2024年3月22日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

日時

令和6年3月22日(金)10:00~

出席者

出席委員(18名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(7名)五十音順
行政機関出席者 
  •  城克文(医薬局長)
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  野村由美子(医薬安全対策課長)
  •  大久保貴之(安全使用推進室長) 他

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、令和5年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会を開会いたします。
 本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の部会の公開については、ユーチューブによるライブ配信を行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載をいたします。
 また、今回もウェブ開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、議事の進行方法などについて事務局より説明をさせていただきます。
○医薬安全対策課長補佐 説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問いただく際はミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。
 会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いをする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。
 また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 事務局からは以上です。
 それでは、以降の議事進行は、岡部会長にお願いいたします。
○岡部会長 それでは、議事に入ります前に、委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局より御説明をお願いします。
○医薬安全対策課長補佐 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 澤田委員、清水委員、多賀谷委員、舟久保委員、萬委員、脇田委員より御欠席との御連絡がありました。このほか、小宮根委員、佐藤薫委員は、まだ会議に参加されておらず、遅れての参加のようです。
 また、本部会の委員25名中、現時点で17名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規程により、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 最後に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。
 薬事分科会規程第11条には「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より、適合している旨を御申告いただいております。
 報告は以上でございます。
○岡部会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの御説明について、御意見、御質問等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、続いて、事務局から配付資料について御説明をお願いします。
○医薬安全対策課長補佐 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1-1から1-6、議題2に関して資料2-1から2-7、議題3に関して資料3-1から3-2がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1として「ゾコーバ錠の通常承認に係る承認条件について」、参考資料2として「薬効分類表」、参考資料3として「医療安全情報67号_高カロリー輸液の投与経路に関する注意について」をお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。また、資料は、厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照ください。
 以上でございます。
○岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、議題1「医薬品等の市販後安全対策について」に入りたいと思います。
 それでは、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1「医薬品の使用上の注意の改訂について」御説明いたします。
 令和5年11月に開催されました令和5年度第2回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内外の副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意改訂につきましては、本部会の先生方に御確認いただいたものであり、また、改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、機構のホームページと「医薬品・医療機器等安全性情報」にも掲載しております。
 資料1-1については以上です。
○事務局 続いて、資料1-2を御覧ください。「ワクチンの安全性に関する評価について」です。
