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第196回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録
日時
令和6年6月19日(水) 9:00~11:00
場所
厚生労働省 専用第14会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階)
議事
- 議事内容
- ○鈴木調査官 開催に先立ちまして御連絡です。
本日は、こちらの会場とオンラインの併用で開催しております。部会中は、オンラインの方は、基本的に、カメラはオンで、マイクはオフでお願いいたします。発言をされる際には、会場の方は挙手、オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を使用いただき、部会長から指名があった後に、御発言をお願いいたします。
なお、傍聴は会場内にて行っております。
進行に関する説明については、以上となります。
○守島部会長 皆さん方、おはようございます。
ただいまより、第196回「雇用保険部会」を開催いたしたいと思います。
まず、出欠状況ですけれども、本日は、労働者委員の内藤委員、それから、公益代表の中窪委員、水島委員が所用のため御欠席と伺っております。また、使用者代表の段委員が途中退席の御予定、それから、使用者代表の島本委員が途中遅れての出席ということになっております。
それでは、議題1に入っていきたいと思います。
議題1は「雇用保険法施行規則及び生活保護法別表第一に規定する厚生労働省令で定める情報を定める省令の一部を改正する省令案要綱について」でございます。
それでは、まず、資料について、事務局より御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○鈴木調査官 雇用保険課の鈴木でございます。
資料1-1、資料1-2に関して御説明を差し上げます。
資料1-1につきましては、今回諮問させていただく、雇用保険法施行規則等の改正省令の要綱でございます。
こちらは、縦書きで分かりづらい部分もございますので、資料1-2の概要資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。資料1-2を御覧ください。
1ページ目、2ページ目につきましては、後ほど御説明をさせていただきたいと思いますので、まず、3ページ目以降を御覧ください。
3ページ目「施行期日について(一覧)」という資料でございます。
こちらは、昨年から御議論いただきまして、本部会で取りまとめていただきました雇用保険部会報告書に基づきまして、改正を行った雇用保険法改正、また、後ほど議題2で御報告申し上げますけれども、先般6月5日に成立いたしました、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律と、こちらに盛り込まれた法律施行関係の一覧表でございます。
前回、こちらの部会でもお示しさせていただいた資料の類似資料でございますが、今般、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律が成立したことを踏まえまして、※1の部分、また、令和2年の雇用保険法改正において、令和7年4月1日から施行されることとなっております、高年齢雇用継続給付の給付率引下げ、こちらは※2と付記しておりますが、こちらを新たに追記いたしまして、当面、雇用保険制度改正の改正施行一覧ということを一覧表としたものでございます。
そして、今回その中で諮問させていただきます内容としましては、直近の施行を控えております、令和6年10月1日、教育訓練給付金の給付率引上げに関する事項でございます。
続きまして、4ページ目を御覧ください。
今般の教育訓練給付の拡充に関する内容の概要でございます。
御案内のとおり教育訓練給付については、3種類ございまして、専門実践、特定一般、一般という形で、それぞれの仕組みが設けられてございますが、今般、拡充する内容としましては、専門実践及び特定一般の部分となります。
特定一般の部分につきましては、従来は黒字の部分が給付率の対象となってございました。本体給付ということで、受講費用の40%、年間上限20万円というところが給付の内容となってございましたが、今般、左側の追加給付①ということで、従来の専門実践に組み込まれていた枠組みと同様、原則1年以内に訓練受講後、資格取得、就職雇用した場合には、40%にプラスして10%、年間上限も5万円引き上げましてトータル50%、年間上限25万円ということで給付率の拡充を図りたいと考えてございます。
もう一点、専門実践の給付率引上げでございますが、左側、従来は受講費用の50%の本体給付がベースとしてございまして、そちらに1年以内の資格取得、就職雇用した場合に追加給付ということで20%、年間上限16万円ということで、トータル56万円の年間給付額ということになってございました。今般、新たなスキームとして追加給付②ということで、賃金上昇の要件を追加いたしまして、こちらは訓練前後で、賃金が5%上昇したということをもって、さらに10%、年間上限8万円を引き上げまして、トータル最大80%、年間上限64万円まで引き上げてはどうかということで考えてございます。
