2024年8月7日 中央社会保険医療協議会 総会 第593回議事録

日時

令和6年8月7日(水)薬価専門部会終了後

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階

出席者

構成員等
事務局

議題

  • 医療機器の保険適用について(令和 6 年 9 月 1 日収載予定) 
  • 医薬品の新規薬価収載等について
  • 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
  • 薬価削除等手続きの明確化について
  • DPC における高額な新規の医薬品等への対応について
  • 放射性医薬品を用いたPET 検査の取扱い変更に伴う掲示事項等告示の一部改正について 
  • その他(再生医療等製品)

議事

議事内容

○小塩会長
 それでは、ただいまより、第593回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は岡本委員、末松委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 最初に、「医療機器の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
 
○小澤委員長
 小澤でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、説明いたします。中医協総-1の資料を御覧ください。
 今回の医療機器の保険適用は、C1が2製品、2区分、C2が2製品、2区分です。
 2ページ目を御覧ください。販売名は、VARIPULSEパルスフィールドアブレーションカテーテルです。
 5ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、薬剤不応性症候性の発作性心房細動の治療のために、パルスフィールドアブレーション及び心臓電気生理学的検査を実施することを目的とする多電極カテーテルです。
 2ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。この結果、最終的な価格を68万1000円といたしました。外国平均価格との比は0.84です。
 次に、6ページ目を御覧ください。販売名は、PulseSelect PFA Loopカテーテルです。
 9ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、心臓の電気生理学的検査、薬剤抵抗性の再発性症候性発作性心房細動の治療及び薬剤抵抗性の症候性持続性心房細動の治療に用いるカテーテルです。
 6ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。この結果、最終的な価格を68万1000円といたしました。外国平均価格との比は0.61です。
 次に、10ページ目を御覧ください。販売名はビズノバです。
 13ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、水疱性角膜症の患者を対象として、成熟分化型培養ヒト角膜内皮細胞を前房内に移植することで、障害を受けた単層角膜内皮組織を再建することを目的としております。
 10ページにお戻りください。価格につきましては、原価計算方式で評価しました。この結果、最終的な価格を946万4500円といたしました。外国平均価格との比はございません。
 次に、14ページ目を御覧ください。販売名は、弁周囲逆流閉鎖セットです。
 17ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、大動脈弁位または僧帽弁位における人工心臓弁留置術後の人工弁周囲逆流に起因する症候性の心不全もしくは機械的溶血性貧血を有し、かつ外科的手術リスクが高く、本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者を対象に、欠損孔を経皮的に閉鎖することを目的としております。
 14ページにお戻りください。価格につきましては、原価計算方式で評価しました。この結果、最終的な価格を67万5400円といたしました。外国平均価格との比は1.00です。
 御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 本件に関しまして、事務局より補足説明はございますでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 補足説明をさせていただければと思います。
 本日御提示してあります2つの機器に関しまして、補正加算のところにつきまして、今回、経済性加算というものを新たに加算として計上しているところでございます。こちらに関しましては、令和6年度診療報酬改定におきまして、既収載品を組み合わせて使用した場合と新規収載品を比較して特定保険医療材料にかかる費用の削減が期待される場合の加算として新たに新設したものでございます。今回のVARIPULSEパルスフィールドアブレーションカテーテル及びPulseSelect PFA Loopカテーテルにつきましては、治療と治療後に行う検査を1つのカテーテルで行うことができ、治療後に行う検査用のカテーテルにかかる費用の削減が期待されるため、この経済性加算を適用したものとなっております。
 具体的な経済性加算の計算方法につきましては、それぞれ資料の2ページ、6ページの各製品のところに補足しておりますので、御参照いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 小澤委員長、どうもありがとうございました。
○小澤委員長
 ありがとうございました。
○小塩会長
 続きまして、「医薬品の新規薬価収載等について」を議題といたします。
 本日は薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいておりますので、前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
 薬価算定組織委員長の前田でございます。
 私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について御報告いたします。
 資料総-2-1を御覧ください。今回報告する新医薬品は、1~2ページの一覧表にありますとおり、12成分、17品目です。
 それでは、算定内容について御説明いたします。
 1品目目のブリィビアクト錠です。資料3~4ページを御覧ください。
 本剤は、てんかん患者の部分発作を効能・効果とし、ビムパット錠100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、用法・用量に漸増期間及び増量間隔の規定がなく、既収載品と比して使用に際しての利便性が高いと考えられることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で25mg1錠、373.30円となりました。
 次に、2品目目のジンタス錠です。資料5~6ページを御覧ください。
 本剤は、低亜鉛血症を効能・効果とし、ノベルジン錠25mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、小児に係る用法・用量が明示されており、日本人の試験組入れ数等を踏まえ、小児加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は50mg1錠、232.90円となりました。
 次に、3品目目のファビハルタカプセルです。資料7~8ページを御覧ください。
 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症を効能・効果とし、エムパベリ皮下注1080mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が評価されていることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は200mg1カプセル、7万3,218.10円となりました。
 次に、4品目目のオムジャラ錠です。資料9~10ページを御覧ください。
 本剤は、骨髄線維症を効能・効果とし、ジャカビ錠5mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、JAK阻害剤による治療歴のある患者に対し効果が認められたことなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で200mg1錠、4万2,428.00円となりました。
 次に、5品目目のジャイパーカ錠です。資料11~12ページを御覧ください。
 本剤は、他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫を効能・効果とし、イムブルビカカプセル140mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、BTK阻害剤に抵抗性または不耐容の患者群において効果が認められており、本邦においても標準的治療として位置づけされ得ると考えられることから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で100mg1錠、1万9,465.80円となりました。
 次に、6品目目のハイイータン錠です。資料13~14ページを御覧ください。
 本剤は、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果とし、テプミトコ錠を250mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は50mg1錠、4,382.30円となりました。
 次に、7品目目のアビガン錠です。資料15~16ページを御覧ください。
 本剤は、重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
 本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることなどから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は200mg1錠、3万9,862.50円となりました。
 次に、8品目目のリブテンシティ錠です。資料17~18ページを御覧ください。
 本剤は、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
 本剤は新規作用機序医薬品であること、既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性の患者に対して有効性が期待できることなどから、有用性加算(Ⅰ)の40%加算を適用することが妥当と判断いたしました。また、希少疾病用医薬品に指定されていることなどから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は200mg1錠、3万7,536.20円となりました。
