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第20回 特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会
日時
令和6年7月3日(水)16:30~18:30
場所
AP虎ノ門 11階 ROOM A
東京都港区西新橋1-6-15 NS 虎ノ門ビル
東京都港区西新橋1-6-15 NS 虎ノ門ビル
議事
○樋渡地域医療計画課補佐 では、定刻となりましたので、ただいまから第20回「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
本検討会は、令和元年8月に第19回検討会を行って以来の開催となっております。改めて、座長を選出いたしますので、座長選出までの間、事務局で進行を行わせていただきます。私、医政局地域医療計画課補佐の樋渡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本来でありましたら、構成員の方々に一言ずつ御挨拶をいただくところですが、本日は時間の都合で、配付しております名簿・座席表をもって、御紹介と代えさせていただきたいと存じます。
なお、本日は泉構成員より御欠席の連絡をいただいております。
また、松田構成員、長尾構成員におかれましては、オンラインによる参加となっております。
なお、本日、オブザーバーとして文部科学省高等教育局医学教育課から堀岡伸彦様にお越しいただいております。
では、開会に先立ちまして、医政局長浅沼より、御挨拶申し上げます。
○浅沼医政局長 医政局長の浅沼でございます。
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
まず、本日御参加の各委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
先ほど事務局からも御案内差し上げましたとおり、この検討会なのですけれども、前回、実は令和元年の8月ということで、約5年ぶりの開催となるものでございます。
このたび、特定機能病院に関して御議論をいただきたいと思いまして、5年ぶりに開催となりましたが、この特定機能病院なのですけれども、医療施設機能の体系化の一環としまして、高度医療の提供等の能力等を備えた病院につきまして、厚生労働大臣が個別に承認するものでございまして、これまでも幾度かにわたりまして、承認要件の見直しをして参ったところでございます。
本年の3月28日の社会保障審議会医療分科会から、大学附属病院、高度な医療の提供、特定領域型の特定機能病院など、様々な論点を含む御意見をいただいたところでございます。
それらの御指摘を踏まえまして、承認要件を含む特定機能病院の在り方につきまして、皆様に御検討いただきたく、今般の検討会を再開することといたしました。この特定機能病院も30年以上やっている制度なので、やはりそれなりに、いわゆる制度の見直しというのを重ねていかないと、令和時代に即した制度にならないと思っているところでございます。
医政局といたしましても、人口構造の変化に伴う医療ニーズの変化や、あるいは医療の高度化、均てん化、こうしたことも含めまして、技術的な動向の変化あるいは医師の働き方改革というものを、私どもは、一方で対応しています。
また、昨今言われていますけれども、若手医師の志向の変化、これが著しく変わっているのではないかということで、医師のキャリアパスの動向、こういったものも先ほど申し上げた30年間でいろいろ変わってきております。
ですので、多岐にわたる環境変化を踏まえた上での、いわゆる特定機能病院の在り方、など、医療提供体制の在り方を、るる検討をお願いしたいと思っています。
特定機能病院につきましては、医療提供体制の中で重要な位置づけを占める施策でございます。
これは、変わらないところでございますので、しっかり検討していきたいなと考えておりますので、ぜひ今日お越しの構成員の皆様方におかれましては、高い見識に基づく幅広い視点から、忌憚のない御意見を賜りまして、闊達な御議論をいただき、御指導をいただければと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表の座席表のほか、資料1「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会開催要綱」。
また、資料2-1「当面の本検討会の進め方について(案)」。
また、資料2-2「特定機能病院等の現状等について」の3点がございます。
また、資料2-2に関しましては、差し替えの資料も配付しております。併せて御確認をお願いいたします。
資料に欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。こちらは、よろしいでしょうか。
また、本日は現地参加及びオンラインによる同時開催となっております。オンラインでの御参加の委員の皆様に御注意いただきたい点につきまして、御連絡申し上げます。
今回、御発言時以外は、基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、御発言がある場合には、ZOOMの挙手機能やコメント機能を用いて、意思表示をお願いいたします。座長の指名に基づき御発言をお願いします。御発言の際は、記録のため、最初に御自身のお名前をお願いいたします。
現地参加の方におかれましても同様にお願いいたします。
それでは、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○樋渡地域医療計画課補佐 それでは、議事に入ります前に、本検討会における座長の選任に移らせていただきます。
本検討会では、開催要綱に基づき、座長の選出は互選によるものとしております。各委員の皆様におかれましては、座長として適任とお考えの方の御推薦をお願いいたします。自薦も含め、どなたか御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
今村構成員、お願いします。
○今村構成員 この特定機能病院の在り方については、いろいろとDPCができてきてからの部分も絡んでくるかと思います。そうしますと、両方よくお分かりの松田晋哉先生が御適任ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 先ほど今村委員から松田委員の御推薦をいただきました。ほかに推薦される委員の方はいらっしゃいますでしょうか。
では、ほかに委員の推薦がいらっしゃらないようなので、本検討会における座長を松田委員といたします。
それでは、座長に選出されました松田委員より、御挨拶をお願いいたします。
○松田座長 松田でございます。
このような大役を無事にこなせるか、甚だ心もとないのですけれども、委員の皆様の御協力を得まして、よい取りまとめができたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 また、座長におかれましては、座長不在の際に、座長の代わりを務める座長代理を指名することができます。座長代理としてどなたか指名されますでしょうか。
○松田座長 それは、私が指名してよろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 はい、お願いします。
○松田座長 この領域は、やはり御見識の深い、できれば上田委員にお願いをしたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 では、座長より上田委員の指名がありました。上田委員におかれましては、座長代理をお願いいたします。
○上田座長代理 上田です。よろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 では、以上をもちまして、本検討会における座長及び座長代理が決定しました。
それでは、以降の進行は座長にお願いいたします。
○松田座長 では、座長を務めさせていただきます。
すみません、今日はオンラインで参加しておりますので、会場でどなたが挙手をされたか分かりませんので、その部分、事務局のほうでサポートしていただいて、よろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 はい、承知しました。
○松田座長 お願いします。
それでは、議事の1番です。「特定機能病院の現状について」に入りたいと思います。
まず、資料1「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会 開催要綱」について、事務局から説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局の医療安全推進・医務指導室長でございます。
資料の1を簡単に御説明いたします。
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」につきましては、毎回アジェンダが変わるたびに開催要綱を改めてございます。
1の「開催の経緯」を御覧いただきたいのですけれども、局長からもございましたけれども、5年ぶりの開催となりますが、今般、開催の経緯となりましたのが、4行目の「今般」以降のところ、社会保障審議会医療分科会で、今年の3月に特定機能病院の承認要件等の在り方に関して意見が呈されたという経緯でございまして、開催するものでございます。
検討事項として2ポツを御覧いただきたいのですけれども、3点ございまして、まず(1)です。大学附属病院の取扱いについて、(2)、高度医療に関する要件の見直しについて、それから(3)、特定領域型の特定機能病院の承認要件についてということでございます。
後ほど、ここに関する資料が出てまいりますので、詳細はそちらで御説明をさせていただきたいと思います。
「※」のところにございますけれども、今回、まずは特定機能病院のところに照準を合わせていきたいと考えておりますので、地域医療支援病院の在り方に関しましては、今、地域医療構想の検討もしておりますので、順次追って開催ということにさせていただきたいと考えております。
それから、裏面に先生方の名簿がついてございます。
御説明としては以上でございます。座長にお返しいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
ただいまの説明つきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
会場のほうは、特に挙手はないですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 はい、特にございません。
○松田座長 分かりました。
では、これは特に議論するところでもないと思いますので、続きまして、資料の2-1「当面の本検討会の進め方について(案)」及び資料2-2「特定機能病院の現状等について」、一括して事務局のほうから説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進室長でございます。
資料2-1を御覧ください。
こちらは、進め方の案でございまして、当面の進め方に関して、以下のとおりとしてはどうかと考えております。
まず、今回、現状の確認の資料を出させていただきますので、先生方からフリートークという形で御議論をいただいて論点を抽出する。
それから、次回、第21回から、2、3回程度で、この中で急ぐべき論点、それから、整理が比較的容易な論点について、まずは意見を集約して、必要に応じて中間整理をしてはどうかと考えております。
それから、時間をかけて議論する論点、先ほどの3点のうち時間がかかるものを、適宜、議論するということで、年内で一定の意見集約、取りまとめを行いたいと考えているところでございます。
続きまして、中身のほうも一括で御説明させていただきますので、資料2-2を御覧ください。
差し替えの資料もございましたが、途中で出てまいりますので、1から順番に御説明をしてまいりたいと思います。
2ページを御覧ください。
これは、平成24年の、この検討会の資料なのですけれども、特定機能病院の趣旨がございます。
先ほど局長から申し上げたように、30年あまりの歴史がございますけれども、もともとの趣旨といたしましては、1つ目の○の1行目、機能・特性に応じた施設の体系化、こちらが趣旨でございます。
下に(1)(2)(3)とございますけれども、まず(1)のところ、高度な医療技術水準を保つために、まずは高度医療を必要とする症例を常に継続して行っているところ。
(2)高度医療のための人員設備を多くの医療機関で持つことは非効率なので、集約が必要であるという論点。
それから(3)地域の役割分担で紹介制という趣旨でございます。
3ページを御覧いただきまして、こちらにございますように、高度医療を担う特定機能病院と地域病院の役割分担というのが重要であるということでございます。
4ページでございます。
これが現行の制度になっておりますけれども、趣旨は、先ほど申し上げたもので、役割、2つ目の箱です。今の承認要件ですが、大きく分けて3つの柱と医療安全という形になってございまして、1つ目の柱は高度医療提供、2番目が高度の医療技術の開発・評価、いわゆる研究部分でございます。臨床研究の部分です。3点目が高度の医療に関する研修、いわゆる教育の部分でございます。それと医療安全という構造になってございます。
5ページ以降、簡単に承認要件を御説明しておりまして、左側が、いわゆる総合型、右側が、がんセンター等が承認されている特定領域型の要件となってございますが、ほぼ同じなのですけれども、標榜科が違うということ、紹介率、逆紹介率が違うというところでございまして、特定領域型は、高度の医療の提供で、総合型では、要件として特定機能病院以外の病院では提供の難しい医療となってございます。後ほど、具体の基準を御説明しますが、特定領域型はそれに加えまして、特に先駆的な診療を実施することがうたわれています。
それから、研修の部分で、右側に特定領域型、通常プラス日本全国の医療機関に勤務する医療従事者対象の人材育成というのがうたわれております。
6ページでございますが、高度の医療の要件、あまり具体的なものがない中、先進医療は2件というのがありまして、1件の場合は、難病の患者が500人以上という要件になっているというものでございます。
7ページに、医療技術の開発・評価、研究のところの要件ですけれども、るるストラクチャーの要件はあるのですけれども、定量的には、英語論文の査読ありが70件以上ということでございまして、こちらに関しては、ケースレポートやレターなども認められておりますし、インパクトファクター等の定めはございません。
それから、教育のところ、下の「研修を行わせる」というところですけれども、研修医数が平均して30人以上という要件になっています。これは、臨床研修医等を全て足したものということになります。
8ページを御覧いただきまして、これが承認されている病院の一覧になりまして、総合型、特定領域型、大学附属病院の本院、ナショナルセンター、その他ということで、下に病院名も入れて提示をしております。
9ページ、10ページが一覧ということになります。
11ページからは、これまでの見直しの経緯等をまとめているのですけれども、15ページを御覧いただきまして、15ページの平成16年のところです。規制改革推進3か年計画を踏まえて、定量的な基準を明確化したというのが1つ。
それから、16ページ、平成26年に特定領域型を設けたという経緯について、強調だけさせていただきます。
それから、18ページ以降でございますけれども、これが直近の要件見直しについて詳しく述べたものでありまして、東京女子医科大学、それから群馬大学において取消しがあったことなどの一連の見直しを書かせていただいております。
それでは、24ページを御覧いただければと思いますが、これが、先ほど申し上げた社会保障審議会医療分科会からの御指摘、意見書でございます。今年の3月28日でございます。
大きく分けて3点ございます。
太字下線は、今回事務局で入れさせていただきましたが、1のところ、大学附属病院の取扱いでございますけれども、大学附属病院は医療の提供以外にも、医学生を含む人材の育成及び供給を行う機関としての役割や、医学の進歩に寄与する研究開発の推進の役割を求められるということで、ほかと一線を画しているということで取扱いを整理するべきであるという御意見であります。
その際、1つの大学病院が複数の大学病院を有する場合の取扱い、いわゆる分院ですけれども、こちらに関しても、併せて整理と言われております。
2番目ですけれども、高度の医療の要件の見直しにつきまして、医療技術が年々高度化しているということ、これには均てん化しているという要素も入っていると事務局は解釈していますが、これに応じて、要件設定が必要ではないかという点。
それから3つ目、がんセンター等の特定領域型の要件の明確化でございますけれども、これらの病院に求められる承認要件が、若干不明瞭であるということと、本当にその他の総合型と比較して同水準の機能を果たしているのか、疑問が呈されているということで、在り方の検討を求められております。
これらの指摘を踏まえまして、今後御議論をいただきたいのですけれども、先ほど申し上げました3本柱、医療提供、研究、それから教育の順番に、現状を皆様と共有させていただいて、本日の御議論をいただきたいと考えております。
25ページ以降、まずは、1本目の柱の高度の医療提供に関する状況でございますけれども、グラフ等出てまいりますが、下の「注」にございますように、幾つかの類型に分けて表示をしているということ、それから比較のために、データが手に入るところは、特定機能病院以外の病院も400床以上に限って提示をさせていただくとともに、大学附属病院の分院が入っているデータでございます。
DPCのデータの都合上、今、特定機能病院になっていない東京女子医科大学、国際医療福祉大学、それから東北医科薬科も本院に含まれているデータなのですが、のぞいてみたのですけれども、ほとんど変わりませんので、そのまま提出をさせていただいております。
それから、26ページを御覧いただきたいのですけれども、少し医療のところは長いので、最初と最後に同じ論点のペーパーを出させていただいていますが、後ほどまとめて御説明をいたします。
27ページに箱ひげの見方が書いてあります。
それでは、28ページを御覧ください。
まず、要件になっております、先進医療Aの実施状況でございますが、AとBで合計2件ということなのですけれども、今回便宜的に、不妊治療の保険適用に伴って、不妊治療に関するものがたくさん先進医療Aに入っていますけれども、除いて比較をさせていただいていますが、こちらは、グラフを見ていただきまして、そこまで先進医療Aの実績全体として多くないという状況にあるのが見て取れるかと思います。1件から2件程度という状況でございます。
29ページは、先進医療Bでございますけれども、こちらは、抗がん剤の技術等多く含まれておりますので、ナショナルセンターで高めとなっておりますが、大学附属病院でも、平均が3、中央値が2ということでございます。0件の病院もかなりあるということでございます。後ほど件数を申し上げます。
それでは、33ページ以降、こちらは、先ほど今村先生もおっしゃっていましたけれども、実績を見るのにDPCの状況ということで、抜粋しております。
なお、今回ほとんどのところ、手術ありのDPCだけをお見せしているということと、DPCのデータは、9件以下はマスクになりますので、今回便宜的にゼロとしておりますので、そちらは、御覧いただく際の注意点でございます。
まず、34ページを御覧いただきたいのですが、こちらは、脳腫瘍の手術ありの年間実績の数値でございます。
左から順番に並んでおりますけれども、例えば大学附属病院のところを御覧いただきまして、平均年間61件ということで、ほかの群よりも大きく実績が多いということで、6番が特定機能以外の400床以上の病院、それから7番が分院ですけれども、そちらと比べても大きくなっていて、総合型よりもかなり大学附属病院の本院は多いという状況ではありますが、箱ひげの下が0件のところについておりまして、一部の附属病院本院で実績がないことがうかがえるという状況でございます。
35ページが、目の悪性腫瘍でございますけれども、かなりレアディジーズでありまして、大学附属病院本院でも25%から50%程度が、実績がないように見受けられます。
一般の病院では、ほとんど実績がなく、ナショナルセンター等の特定領域型で実績がある状況でございます。
36ページも、よりナショナルセンターに偏った形になっています。
37ページを御覧ください。
頭頸部悪性腫瘍でございますが、こちらも大学附属病院の本院で総合型や、特定機能以外よりも高い実績になっているのですけれども、附属病院本院でも実績ゼロのところがありそうだということが見て取れます。
38ページも少し似たような形ですが、大学附属病院も箱が下についていますので、4分の1ぐらいのところでは、実績が恐らくないという状況でございます。
それから、6番、7番のところでは、ほぼ実績がない、例外的にあるような状況ということでございます。
39ページ、こちらは、大学附属病院本院で実績が、ほかのところよりあり、特定領域型より高い、がんですので、そういうところだと思います。
しかし、特定機能病院以外の病院でも、実績ある病院がかなり多いという状況でございます。
40ページ、41ページなども、これまで出てきたグラフと同じような状況が見て取れるかと思います。
43ページは、大腸がんでかなりコモンでありますので、いろいろなところで高い実績があると、これは、かなり均てん化されていることが分かるかと思います。
44ページ以降、肝胆膵の領域ですけれども、大学で実績が高く、ただ特定機能病院以外の病院でも、実績ゼロのところもあるようですけれども、上位75%ぐらいで、17件以上の実績があるということでございます。
同じやや希少な胆のうのがん、45ページも、一般病院でも、かなり実績が増えてきている状況を見て取れるかと思います。
46ページが膵ですけれども、こちらも大学や特定領域型で実績の高い状況が分かりますが、附属病院本院の下限26件が、一般病院のところにもかなり低めの平均値を下回っているような状況も分かるかと思います。
残りのところ、同じような状況がございますので、後ほど見ていただくということでありまして、54ページ、白血病ですけれども、こちらは手術ありになっておりますので、脾摘をするような、かなりレアな症例になります。54ページの急性白血病のところですけれども、そういうところになると、かなりレアになってくるかなというところでございます。
少し飛びますけれども、57ページでございますが、こちらは急性膵炎で、同じくKコードあり、手術ありということでございますが、ステント留置とか、侵襲的なところに関しましては、大学附属病院本院でも25%程度で実績が恐らくないというところ、逆に400床以上の特定機能病院以外のところでも同じような実績分布になっているというところでございます。
58ページ、59ページは、一方、コモンディジーズ、誤嚥性肺炎、尿路感染というところで、こちらも手術ありですので、気管切開を行うような症例、ステント留置CHDFを行うような症例に限って見ているということで、比較していただければと考えております。
61ページ、こちらは少し抜けていますけれども、62ページと同じ処置2ということでCVを入れたり、挿管しているというような、ぐらいの処置を要するものを比較しておりますが、特定機能病院以外の病院のほうが、実績が高いような状況、62ページも同様ということでございます。
それから、飛んでいただきまして64ページを御覧ください。
64ページですが、こちらは、DPC病院の複雑性指数を比較したデータを中医協の資料から借りてきております。
64ページのグラフを見ていただきますと、青が大学病院の本院、それからDPC特定病院群が真ん中、オレンジというか赤のところ、緑がその他のDPC病院でございます。
特定病院群の解説が下にございます。グラフを見ていただきますと、大学附属病院本院と、ほかの病院群で分布がほぼ変わらないような状況がございます。複雑性指数は、同じ疾患の中でも、手間がかかるDPC分岐のコードをより多く算定しているところで高くなるという指数でございまして、複雑な患者さんをどれぐらい診ているかという、1個の指標でございますが、あまり分布が変わらないという状況でございます。
65ページが、同様、カバー率指数の比較でございます。
カバー率は、いろいろな疾患を見ていると高くなるというところでありまして、これは、一般病院、DPCの標準病院群よりも、その他の2群のほうが、カバー率指数は高い傾向にありまして、その中でも附属病院本院群のほうが高い傾向にございますが、附属病院本院群でも低いグループというのが一定数あるということが分かるかと思います。
これら医療のところを併せまして、66ページに論点をお示ししております。
まず、現状、おさらいですけれども、1つ目の○、高度医療提供の承認要件、先進だけですが、要件がありますが、概念としては、特定機能病院以外の病院では、実施が難しいものを実施するということになっております。
2つ目の○を御覧いただきたいのですが、先進医療A、B、73、167機関で行われていますが、これを実施していない特定機能病院に関しては、Aが29病院、うち大学附属病院本院が24、Bが実施していないのが19、うち本院が1という状況でございます。