追加給付②のスキームにつきましては、今回新しく措置する内容でございますので、その具体的なイメージ図につきまして、5ページ目以降で御説明をさせていただきます。
5ページ目でございますけれども、この賃金要件の確認方法ということですが、基本的に給付訓練の修了前と修了後の賃金を比較することを考えてございます。
まず、賃金要件、教育訓練後の賃金でございますけれども、訓練を修了し、資格取得をし、かつ雇用された日から1年を経過するまでの期間における連続する6か月間の賃金を基礎とするみなし賃金額というもの、こちらを比較対象となる訓練後の賃金として設定させていただきたいと考えてございます。
教育訓練前の賃金につきましては、教育訓練開始前の直近の離職に係る賃金日額ということでございます。
在職者の場合は、教育訓練開始日の前日を離職日とみなした場合に算定する賃金日額に相当する額ということとさせていただきまして、こちらの①、②を比較しまして、5%以上賃金上昇が図られた場合に、今回の追加の10%の上乗せ給付をさせていただきたいというものでございます。
こちらにつきましては、10%の上乗せ給付を行う場合に申請をいただくことになりますけれども、申請期限は、訓練を修了し、資格取得などをし、かつ雇用された日の翌日から6か月を経過した日から起算して6か月以内ということで設定させていただきたいと思います。
資格取得等より先に雇用された場合は、資格取得等をした日といたしまして、在職者の場合は資格取得した日ということで、そこから起算して、6か月を経過した日から起算して6か月以内という形とさせていただきたいと思います。
対象となる賃金につきましては、基本的には、離職時に基本手当の賃金日額の計算に用いられる賃金と同じ考え方で、支払われた賃金、臨時的に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金といったものは除いて、毎月支払われる賃金を対象とさせていただきたいと思います。
申請時の提出資料でございますが、ハローワークではどの程度賃金が上昇したかということを確認するすべが現状ございませんので、事業主の皆様からの証明というものに、給与明細の写し等を添付していただくことを考えてございます。
こちらを図にしたものが、次の6ページ目でございます。
離職者の場合と在職者の場合ということで、スキームが変わっておりますけれども、原則として離職者の場合、まず、離職前の賃金として、離職前の6か月分をベースとして、設定いたします。
その後、訓練開始、訓練修了、そして原則1年以内に資格取得、就職をいただきまして、そこを起点として1年間を経過するうちの任意の6か月、連続する6か月というものを比較先の対象賃金ということで設定させていただきまして、これらの賃金額を比較させていただくというものでございます。
退職者につきましては、離職がない分シンプルでございまして、訓練開始前の6か月、そして訓練修了から1年以内に資格取得をしていただき、その資格取得後1年間のうち、任意の連続する6か月というものを比較対象とさせていただきまして、これらの賃金額を比較するというものでございます。
なお、今回の省令改正におきましては、この賃金給付率引上げ要件とは、若干論点が異なりますけれども、従来、注の部分でございますが、在職者であって修了後1年以内に資格等がないため、1年以内の資格取得要件を満たせないような事例というものがございました。
介護福祉士等の試験におきましては、実務要件などが課される関係上、1年以内にどうしても最短で合格を得られることができないというケースがございましたので、こちらについては、例外的に認められるような措置を、今回の省令改正の中では講じたいと考えてございます。
続きまして、7ページ目でございますけれども、今回の賃金上昇を確認するために、事業主の皆様に証明していただきたいものということで、このような様式を提出いただくことを考えてございますけれども、基本的には現行の離職票と同様の賃金の証明欄を新たに設けることを考えてございます。
以上を踏まえまして、こちらの内容を省令案にしたものが、1ページ目、2ページ目になります。前後して恐縮ですが、お戻りいただければと思います。
まず「雇用保険法施行規則関係」ということでございますが、特定一般教育訓練に関しまして、訓練を受け修了し、資格の取得等をし、かつ、一般被保険者または高年齢被保険者として雇用された方または雇用されている方につきましては、教育訓練給付金の給付率を50%、上限25万円とするというものが1点目でございます。
次に、専門実践教育訓練につきましては、当該教育訓練を受け修了し、資格取得等をし、かつ、一般被保険者等として雇用された方または雇用されている方のうち、①に掲げる額が②に掲げる額の105%相当以上である方については、教育訓練給付金の給付率を80万円、上限192万円とするというものでございます。
①、②につきましては、先ほど御説明差し上げましたイメージ図を文章にしているものでございますので、割愛をさせていただきます。
