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第6回ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ 議事録
日時
令和6年6月19日(水)13:00~15:00
場所
AP虎ノ門
(オンラインとのハイブリッド開催)
(オンラインとのハイブリッド開催)
議題
- 意見交換
- 今後の議論の進め方
- その他
資料
議事
- 議事内容
- ○松浦医療イノベーション推進室長
それでは、定刻になりましたので、ただいまより第6回「ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、五十嵐構成員が欠席、神里構成員と小崎構成員が途中退室の予定と伺ってございます。
続いて資料の確認をさせていただきます。
資料は、厚生労働省のウェブサイトに掲載しております。議事次第、資料1から資料4、参考資料1から参考資料4までございますので、御確認いただければと思います。また、本ワーキンググループは公開としており、議事録については、各構成員に確認の上、後日公開いたします。
事務局より簡単に会議の進め方について説明させていただきます。適宜御発言がある際に挙手をお願いいたします。オンライン出席者におかれましては、画面上の「手を挙げる」ボタンを使っていただければと思います。また、こちらの会場のほうから御指名させていただくような形にしますので、名前をおっしゃられてから御発言をいただければと思います。
御発言されていない間は、マイクをミュートにしていただくようお願い申し上げます。また、時に音声等不安定になるような場合もございますので、場合によっては、一旦ビデオをオフにするなどの対応を試みていただくようお願いいたします。傍聴に際しては、携帯電話の音の出る機器については、電源を切るか、マナーモードに設定をお願いしたいと思います。
それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。以降の運営を座長にお願いいたします。
○中釜座長
本日もよろしくお願いします。座長の中釜です。
お手元の議題に従って進めさせていただきます。まず、議題1、意見交換となっていますが、意見交換に際して、厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課及びがん・疾病対策課、さらには文部科学省から資料が提出されておりますので、関係府省庁からの説明の後に各構成員からの御意見をいただきたく存じます。
最初に、難病課からの説明をお願いいたします。
○中村難病対策課長補佐
難病対策課でございます。
では、資料おめくりいただきまして、「難病対策の経緯」ですけれども、我が国の難病対策ですけれども、昭和39年頃にスモンの発生が社会問題となったことを背景に原因究明や治療確立に向けた研究事業を開発したことを契機として始まった。それ以降、我が国では難病対策要綱に基づき調査研究の推進や医療費の助成等を実施してきたということがございます。
そして、次おめくりいただきまして、平成26年ですけれども、難病の患者に対する医療等に関する法律というものが成立いたしまして、こちら、難病法では、難病患者の良質かつ適切な医療の確保、療養生活の質の維持・向上を図ることを目的として、基本方針の策定、公平・安定的な医療費助成制度の確立、調査研究の推進、療養生活環境整備事業の実施等の措置について規定してございます。
次おめくりいただきまして、こちらが法の施行後5年以内をめどとして見直しをするという規定があったところでして、こちらの難病法を含む改正法というのが令和4年に成立したところでございます。
難病法に関するところは赤字にしております4.と5.のところに記載がございますけれども、1つ目としまして、難病患者さんの医療費助成ですけれども、申請に係る書類の手続に一定時間かかることもあったということで、重症化したと診断された日に前倒しができるようにするという規定ですとか、あるいは、各種療養生活支援が円滑に利用できるようにということで、登録者証を発行するですとか、その療養生活支援の強化、また、その申請の際の手続に必要な書類を格納した難病データベースというものがございますけれども、こちらを障害福祉サービス等や難病患者等の療養生活の質の向上に資するため、第三者提供の仕組み等の規定を整備するということが改正の内容として加わっております。こちらは令和6年4月1日に全部施行となっているところです。
次おめくりいただきまして、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」というもの、こちら、難病法で定めることが規定されているところですけれども、この中で、第三としまして「難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項」としまして、新たな技術の進歩を踏まえて、難病についてできる限り早期に正しい診断が可能となるよう研究を推進するとともに、遺伝子診断等の特殊な検査について、遺伝カウンセリングを実施すること等の倫理的な観点も踏まえつつ、幅広く実施できる体制づくりに努めるということを記載してございます。
また、第六としまして、研究開発の推進に関する事項ですけれども、こちらも、難病の病態解明ですとか早期の診断、また治療法の開発等の研究開発を推進するということを規定してございまして、特に難病は希少で症例数少ないという制約のもとで、なかなか開発が進みにくいということもございますので、そのような開発が進みにくい医薬品の研究開発を積極的に支援するということも記載してございます。
おめくりいただきまして、難治性疾患研究事業ということで、難病に関する調査研究ですけれども、大きく2つございまして、難治性疾患政策研究事業、いわゆる厚労科研と呼ばれるものですが、その中で診療体制の構築ですとか疫学研究、普及啓発等を行う。そして、AMEDのほうで難治性疾患実用化研究事業では創薬等の治療方法の開発・実用化を目指すということになっておりまして、こちらの両研究事業は連携しながら調査研究を進めているところでございます。
おめくりいただきまして、次ですけれども、ゲノム医療と言ったときに、このAMEDの「難病のゲノム医療実現に向けた全ゲノム解析の実施基盤の構築と実践」という研究班がございまして、この中で、多くの先生方に御協力いただきながら、難病の全ゲノム解析等を実施しているところでございます。
おめくりいただきまして、次は「難病の医療提供体制の構築に関する経緯」ということですけれども、難病の医療提供体制については、平成28年10月に難病対策委員会において「難病の医療提供体制の在り方について」を取りまとめ、その構築に係る手引き・ガイドを都道府県宛てに通知したところです。そして、平成30年度から各都道府県において難病診療連携拠点病院を中心とした新たな難病医療提供体制を推進するとともに、国において難病医療支援ネットワークの整備・推進を図っているところです。
おめくりいただきまして次ですけれども、「難病の医療提供体制のイメージ」ということです。できる限り早期に正しい診断が受けられ、診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制を整備するため、都道府県が指定する難病診療連携拠点病院や難病診療分野別拠点病院が中心となって、難病医療支援ネットワークと連携しながら難病患者に対する相談支援や診療連携、入院調整等を行う体制の整備を行うこととしております。
次おめくりいただきまして、次は難病の相談支援に関することですけれども、療養生活環境整備事業の中で難病相談支援センター事業というものがございまして、難病相談支援センターですけれども、難病の患者の療養や日常生活上の様々な問題について、患者・家族・その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供・助言を行う機関である。現在、都道府県指定都市におおむね1か所設置されており、難病の患者等の様々なニーズに対応するため、地域の様々な支援機関と連携して支援を実施しているところです。
次ですけれども、おめくりいただいて、難病相談支援センターの運営形態別の設置状況ということで、難病相談支援センターの運営形態には大きく分けて3つのタイプがあるということで、医療機関、委託、自治体直接運営、患者支援団体委託、その他ということでありますが、患者支援団体委託のものが多いという状況にはなっております。
おめくりいただきまして、難病患者の相談支援センターへの相談内容ですけれども、内訳を見ますと、自分の病気やその症状との回答が7割、医療費に関することという回答が約5割ということです。
おめくりいただきまして、運営形態別の相談人員の確保状況ですけれども、運営形態別に相談人員の配置状況を見ると、医療機関委託では、その他の専門職、社会福祉士、精神保健福祉士等が多く、また自治体直接運営では医療圏の職種、保健師、看護師、医師が多く配置されているという状況でございます。
おめくりいただきまして、最後のスライドとなりますけれども、「相談件数と主な相談内容について」ですが、各センターへの相談について内容別に見ますと、「医療にかかる相談」が約5割、「生活にかかる相談」が約2割、運営主体別に見ると、患者・支援者団体委託においては、ほかの運営主体よりも「生活にかかる相談」「就労にかかる相談」が多い傾向にあるということでございます。御説明は以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございました。では続きまして、がん・疾病対策課からの説明をお願いいたします。資料2になります。
○西嶋がん・疾病対策課長
資料2で御説明をいたしますが、がん・疾病対策課長でございます。
資料2、まずページをおめくりいただきまして2ページ目でございますが、現在、令和5年3月に閣議決定されました第4期のがん対策推進基本計画に基づいてがんの施策については推進しているところでございますが、その中のがん医療のところで、「がんゲノム医療について」ということが位置づけられてございます。
3ページ目ですけれども、その基本計画につきましては、御案内のとおり、平成18年のがん対策基本法に基づく基本計画となっておりますけれども、下の段のところにありますが、この基本計画においては、がんゲノム医療についても、がんゲノム医療をより一層推進する観点から、がんゲノム医療中核拠点病院等を中心とした医療提供体制の整備等を引き続き推進するということで、「がんゲノム医療の推進」ということが記されてございます。
続きまして4ページ目ですけれども、実際にどういう医療体制が構築されているのかということの御紹介でございます。基本的にがんゲノムにつきましては、医療実装を既にされておりますけれども、がんゲノム医療中核拠点病院ということで、全国に13ある中核拠点病院を中心に、それぞれ拠点病院、連携病院が位置づけられてございます。その13の中核拠点病院につきましては、従前のエキスパートパネル等を含めたがんゲノム医療を推進することのみならず、治験・臨床研究等の推進、あるいは人材の育成というようなことで、そういったことにも機能を担っていただいているというものでございます。
5ページ目にそれをマッピングしたものということでございますが、おおむねブロックごとに中核拠点病院、拠点病院等を整備させていただいているというものでございます。
続きまして6ページ目ですけれども、現在、がんゲノム医療パネル検査につきましては非常に件数も増えてきているという状況でございますので、拠点病院を整備しつつ、裾野をいかに広げていって、地域の格差を大きくしないようにするということが非常に重要だということで、今般、エキスパートパネルの見直しということで、従前、中核拠点病院、あるいは拠点病院に限定して行うことが可能であったエキスパートパネルにつきましても、一定の経験、あるいは知識を蓄積した、いわゆる連携病院であってもそれを実装することができるということで、そういった見直しを今回進めさせていただきました。
結果、7ページ目でございますけれども、赤い枠で囲っていますが、エキスパートパネルのところが非常に人員も割かれますし手間も非常にかかるというところで、そこの裾野を広げるということで、一部、連携病院でも可能な状況にもさせていただきましたし、今後のことを考えますと、右側の四角い赤枠にもありますけれども、いかに研究を進めていくのか、治験につなげていくのか、そして、全国のゲノムに関わる人材育成をどのようにしてより充実させていくのか、この辺りが今後のさらなる課題と認識してございます。
8ページ目でございますけれども、これは実際に遺伝子パネル検査、保険収載5種類されていますけれども、それにつきましては、C-CAT、がんゲノム情報管理センターに全例、検査結果、そして臨床情報とともにそれを蓄積していただく、そういう仕組みになってございまして、その蓄積されたC-CATのデータをもとに、患者さんに当然C-CATレポートをお返しすることになりますけれども、それに加えて、右側の矢印にもありますように、こういったデータベースをアカデミア、あるいは企業の方に活用していただこうということで、こうした取組がかなり進んできているという状況でございます。
9ページ目ですけれども、そういったC-CATへの登録者数、現在8万人近くまでなってきていまして、データベースをより充実させることによって、その利活用をさらに推進していくということを考えてございます。
10ページ目ですけれども、がん種ごとに見てみますと、いわゆる希少がん、あるいは難治性がん、こういったものも含めて多く登録されているという状況ですので、御活用いただけるというものでございます。
11ページ以降ですけれども、実際に人材の確保、あるいは育成というのはどのようにやっているかということで11ページですけれども、がんゲノム医療に係る医師の育成、そして病理医の育成、そのほか相談支援員等の方々の育成ということで、それぞれ当課のほうから依頼させていただいて取組を行っているというところでございます。
特に(2)に書いてありますように、それぞれの連携病院も含めた拠点病院等において遺伝子の関連のこういった検査につきまして患者さん・家族へどう伝えていくのか、どのように多職種を連携していくのか、患者さんの意思決定支援をどのようにサポートしていくのか、この辺りについて検証プログラムを開発し、またマニュアル等も作成していただいて、これを全国で活用していただいているという状況でございます。
次、12、13ページですけれども、こういった拠点病院、あるいは連携病院等で遺伝カウンセリング、相談体制についてどのような状況にあるかということの御紹介を最後にさせていただいています。まず12ページのところで診療機能ということでございますが、この中核拠点病院、拠点病院、そして連携病院、いずれにも遺伝カウンセリング等を行う部門を設置することを要件とさせていただいております。それとともに、このがん遺伝子パネル検査につきましては二次的な所見ということが認められるようなことがございますので、そういったことも含めて対応できるような仕組みをそれぞれの医療機関で整備することを求めてございます。
実際には13ページのところに、どういう人材配置、人の配置が必要かということで、イのところには医師、ウのところにはその遺伝カウンセリング等に関する専門的な知識・技能を有する者、そしてエのところには、そういった部門へ紹介する者が院内にきちっと複数名配置するようなことで、連携病院も含めて、院内で患者さんにきちっと正確にこの検査の結果を開示するような体制を構築することを厚労省としては求めているということでございます。がん・疾病対策課からは以上です。
○中釜座長
ありがとうございました。では続きまして文部科学省からの説明、資料3、お願いいたします。
○文部科学省廣瀨課長補佐
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課の課長補佐の廣瀨と申します。本日はゲノム医療推進法を踏まえた文科省の対応について御説明させていただければと思います。
次のページをお願いいたします。文部科学省は、研究振興関係と教育関係、両方を所管しておりまして、文科省がゲノム医療推進法の関係で貢献できるところとして大きく3点あるかと考えております。
1つは、ゲノム医療の研究開発の推進(第9条関係)でございまして、ゲノム研究の基盤となる大規模なバイオバンクの構築・高度化、国内主要バイオバンクのネットワーク化によるバイオバンク横断検索システムの整備、世界動向を踏まえた先端ゲノム研究開発等を実施して、バイオバンクの運営管理を行っております。
併せて、バイオバンクにデータをためるだけではなくて、利活用を促進するという観点が非常に重要かと考えておりまして、革新的な創薬等につなげるためにバイオバンクの社会実装モデルとなる研究の推進を行っております。詳細に関しては別添のポンチ絵を御覧いただければと思います。
こちら、バイオバンクに関することを書いていますけれども、このほか、先ほどお話あったがんの関係でございますとか、文科省の様々な研究支援事業におきましても、今、ゲノム情報の活用というものが不可欠になっておりまして、研究開発等を推進していくという観点から、ゲノムに関することに貢献していきたいと思っております。
次、2番のところ、教育及び啓発の推進等(第18条関係)でございます。こちら、ゲノム医療及びゲノム医療をめぐる基礎的事項につきまして理解と関心を深めることができますよう、厚労省とも連携しながら、学校の児童生徒や国民に分かりやすく伝える資料の作成・周知を行うということを検討しております。こういった教育啓発の側面からも文科省として貢献したいと考えております。
また、3番、第19条関係の人材の確保等という側面につきましても、文科省としてしっかりと関わっていきたいと思っております。
1つは、先ほどの研究開発の推進と少し取組としては重複する点もございますけれども、研究への支援等を通じまして、ゲノム医療に関する研究開発を担う人材の育成・確保、研究人材の育成に取り組んでおります。また、大学のカリキュラム、医師養成課程を所管している立場といたしまして、その教育内容として医学教育モデル・コア・カリキュラムにゲノム医療について記載する。そういったことを通じまして、先ほど厚労省の話でありました様々な人材の配置のもととなる人材の育成といったところにも貢献していきたいと考えております。
文科省としては、こういった教育・研究、両方の側面からゲノム医療推進法を踏まえた対応をしていきたいと考えており、取組を紹介させていただいたところでございます。
文科省からの説明は以上でございます。参考資料も関係するものを少しつけておりますので、そちらも併せて御覧いただければと思います。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございました。
それでは、ただいま、厚労省の難病対策課及びがん・疾病対策課及び文科省から疾患の遺伝子検査及びゲノム医療の体制、さらには人材の育成という視点からの現状等についての説明がありました。今の説明を踏まえて構成員の先生方からの御意見を伺いたいと思いますが、御意見のある方は挙手ボタンをお願いいたします。
それでは、天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。まず、厚生労働省と文科省に対してそれぞれ質問させていただきたいと思います。
