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- 第163回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
第163回労働政策審議会安全衛生分科会議事録
労働基準局安全衛生部計画課
日時
令和6年6月17日(月)10:00~12:00
場所
対面及びオンラインにより開催
会場:AP虎ノ門(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)
会場:AP虎ノ門(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)
出席者
会場
- 公益代表委員
- 髙田礼子(分科会長)
労働者代表委員-
- 袈裟丸暢子
- 佐々木弘臣
- 中村恭士
- 奈良統一
- 門﨑正樹
- 山口裕之
- 山脇義光
- 使用者代表委員
-
- 小澤達也
- 鈴木重也
- 出口和則
- 七浦広志
- 事務局
-
- 小林洋子(安全衛生部長)
- 松下和生(計画課長)
- 小沼宏治(安全課長)
- 松岡輝昌(労働衛生課長)
- 安井省侍郎(化学物質対策課長)
- 船井雄一郎(主任中央労働衛生専門官)
- 高松達朗(計画課課長補佐)
オンライン
- 公益代表委員
-
- 砂金伸治
- 熊﨑美枝子
- 新屋敷恵美子
- 中嶋義文
- 原俊之
- 宮内博幸
- 使用者代表委員
-
- 及川勝
- 大下英和
- 矢内美雪
議題
(1)個人事業者等に対する安全衛生対策について(その3)
(2)その他
(2)その他
議事
- 議事内容
- ○髙田分科会長 ただいまから「第163回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。
本日の出欠状況は、委員全員の皆様に御出席いただいております。本日は、対面及びオンラインの併用により開催することとしておりますので、お含み置きください。カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
まず事務局から、オンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いいたします。
○計画課長 事務局です。オンラインで御参加の委員の皆様方に、Zoomの操作方法について御説明をさせていただきます。本日は、ハウリング防止のため御発言されないときには、マイクをオフに設定をお願いいたします。また御発言される場合には、御発言がある旨をチャットに書き込み、分科会長から指名がありましたら、マイクをオンに設定していただいた上、氏名をおっしゃってから御発言をお願いいたします。このほか進行中、通信トラブルなどの不具合がありましたら、チャットに書き込み、又は事務局へメール等にて御連絡をよろしくお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 出欠状況について、大変失礼いたしました。門崎委員が遅れておりますので、先ほどの出欠状況について訂正をさせていただきます。
○髙田分科会長 それでは、議事に入ります。今回の議題は、「個人事業者等に対する安全衛生対策について(その3)」となります。前回の資料を、前回提出資料1としてお配りしております。前回は、前回提出資料1に基づき、個人事業者等に対する安全衛生対策の各論1につきまして、大きく4つのカテゴリに分けることとし、2つ目のカテゴリまで御議論いただきました。また、22ページにあります3つ目のカテゴリである「建設業等の混在作業現場における個人事業者等の対応」につきましては、事務局より、今後各論2において御議論いただくということで、御了解を得ております。このカテゴリは、各論2の中で併せて御議論いただきたいと思います。
続きまして、最後のカテゴリです。23ページから始まる「事業者が作業の一部を請け負わせる個人事業者等に対して講じる措置への個人事業者等の対応」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 それでは、よろしくお願いいたします。安全衛生部計画課の船井から説明いたします。23ページをお開きください。これが、最後の4つ目のカテゴリになります。こちらに書いてありますのは、検討会報告書を抜粋したもので、点線の中です。事業者が作業の一部を請け負わせる個人事業者等に対して講じる措置への個人事業者等の対応です。こちらに2つ○がありますが、こちらの中身については令和3年に示されました最高裁判決を踏まえて、安全衛生規則ほか11の規則を改正しております。
その改正の根拠である労働安全衛生法第22条の関連で改正した省令については、大きく2つ、事項を事業者に義務付けています。1つは、危険箇所若しくは有害な箇所への立入禁止等の措置を取っている。もう1つは、有害な環境下における保護具の使用や作業方法について、事業者が作業の一部を請け負わせた請負人に対して周知するという2つの義務を新たに事業者に課している。はじめの立入禁止措置につきましては、事業者は立入禁止措置を講じることに加えて、その反射的な措置として、そこで作業に従事する方は立ち入ってはならないという義務を負っています。この作業に従事する者の中には、労働者と労働者以外の方がおります。労働者については、労働安全衛生法第26条に基づき、罰則付きの義務としてこの立入禁止措置をやっていただくことです。労働者以外の方については、この罰則がない状況になっております。ここは同様の保護を図る観点から、片や罰則あり、片や罰則なしということでバランスがおかしいのではないかという御指摘があった、これが1点目です。
2点目の○につきましては、周知の義務が事業者に課された。これは保護具の使用や作業方法に関してですが、この周知された事項は個人事業者を含めて、その作業の一部を請け負った方というのが御自身の判断で、その周知した内容を踏まえて取組を行っていただくという整理になっているわけです。周知だけでは、十分にその措置が徹底されないのではないかという御指摘が検討会においてはありました。これが徹底されるようにするための取組として①、②にありますように、事業者はきちんと周知された内容が徹底されるように必要な指導等を行う。周知を受けた個人事業者等は、それをしっかり守る。この裏表の取組を進めていくべきではないかと御指摘いただいたわけです。
次のページが、これを踏まえた論点です。4点ほど立てております。25ページ以降に、それぞれについて対応案をまとめております。まず○2つ分です。22条に基づく省令改正に伴い、その義務付けられた立入禁止措置を守らなければいけないという取組について、労働者以外の部分については罰則がないわけですが、この罰則についてどう考えるべきかという観点です。あと、労働安全衛生法22条に基づく省令改正についてです。これは、最高裁判決を踏まえて直ちに対応したわけですが、それから少し遅れて20条、21条、若しくは25条に基づく省令改正というのも分科会で御審議いただき、先般公布しております。令和7年4月から施行されることになっております。
これらの条文の中にも、立入禁止措置、これは22条を根拠にしたものと同様のものがありますので、これらについても罰則については同じような考え方でよいかということで論点に挙げております。
これについて、下に対応案があります。こちらに書いてありますように、罰則について労働者に課しているものと同等のものとしてはどうかということで御提案しております。また、22条とそれ以外について、特段差を設ける合理的な理由もないので同様の考え方としてはどうかということで御提案しております。簡単に言いますと、立入禁止措置を通じて、一定の保護が図られるのであれば、労働者であろうがなかろうが、それをしっかり守る。それは、罰則としても同じ水準としてしっかり守っていただくという趣旨です。
続きまして、26ページです。こちらにつきましては安衛法22条に基づいて、周知がなされた事項をしっかり徹底されるようにするためには、どういうふうにすべきかということです。事業者が偽装請負に対して指導を行うことを、どう明確化していくことが適当かということで、対応案としては2つ挙げております。
まずは、事業者が必要な措置が確実に請負人に伝わるように分かりやすく周知する。これは、施行通達でも触れておりますが、これをまずやっていただくとともに、周知された内容がやられていないことを確認した場合には、きちんと指導していただくことが重要ではないか。これが重要であることをきちんとガイドラインなどで明確にした上で、この改正省令の履行確保と併せて、我々行政としてしっかり指導していくということでどうかと御提案しております。これが2つ目の○です。
この指導は、現場でこのような声があるのですが、これを指導する、安全衛生上の指導だとしても、その指揮命令に該当してしまうのではないかという懸念から、これを控えてしまう、躊躇してしまうことがあるという声もありますので、どういう形でやれば指揮命令には該当しない、請負人にも該当しないことをガイドラインなどの形で整理して明確化し、これを併せてお示しすることにより、きちんと周知した内容が徹底されていない場合の指導がやりやすくなる、躊躇せずにやるべきことをやっていただけるようになるのではないかと考えております。このガイドラインについてですが、今回はお示しすることができませんが、また別途、改めてこちらの分科会にも御報告させていただきたいと思っております。
最後の27ページです。では、この周知を受けた事項、これを周知を受けた請負人が、これを守ってしっかり対応していただく、そのためにはどういう方法が適当かということで挙げております。対応案は2つあります。1つは、労働安全衛生法第4条という規定があり、これは資料の真ん中辺りにありますが、労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守る、事業者その他の関係者に協力するという努力義務が置かれているのですが、これと同じようなものを個人事業者向けの取組として、法令上明確化をする。この明確化したものに、周知を受けた事項をしっかり守るということは、これに関係する、こういう努力義務を守ることになるのですよという例示をガイドライン等ですることにより、周知を受けた事項が、きちんと守られるという状況に持っていきたいということで、御提案しております。最後のカテゴリの資料については以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。ただいま論点4つと、その対応案について御説明いただきました。本件につきまして、質問、意見等のある方は会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。まず、会場の委員で御発言はありますか。袈裟丸委員、お願いします。
○袈裟丸委員 御説明ありがとうございました。2つ要望があります。前回の委員会でも、労働側から発言しましたが、特に今回の25ページの所については、個人事業者に十分周知されるということが大前提です。その周知を行き届かせるためには、それ相応の期間を要するだろうと思いますので、政府や事業者の取組が不可欠ということを改めて申し上げます。また、罰則については、周知がしっかり行き届くまでの間、当面の間は適用を猶予するということも含めて検討をしていただきたいということも改めて申し上げておきたいと思います。
もう一点は、27ページ。1つ目の○にある対応案については、特に異論はございません。事業者等から必要な措置について周知された個人事業主者等が、確実に当該措置を実施することが災害防止という観点では極めて重要になってまいります。ガイドラインの具体的内容の検討に当たりましては、その周知をいかに行き届かせるかという観点からしっかり議論して有効なものにしていただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほかに御発言はございませんか。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 私のほうからは、26ページの関係で確認させていただきたいと思います。対応案の2つ目に関連して、ガイドライン等で明確化し、周知した内容の指導・指示の促進を図るというところです。資料を少し戻っていただいて、23ページにある検討会報告書では、○の2つ目のリード文の最後の行に、「事業者及び個人事業者等それぞれが講ずべき措置として、以下の内容を明確化する」と記載されております。併せて、安衛法第29条第2項では、関係請負人が法やそれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、必要な指示を行わなければならないとされており、義務付けられた措置を個人事業者が行っていない場合、事業者は必要な措置を行う義務を負うものと認識しています。そういう意味では、事務局から御説明いただいたとおり、監督行政としてしっかりと指導の対象となり得るように、26ページのガイドラインについては指針という形で規定されることが必要と考えます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。会場で御発言はございますか。七浦委員、お願いします。
○七浦委員 御説明ありがとうございます。七浦です。私は委員としてまだ参加させてもらっていなかったので、最初の頃の議論にあったのかも知れませんが、確認と使用者側の要望として、少し発言させていただきます。
個人事業主の内容について、本件中身については理解しております。使用者側としても協力出来る所はしっかりと対応していこうと思っております。ただ、個人事業主様が安全に作業してもらうために一定のルールの遵守について、個人事業主様と地主(発注者)側双方が実施していく事が、一番の鍵と考えております。そのためにも、個人事業主様がいろいろな発注においてルールを遵守するとメリットがある様な、取組がなされて行くと、お互いが認識を合わせた中で本件を前進させることが出来るもでははないかと思っております。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいままでの袈裟丸委員、山脇委員、七浦委員からの御要望、御質問につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 計画課の船井のほうから御回答させていただきます。御質問、御指摘いただいた点、順次御回答させていただきます。
まず、袈裟丸委員からいただいた点です。1点目、25ページの辺りですが、個人事業者に対していろいろ周知をしていくことが重要ですと。理解してもらって取組をしていくことが重要であると。その上で、罰則については猶予期間を設けるべきということでした。こちらの罰則については、猶予期間なのか、罰則の適用の施行日をいつにするかというのは、また、今後内部で検討して、こちらで御議論いただくことになろうかと思います。前回に続いて、罰則の適用の猶予期間、周知期間が重要だということは、事務局としても認識いたしました。
あと、この取組自体の周知という意味では、既に省令改正をして公布しております。一部、第22条の関係については施行されている部分もございます。そういったところについては、引き続き、我々とも周知、施行されている部分についてはしっかり丁寧に施行していきたいと思っております。
2点目は27ページの関係です。周知された事項は、しっかり個人事業者の方に受け止めてもらって、それを実施していただくことが重要だということで、そのガイドラインの検討の際には、しっかり分かりやすい内容でということでした。こちらについては、御意見として承りまして、我々としても現場できちんと実施されやすいような形でお示をさせていただきたいと思います。前回でもお話させていただいたかもしれませんが、こういった取組を、個人事業者の当事者の方にも分かりやすい表現になっているかということを見ていただいて、アドバイスを頂くことも重要かと思っております。今まで我々はあまりチャンネル構築をしていなかったのですが、個人事業者関係の、フリーランス関係の団体の方とも最近と言いますか、ずっとコミュニケーションを取るようにしておりますので、そういったチャンネルを通じて、分かりやすいものになるようにアドバイスももらいながら進めていきたいと思っております。
続きまして、山脇委員からの御指摘です。23ページの2つ目の○の一番最後の所です。事業者及び個人事業者等がそれぞれ講ずべき措置として、以下の内容を明確化するということです。これについて、講ずべき措置ということなので、法令に基づく措置ということで、法第29条の元方事業者としての関係請負人への指導・指示ということを関連付けて御質問いただいたと思います。講ずべき措置というのは、表現として必ずしも法令で義務付けられているものに限定されるわけではないということが1つです。
あと、第29条というのは、これは現に法令に違反しそうであるとか、違反している場合に、元方事業者が指示をする、指導をするという話ですので、今回の安衛法第22条や第20条等に基づく省令の措置ということで言いますと、第29条に関連してくるのは、例えば、立入禁止等の措置を、そこで作業に従事する者が守っていない場合、それを見つけた場合には、元方事業者としては指導・指示するというのは、これは当てはまります。ただ、周知した保護具であるとか、作業方法について周知した事項というのは、これは周知した内容を実施する義務が個人事業者サイドに請負人サイドにあるわけではないので、第29条に基づく指導・指示というのは、なかなか難しいということで御理解いただければと思います。
今回、論点として上げさせていただいたのは、第29条に基づくということではなくて、周知した事項というのは、きちんと徹底されるべきであると。それは法律に基づいてということとは別にして、災害防止上必要なのだと。なので、それをやっていないことを見つけた場合には、しっかり指導・指示するということが重要であり、それをガイドラインに書くということです。
一方で、周知を受けた個人事業者、請負人サイドとしては、それを御自身で徹底していただく。その根拠となるようなものを努力義務のような形になると思いますが、労働安全衛生法第4条に基づいて、労働者にお願いしているような形で手当てできないかということです。したがいまして、立入禁止と周知で法令にどれぐらい絡めるかという部分の問題はありますが、いずれにしろ、ガイドラインという言い方はしていますが、周知した内容はしっかり徹底されるということは、災害防止上重要だと思いますので、同じガイドラインの中でも、言い方の強さとかあると思いますので、その辺はまたガイドラインとして取りまとめて、こちらの分科会に報告させていただく中でも議論していただければと思っております。
最後は、七浦委員からの御質問です。この災害防止を図る上で、事業者さん、注文者さん、個人事業者さんが双方でお互い共通認識を持ちながら取組を行っていくことが重要だという御指摘は、正にそのとおりです。例えば、働く場所におけるルールを、そこに入ってきた個人事業者の方に守っていただく。これが重要であって、そういったことについて、メリットのようなものをお示しすることが重要ではないかという御指摘でした。私もそう思いますが、なかなかそのメリットというのを国の仕組みとして、制度として付けるというのが直ちに思いつくところではないのですが、答えになるかは分からないのですが、先ほど26ページで出てきた対応案の2つ目の○にあるように、個人事業者の方に対して、何らかの安全衛生上必要な指導であるとか、指示とかアドバイスも含めて、それをやることが、こういうやり方であれば直ちに指揮命令になるわけではないのですよと。それを明確化しますと。これによって、例えば、現場のルールにきちんと従ってくださいねということを、現場サイドとして個人事業者の方とかに言いやすくなると。そういう環境がまず1つできると思います。
それを個人事業者の方がしっかり守っていただくということは、これも現場サイドとして、きちんとルールを守る人と守らない人が見えてくるということになるので、守っている人にメリットが生じるのか、守らない人に対して何かペナルティではないですが、指導が入るのかというところで、きちんとしっかりやっている人が相対的に良く評価されるということの助けになるのではないかと思っております。直接の答えになっているか分かりませんが、以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの回答につきまして、袈裟丸委員、山脇委員、七浦委員、何かございますか、よろしいですか。ありがとうございます。そうしましたら、お待たせしました、オンラインの宮内委員、御発言をお願いします。
○宮内委員 今の御質問と少しかぶるかもしれませんが、保護具の使用とか、作業着について、今後の請負人に対する周知の話ですが、特に、保護具は正に安全衛生という形で使用するわけですが、いろいろ事故事例等を見ますと、保護具をしていなくて事故になると。そういうことで、作業が中止になると。若しくは製造ラインを止めなければいけないようなことが起きているわけです。結局、そうなると、安全衛生の側面だけではなくて、やはり、保護具を使うこと自身というのが、いわゆる製造過程の中の一環ではないかと私は思うのです。若しくは作業工程の一環として捉えると。ですから、そもそも最初の契約で、そういうことをきちんと製造する中の位置付けとして取り扱う、いわゆる正に設備に近いような形で、私はアプローチしてもいいかなと思いました。
というのは、ガイドラインの中で示していく中で、今お話がありましたが、どの程度周知できるかということは、なかなか難しいものが出てくるかと思います。そういう中で、やはり最初の契約のときに、確実に使うということが契約した製造の中の工程の一環なのですよというぐらい厳しい形で、最初は取扱いをするというか、受け止めていただくということが割と有効なのかなと。もちろん詳しい理解を得るためにいろいろとレクチャーとかをしなければいけないと思いますが、もう少し最初の段階で、しっかりとやる。やらない場合には、その契約違反というか、請負った契約違反ではないですかぐらいなものがあってもいいかと私は思いました。ちょっと意見もございます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、及川委員、お願いいたします。
○及川委員 及川です。ありがとうございます。チャット欄に出ていますが、26ページのガイドラインの記載、指揮命令に該当しない、あるいは偽装請負いに該当しないというガイドラインの明確化は、極めてポイントになる事項だと思います。早めにこういった考え方を進めることが必要かと思っています。
と申しますのは、例えば直近ですと、インボイス制度の導入の際に、親企業がインボイスに登録しなさいと勧めることが、優越的地位の濫用になりますというようなことの方が先に広報されたために、なかなかインボイスに関するコミュニケーション、あるいは取引先との関係でお話ができなくて、施行まで私どもの広報が苦労したということがあります。
最初に少しミスリーディング的なアナウンスがあると、それを引っくり返すのは大変だなと思ってまして、この指揮命令に該当しないというガイドラインは、今後の周知の所でポイントになると思いますので、早めにしっかり対応していただくことを期待申し上げます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほか、オンラインで御発言、御希望の委員はいらっしゃいますか。よろしいですか。そうしましたら、ただいまの宮内委員と及川委員の御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。宮内委員と及川委員のお二人の質問に、恐らく共通するのが、及川委員から御指摘があったような、安全上の指示と、指揮命令との関係を整理したガイドラインということになるのではないかと思います。これが、今までそういうものを示したことはなくて、安全上必要だと思うのですが、これをやってしまうと、指揮命令とか偽装請負と言われてしまうかもしれないので控えてしまう。そういうことがないように、一定のものを関係部署と調整をしているところです。なるべく早めにお示をしたいと思っております。
これが示されることによって、宮内委員からも御指摘がありましたような、この作業には、若しくはこの現場にはこういう保護具が必要なのだということを、きちんとルール化して、場合によっては契約上明確にした上でやる、これがやられていなかったときには、安全上の指示として、しっかりやるように指導・指示するという形がやりやすくなるのではないかと思います。
そういう助けになるのではないかと思っておりますので、繰り返しになりますが、なるべく早くに調整して、こちらの分科会にも御報告をさせていただけるようにしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。宮内委員、及川委員、追加で御発言はございますか。
○宮内委員 特にないのですが、私は最初の契約でしっかりと厳しく文書化するということで、確実にまず守れるというところを担保するということで、逆に言いますと、そうしなければほとんど仕事が取れなくなるような、そういった方向に持っていったほうが早いというか、目標を達するためには重要なのかなと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。及川委員はよろしいですか。
○及川委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。更問いはございません。ありがとうございました。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場で追加で御発言はございますか。よろしいですか。ありがとうございました。
〇髙田分科会長 それでは、引き続きまして、各論2に移りたいと思います。各論2の「個人事業者等自身でコントロール不可能な災害リスクへの対策」については、資料1の2ページにございますように、大きく2つの内容に分けて御議論いただくことを予定しております。そのうち、今回は(1)「注文者(発注者)による措置のあり方」について御議論いただき、(2)発注者以外の災害リスクを生み出す者等による措置のあり方については、次回以降に御議論いただきたいと思います。
また、資料1についても、論点が多くなっていることから、大きな論点のカテゴリごとに4つに分けて御議論いただきたいと思います。まず、1つ目の論点カテゴリ、3ページから始まる「注文者の責務の範囲の明確化」について、事務局より御説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 それでは、担当の高松より説明いたします。3ページには、先般の資料と同様に、個人事業者等の安全衛生対策の在り方に関する検討会報告書の関連部分を転記しております。ここの内容について、まず1つ目の○に関しては、安衛法第3条第3項の規定について、その規定ぶりについて趣旨を明確化することを書いております。2点目に関しては、安衛法第3条第3項の趣旨に関して、どのように明確化するかを記載しております。3点目は、注文者が措置すべき範囲に関して、どのように明確化するのかを記載しております。4点目は、注文者の具体的な措置内容について、多種多様ですので、具体的な措置内容を明確化することを書いております。5点目は、発注者と言いましても、事業者に限らず一般の消費者や個人が含まれるところですので、周知啓発をすべきことを記載しております。6つ目は、運送業や短期間で行われる建設工事のような状況については、発注者が作業場所を管理する者と協議することとか、あとは、作業場所を管理する者に適切な作業環境の確保を求めるなど、作業場所を管理する者に対する対応などについて記載しております。
これらについての論点を4ページに記載しております。また、4ページの下部ですが、先ほど申し上げた、安衛法第3条第3項について転記をしております。この条文について、「建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業環境の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない」としておりまして、この下の解釈例規の所で、この第3項の「建設工事の注文者等」には、建設工事以外の注文者も含まれることとなっております。このように、この条文に関しては、実際の解釈に関しては建設工事に限ったものではないところですが、条文上、必ずしも建設工事以外の注文者が配慮しなければならないと定められているのか明確には見えないところです。
1つ目の論点としては、第3条第3項の「建設工事の注文者等」には、建設工事以外の注文者も含まれることは解釈上は明確ではありますが、その旨を規定上も明確にするべきかということです。
対応案としては、建設工事以外の注文者にも工期等についての配慮を求めることが必要であるということですので、この条文が、建設業に限らず全ての注文者が対象である旨を規定上も明確にしてはどうかとしております。
論点の2つ目です。無理な工期・納期の設定や当初予定しなかった条件の注文後の付与等は、当然、第3条第3項の趣旨にそぐわないということですので、どのように明確にするべきかというところですが、これらの無理な工期・納期の設定等に関しては、安衛法第3条第3項の趣旨にそぐわない旨をガイドラインなどで明確にしてはどうかということです。
3つ目の論点です。「注文者等」には、保護対象となる者の直近上位となる注文者だけではなく、災害リスクをコントロールすることができる権限を有する注文者も含まれることを、どのように明確にすべきかということです。当然、第3条第3項に関しては、注文者が直近上位だけしかないということは規定しておりませんので、全ての注文者が対象であるところですが、注文した工事、仕事を直接請け負った請負人が行う場合に限らず、数次請負契約によって行われる場合についても、注文した仕事について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない、という趣旨であることをガイドラインなどで明確にしてはどうかということです。
論点の4つ目です。注文者に求める具体的措置に関しては、当然、注文者はいろいろな仕事を注文しますので、作業上の安全衛生への注文者の関与の状況を踏まえて明確にすべきということと、論点の5つ目は、発注者となりうる個人や一般消費者に対して、特に安全衛生に要する経費は必要であるということを、国はどのように意識啓発をすべきかというものです。
6つ目の論点です。運送業や短期間で行われる建設工事のような、作業時にはじめて具体的な状況が分かるような職種に関しては、その注文者は作業場所を管理する者等にどのような対応を求めるべきかということです。これら4つ目から6つ目の論点の対応案は1つにまとめております。
注文した仕事の安全衛生の確保を図る上で、注文者による対応に加え、適切な作業環境の確保や作業内容、作業条件等をあらかじめ明確にしておくなど、注文に当たって、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を付さないようにするために、注文者が作業場所を管理する者等に対して求めることが必要な措置の内容を、同様にガイドラインで示した上で、一般消費者を含めた関係者に周知・啓発を図ることとしてはどうかとしているところです。説明としては以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。ただいま、論点6つとその対応案について御説明いただきました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については、御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いします。会場の委員で御発言がある方は挙手をお願いします。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 5ページの対応案の1つ目と3つ目に関連して発言させていただきます。まずは対応案の1つ目です。こちらについては賛成の立場です。解釈上は、建設業に限らず、全ての注文者が対象となっていることが既に明確であったとしても、やはり、より広く新たに個人事業者等にも周知していくことを考えれば、政策上の観点からも、第3条第3項については、「建設工事」という言葉を削除する形で、条文修正を行うことを検討を頂きたいと思っております。もう1点は、対応案の3つ目です。この第3条第3項の趣旨を踏まえますと、ここに記載のとおり、数次の請負の場合であっても、安全で衛生的な作業環境をそこなうおそれのある条件を付すべきではないということは明らかですので、対応案としては、法令で対応することが望ましいと考えますが、なぜガイドラインで対応するとされているのか、その趣旨について伺いたいと思います。私としては、ガイドライン等のの「等」の中には、指針あるいは通達というものも含まれていると承知しておりますので、仮に法令とすることが難しい場合であっても、適切に指導・監督を行っていただく観点からは、少なくとも指針・通達にしていただくべきと思っていることを付言しておきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続いて、門崎委員、お願いします。
○門崎委員 御説明ありがとうございました。6ページの対応案についてです。対応案では、ガイドライン等で示すとされておりますが、論点で示されている3つの点は、1つ目のように、注文者に具体的措置を求めるものから、2つ目のように、意識啓発にとどまるものまで相当な幅があると承知しております。一律にガイドライン等とされていますが、特に、注文者に対して具体的な措置を求めるものについては、少なくとも通達で示すこととし、注文者等が遵守しない場合には、適切に監督行政による指導を行うべきだと考えております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほかに御発言ございますでしょうか。鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 鈴木です。御指名ありがとうございます。5ページと6ページのそれぞれについて、簡単にコメントさせていただきます。まず5ページです。論点の3つ目の○にございます、災害リスクをコントロールすることができる権限を有する注文者については、現行法令の考え方を踏まえつつ、検討会で新たに登場した概念ではないかと認識しています。また、先ほど事務局からも御指摘がありましたとおり、作業上の安全衛生への注文者の影響力は多種多様ですので、ガイドライン等で分かりやすくお示しいただくことが重要ではないかと思います。
6ページの論点の3点目の○についてです。厚生労働省においては、陸上貨物運送事業者の労働者が行う荷役作業における労働災害を防止するため、ガイドラインを作成して普及に努めておられると承知しています。検討会でも、ヒアリングに御出席いただいた陸災防から、このガイドラインの実施事項は陸運業の労働災害の減少に寄与する、高く評価するという声があったと記憶しています。ガイドラインは、陸運事業者の労働者向けとされていますが、個人事業者の災害防止対策に有効な部分もあると思います。したがいまして、既存のガイドラインも参考にしながら、作業場所を管理する者等に対して求める必要な措置の内容を、御検討いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの山脇委員、門崎委員、鈴木委員からの御発言につきまして、事務局から回答をお願いします。
○主任中央労働衛生専門官 計画課の船井から御回答いたします。まず、山脇委員からの御指摘です。5ページですか、1点目の条文の規定上明確化するということは賛成ということでした、ありがとうございます。法制上は既に明確化されているのですが、政策上の観点から、これを条文化できるかというのは、ハードルが高い部分もありますが、御議論を踏まえて、我々としてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。
3つ目です。これは、次の門崎委員からの御指摘とも重複する部分があると思うのですが、今回、提出させた資料、ほとんどの箇所で、ガイドライン等で明確化してはどうかとか、ガイドライン等で明確化した上で、例えば、指導していくとか、そういう表現で統一はしているのですが、御指摘のとおり、ガイドライン等の「等」には、例えば、法令に関するものであれば、解釈例規のようなものも含みうると考えております。その観点で言いますと、今、御説明したカテゴリの中で、ガイドライン等と書いてある部分でも、中身的には、解釈のようなものもあれば、若しくは、配慮すべき内容というのを例示的にお示しをして、これを例に推奨していってほしいものというのもありまして、多少、レベルも変わってくると思います。そこら辺については、我々も別に一緒くたで考えているわけではなくて、強弱はあると御理解いただければと思います。こちらについても、またガイドライン等、解釈になるかもしれませんが、そういうものをお示しする際に、こちらの分科会にも御報告させていただきたいと思いますので、その際に、御審議、御議論を頂ければと思っております。
最後、鈴木委員からの御指摘の1点目についても、今のお答えになろうかと思います。2点目についての陸運業の荷役ガイドラインにつきましては、労働者限定と言いますか、労働者向けのガイドラインであるというのは確かにそのとおりです。ただ今回、こちらの6つ目の論点にも、陸運業の個人事業者の観点も入れましたし、また、後ほど出てきます、ある場所における混在作業という観点でも、着荷主における混在のような観点も入っておりますので、こういった御議論を通じて、どういう形で制度化していくのか、若しくはガイドライン等で周知していくのかという方向性が明らかになった場合については、既存の荷役ガイドラインとかそういうものとの整合性も踏まえながら、うまく連携しながらやっていくことは、我々としても考えておりますので、頂いた御指摘も踏まえて、しっかり検討していきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。山脇委員、門崎委員、鈴木委員、追加で御発言ございますでしょうか。山脇委員、お願いします。
○山脇委員 5ページの対応案の1つ目、改めて、ちょっと確認させてください。建設工事という文言を削除するのが法令上難しいというようなご回答だったと思うのですが、何が難しいのか、改めてお答えを頂いてもよろしいですか。
○主任中央労働衛生専門官 ちょっと何か言い訳っぽい感じに聞こえてしまったので大変恐縮だと思いますが、現行の書きぶりであっても、「建設工事の注文者等仕事を他人に注文する、請け負わせる者は」という言い方をしているので、この「等」の所には、建設工事以外の注文者も含まれるという解釈を示しているということになると、現行の条文でも、建設工事以外の注文者が含まれるというのは、これは明らかだということになってしまうのです。ただ、我々事務局の案としては、これまでの検討会等の議論を通じてもこういう解釈が出ているのですが、業界の声などを聞くと、これは建設業限定の規定でしょうというような誤解と言いますか、そういう御認識もあることは承知しております。であれば、政策的観点から、条文の書き方というのを、もう少し業種限定的には見えない形にしたいと思っております。
ですので、条文の今の作りについては、解釈があることによって、既に建設業以外も入っているということは明らかだと。にもかかわらず、政策的観点からこの条文を変えることができるかどうかというのは、これは我々の行政内部でもそうですし、法制面をチェックする役所もありますので、そういった所との調整の中でやっていくことになりますので、我々としては、政策的観点から、山脇委員からも御指摘があったような形で、条文上、明確化する、ここに書いてあるとおりなのですが、そのようにできるようにしっかり頑張っていきたいとは思っております。
○髙田分科会長 山脇委員、いかがでしょうか。
○山脇委員 ありがとうございます。回答は理解をしたのですが、文言を削除することについては、本日の分科会においておおむね合意事項だと理解しておりますので、是非とも、その方向で調整をお願いしたいと、改めてお願いしておきたいと思います。
○髙田分科会長 事務局、お願いします。
○主任中央労働衛生専門官 分かりました。事務局としても論点に上げているので、そのつもりで頑張っていきたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、出口委員、お願いします。
○出口委員 出口です。御指名ありがとうございます。建設業で懸念されていることを発言させていただきます。5ページに論点に対する対策案が記載されております。安衛法第3条3項にある建設業の注文者等には、建設工事以外の注文者が含まれていると、解釈上は明確にしてあると記載されておりますが、今の条文では建設業以外を想像される方がおられないと思います。建設工事以外の注文者にも施工方法、工期等について配慮を求めることが必要であることから、同条の条文が建設業に限らず、全ての注文者が対象である旨を規定上明確にしてはどうかとあります。今回の建設工事以外の業種の注文者も含まれることを明確にすることが論点となり、協議されていることについては検討会でも発言しており、賛同しております。
先ほど他の委員の方からも発言もありましたように、我々も要望いたします。また、当初の条件から注文後の付与等、安衛法の第3条3項の趣旨にそぐわないことや、全ての注文者が対象であり、注文した仕事を直接請け負った請負人が行う場合に限らず、数次の請負契約によって行う場合も、注文した仕事について安全で衛生的な作業を損なう条件を付さないよう配慮する趣旨である旨を、ガイドラインに明確にしてはどうか記載もございます。
建設業では、個人事業者等に対してガイドラインで義務付けをしても周知展開、啓発を促すことは非常に難しく、法の改正なしでは、本来の災害減少につながらず、結局のところ周知・啓発は、関係団体や元請事業者頼みとなり、ガイドライン等だけでなく直接的な指導や周知、これを行える体制を整えなければ効果が見られないのではないでしょうか。第22条以外の省令改正の議論は、法改正で定義を明確にし、個人事業者の災害事例の収集と要因分析を行ってから、個人事業者の災害減少を目的とした改正とすべきとの意見が多いです。今回につきましては、ガイドライン等が主な対応となっておりますが、ガイドラインの記載内容、また、他の施策について円滑に進めていただくようお願いいたします。
また、○の3つの論点の対応策が6ページに記載されております。必要な措置の内容等をガイドライン等で示し、関係者に周知・啓発を図ること自体については、異論はございません。建設業では、注文者となる事業者が、見積り、契約の手続等を行う際には通常注文を受け、見積り作成時には作業環境の確保や作業内容、作業条件、適応対象となる法、例えば入契法や建設リサイクル法、支給材料などの有無、これにつきましても作業の管理の法等、あらかじめ明確にした後に見積金額を算出しており、注文者及び請負人間では、ガイドライン等でなくても建設業では周知・啓発は図られていると認識しております。また、発注者となり得る個人や一般消費者が仕事を注文する場合、受注者の安全や健康に影響を及ぼす可能性があること、並びに安全衛生に要する経費は必要であると国や個人が一般消費者に対して、意識啓発をガイドライン等で周知・啓発を図るのも難しいと考えております。ガイドライン等を用いてどのような周知・啓発を展開するのか、お考えでしょうか。お伺いします。
さらに、注文者が作業場所を管理する者に対して求めることが必要な措置の内容を、ガイドライン等で示しとあります。検討会でも各ジャンルの職種のヒアリングを行いました。その際にも報告等で議論になりましたが、運送業等では複数の注文者を経由して受けた個人事業者等が就業施設のバックヤードなどで注文にない作業を指示され、被災するケースがあると聞きました。しかし、これらをよく聞くと、作業場所を管理する者に対してだけではなく、複数経由する注文者にも問題があるように感じております。ガイドライン等には、注文者が作業場所を管理する者などに対して求めることが必要な措置、内容だけではなく、注文した仕事を直接請け負った請負人が行う場合に限らず、数次の請負契約によって行われる場合も、複数いる注文者に対しても、必要な措置を明確に記載していただくようお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場からはございますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、出口委員からの御発言につきまして、事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございます。3条3項の規定が建設業限定ではないかという認識があるという点は、先ほどほかの委員からも御指摘いただいた点と重複すると思いますが、我々としても政策的観点から、そこら辺、しっかり頑張っていきたいと思います。
個人事業者の災害防止を図るためには、ガイドラインだけでは十分ではないという御指摘があったかと思います。ただ、今回、今のカテゴリで御説明させていただいているのは、注文者の安全衛生上の責務として、労働安全衛生法第3条第3項に決まっている、訓示規定的な規定にはなりますけれども、既に存在する法律条文がありまして、この条文というのがかなりシンプルな書き方をされているので、何を配慮すればいいのか、誰が配慮すればいいのかという状況が、この条文を読んだだけだと分かりにくいところがある。これを、ガイドライン等で例示も含めて示すことによって安全衛生に配慮した仕事の注文がなされるようにしていきたい。そういう趣旨ですので、ガイドラインだけでは不十分ということで、もともとある法律上の責務を、しっかりよい形でやっていただくためのガイドラインだと認識いただければと思います。
また、後ほど別のカテゴリで出てきますし、前回も御議論させていただきましたが、個人事業者に対して全部ガイドラインでやるというわけではなく、新たに法令で措置を求めるものもあれば、後ほど出てきますけれども、作業場所を管理する方や元方事業者さんに、個人事業者も含めてしっかりした管理をやっていただくものもありまして、法令でしっかり個人事業者の方も位置付けを明確にして対応するという内容も、今回の検討においては多々含まれておりますので、その点についてはよく御理解いただければと思います。
ガイドライン等で、意識啓発をする際の具体的なやり方ということです。これまでの分科会でもいろいろ御議論があったと思いますが、今まで我々労働災害防止の観点から、事業者、事業者からなる団体を通じていろいろな周知・啓発をしてきたわけですが、今回、相手方が事業者だけではなく個人事業者とか、一般消費者が注文者になるような場合も含めて、広く周知しなければいけないと思っております。その分については、個人事業者からなる団体にも協力してやっていきたいと思いますし、もちろん事業者若しくは事業者団体、これまでのチャンネルでお願いしてきた所にも御協力いただきたいと思います。いろいろなチャンネルを使って各方面から地道に周知していくことしか現時点では答えがないのですけれども、御理解いただければと思います。
6ページにあります、注文者が作業場所を管理する者等に対して求めるという部分で、いろいろな注文者が数次の請負契約を経由して行われる場合もあってということですが、これはそのとおりだと思います。ただ、ここで重要になるのは、個人事業者の方に直接注文した人との間で工事契約なり運送契約がなされるわけで、実際作業に従事する人は、それを見てどういう作業かというのを判断するわけですね。そこの中身に、現場に行って、そこに書いてないようなことを急にお願いされたりということがあると、ちょっと当初の条件と違うのではないかということになる。それが災害につながることもあるということです。
したがいまして、あらかじめお示しする条件の中に、実際現場でどういう付随的な作業があるのか、どういう特殊な状況下での作業なのかというのを、注文者の方が、数次でやる場合にはそれを経由してでいいと思いますけれども、実際その作業をする場所を管理する方であるとかその関係者にきちんと確認をして、それを明らかにした上で契約若しくは契約時の明示をすることが重要だろう。そういう考え方で、このフレーズは書いております。したがいまして、ガイドライン等で書く中身については、今申し上げましたようなことを丁寧に示す形になるかと思いますので、御理解いただければと思います。また、具体の記載についても、後々いろいろとアドバイスをいただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。出口委員、追加で御発言ございますでしょうか。
○出口委員 御回答ありがとうございます。特に異論ございませんが、複数の注文者というのが、問題視していたのが、本来であれば、その場を管理する者が、一次の注文者に対して適切な作業場所の状況とか、そういう条件を適切に伝えているにもかかわらず、その下におられる注文者に経由するごとに条件等が異なってくる場合が発生しているのではないかという認識で、発言させていただきました。
○髙田分科会長 ありがとうございます。事務局、よろしいでしょうか。
○主任中央労働衛生専門官 そうですね。最後の6点目の所で言っている内容というのは、今、出口委員がおっしゃったようなところまでは余りカバーしていなくて、むしろ、はっきり決めないで曖昧な状態なまま現場に行って、いろいろ想定外のことをやる必要が生じる。あらかじめ何も言われていなかったけれども、なかなか断ることもできないということでした。ただ、出口委員の御指摘も踏まえて、上流ではしっかり条件を付けてこう言っているのですけど、どこかでその伝言ゲームが途切れて、聞いてないよみたいな話もあるということは認識しましたので、そういう点も含めて、またガイドラインをまとめる際には検討していきたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございました。会場の委員は、よろしいでしょうか。オンラインの委員につきまして、チャットの書き込みがないということでよろしいでしょうか。
○宮内委員 すみません。宮内ですけど。
○髙田分科会長 宮内委員、御発言、お願いいたします。
○宮内委員 一つ、発言させていただくのは、安衛法第3条の3項の所の建設工事に限定をしないということです。ここは非常に、今回ポイントかと思っています。というのは、ほかにどういうのがあるかといろいろ調べていたのですけれども、例えば、これ違うかもしれませんが林業とか農業とか、やはり現場にいろいろな人たちが集まって、雇用関係も複雑になっているようなことは結構増えているということで、事故もかなり出ているということ。あと、例えば卸売市場も当てはまるかと思うのですけれども、出荷者が正に個人で、車で中に入って荷下ろししてセリをする。売買取引をやるような方たちがたくさんいらっしゃる。そういう中で非常に多くのものが流通していて、機械も什器も使ったり、乗り降りするようなものがあったり、非常に交通上も危ないチャンスがあるということ。特に消費者も最近そういう所に入ってきたりするということで、正に責任体制、それから、今言った作業の仕方や作業条件みたいなところを明確にしてあげないといけないかなと思いました。作業環境も基本的に建物の管理下におかれていますけれども、十分な作業環境の中で、こういった卸売市場で行われているかどうか分かりません。
そういうことも今後はしっかりと周知して、当然のことながら同じような状況で、建設業だけではなく、リスクのあるところに関しましては、しっかりとガイドライン等で示して徹底させることが重要だと思います。国際的にも、こういう考え方というのは当然広まってくることかと私は思っています。ということで、是非重点的にこの辺は周知いただきたいと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの宮内委員からの御発言につきまして事務局、お願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御指摘ありがとうございます。いただいた点、正にそのとおりだと思います。今回御説明させていただいたカテゴリにおきましては、注文という行為に着目して6つ目の論点で書かせていただいております。後ほどまた担当の方から御説明する論点の中には、建設業や造船業とか、業種に関わらない、作業に着目した混在による災害防止、複数の事業者、作業者の方が使用する機械若しくは建物や建築物といった物に着目したような規制についても、現行の安衛法であるものをどう見直すかという部分は論点として挙げております。そういったものをトータルでやっていくと、今宮内先生から御指摘があったようなところに少し前向きな対応ができるかと思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。宮内委員、よろしいでしょうか。
○宮内委員 はい、了解しました。
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、この論点につきましては、ほかに御発言ございませんでしょうか。ありがとうございます。
では、時間が押しておりますけれども、次の論点カテゴリ、7ページから始まります「建設業等における混在作業現場における連絡調整」について、前回からの検討事項と合わせて事務局から御説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 事務局より説明いたします。まず、「建設業等における混在作業現場における連絡調整」の「個人事業者等の安全衛生対策のあり方に関する検討会報告書」に関しては、安衛法第30条及び第30条の2に基づく混在作業による労働災害を防止するための統括管理の対象に個人事業者等自身が入ることを法令上明確化すべきと記載しております。この第30条と第30条の2の反射規定は、前回からの継続検討事項ですが、安衛法第32条では、この統括管理に服する関係請負人やその労働者などが、統括管理に基づく指示等をちゃんと遵守しなければならないと決められております。そのため、この規定についても個人事業者等も実施する必要がある旨を明確化するというのが、この検討会報告書の内容です。
9ページ、論点と対応案です。まず1つ目、先ほど来申上げました、安衛法第30条と第30条の2に基づく混在作業による労働災害を防止するための統括管理の対象に関しては、個人事業者等をどのように位置付けることが適当かということで、対応案としては、個人事業者等であっても、元方事業者の統括管理する「一の場所」において混在作業を行う場合には、「混在作業による労働災害」に影響を及ぼすおそれがあることから、規定上、混在作業における元方事業者の統括管理を対象に含まれることを明確にすべきであると示しております。
また、論点の2、3点目、この統括管理の反射規定について、個人事業者等に関してどのように扱うべきかです。この、義務付けられた措置を遵守しなかったことによる被害の程度に関しては、遵守しなかったことにより混在作業時に周囲の労働者に対しても被害を及ぼす可能性があることから、個人事業者等が講ずべき措置については、関係請負人や労働者に実施が義務付けられているものと同一としてはどうか、また、被害の程度も考えると、罰則についても関係請負人や労働者に対するものと同等としてはどうかというところです。
次ページに論点の1つ目について補足の図があります。現行の規定ですが、まず左上の図を御覧ください。特定元方事業者と関係請負人の労働者が混在作業を行っている中で、1つの現場に個人事業者が入っています。これに関して、現行の建設業界等では、この人たちは個人事業者だから統括管理の対象外だという扱いは当然してないと思います。また右側の図のような形で、労働者と混在している場合は、きちんと協議や連絡調整などをしているかと考えております。そのため、今般の見直しにより、個人事業者を統括管理の中に含むことを明確にすることにより、現状で行っていただいていることを法令上明確化していきたいと考えております。説明は以上です。
○髙田分科会長 説明ありがとうございます。ただいま、論点3つと、その対応案について御説明いただきました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員につきましては、御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。まず会場の委員で御発言のある方、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 御指名ありがとうございます。9ページの対応案○の1に、個人事業者等であっても、元請事業者が統括管理する「一の場所」において混在作業を行う場合には、規定上、混在作業における元方事業者の統括管理の対象に含まれることを明確にしてはどうかとあります。まず建設業では、工事現場において個人事業者と労働者の区別なく安全管理を実施しております。既に統括管理の対象に含んで作業を実施しているという認識でございます。
対応案にある○の2、○の3、「個人事業者等が講ずべき措置については、関係請負人や労働者に実施を義務付けられているものと同一としてはどうか」。義務付けた措置を実施しなかったことに関する被害の程度は、関係請負人や労働者が労働者保護の観点から講ずべき措置を怠った場合と同様であることを踏まえれば、罰則についても関係請負人や労働者に対するものと同等のものとしてはどうかとあります。個人事業者が義務付けられた措置を実施しなかった、講ずべき措置を怠った場合に、個人事業者等に罰則を設けること自体については異論はございません。しかし、個人事業者等に注文者の責任の明確化、混在作業関係で講ずべき措置、また罰則等は、これらの内容を理解して実施するためには、国や行政が施策をもちいて、十分な時間をかけていただき、教育の受講や資格の取得など、個人事業者等の安全意識の向上、知識の定着が図られたことを確認した後に、混乱が生じるような過度な負担をかけずに進めていただきますよう、お願いいたします。
また、10ページのポンチ絵ですが、スペース的にこのようなポンチ絵になったと思うのですが、見直し後の下段の右端の「特定元方事業者」、その下に関係請負人(個人事業者等)という形で、1次下請けのポジションで個人事業者が横に3つ並んでいます。しかし、建設現場でこういう施工体制になることは少なく、2次以降に個人事業者等がはいる形が多いので、実態に合わせ2次、3次の下請けに入るポンチ絵を描いていただくほうが分かりやすいのではないでしょうか。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、会場で御発言はありますでしょうか。山口委員、お願いいたします。
○山口委員 9ページに対応案が2つありますが、それに対しての意見を申し上げたいと思います。1つ目の、上の対応案ですが、賛成の立場です。個人事業者が元方事業者の統括管理の対象に含まれる旨、これは、加えて条文を書き換える形での明確化を図るべきではないかと考えております。下の対応案についても異論はございませんが、これまで労働側の委員が発言してきたように、周知の徹底が重要だと思っております。また罰則の在り方については、これまで何度も労働側の委員が申し上げておりますが、全体的なバランスを踏まえて検討がなされるべきであること、また周知が行き届くまでの罰則の適用に関しては、本日の事務局答弁においても検討したいとありましたので、引き続きの検討、また本分科会での議論をお願いしたいと思っております。以上でございます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほか、御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、ただいまの出口委員と山口委員からの御発言について、時間もありますので、短めに回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 ありがとうございます。それでは、出口委員からの御質問について回答します。個人事業者に対して新たな反射的な義務を請負人と同様に設けるということで、それについては、ちゃんと知識が定着したことを確認してからという御指摘でした。しっかり周知等を図るつもりであることは間違いないのですが、資料の15ページを見ていただいても分かりますとおり、ここで言うところの、もともと関係請負人等にお願いをしていた事項というのが、元方事業者により講ぜられる措置に応じて必要な措置を講じるということなので、何か自主的に独自に新しいことをということではないので、もちろんしっかり周知は図るつもりなのですが、こういう位置付けの措置であると、反射的な措置であるということをまず御理解いただければと思います。
あとポンチ絵の部分については、御指摘のとおり、スペースの都合上こういう形になっておりますので、何か制度の見直しをなされて周知を図るというときには、実際の状況に近いような形で受け入れやすいものにしていくことも検討したいと思います。
続きまして、山口委員からの御指摘です。位置付けを明確にする上で条文を書き換えてということですが、これはテクニカルな話ですが、なかなか条文を変えないと難しいので、そういうことになるのではないかと思っております。その方向で検討していきたいと思います。
あとは、周知の徹底や罰則についても、十分な周知期間、猶予ということですが、これは先ほど別の論点で御回答させていただきましたとおり、御指摘も踏まえて、しっかり対応していきたいと思います。またこの分科会においても引き続き御議論いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの回答について、出口委員、山口委員から追加で御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインの委員につきましてはチャットの書き込みはないようですが、御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。そのほか、会場で御発言のある委員はいらっしゃいますでしょうか。
ありがとうございます。それでは、続きまして、次の論点に移りたいと思います。17ページからあります、「建設業等以外の業種の混在作業場所における連絡調整」について、事務局から説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 建設業等以外の業種の混在作業における連絡調整についてです。検討会報告書の内容としましては、先ほど説明いたしました統括管理に関しては、建設、造船、製造の限られた業種の所でやっております。これ以外の業種、あるいは業種間の混在している「一の場所」において混在して作業が行われる場合には、その場所を管理する者に対して、混在作業による労働災害を防止するための措置を義務付ける、また、具体的な措置内容はガイドライン等で示す。また、個人事業者を含む混在作業に従事する者には、必要な協力を求めるというところです。
ここで、論点としましては、新たな制度を作るということですので、これらは「一の場所」、「当該場所を管理する者」、「混在作業に従事する者」の範囲についてきちんと決めなければいけません。あと、この「当該場所を管理する者」や「混在作業に従事する者」の実施内容について考える必要があります。また、「一の場所」において行われる混在作業に関しては、先ほどの建設や造船や製造と違い千差万別でありますし、場所を管理する者の位置付けについてもまたいろいろな位置付けがありますので、法令に基づいて一律に措置を義務付けることは困難だと思われますが、罰則の有無を含めて、どのように法令上の位置付けを考えるべきかが論点の3つ目です。
対応案に先立ちまして、この「場所を管理する者」の考え方について、18ページを御覧ください。現行規制、新たな制度の2つに分けております。まず一番上です。建設業、造船業に関しては、当然、比較的災害発生率も高く、また重層下請構造が多いということですので、特定元方事業者に対して義務付け、罰則もあり、また措置に関しても、統括安全衛生責任者の専任をはじめとして、多くの義務付けがあります。
また、その下の製造業の請負作業に関しては、建設や造船ほどではないですが、災害の発生リスクも高いということですので、作業間の連絡調整を元方事業者に対して義務付け、罰則も付けております。ここで対応案として、後ほどお示しする新たな制度の中で、これら建設、造船、製造に準じた危険性が高い作業に関しては、罰則適用も含めて義務化を検討いたします。作業場所を管理する者による措置としては、現行規制に準じた措置として、作業間の連絡調整や混在による労働災害を防止するために必要な措置を考えているところです。また、危険性が低い作業や、あるいは請負関係にない者による作業の混在などに関しては、混在作業を行う当事者間での協力、また、作業場所を管理する者がいない場合についても同様に、混在作業を行う当事者間での協力などをお願いしたいと考えているところです。
次の19ページを御覧ください。現行の制度と見直し後のポンチ絵を作らせていただいています。現行に関しては、当然、事業者の皆さんは、事業場における労働災害防止のために安全衛生管理を日々徹底されていると思います。ただ、事業場の中に、運送業を例にとっておりますが、出入りの業者が入ってきた場合、事業者の労働者と出入り業者が混在する場合は、これは事業者による安全衛生管理の対象外となっております。そのため、この混在作業による労働災害の防止のために新たな枠組みを作りまして、「一の場所」における混在作業に対応したいと考えております。
続いて20ページを御覧ください。統括管理の対象となる業種です。ここでは建設業などを例に取っていますが、ここで建設業以外の仕事、例えば運送業などの人が建設現場に入ってきた場合、これに関しては統括管理の対象外となります。そのため、新たな枠組みによって業種、仕事を超えた混在作業に対応してまいりたいと考えております。
これらを踏まえ、21ページから論点とその対応案についてお示ししております。まず「一の場所」の範囲に関しては、これは安衛法第30条や30条の2において解釈が示されております。「一の場所」の範囲については、請負契約関係にある数個の事業によって仕事が相関連し混在的に行われる各作業現場ごとに、「一の場所」として取扱われるのが原則となっておりますので、これをベースに、通達により解釈を示すこととしてはどうかと考えております。
また、「当該場所を管理する者」に関しては、混在作業が行われる場所を管理し、また当該場所において労働者を使用して作業を行っており、かつ、労働災害防止に必要な措置を主体的に講じ得る立場であることが求められると考えておりますので、これら3つの要素を全て満たす事業者としてはどうかと考えております。
「混在作業に従事する者」に関しては、その場において何らかの作業に従事する者(個人事業者等を含む)とすることとしてはどうかと考えており、当然、似たような条文になると思いますが、安衛法第30条等の統括管理の対象との違いは明確化したいと考えております。
続いて22ページを御覧ください。「一の場所」において行われる混在作業は、当然特定の事業に限定されるものではないので、当然のように必要となる措置は千差万別になると考えています。まず、場所を管理する事業者が実施すべき措置に関しては、建設や造船などを参考に、作業間の連絡調整を行うべきことを法令上明確化し、その他の措置に関しては、建設や造船、製造などで指針がありますので、実態に即した内容をガイドライン等により例示してまいりたいと考えております。
また、「混在作業に従事すべき者」が実施すべき事項に関しては、建設業等の請負人に義務付けられている事項を参考に、この場所を管理する事業者が講ずる措置への協力というのを法令上明確にしてまいりたいと考えております。また、その他の措置に関しては、当然千差万別ですので、ガイドライン等により例示してまいりたいと考えております。
続いて23ページを御覧ください。混在作業の「当該場所を管理する者」に対する罰則を含めた法令上の位置付けをどのように考えるべきかです。まず、当該場所を管理する事業者が実施すべき事項を作業間の連絡調整を基本とする場合、この「混在作業に従事する者」が行う作業に一定程度の制約を課すことが必要になると考えております。そのため、両者の間には請負契約などの関係性が存在することが必要ではないかと考えております。
また、「当該場所を管理する者」が事業者や「混在作業に従事する者」に法令上の義務として作業間の連絡調整などの実施を求める場合には、「当該場所を管理する者」が行う作業と、「混在作業に従事する者」が行う作業それぞれについて、災害実態を踏まえ、対象を限定する必要があり、罰則を設けるとしたら、上記の関係性、請負契約などがあることや混在作業による危険性を踏まえ、検討する必要があるのではないかと考えております。
この請負契約がなく、連絡調整の措置を行い得る者ではない場合や、災害リスクが高いとはいえないような作業を行っている場合、あるいは当該場所を管理する事業者が存在しない、場所を管理するのは個人だったりする場合もあると思いますが、そういう場合についても作業を行う者が相互に協力し、「一の場所」において行われる混在作業による労働災害の防止に取り組む必要がある旨を法令やガイドラインにより明確にしてはどうかと考えております。説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。ただいま、論点3つと、その対応案について御説明いただきました。本件について質問、意見等ある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については、御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。会場から、中村委員、お願いいたします。
○中村委員 私のほうから2点ほど発言したいと思います。まず1点目ですが、21ページです。この事案はILO155条約の批准の観点からも、大変重要な見直しであり、早期批准の観点から適切に対応していく必要があると思っています。その上で、対応案の2つ目の○について。当該案には3つの要件が列挙されていますが、これらの要件を全て満たす事業者と記載されています。この中の、当該場所において労働者を使用して作業を行うことについてお伺いしたいと思います。一時的に労働者がいない場合、例えば、事故が起きた際に労働者が不在であっても、普段労働者がいるような場合は、当然にこの要件を満たすものと考えてよいかどうか、まず確認したいと思います。
その次、22ページです。対応案①ですが、作業間の連絡調整等行うべきことを法令上明確にすると記載されています。17ページに記載の、この検討会報告に「場所を管理する者に対しては、混在作業による労災防止のための措置を義務付ける」とあることを踏まえれば、条文上明確にするとともに、罰則の適用も視野に建設業者との元方事業者に義務付けられる事項に準じて検討すべきではないか、と思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そのほか、会場の委員で御発言はありますでしょうか。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。まず、21ページにあります、建設業等以外の業種の混在作業場所における連絡調整、こちらはただいま中村委員からILO155号条約批准の観点から大切との御指摘がございました。私も全く同感です。
23ページにつきまして、コメントと質問をさせていただきます。対応案の1つ目の○ですが、措置義務を考える場合、既存の元方事業者に対する規制と同様に、作業場所を管理する事業者と、混在作業に従事する者との間に請負契約があることが求められると思います。その上で、対応案の3つ目の○にある罰則の範囲については、請負契約の存在に加えて、混在作業による危険性がある就業制限業務、あるいは危険有害業務であることを要件とすべきと考えます。これは意見として申し上げます。
その上で質問です。例示された請負契約等、こちらの「等」として何を想定されているのかお伺いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、会場から、小澤委員、お願いいたします。
○小澤委員 ありがとうございます。小澤です。同じく23ページですが、対応案の2つ目の○の所で、作業間の連絡調整についてです。当該場所を管理する者が作業間の連絡調整をする分には普通かなと思うのですが、混在作業に従事する者、一般的には、複数いた場合、どちらがやるのだということになって、一般的には大きい会社とか、メインの工事をやっている会社がやると思うのですけれども、例えばこれが個人事業主同士とかになった場合、しかも、その現場に当該場所を管理する者がいない場合、個人事業主同士で調整するというのは、かなりそれは難しいのではないかと思いまして、その辺をどう考えるのかというところで、先ほど、フリーランスとの対話をするチャンネルがあると聞いたのですが、そういう所からも意見を聞いて、何か対応案を決めたらいいかなと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そうしましたら、ただいまの中村委員、鈴木委員、小澤委員の御発言について事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございます。中村委員からの御指摘で155号条約の関係はそのとおりだと思いますので、我々としてもしっかり取り組みたいと思いますが、2点目の御指摘の作業間の連絡調整について、混在作業の措置を建設業等の特定元方事業者、若しくは製造業の元方事業者に準じたようなしっかりとした措置をということです。こちらについては先ほどピラミッドのような絵がありましたとおり、もともと安衛法ができた当時はこうした混在作業が請負関係の下、1つの場所で行われるというのは建設業や造船業ぐらいしかなかったわけで、そこを法令でやっていた。いろいろ産業構造も変わってきて、構内下請のようなことも出てきたので、平成17年、18年頃に安衛法が改正されて、この製造業の関係というものも入ってきた。
また、最近はこういう業種だけで見るのではなくて、いろいろな業種をまたがる混在やこれら以外の業種でもいろいろな混在もありまして、実際そういう災害も起きている。一方でILO155号条約のようなものもありますので、作業の混在ということに着目して、そういう国際的なスタンダードに近付けるような形で、我々としてはこういう形でまとめていきたいと思っているというところです。したがいまして、作業の混在の危険度があって、それが請負関係の下、1つの場所で行われるということであれば、ピラミッドの所で赤や黄色に準じたような形でしっかりやっていただきたいということで、検討を進めていきたいと思っています。
鈴木委員からありました23ページの所、「請負契約など」と書いてあります。その「など」の部分について具体的に何を想定しているかですが、これは基本的な請負をメインで想定しているのは間違いないのですが、例えば契約の名称が請負契約ではなくても、実際は請負と同じようなことをやっているなど、若しくはよく建設業などであります材工一括といって、材料もリースするし、それを現場で設置することもリース契約の中に含めてやる。ただ、実際は請負と同じような形で、仮設、機材をリースしつつ作業するというような形もありますので、そういった部分というのは名称だけで外すというのもいかがなものかという、そういう思いでこのような形で書かせていただいているところです。
最後、小澤委員からの御指摘です。混在場所を管理する人がそもそもいないような場合、そういう場合に、では誰が音頭を取ってやるのかということです。こういう部分については御指摘いただきましたように、個人事業者関係の団体さんにもいろいろ意見を聞きたいと思いますし、あとガイドラインをお示しするときに、これは私個人的なジャストアイデアですが、例えば個人宅でたまたま居合わせた作業者が混在するというような場合については、義務などそういうことではなくて、そういう個人宅の方、若しくはその場所を管理している事業者ではなくても、その場所を管理している方が間に入ってあげることが望ましいというようなことは書けるのではないかなと思います。そういったところも、関係団体などの意見も聞きながら、実態に合った形でお示しさせていただきたいなと思っています。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの回答について、中村委員、鈴木委員、小澤委員、何かありますか。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 分かりやすい御回答を頂きありがとうございました。「等」の想定については、請負と同じような契約ということで、売買契約等は入らないと理解したところです。ありがとうございました。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そうしましたらオンライン参加の委員について、宮内委員がチャットで書き込まれていますが、御発言をお願いいたします。
○宮内委員 簡単に、先ほど建設以外の業種の混在作業場については、御回答いただきましたので理解できているのですが、1つだけ。いろいろな作業で見てもたくさんあって、なかなか枠付けするのも難しいような気もします。例えば最近はイベント会場の設営など、非常に多くの人たちが関わって、また観客が関わるような、こういったものも出てきていますので、なかなか今までの建設業のやり方だけで、うまくいくかどうかも分からなくなってきているかなとちょっと私は思っています。そういう際に是非、まず丁寧に現状を把握いただきたい。それから、そういった個人事業者たちの団体なども含めて、情報をまず集めていただいて、例えばそのチェックリストのようなものを作るなど、安全衛生の診断みたいなことをまずやってみるなど、何か1つクッションを作って、いきなり法令適用というよりは、安全衛生の指導のようなことをまず前面に出して、やられるほうがうまくいくかなという感じもしました。かなり今までノウハウがないような業界の人たちが、関わってくるところが多いのかなと、ちょっと心配しましたので発言させていただきました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。続きまして、新屋敷委員、お願いいたします。
○新屋敷委員 ありがとうございます。今、見せていただいているスライドの最後の○になるのですが、先ほど御説明していただく中で、当該場所を管理する者が存在しない場合、作業を行う者が相互に協力しというふうにあるのですが、管理する者がいないという場合に、他方で何かそれぞれがお見合い状態になってしまうようなことがあるのではないかなと考えました。何か特定の人に責任がないということに対して、ないような場合に、ではかえって、みんなはそれぞれしなくていいよねというふうに、なってしまうような危険もあるように思いましたので、それに対してどのような対応を考えて、ガイドライン等に含めると考えていらっしゃるのかという点について伺えればと思いました。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほかにオンラインで御発言希望の委員は、いらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、ただいまの宮内委員と新屋敷委員の御発言について、事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 ありがとうございます。まず宮内委員からの御指摘ですが、今回、法令で比較的きっちりやろうとしているものというのは、これは繰り返しになりますが、請負契約で接続されている関係柄がある中で、作業についても危険性や有害性が高い特定の作業に限定する。これを建設業や製造業に準じるような形で、連絡調整等の義務を課していこうということが1つです。逆にそれ以外については、相互協力のようなことを軸にした取組ということになりまして、比較的緩やかな措置ということをお願いする。
ただ、御指摘のとおりこの部分は組合せは本当に無限にありますし、何をやればいいかということも法令でぎぢぎちに定めるということは難しいと思っています。したがいまして、その枠組みというのは仮に法令等で書いたとしても、実際にどういうことをやるかみたいなことは、ガイドライン等でお示しすることになると思います。先ほど御提案があったチェックリストのようなものは、これはガイドラインの中に盛り込むというのはいいアイデアだと感じました。こういう状況がありますか、だったらどうしてくださいというようなステップバイステップでやるような形というのは、理解も得られやすいかなと感じましたので、今後、そういった視点も含めて検討していきたいと思います。
続きまして、新屋敷委員からの御指摘です。今、言った点についても多少関係あるかと思いますが、相互協力のような形でその場を仕切る人がいない場面で、たまたま複数業者が居合わせた場合、どうするかというところです。確かにお見合いになってしまうようなケースというものも懸念されると思います。先ほども少し触れさせていただいたのですが、仮に管理する事業者に該当するような方はいないのですが、そこが例えば個人宅なり、管理する事業者ではないのですが、そこの場所を管理する方がいるような場合、そういう場合については音頭を取ってといいますか、間に入って調整の橋渡しをしていただくことが望ましいという形で、推奨していくということが1つのアイデアとしては今、考えているところです。
あと、それ以外についても当事者団体の意見も聞きながら、たまたま相互に居合わせた場合、どうしましょうかという話はよく現場の意見も聞きながら対応していきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございした。ただいまの回答について、宮内委員、新屋敷委員、追加で御発言はありませんか。
○宮内委員 特にありません。ありがとうございます。
○新屋敷委員 ありがとうございます。何か先ほど検討会の報告書でも御指摘があったと思いますが、何ていうか自分たちの行動が、かえって指揮命令として理解されるかもしれないので、余り立ち入った介入をすることがないようにしなければならないというふうな意識が現場であるというふうに伺っていました。そうすると、このような最後の○に書いてある今、御説明いただいた所で大分すっきりしたところもあるのですが、やはり他方で一定のその場を管理する人が何か介入をすると、そこに自分の責任が発生してしまうなど、何かほかの責任に触れてしまうのではないかということを懸念して、控えるといったようなことも現場で発生しそうだなというふうに予測しました。そのような経験がある以上は、何か中心的な責任を誰が持っていかなければいけないのかということを、やはりはっきりさせるような基準やガイドラインを示していただきたいと思いました。
○髙田分科会長 ありがとうございます。事務局から追加でありますか。
○主任中央労働衛生専門官 いただいた御指摘も踏まえて、制度化、若しくはその具体的な運用に当たっては検討していきたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 ご丁寧なご説明ありがとうございます。内容については、しっかり理解しているつもりではあるのですが、実際のところ23ページの○の3と○の4の所について、罰則規定やガイドラインで示すという所で、少し確認をさせていただきたいと思います。個人事業主の方が、有害業務、例えば化学物質などを使うときに、近傍の労働者への周知など、ここは誰が指導していくのかと言う様な所も、必要ではないかと思います。危険有害業務についての罰則や、使用についての横展開のようなものと、それから確認ですが、ガイドラインにある横の繋がりでお互いに注意を喚起するというこの部分は、今後、議論になるということでよろしかったでしょうか。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほか会場で御発言は、山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 2点発言させていただきます。まず1点目は、対応案の○の3つ目です。罰則の関係については、請負関係などがある場合は作業間の連絡調整は当然に実施されるべきであると思っていますので、義務違反がある場合には罰則付きとすることを原則とすべきではないかと思います。少なくとも就業制限業務、あるいは危険有害業務の場合には罰則の定義は不可欠だと考えています。もう1つ、○の4つ目について。これは155号条約の批准にも関係してくるところかと思いますので、この155号条約を確実に批准する観点から、対応案では法令あるいはガイドラインと書かれていますが、法令上でしっかりと記載を是非していただきたいと思っています。
併せて、先ほど新屋敷先生から御提起のあった誰が主体的にやるのかというところは、しっかりと議論しておく必要があるのではないかと思っています。従来の建設、あるいは製造業という枠を越えて、複数の「業」が混在する中で、連絡調整を行うということになりますので、職場に混乱が生じないよう、事業者との連携の下、しっかりと周知徹底を図っていただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。そうしましたら、七浦委員と山脇委員の御発言について、事務局から回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 まず、七浦委員からの御指摘です。2つあったと思いますが、1つは個人事業者が有害な業務を混在作業場所である事業場でやる場合ということですが、これはその個人事業者が何らかの有害作業の一部を請け負っているという形になるのだと思います。その事業場の事業者が、一部請け負っている。ということになると、これは全然、別の論点になるかもしれないのですが、例えば有害業務であれば安衛法第22条の関係で、事業者は有害な作業の一部を請負人に請け負わせる場合には、保護具であったり、作業方法であったり、場合によっては立入禁止であったりということをやっていただくことになりますので、その枠組みの中で事業者主導でやっていただくということが、まず1つかなと思います。
あとガイドライン、その相互協力も含めた具体的な措置のガイドラインについては、今後、また関係団体の意見なども聞きながら、ある程度の案をまとめたものについては分科会においても、また御意見を賜りたいと思っています。
続きまして、山脇委員からの御指摘です。1点目については、義務違反には罰則付きでしっかりということでした。御指摘を踏まえてしっかり検討していきたいと思います。
2点目について、条約批准も踏まえて法令上位置付けをということですが、その辺りは条約の批准のための担保法令がどのレベルを求められるのかというところも、念頭に置きながら検討を進めていきたいと思います。
あとは、誰が主体的にやるのかという部分ですが、こちらについても先ほどの新屋敷委員からの御指摘も踏まえて制度化、具体化する際にはそういったところを念頭に置いて、関係団体の意見も聞きながら、進めていきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。七浦委員、山脇委員、追加で御発言はありますか。よろしいでしょうか。そのほか御発言がある委員の方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
時間が押していますが、次の論点カテゴリの説明だけさせていただきたいと思います。最後の論点カテゴリになります。26ページから始まる「特定事業の仕事を自ら行う注文者の講ずべき措置等」について、事務局から説明をお願いいたします。
○計画課課長補佐 手短に説明します。このカテゴリに関しては、安衛法第31条、第31条の1、第31の3について、その対象が労働者、あるいは労働災害を防止するために必要な措置であるところを、労働者に限定しないというところを検討会の報告書で書いています。それぞれの条文について、構成は同じなのですが、条文が想定する場面と検討の視点が違うというところですので、次の27ページを御覧ください。まず31条に関しては、これは建設物等というのは大体、足場などを示していますが、その元請が足場を設置して、下請業者に対して使わせるという場合に、その足場等の労働災害防止措置をしなければならないというところです。これに関して、下請の労働者であろうが、個人事業者であろうが関係ないというところですので、検討の視点の①とさせていただいているところです。
検討の視点の②、31条の2に関しては、これは化学設備の改造に当たっての論点です。その化学設備の改造を注文した場合、その化学設備にどんな化学物質が入っているかというのが分からないと危険が生じますので、その化学物質がどんなものが入っているのかということを、きちんと注文者から情報提供を受けて、下請負人が何次にわたってでも、きちんと連絡調整をしなければならないというところですので、そこについて個人事業主が入っていても、そこは変わらないのでは、ということです。
31条の3に関しては、これは建設機械などを使ったチーム作業を想定しています。これに関して、そのチーム作業に個人事業者が入っていた場合にも、その危険性は同様であるため、労働者に限らず個人事業者も対象に含めることとしてはどうかというところです。これらを踏まえて次の28ページです。論点と対応案というものです。
対応案としては、建設物等の使用や化学設備等の改造等、あるいは車両系建設機械等を用いた共同作業による危険性・有害性に関しては、作業者が労働者であるか否かによって変わるものではないため、対象となる者に個人事業者等も含まれることを規定上明確にしてはどうか。ここについて、個人事業者等に新たに義務付ける措置は、31条と31条の2に基づいて、32条で反射規定がありますが、その罰則についてはどうするかというところですが、これらについても注文者が講ずべき措置に関して、個人事業者等が講ずべき措置を実施しなかったことに関する被害の程度は、労働者の場合と変わらないというところですので、罰則についても同等のものとしてはどうかというところです。
また、次のページですが、労働者とは異なる場所において、個人事業者だけで建設物等の使用などを行っている場合においても、これは個人事業者等の災害を防止する観点から、同様の措置を実施することが望ましいというところを、ガイドライン等で示すこととしてはどうかと考えているところです。手短ですが、以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件については、次回、また引き続き議論させていただきたいと思いますが、この場でどうしても御発言がある委員がいらっしゃいましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。そうしましたら、本件については、また次回、議論させていただきます。
本日、各委員から御指摘があった点については事務局で整理をお願いいたします。また、次回以降もこの残された論点、それから引き続き各論の内容についても御議論いただくということで進めていきたいと思います。
ここまでの議題以外で何か御発言はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、これで全ての議題を終了しました。本日も熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。本日の分科会はこれにて終了します。