第165回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部計画課

日時

令和6年7月23日(火)13:30~16:00

場所

対面及びオンラインにより開催
会場:AP虎ノ門(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

会場

公益代表委員
髙田礼子(分科会長)

労働者代表委員
使用者代表委員
 
(五十音順、敬称略)
事務局

オンライン

公益代表委員
 
労働者代表委員
使用者代表委員

(五十音順、敬称略)

議題

(1)陸上貨物運送事業労働災害防止規程変更案要綱について(諮問)
(2)注文者等による安全上の指示について
(3) 個人事業者等に対する安全衛生対策について(その5)
(4)その他

議事

議事内容
○髙田分科会長 定刻を少し過ぎましたが、ただいまから「第165回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。
 本日の出欠状況は、大下委員が御欠席しております。また、原委員は遅れて御参加いただく予定となっております。本日は、対面及びオンラインの併用により開催することとしておりますので、お含みおきください。カメラ撮影等についてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
○計画課長 計画課長の佐藤です。まず議題に入る前に、7月5日付けで事務局側に人事異動がありましたので、新しいメンバーを紹介させていただきたいと思います。安全衛生部長の井内です。
○安全衛生部長 井内です。よろしくお願いいたします。
○計画課長 続いて、安全課長の安井です。
○安全課長 安井です。よろしくお願いします。
○計画課長 続いて、化学物質対策課長の土井です。
○化学物質対策課長 土井です。よろしくお願いいたします。
○計画課長 最後になりますが、私は計画課長の佐藤です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から、オンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いいたします。
○計画課長 Zoomの操作方法等について、御説明させていただきます。本日は、ハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフに設定をお願いしたいと思います。また、オンライン参加の委員の先生方については、御発言される場合には、御発言がある旨をチャットに書き込み、髙田分科会長から指名されましたら、マイクをオンに設定の上、氏名をおっしゃってから御発言をお願いします。このほかに、進行中、通信トラブル等の不具合がありましたら、チャットに書き込み、又は事務局へメール等にて御連絡を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○髙田分科会長 それでは、議事に入ります。議題(1)「陸上貨物運送事業労働災害防止規程変更案要綱について(諮問)」について、事務局から説明をお願いいたします。
○計画課長 それでは私から、資料1-1、資料1-2について御説明させていただきます。諮問文については資料1-1なのですけれども、御説明は資料1-2のパワーポイントで行わせていただきます。資料1-2の2ページ目を御覧ください。
 今回、陸上貨物運送事業の労働災害防止規程の変更案について諮問をさせていただくということになっておりますけれども、そもそも労働災害防止規程について、皆様御存じかと思いますが、おさらいとして御説明させていただきたいと思います。1.にあるように、労働災害防止規程とは、労働災害防止団体法の定めに基づき、業種別の労働災害防止協会が設定するものです。基本的には、協会の自主的ルールということになりますけれども、会員にはこの規程の遵守義務が課せられております。この規程は制定の際に厚労大臣の認可を受けなければならないということになっておりますけれども、変更する場合も同様に厚労大臣の認可を経るということになっておりまして、この認可に当たっては、労働政策審議会の意見を聞かなければならないとされております。今回、陸災防からこの規程の変更案について認可の申請というものが上がってきておりますので、今回、皆様に意見を聞かせていただくというものになっております。
 2.ですが、労働災害防止規程に何が書いてあるかというと、労働災害の防止に関して、機械、器具その他設備、作業の実施方法について講ずべき具体的措置、具体的に何をやるかということが書いてあるのが労働災害防止規程になっております。
 3ページ目を御覧いただけますでしょうか。今回、陸上貨物運送事業の労働災害防止規程ということですが、昭和41年に制定され、認可をされております。その後、累次の変更を経ておりまして、直近平成29年に変更されておりますけれども、今回久々の変更ということになっております。今回の変更は、2つ目のポツにあるように、主に荷役作業における墜落、転落の災害防止についていろいろと変更し、付け加えるということになっております。
 荷役作業がどのようなものかは、次の4ページ目を御覧いただければと思います。基本的にトラック等の荷台に荷物を積む、若しくはそこから荷物を下ろすという際の作業が荷役作業ということになりまして、テールゲートリフターというものを使って下ろしたり、その下のロールボックスパレットというものに積み込んで移したりという作業が行われているというものです。
 3ページ目に戻って、具体的な今回の変更の背景と理由、それから変更の内容について御説明をさせていただきます。今回の変更については、大きく分けて2つの内容があります。前回の改正から今回までに労働安全衛生関係の法令やガイドラインが改正されたことに伴って、内容をそれに合わせるものが大きな1つ目、それから、更にそれに協会独自で上乗せをするものというものが大きな2つ目ということになっております。
 1つ目である前回改正からの安衛法令やガイドラインの改正に伴うものの主な変更点は上の4つです。法令上、「安全帯」が「要求性能墜落制止用器具」という文言に変更されましたので、規程も合わせて変更させていただくのが1つ目。2つ目は、特別教育を必要とする業務について、フルハーネス着用の高所作業業務とテールゲートリフターの操作業務についても特別教育の対象となりましたので、この2つを追加するものです。3つ目は、貨物自動車昇降設備の設置義務、保護帽の着用義務の拡大となっておりますが、これまで5トン以上のトラックについて対象となっていたものを、2トン以上のものを対象とするということで対象を拡大するというものです。4つ目は、ロールボックスパレットを用いた作業時の留意事項を追記ということで、例えば、安全靴を着用することや、動かさないときはキャスターロックをかけることが主な内容となっております。
 次は変更の大きな2点目ですけれども、2.協会独自の上乗せ規定等ということで、こちらも3つあります。1つ目は、テールゲートリフターによる荷役作業時の様々な留意事項ということで、例えばテールゲートリフターを動かすときは昇降板に労働者は乗らないようにする、ロールボックスパレットを使うときはストッパーやサイドガードを使うということが書かれております。2つ目は、フォークリフトを運転するときには保護具やシートベルトを着用すること、3つ目は、高温多湿作業場所では熱中症予防対策をとるということが追記されています。
 内容としては、このような中身になっております。厚生労働省としては、このような規程の変更の申請を受けた際には、一応、法令に反してないかという観点から確認を行うこととされておりまして、法令に反してないことを我々として確認をしております。これらの規程の変更ですが、厚労大臣の認可のあった日から起算して90日を経過した日から適用することとされております。
 資料の5ページ目は、陸災防の概要ですので御参考にしていただければと思います。この議題の説明は以上です。御審議をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件につきまして質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては、御発言がある旨チャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御発言がある方、お願いいたします。佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員 御説明ありがとうございました。労働側の佐々木です。諮問の内容自体については、この間の関係法令、ガイドラインの改正を反映し、現場の実態も踏まえた見直しということで異論はありません。陸災防においては、この規程の変更点等について、広く理解や定着が進むようにパンフレット等の作成や、説明会等の開催などで丁寧な周知に努めてもらいたいと思っており、政府からの働きかけをお願いします。
 また、現在、本分科会でも議論されている個人事業者等に対する安全衛生対策等についても、関係する法令改正がなされた場合には、適宜必要な見直しを行うよう、これも重ねて協会に働きかけをお願いしたいと思っています。
 最後に、4つある業種別の協会のうち、昨年の建災防と林災防の規程変更に続き、今回陸災防の規程変更が諮問されましたが、港湾貨物運送事業に関しても、適切な時期やタイミングでの規程の見直しを行うよう、協会と連携を図っていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。私も、諮問されました規程変更案要綱に異論はございません。この場をお借りして、陸災防をはじめ労働災害防止協会の日々の取組に改めて敬意を表します。
 その上で、1点お願いと質問です。佐々木委員の御発言に重なるところもかなりあるのですが、申し上げたいと思います。規程の見直しは、労働安全衛生関連の法令やガイドラインの改正がある程度まとまったタイミングで行っていると承知していますが、個人事業者等に対する災害防止対策については、速やかに対応する必要があり、ただ今議論しているところですが、成案となり、取りまとめが行われて法令ができた暁には、間髪を入れず規程に盛り込むよう、御検討いただければと思います。
 また、個人事業者等に対する災害防止対策に限らず、安全衛生関係の法令の見直しの反映は、ある程度のスピード感をもって行っていただくことが、法令遵守を徹底する観点からも重要だと考えております。そこで質問ですが、例えば協会独自の上乗せ規程は格別置、少なくとも法令に関する規定の見直しはスピード感を重視し、例えば毎年見直すことや、あるいは、規程変更時に法令に関する事項は附帯決議のような形で入れることで審議会の諮問の簡略化等が考えられないか、事務局に考え方を伺いたいと思います。資料の中で、平成31年施行の規則改正が含まれていることもあり、法令の徹底という観点からは、スピード感に欠ける印象を受けるので、質問させていただきます。よろしくお願いします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そうしましたら、佐々木委員、鈴木委員の御発言につきましては、七浦委員の御発言の後に事務局の回答をお願いしたいと思います。七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございます。内容に関しては、直近の改正事項ですので全く異論はございません。ただ、資料1-2にある、「安全帯」という表現が「要求性能墜落制止用器具」と有るが、確かに改正時の教育テキストにもこの言葉で指示されているが、実際に使う職人さんや作業者には何となく馴染まない堅苦しい名称と感じてしまうと思われるので、何を指しているか?誤解を生まないか心配である。それこそ先ほどおっしゃったように、パンフレット等で、「安全帯」というと多分皆さんが慣れ親しんだ言葉と思うので、この言葉をどこかで、初期の頃は括弧で入れるとか、分かりやすい表現をしていただくといいのかなと感じております。個人事業者の方もそうですけれども、やはり現場が安全にやれることを追求することが大事と思っておりますので、その辺考慮いただいた上で、御検討いただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から回答をお願いいたします。
○計画課長 回答させていただきます。この規程の周知につきましては、皆様から御意見いただきましたとおり、陸災防とも相談して、しっかり周知できるようにと話をしていきたいと考えています。また、個人事業者の所、正にこの分科会でこの後も議論いただきますけれども、ここの所もまとまった場合には、なるべく間をおかずにこの辺の規程を改正していただけるように、各災防団体とも話をしていきたいと思っています。あと、周知の際に分かりやすくというのも七浦委員からいただきましたけれども、そこも合わせてということです。
 この規程の改正が遅れないようにということで鈴木委員からも話がありましたけれども、どういうやり方があるのか我々もこれから考えていきたいと思いますが、少なくとも、この規程を改正しなくても法令としてはもちろん適用されるというのは皆様御理解いただいているとおりかと思います。一方で、確かに法令が改正されているのに、この規程、そのままでいいのかというのは御指摘にあるとおりと思います。一方で、やはりこの規程は、やはり災防団体が自主的に、一義的には彼ら自身の判断で変えていただくものということもございますので、どういった形ができるのかも含めて、団体側ともよくこれから相談してまいりたいと考えています。
○髙田分科会長 ありがとうございます。佐々木委員、鈴木委員、七浦委員、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 お待たせいたしました。オンラインで宮内委員から御意見があるということなので、お願いいたします。
○宮内委員 御提案ですけれども、非常に今回の変更案は素晴らしいものだと思っています。特に災害防止のためにこのようにやっていただいているということは、私は大きな進歩だと思っております。その中で特にロールボックスパレットの取扱い等は余り明確になっていなかったのを、ここで保護具を使うとか、非常に分かりやすく変更と書かれているのは画期的かと思います。
 1点だけ私のお願いというか意見ですけれども、重たいものを押したりして物を移動するときは人力でやるわけですから、当然体に負荷がかかって、例えば腰痛の原因になるということももちろん考えられるわけで、そういうことを安全対策ガイドラインの中で触れているとは思うのですけれども、やはりこれから高齢化の時代を迎える、また、荷役だけではなく商品の運搬等もあります。安全管理者の定める範疇かどうか分からないのですけれど、もう少し細かい、例えばガイドラインの中に作業標準書を作っていただいて、腰痛防止のための取扱いの仕方とか、そういうことも、どうせ作るのなら入れていただくと、非常に効果的なガイドライン等になるのではないかと思っております。これは衛生面の話になるかもしれませんけれども、是非、お願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。オンライン参加の委員で、そのほか御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。そのほか会場で御発言がある委員はいらっしゃいますでしょうか。そうしましたら、今の宮内委員の御発言につきまして、事務局、よろしいでしょうか。
○主任中央労働衛生専門官 労働衛生課の船井から回答させていただきます。御指摘のとおり、陸上貨物運送事業におきましては、重量物の取扱いに起因するような腰痛というのが後を絶たない状況にあります。そういったことも踏まえて、ガイドラインにどこまで明記するかというのは、もう少し先の話になるかもしれませんが、足下の取組としては、陸災防さんへの補助事業の中で、腰痛事業について今年度からやろうということでスタートしたということもありますし、まだ研究段階ではありますけれども、重量物を取り扱うことによる腰部への負担につきましては、大分国際的にもエビデンスが積み上がっている状況ですので、そういったものも参考にしながら、重量物取扱いに関するリスクアセスメントに役立つような、技術上のガイドのようなものを取りまとめて示せないかということで、今、労働安全衛生総合研究所ですとか、厚生労働科学研究費を使って、民間の研究者の方とも協力しながら模索しているところです。もう少し時間がかかるかもしれませんが、何らか取りまとまりましたら、こちらの分科会にも御報告させていただくような形で作業をしております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。宮内委員、よろしいでしょうか。
○宮内委員 はい、了解いたしました。ありがとうございます。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは議題(1)「陸上貨物運送事業労働災害防止規程変更案要綱」については、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いいたします。
 
