第4回縦断調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和6年6月24日(月)10:00~10:50

場所

厚生労働省仮設第4会議室

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
  •  泉田 信行
  •  菅原 慎矢
  • ◎高橋 陽子
  •  野口 晴子
構成員以外の関係者
  •  石田 浩 (東京大学特別教授)
  •  廣松 毅 (東京大学名誉教授)
事務局
  •  森川政策統括官
  •  青山政策立案総括審議官
  •  石津参事官(企画調整担当)
  •  飯島統計企画調整室長
  •  長山審査解析室長
  •  藤井世帯統計室長
  •  菅沼縦断調査管理官
  •  清水世帯統計室長補佐
  •  村田世帯統計室長補佐
  •  野仲世帯統計室長補佐

議題

  1. 1 特別報告の内容・研究者との連携方法について
  2. 2 21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について
  3. 3 その他

議事

議事内容
 
○飯島統計企画調整室長 
 定刻になりましたので、ただいまから第4回縦断調査の改善に関するワーキンググループを開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の出席状況ですが、佐藤委員が御欠席となっております。また、本日は、審議協力者として、東京大学特別教授の石田委員、東京大学名誉教授の廣松委員に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、以降の進行につきましては、高橋主査にお願いいたします。
 
○高橋主査
 皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
 本日の議題でございますが、「1. 特別報告の内容・研究者との連携方法について」、「2. 21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について」、「3. その他」となっております。
 本日のワーキンググループは、11時までを予定しておりますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、御予定がある方は、御退席いただいても結構です。
 まず、1つ目の議題の「特別報告の内容・研究者との連携方法について」です。こちらは、第3回のワーキンググループで御議論等いただいた内容について、事務局において対応案を整理していただきました。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 縦断調査管理官の菅沼です。資料1、特別報告について御説明させていただきます。3ページを御覧ください。特別報告に関するスケジュールとなっております。上の段、平成22年出生児、その下、平成24年成年者に関する特別報告でございます。平成22年出生児は第16回(令和8年)から文部科学省で実施される予定であり、下の平成24年成年者は第13回(令和6年)を最後に終了することとなっています。それらの公表結果を踏まえ、令和7年から順次、特別報告の準備・検討を開始し、令和9年に公表したいと考えています。
 下の段、中高年者縦断調査につきましては、第21回(令和7年)調査から、介護を受ける側の内容として大幅に調査項目を変更する予定でおります。調査項目が大幅に変わる前の第20回(令和6年)調査までの公表結果を踏まえ、令和8年から順次、準備・検討を開始し、令和10年に公表したいと考えています。
 5ページを御覧ください。前回、第3回ワーキンググループで御審議いただいた主な御意見となります。2件ございました。上の段、平成22年出生児につきまして、過去に実施した平成13年出生児の特別報告と比較できるよう、検討していただきたいとの御意見がございました。この御意見の対応案といたしまして、世代間比較も縦断調査の重要なテーマとなっておりますが、平成13年出生児と比較できるよう、協力機関とも調整し、テーマを選定していきたいと考えています。
 下の段、文部科学省において、平成13年出生児の特別報告が企画された場合の御意見がございました。この御意見につきましては、文部科学省とも情報共有しつつ、文部科学省からの継続性、関連性を持ってテーマの選定等議論を行ってまいりたいと考えています。
 なお、注釈にもございますとおり、「中高年者縦断調査」の特別報告については、特段の御意見等はございませんでした。
 資料1に関する説明は以上となります。前回の御審議からの変更点等はございませんが、追加の意見等がございましたら、御審議よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ただいま御説明のありました事項について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。そうしましたら、本議題については特に御意見がなかったと思いますので、次の議題に進みたいと思います。
 続きまして、2つ目の議題の「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の客体を対象とした新たな調査について」です。こちらは、第2回ワーキンググループにおいて、21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の終了(中止)について御議論いただいた際に、今後の成年者向け調査として御説明させていただいた内容の続きとなります。今回、事務局において、21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の見直し方針案等について資料をまとめていただきました。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 それでは、議題2につきまして、資料2-1、資料2-2と続けて御説明させていただきます。
 まず、資料2-1、平成13年出生児を対象とした成年者向け調査についてです。1ページ、2ページは第2回ワーキンググループで御審議いただいた内容となります。
 3ページを御覧ください。ここからが今回まとめた資料でございます。現在、文部科学省で実施されている平成13年出生児縦断調査につきまして、2年前、第21回(令和4年)調査時点の数字となっていますが、調査対象者は21歳、回収客体数は約2万2,000、残存率は48.6%となっています。グラフの就業状況では、在学者63.9%、就職者24.5%となっています。なお、縦断調査の脱落者の傾向から、一般的な進学・就業の割合よりも、在学者は多く就職者は少ない傾向にあるかと存じます。ちなみに、一人暮らしは29.3%、親等と同居は63.0%となっています。
 4ページを御覧ください。ここからは、成年者向け調査として調査内容を見直すに当たっての全体方針についてまとめたものでございます。まず、調査目的の変更です。現在、文部科学省で実施されている調査では、調査目的が教育及び就業に関するものとなっています。変更案といたしまして、下の赤字部分となりますが、調査対象者の生活実態及びこどもの頃からの経年変化の状況を継続的に観察することにより、国民生活に関する国の諸施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的とする、としてはどうかと考えています。
 5ページを御覧ください。脱落防止についてです。調査対象者は、就業、結婚、出産等、生活環境が大きく変わる時期となっています。対応案といたしまして、ブルーの網掛け部分、調査実施者が文部科学省から厚生労働省に変更となる初回であり、ここで脱落者が大きく発生しないよう、まずは質問を厳選し、負担感を抱かせないことが重要かと存じます。  
 また、現在、5割の方からオンラインによる報告を頂いております。引き続き、オンラインによる報告を推進する、ホームページの専用ページを充実させる、メールによる情報発信、SNSの活用等、調査対象者へ直接働きかける対策をしてはどうかと考えています。
 下の段、調査項目の検討についてです。課題といたしまして、成年者の生活環境、経済的基盤に関する調査項目に厳選した上で、過去の育てられ方、教育環境との関連性が分析できればと存じます。これらの課題を踏まえ、ブルーの網掛け部分となりますが、調査項目の選定といたしましては、世帯構造の変化、就業の状況、学び直しである学習活動や生活の満足度、経済的な状況などに厳選して調査をしてはどうかと考えています。
 なお、具体的な調査項目案につきましては次の資料で説明させていただきますが、全体方針の説明をもう少し続けさせていただきます。
 6ページを御覧ください。調査の技術的な案件ですが、調査日の変更についてです。現在、平成13年出生児では、生まれ月や学年による違いを把握するため、1月生まれと7月生まれに分け、それぞれ誕生月を調査月としていました。成年者向け調査を開始する第26回(26歳)時点では、多くの者が学業を終えていると考えられるため、事務負担の軽減を含め、調査月を成年者縦断調査と同じ11月に一本化してはどうかと考えています。
 次に、調査票の検討についてです。平成13年出生児では本人票と保護者票に分けて実施しています。調査対象者本人が既に成人となっており、親の影響を受けないよう、保護者票は採用しないこととしてはどうかと考えています。また、平成24年成年者では男性票と女性票に分けて実施しています。結婚後の就業継続意欲等、女性のみに質問しているものもございましたが、性別による男女の役割分担を意識させないよう男性票・女性票の区別はせず、同一の調査票を採用してはどうかと考えています。
 7ページを御覧ください。集計イメージです。左側が、これまで平成13年出生児調査で把握されてきた主な調査項目です。上の段が15歳までの生活、育てられ方として厚生労働省が調べてきた項目です。家庭の状況、子育ての意識、こどもの様子、子育て費用などとなっています。下の段が、16歳以降、どのような教育を受けてきたか、文部科学省において調べられてきた調査項目です。自分の性格、学校生活の様子、奨学金、就職活動などについてです。過去の育てられ方や受けた教育と、現在の成年者の生活環境や経済的基盤をクロス集計することにより、その関連性を分析できればと考えています。
 続きまして、資料2-2、調査項目案(イメージ)について、引き続き御説明させていただきます。資料2-2を御覧ください。オレンジの文字が平成24年成年者から継続した調査項目です。青の文字が平成13年出生児から継続した調査項目、グリーンの文字が新たに追加、修正した調査項目です。
問1、世帯構造について、ふだん一緒にお住まいで、生計を共にしている方の人数を質問しています。補問として、同居者の構成、こどもの人数を質問しています。成年者の経済的基盤という観点から、生計を共にする方ということでシンプルな質問とさせていただきました。なお、世帯の定義は国民生活基礎調査と同様です。また、毎年質問することにより結婚・出産等のイベントが把握できるかと存じます。
 2ページを御覧ください。家計への影響を把握するため、問2として住まいの状況を追加しています。持ち家、民間賃貸住宅等の種別を把握したいと考えています。
 3ページを御覧ください。ここからが就業についてです。問3、就業状況、仕事をしている、休んでいる、通学している等です。問4、働いている方の就業形態です。なお、今回から副業を想定し、複数回答とし、主なものを選択していただくこととしています。
 4ページを御覧ください。問5、勤め先の規模、官公庁別、問6、職業の内容です。
 5ページを御覧ください。問7、勤務日数、就業時間、問8、仕事をお辞めになった離職の有無、離職理由です。
 6ページを御覧ください。問9、仕事についての満足度、仕事の内容、給料、労働時間や休暇等です。問10は通学も仕事もしていない方に現在の状況を質問しています。就職準備中なのか、育児中なのか、療養中なのか等です。
 7ページを御覧ください。ここからが日常生活に関する調査項目となります。問11、健康状態、問12、生活に関する満足度として、結婚生活や家族との関係等について質問しています。問13、悩みや不安として、家族との関係、恋愛や性、自分の容姿、仕事、自分の将来、健康等です。なお、悩みや不安など具体的な例で質問していますが、場合によってはメンタルヘルス的な捉え方のほうが良いという議論もあるかと存じます。
 8ページを御覧ください。問14、学び直しとして、仕事やスキルアップのための学習活動について、講座の受講や講習会、通信教育、インターネットによる学習等の質問をしています。また、補問として学習活動をしなかった理由についても質問しています。既に身に付けている、時間がない、費用が高額等です。
 9ページを御覧ください。問15、最終学歴となっています。
 10ページを御覧ください。ここからが経済状況です。問16、1年間の所得として種類ごとに額面を把握することとしました。補問は、その他の所得の種類となります。問17、1か月間の支出額となります。なお、税金、ローンの返済などは除きます。こちらも国民生活基礎調査と同じ定義です。また、金額の階級につきましてはイメージとなりますので、階級幅については追って調整をさせていただければと考えています。
 11ページを御覧ください。問18、金融資産額、補問としてその内訳、貯金、生命保険、株式・債権等となっています。問19は金融資産以外の資産について、その内訳です。土地、家屋、車等です。
 12ページを御覧ください。問20、借入額とその内訳です。土地や家屋、車、家電・家具、ここに奨学金、治療費等を含めています。
 その他として、中高年者縦断調査と同様、住所情報から市区町村コードを把握し、データに格納したいと考えています。なお、中高年者縦断調査では、脱落者に対しその理由を尋ねていましたが、成年者の場合、脱落してしまう傾向が強く、脱落理由を質問することにより、余計に脱落を誘発してしまうおそれがあるのではないかということで、成年者の場合は見送りたいと考えています。
 以上が、議題2、平成13年出生児を対象とした成年者向け調査の見直しについてです。実施主体変更後、最初の調査ということで非常に質問数を限定していますが、今後、結婚や出産、育児に関する質問等、結婚や出産が増えるタイミングで周期化するなど、スポット的に追加していくことも検討できればと考えています。
 また、参考資料として、現在の成年者縦断調査の調査項目一覧、調査票のイメージ、過去の調査項目一覧等も添付しています。また、今回のテーマは、今回と次の第5回の2回のワーキンググループでの審議を予定しています。今回は広く御意見を伺い、次回の第5回ワーキンググループに向けて議論を集約していきたいと考えています。それでは、御審議のほう、よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明がありました事項について御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。菅原先生、お願いいたします。
 