また、一番下の○でございますが、専門実践教育訓練給付金の支給を受ける者に対する支給限度期間、教育訓練開始日から10年間でありますが、それにおける支給額の上限額を192万円とするものでございます。
なお、※3にございますとおり、法令により最短の修業年限が4年の場合につきましては、管理栄養士等が該当しますけれども、その場合は3年ではなく4年が必要となりますので、こちらは192万円ではなく256万円ということで規定をさせていただきたいと考えてございます。
続きまして、2ページ目でございますけれども、こちらは手続系の規定でございます。
管轄公共職業安定所の長は、特定一般教育訓練給付金の給付対象者に対し、追加給付の申請を行うべき期間、こちらは1か月でございますが、それを通知することとし、給付対象者は、追加給付の支給を受けようとするときには、申請期間内に教育訓練給付金支給申請書に受講費用の証明書類、資格の取得等の証明書類等を添付して、管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないということ。
また、専門実践に関しましても、管轄公共職業安定所の長は、専門実践教育訓練給付金の給付対象者に対し、教育訓練受講後に賃金が上昇した場合における追加給付の申請を行うべき期間を通知するものとし、給付対象者は当該追加給付の支給を受けようとするときには、申請期間内に教育訓練給付金支給申請書に、教育訓練の受講前後のそれぞれの賃金額に係る証明書類、受給資格証等を添付して、管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないということ。
また、特定一般教育訓練給付金に係る追加給付及び専門実践教育訓練給付金に係る教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合における追加給付につきましては、支給を決定したときは、その日の翌日から起算して、7日以内に支給するといったことでございます。
もう一点の省令「生活保護法別表第一に規定する厚生労働省令で定める情報を定める省令関係」ということにつきましては、こちらは条項ずれに関する形式的な改正でございます。
施行期日につきましては、令和6年10月1日とさせていただくとともに、改正後の規定は施行日以後に教育訓練を開始した者について適用することとさせていただきたいと思います。
なお、最後に8ページ目を御覧いただきたいと思いますけれども、当部会においても御指摘いただきました上、法案審議の際にも附帯決議という形で御指摘をいただいてございますが、下の参議院の厚生労働委員会の附帯決議を御覧いただければと思いますが、こういった教育訓練給付に関しましては、効果的な給付の観点から講座の効果、賃金上昇の確認方法等の十分な検証を行い、その結果を踏まえ、指定講座の見直し等を含め、労働政策審議会において必要な検討を行うことといった御指摘をいただいておりますので、今般の施行状況につきましても、可能な限り、後ほどの審議に資するようなデータ等の収集に努め、施行状況を注視してまいりたいと考えてございます。
議題1に関する資料につきましては、以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がおありの方は、お願いいたしたいと思います。
では、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
まず、内容につきましては、先般の雇用保険法の改正を受けた、省令改正であり、了承したいと思いますけれども、その上で1点要望を申し上げたいと思います。
先ほど、最後に附帯決議の御説明もいただきましたが、この部会の中でも、訓練受講や資格取得の結果としての賃金上昇と分かることが重要だと申し上げてきましたが、今回示された内容では、正直そこは分からないのではないかと思っております。
賃金上昇の結果が、政策の効果として出てきているのかどうかを確認することはなかなか難しいと思いますが、政府として、賃金上昇が重要ということで、様々な要件に取り入れているのだと思いますので、賃金上昇の確認方法や効果検証の手法を十分に検討していただくことが重要であると考えております。
おそらく、ハローワークの業務負担なども考慮された結果が今回の提案だと思いますが、今後も引き続き、アンケートなどによるデータの収集も含めて、政策効果などの効果検証を見据えて検討をいただければと思いますので、その点、要望として申し上げたいと思います。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
では、平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。
省令案については、異論ありません。
その上で、周知に関するお願いです。労働者の主体的な能力開発を支援する教育訓練給付金の活用を改めて周知していただくとともに、今般の改正で、追加給付を得るために、労働者が任意の6か月を決めて賃金上昇を確認する必要があることから、事業主による賃金証明のイメージ図を示していただいておりますが、実務対応も含めて、しっかり周知をしていただければと思います。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。