 令和5年11月30日及び令和6年1月26日に開催されました安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同部会におきまして、ワクチンの安全性について評価をいただきました。
 1の(1)は新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等についてです。令和6年1月26日に開催された合同部会にて報告した各新型コロナワクチンにおける報告状況を表1にお示ししております。ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。
 なお、mRNAワクチンであるコミナティ、スパイクバックスについては、起源株及び2価BA.1、BA.4-5株対応ワクチンの供用が終了したこと等を受け、令和6年1月26日以降の合同部会においてはXBB1.5株対応ワクチンの接種等に焦点を絞った審議、資料構成としており、本資料においても同様にお示ししております。
 続いて、2ページ(2)、3ページ(3)は心筋炎及び心膜炎、死亡症例の評価についてです。心筋炎については表2を、死亡症例については表3を御確認ください。心膜炎については、今回、集計期間中の対象症例の報告はございませんでした。
 3ページの2は令和5年11月30日の合同部会の報告です。新規に接種が開始される新型コロナワクチンであるダイチロナ筋注(1価:XBB.1.5)の副反応疑い報告基準について、現時点において臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様に、アナフィラキシー、TTS、心筋炎、心膜炎、熱性けいれん、その他の反応を副反応疑い報告基準として扱うことが副反応検討部会委員によって議決されました。
 4ページ、3からは新型コロナワクチン以外の各ワクチンの報告状況です。
 (1)は報告状況の概要です。令和5年7月1日から令和5年9月30日までの期間における各ワクチンの報告状況について表4にお示ししています。これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置を取る必要はないとされています。
 5ページの(2)は死亡症例についてです。死亡症例については、令和5年7月から9月末までの対象期間に2例報告されておりますが、「ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの」とされた症例はありませんでした。
 ワクチンの安全性に関する評価については以上になります。
○事務局 資料1-3-1を御覧ください。まず、緊急承認された医薬品であるゾコーバ錠が通常承認されたことに伴う対応について説明させていただきます。
 これまでの経緯としては、ゾコーバ錠が緊急承認されたことに伴い令和4年12月1日開催の令和4年第3回医薬品等安全対策部会において、令和3年12月27日開催の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で示された「緊急時の薬事承認の在り方等に関する取りまとめ」等を踏まえ、緊急承認された医薬品の安全対策として、安全対策調査会における評価及びリアルワールドデータの活用を行うこととしました。
 今般、ゾコーバ錠が3月5日付で通常承認されたため、緊急承認された医薬品の対応は完了とすることとし、今後は、ほかの医薬品と同様に、製造販売業者からの国内副作用等報告の状況などを継続して報告するとともに、必要が生じた場合には、安全対策調査会等における検討を行うことをしたいと考えております。
 2ページから3ページでは、これまでの安対部会、安対調査会における評価と対応をまとめています。
 4ページで発出した通知・事務連絡をまとめております。
 MID-NETの結果については、資料1-4で御説明させていただきます。
 資料1-3-2を御覧ください。安全対策調査会における検討状況に関して、令和6年1月23日に開催されました安全対策調査会の御報告をいたします。
 1月に開催されました安全対策調査会では、参考人として、日本産科婦人科学会常務理事の亀井参考人、本部会の多賀谷委員及び宮﨑委員から御意見をいただき、副作用等の報告状況を踏まえ、追加の安全対策の要否について御審議いただき、追加の安全対策は不要とされました。
 内容の詳細に関して、製造販売業者からの副作用報告の状況については、2ページからになります。集計対象期間は1月14日までであり、推定使用者数は92万5237人です。当該期間における製造販売業者からの報告頻度は3ページ別紙のとおりで、重篤副作用として65例の報告がありました。4ページから5ページの別添1に症状別報告件数をお示ししております。6ページから7ページの別添2に症例一覧を、8ページから32ページの別添3に基礎疾患等及び症例経過をお示ししております。
 次に、医薬関係者からの副作用報告の状況については33ページからになります。集計対象期間における医薬関係者からの報告頻度は34ページ別紙のとおりです。症状別報告件数は35から36ページの別添1を御覧ください。
 次に、製造販売業者の公表資料である市販後安全性情報の報告については37ページからになります。集計対象期間における非重篤な副作用の報告頻度は38ページ別紙のとおりです。また、非重篤症例の副作用収集状況は42から46ページのとおりです。
 47ページでは、RMPの特定されたリスクであるアナフィラキシーについて示されております。
 RMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報としては、63ページの3月13日付で塩野義製薬が公表した資料を御覧ください。1月調査会時点では、本剤投与後に妊娠が確認された症例は34例おり、流産された症例は3例でした。今月公表された資料においては、新たな妊娠事例が追加で2例、妊娠に関わる副作用の新たな報告はないとのことです。
 66ページのRMPの重要な不足情報として中等度以上の肝機能障害患者での安全性に係る情報について御覧ください。1月調査会時点では、肝機能障害患者を被験者とした臨床薬理試験は機構評価中という状況でしたが、3月5日付通常承認において、中等度以上の肝機能障害患者の安全性が確認されましたので、本項目は削除されました。
 3月5日に通常承認されたことに係る事務連絡については参考資料1のとおり発出しております。通常承認されたことに伴って同意書の取得は不要となりましたが、引き続き製造販売業者が周知している資材を活用し、前回月経後に性交渉を行った場合は妊娠している可能性があること等、妊娠している可能性について入念に説明、確認を行っていただくよう、医療機関及び薬局宛ての周知を依頼しております。
 また、本部会委員かつ安対調査会で参考人を務められていた多賀谷悦子委員に、緊急承認された医薬品が通常承認されたことに伴う対応について御説明したところ、「緊急承認された医薬品の対応を完了することに賛同します。多くの症例に使用されており、安全性に関する報告もなされていると考えます。」との御意見をいただいております。
 説明は以上となります。
○事務局 それでは、続きまして、資料1-4につきまして、機構の薬剤疫学課から御説明させていただきます。
 資料1-4の1ページを御覧ください。昨年11月の本部会以降に調査結果を公表した案件は、この資料の1から2ページにある5件になっておりまして、調査結果を別添とさせていただいております。2番目がNDB、その他はMID-NETを用いた調査となっております。
 このうち医薬品の新たな安全対策措置に関連したものとしては、資料1-1の御報告とも関連しますけれども、1件目が抗うつ薬による血小板減少の関係の調査、2件目がVEGF/VEGFR阻害剤の動脈解離の関係の調査になります。抗うつ薬については、調査対象品目のうち一部の品目に対して、VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤についてはクラス全体に対して使用上の注意の改訂を行っております。
 そのほか、MID-NETを用いたスタチンに属するジェネリック医薬品の安全性評価に関する疫学調査、MID-NETを用いたチキサゲビマブ・シルガビマブによる臨床検査値異常のシグナル検出、MID-NETを用いたエンシトレルビルフマル酸による臨床検査値異常のシグナル検出を実施いたしました。
 時間の制約もございますため、今回の報告をもって調査終了を予定しております4つ目と5つ目、新型コロナウイルス感染症治療薬に関するシグナル検出についての結果の概要を御説明させていただきます。
 資料をおめくりいただきまして3ページ、こちらは昨年の御報告と同様でございますけれども、下段の留意点のみ簡単に触れさせていただきます。こちらの早期安全性シグナルモニタリングは、迅速性に重点を置き、患者背景の厳密な調整は実施していないため、安全性シグナルが検出された場合も探索的な結果であり、直ちにリスクであることを示しているわけではなく、その他の安全性情報を踏まえて評価を進めているというものでございます。
 調査結果は4ページを御覧ください。こちらはエバシェルドに関するシグナル検出の実施状況でございます。調査の条件、データ期間は前回から4か月と見ておりまして、昨年12月末までエバシェルド処方患者の人数は前回から約20名増加しております。本調査では、ロナプリーブ及びラピアクタの2種類を比較対照にしておりますが、ラピアクタを対照とした最新の解析で、前回御報告した白血球減少及び血小板減少以外の新たなシグナルは認められておりません。ロナプリーブを比較対照とした解析でも、新たなシグナルは認められませんでした。今回のシグナルに関しても、前回報告と同様、現時点での安全対策措置は不要と考えております。
 ページの下のほう、今後の対応についてでございますが、調査開始から約1年程度継続してまいりましたが、特段注目すべき新たなシグナルが認められておらず、患者数の増加も大きくは見込めないこと等を踏まえ、本調査は本部会での報告をもって終了とさせていただきます。なお、副作用報告等の安全性情報については引き続き収集に努めてまいります。
 また、この調査とは別に、COVID-19治療薬を対象とするMID-NETを用いた薬剤疫学調査の実施を予定しており、詳細な患者背景の調整を行った上で、本調査で認められたエバシェルドの安全性に関するシグナルも含めて検討を行う予定でございます。
 続きまして、5ページ、ゾコーバの関係でございます。データ期間は先ほどと同様でございまして、ゾコーバ処方患者の人数は約60名増加しております。前回報告にありました「eGFR低下(60未満)」及び「ヘモグロビン低下(CTCAE Grada2以上)」に関する性・年齢調整ハザード比の上昇については、今回のデータ期間延長により推定値が安定し、結果としてシグナルは検出されておりません。
 一方、ラゲブリオを比較対照とした場合に、図1に示しているとおり、「ベースライン検査値が基準範囲内であった患者」を対象とした解析で新たにカリウム上昇に関するハザード比の推移等から安全性シグナルが認められました。タミフルを比較対照とした調査においても同様のシグナルが認められましたが、その他の安全性情報を踏まえ、現時点で安全対策措置は不要と考えております。
 本調査についても、患者数の大きな増加が見込めないこと、ゾコーバ錠が通常承認されたことなどを踏まえ、調査は終了予定といたしますが、引き続き副作用報告等の安全性情報の収集に努めてまいります。
 資料1-4の御報告は以上になります。
○事務局 続いて、資料1-5を御覧ください。令和5年12月19日付で医薬局総務課長及び医薬安全対策課長通知「一般用医薬品の適正販売及び適正使用について」を発出しましたので、御報告させていただきます。
 今般、若年者の一般用医薬品の過量服薬による健康被害に関する報道が相次いでいることなどを踏まえ、一般用医薬品の適正販売及び適正使用について通知を発出しました。これまで周知してきた内容を再度周知するものになります。
 内容ですが、一般用医薬品の適正販売について、若年者に対しては使用者や使用目的などを十分確認した上で販売することが適切であること。濫用等の恐れのある医薬品については、施行規則や「「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売に向けた販売者向けのガイドラインと関係団体等に向けた提言について」等の通知も参考に、適正販売すること。乱用防止の啓発を目的として、厚生労働省ホームページに掲載の啓発ポスター等を活用すること。一般消費者等から相談があった場合は、都道府県等に設置された精神保健福祉センター等に適切につなぐこと。副作用等報告の実施について、一般用医薬品の乱用事例を確認した場合は副作用報告を行うこと。以上について周知いたしました。
 報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。
 資料1-3-1「緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)が通常承認されたことに伴う対応について」は、これまで安全調査会で宮﨑委員が参考人を務められたと思いますけれども、何か御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
○宮﨑委員 ありがとうございます。宮﨑です。
 本薬の安全性につきましては、令和4年12月から追加対策の必要性について調査会の参考人として重篤な症例を中心に見させていただきました。安全性の検討をしてきましたけれども、緊急承認当初から懸念のありました肝機能障害患者さんにおける安全性についても臨床試験の結果では特段の安全性の懸念がないと判断されています。また、投与禁忌である妊婦への処方が少数例ですが行われたことに対して、対策資材等を作成し、改訂を重ね、自治体あるいは医師会や薬剤師会、また関連学会等を通じて繰り返し処方について現場への注意喚起が行われてきております。
 そのような対策が行われた中で、約90万人に本薬が処方された状況のようですけれども、これまでに本薬特有の特別に懸念すべき副作用等はないと参考人としては考えました。したがって、現状では、緊急承認から通常承認となったことに特段の憂慮はしておりません。
 以上となります。
○岡部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局からの御説明も含めて何か委員の皆様から御意見、御質問等はございますか。特段の意見はございませんでしょうか。
 佐藤委員。
○佐藤(好)委員 ありがとうございます。資料1-4について感想めいた意見を申し上げようと思います。副作用との因果関係を明らかにすることは極めて困難だと承知しています。その中でMID-NETの分析を見るたびにその威力を実感しているところです。一般的には統計理解も含めて因果の証明が難しいことが浸透しているわけではありません。そこで生じる不安は容易にフェイクニュースを招き、科学的な蓋然性のある政策を進めていく障害になります。MID-NETをここまで育てた機構をはじめ現場の方々のデータクリーニング等の御苦労や入力の大変さはいかばかりかと思いますが、参加する医療機関を増やして、こうした解析がより広く一般的に行えるようにしていっていただければと思っています。
 以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。
 事務局のほう、あるいは機構のほうから何かございますか。
○医薬安全対策課長 御指摘ありがとうございます。御指摘のようにリアルワールドデータを使った安全対策については、今後の重要性が増していくと認識をしております。MID-NETにつきましては、この3月に徳洲会10病院を追加いたしまして、順次データを増やすといった取組をしております。今年度中に国立病院機構のほうからもDPCあるいはレセプトのデータを共有いただくような取組が進みまして、今後ともデータ量の拡大に向けて様々な検討を進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○岡部会長 ありがとうございます。貴重な御意見をいただいたと思います。
 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議題1の報告は以上となります。
 それでは、議題2「医薬品等の副作用等報告の状況について」に入りたいと思います。
 事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料2-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、厚生労働大臣は、副作用等の報告状況について薬事・食品衛生審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づき御説明いたします。
 今回の報告期間は、令和5年8月1日から令和5年11月30日まででございます。
 資料の1.には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況を示しております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数をお示ししており、国内症例について副作用報告は前回と比べて増加していますが、前年同時期と比べ減少しており、変動の範囲内と考えています。感染症報告は前回報告と同数でした。国内副作用報告の2万3389件のうち約600件はコロナワクチンに関する報告であり、コロナワクチンの報告に関しては前回から減少しています。(1)の国内症例の内訳は資料2-2にまとめてお示ししております。
 (3)には、医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペン部分の故障といった不具合の報告件数を示したものとなります。医療機器・再生医療等製品安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても(1)と同じく資料2-2にまとめてお示ししております。
 (4)には、外国での新たな措置の報告件数をお示ししており、前回と比べ件数は増加しておりますが、前年同時期と比べほぼ同じであり、変動の範囲内と理解しております。内容については資料2-3にお示ししております。
 (5)には、研究報告の報告件数をお示ししており、こちらは前回と比べほぼ横ばいとなっております。報告された文献等のリストは資料2-4にお示ししております。
 続いて、2.医薬関係者からの報告について御報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち重篤症例については、企業もしくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数、及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。このうち、ワクチン類を除いた医薬品の副作用報告の件数は前回報告と比べほぼ横ばいでした。ワクチン類の副反応報告及び予防接種後副反応疑い報告の件数はほぼ横ばいでした。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料2-5にまとめてお示ししております。
 最後に、3.副作用救済給付または感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告について御報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料2-6にまとめてお示ししております。
 資料2-1から2-6については以上です。
○事務局 続きまして、「患者からの医薬品副作用報告の状況について」御説明いたします。資料2-7を御覧ください。
 患者からの医薬品副作用報告の状況については、今回報告分は令和5年8月1日から令和5年11月30日までの分となります。
 今回の報告期間中の総受付症例数は79例でした。そのうち、未回復、後遺症があるまたは死亡したと報告された症例は56例でした。
 79例の内訳として、医療用医薬品を一つでも含む報告は77例であり、要指導・一般用医薬品を一つでも含む報告は2例ございました。
 全症例の副作用報告の状況は、医療用医薬品については別紙1に、要指導・一般用医薬品については別紙2にそれぞれラインリストを示しております。
 医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上からワクチン類、精神神経用剤、抗ウイルス剤でした。
 資料2-7につきましては以上です。
○岡部会長 以上となりますかね。それでは、ただいまの事務局からの御説明について、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議題2の報告は以上となります。
 続きまして、議題の3「医薬品の感染症定期報告の状況について」に参ります。
 事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、感染症定期報告について御報告いたします。資料3-1と3-2になります。
 まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明いたします。
 医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告におきましては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務づけられております。他方で、血液製剤やワクチンなどの生物由来製品につきましては、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく一定期間後に症状が顕在化してくるという可能性もございます。このような性質も踏まえまして、生物由来製品につきましては、製品への直接的影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことを義務づけられており、これが感染症定期報告でございます。
 なお、感染症定期報告で寄せられたものにつきましては、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会において報告を行っております。
 以上が感染症定期報告の概要でございます。
 資料は3-1と3-2がございますが、資料3-2が重複を含む期間中の全ての報告です。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。
 それでは、資料3-1を御覧ください。今回の報告は、令和5年8月1日から令和5年11月30日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略いたしますが、今回新たに報告された文献は34件ございました。
 これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に事前に御確認いただいておりますが、この場で紹介すべきコメントはいただいておりません。
 議題3については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議題3の報告は以上となります。
 予定しておりました議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。
○医薬安全対策課長補佐 特にございません。
 本部会の次回の開催は、委員の先生方に改めて御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○岡部会長 それでは、本日の部会を閉会とさせていただきます。本日はありがとうございました。 
( 了 )
                              
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬安全対策課 課長補佐 浦(内線2752)