○菅原委員
 よろしくお願いします。幾つかコメントさせていただきたいのですが、まず世帯についてです。世帯については、生計を共にしている者と限定されていますが、やはり生計が独立でも、2世帯同居などになると、非常に重要なことになると思いますので、こちらは世帯員の構造なども含めて、最近審議した中高年者縦断調査と併せて、誰がいるのかという形で、生計は特に考えずに、同居している人に関して全員を細かく把握する形のほうが情報として非常に多くなるので、そうしたほうが良いかと思います。
 あと、今回は結婚、出産、育児に関する情報が全くと言って良いほどなくなってしまっているのですが、最後にありましたが、結婚が増えるタイミングでやっていけば良いという考え方もあると思いますが、今回対象の25歳となると、少しずつ結婚等が始まる時期であることは確かで、それはスポット的にということでも大丈夫なのですが、やはり、結婚、出産、育児に関する情報は取っておくべきかと思います。そこに対して、社人研の出生動向基本調査のような形で、どういう結婚相手が欲しいかという、希望に関しても取っておくのも必要だと思いますし、結婚した場合にどういう出会いがあったかとか、そういう情報なども取っておくと、この辺に関する基本的な情報源として非常に充実したものになると思いますので、是非、その辺はやっていただきたいと思います。
 また、出産、育児に関しては、せっかくのパネル調査ですので、21世紀出生児調査時の、このパネルデータが始まったときの親側の調査と合わせる形で調査項目を作っていけば、親子での育児に関する継承などがなされているかとか、そういうようなことまで分析ができるので、その辺もやってほしいと思います。
 あと、どっさり抜けてしまったところでやはり欲しいと思うのは、両立支援系の話です。これまで出生児調査であったものが、今回どっさり省かれてしまっています。その辺は今後の出産、育児に関する傾向を考える上で、就業先の両立支援に関する情報はやはり欲しいと思います。よろしくお願いします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。1つ目に、同居状態も把握すべきであるということ。2つ目は、結婚、出産、育児の項目、また希望についても把握すべきであるということ。3つ目は、21世紀出生児調査の親側の項目に合わせた設問を作ってほしいということ。4つ目は、両立支援関係のの項目が抜けているので、設問に追加してほしいということでよろしいですか。
 
○菅原委員
 大丈夫です。ありがとうございます。
 
○高橋主査
 そうしましたら、事務局からお返事をお願いします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。今、4つ御意見を頂いております。今回のワーキンググループのほうでは、広く先生方の御意見、御議論をいただきたいと考えておりますので、引き続き、今のテーマも含めて、幅広に御意見等、先生方からいただければと考えております。よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、いかがですか。廣松先生、よろしくお願いします。
 
○廣松委員
 今の菅原委員の質問とも関連して、資料2-1の4ページに、調査目的の変更の案が出ていますが、「少子化」という言葉が変更案の中にはないのですが、結婚、出産、育児の項目を入れるとするならば、「少子化」という言葉を調査目的に入れておいたほうが良いのではないかと思います。
 2つ目は、これは少し調査項目の議論とは離れるのですが、6ページの所で、第26回は11月に行うという案になっています。その理由として、成年者縦断調査を11月に行っていたからということですが、私はこの成年者縦断調査をどうして11月にしたのか記憶にないのですが、11月ということの根拠も説明いただければというのが2つ目です。以上です。
 
○高橋主査
 1つ目として、調査目的に「少子化」を加えるべきではないかということ。2つ目に、11月実施にした根拠について伺いたいということでした。事務局からお返事をお願いします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 調査目的については、少子化対策ということで、こども家庭庁との関係もあり、ちょっと言葉を選んだところもありますが、調査内容を表わす言葉として、引き続き検討させていただければと考えております。また、調査月の関係について、なぜ11月にしているのか、こちらも今手持ちで。
 
○藤井世帯統計室長
 世帯統計室長です。調査月11月の根拠ですが、成年者調査を始めたときに、まず、国民生活基礎調査を実施した中で、対象となる世帯を抜き出すという作業をしておりましたので、国民生活基礎調査が6月実施の調査になっておりますので、その実施後ということで、秋口ということになるのですが、10月という時期については、5年に1回ですが、国勢調査の実施があったり、割と総務省が実施する大規模調査の実施が10月にあるということから、1か月遅らせて、11月という調査月を設定したというのが過去の経緯としてはあります。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。
 
○廣松委員
 7月生まれの人を8月に調査をしているから、それ以前にしてしまうと、7月調査の人のデータが取れないことになってしまうということですか。
 
○藤井世帯統計室長
 今回ということ、今まで1月、7月でやっていたところでいきますと、少し間が空いてしまうのですが、そこは。
 
○菅沼縦断調査管理官
 1月に実施された方については、そこから11月まで1年半以上空いてしまう可能性がありますので、そこについてはお知らせ等を継続的に流すようにして、途切れないように対応していきたいと考えております。
 
○廣松委員
 分かりました。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、いかがですか。石田先生、よろしくお願いいたします。
 
○石田委員
 少し細かいことと、菅原先生と被ってしまう点もあるのですが、1つ目が、婚姻関係についての質問というのは、明確に聞いておられるのか分からなくて、配偶者がいるかどうかというのは質問の中で分かるのですが、婚姻関係と言うと、未婚なのか、既婚なのか、死別なのか、離別なのかというのが大きな4つのカテゴリーだと思いますが、これはどこかで聞いたほうが良いのではないかと思いました。
 2つ目が、これも菅原先生が御指摘になっていた、同居している人というのと、生計を共にしている人という、この2つの概念は多分違うことになるので、同居しているのは誰かというのは、やはり聞いておいたほうが良いのかなと思います。実は私が関わっている若年を対象としたパネル調査を実施したときには、若い人たちだと、シェアハウスに住んでいるとか、生計は共にしていないのですが一緒に住んでいるという人がそれなりの数いました。同居は誰としているのかということは別の質問として聞いたほうが良いのではないかと思いました。
 3つ目ですが、健康関連についての質問についてです。問11、主観的な健康感ということで、今、自分の健康状態をどう思っていますかという質問が1つ入っているのですが、平成13年出生児調査のほうでも、メンタルヘルスと言ったら良いのでしょうか、メンタル面での健康状態についての質問というのが、スタンダードな5項目としてずっと聞いているのですが、それはあったほうが良いのではないかと思いました。
それと関連して、自尊感情と言うのですか、自分にどれだけ自信を持っているかという質問もあるのですが、この辺りのメンタル関係の質問というのは継続してあったほうが良いのではないかという気がしました。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。1つ目に、婚姻状態についての設問を追加してほしいということ。2つ目は、同居状態について設問を追加してほしいということ。3つ目に、メンタルヘルスの設問を追加すべきである。4つ目、セルフエスティーム(自尊感情)について設問を追加したほうが良いということでした。事務局からお返事をお願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。石田先生からの御意見も踏まえ、また、今回のワーキンググループでの御審議を踏まえ、引き続き検討を進めていきたいと思います。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。野口先生、よろしくお願いいたします。
 
○野口委員
 石田先生が全てもう言ってくださったので結構です。ありがとうございます。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。泉田先生、よろしくお願いいたします。
 
○泉田委員
 よろしくお願いいたします。1点確認と、2点の質問をお願いできればと思います。1つは、資料2-1ですが、既に就職をされている方がいらっしゃるというのは、3ページ目に出ていると思います。これは令和4年の調査時点だと思いますが、就職者と在学者別で脱落確率に違いが出ているのかがあって、もし差が出ているのであれば、回収率が悪い群に対して何らかの対応をされているのかを教えてください。
 資料2-2ですが、6ページ、職業の所で、問6で職業の分類を聞いているのですが、これはきちんと答えられているのかどうか。政策にいかすときに不可欠な質問として優先度が高いのかどうかを、もう少し確認したほうが良いという思いが若干あるというのが1つです。
 もう1つは、生計を一にするという話がありましたが、仕送りを受けているかどうかというところを、別居しているが仕送りを受けている場合を把握されているのかどうかを確認できればと思います。よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 1つ目は脱落傾向について、2つ目は、職業分類について聞くことは必要かどうかということ。3つ目は、仕送りについて設問を追加したほうが良いということでした。事務局からお返事をお願いします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 まず、平成13年出生児、現在、文部科学省のほうで実施していただいていますが、その在学者と就職者の脱落の傾向というところですが、文部科学省の報告書を見ますと、脱落せずに残っている方の傾向としては、在学者、進学されている方が残っていく傾向にあると。反対に読みますと、就職されると脱落する傾向が強いというのが文部科学省の報告書にはありました。
 あと、調査項目の職業の分類ですが、問6、事務的な仕事や、現業、サービス業の仕事といった内容ですが、そちらについても私どもも個々に分析することはなかなか難しいところがあって、分析が十分にはできておりませんが、こちらの脱落の傾向として、やはり、残っていく方としては事務職、専門職的な方が脱落せずに残っていく傾向が強いということが数字的には出ております。ですので、現業の方のほうが脱落してしまう傾向が強いのではないかと考えているのですが、そういう状況が把握できるというところでは、問6として把握していくのも1つの意味があるのかなと考えております。
 あと、仕送りについては、余り細かく質問はしていないのですが、収入の種類として、補問16-1、その他の所得の中の3の贈与の中に含ませておりますが、仕送り等ということで、一応想定しております。答えられる範囲は以上となりますが、また引き続き御審議のほうをよろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。私からも5つほど、お話させていただきます。1つ目に、副業について聞いていただきたく、副業をしているか否かということと、副業をしていない人に対しては、副業意向があるかどうかということを聞いていただきたいと思います。それに伴って、問16の収入ですが、事業所得、給与所得、その他に分けて実数で聞いていただけることになっていて有り難いのですが、もし差し支えないようでしたら、主な仕事からの収入、副業からの収入、その他の収入に分けていただけないかと考えています。
 2つ目は、それに関連して、問4、問5、問6、もう少しあると思いますが、全て主な仕事についてのみ回答してもらうよう注意書きをしてほしいということです。
 3つ目は、先ほど石田先生からメンタルヘルスについても聞くべきだとお話いただいたのですが、アメリカのミシガン大学が行っているPSID(Panel Study of Income Dynamics)というパネル調査でも、長年、K-6(こころの健康)やGAD-7(全般不安症の評価尺度)などのようにインデックスで聞いているので、どちらか1つを入れて欲しいと思います。その代わり、負担感を減らすためにも、問13の悩みや不安の設問を削除していただけないかと思っております。
 4つ目に問10ですが、失業中の方には、起業準備中であるとか転職準備中について聞くことになっていますが、雇用者についても、どういう教育を受けてきた子が起業するようになるのかとか、そういうことも研究できるのかと思いまして、起業意向とか、あとはオン・ザ・ジョブサーチをすることもありますので、転職意向についても、在職中の方にも聞いてほしいということ。
 5つ目は、成年者縦断調査には、総合的に生活が苦しいかというような、暮らしぶりを聞く設問があったと思いますので、それを追加していただきたいと思います。たくさんあって申し訳ないですが、以上です。
 
○菅沼縦断調査管理官
 それぞれ御意見等いただいております。全てを質問項目に入れていきますと、また質問数が増えてしまい、記入者負担ということもありますので、この中で検討を進めて、少し追加できるかどうかも含めて議論をしていきたいと思います。引き続き、御審議のほうよろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。泉田先生、よろしくお願いいたします。
 
○泉田委員
 今、ちょっと気付いたのですが、質問の内容というよりは、データの持たせ方みたいな形になるのですが、問15、最終学歴の項目ですが、これはリスキリングとかしていくと、学歴というか、卒業する学校の種類が増えていく人が出てくるのではないかと思いますが、ここのデータはそのときそのときで項目数が増えていくというのでしょうか、卒業した学校1、2、3みたいな形の持たせ方をするのか、それとも本当に最終学歴ということで、最後の所だけ残すのか、そこの方針がもしあれば教えてください。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。事務局、いかがですか。
 
○菅沼縦断調査管理官
 最終学歴について、最終学歴という定義が、調査によっていろいろあるかと思いますが、今までの縦断調査の最終学歴の捉え方は、正に最後に卒業した学校ということで、例えば、大学卒業後に特殊な技能を身に付けるために専門学校に入られ、卒業されたということであれば、最終学歴は大学から専門学校のほうに変更をしております。お答えになるかどうか分かりませんが、以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。そのほか、いかがですか。石田先生、よろしくお願いいたします。
 
○石田委員
 細かいことで申し訳ありませんが、今の最終学歴のところで、定義等は良いと思いますが、この種類が5つしかないのですけれども、例えば高専とか、あるいは専修学校、各種学校とか、そういう種類も入れておいたほうが良いのかと。文部科学省の平成13年出生児調査のほうで、最終学歴についての質問をしていまして、そこに挙がっている学歴の種類を入れていただいたほうがよろしいのではないかと思いました。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。文部科学省でやられている調査を確認させていただきます。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。そうしましたら、今、委員の先生からいただきました御意見について、事務局のほうで御検討いただき、次回のワーキンググループで資料を提出していただきたいと思います。
それでは、最後に議事3として「その他」となっておりますが、事務局から何かございますか。
 
○飯島統計企画調整室長
 事務局からは特段ございません。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、本日予定しておりました議題は以上となりますが、全体を通して、また先ほど御発言できなかったことも含めて、何かございましたら、御質問、御意見等お願いいたします。野口先生、よろしくお願いいたします。
 
○野口委員
 すみません、現時点では法的に無理だと分かっていて、あえて何度も申し上げるのですが、やはり、今、非常にいろいろな社会保障政策の中で、こういったいわゆる個人の社会的な、あるいはデモグラフィックと言いますか、こういった属性の情報と、いわゆる行政管理情報の突合が非常に政策的に意味を持つ時代に入っているのです。今は法律的にまだ難しいのですが、是非、皆様、厚生労働省の皆様を中心に、特に中高年縦断調査ですが、是非、NDB、介護DB、あるいは日本で非常に整備が進んでいる小児慢性病とか、あるいは感染症、これは全部、行政管理情報はつながりましたので、是非、そういったデータベースと、こういった非常に豊かな社会経済状況であるとか、あるいは家族をめぐる状況であるとか、こういったものとを突合できる何らかの工夫というか、これは法的改正が必要ですが、政策側の様で御尽力いただきたいと。今の現段階では無駄だと分かっているのですが、是非、そういった方向性を考えていただきたいというのが意見です。非常にこれは貴重なデータですし、こういったものと行政管理情報を結び付けていくことが、今後の全世代型の社会保障政策のときに非常に重要だと思いますので、是非、御尽力いただければと思います。以上です。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。行政管理情報との接続の重要性について御提言いただきました。お返事、お願いいたします。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。行政管理情報の活用については、非常に重要なテーマとなっております。これについては、現状なかなか難しいところはありますが、突然、明日できるというものではありませんので、こちらについては引き続き検討を続けていくということが重要になっていくかと思います。継続的にまた議論をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、いかがですか。石田先生、お願いします。
 
○石田委員
 今の野口先生の点と関連してですが、今回の調査項目案の一番最後に「市区町村コードを把握し、データに格納する」と書いてありまして、これは大変重要かと思いました。市区町村コードを何らかの形で公開というか、データにくっ付けて公開していただけるのであれば、この市区町村コードを使って外付け的に外部のいろいろな行政データとリンクできる可能性があります。これはかなり大変な作業になってくるのですが、可能性としては残るので、この辺りについても公開の可能性を含めて検討していただけるといいのかなと思いました。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。市区町村コードについては、私どものほうで登録しているデータには搭載しておりますので、二次利用申請等で申請いただければ御利用いただくことは可能になっております。行政管理情報との突合等も含めて、議論していきたいと考えております。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。泉田先生、よろしくお願いいたします。
 
○泉田委員
 もし可能であれば、社会保険料の納付状況とかが把握できるようにしておくと良いのかなと思いました。御検討いただければということでお願いします。
 
○高橋主査
 ありがとうございます。
 
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。また、全体の審議と含めて検討させていただきます。
 
○高橋主査
 そのほかはいかがですか。
 
○廣松委員
 もう一言だけ申し上げます。資料1の特別報告に関してですが、4ページの所で、報告書案として、「一般読者向けに調査への理解が深められるよう努める」という文言が入っていますが、是非、単にお役所の報告書ではなくて、可能であれば市販できるような形の報告書作りをしていただければと思います。希望です。
 
○菅沼縦断調査管理官
 特別報告のまとめ方について御議論いただきました。特別報告については、自己満足にならないよう、単なる分析だけではなく、課題ですとか、その後の提案等も含めて、将来につながるような形でまとめていきたいと考えております。また、御協力のほうよろしくお願いいたします。
 
○高橋主査
 ありがとうございました。そのほかはいかがですか。よろしいですか。そうしましたら、本日の議題は全て終了となります。それでは、事務局にお返しいたします。
 
○飯島統計企画調整室長
 皆様、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。これをもちまして、第4回縦断調査の改善に関するワーキンググループを閉会させていただきます。次回以降の開催日程については、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
 
(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)