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第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録
健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課
日時
令和6年7月31日(月) 9:30~
場所
WEB会議にて開催
(厚生労働省専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)
(厚生労働省専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)
議題
- (1)小児に対する肺炎球菌ワクチンについて
- (2)その他
議事
- 議事内容
- ○溝口予防接種課課長補佐 それでは、定刻になりましたので、第57回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ、委員、参考人の方々には御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事は、公開、頭撮り可としております。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。
また、傍聴される方におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録画をすることはできませんので、御留意ください。
次に、本日の出欠状況について、御報告をいたします。
本日は、清元委員より御欠席の御連絡をいただいております。
現在、委員17名のうち、16名に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告申し上げます。
また、事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。
7月5日付で、健康・生活衛生局感染症対策部長に鷲見部長が着任しておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、資料の確認でございます。
本部会の資料につきましては、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から番号06の利益相反関係書類までを用意してございます。資料の不足等、御不明な点がございましたら、事務局までお申し出ください。
なお、申し訳ございませんが、冒頭のカメラの頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、ここからの進行につきましては、脇田分科会長にお願いいたします。
○脇田分科会長 皆様、おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
いつもより少し早い時間からになりますが、よろしくお願いします。
まず、事務局から、審議参加に関する遵守事項等についての御説明をお願いします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日の審議参加の取扱いについて、御報告いたします。
本日御出席の委員、参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、薬事承認等の申請資料への関与、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況について申告をいただきました。
各委員、参考人からの申告内容については、番号06の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日は、薬事承認等の申請書類の作成関与で議題(1)について、中野委員より、申請書類等の作成関与の申告がありましたので、同参加規程第5条により、審議または議決が行われている間は「退室」に該当しますので、取扱いについてお諮りを申し上げます。
なお、その他の委員、参考人で「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいませんでした。
各委員、参考人におかれましては、毎回繰り返しのお願いで申し訳ございませんが、講演料等の受取りにつきまして、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、お願いを申し上げます。
事務局からの報告は以上でございます。
○脇田分科会長 御報告ありがとうございました。
今、事務局から審議参加についての報告がありましたが、分科会の審議参加規程第5条の規定におきまして、特に必要と認めた場合には、出席をして意見を述べることができるということになっております。
中野委員には、今日の議題に関しまして専門的な内容や知見を伺いたいという趣旨で、この規定に基づいて、本日の分科会で意見を述べて、審議に参加をいただくということでいかがかと思いますが、どうでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、了承が得られましたので、本日はそのような取扱いにしたいと思います。
では、議題に入ってまいりたいと思います。
議事次第を御覧ください。
今日は1件であります。「小児に対する肺炎球菌ワクチンについて」であります。
資料1が事務局から出ておりますので、まず説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○吉原ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。
それでは、資料1に沿って御説明させていただきます。
資料1の5ページでございます。
小児に対する肺炎球菌ワクチンに係るこれまでの経緯ですけれども、令和6年3月にPCV20、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンが日本で小児に対して薬事承認されたところでございます。
こちらにつきましては、令和6年5月に第25回ワクチン評価に関する小委員会において、企業からヒアリングを行った上で、PCV20を定期接種に用いるワクチンに位置づける方向性で議論が取りまとめられました。
また、令和6年7月、第61回基本方針部会において、PCV20を定期接種に用いるワクチンに位置づける方針で合意し、具体的な規定について議論いただいたところでございます。
6ページがPCV20の製品概要でございます。
「効能又は効果」において、20の血清型に対する小児の肺炎球菌による侵襲性感染症の予防が認められているところでございます。
「用法及び用量」につきましては、ここに記載の間隔で皮下または筋肉内に注射するというところでございまして、これまで用いてきました15価の肺炎球菌ワクチンと同じでございます。
また、下にございますとおり、プレベナー20、PCV20の希望小売価格は、プレベナー13、PCV13と同価格を予定しておると企業より発表されております。
7ページでございます。
こちらがPCV20に関するワクチン評価小委の理論でございます。
小委における結論としまして、PCV20に現行のPCV13及び15を上回る有効性が期待できると考えられるということ。
また、PCV20を定期接種に用いるワクチンに位置づける方向性で、基本方針部会等で議論を進めるという結論となっております。
この際の小委における意見といたしましては、血清型のカバー率が広いPCV20は、より効果が期待できると考えられるということ。
また、臨床試験において、PCV15と20を比較した試験はなく、20がより有効性が期待できることについては、理論上の期待であることに注意が必要ということ。
また、どのワクチンが望ましいのかということを明示することは、接種を受ける方々にとってはより分かりやすい情報提供となるということ。
また、15価から20価への接種するワクチン製剤の変更の可否についてしっかりと注意喚起をしていくことが望ましいとされていたところでございます。
8ページが基本方針部会での議論でございます。
こちらの結論といたしましては、PCV20を定期接種に位置づける方向性で了承いただきました。
また、具体的な規定について、事務局案をお示ししまして異論はなかったところでございます。
基本方針部会における意見としましては、年度途中でのワクチンの切替えや、15価と20価の交互接種について、自治体における円滑な運用に配慮すべきといった御意見や、PCV15と20の交互接種には現時点ではエビデンスがないことから、原則として同一のワクチンを接種することについて、自治体、医療機関に対して適切な情報提供が必要といった意見。
また、ワクチンの有効性に関する知見が限られていること等から、今後も侵襲性肺炎球菌感染症の動向について、サーベイランスを継続するべきといった御意見。
また、PCV13が定期接種から外れることについて、医療機関が在庫を抱えることがないよう配慮が必要といった御意見。
そのほか、PCV20の導入を待つことによって接種控えが生じないような対応が必要であるとか、15価と20価の供給状況を確認していく必要がある。
また、長期療養特例の上限年齢についての御意見もあったところでございます。
10ページがPCV20の定期接種への導入に係る具体的な規定についてでございます。
事務局案といたしましては、PCV20を定期接種に位置づけることとしまして、接種の対象者、時期、実施方法等は以下のようにしてはどうかと考えております。
まず、定期接種の対象者に係る政令については、変更はございません。
また、接種間隔と方法につきましては、これまで位置づけておりますPCV15と同様に定めることとしまして、省令と通知をそれぞれ改正していきたいと考えております。
また、使用するワクチンについては、省令と通知で規定しておりますけれども、PCV20を基本とするということ。ただし、当面の間はPCV15も使用できることとする。また、PCV20の定期接種化に合わせて、PCV13は使用するワクチンから除くということでございます。
長期療養特例や定期接種対象者から除かれる方についての規定は現行の規定どおりでございます。
定期接種化の開始時期は、令和6年10月1日を想定しております。
接種方法に関するその他の事項としまして、一番下ですが、PCV20と13の交互接種については、PCV13で接種を開始した場合でも、PCV20に切り替えて接種が可能なよう、必要な規定を設けることとしております。
また、PCV20と15の交互接種については、原則としては同一のワクチンで接種を行うこととしつつ、原則によることのできない場合についても接種が実施可能なよう、必要な規定を設けたいと考えております。
19ページにお進みください。
こちらは7月29日に開催されました第102回副反応検討部会との合同部会の取りまとめでございます。
こちらでPCV20が定期接種化された場合における副反応に係る取扱いについて御議論いただきまして、副反応疑い報告基準につきまして、下のとおりまとめられております。審議会での議論等を踏まえまして、PCV20については、PCV13及び15と同様の副反応疑い報告基準とするということでして、副反応疑い報告基準については、PCV20の導入によっても変更がないということが確認されたところでございます。
事務局からは以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、事務局から、PCV20の定期接種化に向けたこれまでの議論と、最終的に今日この分科会で定期接種に導入をするか、そして様々な具体的なことについて御議論をいただくということになるわけであります。
今、説明がありましたが、委員の皆様から御意見、御質問等あればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
小委員会、そして基本方針部会では、定期接種に向けて、有効性については期待ができるというところもありました。そして、抗原量は増えるわけですけれども、カバーできる血清型が増えると。安全性に関しても、今のところ懸念点はそれほどないのではないかというところです。副反応検討部会でも御議論いただいて、これまでと同様の副反応疑い報告基準でこれ以降も調査を続けていくというところになります。
大体そういったところなのですけれども、基本方針部会でも、交互接種については皆さんから御意見があり、PCV15とPCV20の交互接種についてはエビデンスがあまりないというところがあったということです。
佐藤先生、どうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございます。
基本、20にするという方針はよろしいかと思いますけれども、しばらくの間、世の中に15と20が出回ることになるということと、それから、実際に13とか15を既に打っており、次の接種を待っている方がいらっしゃるものと理解しています。過渡期の間に2種類のワクチンが存在するわけですけれども、今までいろいろな御意見をお伺いしますと、実際に接種する方にとってのデメリットは、待つことだという意見かなと理解しましたので、どちらを打つかということよりも、あるものをちゃんと打つということが大事だというシンプルなメッセージを出していただければと思います。
複数のワクチンがあると、どっちにするかという話になりがちなわけですけれども、御専門の方々の意見を聞くと、20になっていく方向性ではあるけれども、個々人のレベルでどっちがいいかということを論じることにあまり大きなメリットはないということと理解しましたので、ぜひそういうシンプルなメッセージを出していただければと思っています。
以上です。ありがとうございました。
○脇田分科会長 佐藤先生、ありがとうございます。
コミュニケーションの在り方ということにもつながるわけですけれども、定期接種のワクチンを適切な時期に打っていただくということをしっかりと伝えていくことが重要だということだと思いました。
坂元先生、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
今後課題になるのが15から20への交互接種の問題だと思うのですが、基本、原則として同じワクチンを接種するという考え方は、それはそれで私も賛成でございます。
ただ、やむを得ない場合、医師の判断で行えることは必要かなと思います。もちろん打たれる方の同意は基本ですけれども、医師の判断によってやむを得ない場合はというぐらいのことは必要だろうと思います。ただ、原則はあくまでも同一ワクチンということに関しては私も賛成でございます。
それから、20価の開始が10月1日ということも、市町村のほうとしても、値段が同じ、同じ予診票を使えるという点はありますが、供給の契約の見直し等がございますので、10月1日の開始というのはある意味妥当な日付ではないかと思っております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
後でまとめて事務長からレスポンスいただくことにして、まず笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
基本方針部会の結果を踏まえた事務局の案に賛成でございます。
その上で、間違い接種を防止するために周知と対策が重要と考えます。今回は10月1日以降という制度の変更につきまして、ぜひとも強調して皆様にお知らせをしっかりとしていただきたいと思います。その点、ぜひとも強調したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
次に中野委員、お願いします。
○中野分科会長代理 中野でございます。ありがとうございます。
小委員会とか基本方針部会での議論も、非常に簡潔に分かりやすくまとめてくださいまして、ありがとうございます。
そしてその中で、基本方針部会では互換性のお話、交互接種のお話がかなり議論されましたので、今日ここではもう繰り返しませんけれども、先ほど佐藤委員がおっしゃった、ワクチンというのは病気を予防するために、接種できる月齢になったら打つのだということ、そこのメッセージが私も大切だと思います。
そして、互換性の問題とか、交互接種がよくないとか、そういうお話だけで接種の機会が延びてしまうことが、病気にかかってしまうことにつながることもございますので、そこだけははっきりしておきたいなと思っています。
もちろん15価と20価の間の互換性というのは、確かにデータがございません。ただ、互換性というのは、ワクチンが開発された順番とか、そのときにその国あるいは世界でどういったワクチンが使われているかで、それが薬事承認されたときに互換性のデータがある場合とない場合が存在すると思うのです。今回の15価と20価に関しましては、キャリアたんぱくは同じですし、たんぱく量は確かに価数が増えて増えてはいますけれども、同じ成分の同じキャリアたんぱくのワクチンということで、恐らく世界のいろいろな国でも、経験的には接種をきちんとして予防することが大切だということで運用されておりますので、そこのところは見失わずにいきたいと思います。
と申しますのは、既に5種混合ワクチンが定期接種になっておりますが、現場で接種しておりますと、海外で異なる5種混合ワクチンを接種して帰国した方とか、6種混合ワクチンを接種して帰国した方、そういう方の相談もたくさん受けます。その場合に、データがないからということでただ突っぱねてしまうと、一番大切な予防という手段がそのお子様に届くのが遅くなったりいたしますので、その辺りは運用上今後も気をつけてまいりたいなと思っております。
以上でございます。
○脇田分科会長 中野先生、ありがとうございました。
そのほかいかがですか。大丈夫そうですか。
取りあえず、ここまで意見をいただいたところに関して、事務局から何かレスポンスがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○吉原ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。ありがとうございました。
まず、佐藤先生からいただきました、打ち控えずに打つようにといったところについても、そういった周知に努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
また、坂元先生からは、原則同じであるといったこと、また、やむを得ない場合の扱い等について御意見いただいたかと思います。そちらについても円滑な運用に資するよう、配慮してまいりたいと思っております。
笹本先生からは、情報の提供を丁寧にという御意見かと思いました。こちらにつきましても自治体を通じて現場に届きますよう、周知してまいりたいと考えております。
また、中野先生からも、坂元先生と同趣旨かと思いますけれども、運用が円滑にできるように配慮が必要であるといった御意見がありましたので、周知におきまして配慮してまいりたいと思っております。
○脇田分科会長 大体お答えいただいたのではないかなと思いますので、ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。やはり周知をしっかり丁寧にというところはありますし、互換性の問題等に関しても、御意見があるところだと思いますけれども、そこの説明をしっかりとしていくということかなと思いました。
ほかは大丈夫ですか。
それでは、意見がさらにないようであれば、小児に対する20価の肺炎球菌ワクチン、PCV20を事務局側で御提案がありましたとおりに、今年の10月から定期接種に位置づけるということをお認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○脇田分科会長 皆さん賛成していただきました。ありがとうございます。
それでは、この件に関しては分科会として了承したいと思います。ありがとうございました。
それでは、この件に関しまして、関係法令の改正がございますので、事務局から説明をお願いいたします。
○鈴野予防接種対策推進官 事務局でございます。
今ほどの議論を踏まえまして、省令改正案につきまして諮問をさせていただきたいというものでございます。
資料につきましては、右肩に資料2とある資料をお開きいただければと思います。
資料の1枚目、2枚目は諮問に係る通知文でございまして、内容としましては3枚目、右肩に別紙1と書いてあるページをお開きいただければと思います。
予防接種実施規則の一部を改正する省令案ということで、省令の改正について諮問をさせていただきたいというものでございます。
第一でございますが、この実施規則につきまして、小児の肺炎球菌感染症についてPCV20の接種方法を追加するということでございます。
中身としましては、27日間の間隔を置くであるとか、3回接種であるとか、筋肉内または皮下注射ということで、この辺りはPCV15と同じような内容になるというもので想定しております。
また、第一の最後の3行目後段でございますが、PCV13につきましては削除するということも盛り込んでございます。
第二ですけれども、施行期日としましては、10月1日で改正をしたいということでございます。
省令案要綱の内容は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。○脇田分科会長 ありがとうございました。
今回は比較的シンプルな内容でありますので、分かりやすいかと思います。20価のワクチンを加えるということと、13価は削除ということでありました。
それでは、この諮問された原案どおりに御承認をいただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それでは、事務局におかれましては、必要な事務手続を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今日は短いのですけれども、これで事務局のほうにお返ししたいと思います。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日も御意見、御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、これで終わりたいと思います。
今日も御参加いただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、失礼いたします。