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- 2024年8月7日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第226回議事録
2024年8月7日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第226回議事録
日時
場所
出席者
- 構成員等
-
- 安川文朗部会長
- 笠木映里委員
- 本田文子委員
- 小塩隆士委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 佐保昌一委員
- 奥田好秀委員
- 長島公之委員
- 江澤和彦委員
- 林正純委員
- 森昌平委員
- 藤原尚也専門委員
- 石牟禮武志専門委員
- 荒川隆治専門委員
- 事務局
-
- 鹿沼保険局長
- 林医療課長
- 木下医療技術評価推進室長
- 米田保険医療企画調査室長
- 清原薬剤管理官
- 和田歯科医療管理官 他
議題
- 関係業界からの意見聴取について
- 薬剤費等の年次推移について
議事
- 議事内容
○安川部会長
おはようございます。ただいまより、第226回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は全員が御出席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、関係業界からの意見聴取を行います。関係団体といたしまして、日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、日本ジェネリック製薬協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取するため、意見陳述者一覧に記載のございます皆様に御出席をいただいております。本日、暑い中を早朝よりありがとうございます。
まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションをしていただき、その後に質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。
関係団体の皆様は、最初に自己紹介を行っていただいた上で、時間厳守でプレゼンテーションをお願いいたしたいと思います。円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
それではまず、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会よりお願いをいたします。
○傳米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員
ありがとうございます。PhRMAより、私、バイオジェン代表取締役社長の傳幸諭より御発表させていただきます。よろしくお願いいたします。
今回、製薬3団体合同におきまして、2024年度の薬価制度改革に関するアンケート調査を実施いたしました。調査の取りまとめを私どもPhRMAにて行いましたので、私のほうから3団体を代表して結果の御報告をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、資料2ページ目を御覧ください。今回の調査の概要となっております。調査は今年6月下旬から7月上旬と短い時間で行われました。製薬協、PhRMA、EFPIAの各団体において理事などの職を務める30社を対象に実施いたしました。回収率は100%でございます。回答企業の属性におきましては、参考資料13ページ目に別途お示ししておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
続きまして、資料3ページ目へお進みください。本日は、こちらにお示しする4点について御報告申し上げます。1つ目、今から6年前、2018年に行われました薬価制度の抜本改革による影響について。2つ目として、今年、2024年に実施された薬価制度改革に対する製薬業界の受け止めについて。3つ目に、今回の薬価制度改革によって新薬の開発計画に実際にどのような影響が出ているのかという点について。そして最後に、日本国内での新薬の開発活動をさらに活性化するためにはどのような薬価制度改革が望まれるかという点について。以上の順で御紹介させていただきます。
資料4ページ目を御覧ください。初めに、2018年の薬価制度の抜本改革による影響を尋ねた結果について御紹介いたします。左側にありますグラフは、抜本改革以降、日本市場の予見性がどのように変化したか、各社がどのように捉えているかというものをお尋ねしたクエスチョンです。30社中24社が日本市場の予見性が「下がった」と回答し、また、4社が「やや下がった」という結果でございました。
右側のグラフは、抜本改革以降、各社における日本市場の投資優先度について、どのような変化があったかをお尋ねしたものでございます。30社中17社が日本市場への投資優先度について「ネガティブな影響」があったと回答、もしくは5社が「ややネガティブな影響」があったとの回答に至りました。このように薬価制度の抜本改革以降、日本国内における新薬の開発を行う投資インセンティブが各社において減退した傾向が見てとれた結果となりました。
続きまして、資料5ページ目を御覧ください。今御紹介した各社のマインドセットに影響を与えた薬価制度抜本改革の中身が何であったかということを上位3つまでお尋ねした結果でございます。1つ目に大きかったのは「中間年改定の導入」を挙げた企業が28社で最も回答が多く、続きまして、「新薬創出等加算の要件見直し」を挙げた企業が多いという結果でございました。
続きまして、資料6ページ目を御覧ください。ここからは、本年、2024年の薬価制度改革に関する製薬業界の受け止めについてでございます。左側のグラフを御覧ください。今回の薬価制度改革に関する全般的な印象を尋ねたところ、30社中28社が今回の薬価制度改革を「支持する」「概ね支持する」との回答になりました。
右側のグラフを御覧ください。今回の薬価制度改革による新薬開発活動への影響について尋ねたところ、30社中28社が新薬開発に「ポジティブな影響」「ややポジティブな影響」が生じると回答がありました。このように、製薬各社は今年行われた薬価制度改革を前向きに受け止めております。今回、6年ぶりにイノベーションを評価する方向に薬価制度のかじをお切りいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。
7ページ目を御覧ください。今回の薬価制度改革のうち、特にどの改革事項がポジティブな影響が期待できるかについてお尋ねしたところ、「迅速導入加算の新設」「有用性系加算の評価充実」「新薬創出等加算の見直し」「小児用医薬品の評価充実」などに対する期待が高いという結果になりました。
8ページ目にお移りください。ここからは、今回の薬価制度改革によって実際に開発計画を前向きに変更する動きが進んでいるかという点について質問した結果となります。左側のグラフを御覧ください。今回の薬価制度改革によって日本国内で開発計画を前向きに変更した製品があるかを尋ねたところ、「ある」と回答した企業は8社、「現時点ではないが近い将来ある可能性がある」という企業が16社と、30社中24社から日本国内での開発計画の前向きな変更が示唆されました。
また、右側のグラフでは、そうした開発計画の前向きな変更に影響を与えた改革項目は何かとお尋ねしたところ、今回の改革の中でも、特に小児開発の評価が引き上げられたこと、有用性系加算の評価項目が拡充したこと、迅速導入加算が新たに設けられたこと、新薬創出等加算において企業区分が廃止されたほか、品目要件の拡充が図られたことといった点が開発計画の前向きな変化を後押ししているという声がありました。
資料9ページ目にお移りください。ここでは、今回の薬価制度改革によって日本国内での開発計画に実際どのような変化が行われたかについて、各社から実際に寄せられた具体的な事例の一部をお示ししております。まず左上、小児開発についてですが、今回の改革で小児用医薬品に対する加算、評価が充実したことを受けて、資料左上部分の1つ目から3つ目のポツにあるように、新たな開発検討が進んでいるといった声や、より早期、より積極的に開発を検討するようになってきているといった声が聞かれました。その他にも4つ目のポツにある製品のライフサイクルの検討項目に小児の開発が含まれるようになったという声、5つ目のポツにある今回の制度改革が追い風になり、以前から検討されていた開発の議論が加速したといった声が実際に上がっております。
一方、資料右側にあります欧米から遅れることなく日本での製品を上市する迅速導入についても、今回の改革で導入された迅速導入加算の適用要件を満たせるよう、1つ目と2つ目のポツにある日本での上市時期を前倒しする検討が開始されているといった声や、3つ目、4つ目のポツにあるように、新たなパイプラインや開発の可能性が検討されているといった声が各社から上がっております。
その他といたしまして、有用性系加算についても、日本の薬価が海外主要国の水準に近づくという期待があることから、国内開発計画の前倒しを検討しているといった声が聞かれました。今回の改革において、薬価上イノベーションを評価する方向性が示されたことで、日本国内での新薬や新たな適応症を開発する前向きな検討が各社において実際に進み始めていることが確認された結果と考えております。
次に、資料10ページ目を御覧ください。今後、国内での新薬の開発活動が活性化されるためには、各企業の中で日本市場に対する投資優先度が上がっていくことが重要な要素となると考えております。そのため、こちらの調査では、今回の薬価制度改革によって日本市場に対する投資優先度に変化があったかを尋ねた結果でございます。30社中18社が「優先度が上がる可能性がある」と回答した一方、残る12社は、「現時点で大きな変化はなし」という結果になりました。
続いて、資料11ページ目を御覧ください。私からの御報告はこちらが最後のスライドになります。日本国内での新薬開発をさらに活性化するために、今後どのような薬価制度改革が望まれるかを各社に尋ねた結果がこちらのグラフとなります。収載時の価格設定の見直しを挙げた企業が多かったのと同時に、中間年改定など収載後の薬価維持を妨げる各種制度の見直しを求める声が多く上がっておりました。
最後になります。調査の結果をまとめますと、今回の薬価制度改革において、6年ぶりにイノベーションを評価する方向性が示されたことを製薬各社はポジティブに受け止め、国内での開発計画を前向きに検討し直すという方向で動いていることが確認できました。一方、それと同時に、国内開発活動をより活性化するためには、今回の改革に終わることなく、前向きな方向での薬価制度の改革をさらに進めていただく必要があるという声も上がりました。中医協委員の皆様におかれましては、こうした企業側の受け止めを踏まえ、中間年改定の在り方について御議論をいただければと考えております。
私からの報告は以上となります。
続けて、EFPIAの岩屋会長の方からコメントいただければと思います。
○岩屋欧州製薬団体連合会会長
おはようございます。EFPIAの会長の岩屋でございます。
ただいまのPhRMAのほうから紹介をさせていただきました製薬3団体合同アンケートの結果からの考察をEFPIAからも述べさせていただきます。
令和6年度、今年の薬価制度改革の結果から、新薬を日本へ迅速に導入することや、小児開発を含む新薬の評価の充実等に対しまして、我々は非常に前向きな影響を期待しておりますし、実際に多くの企業が開発計画の再検討あるいは議論というものを、まさに今行っているところであります。
薬価の制度のみならず、薬事面の規制なども含めまして、日本において重要な第一歩となります制度改革が実施されたことにつきまして、我々は繰り返し海外の本社に対して伝えていくことで、海外から見た日本市場に対する意識を変えていきたいと考えております。また、それが我々日本法人の責務であると一同考えているところであります。
一方、先ほど説明をいたしましたアンケート調査の例えばスライドの5枚目、2018年度薬価制度抜本改革による影響に関する調査結果にありますように、実はこの中間年改定の導入というのが日本での新薬開発活動へのネガティブな影響をもたらしていることについて、多くの声が寄せられております。また、スライド11枚目、最後のスライド、さらなる国内開発活性化のために期待される薬価制度改革に関する調査結果でも、明確に中間年改定の在り方の見直しを強く望むということを多くの企業が回答しております。
今現在、まさに開発計画の再検討、あるいは日本への投資の優先度合いを上げていくということについて、海外の本社と前向きな話をしている最中でありますが、そのようなときにイノベーションに対する評価を充実するという非常にポジティブなメッセージと同時に、中間年改定を実施するというメッセージが伝わることになりますと、日本の政策というのはイノベーションに対してどういう方向を向いているのか、その一貫性に対して我々の本社に対して疑問を抱かせてしまう、そういうことを懸念しているところであります。
以前より申し上げておりますけれども、薬事承認後に迅速に薬価、保険収載が可能であると、マーケットアクセスが非常にすばらしいというのは日本の大きな魅力であります。それを維持した上で、ぜひ令和6年度の薬価制度改革の概要で示された革新的新薬のイノベーションや迅速導入、小児用医薬品開発を評価する方向性、こういったものを継続していただき、また、中間年改定については、イノベーションを促進するという観点から見直しを検討していただきたいと考えております。
PhRMA、EFPIAからは以上であります。ありがとうございました。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本製薬工業協会よりお願い申し上げます。
○上野日本製薬工業協会会長
ありがとうございます。日本製薬工業協会会長の上野でございます。よろしくお願いします。
それでは、ただいまより「ドラッグラグ・ロス解消に向けた製薬協の取り組み」ということでお話をさせていただきます。
おめくりいただいて2ページ目でございます。まず、こちらのスライドに製薬協としてのドラッグラグ・ロスに関する基本認識をお示ししています。過去、2000年代のドラッグラグでは、その解消に向けて審査期間の短縮、国際共同治験の推進、薬価制度のインセンティブなどの施策が導入され、製薬企業も自社品を中心に未承認薬等の国内開発に取り組んでまいりました。また、業界団体としても新薬・未承認薬等研究開発支援センターを設立し、開発支援を行ってまいりました。その結果、ドラッグラグは縮小していったものと思っています。
一方、現在のドラッグラグ・ロスは、2000年代とは異なり、主に国内に基盤を持たない海外ベンチャー企業由来のものが多くなっています。これらの問題を解消すべく、2024年度薬価制度改革では、革新的新薬のイノベーションや迅速な国内導入を評価する制度が導入されました。これらの政策は、ドラッグラグ・ロスの解消や海外企業の日本における新薬開発を後押しする第一歩になると考えております。
その中で、私たち製薬協は、行政や他団体と協力して、薬価制度改革の効果検証や開発促進策の検討を通じ、ドラッグラグ・ロスの解消に取り組んでいく所存です。
以降のスライドでは、製薬協のドラッグラグ・ロス解消に向けた取り組みについてお話をします。
おめくりいただいて3ページ目でございます。先ほどPhRMAから報告がありましたように、今回の薬価制度改革を踏まえて企業の意識変容が確認されました。そして、それが今後どのように行動変容につながるか、さらには日本での開発促進につながり、ドラッグラグ・ロスが解消されていくのか、効果検証の考え方と進め方について時間軸に沿って示しております。
まずは先ほどPhRMAから発表のありました意識変容に基づいての企業行動がどのように変わったのか、そして、その先には、変わった行動によっていかに日本の開発促進につながったのかについて、ここに示すような具体的な指標をもって検証していくことを想定します。こういった検証を通じて、改めて革新的新薬の創出やドラッグラグ・ロス解消等の医薬品開発に対する影響を行政や他団体と協力して分析・評価等を進めていく所存でございます。
おめくりいただきまして、3ページ目でございます。こちらは効果検証とは別のドラッグラグ・ロス解消に向けた製薬協の直接的なアクションを示しております。まず上段の1つ目としては、顕在化したドラッグロス品目の解消に向け、先般の未承認薬検討会議で提示された新たなスキームに則って協力をしていくことがあります。これに関しては、既に製薬協のホームページにステートメントを発出しております。
そして、2つ目としては、ドラッグラグ・ロス品目の解消に多くが海外ベンチャー企業由来の製品があることを踏まえ、それらの製品の日本開発を促すために、ここにお示しするような情報発信に努めてまいります。
そして下段、今後もドラッグラグ・ロス解消に向けた継続的な環境整備も不可欠であり、構想会議で示されたように、国際水準の治験環境、薬事制度、薬価制度の整備が重要と考え、それらについて私たちも継続的に効果検証と必要な提案をしてまいります。
おめくりいただきまして、これが最後のスライドとなりますが、今申し上げましたように、ドラッグラグ・ロスの検証や、他団体と協力してそういった検証を行い、解消に向けた様々な施策に取り組んでいく所存です。そして、この取組と検証のサイクルを回しつつ、適宜その施策を見直しながら、効果的にドラッグラグ・ロス解消につながっているかを確認しながら進んでいきたいと思います。
以上で製薬協からの陳述を終わります。ありがとうございました。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本ジェネリック製薬協会よりお願い申し上げます。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
本年5月28日から日本ジェネリック製薬協会の会長職を務めることになりました川俣でございます。
本日は、陳述の機会をいただき誠にありがとうございます。私からは、御心配をおかけしております安定供給の確保に向けた日本ジェネリック製薬協会の取組を御紹介申し上げます。
ページをおめくりいただいて2ページ目でございます。令和6年度薬価制度改革におきましては、安定供給確保の観点から「後発品の安定供給が確保できる企業の考え方」として、企業指標が試行的に導入されております。その中でも安定供給に必要な情報の可視化に関する事項につきましては、準備期間をいただきまして、本年6月30日までに日本ジェネリック製薬協会加盟企業全29社、各企業のウェブサイトで情報の公開を開始いたしました。引き続き、企業指標が医療現場や国民の皆様にとって有益な情報となるよう、公表内容・方法について、業界としても積極的に検証作業に協力してまいりたいと思っております。
3ページ目を御覧ください。安定供給確保のために日本ジェネリック製薬協会が今回新たに取り組んでいく事項について御紹介を申し上げます。本年5月に取りまとめられました「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会報告書」で示されました方向性に従いまして、大きく3つのことに取り組んでまいりたいと考えております。まず1つ目ですが、安定供給責任者会議を立ち上げることを検討いたしております。こちらは次のスライドで詳しく説明をさせていただきます。
また、2つ目として、各企業のクオリティーカルチャー醸成に向けた人材育成及び定着のための取組の共有と研修により、会員企業の人員強化に取り組みたいと考えております。これまで規則やルールを教育してきたわけですが、これにとどまらず、規則やルールを守る文化の醸成教育に取り組むものであります。
3つ目としてですが、業界再編の具体的な姿について、各企業の役割の明確化と強みの相互補完の観点からの調査・研究を進めまして、ジェネリック医薬品産業のあるべき姿について研究をしてまいりたいと考えております。
次のページを御覧ください。安定供給責任者会議について説明をするものです。供給不安がここまで長引いている要因の一つとして、各社の情報共有がなされていなかったことにあると思っております。これまでは独占禁止法の懸念から業界団体主導の生産調整というのがなされておらず、各社がそれぞれで増産に取り組んでまいりましたが、今後は厚生労働省支援の下、公正取引委員会の見解を確認させていただきながら、独禁法に抵触しない範囲での情報共有を図り、不足している医薬品の効率的な生産ができる体制を構築してまいりたいと考えております。
下にイメージ図をお示ししておりますが、例えばA社がある品目において供給停止をせざるを得ない状況になったときに、B、C、D、E社にその情報が展開をされまして、各社がどのぐらい増産できるかをA社に回答する仕組みを構築いたします。その増産量が必要量に満たないと予測される場合には、協会に加盟していないF社、G社にも情報が展開される、こういった会議体をつくりたいと考えております。日本ジェネリック製薬協会として、できることから着実に実施してまいりたいと思います。
私からの陳述は以上でございます。ありがとうございました。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本製薬団体連合会よりお願い申し上げます。
○岡田日本製薬団体連合会会長
ありがとうございます。日本製薬団体連合会の会長を務めております岡田でございます。どうぞよろしくお願いします。
それでは、私より、中間年改定についての考え方あるいは基本スタンスを中心に御説明させていただきたいと思います。
スライド2を御覧くださいませ。令和7年度の薬価改定につきましては、骨太の方針においてイノベーションの推進、安定供給確保の必要性、物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、その在り方について検討するというふうにされました。この中間年改定の在り方を議論すべきという文言は、全くそのとおりの状況であると認識をいたしておるところであります。
本年4月の令和6年度薬価制度改革につきましては、平成30年の抜本改革から続いた方向性をイノベーション評価を重視する方向に180度転換するものでありました。この制度改革を受けまして、先ほどPhRMAの傳社長、EFPIAの岩屋会長、そして製薬協の上野会長からもお話がありましたとおり、ドラッグラグあるいはドラッグロスを解消すべく、我々としても課題解決に向けた取組を進めているところであります。また、JGAの川俣会長からお話しいただきましたとおり、後発医薬品を中心とした医薬品の安定供給問題についても、一刻も早く患者さんにとって必要な医薬品を安定的に供給すべく、早期の課題解決に向けた具体的な取組を進めているところであります。
一方で、現行の薬価制度につきましては、どのようにして薬価差が生じているかなど、本質的な課題を直視した上での議論が不可欠な状況であるというふうに認識をいたしております。
スライド3ページを御覧くださいませ。これは近年の薬価制度改革の結果として、残念ながら日本の医薬品市場は魅力度を失って、ドラッグラグ、ドラッグロスというものが顕在化をいたしました。また、後発品を中心とする安定供給問題が長期化する中で、これまでの方向性から転じて、本年4月の薬価制度改革に至ったというふうに認識をいたしております。また、このスライドの一番右にいわゆる平均乖離率を示しておりますけれども、直近では6%にまで縮小をいたしている状況であります。医薬品を取り巻く環境は、4大臣合意や、あるいは抜本改革を行った頃から大きく変化をいたしておりまして、課題も様変わりしていると認識をしております。このような大きな変化を捉えて、薬価制度について在り方を考えていくべき時期に来ていると考えておるところであります。
次のスライドを御覧ください。そのような中、足下の物価は上昇基調が続いております。また、足下の為替、株式市況等は大きく変動しておりますけれども、円安基調というものには変わりがなく、原薬の輸入等ではやはりコスト上昇要因が続いている状況であります。
次のスライドを御覧ください。これは昨年の意見陳述でお示ししたデータを更新いたしたものであります。左の図が示すとおり、医薬品の原薬、原材料、包装材料等の調達コストも引き続き上昇いたしております。そして、右のグラフは、2021年12月比で調達コストが120%以上となるアイテムが年々増加するなど、調達コストが引き続き上昇しているということをお示ししたものであります。
次に、6ページを御覧ください。ここにお示ししておりますような原価の高騰というのは、他産業であれば、あるいは一般的な消費財であれば、価格転嫁等によって手が打たれているところであります。しかしながら、医薬品については、その特性から、原価高騰となっても一般消費財と同じような対策を行うことができないということを、これは以前も中医協でお示しさせていただいたスライドでありますけれども、改めて委員の皆様に御理解を賜りたいと思うところでございます。
次に、7ページであります。最後のスライドになりますけれども、本日御説明をさせていただいた状況からも、医薬品産業といたしましては、令和7年度の中間年改定を実施する状況にはないというふうに考えております。この中間年改定の在り方という点につきましては、一番下にも書きましたように、市場実勢価格に基づく薬価改定の在り方について、薬価差が生じる要因等の本質的な議論が行われることを強く期待いたしておるところであります。繰り返しになりますけれども、令和7年度に中間年改定を実施する状況にはないということを申し上げまして、日薬連の陳述のまとめとさせていただきたいと思います。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、次に、日本医薬品卸売業連合会よりお願い申し上げます。
○宮田一般社団法人日本医薬品卸売業連合会会長
日本医薬品卸売業連合会会長の宮田でございます。
本日は意見を述べる機会を賜り、中医協の皆様、厚労省の皆様、感謝いたします。
本日は、中間年の薬価改定、2025年度の薬価改定について意見を申し述べさせていただきます。
2ページを御覧ください。まず、社会基盤としての医薬品卸の価値についてであります。医薬品流通を欧米と比較した場合、日本の医薬品卸は、より広範囲かつ多機能の付加価値を提供しております。また、医療提供体制を支える社会基盤の一部として、低いコストでサービスを提供しており、民間調査会社の試算では、卸の社会的価値は約1兆5000億円相当と推計をされております。仮に卸が医薬品流通を担わない場合を想定して、現状のコストとの比較を右の棒グラフで示しております。試算の前提として、2023年度、医薬品卸の実販売額、約9兆2000億に対する比率を年間のランニングコストとして示しております。Aの赤い棒グラフは卸が流通を担う場合、現状の場合でございますが、卸に加え、メーカーやお得意先様のコストも含めた全体で8.2%と試算しております。これに比べ、Bの青い棒グラフは卸を流通として使わない場合のグラフでございまして、全体で24.4%ということ。この差、16.2%を金額換算すると1兆5000億ということでございます。こうした社会的な価値を継続的に提供するために、医薬品卸は5%を下回る水準まで販売管理費の圧縮に努めてきておりますが、累次の薬価引下げにより、このままでは現状のサービスを提供できなくなる、そんなおそれがあることを危惧しているところでございます。
3ページを御覧ください。骨太方針2024には、2025年度の薬価改定について、物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ、その在り方について検討するとありますが、卸を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっております。まず、7年連続の薬価改定であります。中間年の薬価改定により、薬価の下落スピードは加速しております。厚労省公表の薬剤費ベースの薬価改定率を単純合計すると、7年でマイナス32.62ポイントの下落となっております。次に、出荷調整についてであります。およそ5年近く医薬品の出荷調整が続いている状況であります。民間調査会社の試算では、卸の出荷調整に対する年間人件費は548億円、総労働時間に占める割合は19%になることが示されております。
続いて、物価高騰、人件費上昇についてであります。UAゼンセンの調べでは、全体の賃上げ率5.19%に対し、卸を含めた医薬の業種は4.22%であり、製造産業部門を占める11業種の中で最も低い数字となっております。価格転嫁等を推奨する政府の方針にもかかわらず、上限価格がある薬価が決まっている中で、価格交渉においてはコストの転嫁が非常に困難な状況になっているということでございます。
最後に、人材確保についての点でございます。新卒採用の応募者が減少傾向にある卸は全体の4分の3を占め、過去1年間に退職、転職を検討した従業員の割合は半数を超えています。こうした卸を取り巻く環境はさらに悪化することも予想され、医薬品の安定供給のための基盤が大きく揺らいでいることを強く危惧しているところでございます。
4ページを御覧ください。骨太の方針2024にもある安定供給確保の必要性の観点から、医薬品の限定出荷と低薬価品との関係について説明いたします。2024年5月分の日薬連、厚労省の調査では、全体の23%に相当する3,836品目が限定出荷・供給停止となっております。全体の品目数では薬価20円未満の低薬価品の比率が5割を超える状況にあって、その限定出荷数量の86%を薬価20円未満の低薬価品が占めているということでございます。累次の薬価下落により20円未満の低薬価品が今後も増加し、製薬企業における採算性悪化から限定出荷が増えた場合には、医薬品の供給不安を今以上に増大させることとなります。医療現場での必要性が高い医薬品については、製造と流通コストが賄える薬価算定とする必要があります。
なお、今の医薬品卸は、採算の合わない低薬価品を高薬価品とのプロダクトミックスによってカバーしている状況でありますが、このような卸の経営努力も限界になりつつあるということでございます。
5ページを御覧ください。医療用医薬品の商取引の実態について御理解をいただきたく、病院・診療所と薬局に分けて御説明させていただきます。
まず、病院・診療所との取引については、値引率が担保される総価交渉は、一部の医療機関にとって便利でかつ効率的な交渉方法であり、単品単価交渉を許容しない取引が依然として存在しております。総価交渉を誘引する要因として、毎年の単品単価交渉は流通当事者双方の交渉労力の限界を超えていることや、医薬品の価値を熟知しない関係者が交渉を行う場合があることが挙げられております。後発品・輸液類などの低薬価品については、低価格であり、単品での取引成立が難しいことから、数量や複数アイテムなどをまとめての受注でないと卸の流通コストの回収が困難になっているということでございます。
続いて、薬局の取引については、一部の総価交渉先については、希少疾病薬剤等の製品価値を考慮せず、全体加重値で薬価差額を前提とした価格交渉しか受け付けない。別枠品が明確になったことにより、今まで単品単価交渉されていた希少疾病治療薬等の一部が総価交渉に戻るおそれがある。個々の店舗の取引条件や数量を考慮しない交渉を迫る価格交渉代行業者が存在し、その規模が大きく増大しているなどなどがございます。
また、後発品の仕切価上昇については、今年度から企業評価のための指標が導入され、平均乖離率を確保する必要があるなどの要因から、仕切価が1ポイント以上上昇し、卸の採算性が厳しい状況にあります。
別枠品について、一部では製品価値を考慮せず、全体加重値で薬価差額を前提とした価格交渉となっております。別枠品を単品単価交渉したとしても、薬価改定前の総価交渉による妥結価格や総価値引率を根拠とし、卸に対して値引きを要求する場合があります。
このようなことが実際にあるわけでございます。医薬品卸の努力だけでは医療用医薬品の安定供給と流通改善ガイドラインへの取組の両立が難しい、そういった商取引が一部存在するということを皆様方に御理解いただきたく、お示しをさせていただきました。本年3月に発出された改訂版の流通改善ガイドラインを踏まえ、価格交渉に携わる全ての関係者がガイドラインを遵守する必要があると考えております。
6ページ、7ページにつきましては、現在、卸連合会が主となり流通改善に取り組んでいるものを示しております。詳細な説明は割愛させていただきます。
8ページを御覧ください。現状認識と意見を申し述べます。まず、現状認識として、デフレ基調からインフレ基調へ変化し、人材確保難となるなど、社会経済状況は4大臣合意時とは大きく異なっております。医薬品卸は流通の最適化を図ることで、低いコストで日本の医療提供体制を支えておりますが、中間年の薬価改定による薬価下落のスピードの加速や出荷調整の日々の対応などにより、厳しい状況に置かれております。なお、卸は流通改善ガイドラインへの取組を積極的に進めておりますが、医薬品卸の努力だけでは医薬品の安定供給との両立が難しい商取引が一部存在しております。2024年度薬価改定では不採算品再算定により薬価が引き上げられたものの、依然として薬価20円未満の低薬価品が多い現状であります。
医薬品の安定供給のための、基盤が大きく揺らいでいる現状を踏まえ、意見を述べさせていただきます。
中間年の薬価改定については、医薬品の安定供給が持続的に確保されるよう、廃止を含め、抜本的な見直しをしていただきたい。
また、2025年度の薬価改定については、医薬品の供給不足の早期解消が見込まれない状況であることを踏まえ、薬価改定を中断していただきたい。仮に中断が難しいのであれば、安定供給すべき医薬品のカテゴリーとして、基礎的医薬品、安定確保医薬品カテゴリーA、不採算品再算定品を対象から除外していただきたい。それ以外の医薬品については、価格乖離の大きい品目のみを対象としていただきたい。
以上をもって、当連合会の意見陳述とさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○安川部会長
ありがとうございました。
一通り、業界の皆様からの御意見、御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。ここからはフリーディスカッションということで、質問、御意見等をお願いいたします。
では、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
業界団体の皆様、御意見をありがとうございました。前回、7月17日の薬価部会におきましては、本日の意見聴取について、業界から具体的、建設的な主張をしっかりとお聞かせいただき、有意議なものにしていただきたいと、1号、2号、両側から強い要請がなされたところです。しかしながら、今回の御意見は、令和6年度薬価制度改革の影響を把握するという意味では大分抽象的、定性的であったというふうに感じております。
医薬品を取り巻く状況としましては、薬価のみならず、関連する審議会において薬事規制や安定供給、あるいは流通に係る制度上の課題についても検討され、今後の方針も示されているところです。そうした様々な取組の中で、今回の薬価改定における薬価上の対応がどのような効果をもたらしたのでしょうか。少なくとも業界、企業の内部で具体的に、これまで何をして、今後何をするのかということはもっと明らかにしていただかないと議論が進まないように思っております。
例えば資料1の9ページ、2024年度薬価制度改革における開発計画の変更と、タイトルは「変更」になっておりますが、内容を見れば、様々な検討が始まった、増えたということで、実際に例えば社内における仕組、制度が変わったとか、計画が変更されたというものではないように思います。つまり、実際の「変更」ではないと、幾つかのばらばらのものが示されたにすぎないのではないかと考えております。
この辺りは、確かに新薬の開発は1年でできるものではありませんので、今後も数年かかるものもあるでしょう。したがいまして、今後の薬価制度改革において、例えばドラッグラグ・ロスの解消やイノベーションの推進が着実に進んでいることを把握するためには、今後も定期的に、先ほど述べたような具体的に何をやって、今後何をするのかということの報告は、ぜひお願いしたいと思います。
一方、全体の影響を把握するのに時間がかかるということはよく理解しておりますが、各業界・企業の中で具体的に何をして、その影響・効果がどうだったかということの把握にはそれほど時間がかからないはずです。例えば喫緊の課題である医薬品の安定供給については、新型コロナ等の感染症が再び流行している中で、必要な医薬品が現場に届かないという状況は、いまだ改善されておりません。
そこで質問します。これは、不採算品再算定の適用範囲を拡大するなどの薬価上の措置をしても、その効果はあまりなかった、あるいは限定的だったということなのでしょうか。この点について業界団体の皆様から御意見をいただきたいと思います。
次に、資料薬-3、日本ジェネリック製薬協会の御意見についてコメントいたします。令和6年度薬価制度改革で導入された企業指標につきまして、業界としても、その導入意義を理解され、取り組まれ、フォローしていかれるものと理解しました。国における後発医薬品シェア目標が設定された頃から、中医協において後発医薬品の使用促進をするためには、後発品企業による品質の確保、情報提供の充実、少し売って撤退するようなことをしない安定供給の体制が必要であると指摘しております。これが当たり前の企業文化となるよう、引き続き各社で取り組んでいただきたいと思います。
最後に質問となりますが、不採算品再算定が適用された品目について、今回初めて適用された品目、あるいは複数回適用されている品目の数を教えてください。
私からは以上です。
○安川部会長
今、長島委員から幾つか御質問がありましたが、もう少し皆様からの御意見を伺った上で御回答いただければと存じます。
続いて、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
各団体におかれましては、御説明いただきありがとうございました。幾つかコメントと質問をさせていただきたいと思います。
まず、薬-1のPhRMAの資料の合同アンケートに関することになります。8ページ目のQ7では国内開発計画を前向きに変更することや、10ページ目では日本市場の投資優先度が上がる可能性があることについてのアンケート結果が示されていますけれども、企業のポジティブな姿勢を示す項目ですので、正直もっとポジティブな結果が出るものと期待していました。10ページ目を見ていただきますと、日本市場の投資優先度の変化ですけれども、30社中12社は「現時点で大きな変化なし」となっていること、それから「上がる」と回答した企業がないということから、思ったよりも低い評価結果となったという印象を持っております。2024年度の薬価制度改革では、大方の業界団体の要望は組み込まれ、イノベーションの推進に係る評価は充実したように思っていますけれども、なぜこのような結果になったのかということで業界の受け止めを教えていただければと思います。
また、令和6年度の薬価制度改革ではイノベーションの評価の充実を行い、実際に4月、5月に収載された医薬品においても評価が充実されてきているという印象を持っています。企業としての受け止めは様々とはいえ、令和6年度薬価制度改革の効果が見えないまま、つまり、国内開発計画の前向きな変更が確認できないまま、薬価収載時の価格設定の見直しを新たに要望するよりも、まずはしっかりと国内開発計画を前向きに変更した上でドラッグラグ・ロスの解消に取り組んでいただくことが重要であると考えております。
次に、これは製薬協にお伺いしたいと思って、EFPIA、それから日薬連に関しては中間年改定に関してのコメントがありましたけれども、中間年改定が仮に実施された場合、考えられるドラッグロスへの影響を教えていただければと思っております。
次に、薬-3のJGAの資料についてです。アペンディクスの中で原価の供給不安への対策として、まとめ生産やスケールアップ、それから生産余力の強化などが示されています。関係企業の皆様におかれましては、日々安定供給に向けた努力を行っていただき、感謝を申し上げます。その上で、今回新たな取組が示されておりますが、正直、供給不安問題が出てから3年以上たって、業界の対応は遅いと言わざるを得ません。早急に進めていただきますようお願いいたします。各社増産対応しているとの報道がありますけれども、現場にはそのことが見えません。今回の資料に安定供給に向けた生産余力の強化が示されていますが、次回で結構ですので、3年前からの取組、増産状況、今後の生産予定等をお示しいただければと思います。
また、2024年度の薬価制度改革で後発医薬品メーカーに企業指標等が導入されました。このことに関しての業界としての受け止めをお聞かせいただければと思います。
また、今回、安定供給責任者会議を設定するということで、これは厚生労働省が公正取引委員会と相談の上、関係企業と連携してやっていただかないと進まないものと理解をしています。公正取引委員会の相談の必要性は以前から指摘があったと思いますけれども、進捗があったのかどうか全く見えません。ここはJGAと厚生労働省に対しての質問になりますけれども、公正取引委員会とはどのような話合いをして、現在どのようになっているのか、可能な範囲で教えていただければと思っております。医薬品が供給不足になる、治療に影響する、患者さんの生命に関係するということは非常に大きな問題で、これは独禁法とは関係ないと私は理解をしております。
また、供給不安解消に向けては流通改善、生産体制などの対応も必要で、それらは様々な会議体などで検討されております。現在ばらばらに動いているような状況です。供給不安解消に向けては様々な面からの対応、つまり合わせ技で対応していくものであり、その辺りは一度取りまとめて一つのポンチ絵で示すなど、関係者に分かりやすい資料を御用意いただきたいと思います。これは要望になります。
またお願いになりますけれども、JGAとしての取組の見える化、つまり、業界としてのビジョンをお示しいただきたいのですが、その辺りの動きはどうなっているのか教えていただければと思います。繰り返しになりますが、供給不安が発生してから3年以上たって、これからあるべき姿を調査・研究しているというのは、遅いという印象を持っております。
次に、薬-4の日薬連の資料についてです。中間年改定の意見が取りまとめられておりますけれども、医薬品を生産されている当事者の意見として大変重要なものと受け止めるべきと考えております。
最後に、薬-5の卸連の資料についてです。5ページを御覧いただければと思います。病院・診療所、薬局との取引における問題点が示されていますが、価格形成機能を有する卸がその機能をうまく発揮できていないのではないかと考えております。業界としてのその機能をうまく発揮できていない状況を是正するための取組などは検討されていますでしょうか。また、必要に応じて厚生労働省や関係団体とも連携や話合いを持つべきだと考えていますが、その辺りの姿勢も教えていただければと思います。
5ページ目の薬局のところで、価格交渉代行業者について、個々の店舗の取引条件や数量を考慮しない交渉を迫るということが示されていますが、卸が通常の取引よりも大きな薬価差を生じさせているということでしょうか。それは流通改善ガイドラインの趣旨を無視しており、この件については、まずは卸が毅然とした態度を取って臨むことが重要で、卸連におかれましては、価格形成機能の発揮に向けて取り組んでいただけるようお願いをいたします。
最後に意見になりますけれども、過度に大きな薬価差、薬価差の偏在が問題になっていますが、中小の薬局は何年も管理コスト、廃棄・損耗コストすら賄えないような状況が続いております。薬価改定により、こうした中小の薬局が毎回特に大きな影響を受け、経営的にも限界となっています。そうした中でも過度に大きな薬価差、薬価差の偏在は発生しています。卸が適切な価格形成機能を発揮して、過度に大きな薬価差や薬価差の偏在の是正をお願いします。ここは強調させていただきたいと思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
幾つか質問がございましたので、ここで一旦、業界の皆様のほうから、今の長島委員と森委員からの御質問について御回答、御見解等をいただければと思いますが、できるだけ各業界様から御回答を頂戴できればと思います。
では、日薬連から。
○岡田日本製薬団体連合会会長
中間年改定に関しての実施も含めたところに関して御発言をいただいたと思っておりますので、その点についてもう一度御説明をさせていただきたいと思います。今日、陳述で申し上げましたとおり、これまでどおりの枠組みで中間年改定を実施するということは、イノベーションの推進、あるいは安定供給の確保にのっとった施策には決してならないと私どもは考えておりますので、今般、業界としては改定を実施すべきではないということを申し上げた次第でございます。
その上で、スライド7のところでも、薬価改定の在り方を検討するという骨太の文言を受けた我々の考えについて、本日は薬価差が生じる要因等の本質的な議論が行われるべきということで御説明させていただきましたけれども、もう少しだけそれを補足説明させていただきますと、やはり現行制度は薬価差が必然的に生じる仕組みであると認識をいたしております。したがって、乖離が生じていることを理由に市場実勢価に基づく薬価改定が毎年機械的に行われると、今、7年連続の改定で薬価下落が加速しているわけですけれども、これについてはやはり見直すべき時期だということであります。これは医薬品特性とか地域とか取引規模によって、様々な要因によって生じる薬価差について、関係者が共通の認識を持つべきというのが、この在り方の検討のまず一番のスタート地点になるかと思います。その上で、医薬品の取引実態から、医薬品の大きく分けたカテゴリーごとに、薬価差の程度や役割等を踏まえて薬価改定の在り方を検討すべきだと思います。その検討に際しましては、カテゴリー別に制度としてあるべき姿を踏まえて、どういう仕組みが必要なのかという議論をぜひこの場でさせていただきたいと思っております。
現在、流通改善懇談会におきまして、今、森委員等からも御指摘がありましたけれども、過度な薬価差の偏在について議論をされて、医薬品のカテゴリー別、あるいは医療機関や薬局では規模別の取引についての調査が行われていると認識をしております。偏在がどこにどういうふうにあるのかということについての調査結果は、本日、私も今申し上げている薬価改定の在り方を検討する際の極めて重要な資料になると認識をしておりますので、その上で改めて我々の考えを御提案等させていただければと思います。
私から、まず全体的なところに関してコメントをさせていただきました。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
ありがとうございます。日本ジェネリック製薬協会でございます。
不採算の話でございますが、まず、2回にわたり特別に大規模な不採算品再算定の検討をいただいたことに関しては非常にありがたく思っておりますが、私どもの資料の6ページ目に記載をしましたように、現在もまだ不採算になっている品目が数多くございます。こうしたものを一つ一つ解消していく取組は今後も必要であると考えております。もちろん原材料ですとか製造経費の高騰が続いておりますので、そこに手当てができるような仕組みというのは継続的にやっていただきたいなと思っているところです。
長島委員からの御質問の今回初めて不採算品再算定が適用された品目数と複数回適用された品目数、私どもはまだ把握しておりませんので、次回の回答とさせていただいてよろしいでしょうか。
○安川部会長
長島委員、いかがでしょうか。
○長島委員
つまり、先程、御質問したように、不採算品再算定に対する様々な薬価上の措置をしたのですが、それが本当に有効だったのか、有効でないとすればそれはなぜなのか、どういう分野で有効でなかったのか、その観点から複数回適用されている品目というのも重要になってくるということでお聞きしたのですけれども、そのような把握を業界ではされていないということでしょうか。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
残念ながら。
○長島委員
とすると、なかなか先につながりませんので、まず具体的に、最初に申し上げました、全体の影響の把握に時間がかかるとしても、御自分の企業、御自分の業界で具体的に何をやって、企業内でどのような効果や影響があったということはすぐにでも分かることなので、そこは直ちに把握され、ぜひ御報告いただきたいと思います。そうしないと、次にこれをやっても意味があるのかという議論になってしまうと思います。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
不採算品再算定をいただいた分というのは、もちろん効果があったというふうに我々は理解しているのですが、それで十分なのかどうかという部分に対して、追加で調査をしていきたいと思います。
次に、森委員からの御質問でございますが、こちらも私どもの資料の最後のページに書かせていただいておりますが、我々ジェネリック製薬企業は、これまで様々な取組をして増産を行っております。この増産が足りないのかという部分が把握できていないというのが最大の問題だと思っております。どのぐらい増産したらいいのかということ自体の情報共有がないというのが最大の問題点だったのだろうと思いますので、こちらは安定供給責任者会議において、製造数量の調査というのをできるようにしていきたい。私どもの工場にも、在庫が山のように積み重なっている品目というのも実際ございます。また、医療機関の先生方のところにも偏在化が起こっていると伺っております。これを平準化することによって供給不安の解消につながればと考えているところです。
話は飛びまして、JGAのビジョンでございますが、こちらも私どもとして、今までジェネリック医薬品市場は成長産業であったわけですが、これからは成熟産業に切り替わっていくというようなことを受け止めております。成熟産業に変容していくに当たっての我々ジェネリック製薬企業の在り方というのは、これはぜひとも考えていかなければいけないところでございますので、こちらに対する研究会を立ち上げようとしているところです。
それから、安定供給責任者会議と公正取引委員会との関係ですが、こちらも今、厚生労働省を介しまして、やり取りをさせていただいております。その進捗について厚生労働省のほうから御説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○安川部会長
事務局、お願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
厚生労働省の医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
後発医薬品を中心とした供給不安、供給不足の問題に対しまして、産業構造の在り方ということについて検討会で御議論をいただいて、報告書をまとめていただきました。その中で、公正取引委員会との調整ということにつきまして、現行法の中で問題なく行える企業間連携等の具体的な事例について事例集を作成して周知を行うですとか、厚生労働省に後発医薬品業界向けの相談窓口を設置して、独禁法上の懸念への相談、あるいは公正取引委員会との相談のための事務的な手続のサポートを行う、こうしたことが提言されており、私どもとしても、公正取引委員会と連携をしながら、まずはこの事例集の原案を作成するために、業界再編に関する法令上の懸念点につきまして、御意見を受け付ける窓口を厚生労働省のウェブサイト上に開設して、意見を募集しているところでございます。
また、JGAにおきましては、新しく会長が就任された機会を捉えまして、先ほど御説明にあったような安定供給責任者会議の立ち上げということについて御検討いただいてございます。私どものほうで公正取引委員会と協議をいたしておりまして、どういう形であれば独禁法上、競争政策上問題がない形で行えるのか、実現するための観点から協議をしております。先ほどのJGAの資料の中で、供給不足を生じてしまう、供給停止をしてしまうA社が、不足が見込まれる数量あるいは期間等の情報を各社に共有し、A社において各社の増産可能数量の把握をする。そうしたことであれば、独禁法上の観点からも問題なく行えるのではないか。そうした方向で今、具体的な調整を進めているところでございます。
供給不安の問題はずっと続いておりまして、私ども、こうした後発医薬品の産業構造上の課題にも対応しておりますが、足下の、まさにこの供給不安、供給不足の状況を具体的にどう解消していくかということで、今のJGAのお話も1つでございますし、私どもは明日、医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議を開いて御議論いただきますが、その中では、限定出荷とされている品目を解除する、なぜ解除できないのかということについて一部ピックアップして調査をいたしまして、その具体的な原因を把握するとともに、それを解消するためにどうすればいいか、そうした取組を進めているところでございます。
医療現場の皆様には御迷惑をおかけしておりますが、メーカーの増産等も含めまして、引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○宮田一般社団法人日本医薬品卸売業連合会会長
卸連のほうから回答をさせていただきます。
まず、森委員から御質問いただいた件でございますが、まさに私ども、今回の改訂版の流通改善ガイドラインは、2018年に発出されたガイドラインからかなり踏み込んだ形で書かれております。遵守しなければいけない行動として書かれておりますが、卸として長年お付き合い、信頼関係を得たお得意様がボランタリーというか、価格交渉代行会社の加盟店になっていくというのがここ足元で非常に増えているのは、同じような形で問題視をしているということでございます。これらが本当にどういうふうな価格交渉になって薬価差の偏在が起こっているのか。もう少し言いますと、医薬品の特性だとか、あるいは地域の特性というものが、全く価格交渉の土台というか交渉テーブルに載らずに薬価差を求める交渉が進んでいるということも含めて、先ほど来ありますように、昨年の有識者検討会におかれましても、そういった取引について調べる必要がある、あるいは現在、流改懇で過大な薬価差について調査をするということで、令和5年と令和6年の調査でどうなっているのか、それはどこに偏在があるのかということも含めて調査をしていくということでございます。
卸売業としては、今まで長いお付き合いしているお得意様との関係もある中で、個社個社が経営判断して取引をしている状況もございます。ただし、やはり全体の薬価制度あるいは製品の安定供給に対して問題があるということは卸連合会としても認識しておりますので、今現在、新たな流通改善ガイドラインにつきましては、会員企業の全MSに、流通改善ガイドラインへの新しい冊子と遵守すべき活動については周知をしているところでございます。
あわせて、今回の未妥結減算制度につきまして、妥結状況の報告書の中に、こういった価格交渉代行業者だとか、あるいはボランタリーだとか、価格交渉がどういう形で行われているのかということをかなり詳細に厚生局のほうに出さなくてはいけない、そういった報告内容になっておりますので、それらも見ながら、我々としても、連合会としてできるべく対策を一緒になって考えていきたいと思っておりますし、こういったことが改めて新しい制度につながっていくものだと思っております。薬価差の偏在についてはしっかりと対応していきたいというのが卸連の見解でございます。
あと1点、不採算品再算定についてなのですが、今回、卸連合会として厚生労働省からデータをいただいていまして、基礎的薬剤、不採算品再算定品カテゴリーA、麻薬、覚醒剤、血液製剤、こういったものについてはデータをアップデートしておりますので、品目数、アイテム数等々が具体的に示されております。ぜひデータベースのほうにアクセスしていただければ現状が把握できるのではないかと。我々もこういうデータを持って、別枠品に制度として分けていただいた部分についての価格交渉もしっかりとしていきたい。
昨年、松本先生のほうから、3.3%の薬価乖離だったけれども、中にはかなり安く売られているものがあるのではないか、いわゆる調整で使われていないかという御指摘があったかと思いますが、そういった部分も今回、別枠品として、会員企業全てが認識をしながら価格交渉していくということでございます。こういった理解もしていただきたいということで、今回、改めて、商取引の実態はこういうものがあるのだと、なかなか卸だけで解決できない問題があるのだということを中医協の皆様にお知らせしたかったというのが、この資料でございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○安川部会長
では、PhRMAのほうからですね。
○岩屋欧州製薬団体連合会会長
まずEFPIAから、森委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。PhRMAからも追って回答があると思いますが、森委員から、大変ポジティブな改定をした割には、企業のポジティブな回答が弱いのではないかというお話がありました。私どもの感覚では、先ほどの陳述の中でも申し上げましたけれども、非常に久しぶりに医薬品の価値を認めていこうと、イノベーションについて評価をしていこうという議論をいただいたことについては、会員企業全てが、非常に方向性が変わった、潮目が変わった改定の議論であったと認識をしておりますし、その旨、各社とも本社に対して、もちろん日本の企業も含めて、こういう潮目が変わったということを踏まえて、我々の行動を変えようという取組をしております。
実際にアンケート結果の6ページを見ていただきますと、基本的には皆、薬価制度改革そのものは支持ないしおおむね支持をしております。それが実際に行動変容につながっているのか、実際に投資優先度が上がったかということで10ページを御覧いただくと、まだそこまで来ていないということです。1つには、行動に対して意識が反映されるまでというのはもちろんそれなりの時間がかかるのと、それと、私自身の考えで申し上げますと、2018年の抜本改革以降、基本的には毎年、イノベーションの評価について、業界としますとネガティブな議論が繰り返されてきた中で、それが今回、ポジティブな方向に変わりつつあるものの、完全にこれで変わっていくのか、これがまた足踏みをしてしまう、ないしは同じようにブレーキを踏むような議論になってしまうのかということについて、まだ自信が持ていない部分は確実にあるかなと思います。
あわせまして、先ほど中間年改定はドラッグロスに影響があるのかという御質問もいただいたところなのですが、中間年改定そのものがドラッグロスに直接の影響があるというよりは、業界がずっと通じて申し上げていましたのは、特許のある製品については価値を変えないでいただきたい。つまり、薬価を見直さないでいただきたいという話をずっとしてきました。中間年改定は、とりもなおさず、そういう製品も含めて薬価が下がる可能性があります。そういう意味で、中間年改定が維持をされて、基本的にはどの製品も市場の価格に応じて薬価が下がるかもしれないという仕組みが残っておりますと、やはりそこに対しては投資にブレーキがかかるということかなと思っております。
もう一度申し上げますと、始まったばかりというか、いい議論が続いていただくことを心から望んでおりますし、それに対して各社とも、日本への投資がこれまで以上に進みますように説得を続けていきたいと思っておりますので、力を貸していただければなと思っております。
○傳米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員
続きまして、PhRMAのほうからも、森委員から御質問がありました、特に8ページ目、9ページ目、10ページ目に関しての業界団体の回答について、前向きなのか、前向きでなかったのかという点です。先ほど森委員からも質問の中に御意見がございましたが、医薬品の開発に関しましては、やはり採算性、もしくは臨床試験実施の可能性であったり、あとは試験実施の規模など、いろいろなことで検討する要素がございます。実際このアンケートを実施したのが6月、7月でございます。そういったことを踏まえますと、薬価制度の改革の実施から非常にまだ間もない時点でのアンケートの結果ということで御認識いただければありがたく思っております。
特に、資料8ページ目の右側のQ8の棒グラフになるのですが、国内開発計画が前向きになる要素として、小児や迅速導入の声が上がっていますが、こうした小児や迅速導入に係る開発ができる製品が現時点では存在しないといった企業も実際あることが予測できるかと思います。ただ、一方で、「開発計画の前向きな変更は現時点ではないが、近い将来ある可能性」と示した企業が16社もあるということを踏まえますと、今後、開発計画を実際どのように前向きに変更する企業が現れてくるかというふうにこれを見ていただけますと幸いでございます。
先ほど岩屋会長からもありましたが、8ページ目、9ページ目は開発ですが、10ページ目のQ9の質問に関しては、投資ということになります。投資となりますと、先ほどの製品の開発等を前向きにするというばかりの問題ではなくて、企業が日本市場への投資を優先させるかと、かなり一段ギアを上げるということになりますので、今回、こういった新たに踏み出した改革の一歩がこの先着実に進んでいくということを外資系企業の本社が見た上で、さらにこの投資というところのギアが1つ上がっていくのではないかなと思っておりますので、ぜひ今後、議論をお進めいただければと思っております。ありがとうございます。
○安川部会長
では、製薬協。
○上野日本製薬工業協会会長
製薬協のほうから1点、森委員から御質問のあった、中間年改定はドラッグロスにどのような影響があるか。製薬協としてという少しスペシフィックな御質問だったのでお答えさせていただきますと、ドラッグロスというのは、海外で承認されて、日本に入ってこないということで言うと、我々内資メーカーは、まずは日本市場を考えておりますので、直接的にドラッグロス品はないと考えておりますが、一方、積極的にドラッグラグ・ロス解消という点で考えますと、特に導入を考えた場合に、やはり日本の市場が魅力的であることが重要で、それに対してまた中間年改定が実施されれば、それにはネガティブに働くだろうというのが1つ言えると思います。
一方、業界活動として、今日申し上げましたように、昨今の革新的新薬はベンチャー発のものが多いということを踏まえて、今後、今回の24年度の薬価制度改革や薬事制度の改革については、そういうベンチャーに向けていろいろ情報発信していこうと今考えております。そういう中で、またこの中間年ということは、情報発信に向けても一部ネガティブな話になるのではないかということを考えて、そういう点でも、やはり中間年改定は実施すべきではないと考えております。
以上です。
○安川部会長
では、お待たせしました。森委員、お願いします。
○森委員
御回答ありがとうございました。
今、潮目が変わったということで、アンケートの結果は出ていましたけれども、企業の意識の変容はあったものと思います。製薬協の資料の3ページにありますように、意識が変わったのであれば、次は企業の行動変容、そして、最終的には日本における開発促進につながるようにぜひお願いをしたいと思っております。
もう一点、JGAについてですけれども、そもそも今回の供給問題で、日本全体での製造キャパシティーが十分ではないということが明白になったのではないかと思っています。さらにそれが外的要因により供給不足が拡大している。先ほど長島委員からもありましたが、今、コロナ患者数が増加してきており、現場では、解熱鎮痛薬、それから鎮咳去痰剤がまたさらに入りにくくなっているような状況になっています。そうした中で、そもそもの全体としての増産をすることはもちろんなのですけれども、ミスマッチしてはいけない。必要な医薬品が増産できるためには、公正取引委員会との連携というのは欠かせないことで、ここはぜひ厚労省からもフォローしていただいて、生命関連商品である医薬品が足りない場合は、それは独禁法の対象ではないと考えます。先ほどもお話ししましたけれども、ぜひそこをお願いしたいと思っています。
最後に卸ですけれども、卸の重要な機能の1つに価格形成機能があると思います。薬を守る、医薬品のライフサイクルを守ることは中小の薬局現場を守ることにもつながりますので、ぜひしっかりとその機能を果たしていただきたいと思います。
以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
森委員、長島委員、よろしいでしょうか。
では、長島委員。
○長島委員
先ほどの御回答をお聞きしますと、企業、業界は、今回の薬価制度改定でポジティブな受け止め方をしているけれども、1回の変更では、意識変容は少しするけれども、行動変容には至らない。数年間にわたって、あるいは将来的にずっとポジティブなものが続くと確信できない限り、行動変容はしないというふうにも理解できる御回答だったのですが、その受け止め方でよろしいのですか。
○岩屋欧州製薬団体連合会会長
まずはEFPIAから答えさせていただきます。
1回限りの変更では行動変容できないと申し上げているわけではございません。今後の議論がどういった変更を伴うのかということについては、これからの我々の企業行動に対して影響はあると感じております。前回議論をしていただいたイノベーションの評価をする方向で議論が続いている限りにおいて、我々の行動というのは変わっていくのではないかなと感じております。今回の変更がここまでの段階で、我々の気持ちの部分につきましては変えましたが、それが具体的な行動として現れるのは、もう少し時間がかかるということはそのとおりでございます。
○安川部会長
では、製薬協。
○上野日本製薬工業協会会長
製薬協の上野です。
今の長島委員の御質問について製薬協からもお答えしますが、基本的に製薬企業における意思決定、それがどのように実際の開発計画に関わるかというのは、各企業によって違うと思うのですが、おおむね毎年毎年の予算の中で戦略あるいは計画が練られて、その中で優先順位に基づいて各品目の開発計画が進むということです。そういう点で、今回のPhRMAのアンケート結果では、もう既に8社が開発計画を変更したということは、私にとってはすごく大きなことだと思います。それが実際のプロダクトとしての開発がどうなったかは、1年以内に多分結果が出てくると思います。そういったことを踏まえて、それらがいかに行動につながって、それが実際に結果につながる。結果というのは、例えば日本での開発が始まったとかそういうことが1つの指標だと思うのですが、長島委員がおっしゃったように、そういうものを経時的に我々もフォローして、適宜御報告してまいりたい。ですので、今回の制度改革は本当に大きなインパクトがあって、これが着実に結果につながるように我々も見ていきたいと考えております。
○安川部会長
ありがとうございます。
○傳米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員
PhRMAからの意見としましては、先ほどありました潮目というものが非常に変わった時期であるかなと思っています。ですので、こういったものを継続していくことがやはり望ましいのではないかと考えています。継続することによって行動変容というのがさらに促進されるのではないかと考えていますので、そのように我々は考えていただきたいと思っております。
○安川部会長
ありがとうございます。
大分時間も押してまいりましたので、長島委員、よろしいでしょうか。
○長島委員
時間の限りがあるので、これ以上申しませんが、せっかく薬価で対応したとしても、それが十分に反映されないと受け止められるようなご発言がどのような影響を与えるかということは、十分に御考慮された方がよいかなと老婆心ながら考えました。
以上です。
○安川部会長
では、ほかの委員からの御意見、御質問はございますでしょうか。
では、松本委員、お待たせしました。よろしくお願いいたします。
○松本委員
どうも業界から御説明をありがとうございました。
まずは個別の団体に関するコメントに入る前に、今後の議論の前提について最初に発言をさせていただきたいと思います。
本日は業界の皆様方から、薬価改定を実施すべきではないという御意見が多数ございました。以前から申し上げているとおり、内閣において方針転換がない限り、薬価改定を実施する場合にどのような内容、中身にするかということについて議論をすることが中医協のミッションだというふうに感じております。この点はぜひ認識を共有していただきたいと思います。
先ほど来ありました骨太の方針2024でも十分確認はしておりますけれども、皆さんが言われたイノベーション推進、安定供給、物価上昇もありますが、国民皆保険持続可能性も考慮しながらという意向も入っておりますので、それについてはよろしくお願いしたいと思います。
それでは、各団体についてコメント、質問いたしますけれども、質問についてはできるだけかぶらないようにしたいと思います。
まず、PhRMAの薬-1でございますけれども、製薬企業の影響を調査していただきまして、これはありがたいデータだと思っております。この中で資料の8ページを拝見しますと、小児用医薬品の評価充実が開発の後押しになっているということが分かります。今年の4月や5月に薬価収載された新薬についても、小児加算に該当する品目が多い印象がございますので、ここをベースラインとして、さらに小児用製剤が開発されることを期待したいと思います。
次に、薬-2でございますけれども、これについては業界全体としてのドラッグラグ・ロスの解消に向けた一種の決意表明だと受け止めておりますので、時間軸を十分に意識した上で、スピード感を持った検証を期待したいと思います。
続きまして、薬-3でございますけれども、これは先ほど長島委員や森委員からも質問があったと思うのですが、企業指標の導入について、多分御回答がなかった気がいたしますので、業界として今、検証作業中だと思うのですけれども、現時点で何か分かっている影響があれば教えていただきたいというのと、令和6年度では一部のみの指標が導入されておりますので、我々としては、やはり全ての企業指標がそろって初めてバランスの取れた評価になると思います。令和7年度改定で企業指標を増やすことについてどのようにお考えになっているのか教えていただきたいと思います。
安定供給につきましては、先ほど来質問があったところでございますので、これについては、ここでは質問は控えたいと思います。
続きまして、薬-4でございますけれども、今回の資料には記載がございませんでしたが、医薬品のライフサイクルに関する考え方について質問させていただきたいと思います。昨年のヒアリングの際に、特許期間中にしっかり研究開発資金を回収して、特許が切れたら速やかに後発品に市場を譲るということで、イノベーションの評価と新薬創出加算の累積額控除は一体で議論すべきであるという趣旨の御発言を業界からいただいたと記憶しておりますけれども、この考え方について改めて認識を御説明いただきたいということでございます。
それと、資料の2ページ、7ページに、薬価差が生じる要因等の本質的な議論が必要という記載がございますけれども、診療報酬改定のない年の薬価改定は国民負担の軽減が最大の目的でございますので、薬価差が生じているのであれば、まず国民に還元すべきであるということ。その上で、不採算の問題はルールにのっとって対応すべきであり、薬価差に関する本質的な議論がないと実勢価格改定ができないということではないということは強く指摘をさせていただきたいと思います。
最後に、薬-5でございますけれども、これも今の発言と関係いたしますが、資料8ページのアスタリスクで、不採算品再算定品について、安定供給すべき医薬品であることから、改定の対象から除外してほしいとの記載がございましたが、そもそも値引きをしなければ実勢価格改定の対象になりません。なぜこうした品目においても値引きあるいは薬価差が生じているのか、これは実態を伺いたいということが1つ。
それと、流通改善ガイドラインについて、これはいくら会員内だけで一生懸命周知しても、やはり医療機関あるいは薬局、そうした団体へのアプローチであるとか説明、あるいはその協力や依頼、そうしたものについてどういうことが行われているのか教えていただきたいと思います。
私からは以上になります。
○安川部会長
ありがとうございます。
では、続いて、佐保委員からもお願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
業界団体の皆さん、御説明ありがとうございました。私からも幾つか話をしますけれども、簡潔にお話をしたいと思います。
まず、薬-2、製薬協のスライド5の部分です。ドラッグラグ・ロスについて、行政や他団体と協力し、検証を行い、解消に向けて取り組むと御説明いただきましたが、具体的な取組内容などがありましたら補足いただければと思っております。
続いて、薬-3、ジェネリック製薬協会に質問ですけれども、今ほど松本委員から企業指標について発言がありました。私もそこを聞こうかなと思っていましたが、重なりますので、その部分は省略したいと思います。
それから、スライド3の部分で調査・研究のための研究会の立ち上げと書かれてございますが、現在どういった状況なのか、その研究の成果をいつぐらいに出されるのかというスパンなど、詳細があれば、あわせて教えていただければと思っております。
それから、薬-4、日薬連の資料の10、11ページに不採算品のことについて書かれております。これは今後で構いませんので、もしこの中で分かる範囲のものがありましたら、もう少し具体的にどうなのかといったところについて御教示いただければと思っております。
最後に、薬-5、卸連ですが、医薬品の関係の流通改善ガイドラインの重要性というものを感じております。医薬品の安定供給と確保のためには、流通改善を含めた検討が重要であると改めて思いましたので、これは感想ですが、申し述べたいと思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
では、奥田委員から。
○奥田委員
団体からの御説明、どうもありがとうございました。
これまでも、それから前回の薬価専門部会でも申し上げましたけれども、薬価制度につきましては、国民負担とイノベーションの推進の両立ということが重要であると考えております。そうした中、薬-1の資料では、前回の2024年薬価制度改革について、製薬業界としては、先ほども言及がありましたが、イノベーションに対する評価を前向きに受け止められているというふうに私は受け止めました。
それから、薬-1の9ページの薬価制度改革を踏まえた開発計画の変更例に多くの事例がございます。なかなかここに全ての具体例を書くことは難しいとは思いますけれども、有用性系加算の項目の最後に、「薬価制度改革が早期開発の後押しになっている」という記述がございます。これはどの団体でも結構なのですが、具体的な例を挙げていただけると、この薬価専門部会でも理解が進むのではないかと思いますので、もし御紹介いただけることがあれば、お話をいただければなと思います。
また、要望ですけれども、ジェネリック医薬品協会のところで安定供給責任者会議の立ち上げのお話がありました。これにつきましては、やはり真に実効性のある取組にしていただきたいという要望を申し上げたいと思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。
では、鳥潟委員、お待たせしました。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
たくさんの御説明をどうもありがとうございました。令和6年度薬価改定は、ドラッグラグ・ドラッグロス解消に向けてイノベーションへの評価が推進されたと認識しております。そこに対してはよかったなという受け止めをしておりますが、まだ具体的な効果が見えない状況ですので、どのような行動変容になっていくかという点に関しては大いに期待していきたいと感じております。
一方、医薬品の安定供給問題についてですけれども、医薬品業界の構造的な課題に端を発するものと考えております。特にジェネリック医薬品については選定療養も始まる中、保険者としても安定供給をお願いしたいと強く思うところでございます。
そこで、薬-3の日本ジェネリック製薬協会様の資料ですけれども、3ページの内容についてお伺いしたいと思います。安定供給責任者会議の立ち上げを行うと説明をいただきました。個人的にも非常に期待をしているところですけれども、4ページに続く内容で、供給できなかった製薬会社の振り分けを他社で補うというようなことが記されておりますが、振り分けて実際に製薬を始めてもらうためには何が必要なのか。独占禁止法との関係整理が必要というところはありましたけれども、A社とほかの会社における契約上での課題のようなものも幾つかあるかと思いますが、その辺りも細かく議論をして、実効性のあるものにしていただきたいと思っております。
また、人材育成・定着のための取組の共有と研修ですけれども、こちらも具体的なところの提示がないので、実際にどのように進められるかということに関しては非常に興味があるところです。ぜひ具体策が提示されるようお願いしたいと思っております。
業界再編ですけれども、厚労省からも既に後発医薬品の産業構造改革の要請を受けており、あるべき姿や対策の方向性も示されているものと認識しております。そうした中、研究会を立ち上げて調査・研究を行うということですが、具体的にどういったことを調査・研究することになるのでしょうか。その辺り、もしもう既に幾つか挙がっているものがあれば、お示しいただけますと大変助かります。
いずれにせよ、ジェネリック協会の皆様方には非常に期待をしておりますので、ぜひこの施策が行動につながるようお願いしたいと思います。
以上になります。
○安川部会長
ありがとうございました。
また1号側委員のほうから幾つか御質問がございましたが、業界様のほうから御回答、御見解等ございましたら、極力簡潔にお願いできればと存じますが、いかがでしょうか。
○傳米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員
奥田委員から先ほど御質問がありました9ページ目の有用性加算におけるどのような実際のインパクトの具体例があったのかということになりますが、御指摘につきましては、今、業界として検討しておりまして、次期薬価制度改革の議論の際に御提示させていただければと思いますが、よろしく御理解いただければと思います。お願いいたします。
○安川部会長
では、日薬連。
○岡田日本製薬団体連合会会長
先ほど松本委員から、ライフサイクルについて御発言をいただいたと思います。ここに関しては、前回も私から発言させていただいていると思いますけれども、特許期間中の革新的な新薬については、その価値をしっかり守っていただいて、特許が満了になれば、速やかに後発品に切り替えていくべきという考え方には、何ら変更はございません。このことをしっかり制度等で組み込むことによって、最終的には国民皆保険の持続性を担保できるというふうになると思いますし、また、ひいては、いわゆるしかるべき産業構造といいますか、しっかりと国民の健康を支える製薬産業ということと、ある意味、国家の経済成長を牽引する産業構造というところにもつながっていくと思いますので、そのことを改めて発言させていただきたいと思います。
あと、佐保委員からありました不採算のところについては、宿題として受け止めましたので、次回以降しっかりと資料を準備させていただきます。ありがとうございました。
○宮田一般社団法人日本医薬品卸売業連合会会長
卸連のほうから、松本先生から幾つか御質問をいただいたのですが、まず流通改善ガイドラインを他団体にどういう形で周知徹底しているかということについては、3月1日に厚生労働省のほうから各団体企業に対して、これは医師会も含めて、各団体にガイドラインの内容については発出されています。我々も団体をお回りする中で、こういう取組をしているのだということと、それから、ポスターだとかそういうものを連合会の中で周知している。こういった取組はしてございます。
しかし、今回のガイドラインはかなり細かく記載されておりますので、ここについて御理解をいただく活動をさらにこれからもしていく必要があるかなと、そのように考えております。
今回、先ほども少しお話しましたが、未妥結減算の設問項目というか、新たに設けられた設問項目が改定されている部分については大きな変更点がございますので、その変更点も含めて、我々としては周知をしていきたいというところでございます。
それから、除外してほしいという2025年度薬価改定が行われるのであれば、中断がされないのであればということでございますが、実際に不採算品再算定で薬価を上げていただいた品目等々も、先ほど見ていただいたように20円未満の薬剤が全体の五十数%になっていて、そのうちの86%が実は限定出荷になっているような状況でございます。私どもとしましては、一度上げた薬価ですので、先ほども製薬協のほうからお話がありましたが、市場実勢価主義でいけば、薬価差ゼロで御購入いただけるお得意先がどれだけあるのかというところもあるわけでございます。ただし、平均乖離率がどうなるのかということで、昨年も別枠品に指定される薬剤が全体で3.3の乖離率の中で、品目によっては12%ぐらいの乖離があったということも認識してございます。今回、流通改善ガイドラインの中で、別枠は単品単価で交渉するということを今徹底して会員企業にやっていただいているものと思っておりますので、この9月の妥結が10月後半、11月に出てきたときに、せっかく上げていただいたものがまた下がるようなことでいいのかと、製薬企業が安心して製造できるようでなければ、我々は安定供給というか、これは医療機関、保険薬局様も需給調整に非常に労力と時間と人件費も含めてかかる、コストのかかる話でございますので、ぜひそういうことのないようにという思いで、医療上必要な品目だけは除外してほしいというのが趣旨でございますので、本質的な趣旨は、中断してほしいということでございます。
以上でございます。
○安川部会長
では、製薬協さん。
○上野日本製薬工業協会会長
製薬協です。
佐保委員から御質問いただきました、私どもの資料5ページのドラッグラグ・ロス解消に向けて、「行政や他団体と協力し」とあるのは具体的にどういうことかという御質問かと受け止めました。まず、私どもの基本的な認識は、ドラッグラグ・ロス、これは海外で承認されたものが日本に入ってこないということと考えますと、まずは顕在化している86のドラッグロス品について、これは既に発表のあった未承認薬検討会議のスキームというのがございますので、まずその中に協力してまいりたいということで、ここは行政と協力してということになります。
もう一つは、今後、将来にわたってドラッグラグ・ロスを解消していくということでは、海外の今日一緒に発表させていただいたPhRMA、EFPIA、さらにはベンチャーといったような団体と共に、この解消に向けてどういう取組があるのかということとともに、今回共同でサーベイしたようなことを今後も継続しながらやっていくという点で、他団体との協力が欠かせない。そういったことも行政と協力しながらやってまいりたいという考えでございます。
○安川部会長
ありがとうございます。
御質問にあった企業指標の影響というのもよろしいですかね。お答えいただけますか。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
企業指標につきましてですが、こういう企業の評価という部分については、そもそも医療関係者の方々が高品質で安定供給している企業を評価していただくという仕組みができていればよかったのですが、これを下支えする形で今回、企業指標が導入されまして、Aをいただいている企業が42社ということでございます。ただ、こちらは限定的な試行的な取組ということで、大きな品目に対する適用ができていない。それから、今年4月の薬価改定において導入されたところでありますので、この4月の効果がどの程度出たのかという部分については、もう少しお時間をいただかないと評価ができないかなと思っております。高品質で安定供給している企業の製品が評価されるような仕組みを今後も我々としては構築していきたいと考えておるところです。
それから、産業構造の研究会の件ですが、こちらも私ども業界の人間だけで議論をしても、なかなか効率的な、また実効性のあるものにならないと思っておりますので、産業構造のあり方検討会に参加をされているような先生方ですとか、外部の有識者を含めた研究会にしたいと考えております。こちらも今、人選中でございまして、できれば秋口、冬前にはこの研究会を立ち上げて、今後どんどん変化していく産業構造、産業環境に適応できるような産業構造を構築していきたいと考えているところです。具体的にそのコンソーシアムですとか、それからM&A、吸収合併というような、そういったところまで踏み込んで議論をしていければと考えているところです。
○安川部会長
ありがとうございます。
松本委員、佐保委員、奥田委員、よろしいでしょうか。
大分時間が押してまいりました。司会の不手際で申し訳ありません。ほかに御意見等はございますでしょうか。
では、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
時間が押しておりますので簡潔に申し上げますけれども、日本ジェネリック製薬協会の新たな取組に関しまして、時間が押していますから簡潔で結構なのですけれども、1点は安定供給責任者会議の位置づけとか権限、あるいはスピード感も含めた具体的な効果について、簡単に教えていただければと思います。
2点目は要望で、やはり今回の供給不安定はコンプライアンス遵守の問題に端を発していると思いますから、技術的な御指導をされるということもありましたが、コンプライアンスの点から、しっかりとガバナンスの強化ということを入り口として取り組んでいただきたいと思います。
○安川部会長
では、江澤委員からの御質問1点だけですが、簡潔にお願いできますでしょうか。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
効率的な増産に取り組むことによって、我々は今まで設備投資や人員確保によって増産は行ってきたものの、より効率的な増産をするということが安定供給者責任者会議の在り方だと思いますし、現に限定出荷を本当に解除できないのかどうかという部分についても、隣の会社がどれだけ在庫を持っているのか知らないということもあって、怖くて限定出荷を解除できないということがあったのだろうと思うのです。それが分かれば限定出荷を解除することができると思いますし、限定出荷を解除することによって、先生方の御心配というのが解消できるかなと思っておりますので、こちらは積極的に取り組んでまいりたいと考えているところです。
○江澤委員
すみません。1点質問しましたのが、安定供給責任者会議は、A社以外のB社等に対する一定程度の強制力を持つとか権限を有するような会議体なのでしょうかということです。
○川俣日本ジェネリック製薬協会会長
強制力、権限というのを持つ考えはございません。ただ、皆さんの心配を解消する取組でありたいというふうに思っております。
○安川部会長
ありがとうございました。
おおむね御意見、御質問は、まだ出尽くしていないかもしれませんけれども、一応出尽くしたということで、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。本日はありがとうございました。
今後、事務局におきまして、本日いただいた御意見等を踏まえて、御対応いただきますようお願いいたします。
続きまして、「薬剤費等の年次推移について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
お手元の資料薬-6を御覧ください。資料の2ページ目より薬剤費等の年次推移を示しておりますが、今回、3ページ目を御覧ください。令和3年度分につきまして、推計が整いましたので、赤枠のとおり御報告をいたします。
報告は以上となります。
○安川部会長
ありがとうございました。
御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
御質問、御意見等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
次回の日程につきまして、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。皆様、長時間どうもありがとうございました。