2024年7月3日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第223回議事録

日時

令和6年7月3日(水)10:00~

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階

出席者

【構成員等】
小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 永瀬伸子委員 本田文子委員 安川文朗委員 鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 奥田好秀委員 長島公之委員 茂松茂人委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員 木澤晃代専門委員


【事務局】
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長 荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

議題

 ○入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について
 

議事

 
○小塩小委員長
 おはようございます。
 ただいまより第223回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について」を議題といたします。
 本日は、同分科会の尾形分科会長にお越しいただいております。
 尾形分科会長より御報告をお願いいたします。
○尾形分科会長
 おはようございます。尾形でございます。
 令和6年6月14日の入院・外来医療等の調査・評価分科会において検討を行いました結果につきまして御報告させていただきます。
 資料としては、診-1-1、診-1-2、それから、診-1-3の順番で御説明させていただきます。
 まず、診-1-1でございます。「入院・外来医療等の調査・評価分科会 今後の検討事項とスケジュール(案)」という形でまとめさせていただいております。
 分科会におきましては、答申書附帯意見に関する事項等につきまして、技術的な課題について専門的な調査及び検討を行うこととされております。
 分科会における技術的な検討課題の議論を、より効率的に進められるよう、分科会の下に専門的な視点からの調査・分析を行う作業グループを設置しております。
 各グループの作業内容につきましては、参考資料、診-1-1参考にお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
 次に「2.令和8年度診療報酬改定に向けた対応(案)」でございます。
 ここに記載しておりますとおり、今後の入院・外来調査の実施分析と併せて、次期診療報酬改定に係る議論を進めていきたいと考えており、作業グループでの検討スケジュール案等を示しております。
 なお、DPC/PDPSにつきましては、答申書附帯意見も踏まえ、DPCデータの検討を行うことを基本としつつ、必要に応じて特別調査を実施することとしてはどうかとしております。
 続きまして、診-1-2を御覧ください。具体的な調査の設計でございますが、診-1-2に「令和6・7年度入院・外来医療等の調査について」というタイトルで概要をまとめております。
 2ページ及び3ページに、今回の令和6年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見のうち、分科会で検討するとされたものを抜粋して列挙させていただいております。
 続きまして、4ページですが、調査項目でございます。上の赤枠で囲っておりますところには、2か年の調査につきまして基本的な考え方をお示ししております。また、そのページの下には調査項目と実施年度をお示ししております。
 5ページ目、6ページ目には、令和6年度及び令和7年度の調査スケジュール(案)をお示ししております。
 続きまして、7ページから15ページまでにつきましては、調査項目・内容(案)の詳細についてお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
 最後の16ページでございますが、ここには調査の回収率向上に向けた取組を整理しております。
 続きまして、診-1-3を御覧いただきたいと思います。賃上げに係る調査・検証について、診-1-3でお示ししているところでございます。
 ここでは、医療機関、歯科技工所、薬局につきまして、それぞれ記載のとおりの方法で賃上げ状況について把握することといたしております。
 簡単でございますが、私からの説明は以上でございます。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 令和6・7年度入院・外来医療等の調査について、入院・外来医療等の調査・評価分科会におかれましては、ご検討をいただきまして感謝申し上げます。
 本日、報告いただいた内容については異論ございません。引き続きのご対応、よろしくお願いいたします。
 その上で、診-1-3、賃上げにかかる調査・検証についてコメントいたします。
 ベースアップ評価料など、診療報酬上の賃上げ対応につきましては、今回改定の目玉の一つですが、医療現場からは届出方法が非常に分かりにくいとの指摘を多くいただいており、厚生労働省とも相談しながら、日本医師会として様々な解説・説明を繰り返し、鋭意、周知しているところであります。6月から施行されたところですが、引き続き、医療機関からの届出・算定がなされるよう、日本医師会として継続的に周知など、働きかけをしていく所存です。
 また、答申書の附帯意見に「実態を適切に把握した上で、検証を行うこと」と明記されておりますので、まさにそのとおり、実態を適切に把握していただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 歯科の立場から、1点だけ要望させていただきます。
 資料の診-1-2の2ページの5でございますけれども、そこには令和6年度の改定の重要項目でありました「リハビリテーション・栄養管理・口腔管理などのアウトカムなどについて、幅広くデータに基づいた分析を行い」云々と記載がございます。
 8ページの「(1)急性期医療及び救急医療に対する評価の見直しの影響について」、また、10ページの「(3)地域包括医療病棟の新設の影響について」などに「口腔管理等の提供状況」と記載されております。この入院・外来医療等の調査・評価分科会には、基本、歯科の委員がいませんので、できるだけ早めの調査設計の段階等で情報提供や意見出しを可能であればさせていただきたく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 御説明いただいた内容については特に意見はございませんが、診-1-3の「賃上げにかかる調査・検証について」は、しっかりと状況を把握したいと考えておりますので、実態把握をよろしくお願いしたいと思います。
 また、診-1-2のスライドの16ですが、効果検証には正確な実態把握が不可欠であり、次期診療報酬改定の議論を進めるに当たっても、より多くの実態把握が必要です。回収率の向上は重要だと考えますので、回答する医療機関側の負担はあると思いますが、医療関係団体の皆様にも御協力をお願いし、回収率を高めていただくようお願いいたします。
 私からは以上です。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 続きまして、オンラインで、鳥潟委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 皆様と同じ御意見で、念押しの意見になりますが、診-1-3の賃上げの実施状況の把握につきまして、複雑な要件ということもあり、各医療機関での賃上げが制度趣旨にのっとって行われているのかを丁寧に把握・分析していただきたいと考えております。
 先ほど長島委員からもおっしゃっていただきましたけれども、私どもも実態を適切に確認していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 続きまして、奥田委員、お願いいたします。
○奥田委員
 それでは、私からは、先ほど佐保委員からも御指摘がありましたけれども、診-1-2の16ページの回収率向上に向けた取組について発言したいと思います。
 まず、今回提示いただいた医療・外来医療等の調査は、本年、診療報酬改定による影響の現状を把握し、引き続き、対応すべき課題などを明らかにして、次回の改定をより適切なものとしていく上で重要な役割を担っていると認識しております。
 そのためにも、より回答しやすい調査内容の検討と回収率の向上は重要でありますので、厚労省の事務局は、非常に大変かと思いますけれども、その点を踏まえて、回収率向上に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 それとともに、医療機関におかれても、通常の医療業務に加えて調査の回答に負担がかかることは理解しておりますけれども、ぜひ調査に一層の御協力をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、尾形分科会長はじめ、入院・外来医療等の調査・評価分科会の皆様には、次回改定に向けた検討を速やかに開始いただきまして感謝申し上げます。
 ただいま御説明いただきました、今後の検討事項、スケジュール案、また、調査項目の内容(案)につきましては、いずれも異論はございません。
 その上で、これから具体的な検討を進めるに当たりコメントさせていただきたいと思います。
 まず、全般に共通する視点として、令和6年度改定で想定したとおりの政策効果が実際出ているのかということです。人口構造や医療ニーズが変化する中で、限られた医療資源を有効に活用し、過不足のない最適な医療が提供されることが必要です。そのために、患者の状態や医療資源の投入量、アウトカムに応じた評価を通じて、外来・入院ともに、機能の分化・強化・連携を推進するのが支払い側の認識です。そうした方向に進んでいるのか、しっかり検証していただき、意図した方法と違っているのであれば、その課題を明らかにすることが次回改定につながるものと考えております。
 個別の課題といたしましては、本日の資料に示されているとおり、答申書の附帯意見に基づいて検討していただくことになりますが、急性期医療の集約化、救急医療管理加算の在り方、宿日直ICUの実態、地域包括医療病棟をしんせい新設したことによる高齢者救急への影響、療養病棟入院基本料の精緻化、地域医療体制確保加算の要件強化による医師の時間外労働への影響、かかりつけ医機能報告制度の施行を踏まえた外来医療の評価について、新たな地域医療構想も視野に入れながら、次回改定に向けて議論すべきと考えております。そうした議論につながるよう、技術的な検討をお願いいたします。
 最後に、資料の診-1-3にございます、賃上げに係る調査・検証についてです。医療機関等の賃上げ対応に関する検証では、ベースアップ評価料の全額が賃上げに充てられているのか、まず、しっかりした検証をお願いしたいと思います。また、初再診料の引上げによる賃上げについては、ベースアップ評価料を算定していない医療機関も対象になりますので、関係団体にも御協力いただきながら、可能な限り、幅広く実態を把握すべきと考えております。
 必ずしも分科会での所掌ではないかもしれませんけれども、事務局において対応を十分に御検討いただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩小委員長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ほかには特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑は、この辺りといたします。
 本日の総会に報告させていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩小委員長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにしたいと思います。
 尾形分科会長、どうもありがとうございました。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の診療報酬基本問題小委員会は、これにて閉会といたします。
 どうもありがとうございました。