 次に、議題(2)「注文者等による安全上の指示について」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 船井のほうから御説明させていただきます。議題2は資料2が関係してきますので、1枚めくっていただければと思います。「注文者等による安全上の指示について」ということで、これは4月の分科会の際に資料として出させていただいたところに記載してあったのですが、真ん中辺りに※がありまして、「注文者等による安全上の指示」は別途ガイドライン等で対応するということで、個別の論点としては掲げていなかったのですが、ある程度方向性が分かっているということで書かせていただいておりました。取りまとまり次第、報告予定ということで、実はまだ取りまとまってはいないのですが、個人事業者に関する本体の議論が一通り進んできたということで、この機会に、方向性ということで御説明させていただきたいと思っております。
 3ページ目を御覧ください。上の点線の四角は、検討会報告書からの抜粋です。この労働安全衛生法第29条、下に参照条文がありますが、この条文に基づいて元方事業者、1つの場所で仕事の一部を請負人に請負わせている者のうち、一番上の者ということです。この元方事業者は、関係請負人が法令に違反していたり違反しそうな場合については、安全上の指示・指導をしなければならないと決まっております。この部分については、元方事業者がやっても、指揮命令とか、偽装請負であるとか、そういったことにはならないというのは明確にされていますが、これ以外の安全上の指示というのは、指揮命令等との関係で、余りはっきりしていない。これを分かりやすく現場の実態も踏まえて整理してはどうかと御指摘を頂いております。これに当たりましては、現場で指揮命令に該当するような安全上の指示はどのようなものがあるのか、逆に指揮命令に当たってしまうのではないかということで、躊躇しているようなものにはどういったものがあるのか、こういったことも情報収集した上で、実態に即した整備を行うべきだと御指摘を頂いております。
 これを踏まえ、この間、事務局においては、真ん中に書いてありますように、関係団体になるべく幅広にヒアリングを行ってきました。重層請負による作業が行われている業種であるとか、個人事業者に業務委託を行っているような主な業種を中心に、注文者の立場からなる団体に対して、幅広にヒアリングを行い、どんな所に躊躇してるのか、また躊躇していなくても、今やっていることについて、これが偽装請負だとか、指揮命令だとか言われたらちょっと厳しいというようなことについてヒアリングをしたところです。これを踏まえまして、今後、ガイドライン等の形でまとめていこうということですが、整理に当たっての視点としては、指導・指示をする側の立場、これが元方事業者であれば、安衛法第29条の適用があるのですが、そうではない場合は29条の適用がありませんので、どちらも法令に違反しないように行った指導・指示というのが、扱いが変わってきてしまう、こういったところにも注意しなければいけない。
あとは指導・指示される側、指導・指示の対象ですが、これが下請け事業者に使用される労働者ということであれば、その指導・指示というのが、偽装請負、派遣か請負かという観点での検討が必要になると。一方、下請事業者の労働者ではない、例えば個人事業者のような方に対する指導・指示ということであれば、これは純粋に労基法上の労働者性の問題ということになってくる。このような指導・指示する側、される側、その立場によって扱いが変わるということにも留意をしながら整理をしていこうと考えています。
 5ページ目です。基本的な考え方としては、要は安全のためにやるような指導・指示につきまして、どういう場合に偽装請負に該当するのか、どういう場合に労働者性を肯定する要素になり得るのか、これを分かりやすく整理して、その基本的な考え方とともに留意が必要な事項をガイドライン等で具体的にお示しをしようという考えです。したがいまして、何か新しい判断基準を新たに示すとかそういうことではありませんで、偽装請負なり、労働者性については、既存の判断基準がありますので、そういったものに照らして、現場の困り事、現場で躊躇していることがどのようになるのかというのを分かりやすく、実例を基に整理をしていこうということです。
 こちらにガイドライン等の骨子のイメージとして書かせていただいているのは、ヒアリングの中で出てきた声を基に、それを類型化して分類したもので、まだまだざっくりしたものですが、こちらに書いているような観点でお示しできればと思っております。こちらもあくまでもイメージですが、例えば作業開始前の点呼や、作業中に作業者の体調の変化を把握した場合の指導・指示はどういった形でやれば問題ないのか、また、やる上でどういった所に注意をしなければいけないのかというような形で具体例をお示しできればと思っております。
 参考ですが、偽装請負かどうかを判断する際の区分基準というのがあるのですが、そういったものについての疑義応答集も示されておりますし、あとは労働基準法上の労働者性の判断基準についても通知等が示されているのですが、これだとなかなか実例を基に分かりやすいとは言えないものがありますので、こういったものに照らして、実際、現場で困っていることを分かりやすく整理しようという趣旨です。
 前回の分科会でも御紹介させていただきました規制改革実施計画においても、こちらの点が正に取り上げられておりまして、令和6年度措置と書いてありますが、6年度末を待たずになるべく早めにガイドライン等の形でお示しできるように、関係部署と調整しながら作業をしていきたいと思います。説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては、御発言がある旨チャットに書き込みをお願いいたします。それでは、会場の委員で御発言がある方、挙手をお願いいたします。中村委員、お願いいたします。
○中村委員 労働側委員の中村です。御説明ありがとうございます。この課題に対して、「安全上の指示」と「指揮命令」を峻別しておくことは、偽装請負の防止、又は労働者性の有無を判断する観点はもとより、事業者、発注者が適切な指示を行い、業務上災害を防ぐためにも大変重要と考えています。資料5ページに示されている、基本的考え方について、特段の異論はありませんが、その具体化に当たっては、資料7ページに記載されている解釈などと齟齬が生じないよう、整合を図っていただくとともに、今後、労働者性、使用者性の判断基準が見直された場合については、適切に修正いただくよう要請しておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか会場から御発言はございますでしょうか。出口委員お願いいたします。
○出口委員 出口です。御指名ありがとうございます。建設業では、契約のない関係請負人の労働者に対して、直接、作業指示を出さないように注意を払いながら施工しております。適正な請負契約を大前提とした上で、労働災害防止のため、緊急な対策を求められる場合に限り、元請けが関係請負人の労働者、個人事業主に対して、直接指示を行っております。今回、ガイドラインで明示していただけるということですので、異論等はございませんが、ガイドラインに明確にうたっていただき、現場の実態を踏まえて、分かりやすく、活字等だけではなく、図解やまた比較表を用いて分かりやすく周知、展開を図っていただきますよう、お願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか会場からは御発言はございますでしょうか。小澤委員お願いいたします。
○小澤委員 ありがとうございます。一言だけですが、我々の業界は、昔から労働者保護の観点から、これは危いと思ったら、躊躇することなく言ってくれと、止めてくれということを心掛けてやってきました。だから全く違和感はないのですが、どちらかというと、もう躊躇なくやる方向ばかりのほうに傾きがちになっているので、具体例を示されるときに、こういう場合はいいです、こういう場合は駄目だよというのを、是非バランスよく具体例を挙げていただけたらなと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの中村委員、出口委員、小澤委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございました。中村委員からの御指摘、アドバイスですが、具体化に当たり、各種の既存の基準と齟齬がないようにしっかりやっていきたいと思いますし、そのベース自体が見直された場合には、当然、こちらも修正することはあり得ると思いますので、そのとおりしっかりやっていきたいと思います。
出口委員からの点ですが、分かりやすい周知ということでした。まだこれから中身を精査していく段階ですので、いろいろな業種がありますので、その業種の実態に即して、どういう形で分かりやすい周知ができるかという部分については、また御相談させていただきまして、しっかりと周知が行き届くように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最後、小澤委員からの御指摘ですが、正にそのような形で考えておりまして、こういう形でやったら問題ないよと。ただ、同じことでも、こういう形でやると労働者性とか偽装請負とかに影響してくる可能性があるので注意が必要ですよという形で、両面、分かるような形でお示ししていきたいと考えております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。中村委員、出口委員、小澤委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。オンラインで御参加の委員で御発言はございますでしょうか。特に書き込みはないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
そうしましたら、本件につきましては、御意見を頂いたことを踏まえまして、事務局から説明いただいた方針で進めていただくことにしたいと思います。よろしくお願いします。
 
 続きまして、議題(3)「個人事業者等に対する安全衛生対策について(その5)」になります。前回は前回提出資料1に基づきまして、個人事業者等に対する安全衛生対策の各論②-2「発注者以外の災害リスク等を生み出す者等による措置のあり方」について御議論いただきました。11ページ目から始まる2つ目のカテゴリー、建築物貸与者の講ずべき措置について、事務局からの説明で終了をしております。当該カテゴリーにつきまして、まずは事務局から簡単に前回の内容の概要などを御説明いただいた後、委員の皆様からの御意見を頂ければと思います。それでは、事務局からよろしくお願いします。
○計画課課長補佐 それでは説明いたします。このカテゴリーについては、建築物貸与者の講ずべき措置を規定した安衛法第34条についてのものというところです。この規定については、現行で建築物貸与者が事業者に貸与する際に講ずべき措置を定めているところですけれども、12ページ目の論点の対応案としては、まず、現行で条文の適用が貸与を受ける者が事業者である場合に限られているところ、個人事業者等に貸与する際も、当該貸与者の措置を義務付けることとしてはどうかというところが1点目です。
 2点目ですけれども、現行で措置が求められている事業所、工場以外の建築物でも災害が発生していることから、規定が適用される「建築物」を事業の用に供される建築物としてはどうかというところが2点目。
 3点目は、建築物での災害実態を踏まえ、現行で建築物貸与者に求められている共用の避難器具の表示等の措置以外に、貸与を受けた者の占有部分以外の墜落危険箇所の周知などの措置を追加してはどうかというものです。ざっくりとしておりますが、概要は以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。こちらについて質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御発言がある方は挙手をお願いいたします。はい、袈裟丸委員お願いします。
○袈裟丸委員 ありがとうございます。12ページの2点目について発言します。屋外駐車場等、法令上の建築物に当たらない場合であっても、当該場所の管理に起因する災害は、建築物と同様に発生し得ると受け止めています。当該場所で働く個人事業者が存在する場合には、建築物貸与者によって、リスクに応じた災害防止措置が確実にとられるべきと考えます。監督行政による指導の対象となるよう、ガイドライン等で規定してほしいということを要望します。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほかに御発言はありますでしょうか。会場の委員はよろしいでしょうか。オンライン参加の委員で御発言がある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、袈裟丸委員の御発言について、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございました。船井のほうから回答させていただきます。今、袈裟丸委員から御指摘いただいたとおり、今回、対象にしている法律条文第34条というものの規定は、あくまでも建築物の貸与者に関する措置ではありますが、建築物に該当しない屋外の駐車場などでも実際に災害が起きているという御指摘は、この検討会の報告書を取りまとめる段階においても御指摘いただいたところです。したがって、法律条文上、なかなか対象にするというのはなじまないわけですけれども、それに準ずる形として、ガイドライン等で、屋外であっても、建物の場合とハードウェアのリスクというのはそれほど大きくはないにしても、災害につながる部分はありますので、しっかりリスクに応じた措置が徹底されるように、ガイドライン等でお示しをしていただいて、周知・指導に努めてまいりたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。袈裟丸委員、よろしいでしょうか。そのほか御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは続いて、前回提出資料1における次の論点カテゴリー、18ページ目から始まる「プラットフォーマー等仕組みを提供する者による措置」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 それでは説明いたします。このカテゴリーに関しては、配送などで多く使われるプラットフォーマーの関連で、個人事業者等が働く場合の措置というところを議論いただきたいということです。論点と対応案に関しては、次の19ページ目を御覧ください。
 プラットフォーマーに関しては、多種多様な業態が存在するところですけれども、ここでポイントとなることとしては、前々回に議論いただいた安衛法第3条3項の注文者に関する規定に該当するかどうかによって、対応していただく取組に違いが出てくると考えております。そのため、論点の1つ目としては、プラットフォーマーが注文者に当てはまるのはどのような場合かというところです。このプラットフォーマーが注文者に該当する場合に関しては、20ページにあるように、プラットフォーマー自身が直接的に仕事を他人に請け負わせる場合としてはどうかと考えております。
 また、アプリ等でマッチングなどの業務支援等のみで配達員などと関わるようなプラットフォーマーに関しては、この図に関しては、配達のプラットフォーマーを想定しているところですけれども、そういう場合においては、さすがに注文者には該当しないと考えられるところです。ただ、そのような場合についても、注文者に準じ、安全で衛生的な作業が行われるよう配慮を求めてはどうかというふうに、併せて考えております。
 これら注文者に該当する場合の配慮すべき事項、注文者に該当しない場合に配慮することが望ましい事項については、ガイドラインでお示しした上、関係者に周知をしてはどうかというところです。また、プラットフォーマーを含めた新たな働き方に対する規制については、今後とも弊省として諸外国の例を参考にして検討することとしてまいりたいと考えているところです。このカテゴリーについての説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件について質問、意見等がある方は会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。会場の委員から、山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 ありがとうございます。労働側の山脇です。資料20ページの図をもとに確認させていただきたいと思います。一番右側の配達員③について、下の分類のプラットフォーマーの位置付けを見ると、注文者に該当しないとされています。プラットフォーマーについては、仲介の場を提供するにすぎないということだと思いますが、アプリ等による業務支援の内容によっては、実質的に個人事業者をコントロールするケース、すなわち災害リスクを発生させるような場合も生じ得るのではないかと思います。そのため、請負契約や、業務委託などの契約の有無にとらわれることなく、実態に応じて、法3条3項の注文者と捉える必要があると考えています。災害リスクを生じさせる可能性があるにもかかわらず、今回のように、注文者に該当しないと一律に整理してしまうことで、配達員③のような保護が不十分な状態での働かせ方が助長されるということはあってはなりません。
 なお、事務局の提案や、19ページの最後に記載がありますが、今後、使用者性あるいは労働者性の見直しが行われた際には、時宜を得たプラットフォーマーの規制について、是非、本分科会で検討をお願いしたいということを申し添えておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場から御発言はありますでしょうか。先に出口委員、その次に鈴木委員でお願いいたします。
○出口委員 出口です。御指名ありがとうございます。先ほどの山脇委員と同様の意見です。この論点に対しては対応案が記載されているのですが、荷の配送業務の流れでは、配達員③のプラットフォーマーは注文者には該当しないとされております。しかし、プラットフォーマーの中には作業に影響力を強く持つ者もおり、③においても注文者並みの措置を求めていくことが肝要であると考えております。これらが業としてではなく、善意で契約や金銭が生じずに行われたマッチングであれば規制も不要と考えますが、業として生じるのであれば、当然、労働災害発生のリスクも大きくなるわけですから、③においても、力のあるプラットフォーマーは荷主をコントロールもできます。やはり、個人事業者のためにも注文者並みの規制を考慮すべきではないでしょうか。この点についてお伺いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続いて鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。ただ今の出口委員とは少し異なる観点から発言させていただきます。まず、フリーランス・ギグワーカーの方々、業務委託契約を締結して就労している方々が、労働者として実態があるにもかかわらず、そのように扱われないというようなことはあってはなりません。労働者性が的確に判断されること、また、個人事業者の方々が、もしかしたら自分は労働者の可能性があるかもしれないという認識を持つことは、大変重要ですので、その周知・啓発や、相談先となる監督署や、労働局における適切な相談体制の強化が必要だと思っております。
 注文者としての判断基準をさらに別枠で設けることは、非常に複雑になりかねません。私自身は、厚生労働省で示された業務委託関係の有無がを判断基準として考えを整理する、その上で、仮に注文者に該当しなかったとしても、望ましい取扱をガイドラインで示すことが適切な対応ではないかと思っているところです。私からは以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの山脇委員、出口委員、鈴木委員からの御発言について、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問・御指摘ありがとうございます。船井のほうから回答させていただきます。若干、皆様に共通する部分もあったと思います。まず、注文者に該当するかどうかという部分ですけれども、資料18ページ目の下のところに、安衛法第3条に規定しておりますけれども、この第3条第3項の配慮規定の対象となるかどうかというところで整理をしたわけですが、この書きぶりから言いますと、「他人に請け負わせる者は」と言っておりますので、その実態が請け負わせているかどうかというところで判断せざるを得ないと考えております。したがって、20ページの一番右の絵の黒い矢印の「マッチングの場の提供」というところが、これが請負になるのかどうか。要は荷主と配達員との関係だけの業務委託契約にとどまらず、お金の取り方であるとか、仕事の与え方というのが、プラットフォーマーと配達員との関係で請負と言えるかどうかというところで判断せざるを得ないと思っております。ただ、現在、世の中にある配送のマッチングなどを見ると、なかなかそこまでは言えないのではないのかなと思います。荷主と配達員との関係で仕事がマッチングしたら荷主のほうからプラットフォーマーに手数料が入るというような業態をとっているということになると、プラットフォーマーと配達員との間に請負関係があるというのはなかなか難しいのではないかというところです。
 ただ、今回、御提案させていただいているのは、それが難しいとしても、アプリ等による業務支援等が、その仕事を行うに当たってのリスクにつながっているということもあるのではないかと。ここの赤い矢印が労働者性になるかどうかというのは、それはまた別の話としてありますが、労働者性うんぬんは置いておいて、この業務支援というのが災害リスクを生み出すのであれば、注文者並みに、第3条第3項に基づいてということではないですけれども、それに準ずるような形でしっかりと対応していただきたいということをガイドラインでお示しをしていこうと。そういう趣旨ですので、御理解を頂ければと思います。
これは皆様に共通していた部分だと思いますので、大体お答えになっているのかと思いますが、ちょっと不十分だったら、また御指摘いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。山脇委員、出口委員、鈴木委員、追加で何かありますでしょうか。
○山脇委員 回答ありがとうございます。主任のほうから御回答いただいたとおり、現状だけで見ると、ある程度この形で整理するということに関して違和感はありません。ただ、過去の経過を見ると、個社名は出しませんが、一部の事業者においては今回の整理に抵触するような事象があったのではないでしょうか、そういう事象が発生した場合に、この考え方で対応できるのか危惧しています。この先も盲従して現状の整理を続けて良いということではないと思いますので、その点付け加えておきたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。事務局からよろしいでしょうか。
○主任中央労働衛生専門官 御指摘ありがとうございます。その点も含めて、対応案の一番下にありましたように、プラットフォーマーと一口に言っても、いろいろな業態がありますので、今、御指摘があった点も含めて、どういう規制があるのか、規制すべきなのかどうなのかも含めて、諸外国の例も参考にしながら、引き続きウォッチしながら検討していきたいということです。以上です。
○髙田分科会長 続いて鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。繰り返しになってしまい申し訳ないのですが、フリーランス、ギグワーカーの方々がの労働者性を判断したときに、当てはめの結果として労働者になり得るというところは、しっかり押さえていただく一方で、注文者かどうかは厳格に判断し、適正な運用をお願いできればと思います先ほどの発言の趣旨が少々分かりにくかったと思いますので、補足させていただきます。
○主任中央労働衛生専門官 どうもありがとうございます。理解いたしました。要は形の上では業務委託なり請負だということでも、実態としては労働者になり得るということと、労働者という御認識で活動されている方もいらっしゃるというのは御指摘のとおりだと思います。その部分については、安全衛生だけの話ではないですけれども、労働者性の判断は、監督署等で現在もしっかりやっていますが、引き続きしっかりやっていくという方向だと思いますので、関係部署ともまた共有しながらやりたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 鈴木委員、よろしいでしょうか。続いて及川委員、御発言をお願いいたします。
○及川委員 事務局の御説明でクリアになりましたし、理解いたしました。今後の実際の実態を見て、是非、フォローしていただきたいと思います。プラットフォーマーは巨大であり、インターネットの中の話ですので、大変見えにくいということもあり、深く深くネットのほうに入っていくと、かなりいろいろなことがあり、スピーディにとりあえず当面の問題を回避するような場面も見られ、優越的な地位にあることから、引き続き注視しながら、実態に合わせて、しっかり御判断いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほかに会場から御発言はありますでしょうか。それでは、及川委員の御発言についてお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御指摘ありがとうございます。御指摘も踏まえて、引き続き、しっかり状況をウォッチしながら検討していきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 及川委員、よろしいでしょうか。オンライン参加の委員については、チャットの書き込みが現時点ではないようですけれども、御発言を御希望の委員はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 
それでは、前回提出資料2の「個人事業者等に対する安全衛生対策について(各論③-1)」についてです。こちらも、前回分科会では資料をお示しするのみで、事務局の説明や委員の皆様からの御意見等が頂けておりませんでした。こちらについて事務局から説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 計画課の藤井です。私から御説明させていただきます。前回提出資料2を御覧いただければと思います。2ページは、何度かお示ししている、この分科会における議論の進め方のチャート図です。総論の①②を御議論いただいた後、今まで各論②を御議論いただいておりましたので、各論③として2つ御用意しております。この資料では、その1つ目の「災害報告制度」について御議論いただくということで御用意しております。
 具体的には3ページからです。論点と対応案ということで、今から御説明いたします。災害報告制度については、検討会報告書の中でと言いますか、検討会の中でほかの論点よりもかなり詳細に御議論いただいてきたところです。現状、昨年の10月にお示ししている検討会報告書でも、かなり詳細な運用の部分まで記載がなされています。ですから、これまでの各論②の中では、1つずつ検討会報告書の記載をさらう形で論点化して対応案をお示ししてきましたが、この報告書では、災害報告制度について、議論の中身を検討会報告書から少し抜粋する形で論点化し、その対応案をお示ししているところです。詳細な運用の部分については、最後に御説明させていただきます。
 また、今までの各論②では、大きくカテゴリーに分けて御説明しておりましたけれども、災害報告制度については、全体を通じて1つの大きな流れの中での御説明になりますので、資料を通じてカテゴリーを分けずに御説明させていただく点を御了承いただければと思います。
 それでは早速、中身の3ページです。こちらは論点と言うよりは、業務上災害の報告制度についてどう考えるか、そういう仕組みを設けるべきかどうかというところを、大きな最初の前提としてお示ししております。上半分の点線囲みの中は、検討会報告書の記載です。線は引いておりませんが、(1)の後半に記載があるとおり、個人事業者等の災害発生率等々を見ますと、一概に比較することはできないものの、労働者と比べて高くなっている場合もある等、相当数の災害が起きている状況です。
 そういったことも踏まえて、点線囲みの下側に下線が引いてありますが、個人事業者等の業務上災害については、網羅的に把握する仕組みが現状ではありませんが、対策の企画・立案に当たっては、災害把握のための仕組みの構築が必要不可欠ではないかと。こういったところを出発点として、詳細な中身について御議論いただいてきたところです。そういうことも踏まえて、論点としては、業務上災害を把握するための仕組みについてどう考えるか。我々としては、報告書も踏まえ、現状、網羅的に把握する仕組みがないことから、業務上災害の把握のための監督署への報告に係る仕組みを構築することとしてはどうかと考えており、出発点としてお示ししているものです。
 次に4ページ以降で、具体的に報告制度をどういった中身・構築・立て付けにしていくかを、幾つか論点でお示ししております。4ページ以降は、報告書の中身を引っ張る形で参照も入れております。4ページでいきますと上から3行目に、「ア 報告対象」という記載があります。報告書の中では、ア、イ、ウ、エ、オという形で報告対象とか、次のページの報告主体という形で観点別にお示ししておりますので、それに沿った形で、この資料でも論点をお示ししております。
 まずは「報告対象」です。論点の中でも、監督署への報告を義務付ける業務上災害の対象をどのように考えるべきかというものです。後ほど、義務付けではない情報提供という形で、報告と言いますか、監督署への情報を頂くところを御説明させていただきますが、ここでは義務付ける形で、報告の義務付けの対象をどうすべきかを論点としております。それについての対応案としては、現状、労働者であれば労働災害ということで、労働者死傷病報告の監督署への提出を義務付けていますが、それについては休業4日以上かどうかで報告の立て付けが大きく異なっております。具体的には四半期に一度遅滞なく報告いただくか、そういった立て付けも踏まえて、対応案にあるとおり、監督署への報告を対象とする個人事業者等の業務上災害については、今申し上げたような労働者死傷病報告の規定も踏まえ、休業4日以上の死傷災害で義務付けの対象と考えてはどうかということでお示ししております。下は参照条文なので、説明は割愛します。まずは大きく、4日以上の死傷災害を対象として掲げております。
 続いて論点が変わって、5ページ以降が「報告主体」です。どなたが監督署に御報告いただくかという観点です。5、6ページは、検討会報告書の記載をなぞっておりますので、具体的な論点は、7ページ以降で御説明させていただければと思います。7ページに論点を1つ掲げております。業務上災害の監督署への報告主体についてどのように考えるべきかということで、報告主体の話です。7、8ページの2ページにかけて、基本的な考え方をお示ししております。まず7ページの1つ目の対応案の○では、どなたに御報告いただくかということに関する基本的な考え方をお示ししております。記載のとおりですが、報告制度の目的が、今後の災害防止対策の企画・立案に資するためであることを踏まえますと、その報告主体になっていただく方は、①②にあるとおり、被災時に個人事業者が行っていた業務の内容を把握している方、又は災害発生場所の状況を把握している方に御報告いただくことが、制度の趣旨の観点から適当ではないかと考えております。
 そういったことを踏まえますと、これらをいずれも満たしているのは、2つ目の○にあるとおり、被災者である個人事業者御自身はもちろん、そのほかに仕事の注文者であって、災害発生場所において何らかの業務をなされている方、報告書では「特定注文者」と呼んでいる方です。また、事業場等の災害発生場所を管理される事業者の方、こちらは報告書では「災害発生場所管理事業者」と呼んでおります。こういった方々が、先ほど申し上げた考え方に合致する方ではないかと考えております。
 また、少し細かい話として、3つ目の○に特定注文者の考え方があります。注文関係があるということで、重層請負構造等が仕事によって行われているような場合は、基本的に直近上位の注文者に特定注文者になっていただくことを想定しておりますが、直近上位の注文者が災害発生場所に来ることが一切ない場合もあります。そうなると先ほど申し上げた、その場所で何らかの業務を行っているというところには当てはまらなくなるわけです。その場合は1つ請負関係を遡って、災害発生場所で業務を行っている1つ上位の注文者に特定注文者になっていただきます。上位の直近の方というのは変わらないのですが、その場で何らかの作業をされているかどうかで、請負関係を遡っていただくことを想定しております。遡っていただく中で、何らかの作業を行っている最も被災者に近い注文者を特定注文者としてはどうかと考えているものです。
 続いて8ページです。1つ目と2つ目の○では、個人事業者等御自身の関わり方と言いますか、報告に対する関与の仕方について記載しております。1つ目と2つ目の○は、場合分けの違いです。1行目で分けておりますように、個人事業者等御本人が、災害発生の事実を伝達・報告することが可能か不可能かという場合分けで書いております。原則としては、1つ目の○にあるとおり、御本人から御報告いただくことが可能な場合は、個人事業者御本人に、前ページでお示しした特定注文者又は災害発生場所管理事業者への報告を義務付けます。これは第1段階目の報告という感じで考えております。そういう第1段階の報告を義務付けるとともに、当該報告を受けた特定注文者、特定注文者が存在しない場合は災害発生場所管理事業者を想定しておりますが、そういった方々が当該第1段階の報告の内容を踏まえ、必要に応じて業務の内容や場所の状況等々を補足していただいた上で、当該特定注文者等に対して監督署に報告することを義務付けるという形で考えてはどうかとしております。個人事業者等御自身から特定注文者等への第1段階目の報告、かつ、特定注文者等から監督署への第2段階目の報告といった形で、義務付けてはどうかと考えております。以上1つ目の○が、伝達・報告を御本人からいただくことが可能な場合でした。
 2つ目の○では、それが不可能な場合について記載しております。典型的にはお亡くなりになった場合などを想定しておりますが、そういった場合は先ほど申し上げた第1段階の報告ができないわけですから、第2段階の報告、特定注文者等から監督署に対する業務上災害の報告を義務付ける形にしてはどうかと考えております。これらが基本的な報告主体の立て付けです。
 今までは個人事業者等という定義で考えた中で、いわゆる個人事業者の被災を念頭に御説明してきましたけれども、3つ目の○はそれとは少し違って、定義の中では個人事業者等の「等」で考えておりました中小企業の事業主若しくは役員という場合を、3つ目の○で記載しております。その場合、基本的に所属企業があるわけですが、所属企業がある場合は当該事業場の中で労働者が被災された場合は、通常、今までも労働者死傷病報告という形で事業者から監督署に対して御報告を頂いているところなので、立て付けとしてはその形が近いのではないかと考えております。要するに労働者が被災された場合に、事業者が監督署に御報告いただいているわけですが、その事業場の中で労働者ではなく、社長や役員が被災された場合ということなので、同じスキームにのっとって、各事業場のほうで労働者を御報告いただくのと同じ形で、事業主又は役員に関しても御報告を頂くということを義務付けてはどうかというものです。
 最後が4つ目の○です。今までのところを踏まえて、4月の分科会で総論①②を御議論いただいた中で、総論②の考え方ということで、法令で個人事業者の保護・措置義務を掛けるのはどのような場合かということで、労働者と同じ場所で就業する場合という前提に置いて、各論の中でも御議論を頂いてきたところなので、今回の報告制度についても、そういった総論②の考え方を踏まえて、今、縷々申し上げた報告を義務付けるのは、災害発生場所において個人事業者等が労働者と同じ場所で就業する場合に限ることとしてはどうかという形でお示ししております。※にもあるとおり、異なる場所で就業していた場合、義務付けにはしませんが、情報提供という形で御報告いただくことにしてはどうかと、事務局としては考えております。以上が報告制度の一番基本的な部分の考え方です。
 少し例外と言いますか、いわゆる義務付けにならない場合にどうするかというところをお示ししたのが、9、10ページです。論点の形では10ページでお示ししておりますので、10ページを御覧いただければと思います。今までは労働者と同じ場所で就業していた場合を要件として御説明してきましたが、労働者とは異なる場所で就業していた場合とか、報告主体として御説明してきた特定注文者や災害発生場所管理事業者がいらっしゃらない、いずれも存在しない場合、こういったいわゆる義務付けにならない、要件に当てはまらない場合はどうするか。報告義務対象とはならない業務上災害については、災害把握の観点からどう考えるかということです。
 こちらも対応案でお示ししております。この資料は、先ほど分科会長からもお話がありましたが、前回は資料だけをお示しして、具体的な御説明ができていなかったところです。資料は基本的に前回お示ししたままですが、10ページの対応案の1つ目の○の前半部分のみ、少し追記させていただく形で今回お示ししています。中身としては、休業4日以上の報告義務対象の業務上災害について、今申し上げたとおり、労働者とは異なる場所で就業していた場合については、報告義務の対象とはしないという形で考えておりますが、しかし、そういった場合であっても、特定注文者等がいらっしゃれば、その方に対して情報提供を求めることとしてはどうかということで、義務付けではない形の中での情報提供を求めることとしてはどうかということをお示ししております。
 また、そこに記載があるとおり、個人事業者等が一般消費者から住宅建築を元請として請け負った場合等、特定注文者等がそもそも存在しない場合についても、報告義務の対象とはしませんが、ポツでお示ししてあるとおり、個人事業者御本人が所属されている業種・職種別団体に加入している場合は、そういった団体が監督署に情報提供できる形にしてはどうかと考えております。これが大きな1つ目の○の部分です。
 2つ目の○については、こちらも報告義務対象ではないもので、休業4日未満の場合です。その場合も、そちらに記載があるとおり、幅広に災害の実態等を把握するという観点で、個人事業者等自身や個人事業者等が加入する団体が監督署に情報提供できる形にしてはどうかということで、このページは、いわゆる例外的な形として考えているところです。
 11ページは、今まで申し上げた報告主体の考え方をイメージ図でお示ししたものです。同様の資料を検討会の中でもお示ししたことがありましたが、報告義務か情報提供かというところで、11ページの矢印の図の中で、イメージ図として今申し上げたことを整理したものです。こちらは御参考です。ここまでが「イ 報告主体」という一番大きな中身です。
 12ページ以降は、続いて報告時期等々をお示ししております。12ページの前半は「ウ 報告時期」ということで、災害報告の報告時期(頻度)についてどう考えるかです。対応案でお示ししているとおり、冒頭でも申し上げた、現行の労働災害の死傷病報告は、休業4日以上の労働災害の死傷病報告については、「遅滞なく」報告を求めるということとしておりますので、そういったことも踏まえて、今回の業務上災害についても休業4日以上の災害を対象とすることを考えておりますので、報告義務については遅滞なく報告を求めることとしてはどうかと考えています。
 続いて、同じページの下半分の「エ 罰則の適用」です。報告義務という形で義務付けた場合の災害の報告について、罰則の適用はどうするかというところです。こちらも対応案でお示ししているとおりです。考え方として、今回報告主体となっていただく特定注文者等にとっては、被災された個人事業者等との関係でいけば、雇用関係はないわけですが、特定注文者であれば、請負関係や発注関係があることが多いですが、特定注文者ではない災害発生場所管理事業者は、請負関係もない方の災害について御報告いただくということを踏まえれば、事業者が雇用する労働者の労働災害について報告を行う労働者死傷病報告と同じように罰則を適用することは適当でないと考えられます。そこで報告を義務付ける場合は、「罰則なしの義務規定」としてはどうかということで考えております。
 続いて13ページの「オ 報告事項」についてです。こちらは何を御報告いただくかです。検討会報告書においては、点線囲みの中にあるような観点を記載しておりましたが、災害報告の報告事項については、対応案の一番下にも記載しておりますが、報告事項については、対策の企画・立案の観点から、個人事業者等の業務上災害の概要を把握するために必要な項目として、労働者死傷病報告という現行の制度の報告内容を参考とした上で、加えて、特定注文者等の報告者に関する情報や、被災された個人事業者の労災保険の特別加入の有無については、追加と言いますか、現行の労働者死傷病報告にはない報告事項かと考えておりますが、こういった特別加入の有無等を加えて御報告いただくことを求めることとしてはどうかと考えております。労働者死傷病報告をベースにしつつ、必要な部分を幾つか追加させていただければという形で考えております。以上が報告の内容です。
 14ページは、何度か申し上げた現行の労働者の労働者死傷病報告の参照条文なので、御参考にしていただければと思います。
 続いて15ページ、「カ 報告を行ったことによる不利益取扱いの禁止」についてです。先ほど災害の報告制度の報告主体の中で、いわゆる2段階の報告を御説明いたしました。記載された個人事業者等御自身から特定注文者等への報告と、それを踏まえた特定注文者等から監督署への報告という、2段階の報告を御説明しましたが、その1段階目、被災された御本人から特定注文者等への報告を行ったことを理由とする、特定注文者等による不利益取扱いの禁止について、どう考えるかというものです。これについては対応案にあるように、そういったことを理由とする不利益取扱いを行ってはならないこととするべきではないかと考えております。
 ただ、現行の法律上記載されているような、雇用関係にある労働者であれば解雇等、不利益取扱いの中身はある程度分かりやすいかと思うのですが、今回は報告者と被災者御本人の関係が請負関係だったり、場所の管理の関係だったりということなので、何がその関係の中で不利益取扱いに当たるのかという具体例については、代表的なものを法令で明示するとともに、全体については通達等でお示しすることとしてはどうかと考えております。これが不利益取扱いの禁止の関係です。
 続いて16ページからが、「業務上の脳・心臓疾患及び精神障害の報告の仕組み」についてです。今まで申し上げてきた報告制度の内容は、特に災害の中身と言いますか、種類については問わない形、限定しない形での御説明を申し上げてきましたが、業務上の脳・心臓疾患及び精神障害に関する災害については、少し考えるべき点が違うのではないかということで、検討会でも分けて御議論いただいてきたところです。分けて考える観点というのは、16ページの検討会報告書の点線囲みの中の1つ目の○の中にも、例示ということでポツが記載されております。脳・心臓疾患や精神障害の原因の特定がそもそも困難な場合があるとか、発注者等、仕事の受託に関わる者による報告、今まで申し上げてきたような報告を想定した場合、不利益取扱いの懸念があるとか、そもそもメンタルヘルス等に関しては個人情報の保護に留意する必要があるといった観点で、分けて考えるべきではないかということで御議論いただいてきたところです。