まず厚生労働省については3点質問させていただければと思っています。まず1点目が、現状で、いわゆる専門家会議の負担が非常に大きいということで、今後そういった会議の負担を軽減するためにAI等の活用とかを考えている、あるいは方向性としてそういうことはあり得るのかということについて質問させていただければというのが1点目です。
2点目が、いわゆるゲノムに係る中核拠点病院、拠点病院、連携病院があるわけですが、これと別途国が指定しているがん診療連携拠点病院とはどれぐらい、要は当たっているのか。つまり、がん診療連携拠点病院の中で中核拠点病院、拠点病院、連携病院がどの程度の割合存在しているのかということについて教えていただければというのが2点目です。
3点目が、2点目に関連してになりますけれども、第2回のこのワーキンググループで深田構成員から、がん診療連携拠点病院の中で、現状ではBRACAnalysis検査後の遺伝カウンセリングをやっていない施設が4割程度あることが推定されるという御指摘があったわけですけれども、今後、厚生労働省として、いわゆる遺伝性腫瘍であるとか、あるいはゲノム医療というものについて、先ほどのゲノムのいわゆる中核拠点病院等とがん診療連携拠点病院との関係性をどのように考えていらっしゃるのかということについてお考えあれば教えていただければと思います。
文部科学省には、恐れ入りますが、1点質問させていただきたいと思いまして、今後、いわゆる遺伝に関して理解を深めていただける、こういう方向にしていただけるということを伺ったのですが、実は先月、報道によりますと、厚労省の研究班が2016年度に小中高システム検索資料が活用されずに、文部科学省の専門委員会の委員長が、子供たちに遺伝の啓発をする土台が整っていない、時期尚早だと発言したことを受けて、こういった活用がされていないのではないかという報道があったわけですけれども、この部分について現時点で文科省としてお考えがあれば教えていただきたいと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。では、最初、厚労省から今の3つの御指摘についてお願いいたします。
○西嶋がん・疾病対策課長
天野委員の御質問にお答えしたいと思います。まず、専門家会議の負担が大きいということでございますけれども、これは資料2のエキスパートパネルのことを指していらっしゃるのではないかと思いますので、それについてお答えいたしますと、これまで歴史的に、ここのエキスパートパネルの負担が大きいと。これは実際に多くの専門家の先生に集まっていただいてゲノムの情報について分析していただくわけですけれども、その1回の会議プラスそれにかかる準備ということも含めて、非常に負担が大きいということは従前から言われてございまして、これまでも、我々も研究班等を活用させていただいて、医療機関と、そして、実際にこれはAIの測定ですので、民間企業と連携して、それをAIに活用できるかどうかということで研究を進めてございます。
これは幾つかの取組が実を結ぶ方向で今かなり進んでいると認識してございますので、まだ具体的に何か言えるような段階ではございませんけれども、方向性としてはこういったAIの活用ということは十分にあり得るということではないかなと思ってございます。
2点目につきましては、がん診療連携拠点病院とゲノム関係の拠点病院との関係ということかと思います。がん診療連携拠点病院等は今461ございますので、このがんゲノム医療中核拠点病院は、中核拠点、拠点、あるいは連携が入っていますけれども、これはいずれもがん診療連携拠点病院等でありますので、これを足し合わせると264になりますので、がん診療連携拠点病院の都合、半分ぐらいがこのゲノム関係の中核拠点、拠点、あるいは連携病院になっているという状況、現状としてはそのような状況になってございます。
3点目にも関わりますけれども、遺伝性腫瘍も含めて、これまで歴史的にはがん診療連携拠点病院の整備ということをずっと進めてきてございますけれども、がんにつきましては、ゲノムというのがこの数年非常に大きな割合を占めてきていると思いますので、基本的に要件が全く違いますので、この関係性ということを、たちまち何かあるわけではありませんけれども、基本的には、がんの診療を中核的にやっていただいている病院が、ゲノムも含めて患者さんへの対応をしていただくということが非常に重要ではないかなと思っています。
その際には、これまでもやってきましたけれども、地域間格差を大きくしないということが重要だと思いますので、地域性だとか、そういったこともよくよく加味しながら、人材育成も含めて行い、ゲノム関係の拠点病院、連携も含めてそういったものの充実ということをこれからも進めていきたいと思ってございます。以上です。
○中釜座長
今の厚生労働省からの回答でよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、文科省からお願いできますでしょうか。
○文部科学省廣瀨課長補佐
担当局の者から説明させていただきます。
○文部科学省山本課長補佐
文部科学省教育課程課課長補佐の山本と申します。
御質問いただきました報道の件について、文部科学省の当時の専門委員会からそういった発言があったと報道されておりますが、正確には、専門委員会委員長の方が個人として発言されたということであり、専門委員会としてそのようなに結論づけたとか、意見を表明したとかの話ではございません。事実関係としては以上のとおりでございます。以上です。
○中釜座長
今の回答、よろしいでしょうか。ありがとうございます。では続きまして森構成員、お願いいたします。
○森構成員
ありがとうございます。厚生労働省の難病対策について御質問させてください。
まずは、難病法の改正によりまして医療費助成が申請時から前倒しをして、診断確定時や重症化した時点で、より早く医療費助成が適用されることになったことは、患者も治療について積極的に捉えられますので、非常にありがたく存じます。
また、医療提供体制ですけれども、やはりまだ各都道府県で大分格差があるかと思っており、またなかなか早期発見に至っていない疾病も多くあるように思います。
そして、難病相談支援センターですけれども、こちらのほうは、各都道府県において、患者家族にとりましてはより身近で相談できる場所として設置されており、非常に活用もされておりますけれども、今日の資料にもありますように、やはり医療に関する相談支援を求めておられる方が非常に多いです。まだまだゲノム医療ですとかゲノム解析に関する相談についても、相談が寄せられたところでしっかりとまずは受け止めていただくということが必要だと思います。相談をしたけれども、なかなか満足のいく回答もなく、相談することを諦めてしまったり、それから、たらい回しになるようなことがないように、お願いしたいです。
その上で、よりエキスパートのところの支援というものにつなげていただく必要があるかと思いますけれども、例えばこの仕組みですとか、それから研修などがどのようなことになっているのかといったところをお聞きしたいです。ゲノム医療、それからゲノム解析等に関する医療提供体制であるとか、それから、相談支援体制であるとか、こういったところはまだまだ議論が尽くされていなかったところだと思いますので、今後どのように進めていこうと思われているのか、お考えなどがありましたら教えてください。よろしくお願いします。
○中釜座長
ありがとうございます。では難病対策課から、以上2点、医療提供と相談支援体制についての御質問です。
○中村難病対策課長補佐
御質問ありがとうございます。難病のほうの医療提供体制につきましては、ゲノム医療の拠点病院というよりかは、難病全体に対する医療提供体制としての拠点病院というものを御用意しているところですけれども、この中で、遺伝子診断ですとかそのような検査がしっかりできるように、遺伝カウンセラーの配置等も踏まえて検討していくというふうに指針においてお示ししているところですけれども、窓口としまして、この難病相談支援センターが機能できるように、ちょっと幅広く相談を受け付けられるような体制というのも検討してまいりたいとは考えております。
実際に難病におけるゲノム医療というのがどのように提供されるかということについては、今の時点では具体的にというところではありませんけれども、研究においては、今、AMEDの國土班において各領域の先生方に御協力いただいて実施いただいているところですので、その辺りとも連携して体制の整備についても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。以上のお答えでよろしいでしょうか、森構成員。
○森構成員
結構です。よろしくお願いいたします。
○中釜座長
ありがとうございます。では続きまして吉田構成員、お願いいたします。
○吉田構成員
よろしくお願いいたします。
○中釜座長
大丈夫です。
○吉田構成員
2点御質問させてください。
まず1つは、厚生労働省からお示しいただきました医療提供体制は非常に参考になりましたが、難病、がんいずれも、いわゆる次世代に伝わるゲノム医療と重なっているところも多いですが、若干趣旨の異なる部分もあるため、例えばゲノム医療に関する拠点病院を組んでいくとか、難病あるいはがんゲノムのなかでゲノム医療の部分をしっかり見えるように打ち出していただきたい。ゲノム医療についても、難病やがんゲノムに重ねた体制構築を検討いただきたいと思います。
また、文部科学省の御発表につきまして、私自身、バイオバンクの利活用に関する研究に携わるなかで、今後、ゲノムデータが集約していく流れの中で、どのようにバイオバンクでの管理運用を行っていくのか、そのためのガイドラインあるいはロードマップが必要ではないかと考えますが、この点は如何でしょうか?
○中釜座長
ありがとうございます。最初のご質問は厚労省がん課、難病課ですが、ゲノム医療は、今、がんと難病が対象ですが、それをゲノム全般にして今後どのように広げていくのか、そのときの提供体制などをどのようにお考えかということについてでした。それから、これは最初の質問に関係すると思うのですけれども、がんゲノム医療において体細胞だけでなく、生殖細胞を含めたものも一体としてどのように取り組まれていく方針かということについての御質問でした。まずがん・疾病対策課からお願いします。
○西嶋がん・疾病対策課長
吉田構成員の御質問ですけれども、ゲノム医療全般の医療体制をどう構築していくのかということですけれども、恐らく難病もそうだと思いますけれども、がんにつきましても、医療機関によって得意分野というのが様々だと思います。今、がんについてもゲノムの拠点病院というのを整備されつつありますけれども、それでもなかなか医療機関に、例えば連携病院200以上ありますけれども、その中でも大分キャラクターが違うといいますか、それぞれの医療機関によって状況は違うということで、今回一つの例ということで、経験値の高いところは少しフラグを立てて、別の拠点病院という、エキスパートパネルができるような拠点病院ということで今回別のフラグを立てましたけれども、がんのゲノム医療に限っても、かなり医療機関によって正直ばらつきがあるというのが、現状まだそういう状況かと思いますので、それをまずは、がんだったらがんの世界でいかに地域性もよく考えながら平準化していくのかということが、ことがんゲノムについてもそういう状況かと思いますので、まずはがんのところで、この体制というのをより充実させていくということだと思います。
ただ、今おっしゃったように、遺伝性の腫瘍についてどうするのかというのはありますので、今、厚生労働省のほうで研究班を立ち上げて、これについてやっておりますので、実際にこれも恐らく、今の拠点病院と一致するような専門家の先生の配置では必ずしもない、あるいは患者さんに返すときにも、別の観点のケアが必要だと思いますので、その辺りもよくよく踏まえながら、今後どういう体制があり得るのかということにつきましては我々としてもよく考えていきたいと思っております。以上です。
○中釜座長
今の厚労省のお答えでよろしいでしょうか。
○吉田構成員
ありがとうございます。この後恐らく難病対策課のお答えもあると思うのですけれども、やはりがん、難病と余り縦割りにせず、ゲノムという横串で診療体制が確立できるとよいと思います。ありがとうございました。
○中釜座長
今の御指摘を受けて、難病対策課から何か御発言ございますか。
○中村難病対策課長補佐
先ほどがん課のほうからもお話ありましたように、かなり病院によって状況が異なるというところ、こちらは難病に関しては特に希少な疾病、非常に多い、多岐にわたるという、種類がかなり多いということもありまして、全国的に同じようなというところもなかなか難しいところも、専門家がどこかに集積しているという状況もあったりもする。かなり疾病の数が多いので。そういった状況もありつつも、先ほども申し上げましたように、遺伝子診断できるような体制を確保するようにしていくというふうにはしておりますので、その辺りは、例えば難病診療連携拠点病院等でも実施できるような体制は確保していきたいとは考えております。
具体的なゲノム医療の体制等については今後検討してまいりたいと考えております。
○中釜座長
よろしいでしょうか。重要な御指摘で、今後どのように全体として取り組んでいくかということに関しては、両省庁のみならず、様々な省庁で御検討いただきたいと思います。
続きまして、文科省に関しては、バイオバンクの利活用の活性化・運用、さらにそれに伴う規制等のガイドライン等の整備についてのご質問と思いますが、その点についてお答えいただけますでしょうか。
○文部科学省廣瀨課長補佐
文科省でございます。御質問ありがとうございます。
バイオバンク整備、しっかり取り組んできたところですけれども、利活用が課題ということはまさにおっしゃるとおりかと文科省としても認識しておりまして、様々な方策によって合わせ技で利活用を推進していくものかとは思うのですけれども、文科省としては、例えばどう利用したらいいか分からないという、研究者、企業の声があるところですので、バイオバンク自らがある程度研究をモデル的に行うという取組をしたり、あとは、データへのアクセスが難しいという声を受けて、そのアクセスを改善するですとか、そういった様々な取組をしながら、利活用を促進していきたいと考えております。
また、ガイドラインという御指摘ありましたけれども、バイオバンクをどんどん使っていただくためにどのような取組がさらに必要かということを今後検討していきたいと考えておりまして、本日の御指摘も踏まえまして、今後検討して具体的な対策を考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
今の答えでよろしいでしょうか。
○吉田構成員
ありがとうございます。恐らくバイオバンク自体がゲノムデータ等どんどん解析して、東北メガバンクがやっていますような形でデータとしてどんどん蓄積していただくということで利活用もさらに進むのかなあと思います。どうもありがとうございました。
○中釜座長
では続きまして、深田構成員、お願いします。
○深田構成員
深田でございます。
私からは文科省様の御発表について2点ほどお伺いしたいと考えております。まず、教育などに取り組んでいただけるということで、大変感謝申し上げます。
1点目ですけれども、資料の中で児童生徒と記載していただいていますが、具体的にはどのような対象を重点的に想定されていらっしゃいますでしょうか。例えば小学生、特に低学年の児童などには比較的難しい内容のように思えますので、資料や教育のあり方における工夫が必要なのかなと考えておりましてお伺いする次第でございます。
2点目です。学習指導要領というのが大変重要なものだと承知しておりますが、その改訂のタイミングとの兼ね合いについてお伺いできればと思います。次の改訂がどれぐらいなのかというのは、私、すみません、存じ上げないのですが、次の改訂までに一定の期間がある場合には柔軟な御対応などを御検討いただければと考えておりますが、いかがでしょうか。以上でございます。
○中釜座長
今の御指摘2点、児童生徒の指導教育のあり方、それから学習指導要領の改訂について、まずは御意見いただけますか。
○文部科学省山本課長補佐
御質問いただきました件について回答いたします。
まず、資料に書いております児童生徒の部分について、学校における教育ということで広く「児童生徒」と記載しておりますが、実際何を伝えていくかをしっかりと考え、その内容が決まってきた段階で対象を考えていくものと思われます。差別の話や、利活用の話等、様々な観点がありますが、伝える内容を踏まえながら対象を考えていくということかと思います。
なお、現在、遺伝に関する内容は中学生段階で学習しますので、そういった科学的なまた専門的な知識については少し小学生には難しいのではないかと考えております。
続きまして、学習指導要領は10年に1回改訂されており、それに基づいて教科書が作成され、学校現場で学習指導が行われております。直近では平成29年、平成30年に改訂が行われており、そこから次回の改訂については、まだ具体的なスケジュールは決定しておりません。確定的なことを言えるのは、まだスケジュールが決まっていないということでございます。以上でございます。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。
○深田構成員
承知いたしました。ぜひ御検討いただければと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
では続きまして佐保構成員、お願いいたします。
○佐保構成員
ありがとうございます。お取組の説明、ありがとうございました。2点質問と意見を述べさせていただきます。
1つ目は厚生労働省の取組、資料1、9ページから記載のある難病相談支援センターについてです。私ども連合では、組合員に限らず、広く一般の方から労働相談を受け付けており、その中には、「難病と診断されたので、会社へ治療や体調への配慮を求めたら解雇と言われた」といった相談や、「難病の家族を介護するため会社に労働時間などの配慮を求めたら難しいと言われた」といった相談が本人や家族から来ております。難病相談支援センターにも治療に関する相談が一定程度あると資料に記載ありますが、どのような相談が寄せられているのでしょうか。分かれば具体的に対応も併せて教えてください。
2つ目はデータの取扱いや管理についてです。文科省の対応、資料3に、バイオバンク横断検索システムの整備、企業等と連携などの記載がありますが、ゲノムデータや診療データを補完するデータベースについては、アクセス権を与えられた研究者のアクセス監視と定期的なスクリーニングが必要不可欠であり、厳重な管理が必要ではないでしょうか。ゲノム情報はたとえ匿名化されたとしても、その情報自体に個人識別可能性がある場合も否定できませんから、ゲノム医療実現バイオバンクなど、家計情報を含む情報を民間企業と情報共有することは極めて慎重であるべきだと考えております。
続いて、これは質問ですが、文科省のゲノム医療実現バイオバンクと厚労省のがんゲノム情報管理センターの2つのゲノム情報の集積拠点があると受け止めておりますが、その認識でよいでしょうか。この2つの連携はどのようになっているのか、併せて教えてください。私からは以上です。
○中釜座長
では、最初は難病に対する配慮、相談支援体制についての御質問ですが、よろしいですか。
○中村難病対策課長補佐
すみません。就労に係る相談の具体的内容についてという御質問でよろしかったでしょうか。
今、具体的な内容についてはちょっと情報を持ち合わせておりません。大変申し訳ございません。確認したいと思います。
○中釜座長
2点目の、これは文科、厚労と両方ですかね、データの取扱いに関するアクセス権の監視やセキュリティに対する対応について。これはまず、文科省、よろしいですか。
○文部科学省廣瀨課長補佐
ありがとうございます。まず文科省でございます。
御指摘いただきましたバイオバンク、非常にセンシティブな情報を扱うということで、セキュリティやアクセス管理が重要だということ、それはおっしゃるとおりかと思います。あとは、このバイオバンクといったもの、ゲノム情報を扱うようなもの、次の質問にも関連しますけれども、文科省以外にもほかのところでもございますので、実際には内閣府の健康・医療戦略推進事務局などを中心に、そういった全体のルール設定ですとかに関しては議論されているものかと思います。そういった議論にしっかり参画しながら、研究をただ推進するというだけではなくて、それに伴うリスクと申しますか、不適切な扱いをされた場合の問題点といったものにもしっかり目配せしながら進めていきたいと思っております。
あと、バイオバンクに関する御質問もいただいたかと思いますけれども、バイオバンク、文科省所管のもの、厚労省所管のもの、複数あるかと思いまして、文科省としては、東北メディカル・メガバンクというものとバイオバンク・ジャパンというものと、資料にも少し記載しましたけれども、2つのほうを支援しております。また、厚労省からも話があるかと思いますけれども、より臨床に近いような、厚労省所管の範囲において、バイオバンクといいますか、ゲノム情報を集めたデータベースをつくっているかと思います。そういったものの連携もしくはデータの統合管理ということに関しましても、文科省と厚労省の連携について、健康・医療戦略推進事務局さんを中心とした連携となるかと思いますが、そういったものも今後しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○中釜座長 ありがとうございます。加えて厚労省から、例えばデータアクセスに関する監視であるとか、文科、厚労のデータ基盤の連携について何か発言ございますでしょうか。
○西嶋がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課でございます。
資料2の8ページ目のところに、今、御指摘のあったがんゲノム情報管理センターの資料をつけさせていただいてございますけれども、これにつきましては、実際、診療報酬上で遺伝子パネル検査をやる患者さんの検体を全国から集めているということで、ゲノムのデータベースという観点で言うと、文科省さんのデータベースだったり、ほかの厚労省のデータベース、あまたありますけれども、対象というかがかなり違うということは前提としてあるものの、そういったものをいかにして連携していくのかということが今後の課題ということだと思います。
このがんゲノム情報管理センターの情報の利活用につきまして、右のところに矢印で書いているわけですけれども、アカデミア、あるいは主に製薬企業等ですけれども、こういったところが実際に研究を進める、あるいは創薬を進めるに当たって必要な情報ということでありますけれども、これにつきましては申請をしていただいて、きちんと審査をした上で閲覧を可能とするということで、利活用審査委員会等を通じて許諾をするということでございますので、今、御指摘のように、安易にいろんなところに外に出さないように、きちっとそこでステップを踏んでやっているということでございます。以上です。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか。
○佐保構成員
御回答ありがとうございます。まず1点目、難病相談支援センターの相談内容、就労関係の相談内容でございますが、できましたら、今後教えていただける範囲で、どういう相談だとかどういう対応をしたとか、そういうのは参考になりますので教えていただければありがたいです。
難病相談支援センター、病気や症状など医療に関連するところだけでなくて、就業、生活など幅広い相談が寄せられているのではないかと思いますが、ゲノム医療を受ける患者にとっても課題や悩みというものは幅広いと思いますので、各省庁が連携して対応できるよう計画に盛り込む必要があると思います。
それから、2点目のデータの取扱い管理についても御説明ありがとうございました。それぞれのシステムにおける情報の帰属を明らかにして、総合的にセキュリティ対策を強化した上で、誰が情報の責任を負って、情報漏えいや、民間企業による意図しない利用があった場合の責任のあり方、補償方法を規定することも必要でないかと思っておりますので、御検討よろしくお願いいたします。以上です。ありがとうございました。
○中釜座長
ありがとうございました。よろしいでしょうか。では続きまして山田構成員。
○山田構成員
ありがとうございます。ジェネシスヘルスケア株式会社の山田でございます。
本日は大変分かりやすいプレゼンテーションを皆様していただきましてありがとうございました。私のほうから、コメントといいますか、お伺いしたいことがございまして、1つは、難病であったり、あるいはがんであったりということがあると思いますけれども、医療機関で診断・検査を受けられて、確定診断が出ている場合というのは、今日御説明いただいた流れの中で理解できるというところでございますけれども、私ども、現実に検査を行っている会社として感じております事象としては、こういった確定診断が出たこと等をきっかけにして、ほかにも何かないのかということを思われる方が相応にいらっしゃると思っていまして、不安から来る場合もあれば、何か認識できるような状態になっているけれども、まだお医者様には確定診断をいただいていないという方もいらっしゃるとすると、スクリーニング検査、診療ではない検査のニーズというものが実際にはかなりあるのではないかなあと感じているところでございます。
そういったものと、例えば遺伝学的見地からのカウンセリングとか、そういったものを組み合わせて何かできないものかとか、そういったことを思うこともあるのですけれども、そういった施策とか、あるいはこういう考え方があり得るということがもしあれば、今日プレゼンテーションいただいた方からコメントもしくは御意見等伺えればと思っております。よろしくお願いします。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘に関して、まずがん課、よろしいですか。
○西嶋がん・疾病対策課長
お答えいたしますが、例えば資料2の11ページのところに書いて、先ほども少し御説明しましたけれども、実際に、今、御指摘のとおり、検査をして、そのゲノムの検査結果を患者さんに返すときにどのように説明をきちっとできるのかということだと思います。ある種のゲノム検査結果を聞いて、家族の方、あるいは御本人も含めて不安になるということだろうと思います。その結果、ひょっとしたらほかの検査もやったほうがいいのではないかということだと思いますので、このゲノム検査につきましては、結果を単に返すということだけではなくて、アノテーション、意義づけであったり、それがどういうことを意味するのか、あるいは今後どういうことに気をつける必要があるのかというところと、あと心理的なサポート等も含めて患者さんにきちっと返さないといけないということで、その患者さんに返すというステップも、普通の検査と違って相当程度人員も割かれますし、病院側の負担というのもあるだろうと思いますので、ただ、そういったところの人材育成をきちっとし、その結果を聞いた患者さん・家族側が安心してそれをそしゃくできるような、こういった仕組みというのをそれぞれの連携病院も含めたがんゲノム医療中核拠点病院等でがんについては整備をしていく。これを目標に、今後とも人材育成も含めてまずは行っていくということが重要であろうと思っております。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。加えて、スクリーニングとしてのゲノム検査を今後の方向性も含めてどのように位置づけられるか、という御質問であったかと思います。
それに関しては、まだまだ医療、診療としての十分なエビデンスがない状況から、エビデンスをこれから構築していくのだろうということですので、疾患ベースでのアプローチをつなげていって、どのように診療でないところでのスクリーニングを位置づけていくかというところの段階かなと思いました。そういう理解でよろしいですかね。
○西嶋がん・疾病対策課長
(首肯)
○中釜座長
ありがとうございます。では続きまして、天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員
たびたび申し訳ありません。天野でございます。
先ほどの吉田構成員からの御質問に関連してですが、吉田構成員から、がんと難病で縦割りの傾向があるのではないかという御指摘があったかと思いますが、縦割りということに関して申し上げると、それぞれの疾病領域ごとにもあるような状況があるかと思っていまして、例えば難病については、指定難病では、保険による遺伝子検査が行われているわけですけれども、指定難病以外の難病では、現状、保険による遺伝子検査進んでいないという状況があるかと思います。指定難病自体は、御承知のとおり、三百数十程度あるわけですが、そのうちの半分程度は遺伝性疾患と言われている状況があって、一方で、遺伝性疾患は全部では5,000近くあると言われていますが、こういった、いわゆる指定難病以外の遺伝子検査について、保険適用の今後の方向性等についてお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○中釜座長
今の御指摘について、では難病課、お願いいたします。
○中村難病対策課長補佐
御質問ありがとうございます。御指摘のとおり、今現在では指定難病に対する遺伝学的検査とはなっているところですけれども、そのほかの疾患も含め、難病ということに対する遺伝学的検査というものについては研究段階にあるということですので、そちらはエビデンスがそろいましたら、そういったしかるべき手続といいますか、そこを経て保険適用等の検討もなされるものと思いますけれども、今の時点ではそのような研究段階にあるものと考えております。
○中釜座長
今の回答でよろしいでしょうか、天野構成員。
○天野構成員
一定のエビデンスが構築されれば当然保険適用になっていくという理解でよろしいでしょうか。
○中村難病対策課長補佐
そうですね。それは、一般的なというか、手続を踏んで、審査の結果認められましたら、そのようなことに今後なるということはあるとは思います。
○中釜座長
よろしいでしょうか。では続きまして横野構成員、お願いいたします。
○横野構成員
ありがとうございます。私も、吉田構成員から御指摘があったところと関係するのですけれども、先ほどの御指摘は、診療体制に関してがんと難病それぞれの分野でということについてのお話でした。もう一つ、同じことは相談支援体制に関してもあり得ると思っております。ゲノム医療推進法の13条では、ゲノム医療を受ける方、それから、ゲノム研究に参加した方に対して相談支援の体制を整備するということと、それから、そのための専門的な知識や技術を有する者の確保、その他必要な施策を講じるものとするという規定になっております。
やはりがん、難病それぞれの分野での対応の範囲を超えるものというのがあると思いますし、もちろん遺伝相談外来を受診するということが最終的にはあると思うのですけれども、そこに至るまでの過程での、先ほど山田構成員とのやり取りの中でありましたような相談の必要性といったこともあると思いますし、ゲノムに関する専門的な知識といったものも相談を受ける上で必要になってくると思います。その辺りの体制の整備ですとか専門性を備えた人材の育成について何か御検討されていること等ございますでしょうか。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘について、まず厚労省からお答えいただけますか。
○西嶋がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課です。
横野構成員御指摘の、相談支援体制をより横軸をやっていってはどうかということだと思いますけれども、例えば相談員、実際に今やっていらっしゃる方々とお話をすると、先ほど少し横野構成員もおっしゃいましたけれども、やはり専門性というのがあるとお聞きをいたします。相談員の中でも、自分はがん関係のゲノムについて得意だとか、あるいはほぼほぼ経験はそれに特化しているだとか、あるいは非がんの方々の相談が主だとか、いろいろお話をお聞きするところでありますので、人材育成という観点では、やはり専門性というのは1つ大事なのだろうと思います。
これからゲノムの検査数自体増えてくるだろうと思いますので、一定程度専門性を持たせつつも、先ほど来御指摘ありますけれども、がん・難病といった疾患ごとの体制というのはどこまで維持していくのかということも、今後件数が増えるということに伴って横目で見ながら、全く縦割りでやると、例えば不必要な人材の配置みたいなことにもなりかねないと思いますので、その辺のいいバランス等も、現状、実際の現場の状況等も見させていただきながら、どういう体制で相談支援ということをそれぞれがん、難病の拠点病院で整備することが実際患者さんの負担軽減、あるいはしっかりとした相談を受けるという体制につながっていくのかということについては、これは非常に重要な観点だと思いますので、これはがん・疾病対策課、そして難病対策課と、今回ワーキングを主催いただいています研究開発政策課とも、関係課と連携しながら、どういう体制があるかということは検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。
○横野構成員
ありがとうございます。
○中釜座長
では角山構成員、お願いいたします。
○角山構成員
経団連でございます。よろしくお願いいたします。
資料3の中でバイオバンクに関して御説明いただきましたので、今までの委員の方々の御発言を繰り返す部分もあるかと思いますが、改めてお願いしたいと思いましたので発言させていただきます。
第4回の会議のときに、データ産業需要に関しまして窓口の一本化、これはほかの委員の先生方から、疾患ごとに分けないようにという発言もありましたけれども、それは私どもも同意するところでございまして、なるべく一つのものにしていただきたい、そのときにはバイオバンクも含めていただきたいということを第4回のときにお願いさせていただきました。改めてここでもお願いしたいと思います。
特にバイオバンクに関しては、確かに利用はされているとは理解しておりますけれども、豊富な臨床情報であったり、時系列データといったものを求める声が多いと感じておりますので、こちらも、それぞれ細かいいろんな解決すべき課題があるとは存じておりますけれども、なるべく前向きに対応していただき、ゲノムデータの産業利用というものが進んで、その結果として、患者さんのほうに医療の行為として伝わっていくという体制ができ上がることを期待しております。よろしくお願いいたします。
○中釜座長 ありがとうございます。これについては文科省から、バイオバンクの利活用に関するワンストップサービスの窓口に関する御提案と御指摘ですけれども、いかがでしょう。
○文部科学省廣瀨課長補佐 バイオバンクの利活用に関しまして御指摘ありがとうございます。
今、御指摘いただいたものの中に、文科省単独でできることと関係省庁連携してするべきこと、両方あるかと思います。ただ、もちろんセキュリティですとかそういったことは踏まえた上でですけれども、アクセスをよくしていくということは大変重要だということ、こちらは共通認識かと思いますので、関係省庁とも一緒に連携しながらしっかりと具体的に取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。
○角山構成員
よろしくお願いいたします。
○中釜座長
では続きまして小崎構成員、お願いいたします。
○小崎構成員
よろしくお願いいたします。聞こえますでしょうか。
○中釜座長
大丈夫です。
○小崎構成員
今日は非常に建設的な御意見がたくさん出まして、少し追加で発言させていただきたいと思います。まず最初に文科省のほうで、児童や生徒に対する教育が必要だという話があり、一方で中学では遺伝に関する教育があるという話があったのですが、一般的な意味で、エンドウマメの遺伝の教育ではなくて、人における遺伝病、疾患との関係における遺伝というものをきっちりと教えるべきではないかと考えておりますが、これまでの学問の発展の形状、必ずしも中学、高校の先生方の中にアップトゥデイトな知識が十分ではない可能性もあると思います。この辺り、大学や現場が連携して中等教育をよりよいものにしていく。すなわち、人間の遺伝、疾患の遺伝にフォーカスしたものに変えていくことが可能だと思うのですが、そのようなものを、学習指導要領の話もありましたが、迅速に取り入れていく余地あるかというのがまず第一の質問であります。
それから、人材の確保ということが厚労省、文科省の両方から出ましたが、結局、人材を確保するためにはポジションが必要であります。ようやく国家試験にゲノム医療が出題範囲となり、コアカリキュラムに載ることでなったわけですが、これを教えるための専任の人材のポジションの確保が本質的なことであります。我田引水になって恐縮でありますが、自分のように、ゲノム医療ないし臨床遺伝学を教えることを本務とする大学のポジションというのは、まだ全国八十数か所の医大の中では半分程度ではないかと思いますので、これを何か積極的に推進していただける方法があるかというのが第二の質問です。
それから第三の質問は、がん対策課長、西嶋先生からいろいろコメントがありました。なかなか地域間格差が大きいということであります。遺伝カウンセリングやアドバイスを含めて、コロナの後、遠隔医療、今日のようなウェブ会議システムを使う余地がかなり出てきていると思います。これに対して、保険の手当ても含めて積極的に利用していく、進めていくというのが僕は大きな解決策になり、また全国のゲノム診療の均てん化に向けて進めていけると思うのですが、保険医療の体制に関して、このような遠隔を用いた情報の提供者を支援するような仕組みをつくるのがどのぐらい大変なのかということを教えていただきたいと思います。
そして第四の質問は、先ほど天野構成員から質問がありましたが、指定難病以外の病気をどう救っていくかという、これは難病全体に対しては極めて重要な問題だと考えております。私の理解では、現行の医療保険の体制の中で、このような診断不明なもの、適応症のない患者さんを保険診療でゲノム診断することが難しいということは理解していますが、先ほど、エビデンスを積み重ねるということでありますが、海外では既にそのようなことが進んでおりまして、遺伝性疾患の医療における重要性に国内外の彼我はないものと考えますので、国内のデータを積むのか、それとも政策的に思い切った判断をするのか、ぜひこのようなワーキンググループで議論いただきたいと思います。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今、4つのポイントをいただきました。まず最初、文科省さんに、児童や、一般市民に対する遺伝病、遺伝学などの教育はどういう体制を取ろうとされているのかということに関して、その辺りいかがでしょうか。なかなかアップトゥデイトの情報を蓄積しにくい領域でないかという御指摘ですが。
○文部科学省山本課長補佐
御質問いただきました件について、全ての児童生徒が学習する基準である「学習指導要領」に記載する内容については、子供たちを取り巻く環境や、発達の段階に応じた指導が必要になるので、科目等のバランスも全体的に勘案しながら、中央教育審議会において、様々な分野の学識経験者の方々に御議論いただくことが必要でございます。今回の法律の流れやいただきました御意見をそのような議論の場に伝えていきます。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。2点目の人材確保に関するポジションの確保について、この点も、まず文科省から回答できますでしょうか。
○文部科学省海老課長補佐
失礼いたします。文部科学省医学教育課でございます。
先生からいただいた御質問に関しましてですけれども、大学の医学部における教育ということでございまして、御指摘いただいたとおり、医学教育モデル・コア・カリキュラムのほうにも遺伝医療、それからゲノム医療に関することは書き込まれており、これに関する教育が行われているところでございまして、御質問のありましたポストの部分につきましては、一義的にはどういったものを用意するかということについては大学の判断で行っていただいているというところでございますので、文科省として直ちに何か推進する方策ということで言うと、なかなかちょっと申し上げることは難しいところではございますが、いずれにしても、こういった形で遺伝医療、ゲノム医療の教育というものは引き続き適切に行っていただきたいとは思っております。以上でございます。
○中釜座長
人材確保に関して、厚労省のほうで何か取組としてお考えありましたら。
○西嶋がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課長ですけれども、今日の資料2の最後のページ、13ページにも少し書かせていただいていますが、がんにつきましては、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院等で、配置を基本的には義務づけをさせていただいてございます。医師であったり、それ以外の者についてもきちっと配置するということを明示することによって、いかなるポスト、現時点で例えばポストがない場合であっても、そういった病院の指定を受けたければ、そういった方々を採用し、病院内で雇用していただくということが必要ということになっていますので、こういった拠点病院、連携病院等の診療体制というところをきちっと各病院で確保していただくということをまずは進めていくということだと思います。これは小崎構成員の真正面の答えになっていなくて大変申し訳ございませんが、まずはそれということだと思います。
もう一点、地域間格差についてもお話があったと思います。おっしゃるように、遠隔医療等、新しい技術をどう活用していくのかというのは今後非常に大きな課題だと思います。全然違いますけれども、冒頭、天野構成員からもAIの活用みたいなことも御指摘ございましたけれども、こういった遠隔医療というのをこういったゲノムの中でどういう場面で、どういう形で、例えば入れるとするならばあり得るのか等々につきましては、その学会等、アカデミアの先生方等とも、今後のあるべきゲノム医療体制の在り方についてまたいろいろディスカッションできればいいかなと思っております。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。最後4点目、指定難病以外の様々な難病に関するサポート体制として、国内外の情報をどのように活用するか、あるいは政策として進めるかということの御指摘だったと思います。これについて難病課からお答えいただけますでしょうか。
○中村難病対策課長補佐 御指摘ありましたように、国内外でも様々な検討がなされているところとは思いますけれども、そちらも踏まえて、今後どのような体制が適切かということを検討してまいりたいと考えております。
○中釜座長
以上、御指摘4点に関する御回答ですが、小崎構成員、よろしいでしょうか。
○小崎構成員
現状の問題点を指摘するというよりは、比較的明らかなソリューションがあるので、それをつくり上げるのにどうすればいいかというような建設的なワーキンググループであればありがたいなあと思いました。御事情はよく拝察いたしております。ありがとうございます。
○中釜座長
ありがとうございます。では続きまして大沢構成員、お願いいたします。
○大沢構成員
すみません。よろしくお願いします。
先ほど天野構成員から、がんゲノム医療連携病院と、がん診療連携拠点病院の数などの話が出ていたのですけれども、がんゲノムをやっている病院266病院ならば、院内でそういう体制が出来ていると思いますが、そうでない病院とか、あるいはゲノム医療の体制がないがん診療連携拠点病院では、患者さんで例えば複数のがんがたまたま見つかった場合遺伝診療科に紹介されることなく過ごしている方もいらっしゃるようです。乳がんであればJOHBOCで勉強したりすればそういう情報もアップデイトされるのですけれども、がん診療に携わっている医師みなが遺伝について気にかけているわけでもないかと思います。がん相談支援センターでは、さっきの11ページでも、がんゲノムについての相談支援体制に乗れるように、資料、マニュアルも作成しているとあるのですけれども、相談支援センターのワーカーや看護師が院内のそうした患者さんの存在をキャッチするのは難しいです。やはり患者さんを診療している医師が、例えば乳がんだけでなくて、ほかに子宮体がんであったり大腸がんもあった場合に、自分の病院の中に遺伝子診療科がなくても、近くで遺伝子診療科がある病院に紹介して、きちんと何があるか調べていただいて、結果に応じてちゃんとサーベイランスに乗れるといいと思います。せっかくいろんなことが分かってきているので、がんゲノム医療連携病院以外の病院でがん診療を受けている患者さんも拾い上げられるような体制を取れたらいいなと思いました。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。難しい御指摘かと思いますけれども、ゲノム、遺伝子診療科の在り方、サーベイランスの在り方に関する質問だと思いますが、いかがでしょうか、厚生労働省。
○西嶋がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課です。
もう御指摘のとおりだと思います。先ほど御紹介いただいた11ページの中にもありますけれども、例えば、まずは医師の育成ということで言うと、このページの上のところに書いていますけれども、いわゆるエキパネ道場ということで、臨床腫瘍学会と共催して教育セミナーを開催する。そして、実際のお医者さんのレベルを上げていく。それと同時に、先ほど少し御紹介いただいたがん相談支援センターというところにもゲノムに関するパンフレットとかマニュアルとか置いていくということで、恐らく、ゲノムに関わる職種も含めていろんなルートで新しい情報を横展開していくということで、どこかのルートでつながっていく、今のようなお話にならないような形でつなげていくということが大事なのだろうと思います。
恐らく、1つ万能な解があるわけではないと思いますけれども、様々な職能団体とも連携をし、職種ごと、あるいは縦軸、横軸、ほかの行政からの情報提供というのもあると思いますけれども、様々な情報提供の道筋を使って、複数使って、本来きちっと治療が、受けるべき患者さんが受けられない状況になるべくならないように、これは国としてもきちっと進めていきたいと思っております。問題意識としては本当に同じ思いでございます。以上です。
○中釜座長
今のお答えでよろしいでしょうか。
○大沢構成員
はい。本当に複数のルートは大事だと思いました。医師も忙しくて、気づいていない場合、私もカルテを読んでいて、ちょっとここどうかなと思ったときに主治医に相談し、そこからつながったりもしているので、いろんな複数のルートでというのは本当にそのとおりだと思いました。よろしくお願いします。ありがとうございました。
○中釜座長
ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。それでは、ないようですので、続きまして議題2に移らせていただきます。議題2、今後の議論の進め方です。これについて事務局からの説明、お願いできますでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。
資料4を御覧ください。「基本計画策定に向けたスケジュール(案)」ということでお示ししております。これまで、今回を含めますと6回、有識者の委員の先生方からのヒアリングと、また、今回、がん課、難病課、そして文部科学省から御説明いただいたという状況でございます。今後、あと2回程度、関係省庁等から御説明いただくような機会を設けまして、イメージとしては、9回目以降に基本計画の骨子案・本文案に係る意見交換を含めて、秋から冬をめどに基本計画を取りまとめるような形で進めさせていただければなと考えております。引き続き、構成員の先生方からの忌憚のない御指摘、御意見等いただければと思っております。
事務局からの説明は以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。では、ただいまの説明、今後の進め方についての御意見等ありましたらお願いいたします。
天野構成員、お願いいたします。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。1点お願いがございます。前回も同じことを申し上げたのですが、今後の議論の中で、今までの議論の中で、いわゆる個人情報保護法下におけるゲノムデータの取扱いですね。今の個人情報保護に留意しながらも、利活用が可能な体制にしていくといった論点があり得るかと思うのですけれども、そういった論点については十分な話し合いがまだ行われていないと思いますので、残りの回のどこかでその辺について話し合う場を設けていただければと思っております。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘に関していかがでしょう。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。ありがとうございます。御指摘踏まえて検討したいと思います。
○中釜座長
ほかに御意見ございますか。菅野構成員、お願いいたします。
○菅野構成員
菅野でございます。
これまでの議論は、かなり遺伝子の変化と、それから疾患との関係がダイレクトにつながる疾患が多かったと思うのですけれども、今、ゲノム医療の研究の最先端では、多因子病のゲノム解析みたいな形でポリジェニックリスクスコアというようなものが、これはまだ研究段階ではあるのですけれども、ある意味、それを利用して、医療だけではなくて、健康の増進にそれを役立てていこうというような動きが実際非常なスピードで進んでおります。広い意味で、今回の法律はこうしたものも含んだ形で、未来のゲノム医療についてある程度の道筋を形づくっておくものだと思っておりますので、できましたら、そこの部分について、がん・難病などについては今日非常に精密な御議論がございまして、これはこれで非常に有意義と思いますが、そこの部分、特に海外の会社みたいなものがネットを使って、健康増進とか、いろいろ曖昧なこととゲノム情報をつけ加える、例えば美容とか、さらには運動能力とか、そういうこととゲノムの情報をつなげるというようなことがここ数年に出てくる可能性がございますので、そこについても、どういう形かは分かりませんけれども、若干の見通しを持ったワーキング、実行計画であったほうがいいかなと思っておりますので、あと2回ということではございますが、少しそちらの道筋も検討しておいていただけるとありがたいかなと思います。
○中釜座長
ありがとうございます。今の御指摘はいわゆる多因子疾患へのアプローチ対策についてのお考えをさらに広げて、それを健康増進にどのように展開していくかということのお考えということですが、事務局からコメントはございますか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。御指摘の点も含めて、あと2回の意見交換、あるいは具体的な基本計画の中身を検討していく過程で、また引き続き文言等、御指摘等いただければと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。ほかに御質問。それでは小崎構成員、お願いします。
○小崎構成員
我々も個人としての見識を問われてこういう構成員という仕事をしているとは思うのですけれども、これまでの議論の内容は議事録等としてある意味公開されているわけですが、同業のほかの者たちの意見を求めて次の2回に反映させるというようなことはあり得る方針なのでしょうか。それとも、やはり個人として判断して様々な議論を集約していくということなのか、もしかすると的外れの質問かもしれませんが、教えていただければと思います。
○中釜座長
今の御指摘に関して、事務局。同僚というと、どういうことですかね。
○小崎構成員
すみません。同業の者です。同じように患者を診ている、あるいは研究者として機能している、そういう者ということでございます。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。
ありがとうございます。構成員の先生方、またその他の学会等、ほかの有識者も含めて意見を伺ってはというような御指摘ではないかと理解いたしました。その辺りも含めて、事務局のほうで検討したいと思います。ありがとうございます。
○小崎構成員
ありがとうございます。
○中釜座長
ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。せっかくですので、今日御発言いただいていない構成員の先生方から御意見ありましたらと思うのですが、まず、上野構成員、何か御発言ございますか。
○上野構成員
先ほども御指摘いただいていたと思いますけれども、個人情報保護のところ、大変重要なところだと思いまして、別途機会を設けていただけるということですので、その際は議論させていただきたいのと、あと、その議論の際に、できれば前もって検討できるように資料をなるべく早めに共有いただけたら大変ありがたいなとは思っております。よろしくお願いいたします。
○中釜座長
ありがとうございます。では、事務局、よろしくお願いいたします。では、神里構成員、何かございますか。退席されましたですかね。すみません。それでは、三木構成員、お願いいたします。
○三木構成員
先ほど菅野構成員からも述べられ、私も前回少し申し上げたのですが、これから進めようとするゲノム医療の具体的なイメージというものを少し考えながらいろんな問題を考えていく必要があるのではないかと思います。例えばがんゲノム医療についても、今行われているものに対する課題がかなり明確に指摘されています。そういうものを解決していくというのも非常に重要な課題ですし、また、先ほど菅野構成員がおっしゃったポリジェニックリスクスコアや、がんの全ゲノム解析のプロジェクトというものが国家プロジェクトとして進み、結果がすでに出ているのではないかと思います。そういう成果から次のがんゲノム医療に新しい内容として何を実装化することができるのか、そういった点も少し考え、あるいは議論していただいて、それを取り巻く諸問題を考えていく、そういう流れも必要ではないかなとは感じました。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。ゲノム医療を推進する上において様々な課題が出てくると思いますけれども、課題に対する議論を適宜取り入れながら取り組んでいく必要があるという御指摘ですが、この点、事務局、よろしいでしょうか。
○松浦医療イノベーション推進室長
事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。本日も、がん課、難病課のほうからゲノム医療に係る提供体制含めてプレゼンをいただいて御説明させていただいたところではございますけれども、もろもろの個別の対応等とも一体として取り組む必要があろうかと思いますので、引き続き関係課とよく情報共有しながら進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○中釜座長
よろしいでしょうか。手が挙がっていますので、山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員
山田でございます。ありがとうございます。
若干、菅野先生がおっしゃっていたことに関連して、一言だけちょっとコメントと思いましたので、発言させていただきたいと思います。
日本にある遺伝情報に対して、海外からそれ以外の情報を組み合わせたようなサービスが入ってくるのではないかということで、未来形でおっしゃっているようにお伺いしたのですけれども、恐らくもう既にこういう外国の事業者というのは日本にサービスを提供し始めているのかなというのが我々の認識しているところでございますということと、あと、その母体となる検査のほうですけれども、価格ですとか技術の関係、いろんな理由があるとは思うのですけれども、海外の業者に検査を出している事例というのも既に存在しているかとは思っておりますので、今後の議論の中でもそういったところも考慮して、このワーキンググループで議論するというのがよろしいかなとは、ちょっと私どもとしては今日のお話を聞いて思った次第でございます。以上でございます。
○中釜座長
ありがとうございます。重要な御指摘かと思います。では最後、水澤構成員、御発言いただけますか。
○水澤構成員
ありがとうございます。今日は各省庁からの御発言、御説明があって、いろんな点が明確になってきたかなと思います。これまで各委員からの意見というのは、今日の資料にもまとめられておりますけれども、今日もまたそれが復習できたような気がいたします。
例えば文科省のほうからは教育の場面でゲノム医療のことを、遺伝のことを教育していくということが述べられましたし、それはこれまでの議論でゲノムリテラシーを上げていくといったことにつながると思うのですけれども、検討するということが多かったと思うのですけれども、これからあと計画されている2回ぐらいの意見交換でしょうか、そういった中でより具体的な時期が明示されるとか、具体的な方法がはっきりと打ち出せていけたらいいのではないかなと希望しております。ぜひよろしくお願いいたします。以上です。
○中釜座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。ほかに御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、最後、その他ですが、事務局から何かございますか。
○松浦医療イノベーション推進室長
ありがとうございます。次回の運営につきましては、座長と御相談させていただき、後ほど御連絡をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○中釜座長
ありがとうございます。本日、各構成員からいただいた点も踏まえながら、次回以降の意見交換に資料として出させていただければと思います。構成員の皆さんにはスムーズな進行に御協力いただき、ありがとうございました。
以上をもちまして本日の会議は終了いたします。