2024年9月12日 令和6年度第6回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

日時

令和6年9月12日(木)15:30~18:00

厚生労働省専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1ー2ー2)

議題

  1. (1)「改正法の施行後5年を目途とした検討」の検討内容及び検討スケジュールについて
    (2)医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議の議論について 

議事

○重元総務課長 定刻となりましたので、ただいまから「令和6年度第6回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変御多用のところを御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 はじめに、事務局から連絡事項を申し上げます。本日は、会議室における対面形式とオンライン形式を併用して本部会を進めさせていただきます。本部会につきましては、公開とさせていただきますが、一般の方の会場への入場を制限し、報道機関の方のみの入場とさせていただいております。また、会議の議事録は後日公開をいたします。YouTubeでの同時配信も行っております。
 厚生労働省全体の取組といたしまして審議会等のペーパーレス化を進めております。本日はペーパーレスでの開催とさせていただきますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点などがございましたら適宜事務局がサポートいたしますのでよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料の確認です。議事次第にお示しのとおり、資料1から4及び参考資料がございます。Web参加の委員におかれましては、事前にこれらの資料をメールにて送付しております。過不足がありましたら御連絡をいただければと思います。
 最後に、審議中の御意見、御質問の方法についてお知らせいたします。まず、会場にお越しになって御参加いただいている委員におかれましては、挙手をしていただき、部会長から指名されましたら卓上のマイクをオンにして御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたらマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。また、オンラインで御参加いただいている委員におかれましては、御発言をしない間はミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言の際はZoomの挙手ボタンを押していただき、その後、部会長から順に発言者を指名いたしますので、マイクをオンにして御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたらミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、カメラにつきましては常時オンにしていただきますようお願いいたします。
 続きまして、前回制度部会から1名の委員の交代がありましたので御紹介をいたします。本日はオンラインでの御出席になりますけれども、国立医薬品食品衛生研究所所長の本間正充委員でございます。
 本日の委員の出欠状況について御報告をいたします。小野委員、村島委員より所用により欠席との御連絡を頂いております。また林委員は遅れて16時頃からの御出席、伊藤委員は17時頃に退席予定との御連絡をいただいております。
 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、以降の議事進行を福井部会長にお願いいたします。
○福井部会長 部会長の福井です。どうぞよろしくお願いいたします。本日は議題が2つ用意されております。両方とも主として委員の先生方の御意見、御質問を伺うところが主となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。最初に議題1です。「改正法の施行後5年を目途とした検討」の検討内容及び検討スケジュールについて、御議論いただきたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○重元総務課長 事務局でございます。私のほうから、まず資料1から資料3までをまとめて御説明いたします。
 まず、資料1です。こちらは、第1回から第5回にかけて委員の先生方あるいはヒアリング先団体からの御意見をテーマや論点ごとに分類をして整理をしたものでございます。表は3段表のつくりになっていまして、左側から検討項目、主な意見、法律改正との関連性(案)というようになっています。「主な意見」の欄につきましては、事前に先生方の御確認を頂いているものでございますので、本日この場では一つ一つの御紹介はいたしませんけれども、一番右端の「法律改正との関連性」の部分につきまして、ざっとおさらいの意味も込めまして一通り御説明をいたします。
 1ページ、一番右端の「法律改正との関連性」のところですが、まずテーマ①の承認制度の関係では、(1)の①小児用医薬品開発の計画策定の努力義務化や、②小児用医薬品等の特定用途医薬品に係る制度の見直しを行う場合につきまして、省令改正を含めた法令改正が必要となるものでございます。なお、①の一番右端には「法改正」とあり、その下の②には「法令改正」と書き分けがしてありますけれども、法令改正とある部分は、法律だけでなく、その下位の省令改正なども含めたトータルの法令改正という意味で「法令」という表記にしているということを予めお断りしておきます。
 2ページです。2ページ目以降につきましても、右の欄で示したような方向性で見直しを行う場合に法律改正等が必要となり得るものといたしましては、(2)の①条件付き承認制度の見直し、3ページ目にまいりまして(3)のリアルワールドデータの活用ですとか、4ページ目の(4)の①海外代替品等の迅速な導入の仕組みの関係、また②製造方法等の中リスクの変更カテゴリーの追加といったようなものがございます。
 5ページ目では、(5)の①製造所の登録制度の拡大や、②製造管理者の要件の見直しの関係がございます。
 7ページ目にまいりまして、(6)適合性調査の見直しや、(7)の①国家検定手法の合理化の関係がございます。
 8ページ目では、(8)再生医療等製品の特性を踏まえた治療アクセスの改善といった項目がございます。以上がテーマ①の関係でございます。
 9ページ目からは、テーマ②の関係、市販後安全対策の強化や法令遵守・品質確保の関係、こちらの法律改正などの関係でございますけれども、(1)の①医薬品リスク管理計画制度の見直しの関係、10ページ目にまいりまして、(2)RWDの安全対策への利活用の明確化、(3)の感染症定期報告の見直しといった項目がございます。
 11ページ目にまいりますと、(4)の①責任役員の変更命令の確認や、②品質保証責任者の法律上への位置付けの関係、③課徴金制度の対象の拡大があります。
続いて、12ページ目で、⑥輸入確認制度の合理化といった項目がございます。ここまでがテーマ②でございます。
 14ページ目からのテーマ③ですけれども、こちらは体外診断用医薬品・医療機器の規制の見直し関係でございますけれども、(1)の体外診断用医薬品の市販後の性能確保の関係や、不具合報告制度への移行の関係がございます。また、15ページ目にまいりますと、(2)の①登録認証機関が行う実地調査へのPMDAの同行ですとか、16ページ目の一番上の②登録認証業務の撤退時のルールの整備の関係、(3)の先駆的医療機器指定制度の対象の拡充、(4)の製造管理者要件等の見直しといった項目がございます。
 18ページ目にまいりまして、4つ目のテーマ、テーマ④の薬局・医薬品販売制度の見直しの関係についてですけれども、こちらは(1)調剤業務の一部外部委託の制度化、また19ページ目の(2)の認定薬局及び健康サポート薬局の位置付け等の薬局機能のあり方の見直しといった項目がございます。さらに、(3)医薬品の販売区分及び販売方法の見直しというテーマがございますけれども、こちらの医薬品の販売の関係につきましては論点が多岐にわたっておりますので、20ページ目の③濫用等のおそれのある医薬品の若年者へ販売数量の制限などの対応といった論点でありますとか、少し飛びまして23ページ目で、商品の陳列の関係、それから25ページ目の販売記録の作成・保管の関係、26ページ目の一般用医薬品の分類と販売方法といったような複数の論点がございます。また、27ページの(4)の遠隔管理の関係、遠隔管理による医薬品販売といった項目がございます。ここまでが4番目のテーマでございます。
 28ページ目からが「その他の項目」ということになります。(1)薬局機能情報提供制度の見直しや、(2)処方箋等の保存期間の見直しの関係、29ページ目で、(3)医療用麻薬の流通の合理化、こういった項目について法改正が必要になってまいります。以上が資料1の関係でございます。
 続いて資料2に移ります。資料2は、資料1で記載をしております御意見の中から、特に事務局から示した方向性の案と異なる御意見、あるいは別の観点からの御意見があった論点につきまして、さらに検討が必要なのではないかということで事務局のほうで整理をした事項でございます。事務局といたしましては、9月以降、資料2の内容を中心に委員の皆様に更に御議論を深めていただくということとしてはいかがかと考えているところでございます。
 こちらを御説明いたします。まず資料2の1ページ目のテーマ①の承認制度の関係で、(1)の①小児用医薬品開発の計画策定の努力義務化ということでございますが、こちらはこの制度部会において、実効性をもってしっかりと計画策定が進むようにお願いをしたいというような御意見を頂いているところでございまして、それを踏まえまして、法令上位置付けるべきかどうか、あるいはどのように実効性を確保していくかについての検討が必要ではないかと考えているところでございます。
 (2)条件付き承認制度の見直しですが、こちらは御意見として、安全性確保と有効性について可能かどうかを検討する必要があるといった御意見ですとか、有効性が確認できない場合に取り消すことが可能かどうかを検討する必要があるといったような御意見もいただいているところでございまして、有効性・安全性について市販後に十分に検討した上で、有効性等が確認できない場合に取り消し規定を設けることについて、それが可能かどうかの検討が必要という論点でございます。
(3)の①RWDによる承認申請が可能であることの明確化につきましては、御意見としまして、RWDを用いた申請を可能とするにしても、どのような場合に認められるのか、慎重かつ厳密に定める必要があるのではないかという御意見を頂いておりまして、どのような場合にRWDが利用可能かについての検討が必要ということでございます。
 2ページ目です。(4)の①海外代替品等の迅速な導入の仕組みの関係につきましては、飽くまでも期限付きであるべきではないかといった御意見もいただいておりまして、要件や期限についての検討が必要ということでございます。(5)の②製造管理者の要件の見直しにつきましては、御意見として、原則として薬剤師とすべきではないかでありますとか、薬剤師以外の資格としてどういったものを認めたらいいのか、十分に時間を掛けて検討したほうがよいのではないかという御意見を頂いております。薬剤師以外の者も製造管理者になれるとすることをどのように考えるか、薬剤師を原則としつつもそれ以外の者は限定的な場合に限るのか、どのような知識や経験を要件とするのかといった点についての検討が更に必要ということでございます。