 そういったことも踏まえて、脳・心臓疾患及び精神障害の報告については、17ページでお示ししているような、少し違った形での報告の仕組みを考えてはどうかと考えております。対応案にもありますが、結論としては、原因の特定が困難な場合とか個人情報保護の観点から、他のそれ以外の業務上災害とは区別して、個人事業者御本人が労働基準監督署に報告することができるという仕組みを整備し、義務付けにしない形で、御本人からの報告を仕組みとして整備することとしてはどうかと考えています。そういった形での仕組みを前提として、この災害の種類については、いわば特定注文者等による報告の義務付け等には入れない形で考えております。
 3つ目の○にあるとおり、報告事項については、先ほど申し上げたとおり、ほかの災害と同様に労働者死傷病報告の中身を参考にしながら、特別加入の有無等は追加で御報告いただくことを考えておりますが、基本的には同じ立て付け・考え方で報告内容を考えてはどうかということでお示ししております。以上、脳・心臓疾患及び精神障害に関しては、少し別の仕組みということで御説明させていただいております。
 最後が18ページ以降ですが、19ページを御覧いただいたほうが分かりやすいかと思います。冒頭に申し上げたとおり、検討会報告書に記載された内容の中でも、主要な部分について論点化して、対応案を御説明する形で資料としてもお示ししておりましたが、19ページにあるとおり、検討会報告書はかなり詳細な部分まで運用の中身が記載されておりますので、そういった詳細な運用についてどう考えるかというところで、1つの大きな考え方として19ページで御説明しております。
 対応案ですが、まず監督署への報告義務主体ということで考えている特定注文者等については、何度か申し上げているとおり、雇用関係とか、場合によっては請負関係にもない場合の災害の報告ということなので、こういった報告については、電子申請システムを活用した形で、報告者にとって過度な負担とならないような環境整備を図った上で、報告制度の普及・定着を図ることとしてはどうかと。大きなところとしてはそういった詳細な議論の中で、報告書にも1つ記載しているところです。
 こういった形で、かなり詳細な部分が検討会報告書に記載があり、2つ目の○の「その他」に例示として挙げております。先ほど申し上げたように、個人事業者御本人が第1段階の報告として報告いただくことが不可能な場合というのはどういう場合かというところで、検討会報告書でも、典型的にはお亡くなりになった場合若しくは入院中の場合など、具体的例示は入れているのですが、正に具体的なケースについては通達等で提示するべきである等々、検討会報告書の中でも幾つか提示を頂いているところです。そういったところも含めた報告制度の更に詳細な運用等については、検討会報告書に示されている事項とか、この分科会でも御議論いただいた事項を踏まえて、ガイドライン等の形でお示しすることとしてはどうかと、考え方としてはそういった考え方を取っているというものです。
 20ページ目以降では、検討会報告書における業務上災害の報告制度の中身の全体をお示ししております。太字と薄字があり、太字は、今まで論点化してこの資料で幾つか論点立てして御説明してきた点です。薄字は、そうではない点です。いずれにしても先ほど申し上げたとおり、詳細な運用については、御議論を踏まえてガイドラインの形等を考えていければと考えているところです。大変長くなってしまって恐縮ですが、説明としては以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。個人事業者等の業務上災害の報告制度について、業務上災害の報告の仕組みについて、報告対象、報告主体、報告時期、罰則の適用、報告事項、報告を行ったことによる不利益取扱いの禁止、業務上の脳・心臓疾患及び精神障害の報告の仕組み、それから詳細な運用等のあり方について御説明をいただきました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まず会場の委員から、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。御指名ありがとうございます。災害報告に関しましては、検討会から出席して協議に加わってまいりました。おおむね異論はございません。ただ、個人事業者等に何が一番良いのか、懸念している部分が1点ございます。
 個人事業者等の業務災害報告制度に係るイメージ図を見ていただければと思います。資料の11ページです。個人事業者等の業務上災害報告制度に係るイメージ図がございます。休業4日以上の死傷災害で個人事業者等が災害の事実を伝達することが可能な場合において、建設業では個人事業者等の上位事業者が特定注文者となり、直近上位者が履行できない場合には、その上位者が報告義務を負うことになります。しかし、商業施設等のバックヤード等で個人事業者等が被災して業務災害を負った場合には、契約上の直近上位者、つまり特定注文者がいないとされ、個人事業者が直接施設を管理する災害発生場所管理事業者に報告しなければなりません。災害発生場所管理事業者が監督署に届けるように、検討会では決まっております。
 その後、個人事業者の方々から話を聞く機会があったのですが、休業4日以上の死傷病災害で、個人事業者等が災害の事実を伝達することが不可能な場合は仕方ないとしても、災害の傾向を見ますと、災害統計では、つまづき・転倒等の、被災者の過失度が高い、そういう災害が直近では増えております。契約もない災害発生場所管理事業者に、自分の落ち度である休業報告は負担が大きいという話がありました。個人事業者の精神的、肉体的な負担も考えれば、これらの場合においても、その場にいないとしても、直近上位者の事業者にも災害を発生させる要因もあり、責任及び働きを持たせるべきではないでしょうか。最終報告者が災害発生場所管理事業者で、監督署に報告する形でも異論はないのですが、これらの直近上位者の事業者にも責任及び働きを持っていただくべきではないのかと。新しい試みですので、個人事業者等が安心して利用してもらえるべきものにするという観点から、懸念する部分が出てきましたので、皆さんの御意見も伺いたいと考えております。以上です。
○髙田分科会長 御発言、ありがとうございました。そのほか、御発言はありますでしょうか。山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 ありがとうございます。私も検討会に参画させていただきましたが、こちらの報告制度については、検討会で最も多くの時間を費して、異なる意見が多くある中で、それぞれが少しずつ譲り合う中で現在の結論に至ったものです。従いまして、検討会報告書に沿って制度化されるべきと考えます。
今般提案された内容はおおむね報告書に沿ったものであると認識していますが、報告書と異なる取扱いがされている点もあります。具体的には、8ページの最後の○の所です。「上記の報告を義務付けるのは、災害発生場所において個人事業者等が労働者と同じ場所で就業する場合に限る」とされている点について、検討会報告書では、労働者と同じ場所で就業している場合に限るとはされておらず、このような限定がされていません。
 この災害報告制度を設ける最大の目的は、個人事業者の災害実態をより多く把握することだと思います。多くの事例を把握することで業務上災害の防止につなげていくという制度創設の目的と照らし合わせると、同じ場所で就業している労働者の有無にかかわらず、報告は義務化されるべきではないかと思っています。特に今回は罰則を設けないということですので、限定を付けずに報告が義務化されるのがあるべき姿ではないかと思っています。
 そこで、事務局に2点お伺いします。この「総論②の考え方を踏まえれば」という一言で書かれていますが、労働者と同じ場所で就業している場合に限定した理由について、改めて教えてください。
 もう1つ、労働者と同じ場所で就業していない場合の具体的な例はどのようなものがあるのでしょうか、想定が限定的なのかそうでないのかによって受け止めが大きく異なると思いますので、教えていただきたいと思います。ほかの論点に関して発言したいこともありますが、先ほどの出口委員との関係もあるので、まずはこの点について回答をお願いします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの出口委員と山脇委員の御発言について、整理するため、まず事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御指摘、御質問ありがとうございます。まず出口委員からの御指摘ですが、この11ページの流れで、まずは制度的にはこれで行くとしたとしても、この特定注文者がいない場合、要は仕事の注文者はいるのですが被災場所で作業していなかった場合、この場合は特定ではない注文者がどこかにいるというわけだと思うので、その方に対しても個人事業者の方から災害の状況をきちんと伝えるべきではないかという、こういう御指摘だと理解をいたしました。
 その点については、この報告制度という意味で、監督署に出していただくに当たり、この災害発生場所管理事業者にきちんと情報が行き届いて、必要に応じて追加事項を書いて出していただければいいので、制度としてはこちらで言い尽くしているのかと思います。
 一方で、特定注文者ではない注文者も、その注文の状況によってはいろいろ災害リスクに影響を与えることもあろうかと思います。そういった中で、どういう内容で注文をした結果、どういう災害が起きたのかというのを把握しておくということは、これは今後の注文に当たっても一定有効なのかなと思います。したがいまして、この災害報告制度とは別に、そういったことを推奨するというのはあり得るのかと思います。
 もう1つ、この災害報告制度において、先ほど出口委員からもありましたとおり、請負関係にもない災害発生場所管理事業者に、被災者である個人事業者が直接情報を伝達するというのは、なかなか難しい面もあるのではないかという御指摘でした。ここは我々としては、しっかり周知して理解を求めていこうと思っておりますが、そういった報告・伝達がきちんとなされる中で、特定ではない注文者が間に入って、それをサポートしていただくということは実態としては十分あると思います。そういったやり方も可能なのだということをお示ししていくことは、十分今後の詳細を詰める中であり得ると思いますので、御意見を踏まえて詳細な検討を進めていきたいと思います。
 山脇委員からの御指摘ですが、まず1点目です。8ページの4番目の○、なぜ労働者と同じ場所で就業していた場合の被災に限ることとしたかという理由ですが、ここの総論②の考え方というのは、繰り返しになってしまいますが、まず労働安全衛生法の既存の枠組みを使って対応するという前提があります。その際に、やはり労働者もいない全然独立した場所で個人事業者の災害を普遍的に保護するという法制の体系には安衛法というのはなっていないのではないかと。やはり労働者と同じ場所で就業する場合について、法律上の義務なりを課すことができるのではないかと。そういう議論がありましたので、それを踏まえますと、災害報告制度についても、罰則なしとはいえ義務を課すものですので、同じ考え方に基づいて、労働者と同じ場所で被災した場合については、義務として報告を求めるということで整理をさせていただいている次第です。
 しかしながら、御指摘のとおり、幅広に災害を把握するということは重要だと思います。そのため、10ページにありますように、休業4日以上の災害について、労働者とは異なる場所で就業していた場合に発生したものについては、義務の対象とはしないのですが、特定注文者等に対して情報提供を求めるということをガイドライン等でお示ししていきたいと。これによって、なるべく幅広に災害を捉えていきたいと思っております。
 今申し上げましたような、労働者とは異なる場所で被災したような場合、そういう状況であるけれども特定注文者等が存在するような場合というのはどういうケースがあるのかということです。11ページのポンチ絵を見ていただきますと、真ん中辺りに線がありますが、まず災害発生場所管理事業者がいるということは、災害発生場所で何らかの事業を行っている人がいるので、そこに労働者がいるということは間違いないので、このケースは除かれます。
 したがいまして、特定注文者が報告主体になる場合で、かつ、同じ場所で就業している労働者がいない場合ということになります。こういう場合はどういうものが考えられるかというと、例えば個人から住宅建築を請け負ったような、個人事業者である特定注文者が、更に個人事業者に対して仕事を下ろしているような場合。そういう場合というのは、その現場には労働者は1人もいないということになります。そういう場面に限定されるのではないかと、結構レアケースなのかなと思います。あとは、中小企業の社長さんと役員さんだけで作業を行っていたような場合というのも考えられるのかなとは思います。ただ、そのようなケースはそんなに多くないのかなと思いますので、多くの災害というのは義務として把握できると思いますし、そうではない部分についても、ガイドライン等でしっかり出していただくように周知・指導を徹底してまいりたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。出口委員、山脇委員、いかがでしょうか。よろしいですか。続きまして、中村委員、お願いいたします。
○中村委員 中村です。先ほど山脇委員からも意見があり、御回答も頂いたところなのですが、私からも、報告の義務対象を個人事業者が労働者と同じ場所で就業する場合に限るという点について、林業における災害の実態を踏まえて発言をしたいと思います。
 先月、青森県で、一人親方が伐倒作業中に伐倒木が激突して死亡するという災害が発生しました。国有林の立木を買い受けた業者から委託を受け、1人で作業を行っておりました。夜になっても山から帰宅しないため、家族から通報を受け、警察と同行して被災労働者の発見に至ったものでした。こういった事例もあるように、林業の場合、同じ山、森林で作業を行っているにもかかわらず、範囲が非常に広範であることから周囲に労働者がいないというケースもあり、被災者発見に2時間以上の時間を有する事例というのが、非常に多い実態があります。それゆえ、この間、助かる命も助からなかったケースがあったのではないかと思っています。
 このような災害を発生させないためにも、広く注意喚起を行い、今後の対策を講じる上で、個人事業者等の災害発生の事実を報告させるということは、非常に重要であると思っています。先ほど御回答も頂きましたが、本来ならば、同じ場所で就業している労働者の有無にかかわらず報告を義務化することの意義は非常に大きいものと、考えます。
 そこで、2点ほど確認したいのですが、労働者と同じ場所で就業する場合の考え方について、先ほど私が事例として挙げた死亡災害のケースでは、報告義務が課されるのでしょうか。また、労働者と同じ場所について、どのぐらいの範囲を労働者と同じ場所として考えられているのか、御見解を教えていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほか、会場からは御発言がありますでしょうか。そうしましたら、中村委員の御発言について御回答いただいた後、宮内委員から質問があるということですので、その次に御指名いたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。船井から回答させていただきます。御質問が2点あったと思います。1点目が、御例示をいただきましたような事案で報告義務がかかるかどうかということでした。国有林事業というお話でしたので、国が発注者になるのだと思うのですけれども、そこから実際に作業を行っていた個人事業者の方に、どういう形で仕事が行き届いていたのかというところの実態判断になるかとは思います。例えば、国有林の伐採の事業というのを、労働者を使用して事業を行っているような事業者の方が受けて、それを部分的に個人事業者の方に下ろしていたのだと。それで、作業が行われていたある区画においては、その事業者が使用している労働者も、場所は離れているかもしれませんが作業を行っていたということであれば、特定注文者若しくは災害発生場所管理事業者ということで、報告義務の対象になり得ると考えます。
 そうではなく、例えば、国有林を国から直接個人事業者の方が請けて、余りないとは思いますが、国が直接そこで作業を行っているわけではないような場合については、そもそも特定注文者も災害発生場所管理事業者も存在しないので、報告義務は発生しないということになろうかと思います。
 労働者と同じ場所でというところがどれぐらいの範囲なのかということですが、これは、いろいろ業種や作業の状況によって異なりますので、一概にこの広さとはなかなか言えないと思います。ただ、お互いに影響し合うような範囲というのは少なくとも入ると思いますし、この辺りの詳細な考え方というのは、またこの制度がある程度固まった段階で、解釈等でお示しする必要があると思っております。また、注文者対策の所でも御議論いただきました、一の場所の考え方も似たような概念になってくると思いますので、併せて整理の上、考え方はお示しする必要があると思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。中村委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。では続きまして、お待たせしました、宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員 また同じような質問で申し訳ありません。まず、業務上災害の報告制度については私も賛成です。この報告制度を基にして分析をして、更なる災害防止につなげられるような方法を考えていくことは絶対に必要だと思っております。それを踏まえて、例えば、どうやって被災した人たちをサポートしていくのか、労働者に準じて保護をしていくということが次の課題になっていくと思うのです。例えば、13ページに書いてありますように、現状でも労災保険の特別加入制度がありますので、そういう形で生活の保護をするというのも一つの方法だと思います。こういった保険制度の特別加入制度などの今後の見直しや、加入要件の緩和などはどのようになってくるか、私も勉強しておりませんので、教えていただきたいと思います。
 それから、もう1つは、高年齢者雇用安定法も次のものが出てきておりますので、ますます対象者が高齢になってくるということも危惧されます。その中で、どういうふうにやっていけば事故が防げるかというのは、非常に大きな課題にこれからなってくると思っております。そのことも踏まえ、何か今後の動き、そういった解析を通してやっていかなければいけないと思うのですが、それは……のほうからずっと触れている内容ですが、そのリスクのコントロール等について、どのように活用するか、もし具体的に何か検討していることがありましたら教えていただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、オンラインで御発言を御希望の委員はいらっしゃいますでしょうか。チャットの書き込みはないようですので、よろしいでしょうか。そうしましたら、宮内委員からの御質問について、事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。船井から回答させていただきます。2点あったと認識しております。1点目については労災保険の特別加入の関係です。こういった災害データというのを使いながら、制度の見直しや加入要件などにどう結び付けていくかということでした。こちらについては、制度所管部署のほうにも、こういう仕組みができて、災害が取りまとまったら情報は共有していきたいと思っております。それを踏まえて、所管部署のほうで適切に対応することになろうかなと思います。ただ、特別加入制度の立て付け自体が、労働者と同じ作業をしているような一定保護をするような対象ということなので、従来からも労働災害のデータなども使いながら、そういう検討はなされているのかと思いますので、今回できた仕組みで新たに個人事業者そのもののデータというものをつぶさに把握できるようになれば、そういったところも補強されるのかなと思っております。
 あと、高齢者の災害防止も今後重要な課題になってくるのではないかという御指摘ですが、そのとおりだと思います。この部分については、労働災害防止の観点からもいろいろな検討を行っているところでして、労働者と個人事業者で全く災害の中身が違う、対策が違うということは余りないのかなとは思っておりますが、お互いに行き来する内容なのかなと。両方のデータが分かってきて、傾向や違いが分かってくれば、より対策の取り方もクリアになってくるのかなと思いますので、労働災害防止対策の関係からやっているものに加えて、新たに把握したデータも加味して、しっかり対応していきたいと思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。宮内委員、いかがでしょうか。
○宮内委員 了解できました。年齢等をなるべく下げたらいいというのは確かですが、高齢者という扱いも、そういうものも今後は是非検討いただければと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場でいかがですか。山脇委員、お願いします。その次に、鈴木委員、お願いいたします。
○山脇委員 ありがとうございます。先ほど発言した報告書案については、船井主任の回答で、一定理解をしました。ただ、仮に報告義務を課さなかったとしても、特定注文者等から情報提供を行っていただくことが大変重要だと考えますので、行政として積極的に情報提供を促すように、改めてお願いをしたいと思います。
 また、別件となりますが、12ページの罰則の関係ですが、この点については報告書で既に結論化されているところですが、災害報告の制度の実行性を担保するという観点で言うと、本来であれば、事業者側に罰則を課した上で、事業者側が必要な措置を行ったにもかかわらず個人事業者が必要な対応を行わなかった結果、事故が報告できなかった場合には免責されるというような規定を設けるのが望ましいと思っています。検討会での論議結果を踏まえれば、今回は罰則なしの義務規程とすることはやむを得ないと思いますが、今後の制度化以降の運用状況を見て、報告がしっかりなされないという実態があった場合には、罰則化も含めて今後の検討課題としていただきたいというのが1点目です。
 それと、もう1点。今回の災害報告制度の創設に関してもそうですし、今回の個人事業者に対する安全衛生対策の具現化に当たっては、監督行政、取り分け労働基準監督官に新たな業務が付加されることとなります。現状でも日本の労働基準監督官は、ILOが示す「労働者1万人に1人以上」という基準以下になっていることを踏まえますと、本件の施行に当たっては、労働基準監督署の体制強化が不可欠だと思っています。この点は改めて強調しておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。最後に山脇委員が言われた、監督体制の強化の必要性には、同感です。予算も絡む話で大変だと思いますが、是非お願いいたします。
 私から2点、コメントをさせていただきたいと思います。1点目は、宮内委員から御指摘がありました、災害データについてです。政策反映のために、国において個人事業者等による災害データを分析・公表することは重要ですが、加えて、災害実態の生データについても、個人情報の秘匿を前提に、公開を御検討いただきたいと思います。個人事業者等の災害データを、業種・業態の各団体をはじめ関係団体が独自に分析することで、個人事業者等の対策の計画や周知に際しての重要なポイントが一層浮かびあがるのではないでしょうか。個人事業者等の安全衛生対策の全体的な強化にもつながりますので、是非御検討いただければと思います。
 それから、2点目は、実行性の確保です。報告制度は新しい制度で、現行の労働者死傷病報告とも異なります。また、スーパーマーケットをはじめ、これまで統括管理の義務がかかっていない、恐らくそのような業種・業態のほうが多いと思うのですが、そのような所で、労働者と同じ場所で働く個人事業者等が被災した場合に報告主体となり得るという意識を根付かせることは、必ずしも容易ではないと思っております。厚生労働省におかれましては、先ほどの労働者と同じ場所がどこまでの範囲を指すのかなど、いろいろとあると思いますが、分かりやすく解説した資料を御準備の上、関係者の理解促進に全力を尽くしていただきたいと思います。こちらはお願いです。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 ありがとうございます。資料15ページの報告を行ったことによる不利益取扱いの禁止について、災害報告制度の実行性を担保するためには、不利益取扱いの禁止と、この後議論される申告権の導入は不可欠と考えています。法令と通達を併用し、できるだけ具体的に示すとする事務局の提案に賛同します。
 災害報告を行った一人親方等の契約更新をしないなどは、典型的な不利益取扱いに当たるものと考えますが、有形無形を問わず、事業者からの圧力によって報告を躊躇するようなことがあってはならないと考えています。例えば、災害の発生件数のみが委託事業者の成績評価に影響することで、次期の報酬、契約更新に一定の影響が生じる制度を設けた場合などについて、どのように取り扱うかによっては、個人事業者が自由な意思によって災害報告を行うことが難しくなるということも考えられるかと思います。今般の制度化の目的が、報告事例の収集であるという観点を踏まえ、具体的事例については慎重に検討していただくようお願いします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの山脇委員、鈴木委員、門﨑委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。船井のほうから引き続き回答させていただきます。山脇委員から御指摘の罰則の話ですが、今時点、罰則なしの義務化ということで、一定御納得いただいているということですが、今後の制度の運営によっては、そこも含めた見直しがあり得べきということでございます。これは検討会報告書でも明記されておりますが、全く新しい制度ですので、この形でスタートして、当然、未来永劫変わらないというわけではなくて、不断の見直しを行っていくべきだということが明記されております。そちらについては我々もしっかり施行状況を見ながらということで考えていきたいと考えております。あと、施行体制の強化につきましては、私どもとしてもしっかり責任部署と調整しながら、体制の整備・確保、また予算の確保等に努めていきたいと思っております。
 続きまして、鈴木委員からの御指摘、御質問ですが、災害データの、なるべく生データに近い形での公表と活用可能な状況にするということですが、こちらは労働者死傷病報告につきましても、来年の1月から原則、電子申請の義務化ということになりまして、今までは手書きで取っていた災害発生状況の部分がテジタル化されるということもあります。その仕組みに乗る形で、この個人事業者の災害報告についても、電子申請を活用して、やりやすいような形でやっていくと。これらにつきましては、なるべく個人情報がない形で、なるべく多くのデータをオープンにしていこうという方向で考えておりますので、どこまでできるかというのはありますが、災害発生状況の中に個人データがあるものは抜くとか、そういう手間とかもいろいろあるので課題はいろいろありますけれども、なるべく広く出す方向であるということは御理解いただければと思います。
あと、実行性の確保の観点から、いろいろな考え方などについても分かりやすく説明して周知ということですが、それは正にそのとおりだと思います。周知に当たりましては、この災害報告制度だけ切り取って周知するということではなくて、今回の個人事業者の対策全般を横串で見たときに、前回に御議論いただきました、業種に関わらない混在作業における連絡調整等の義務というようなところも、これは災害報告のところと非常に重なる部分があると思います。例えば、スーパーのバックヤードで混在して作業が行われると。その混在する相手方というのが個人事業者であれば、災害報告というのも生じてくると。そこら辺をセットで、分かりやすく周知をしていくということを心掛けたいと思っております。
 最後、門﨑委員からの御指摘、御質問でしたけれども、災害発生だけをもって、この請け負った個人事業者というのを評価するというようなことがないように、この制度の趣旨をしっかり伝えて周知してほしいということであったと認識しております。これは検討会報告書にも書いておりましたし、今回の資料の後ろの小さい字の所にも書いてあるのですが、今回、災害報告をこういった報告主体の方々に義務付ける趣旨というのは、必ずしもその災害の責任をこの報告主体が負うべきなんだという話ではなくて、なるべく多くの災害を分かりやすく正確に把握する上で、こうした立場の方々に報告義務を課すということが適当だと。したがって、罰則というのはなかなか難しいけれども、罰則なしの義務で広く把握しようと。こういう趣旨からお願いしているわけですので、報告主体になる方々に対しては、この報告制度のそういった趣旨もちゃんとしっかり伝わるような形で周知、施行に努めてまいりたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの回答につきまして、山脇委員、鈴木委員、門﨑委員、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか御発言を御希望の委員の方はいらっしゃいますか。及川委員、お願いいたします。
○及川委員 電子申請システムで、デジタルを使って分析をして、今後に役立てるということですので、電子システムを使うことは利便性がありますし効率的だと思いますが、一人親方のことを考えたときに、もしそういった形で、電子申請システムをどのように使うのか分からないとか操作が分からないといったときの、何か身近な相談というのはどういう所になるのか教えていただければ幸いです。
○髙田分科会長 それでは、事務局から、お願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。電子申請を原則義務化するに当たりまして、やはり、使う側、申請する側の方が一番手軽にできるスマートフォンとかでできるようにするということ。あと、将来的な話になるかもしれないですけれども、災害情報とかを入力するときも、全部一から打つのではなくて、何か入力候補が出てくるような、災害の型を入れたら候補が出てくるような利便性向上の策というのも将来的には考えていくと。それによって、誰でも正確に情報が入れられるようになればなと思っております。あと、それでもなかなか難しいような場合につきましては、監督署で、入力についての支援という相談にも対応していきたいと思います。ただ、今回、個人事業者の災害報告については、基本的に2ステップのような形でやりたいと思っておりますので、監督署に直接出すのは、あくまでも特定注文者ないしは災害発生場所管理事業者ということになります。
 今後、システム化する際の作り込みによりますが、個人事業者と特定注文者、若しくは個人事業者と災害発生場所管理事業者の間のやり取りというのは、どのような形が一番うまくいくのか、やりやすいのかというのは、シミュレーションしながら考えていきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。及川委員、よろしいでしょうか。そのほか御発言はよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 
最後に、資料3「個人事業者等に対する安全衛生対策について(各論③-2)」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○労働衛生課室長補佐 説明させていただきます。資料3の2ページを御覧ください。右下の各論③の(2)で、この資料は「(2)申告、支援等」についてです。3ページ以降、支援等からまず御説明させていただきます。
 3ページを御覧ください。こちらの点線で囲われている部分は他の資料と同じく、検討会報告書の抜粋となっております。こちらに書いてあるのは、「業種・職種別団体等の活用等、各種情報の共有」ということで、個人事業者等の安全衛生向上に資する取組について、業種・職種別団体や仲介業者、個人事業者等が就業する地域の自治体など、関係者が関与するように働きかけることによって取組を促進するということと、国がそのような取組を必要に応じて支援するということです。このうちの一部、健康診断やストレスチェックなどの健康管理に関しては、健康管理に関するガイドラインにて対応しておりまして、該当箇所に下線を引いたり、3ページ目の下の方に抜粋を付けております。
 これに関連する論点です。次の4ページを御覧ください。論点を3つ立てております。まず1つ目は、安全衛生に関する事項についての個人事業者側と発注者側との協議の実施について、どのような支援が考えられるか。また、どういった方に協議に関与を求めるべきかということです。
 対応案としては、関係各所との情報や意見の交換が重要なことから、国が連絡会議を開催することによって、協議の場、機会を提供することとしてはどうかとしております。また、この協議に関与していただく方については、業種・職種別団体のほか、仲介業者や個人事業者が就業する地域の自治体など、幅広く呼び掛けることとしてはどうかとしております。