 次に、9品目目のザビセフタ配合点滴静注用です。資料19~20ページを御覧ください。
 本剤は、19ページに記載の適応菌種及び適応症を効能・効果とし、ザバクサ配合点滴静注用を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、比較薬で効果が不十分な患者に対する治療選択肢となり得ることなどから、有用性加算(Ⅰ)の35%加算を適用することが妥当と判断しました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で2.5g1瓶、1万6,111円となりました。
 次に、10品目目のセプーロチン静注用です。資料21~22ページを御覧ください。
 本剤は、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症及び電撃性紫斑病の治療及び血栓形成傾向の抑制を効能・効果とし、注射用アナクトC2,500単位を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
 本剤は、比較薬が24時間の点滴静注内注射であることに比べて、投与期間が短縮されていることなどから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること、また、小児に係る用法・用量が明示されており、日本人の試験組入れ数等を踏まえ、小児加算の15%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は1,000国際単位1瓶(溶解液付)で55万8,108円となりました。
 次に、11品目目の小児用レルベア50エリプタです。資料23~24ページを御覧ください。
 本剤は、気管支喘息を効能・効果とし、レルベア100エリプタ30吸入用を最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。
 本剤は、小児に係る用法・用量が明示されており、本邦における承認は米国に比べて大きく遅れていないことなどを踏まえ、小児加算の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で30吸入1キット、4,846.80円となりました。
 次に、12品目目のブイタマークリームです。資料25~26ページを御覧ください。
 本剤は、アトピー性皮膚炎及び尋常性乾癬を効能・効果とし、モイゼルト軟膏1%を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は1%1g、300.80円となりました。
 続きまして、資料総-2-2の説明に移ります。資料総-2-2を御覧ください。市場拡大再算定についての報告をいたします。
 効能追加等があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大のあった場合は、年4回の新薬収載の機会を活用して、再算定の規定を適用し、薬価を見直すこととされております。今般、令和6年3月診療分のNDBデータを確認したところ、デュピクセント皮下注について市場拡大再算定の特例の要件に該当すると判断いたしました。また、アドトラーザ皮下注及びイブグリース皮下注については、デュピクセント皮下注の薬理作用類似薬であり、薬価収載の際の比較薬が当該特例拡大再算定対象品目または特例拡大再算定類似医薬品であることから、類似品に該当すると判断いたしました。
 補正加算について、デュピクセント皮下注につきましては、アトピー性皮膚及び特発性の慢性蕁麻疹に対する小児の用法及び用量が設定されていることなどから、それぞれの効能又は効果につき、補正加算10%及び7.5%を適用しています。その結果、改定価格は資料の表の中ほどにございます改定薬価の欄に示した額となっております。
 以上で私からの説明を終わります。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続き、事務局から補足と説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料に関しまして補足説明をさせていただきます。
 まず、資料総-2-1の1ページ目を御覧ください。今回収載される新薬のうち、費用対効果評価の対象が1つございます。1番目のブリィビアクト錠25mg及び同錠50mgでございます。類似薬比較方式(Ⅰ)により算定され、有用性系加算の対象とされた品目でございます。ピーク時の市場規模予測が178億円であるため、H1品目に該当するものでございます。
 次に、令和6年度薬価制度改革でのイノベーション評価に関する内容の制度改正に該当するものについて御紹介いたします。
 2番目のジンタス錠50mgは、6ページ目にあるように小児加算の品目であるため、新創加算が適用されます。
 10番目のセプーロチン静注用1000単位は、22ページ目にあるように小児加算が15%となっていますが、疾患の希少性と臨床試験の組入患者数などを踏まえ、これまでより大きく評価をしたものでございます。
 11番目の小児用レルベア50エリプタ14吸入用及び同エリプタ30吸入用は、24ページ目にあるように、小児加算が10%となっておりますが、こちらは海外と同時期に申請、承認されていることなどを踏まえ、これまでより大きく評価したものでございます。また、小児加算の品目でございますので、新創加算が適用されます。
 12番目のブイタマークリーム1%は、26ページ目にあるように、小児加算の要件に該当する品目でございますので、新創加算が適用されます。
 以上、令和6年度薬価制度改革により加算等が充実された品目を御紹介いたしました。
 続きまして、資料総-2-2を御覧ください。市場拡大再算定の特例の要件該当性について御説明をさせていただきます。
 2つ目の○の括弧書きにあります要件該当性でございますが、今回のデュピクセント皮下注は、特発性の慢性蕁麻疹の効能が追加されてから10年を経過していないこと、それから年間販売額が1000億円超、1500億円以下、かつ基準年間販売額の1.5倍以上であったことから、市場拡大再算定の特例の要件に該当いたしました。
 補足説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 では、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 以前もお願いしたのですが、15ページ目のアビガン錠についてです。アビガン錠の主な用法・用量は、この薬は1日目に1回9錠、1日2回服用、2日目から10日目が1回4錠、1日2回服用ということで、1日目が18錠、2日目から10日目が72錠となり、10日間で患者さんに90錠服用していただくことになります。このように用法・用量、投与日数が決まっているものに関しては、処方に合わせた販売包装単位での製造販売というものを以前からお願いしています。今回は90錠包装を用意していただいているからいいのですけれども、この製品は100錠包装というものもあったと思います。仮に100錠包装のものしかなかったときには毎回10錠の残薬が出ることになります。10錠分が40万円で、これが薬局での負担になります。医療経済実態調査の中でも、最頻階級の薬局の1か月の収益は税引き前で15万円なかったと認識しています。1人の患者さんを受けることによって、約3か月分の収益が飛んでしまうということにもなります。特に高額なもの等に関しては、用法・用量、投与日数に合わせた包装形態での販売、仕様が進むようにお願いをしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 高町委員、お願いいたします。
○高町委員
 私のほうからもアビガン錠について述べさせていただきたいと思います。
 このアビガン錠は催奇形性が懸念されるということですが、使用に際して十分な配慮がされているでしょうか。患者の安全を確保いただくよう十分な配慮をお願いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 アビガン錠についてお二人の委員から御意見がございますが、事務局、いかがでしょうか。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 森委員、御指摘ありがとうございます。本剤は1処方当たりの包装形態になっておりますので、御指摘の懸念がないものでございます。ちなみに本剤につきましては、基本的には入院下で投与することになりますので、病院へ1治療当たりの包装形態で卸されるというものでございます。ほかの薬剤につきましても、今の御意見を審査部門にお伝えしたいと思います。
 それから、高町委員から御指摘のありました件について、本剤がもともとインフルエンザ薬として承認されたときから、警告の辺りでその辺りは厳しく問われております。今回、一般流通するに当たりまして、当然、アビガン錠に関する説明文書というものを患者様に説明して、同意を得ることになっておりますし、取り扱う先生方につきましても、事前にeラーニングで講習を受けることとされており、この講習を受けられた先生方がいる施設に配送されて、適切に使われるというところで、催奇形性の危険性は患者御本人にも十分お伝えした上で、適正に使われるような配慮がなされているものでございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 ほかには御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 前田委員長、どうもありがとうございました。
○前田委員長
 ありがとうございました。
○小塩会長
 続きまして、「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料総-3を御覧ください。6月の中医協において御承認いただきました医薬品の費用対効果評価結果に基づく価格調整についてでございます。
 テゼスパイア皮下注につきましては、6月12日の中医協で承認された費用対効果評価の結果に基づきまして、上の表のとおり価格調整係数を示しております。
 下の表の改定薬価の欄に、患者割合に基づき見直した価格調整の結果について記載をしております。適用日は令和6年11月1日でございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「薬価削除等手続きの明確化について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
 総-4「薬価削除等手続きの明確化について」に沿って御説明申し上げます。
 1つ目の○でございますが、現行、薬価基準に収載された医薬品を薬価基準から削除する際、製販業者から提出される様々な届に基づいて手続が行われ、それを受けまして告示改正を行って、薬価削除までの期限、使用期限を示した上で、薬価基準上の経過措置品目に移行する、こうした取扱いがなされているわけでございます。
 2つ目の○でございますが、後発医薬品の産業構造の在り方について検討いただく中で、その報告書において、関係学会や製薬企業双方の負担軽減も考慮し、供給停止・薬価削除プロセスについて、少量多品目生産の適正化の観点からプロセスの明確化を図るとともに、一定の条件の下で簡素化するなどの方策について検討を行うべきとされてございました。
 それを受けまして、2ページ目でございますが、薬価削除手続につきまして明確化、簡素化をしたものでございます。①の医療上の需要がなくなる等の理由の場合に沿って御説明を申し上げますと、1番にございますとおり、製販業者から供給停止事前報告書が提出されますと、厚労省から関係学会に対して撤退の可否確認を行う。そこで了が得られたものについては、製販業者から医療機関、薬局、医療現場に対しまして、販売中止に係る情報提供を行うことになります。
 そして、2番目のプロセスになりますが、こうした品目につきまして、さらに製販業者から薬価削除願を提出していただきまして、再度、厚労省から関係学会に対して撤退の可否確認を行う。これが、私が先ほど申し上げましたプロセスの明確化ということになります。そして、この括弧書きのところでシェアが一定の割合以下の品目の場合には、再度の学会確認は不要。これは具体的には、過去5年間の平均シェア3%以下ということを想定してございますが、これが手続の簡素化ということになります。
 これを受けた形で、4番に書いてございますとおり、薬価削除品目について、関係告示を改正するといった手続が定められてございます。
 こうした告示を改正するに先立ちまして、3番のところでございますが、今後、薬価削除される品目として中医協へ報告する、こうしたプロセスを設けてはどうかということでございます。具体的には、告示改正予定時期の1か月程度前を目安に中医協に報告させていただきたいと考えてございます。
 なお、5番につきましては、必要があれば、この経過措置期間の延長ということを製販業者から申請することができますので、それにつきましても同様の手続を定めているものでございます。
 3ページのところに、こうした今申し上げました薬価削除等手続のスケジュールのイメージについてお示しをしてございます。
 私からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 内容的には異論ありません。現下の供給不安などの解決策の1つとなることを期待しますけれども、企業が薬価削除しやすくなることで、同一製品を生産している企業へのしわ寄せ、つまり、売り逃げを企業が行いやすくなって、残された企業に負荷がかかって、その結果、供給不安が悪化することもあり得ると考えます。
 また、薬価削除の対応におかれまして、関連学会の意見とともに、関係する企業の意見も伺いながら、安定供給への影響を見て、患者さんや現場で対応する薬局、医療機関が困らないようにしっかりと対応していくことをお願いしたいと思っています。
 また、先ほど経過措置を延長するというお話がありましたけれども、薬局、医療機関で在庫が残っている場合、使用期限が残っているにもかかわらず、医薬品が薬価削除されることにより使用できなくなり、薬局、医療機関への負担となってしまいます。薬局、医療機関の不利益とならないように、流通している医薬品の最終ロットの使用期限まで経過措置の延長を設けるような対応などをお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 今、森委員から御要望が幾つかございましたが、事務局、いかがでしょうか。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 医薬産業振興・医療情報企画課長でございます。
 まず、私が今御説明申し上げたプロセスは、製販企業のほうにおきまして、対象品目の代替品の増産対応につきまして事前に代替企業の了承を得る、こうしたことが出発点となっております。その上で、医療現場に不利益を与えてはなりませんので、例えば薬価削除願を提出するに当たりましては、在庫の状況あるいは使用期限などを考慮して、医療機関、薬局が十分対応できる余裕を持って周知を行った上で薬価削除願を提出すること。また、先ほど経過措置期間の御指摘がございました。製薬企業においては、経過措置期間の延長申請の活用も含め、使用期限の残存する医薬品が薬価削除されることにより、医薬品流通当事者が被り得る不利益等に対して適切に対応すること。こうしたことを今回のプロセスの周知と併せて徹底して周知してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
○森委員
 ありがとうございます。
 患者さん、医療現場に不利益とならないように対応をお願いしたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 ほかには御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
 医療課長でございます。
 総-5「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を御覧ください。
 定例の議題ではございますが、新規に薬価収載された医薬品等については、DPCにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については包括評価の対象外とし、次期改定である令和8年度改定までの間、出来高算定することとしております。基本的な考え方につきましては総-5、詳細は総-5参考におつけしております。
 今回、効能・効果が追加された医薬品、新規に薬価収載される医薬品などについて判定を行いました。2として1~11ページの一覧にお示ししております医薬品について、対応する診断群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかお諮りいたします。
 続いて、12ページ目の3でございますが、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が設定されているものが掲げられておりまして、この診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかということをお諮りさせていただきます。
 御説明は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御質問等ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「放射線医薬品を用いたPET検査の取扱い変更に伴う掲示事項等告示の一部改正について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 医療技術評価推進室長でございます。
 資料総-6を御覧ください。保険診療において使用できる医薬品は、薬価基準に収載されている医薬品及び掲示事項等告示別表第3に収載されている医薬品等と定められております。掲示事項等告示別表第3に収載されている品目については薬価が設定されておらず、薬剤の費用は技術料に包括されております。
 レケンビ点滴静注の薬価収載に併せまして、令和5年12月にアミロイドPETイメージング製剤を用いたPET撮影、放射性医薬品の院内合成装置及びPET検査薬が保険適用となり、PET検査薬については、掲示事項等告示別表第3に収載されました。
 その後、令和6年5月にアミロイドPETイメージングの際に用いるPET検査薬であるアミヴィット静注及びビザミル静注が薬価基準に収載されたことを踏まえ、掲示事項等告示別表第3に収載されているこれらの医薬品を削除し、あわせて所要の記載整備を行うことを御了解いただきたいと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、その他を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○高江医療機器審査管理課長
 医薬局医療機器審査管理課長でございます。
 7月3日の中医協におきまして、アンジェス社のコラテジェンについて申請が取り下げられたということについて御報告申し上げましたときに、今後、薬事審議会等でどのような審議があったのかについて報告するように委員から御指示いただいたところでございます。その後、コラテジェンのほか、テルモ社のハートシートについての審議も行われてございますので、併せて御説明を申し上げたいと思います。
 まず、中医協総-7-1を御覧いただければと思います。7月19日に薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会が開催されてございます。そこで、このコラテジェン筋注用4mgについて意見交換が行われまして、そのときの概要を1、主な議論のところに示させていただいてございます。アンジェス社から申請の取下げが6月27日付で行われまして、同日付で製造販売承認が失効したということを御報告させていただくとともに、同社の申請の資料とPMDAの審査報告書につきましては部会のほうに御提出をさせていただきまして、本品については、有効性が推定されるとした条件及び期限付承認時の判断は否定されないものの、非盲検下で実施した市販後調査で二重盲検の国内第Ⅲ相臨床試験成績を再現できなかったことにつきましての意見交換を行ったということでございます。こちらがコラテジェン筋注用4mgについてでございます。
 続きまして、中医協総-7-2の資料を御覧いただければと思います。同日付で7月19日に行われました薬事審議会の部会におきまして、テルモ社が申請しておりましたハートシートについても審議をしたところでございます。
 資料の2ページ目に参考、製品概要として書いてございます。ハートシート、テルモ社といたしまして、虚血性心疾患で重症心不全となった方に使用する再生医療等製品でございます。
 1ページ目へお戻りいただきまして、1、主な議論と審議結果でございます。まず、使用成績調査と臨床研究の比較で評価を行ってございます。主要評価項目は心臓疾患関連死、重要な副次評価項目といたしましては、いずれかの重大な心血管イベントによる入院の発生までの期間、また、本品移植後6か月においてLVEF、左室駆出率が本品移植時より5%以上改善した症例の割合としております。
 症例数ですけれども、本品群の登録数が67例、有効性解析対象集団数が49例、対照群(参照群)の登録数が104例、有効性解析対象集団数が102例でございます。
 評価結果でございますが、参照した臨床研究のデータが外部対照であり、調整を行ってもなお両群の比較に限界はあるものの、主要評価項目であります心臓疾患関連死までの期間について、本品群の対照群に対する優越性は示されなかった。
 2つ目のチェックでございますが、副次評価項目である心機能に関するLVEFの改善などでも、本品群で対照群より優れた結果は認められなかった。
 また、安全性についてですが、条件及び期限付承認時に確認されたリスク、また有害事象を超える新たな懸念は認められないものの、本品の有効性が示されていないということで、こちらは患者さんから骨格筋を採取するという侵襲を伴うものでございますので、ベネフィットリスクの観点から許容可能とは言えないとされました。
 結論といたしましては、有効性が推定されるとした条件及び期限付承認時の判断は否定されないものの、本品の条件及び期限付承認後に実施された使用成績調査及び臨床研究の検討結果からは、本品の効能・効果または性能に対する有効性は示されておらず、薬機法第23条の25第2項第3号イ「申請に係る効能、効果又は性能を有すると認められないとき」に該当するといたしまして、同法23条25第1項の規定に基づき本品を承認することは適切ではないという部会の御判断をいただいたところでございます。
 この部会の御判断を受けまして、薬事審議会を開催させていただいております。資料の3ページに移るわけでございますが、7月24日に薬事審議会を開催させていただきまして、結論としては、部会と同様、本品の製造販売承認をすることは適切ではないという結論をいただいたところでございます。
 その結果につきまして、同日付の通知で、4ページでございますが、都道府県宛てに医薬品医療機器等法第23条の26第5項の規定に基づいて申請のありましたこのハートシートについては、法第23条の25第2項第3号イ、不承認事由、申請に係る効能または効果、または性能を有するとは認められないものとしたということを通知させていただいてございます。
 また、5ページ目でございますが、同日付で、あわせましてまた都道府県宛てに通知でございますが、記のところを御覧いただきますと、1、処分の取扱いとして、正式な手続を踏んで、承認を与えないと、不承認とするということを通知するとともに、2、処分までの取扱いといたしまして、この処分がなされるまでの間につきましては、条件・期限付等承認がなお効力を有することになりますので、可能な限り速やかに承認整理を行わせるとともに、承認整理を行うまでの間にあっても新規の製造を自粛させることということを通知させていただきました。
 この7月24日の薬事審議会の後、6ページ目でございますが、7月25日に再度通知を出させていただいてございます。こちらの通知に基づきまして、テルモ社からハートシートについて承認整理の届出書が届出されたということで、その事実関係についての御連絡をさせていただいたところでございます。
 医薬局からは以上でございます。
○木下医療技術評価推進室長
 続きまして、医療技術評価推進室より、資料総-7-3について御説明をさせていただきます。
 ハートシートにつきましては、平成27年9月に条件及び期限付で製造販売承認され、その後、平成28年1月に材料価格基準に収載されました。今般、ただいま御説明いただきましたように、テルモ株式会社から本品に係る承認整理の届出書が提出されたことから、1ページ目にありますように保険診療上の取扱いについての通知を発出し、今後、材料価格基準から本品目を削除する予定としております。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 コラテジェンに続いて、ハートシートについても、当初想定されていた有効性が確認できなかったという結果を踏まえ、再生医療等製品の条件及び期限付承認の在り方については、審査内容の公開の必要性も含めまして、薬事審議会等において適切に継続させるための検討が必要になるかと思いますが、保険適用の在り方についても、その結果等を踏まえて、将来検討が必要になるかと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 事務局から説明がありましたハートシートですけれども、7月3日の中医協で報告のあったコラテジェンとは、対象患者等は異なるものと理解していますが、結果として再生医療等製品の条件及び期限付承認の失効が続きました。
 条件及び期限付承認制度に関しては、再生医療等製品の特性や患者さんへの医薬品のアクセスの確保の点から必要なものと考えています。ただ、7月3日の中医協の総会でも発言させていただきましたけれども、今回のような条件及び期限付承認された品目の取扱いや運用方法を含めた検討が必要と考えますので、事務局におかれましては、次期制度改革に向けた議論に必要な準備をお願いできればと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 今、お二人からもありましたけれども、条件及び期限付承認の再生医療等製品について、2件続けて十分な有効性が証明できず、本承認に至らないということになりました。コラテジェンのときにも申し上げましたけれども、条件及び期限付承認の薬事制度を否定するものではございませんけれども、やはり保険上の取扱いについては検討する余地があるということを改めて指摘させていただきたいと思います。特に再生医療等製品についてはかなり高額になるケースがほとんどで、患者負担の観点からも、保険財政の観点からも大きな影響がありますので、どのような形であれば保険制度として許容ができるのか、次回改定に向けて丁寧に議論をさせていただきたいと思いますので、事務局におかれましては、準備のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 本日の議題は以上となります。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 次の総会までしばらく期間が空くかと思いますけれども、気温のほうが体温よりも高いという日々が続きますので、どうか皆さん、御自愛くださいますようお願いいたします。