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医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第13回)の議事録
日時
令和6年5月10日(金)16:00~18:00
場所
AP虎ノ門11F 会議室A
(東京都港区西新橋1-6-15(NS虎ノ門ビル))
(東京都港区西新橋1-6-15(NS虎ノ門ビル))
議題
- 「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」を踏まえた本会議の検討事項について
- その他
議事
- 議事内容
- ○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第13回「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中、御参集をいただき、誠にありがとうございます。
まず最初に、構成員の先生方の御出席について報告いたします。本日13名の構成員が会場での御参加、また、一條構成員、平川構成員、本間構成員はオンラインでの御参加でございまして、計16名の構成員の方に御出席をいただいております。
また、松本構成員につきましては、本日は所用により御欠席でございます。
また、本日は参考人として、日本製薬団体連合会安定確保委員会供給不安解消タスクフォースリーダーの國廣様にお越しいただいております。
報告は以上となります。
以降の議事運営につきましては、座長にお願いしたいと思います。清田座長、よろしくお願いいたします。
○清田座長 清田でございます。
それでは、まず、事務局から資料の確認と議事進行における留意点に関する御説明をお願いいたします。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
本日の会議資料を確認させていただきます。会場におられる構成員の皆様のお手元に議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1、参考資料1から2までを御準備してございます。また、本日のマネジメントシステムに係る議論の参考として、右上に「机上配布資料」と記載している資料も御用意しております。
資料の不足等がございましたらお知らせいただければと存じます。
続きまして、議事に入る前に、本日の会議の進め方の留意点をお知らせいたします。
オンラインで参加の先生におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言がある際にはチャット機能等を使っていただき、また、会場での参加の先生は手を挙げるなどしてお知らせをください。
御発言いただく際にはマイクを御利用いただき、御発言の最初にお名前をお知らせいただいた上で御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようにお願いいたします。
会議中、マイクの調子が悪くなるなど、ほかの出席者にとって聞き取りづらい状況が続く場合には、音声の代わりにメッセージで御意見等を御記入いただくことがございます。その際は、事務局または座長からお願いをさせていただくことがございます。
そのほか、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構でございますので、事務局まで御連絡をお願いいたします。
また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局からメールで御連絡をいたしますので、御確認いただけますと幸いです。御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
以上でございます。
○清田座長 それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、1.「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」を踏まえた本会議の検討事項につきまして、2番目がその他となっております。
それでは、議題1に関して、事務局より御説明をお願いいたします。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 それでは、事務局より、資料1について御説明をいたします。
お手元の資料1、おめくりいただきまして2ページ目には目次を記載してございます。供給停止・薬価削除プロセスと安定供給確保に係るマネジメントシステムの2点につきまして、前回の会議での御意見、御指摘を踏まえまして、継続した検討をさせていただきたいと存じます。
3ページ目以降は、まず1点目の供給停止・薬価削除プロセスについての資料を掲載しておりまして、4ページ目は、別途開催しております「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」において取りまとめを行っております報告書の案でございまして、前回会議では報告書の骨子を用いて御報告を行っておりましたが、そちらと内容については大きくは変わっておりません。例えば2つ目の○のとおり、関係学会や製薬企業双方の負担軽減も考慮し、供給停止・薬価削除プロセスについて少量多品目生産の適正化の観点からプロセスの明確化を図るとともに、一定の条件の下で簡素化するなどの方策について、医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議において検討を行うべきであるといった記載がされているところでございます。
続きまして、5ページでございます。こちらは前回会議でいただきました主な御意見を列記してございまして、まず対象品目について、バイオシミラーを対象に含めるのであれば、代替品の考え方に整理が必要ではないかという御指摘。そして、次のプロセスの部分でございますが、1つ目のポツは、各企業は品目ごとのシェアを把握できているのか。薬価調査の結果などの厚生労働省側のデータも使えるのではないかとの御指摘。
2ポツ目は、別の成分の製品を代替品とする場合には、代替品として切替えが可能なのか、医療機関や薬局の十分な理解が必要ではないか。