それでは事務局から、どうぞ。
○尾田雇用保険課長 事務局でございます。冨髙委員、平田委員から御要望、御意見を賜りました。
賃金上昇につきまして、冨髙委員から、本来は訓練に伴う賃金上昇ということをきちんと確認すべきところ、今回の取扱いについて、しっかりとデータ収集に努めるようにという御指摘をいただきました。
私どもといたしましても、実務上の観点と、あとは労働者、使用者の皆様にとっても従来からなじみのある手続として、これまでの基本手当の賃金日額と同じ考え方で、取りあえずは始めさせていただきたいという案をお示しさせていただいたところでございます。
ただ一方で、御指摘のとおり、訓練そのものの効果というものをきちんと反映できたものかどうかという点については、そこは正確には、そうではないものも含まれ得るということは認識した上で、このような手続を組んでおります。
そういうものでございますので、御指摘もしっかり踏まえまして、訓練に伴う賃金上昇だったのか否かというところをきちんと事後に検証できるように、私どもとしても何らかの形でデータ収集し、また、お示しできるように努めてまいりたいと思っております。
また、平田委員から御指摘がございました、今回、訓練後の賃金につきましては、1年間のうち6か月を選んで、その6か月間の賃金を比較することにしております。
これは、賃金上昇のタイミングというのはいろいろあるということで、1年間の中で猶予を設けまして、その間で6か月、賃金が上がった後の6か月の賃金でよいという形にさせていただきましたが、これを基本的には労働者のほうでしっかり選択して、事業主と調整の上で出していただくことを想定しておりますので、そういったものであることをしっかりと私どもとしても周知して、混乱しないように努めてまいりたいと思っております。
御指摘いただきまして、ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに御意見とか、ありますでしょうか。
大丈夫ですね。それでは、当部会といたしましては「雇用保険法施行規則及び生活保護法別表第一に規定する厚生労働省令で定める情報を定める省令の一部を改正する省令案(要綱)について」につきまして、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長あてに報告いたしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案(要綱)の報告文案を画面に表示いたします。
また、会場におられる方に関しましては、事務局より報告文案を配付いたしますので、よろしくお願いいたします。
(報告文案画面共有・配付)
○守島部会長 ただいま画面に表示されております報告文案、もしくは皆さん方のお手元にお配りいたしました報告文案によって、職業安定分科会へ報告いたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、この報告文案で職業安定分科会に報告いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議題1につきましては、以上とさせていただきます。
続きまして、議題2に入りたいと思います。
議題2は「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の成立について」でございます。
まず、資料について事務局より御説明をいただきます。お願いいたします。
○鈴木調査官 事務局でございます。資料2に基づきまして御説明をさせていただきます。
今般、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律、こども家庭庁が提出した法案でございますけれども、6月5日に参議院本会議で成立しております。
こちらにつきましては、雇用保険法改正につきましても3点ほど盛り込まれてございますので、こちらの内容について御報告をさせていただきたいと思います。
2ページ目でございます。
こちらは、こども家庭庁作成の当該法律の概要でございますけれども、このうち雇用保険制度に関するものといたしましては、赤枠で囲った部分となります。
(3)の共働き、共育ての推進ということで、①両親ともに育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付、育児休業給付の給付率の引上げの部分、そして育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付を創設するというものです。
また、2ポツでございますけれども、子ども・子育て支援特別会計、いわゆる「こども金庫」の創設ということで、子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定及び労働保険特別会計の雇用勘定、育児休業給付関係を統合し、子ども・子育て支援特別会計を創設するというものでございます。
3ページ目以降に雇用保険制度に係る各項目の改正の概要について、資料をおつけしてございます。
3ページ目、4ページ目につきましては、これまでも当部会にお示ししてきた資料でございますので、説明を割愛させていただきます。
5ページ目、子ども・子育て支援特別会計の創設、こちらの資料につきましては、こども家庭庁作成の資料でございますので、今回説明をさせていただきたいと思います。
子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定及び労働保険特別会計の雇用勘定、育児休業給付関係を統合し、子ども・子育て支援特別会計を令和7年度に創設するというものでございます。
こちらの目的でございますが、左の①にありますとおり、この特別会計は児童手当、子供のための教育・保育給付、妊婦のための支援給付、乳児等のための支援給付、育児休業等給付等に関する政府の経理を明確にすることを目的とするというものでございます。
そして、子ども・子育て支援特別会計を子ども・子育て支援勘定及び育児休業等給付勘定に区分し、子ども・子育て支援勘定は内閣総理大臣が、育児休業等給付勘定は厚生労働大臣が管理することとされております。
③として、事業主拠出金、子ども・子育て支援納付金、雇用保険料といった特定の財源に係る決算剰余金が、特定の財源を充当する経費以外に使われることのないよう、子ども・子育て支援勘定に積立金(事業主拠出金)及び子ども・子育て支援納付金、育児休業等給付勘定に育児休業給付資金(育児休業給付に充てる雇用保険料)を置き、分別管理するということとされてございます。
主な歳入・歳出でございますが、右側の図にありますとおり、育児休業等給付勘定、右側の黒囲いの部分でございますが、こちらにつきましては、育児休業給付費と出生後休業支援給付費、育児時短就業給付費等というものが、歳出の項目として立てられております。
これに充てる歳入としましては、従来から育児休業給付の勘定として充てられておりました一般会計からの繰入れ、また、労働保険特別会計から繰入れということで、育児休業給付に当たる雇用保険料、こうしたものに加えまして、今般新たに創設されました支援納付金、子ども・子育て支援勘定からの繰入れというものが歳入に立てられることになります。
そして、この支援納付金につきましては、今回新たに創設されました、出生後休業支援給付費及び育児時短就業給付費といった2つに充当されることが規定されてございます。
法案の内容につきましては以上でございますが、参考資料3を御覧いただきまして、この子ども・子育て支援法等の改正法の審議経過につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
参考資料3の1枚目でございますけれども、本法案は、まず、令和6年2月16日に国会に提出され、衆議院では、令和6年4月2日から審議が開始され、約半月を審議いただき、4月19日に衆・本会議で採決し、通過をしております。
その後、ゴールデンウイークを挟み、参議院に送られまして、5月17日から審議が開始、6月5日に本会議で法案が可決、成立したという流れでございます。
この改正法につきましては、雇用保険法の改正時と同様、衆議院、参議院双方で附帯決議が付されてございます。
参議院のほうが衆議院よりも内容が網羅されておりますので、参議院の附帯決議に基づきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
7ページ目以降を御覧ください。
参議院では、附帯決議として21項目の立法府から行政府に対する法施行に当たっての注意事項ということで指摘がなされてございますが、雇用保険制度に関連する事項を中心に御説明を差し上げます。10ページ目を御覧ください。
14以降が雇用保険制度に係る御指摘といった点になりますが、まず、14ということで、男女がともに育児を担うことの重要性をはじめ、「共働き・共育て」の推進に向けて、企業も含めた社会全体で機運を醸成していく取組を推進すること。
15、出生後休業支援給付及び育児時短就業給付について、その効果や現場に与える影響などを検証した上で、引き続き、労働政策審議会をはじめとした関係審議会において審議を行うこと。
16、出生後休業支援給付制度において、男性の育児参加をより促す観点も踏まえ、制度の施行状況を確認し、必要な対応を行うこと
17、育児時短就業給付制度により、利用する労働者のキャリア形成の阻害や給付の公平性の観点から労働者間の分断などにつながらないよう、趣旨などを丁寧に周知しながら取組を進めること。
18、自営業・フリーランス等に対する育児期間中の経済的支援について、国民年金第一号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置の施行状況を確認しつつ、必要な対応を行うこと。
19、子ども・子育て支援特別会計の創設後も、雇用保険財源の活用の在り方及び保険料率をはじめ、従来労働政策審議会において議論を行ってきた事項については、引き続き、同審議会において審議を行うこと。
以上のような点が附帯決議に盛り込まれているところでございまして、この附帯決議及び、こちらの雇用保険部会の審議及び報告書でも御指摘いただいた点を踏まえ、施行に当たっては、十分事務方としても配慮、尊重をし、施行に向けて鋭意準備を進めてまいりたいと考えてございます。
議題2の資料に関しては以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明、本件に関しまして、御質問、御意見があったら、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
渡辺委員。
○渡辺委員 資料2の5ページについてでございます。
こちらの資料は、こども家庭庁が作成した資料であり、特別会計創設についての内容が記載されているかと思います。
経理の明確化を目的とするところは、全くそのとおりで、明確化は大変重要なものと思っております。
その上で、今後、この部会においても、この特別会計に関する御説明とかもあろうかと思っております。
その場合につきましては、雇用保険料も使っていることですので、この部会に関係するものを中心とした形での資料を作成いただいて御説明をいただいたほうが、非常に議論とか内容も理解しやすいものと思っておるところですので、今後について、お願いできればと思っております。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
では、千葉委員、お願いいたします。
○千葉委員 ありがとうございます。
子ども・子育て支援法の成立に当たりましては、先ほど御説明いただいたとおり、衆参両院で多くの附帯決議が付されている状況でございます。
その中には、「出生後休業支援給付及び育児時短就業給付の効果検証を行うこと」や、「雇用保険財源の活用など、従来、労政審で扱った事項については、引き続き、同審議会で議論すべきこと」など、労政審及び本部会に関する事項も多く含まれていると承知しております。
附帯決議の内容につきましては、職業安定分科会及び雇用保険部会において十分議論、検討を行えるように、計画的かつ丁寧な部会運営をお願いしたいと考えております。
それと、新たに創設される制度の趣旨が、労使に正確に伝わり、きちんと理解されるよう、丁寧な周知を改めてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問のある方、平田委員、お願いいたします。
○平田委員 私からも周知のお願いです。今般、2つ新しい給付が創設されますので、創設の趣旨も含めて、丁寧に周知することが重要なのではないかと思っています。よろしくお願いします。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか、オンラインの方も大丈夫ですね。
お答えになりますか。ありがとうございます。
○尾田雇用保険課長 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
まず、渡辺委員から、新しい特別会計に移管されました勘定の説明に当たって、雇用保険料を中心にという御指摘がございました。
おっしゃるとおり、今後とも育児休業給付に係る雇用保険料と国庫負担、ここを今後どうしていくかということが、労働政策審議会で御議論いただく上で一番重要な課題でございますので、今後ともこの収支については、この雇用保険料、国庫負担、そして、育児休業給付費と、育児休業給付資金でございますけれども、これらの関係を中心に御説明できるような資料にしていきたいと思います。
他方で、出生後休業支援給付、育児時短就業給付について、今回、財源が支援納付金ということになりましたが、とはいえ、これらも雇用保険の制度ではございますので、その運用状況というのも同時にお示ししたいと思いますが、きちんと財源が分かれていることがわかるように、分けて御説明できるよう、しっかりと留意してまいりたいと思っております。
また、千葉委員から御指摘いただきました点、平田委員から御指摘いただきました点を踏まえまして、私どもも今回の改正内容につきましては、別途育児・介護休業法等の改正もございましたので、それらとあわせて、育児と仕事との両立支援策の全体像をしっかりと事業者の皆様、労働者の皆様に御理解いただいて、創設趣旨にのっとった御利用が進むように努めてまいりたいと思っております。
また、千葉委員から御指摘ございましたが、私ども当然ながら、今後とも労政審で御議論いただけるように、しっかりと計画的に準備を進めて御議論をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問のある方は、いらっしゃいますでしょうか。
ありがとうございます。
事務局におかれましては、今、委員からいただいた御意見等を酌んで、また、これからいろいろ御対応をお願いしたいと思うとともに、各制度の施行につきましては、適切なタイミングで、省令等を本部会に諮っていただくようにお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議題2につきましては、以上とさせていただきます。
本日予定されている議題は以上ですので、本日の部会は、これで終了させていただきたいと思います。
皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございました。