中でもディスカッションが起こるぐらいなので、きちんとその辺りがされるかというところに関しても少し懸念事項として捉えました。ありがとうございます。
○清田部会長 南先生からお手が挙がっています。
○南委員 ありがとうございます。私も宮川委員の懸念に賛同します。有効性が示されなかったとしておきながら、でも承認しますというのは、議論の流れからおかしいと思います。有効性を検証するときにアンダーエスティメイトするだろうということは事前に分かっていたとあります。しかも、この試験のデータの点推定値と比べています。死亡割合の推定の信頼区間の上限値と比べるのならまだ分かるのですが、点推定値と比べて、それでも有効性が示されなかったという状況であれば、やはりもう少し臨床のデータを追加する必要があるだろうと、私も思います。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。よろしいですか。そうなりますと、今後、このアビガン以外の薬の開発が行われようとするときには、やはり同じような議論は当然起きてきますよね。ですから、その手法はきちっとこうすべきだというのは、ここでしておかないといけませんよね。そうですよね。これは宮川先生から、医師会のお立場から御意見いただきましたが、具体的に何をどのようにして、明らかにすべきか。
○宮川委員 宮川です。このやり方でも実際には有効性がある、なしは分かるわけですよね。
○新薬審査第四部長 ご指摘、ありがとうございます。先ほどの閾値設定が正しくなされ、今、南先生から御指摘があった評価方法等を合わせて考慮しますと、その閾値が正しいかどうかといったところ等、プラセボ比較試験の計画に比べるとデザイン面での難しさはありますが、難しさを乗り越えることができるのであれば、単群試験、非盲検試験でも有効性を確認できる臨床試験計画を立案できる場合はあります。ただ、今の段階で、確実に立案できるとはお約束はできないことと、あと、望ましい事態ではありませんが、患者さんが発生しないと結果が得られない臨床試験となりますので、限られた期間の中で症例を集積できるかの懸念はあります。仮に、必要な症例数を集めるのに期間が必要となってくると、治療体系やその他の要因が変化する可能性もありますので、一貫した評価ができるかといった点についても難しさはあるかと思います。
○宮川委員 機構が今お話になったように、有効性が認めることができるような医薬品であれば承認ができるわけです。ですが、プラセボを対照群に行わなくても、実際にこの状況で有効性が認められなかったということが事実であるということを踏まえて、私はお話したということだろうと御理解いただければと思います。
○清田部会長 ほかに御意見はありませんか。もともと、とても治りにくい病気だということが、まずあります。がんと同じような状況もあるかもしれません、治癒ということに関しては。それのイメージとしては、難治性のがんは死亡率がとても高いのですが、例えば感染症の場合、どうしてもインフルエンザのようにぱっと治ってしまうような薬もあるくらいですから、そのイメージが皆さんも結構あるのではないかなと思います。大曲先生、今日、入っていますか。
○大曲委員 はい、入っています。大変難しくて、なかなか話せなかったのが本音なところです。今回の評価の仕方に関して有効性が示せていないというのは、もうそのとおりだと思います。それを踏まえてどう考えるかというお話と思っていました。現場で治療している医者の観点を入れるのが適切かどうかは分からないのですが、感染症の中でも死亡率がかなり高い病気であるという意味では相当異質だと思っています。普通の感染症とは違うという認識を持っています。それに対して、我々医療側として、どう臨んでいくかということは一つポイントとして押さえておく必要はあると思います。
 あとは、評価しにくいということも実際、事実だと思います。その中では、新たにまた治験をやり直すのか、あるいは今回は承認というかどうかという言葉の問題もありますが、承認したとして、疾病の重大性等を鑑みて承認したとして、その後の検証も継続が必要であろうという考え方もあると思います。そういう意味で、では何ができるのかということを考えますと、一つはできるだけ多くの患者さんの使用例に関して前向きにデータをしっかり集めていく、検体もしっかり取っていく。その中で、治療例だけの実績を集めていくという中で臨床の経過、転帰だけを見ていって結果を出していくというのは簡単ではないのだろうなと、素朴な言い方で大変申し訳ありません。ただ、できるのは、できるだけ網羅的に事例を収集をする、検体を取る、それでウイルスの動態を見ていくと。横幕先生がおっしゃったところですが、in vivoで。それで実際に、どうなのかというところを見ていくということは可能ではないかと思っています。その結果を見た上で、どう考えるのかという議論をするというのも、一つの方向だと思います。つまり、もう一度治験をやるのか。もう1点は、ここは通すとして、承認という言い方はちょっとほかの言葉が今ないので使いますが、だとしたら、その後に、ただし附帯条件として、今後、可能な限り前向きに症例を登録をしていく。臨床情報を得る、検体を得る、ウイルスの動態も見ていく、当然、転帰も見ていくということをやっていく中で、得られた結果をもって再度、検討するということもあっていいのだろうと思います。
 私自身は、どちらかいいのか、優れているのかということに関しては、正直、今のこの段階では判断し切れないというのが本音のところです。そういう意味では、先生方の御意見を伺いたいなと思っています。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。さて、事務局。
○医薬品審査管理課長 まだ、承認された後にどういうデータを求めるなど、ここですぐ詰められるわけではありませんが、では次の治験をやれるのかといったら、できない可能性も高いと思います。それはそれで、現場も困ると思いますが、何らかの形で条件を付けて認められるなら条件ということだと思います。ちょっとその時間を頂きたいなということがあります。ちょっと機構の方と相談しなければいけないのですが、いろいろな対応方法がありますので、どういう形でやれるのかは少し考えさせていただきたいと思います。ちょっとだけ相談させていただいてもよろしいですか。
○清田部会長 ちょっとブレイクとしますか。5分ぐらいでよろしいですか。
──休憩──
○清田部会長 お待たせいたしました。それでは、事務局と機構で話し合っていただいて、今日の持って行き方を御説明いただきます。よろしくお願いします。
○医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課の中井です。本日の議論で、今回のデータだけではなくて、他のデータ、例えばウイルス量などもきちんと調べるべきだという御意見もありました。今回の件に関して言うと、いろいろな御意見を頂きましたので、今の条件は幾つかあるわけですが、市販後にプラスアルファとして更にできることを検討したいと思います。ウイルス量を測定できる所は限られていてなかなか難しいのですが、できるだけ早期に検討したいと思います。例えば、それを市販後の計画という形にして、それをさせていただきたいと。できれば、5月の次の部会までに、その計画を立てて、そして、再度御審議を頂いて、御了解を頂ければと考えております。機構から何か補足はありますか。
○清田部会長 それでは、今の御提案について、委員の先生方、御納得いただけますか。という聞き方でよろしいでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
 では、今日は議決とまではいきませんが、今の御提案で検討していただいて、次回決めたいと思います。よろしいでしょうか。宮川先生、よろしいですか。はい、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題4に移ります。議題4について、機構から御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、小児用レルベア50エリプタ14吸入用、及び同50エリプタ30吸入用の製造販売承認の可否等、並びに、レルベア100エリプタ14吸入用及び同100エリプタ30吸入用の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明いたします。審査報告書をお手元に御用意ください。以後の審査報告書のページ数は、審査報告書の下段に記載しております「45分の幾つ」の数字を使用いたします。
 本剤は、吸入ステロイド薬であるフルチカゾンフランカルボン酸エステル(以下、「FF」)、及び長時間作動型β2刺激薬であるビランテロールトリフェニル酢酸塩を有効成分とする吸入配合剤であり、本邦ではレルベア100が2013年9月に成人の気管支喘息、2016年12月に成人の慢性閉塞性肺疾患に係る効能・効果で承認されております。
 今般、気管支喘息に対して5歳以上の小児の用法・用量を追加する一変申請と、一部の小児患者に用いる小児用レルベア50の新規承認申請がなされました。なお、海外において、2024年3月現在、欧州を含む60以上の国又は地域で12歳以上の小児気管支喘息に対する用法・用量が承認されており、米国では、5歳以上の小児気管支喘息に対する用法・用量も承認されております。本申請の専門委員として、資料No.17に記載されております5名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明いたします。審査報告書22ページを御覧ください。5歳以上の小児気管支喘息患者を対象とした国際共同第III相試験では、既にプラセボを上回る有効性が確認されておりますFF単剤に対する本剤の優越性の検証が目的とされ、表16に示した年齢に応じた本剤又はFFの用法・用量が設定され、有効性及び安全性が検討されました。
 有効性について、同ページの表17を御覧ください。国際共同第III相試験の主要項目である投与12週時のFEVの加重平均値について、本剤群とFF群との対比較で統計学的に有意な差が認められ、FFに対する本剤の優越性が検証されました。以上より、機構は本剤の小児気管支喘息患者に対する有効性は期待できると判断いたしました。
 続いて、安全性について、審査報告書31ページの表26に、小児気管支喘息患者と既承認の成人気管支喘息患者の臨床試験における安全性の概要を、また、審査報告書32ページの表27に、注目すべき有害事象の発現状況を示しております。小児気管支喘息患者に対する本剤の安全性について、現時点で新たな安全性の懸念は示唆されておらず、現在、成人気管支喘息患者に対して実施されている安全対策を、小児患者に対しても引き続き実施することが適切と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会にて御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は医療用配合剤又は新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る用法・用量の再審査期間は4年、小児用レルベア50は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。以上、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問を承ります。いかがでしょうか。よろしいですか。

○滝田委員 すみません、京都大学小児科の滝田です。
○清田部会長 滝田先生、どうぞ。
○滝田委員 これは小児用で、ただいまの御説明で、5歳以上の試験の結果を御説明いただいたと思いますが、実際に承認するとすれば、年齢的にはどうなりますか。
○医薬品医療機器総合機構 用法・用量の年齢下限は、「5歳」となります。
○滝田委員 5歳以上ということで、承認ということになりますか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そうです。
○滝田委員 分かりました。ありがとうございます。
○清田部会長 ほかに御質問はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題5に移ります。松下委員におかれましては、薬事審議会審議参加規定第6条に基づき、議題5の審議の間、当該利用資料についての御発言を御遠慮いただきたいと思います。議題5について、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。資料は、資料No.5-2から御覧ください。1品目目は、「イボシデニブ」です。申請者は「日本セルヴィエ株式会社」です。予定される効能・効果は、「IDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」で、推定患者数は約1,045人と推定されております。強力な化学療法の適応とならない未治療のAML患者に対しては、IDH1遺伝子変異の有無にかかわらず、ベネトクラクスとアザシチジン又は低用量シタラビンとの併用投与が推奨されておりますが、長期生存率は低く、依然として予後は不良であること等から、新たな治療薬の開発が望まれております。
 本薬とアザシチジンとの併用投与の有効性及び安全性をプラセボとアザシチヂンとの併用投与と比較した国際共同第III相試験を実施した結果、主要評価項目とされた治験責任医師判定による無イベント生存期間について、統計学的に有意な延長が認められており、医療上の必要性は高いと考えております。また、開発の可能性に関しては、国際共同第III相試験は主たる解析を終了しており、申請が計画されており、指定の要件を満たすことになっております。
 続いて2品目目、「KD-416」です。申請者は「KMバイオロジクス株式会社」で、予定される効能・効果は「血液凝固第X因子欠乏症患者の出血傾向の抑制」です。血液凝固第X因子欠乏症の患者数は、本邦において28人とされており、対象患者数は5万人未満です。また、本疾患については、承認されている治療薬はなく、また現在は適応外において一部の薬剤が使用されている状況で医療上の必要性も高いと考えております。
 また開発の可能性としては、国内第I/III相試験が計画されており、指定の要件を満たすと考えております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見がありましたら、承ります。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ないようですので、議決に入ります。亀田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、議題6に移ります。事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 再審査期間延長の可否について、資料6を御覧ください。対象の医薬品は「ルパフィン錠10mg」で、製造販売業者は「帝國製薬株式会社」です。本品目について、小児に関する開発の計画がなされており、治験届が提出されておりますので、再審査期間の延長の希望が出されております。
 既に小児開発の必要性については記載のとおりですが、現在、12歳以上の小児については適応の範囲になっておりますが、今回、7歳以上12歳未満に対する用法・用量の設定及び小児集団における有効性・安全性を把握することを目的とした治験を行う必要があると考えられることから、再審査期間を2年延長してはどうかと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問がありましたら、承ります。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入ります。南委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、延長を可としてよろしいでしょうか。
 それでは、御異議がないようですので、延長を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
 続いて、報告事項及び、その他事項に移ります。報告事項議題1~7及びその他事項議題1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料7を御覧ください。まず、報告事項の議題1~4関係、製造販売承認及び製造販売承認事項の一部変更承認について御説明いたします。報告事項の議題1は資料8関係ですが、販売名は「ビラフトビカプセル」、申請者は「小野薬品工業株式会社」です。申請の概要ですが、「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺がん、及びBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺未分化がんに係る効能・効果、用法・用量の追加」をする申請があったものです。議題2の資料9関係は、「メクトビ錠」です。こちらも、申請者は「小野薬品工業株式会社」で、同様の申請内容となっております。
 議題3の資料10は、「キイトルーダ点滴静注100mg」です。申請者は「MSD株式会社」です。申請の概要は、「治癒切除不能な胆道がんに係る効能・効果、及び用法・用量を追加」するものです。
 議題4は資料11関係ですが、「ジーラスタ皮下注」、申請者は「協和キリン株式会社」です。申請の概要としては、もともと同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員に係る効能効果で承認されておりましたが、この「同種末梢血幹細胞移植のための」を削除いたしまして、自家移植についても含む形での変更をするという申請がなされているものです。これらの品目について、機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。
 続いて、議題5の関係です。次のページを御覧ください。医療用医薬品の承認条件についてです。資料12の関係ですが、対象の品目は、「ヌーカラ皮下注用」です。承認取得者は「グラクソ・スミスクライン株式会社」。対象となる効能・効果は、こちらに記載されたとおりです。承認された際の承認条件として、全例調査に係る承認条件が付与されておりました。今般、申請者から、その結果に関する報告がなされ、機構における評価の結果、適切に対応されたことを確認しております。
 続いて、希少疾病用医薬品の指定の取消しについてです。対象の品目は「エファビレンツ」で、指定されていた予定される効能・効果は、「後天性免疫不全症候群並びに症候性及び無症候性のHIV‐1感染症」です。本剤については、医薬品の製造販売を中止するということから、希少疾病用医薬品の指定を取り消すというものです。報告です。
 次のページは、議題7、医療用医薬品の再審査の結果についてです。本日御報告する再審査の結果については、こちらに記載の品目、上から順に、「アラベル内用剤」、「エクリラ」、「ジェヌエア」、「キイトルーダ点滴静注」、「沈降インフルエンザワクチン」です。これらの品目について、機構における再審査の結果、効能・効果、用法・用量の変更の必要のないカテゴリー1として判断しております。
 また最後に、その他事項として、資料15を御覧ください。「ペムブロリズマブ」に関する最適使用推進ガイドラインについての御報告です。まず、胆道がんについては、資料15の1~6ページにガイドラインを記載しておりますが、こちらは今回、簡略版のガイドラインとして作成させていただいているものです。
 次に、7ページからですが、こちらも一部の効能・効果について再審査期間が終了しており、本日の再審査の結果においても御報告させていただいており、こちらについても簡略版ガイドラインを作成させていただいております。
 また、令和6年3月4日の医薬品第二部会において一部変更の承認が了承されました「胃癌」についても、55ページから簡略版のガイドラインを作成しております。以上です。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問はありますか。よろしいでしょうか。ないようですので、報告事項及びその他事項については、御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はありますか。
○事務局 次回の部会は、令和6年5月24日(金)午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了といたします。お疲れさまでした。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)