3ポツ目、1社しか製造販売していない場合は、薬価削除することで成分そのものがなくなることもありますが、その場合は治療などの手段が減ることになるので、慎重に進める必要があるのではないかという御意見。他方で、歴史的使命、役割が終わる成分があるということも理解できるとの御指摘でございます。
4つ目は、ある成分について、多数の企業が同時に薬価削除してしまわないような仕組みが必要ではないか。
そして、その下の経過措置でございます。流通している製品が薬価削除によって使用できなくなるようなことがないように、最新の使用期限まで経過措置期間を延長する必要があるが、これによって逆に企業に過大な負担が生じて支障を来すことがないようにしなければならない。企業が製品の回収を行うことで対応するといったことも考えられるのではないかという御意見。
そして、最後のその他でございますが、海外の原薬が入手できなくなる、国内の工場が老朽化してつくれなくなる等のつくりたくてもつくれないようなケースの薬価削除についても整理が必要との御指摘もございました。
続いて、6ページ目以降は、前回の会議で御説明した資料と同じものを再掲してございます。再度の御説明は割愛をさせていただきたいと存じますが、6ページ目は、現在の薬価削除プロセスの流れの詳細を図示したものでございまして、続いて7ページ目は、現在の薬価削除に係る現状で、近年、薬価削除件数が増加していること。また、薬価削除が行われる品目はシェアが低い品目に偏っている傾向などをグラフでお示ししてございます。
続いて、8ページと9ページは改善の方針として、まずは既存のプロセス、ルールを明確化するとしまして、手続の詳細を記載してございます。8ページは事前の代替品の企業や学会との調整、確認、そして9ページは、その後の供給停止事前報告書や薬価削除願の提出などの具体的な手続を記載してございます。
さらに10ページは、薬価削除プロセスの簡素化の案についてお示しをしておりまして、数量シェアが低い品目に限定しまして、灰色の網かけの部分を簡略化しまして、通常の品目であれば、延べ3回行われる関係学会への確認を1回にするという案をお示ししてございます。
ここまでが前回の資料の再掲でございまして、次の11ページに薬価削除プロセスに関する論点、方向性について記載をしてございます。
まず1つ目のポツでございますが、供給停止・薬価削除プロセスの明確化及び簡素化につきましては、前回会議において示した考え方、今御説明した資料でございますけれども、こちらに沿って実施することとしてはどうか。まとめますと、市場シェアに応じて、通常の医薬品は通常どおりのプロセスを明確化したものに基づいて実施、シェアの低い品目については簡素化したものと、2通りのプロセスが存在することとなります。
そして、2つ目のポツでございますが、プロセスの簡素化の対象につきましては、前回の資料ではシェアの基準を「●%」ということで、基準の数字は決めない形でお示しをしておりましたが、3行目にございますように、「代替品が存在し、過去5年間の平均シェアが「3%」以下のもの」としてはどうかとしてございます。また、その後につきましては、簡素化プロセスの運用状況等を踏まえ、対象範囲の拡大も含めて検討することとしてはどうかとしております。
下のその他に参りまして、今回明確化・簡素化するプロセスをいつから開始するかについてですが、来年の令和7年1月頃に厚生労働省が供給停止可否について関係学会に意見を聴く品目、具体的には括弧の中に記載しておりますとおり、令和6年、今年の9月中旬以降に製薬企業から厚生労働省に対して供給停止事前報告書が提出される品目から適用することとしてはどうかとしております。
また、次のポツのとおり、それまでの間に関係学会や製薬企業に対して分かりやすく周知を徹底することとしております。
最後のポツにつきましては、今回明確化するプロセスにおいて、代替企業及び関係学会の了承を得る際は文書で確認をすることとしておりますけれども、その様式を示すこととしまして、その中で、少量多品目生産の適正化による生産効率の向上のための薬価削除、単に品目を減らすだけではなくて、その結果、全体として製造量、供給量を増やすための薬価削除の場合には、それが分かるように明記をすることとしてはどうかとしてございます。
以上が薬価削除プロセスの方向性についての御報告となりますけれども、本日御確認、御指摘をいただき、その結果を踏まえまして、後日、通知として明文化していきたいと考えてございます。
前半の薬価削除プロセスについては以上となりまして、続きまして、12ページからが後半の安定供給確保に係るマネジメントシステムについての資料でございます。
13ページ以降は、先ほどと同様に後発品検討会の報告書の案の関連部分を抜粋して掲載しておりまして、前回の会議でお示ししておりました報告書の骨子と同様の記述となってございます。おおよそについて触れさせていただきますと、まず、13ページの安定供給能力の確保としまして、1つ目の○にございますとおり、品質の確保された医薬品が安定的に供給されるためには、それぞれの企業において医薬品を安定的に供給できる体制が保たれるとともに、産業全体として必要に応じて増産する余力のある体制が確保できている必要があること。また、4つ目の○にございますように、感染症や各企業における供給停止を起因とする需要の増大に対応して、産業界のみならず、医療機関等や医薬品卸売販売業者を含めて対応措置を講じる司令塔機能、すなわちマネジメントシステムが必要であると考えられるとして課題を記載してございます。
そして、その下の➀、個々の企業における安定供給確保体制整備について、こちらの詳細について13ページから15ページに、そして、15ページ以降、➁、国全体の医薬品等の安定供給確保に係るマネジメントシステムについて記載をしてございます。
次の17ページにつきましては、前回と同じ資料でございまして、安定供給確保に関する取組としまして、参入時における安定供給確保、需給状況の把握・調整、供給不安解消策の3つに分けて整理を行っております。
さらに、次の18ページからが新しい資料でございまして、先ほどと同様に、前回会議においていただいた御意見をまとめて記載してございます。まず、総論の1つ目でございます。議論の前提として「安定供給」の定義を定める必要があるのではないかという御意見。続いて2ポツ目、責任者の指定を含めた制度的枠組み・法的措置について、後発品企業だけではなく先発品企業においても必要との御指摘。3点目、企業の体制整備について、国内後発品企業を念頭に置いていると思われるが、輸入品目の場合は製造計画を把握できず、新薬、バイオ医薬品などに合わない部分もあり整理が必要。4ポツ目と5ポツ目は類似の御指摘でございますが、安定供給について、厚生労働省、製薬企業だけではなく、医療機関や薬局、卸、幅広く国民についても、マネジメントシステムにおいてどう位置づけるかが重要ではないか等の御指摘がございました。