続きまして、3つ目の○ですけれども、先ほど様々な疾患の実績を御覧いただきましたが、確かに一部の腫瘍、脊髄、縦隔、食道など難易度の高いものに関して、大学附属病院、それからナショナルセンター等の特定領域型において実績が高い傾向がございましたが、特定機能病院以外でも、一定の実績がある状況でございます。
また、一般的ながんに関しては、ほぼ実績に差がございませんでした。
また、この中で分院の実績は、400床以上の病院とほぼ一緒である分布というのを御覧になったと思います。
それから、悪性腫瘍以外の急性膵炎等でございますけれども、確かに附属病院本院で実績が高い傾向にございますが、特定機能病院以外の病院でも実績があるということが分かったかと思います。
また、複雑性指数は、似たような分布になっていてカバー率指数も、本院で高い傾向にありますが、同様の病院も存在する状況でございました。
また、あまり触れませんでしたけれども、大学病院以外の総合型の実績に関しては、全体としてかなり低かった状況にあったかと思います。聖路加国際病院や国立国際医療研究センターの実績等になりますけれども、それが低い傾向にあったということが分かるかと思います。
ここで論点ですが、今日はオープンですので、御自由にということになるのですけれども、1点申し上げさせていただくと、こういう高度化等に伴いまして、高度と考えられる医療については、特定機能病院以外の病院でも実施されるようになってきているということ、それから、実績は、ほぼ変わらないものになってきているということでありますが、そもそものところに立ち返りまして、特定機能病院における高度な医療の提供のあるべき方向性、また承認要件等について、どのように考えるか御議論いただきたいと考えております。
また、今回は取れるデータをお見せしたわけですが、2つ目の○ですけれども、データで把握することが必ずしも容易ではないけれども、やはり特定機能病院以外では実施しにくいもの、特定機能病院で実施されている高度な医療提供について、議論しておくべき点がないか御議論いただきたいと考えております。
それでは、67ページ以降、研究の部分、開発・評価のところへ行きたいと思います。
こちらは、差し替えのところに、研究のところが丸々移っていますので、お配りをした差し替えのところ、インターネット上には通しで上がっていますので、そのまま御覧いただいて大丈夫なのですけれども、こちらにいらっしゃる先生方は、資料2-2の差替えで、一括で御説明しますので、そちらを御覧ください。
68ページでございますけれども、まず、こちらは、研究費補助の実績ですけれども、大学附属病院とナショナルセンターの特定領域で高い傾向にございます。これは件数ベースですが、一部大学附属病院本院等で実績が低いところがあるように見えます。
これらを合計したものが69ページになりますけれども、69ページでは、全部足したものになりますけれども、大学附属病院本院で高い傾向にあるものの、低い病院が幾つかあるということ、それから、総合型で少し低い傾向にあるということ、その他の特定機能病院の特定領域型も少し低めということが分かるかと思います。
70ページですけれども、これは、件数ではなくて研究費の実額になりますが、ナショナルセンターでAMEDの研究費がすごく高いという状況がございます。
大学附属病院は、上のほうに外れ値がたくさんあって、研究の進んでいるところがあるところが分かりますが、低いところに分布しているものもあるかと思います。これは、全体を御覧いただければと思います。
71ページを御覧いただきたいと思いますが、今度は論文発表の実績でございますが、こちらもOriginal Article、やはり要件になっているということもあって、全体的に高め、特にナショナルセンターの特定領域においては、附属病院本院の上位層に関しては高いのですが、附属病院本院のほうに、Original Articleも低めのところがあるということ。
それから、附属病院本院群ですとか、ナショナルセンター総合型、その他の総合型で少しケースレポートの件数が多いところがあるかなというところが見て取れるかと思います。
これを全部足したものが71-2、これは追加でございますけれども、ページ番号がずれないように71-2になっていますけれども、こちらも全部足すということで、足すと全体的に多めになるのですけれども、やはり大学のほうにばらつきがあって、上にたくさん書いているところもありますし、低いところがあるという状況でございます。
72ページに、研究の部分の現状と論点をまとめております。研究に関しても、論文のところは承認要件になっておりまして、2つ目の○、研究費の獲得状況ですが、特定機能病院の中で、本院、それからナショナル病院、ナショナルセンターで高い一方、本院であっても実績が特に低い病院が一定数あるというところ。
それから、3つ目の○、論文数に関しては、全体として一定の実績がございますが、ケースレポート等の実績が多い、これは割合を見てみないと分かりませんけれども、多い病院は存在しております。
また、これは一般的な御指摘ですが、臨床研究に関する論文の出版に関しては、近年のオンラインジャーナル化を踏まえて、以前よりも容易になっているという御指摘もございます。
また、後ほど、臨床研究中核の要件が出てきますけれども、臨中は、我が国の医師主導治験のところを担うということで、特定臨床研究等の論文ということで、実績で数えられる論文に制限がかかっていますが、特定機能病院のほうは、査読あり、英語論文のみということで、定めがないということでございます。
踏まえまして、下の論点ですが、特定機能病院のうち、大学附属病院本院、ナショナルセンターにおいて、実績が高い一方、一部大学附属病院で実績が低いという状況がございますが、そもそもこの研究のところのあるべき方向性、かなり難しいところでございますが、その方向性と承認要件について、お考えを議論していただきたいと思っております。これは、類型ごとの議論も有用かと思います。
それから、2つ目の○ですが、臨床研究といっても、例えば、世界初の医薬品、医療機器の開発等を行うものもあれば、臨床研究中核の主眼である、他国で承認されているものを日本に持ってくるような研究、それから、いわゆる手術等の実績をまとめて、結果を世界に発信するというものがありますが、特定機能病院で、特にやるべきものなどがございましたら、御議論いただきたいと考えております。
それでは、次に、先ほどの大きいほうの資料に戻っていただきまして、73ページ以降、研修等ということで教育のところでございますけれども、まず、74ページ、臨床研修医の状況ですが、これは2学年分足した数値でございますけれども、こちらは比較をしております。
やはり大学附属病院やナショナルセンター総合型で、たくさんの研修医を育成しております。けれども、大学附属本院にも低いグループが一部いそうだということ、それが、特定機能以外の病院のところで、少し低いところは類似してくるというところと、大学附属病院分院については、研修医の数は、一般病院と同じような分布になっております。
75ページが、内科のプログラムでございますけれども、専攻医のプログラムですが、附属病院本院等で100%実施していますが、400床以上の病院で8割を切るぐらい、分院でも2割ぐらい持っていないところがあるという状況でございます。
76ページが、外科の専攻医プログラムでございますが、やはり大学と総合型は、100%プログラムを整備している一方、分院で5割程度、400床以上の病院で2割程度の整備率でございます。
外科は、専攻医の数を公表しているので、下にグラフをつけさせていただきましたが、もともと委員の先生方とお話ししたときは、3学年分足していたのですけれども、これは1学年分に分かりやすくしております。
見ると、やはり大学で多い傾向がございますけれども、一部のところで低くなっているということです。それから、特定機能病院以外の病院や分院は同じような分布に、やはり低めになっているということが分かります。
77ページが産婦人科のプログラムですが、同じように大学総合型で100%の整備率、分院で4割程度、400床以上の平均は2割を切っているという状況。
78ページ、小児科ですけれども、産婦人科とほぼ同じような状況でございます。
79ページは、あくまでもプログラムの数で実際の専攻医ではないのですけれども、プログラムの数でのシェアで見てみたものでございます。
一番左が内科になっておりまして、下から本院等と並んでおりますが、大学附属病院本院のシェアを見ますと、内科で1割、小児科で4割、産婦人科で5割、外科で4割という形になっている状況でございます。
80ページ以降は、研修等の状況になっておりまして、81ページを御覧いただきたいのですが、医師以外への研修、大学附属病院でたくさんの研修をしていただいているところ、82ページが実際の研修の回数ですけれども、やはり附属病院本院で、コメディカル等への教育を担っていただいているということが分かるかと思います。
それでは、87ページを御覧ください。
この教育の現状についてまとめております。教育に関しても、研修医30人と要件がありますけれども、現状の2つ目の○ですが、附属病院本院、それから総合型のところにおいて、特定機能病院以外の病院を大きく上回る臨床研修医を受け入れていて、一方、大学附属病院の本院等で、臨床研修医の受入れ実績が低いところが一部あるということです。
専攻医、プログラム、3つ目の○ですけれども、やはり特定領域型では低いというところ、それ以外では、基幹型専攻医プログラムを整備しているというところですが、専攻医の数を見ますと、本院において特に高いが一部の本院で低いという状況がございます。
論点のところでございますけれども、1つ目の○、今、申し上げたように、本院や総合型で多くの医師を育成している一方、専攻医に関しても大学でプログラムを整備しているが、一部実績が低いという状況でございます。
それから、全体のシェアを見ると、やはり特定機能病院以外のところでも受入れが進んでいるので、この辺を踏まえて、教育研修等のあるべき方向性、それから承認要件等についてどう考えるのか。これも類型ごとの議論が必要であればしていただきたいというところでございます。
それから、2つ目の○、特定領域型においては、これらのところが少ないというところ、総合型と同様に取り扱うかという点も含めて御議論いただきたいと考えております。
3つ目の○、特に特定機能病院以外の病院では実施することが難しい教育研修の在り方、どういうものがあるのかなど、御議論いただきたいと考えております。
それから、88ページ以降、分院についてですけれども、先ほど、医療の実績や、教育については述べたので、89ページは、実際の医師数の現状でございますけれども、大学病院には多数の医師がいて、教育や研究を行っているので、そこの負担の問題というのがよくありますけれども、こちらは、やはり、本院にはたくさんの医師がいるというところ、それから分院は、あまり特定機能病院以外の病院と、そこまで変わらないということ、やはり本院に医師が集中して配置をされているという状況がございます。
90ページは、御参考で救急車の受入台数ですけれども、本院でやや低いという状況がございまして、これは三次救急等に特化している病院が多いためと考えられます。
91ページで、本院と分院のところの論点でございます。
現状のところにございますように、分院については、本院と医師数や実績等に関しては、大きく低い傾向がございます。研修医の受入れ等についても同様でございます。
論点のところ、このような実績等が著しく低くなっている状況等を踏まえまして、本院と分院は同等のものなのか、やはり大きく異なるものなのか等、御検討をいただきたいと考えております。
92ページでございますけれども、これは、分科会からの宿題の複数領域の特定領域のところでございます。
93ページを御覧いただきたいのですけれども、今回意見書が出た背景としまして、埼玉医科大学国際医療センターが、特定領域型として申請を出してきたというところです。こちらは分院の扱いに、埼玉医大としてはなります。
こちらは、名称の承認は適切ではないということで不承認になっているのですが、理由として3点ありまして、今回、特定領域型と言いながら、3領域、がん、心臓病、救命救急それぞれが特定領域であるという中で申請があり、理由のところに書いてございますように、一部の領域で通常提供することが難しい診療や、技術の研究開発を行う能力が確認できなかった等の理由で、不承認になっているというものでございます。
ここで審査の観点として分科会から示された観点が、下に3点ございまして、まず1のところなのですけれども、黒字下線のところにありますが、特定領域型は、特定の領域で総合型を上回る高度かつ専門的な医療を提供するということで、トータルで総合型に匹敵するという考え方ですねということ。
2点目が、そうであれば、病院全体を特定機能として承認するので、特定領域が病院全体の大宗を占めていないといけないのではないでしょうかということ。
3点目、そうであれば、大宗を占めるとして出されたそれぞれの特定領域において、総合型を上回る、特に先駆的な診療が求められるのではないかという御指摘がございました。
今回、承認要件の議論でございますので、こちらの分科会の意見は、現在の承認要件の中で考えるとしたら、こうですねという御意見であると承知しておりますが、94ページの論点、下のところ、2つ○がございますが、今の審議上の整理を踏まえまして、複数領域を有する際の特定領域型の制度上の取扱いをどう考えるかというところ、そもそも特定領域型としてふさわしいのかということも含め、在り方に関する検討、それから、承認する場合はどういう考え方や留意事項によってやるものなのかということでございます。
95ページ以降でございますけれども、その他の観点として医師派遣機能について取り上げたいと思います。
96ページにございますように、医師の養成課程からしっかり医師を養成していただいて、今、医師の偏在対策というところを行っているわけでございますけれども、この養成課程においては、卒前の教育というのも重要であるということでございます。
それから、卒後のところも97ページを御覧いただきまして、出身地と大学を固定して考えたときに、臨床研修する場所によって、その後の進路として選ぶ県が異なってくるという、やはり出身県で、その大学のある県で研修をすると、残る割合が高いというデータがございます。
また、98ページ、文科省さんのデータですけれども、大学附属病院から常勤医師を多数派遣していただいていて、地域医療を支えていただいているということ。
それから、赤の部分が、医師少数区域ですけれども、やはり少数区域に派遣をいただいております。
99ページを見ていただきますと、この大学病院からの派遣につきましては、様々な専門領域に派遣をいただいていまして、それは少数区域であっても、バリエーションのある専門領域で派遣をいただいているという状況でございます。
100ページでございますが、附属病院の医師派遣機能でございますけれども、現在、特定機能病院の承認要件とはなっておりませんが、現状、2つ目の○、今、見たように特定機能病院のうち、多数を占める大学附属病院本院から、様々な医師派遣が行われておりまして、少数区域に対しても行われていますし、その少数区域も含めて、専門領域で幅広く行われていると。
それから、4つ目の○、意見書においても、医師の供給という観点は重要であるという御指摘をいただいております。
論点のところにございますけれども、本院の医師派遣機能ですが、承認要件とはなっていないものの、医療施設機能の体系化の推進を行うというのが、特定機能病院の法律の趣旨でございますけれども、このような医師派遣機能について、既存の承認要件である医療提供、研究、教育との関係、それから、特定機能病院のみならずかもしれませんけれども、我が国の医療提供体制の充実強化との関係を含めて、どういう論点で考えるかということ。
それから、その他にありますが、これは全体なのですけれども、この医療施設機能の体系化の推進という特定機能病院の趣旨に鑑みまして、そもそも特定機能病院の在り方として、それから承認要件としてどのような点を検討すべきかを御議論いただきたいと考えております。
101ページ以降は、既存のその他の制度になりますけれども、102ページが地域医療支援病院、それから103ページが臨床研究中核病院、それから104ページが、がん診療連携拠点病院です。この中にはゲノムもありまして、それが105ページ、ゲノム医療の提供体制、それから106ページが難病でございます。
107ページ以降、この特定機能病院の中で、今、申し上げたところ、地域医療支援病院は重なりませんので除いてありますが、それぞれどうなっているのかという星取り表を載せております。後ほど御覧ください。
以上で資料の御説明を終わらせていただきます。全体として御議論いただければと考えております。
座長にお戻しいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいた資料に基づいて議論したいと思いますけれども、何分少し量が多いので、少し分けて考えたいと思っています。
議論を前半、後半の2つに分けることにして、まず前半、これまでの経緯、医療の提供、医療技術の開発評価のところまでで御議論をいただけたらと思います。御質問や御意見等ございますでしょうか。それぞれの論点につきまして、御議論とか、そこから派生して特定機能病院について、あるべき方向性とか承認要件の考え方についても御意見がありましたら、ここでお願いしたいと思います。また、全体としての御意見は後半で述べていただくことも可能ですので、まず、前半のところで議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
吉村構成員、よろしくお願いします。
○吉村構成員 構成員の吉村です。御説明ありがとうございました。
2点意見いたします。
1点目は診療につきまして、事務局の説明を拝聴して、やはり特定機能病院と、それ以外の400床以上の病院の間に大きな差がないという印象を持ちました。
一方で、特定機能病院の本院の所在地による差があるのは当然と思いますので、郡部と都市部でそれぞれの医療機能の違いもあるかと思うので、その点を含めた検討が必要と考えます。
2点目の研究につきましては、特定機能病院については、資料で詳細な成果をお出しいただきましたけれども、それ以外の400床以上の病院につきましては、今回の資料には盛り込まれていません。その点を比較するために、今後、資料の提供や検討材料をご提示いただくのがよろしいと考えています。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
今村先生、お願いいたします。
○今村構成員 この特定機能病院の状況を歴史的に見ておりますと、DPCが始まり、その中で特定機能病院の位置づけが、一番高い設定となったために、特定機能病院を目指すようになったのかと思います。
そこで1点確認ですが、特定機能病院は特定機能病院としての1つの位置づけであって、本来、特定機能病院と診療報酬というのは、別物ではあるはず。今、DPC等の診療報酬と連動するような形になっていますが、これは、本来のそれを目指したものではないという認識でよろしいでしょうか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局からよろしいでしょうか。
○松田座長 どうぞ。
○松本医療安全推進・医務指導室長 ありがとうございます。
今の今村構成員の御指摘ですけれども、今日、診療報酬制度の中での資料はあまりお出しをしていないのですが、DPCの中での評価としましては、機能評価係数と言われるところ、機能評価係数Ⅰで評価をされているのは、様々な入院料加算ということになりますが、いわゆる特定機能病院の入院料は根本から違うので、評価係数の外になりますが、特定機能病院の診療報酬が普通の病院よりも高い設定になっております。この話も1つあります。
それから、これは特定機能病院としての評価ではなくて、大学附属病院本院につきまして、高い係数で評価をされておりますので、事実上特定機能病院である大学病院につきましては、二重に高い評価をされているというところ、今村構成員の御指摘のところは、どちらかというと前半の部分ですね。特定機能病院であるだけで高い診療報酬の評価を得るというところの御指摘かと思います。
制度上ですけれども、医療法の中での様々な評価につきましては、それそのものが、財政的なインセンティブではないというのは、委員の御指摘のとおりでございますけれども、中医協の中で、特定機能病院として提供している医療の質、それからコスト構造などについて御議論をいただいて、一部高い御評価をいただいているものと承知しておりますので、制度の趣旨としては別ですけれども、それに関してかかっているコスト構造の中で、中医協で認められたものに関しては、評価をいただいているという状況だと思っております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
1つだけ、一応私のほうで分かっていることを追加しますと、DPC制度が始まったときに特定機能病院とそれ以外で、原価調査をやっています。そのときに、やはり特定機能病院の方が、コストがかかっているという、一応、そういう結果は出ております。一応、これは参考までに、こういった報告書でも、たしか出していると思いますので、また後で見ていただけたらと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
川上先生、お願いいたします。
○川上構成員 日本薬剤師会の川上です。
医療技術の開発・評価等の状況、いわゆる臨床研究に関連することになります。今回、研究費の獲得実績などをお出しいただいたことは、大変参考になったかと思います。また、論文については、大学病院本院でも特定機能病院の承認要件に鑑みて、著しく低い大学があることは、少し驚きをもって拝見しました。
こういった数や金額などを見る場合、それぞれの病院において研究者登録をされている方、すなわち医師や、医師以外の薬剤師でも博士号を持って研究者登録している者はいるのですけれども、研究者登録している人がどのぐらいいるのか、1人当たりの生産性をも1つの検討材料かと思います。例えば大学評価ですと、教員評価として教員1人当たりの生産性も評価されることもありますので、今後はそういった観点でも御検討いただくと宜しいかと思いました。
以上でございます。
○松田座長 ありがとうございました。
非常に重要な御指摘だと思います。楠岡先生が作成された報告書のほうには、1人当たりの論文数も確か出ていたと思いますので、また、次回にそれを出していただけたらと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
松本構成員、お願いいたします。
○松本構成員 ありがとうございます。松本でございます。
26ページと66ページの論点にございます、高度な医療の提供のあるべき方向性や承認要件等につきましてでございますが、当然ながら、ほかの医療機関に提供できるものを、特定機能病院が提供する必要性は乏しいと考えております。
また、広域の拠点であるとか、最後のとりでという位置づけから考えましても、一方で、ある程度幅広さというのも重要だろうと考えます。
いささか抽象的な表現になりますけれども、先進性と網羅性という両方を兼ね備えることが、特定機能病院には期待されるものだと感じております。
一方、医療技術の開発・評価につきましては、日本全体の医療水準にも関わることですので、時代の変化に応じてレベルアップしていくために、外部資金の獲得や臨床研究の実績要件をしっかりしたものに見直すべきと考えております。
あと、先ほど来、診療報酬に関するお話がございましたが、私、今、中医協の委員を務めておりますので、非常に今村先生であるとか、松田先生の御発言には興味深く伺っておきました。ありがとうございました。
○松田座長 ありがとうございました。
高度性と網羅性を両立するというのは、非常に重要だと思いますので、何か新しい、それを何か総合したような指標を考えたほうがいいかもしれないですね。
ほかは、いかがでしょうか。
猪口構成員、お願いいたします。
○猪口構成員 ありがとうございます。
大学病院本院のことを考えると、やはり学生から卒後の研修教育、ここに非常に手がかかる。それから、さらに研究も行う必要がある。そして、臨床においては高度な臨床を求められる。さらに、医師の働き方、労働時間に制限が設けられると、非常に厳しい中での運営になりますので、私は、やはり大学病院の本院、これが特定機能としては、本来あるべき病院であって、それなりの評価をするべきであろうと思います。
一方で、特定機能では、ここでは、がんセンター、循環器病センターということですけれども、それらは、かなり疾患別に特化したところでやっていますので、そこにおいては非常に高度な医療が提供されているということで、これは、この1つの形ですけれども、同じように大学病院本院とおなじように特定機能病院ということとして論じるのは、少し無理があるのではないかという気がいたしました。
ただ、大学病院の本院の中でも、様々な差があり、やはり地域性によって、かなり内容で、多分ゼロのところもかなりありそうで、これらを大学によっての特性なのか、その地域によってやむなくそうなっているのか、そうではなくて、いろいろな大学がいろいろな問題を抱えているのか、このようなここら辺の分析がないと、大学病院の本質的なことが少し分かりづらいかなと思っております。
あとは、大学病院以外の総合型と400床以上の、いわゆる基幹病院、それから、大学病院の分院、ここら辺は、実は同じようなカテゴリーで考えられるのではないかと思います。そうすると、今度は地域医療支援病院のこととか、紹介受診重点医療機関とか、そういう問題と、また絡んでくるので、ここはまた別の議論になるかもしれませんが、一応、私はそのように思いました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
非常に重要な御指摘をいただいたと思っています。やはり、今、猪口構成員が指摘されていましたように、なぜ先進医療等ができないのかという、その理由の調査等をやらないといけないなというのは、そのとおりだと思います。これは、多分、研究も同じだと思います。
それから、大学の本院の使命としての卒前から卒後までの教育、研修というのは非常に重要でありまして、特に私どもの大学もそうなのですけれども、スチューデントドクターが始まってから、スチューデントドクターに関しては、カルテの記載等を指導医が研修医と同じように確認しないといけませんので、非常にスタッフの負担が高まっていますので、そういうところは、やはりきちんと評価をしないといけないのかなと思います。ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 尾形です。
1点、事務局に確認というか質問なのですが、72ページのところで、現状が整理されていて、4点目に臨床研究中核病院の話が出てきますが、これを読むと実績要件を結構厳しく定められているということなのですが、後述と書いてあるのですけれども、臨床研究中核病院の資料がないので、これは次回でもいいですから、どういう実績要件なのかということと、どういう病院がそれに該当しているのかという資料を見せていただければと思います。
以上です。
○松本医療安全推進・医務指導室長 座長、すみません、事務局からお答えをしたいと思います。よろしいでしょうか。
○松田座長 お願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 かなりはしょりまして、大変恐縮でございました。103ページを御覧ください。
103ページに、臨床研究中核病院の承認要件が記載してございますけれども、実施体制に関しても、特定機能病院よりも一歩踏み込んだ形でのところでございます。
一番右に人員要件がございまして、臨床研究に携わる人員としても要件がございまして、かなりその中の細かいところ、例えば、データマネジャーや生物統計家、薬事承認審査機関経験者などの配置要件がございます。
また、真ん中のところに実績の要件がございまして、先ほど申し上げたように、例えば論文に関しては、特定領域だったり、特定臨床研究に関するものでないといけないというところ、それからプロトコール論文は6報以内にしなくてはいけないなどの条件があって、45報以上という条件がございますし、上のところに、特定臨床研究の実施件数や、主導する多施設共同のところの研究の実施件数など、定めがございます。
107ページ以降を御覧いただきたいのですけれども、臨床研究中核病院になっている特定機能病院のリストがございまして、例えば、107ページで言えば、北大、東北大、千葉大、がんセンター東病院、慶應、108ページを御覧いただきますと、東大、順天堂、がんセンター中央、109ページで名古屋、京大、阪大、神戸大学、それから、110ページで岡山大学、九州大学、長崎大学ということになっております。大変失礼いたしました。
○尾形構成員 確認ですけれども、そうすると、臨床研究中核病院は、別に特定機能病院でなければいけないという要件はないけれども、実際上はそうなっているということですか、特定機能病院の一部だと。
○松本医療安全推進・医務指導室長 おっしゃるとおりです。
○尾形構成員 分かりました。
○松田座長 ありがとうございました。
たしか、この臨床研究中核病院は、実績があまりなかったところに関して、この委員会で、過去にヒアリング等をやっていますね。
○松本医療安全推進・医務指導室長 恐らく先生が、医療分科会の委員でもいらっしゃるので。
○松田座長 そうです、医療分科会でしたか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 はい、医療分科会で臨床研究中核のほうの審査もいただいておりますので、そちらの話かもしれません。
○松田座長 だから、それは結局、臨床研究中核病院になっていたとしても、それは、ちゃんと見直しをしないといけないということですね。
○松本医療安全推進・医務指導室長 そこは、おっしゃるとおりでありまして、臨床研究中核を満たしているから、特定機能として自動的に認められるわけでもございません。
○松田座長 ただ、あのときのやり取りを見ていると、制度そのものに結構構造的に難しい部分もあるので、何かそこも含めて検討しなくてはいけないなと思います。すみません、これは余談です。
ほかは、いかがでしょうか。
相良構成員、お願いいたします。
○相良構成員 私が考えているのは、特定機能病院というのは、1つは研究、それから教育、臨床、幅広、いわゆる一定の幅広い中の特化したものではなくて、全てを網羅できるというのは、1つ重要な要件なのかなと思います。
それとプラスして、地域医療をしっかり支えていかなければいけないと思いますので、そこから医師派遣をしっかりできているということ。
あとは、確定的資金に関しましては、当然ながら疾患に特化したところであれば、当然取りやすいという環境下にあると思いますけれども、やはり特定機能病院として幅広い中で、例えば、いろいろな診療科における獲得資金がしっかり取れているかどうか、そういうところは非常に重要なポイントではないのかなと思います。
当然ながら教育が入ってまいりますので、先ほど猪口先生のほうからもお話がありましたけれども、卒前卒後の教育がしっかりできているというところと、その教員、それが充実しているところが非常に重要なポイントもあって、例えば、臨床だけということではなくて、そこの教育に関してもしっかりとした教員が配置されているということに関しては、非常に重要なポイントではないかと思います。
そういう中で、教育が3本柱というのは非常に重要なポイントでもあって、そういうところが、ひいては臨床医あるいは地域医療に貢献できている。それで、全体的に、いわゆる特定機能病院が中核となって、周りの医療機関を助けていっているというところが重要な1つのポイントになるのではないかと思います。
○松田座長 ありがとうございました。
山崎構成員、お願いします。
○山崎構成員 山崎です。
事務局のほうから、例えば、高度の医療の提供とか、あと研究に関しても同じ大学病院本院でもかなり大きな差があるというような御説明があったかと思います。
私は都道府県の立場から申しますと、やはり都道府県の保健医療計画の中の立ち位置にも、かなり大学病院の同じ本院であっても差があるかなと思っているところです。
特に、やはり都道府県ですので、へき地への派遣等、そういったところは重要だと思っておりますし、5疾患6事業、そういったものを見ましても、例えば、本当に県の最後のとりでであるような高度救命救急センターのような病院もあれば、救命救急センターでもない大学病院もあり、また、災害拠点病院もしくは基幹災害拠点病院のところもあれば、災害拠点病院ですらない大学病院もあると。
例えば、あと周産期で言えば、総合周産期母子医療センターであるところもあれば、地域のセンターでもない病院もあるというところで、やはり都道府県の中の立ち位置でもかなり役割が、実は幅が広いと思っているところです。
ですので、総合型というときの、その総合の定義というのは、一体どのぐらい幅広にやっていれば総合なのかというところなどに関しましても、都道府県としては、なかなか、どれをもって最後のとりでとして頼れる病院と言えるのかというところに関しても、議論が深められるかなと思っておるところです。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
村松構成員、お願いします。
○村松構成員 ありがとうございます。村松でございます。
医療技術の開発評価について、論点の72ページでございますが、先ほどもしかしたら事務局からも簡単に御説明いただいたかと思いますが、ケースレポート等も認める、レターも認められているということですが、これは、インパクトファクターが論文の全てではないですし、いまだその評価の定まらないものが、後々評価されるということは往々にしてあると思いますが、現状はインパクトファクターと、その論文のクオリティーと言われるものについては評価をしていないという理解でよろしいですか。
○松田座長 事務局、お願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局でございます。
医療安全推進室長ですけれども、おっしゃるとおりで、インパクトファクターがついていなくても、査読あり、英語論文であればいいということで、ケースレポートであったり、レターであったりということも問わないのですが、臨床研究の論文であることということは、お求めをしています。
以上です。
○村松構成員 ありがとうございました。
そうしますと、査読ありと言っても、その査読のクオリティーですとか、論文によっては、いわゆるハゲタカジャーナルもありますし、小さい学会でお互いに読んでいるからといって査読ありになることも往々にあると思いますので、その辺りについてのクオリティーというものは論点となり得るかと考えました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
堀岡企画官、どうぞ。
○堀岡企画官 すみません、オブザーバーでございますけれども、大学病院のことが非常に、今、議論の中心であると思われますので、今回も参加させていただいておりまして、発言もさせていただきますが、文科省においても、昨年度、今年にかけて大学病院の研究教育に関する検討会というものを実は10年ぶりに開催しております。
その中で、非常に危機感を持って迎えられていたものが、特に日本の医学研究は、今、非常に厳しい状況になっているのですけれども、ほかの学部分野と比べて、研究教育にかけられるエフォートが大幅に下がっているというのが、非常に問題点として重要な論点として挙げられています。
きれいにエフォートと論文の数というものは、逆反比例になっていまして、患者1人当たりの診療が重ければ重いほど非常に研究成果とかも厳しいという状況になっております。
その中で、文科省としても様々な支援、政府としても予算などでも対応してきたところなのですけれども、この特定機能病院の見直しでも、もちろん診療、医師派遣、地域医療というものは特定機能病院、特に大学が担っていて、非常に重要で、最も重要な点かもしれませんけれども、医学研究教育を守るというような視点でも、御議論をいただければ幸いでございます。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございました。
研究に関しての御提案ということですね、何かこれに関して、ほかの委員の方から、御意見等ございますでしょうか。
大学病院の先生、いかがでしょうか。
門脇構成員、お願いいたします。
○門脇構成員 香川大学の門脇と申します。
地方の、それも新設医大からですので、この議論でも非常に話題になるところかと思いますけれども、やはり、これまでのお話に出ましたように、大学病院に期待されるところというか、求められるところが非常に多岐にわたっていて、いろいろな顔を持っているとか、持たざるを得ないですけれども、そういった中で、診療、高度医療、そして教育、研究、地域医療支援も、常勤医の派遣だけではなくて非常勤という、いわゆる外勤、アルバイトというのにもエネルギーを割くというところに持ってきて、医師の働き方改革ということで、これらをどう折り合いをつけるかというのは、非常に難しい。
その中で、特に地方大学、特に新設医大の立場からいくと、やはり、大学病院として、規模の比較的大きいところと同じような仕組みを整えないといけないのですけれども、人数が少ないので、兼任という形になって、どうしても仕事が多くなるということですので、ここは、そういうところで高度医療というか、地域の医療を支えることをしていきながら、かつ、役割として、高度医療を担うのですけれども、高度医療だけでは、飯が食っていけないというか、大学の経営が非常に厳しいということになると、とにかく通常の診療もある程度しないといけない。若手の教育上も、特殊な病気ばっかり診ていてもいけませんので、ある程度一般的な診療もしないといけないという、かなり厳しい状況ですので、やはり、そういった中で地域医療を支えるのに特定機能病院であり続けるということは必要だと思いますし、これは人員とか、大学病院は、それだけのタスクを求められているからには、特に十分な財政的なサポートも必要だと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
大学病院に関わる共通の思いだと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
長尾先生、お願いいたします。
○長尾構成員 名古屋大学の長尾です。医療安全、患者安全を担当していますが、私も大学病院ですので、日常執行部では、本当に毎回毎回このことが悩みで、バランスが高いレベルで求められているということだと思います。
やはり、私の立場からの懸念は、これまでの患者安全の歴史を振り返っても、やはり数を求めたときに、どうしても様々な安全や倫理的手続を軽視しての数優先の数値目標達成に軸足が置かれるとか、研究に関しても、捏造の問題であったりとか、まず、クオリティーよりも量という感じで、尻をたたたかれてきていたというか、その辺りを懸念します。
それで、総合型、バランス型ということであれば、やはり大都市群とか、病床数の多い特定機能病院に課せられるべきある種の目標と、それから、地方型や病床数が少ない特定機能病院に求められる数値目標などは違ってしかるべきかと。
そこで、共通認識を持っておかなくてはいけないのは、レーダーチャートのようなものをイメージしたときに、何かが突出しておれば、どこかが欠けていてもいいとするのか、いや、全体の面積が小さくてもバランスよくそれが広がっていることに価値を置くのかといった辺りです。患者安全の観点からは、後者かなと感じるのですけれども、その辺りの目安が定まってくるといいのかなと、一律に高いレベルのものを、ここをクリアしなくては駄目だとなったときに、どうしても現場に無理が強いられてきて、ほころびが出てくるというのを経験しますので、その辺りが懸念することです。
○松田座長 ありがとうございました。
今の御意見は、非常に重要だと思います。先ほど、どなたかが高度性と網羅性をバランスするという話をされましたが、やはり、それを総合的に評価できるようなことを考えていかないといけないのかなと思いました。
相良構成員、お願いいたします。
○相良構成員 先ほど堀岡企画官が言われたのは非常に重要だと思いますし、1つは、例えば客観性を持って評価するという場合に、論文数ということでいうと、少し危険な感じがします。
それは、例えば、教育ということで話をしますと、なかなかそこのところは、数字で出すことは非常に難しいということもありますので、そういうところをどう評価するか、エフォートをどう評価するかということだと思います。
あとは、先ほど、働き方改革と言われましたけれども、働き方改革の中で、例えば、時間の効率化ということでいいますと、働き方改革が始まった中での助教クラスの研究あるいはそこに費やす時間に関しては、多少増えてきていることを考えますと、そこの効率化という面では、逆にいい方向に関わってきているのではないのかなと思いますので、そういうところで、そこをどう評価するかということが重要なポイントにはなるのではないかと思います。
したがって、その評価のところというのは、例えば論文数ということで言うと、非常に特化した形での病院に関しては、論文数が非常に多く出てくる可能性がありますので、そういうところではなくて、例えば、いろいろなバランスを考えた中で、教育、あとは研究、あとは臨床も含めて、そういうところをどう評価していくかということでやっていく必要性があるのではないかなと思いますけれども。
○松田座長 ありがとうございました。
既に後半の部分の研究、研修、教育、人材育成と、それ以降にも入っておりますので、その部分も含めて御意見等ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
上田構成員、どうぞ。
○上田座長代理 今回、高度の医療や研究、研修のテーマについて議論がされていますが、一方で、病院がそういった医療研究を行うに当たっては、1つの組織ですので、病院としてのガバナンスとか、あるいは各診療科の一体的となった取組ですとか、そういった視点も含めて議論していくのも大事かなと思っております。
それで、先ほど長尾先生からお話のあった医療安全ですとか、感染症の問題ですとか、そういった視点も含めて、議論していくのが大事かなと思っております。
実は、私ども医療機能評価機構が、病院機能評価、特に一般病院3の評価を、今、81の病院で実施しておりますが、それぞれの項目についてS、A、B、Cという基準で判定していますが、その中でC、つまり一定水準に達しないという項目があって、これは、これまで平均的には、大体90項目のうちの7項目ほどございまして、今、申し上げましたように、それぞれの診療科での統一性が図られていないとか、いろいろな指摘もございますので、こういった点についても、併せて議論をしていただくとありがたいかなと思って発言いたしました。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございます。
ガバナンスについて、やはり機能評価のときに、かなりチェックをしていただきますので、そういうものをどのように活用するかということも必要な視点かなと、今、お話を聞いて思いました。
また、国立大学病院等が行っている相互の安全に関するラウンドですね、ああいうものもどのように活用していくのかということが大事なのかなと。高度医療は、片方でどうしてもいろいろな安全面でのより大きな配慮が求められますので、そこにどのように配慮しているかということを評価するというも1つのポイントなのかなということを、今、長尾委員と上田委員の話を聞いて思ったところです。
ほかは、いかがでしょうか。
本田構成員、お願いいたします。
○本田構成員 本田です。
一般の視点という意味合いで、実際に高度医療とか、提供されている先生方とは、全然見方が違うのかもしれないのですけれども、今の特定機能病院というものは、一体何なのだろうというのが、現状では分からなくなっているなというものをすごく感じます。いい悪いは、いろいろあるかもしれませんけれども、それぞれ看板、我々一般は、看板ではないかなと思うのですけれども、そうしたときに、今日の御説明を聞いていると、同じ特定機能病院だとされているものでも、研究だとか、医療の提供する内容だとか、教育の在り方だとか様々にあって、何でもありなのではないかと見えてしまって、そこは、やはり今回議論をするという意味で、もう少し整理して、私は、それぞれの役割、バランスも大事だと思いますけれども、一定の高度な医療をきっちり提供、網羅的に提供していることも大事だと思いますし、かといって、ナショナルセンターみたいなところで、一定のある分野をすごく高度な医療を提供するということも大事だと思いますけれども、では、この特定機能病院という役割、初めの2ページの説明を見たときに、これが変わっていないのだとすると、機能・特質に応じた施設の体系化を進めるためのものなのだというものに照らし合わせたときに、どう考えるのかというものをもう少し分かりやすく制度を持っていくべきだと思います。
もちろん、診療報酬だとか、補助金だとかの部分で、この厳しい折、補助がもらえるのであれば、みんな特定機能病院になりたいわけですね。そういう中で、それをどのように考えるのかというのがとても大事だなと思いますので、やはり、ある程度の類型化みたいなものをもう少し考えていくのも重要かなと感じました。
すみません、以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
特定機能病院の中身が分かりにくいというのは、一般の方から見れば、本当にそのとおりだろうと思います。
川上構成員、お願いいたします。
○川上構成員 日本薬剤師会の川上です。
医療に関する研修等の状況、いわゆる教育に関して発言をいたします。
高度の医療に関する研修を提供するためには、その基礎となる基本的な教育についても、提供する能力は必要かと思います。
先ほど猪口構成員から、卒前・卒後教育の連携の重要性をおっしゃっていただきまして、まさにそのとおりかと思います。
資料2-2で、81、82、83ページに医師以外への研修を示していただきありがとうございます。これらも、恐らく職員への研修かと思いますけれども、職員以外では、卒前の薬学生などへの教育も大学病院などは担っているかと思います。
例えば、大学病院でも自大学に薬学部がある大学であれば、相当数の薬学生に対する実習を提供していますし、それから薬学部がない例えば単科医科大学においても、他大学の薬系大学から、ある程度の実習生を引き受けており、かなりのエフォートを教育にはかけてはいます。
一方で、大学病院以外の特定機能病院においては、そういった他大学からの実習生を全く受け入れていない実態もあるなど、現状は様々かと思いますので、この辺りも今後、御検討いただき、御評価いただけるとありがたいと思う次第でございます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
非常に重要な指摘だと思います。何となく今まで医師中心の議論になっていますけれども、特定機能病院は、それ以外の職種の卒後の教育研修をやっておりますし、それ以外の職種の方たちのいろいろな研究の場でもありますので、そういうものを総合的評価するという指摘は非常に重要だと思います。
吉川構成員、どうぞ。
○吉川構成員 ありがとうございます。日本看護協会の吉川でございます。
特定機能病院の承認要件について、幾つか意見を述べさせていただきます。
今回、大学病院の本院や、分院、特定領域型など、様々な類型による違いがあるということも分かりましたが、やはり一般の病院とも重なる部分があることを考えますと、特定機能病院の在り方が非常に曖昧になっていると感じるところでございます。
特定機能病院の評価をする際、外形的な評価で医師数や、看護師数、先ほどからご意見が出ております論文数等、非常に数のことが評価される中で、大きな部分を占めていると思うところがありますが、やはり質といった部分を実際にもう少し入れていくほうがよいのではないかと感じます。
また、高度医療に関する研修につきましても、医師の研修は、もちろん非常に重要ですが、特定機能病院は、多くの専門職種が共同して、質の高い、高度な医療を提供していく場所になっております。そのため、例えば、私どもでしたら看護職等の研修体制も、充実していく必要性があると思いますし、専門性の高い看護師の配置などの位置づけについても検討が必要かと考えているところです。
ですので、各専門職の教育研修の実施なども承認要件の中に入れていく必要性を考えることも重要ではないかと思います。
それから、大学病院の本院からの医師派遣の機能に関しては、現在、特定機能病院の承認要件の中には入っていないところですが、今後、この派遣機能なども入れる必要性があるのではないかと考えます。
今年度の診療報酬の改定の中で、DPCが見直され、機能係数のⅡの地域医療係数の中で、医師少数地域への医師派遣機能についての評価が追加されていることも鑑みながら、ぜひ、承認要件の中でも検討していただくことが望ましいのではないかと思います。
さらに、あわせまして、人材の資源の制約が今後非常に強まってくる中で、看護師に関しての派遣機能という点についても検討いただきたいと考えております。
看護職も地域別、領域別の偏在が非常に進んでおり、こちらへの対応も今後考えていく必要があります。
ですので、看護師の育成や、派遣機能を果たす医療機関の確保も非常に重要になってくることから、要件の中に、看護師の派遣機能も入れることを考えていく必要があるのではないかと考えています。よろしくお願いいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
派遣機能について、いろいろな職種の派遣をどう考えるかということですけれども、これは、事務局のほうに確認したいのですけれども、この派遣の定義は、明確になっているのですかね。
もう一つは、へき地医療支援病院との関係性はどうなるのかなというのも少し気になっているのですけれども、それについて、事務局のほうに御回答をお願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 今回、御紹介をさせていただいた資料につきましては、文部科学省さんの、先ほど堀岡企画官が御紹介いただいた検討会からいただいたものでございますけれども、先ほど相良構成員もおっしゃっておりました、非常勤の派遣は動きがありますので、元所属が分かりやすいですし、週何時間働いているかというのも、非常に取りやすいところではあると思いますけれども、いわゆる常勤の派遣に関しては、約束というか、そういうものや信頼関係などを言っているケースも、実際に多くあると思いますので、こちらをどのように把握するかというのは、非常に難しい課題であると考えておりまして、医政局の中でも内部でいろいろ検討していると、データの取り方に関しては、これはうちから派遣していますよと言っているものを、どのようにバックというか、エビデンスを押さえるかというのは、少し難しい課題があるねという議論をしているところでございます。
また、へき地医療支援病院など、医師の派遣機能がある要件になっている、これは医療法というよりは、医政局の中の予算事業などで行っているものに関しまして、先ほどDPCの評価の中でも評価されているというのもありましたけれども、ほかの予算事業ですとか、診療報酬の中で、そのようなものが評価されているものもあると承知しておりますので、特定機能病院以外もそういうことをやっていて、地域医療の中で制度上の歴史も一定程度あると認識をしております。
事務局からは以上です。
堀岡企画官から挙手があります。
○松田座長 どうぞ。
○堀岡企画官 すみません、98ページに資料を出しているので、単純にその事実関係をお答えしようかと思うのですけれども、医師派遣は定義が難しいのは、もちろんそうなのですけれども、何かで切らないと調べられませんでしたので、これは診療報酬の部局とも話をして、同じ定義で調査をしていますけれども、大病院本院の在籍期間3年以上、つまり3年目以上の医師であって、雇用契約上の定義にかかわらず、派遣先の医療機関で、基本的に原則常勤で、フルタイムで働いているということとか、あとは、本当は院長としての医師派遣は、医局派遣であるのは、多分、ここにいらっしゃる方々みんな御承知だと思いますけれども、院長として、いわゆる、一方通行的に行くものは数えないという定義で、全大学病院で調べたものでございます。
でも、事実上は、各大学の中で全医局にこれを聞いてもらって答えていますので、ひょっとしたら、この定義はなかなか難しい定義でもありますので、ちゃんと拾い切れていないというのはあるかもしません。少なくとも、これはミニマムでして多分本当はもっと多いのだとは考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
多分、この辺は、定義を明確にしないと、あと、この資料を見て、北海道大学が、こんなに医師が少ないところへの派遣が少ないというのは、僕自身は、いろいろな地域を回っていて、僕の肌感覚と合わないなと思っているので、この調査は非常に大事だと思うのですけれども、定義の明確化というのは必要なのかなと思いました。
そのほか、いかがでしょうか。
吉村構成員、お願いします。
○吉村構成員
先ほど医師以外の研修についても話がございましたが、私も例えば看護師については、特定行為研修を修了した看護師の数など、指標化できる数字があるのではないかと考えています。
なお、医師についての研修や派遣機能について議論が進んでおりますけれど、やはり現在研修医を30名との要件となっていますが、現在は2018年の新専門医制度の導入を経ていますので、見直すべきだと思います。
具体的には、専門研修の19領域、基本領域に加えて、サブスペシャリティーですね、そちらを選択し研修を行っている医師の数を特定機能病院の要件に入れるべきであろうと考えており、その人数の把握ができれば、その専門研修プログラムに参加している医師のうち、地域の病院に出している人数ということも併せて算出できるはずと考えます。
非常勤医師についても、現在、例えば内視鏡検査など派遣された非常勤医師が地域の医療を支えている部分もありますので、その点を要件に加えるべきだと考えます。
少し強調したいのが、医師偏在対策の中で決め手となっている地域枠制度、そちらの医師を受け入れて養成し、地域に対して配置しているというのは、実質上特定機能病院が多いと思います。
実際に、千葉県の現時点のデータを算出してみると、地域枠制度を利用し、初期研修を終えている医師が現在160名おり、そのうち実に121名、76%は千葉大学病院が受け入れて、トレーニングを行い地域に対して医師を派遣しております。医師少数区域で勤務している常勤医師36名のうち、26名つまり74%が千葉大学病院からの派遣というのが分かりました。こういった数字を各県から提出してもらって、大学病院本院が、地域枠制度に果たす役割や、医師派遣や偏在対策にどのように貢献しているかを指標化することが新しい特定機能病院の要件につながっていくと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
吉村先生、その場合、例えば、地域枠の設定がしにくい都市部の大学病院と、地域枠を設定しなければいけない地方の病院との評価は、どのように考えたらよろしいでしょうか。
○吉村構成員 松田座長、ありがとうございます。
その点は、郡部ないし医師少数県における役割と、医師過剰県ないしは多数の特定機能を抱える都道府県とでは、特性が違うだろうと思います。
ですので、例えば千葉県のように1つの特定機能病院で運営されている地域についての特徴を述べましたが、都市部については分けて考えた上で、最終的には特定機能病院の類型化につながっていくかもしれないという論点での整理が重要だと考えております。
○松田座長 ありがとうございました。
評価する指標に応じて、その地域特性を考えながら設定をするというのは、そういう方向なのかと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
村松構成員、お願いします。
○村松構成員 今の議論に関連して、座長からあった派遣の定義の明確化に関連して発言をします。
医政局で行っている別の施策ですとか、医療法の中にも地域医療構想が定められていますが、そうした他の施策との関連、整合性という観点からも議論されるべきだと思います。
都市部だろうが、郡部だろうが、医局がどこにどの医師を配置するかという人的リソースの配分は、地域医療そのものをデザインしていく行為だと思います。
したがって、人的リソースの配分、地域医療のデザインという観点からも、地域医療構想への貢献ですとか、そういったものは、特定機能病院というよりは大学病院本院の使命だと思います。そうした観点からも、医師派遣機能というものは、評価されるべきだと考えます。
また、複数の医学部から派遣を受けている県もありますし、例えば、兵庫県の但馬のような医療圏では、他県といいますか、京都大学から来ているように、公立豊岡病院には、京都大学からの派遣が主だと、かつて伺ったことがありますが、そうした部分に関しては複雑な調整が必要になるでしょうし、先ほど来議論があるような医師少数県に派遣しているかどうかということは、人的リソースの配分、デザインという観点からもより重視されるべきだと考えます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
吉村先生のお話と併せて考えると、地域枠で来ている枠組みの学生さんと、全般的なものと少し分けて考えたほうがいいということだと理解いたしました。
そのほか、いかがでしょうか。
長尾構成員、お願いします。
○長尾構成員 先ほどの発言とも多少関連するのですけれども、患者安全に関して、国立大学も私立大学も、一応数年前に求められた外形的な要件というのは、ほぼ満たしているというピアレビューの結果が出てはいるのです。インフラ自体はあるということで、そのことの議論自体を、もうそろそろ打ち切りにしてもいいのではないかという風潮まで出ているのですが、私は、実態はそうではないのではないかと、実装はされていても実践できていない、どちらかといえば、くっきりと二極化しているのではないかという印象を持っていまして、その辺りを明確に数字で示すことができるか難しいですけれども、1つ、このタイミングで見直す項目なのではないかなと思います。特に実践状況ですね、あとは透明性とかです。
もう一つ気になっていますのが、臨床倫理体制について、やはり同じように高いレベルのものが特定機能病院には求められるだろうと思っていまして、特に高難度な新規医療の数値目標が設定されたりしていく中で、どうしても現場には様々な倫理的な葛藤や悩みが生じているのを、オンゴーイングで解決できるような仕組みを持っているかどうかというのは、非常に大きな将来的な差異を生む可能性があると思っていて、その辺りは1つ御提案させていただきたいなと思います。
○松田座長 ありがとうございます。非常に重要な視点だと思います。
大学研究、特定機能病院の研究をやるとなると、やはり倫理審査等における高い評価というのは非常に重要だと思いますので、それは多分、相互のレビューとかをやっているという体制をちゃんと維持していくことが非常に重要だと思いますし、安全もそうだと思います。
特定機能病院が今まで取消しになっているのが、ほとんどが安全であるということを考えると、やはり、今、長尾構成員がおっしゃられたとおり、その部分をどうやっているかということの透明性と実効性というものを、評価の基準に入れていくというのは、多分、これは国民に対して、いろいろな責任を説明するときにも重要な視点ではないかなと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
今村構成員、お願いします。
○今村構成員 猪口構成員も御指摘されたところであります、大学病院としてあるべき姿の部分と、特定機能病院の在り方と、少しどちらの話をしているのかというのが、いろいろな議論の中でよく分からなくなっていると思います。やはり、特定機能病院というのは、医療施設機能の体系化のために高度医療など、病院の在り方の部分、そして、その結果、DPC等の診療報酬にもつながってしまったと。ただ、今の議論で言うと、そこに臨床の部分だけでなくて、研究が入り、かつ、当然大学病院としては教育の部分を担っているわけですけれども、特定機能病院、医療施設の類型化という中には、直接教育は入ってこない、今回これを入れるのかどうかというところからすると、大学病院の役割・本来あるべき姿と、特定機能病院の目指すところを少し切り分けながら、かつ、いい方向に持っていく必要があるのではないかと感じたところです。
○松田座長 ありがとうございます。
今の御意見に対して、事務局、何か回答はございますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進室長です。
今の御議論、今村構成員の御指摘ですけれども、論点として分けるべきであるというところ、また、引用されていましたけれども、猪口構成員からは大学病院本院としての切り分けという議論もございましたので、そもそも議論として切り分けるべきではないかというニュアンスの御議論も今日あったと思いますので、それも踏まえて整理をしていくべきところかなと受け止めさせていただきます。重要な御指摘だと思いますので、やはり外形基準よりも質であったり、実態の地域における機能ということも、今日ございましたし、類型化の話もありましたので、受け止めて整理させていただこうと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
先ほどDPCで原価計算をやったという話をしましたけれども、そのときにあった、私たちがいただいた宿題が、大学病院というのは、研究や教育のことがあるので、ほかの病院よりも人的資源が多くかかるのであると。
そういうことで、結局、経営のことを考えると、人的コストというものは、どのように見るのかということ、そこを明らかにしてほしいということで、原価計算をやったところ、大学病院は赤字幅が大きいと。その大部分が人的な資源、人件費であるという、そういう結論まで出たわけですけれども、多分、大学病院を特定機能病院中でどう評価するかと、その議論が多分あったのだろうと思っています。
ただ、今日のお話を聞いていると、大学病院の本院は、やはり別途分けて特定機能病院の議論をしたほうが、議論はすっきりするのかなと思いました。
これについて、どうでしょうか。何となく分けて考えるべきだという話が出ているように思うのですが。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今、議論として分ける、分けないというよりも、少しそこを区別しながら議論をする必要があるかなということを指摘させていただきました。
最初、特定機能病院とDPCは基本的に別ものだということでしたけれども、今のお話等を含めて、例えば、大学病院では、確かに教育のために人が必要だと、そこはそのとおりだと思うのですけれども、診療報酬としてどこまでそれを見るべきかを少し整理する必要があるのではないかという指摘でございます。
○松田座長 ありがとうございます。
そのとおりだと思います。余計なことをもう一つ言ってしまうと、これは、多分、文科省には耳の痛い話になってしまうのですけれども、例えば、フランスにしても、アメリカにしても、教育に関わる給料は文科省が払っているのですね。フランスは国民教育省ですけれども、診療に関わる、いわゆる報酬は、これは診療報酬で払うのです。日本の場合は、そこが一体化してしまっているので、どうしてもこういう議論になってしまうと思うのですけれども、そこも含めて議論するかどうかという話になってしまって、少し話を大きくし過ぎてしまうと思いますので、ただ、一応御参考までに、ほかの国では、教育と臨床は分けて給与体系が構成されているということはありますので、そういうものとの関係をどう考えるかです。
恐らく、これは、先ほど猪口委員が指摘されて、どなたが指摘されたか分からないのですけれども、大学病院に務めている若手の専攻医の先生たちの経済的処遇が非常に低いという問題があります。
今回の働き方改革で、外勤もしにくくなってきて、これは、たしかどこかで調査が出ていたと思うのですが、大体15%ぐらい、皆収入が減ってしまっているのですね。こういう状況で大学病院に若手医師をずっと確保することができるのかということを、実は僕自身は少し危機感を感じています。
これは、すみません、座長として少し言い過ぎかもしれませんけれども、少し私の問題意識を述べさせていただきました。
ほかにどうでしょうか、いかがでしょうか、松本委員、何か御意見ございますか。
○松本構成員 御指名ありがとうございます。
ちょうど今日、文科省から来ておられるので、少しお伺いしたいのですけれども、4ページにありますとおり、特定機能病院88のうち、大学病院のほうで79を占めているということは、ニアリーイコールと考えますけれども、ここに挙げられている承認要件と、あと大学病院として文科省が評価して、例えば、人的とか財政支援につながる条件とか、そういう尺度とかなり近いものなのか、少し違うのだというものなのか、もし、参考になればと思って教えていただければと思ったのですが、いかがでしょうか。
○堀岡企画官 ごめんなさい、もう一度、具体的にどういう御質問ですか。
○松本構成員 資料の4ページに特定機能病院の承認要件というのがございます。これは、当然承認されないと認められませんし、先ほど今村構成員が言われたとおり、そういった形の診療報酬も得られないということになりますけれども、一方で、この中の多くが大学病院ですので、文科省のお立場として、この大学病院に、例えば、人的あるいは財政支援をする尺度であると思うのですけれども、それと、これは大幅に違うものなのか、その辺を少し、例えば、派遣をたくさんしているから評価しましょうという観点があるのか、そこが、もし教えていただける範囲であれば、お願いしたいと思うのですが。
○堀岡企画官 ありがとうございます。
文科省の財政支援のやり方でいうと、国立大学には運営費交付金という仕組みがあって、国立大学運営費交付金、いろいろ御議論いただいているところで、いろいろな意見もあるところでございますけれども、その中で、大学病院の教育研究に資する費用というものが中にあって、それを平成16年に独立行政法人化したわけでございますけれども、一定額確保するということで、各国立大学の会計にも一定額入れているという仕組みがございます。それが十分かどうかというのは、また別なのですけれども、ございます。
それとはまた別に、例えば、昨年度の補正予算などでも、大学病院の本院に施設整備費として補正予算で百数十億取ったりということは、節目節目でやっておりまして、十分かどうかは別として教育研究の設備の名目でしたり、今回の当初予算でも20億程度、若手の人件費にも使えるようなお金を用意したりということを節目節目でやるということは、文科省としても大学病院でしておりますが、それの観点は予算の性質によります。
例えば、すみません、少し長くなりますけれども、昨年度の補正予算で用意した百数十億の施設整備については、各81大学、国公私立に、要望があったところには、ほぼ均等に配分しております。
今回21億の若手の医師の研究教育の人件費補助のようなものに関しては、今、形式ごとに予算に応じたものの申請を出していただいておりまして、数十か所に対して、人件費補助に資するようなものを用意するということで財政支援しておりますので、十分かどうかは別として、節目節目で文科省としても教育研究部分を措置はしているところであります。
○松本構成員 どうもありがとうございました。
質問の趣旨は、基本的には申請ベースで、できるだけ均等にというスタンスだと思うのですけれども、先ほど来、例えば、派遣をたくさんやっているとか、やっていないとか、例えばここにも論文とか多いとか、例えば、これに似たような条件とかパラメータを審査された上で、そういった予算の配分等に反映されているのかどうかというのを聞きたかったという趣旨でございます。
○堀岡企画官 申し訳ございません。
そうすると、運営交付金は、大学ごとの単位でございますので、大学病院ではなくて大学ごとの、一番主には教員数とかそういったものに応じて配分しております。
○松本構成員 ありがとうございました。
また、機会がありましたら、お伺いしたいと思います。
○松田座長 ありがとうございます。
そのほか、御意見、いかがでしょうか。
すみません、私が途中余計なこと言ってしまいましたけれども、川上構成員、お願いします。
○川上構成員 承認要件に関して、いろいろ御発言がありましたので、自分からも2点申し上げたいと思います。
平成28年の承認要件の見直しを振り返って、特定機能病院間のピアレビューがございました。これは、既に当時でも、国立大学病院間では相互チェックを行っていたので、それを国立大学病院以外の大学病院や大学以外の特定機能病院にも広めるという点では、意義があったのかなと思います。一方で、国立大学病院としては、既に実施していた相互チェックに上乗せする形で、今はピアレビューを行なっているので、屋上屋を架す状況になってしまったことは、一本化しても良いのかと思います。
医療安全管理については、それまでは、医療安全管理部門にGRMが1人しかいなかったところが、専従の医師、薬剤師、看護師の配置が原則義務化されました。これにより医療安全が強化されたことは、どこの病院も実感しているかと思います。
一方で、承認要件を見直すと、その一つに人員配置がありまして、薬剤師については、入院患者数の割る30が最低基準なのです。例えば、600床規模の新設大学ですと、20人程度の薬剤師数では、とても役割を果たせないと思います。高度の医療を提供し、高度の医療技術の開発・評価を行い、高度の医療に関する研修を行い、さらに高度な医療安全管理体制をとるためには、少なくとも40~50人、この配置基準の2倍以上の人数が、現実に必要ですし、今ではどこも配置していると思います。この最低基準の人員配置を含めて、歴史的に見ても、相当以前の状況で定めているので、現在の特定機能病院としての理想の医療を提供できる要件に見直しても良いかとも思います。先ほど、文科省から予算の話もありましたけれども、人員に対する交付金も、国立大学に関しては、旧国立大学時代からの承継職員の人件費分は来ているけれども、法人化してからの増分は、法人会計から支払っているかと思いますので、こういった辺りも今後、御検討をいただければと思う次第でございます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。門脇構成員、お願いします。
○門脇構成員 香川大学の門脇ですけれども、いろいろお話を伺っていると、そもそも特定機能病院とは何なのかということが分からなくなってくるのですけれども、これまで御意見がありましたが、少し前の川上委員の御発言にも関係するかもしれませんけれども、まず、特定機能病院というのは、そもそも高度な医療というものを軸にして、そういうところに、いっぱいいろいろな患者さんが集まってくるので役割分担をするというような、いわゆる医療というか、厚労省的な観点からできたものかなと思うのですけれども。
一方、大学病院が、そもそも学校ですので、要するに文科省の管轄で、そもそも大学設置基準で、大学病院というのが研究教育に資するような診療を行うところというところから始まったのが、歴史的に変わっていったのだと思うのですけれども、高度医療ということになって、違う流れで来ているものを一緒に論じているので、どこに力点を置くのかが分かりにくくなってきますけれども、お話を伺っていると、高度な医療というのは、ほかの大きな市中病院とか、いろいろな病院と、だんだん差がつきにくくなってきて、そういう意味では、当初の特定機能病院の成り立ちが、区切りが曖昧になってきたところで、教育とか研究とか地域医療をどのぐらいこの要件に入れるかということになると、結局、特定機能病院というのは高度な医療を、それが軸とは思うのですけれども、全体として日本の医療をどれぐらい広く支えているかを評価するような感じになってきているように聞こえるのですが、それこそまさに大学病院がやっていることだと思うのですが、ですので、そもそも特定機能病院とはどういうものかということを考えながら、少し議論をしないといけないかなと思いました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 挙手のほうは大丈夫です。
○松田座長 すみません、大体時間が近づいてきましたけれども、今までの構成員の先生のお話を伺っていますと、最初に今村構成員が言われたことは、一応重要でありまして、特定機能病院というのは、そもそも何なのかという議論を多分しなければいけないのだろうと思っています。
これが、多分、今村構成員が指摘したように、DPCの支払いと、少しつながってしまったというところで、少し中身の議論が複雑になっているのだろうと思います。
やはり、ここは、もう一回特定機能病院の、まず、機能について考えるということで、中の整理を行うということで、まず、いいのかなと思いました。
その中で、そもそもが高度医療ですので、高度医療とは何かとなってくると、とは言っても大学病院もありますと、網羅性と高度性をどう評価していくかというところが、1つの指標の話になってくると思います。
あと、教育、研究のところでは、研究をやってくところの支援体制としてのCRCとか、倫理の体制がどうなっているのか、研究支援体制がどうなっているか、そういうところも含めて、実績と合わせて評価をしていくような指標を考えると。
教育に関しては、医師だけではなくて、ほかのいろいろな職種も含めて、その機能を評価する。そういうところから、特定機能病院の類型化を少し考えていくのがいいのかなと、今日のお話を聞いていて思いました。
もう一つは、とは言っても特定機能病院は高度医療を扱うということで、安全性とかガバナンスに関する評価が必要だろうということで、これは、長尾構成員のほうから御指摘のあった、外部評価みたいなものを、どのように中に取り入れていくのか、こういう点からの評価が必要なのかなと思います。
ということで、まずは特定機能病院の類型というものを、この高度医療研究、教育、それからガバナンスとか、安全に対する審査体制みたいなもの、そういうものを含めて基準を考えていくということで、議論をしていくのがいいのかなと思いました。
今日は、総合型の議論が中心になってしまいましたけれども、この視点からの類型化をやることで、特定領域のものとか、それ以外のものについて、少しこの後、議論が進められればと思っております。
大体今日の議論は、そんな感じだったのかなと思うのですが、今日はいろいろな意見をいただきましたので、今日いただいた意見を踏まえて、事務局から論点を次回までに整理していただいて、また議論の方向性を、この後まとめていくということでやっていきたいと思います。
こういう形でよろしいかと思うのですが、事務局から何か発言はありますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 おまとめいただきまして、ありがとうございます。御指摘のようにまとめて整理したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松田座長 では、そのように進めたいと思いますので、構成員の皆様から何か御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
その他、事務局から何かありますか。
○樋渡地域医療計画課補佐 次回以降の開催の日程につきましては、また、今後改めて御連絡させていただきます。
○松田座長 ありがとうございます。
今日は、すみません、僕自身も少し議論を混乱させるような意見を言ってしまったのですけれども、それは、また修正させていただきたいと思います。
それでは、これで閉会したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
本検討会は、令和元年8月に第19回検討会を行って以来の開催となっております。改めて、座長を選出いたしますので、座長選出までの間、事務局で進行を行わせていただきます。私、医政局地域医療計画課補佐の樋渡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本来でありましたら、構成員の方々に一言ずつ御挨拶をいただくところですが、本日は時間の都合で、配付しております名簿・座席表をもって、御紹介と代えさせていただきたいと存じます。
なお、本日は泉構成員より御欠席の連絡をいただいております。
また、松田構成員、長尾構成員におかれましては、オンラインによる参加となっております。
なお、本日、オブザーバーとして文部科学省高等教育局医学教育課から堀岡伸彦様にお越しいただいております。
では、開会に先立ちまして、医政局長浅沼より、御挨拶申し上げます。
○浅沼医政局長 医政局長の浅沼でございます。
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
まず、本日御参加の各委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
先ほど事務局からも御案内差し上げましたとおり、この検討会なのですけれども、前回、実は令和元年の8月ということで、約5年ぶりの開催となるものでございます。
このたび、特定機能病院に関して御議論をいただきたいと思いまして、5年ぶりに開催となりましたが、この特定機能病院なのですけれども、医療施設機能の体系化の一環としまして、高度医療の提供等の能力等を備えた病院につきまして、厚生労働大臣が個別に承認するものでございまして、これまでも幾度かにわたりまして、承認要件の見直しをして参ったところでございます。
本年の3月28日の社会保障審議会医療分科会から、大学附属病院、高度な医療の提供、特定領域型の特定機能病院など、様々な論点を含む御意見をいただいたところでございます。
それらの御指摘を踏まえまして、承認要件を含む特定機能病院の在り方につきまして、皆様に御検討いただきたく、今般の検討会を再開することといたしました。この特定機能病院も30年以上やっている制度なので、やはりそれなりに、いわゆる制度の見直しというのを重ねていかないと、令和時代に即した制度にならないと思っているところでございます。
医政局といたしましても、人口構造の変化に伴う医療ニーズの変化や、あるいは医療の高度化、均てん化、こうしたことも含めまして、技術的な動向の変化あるいは医師の働き方改革というものを、私どもは、一方で対応しています。
また、昨今言われていますけれども、若手医師の志向の変化、これが著しく変わっているのではないかということで、医師のキャリアパスの動向、こういったものも先ほど申し上げた30年間でいろいろ変わってきております。
ですので、多岐にわたる環境変化を踏まえた上での、いわゆる特定機能病院の在り方、など、医療提供体制の在り方を、るる検討をお願いしたいと思っています。
特定機能病院につきましては、医療提供体制の中で重要な位置づけを占める施策でございます。
これは、変わらないところでございますので、しっかり検討していきたいなと考えておりますので、ぜひ今日お越しの構成員の皆様方におかれましては、高い見識に基づく幅広い視点から、忌憚のない御意見を賜りまして、闊達な御議論をいただき、御指導をいただければと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表の座席表のほか、資料1「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会開催要綱」。
また、資料2-1「当面の本検討会の進め方について(案)」。
また、資料2-2「特定機能病院等の現状等について」の3点がございます。
また、資料2-2に関しましては、差し替えの資料も配付しております。併せて御確認をお願いいたします。
資料に欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。こちらは、よろしいでしょうか。
また、本日は現地参加及びオンラインによる同時開催となっております。オンラインでの御参加の委員の皆様に御注意いただきたい点につきまして、御連絡申し上げます。
今回、御発言時以外は、基本的にマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、御発言がある場合には、ZOOMの挙手機能やコメント機能を用いて、意思表示をお願いいたします。座長の指名に基づき御発言をお願いします。御発言の際は、記録のため、最初に御自身のお名前をお願いいたします。
現地参加の方におかれましても同様にお願いいたします。
それでは、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○樋渡地域医療計画課補佐 それでは、議事に入ります前に、本検討会における座長の選任に移らせていただきます。
本検討会では、開催要綱に基づき、座長の選出は互選によるものとしております。各委員の皆様におかれましては、座長として適任とお考えの方の御推薦をお願いいたします。自薦も含め、どなたか御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
今村構成員、お願いします。
○今村構成員 この特定機能病院の在り方については、いろいろとDPCができてきてからの部分も絡んでくるかと思います。そうしますと、両方よくお分かりの松田晋哉先生が御適任ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 先ほど今村委員から松田委員の御推薦をいただきました。ほかに推薦される委員の方はいらっしゃいますでしょうか。
では、ほかに委員の推薦がいらっしゃらないようなので、本検討会における座長を松田委員といたします。
それでは、座長に選出されました松田委員より、御挨拶をお願いいたします。
○松田座長 松田でございます。
このような大役を無事にこなせるか、甚だ心もとないのですけれども、委員の皆様の御協力を得まして、よい取りまとめができたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 また、座長におかれましては、座長不在の際に、座長の代わりを務める座長代理を指名することができます。座長代理としてどなたか指名されますでしょうか。
○松田座長 それは、私が指名してよろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 はい、お願いします。
○松田座長 この領域は、やはり御見識の深い、できれば上田委員にお願いをしたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 では、座長より上田委員の指名がありました。上田委員におかれましては、座長代理をお願いいたします。
○上田座長代理 上田です。よろしくお願いいたします。
○樋渡地域医療計画課補佐 では、以上をもちまして、本検討会における座長及び座長代理が決定しました。
それでは、以降の進行は座長にお願いいたします。
○松田座長 では、座長を務めさせていただきます。
すみません、今日はオンラインで参加しておりますので、会場でどなたが挙手をされたか分かりませんので、その部分、事務局のほうでサポートしていただいて、よろしいでしょうか。
○樋渡地域医療計画課補佐 はい、承知しました。
○松田座長 お願いします。
それでは、議事の1番です。「特定機能病院の現状について」に入りたいと思います。
まず、資料1「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会 開催要綱」について、事務局から説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局の医療安全推進・医務指導室長でございます。
資料の1を簡単に御説明いたします。
「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」につきましては、毎回アジェンダが変わるたびに開催要綱を改めてございます。
1の「開催の経緯」を御覧いただきたいのですけれども、局長からもございましたけれども、5年ぶりの開催となりますが、今般、開催の経緯となりましたのが、4行目の「今般」以降のところ、社会保障審議会医療分科会で、今年の3月に特定機能病院の承認要件等の在り方に関して意見が呈されたという経緯でございまして、開催するものでございます。
検討事項として2ポツを御覧いただきたいのですけれども、3点ございまして、まず(1)です。大学附属病院の取扱いについて、(2)、高度医療に関する要件の見直しについて、それから(3)、特定領域型の特定機能病院の承認要件についてということでございます。
後ほど、ここに関する資料が出てまいりますので、詳細はそちらで御説明をさせていただきたいと思います。
「※」のところにございますけれども、今回、まずは特定機能病院のところに照準を合わせていきたいと考えておりますので、地域医療支援病院の在り方に関しましては、今、地域医療構想の検討もしておりますので、順次追って開催ということにさせていただきたいと考えております。
それから、裏面に先生方の名簿がついてございます。
御説明としては以上でございます。座長にお返しいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
ただいまの説明つきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
会場のほうは、特に挙手はないですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 はい、特にございません。
○松田座長 分かりました。
では、これは特に議論するところでもないと思いますので、続きまして、資料の2-1「当面の本検討会の進め方について(案)」及び資料2-2「特定機能病院の現状等について」、一括して事務局のほうから説明をお願いいたします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進室長でございます。
資料2-1を御覧ください。
こちらは、進め方の案でございまして、当面の進め方に関して、以下のとおりとしてはどうかと考えております。
まず、今回、現状の確認の資料を出させていただきますので、先生方からフリートークという形で御議論をいただいて論点を抽出する。
それから、次回、第21回から、2、3回程度で、この中で急ぐべき論点、それから、整理が比較的容易な論点について、まずは意見を集約して、必要に応じて中間整理をしてはどうかと考えております。
それから、時間をかけて議論する論点、先ほどの3点のうち時間がかかるものを、適宜、議論するということで、年内で一定の意見集約、取りまとめを行いたいと考えているところでございます。
続きまして、中身のほうも一括で御説明させていただきますので、資料2-2を御覧ください。
差し替えの資料もございましたが、途中で出てまいりますので、1から順番に御説明をしてまいりたいと思います。
2ページを御覧ください。
これは、平成24年の、この検討会の資料なのですけれども、特定機能病院の趣旨がございます。
先ほど局長から申し上げたように、30年あまりの歴史がございますけれども、もともとの趣旨といたしましては、1つ目の○の1行目、機能・特性に応じた施設の体系化、こちらが趣旨でございます。
下に(1)(2)(3)とございますけれども、まず(1)のところ、高度な医療技術水準を保つために、まずは高度医療を必要とする症例を常に継続して行っているところ。
(2)高度医療のための人員設備を多くの医療機関で持つことは非効率なので、集約が必要であるという論点。
それから(3)地域の役割分担で紹介制という趣旨でございます。
3ページを御覧いただきまして、こちらにございますように、高度医療を担う特定機能病院と地域病院の役割分担というのが重要であるということでございます。
4ページでございます。
これが現行の制度になっておりますけれども、趣旨は、先ほど申し上げたもので、役割、2つ目の箱です。今の承認要件ですが、大きく分けて3つの柱と医療安全という形になってございまして、1つ目の柱は高度医療提供、2番目が高度の医療技術の開発・評価、いわゆる研究部分でございます。臨床研究の部分です。3点目が高度の医療に関する研修、いわゆる教育の部分でございます。それと医療安全という構造になってございます。
5ページ以降、簡単に承認要件を御説明しておりまして、左側が、いわゆる総合型、右側が、がんセンター等が承認されている特定領域型の要件となってございますが、ほぼ同じなのですけれども、標榜科が違うということ、紹介率、逆紹介率が違うというところでございまして、特定領域型は、高度の医療の提供で、総合型では、要件として特定機能病院以外の病院では提供の難しい医療となってございます。後ほど、具体の基準を御説明しますが、特定領域型はそれに加えまして、特に先駆的な診療を実施することがうたわれています。
それから、研修の部分で、右側に特定領域型、通常プラス日本全国の医療機関に勤務する医療従事者対象の人材育成というのがうたわれております。
6ページでございますが、高度の医療の要件、あまり具体的なものがない中、先進医療は2件というのがありまして、1件の場合は、難病の患者が500人以上という要件になっているというものでございます。
7ページに、医療技術の開発・評価、研究のところの要件ですけれども、るるストラクチャーの要件はあるのですけれども、定量的には、英語論文の査読ありが70件以上ということでございまして、こちらに関しては、ケースレポートやレターなども認められておりますし、インパクトファクター等の定めはございません。
それから、教育のところ、下の「研修を行わせる」というところですけれども、研修医数が平均して30人以上という要件になっています。これは、臨床研修医等を全て足したものということになります。
8ページを御覧いただきまして、これが承認されている病院の一覧になりまして、総合型、特定領域型、大学附属病院の本院、ナショナルセンター、その他ということで、下に病院名も入れて提示をしております。
9ページ、10ページが一覧ということになります。
11ページからは、これまでの見直しの経緯等をまとめているのですけれども、15ページを御覧いただきまして、15ページの平成16年のところです。規制改革推進3か年計画を踏まえて、定量的な基準を明確化したというのが1つ。
それから、16ページ、平成26年に特定領域型を設けたという経緯について、強調だけさせていただきます。
それから、18ページ以降でございますけれども、これが直近の要件見直しについて詳しく述べたものでありまして、東京女子医科大学、それから群馬大学において取消しがあったことなどの一連の見直しを書かせていただいております。
それでは、24ページを御覧いただければと思いますが、これが、先ほど申し上げた社会保障審議会医療分科会からの御指摘、意見書でございます。今年の3月28日でございます。
大きく分けて3点ございます。
太字下線は、今回事務局で入れさせていただきましたが、1のところ、大学附属病院の取扱いでございますけれども、大学附属病院は医療の提供以外にも、医学生を含む人材の育成及び供給を行う機関としての役割や、医学の進歩に寄与する研究開発の推進の役割を求められるということで、ほかと一線を画しているということで取扱いを整理するべきであるという御意見であります。
その際、1つの大学病院が複数の大学病院を有する場合の取扱い、いわゆる分院ですけれども、こちらに関しても、併せて整理と言われております。
2番目ですけれども、高度の医療の要件の見直しにつきまして、医療技術が年々高度化しているということ、これには均てん化しているという要素も入っていると事務局は解釈していますが、これに応じて、要件設定が必要ではないかという点。
それから3つ目、がんセンター等の特定領域型の要件の明確化でございますけれども、これらの病院に求められる承認要件が、若干不明瞭であるということと、本当にその他の総合型と比較して同水準の機能を果たしているのか、疑問が呈されているということで、在り方の検討を求められております。
これらの指摘を踏まえまして、今後御議論をいただきたいのですけれども、先ほど申し上げました3本柱、医療提供、研究、それから教育の順番に、現状を皆様と共有させていただいて、本日の御議論をいただきたいと考えております。
25ページ以降、まずは、1本目の柱の高度の医療提供に関する状況でございますけれども、グラフ等出てまいりますが、下の「注」にございますように、幾つかの類型に分けて表示をしているということ、それから比較のために、データが手に入るところは、特定機能病院以外の病院も400床以上に限って提示をさせていただくとともに、大学附属病院の分院が入っているデータでございます。
DPCのデータの都合上、今、特定機能病院になっていない東京女子医科大学、国際医療福祉大学、それから東北医科薬科も本院に含まれているデータなのですが、のぞいてみたのですけれども、ほとんど変わりませんので、そのまま提出をさせていただいております。
それから、26ページを御覧いただきたいのですけれども、少し医療のところは長いので、最初と最後に同じ論点のペーパーを出させていただいていますが、後ほどまとめて御説明をいたします。
27ページに箱ひげの見方が書いてあります。
それでは、28ページを御覧ください。
まず、要件になっております、先進医療Aの実施状況でございますが、AとBで合計2件ということなのですけれども、今回便宜的に、不妊治療の保険適用に伴って、不妊治療に関するものがたくさん先進医療Aに入っていますけれども、除いて比較をさせていただいていますが、こちらは、グラフを見ていただきまして、そこまで先進医療Aの実績全体として多くないという状況にあるのが見て取れるかと思います。1件から2件程度という状況でございます。
29ページは、先進医療Bでございますけれども、こちらは、抗がん剤の技術等多く含まれておりますので、ナショナルセンターで高めとなっておりますが、大学附属病院でも、平均が3、中央値が2ということでございます。0件の病院もかなりあるということでございます。後ほど件数を申し上げます。
それでは、33ページ以降、こちらは、先ほど今村先生もおっしゃっていましたけれども、実績を見るのにDPCの状況ということで、抜粋しております。
なお、今回ほとんどのところ、手術ありのDPCだけをお見せしているということと、DPCのデータは、9件以下はマスクになりますので、今回便宜的にゼロとしておりますので、そちらは、御覧いただく際の注意点でございます。
まず、34ページを御覧いただきたいのですが、こちらは、脳腫瘍の手術ありの年間実績の数値でございます。
左から順番に並んでおりますけれども、例えば大学附属病院のところを御覧いただきまして、平均年間61件ということで、ほかの群よりも大きく実績が多いということで、6番が特定機能以外の400床以上の病院、それから7番が分院ですけれども、そちらと比べても大きくなっていて、総合型よりもかなり大学附属病院の本院は多いという状況ではありますが、箱ひげの下が0件のところについておりまして、一部の附属病院本院で実績がないことがうかがえるという状況でございます。
35ページが、目の悪性腫瘍でございますけれども、かなりレアディジーズでありまして、大学附属病院本院でも25%から50%程度が、実績がないように見受けられます。
一般の病院では、ほとんど実績がなく、ナショナルセンター等の特定領域型で実績がある状況でございます。
36ページも、よりナショナルセンターに偏った形になっています。
37ページを御覧ください。
頭頸部悪性腫瘍でございますが、こちらも大学附属病院の本院で総合型や、特定機能以外よりも高い実績になっているのですけれども、附属病院本院でも実績ゼロのところがありそうだということが見て取れます。
38ページも少し似たような形ですが、大学附属病院も箱が下についていますので、4分の1ぐらいのところでは、実績が恐らくないという状況でございます。
それから、6番、7番のところでは、ほぼ実績がない、例外的にあるような状況ということでございます。
39ページ、こちらは、大学附属病院本院で実績が、ほかのところよりあり、特定領域型より高い、がんですので、そういうところだと思います。
しかし、特定機能病院以外の病院でも、実績ある病院がかなり多いという状況でございます。
40ページ、41ページなども、これまで出てきたグラフと同じような状況が見て取れるかと思います。
43ページは、大腸がんでかなりコモンでありますので、いろいろなところで高い実績があると、これは、かなり均てん化されていることが分かるかと思います。
44ページ以降、肝胆膵の領域ですけれども、大学で実績が高く、ただ特定機能病院以外の病院でも、実績ゼロのところもあるようですけれども、上位75%ぐらいで、17件以上の実績があるということでございます。
同じやや希少な胆のうのがん、45ページも、一般病院でも、かなり実績が増えてきている状況を見て取れるかと思います。
46ページが膵ですけれども、こちらも大学や特定領域型で実績の高い状況が分かりますが、附属病院本院の下限26件が、一般病院のところにもかなり低めの平均値を下回っているような状況も分かるかと思います。
残りのところ、同じような状況がございますので、後ほど見ていただくということでありまして、54ページ、白血病ですけれども、こちらは手術ありになっておりますので、脾摘をするような、かなりレアな症例になります。54ページの急性白血病のところですけれども、そういうところになると、かなりレアになってくるかなというところでございます。
少し飛びますけれども、57ページでございますが、こちらは急性膵炎で、同じくKコードあり、手術ありということでございますが、ステント留置とか、侵襲的なところに関しましては、大学附属病院本院でも25%程度で実績が恐らくないというところ、逆に400床以上の特定機能病院以外のところでも同じような実績分布になっているというところでございます。
58ページ、59ページは、一方、コモンディジーズ、誤嚥性肺炎、尿路感染というところで、こちらも手術ありですので、気管切開を行うような症例、ステント留置CHDFを行うような症例に限って見ているということで、比較していただければと考えております。
61ページ、こちらは少し抜けていますけれども、62ページと同じ処置2ということでCVを入れたり、挿管しているというような、ぐらいの処置を要するものを比較しておりますが、特定機能病院以外の病院のほうが、実績が高いような状況、62ページも同様ということでございます。
それから、飛んでいただきまして64ページを御覧ください。
64ページですが、こちらは、DPC病院の複雑性指数を比較したデータを中医協の資料から借りてきております。
64ページのグラフを見ていただきますと、青が大学病院の本院、それからDPC特定病院群が真ん中、オレンジというか赤のところ、緑がその他のDPC病院でございます。
特定病院群の解説が下にございます。グラフを見ていただきますと、大学附属病院本院と、ほかの病院群で分布がほぼ変わらないような状況がございます。複雑性指数は、同じ疾患の中でも、手間がかかるDPC分岐のコードをより多く算定しているところで高くなるという指数でございまして、複雑な患者さんをどれぐらい診ているかという、1個の指標でございますが、あまり分布が変わらないという状況でございます。
65ページが、同様、カバー率指数の比較でございます。
カバー率は、いろいろな疾患を見ていると高くなるというところでありまして、これは、一般病院、DPCの標準病院群よりも、その他の2群のほうが、カバー率指数は高い傾向にありまして、その中でも附属病院本院群のほうが高い傾向にございますが、附属病院本院群でも低いグループというのが一定数あるということが分かるかと思います。
これら医療のところを併せまして、66ページに論点をお示ししております。
まず、現状、おさらいですけれども、1つ目の○、高度医療提供の承認要件、先進だけですが、要件がありますが、概念としては、特定機能病院以外の病院では、実施が難しいものを実施するということになっております。
2つ目の○を御覧いただきたいのですが、先進医療A、B、73、167機関で行われていますが、これを実施していない特定機能病院に関しては、Aが29病院、うち大学附属病院本院が24、Bが実施していないのが19、うち本院が1という状況でございます。
続きまして、3つ目の○ですけれども、先ほど様々な疾患の実績を御覧いただきましたが、確かに一部の腫瘍、脊髄、縦隔、食道など難易度の高いものに関して、大学附属病院、それからナショナルセンター等の特定領域型において実績が高い傾向がございましたが、特定機能病院以外でも、一定の実績がある状況でございます。
また、一般的ながんに関しては、ほぼ実績に差がございませんでした。
また、この中で分院の実績は、400床以上の病院とほぼ一緒である分布というのを御覧になったと思います。
それから、悪性腫瘍以外の急性膵炎等でございますけれども、確かに附属病院本院で実績が高い傾向にございますが、特定機能病院以外の病院でも実績があるということが分かったかと思います。
また、複雑性指数は、似たような分布になっていてカバー率指数も、本院で高い傾向にありますが、同様の病院も存在する状況でございました。
また、あまり触れませんでしたけれども、大学病院以外の総合型の実績に関しては、全体としてかなり低かった状況にあったかと思います。聖路加国際病院や国立国際医療研究センターの実績等になりますけれども、それが低い傾向にあったということが分かるかと思います。
ここで論点ですが、今日はオープンですので、御自由にということになるのですけれども、1点申し上げさせていただくと、こういう高度化等に伴いまして、高度と考えられる医療については、特定機能病院以外の病院でも実施されるようになってきているということ、それから、実績は、ほぼ変わらないものになってきているということでありますが、そもそものところに立ち返りまして、特定機能病院における高度な医療の提供のあるべき方向性、また承認要件等について、どのように考えるか御議論いただきたいと考えております。
また、今回は取れるデータをお見せしたわけですが、2つ目の○ですけれども、データで把握することが必ずしも容易ではないけれども、やはり特定機能病院以外では実施しにくいもの、特定機能病院で実施されている高度な医療提供について、議論しておくべき点がないか御議論いただきたいと考えております。
それでは、67ページ以降、研究の部分、開発・評価のところへ行きたいと思います。
こちらは、差し替えのところに、研究のところが丸々移っていますので、お配りをした差し替えのところ、インターネット上には通しで上がっていますので、そのまま御覧いただいて大丈夫なのですけれども、こちらにいらっしゃる先生方は、資料2-2の差替えで、一括で御説明しますので、そちらを御覧ください。
68ページでございますけれども、まず、こちらは、研究費補助の実績ですけれども、大学附属病院とナショナルセンターの特定領域で高い傾向にございます。これは件数ベースですが、一部大学附属病院本院等で実績が低いところがあるように見えます。
これらを合計したものが69ページになりますけれども、69ページでは、全部足したものになりますけれども、大学附属病院本院で高い傾向にあるものの、低い病院が幾つかあるということ、それから、総合型で少し低い傾向にあるということ、その他の特定機能病院の特定領域型も少し低めということが分かるかと思います。
70ページですけれども、これは、件数ではなくて研究費の実額になりますが、ナショナルセンターでAMEDの研究費がすごく高いという状況がございます。
大学附属病院は、上のほうに外れ値がたくさんあって、研究の進んでいるところがあるところが分かりますが、低いところに分布しているものもあるかと思います。これは、全体を御覧いただければと思います。
71ページを御覧いただきたいと思いますが、今度は論文発表の実績でございますが、こちらもOriginal Article、やはり要件になっているということもあって、全体的に高め、特にナショナルセンターの特定領域においては、附属病院本院の上位層に関しては高いのですが、附属病院本院のほうに、Original Articleも低めのところがあるということ。
それから、附属病院本院群ですとか、ナショナルセンター総合型、その他の総合型で少しケースレポートの件数が多いところがあるかなというところが見て取れるかと思います。
これを全部足したものが71-2、これは追加でございますけれども、ページ番号がずれないように71-2になっていますけれども、こちらも全部足すということで、足すと全体的に多めになるのですけれども、やはり大学のほうにばらつきがあって、上にたくさん書いているところもありますし、低いところがあるという状況でございます。
72ページに、研究の部分の現状と論点をまとめております。研究に関しても、論文のところは承認要件になっておりまして、2つ目の○、研究費の獲得状況ですが、特定機能病院の中で、本院、それからナショナル病院、ナショナルセンターで高い一方、本院であっても実績が特に低い病院が一定数あるというところ。
それから、3つ目の○、論文数に関しては、全体として一定の実績がございますが、ケースレポート等の実績が多い、これは割合を見てみないと分かりませんけれども、多い病院は存在しております。
また、これは一般的な御指摘ですが、臨床研究に関する論文の出版に関しては、近年のオンラインジャーナル化を踏まえて、以前よりも容易になっているという御指摘もございます。
また、後ほど、臨床研究中核の要件が出てきますけれども、臨中は、我が国の医師主導治験のところを担うということで、特定臨床研究等の論文ということで、実績で数えられる論文に制限がかかっていますが、特定機能病院のほうは、査読あり、英語論文のみということで、定めがないということでございます。
踏まえまして、下の論点ですが、特定機能病院のうち、大学附属病院本院、ナショナルセンターにおいて、実績が高い一方、一部大学附属病院で実績が低いという状況がございますが、そもそもこの研究のところのあるべき方向性、かなり難しいところでございますが、その方向性と承認要件について、お考えを議論していただきたいと思っております。これは、類型ごとの議論も有用かと思います。
それから、2つ目の○ですが、臨床研究といっても、例えば、世界初の医薬品、医療機器の開発等を行うものもあれば、臨床研究中核の主眼である、他国で承認されているものを日本に持ってくるような研究、それから、いわゆる手術等の実績をまとめて、結果を世界に発信するというものがありますが、特定機能病院で、特にやるべきものなどがございましたら、御議論いただきたいと考えております。
それでは、次に、先ほどの大きいほうの資料に戻っていただきまして、73ページ以降、研修等ということで教育のところでございますけれども、まず、74ページ、臨床研修医の状況ですが、これは2学年分足した数値でございますけれども、こちらは比較をしております。
やはり大学附属病院やナショナルセンター総合型で、たくさんの研修医を育成しております。けれども、大学附属本院にも低いグループが一部いそうだということ、それが、特定機能以外の病院のところで、少し低いところは類似してくるというところと、大学附属病院分院については、研修医の数は、一般病院と同じような分布になっております。
75ページが、内科のプログラムでございますけれども、専攻医のプログラムですが、附属病院本院等で100%実施していますが、400床以上の病院で8割を切るぐらい、分院でも2割ぐらい持っていないところがあるという状況でございます。
76ページが、外科の専攻医プログラムでございますが、やはり大学と総合型は、100%プログラムを整備している一方、分院で5割程度、400床以上の病院で2割程度の整備率でございます。
外科は、専攻医の数を公表しているので、下にグラフをつけさせていただきましたが、もともと委員の先生方とお話ししたときは、3学年分足していたのですけれども、これは1学年分に分かりやすくしております。
見ると、やはり大学で多い傾向がございますけれども、一部のところで低くなっているということです。それから、特定機能病院以外の病院や分院は同じような分布に、やはり低めになっているということが分かります。
77ページが産婦人科のプログラムですが、同じように大学総合型で100%の整備率、分院で4割程度、400床以上の平均は2割を切っているという状況。
78ページ、小児科ですけれども、産婦人科とほぼ同じような状況でございます。
79ページは、あくまでもプログラムの数で実際の専攻医ではないのですけれども、プログラムの数でのシェアで見てみたものでございます。
一番左が内科になっておりまして、下から本院等と並んでおりますが、大学附属病院本院のシェアを見ますと、内科で1割、小児科で4割、産婦人科で5割、外科で4割という形になっている状況でございます。
80ページ以降は、研修等の状況になっておりまして、81ページを御覧いただきたいのですが、医師以外への研修、大学附属病院でたくさんの研修をしていただいているところ、82ページが実際の研修の回数ですけれども、やはり附属病院本院で、コメディカル等への教育を担っていただいているということが分かるかと思います。
それでは、87ページを御覧ください。
この教育の現状についてまとめております。教育に関しても、研修医30人と要件がありますけれども、現状の2つ目の○ですが、附属病院本院、それから総合型のところにおいて、特定機能病院以外の病院を大きく上回る臨床研修医を受け入れていて、一方、大学附属病院の本院等で、臨床研修医の受入れ実績が低いところが一部あるということです。
専攻医、プログラム、3つ目の○ですけれども、やはり特定領域型では低いというところ、それ以外では、基幹型専攻医プログラムを整備しているというところですが、専攻医の数を見ますと、本院において特に高いが一部の本院で低いという状況がございます。
論点のところでございますけれども、1つ目の○、今、申し上げたように、本院や総合型で多くの医師を育成している一方、専攻医に関しても大学でプログラムを整備しているが、一部実績が低いという状況でございます。
それから、全体のシェアを見ると、やはり特定機能病院以外のところでも受入れが進んでいるので、この辺を踏まえて、教育研修等のあるべき方向性、それから承認要件等についてどう考えるのか。これも類型ごとの議論が必要であればしていただきたいというところでございます。
それから、2つ目の○、特定領域型においては、これらのところが少ないというところ、総合型と同様に取り扱うかという点も含めて御議論いただきたいと考えております。
3つ目の○、特に特定機能病院以外の病院では実施することが難しい教育研修の在り方、どういうものがあるのかなど、御議論いただきたいと考えております。
それから、88ページ以降、分院についてですけれども、先ほど、医療の実績や、教育については述べたので、89ページは、実際の医師数の現状でございますけれども、大学病院には多数の医師がいて、教育や研究を行っているので、そこの負担の問題というのがよくありますけれども、こちらは、やはり、本院にはたくさんの医師がいるというところ、それから分院は、あまり特定機能病院以外の病院と、そこまで変わらないということ、やはり本院に医師が集中して配置をされているという状況がございます。
90ページは、御参考で救急車の受入台数ですけれども、本院でやや低いという状況がございまして、これは三次救急等に特化している病院が多いためと考えられます。
91ページで、本院と分院のところの論点でございます。
現状のところにございますように、分院については、本院と医師数や実績等に関しては、大きく低い傾向がございます。研修医の受入れ等についても同様でございます。
論点のところ、このような実績等が著しく低くなっている状況等を踏まえまして、本院と分院は同等のものなのか、やはり大きく異なるものなのか等、御検討をいただきたいと考えております。
92ページでございますけれども、これは、分科会からの宿題の複数領域の特定領域のところでございます。
93ページを御覧いただきたいのですけれども、今回意見書が出た背景としまして、埼玉医科大学国際医療センターが、特定領域型として申請を出してきたというところです。こちらは分院の扱いに、埼玉医大としてはなります。
こちらは、名称の承認は適切ではないということで不承認になっているのですが、理由として3点ありまして、今回、特定領域型と言いながら、3領域、がん、心臓病、救命救急それぞれが特定領域であるという中で申請があり、理由のところに書いてございますように、一部の領域で通常提供することが難しい診療や、技術の研究開発を行う能力が確認できなかった等の理由で、不承認になっているというものでございます。
ここで審査の観点として分科会から示された観点が、下に3点ございまして、まず1のところなのですけれども、黒字下線のところにありますが、特定領域型は、特定の領域で総合型を上回る高度かつ専門的な医療を提供するということで、トータルで総合型に匹敵するという考え方ですねということ。
2点目が、そうであれば、病院全体を特定機能として承認するので、特定領域が病院全体の大宗を占めていないといけないのではないでしょうかということ。
3点目、そうであれば、大宗を占めるとして出されたそれぞれの特定領域において、総合型を上回る、特に先駆的な診療が求められるのではないかという御指摘がございました。
今回、承認要件の議論でございますので、こちらの分科会の意見は、現在の承認要件の中で考えるとしたら、こうですねという御意見であると承知しておりますが、94ページの論点、下のところ、2つ○がございますが、今の審議上の整理を踏まえまして、複数領域を有する際の特定領域型の制度上の取扱いをどう考えるかというところ、そもそも特定領域型としてふさわしいのかということも含め、在り方に関する検討、それから、承認する場合はどういう考え方や留意事項によってやるものなのかということでございます。
95ページ以降でございますけれども、その他の観点として医師派遣機能について取り上げたいと思います。
96ページにございますように、医師の養成課程からしっかり医師を養成していただいて、今、医師の偏在対策というところを行っているわけでございますけれども、この養成課程においては、卒前の教育というのも重要であるということでございます。
それから、卒後のところも97ページを御覧いただきまして、出身地と大学を固定して考えたときに、臨床研修する場所によって、その後の進路として選ぶ県が異なってくるという、やはり出身県で、その大学のある県で研修をすると、残る割合が高いというデータがございます。
また、98ページ、文科省さんのデータですけれども、大学附属病院から常勤医師を多数派遣していただいていて、地域医療を支えていただいているということ。
それから、赤の部分が、医師少数区域ですけれども、やはり少数区域に派遣をいただいております。
99ページを見ていただきますと、この大学病院からの派遣につきましては、様々な専門領域に派遣をいただいていまして、それは少数区域であっても、バリエーションのある専門領域で派遣をいただいているという状況でございます。
100ページでございますが、附属病院の医師派遣機能でございますけれども、現在、特定機能病院の承認要件とはなっておりませんが、現状、2つ目の○、今、見たように特定機能病院のうち、多数を占める大学附属病院本院から、様々な医師派遣が行われておりまして、少数区域に対しても行われていますし、その少数区域も含めて、専門領域で幅広く行われていると。
それから、4つ目の○、意見書においても、医師の供給という観点は重要であるという御指摘をいただいております。
論点のところにございますけれども、本院の医師派遣機能ですが、承認要件とはなっていないものの、医療施設機能の体系化の推進を行うというのが、特定機能病院の法律の趣旨でございますけれども、このような医師派遣機能について、既存の承認要件である医療提供、研究、教育との関係、それから、特定機能病院のみならずかもしれませんけれども、我が国の医療提供体制の充実強化との関係を含めて、どういう論点で考えるかということ。
それから、その他にありますが、これは全体なのですけれども、この医療施設機能の体系化の推進という特定機能病院の趣旨に鑑みまして、そもそも特定機能病院の在り方として、それから承認要件としてどのような点を検討すべきかを御議論いただきたいと考えております。
101ページ以降は、既存のその他の制度になりますけれども、102ページが地域医療支援病院、それから103ページが臨床研究中核病院、それから104ページが、がん診療連携拠点病院です。この中にはゲノムもありまして、それが105ページ、ゲノム医療の提供体制、それから106ページが難病でございます。
107ページ以降、この特定機能病院の中で、今、申し上げたところ、地域医療支援病院は重なりませんので除いてありますが、それぞれどうなっているのかという星取り表を載せております。後ほど御覧ください。
以上で資料の御説明を終わらせていただきます。全体として御議論いただければと考えております。
座長にお戻しいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいた資料に基づいて議論したいと思いますけれども、何分少し量が多いので、少し分けて考えたいと思っています。
議論を前半、後半の2つに分けることにして、まず前半、これまでの経緯、医療の提供、医療技術の開発評価のところまでで御議論をいただけたらと思います。御質問や御意見等ございますでしょうか。それぞれの論点につきまして、御議論とか、そこから派生して特定機能病院について、あるべき方向性とか承認要件の考え方についても御意見がありましたら、ここでお願いしたいと思います。また、全体としての御意見は後半で述べていただくことも可能ですので、まず、前半のところで議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
吉村構成員、よろしくお願いします。
○吉村構成員 構成員の吉村です。御説明ありがとうございました。
2点意見いたします。
1点目は診療につきまして、事務局の説明を拝聴して、やはり特定機能病院と、それ以外の400床以上の病院の間に大きな差がないという印象を持ちました。
一方で、特定機能病院の本院の所在地による差があるのは当然と思いますので、郡部と都市部でそれぞれの医療機能の違いもあるかと思うので、その点を含めた検討が必要と考えます。
2点目の研究につきましては、特定機能病院については、資料で詳細な成果をお出しいただきましたけれども、それ以外の400床以上の病院につきましては、今回の資料には盛り込まれていません。その点を比較するために、今後、資料の提供や検討材料をご提示いただくのがよろしいと考えています。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
今村先生、お願いいたします。
○今村構成員 この特定機能病院の状況を歴史的に見ておりますと、DPCが始まり、その中で特定機能病院の位置づけが、一番高い設定となったために、特定機能病院を目指すようになったのかと思います。
そこで1点確認ですが、特定機能病院は特定機能病院としての1つの位置づけであって、本来、特定機能病院と診療報酬というのは、別物ではあるはず。今、DPC等の診療報酬と連動するような形になっていますが、これは、本来のそれを目指したものではないという認識でよろしいでしょうか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局からよろしいでしょうか。
○松田座長 どうぞ。
○松本医療安全推進・医務指導室長 ありがとうございます。
今の今村構成員の御指摘ですけれども、今日、診療報酬制度の中での資料はあまりお出しをしていないのですが、DPCの中での評価としましては、機能評価係数と言われるところ、機能評価係数Ⅰで評価をされているのは、様々な入院料加算ということになりますが、いわゆる特定機能病院の入院料は根本から違うので、評価係数の外になりますが、特定機能病院の診療報酬が普通の病院よりも高い設定になっております。この話も1つあります。
それから、これは特定機能病院としての評価ではなくて、大学附属病院本院につきまして、高い係数で評価をされておりますので、事実上特定機能病院である大学病院につきましては、二重に高い評価をされているというところ、今村構成員の御指摘のところは、どちらかというと前半の部分ですね。特定機能病院であるだけで高い診療報酬の評価を得るというところの御指摘かと思います。
制度上ですけれども、医療法の中での様々な評価につきましては、それそのものが、財政的なインセンティブではないというのは、委員の御指摘のとおりでございますけれども、中医協の中で、特定機能病院として提供している医療の質、それからコスト構造などについて御議論をいただいて、一部高い御評価をいただいているものと承知しておりますので、制度の趣旨としては別ですけれども、それに関してかかっているコスト構造の中で、中医協で認められたものに関しては、評価をいただいているという状況だと思っております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
1つだけ、一応私のほうで分かっていることを追加しますと、DPC制度が始まったときに特定機能病院とそれ以外で、原価調査をやっています。そのときに、やはり特定機能病院の方が、コストがかかっているという、一応、そういう結果は出ております。一応、これは参考までに、こういった報告書でも、たしか出していると思いますので、また後で見ていただけたらと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
川上先生、お願いいたします。
○川上構成員 日本薬剤師会の川上です。
医療技術の開発・評価等の状況、いわゆる臨床研究に関連することになります。今回、研究費の獲得実績などをお出しいただいたことは、大変参考になったかと思います。また、論文については、大学病院本院でも特定機能病院の承認要件に鑑みて、著しく低い大学があることは、少し驚きをもって拝見しました。
こういった数や金額などを見る場合、それぞれの病院において研究者登録をされている方、すなわち医師や、医師以外の薬剤師でも博士号を持って研究者登録している者はいるのですけれども、研究者登録している人がどのぐらいいるのか、1人当たりの生産性をも1つの検討材料かと思います。例えば大学評価ですと、教員評価として教員1人当たりの生産性も評価されることもありますので、今後はそういった観点でも御検討いただくと宜しいかと思いました。
以上でございます。
○松田座長 ありがとうございました。
非常に重要な御指摘だと思います。楠岡先生が作成された報告書のほうには、1人当たりの論文数も確か出ていたと思いますので、また、次回にそれを出していただけたらと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
松本構成員、お願いいたします。
○松本構成員 ありがとうございます。松本でございます。
26ページと66ページの論点にございます、高度な医療の提供のあるべき方向性や承認要件等につきましてでございますが、当然ながら、ほかの医療機関に提供できるものを、特定機能病院が提供する必要性は乏しいと考えております。
また、広域の拠点であるとか、最後のとりでという位置づけから考えましても、一方で、ある程度幅広さというのも重要だろうと考えます。
いささか抽象的な表現になりますけれども、先進性と網羅性という両方を兼ね備えることが、特定機能病院には期待されるものだと感じております。
一方、医療技術の開発・評価につきましては、日本全体の医療水準にも関わることですので、時代の変化に応じてレベルアップしていくために、外部資金の獲得や臨床研究の実績要件をしっかりしたものに見直すべきと考えております。
あと、先ほど来、診療報酬に関するお話がございましたが、私、今、中医協の委員を務めておりますので、非常に今村先生であるとか、松田先生の御発言には興味深く伺っておきました。ありがとうございました。
○松田座長 ありがとうございました。
高度性と網羅性を両立するというのは、非常に重要だと思いますので、何か新しい、それを何か総合したような指標を考えたほうがいいかもしれないですね。
ほかは、いかがでしょうか。
猪口構成員、お願いいたします。
○猪口構成員 ありがとうございます。
大学病院本院のことを考えると、やはり学生から卒後の研修教育、ここに非常に手がかかる。それから、さらに研究も行う必要がある。そして、臨床においては高度な臨床を求められる。さらに、医師の働き方、労働時間に制限が設けられると、非常に厳しい中での運営になりますので、私は、やはり大学病院の本院、これが特定機能としては、本来あるべき病院であって、それなりの評価をするべきであろうと思います。
一方で、特定機能では、ここでは、がんセンター、循環器病センターということですけれども、それらは、かなり疾患別に特化したところでやっていますので、そこにおいては非常に高度な医療が提供されているということで、これは、この1つの形ですけれども、同じように大学病院本院とおなじように特定機能病院ということとして論じるのは、少し無理があるのではないかという気がいたしました。
ただ、大学病院の本院の中でも、様々な差があり、やはり地域性によって、かなり内容で、多分ゼロのところもかなりありそうで、これらを大学によっての特性なのか、その地域によってやむなくそうなっているのか、そうではなくて、いろいろな大学がいろいろな問題を抱えているのか、このようなここら辺の分析がないと、大学病院の本質的なことが少し分かりづらいかなと思っております。
あとは、大学病院以外の総合型と400床以上の、いわゆる基幹病院、それから、大学病院の分院、ここら辺は、実は同じようなカテゴリーで考えられるのではないかと思います。そうすると、今度は地域医療支援病院のこととか、紹介受診重点医療機関とか、そういう問題と、また絡んでくるので、ここはまた別の議論になるかもしれませんが、一応、私はそのように思いました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
非常に重要な御指摘をいただいたと思っています。やはり、今、猪口構成員が指摘されていましたように、なぜ先進医療等ができないのかという、その理由の調査等をやらないといけないなというのは、そのとおりだと思います。これは、多分、研究も同じだと思います。
それから、大学の本院の使命としての卒前から卒後までの教育、研修というのは非常に重要でありまして、特に私どもの大学もそうなのですけれども、スチューデントドクターが始まってから、スチューデントドクターに関しては、カルテの記載等を指導医が研修医と同じように確認しないといけませんので、非常にスタッフの負担が高まっていますので、そういうところは、やはりきちんと評価をしないといけないのかなと思います。ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 尾形です。
1点、事務局に確認というか質問なのですが、72ページのところで、現状が整理されていて、4点目に臨床研究中核病院の話が出てきますが、これを読むと実績要件を結構厳しく定められているということなのですが、後述と書いてあるのですけれども、臨床研究中核病院の資料がないので、これは次回でもいいですから、どういう実績要件なのかということと、どういう病院がそれに該当しているのかという資料を見せていただければと思います。
以上です。
○松本医療安全推進・医務指導室長 座長、すみません、事務局からお答えをしたいと思います。よろしいでしょうか。
○松田座長 お願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 かなりはしょりまして、大変恐縮でございました。103ページを御覧ください。
103ページに、臨床研究中核病院の承認要件が記載してございますけれども、実施体制に関しても、特定機能病院よりも一歩踏み込んだ形でのところでございます。
一番右に人員要件がございまして、臨床研究に携わる人員としても要件がございまして、かなりその中の細かいところ、例えば、データマネジャーや生物統計家、薬事承認審査機関経験者などの配置要件がございます。
また、真ん中のところに実績の要件がございまして、先ほど申し上げたように、例えば論文に関しては、特定領域だったり、特定臨床研究に関するものでないといけないというところ、それからプロトコール論文は6報以内にしなくてはいけないなどの条件があって、45報以上という条件がございますし、上のところに、特定臨床研究の実施件数や、主導する多施設共同のところの研究の実施件数など、定めがございます。
107ページ以降を御覧いただきたいのですけれども、臨床研究中核病院になっている特定機能病院のリストがございまして、例えば、107ページで言えば、北大、東北大、千葉大、がんセンター東病院、慶應、108ページを御覧いただきますと、東大、順天堂、がんセンター中央、109ページで名古屋、京大、阪大、神戸大学、それから、110ページで岡山大学、九州大学、長崎大学ということになっております。大変失礼いたしました。
○尾形構成員 確認ですけれども、そうすると、臨床研究中核病院は、別に特定機能病院でなければいけないという要件はないけれども、実際上はそうなっているということですか、特定機能病院の一部だと。
○松本医療安全推進・医務指導室長 おっしゃるとおりです。
○尾形構成員 分かりました。
○松田座長 ありがとうございました。
たしか、この臨床研究中核病院は、実績があまりなかったところに関して、この委員会で、過去にヒアリング等をやっていますね。
○松本医療安全推進・医務指導室長 恐らく先生が、医療分科会の委員でもいらっしゃるので。
○松田座長 そうです、医療分科会でしたか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 はい、医療分科会で臨床研究中核のほうの審査もいただいておりますので、そちらの話かもしれません。
○松田座長 だから、それは結局、臨床研究中核病院になっていたとしても、それは、ちゃんと見直しをしないといけないということですね。
○松本医療安全推進・医務指導室長 そこは、おっしゃるとおりでありまして、臨床研究中核を満たしているから、特定機能として自動的に認められるわけでもございません。
○松田座長 ただ、あのときのやり取りを見ていると、制度そのものに結構構造的に難しい部分もあるので、何かそこも含めて検討しなくてはいけないなと思います。すみません、これは余談です。
ほかは、いかがでしょうか。
相良構成員、お願いいたします。
○相良構成員 私が考えているのは、特定機能病院というのは、1つは研究、それから教育、臨床、幅広、いわゆる一定の幅広い中の特化したものではなくて、全てを網羅できるというのは、1つ重要な要件なのかなと思います。
それとプラスして、地域医療をしっかり支えていかなければいけないと思いますので、そこから医師派遣をしっかりできているということ。
あとは、確定的資金に関しましては、当然ながら疾患に特化したところであれば、当然取りやすいという環境下にあると思いますけれども、やはり特定機能病院として幅広い中で、例えば、いろいろな診療科における獲得資金がしっかり取れているかどうか、そういうところは非常に重要なポイントではないのかなと思います。
当然ながら教育が入ってまいりますので、先ほど猪口先生のほうからもお話がありましたけれども、卒前卒後の教育がしっかりできているというところと、その教員、それが充実しているところが非常に重要なポイントもあって、例えば、臨床だけということではなくて、そこの教育に関してもしっかりとした教員が配置されているということに関しては、非常に重要なポイントではないかと思います。
そういう中で、教育が3本柱というのは非常に重要なポイントでもあって、そういうところが、ひいては臨床医あるいは地域医療に貢献できている。それで、全体的に、いわゆる特定機能病院が中核となって、周りの医療機関を助けていっているというところが重要な1つのポイントになるのではないかと思います。
○松田座長 ありがとうございました。
山崎構成員、お願いします。
○山崎構成員 山崎です。
事務局のほうから、例えば、高度の医療の提供とか、あと研究に関しても同じ大学病院本院でもかなり大きな差があるというような御説明があったかと思います。
私は都道府県の立場から申しますと、やはり都道府県の保健医療計画の中の立ち位置にも、かなり大学病院の同じ本院であっても差があるかなと思っているところです。
特に、やはり都道府県ですので、へき地への派遣等、そういったところは重要だと思っておりますし、5疾患6事業、そういったものを見ましても、例えば、本当に県の最後のとりでであるような高度救命救急センターのような病院もあれば、救命救急センターでもない大学病院もあり、また、災害拠点病院もしくは基幹災害拠点病院のところもあれば、災害拠点病院ですらない大学病院もあると。
例えば、あと周産期で言えば、総合周産期母子医療センターであるところもあれば、地域のセンターでもない病院もあるというところで、やはり都道府県の中の立ち位置でもかなり役割が、実は幅が広いと思っているところです。
ですので、総合型というときの、その総合の定義というのは、一体どのぐらい幅広にやっていれば総合なのかというところなどに関しましても、都道府県としては、なかなか、どれをもって最後のとりでとして頼れる病院と言えるのかというところに関しても、議論が深められるかなと思っておるところです。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
村松構成員、お願いします。
○村松構成員 ありがとうございます。村松でございます。
医療技術の開発評価について、論点の72ページでございますが、先ほどもしかしたら事務局からも簡単に御説明いただいたかと思いますが、ケースレポート等も認める、レターも認められているということですが、これは、インパクトファクターが論文の全てではないですし、いまだその評価の定まらないものが、後々評価されるということは往々にしてあると思いますが、現状はインパクトファクターと、その論文のクオリティーと言われるものについては評価をしていないという理解でよろしいですか。
○松田座長 事務局、お願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 事務局でございます。
医療安全推進室長ですけれども、おっしゃるとおりで、インパクトファクターがついていなくても、査読あり、英語論文であればいいということで、ケースレポートであったり、レターであったりということも問わないのですが、臨床研究の論文であることということは、お求めをしています。
以上です。
○村松構成員 ありがとうございました。
そうしますと、査読ありと言っても、その査読のクオリティーですとか、論文によっては、いわゆるハゲタカジャーナルもありますし、小さい学会でお互いに読んでいるからといって査読ありになることも往々にあると思いますので、その辺りについてのクオリティーというものは論点となり得るかと考えました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
堀岡企画官、どうぞ。
○堀岡企画官 すみません、オブザーバーでございますけれども、大学病院のことが非常に、今、議論の中心であると思われますので、今回も参加させていただいておりまして、発言もさせていただきますが、文科省においても、昨年度、今年にかけて大学病院の研究教育に関する検討会というものを実は10年ぶりに開催しております。
その中で、非常に危機感を持って迎えられていたものが、特に日本の医学研究は、今、非常に厳しい状況になっているのですけれども、ほかの学部分野と比べて、研究教育にかけられるエフォートが大幅に下がっているというのが、非常に問題点として重要な論点として挙げられています。
きれいにエフォートと論文の数というものは、逆反比例になっていまして、患者1人当たりの診療が重ければ重いほど非常に研究成果とかも厳しいという状況になっております。
その中で、文科省としても様々な支援、政府としても予算などでも対応してきたところなのですけれども、この特定機能病院の見直しでも、もちろん診療、医師派遣、地域医療というものは特定機能病院、特に大学が担っていて、非常に重要で、最も重要な点かもしれませんけれども、医学研究教育を守るというような視点でも、御議論をいただければ幸いでございます。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございました。
研究に関しての御提案ということですね、何かこれに関して、ほかの委員の方から、御意見等ございますでしょうか。
大学病院の先生、いかがでしょうか。
門脇構成員、お願いいたします。
○門脇構成員 香川大学の門脇と申します。
地方の、それも新設医大からですので、この議論でも非常に話題になるところかと思いますけれども、やはり、これまでのお話に出ましたように、大学病院に期待されるところというか、求められるところが非常に多岐にわたっていて、いろいろな顔を持っているとか、持たざるを得ないですけれども、そういった中で、診療、高度医療、そして教育、研究、地域医療支援も、常勤医の派遣だけではなくて非常勤という、いわゆる外勤、アルバイトというのにもエネルギーを割くというところに持ってきて、医師の働き方改革ということで、これらをどう折り合いをつけるかというのは、非常に難しい。
その中で、特に地方大学、特に新設医大の立場からいくと、やはり、大学病院として、規模の比較的大きいところと同じような仕組みを整えないといけないのですけれども、人数が少ないので、兼任という形になって、どうしても仕事が多くなるということですので、ここは、そういうところで高度医療というか、地域の医療を支えることをしていきながら、かつ、役割として、高度医療を担うのですけれども、高度医療だけでは、飯が食っていけないというか、大学の経営が非常に厳しいということになると、とにかく通常の診療もある程度しないといけない。若手の教育上も、特殊な病気ばっかり診ていてもいけませんので、ある程度一般的な診療もしないといけないという、かなり厳しい状況ですので、やはり、そういった中で地域医療を支えるのに特定機能病院であり続けるということは必要だと思いますし、これは人員とか、大学病院は、それだけのタスクを求められているからには、特に十分な財政的なサポートも必要だと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
大学病院に関わる共通の思いだと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
長尾先生、お願いいたします。
○長尾構成員 名古屋大学の長尾です。医療安全、患者安全を担当していますが、私も大学病院ですので、日常執行部では、本当に毎回毎回このことが悩みで、バランスが高いレベルで求められているということだと思います。
やはり、私の立場からの懸念は、これまでの患者安全の歴史を振り返っても、やはり数を求めたときに、どうしても様々な安全や倫理的手続を軽視しての数優先の数値目標達成に軸足が置かれるとか、研究に関しても、捏造の問題であったりとか、まず、クオリティーよりも量という感じで、尻をたたたかれてきていたというか、その辺りを懸念します。
それで、総合型、バランス型ということであれば、やはり大都市群とか、病床数の多い特定機能病院に課せられるべきある種の目標と、それから、地方型や病床数が少ない特定機能病院に求められる数値目標などは違ってしかるべきかと。
そこで、共通認識を持っておかなくてはいけないのは、レーダーチャートのようなものをイメージしたときに、何かが突出しておれば、どこかが欠けていてもいいとするのか、いや、全体の面積が小さくてもバランスよくそれが広がっていることに価値を置くのかといった辺りです。患者安全の観点からは、後者かなと感じるのですけれども、その辺りの目安が定まってくるといいのかなと、一律に高いレベルのものを、ここをクリアしなくては駄目だとなったときに、どうしても現場に無理が強いられてきて、ほころびが出てくるというのを経験しますので、その辺りが懸念することです。
○松田座長 ありがとうございました。
今の御意見は、非常に重要だと思います。先ほど、どなたかが高度性と網羅性をバランスするという話をされましたが、やはり、それを総合的に評価できるようなことを考えていかないといけないのかなと思いました。
相良構成員、お願いいたします。
○相良構成員 先ほど堀岡企画官が言われたのは非常に重要だと思いますし、1つは、例えば客観性を持って評価するという場合に、論文数ということでいうと、少し危険な感じがします。
それは、例えば、教育ということで話をしますと、なかなかそこのところは、数字で出すことは非常に難しいということもありますので、そういうところをどう評価するか、エフォートをどう評価するかということだと思います。
あとは、先ほど、働き方改革と言われましたけれども、働き方改革の中で、例えば、時間の効率化ということでいいますと、働き方改革が始まった中での助教クラスの研究あるいはそこに費やす時間に関しては、多少増えてきていることを考えますと、そこの効率化という面では、逆にいい方向に関わってきているのではないのかなと思いますので、そういうところで、そこをどう評価するかということが重要なポイントにはなるのではないかと思います。
したがって、その評価のところというのは、例えば論文数ということで言うと、非常に特化した形での病院に関しては、論文数が非常に多く出てくる可能性がありますので、そういうところではなくて、例えば、いろいろなバランスを考えた中で、教育、あとは研究、あとは臨床も含めて、そういうところをどう評価していくかということでやっていく必要性があるのではないかなと思いますけれども。
○松田座長 ありがとうございました。
既に後半の部分の研究、研修、教育、人材育成と、それ以降にも入っておりますので、その部分も含めて御意見等ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
上田構成員、どうぞ。
○上田座長代理 今回、高度の医療や研究、研修のテーマについて議論がされていますが、一方で、病院がそういった医療研究を行うに当たっては、1つの組織ですので、病院としてのガバナンスとか、あるいは各診療科の一体的となった取組ですとか、そういった視点も含めて議論していくのも大事かなと思っております。
それで、先ほど長尾先生からお話のあった医療安全ですとか、感染症の問題ですとか、そういった視点も含めて、議論していくのが大事かなと思っております。
実は、私ども医療機能評価機構が、病院機能評価、特に一般病院3の評価を、今、81の病院で実施しておりますが、それぞれの項目についてS、A、B、Cという基準で判定していますが、その中でC、つまり一定水準に達しないという項目があって、これは、これまで平均的には、大体90項目のうちの7項目ほどございまして、今、申し上げましたように、それぞれの診療科での統一性が図られていないとか、いろいろな指摘もございますので、こういった点についても、併せて議論をしていただくとありがたいかなと思って発言いたしました。ありがとうございます。
○松田座長 ありがとうございます。
ガバナンスについて、やはり機能評価のときに、かなりチェックをしていただきますので、そういうものをどのように活用するかということも必要な視点かなと、今、お話を聞いて思いました。
また、国立大学病院等が行っている相互の安全に関するラウンドですね、ああいうものもどのように活用していくのかということが大事なのかなと。高度医療は、片方でどうしてもいろいろな安全面でのより大きな配慮が求められますので、そこにどのように配慮しているかということを評価するというも1つのポイントなのかなということを、今、長尾委員と上田委員の話を聞いて思ったところです。
ほかは、いかがでしょうか。
本田構成員、お願いいたします。
○本田構成員 本田です。
一般の視点という意味合いで、実際に高度医療とか、提供されている先生方とは、全然見方が違うのかもしれないのですけれども、今の特定機能病院というものは、一体何なのだろうというのが、現状では分からなくなっているなというものをすごく感じます。いい悪いは、いろいろあるかもしれませんけれども、それぞれ看板、我々一般は、看板ではないかなと思うのですけれども、そうしたときに、今日の御説明を聞いていると、同じ特定機能病院だとされているものでも、研究だとか、医療の提供する内容だとか、教育の在り方だとか様々にあって、何でもありなのではないかと見えてしまって、そこは、やはり今回議論をするという意味で、もう少し整理して、私は、それぞれの役割、バランスも大事だと思いますけれども、一定の高度な医療をきっちり提供、網羅的に提供していることも大事だと思いますし、かといって、ナショナルセンターみたいなところで、一定のある分野をすごく高度な医療を提供するということも大事だと思いますけれども、では、この特定機能病院という役割、初めの2ページの説明を見たときに、これが変わっていないのだとすると、機能・特質に応じた施設の体系化を進めるためのものなのだというものに照らし合わせたときに、どう考えるのかというものをもう少し分かりやすく制度を持っていくべきだと思います。
もちろん、診療報酬だとか、補助金だとかの部分で、この厳しい折、補助がもらえるのであれば、みんな特定機能病院になりたいわけですね。そういう中で、それをどのように考えるのかというのがとても大事だなと思いますので、やはり、ある程度の類型化みたいなものをもう少し考えていくのも重要かなと感じました。
すみません、以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
特定機能病院の中身が分かりにくいというのは、一般の方から見れば、本当にそのとおりだろうと思います。
川上構成員、お願いいたします。
○川上構成員 日本薬剤師会の川上です。
医療に関する研修等の状況、いわゆる教育に関して発言をいたします。
高度の医療に関する研修を提供するためには、その基礎となる基本的な教育についても、提供する能力は必要かと思います。
先ほど猪口構成員から、卒前・卒後教育の連携の重要性をおっしゃっていただきまして、まさにそのとおりかと思います。
資料2-2で、81、82、83ページに医師以外への研修を示していただきありがとうございます。これらも、恐らく職員への研修かと思いますけれども、職員以外では、卒前の薬学生などへの教育も大学病院などは担っているかと思います。
例えば、大学病院でも自大学に薬学部がある大学であれば、相当数の薬学生に対する実習を提供していますし、それから薬学部がない例えば単科医科大学においても、他大学の薬系大学から、ある程度の実習生を引き受けており、かなりのエフォートを教育にはかけてはいます。
一方で、大学病院以外の特定機能病院においては、そういった他大学からの実習生を全く受け入れていない実態もあるなど、現状は様々かと思いますので、この辺りも今後、御検討いただき、御評価いただけるとありがたいと思う次第でございます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございます。
非常に重要な指摘だと思います。何となく今まで医師中心の議論になっていますけれども、特定機能病院は、それ以外の職種の卒後の教育研修をやっておりますし、それ以外の職種の方たちのいろいろな研究の場でもありますので、そういうものを総合的評価するという指摘は非常に重要だと思います。
吉川構成員、どうぞ。
○吉川構成員 ありがとうございます。日本看護協会の吉川でございます。
特定機能病院の承認要件について、幾つか意見を述べさせていただきます。
今回、大学病院の本院や、分院、特定領域型など、様々な類型による違いがあるということも分かりましたが、やはり一般の病院とも重なる部分があることを考えますと、特定機能病院の在り方が非常に曖昧になっていると感じるところでございます。
特定機能病院の評価をする際、外形的な評価で医師数や、看護師数、先ほどからご意見が出ております論文数等、非常に数のことが評価される中で、大きな部分を占めていると思うところがありますが、やはり質といった部分を実際にもう少し入れていくほうがよいのではないかと感じます。
また、高度医療に関する研修につきましても、医師の研修は、もちろん非常に重要ですが、特定機能病院は、多くの専門職種が共同して、質の高い、高度な医療を提供していく場所になっております。そのため、例えば、私どもでしたら看護職等の研修体制も、充実していく必要性があると思いますし、専門性の高い看護師の配置などの位置づけについても検討が必要かと考えているところです。
ですので、各専門職の教育研修の実施なども承認要件の中に入れていく必要性を考えることも重要ではないかと思います。
それから、大学病院の本院からの医師派遣の機能に関しては、現在、特定機能病院の承認要件の中には入っていないところですが、今後、この派遣機能なども入れる必要性があるのではないかと考えます。
今年度の診療報酬の改定の中で、DPCが見直され、機能係数のⅡの地域医療係数の中で、医師少数地域への医師派遣機能についての評価が追加されていることも鑑みながら、ぜひ、承認要件の中でも検討していただくことが望ましいのではないかと思います。
さらに、あわせまして、人材の資源の制約が今後非常に強まってくる中で、看護師に関しての派遣機能という点についても検討いただきたいと考えております。
看護職も地域別、領域別の偏在が非常に進んでおり、こちらへの対応も今後考えていく必要があります。
ですので、看護師の育成や、派遣機能を果たす医療機関の確保も非常に重要になってくることから、要件の中に、看護師の派遣機能も入れることを考えていく必要があるのではないかと考えています。よろしくお願いいたします。
○松田座長 ありがとうございました。
派遣機能について、いろいろな職種の派遣をどう考えるかということですけれども、これは、事務局のほうに確認したいのですけれども、この派遣の定義は、明確になっているのですかね。
もう一つは、へき地医療支援病院との関係性はどうなるのかなというのも少し気になっているのですけれども、それについて、事務局のほうに御回答をお願いします。
○松本医療安全推進・医務指導室長 今回、御紹介をさせていただいた資料につきましては、文部科学省さんの、先ほど堀岡企画官が御紹介いただいた検討会からいただいたものでございますけれども、先ほど相良構成員もおっしゃっておりました、非常勤の派遣は動きがありますので、元所属が分かりやすいですし、週何時間働いているかというのも、非常に取りやすいところではあると思いますけれども、いわゆる常勤の派遣に関しては、約束というか、そういうものや信頼関係などを言っているケースも、実際に多くあると思いますので、こちらをどのように把握するかというのは、非常に難しい課題であると考えておりまして、医政局の中でも内部でいろいろ検討していると、データの取り方に関しては、これはうちから派遣していますよと言っているものを、どのようにバックというか、エビデンスを押さえるかというのは、少し難しい課題があるねという議論をしているところでございます。
また、へき地医療支援病院など、医師の派遣機能がある要件になっている、これは医療法というよりは、医政局の中の予算事業などで行っているものに関しまして、先ほどDPCの評価の中でも評価されているというのもありましたけれども、ほかの予算事業ですとか、診療報酬の中で、そのようなものが評価されているものもあると承知しておりますので、特定機能病院以外もそういうことをやっていて、地域医療の中で制度上の歴史も一定程度あると認識をしております。
事務局からは以上です。
堀岡企画官から挙手があります。
○松田座長 どうぞ。
○堀岡企画官 すみません、98ページに資料を出しているので、単純にその事実関係をお答えしようかと思うのですけれども、医師派遣は定義が難しいのは、もちろんそうなのですけれども、何かで切らないと調べられませんでしたので、これは診療報酬の部局とも話をして、同じ定義で調査をしていますけれども、大病院本院の在籍期間3年以上、つまり3年目以上の医師であって、雇用契約上の定義にかかわらず、派遣先の医療機関で、基本的に原則常勤で、フルタイムで働いているということとか、あとは、本当は院長としての医師派遣は、医局派遣であるのは、多分、ここにいらっしゃる方々みんな御承知だと思いますけれども、院長として、いわゆる、一方通行的に行くものは数えないという定義で、全大学病院で調べたものでございます。
でも、事実上は、各大学の中で全医局にこれを聞いてもらって答えていますので、ひょっとしたら、この定義はなかなか難しい定義でもありますので、ちゃんと拾い切れていないというのはあるかもしません。少なくとも、これはミニマムでして多分本当はもっと多いのだとは考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
多分、この辺は、定義を明確にしないと、あと、この資料を見て、北海道大学が、こんなに医師が少ないところへの派遣が少ないというのは、僕自身は、いろいろな地域を回っていて、僕の肌感覚と合わないなと思っているので、この調査は非常に大事だと思うのですけれども、定義の明確化というのは必要なのかなと思いました。
そのほか、いかがでしょうか。
吉村構成員、お願いします。
○吉村構成員
先ほど医師以外の研修についても話がございましたが、私も例えば看護師については、特定行為研修を修了した看護師の数など、指標化できる数字があるのではないかと考えています。
なお、医師についての研修や派遣機能について議論が進んでおりますけれど、やはり現在研修医を30名との要件となっていますが、現在は2018年の新専門医制度の導入を経ていますので、見直すべきだと思います。
具体的には、専門研修の19領域、基本領域に加えて、サブスペシャリティーですね、そちらを選択し研修を行っている医師の数を特定機能病院の要件に入れるべきであろうと考えており、その人数の把握ができれば、その専門研修プログラムに参加している医師のうち、地域の病院に出している人数ということも併せて算出できるはずと考えます。
非常勤医師についても、現在、例えば内視鏡検査など派遣された非常勤医師が地域の医療を支えている部分もありますので、その点を要件に加えるべきだと考えます。
少し強調したいのが、医師偏在対策の中で決め手となっている地域枠制度、そちらの医師を受け入れて養成し、地域に対して配置しているというのは、実質上特定機能病院が多いと思います。
実際に、千葉県の現時点のデータを算出してみると、地域枠制度を利用し、初期研修を終えている医師が現在160名おり、そのうち実に121名、76%は千葉大学病院が受け入れて、トレーニングを行い地域に対して医師を派遣しております。医師少数区域で勤務している常勤医師36名のうち、26名つまり74%が千葉大学病院からの派遣というのが分かりました。こういった数字を各県から提出してもらって、大学病院本院が、地域枠制度に果たす役割や、医師派遣や偏在対策にどのように貢献しているかを指標化することが新しい特定機能病院の要件につながっていくと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
吉村先生、その場合、例えば、地域枠の設定がしにくい都市部の大学病院と、地域枠を設定しなければいけない地方の病院との評価は、どのように考えたらよろしいでしょうか。
○吉村構成員 松田座長、ありがとうございます。
その点は、郡部ないし医師少数県における役割と、医師過剰県ないしは多数の特定機能を抱える都道府県とでは、特性が違うだろうと思います。
ですので、例えば千葉県のように1つの特定機能病院で運営されている地域についての特徴を述べましたが、都市部については分けて考えた上で、最終的には特定機能病院の類型化につながっていくかもしれないという論点での整理が重要だと考えております。
○松田座長 ありがとうございました。
評価する指標に応じて、その地域特性を考えながら設定をするというのは、そういう方向なのかと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
村松構成員、お願いします。
○村松構成員 今の議論に関連して、座長からあった派遣の定義の明確化に関連して発言をします。
医政局で行っている別の施策ですとか、医療法の中にも地域医療構想が定められていますが、そうした他の施策との関連、整合性という観点からも議論されるべきだと思います。
都市部だろうが、郡部だろうが、医局がどこにどの医師を配置するかという人的リソースの配分は、地域医療そのものをデザインしていく行為だと思います。
したがって、人的リソースの配分、地域医療のデザインという観点からも、地域医療構想への貢献ですとか、そういったものは、特定機能病院というよりは大学病院本院の使命だと思います。そうした観点からも、医師派遣機能というものは、評価されるべきだと考えます。
また、複数の医学部から派遣を受けている県もありますし、例えば、兵庫県の但馬のような医療圏では、他県といいますか、京都大学から来ているように、公立豊岡病院には、京都大学からの派遣が主だと、かつて伺ったことがありますが、そうした部分に関しては複雑な調整が必要になるでしょうし、先ほど来議論があるような医師少数県に派遣しているかどうかということは、人的リソースの配分、デザインという観点からもより重視されるべきだと考えます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
吉村先生のお話と併せて考えると、地域枠で来ている枠組みの学生さんと、全般的なものと少し分けて考えたほうがいいということだと理解いたしました。
そのほか、いかがでしょうか。
長尾構成員、お願いします。
○長尾構成員 先ほどの発言とも多少関連するのですけれども、患者安全に関して、国立大学も私立大学も、一応数年前に求められた外形的な要件というのは、ほぼ満たしているというピアレビューの結果が出てはいるのです。インフラ自体はあるということで、そのことの議論自体を、もうそろそろ打ち切りにしてもいいのではないかという風潮まで出ているのですが、私は、実態はそうではないのではないかと、実装はされていても実践できていない、どちらかといえば、くっきりと二極化しているのではないかという印象を持っていまして、その辺りを明確に数字で示すことができるか難しいですけれども、1つ、このタイミングで見直す項目なのではないかなと思います。特に実践状況ですね、あとは透明性とかです。
もう一つ気になっていますのが、臨床倫理体制について、やはり同じように高いレベルのものが特定機能病院には求められるだろうと思っていまして、特に高難度な新規医療の数値目標が設定されたりしていく中で、どうしても現場には様々な倫理的な葛藤や悩みが生じているのを、オンゴーイングで解決できるような仕組みを持っているかどうかというのは、非常に大きな将来的な差異を生む可能性があると思っていて、その辺りは1つ御提案させていただきたいなと思います。
○松田座長 ありがとうございます。非常に重要な視点だと思います。
大学研究、特定機能病院の研究をやるとなると、やはり倫理審査等における高い評価というのは非常に重要だと思いますので、それは多分、相互のレビューとかをやっているという体制をちゃんと維持していくことが非常に重要だと思いますし、安全もそうだと思います。
特定機能病院が今まで取消しになっているのが、ほとんどが安全であるということを考えると、やはり、今、長尾構成員がおっしゃられたとおり、その部分をどうやっているかということの透明性と実効性というものを、評価の基準に入れていくというのは、多分、これは国民に対して、いろいろな責任を説明するときにも重要な視点ではないかなと思います。
ほかは、いかがでしょうか。
今村構成員、お願いします。
○今村構成員 猪口構成員も御指摘されたところであります、大学病院としてあるべき姿の部分と、特定機能病院の在り方と、少しどちらの話をしているのかというのが、いろいろな議論の中でよく分からなくなっていると思います。やはり、特定機能病院というのは、医療施設機能の体系化のために高度医療など、病院の在り方の部分、そして、その結果、DPC等の診療報酬にもつながってしまったと。ただ、今の議論で言うと、そこに臨床の部分だけでなくて、研究が入り、かつ、当然大学病院としては教育の部分を担っているわけですけれども、特定機能病院、医療施設の類型化という中には、直接教育は入ってこない、今回これを入れるのかどうかというところからすると、大学病院の役割・本来あるべき姿と、特定機能病院の目指すところを少し切り分けながら、かつ、いい方向に持っていく必要があるのではないかと感じたところです。
○松田座長 ありがとうございます。
今の御意見に対して、事務局、何か回答はございますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進室長です。
今の御議論、今村構成員の御指摘ですけれども、論点として分けるべきであるというところ、また、引用されていましたけれども、猪口構成員からは大学病院本院としての切り分けという議論もございましたので、そもそも議論として切り分けるべきではないかというニュアンスの御議論も今日あったと思いますので、それも踏まえて整理をしていくべきところかなと受け止めさせていただきます。重要な御指摘だと思いますので、やはり外形基準よりも質であったり、実態の地域における機能ということも、今日ございましたし、類型化の話もありましたので、受け止めて整理させていただこうと考えております。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
先ほどDPCで原価計算をやったという話をしましたけれども、そのときにあった、私たちがいただいた宿題が、大学病院というのは、研究や教育のことがあるので、ほかの病院よりも人的資源が多くかかるのであると。
そういうことで、結局、経営のことを考えると、人的コストというものは、どのように見るのかということ、そこを明らかにしてほしいということで、原価計算をやったところ、大学病院は赤字幅が大きいと。その大部分が人的な資源、人件費であるという、そういう結論まで出たわけですけれども、多分、大学病院を特定機能病院中でどう評価するかと、その議論が多分あったのだろうと思っています。
ただ、今日のお話を聞いていると、大学病院の本院は、やはり別途分けて特定機能病院の議論をしたほうが、議論はすっきりするのかなと思いました。
これについて、どうでしょうか。何となく分けて考えるべきだという話が出ているように思うのですが。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今、議論として分ける、分けないというよりも、少しそこを区別しながら議論をする必要があるかなということを指摘させていただきました。
最初、特定機能病院とDPCは基本的に別ものだということでしたけれども、今のお話等を含めて、例えば、大学病院では、確かに教育のために人が必要だと、そこはそのとおりだと思うのですけれども、診療報酬としてどこまでそれを見るべきかを少し整理する必要があるのではないかという指摘でございます。
○松田座長 ありがとうございます。
そのとおりだと思います。余計なことをもう一つ言ってしまうと、これは、多分、文科省には耳の痛い話になってしまうのですけれども、例えば、フランスにしても、アメリカにしても、教育に関わる給料は文科省が払っているのですね。フランスは国民教育省ですけれども、診療に関わる、いわゆる報酬は、これは診療報酬で払うのです。日本の場合は、そこが一体化してしまっているので、どうしてもこういう議論になってしまうと思うのですけれども、そこも含めて議論するかどうかという話になってしまって、少し話を大きくし過ぎてしまうと思いますので、ただ、一応御参考までに、ほかの国では、教育と臨床は分けて給与体系が構成されているということはありますので、そういうものとの関係をどう考えるかです。
恐らく、これは、先ほど猪口委員が指摘されて、どなたが指摘されたか分からないのですけれども、大学病院に務めている若手の専攻医の先生たちの経済的処遇が非常に低いという問題があります。
今回の働き方改革で、外勤もしにくくなってきて、これは、たしかどこかで調査が出ていたと思うのですが、大体15%ぐらい、皆収入が減ってしまっているのですね。こういう状況で大学病院に若手医師をずっと確保することができるのかということを、実は僕自身は少し危機感を感じています。
これは、すみません、座長として少し言い過ぎかもしれませんけれども、少し私の問題意識を述べさせていただきました。
ほかにどうでしょうか、いかがでしょうか、松本委員、何か御意見ございますか。
○松本構成員 御指名ありがとうございます。
ちょうど今日、文科省から来ておられるので、少しお伺いしたいのですけれども、4ページにありますとおり、特定機能病院88のうち、大学病院のほうで79を占めているということは、ニアリーイコールと考えますけれども、ここに挙げられている承認要件と、あと大学病院として文科省が評価して、例えば、人的とか財政支援につながる条件とか、そういう尺度とかなり近いものなのか、少し違うのだというものなのか、もし、参考になればと思って教えていただければと思ったのですが、いかがでしょうか。
○堀岡企画官 ごめんなさい、もう一度、具体的にどういう御質問ですか。
○松本構成員 資料の4ページに特定機能病院の承認要件というのがございます。これは、当然承認されないと認められませんし、先ほど今村構成員が言われたとおり、そういった形の診療報酬も得られないということになりますけれども、一方で、この中の多くが大学病院ですので、文科省のお立場として、この大学病院に、例えば、人的あるいは財政支援をする尺度であると思うのですけれども、それと、これは大幅に違うものなのか、その辺を少し、例えば、派遣をたくさんしているから評価しましょうという観点があるのか、そこが、もし教えていただける範囲であれば、お願いしたいと思うのですが。
○堀岡企画官 ありがとうございます。
文科省の財政支援のやり方でいうと、国立大学には運営費交付金という仕組みがあって、国立大学運営費交付金、いろいろ御議論いただいているところで、いろいろな意見もあるところでございますけれども、その中で、大学病院の教育研究に資する費用というものが中にあって、それを平成16年に独立行政法人化したわけでございますけれども、一定額確保するということで、各国立大学の会計にも一定額入れているという仕組みがございます。それが十分かどうかというのは、また別なのですけれども、ございます。
それとはまた別に、例えば、昨年度の補正予算などでも、大学病院の本院に施設整備費として補正予算で百数十億取ったりということは、節目節目でやっておりまして、十分かどうかは別として教育研究の設備の名目でしたり、今回の当初予算でも20億程度、若手の人件費にも使えるようなお金を用意したりということを節目節目でやるということは、文科省としても大学病院でしておりますが、それの観点は予算の性質によります。
例えば、すみません、少し長くなりますけれども、昨年度の補正予算で用意した百数十億の施設整備については、各81大学、国公私立に、要望があったところには、ほぼ均等に配分しております。
今回21億の若手の医師の研究教育の人件費補助のようなものに関しては、今、形式ごとに予算に応じたものの申請を出していただいておりまして、数十か所に対して、人件費補助に資するようなものを用意するということで財政支援しておりますので、十分かどうかは別として、節目節目で文科省としても教育研究部分を措置はしているところであります。
○松本構成員 どうもありがとうございました。
質問の趣旨は、基本的には申請ベースで、できるだけ均等にというスタンスだと思うのですけれども、先ほど来、例えば、派遣をたくさんやっているとか、やっていないとか、例えばここにも論文とか多いとか、例えば、これに似たような条件とかパラメータを審査された上で、そういった予算の配分等に反映されているのかどうかというのを聞きたかったという趣旨でございます。
○堀岡企画官 申し訳ございません。
そうすると、運営交付金は、大学ごとの単位でございますので、大学病院ではなくて大学ごとの、一番主には教員数とかそういったものに応じて配分しております。
○松本構成員 ありがとうございました。
また、機会がありましたら、お伺いしたいと思います。
○松田座長 ありがとうございます。
そのほか、御意見、いかがでしょうか。
すみません、私が途中余計なこと言ってしまいましたけれども、川上構成員、お願いします。
○川上構成員 承認要件に関して、いろいろ御発言がありましたので、自分からも2点申し上げたいと思います。
平成28年の承認要件の見直しを振り返って、特定機能病院間のピアレビューがございました。これは、既に当時でも、国立大学病院間では相互チェックを行っていたので、それを国立大学病院以外の大学病院や大学以外の特定機能病院にも広めるという点では、意義があったのかなと思います。一方で、国立大学病院としては、既に実施していた相互チェックに上乗せする形で、今はピアレビューを行なっているので、屋上屋を架す状況になってしまったことは、一本化しても良いのかと思います。
医療安全管理については、それまでは、医療安全管理部門にGRMが1人しかいなかったところが、専従の医師、薬剤師、看護師の配置が原則義務化されました。これにより医療安全が強化されたことは、どこの病院も実感しているかと思います。
一方で、承認要件を見直すと、その一つに人員配置がありまして、薬剤師については、入院患者数の割る30が最低基準なのです。例えば、600床規模の新設大学ですと、20人程度の薬剤師数では、とても役割を果たせないと思います。高度の医療を提供し、高度の医療技術の開発・評価を行い、高度の医療に関する研修を行い、さらに高度な医療安全管理体制をとるためには、少なくとも40~50人、この配置基準の2倍以上の人数が、現実に必要ですし、今ではどこも配置していると思います。この最低基準の人員配置を含めて、歴史的に見ても、相当以前の状況で定めているので、現在の特定機能病院としての理想の医療を提供できる要件に見直しても良いかとも思います。先ほど、文科省から予算の話もありましたけれども、人員に対する交付金も、国立大学に関しては、旧国立大学時代からの承継職員の人件費分は来ているけれども、法人化してからの増分は、法人会計から支払っているかと思いますので、こういった辺りも今後、御検討をいただければと思う次第でございます。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。門脇構成員、お願いします。
○門脇構成員 香川大学の門脇ですけれども、いろいろお話を伺っていると、そもそも特定機能病院とは何なのかということが分からなくなってくるのですけれども、これまで御意見がありましたが、少し前の川上委員の御発言にも関係するかもしれませんけれども、まず、特定機能病院というのは、そもそも高度な医療というものを軸にして、そういうところに、いっぱいいろいろな患者さんが集まってくるので役割分担をするというような、いわゆる医療というか、厚労省的な観点からできたものかなと思うのですけれども。
一方、大学病院が、そもそも学校ですので、要するに文科省の管轄で、そもそも大学設置基準で、大学病院というのが研究教育に資するような診療を行うところというところから始まったのが、歴史的に変わっていったのだと思うのですけれども、高度医療ということになって、違う流れで来ているものを一緒に論じているので、どこに力点を置くのかが分かりにくくなってきますけれども、お話を伺っていると、高度な医療というのは、ほかの大きな市中病院とか、いろいろな病院と、だんだん差がつきにくくなってきて、そういう意味では、当初の特定機能病院の成り立ちが、区切りが曖昧になってきたところで、教育とか研究とか地域医療をどのぐらいこの要件に入れるかということになると、結局、特定機能病院というのは高度な医療を、それが軸とは思うのですけれども、全体として日本の医療をどれぐらい広く支えているかを評価するような感じになってきているように聞こえるのですが、それこそまさに大学病院がやっていることだと思うのですが、ですので、そもそも特定機能病院とはどういうものかということを考えながら、少し議論をしないといけないかなと思いました。
以上です。
○松田座長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいですか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 挙手のほうは大丈夫です。
○松田座長 すみません、大体時間が近づいてきましたけれども、今までの構成員の先生のお話を伺っていますと、最初に今村構成員が言われたことは、一応重要でありまして、特定機能病院というのは、そもそも何なのかという議論を多分しなければいけないのだろうと思っています。
これが、多分、今村構成員が指摘したように、DPCの支払いと、少しつながってしまったというところで、少し中身の議論が複雑になっているのだろうと思います。
やはり、ここは、もう一回特定機能病院の、まず、機能について考えるということで、中の整理を行うということで、まず、いいのかなと思いました。
その中で、そもそもが高度医療ですので、高度医療とは何かとなってくると、とは言っても大学病院もありますと、網羅性と高度性をどう評価していくかというところが、1つの指標の話になってくると思います。
あと、教育、研究のところでは、研究をやってくところの支援体制としてのCRCとか、倫理の体制がどうなっているのか、研究支援体制がどうなっているか、そういうところも含めて、実績と合わせて評価をしていくような指標を考えると。
教育に関しては、医師だけではなくて、ほかのいろいろな職種も含めて、その機能を評価する。そういうところから、特定機能病院の類型化を少し考えていくのがいいのかなと、今日のお話を聞いていて思いました。
もう一つは、とは言っても特定機能病院は高度医療を扱うということで、安全性とかガバナンスに関する評価が必要だろうということで、これは、長尾構成員のほうから御指摘のあった、外部評価みたいなものを、どのように中に取り入れていくのか、こういう点からの評価が必要なのかなと思います。
ということで、まずは特定機能病院の類型というものを、この高度医療研究、教育、それからガバナンスとか、安全に対する審査体制みたいなもの、そういうものを含めて基準を考えていくということで、議論をしていくのがいいのかなと思いました。
今日は、総合型の議論が中心になってしまいましたけれども、この視点からの類型化をやることで、特定領域のものとか、それ以外のものについて、少しこの後、議論が進められればと思っております。
大体今日の議論は、そんな感じだったのかなと思うのですが、今日はいろいろな意見をいただきましたので、今日いただいた意見を踏まえて、事務局から論点を次回までに整理していただいて、また議論の方向性を、この後まとめていくということでやっていきたいと思います。
こういう形でよろしいかと思うのですが、事務局から何か発言はありますか。
○松本医療安全推進・医務指導室長 おまとめいただきまして、ありがとうございます。御指摘のようにまとめて整理したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松田座長 では、そのように進めたいと思いますので、構成員の皆様から何か御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
その他、事務局から何かありますか。
○樋渡地域医療計画課補佐 次回以降の開催の日程につきましては、また、今後改めて御連絡させていただきます。
○松田座長 ありがとうございます。
今日は、すみません、僕自身も少し議論を混乱させるような意見を言ってしまったのですけれども、それは、また修正させていただきたいと思います。
それでは、これで閉会したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
照会先
医政局 地域医療計画課
代表:03-5253-1111(内線2764・4091)