(6)適合性調査(GMP)の見直しですが、こちらは、何をもってリスクが高いものと考えるかについて明確であることが大事ではないかといった御意見を頂いておりまして、リスクが高い製造業者に対して集約的に実地調査を実施する制度に見直す場合に、リスクに関する基準をどのように設定するかの検討が必要だと考えています。
(8)再生医療等製品につきましては、救済制度や医療行為としての安全確保等との整合性について整理が必要といった御意見を頂いており、これにつきましては自家細胞を用いた再生医療等製品につきまして一定の要件を満たす場合に限り規格外品の販売・授与等を許容するという提案をこれまでしているわけですが、この点につきまして救済制度や医療行為としての安全性確保等との整合性の検討ということが必要だと考えてございます。
 3ページ目にまいりまして、テーマ②の市販後安全対策などの関係です。こちらは、(1)と(4)の関係でありますけれども、法令遵守や品質確保の取組に関し、責任役員と総括製造販売責任者の責務を明確にしていく方向のほうがガバナンスの強化にもつながるのではないかといった御意見を頂いているところでございまして、(1)医薬品リスク管理計画制度の見直しについては、ここにあります安全管理責任者につきまして、また(4)の②については、品質保証責任者につきまして、それぞれ法律上位置付けることによりガバナンスを強化することについてどう考えるべきか。あるいは先ほど申し上げました総括製造販売責任者、こちらを含む三役の責任・責務を明確にすることの検討が必要だということでございます。
 下にあります(5)全国的なGMP査察体制の構築でございますが、こちらは、自治体におけるGMP体制が弱体化してしまうことが懸念されるという御意見がございました。一部のGMP調査主体を都道府県からPMDAに見直すことについてや、都道府県のGMP調査に関する体制の維持・強化についての検討が更に必要ではないかということでございます。
 4ページ目にまいりまして、テーマ③体外診断用医薬品・医療機器の関係です。こちらは、(4)製造管理者要件等の見直しにつきまして、御意見として、従来の枠にはまらない製品等が増加しているからといって、これまでの総責等の要件の変更をするのではなく、総責が時代の変化に応じて職責を果たすことができるようにするべきではないかといった御意見を頂いております。体外診断用医薬品の製造販売業者の総責や製造管理者につきまして、薬剤師以外の者も可能とすることや、製造管理者要件等の見直しについて、更に御議論を頂きたいということでございます。
 続きまして5ページ目の、テーマ④薬局・医薬品販売制度の見直しの関係でございます。(1)調剤業務の一部外部委託の制度化につきましては、本当に対物業務を対人業務に移行できるのか、あるいは患者にとって本当にプラスなのかというところをしっかりと見極めた上で検討を進めるべきではないかという御意見がございました。対人業務の向上につながるものとすることや責任の所在についての検討が必要ということでございます。
 (3)②要指導医薬品の販売方法につきましては、こちらはオンライン服薬指導の対象から除外する要指導医薬品を設けるべきではないのではないかといった御意見もございまして、要指導医薬品についてオンライン服薬指導を原則可能とする場合に、オンラインのみでの販売を不可とする例外の範囲ですとか、要指導医薬品の一部について、適正使用の観点から一般用医薬品に移行しないことを可能とする場合の要件についての御議論が必要だと考えております。
 (3)③濫用等のおそれのある医薬品の販売についてです。こちらは対面やオンラインで購入者の状況の確認や情報提供を行うことや、濫用等のおそれのある医薬品の陳列の関係につきまして、こちらは例えば、空箱陳列が現実的に実行不可能な方法ではないかといった御意見を頂いておりまして、店舗での実施可能性や、医薬品のアクセス確保と濫用リスクの最小化とのバランスをどう取るかという観点からの検討でありますとか、有資格者が販売時に確実に関与し、購入者の状況の確認や情報提供等行うために販売場所に常駐することなど、陳列以外の方法により対応することの検討が必要ではないかということでございます。また、購入者の記録の作成・保管につきましても、例えば他店での買い回りやインターネットでの購入が防げずに効果が限定的ではないかといった御意見でありますとか、情報漏洩のリスクにさらされることとなり、効果とリスクがバランスしていないのではないかといったような御意見もあったところです。店舗での実施可能性ですとか情報漏洩のリスク、あるいは買い回りをさせないなど有効性の観点、さらには医薬品アクセスの確保と濫用リスクの最小化とのバランスをどうとるかという観点からの更なる検討でありますとか、また販売場所に資格を持った方が常駐し、販売時に確実に関与した上で若年者を含む購入者の状況の確認を行うという、どのような取組が適切なのかといった検討が必要だというように考えているところでございます。
 一番下、(3)④一般用医薬品の販売区分の見直しの関係ですけれども、従前の販売区分につきましては、薬事成分に着目して分類された一定の合理性があるのではないか、販売区分の統合や変更に合理的な理由があるのかといった御意見も頂いているところでありまして、こういった区分の見直しの理由や目的、国民の皆様への影響を考慮した上での御議論が必要ではないかということでございます。以上が事務局のほうで整理をさせていただいた論点でございます。
 また、これまでの御議論において、事務局から示した方向性の案についても特に反対といいますか、そういった御意見を頂いていなかったようなものについては、この資料2の中には明示的には掲載していない項目もあるのですが、そういった項目も含めまして、今後、次回以降の議論におきましては、事務局で対応を検討した上で、最終的な方向性について論点ごとに個別具体的に御検討いただく、御議論いただくという機会を設けていきたいと考えているところでございます。
 最後に資料3でございます。資料3は今後のスケジュールの関係でございます。今申し上げました資料2の内容を更に御議論いただくことを念頭に置きまして、年末までのスケジュールの整理をしたものでございます。本日の回では、今御説明してまいりました今後の検討内容とスケジュールにつきまして確認をしていただきたいと思っております。1個1個のテーマにつきましては次回以降に御議論いただくのですが、全体として、例えば何か議論すべき論点に漏れがないかとか、そういった点についての御意見などを賜れればと思っているところでございます。
 また、今日の2つ目の議題としまして、「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議の議論について」もこの部会の場で御報告をさせていただきたいと考えているところでございます。
 その後、10月、11月に3回ほど回を予定しておりますけれども、先ほどの資料2でお示ししました、更に検討が必要な事項や医療用医薬品の安定供給などにつきまして議論を一巡させていただき、12月を目途に本部会で取りまとめをしていただければと考えているところでございます。
 なお、このスケジュールにつきましては、検討状況に応じまして各回の検討内容を若干変更したり調整したりということもあり得る点につきましては、予め御了承いただければと思います。長くなりましたが資料1から資料3につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明について委員の先生方から御意見、御質問等をお願いしたいと思います。非常に多岐にわたっておりますので、できましたら資料2の項目を順番に伺っていきたいと思います。全体についての御意見で言い足りないところがございましたら最後にもまたお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、最初にテーマ①、資料2の1ページについて伺いたいと思います。テーマ①の後半については2ページになりますので、まず、1ページ目の項目について御意見、御質問を伺いたいと思いますがいかがでしょうか。伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 テーマ①の(2)条件付き承認制度の見直しのところで、日本で可能かどうかを検討すべきというのは、もちろん現実論としては理解しますが、有効性が確認できないものを販売していて良いのかという問題もあると思います。保険給付すべき医薬品、有効性、必要性が高い医薬品を優先して、やはり安定的な供給を目指すという点を考えると、有効性はもう確認できないのに、取り消し制度がないとすると、修正がないことのほうが問題であると思います。もちろん、可能かどうかを検討すべきであると思いますが、できる限り取消制度を導入する方向で御検討いただければと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。後でまた戻って来る可能性もございますが、2ページに4つの項目がございます。海外代替品等の迅速な導入の仕組みから、再生医療等製品の特性を踏まえた治療アクセスの改善までの4項目について、いかがでしょうか。伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 再生医療等製品の特性を踏まえた治療アクセスの改善についてですが、これは再生医療等の不適格や適合、不適格品をどこまで使えるのかということですが、そもそも、再生医療は非常に個別性が強く、誰にでも合う安全パイを取ると、ものすごく少なくなってしまうという特性があるかと思います。もちろん、不適合が少ないことが大事ではあるのですが、ある程度トライアル&エラーの余地というのを残さないと、そもそもの再生医療等製品の発展性自体が危険にさらされることもあると思いますので、この点を柔軟に御検討いただければと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。一応、進めます。それでは、テーマ②「新技術による医薬品等にも対応したリスクに基づく市販後安全性対策の強化、法違反事例を踏まえた更なる法令遵守や品質確保の取組の実施」のところで、資料2、3ページについてよろしくお願いします。(1)医薬品リスク管理計画制度の見直し。(4)②製造販売業者による品質管理の向上。(5)全国的なGMP査察体制の構築です。花井委員どうぞ。
○花井委員 花井です。リスク管理計画制度を法律に位置付けて、安責も位置付けるという方向性はもうこれで良いのですが、事務局に1点質問ですが、実際問題として、このリスク管理計画がきちんと遵守され、かつ実践的に柔軟に運用されるような形になるためには、法律事項が決まった上で細かいことがいろいろあると思います。それについては、法律ができた後にまたここで議論する余地というのはあるのでしょうか。
○福井部会長 これについては、いかがですか。
○野村医薬安全対策課長 ありがとうございます。医薬安全対策課です。RMPについては、現在、承認条件ということで、既に運用している実績もございます。こういったものも踏まえながら、これを法律に位置付けたときにどのような形になるのか。スケジュールでお示しさせていただいているタイミングで、ある程度、可能な限りお示しできればと思っております。よろしくお願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。承認条件になったことによって、承認条件の厳密さの中にそれが十分ではないところ、このグレーが増えてしまったという認識があります。あと、作っておしまいみたいな実態も見えてきているので、そこが改善されるようにまた議論が深められたらと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。茂松先生どうぞ。
○茂松委員 (5)全国的なGMP査察体制の構築ですが、やはり、都道府県の意見をしっかり聞いていただいて、PMDAと共働して、査察する体制を構築していただきたい、都道府県も活用していただきたいということお願いしたいと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。それでは、取りあえず進みます。4ページに移り、テーマ③「国民からの信頼性確保に向けた体外診断用医薬品・医療機器の規制の見直し」です。(4)製造管理者要件等の見直しについてはいかがでしょうか。特に、薬剤師以外の者も可能とするということですが、このことについて、森委員どうぞ。
○森委員 これは前回の制度部会のときにもお話したのですが、体外診断用医薬品について、今、不具合制度へ移行するというように検討されているので、今後、医薬品というカテゴリーとして取り扱うのか、医療機器というほうが馴染むのかを含めて、検討をしっかりした上で、管理者要件を検討していくべきだと思いますので、検討が必要な項目として加えていただければと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、5、6ページに移ります。テーマ④「少子高齢化やデジタル化の進展等に対応した薬局・医薬品販売制度の見直し」についてです。伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 (1)調剤業務の一部外部委託の制度化に関して、少し質問も入るのですが、これは現在、戦略特区で実証している、それに向けて整備をしているということであれば、逆に、これはあえて法律として議論しなければいけないものなのかどうか。つまり、省令でいいのではないかという質問です。
 これはあえて法律上の制度として明確に法律改正をしようとすると、いろいろ大変なプロセスがあると思うのですが、省令の改正で良いというのであれば、ある程度、先ほど申し上げているように、制度の、やってみて駄目だったら直すといったようなことも含めた、その柔軟性も担保できますので、より安全ではないかというのが意見です。 この外部委託の中身ですが、現在は一包化加算のすごく狭い範囲でやっていらっしゃるところだと思うのですが、外部委託というからには、やはり、薬局の店舗の中で全て完結しなければいけないという部分をもう少し柔軟に解釈していただくとともに、その委託先も、今現在は「同一の三次医療圏内」の薬局に限るというようなことをしていますが、それですと、外部委託そのもののメリットを潰しかねないということも考えられますので、これも、まず、はじめは小さくするが、段階的に広げて検討することが方向性としては盛り込まれるべきと考えました。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。茂松先生どうぞ。
○茂松委員 規制改革実施計画書において、対人業務の強化の一環として調剤業務の一部を外部委託するということが提案され、本制度部会でも、この外部委託について議論することになっておりますが、つい先日、薬局での一包化調剤で調剤の過誤事案で70歳の女性が亡くなられたという事案の報道がございました。そのようなことを受けますと、正確な対物業務があり、その上で対人業務が成り立つはずなので、調剤業務の一部外部委託をしっかりやっていくのであれば、調剤の正確性、安全性並びに監査体制、責任の所在、そういったところをしっかりとしていただくことが非常に重要ではないかと思っております。
○福井部会長 ありがとうございます。山口委員、オンラインでどうぞ。
○山口委員 今、6ページも範囲に入っていますか。
○福井部会長 はい、どうぞ。
○山口委員 (3)③濫用等のおそれのある医薬品の販売時の対応のあり方ですが、今に至るまでの議論の中で、一部の団体の方のかなり強い主張がヒアリングで展開されましたが、東京都の中島委員も、東京都で調査された結果とお話をされていましたので、そういった客観的な情報も明らかにしていただいての議論を進めることができればと思っておりますので、その辺り、御検討いただくことは可能でしょうか。事務局にお聞きしたいと思います。
○福井部会長 いかがでしょうか。薬事企画官から。
○大原薬事企画官 医薬局総務課です。御指摘をありがとうございます。まず、濫用についてお答えいたします。こういった各課題について、更なる検討課題を書かせていただいたところです。本日頂いた御意見を踏まえ、対応案を整理した上で、後日、議論する際には御説明をさせていただきたいというところです。
 また、調剤業務の一部外部委託についても御意見を頂いたところです。こちらについては、もともと対人業務を充実させていく中で、その対人業務をどういった形で効率化していくかという議論がございました。ただ、それには医療安全が確保されることが大前提という中で、どういった対応を取るかというところでワーキングで議論がなされたというものです。その上で、外部委託の実施範囲については、安全性と効率性が両立できる範囲として、一包化を範囲とすることとなっているところです。こういったところについては、今後の実施状況を踏まえての検討の余地があるというのはワーキングの報告書には書かれているところです。
 さらに申し上げますと、このワーキングの報告書においては、この委託元、委託先における薬機法、薬剤師法の義務や責任について整理し、必要な見直しを行うこととされているところです。こういったワーキングの取りまとめを踏まえ、まずは、こういった制度化する方向で考えているというところです。説明は以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、茂松委員どうぞ。
○茂松委員 調剤については、そのような死亡事案が出ているということは本当にしっかりと考えていただきたいと思っております。それと、濫用のおそれのある医薬品販売について、先日、令和5年度の医薬品販売制度実態把握調査の結果が出ましたが、いまだに、20%近くは薬剤師等に質問もされずに濫用のおそれのある薬を複数購入できているということは非常にゆゆしき問題であると思いますし、また、OTCの過量服用で死亡例も後を絶たない状況でもありますので、今できる対策を早急に実行していただきたいと考えております。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。どうぞ。
○大原薬事企画官 御指摘ありがとうございます。先日、販売制度実態把握調査の結果をお出ししておりますが、まだ、完全ではないことは御指摘のとおりです。こういった、どうやって実効性を上げていくかというところも踏まえ、今後、検討を進めてまいりたいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
○福井部会長 是非、よろしくお願いします。森委員どうぞ。
○森委員 本日は内容に関しては議論しないということなので控えますが、販売制度の実態把握調査に関しては、前年よりは遵守率は上がったのですが、本来であれば100%でなければいけないものが、なっていません。しっかりと取り組んでいかなければいけないと思います。そのような現状を踏まえて、市販薬の濫用防止対策にどう取り組んでいくのかということを考えていかなければいけないと思います。それが1点です。
 調剤業務の外部委託に関しては、ワーキンググループと事務局からありましたが、ワーキンググループの取りまとめと実証で得られた結果などを踏まえて慎重に進めることが必要だと考えています。その上で、患者への安全な医療の提供が確保されることが前提となりますので、それを忘れてはいけないと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。川上委員どうぞ。
○川上委員 川上です。調剤業務の一部外部委託の制度化について、今、意見が交わされていますが、調剤業務を外部委託するかしないの前に、そもそも調剤を行う薬剤師が必要なのです。薬剤師の将来の需給予測では薬剤師が過剰となる予測もある一方で、現実としては、今は薬剤師の不足・偏在が大変厳しく、特に私が所属しております病院薬剤師の分野ですと、本当に薬剤師が確保できない医療機関からのお困りの声があります。
 そのような中で、厚生労働省においては、薬剤師の偏在指標を各都道府県及び二次医療圏ごとに、薬局・病院の指標をお出しいただき、それが、今年度から医療計画に反映されていったり、病院薬剤師の分野ですと地域病院への出向を診療報酬で評価する制度であったり、文科省においても薬剤師が不足している県における薬学部の設置にも影響を与えていっていると思うのです。例えば、そのような偏在指標に基づく様々な施策とか、薬剤師の不足・偏在をどのように捉えるかということが、そもそも薬機法や薬剤師法には余り明確ではないのではないかと思います。
 例えば、医師確保については、医師法や医療法の中に明確に書き込まれていて、それに基づいて国及び地方の行政が様々と動いています。薬剤師の確保についても、例えば、薬剤師法、薬機法、医療法などに本来しっかりと書き込まれ、それを実現していくための施策が、法律に基づいて実行されていくべきものだと思うのです。
 そういうものがない中で、薬剤師が専ら行う調剤業務を委託するか否かの話になっているので、そもそも、薬剤師の確保や不足・偏在の解消などを法令上どう位置付けるのかなどを、テーマ④の「少子高齢化やデジタル化の進展等に対応した薬局・医薬品販売制度の見直し」、要するに未来の私たちの社会における薬局薬剤師の在り方も含めて、どこかで議論していただきたいと思います。今回は、次の法改正を視野に入れてこの検討会で議論しているので、今後のスケジュールの中で間に合うか分かりませんが、是非、将来の課題として残していただけると有り難いと思う次第です。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。かなり根本的な問題点ですが。
○大原薬事企画官 御指摘ありがとうございます。完全な回答になっているかどうかは分かりませんが、薬剤師の偏在の問題があるという点については、この度の第8次の医療計画において薬剤師の偏在、確保の話が書き込まれたことをもって、確保の取組は進んできているところでもありますので、そういったところは引き続き進めていく部分として維持したいと思っております。
 御承知のとおり、この地域包括ケアシステムの構築の中で、薬局における薬剤師の業務というのは幅も広くなっておりますし、増えてきている部分もございます。今後、将来20年先を見たときに、例えば、医療の担い手の減少、高齢人口の増加といったような将来が想定される中で、限られた人的資源や時間の中で、薬剤師さんにどういったところで活躍いただくか、どういった業務をやっていただくのかということを考えるとともに、では、そのための時間をどうやって作り出していくのかというところがもともとあっての、こういった対人業務、対物業務の効率化という議論であります。こういった流れが薬局ビジョンの制定以来、累次議論されているところですので、ここでゴールではありませんが、そういったところは引き続き対応は進めていきたいと考えております。
○福井部会長 ありがとうございます。森委員どうぞ。
○森委員 関連して、以前、発言させていただいたと思うのですが、医療は医療計画に従って策定をされ、医薬品に関してはそこが抜けています。今後の地域医療提供体制を考えていくと、医療計画と整合の取れた医薬品提供計画が必要で、それに従った中で薬局の配置をどうするのか、病院薬剤師の確保をどうするのか、薬局薬剤師の確保をどうするのかということをしっかり計画できるような方向に持っていくべきだと思いますので、是非、法的位置づけの検討をお願いしたいと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。病院によって随分違うのだと思いますが、私が属している大学病院なども、やはり薬剤師が不足しています。なかなか埋められなくて、薬剤師の臨床面の重要度、役割は増えていくばかりなのに、なかなか難しいなと思っています。個人的な感想です。ほかにはいかがでしょうか。佐藤委員どうぞ。
○佐藤委員 今の川上委員と森委員の意見に賛成です。地域医療計画の中で、医療機関、病床の適正配置が検討されているのに比べて、薬局、薬剤師をどのように配置していくかという議論が遅れていることに懸念を感じております。人口が減少していく中で、特に、地域にお住まいの方々にもきちんと薬が届き、かつ、そういった地域でいかに、訪問薬剤のような業務を担保していくかという議論を加速していくべきだと思っています。付け加えて発言させていただきました。よろしくお願いします。
○福井部会長 ありがとうございます。5、6ページについて、そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、資料2全体について、何か思い付く点、御意見、御質問がございましたら、伺いたいと思います。茂松委員どうぞ。
○茂松委員 思い付く点というわけではありませんが、これだけ議論をしてきたので、今後は効率的な議論が必要であろうと思います。あと3回でまとめなさいということであれば、事務局から具体的な案を次回からしっかり出していただければ、それに基づいて、審議するほうが効率良くできるのではないかと思いますので、その辺りをよろしくお願いしたいと思います。
○福井部会長 その予定ということで、よろしいですよね。
○重元総務課長 具体的な形でお示しをしたいと思っております。よろしくお願いします。
○福井部会長 花井委員、オンラインでどうぞ。
○花井委員 全体を通してということで。先ほど、薬剤師の偏在化に対しては私も全く同意見で、急性期医療機関で専門的なPK/PDチェックなどをしてほしいのですが、人手不足でできない、若しくは薬剤師の枠が余っていて足りないという状況は、やはり是正していただかないと、いつまでたっても国民が薬剤師の本当の臨床家としての価値に気付けないということにもなりますので、是非、お願いしたいです。
 それから、もう1点は、日本のヘルスケア制度全体の中で、保険局の役割が大きいのですが、日本はイギリスのNICEなどのようなHTA機関がないので、基本的には、承認したらすぐに収載されます。ですので、条件付き承認をしたときに、安全性でユーザーが全然いなくなるということがなければ、医薬品がダラダラ残っていくのです。そのときに、本来はHTA機関が評価し、それで保険に載せるか載せないかという話が出るのですが、日本の場合は自動的に収載されてしまうので、一定程度、この辺の評価の結果、取り消すまでではなくても、安全性に問題がなければ残ってしまうことは多いと思うのですが、向こうの費用対効果評価専門部会あるいは総会に、薬事のほうの何らかの結果が、保険局に伝えられ、向こうの費用対効果評価専門部会あるいは専門組織のほうで対応できるような全体制度設計を保険局と連携しないと、余分な医薬品といっては変ですが、高い割に効かないものが使われて、本来必要なものにコストが回らない。コストが回らないから、どんどんジェネリックにシフトしろと言う。ジェネリックにシフトしろと言い過ぎて、ジェネリックは供給が大変になり、不正を働くみたいな、負のスパイラルに陥っているところもありますので。確かに、所掌は違うのですが、やはりそこの連携、一番、医薬との連携で私がいいなと思ったのは、いわゆる、適正使用を医薬が作って課長通知を出してという抗がん剤の例がありましたが、やはり、保険局と医薬は連携しないと、HTAという明確な機関がない日本の制度の中では、やはり行政、霞ヶ関内でその連携を強めるという装置がないと、全体のヘルスケアシステム自体がコスト的にも破綻するということがありますので、是非、お願いしたいと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。かなり包括的な視点からの御意見でもあると思います。よろしいですか。そのほかいかがでしょうか。久芳委員どうぞ。
○久芳委員 先ほど、森委員から、体外診断用医薬品については、そもそも医薬品に分類するのではなく、医療機器に分類すべきといった議論も必要ではないかとの御指摘があったかと思います。正に、そのとおりだと思っており、医療機器あるいは体外診断用医薬品については、医薬品と同じ方向性で議論すれば良い項目と、そうではなく、別に分けて議論すべき項目があると考えております。そのような意味で、引き続き、丁寧な議論をしていただければ有り難いと思っております。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。三澤委員どうぞ。
○三澤委員 慶應義塾大学薬学部の三澤です。今の久芳委員のお話に私も大変賛成です。先ほどの森委員からも発言がありましたように、体外診断薬をどう考えるか、そこが非常に重要だと思っております。本日のこのアジェンダの中で、製造管理者の要件の見直しが2か所で出て来ております。1つは、①の医薬品について、もう1つは、後半の③の体外診断薬・医療機器ということで、両方とも薬剤師要件をどう考えるかということが出てきていますが、議論すべき内容の前提が違っていると思いますので、この2つは、別個の扱いをきちんとしていただき、どちらかの判断がどちらかにそのまま影響してしまうことがないように、慎重な議論をお願いしたいと思っています。
○福井部会長 ありがとうございます。事務局のほう、よろしくお願いいたします。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、次回以降、具体的な対応案が出て来るということですので、その折に御議論をまたよろしくお願いします。
 それでは、議題2「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議の議論について」に移りたいと思います。事務局から説明をお願いします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 医政局の医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。資料4「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議の議論について」に沿って御説明申し上げます。この部会におきまして、これまで様々な御議論をいただく中で、足下の医薬品の供給不安等にどう対応していくか、どう対応しているか、そうしたことについても議論すべきだという委員の御意見があったというように承知しております。そうした中で、私ども、これまでどのような対応を取っているか、また今後どのような対応をしていこうとしているか、そうしたことについて、安定確保会議の議論の状況等について、御報告を申し上げたいというものでございます。
 まず、足下の医療用医薬品の供給状況ですが、4ページを御覧いただけますでしょうか。左上の円グラフは、今年の7月の医療用医薬品の供給状況でございまして、濃い青の所、78%の品目が通常出荷となってございますが、逆に申し上げますと22%の品目が供給停止又は限定出荷となっている状況でございます。左下の表ですけれども、こうした事象が主に後発医薬品を中心に起きているという状況でございます。
右上の、限定出荷・供給停止の内訳という所を御覧いただきますと、特に限定出荷につきましては、上から2番目の限定出荷(他社品の影響)ということが多くなっていまして、ある社の製品が品質の問題等により供給停止・限定出荷等になる、そうした状況を受けて、他社の品目への引き合いが増えるのに対して応えるだけの供給余力を持たないということで、いわば防御的に限定出荷をする、こうした形で限定出荷が拡大をしているという状況が見てとれるわけでございます。
 5ページを御覧ください。先ほど私が説明申し上げた円グラフは上の円グラフでございますが、下の円グラフ、こちらは薬価削除予定品目を除いた供給状況ということでございます。薬価削除を予定して、実際にそのプロセスに乗っているものにつきましては、限定出荷をする、あるいは供給停止をするということが、ある意味、想定されるものでございますので、そうしたものは除いた状況です。こちらで御覧いただきますと、通常出荷が83%、17%が限定出荷又は供給停止になっているという状況でございます。
 6ページを御覧いただきますと、私が申し上げました22%、約4分の1が限定出荷又は供給停止になっている状況、こうした状況がずっと続いてしまっている状況でございます。こうした中、7ページ以降で、足下の安定供給確保に向けて、どのような対策を講じているかということでございます。
 8ページです。一番上の所で、どうしてこうした供給不安が起きてしまっているのか、様々な御指摘があるわけでございますが、そもそも、特に後発医薬品を中心として、少量多品目生産といった構造的課題もある中で、医薬品の企業におきまして、薬機法違反を契機とした供給量の低下ということもございました。また、特に感染症対症療法薬ということで申し上げますと、特に一昨年の末ぐらいからの新型コロナの感染拡大、さらには昨年のインフルエンザの立ち上がりが早かったこと、そうした状況もございました。こうした中で、メーカーの限定出荷による供給不足、また医療現場におきましても、なかなか正確な供給状況を把握することが困難ということで、先々の医薬品の確保に不安を感じて過大な注文を行ってしまう、そうした状況の中から更に需給がひっ迫するという事態も発生しておりました。
私どもとして、こうした状況に対しまして3つの施策、すなわち供給を増やす、需要を適正化する、配分を適正化する、こうした3つの施策を組み合わせることによって、今あるリソースを何とか活用しながら乗り切るよう、関係者に御協力をお願いしてきたということでございます。
 供給を増やすということにつきましては、真ん中の一番目の所、製薬企業に対する働きかけということで、特に昨年秋以降、鎮咳薬、去痰薬が不足したという状況に対しまして、厚生労働大臣自らメーカーに増産を要請し、他の医薬品の生産ラインからの緊急融通、あるいはメーカー在庫の放出等により、市場流通量を1割以上増やしていただきました。また、更なる増産をしていただける企業に対して、補正予算において一定の支援を行い、また令和6年度の薬価改定において不採算品再算定の特例的適用、こうしたことを講ずることによって、薬価の下支え等の措置も講じております。