下の参入時における安定供給確保に参りまして、1つ目のポツ、製薬企業において安定供給に係る責任者は既に設置されているはずであり、新たな指定で二重構造が生じないようにする必要があるとの御指摘。2点目は、安定供給の問題は、調達・品質・生産・流通など各機能を超えた幅広いものであるため、例えばチーフ・サプライ・オフィサーのような各機能に意見ができるポストとして責任者を位置づけることとしてはどうか。3点目、アジリティーを持った対応を行うには一定程度コストを要するが、価格上の対応について議論が必要。4点目は先ほどと同様に、責任者は組織横断的な存在としてある程度権限を持った者であることが必要との御指摘。最後は、各社で責任者の役割が異なるため、都道府県が行う薬事監視の際にこれを確認するとよいのではないかとの御指摘がございました。
続いて、19ページでございます。需給状況の把握・調整についてですが、1点目、後発品は同種同効薬が多く、1つの企業で出荷停止が発生するとほかの企業も影響を受けるため、ある成分全体の需給状況を把握して、何ができるか検討するような枠組みが必要。2点目、4月から開始しております供給不安報告等の取組について、枠組みとしてきちんと確立させていくことを考えると、法令に基づく措置とすべきではないかとの御指摘。
そして、その下、その他に参りまして、安定供給を確保するためには、製造キャパシティーに必要となるコストについて何らかの手当てが必要ではないか。2点目、制度的枠組みの創設について、多くの製薬企業が中小零細企業であることを考えると、何らかの規定を盛り込んだ場合の対応は厳しいのではないかとの御指摘。最後の3点目は、本年度の薬価制度改正で試行的に導入されております後発品の評価指標の活用についてでございますが、相対評価で行われるため、企業側からするとどこまで努力すればいいのかが分からず、点数の目標設定・透明化を行うことができないかといった御指摘もございました。
続いて、20ページからは、これらの前回の御指摘等を踏まえまして、前回お示ししておりました論点を具体化して記載したものでございます。まず、1.総論についてでございます。➀、先ほども御指摘がございました「安定供給」の定義につきまして、案としまして、医療上必要な需要に応え、医薬品を患者の下に継続的に供給している状態と考えてはどうかとしております。また、「安定供給の確保のための取組」については、平時における供給不足のリスクを低減する取組及び有事における供給不足を解消するための取組と考えてはどうかとしてございます。
続いて、➁、マネジメントシステムの対象についてですが、こちらも御指摘を踏まえまして、後発品だけではなく、先発品も含めた医薬品を製造販売する全ての企業とすることとしてはどうかとしております。
そして、➂、これも御指摘を踏まえたもので、厚生労働省、製薬企業だけではなく、医療機関や薬局、卸、国民も安定供給の関係者として役割を担うこととしてはどうかとしてございます。
続いて、2.参入時の安定供給確保、こちらは企業に求める体制のお話でございますけれども、まず、➀、安定供給を担保するため、製薬企業に対し求めるべき事項を整理して一定の対応措置を講ずることを要請し、これを企業に遵守させるための枠組みを検討することとしてはどうか。
そして、➁、その措置の内容につきましては、令和5年度に実施した厚労科研も参考にしつつ、例えば手順書の整備や製造委託者等の管理、一定の在庫や生産管理等に係る具体内容を検討することとしてはどうかとしてございます。なお、この厚労科研につきましては、後半の参考資料部分の25ページ目以降に関連資料をおつけしておりますので、必要に応じて御参照いただけますと幸いでございます。
20ページの説明を続けさせていただきます。続きの➂、前回の会議でも重点的に御意見をいただいております安定供給責任者の設置についてでございますけれども、こちらは全ての企業に求めることとしてはどうか。また、その要件については、調達や生産、流通といった幅広い範囲に指示を行うことができる権限を有する水準にすることとしてはどうかとしてございます。
次の➃は、ある種、入念的な記載でございますけれども、制度的枠組みについて、遵守していない場合の措置を行うことによって供給状況を悪化させることのないよう、措置の在り方の設計には一定の留意が必要ではないかとしております。
最後の➄、間接的に取組の措置実行を遵守させる仕組みとして、薬価収載時の取扱いについても検討に加えることとしてはどうかとしております。
続いて、最後の21ページでございます。3.需給状況の把握・調整につきましては、➀、供給不安や供給不足の発生に関する情報の把握について、4月から通知に基づきまして実施をしております供給不安報告・供給状況報告を基に、制度的枠組みを検討することとしてはどうか。
そして、➁、平時における需給状況の把握については、これも同じく4月から実施をしております改正感染症法に基づくモニタリングを参考として実施することとしてはどうかとしております。
さらに、➂ですが、本会議で御確認をいただき作成しております安定確保医薬品のリストにつきまして、令和2年の策定以降更新等を行っていないことを踏まえまして、マネジメントシステム等の対象医薬品の検討と併せて、安定確保医薬品の点検・検討をすることとしてはどうかとしております。
そして、4.供給不安解消策に関しましては、➀、供給不足が生じた際の感染症法に基づく生産促進要請を参考に、感染症法の対象医薬品以外についても生産促進や輸入要請が行われるようにすることを検討してはどうか。
また、➁、これまでの供給不安事例における対応を参考に、厚生労働省が、卸、医療機関、薬局等に対して協力の要請を行えるようにすることを検討してはどうか。
最後のその他でございます。➀、供給不足が多く生じている後発品業界は規模の小さい企業が多いため、体制等について好事例の周知ですとかセミナーの実施等の支援策を検討すること。
また、➁、原薬調達先の複数化などの供給リスク低減策については、引き続きサプライチェーン強靱化に向けた取組を検討するということ。
そして、最後の➂でございますけれども、これまで御説明してまいりましたマネジメントシステムの制度の詳細につきましては、引き続き、本会議において御議論をいただくこととして進めたいとしてございます。
長くなりまして申し訳ございません。資料1に関する御説明は以上でございます。
○清田座長 ありがとうございました。
それでは、質疑応答の時間とさせていただきます。まずは供給停止・薬価削除プロセスについて質疑応答とさせていただきまして、それが終わりましてから、2番目のマネジメントシステムについて質疑応答とさせていただきます。
最初の供給停止・薬価削除プロセスは、今までの御意見をまとめて提示していただきましたけれども、これでよろしければ、この案でまとめていただくということになりますが。
坂巻先生、どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。発言の機会をありがとうございます。
前回の指摘の中で重要な点が1つ抜けていると思いますが、お隣にいらっしゃる成川構成員からの指摘で、従来の薬価削除のプロセスに関しても実は明文化されていなかったのだけれども、今回明文化するのでしょうかという指摘がありました。この点について、私は非常に重要だと思っています。
その上でもう一回この議論を整理しますと、従来型の薬価削除プロセスと、今回新たに提案されている簡素型の2つのプロセスができるわけですね。それで、それについては今日の資料の中にありましたけれども、明文化されると。本来であれば、こういったプロセスを明文化するに当たっては、様々な関係者に影響を与えます。医師会、薬剤師会、それから製薬企業や卸、あるいは学会。こういったものに関して明文化するときには、やはり本来であればパブリックコメントを求めるような手順が必要なのかなという感じはします。
それは意見なのですけれども、その上で、もう一度確認したいのは、まず1つ目は、通常型と簡素型ができることになると、何が通常型で何が簡素型になるのかという対象の要件についてもう一度整理する必要があるだろうと思います。さらには、どの段階で通常型なのか。通常型というか、これまでのやり方と簡素型のどちらで薬価削除プロセスに流れるのかという判断はどこで行うのかというところを明確にする必要があるのだろうと思います。そこをどう考えますかというところが質問の1つ目になります。
それから、2つ目の質問なのですが、これは後半の話にもまた関係してしまいますけれども、薬価削除に関してはジェネリック薬品だけなのですかというところをもう一回確認したいと思います。つまり、長期収載品でも薬価削除することがございますね。これは具体的に言いますと、薬価ルールの中でG1、G2ルールで撤退という仕組みがあるわけです。こういったものに関しては長期収載品でも当然、薬価削除することがありますので、これについてはどうするのですか、今回のルールの中にどう載せるのですかというところは確認したいと思います。長期収載に関して言いますと、情報の移管という問題も出てきます。ですから、そこについてもどうするのかというところをきちんとしておく必要があると思います。
意見と質問ということになると思いますが、まず手順としてのパブリックコメントと、通常と簡素化の判断プロセスと、それから長期収載品の扱い、この3点について意見と質問でございます。
○清田座長 それでは、山本さんからお答えいただけますか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御質問いただきましてありがとうございます。1つずつ御回答させていただきたいと思います。
まず、先ほど御説明させていただきました通常の薬価削除プロセスと簡素化された薬価削除プロセスの2つについて、どの段階でどちらのプロセスで進めるかが決まるのかという御質問でございますけれども、簡素化プロセスの場合ですと、一番初めの関係学会への事前の確認の部分から簡素化をするということになりますので、この事前の確認を始めるタイミングにおいて、企業が自社のシェアの情報に基づいて、どちらのプロセスで進められるか、薬価削除しようとする自社の製品のシェアが非常に低く、簡素化プロセスを適用できるということを確認して、そちらのプロセスで進めることになるというように考えてございます。
その後、厚生労働省のほうに供給停止事前報告書が提出されてくることになりますので、その段階で、厚生労働省側でも簡素化プロセスで進められる品目かどうかということは再度点検をすることになると考えてございます。
2点目のジェネリックだけなのかという御質問でございますけれども、これは当然ながら、薬価削除自体は後発医薬品だけでなく、そのほかの先発品や長期収載品、その他の医薬品についても適用されることになると考えてございます。
また、3点目の情報の移管のお話につきましては、確かに今回の資料の御説明の中では触れられておりませんでして、その点についてはどのように取り扱うべきなのか、担当部署でございます医薬局のほうとも確認をしまして、適正な手続について今回の整理の中でどこまで明確化できるかということは、あわせて検討させていただきたいと思います。本日の時点でどのように取り扱うかというところまではお答えができず申し訳ございません。
○清田座長 ありがとうございます。
坂巻先生のほうから3番目の問題について何か御提案があれば具体的に。
○坂巻構成員 まず3番目のところで言いますと、実は情報の移管に関しては、いわゆる有識者検討会のときに私が提案した話なのです。それに対して具体的な対応がずっとなされてこなかったという事情があります。そのときに私が提案したのは、やはり情報移管に関してガイドラインの策定が必要なのではないか。こう言ったらなんですけれども、特に外資系のメーカーなどが撤退するときに情報の移管に関してかなりしぶる部分があるという話もあったりします。ですから、ここはやはりガイドラインの策定が必要なのではないかということを申し上げました。
それから、今お答えいただいたのですけれども、正直言いますと、やはり具体性に欠けている部分があるなという感じはします。ぜひこれを文章化した上で、これでうまくいくかどうか。例えば具体的に言いますと、どういったものを簡素化ルールにするのか、どういったものを従来ルールにするのかという薬の要件をきちんと定める必要があると思うのです。当然、簡素化ルールと通常ルールとでは書式が変わってくるわけです。今日の説明の中でも書式が変わってくるだろうなということは推測できる部分があります。となると、事前に製薬会社が、こちらはどちらで薬価削除ができるのかということについて理解できるように薬の要件を文書の中で定める必要があると思います。ここはぜひ、次回出していただけるか分かりませんけれども、文章化される段階でより具体的に記述していただくことが必要だろうと考えます。
以上でございます。
○清田座長 ありがとうございました。
山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 今後の数値の明確化に当たりましては、御指摘を踏まえて、実際にそれを読んで運用することになる関係業界の皆様にも理解がいただけるように配慮して記載をしまして、また、業界を含めた関係者の方々にも御確認をいただきながら進めたいと考えております。
○清田座長 明文化はできるのですね。それはいいですね。それから、簡素化できる薬剤なのかどうかも定義づけはできるのですね。そう理解してよろしいですかね。それから、この会では決められないのではないかと坂巻先生がおっしゃったガイドラインにつきましては、どうですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 先ほど申し上げましたとおり、担当部署でございます医薬局とも相談しながら、薬価削除プロセスの明確化と関連はするものの、別の形での整理になるかと思いますので、そちらはそちらで本日いただきました御意見、御指摘を踏まえまして、しっかり検討させていただきたいと思います。
○清田座長 坂巻先生、よろしいですか。
○坂巻構成員 G1、G2ルールとも関係しますので、保険局とも検討が必要かと思います。
以上でございます。
○清田座長 ありがとうございます。
ほかに御意見、どうぞ。
○安部構成員 日本薬剤師会の安部でございます。
まず、8ページのところで、前回も質問をさせていただいて、事務局から一定お答えいただいたのですが、「代替品の考え方」の1つ目のポツで、「必ずしも同一成分に限らず、臨床上の位置付けが同じ品目は代替品として取り扱うことを可能とする」ということでありますけれども、これはなかなか私としてはイメージがしにくいところがあり、どの範囲なのかというところと、前回の事務局のお答えで、関係学会とも相談しながら検討するということでありましたが、まずこの段階で「臨床上の位置付けが同じ品目は代替品として取り扱うことを可能とする」という前提で関係学会に相談をするのか、そうでないのかというところが分かりにくいと感じます。例えば、臨床上の位置づけが同じ品目というのは、具体的にはどのような成分同士を厚労省として想定しているのか、一例としてお示しいただいてもよろしいでしょうか。
○清田座長 これは大丈夫でしょうかね。私個人の理解としては、例えばセファゾリンがなくなってしまったとき、抗菌スペクトラムの似た、主にセフメタゾールなどが代替されたのですね。ですから、ガイドラインの中で併記されているようなお薬が代替薬品というふうに私は理解していました。
○安部構成員 私も、例えば原材料がなくなったり、製造上の問題で世の中から消えてなくなった、そして、学会がその代替品としてこのような製剤を優先的に使ってくださいというような場合については、明確に類似した薬効群を優先して使うとか、上手にそれを段階的に使っていくというのは分かるのですが、薬価削除プロセスの中でそれを本当に使うことがいいのかというところについて、何となく気持ち悪さが残るというか、このような考え方で進めていいのかは少々疑問が残る、懸念があるところであります。
○清田座長 山本さん、どうでしょうか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘をいただきましてありがとうございます。先ほど清田座長からもお答えいただきましたとおり、ここで記載しております臨床上の位置づけが同じ品目というのは、例えば診療ガイドラインの中で、薬剤選択の中で同じような位置づけとして扱われているような品目などを想定して記載しているものでございますけれども、ここでは必ずしも同一成分の代替品がなければ薬価削除ができないわけではないという可能性について言及をしておりまして、当然ながら、この内容については、実際には臨床上の位置づけが同じであっても、本当に代替品として使えるかどうかというところも含めて、学会の先生方から御意見をいただいて判断していくものになるのかなと考えてございます。
○清田座長 例えば、ここにも書いてありますが、歴史的にその使命が終わったような成分をなくしてしまいたいというときに、臨床上よく使っている成分がたくさんまだあるので、そういう歴史的な使命が終わったものを削除すると、そんなイメージで考えてよろしいですかね。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 そういったものも含まれることになると思います。
○清田座長 皆さんイメージがそれぞれあると思うのですけれども、例えば化学療法学会では、セファゾリンがなくなったときに各疾患における代替抗菌薬のリストを提示して、そちらを使ってくださいというような方向で対処しましたけれども、代替品が不足してしまったということもありますので。ただ、学会の役割というのはそういうところにあるのではないかなと私は思っています。
ほかによろしいでしょうか。どうぞ。
○蛭田構成員 蛭田でございます。
薬価削除に関して、資料の4ページ目の2番目ですけれども、少量多品種生産の適正化の観点からと書いてございます。以前にも申し上げたのですけれども、少量多品種に関しては、製造販売業者と製造業者と分けて考える必要があるのではないかと思っていて、特に製造業者が課題になっているのかなと思うのです。薬価を削除することで少量多品種ではなくなるというか適正化されるのは製造販売業者なのですね。逆に今まで受託していた製造業者は、薬価削除されることによってラインが空くので、新たに代替品を引き受けた製造販売業者がまたそこに頼んでしまうということもないとは言えない。
そういうことを考えたときに、少量多品種生産の適正化の観点からという目的を挙げるのであれば、ぜひモニタリングをしていただきたいと思います。この薬価削除プロセスを適正化したことによって本当に少量多品種の適正化が図れたのかどうかといったことについては、ぜひ検証するようなプロセスをお願いしたいと思っています。
以上です。
○清田座長 ありがとうございました。
具体的にどういう手法でそれを証明していけばよろしいか、御提案があれば。
○蛭田構成員 一案として実際に個別に製品を製造している製造所数を調査することあるかもしれませんし、更に的確な方法を検討する必要があるかもしれません。
○清田座長 そういうのは可能でしょうか、山本さん。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 まずはどういったフォローアップの仕方が可能かというところを含めて、今いただいた御提案、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○清田座長 では、今の表現は盛り込んでいただくということでよろしいでしょうか。
ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ。
○成川構成員 成川です。ありがとうございます。
今回の御提案については、現在ほとんど流通していない医薬品であり、しかも代替品があると、その辺の判断基準はきちんと明示していただく必要がありますけれども、そういったものについて薬価基準からの削除のプロセスを簡略化して、かつ明確化するということは賛同したいと思います。もともとこの話が出た背景は、後発品の産業構造のあり方検討会の報告にもあるように、少量多品目生産の適正化というのが背景にあると理解しています。現在市場にあるものについての対応は、少し時間をかければ改善するのだと思うのですけれども、私のもう一個の関心事項は、将来的にどう対応するか。つまり、今後、新しく上市されてくるような後発品について、どういうふうにして少量多品目生産の構造の発生を防いでいくのかという観点から将来的な議論も必要だと思っていますので、そこはまた、今日ではなくてもいいのですけれども、より具体的な方策について、今後これを生み出さないようにするにはどうするかということについて議論をさせていただきたいと思っております。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。具体的にはどういう方策がよろしいか、御提案があれば出していただきたいのですけれども。
○成川構成員 そこは大ざっぱに言えば、やはり市場参入をするときにどういう点を考慮するかということだと思います。ですから、後半のマネジメントの話にも通じることになるのではないかと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
山本さん、いかがでしょうか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございます。御指摘いただきましたとおり、後段のマネジメントシステムに関わるお話でもありますし、また、後発品に限ったお話になりますけれども、後発品の産業構造に関する検討会では、今御指摘いただいたような少量多品目の課題、品目数があまり増え過ぎないような参入時の在り方などについても検討がされているところでございますので、そういった議論も踏まえて検討させていただきたいと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。ほかに御意見ございますでしょうか。
ないようでしたらば、今までの御指摘と御意見もいただきましたので、大体皆さんのコンセンサスはいただいたものというふうに理解してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、供給停止・薬価削除プロセスに関しましては、この線でおまとめいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、マネジメントシステムに関しまして、これは今日全部結論を出す必要のない項目と理解しています。これに関しまして論点が述べられていますけれども、論点を中心に御意見、御質問がございましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
○宮川構成員 ありがとうございます。宮川でございます。
論点の最後のその他の➁のところです。サプライチェーンの強靱化ということがあるのですけれども、これに関しては、サプライチェーンというのは非常に大きなテーマだろうと思いますが、実際には必要性の高い医薬品のサプライチェーンの強靱化も含めていろいろ考えていかなければいけない部分があろうかなと思っています。これは喫緊の問題だろうと思っています。
医薬品の安定供給に向けて、原薬の問題だけではなく原料、中間体から副原料等を含めた医薬品のサプライチェーン全体の強靱化という議論はなされなければならないし、どこで議論するのかというのがはっきり分かっていない、そこが問題だろうと考えます。この会議体で進めるのであれば、そこのところはしっかりと立てつけをつくってやっていかなければいけないだろうなと思っています。そういう意味では、サプライチェーンについては、当会議で扱ったようなサプライチェーンマッピングももとより、原薬以外の添加物や副原料を含めた見える化というようなことも非常に重要なことだという理解をしながらつくっていかなければいけない部分だろうなと思っています。
これは非常に難解なところであるので、2行で書かれているというところはありますけれども、非常に大きな問題だと認識しながら取り扱っていかなければいけない問題だろうと思っています。これに関しては、事務局はどのように考えていかれるのかお聞きしたいなと思っております。
○清田座長 大変重要な御指摘だと思います。山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
今回の資料では2行ということで非常に簡単にのみ記載をさせていただいているのですけれども、御指摘いただきましたとおり、医薬品のサプライチェーン、また、原薬のみならず部素材、添加物等、関連する物資を含めたサプライチェーン全体の把握ですとか強靱化を図っていくことは非常に重要なテーマであるということは事務局としても認識をしているところでございます。
マネジメントシステムの中では、どちらかというと企業にどういうことを行わせるべきか、あるいは需給状況を把握するというような取組の部分にフォーカスを当てておりますけれども、サプライチェーン強靱化の取組についても、以前から例えば抗菌薬の国産化の問題等も含めて、この会議で御議論をいただいているところでございますので、今御指摘いただきましたサプライチェーン強靱化のお話についても、引き続きこの会議での御意見も踏まえながら取り組んでいきたいと考えております。
○宮川構成員 ありがとうございます。そういう意味では非常に大きな問題なので、話題としては、1つ大きな枠組みをつくって考えていただきたいと思っております。
それから、今、後発品メーカーを中心として自主点検が進んでいるのですけれども、昨今の行政処分を受けているメーカーの現況を考えてみると、以前から日本薬剤師会からもいろいろと問題にされているところがあるのですが、OTCのメーカーにも問題があると考えていかなければいけない。つまり、先発から後発からOTC、全ての医薬品で国民の健康を守るという観点から、OTCメーカーにも大きな問題がそこに潜んでいるのではなかろうかということです。
OTCメーカーの自主回収は、以前、今日御出席の川上先生も論文で書かれているというところもありますので、そういう意味では非常に大きな問題があるので、これに関しても、今後、枠組みの中でしっかりと考えていく必要があります。自主回収が行われているということ、それも大量の自主回収が毎年行われているという事実がありますので、これは非常に大きな問題だろうと考えます。普通の医療用医薬品が不足しているからOTCを使えばいいというような簡単な議論をされているところがあるのですが、しかしながら、製造の中でもいろいろな問題が含まれている。それなのに、それに対してもしっかりとした立てつけで監視がされていないというところは非常に大きな問題だろうと思いますので、これは大きな問題として考えていただきたい。医療用医薬品と一般用医薬品、立てつけは非常に違うということです。製造や販売、流通の中でもいろいろな問題がたくさんありますので、それに対してもしっかりと考えていただきたいなと思っております。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
川上先生、論文をお書きになったということで、一言。
○川上構成員 以前ですけれども、意外と知られていない内容でしたので、世の中に紹介するために書かせていただいたことがあります。OTCについても、安定確保は国民のセルフケア等にとって重要なことですので、もしこういったマネジメントシステムの中でもウオッチいただけるのであれば、大変ありがたいと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ただいま御指摘いただきました点については、御意見として賜りまして、今後の施策の検討の中で参考とさせていただきたいと思います。川上先生の論文についても勉強させていただきたいと思います。
○清田座長 サプライチェーンの強靱化はどうやら大きなテーマみたいですから、今後もここで扱っていただけるのではないかなと思います。皆様のアイデア、御提案がありましたらお寄せいただきたいと思います。
ほかに御意見、どうぞ。
○三村構成員 今のサプライチェーン強靱化の議論と、それから安定確保医薬品に関してということで、1つだけずっと感じてきたことがございます。最初に、この関係者会議がスタートしたときは、まさにサプライチェーン強靱化、あるいは原薬不足の問題、セファゾリン供給不足の問題から入ってきましたので、いわゆるグローバルサプライチェーン分断の問題が意識されました。そして、この3年間の動きを拝見していますと、特にセファゾリンに関しては、国内供給体制あるいは国内一貫生産供給体制をつくっていくことに相当に力を入れていただいていると伺っております。
ただ、問題は、先ほども出てきましたように、この検討を行ったのがもう3年か4年前であるということ。そして、安定確保医薬品というのは政策的に大きな意味を持ったカテゴリーではないかと考えてまいりました。確かにここで提示されているマネジメントシステムにおいて、安定供給責任者の問題であるとか、後発薬メーカーの生産体制あるいは供給体制の強化のためのいろいろな工夫とか取組が必要であり、私もこれには賛成いたしますけれども、もう一段大きな問題として、原薬あるいは原材料調達のところから始めて、どのように全体的な供給システムあるいはサプライチェーンを強靱化するかという非常に大きな議論があるように思います。そうすると、そのような課題に対して、厚労省関係では恐らくこの検討会が一番それを受けるのにふさわしい場ではないかと思いますが、次元が少し異なる課題が一緒に入り過ぎてきているのではないかと。
ですから、せっかくこれだけいい議論がなされており、かつそれに対してほかの分野では、例えば経産省の分野では相当にいろいろな政策が打たれているようにも見えるのですが、少しここのところの検討が弱くなっているような印象がございます。ドラッグロス、ドラッグラグに関しては、国全体としての取組というのが非常にはっきり出されているのですが、サプライチェーン強靱化のところは、少し全体としての打ち出しが弱くなっているのではないか。そうすると、この検討会の本来の立ち位置からすると、そこがやはり少し残念であるという感じがいたします。私は宮川先生の御意見に賛成いたします。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
御指摘いただいた内容をどう捉えていいか、山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 引き続き、非常に重要な御指摘、重い御指摘をいただいているかと思います。いただいた御意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○清田座長 最初はセファゾリン問題から入ったのですね。ところが、後発品メーカーの問題にまで広がってしまっているのですね。というのは、セファゾリンをつくっているのはほとんど後発品メーカーだということで、そちらのほうに裾野が広がっていますので、確かにそこの先生の御指摘はぶれないように今後進めたいということでよろしいでしょうか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 そうですね。先ほどの御説明を繰り返してしまうかもしれないですけれども、安定供給、あるいは今の医薬品の供給不安全体のお話をこの会議では取り上げさせていただいておりますが、現在の供給不安の原因としては、後発品企業の不祥事の問題から始まり、サプライチェーンの問題もあれば、そのほかもろもろ、今の供給不安の原因には様々な課題がございまして、それらを包括的に様々な観点で御議論をいただく必要があるということで、論点としても様々な提案を挙げさせていただいておりまして、その中で見ると、どうしてもサプライチェーンのお話が、要素のうちの1つとして挙げる形になってしまっております。それはそれで1つの大きなテーマとしてきちんと議論すべきだという御指摘だと受け止めましたので、その点は事務局の中でもしっかり検討させていただきたいと思います。
