第134回先進医療会議 議事録

日時

令和6年8月8日(木)13:00~

場所

オンライン開催

出席者

【構成員等】
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 手良向構成員 長瀬構成員
比企構成員 山本構成員 黒瀨構成員


【事務局】
審議官 医療課長 医療技術評価推進室長 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課長補佐 研究開発政策課長
研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 歯科医療管理官 他

議題

  1. 1 新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
     (先-1)(別紙1)
     (先-2)(別紙2)

  2. 2 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて
     (先-3)

  3. 3 先進医療実施医療機関からの報告について
     (先-4)(別紙1)
  4.  (先-4)(別紙1)
  5.  
  6. 4 その他

議事

 
13:00開会

○新井座長
 それでは、時間となりましたので、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
 まず初めに、構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は、佐藤典弘構成員、滝田構成員、松山構成員が欠席となっております。欠席されます構成員の先生方からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長一任となっております。
 次に、事務局の異動がございましたので、事務局より御紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 7月5日付などで事務局に交代がございましたので、御報告させていただきます。
 まずは、保険局でございます。神ノ田大臣官房審議官(医療介護連携、データヘルス改革担当)でございます。
○審議官
 審議官の神ノ田でございます。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 林医療課長でございます。
○医療課長
 林です。どうぞよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 清原薬剤管理官でございます。本日は、欠席となっております。
 和田歯科医療管理官でございます。
○歯科医療管理官
 和田でございます。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 伴医療課課長補佐でございます。
○医療課長補佐
 伴と申します。よろしくお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 続きまして、医政局でございます。長谷川研究開発政策課長でございます。
○研究開発政策課長
 長谷川です。よろしくお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 異動の御報告は以上になります。
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、まず、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして「新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として、先-1と先-2の資料がございます。こちらには、別紙1及び別紙2がついてございます。
 続きまして「先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて」として、先-3の資料がございます。
 最後に「先進医療実施医療機関からの報告について」として、先-4、先-5がございます。こちらには、別紙3、別紙4と参考資料がついてございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請資料等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。なお、今回の会議におきましては、送付のみの資料はございません。発言者は、会議資料のページをあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 資料等についてはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 よろしいですね。ありがとうございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 比企構成員より、「新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて」における受理番号167の技術について御報告がございました。
 比企構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受理額が500万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
 事務局からの御報告は以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員及び技術専門委員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 確認させていただきました。ありがとうございました。
 それでは、「新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」、2件の資料が提出されておりますので、まず1件目について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料について御説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について、振り分け審議をいただく技術が2件ございます。
 まずは、1件目の技術について、先-1の資料に基づき御説明させていただきます。1件目の技術は、受理番号167番、技術名は「腹腔鏡下卵巣癌・卵管癌・腹膜癌根治術」となってございます。
 適応症につきましては、早期卵巣癌(卵管癌や境界悪性卵巣腫瘍も含む)、そして進行期卵巣癌(卵管癌や腹膜癌、境界悪性卵巣腫瘍も含む)となっております。
 今回、大分大学医学部附属病院から申請がございました。
 係る費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙-1にお移りいただき、1ページ目を御覧いただければと思います。
 まず初めに、先進性につきましては、記載のとおりでございます。本技術は、術式自体は子宮体癌で行われている術式とほぼ同じであるため同様の手術技能があれば実施可能と考えられ、術後の腸閉塞などの周術期合併症を減少させることが可能と考えているということでございます。
 続きまして、内容の部分の概要について御説明いたします。手術の概要は従来行われて来た腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術全摘術のステップで行う。①附属器の摘出、②子宮の摘出、③必要に応じて腹腔鏡下に骨盤リンパ節の郭清および傍大動脈リンパ節の郭清、④大網の切除、⑤必要な症例には近接臓器合併切除ということでございます。
 主要評価項目でございますけれども、こちらは手術日から30日以内の医療介入を必要とする周術期合併症(腸閉塞、感染、臓器損傷等)の発生でございます。
 また、副次評価項目としては、手術時間、術中出血量、輸血率、術中合併症の有無、術後合併症の有無、術後QOLの評価となってございます。
 これらを検証し、腹腔鏡手術の安全性、有効性が開腹手術と同等であることを比較証明するということでございます。
 次に、効果の欄でございます。腹腔鏡下卵巣癌(卵管癌や腹膜癌、境界悪性卵巣腫瘍も含む)手術は、これまで25~30cmにおよぶ恥骨上縁から剣状突起に達する上・下腹部正中切開で行っていた術式を、5~12mmの数か所の小孔を用いて腹腔鏡下で行う方法である。海外の報告では開腹術との比較で手術侵襲の軽減、術後疼痛の軽減、術中出血量の減少、入院期間の短縮、早期社会復帰などがみられ、患者のQOLの向上にも著しい成果があると考えられ、症例を選択することで術後治療を速やかにつなげることができると考えている。となっております。
 ページをおめくりいただきまして、3~4ページ目のところでございますけれども、本技術は未承認の医療機器等の使用を伴わない医療技術となっております。
 先-1にお戻りいただきまして、本技術は、資料先-1の下方の備考欄でございますけれども、1 未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く。)に該当すると考えられましたため、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
 1件目の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か質問、御意見はございますでしょうか。
 特にないようです。
 それでは、先ほど御説明いたしましたとおり、比企構成員は当該技術に関する議事の取りまとめには加わらないことになっておりますので、大変申し訳ございませんが、御退室のほどよろしくお願いいたします。
(比企構成員退室)
○新井座長
 御退室いただきました。ありがとうございました。
 それでは、受理番号167の技術については、先進医療Aとして振り分けたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、比企構成員にお戻りいただくようにお願い申し上げます。
(比企構成員入室)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、「新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の2件目について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 2件目の技術について、先-2の資料に基づき御説明させていただきます。
 本件は、既に実施中の先進医療Aの技術でございます。このたび申請医療機関より、適応症の変更の申出がございました。本件につきましては、先進医療の通知にございます先進医療告示において既に規定されている先進医療の適応症の変更に係る手続は、新規技術に係る手続と同様に取り扱うこととございますので、このたび振り分けから再度御確認いただくこととなりました。
 受理番号168番、技術名は「PICSI(Physiologic intracytoplasmic sperm injection)」でございます。
 適応症につきましては、現在の適応症である「顕微受精を受ける不妊症患者(顕微受精後に着床不全又は反復流産を認めたもの、あるいは奇形精子を伴うものに限る)」から、現在資料にございますとおり、「高度不妊治療を要する不妊治療患者」というふうに変更の希望が出ております。
 今回、医療法人社団神徳会芝公園かみやまクリニックからの申請でございます。
 係る費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙2にお移りいただき、1ページ目を御覧いただければと思います。
 まず初めに、先進性につきましては、記載のとおりでございます。本技術はヒアルロン酸を利用した精子選別でございます。このヒアルロン酸を利用した精子選別は特別な器具や染色は必要なく簡便であり、選別した精子を直ちに使用することが可能である。すなわちPICSIは、精子の形態学的評価だけではなく、成熟度をその場で判別しながら卵子に注入できるという点で従来のICSIよりも先進性があるということでございます。
 続きまして、概要の部分でございます。対象及びランダム化でございます。
 選考基準は、高度不妊治療を要する不妊症である事。顕微受精の適応である事。自由意志により書面での同意を得ている事でございます。
 除外基準は、以下のいずれかに当てはまる症例ということで、前進運動精子が確認出来ない症例、他の精子選択術を実施する症例、外科的な手法で採取した精子を使用する症例、治療計画時の妻年齢が43歳以上の症例ということになっております。
 研究に関する説明を行い、同意を得られた症例を対象とする。そして、大学病院医療情報ネットワークの医学研究支援システムを用いてPICSI群あるいは通常のICSI群のランダム化を行い、患者本人には顕微授精が終了した後にいずれの群に振り分けられたか説明するということになっております。
 続きまして、研究結果の評価でございます。2ページ目でございます。
 PICSI群と対照群における、培養5~6日目の胚盤胞到達率を主要評価項目として比較する。副次評価項目としては、受精率、培養3日目の良好胚率、胚盤胞あたりの良好胚率、臨床的妊娠率、着床率、流産率を比較するとなってございます。
 効果の部分は、高度不妊治療の成績改善が期待されるとなっております。
 ページをおめくりいただきまして、3ページ目~4ページ目のところでございますが、本技術は、未承認の医療機器等の使用を伴わない医療技術となってございます。
 先-2にお戻りいただきまして、本技術は、資料先-2の下方の備考の1、未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く。)に該当すると考えられましたため、先進医療Aとして振り分けを提示させていただきました。
 2件目の説明は以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か質問、御意見はございますでしょうか。
 特にないようです。ありがとうございました。
 それでは、受理番号168の技術については、先進医療Aとして振り分けたく存じます。
 続きまして、事務局から「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が1件ございましたので、資料先-3に基づきまして説明させていただければと存じます。
 こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。
 告示番号23番、技術名は「糞便微生物叢移植」で、適応症は再発性clostridioides difficile関連下痢症・腸炎でございます。
 取下げ理由といたしまして、症例登録が完了し、全ての患者に対する試験治療が終了したため、先進医療Bに係る届出を取り下げる。なお、総括報告書については提出準備中であるとのことでございます。
 事務局からは以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの御説明について、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 次に、事務局から「先進医療実施医療機関からの報告について」ということで、2件の資料が提出されております。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、まず1件目につきまして、先-4に従いまして御説明させていただきます。こちらは、東京医科歯科大学病院における先進医療の事案につきまして、同センターから報告があったものでございます。
 技術の内容ですけれども、告示番号7番
 告示日:平成27年5月1日
 医療技術名は「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」。
 適応症は、ウイルス感染症が疑われるもの(造血幹細胞移植、自家骨髄移植、自家末梢血幹細胞移植、同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植又は臍帯血移植に限る。)後の患者に係るものに限る。)でございます。
 医療技術の概要を御説明させていただきます。造血幹細胞移植を受けた患者において、発熱、咳・呼吸困難、黄疸・肝障害、出血性膀胱炎、意識障害、発疹、下痢・血便および腹痛の症状が出現した際に、血中ウイルス検査を実施する。分離した血漿から自動核酸抽出装置でDNAを抽出後、あらかじめ、12種類のウイルスに対するprimer-mixを含むPCR試薬と混合し、PCR反応を行う。PCR終了後、LightCycler®を用いた解離曲線分析により各ウイルスを識別する。これにより12種類のウイルスの有無が同時に決定できる。ウイルスが検出されたら、臨床症状、身体所見、画像診断、および臨床検査により、ウイルス血症かウイルス病かの診断を行うという技術でございます。
 参考資料1及び2に、申請医療機関が平成27年4月に技術が認められたときの資料をつけさせていただいております。
 先-4にお戻りいただきまして、2の経緯と医療機関の対応というところでございます。2016年1月に当該医療機関は、先進医療既評価技術への参加を申請し、同年2月より当該医療機関において、本先進医療を保険外併用療養として実施していた。
 2ポツ目でございます。2024年3月に当該医療機関における体制変更や見直しを検討する中で、選択基準を満たさない患者に対して先進医療として検査が行われていた事例が6例、選択基準を満たすものの適切な同意取得が行われなかった事例が8例あったことが判明した。
 3ポツ目、本件の発覚以降、当該医療機関事務局において、当事案の詳細について全例調査を行っているということでございます。
 3番目でございます。こちら、先進医療会議としての対応ということで、2024年7月24日に当該医療機関から先進医療事務局に対して第一報の連絡がございました。
 それを受けて、同事務局から新井座長に御報告をしております。そして、座長と相談の上、当該医療機関における当該先進医療の新規組み入れ中止について、当該医療機関へ伝達し、当該医療機関における新規組み入れの中止を確認しております。
 今後の対応についての案として提示させていただいております。本先進医療に関する詳細な報告の要請。当該医療機関の先進医療に関する管理体制について報告の要請。今後の再発防止策について検討の要請とさせていただいております。
 別紙3につきましては、こちらの医療機関から御提出いただいた報告書の速報でございます。
 今回は、このように、不適切な事案があったことについて、同センターから先進医療会議に対して、まず緊急の御報告があったものでございます。
 資料につきましては以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ただいまの御説明について、何か御質問等ございますでしょうか。
 竹内先生、よろしくお願いします。
○竹内構成員
 竹内でございます。御報告ありがとうございました。
 ただいまの報告書は、実施責任機関である小児科から申請書が上がっておりますが、これは病院あるいは臨床研究推進センターのほうの機関からの報告書ではないと考えてよろしいでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 ありがとうございます。
 こちらの速報というものは、実施責任医師として出していただいたものでございます。ただ、今後、調査を行いまして、いずれは病院長や臨床試験を推進している部署等からの御報告もあるかと思います。また、医療機関のほうには確認させていただきます。
○竹内構成員
 ありがとうございました。
 そうしますと、厚生労働省としては、当該病院長、病院あるいは臨床研究を取りまとめるセンター、特にセンター長等に通知するという理解でよろしいでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 今後、検討して進めさせていただければと思います。
○竹内構成員
 ありがとうございます。了解いたしました。
○新井座長
 座長から一言申し上げますと、今、竹内先生からの御質問、まさにそのとおりでありまして、いずれ施設としてのしっかりとした対応というのは必要になってまいると思っています。ただ、今回に関しては、まず速報ということでの一報を皆様方にお知らせ申し上げたという段階だと理解しております。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、引き続き、この医療機関においては、本事案の詳細について調査いただき、9月の会議でそれらの調査結果について報告を求める。今、竹内先生からお話があったような施設としての報告ということも、そこで当然必要になってくると理解しております。そういったようなことでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、2件目の報告をお願い申し上げます。事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、2件目につきまして、先-5に従いまして御説明させていただきます。こちらも東京医科歯科大学病院における先進医療の事案につきまして、同センターから報告があったものでございます。こちらは先ほどの先-4の事案発覚後、調査の結果、同病院において別途御報告が上がってきたものでございます。
 不妊治療に係る3技術となります。まとめて御報告いたします。
 まず、告示番号15番
 告示日:令和4年4月1日
 医療技術名:「タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養」でございます。
 適応症は、胚移植を必要とする不妊症
 医療技術の概要でございます。体外受精や顕微授精後の卵子をタイムラプス装置搭載型培養器と従来型培養器を用いて培養し、Pronucleus(PN)出現、細胞分裂様式、多核、割球間のサイズ、胚盤胞の細胞数、卵割に要する時間などを比較検討する。また、タイムラプス搭載型培養器で得られた胚の形態的評価と従来型培養器での胚の形態学的観察による評価をもとに選択した胚を移植し、生産率等を比較するという技術でございます。
 次に、告示番号23番
 告示日:令和4年4月1日
 医療技術名:「子宮内細菌叢検査1」でございます。
 適応症は、慢性子宮内膜炎が疑われるもの
 そして、医療技術の概要でございますが、子宮内から内膜を吸引して提出する。DNA抽出を行い、次世代シークエンサーを用いて、子宮内腔液に含まれる細菌の16SリボソームRNA解析を行うことで、Lactobacillus属の占める割合及び、その他細菌叢の分布を明らかにするというものでございます。
 また、告示番号24番
 告示日:令和4年4月1日
 医療技術名:「子宮内膜受容能検査1」でございます。
 適応症は、不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患者に係るものに限る。)となっております。
 医療技術の概要でございます。吸引用の子宮カテーテルを用いて、子宮内膜を採取する。採取した子宮内膜を検体とし、次世代シークエンサーをもちいて236遺伝子を網羅的に解析し、内膜組織がReceptiveかNon-receptiveかを評価する。また、Non-receptiveの際はどのくらいReceptiveまでに差があるかも評価を行う。子宮内膜が着床を受容する期間に周期を同期させ、胚移植を行うことで着床率の向上を目指すというものでございます。
 参考資料1~5としまして、それぞれの技術が認められたときの資料をつけさせていただいております。
 先-5にお戻りいただきまして、2の経緯、医療機関の対応についてでございますけれども、2022年3月に本技術の先進医療届出の際に、当該医療機関において、同意説明文書の必要な修正等を確認することなく保険外併用療養の開始が病院運営会議において承認された。
 2023年8月の先進医療実績報告の際に同意説明文書が倫理審査委員会での承認を受けていなかったことが判明し、本技術に関する同意説明文書を新たに作成して倫理審査委員会の承認を受けることとした。
 2024年1月に、同意説明文書が本学医学部倫理審査委員会の承認を受け、以後はこの同意説明文書を用いて本技術は実施されていたが、同年7月に実施状況を調査した際に、倫理審査委員会で承認された同意説明文書には先進医療に関する説明や費用負担が記載されていないことが判明した。
 当該技術の実施状況を再調査したところ、「タイムラプス撮像法」は2024年1月以前に84件、以降に30件が保険外併用療養として実施されていた。他の2技術については、計1件が保険外併用療養として実施されていたことが判明した。
 次に、3 先進医療会議としての対応でございます。2024年8月2日に当該医療機関から先進医療事務局に対して第一報の連絡がありました。
 それを受けて、同事務局は新井座長に報告。座長と相談の上、当該医療機関における当該先進医療の新規組み入れ中止について、当該医療機関へ伝達し、当該医療機関における新規組み入れの中止を確認した。
 4番目、今後の対応について(案)といたしましては、本先進医療に関する詳細な報告の要請。当該医療機関の先進医療に関する管理体制について報告の要請。そして、今後の再発防止策について検討の要請とさせていただいております。
 別紙4につきましては、これら医療機関から提出いただいた報告書の速報でございます。今回は、このような不適切な事案があったことについて、こちらも同センターから先進医療会議に関して、まず緊急の御報告があったものでございます。
 資料につきましては以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 この案件について御質問等ございますでしょうか。
 私からちょっと追加で申し上げますけれども、新規組み入れはこれで中止となりましたけれども、既に培養してしまっているケースがございまして、これについては倫理的な問題があるということで継続という形で対応させていただくということにいたしました。
 あと、これも1件目と同様に、実施責任医師からの報告ということに今、とどまっておりまして、たまたま不適切事案が2件、同施設からということでありますので、先ほどの1件目と同様に、施設としてのしっかりとした対応というのが今後必要になってくるだろうと思っているところでございます。
 何か御質問等ございますでしょうか。
 特にないようでございますので、それでは、引き続き、医療機関において本事案の詳細について調査いただく。9月の会議で、それらの調査結果について報告を求めることにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、本日の議題の残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回は特にございません。
○新井座長
 それでは、構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 特にないようです。
 それでは、本日の議論は以上としたいと存じます。
 次回の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和6年9月5日木曜日、16時からを予定しております。
 詳細については、別途御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第134回「先進医療会議」をこれをもって終了といたします。
 構成員の先生方の御協力に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。