 2つ目の論点は、業務上の災害を防止するために、情報提供や教育サービスの提供を行う効果的な方法として、どういったものが考えられるかということです。対応案としては、既存の安全衛生に関するサイト、現在も厚労省のホームページ等で個人事業者等についてのページはありますが、例えば、そういったものを充実させたり、個人事業者等の安全衛生に関するポータルサイトなどを設けて、情報の利便性を高めることとしてはどうかとしております。
 5ページは、実際に協議会や連絡会議等の例です。1つ目が建設業の例で、2つ目が製造業で実際にやっていただいている例です。右側が現在、厚生労働省のホームページにも載せております「個人事業者等の安全衛生について」というページで、ここは現状ですと、検討会報告書や改正省令、健康管理のガイドラインやそれに関連する国の支援ツールなどを載せているもので、これを充実させていくということもあるのではないかというところです。
 6ページを御覧ください。こちらは論点の3つ目です。各団体において、業務上の災害の把握を促すにはどういった方法が考えられるかということです。下に例を2つ載せておりますが、現在も団体によっては、会員の実際にあった労働災害等の事例を収集してデータベース化をしたり、公表したりしていただいております。対応案としては、ガイドライン等でこういった取組の実施を望ましいものとして促すこととしてはどうかとしております。
 続いて7ページです。「個人事業者等の特性を踏まえた対策の推進」ということで、個人事業者等を支援する団体等の活動に対して、国は情報提供等の支援を行うこととする。あとは団体がない業界というのがまだあると思いますが、その団体のない業界について、団体等の形成を促すための取組を進める。また、業界団体について、優良な取組を行っている団体に対して、表彰などのインセンティブの付与について検討するとしております。
 論点としては、次の8ページで2つ立てさせていただいております。1つ目は、個人事業者等を支援する団体等がない業界について、どうやって団体形成を促していくかというものです。2つ目は、その団体に対する優良な取組を促進する観点からのインセンティブの付与を行う場合、どのようなものが考えられるかといったところです。
 対応案としては、国がWebフォーラムなど、フォーラムの企画運営をしたり、その中で情報提供等をして、そこに参加いただいた関係者による主体的なコミュニティの形成を促進するということを考えています。それに加えて、国による認定など、何らかのインセンティブを付与することを通じて、業界団体等の形成を促し、団体の取組への支援を推進することとしてはどうかとしております。
 これらを一連のイメージで示したものが9ページ目の図です。国のほうでWebフォーラムなどを設けて、そこに個人事業者、注文者等に参加していただき、その参加者の中で自発的にコミュニティ、団体が形成されていって、その団体に検討会報告書でも示していたような役割を果たしていただいたり、個人事業者等を支援する取組をしていただき、良い取組があれば、それを認定させていただいたり、表彰させていただくといった形で、国がインセンティブを付与させていただく。
 それに加えて、一番右側の所ですが、協議の場というものを国のほうで用意させていただき、その協議の場を通じて、個人事業者の安全衛生に関する政策課題を把握していくと。こういったものを包括的に支援するような取組をしていこうということを1枚の絵で表したものです。
 10、11ページは例となります。そういったフォーラムを実際に開催している例が左側です。1つ目は神奈川県庁の例で、2つ目は東京労働局の例です。また、インセンティブ付与の例として参考となるものとしては、現在でも、団体経由産業保健活動推進助成金や、安全衛生優良企業公表制度等がありますし、続いて11ページ目で、健康経営優良法人認定制度や、くるみんマーク、ブラチナくるみんマーク、ユースエール認定制度等があります。ここまでが支援等についてです。
 12ページからは、「相談窓口」に関してです。検討会報告書においては、業務の実施に伴う安全衛生の確保については、契約と表裏一体の側面があるため、労働災害を防止するための相談窓口については、労働局や監督署だけではなくて、他の既存の個人事業者等が契約等で使うような相談窓口や、ほかの業所管官庁などと連携することが必要と書かれておりました。これに関する論点と対応案が13ページ以降です。
 まず、論点の1つ目は、個人事業者等の労働災害を防止するための相談窓口について、他のどういった相談窓口、業所管官庁と連携すべきかです。2つ目は、その連携の形として、どういう形が考えられるかというところです。
 これらに対する対応案として、まず1点目ですが、労働局・労働基準監督署はもとより、独占禁止法や下請法の法に基づく申告等がされる公正取引委員会や中小企業庁をはじめとして、幅広い省庁や相談窓口と連携してはどうかとしております。
 2つ目は、連携の形として、相談の内容に応じて、相互に窓口を紹介できるようにしておくことや、実際に他省庁などのほかの窓口や、そういった連携先の窓口のリストを一覧化して、厚労省のホームページやポータルサイトの中で掲載したり、監督署で閲覧等できるなど、そういった取組を行うこととしてはどうかとしております。
 下に参考として、個人事業者等を対象とした各種相談窓口には、こういったものがあるということを例示しております。14ページは、そのうちの1つのフリーランス・トラブル110番とはどういったものかということを示させていただいております。次の15ページは、文化庁で、文化芸術活動をされている芸術家の方向けに、こういった相談窓口がありますということで、関係省庁を含め、いろいろな芸術家の方が相談できる窓口というものを一覧化して載せている例です。労働災害、個人事業者という観点でも、こういったリストがあると良いという趣旨です。その例として載せさせていただいております。
 続いて16ページは、「個人事業者等による労働基準監督署等への申告について」です。検討会報告書では、労働安全衛生関係法令に違反する事実がある場合については、局や署に対して申告して是正のため必要な措置を取るよう求めることができることとすると。また、申告したことを理由として不利益取扱いを行ってはならないこととするとしておりました。これに関連して3つ論点を立てさせていただいております。
 17ページ、1つ目の論点ですが、申告できる場合として、個人事業者等が局署に申告できるのは、どういったケースとすべきかというところで、その対応案を下に示させていただいております。
 個人事業者等というのは、労働者の場合とは少し異なっておりまして、今回、個人事業者等を保護する観点から事業者等に措置の実施が義務付けられているのは一定の場合に限られるため、局・署に対して申告ができることとするのは、一定の場合に限ることとして、具体的な対象条文等については、通達等で明確にすることとしてはどうかとしております。
 次のページで、実際にどういう場面で申告ができるか、現時点で考えられるものを載せております。1つ目が、最高裁判決を踏まえて省令改正をしましたが、そういった内容に関すること。2~4つ目については、今、現に4月からこの分科会の中で皆様方に御議論いただいている内容、その中で決まったことというようなイメージで載せさせていただいております。
 続いて、2つ目の論点です。申告したことを理由とする不利益取扱いとして、どういったものを不利益取扱いとして取り扱うべきかということで、先ほども不利益取扱いの話がありましたが、事業者等と個人事業者等との関係は、労使との関係と異なっておりますので、どういった行為が不利益取扱いとして取り扱うべきかというのを論点として挙げさせていただいております。
 対応案としては、個人事業者等に対して、事業者等の関係で言いますと、仕事を請け負わせる注文者である場合や、事業者である場合もありますし、機械や建設物の貸与者であるような場合もあります。そういったいろいろなケースが考えられますし、それぞれの立場において想定される不利益取扱いというものも結構広いだろうということで、代表的なものを法令で明示するとともに、そういった全体像については通達等で例示することとしてはどうかとしております。
 その下に、規定でその代表的なものを法令で明示した例として、フリーランス新法の条文を載せております。法令上は代表的なものを明示して、全体像は通達等で例示するという対応案です。
 20ページは3つ目の論点です。申告をしたことによる不利益取扱いを行った事業者に対する罰則について、どう考えるかというものです。対応案としては、不利益の範囲というのが、労働者の場合と必ずしも一致するものではありませんが、個人事業者等は事業者から仕事の注文を受けて事業を行うという「事業者的側面」だけではなくて、実際に受注した仕事に係る作業を自らが行うという「作業者的側面」も有することからも、申告制度の実効性を確保する観点から、労働者の場合に事業者に課されるものと同等のものとしてはどうかとしております。実際に労働者の場合の罰則は、下に付けておりますこの第119条です。
 最後に21ページですが、こちらは6月17日の分科会において、「建設業等以外の業種の混在作業場所における連絡調整」について議論した際に、ILO第155号条約について説明の中で触れさせていただいておりましたので、それについて補足の資料として付けさていただいているもので、ここは説明を割愛させていただきます。すみません、掛け足となりましたが、説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。各論③-2では、実行性を高めるための取組ということで、業種・職種別団体等の活用等、各種情報の共有や、個人事業者等の特性を踏まえた対策の推進、相談窓口、更には個人事業者等による労働基準監督署への申告について、今回カテゴリーは分けずに、全部一体で説明をしていただきました。本件について、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨チャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で、では山口委員からお願いいたします。
○山口委員 御説明ありがとうございます。労働側の山口です。私から2点意見とお願いを申し上げます。1つ目は、4ページの論点についてです。個人事業者等の団体の場合、発注者や仲介事業者との力関係から、発注者や仲介事業者との協議、意見交換を行う場がない、若しくは、あったとしても対等に協議が行えるような団体は多くはないものと考えています。そのため、政府が関与して、協議、意見交換の場を設置することの意義は大きいものと考えています。
 5ページに具体例が示されていますが、こうした連絡会議等の開催に当たっては、業種による偏りや地域差などが極力生じないよう、地方自治体にも協力いただき、より多くの業種・地域で開催されるよう尽力いただくとともに、好事例の水平展開により規模の拡大や質の向上を図っていただきたいと思います。
 2点目は13ページの論点です。こちらの対応案に異論はありません。ポータルサイトの設置なども含め、悩みを持つ相談者が各所をたらい回しされるようなことがないように、相談者に寄り添い、ワンストップで対応ができるよう、関係機関がしっかりと連携できる体制の構築をお願いしたいと思っています。連合としても、Wor-Q、サポートクラブなどの取組等を通じて、相談者に寄り添えるよう最大限の取組を行っていくことを申し添えたいと思っています。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、佐々木委員、御発言をお願いします。
○佐々木委員 ありがとうございます。佐々木です。私は6ページにある各団体における業務上の災害の把握について発言します。記載のとおり、業務上の災害を未然に防ぐという観点からも、各種団体が業務上災害を把握し、それをもとに再発防止に向けて取組も行う意義は非常に大きいと感じています。各種団体で把握・収集した災害事例をしっかり分析し、安全衛生教育等に有効に活用していただくということを念頭に災害把握について政府として各種団体に対して積極的な働きかけをお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、七浦委員、お願いします。
○七浦委員 御指名ありがとうございます。七浦です。分かりやすく説明いただいて理解ができました。ありがとうございます。少し感想、あるいは今までの経験も踏まえて、少し意見を発言させていただきたいと思います。
 9ページにある団体形成、インセンティブの付与の所ですが、やはり、なかなか自発的に個人事業主の方が積極的に体制を作ることができるかどうかというのは、デザインをしていく必要性があるのだろうなと考えています。そういう意味から、ここに具体例として、健康経営優良法人の制度であったり、次のページ、いろいろな形でしていただいていて、産業保健フォーラム、我々も企業としてお手伝いさせていただいたり、我々自身も勉強させていただく機会はあるのですが、その中で、企業の力というか、企業もうまく国行政主導の中に組み込んでいただくと、いろいろな形で早く形が出来上がってくるのではないかと。より一層進んでいい形を作るということで、最終的には労働者の方の安全、健康が保持できるような制度、仕組みができていけばいいなと考えました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。御指名ありがとうございます。まず、4ページの、業種・職種別団体等の活用等、各種情報の共有について、論点1の対応案に関しては概ね異論はございません。しかし、団体等に加入していない個人事業者等のほうが相当数いると思われます。個人事業者等が就業する地域の自治体等に幅広く呼びかけるとなっておりますが、集めることは非常に難しく課題があるかと考えておりますが、この点についてお考えがあればお伺いいたします。
 論点の2つ目の○、健康管理の情報提供、教育サービスの提供を行う効果的な方法はどのようなものが考えられるかについて、既存の安全衛生に関するサイトの内容を充実させるほか、個人事業者等の安全衛生に関するポータルサイトを設け、情報の利便性を高めるとあります。これらについては、検討会からも継続して発言してまいりましたが、個人事業者等の安全衛生に関するポータルサイトを立ち上げ、既存のシステムやサイトの内容を充実させることもよいのですが、現状、個人事業者は見ない、たどり着かない。幾ら良いものを作っていただいても、該当する個人事業者等に届かなければ意味ががなく、目的を達することがございません。個人事業者等は組織的ではなく、業種によっては団体等もありません。個別の集団に対しての考え方を変えていかなければならないのではないでしょうか。既存の方法や作ってあるものを見ろと言っても、誰も見ないのが現状です。本来の災害防止の観点から、より該当する個人事業者にスピーディに届き、周知・展開が効果的に行われるような新たなシステムを今後構築すべきだと考えております。
また、8ページにある団体の形成や魅力あるインセンティブの付与については、業界の団体等の形成を促進しながら、個人事業者等の登録制度も考えていくべきではないでしょうか。インセンティブに関しても、ロゴマークの使用や加点評価等ではなく、個人事業者が本当に欲しているもの、実のあるものでなければなりません。例えば個人事業者の受注や仕事の依頼等、一定の基準を満たした優良な個人事業者等につきましては、各省庁、自治体と連携して、優良業者として、官民に働きかけるのが一番効果的ではないでしょうか。このように参入できるような仕組みづくりをお願いいたします。
 そして、13ページの相談窓口に関しては、個人事業者等に非常に有り難いことであると感じております。ただし、こちらも13ページを見ますと、各省、各種の相談窓口が複数あります。これらの省庁を取りまとめ、まず総合案内のような窓口を設けていただくことは可能でしょうか。本当に悩む者に対して、いろいろな所に振り回されることなく、まず、悩みがあるならば、1つの所に電話を掛ければ、まず話を聞いていただいた後に、適切な担当に案内していただけるようなサービスに努めていただければ、より良いサービスになると考えております。まずはできる、できないは関係なく、個人事業者、フリーランスの実態の把握を行い、団体の意見だけではなく、彼らが望む声も集めながら進めていただくようお願いいたします。以上、確認と要望です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。一旦ここで切らせていただいて、まず事務局から、山口委員、佐々木委員、七浦委員、出口委員の御発言につきまして回答をお願いします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございます。船井のほうから回答させていただきます。山口委員からの御質問、御指摘ですが、4ページ目、団体が注文者側と協議をする場がないので、それを設置して進めていくに当たりまして、業種や地域による偏りがないようにということでした。それは御指摘のとおりだと思います。ただ、現時点で、団体すらない業種・職種もあるという状態です。例えば、47労働局で一斉にこういう連絡協議の場を立ち上げるとか、全業種でやるという状況にはないというのが実情です。
 まずは中央レベルでなるべく幅広に参加者を募ったような協議の場を立ち上げようと考えております。それがだんだん素地が出来て全国的に広がっていく、自治体も巻き込んでいく、いろいろな業種でやるように広げられればなと思っております。また、業種・業態によりましては、労働者というか事業者関係の団体による協議の場に個人事業者の方も新たに加わっていただくというやり方が馴染むような業種・業態もあると思いますので、そういうようなことも考えながら、拡大に向けて頑張っていきたいと思っております。
 あと、ポータルサイトの充実、個人事業者の方に寄り添った対応については御指摘のとおりだと思いますので、今後の検討に当たりまして、それを踏まえてやっていきたいと思います。
 佐々木委員からの点ですが、6ページ、災害状況の把握です。これは未然防止、再発防止対策の観点から意義が大きいということで、有効活用を是非お願いしたいということでした。そのとおりであると思っております。先ほどの論点でも御議論いただきました、国が把握した災害データも、なるべくオープンな形にしていくのと相まって、業種・業態に特化した団体においても、その業界における特性も踏まえて、うまくそういったデータも活用していただきながら、未然防止・再発防止が進むように我々としても頑張っていきたいと思います。
 続きまして、七浦委員からの御指摘です。9ページ目で、団体を形成していくには、なかなか自発的に放っておいてもできないので、ある程度デザインが必要だということです。これはそのとおりだと思います。ただ、国が頭ごなしに団体を作れというようなことは、ちょっと違うのかなと考えております。Webフォーラムというような形を提案させていただきました。ただ、団体という形になって取り組むことが望ましい役割や機能というのは、これはガイドライン等で9ページのスライドの真ん中の下にあるような所というのは、これはしっかり示して推奨していきたいと思います。いわば、これが団体としてやっていくことが望ましいもの、御指摘いただいたデザインということになるのかなと思っております。こういったものを形作っていくに当たりましては、注文者側と言いますか、企業側の力も非常に重要だと思います。要は取引先相手である注文者側、企業側が、団体として組織された方々といろいろなことを協議する、若しくはやり取りすることを望んでいただけると、そういった団体の形成促進にも役に立つと思いますので、正にそういったことも、連絡協議会の場を活用して、コミュニケーションを図っていただければと思っております。
 出口委員からの御指摘です。団体に加入していない個人事業者にも広く呼びかけるような仕組みが必要ではないかということです。例えば登録制度ということも御提案を頂きましたが、これについての現時点の考えということですが、きっちりとした考えということではないのですが、この間、安全衛生に関する個人事業者対策というのも検討してきましたし、フリーランス新法や、あと、個人事業者という切口では、インボイスの話とかもあって、いろいろなチャンネルで、個々の個人事業者に手が届くようなチャンネルというのも、我々安全衛生の世界だけではなくて存在するのではないかと。そういった所と連携して、相乗りするような形で周知を図るということで、情報が行き届くことにもなるのかなと思っております。ホームページも整理いたしますが、ホームページを準備して、これを見てくださいというだけでは行き届かないので、SNSや短い動画とかも掲載したりして、簡単に言うと、取っつきやすくするということも重要なのかなと思っております。そういったことも駆使しながら頑張っていきたいと思います。
 また、インセンティブ付与についても、関係団体ともコミュニケーションを図りながら、本当に欲しているものを付与すると言いますか、そういうメニューを作るということも確かに重要だと思います。
 最後の相談窓口の関係です。本当に総合的な駆け込み寺みたいな所が1か所あって、そこに行けば全部振り分けてくれるというのは、これは確かに理想の姿だと思います。ただ、これは長い時間を掛ければそういったことも可能かもしれませんが、一筋縄ではいかないという部分もありますので、今時点で考えているのは、そういう関係省庁とか関係の窓口とも連携して、どこに行ってもたらい回しがないように、こういう内容だったらここですよというのがちゃんと分かるようにすると。そういうアプローチも重要ではないかということで御提案させていただいております。そういったことを進めていく中で、御提案のような厳然たる1か所の窓口に育っていくということもあると思いますので、引き続き、関係省庁等と連携を密にしながら進めていきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。山口委員、佐々木委員、七浦委員、出口委員、追加で御発言はございますか。よろしいですか。そうしましたら、オンラインのほうを確認させていただきます。宮内委員から御意見があるということでしょうか。
○宮内委員 宮内です。丁寧な御説明をありがとうございました。個人事業者の災害防止のこういう新しい取組の中で、非常に大事なところというのは、そのうちの1つは、障害者に対する雇用のチャンスが非常に広まる、また安心して働けるということだと思っております。テレワークが非常に普及して、その中でフリーランスの仕事ができるようになってきたものもありますので、資料9ページにそういうのも捉えていると思ったのですが、障害者雇用をしているような、支援している団体も、是非、積極的に団体形成とか、インセンティブ付与という中に入れていただければよろしいと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。オンライン参加の委員で、そのほか御発言、御希望の委員はいらっしゃいますか。よろしいですか。そうしましたら、まず宮内委員の御発言につきまして、お願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 船井のほうから回答させていただきます。御指摘ありがとうございます。障害者雇用の団体ということですが、私どものほうで余り想定していなかったところですので、確かに個人事業者という働き方で、障害者の方の就業の窓口が広がるという観点もあろうかと思います。どういう団体がいいのか、また、馴染むのかも含めて、省内の関係部署もありますので、御意見を頂きながら知恵を出してまいりたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。宮内委員、よろしいですか。
○宮内委員 了解いたしました。よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。終了予定時間を過ぎておりますが、引き続き、分科会は続けさせていただきます。会場に戻りまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 鈴木です。時間が押しているところ申し訳ございません。8ページの対応案についてです。個人事業者等を支援する業界団体等の形成に向けてフォーラムの企画運営やその情報提供、国による認定等のインセンティブ付与等実施すること。これは重要なことでありまして、異論はありません。質問ですが、これらの取組に要する費用の財源はどのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか御発言はございませんか。中村委員、次に袈裟丸委員、お願いします。
○中村委員 中村です。個人事業者の労基署への申告と不利益取扱いの禁止に関して発言します。不利益取扱いの禁止と申告権の付与は、個人事業者が真の自由意思によって災害報告や、不適切事項を申し出るためには、セットで実施されることが不可欠と考えます。
 17ページに記載されている第97条について、労働者の申告を置き換える形で個人事業者等に地方労働局や労基署に申告する権利が与えられるべきではないかと考えています。具体的な対象条文を通達で明確にすることに異論はないのですが、18ページに記載されている主な事項については必要最小限と思っています。既存の措置についても精査いただいて、改めて本分科会にお示しいただければと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、袈裟丸委員、お願いいたします。
○袈裟丸委員 ありがとうございます。私も8、9ページの団体形成とインセンティブ付与について、先ほどの使用者側の委員の発言と厚労省の回答を聞いて、十分理解したところですが、改めて発言したいと思います。個人事業者の就業の安定と就業条件の向上につながる取組につなげていきたいとい考えで検討されていると思いますので、是非、団体形成に向け、9ページで書かれている国の取組や、その後の支援をしっかり行っていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そうしましたら、鈴木委員からの御質問と中村委員、袈裟丸委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問等ありがとうございます。鈴木委員からの御質問ですが、現時点で確定したわけではないですが、事務局として考えている財源としては、社会復帰等促進事業を想定しております。というのも、先ほど報告制度の所でも議論がありましたが、総論の②で、制度として個人事業者保護の観点から、法令で規制又は保護していく対象というのは、労働者と同じ場所で就業する場面ということでしたので、こうした取組をしっかりやることによって、労働災害防止にも資するということが言えると。また、個人事業者の中には、全部ではないですが、特別加入者もいらっしゃるということで、そういったところも踏まえますと、そういう財源が適当ではないかと現時点では考えております。
 中村委員からの御質問ですが、対象条文を精査していくことについては、御指摘のとおりです。また、今回、御議論いただきまして、制度化することになりましたら、そういった部分についても、今後の分科会において何らかの形でお示しさせていただければと思います。
 最後に袈裟丸委員の御指摘ですが、安全衛生をしっかりやっていただくということと、契約の安定や就業機会の確保というのは、完全に分離した話ではなくて、密接に関連している部分だと思います。どうしても安全衛生の切り口でこういった取組をやりたいとは思っておりますが、当然、そういった副産物も十分にあると思いますので、その辺も念頭に置きながら、しっかり支援を進めていきたいと思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。鈴木委員、御発言をお願いします。
○鈴木委員 御回答ありがとうございました。厳しいお話をさせていただきますと、労災保険法第29条1項で、社復事業の対象は、労働者の円滑な社会復帰の促進、労働者とその遺族の援護、労働者の安全と衛生の確保、保険給付の適切な実施の確保、賃金の支払いの確保、これらのために必要な事業と規定されております。
 先ほど御指摘のあった特別加入者の支援というのは、「保険給付の適切な実施の確保」に含まれると、私も理解をしておりますし、また、以前も申し上げたように、個人事業者の方がもしかしたら労働者であるかもしれない。その意味では、労働者の保護に資する観点から、個人事業者に対する相談窓口を強化することは、社復事業の範囲内、法律の範囲内だですが、今回御提案の内容は、私自身は法令の外にあると思っております。加えて、今の社復事業は、真に事業の趣旨に合ったものとなるよう、個別事業の不断の見直しが不可欠な状況にあるところです。その意味では、事業の原資となる保険料を全額負担している事業主のコンセンサス、納得が不可欠ですので、社復事業で財源を確保することをお考えなのであれば、私は反対の立場です。どうしても社復事業を使うのであれば労災保険法の根拠の規定の見直しが不可欠だと思いますので、意見として申し上げます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの御発言につきまして、お願いします。
○主任中央労働衛生専門官 御意見としては承りました。現時点では明確な回答等は控えさせていただきますが、御指摘も踏まえて、我々も内部でよく精査をさせていただきたいと思います。
○髙田分科会長 鈴木委員、よろしいですか。中村委員と袈裟丸委員はよろしいですか。そのほか、追加で、門﨑委員、お願いいたします。
○門﨑委員 19ページの、申告したことを理由とする不利益取扱いについてですが、対応案のとおり、不利益取扱いに該当する具体事例について、代表例を法案で明示することと、通達等で詳細を例示することに全く異論はございません。その内容については法令と通達の間でバランスが取れたものにしていくことが重要だと考えています。通達について、少なくとも、全体像が分かるような形で、本分科会に改めて示していただきたくようお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほかございますか。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 今出ている論点以外の所でもいいでしょうか。
○髙田分科会長 構いません。お願いいたします。
○山脇委員 ありがとうございます。これまで議論がなかった点について確認したいと思います。安衛法の31条の4に、違法な指示の禁止があります。この31条の4では、注文者は、安全衛生関係法令に違反する指示を行ってはならないとされておりますが、現行法令の対象は、労働者のみとなっています。今般の個人事業者に対する安全衛生対策の確立という趣旨を踏まえますと、31条の4項については、当然に条文を書き換える形で個人事業主等も対象となるよう明確化すべきと思っているところですが、事務局のお考えについて伺いたいと思います。
 それと、先ほど鈴木委員がおっしゃっていた財源については、労働側としても、しっかり目的に合う形で財源を用意していただくのが、一義的な筋だと思っているということは申し述べておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの門﨑委員と山脇委員の御発言について、お願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 ありがとうございます。船井のほうから回答させていただきます。門﨑委員からの御指摘ですが、これは先ほどの申告対象となる条文の例示と合わせて、不利益取扱いの例示というのも、法律に書くにふさわしい誰でも思い付くようなものと、異なる間柄の中で、こういうのもあるのだというのは、どちらを法令で、通達でというのは峻別の必要があると思いますが、なるべく全体像を分かるようにお示しをさせていただきたいと思います。
 最後の山脇委員からの御指摘ですが、確かに御指摘のとおり、注文者は、労働者を使用する請負人に対して、労働者をその指示によって働かせたならば、法令に違反するような指示をしてはならないと。こういうような書き方の条文に法の31条の4というのはなっていたと思います。確かに注文者が個人事業者に対して違反になるような指示をしてはいけないというのはおっしゃるとおりだと思いますので、この現行の31条の4で読めるのか、若しくは読めないのだったら改正しなければいけないのか、若しくは、読めるのだけれども、今回の一連の検討を踏まえて、法の3条3項と同じように明文化する必要があるのか、事務局のほうでもよく精査をして、次回以降、新たな問題提起を踏まえた検討結果を御報告させていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。門﨑委員、山脇委員、よろしいですか。そのほか、御発言はよろしいですか。ありがとうございます。
4月26日の分科会から議論を開始しました「個人事業者等に対する安全衛生対策」については、当初予定しておりました検討会報告書の論点1に係る部分は以上で一通り御議論いただいたことになります。これまでの分科会での議論の中で、引き続き御議論いただくことになっている事項もあると思いますので、そちらにつきましては、次回までに事務局にて整理をお願いいたします。
ここまでの議題以外で何か御発言はありますか。よろしいですか。時間を延長してしまって申し訳ございませんが、これにて本日の議題は全て終了いたしましたので、分科会はこれで終了いたします。本日も暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございました。