第21回 特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会

日時

令和6年8月20日(火)17:00~19:00

場所

AP虎ノ門 11階 ROOM C・D
東京都港区西新橋1-6-15 NS 虎ノ門ビル

議事

○樋渡地域医療計画課補佐 定刻になりましたので、ただいまから第21回「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本検討会は、先月3日に第20回検討会を行って以来の開催となります。私、事務局の医政局地域医療計画課補佐の樋渡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、尾形構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、山本構成員におかれましては途中から参加される予定となっており、村松構成員におかれましては途中退席される予定と伺っております。
 なお、長尾構成員、山本構成員におかれてはオンラインによる参加となっております。
 事務局において、審議官の森ですが、本日公務により欠席となっております。
 また、医政局長の森光ですが、遅れての出席となる予定でございます。
 本日、オブザーバーとして前回に引き続きまして文部科学省医学教育課から参加されております。
 また、前回検討会以降、事務局に人事異動がございます。時間の都合上、課長の中田から一言御挨拶させていただき、その他の者につきましてはお手元の座席表にて紹介と代えさせていただきます。
 それでは、医政局地域医療計画課長の中田より挨拶申し上げます。
○中田地域医療計画課長 皆様、こんにちは。8月の人事異動で地域医療計画課長を拝命いたしました中田でございます。
 大変恐縮でございますが、着座のままで失礼いたします。
 前回、この検討会におきまして特定機能病院の現状、在り方についていろいろ御議論いただいたというふうに承知しております。今回、事務局のほうでその論点を整理させていただきまして、今後の議論の進め方について本日御議論いただきまして、合意が得られれば今後その合意に沿った進め方でさらに議論を進めまして、年内に一定の方向性をまとめられればと考えております。
 本日、前回同様、皆様の忌憚のない御意見を賜りまして、闊達な御議論をいただきますようお願いしたいと思っております。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表のほか、次のとおりです。
 まず、資料1「特定機能病院の現状等に係る前回の指摘事項等及び今後の議論の進め方について」。
 次に、資料2「大学附属病院本院についての論点の例」。
 また、参考資料として「特定機能病院の現状等について」でございます。
 今回につきましてはタブレットの使用が可能となっており、資料につきましてはそちらで確認いただければと存じます。
 タブレットの不調等がございましたら、事務局にお申しつけください。こちらはよろしいでしょうか。
 また、本日は現地参加及びオンラインによる同時開催となっております。
 オンラインでの御参加の委員の皆様に御注意いただきたいことにつきまして御連絡申し上げます。
 御発言時以外は、基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 また、御発言がある場合にはZoomの挙手機能やコメント機能を用いて意思表示をお願いします。座長の指名に基づき、御発言をお願いします。
 御発言の際は、記録のため、最初に御自身のお名前をお願いいたします。
 現地参加の方におかれましても、同様にお願いいたします。
 それでは、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○樋渡地域医療計画課補佐 以降の進行は、座長にお願いします。
○松田座長 松田でございます。
 それでは、早速ですけれども、議事の1「これまでの議論の整理について」に入りたいと思います。
 まず、資料の1「特定機能病院の現状等に係る前回の指摘事項等及び今後の議論の進め方について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進・医務指導室長の松本でございます。
 タブレットの資料1を御覧いただきたいと思います。
 「特定機能病院の現状等に係る前回の指摘事項等及び今後の議論の進め方について」ということでございます。前回、かなり構成員の皆様から幅広い網羅的な御指摘をいただいたと承知をしておりまして、様々な論点をカバーしていただいたと考えております。
 今回、皆様からの前回の御指摘を整理させていただきまして、今後の議論の進め方についても事務局から御提案をさせていただきたいと考えております。
 それでは、順次資料のほうを進めていきたいと思います。
 資料1の3ページを御覧ください。
 前回の指摘事項のうち、まず特定機能病院の全体に係る観点の指摘事項を5点まとめております。
 3ページの1つ目の○が、前回御指摘をいただいたところ、そもそも一番の根本のところはこの1つ目の○ではないかと考えております。特定機能病院の創設後、様々なその他の医療法などの病院類型の制度が創設されておりまして、また医療事情も医療の高度化、均てん化など、大きく変化をしております。今回、検討に当たりまして、この機会に特定機能病院としてそもそもどのような機能を果たすことを求めるのかということを検討、整理するべきではないかという御指摘が根っこのところにあるかと思っております。
 2つ目の○ですけれども、特定機能病院として前回も御説明しましたが、現在4本の柱がございます。医療、教育、研究、それから医療安全ということでございますが、それぞれ高度なものをということになっております。前回、門脇構成員を中心に御指摘をいただいたのが、この4本柱ですが、その中でも特定機能病院ですので、高度な医療を提供するという観点が軸になるのではないかという御指摘であります。
 研究、教育、それから医療安全、また、前回承認要件にはないですが、議論になりました大学附属病院本院等が行っている医師派遣機能も、目的はそもそも地域で一体となって高度な医療を提供するためであるというふうに考えることができるのではないかという御指摘であります。
 今後、特定機能病院が果たすべき機能を議論する際は、この医療が軸というところが中心ではないか。その際、高度性だけではなく網羅性が地域全体の医療水準を引き上げるという観点が重要なのではないかということでありました。
 次の○ですが、大学附属病院本院に関しても全体的な議論になりまして、この4本の柱はいずれも高度に行っているということでありますけれども、さらに対象疾患の幅広さが異なっているということ、それから「また」の後で医学生等の卒前教育、そこから連続する卒後教育の流れをさらに踏まえて医師派遣機能を担っているということ、ここに対して幅広い領域を網羅するためのコスト・手間がかかっているのではないか。
 次の○ですが、この理由から求める機能や承認要件等を検討する際は大学附属病院本院についてほかの特定機能病院、特に特定領域型の特定機能病院とは分けて議論したほうがよいのではないかという御指摘でございます。
 ここで最後の○ですけれども、この附属病院本院の中で仮に話をした場合、比較をしたとしましても、その中で果たしている機能に差があるのではないかという御指摘がありました。特に都市と地方の違いというところで、特定機能病院として果たしている機能は異なるのではないかということであります。
 特に、医師少数県の場合の医師派遣機能は大きく異なるのではないか。これらの分析を行った上で、大学附属病院本院の中を異なる類型に分けて議論することも含めて検討してはどうかという御指摘であります。
 この場合、さらに機能が異なる理由が、地域の特性によって異なるのか、それとも地域というよりは当該病院の独自の理由なのかといった分析も必要ではないかという御指摘がありました。
 続きまして、4ページをお願いいたします。
 次に、医療と研究、教育にまたがる論点が4点ございます。
 まず1つ目の○ですけれども、上田座長代理がおっしゃっていた点ですが、病院全体のガバナンス、それから各診療科横断的な統一された取組、これが医療の質の担保として重要だということ。
 それから2つ目の○、質的な指標を見ていくべきだということ。
 それから、これは直接承認要件等に関係あることでは必ずしもないのですが、3つ目の○として大学附属病院本院は診療と教育・研究に対して複数の収入源があるということですけれども、医師等の医療従事者の人件費等の支出の構造が必ずしも対応していないというところがあるのではないかということですね。さらに、働き方改革への対応もあって経営面での環境変化も起きているということで、経営面の課題を整理することが参考になるのではないかという御指摘。
 それから最後の○ですが、診療報酬上の評価については特定機能病院の求められる機能とはまた別の議論という前置きがあった上で、日本の診療報酬制度でどのような観点が評価されるかについても共通認識を持っておくべきではないかという御指摘でありました。
 5ページ目は、前回提示した医療のところの論点であります。
 6ページ目を御覧いただきたいのですけれども、今度は医療に関する論点、4点であります。
 まず1つ目の○ですが、特定機能病院とそれ以外のものですね。この資料では一般病院と書かせていただきますが、400床以上の場合、特定機能病院と一般病院の違いがあまり明らかではないということ。
 それから、2つ目の○で猪口構成員がおっしゃっていた点ですけれども、医療の内容が明らかでないとなったときに、今、紹介率、逆紹介率という要件があるのですが、それだけ見ていくと地域医療支援病院とか紹介受診重点医療機関とちょっと区別がつかないところがあるのではないか。
 それから3つ目の○、一部の特定機能病院において先進医療の実施数が低調になっている理由を分析する必要があるのではないかということですね。
 最後の○ですが、山崎構成員等がおっしゃっていたところですが、提供する医療の高度性やカバー領域に差があるのではないかというところ、最後のとりでになっているところ、なっていないところが本院の中にもそれぞれあって、5疾病6事業のカバーもそれぞれになっているのではないかという御指摘がありました。
 7ページは、前回の資料です。
 8ページを御覧ください。
 こちらは研究に関する論点、6点でございます。
 まず1つ目の○ですが、研究実績が低調になっている特定機能病院、大学附属病院本院があるのではないか。原因を分析する必要があるのではないかという点です。
 2つ目の○ですが、競争的資金ですが、分野を絞ったほうが獲得しやすいのではないかというところ、特定領域型と総合型が分かれるところではないかという御指摘、または総合型の要件として幅広い分野で研究を行ったり、研究資金を獲得している実績やそのための体制確保が要件になる必要があるのではないかということですね。
 その次の○も似ていますが、論文のところですが、分野を絞ったほうがやはり難易度が相対的に下がるのではないかということで、特定領域型と分けて議論する必要性の御指摘がありました。
 次に4つ目の○ですが、今、研究の定量的な実績要件は査読あり英語雑誌の論文の掲載件数になっております。近年、査読の質が様々になってきていたり、オンライン等によって掲載されやすくなっているのではないか。論文の質の観点の検討が必要ではないか。臨床研究中核病院では特定臨床研究に限っていたりということで制限がついておりますが、そういう質の観点の検討が必要ではないかという御指摘です。
 次の○ですが、研究実績だけではなくて研究の体制ですね。CRC、クリニカル・リサーチ・コーディネーターであるとか倫理体制などの評価も必要ではないかということ。
 それから最後の○ですが、吉村構成員がおっしゃっていた一般病院でも論文は最近書かれていますので、実績比較をする必要があるのではないかという点でございます。
 続きまして、10ページを御覧ください。
 教育に関する論点、6点でございます。
 まず1つ目の○ですが、先ほども少し触れましたが、大学附属病院本院が行っている卒前から卒後までの連続性のある教育のところ、それから地域に医師を留める観点からもこれらの教育の重要性が高いという点、「また」以降ですが、その他のコメディカルを含めた医療系の学生の卒前教育も大学附属病院でかなりの部分が実施されているという御指摘でございます。
 2つ目の○ですが、卒前教育のこれらの受け入れ状況は大学附属病院本院とそれ以外の特定機能病院で大きく異なっているという御指摘。
 その次は3つ目の○ですが、高度な教育のためには基礎的な教育体制も重要であるという御指摘。
 4つ目の○ですが、これは承認要件の話ですが、今は定量的には研修医の人数だけになっていますが、医療の高度化や専門研修医制度の開始などを踏まえて、専門研修やサブスペシャリティーの研修などについても位置づけ、取扱いの検討が必要ではないかという点です。
 その次の○ですが、地域枠の医師に対する研修の重要性の御指摘。
 それから、最後の○で繰り返しになりますが、医師以外の卒前の学生だけではなくて卒後の医師以外の医療専門職への教育・研修の重要性の御指摘がありました。
 次に14ページ、その他の機能のところですが、医療安全、倫理の御指摘が2点ございました。
 長尾先生などから御指摘があったところですが、平成28年以降の特定機能病院の承認基準ですね。女子医大や群馬大の事例を受けての見直しになりますが、外形的な医療安全管理体制が整備されつつあるということです。
 一方、実践内容の課題があるので分析が必要ではないか。透明性や実効性の観点の検討が必要ではないか。
 次の○ですね。どうしても先進医療の実施件数の要件などがありますので、この数値目標をクリアするために必要以上にリスクを冒されることがないよう、医療倫理的なチェックが必要だという御指摘がございました。
 続きまして15ページ、「医師派遣機能について」の論点、4つでございます。
 まず1つ目の○ですが、医師派遣機能は地域医療の維持の観点からも非常に重要であるということで、特定機能病院の要件として取り扱うことも含めて検討してはどうかという御指摘でございます。
 2つ目の○は、医師多数県に対する医師派遣機能と少数県に対するものの意味合いが異なるのではないかということ。
 それから3つ目の○、医師派遣といってもマンパワーが限られておりますので、やはり地域医療構想、地域医療の提供体制の議論と整合させるような検討をする必要があるのではないかということですね。
 それから、最後の○ですが、非常勤に比べて常勤は捉えどころが難しく、曖昧なので精査をしていく必要があるという御指摘です。
 全体として、医療提供そのものよりもこのような医師派遣機能などの地域医療の一体的なところが重要だという御指摘が多かったということだと思います。
 これらをまとめますと、17ページで5点にまとめさせていただきました。
 まず1つ目の○ですが、改めて、特定機能病院創設後の変化、特に医療の高度化と均てん化ですね。それから、医師需給状況の変化や医師の教育体制、研修制度・専門医制度などの変化、ほかの拠点病院などを含めた類型の創設などを含めて、研究環境なども変化をしている中で改めて特定機能病院の求められる機能についてそもそもの整理が必要ではないかというのが1点目。
 2つ目の○ですが、やはり高度な医療を提供する拠点になるという観点が一つの軸ではないかということであって、教育、研究に関しても医療提供のための基盤という切り口が重要ではないかということでございます。
 3つ目の○ですが、高度な医療・研究・教育というようなそれぞれの柱を検討していくわけですが、量的な観点と質的な観点という違い、それから前回かなりいろいろ出ましたが、網羅性と高度性のバランスですね。網羅性の重要性の御指摘がありましたが、あとは実績があることなのか、体制なのかといったところの議論。
 それから、医師の教育等ですね。それから、医師以外の職種の関係であるとか、医師多数県、少数県かといったところ。
 それから、診療科横断の課題とか、病院全体のガバナンス上の課題といった論点があると思いますが、これらの論点を踏まえて検討する必要があるのではないかと考えております。
 それから、次の○ですが、やはり整理の中では大学附属病院本院に非常に指摘があるところです。医療・研究・教育、いずれも高度に行っており、さらに対象疾患が幅広いということの御指摘が前回ありましたが、この点と、あとは卒前教育ですね。医学生等の卒前教育から連続していく卒後教育、それからその流れを踏まえた医師派遣機能というところですね。
 大学附属病院本院についてはこれらの機能を承認要件上の検討をしていくわけですが、ほかの特定機能病院、特に特定領域型の特定機能病院とは分けて議論したほうがいいのではないか。その際、医師派遣機能についても議論を行ってはどうかということでございます。
 次の○が都市部と地方部などの所在地による相違ですとか、あとは1県1医大という御指摘が前回ありましたけれども、ほかの特定機能病院が近隣にあるか等の相違など、置かれている条件によって医療・研究・教育・医師派遣の実情、求められ方、それから負担感などが異なっているという指摘がございましたので、現状分析やあり方の議論についても必要に応じて類型に分けて議論する必要があるのではないかということでございます。
 以上を踏まえまして、ここまで論点が出ておりますので、一定の中間整理というか、まとめとして以下の3点に沿って今後の議論を進めてはどうかと提案をさせていただきます。
 18ページでございますが、「今後の議論の進め方について(案)」として3つございます。
 まず1つ目の○ですが、今まで申し上げた様々な変化を踏まえまして、まずは特定機能病院とは何なのか、求める機能についてそもそも整理・検討をするということです。
 2点目ですけれども、その際、まずは大学附属病院本院について求められる機能を整理するということを行ってはどうかと考えております。それ以外の特定機能病院とは異なる承認基準を設けることも含めて、まずは本院について現状分析を含めた検討を行ってはどうかというのが2点目の御提案です。
 それから3点目、その後、大学附属病院本院について整理された論点を活用して、その他の特定機能病院に求められる機能ですね。必要に応じて異なる承認基準をこちらでも議論するということも含まれると思いますが、これを本院の議論に引き続いて整理することとしてはどうか。
 この3点が中間整理的な御提案と、今後の進め方についてのまとめということになります。
 事務局からの御説明は以上でございますので、御議論をお願いしたいと考えております。
○松田座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、前回の指摘事項の整理及び今後の進め方について皆さんのほうから御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 川上委員、お願いします。
○川上構成員 川上です。
 今、最後に御説明いただいた18ページの「今後の議論の進め方について(案)」についてです。
 いずれも内容も宜しいかと思いますけれども、「整理・検討を行ってはどうか」とのことなのですが、例えば「承認要件を見直すことを含めて検討する」とか、少し踏み込んだ内容でも良いかと個人的には思います。例えば、人員配置とか構造設備など、外形的なストラクチャー的な要件は、作ったときから年月が経っていて現状とは合っていない部分もあると思うので、現状の特定機能病院の高度な医療を阻害しないのであれば、そういうものの見直しを含めて実際には検討されるのかと思うのですけれども、その点はいかがなのでしょうか。
○松田座長 どうぞ。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局でございます。まさに川上委員がおっしゃるように承認要件の議論を含めて議論をするということで2つ目の○がございます。ですから、まず、大学附属病院本院から機能整理と承認要件の議論をしてはどうかというのが御提案ということになります。
○川上構成員 分かりました。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、吉村委員お願いします。
○吉村構成員 御説明ありがとうございます。千葉大学病院の吉村です。
 先ほどの論点の整理の中で、医師派遣や医師の配置についての言及ありがとうございました。私の意見も一部反映されており、追記いたします。これまでの医師派遣や医師の配置については自治医科大学が長く担っておりました。自治医科大学は創立50年を経まして、卒業生が勤務しているその地域の大学病院が自治医科大学の卒業生の専門性・専門研修や医師の育成について大きく貢献している地域もあれば、そこは分断されたまま医師の配置が行われている地域もございます。その点を踏まえて、今後は一体的な医師養成や配置に取り組んでいる、具体的には自治医科大学の卒業生の育成も行っているという点も加味していただけるとありがたいです。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 私のほうから質問してもあれなのですけれども、複数の医科大学がある県などにおいては自治医大の連携というのはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
○吉村構成員 千葉大学の当部門での調査になりますが、複数の大学病院がある地域だと分散し、そのまま地域で診療のみを行っているというケースが多いように思います。
 単一の大学病院のみある場合だと、自治医科大学の卒業生も含めて養成を行っているケースがいくつか見られるかなということで、連携という点でもまだまだという状況だと思います。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 相良構成員、お願いいたします。
○相良構成員 1つは今の最後の18ページのまとめというところで、これは賛成ではあります。どういうところを議論していくかということなのですけれども、結果的に大学病院の本院と、いわゆるそれ以外の特定機能病院と言われるところの大きな違いというのは、やはり教育のところが大きく違ってくると思います。
 医師派遣に関しましても、例えばある程度、医師多数県、あるいは医師多数地域においても病院本院自体のある程度どれだけの人数がそろっているからどれだけ出せるかという問題と、診療科によってかなりばらつきがございます。ですから、そこは人数で派遣をしていくということに関してはやはり少し難しいところがあるかと思います。
 特に、例えば東京だからある程度人数がそろっているので、ではそこは派遣すべきだというふうにはよく言われていますけれども、実情は結構違いまして、実際にその診療科の中でかなり足りないというところは結構あります。そういう中で動いているところがございますので、そういうことを踏まえて考えると、医師派遣のところが適切に評価できるかどうかという問題もあるのではないかと思います。
 あとは、教育に関してもそうですけれども、例えば論文の作成数ということで考えますと、やはり特定機能病院の大学病院本院と、例えば特化した形での病院の中で、論文数というのはほぼ同等か、あるいはそれ以上というところも多く見られます。
 それは、1つは論文を作成できる体制が整っているので、それに対しての論文数は増やす、あるいは増えてくる。それは非常にいいと思いますけれども、いろいろなバラエティーに富んだ全診療科からの論文の作成ということを考えるとそこに大きな違いがあると思いますので、そこはやはり参考にすべきかと思います。
 先ほどの英文論文に関しても、ハゲタカみたいなものが結構今までたくさん出ていますので、あれもインパクトファクターがついていますから、そこをどう捉えていくかというところもやはり議論すべきかと思いますので、その点がポイントかと思います。
○松田座長 ありがとうございました。
 事務局から何かありますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 大丈夫です。
○松田座長 そのほか、いかがでしょうか。
 泉先生、お願いします。
○泉構成員 泉ですけれども、恐らく今回の見直しになった一番大きな原因というのは、ある病院から特定機能病院になりたいということで申請があって、それを審議して、いろいろな審議の結果、研究とか、症例数だとか、難しい手術だとかというのは本当に遜色ないくらいの業績を上げていらっしゃるというところで、特定機能病院を決めた時期と現状がかなり変わってきていて、相当手術も論文もいっぱい書いて業績もいっぱいあるという病院が申請してきたということで、現状に合ったものをきちんと決めておかなければいけないということが根本にあったのだろうと思っています。
 一方、そこでハードルを上げてしまうと、地域における医師少数県において地域を一生懸命守ってくださっている大学病院がそれでふるい落とされるなどということがあってはまずいので、最低限は大学の本院で1県1医大は守るということが絶対条件になるということになるかと思いまして、恐らく今後特定機能病院になりたいという病院の申請があったときに、きちんと説明できるような基準を現代に合ったものをつくっておかないと、やはりこういう基準だから合格だ、こういう基準だと不合格だということを説明できなくなってしまうということだと思いますので、新たに現在の状況に合わせた基準を決めるということが今回の大きな目的なのだろうと思っています。
 今も本当に大学病院を上回るような地域の中核病院で、業績も症例数も非常に多いし、論文もいっぱい書いているという病院は結構ありますので、そういう病院とどう差別化していくかということをきちんと定義するということが必要かと思っています。
○松田座長 ありがとうございます。
 非常に重要な御指摘だと思います。病院の機能ということで臨床面と教育とを見ていくと、大学病院と本院と遜色ないところがかなり出てきているので、多分そこは少し切り分けて議論しないといけないという御提案だったと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 吉川委員、お願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。吉川でございます。
 18ページにあります今後の進め方につきまして、大学附属病院本院に求められる機能と承認基準や、それ以外の特定機能病院の承認基準、これらを分けて考えることについて異論はございません。
 さらに特定機能病院の役割である「高度な医療」の「高度」が示す内容や、地域医療構想における地域医療との連携において果たす役割、これらについても明確化をしていく必要があると考えております。
 一方、高度な医療を安全に提供するためには、医師はもちろんですが、チームで働く全ての職種が対応できなければならないと考えており、そのための人材育成はとても重要なことになります。これらにつきましては今後検討されるとは思いますが、看護職やその他の職種の人材育成の体制、研修提供体制の在り方につきましても承認基準検討に入れていく必要性があると考えます。
 現在、特定機能病院の評価の中では外形的な評価で配置人数しか評価されていませんので、どのような内容と基準にすべきかといった明確化にもう少ししっかりと踏み込んでいく必要があると考えます。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
 安全面とか臨床研究とか、そういうところで多くの病院で医師以外の医療職が入っているところが今は一般的になっていると思いますので、それを多分明示的に見ていくということなのだろうと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 相良委員、お願いいたします。
○相良構成員 相良ですけれども、これはごちゃごちゃになってしまうといいますか、1つは例えば臨床で議論する。そうすると、例えばいろいろな病院がこれだけやっているので、うちは特定機能病院としての機能を果たしているという形で持ってくる病院がものすごく出てくる可能性があると思うんです。
 ですから、例えば症例数なり、あるいはいろいろな論文数なり、それは恐らくいろいろな病院ができるとは思うんです。そうすると、自分はこれだけのものをやっているので、特定機能病院として認めてくれという形がたくさん出てくると思いまして、大きな違いは恐らく卒前、卒後のシームレスな教育体制というのは大きく違ってくると思いますので、そこら辺のところを入れ込んで議論していくことが重要なポイントになるのではないかと思います。
○松田座長 ありがとうございます。
 教育研修のところは私自身、大学の副院長をやっていますけれども、特に今年からスチューデント・ドクターが始まって若手の医師の教育に関する負担がものすごく上がっていますので、これは多分大学病院の特徴なのだろうと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 山崎委員、お願いいたします。
○山崎構成員 山崎です。
 今の教育のところに関して都道府県の立場からいいますと、もちろん大学病院本院は卒前教育はかなり大きく担っていただいている。
 ただ、今までの議論だと、卒後に関しては初期の臨床研修に関しては400床以上の一般病院とそんなに大きな差がないというようなことになっていたと思います。
 さらにその上の専門研修になりますと、外科とか内科とか、いわゆるメジャーな科に関してはものすごく大きな差は実はないのかなというところはあるのですが、いわゆるマイナー科、専攻する医師が少ない科に注目すると、大学病院本院が担っている機能というのは非常に大きいということになります。
 少し調べてはみたのですけれども、例えば臨床検査や病理、リハビリテーション科、あとは耳鼻科や形成外科、あるいは脳神経外科というところが専攻する医師が少ない科になるのですが、これは全国で20県から30県くらいが大学病院本院が唯一の専門研修プログラムを持っていて、もしそこがちゃんと機能してくれないと、例えば脳神経外科医を育てることがこの県ではできないというくらいのところになっているんですね。
 つまり、大学病院本院は19の診療領域の中で19全部とか、18とか、かなり広い診療科の専門研修プログラムを持ってくださっていて、それによって何とか都道府県の医師、専門医の養成の機能を保っていたただいているという状況で、恐らく400床以上の一般病院というのは内科や外科とかのプログラムを持っていても19全部を持っているような病院はほとんどないと思っていますので、そういったところも大学病院の本院の特徴として捉えていただいて、県内で唯一の専門医研修機関というところが全国の半分、もしくはそれ以上ということもぜひ加味していただけたらと思っております。
○松田座長 ありがとうございます。
 非常に貴重な御意見だと思います。実際に私も調べたことがあるのですけれども、やはり頭頸部のがんとか、皮膚がんとか、それから内分泌系の甲状腺以外のところのものとかはかなり大学病院が診ているという現状があります。あとは中央診療部門ですね。そういう意味で、そういうところを評価するというのは非常に重要な視点かと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 上田委員、お願いします。
○上田座長代理 上田です。
 私も、この論点整理で進めていただくことに賛成でございます。教育について随分お話がございました。私も今ちょっと医学教育に携わっていますが、座長がおっしゃいましたようにスチューデント・ドクターが始まっており、あるいは臨床実習については、これまでの見学型から診療参加型臨床実習と強化されていますので、これまで特定機能病院の役割は、高度の医療、研究、研修、医療安全となっていますけれども、教育についての整理が必要かなと思います。
 もう一点は、地域医療提供体制の議論との整合性についても検討することが大事だと思っております。といいますのは、例えば救命救急医療や災害医療ですとか、特定機能病院に求められる医療がございますが、ある県において大学病院以外にそのような医療センターがあって、必ずしも大学病院に救命救急医療等の機能がないところもありますが、基本的には地域において、また県において、大学病院以外にそういった最後の拠点があれば、大学病院が必ずしも同じようなことをする必要はないと思います。一方、大学病院以外にそのような機能がなければ、当然大学病院に期待されると思います。
 また、医師派遣機能が議論になっていますが、どのような位置づけで審議するかが論点になりますので、その際には地域医療提供体制と関連して特定機能病院について議論していく必要があると思います。
○松田座長 ありがとうございました。
 医師派遣の話も非常に重要で、今、想定されているのはどちらかというと常勤医を拠点病院に派遣しているということなのですけれども、地域によっては休日夜間医療センターは医師会と協力をして大学の若手がぐるぐる回ることによって地域医療を支えているという面もあるし、二次輪番も多くの地域では大学病院からの派遣医によってやられていることが多いわけですけれども、その機能がなくなってしまったときに地域医療はもつのかというと、やはりそれもちょっと難しい問題だと思うので、そういうところも含めてどういうふうに評価していくかということを少し考えなければいけないかと思います。
 あとは、病理とか放射線科のちょっとややこしいものなどは、大学のほうにコンサルティングが来てもらうようなこともやっています。多分、多くの大学病院はそれをされていると思うのですけれども、そういうものをどういうふうに見るのかとか、地域医療と大学病院との関係性というところでは少し項目立てを整理したほうがいいのではないかと思いました。
 ほかはいかがでしょうか。
 松本委員、お願いします。
○松本構成員 ありがとうございます。健保連の松本でございます。
 まず議論の整理、今後の議論の進め方につきましてはよく網羅されておりますので特に異論はございません。その上で、2点コメントさしあげたいと思います。
 今、地域医療構想との絡みの発言が結構ありましたけれども、特定機能病院が地域に果たす役割を検討する際に、現在2040年に向けた地域医療構想が検討されていることも頭に入れて、現状の分析も大事でございますけれども、特定機能病院が将来に向けてどういった役割を果たしていくのかということも考えるというか、意識する必要があると思っております。
 例えば、一般の急性期を担っている病院が現状では難しい手術や二次救急に対応できていないとしても、今後医療資源を集約して急性期の機能を高めることができれば、今、特定機能病院が提供している医療の一部をそういった急性期の病院に移行するということも想定されますし、ぜひ個人的にはそうあっていただきたいと考えております。
 また、今後は皆様方も十分御承知のとおり人口構造、あるいは医療ニーズの地域格差がこれまで以上に大きくなるということも考えられます。
 17ページの最後に記載のありますとおり、都市部と地方部の違いを含めて医療提供体制全体がどのような方向に進むのかということを踏まえつつ、特定機能病院が広域でどのような役割を担うべきかを考えることが重要だと思います。
 2つ目は、まず大学病院本院について議論するということで、あるべき姿をしっかり示すべきと考えておりますけれども、後から説明があると思いますが、資料2を拝見いたしますと、ほかの病院に比べて急性期の治療実績が高くない場合であるとか、あるいは大学病院の中でも研究や教育に差があることが示されております。
 詳細な分析はこれからだと思いますけれども、18ページにまとめられているような議論の結果、全ての大学病院本院が目指す基準を設定するのか、大学病院本院の中でも色分けをしていくのか、あるいは一部の大学病院はほかの一般の病院と同じ扱いをするとか、これをどこかの段階で判断したほうが議論が深まると思いますので、それについてもお考えいただければと思います。
 以上でございます。
○松田座長 ありがとうございます。
 大学病院の中を少し分けていくという話なのかもしれませんし、または大学病院全体を考えるということでいいのだろうとは思います。
 そのほかいかがでしょうか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 村松構成員と山本構成員は遅れるとのことでしたが、既に入られているので、これで全員そろっております。
○松田座長 では、どうぞ。
○長尾構成員 名古屋大学の長尾ですけれども、18ページの論点、議論の進め方について理解するものですが、今回の検討会がいわゆる大学病院本院保護システムの構築を前提としているといった誤解を与えることは好ましくないのではないかと思っています。
 というのは、つまり大学病院であれば特定機能病院であり続けられるというような誤解にもつながるというか、それにあぐらをかいて本来の高度診療や教育、安全等のパフォーマンスが落ちてしまうという懸念もあるからです。ですから、まずはさっきの論点の1番目の類型化というものをしっかり議論する必要があるかと思います。
 私は、特定機能病院というものに求められている期待というものは、言葉で表すとすればその地域における医療のハブ機能をしっかり有しているということなのではないかという印象を持ちます。先ほど成り手の少ない診療科の問題について御発言された委員がいらっしゃったのですけれども、いわゆるマイクロシステムというものが医療のリスクの温床になってきました。大学病院の中ですらマイクロシステムがあります。各一般病院にはさらに一人部長や二人体制など、監視の行き届きにくい環境で高度な医療を推進しようとして事故が立て続けに起きるというようなことも顕在化してきています。そういったところに対する支援や、あるいは再教育システムというものも、ひょっとしたらハブ機能の中に入ってくるかもしれないという印象を持つわけです。
 例えば、名古屋大学は岐阜大学と、いわゆる統合というか、機構としての連携を始めていたりする。地域ではそういった努力もある一方で、非常に面積の狭いエリアに特定機能病院が密集している地域もある。特定機能病院に何が求められているものか、まず1つ目の〇としての類型化をしっかりとした上で、場合によっては大学病院の中にも2種類、3種類の機能、階層があり得るかもしれないということは、議論の冒頭としては排除するものではないのではないかという印象を持つわけですが、いかがでしょうか。
○松田座長 ありがとうございます。
○松本医療安全推進・医務指導室長 今の長尾構成員の御指摘ですけれども、まとめに入っている、例えば類型化であるとか、地域の条件に応じた検討というのが恐らく18ページにあまり出ていないということから、明確化をしてほしいという御指摘だというふうに認識をしましたけれども、基本的には18ページの3つ目の○に至るまでの経緯として17ページまでの整理がございますので、この17ページの整理の中に今の長尾委員の御指摘の部分はかなり入っているかと思いますけれども、当然この17ページの整理を踏まえて進めるのですが、18ページは進め方ということで、順番として本院の中から議論しましょうということでございます。
 それ以外の特定機能病院とは異なる承認基準を設けることも含めてというのは、先生が御指摘のように類型の中が必ずしも同じ要件ではないということですよねというのは今後の議論次第ということだと思いますので、この整理を踏まえて議論をいたしますということは委員のおっしゃるとおりかと思います。
○松田座長 ちょっと確認ですけれども、今後の議論の進め方についての3つの真ん中のところで、「大学附属病院本院について求められる機能を整理する」と、これは事務局のほうで案を出すということでよろしいですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 本日の御議論を踏まえて整理と、また必要に応じて案を検討するということは事務局のほうで行わせていただきたいと思っております。
○松田座長 それは、それ以外の特定機能病院との並びでも少し整理をするというイメージですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 この3つ目の○に関しても、まずは2つ目の○ということでございますが、当然単独で2つ目の○だけの整理ができるのかということだと思いますので、3つ目の○に関しても当然論点を深めながら進めていくということだと思っております。
○松田座長 長尾委員、今の御回答でよろしいでしょうか。
○長尾構成員 はい。冒頭、誤解を与えないほうがいいのかなと思いまして。やはりそこはフラットにまず特定機能病院に求められる機能とはどういうものなのか、あるいは特定機能という言葉の定義も含めてしっかり議論した上で、決して大学病院イコール特定機能病院であるという前提ありきではないというところから進めていくことが肝要ではないかと思い発言しました。今の松本室長のお話で理解できました。
○松田座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 本田委員、お願いします。
○本田構成員 本田です。
 今の御議論の繰り返しになるかもしれませんけれども、私自身、今までの議論を聞いていた中で、特定機能病院というのは大学病院の生き残りみたいに聞こえてしまった部分があったので、そうではない。これからちゃんと機能をどうするのかということを議論するということで、とても理解できました。
 というのは、大きく求められるものというのは専門家の先生方の中ではきっちりいろいろなものが頭の中にあると思うのですけれども、一般的に特定機能病院となると高度な医療を提供するという軸と、今は新しく地域の医療の水準を保つというか、維持する、もしくは底上げしていくという大きな二軸があるのかなと考えていたのですけれども、大学病院の中で全部担うんだというような感じに聞こえていたので、もちろんたくさん担っているとは思うのですけれども、そこら辺をちょっと私もそのように感じてしまったのですが、先ほどの御議論でとても理解できましたので、その方向でお願いしたいと思います。
○松田座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 川上委員、お願いします。
○川上構成員 この検討会が約5年ぶりに再開された背景としては、大学病院の分院が特定機能病院に、しかも特定領域型で承認申請されたという複雑な背景があるかと思います。
 そのため、18ページのところで、本院について求められる機能を整理する際に、本院と分院との関係とか、場合によっては役割・機能分担も含めて、情報収集等をされても宜しいのかと思います。
 かなり以前のことにはなりますけれども、中医協の旧DPC評価分科会の中で本院の機能を分院に移すことによって、分院にいわゆる旧Ⅱ群、今の特定機能群を取得させることを医業経営の観点から模索するようなことをどう考えるかが議論されたことも、自身は記憶があります。また、大学病院の本院と分院について議論すると共に、特定機能病院における特定領域型と総合型のことも合わせた検討も必要かなと思います。
 大学病院の本院は基本的に総合型なのですけれども、大学病院本院ではない総合型も、名前を出しては恐縮ですが、国立国際医療研究センター病院や聖路加国際病院もあります。そういう意味では、卒前・卒後教育の連携の重要性は分かるのですけれども、必ずしも大学病院ではない総合型の病院も存在する一方で、特定領域型も含めて特定機能病院になるので、類型別の分類もしながら今後の議論につながる情報整理をしていただけるとありがたいと思う次第でございます。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
 今の御意見について、何か事務局からありますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 先ほどの御指摘にもございましたけれども、当然大学の議論をする際に前回も資料を出しましたが、分院の話、特定領域の話は横目で見ながら制度設計をしたいということは同じところに立っているというふうに考えております。
○松田座長 ありがとうございました。
 今村委員、お願いします。
○今村構成員 日本医師会の今村です。
 今の議論を聞いていますと、先に特定機能病院の類型化というか、役割の中でということなのですが、その前の事務局からのお話で出てきているところで一つのポイントは、医師の養成における卒前と卒後教育で、結局医師を育てるという部分をどう考えるかを少ししっかり議論しておかないと、それこそ高度医療と地域医療は分かるのですけれども、そもそも医師養成をして初めてそれが可能ですよね。
 それで、現状ではいろいろな分析を行えば行うほど、場合によっては全体を網羅できないいわゆる医学部がもしかしたら出てくるかもしれない。そうすると、そういうところでは特定機能病院でないとしてしまうと、そもそも医学部として成り立たないというようなことにもなりますよね。
 むしろここの一つのポイントは、医師養成としての医学部の部分と、特定機能病院として求められる大学病院、ここも整理していただいて議論を始めないと、単に高度医療を提供するための特定機能病院というところだけでいくと、別に医学部を持っていない大学病院でもいいでしょうし、逆に医学部があるのに特定機能病院ではない大学病院が出てきてしまう。少しそこを整理しないとまずいのではないかと思うのですけれども。
○松田座長 ありがとうございました。
 山本委員、お願いいたします。
○山本構成員 ありがとうございます。日本歯科医師会の山本でございます。
 先ほどから地域医療構想の話が出ておりますし、そういった意味で少しお願いになるのですけれども、大学におけるいわゆる特定機能病院の歯科、あるいは口腔外科というところがどの程度機能しているかというのが、私ども歯科医師会にはなかなか分かっていない部分がございます。
 特に歯学部は全国29の大学にしかございませんので、地方ではかなりその辺の歯科医師の数、それから歯科の診療所も最近になって減少してきたという現状がございますので、地域の患者さんがどの程度特定機能病院の歯科、あるいは口腔外科に関わっているかというところの現状の分析も含めて、少しお教えいただければと思っております。
 以上、私からのお願いでございます。ありがとうございました。
○松田座長 これはどうしますか。NDBでやれますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 病床機能報告で取れるもの、取れないものであるとか、大学附属病院を含めて特定機能病院の実績報告等はいただいているのですけれども、見えるもの、見えないものがございますので限界はあるかもしれませんが、まずは出せるものからということになるかと思います。
○松田座長 猪口委員、お願いします。
○猪口構成員 猪口です。
 先ほどから地域医療構想の話も時々出てくるのですが、あちらでも地域というのは一体何という話があるように、今回も例えば17ページの2つ目に「地域において高度な医療を提供する」と書いてありますけれども、これがどこの範囲の地域かによって大分考え方が違ってきます。恐らく特定機能病院だと3次医療圏という話が中心になろうかと思いますが、3次医療圏でも人口は全く違っていて、どれくらいの地域を網羅するか、どれくらいの医師がそこの一つの病院にいるかというのも多分相当差がある。
 それによって、教育はもちろんしなければいけないんですけれども、研究実績は大分差が出てきてしまうのではないか。そういうこともよく考えながらいかないと、一つの基準をつくって、では通らないからこの大学病院は特定機能病院ではありませんよ、ということはなかなか言えなくなる。
 かといって、ランキングという話でもないようにも思えますし、ここは少し慎重にいかないと、取りこぼしとか、うまく機能を表せないのではないかというような気がしております。
○松田座長 ありがとうございます。
 非常に貴重な御意見で、そういう意味でも多軸で評価するということをやったほうがいいのではないかと思います。地域への派遣に一生懸命貢献している病院とか、教育を非常にやっている病院とか、いろいろと出てくると思うのですけれども、大学を多軸で評価するというのは一つありだと思いますし、恐らく診療圏の分析はやったほうがいいのだろうとは思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 泉委員、お願いします。
○泉構成員 泉です。
 大体、皆さんおっしゃったとおりで、今回一番心配したのが大学病院の本院が臨床業績とか研究とかとしてしまうと落ちてしまうことを心配されたので、やはり大学病院本院は特定機能病院として置いておくべきだろう。
 ただ、長尾委員がおっしゃったように、だからあぐらをかいてしまうというリスクも極めてあるので、この際、特定機能病院の条件をきちんと決めて、医師の卒前、卒後教育をきちんとやるとか、地域をしっかり守ることをやるとか、特定機能病院の条件をきちんと決めてそれを遵守していただく後押しをするということをしないと、今回の成果にならないのではないかと思っておりますし、そこで類型化ということになれば、それは一つの手かなと思います。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 門脇委員、お願いいたします。
○門脇構成員 門脇ですけれども、これまでのお話で特定機能病院としてこの資料にもあるように高度な医療な軸ですが、それ以外の教育、研究、それから地域医療支援という、それ全体が地域の高度医療を支えるというかなり包括的な評価をしようということだと思うのですけれども、特に大学病院の本院がやはり規模の大小とか、いろいろありますが、基本的な共通事項として特に卒前の教育、それから研究でもいわゆる純粋な臨床研究ではなくてかなりウエットな研究までするとか、そういう質的に大学病院でないと担えない機能がありますので、一方でそれを特定機能病院の中でどれくらい評価するかという問題はあると思いますけれども、かなりそういう面が大学病院の本院では評価と質的に違う面かと思います。
 それと、類型化についてはその類型化というものの目的とか、何を指標に類型化するのかとか、類型化されることが何に反映されるか、それがちょっとよく分からないので、そこがかなり議論の対象になるのではないかと思います。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 では、村松委員お願いいたします。
○村松構成員 産業医大の村松です。
 18ページ目の○の2つ目ですが、大学附属病院本院について求められる機能を整理するということに賛成の立場から発言します。
 前回、今回を含め、今村構成員から支払いの話と求められている機能の話は分けるべしという御発言があったかと思いますが、私も同じ意見です。まず大学病院本院として何が求められるのかということを整理すべきだと思います。
 その際、先ほど本田委員がおっしゃったように、診療の顧客は患者さんでしょうし、教育の顧客は学生だと思いますので、そうした顧客といいますか、一般の立場からどのようなことが求められているのか。それは地域がどのようなことを求めているのかということになろうかと思いますが、そういった観点からも議論されるべきだというふうに意見します。
 また、支払いの話についてはこの会議の所掌かどうかは事務局が判断することだと思いますが、それを診療報酬で見るのか、それともその他の費用で見るのかということは前回松本構成員がおっしゃったように、また別のトラックで議論されるべきかと考えます。
 私からは以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 吉村委員、お願いいたします。
○吉村構成員
 先ほどから議論が出ているとおり、今後の特定機能病院の在り方の一つはやはり広域化だと考えます。都道府県の中で10前後が概ね人口100万人を切ってきており、これまで全都道府県の医師確保担当者と意見交換をしておりますが、100万人を切ってくると単一の都道府県では十分な領域の専門医の養成ができない、専門性を十分には深められない。その点は先ほど山崎構成員からもあったとおりだと思います。
 例えば基本領域である形成外科ですと、秋田県には一つも専門研修プログラムがないですとか、サブスペシャルティーである、心臓血管外科では、福井県では一つもプログラムがありません。これまで医療計画や医師確保計画が都道府県に区切られて進められてきたことの弊害が出てきていると思います。
 ですので、10年後、15年後を考えると、特定機能病院がまず率先して周辺の都道府県と広域化を図って医師の養成や地域における医師を配置する姿勢を取るべきだと思います。その点も望ましい姿として入れていってはいかがかと考えます。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
ご指摘の論点でいえば、やはり名古屋大学と岐阜大学が連携をされているのは非常にいい例だと思いますので、そういうものを参考に、教育とか研修で相互に協力をし合うというようなことをもう少しやっていかないといけない時期になってきていると思いますし、それをまたどのようにこの中で評価するかということになるのだろうと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ、山崎委員お願いします。
○山崎構成員 神奈川県、山崎です。
 高度な医療を提供するということに関して議論があって、なかなかその定義は難しい中、前回の会議で私は発言させていただいたとおり、5疾病6事業とか、保健医療計画上のところでいってしまいますと、例えばがん診療連携拠点病院であるか否かとか、救命救急センターであるかとか、災害拠点病院であるか否か、もしくは周産期であれば周産期母子医療センターであるか否かというようなところになると、比較的それはそうであるかどうかということで県民にとって分かりやすい指標、高度な医療をしているかどうかということになるのではないかとはと思います。
 そういう意味では、例えばがん診療連携病院とか周産期母子医療センターといったところは、実は大学病院本院では今2つの病院が指定を受けていないという事実がありますし、5つの大学病院本院は災害拠点病院ですらない。救命救急センターでいいますと、約20の病院が救命救急センターではないというような現実があります。
 例えば、今そういったような高度な医療が認定されていないので、すぐ特定機能病院から外してしまえというような議論はさすがに乱暴で、先ほどから出ているような地域医療構想や、そういったようなものの中で議論していくべきものであるのではないかとは思いますが、現状はそうかもしれないですけれども、将来、10年、15年後、こういったものを見据えた上で、やはり大学病院にはそういった高度な医療を目指してもらいたいというようなところはあるのではないかと思うのです。
 もちろん、そこは地域の中での話合いでということにはなるのかもしれないですけれども、やはり特定機能病院は高度な医療を提供しているからこそ特定機能病院なのだとなっていくのであれば、そういった方向性を見せて、それを目指していくんだという形の議論を進めていただければいいのではないかと、まさに地域の側からは考える次第です。
○松田座長 ありがとうございます。
 救命救急センターみたいなものは結局地域で既に取得している病院があって、なかなか経営的な問題もあってそこが手放さないという問題もある。そうすると、岐阜大学と名古屋大学が連携したような形でそういう救命救急センターを持っている病院と大学が連携するというようなことを評価するとか、ちょっと工夫をしなければいけない部分も出てくるのかなと今お話を聞いていて思いました。
 そのほかいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 恐らく今までの構成員の先生方のお話を聞いていますと、取りあえず大学病院本院についてどういう機能を持っているのか。教育、研究、臨床の点で項目のリストアップをしていただくことが必要なのだろうと思います。そのリストアップをしていただいた上で、それで何ができているか、できていないかという星取表みたいなものをつくることになるだろうと思います。多分そこには先ほど吉川委員や山本委員のほうからお話があったような、医師以外の教育とか研究とか、そういうものも含めたものについて少し項目を整理していただいて、その星取表を少し準備していただくということで、それを基にしてまた議論が進められればと思います。
 そのほかいかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
 よろしいですか。
 では、各委員の皆様から様々な御意見をいただきましたので、おおむね今後の議論の進め方については少し具体的なデータは必要だという認識があるとは思いますけれども、大体この案でいけるのかなと思います。
 事務局におきましては、今日の意見も踏まえまして、次回検討会までに大学病院本院についての分析や論点、星取表みたいなものを出していただけたらいいのかなと思いました。そういう形で議論を進めるように準備していただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○松田座長 それでは、本日皆様からいただいた御意見を踏まえた上で次回に進めることといたしたいと思います。
 続きまして、資料2として事務局が次回以降、大学病院本院についての議論を進めるための参考資料を用意しております。過不足等いろいろあると思いますけれども、これを事務局から説明いただいて構成員の御意見をいただけたらと思います。
 では、事務局のほうから資料2の説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 ありがとうございます。
 先ほどいただいた御議論を踏まえて、次回以降の準備をするに当たりまして、大学附属病院本院について今日もいろいろな議論がございました。論点の例として幾つか御紹介をさせていただきますので、先生方の御意見などもいただきながら次回の参考にさせていただきたいと思いまして、資料2をお出ししております。
 簡単に御説明しますので、資料2の2ページを御覧いただければと思います。
 こちらも全体にかかる論点、本院のところの論点でございますが、先ほど御議論がございましたように、まずは実態として何ができているかもそうなのですが、本院としての特定機能病院が果たすべき役割は何なのかということをまず御議論すべきなのかなと考えております。
 その中でも、改めて門脇先生もおっしゃっていましたが、2つ目の○のような地域で一体となって高度な医療を提供するというのは軸になりつつ、何を考えるかということかと思っております。
 3つ目の○ですが、その場合、この高度医療は幅もあるというふうにおっしゃっておりましたが、これが第一の目的なのか、それともそれ以外の例えば研究のほうとかを第一にするような類型というものがあるのかどうかというところ。
 それから、4つ目の○ですが、特に重要な要件は何かということで、最後に医師派遣機能についてどのように考えるかというようなところもあるかと思います。
 また、次の○ですが、今、実施されているというということ、それから今日も何点かございましたが、10年後を見据えてどうあるべきか、実施すべきことは何かという論点。
 それから、その次の○ですね。今日も複数の構成員から御指摘がありましたが、本院自体が行っていることなのか、直接的、間接的に周囲の病院に対して行っていることなどをどう考えるのかというところでございます。
 それを踏まえて次の○ですが、実績等で座長から星取表ということがありましたけれども、その中でどのようなものを指標として使うのか、承認要件等に使うのかというところ。
 それから、次の○で1県1医大とそれ以外のところの論点の異なり方。
 次の○ですが、医師多数県、少数県、それぞれの役割。これは医師派遣機能以外でも、例えば研究を行うための医師の確保の難易度などが違うことが実績に与える影響をどう考えるかという点でございます。
 その次は最後の○ですが、村松構成員からもコストと機能の議論は別であるという御指摘をいただきましたが、果たしている、もしくは果たすべき役割と対応するコスト・費用・手間についてそれぞれ明確に区別することが必要だと考えますが、いかがでしょうかということ。
 それから、経営上の課題、財政上の課題については、これも直接は関係ないということを御指摘いただいておりまして、分けて議論だと思っておりますが、それも地域等の所与の条件なのか、それとも改善可能性があるのかというところで、ほかの病院類型ですね。日赤とかありますが、比較しつつどういう論点があるかということがあると思っております。
 続きまして3ページでございますが、今日もございましたが、医療の提供内容だけでは一般病院との差が縮まっている中、類型化以外の論点もありましたが、この実績のばらつきをどう考えるかというところ。
 次は研究のところで○が2つありますが、2つ目の○で臨床研究については様々な類型がございまして世界初の医薬品・医療機器の開発を目指すものもあれば、他国既承認のものを日本に導入するというもの、それから手術の実績等の結果をまとめていくものとありますが、大学附属病院においてどのような研究を行っていくべきかということでございます。
 また、その次の○ですが、先ほど門脇委員から様々な研究があるという御指摘がありましたが、地域で高度な医療を提供することに資する研究というのはどういうものかということ。
 それから、今日、最も多い御指摘が教育についてございました。卒前教育について、卒後の勤務地のばらつきがあると思っていますが、必ずしも残らない場合ですね。そういうところで教育の質の違いがあるのかどうか、地域に対する貢献等はどうなのかという検討の点ですね。
 その次の○で、臨床研修、専門研修、先ほどさらにサブスペシャリティーの御指摘もありましたが、附属病院本院以外でも多数行われていますが、附属病院本院自らが行う直接、間接の教育上の影響をどう考えるかというところ。
 その次の○が、専門研修後のサブスペシャリティーとの実態や大学附属病院の貢献をどう考えるか。
 一番下の○ですが、医師派遣機能についてですが、先ほど相良先生がおっしゃっていましたけれども、基盤としてそもそも医師が入ってこないと派遣できませんが、この基盤の違いですね。多数県、少数県の前提条件にばらつき等の観点はありますのでどう考えるかということでございます。
 それで、4ページ以降にデータをお出ししております。
 5ページでございますが、この分析は字だけで書いてあって分かりにくいのですが、何をしているかと申しますと、箱の下の※を御覧いただきたいのですが、令和4年度のDPCデータでコード6桁が疾患別になっていますけれども、ここで手術ありの患者数ですね。実績数を評価しております。
 次のポツを御覧いただきまして、各都道府県内で順位をつけまして、実績数ですね。コード6桁ごとに実績を見ていて、上位3割をA、真ん中4割をB、下をCというふうにして疾患ごとにポイントを足していきまして各都道府県内で比較をしております。
 最後のポツにありますが、同じ都道府県内で見たときに大学附属病院本院と同順位、または上回る一般病院ですね。大学附属病院本院以外がある場合、そういう病院が何個あるかということをカウントしました。その結果が一番上の箱にございまして、要は市中病院のほうが上回っているものが27大学附属病院ございます。そのうち1県1医大のものが6あるという状況でございます。
 続きまして6ページでございますが、前回、大学附属病院本院の論文数を御紹介しておりますが、論文数合計ですね。Original articleだけではなくCase report等全て足して、大学附属病院本院の中で実績が低いほうの20病院を出しました。それが、先ほど1県1医大の議論はありましたが、下の円グラフを御覧いただきまして青が1県1医大の施設、オレンジが1つの県に2医大あるもの、グレーが3以上ということでございますが、この下の20に入るところにA、B、C、等しく入っているということでございまして、右側の順位を見ていただいてもBの領域、Cの領域ですね。都市部になりますが、そういうところが結構入っているという状況でございます。
 7ページですが、今度は専門研修プログラムの外科の採用数を大学附属病院本院で比較をしております。同じようにA、B、Cとなっておりますが、こちらはAが55%、Bが9%でございまして、Aが多くなっておりますが、Cからも36%がこの下位20位に入っているという状況にございます。
 本格的には先ほど座長に御指示いただきましたとおり、次回までに整理をしてまいりますが、このような論点がある中、委員の先生方から御指摘等をいただいて次回につなげられればと考えております。
 事務局からは以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 相良委員、お願いいたします。
○相良構成員 6ページのところですけれども、令和4年度の論文発表等の実績というところで、いわゆるOriginalと、それからCase、Review、Letter、これは全部合算ですよね。
 合算なので、例えばCase reportがどれくらいなのかとか、Original articleはどれくらいなのか、結構差が出てくると思うんです。そこのいわゆる各論がどうなのかというところを出していただくと、より明確になるのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。
○松田座長 これは、次回まで分けて提示していただけますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 はい。
○松田座長 そのほか、いかがでしょうか。
 星取表の整理の仕方ですが、前にDPCの機能係数をつくるときに同じようなことをやっているんですよね。各病院でどういう機能を持っていて、どういう高度医療機器を持っていて、どういう高度手術をやっているかということの星取表をつくって、それに修正分析をかませて軸を決めていく。その軸に対して各病院がどうなっているかということを検討して、機能係数に持っていったということがありますので、同じような分析をしていただいたらいいのだろうと思います。
 使えるデータとしては、病床機能報告のデータが多分使えると思うので、それでやっていただくといいのではないかと思いました。
 ほかはいかがでしょうか。
 大丈夫ですか。
 泉先生、お願いします。
○泉構成員 今、松田先生がおっしゃったように、星取表の中で、DPCのことが使えそうだということですけれども、やはり地域に対する貢献ということもかなり重要なファクターだろうと思いますので、先ほど出たような災害とか、救急の拠点になっているかとか、小児とか、周産期とか、そういうのも星取表に入れていただいたほうがいいし、やはり地域の医師にきちんと派遣して地域の病院の面倒を見ているかということもケースに入れたほうがいいと思います。
 教育をどう入れるかというのはなかなか難しいと思うのですが、でもやはり細かい基礎研究をベースに症例をきちんと見て、そして医師の教育につなげていくということも非常に重要なファクターだと思うので、そういうこともケースに入れていって星取表をつくっていくと、ちょっと星取表をつくるのは難しいかと思いますけれども、そういうことを入れないと、教授になってしまったら自分の研究だけやって医局員にも自分の研究だけしかやらせない教授もたくさんいるので、そうではなくて地域に貢献できるような医師を育てるという視点をぜひ養っていただきたいなと思いますので、やはりある程度、星取表はあったほうがいいのかなと思います。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
 恐らく星取表も、事務局のほうで出していただいたものにまたいろいろと先生方の御意見をいただきながら追加をしていただくということになるのだろうと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 特に今日のお話の中で、やはり看護とかコメディカル、ほかの医療職の方たちの機能をどう評価するかという視点は大事だと思いますので、その辺は可能であれば看護協会のほうから少しアイデアを出していただいたりとか、あるいは歯科医師会のほうから意見を出していただく、そのようなこともやっていただけたらと思っております。
 大学によっては藤田のようにいわゆる特定看護師、ナース・プラクティショナーをつくっている大学もありますので、そういうところの状況なども少しヒアリングをしていただきながら項目の整理をしていただくといいのかなと思いました。
 ほかはいかがでしょうか。
 吉村委員、お願いします。
○吉村構成員 メディカルスタッフの話が出ましたので言及します。特定機能病院の要件として、人員配置の中に薬剤師、看護師、そして管理栄養士等が特出しをされております。タスクシフトを進めるにあたり範を示す意味で、メディカルスタッフの必要性や役割を見直す時期と考えます。例えば救命救急士の配置なども検討すべきかと考えます。さらに現状の管理栄養士の1名以上というかなり少ない配置になっていますが、そういった点も含めて妥当か検討してはいかがでしょうか。
 以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
 非常に貴重な御意見で、今はもうDPCデータを見るだけでも高齢患者の2割くらいは低栄養で入ってきているんですよね。そういう意味では、やはり栄養士の役割というのは大学病院であっても非常に重要になってきていますので、そういう点からも評価をしていただけたらと思います。
 では、お願いします。
○川上構成員 歯学部と薬学部に関しては、大学でも持っているところと持っていないところがあるので、大きく違いが出てくるのではないかと思います。
 場合によっては、それらについても分けて情報収集いただけるとありがたいと思います。
 以上です。
○松田座長 薬剤師の方に関しては、非常に高額な薬剤の調整に関する業務をどのくらいやっているかというのもちょっと調べていただきたいなと思っています。大学病院にとっては、大学病院に勤めている薬剤師というのはすごく負担になるんですよね。
 これを1つ駄目にすると何百万とか、物によっては1000万円という話になってしまうので、そういう高額薬剤を扱っているスキルを持っている薬剤師さんはどのくらいいるのか、そんなことも調べていただけるといいなと思いました。これは、うちの薬剤部から言えと言われているので、すみません。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 大体出そろったのかなと思いますけれども、それでは詳しい議論は次回以降となりますが、事務局におきましては今日いただいた御意見を踏まえて、次回以降の検討と整理のための資料をつくっていただけたらと思います。
 そのほか、何か事務局のほうからございますか。
○樋渡地域医療計画課補佐 次回の日程なのですけれども、次回は10月2日を今のところ予定しております。
○松田座長 そのほか、何か言い忘れたこととか、皆さんございませんでしょうか。
 よろしければ、これで閉会したと思います。
 本日は、どうもありがとうございました。

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医政局 地域医療計画課

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