 また、需要を適正化するということにつきましては、病院・薬局等にも御協力を頂きまして、私どもがしっかり情報を公表することで先々の見通しを得ていただいて、買い込みを控えることをお願いすることですとか、あるいは鎮咳薬、去痰薬につきましては、初期からの長期処方を控え、医師が必要と判断した患者へ最少日数での処方とするよう、協力のお願いをさせていただきました。
 また、3つ目、配分を適正化することにつきましては、卸にそうした役割を担っていただいているわけですが、特に解熱鎮痛剤、鎮咳薬、去痰薬等につきましては110番、安定供給に関する相談窓口を厚生労働省に設置いたしまして、医療機関・薬局でどうしても届かない所がある、こうした所からの御相談を受けて、その地域の卸と連携しながら対応するという取組を進めてきたわけでございます。
 9ページ以降、これの関連資料でございますので飛ばしまして、12ページ以降、13ページを御覧いただけますでしょうか。こうした供給状況に対して、どのように対応する枠組みとなっているかを説明したものでございます。今年の4月から感染症法、それから医療法の改正法が施行になっております。一番右のラインを上から下に御覧いただきますと、感染症法に基づいて、平時からメーカーの供給状況につきましてモニタリングをすることができる、こうしたような規定がございます。そして真ん中の段に行っていただきまして、感染状況に応じまして、私どもはこのモニタリング品目の報告の頻度を上げたり範囲を拡大したりして、報告を徴収することができるようになっております。
そして一番右下で、実際に感染の状況、また、この報告徴収した内容に応じまして、生産の捉進の要請等を行うことができる。こうした一連の枠組みが、法令上の枠組みとして整理されてございます。ただ、これは法律上、「感染症対策物資等」が対象になっております。医薬品でいえば感染症の対症療法薬のようなもの、こうしたものが対象になっております。
 また、医療法も改正になっておりますので、医療法、こちらは一般的な規定でございますが、真ん中の所に書いてあることからお分かりいただけるように、いわば有事の際の報告徴収の規定のみが置かれている、そうした状況でございます。こうした状況の中、私ども、こうした状況をいち早く把握するために、左上の所の供給不安報告、それから真ん中の所の供給状況報告、まずはこうした仕組みを整備しております。これは次の14ページに細かく書いてございます。
まず供給不安報告、これは6か月以内に供給不安が生じるおそれがあるという場合に、まず厚生労働省に御報告いただきたいというものであります。そうした状況に対しまして、私どもとして必要な対応、供給不安を未然に防ぐ、あるいは仮に供給不足の状態が生じてしまっても、それを和らげるための対応を事前に取ることができる、そうした観点での供給不安報告。それから供給状況報告、これは実際に限定出荷、出荷停止になったら、その状況をきちんと御報告いただきたいというものになります。こうした仕組みはこれまでもあったのですが、この4月から徹底するようお願いしております。この供給状況報告につきましては、実際に御報告いただいた内容を、次の15ページでございますが、厚生労働省のホームページにおきまして毎営業日に更新する形で公表しております。私が冒頭に御説明した円グラフ、これは業界団体のほうでまとめていただいているデータでございまして、7月のデータを約1か月半遅れで公表される状況になっております。一方で、企業からきちんとこうした状況を正確に御報告いただければ、私どもが厚生労働省のホームページで出すデータ、これがまさにきちんとしたデータということになりますので、企業の皆様には徹底した届出というものをお願いしている状況でございます。
 13ページにお戻りいただきまして、報告を受けた内容に基づきまして、実際に増産をお願いする、あるいは医療関係者に協力をお願いする、こうしたことは事務連絡、通知等のベースで今お願いしているということでございます。
 16ページ、17ページには、過去、個別の医薬品等の供給不安に対しまして措置を講じてきた、そうした内容を一覧で提示しております。
 18ページ以降は、令和6年度の薬価制度改革における取組でございます。19ページを御覧いただきますと、薬価制度改革の概要が書いてございますが、3つの柱の中の1つとして緑の所、医薬品の安定供給の確保ということで、柱として盛り込ませていただいております。
 20ページを御覧いただきまして、価格の下支えの中身といたしましては、基礎的医薬品の対象範囲の拡大、そして先ほども申し上げました不採算品再算定を特例的に適用する、こうしたことをしております。不採算品再算定の特例適用につきましては、21ページに書いておりますが、通常のルール、これは下の箱の所に書いておりますが、成分規格が同一の類似薬の全てが該当する場合に限る、そうした形で申請を受け付けていたものにつきまして、基本的に申請を頂いたものについては全て適用する、ただし、平均乖離率「7%」を超えた乖離率であった品目は対象外とする。こうしたことで特例的に適用するということをさせていただきました。22ページを御覧いただきますと、合計2,000品目弱、1,943品目に適用させていただいたということでございます。
 また、こうした足下の状況に対しましては、私どもとしてもできる限り改善の方向に向かっている、そうしたことを見せていかなければいけないのではないかということで、23ページ以降、限定出荷解除に向けた取組というのも新しく取り組んでおります。
 24ページですが、私どもとして、この品目は限定出荷の解除が可能ではないか、そういう蓋然性が高いと考えられる320品目、60社につきまして、改めて直接調査をさせていただきました。その結果、赤で書いてあるもの、これは私どもがそうしたお問合せ等をさせていただく中で、限定出荷の解除が今すぐ可能である、あるいはもう少ししたら可能であるということで、実際に解除につながったもの、解除時期が明確になったものが73品目、約23%ございました。
 また青の品目、薬価削除を予定しているということで御回答いただいたものが59品目、18%あったわけですが、この中で薬価削除を予定している、これは薬価削除プロセスの中で薬価削除願をきちんと出して、正式にプロセスに乗っているもの、そうしたものをここに分類させていただいているわけですが、薬価削除を検討している、そうした段階でこうした分類をされている所がありましたので、そうした所はまだプロセスに乗っていない、むしろそこで限定出荷にするのであれば、それは自社都合で限定出荷をされているのだと、そうしたような整理を徹底するようお願いいたしました。
 そして真ん中の黄色の所、ここにつきましては42品目、13%の所が自分たちの企業だけではなかなか解除は難しい、しかし、一斉にある程度協調して解除をするということであれば、自分の製品に対する引き合いが急に増えるということもないであろうから、検討が可能かもしれない、そうしたことでございました。
 次の25ページですが、今、私のところのほうで、限定出荷解除の可否をより具体的に検討するための方策について、競争政策上の観点に留意しつつ検討してはどうかということでございまして、公正取引委員会等とも相談をしながら、独禁法等に抵触をしないような形でどういう話合い等ができるのか、そうしたことについて検討を進めているという状況でございます。
 27ページ以降ですが、こうした、特に後発医薬品を中心に起きている問題の中で、産業構造上の問題ということが指摘されております。28ページは、私が先ほど申し上げました産業構造上の課題を表しておりますが、29ページを御覧いただきまして、もう少し模式的・分解的に説明したものでございます。①にございますが、後発医薬品を上市できるようになった段階、その段階というものが収載時の薬価、これは製造原価に比べて比較的高いということ、そして共同開発により参入障壁も低くなっているということで、大変多くの企業の方々に、ここに御参入いただくということでございます。
 青の折れ線、これは薬価の動きを模式的に表していますが、②の所、こうした中で、同時に収載された品目が多く過当競争になり、また流通慣行の問題の中でもございますが、総価取引の調整材料、調整弁とされるという中で、いわばsteepに価格が下落をするということでございます。
 ③のように下がった所まで行ってしまうと、早期に撤退する企業もある一方で、供給し続けていただく企業もあると。そうした中で、企業がまた新しい収益を確保するためにということで、④のとおり、また特許切れ直後の品目のほうに上市をするという行動になりますので、いわばスパイラル的に少量多品目構造が生まれるということでございます。
 30ページにお進みいただきますと、これはA社B社C社がそれぞれ品目A、B、Cを作っている、直感的に考えてもお分かりいただける構造でございますが、①に書いてあるとおり、洗浄等の工程が多発いたしますので、ラインの効率として非効率であるということ。また、その過程の中で管理上の不備、あるいはコンタミ等がございますと、品質不良のリスクがございます。また、③にあるとおり、私どもが緊急増産をお願いしたいと思っても、いわばカツカツの状況で生産されておりますので、なかなか柔軟な対応が実現困難であると。こうした状況の中、31ページでございます。「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方」について、有識者の方々、この中で委員としていらっしゃる方もいらっしゃいますが、そうした委員の方にお集まりいただいて、検討会報告書をこの5月におまとめいただきました。
 32ページを御覧ください。こうした状況に対する対策の方向性として、大きく3つの柱が提示されております。1つ目の柱が、製造管理・品質管理体制の確保ということで、やはり今回の供給不安、発端となっているのが後発医薬品企業を中心とした製造管理・品質管理体制の不備ということでございます。徹底した自主点検ということを今年の10月までということでお願いしております。また、その際には、併せて薬事監視の向上と書いてございますが、高リスク製造所に対しまして、PMDA・都道府県が連携して、無通告で立入検査をする、こうしたことと併せて打ち出す中で、こうした自主点検の実効性を高める、そしてもちろん企業側でもガバナンスの強化、クオリティ・カルチャーの醸成ということに取り組んでいただくことが提言されております。
 2つ目の柱、安定供給能力の確保でございまして、これは個々の企業において安定供給を確保できる体制を整備していただく。そして、そのためのマネジメントシステムを確立する。これはこの後、もう少しブレイクダウンして御説明を申し上げます。
 3本目の柱、持続可能な産業構造ということでございまして、こうした少量多品目の構造、こうしたものを適正化して、生産効率を向上する、そうしたもののために必要な環境整備を行う、あるいは収益と投資の好循環を満たすための価格、薬価制度ですとか流通、そうしたものについても提言がなされております。
 その上で4番の所、こうした後発医薬品企業のあるべき姿を考えますと、ある程度大規模での生産・品質管理体制の確保も有効な選択肢であるとして、企業間の連携・協力や役割分担、コンソーシアムや企業統合、こうしたものを推進していくべきだということになっております。一番上の2つ目のポツを御覧いただきまして、こうしたことにつきまして5年程度の集中改革期間を設定して対応していくべきだ、こうした御提言を頂いております。
 33ページ以降は、後発医薬品検討会の報告書をブレイクダウンしたものでございますので、全体の時間の関係もございますので、飛ばさせていただきます。
 46ページにお進みいただけますでしょうか。こうした中、医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議、安定確保会議におきまして議論が行われております。47ページは、この安定確保会議の概要でございますが、先日の安定確保会議でお示ししたスライド、これが48ページでございます。
今申し上げたマネジメントシステムの構築につきまして、議論のたたき台として私どものほうから論点としてお示しさせていただいた資料ということでございます。まず上の矢印、左から右に御覧いただきまして、これは平時におきまして、個々の企業において安定供給を確保していただく、そのための努力をしていただく。そして平時から需給状況について把握し、調整をすると。そして「有事」と書いてございますが、供給不安が発生してしまったときに、それを解消するための措置を講ずる。こうした流れの中で、大きく3つの論点を掲げております。
 1つ目が青の所、「製薬企業における安定供給確保に向けた体制整備」ということでございます。具体的には安定供給を確保するため、製薬企業に対し手順書等を整備していただく、あるいは一定の在庫を持っていただく、生産管理をきちんとしていただく。こうした安定供給確保措置を法令上の遵守事項としてはどうかということを掲げさせていただいております。現在も業界団体のガイドライン等でお取り組みいただいていること、こうしたことをきちんと法令上の遵守事項としてはどうか。そして左下の所、特に安定供給確保の遵守を徹底するとともに、厚労省からの要請等への適切な対応を担保する観点から、安定供給責任者を設置するということについて、法令上の義務とすることについてはどう考えるかということで、お示しをさせていただいております。
 そして2つ目の論点、緑の所でございます。「供給不安の迅速な把握/報告徴収/協力要請」とさせていただいております。私が先ほど対応の中で少し御説明を申し上げました、今年の4月から供給不安報告・供給状況報告の徹底をお願いしておりますが、こうしたものを法令に位置付けて、さらに徹底を求めることとしてはどうか。また、そうした報告に基づきまして、私どもが個別に製薬企業、卸等に供給状況について報告を求める、あるいは製薬企業、卸だけではなく、医療機関、薬局等も含めまして、必要な協力要請をする。こうしたことをこれまで講じてきているということを申し上げましたが、こうしたことにつきましても、法令上の位置付けをもってやることとしてはどうかという論点を掲げております。
 それから右下、3つ目の所で、「安定確保医薬品の供給確保要請」ということでございます。安定確保医薬品につきましては、2019年頃、セファゾリンの供給不安の問題が起きたことを契機として、カテゴリーA、B、Cということ、これは当時、学会等からいろいろ御意見をお伺いして定めさせていただきました。こうした安定確保医薬品というのを法令に位置付けることとしてはどうか。その上で、指定時からの状況の変化、そのとき指定してからまた新しいお薬も出てきておりますし、医療現場でのお薬の使われ方も変わってきているものもある。そうした中で、その中身についても必要な見直しを行うこととしてはどうかとしております。一番下の○の所、こうした安定確保医薬品については、供給不足のおそれがある場合、法令上、感染症対策物資と同等の措置を講ずることができるようにするとともに、サプライチェーン強靭化の観点から他に検討すべき点はないか。こうした論点をお示ししながら御議論いただいているという状況でございます。その後、この関係資料が続きますので、少し飛ばさせていただきます。
63ページまでお進みいただけますでしょうか。安定確保会議におきまして、議論の進め方といたしまして、9月2日に、今説明申し上げた資料をお出ししたわけでございますが、10月から11月にかけて複数回議論をしてまいりたいと考えております。その中には供給情報ワーキンググループという、この安定確保会議の下のワーキンググループにおきまして、こうした医療用医薬品の供給状況をどのように見える化、把握できるかということについても技術的な検討を頂いていますので、そうした状況につきましても安定確保会議で御議論いただきたいと思っています。その上で、制度改正に関する事項、これは関係審議会で更に御議論いただきたいと思っております。また、サプライチェーンの強靭化、安定確保医薬品の再選定の議論も含めまして、これは引き続き安定確保会議で議論していくとしたいと考えております。
 最後、65ページを御覧ください。いわゆる今年の「骨太の方針」におきまして、赤の上のほうの段落になりますが、「足下の医薬品の供給不安解消に取り組むとともに、医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品業界の理想的な姿を見据え、業界再編も視野に入れた構造改革を捉進し、安定供給に係る法的枠組みを整備する」と書いております。私どもはこうした考え方に沿って、まず安定確保会議において議論を整理しながら、ただ、こうした枠組みの議論だけではなくて、足下の供給不安をどのように解消に向けていくか、そうした議論と並行して進めていきたいと考えております。以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局の説明について御意見や御質問等を伺いたいと思いますが、議題2につきましても順番に御意見を伺いたいと思います。最初に、医療用医薬品の供給状況の所でいかがでしょうか。4ページから、特に6ページぐらいまでにかけての所で何か御意見や御質問等はございますか。オンラインで林委員、その後に茂松委員にお願いします。
○林委員 日本歯科医師会の林でございます。医薬品の安定供給に関しましては、後段の部分で既に後発医薬品の安定供給の実現に向けた産業構造のあり方ということで、検討会の報告書を頂いておりますので、それで全てだと思います。しっかりと法的枠組みの必要性も含めて検討していただいているということですが、現在、歯科におきまして、この3年近く続いている安定供給問題に関してアンケートを取っております。実際問題、出荷調整が行われている薬や出荷が停止になっている薬などが、我々、歯科医療現場では分かりにくいというところがございます。院内処方としてできる歯科汎用の抗菌薬等の薬がなかなか手に入らない、処方箋で院外処方で出せば、まだ何とか対応していただけるという環境がございます。製薬企業の問題もありますけれども、こういった卸、流通の問題も含めて、できる限り、歯科医療現場で必要な薬を国民に提供できないということにならないように、しっかりと今後対応していただきたいと思っておりますので、より実効性のあるもので御対応いただきたいと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。それでは茂松委員、お願いします。
○茂松委員 最近、全国の会員から、局所麻酔剤とか抗生剤が手に入らないというご意見があり、医療現場ではかなり困っています。製薬企業におかれましては、現場の状況を逐次把握して増産していただきたいと思いますし、少量多品目製造が悪いとは思わないですが、企業の製造体制の強化や産業構造のあり方など、業界団体が団結して取り組んでいただきたいと思っております。それと、今、水谷課長から報告いただきましたマネジメントシステムの構築、これは厚労省提案のとおりだと思っております。ただ、サプライチェーンの強靭化、これはやはり外交を含めた国の問題であろうと思いますし、医薬品については命に関わるものでありますので、しっかり対応していただきたいと思います。
 最後に、安定供給責任者の設置とありますが、これを活かしていくのが一番重要であると思います。その役割をしっかり全うして、平時・有事に適切に対応できるようにしていただきたいと思っております。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。オンラインで山口委員、どうぞ。
○山口委員 ページ数に関係なく素朴な疑問があったのですけれども、今、現状の所がこのページなのでお聞きしたいと思います。そもそも安定供給についての議論をすることはとても大事なことだと思っているのですが、今、御説明があったように、後発品の製造に構造的な課題がある中で、かなり厚労省としては後発品の使用を奨励してこられて、その結果、後発品のメーカーが増産に力を入れて、無理な増産をして不正というような、そういったことも中には原因としてあったのではないかなと思っています。特に後発品の推奨をしてこられたのが、医薬局というよりは医政局の、今、御説明のあった産業課だと思うのですけれども、そういった推奨する、強力に進めていくことについて、計画性に問題がなかったのだろうかということを素朴な疑問として私は感じています。
 ところが、今御説明があったように、今もまだ供給不安定な中で、今年10月、来月からは長期収載薬を希望した患者には特別料金が請求されるというようなことが始まると聞いておりますので、もちろん、流通が原因で長期収載薬を選ばざるを得ない人には特別料金が請求されないということなのですけれども、さらに後発品をというような動きに対して、こういう供給不安定な中で、対応可能なのかということが少し不安に思っているのですけれども、その辺りについて、計画性と、10月以降のことについて、まだまだ不安定だということで可能なのかどうかということを事務局からお聞きしたいと思います。
○福井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。まず、後発医薬品の使用促進ということ、これ自体は、私どもは医療保険制度の持続可能性を高めるという観点からも、これまでも推進してまいりましたし、引き続き推進していかなければいけないと思っております。ただ、後発医薬品の産業構造の在り方に関する検討会の報告におきましても、これは「おわりに」の所で、「政府においても使用促進の旗は振るものの産業構造の将来像まで見通せず産業育成への関与が不十分であったことなども指摘されている」、こうした御指摘もございます。私どもは後発医薬品を使用促進すべき、こうしたスタンスに変わりはございませんが、産業構造のあり方も含めまして、しっかりとした施策を講じていきたいと考えてございます。
 後発医薬品の使用促進につきましては、これまで全ての都道府県において80%以上とした数量目標を設定して取り組んでまいりました。昨年度末、今年3月末までの目標として取組を進めてまいりまして、今年度からの新しい目標を定めて、医療保険部会等のほうに御報告させていただきました。その目標の中では数値目標を新しく設定しておりますが、安定供給の確保を基本としてそうしたものに取り組んでいく、こうしたものを改めて明言してございますし、その目標につきましても、供給状況を踏まえて柔軟に対応するとしておりますので、医療保険の持続可能性という観点から、後発医薬品というものの使用を引き続き促進する、こうしたことは私どもとして引き続き推進してまいりたいと思いますが、足下の安定供給ということをまず大切にしながら、そのバランスを取りながら取り組んでいきたい、これが私どもの考えでございます。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。森委員、どうぞ。
○森委員 この後発医薬品の供給不足問題から3年たって、今考えてみると、そもそも日本全体で不十分な供給力、製造キャパシティーだったのではないかと思います。そうした中、外的要因、例えば不祥事であったり、感染症が拡大することによって、よりそうしたことが拡大してきていると思います。水谷課長が最後に言われましたけれども、まずは足下の医薬品の供給不安解消に取り組んでいただくことと、安定供給に係る法的な枠組みをしっかりと整備することが必要だと思います。今まだ議論中だと思いますが、諸外国、ドイツでは、薬事法に医薬品の適切かつ継続的な供給の義務付けがされており、フランスでも、公衆衛生法に同様なものがあります。48ページに、新たに安定供給責任者の設置を法令上に位置付けるとありますが、賛成します。その上で、総責をはじめとする三役との役割を明確化して、責任の所在をしっかりとする必要があると考えます。
 安定確保医薬品を法令に位置付けることにも賛成ですけれども、安定確保医薬品として何を位置付けるかというのは、何年かたっていることもあって、見直しが必要だと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。花井委員、どうぞ。
○花井委員 花井です。議論が進んでしまったので、私からも。先ほど山口委員がおっしゃられたことは全くそのとおりで、言わば、マッチポンプ的な状況に見えてしまうと。1つお願いしたいのは、いわゆる透明化をして、この情報を、今度、法令に位置付ける予定ということですけれども、実例は出しませんが、供給が滞っている理由を、公開情報で「その他の理由で」と書いているではないですか。そのとき、その中身について、もうちょっと公開すべきではないかと思います。私どもが体験した例で言うと、「その他の理由」の中身を製販に問い合わせて、いろいろ細かく聞いてみると、患者会としては情報を受け取ったとしても、むしろそのような情報が医療機関側には伝わっていないというケースを経験しております。むしろ患者会に対する正式な回答内容が示されているにもかかわらず各医療現場での説明はばらばらだったりします。だからその情報の透明化という意味は、やはりちゃんとメーカーが洗いざらい、情報を公開し、現場でも、今こういう状況かということが分かるように、もう少し情報公開、今のExcelの表をもう少しリッチにしていくことはできるのかというお話が1つです。 
 血液製剤については、実は医薬でずっと2002年以降やっている話なのですけれども、当時からやはり問題があって、その山買いの話で、これは商慣例なので、どうしようもないと言えばどうしようもないのですが、結局、値引きせざるを得ないエッセンシャルドラッグを最終的にエッセンシャルドラッグ指定して、何とか薬価で支える、固定するみたいな、結果として、後から薬価を何とかするというやり方をしていたのですけれども、今回、これだけ議論したところなので、例えば法律に位置付けるのであれば、特定安定供給推進医薬品というのを作って、そういうときは山買いできないとか。やはりこの山買い問題というのは、適正な取引なのかもしれませんけれども、そのことによって新薬は値下げしないみたいな、頑として値下げしないという意向で、結局のところエッセンシャルドラッグが割を食うという構造はずっとそうなのですよね。これは、法的規制は難しいのかもしれませんが、その根本的なところも含めて、山買いをして、決済を遅らせて、実勢価格が把握できないとか、いろいろそういう適正取引とは言えというところはまだあると思うのです。そこのところまで、この度、是非メスを入れたようなことをやっていただけると。血液製剤に特化しては2002年からずっと山買いをやめて欲しいと言っていたのですが、お願いベースではやってきたわけですけれども、これだけ全体に安定供給不安というものが波及したとすれば、やはり全体としてのことをもうちょっと考えて法律に位置付けていただきたいと思います。前者はお願いで、お答えいただきたいし、後者も、可能性があるかどうかぐらいは教えていただきたいと思いました。以上です。
○福井部会長 いかがでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。まず、メーカーのほうで限定出荷又は出荷停止している状況をできる限りつまびらかにすべきだと、本当におっしゃるとおりだと思います。私どももメーカーに対しまして、そうした姿勢でお願いしたいということをしておりますし、そうした中で、私どもとして、漫然と限定出荷をしていないだろうか、そうした問題意識のもと、先ほど御報告申し上げたような、これは限定出荷解除できるのではないかという品目をピックアップして、少し調査をさせていただいたということです。引き続き、私ども、そうした取組を進めてまいりますし、どうしても限定出荷等の理由をある程度カテゴライズする必要があるという観点からは、一定の集約をするということは避けられないと思いますが、引き続き、そうした姿勢で取り組んでいきたいと考えています。
 2点目、御指摘いただいた点、今日はメーカーの話を中心にさせていただきまして、流通の部分を余り詳しく御説明せず、大変失礼いたしました。流通の問題につきましては、今年3月に流通改善ガイドラインの改訂をしまして、その中で、特に医療上の必要性が高い医薬品として、基礎的医薬品、安定確保医薬品のカテゴリーA、不採算品再算定品、それから、今、花井委員から御指摘があった血液製剤等、これらのものについて価格交渉の段階から別枠とし、単品単価交渉とすること、こうしたことをガイドラインの中に明記しております。言わば、総価交渉の中で取引の調整弁とされやすいもの、そうしたものの中で、そうしてほしくないものをあえて明記することによって、医薬品の価値に見合った取引、交渉をお願いしたい、そうした意図でやらせていただいたものでございます。
 花井委員から法令上の位置付けというお話がございました。どうしてもこうした取引の世界、これは一般の経済社会における自由な取引行動の中での世界ということですので、もちろん薬価が決まった中での交渉という特殊な状況ではありますが、やはり市場取引ということを考えますと、これまでの流通の歴史の中では、流通関係者が遵守すべきガイドラインということで、流通当事者が、言わば自主的に申し合わせる形で、それに沿ってやっていこう、そうした形で取り組みがなされてきたということだと思っております。したがって、私どもとして、こうしたガイドラインの中で、より具体的に明記をすることによって、医薬品の価値に見合った取引をお願いしていきたい、そうした方針で取り組んでございます。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
○花井委員 花井ですが、今の件で。
○福井部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 御回答ありがとうございます。それは私どもも承知しておりまして、特にお願いしてガイドラインにも載せていただいてということで、血液製剤については大分御協力いただいたということもあるのですけれども、これは意見なのですが、ある種、国内の企業と国内の市場、日本人同士でみたいなところの、それで話を聞くという状況もあったので、今回の場合は、いわゆるジェネリック品なので、ほぼ国内市場向けの企業だから、一定程度効果があるかなと思います。ただし、グローバルになってくると、意外に、このお願いベース、ガイドラインというのが、どんどん利かなくなっていくという状況があって、ある程度日本の市場を大事にしてくださいというお願いが、やはりなかなかグローバルな戦略の中では軽くされるという状況も出てきていますので、今後、ジェネリックというものがグローバルな、前も課長がおっしゃられていましたけれども、バイオシミラーとかそういった領域まで広がってくると、なかなかガイドラインとか、そういう国内でのお願いベースというのが、たがになっていかない状況も考えられると思いますので、そういう視点でも今後御検討をしていただけたらと思います。ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 医薬品の安定確保について、法律で更に制度を整えていくことについて賛成です。とりわけ、安定確保医薬品について、セファゾリンの問題が最初に出たのは2019年だったかと思いますが、改めて対象製品を見直して、供給不足のおそれがある有事の場合には、感染症対策物資と同等の措置を講ずることができるようにしていくことについても賛成です。
 この間に、新型コロナウイルス感染症の流行があり、また、そのほかにも様々な環境の変化があったことを考えますと、当初、考えていたよりも、より手厚く、より堅牢な仕組みを考えることが必要だと思います。そうした仕組みを、何かあったとき、つまり供給不足になったときではなく、平時から整えていけるようにお願いいたします。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしいですか。そのほかはいかがでしょうか。冨田委員、どうぞ。
○冨田委員 同志社大学の冨田です。私が接点のある大手ではないジェネリック企業の数社に対して、いろいろお話を伺うと、やはり薬価制度の問題を挙げる企業が多いという印象を受けております。薬価制度が先発品をどうしても前提としているもので、ジェネリックを前提とされていないことに対するそういった意見を持たれている企業が多いという印象を持っております。古いジェネリックですと、薬価が下がっていきまして、企業として赤字になっていくと。ですので、新製品のジェネリックを継続的に出していくビジネスモデルでないと、企業として成立しないということです。ですので、先ほど薬価の下支えというところの御説明がありましたので、そういう赤字となっているものに対しては薬価の下支えと、いろいろ法制度などでの御支援を頂けるといいかと思います。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。山家委員、オンラインでどうぞ。
○山家委員 私からも、大きな方針と、法的な規制というところには強く賛成したいと思います。と言いますのも、これは患者会というよりは、これまでの勤務していた経験上ですが、安定供給、先ほども御意見が出ておりましたけれども、安定供給に関しては、かなり長期間の需給予測に基づいてぎりぎりの計画を立てているのがジェネリックメーカーの現状であるというのは私の理解です。これは各社ともに、そういう状況であると認識しています。ですので、こういったところと、あと産業構造を大きく変えていかないことには、特に短期的な供給不安が出てきたときに、各社とも吸収するような余地というのは多分ないので、いずれにせよ限定出荷にならざるを得ないと認識しております。ですので、大きく産業構造、若しくは規制というところで改革をしていかないことには、根本的な解決には至らないというところで、特に結果として、多くの患者が不安になる、若しくは問題の影響を受けてしまうところに関しては懸念を持っておりますので、そういったところで御検討いただきたく、お願いいたします。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。中島委員、どうぞ。
○中島委員 東京都の中島です。資料が先に進んでしまうかもしれませんけれども、法規制の関係で、48ページにマネジメントシステムの構築について記載がございます。その中で、「製薬企業に安定供給のための体制整備等を求める」と記載がございますが、品質の確保と安定供給は非常に密接に関係するのですけれども、一方で、品質上の問題が起きたときには供給が止まる可能性もあることから、相反する関係になってしまうとも考えております。供給のために品質がおろそかにならないように、製薬企業の中はもちろん、企業を監督する行政についても、品質と供給の所管というのを明確に分ける必要があると考えております。もし、仮に自治体の関与をお考えであれば、具体的な内容を説明いただいて、自治体の御意見も是非聞いていただきたいと思います。以上です。
○福井部会長 事務局から、どうぞ。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。まず、法令上の遵守事項とする、法令上の義務とする、こうしたことを書いてございますが、どの法令に規定をするかということについては、今のところオープンな形で御議論いただいております。あくまで一般論として申し上げれば、当然、医薬品の品質と有効性・安全性が確保された医薬品を安定的に供給する、そうした関連する規制というように考えれば、薬機法ということも考えられるでしょうし、今日、御議論もありました薬剤師の関係で、広く医療提供の中で考えれば、それは医療法という考え方もあろうかと思います。いずれにしても、そうしたことにつきましては、私どもは引き続き整理してまいります。
ただ、そうした中で、今、御指摘がありました品質の確保ということと、安定供給ということが相反するのではないかという御指摘、私どもとしましては、品質・有効性・安全性が確保された医薬品を安定的に供給するということ、単に、この品質・有効性・安全性が確保された医薬品を供給するというだけではなくて、それが安定的に供給されるからこそ、薬機法できちんと確認されたものが医療保険、我が国の皆保険の仕組みの中で使われる、そういう関係にあると思っておりまして、そこは必ずしも相反するものではないというように私どもとしては思っております。ただ、今、私、どういう法的枠組み、法令上の枠組みでやるかということは、今後検討と申し上げておりますし、そうした中で、どういう主体にどういう役割を担っていただくのか、もし自治体ということになれば、それは当然、自治体とよく意見交換させていただきながら進めていきたいと考えております。以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。よろ
しいですか。
 私から一言、的外れの質問だと申し訳ないのですけれども、限定出荷とか供給停止がかなり頻繁に起こっていて、そのことによって患者さんの健康あるいは生命に悪影響が起こったとか、そのようなデータはあるのでしょうか。事務局は把握されているのでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。健康、生命に悪影響ということは、なかなか、どこまでどう捉らえるかということはあると思いますが、まず、当然、限定出荷あるいは出荷停止になっているということですので、医療現場、患者の皆様に対しまして、大変な御迷惑をお掛けしていることは、これは皆様、実際に御体験されているとおりでございます。そうした中で、ある医薬品が足りない、ある医薬品が手に入らないという状況に対しまして、医療現場で様々な工夫をしていただきながら、それは処方量の調整だけではなくて、代替の医薬品、そうしたことも含めまして、大変柔軟に対応していただいて、何とかしのいできている状況というように認識しております。そうした状況をなるべく早く解消できるように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○福井部会長 特に、そのようなテーマで研究したとか、そのような事例が挙がっているというわけではないわけですね。事務局の把握の程度ということで結構です。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 私どもとして、そうした観点から何かデータとして整理したものがあるということは承知してございません。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしいですか。それでは、次に進みたいと思います。たくさんありますけれども、7ページの「医療用医薬品の安定供給に向けた取組」の中の4項目のうちの、最初の「安定供給に向けた支援」についてはいかがでしょうか。説明されたのは、8、9ページになると思います。よろしいですか。また後で思い付いた事がございましたら、よろしくお願いします。
 それでは、12ページの「供給不安報告・供給状況報告」についてはいかがでしょうか。13~17ページまで、一部、御説明がありました。いかがでしょうか。よろしいですか。山家委員、オンラインでどうぞ。
○山家委員 1つだけ、意見というよりは質問なのですけれども、これは既に運用されていることということで伺っていたのですが、実際に供給状況報告をより速く把握するようにという要請を実施して、何か変わったこと、改善されたことはどのようなことがあるのかお伺いしてもよろしいでしょうか。
○福井部会長 事務局からお願いします。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。これは供給不安報告、供給状況報告の所でよろしゅうございますか。供給不安報告自体、情報としては非公表にしておりまして、正に供給不安が生じるおそれがあるというお話を頂いたときに、私どもとして、これは仮定の話で申し上げますと、例えば海外からの原薬の調達が急にストップしてしまった、したがって、近々供給不安が起きてしまう、そういうお話を頂いたときに、では、代替の医薬品、つまり、国内の需要を確保するために、ほかで増産が可能であるかとか、そうしたことの打診、あるいは逆に、そこのメーカーで、では、別の供給源の所から持って来ることになりますと、それは当然、薬事上の様々な手続が必要になります。そうしたことについても、可能な範囲で、私どももそれに御協力させていただくこともできますので、そうしたことも含めて、個別に未然に防げるように、あるいは実際の影響をmitigateするように、そういう形で対応させていただいているということがございます。
 供給状況報告につきましては、私ども、漫然とということを先ほど申し上げました。きちんとリアルタイムで情報を更新して、発信していくということ、これはまず姿勢の問題として、これだけ国民や医療現場に御迷惑をお掛けしているわけですから、当然なことだと思っていますので、そうしたことを引き続き企業に徹底をお願いしていきたいと思っておりますし、また、それを更にどのように見やすく発信していけるかということ、これにつきましては、私ども、頂いた情報を、今、これは私の部下が毎日深夜まで手作業でやっている作業ですので、こうしたものを、もう少しITの力も使いながらシステム的に発信をする。これは単に労力の問題だけではなくて、正に見やすいように、どのように発信していけるかということ。これにつきましても、今、私どものほうで研究しておりまして、来年度の予算要求の中でも、そうしたものに必要な経費、要求をさせていただいております。そうしたことを通じて、引き続きこの情報を的確に、適切に活用していきたいと考えております。
○福井部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。それでは、18ページの「令和6年度薬価制度改革」についてはいかがでしょうか。内容としては、19~22ページまでになります。よろしいですか。三澤委員、どうぞ。
○三澤委員 質問ですけれども、不採算品再算定は、これも条件を付けていらっしゃいますけれども、これはどの程度のハードルなのでしょうか。これによって、全体1,943品目の中のどの程度が救われているという形なのでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医薬情報企画課長 医薬産業振興・医薬情報企画課長でございます。まずハードルという意味で申し上げますと、1,943品目は、基本的に申請いただいたものについては適用させていただくという方針で臨みました。ただ、中医協における議論の中で、平均乖離率を超えて取り引きされている品目、すなわち、分かりやすく言ってしまえば、結果的に市場で安売りをされている品目、そうしたものについては、不採算品再算定を特例的に適用する必要がないのではないか、そうした御議論であったわけです。今、この品目数がどうかということを私はこの数字でもって申し上げることはできないのですが、結果として、この特例的に適用するということによりまして、1,943品目に適用しております。私の手元には正確な数字は持っておりませんが、通常のルールでやっているときというのは、品目数で言うと、確か3桁の品目数であったと思いますので、そうしたものと比べますと、大変多くの対象に対して適用することができたとは思っております。
○三澤委員 ありがとうございます。私が質問した意図は、政策的にも、日本の物価というのはずっと安定しており、余り物価は上がっていない状況が続いておりました。これからは、どうもそうではないということになると、申請ベースでやっていくのか、物価連動を考えていくのか、これは薬価の非常に重要な問題になると思いますけれども、その辺も含めて聞きたかったものですから質問いたしました。私としては、申請のあったものだけということではなくて、基本的には、やはり物価連動、人件費も、物の値段もコスト全体が上がっている状況で、国が値段を付けた公定価格に関わる業種では、今後なかなか業態として成り立たないという形になっていく可能性があり、それはやはりよくないと思いますので、社会情勢を考えて今後検討していく必要があるのかと思い発言させていただきました。
○福井部会長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。そのほかはいかがでしょうか。それでは、23ページの「限定出荷解除に向けた取組」、内容については、24ページから26ページまで説明していただきました。何か御意見や御質問がございましたらお願いします。よろしいですか。
 それでは、27ページの「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」についてはいかがでしょうか。28~32ページまでの御説明だったと思います。対策の方向性も3つの柱で説明されました。よろしいですか。もし、よろしければ、次が「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」、46ページにあります項目、内容としましては、47、48ページについての御説明だったと思います。関係者会議でこのようなことがお話されているということです。
 最後に、63ページの「今後の議論の進め方について」、そして65ページの御説明も一部ありました。いかがでしょうか。よろしいですか。
もし、ないようでしたら、もう少しで2時間になりますので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思いますが、委員の先生方、よろしいでしょうか。それでは最後に、事務局から連絡事項等はございますか。
○重元総務課長 本日はありがとうございます。次回の第7回の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の日程につきましては、10月3日に開催を予定しております。詳細につきましては、追って事務局から御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○福井部会長 それでは、以上をもちまして、令和6年度第6回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会を閉会といたします。御協力、誠にありがとうございました。以上でございます。