○宮川構成員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。
○清田座長 どうぞ。
○宮川構成員 そういう意味では、今、横串、縦串で考えていかなければいけないので、そのためには短期的な問題、中期的な問題、長期的な問題というふうに分けていかなければいけない。1つの事象としては、そういう切り方が多少異なってくるという形だろうと思います。今、三村先生がおっしゃったように、サプライチェーンの問題というのは中長期的な問題でありますし、それから、医薬品メーカーの不祥事から始まった短期的な問題があります。実際には本当はあってはならないことがそこで起こってしまったということですが、これは私が今医薬品の問題と言っていましたけれども、後発医薬品だけではなくて先発医薬品も同じだろうと考えています。そして、それから派生してOTCだって同じだろうということです。安全の根幹である製造の責任者も含めて、それがどこにどうやって関わっているのか分からないというところからいろいろな問題がある。だから、医薬品に関しては、先発だろうが、後発だろうが、OTCだろうが、全てしっかりとした立てつけをつくっていくということ、立てつけのつくり方は全く同じ構造であることが必要です。自主点検だろうが、それから製造責任も含めて安全の責任者だろうが、どうやって置いていくのかということは全く同じ構造にしていかないといけない。
それをシステマチックに考えていくことが必要なのではなかろうかと思って、サプライチェーンのお話をいたしましたけれども、中長期的な考え方、短期的な考え方としては、今のガバナンスの問題から始まった各企業の問題に対して考えていただくのが非常によろしいのではないかなと思っています。それが欠落していたので、そういうものをにらみながら、短期的なところはしっかりと早急に問題点を解決していく。長期的なことに関しては、それを視野に入れながら、どのように構造をつくっていくのかということを並行して議論していくことが非常に必要なのではなかろうかなと思っています。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○関構成員 医療法人協会の関です。
サプライチェーンの強靱化が必要ということはよく分かるのですが、いわゆる薬の原材料の確保というのは、一義的には各メーカーが行うわけですね。そこで言うと、このサプライチェーンの強靱化は誰がやるのか、その責任の在り方がどうなっているのかということをお聞きしたいのだけれども、例えばそれをしていくのが製薬業界の団体がやるのか、あるいは厚生労働省がどのようにやるのかというのは、ちょっとイメージが湧かない。だから、言葉で強靱化が必要といっても、誰がどのような責任を持ってやるのかということを教えてほしいと思うのです。
○清田座長 これはいかがでしょうか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
御指摘いただきましたとおり、まず医薬品の供給の責任といいますか責務は、一義的にはメーカーがしっかり頑張っていただくということが前提でございます。その上で、それをどう強靱化していくかというところは様々なやり方があると考えておりまして、当然ながら各企業が自社のサプライチェーンを点検、確認して、弱いところがあればそれを強靱化する取組を自主的にやっていくということもありますし、それだけでは足らない、あるいは企業横断的にやらなければならないようなお話について、国、行政のほうが何らかの支援をするということも考えられますので、なかなかこれだけをやれば強靱化ができるというような一つの取組を挙げることは難しいのですけれども、様々な取組によって強靱化を図っていくということになると考えてございます。
○清田座長 どうぞ。
○関構成員 私は、それに加えて政治的な問題があるのではないかと思うのです。例えば日本には原材料を送らないという国があれば、当然入ってこないわけですね。だから、サプライチェーンの強靱化というイメージの中には、一国だけ、あるいは今まで頼っていたところ以外にサプライチェーンを広げていくということがとても重要だと思うのです。それは恐らくかなり政治的な問題が絡んでくるのではないかということで、おっしゃりづらいと思うのだけれども、その視点はぜひ入れておかなければいけないかなと思うのです。
○清田座長 どうぞ。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 御指摘どうもありがとうございます。医薬産業振興・医療情報企画課長です。
まず、サプライチェーン強靱化の問題、今回この2行しか書いていないことが軽んじているかのような印象を与えたとしたら大変申し訳ございません。今回は安定供給確保のマネジメントシステムに焦点を当てて資料を作成してございますので、サプライチェーン強靱化の問題、これはこれで私どもは様々な施策を講じておりまして、そうしたことについてまたこの場できちんと御議論をいただきたいと思っております。
サプライチェーンの強靱化、一般論としての強靱化と、まさに個別にどう強靱化していくかということがあって、先ほど山本から申し上げたとおり、基本的にはこれはメーカーにお願いしなければならない問題なのですが、国としてそれをどこまで支援するのかということについて、例えば経済安全保障法上の特定重要物資である抗菌薬につきましては、一定の国からの原材料の輸入に頼るのではなく、国産化をするということで、そうした工場の設備投資について国庫補助を入れさせていただいている。そういうアプローチを取る薬剤もあれば、一方で、私たちとして安定供給確保に向けてマニュアルを整備して、企業の自主的な行動を促す、あるいは企業にサプライチェーンのマッピングをする形で自主的に点検をしていただくようなことを促す、あるいは代替の供給源を確保するために海外に探索に行く、そうしたものの経費を補助させていただく。つまり、企業の行動を国として後押しするような部分について我々ができることをしていく。サポートするような形で支援をする。そうした形で各企業の取組と我々がサポートする部分ですみ分けをしながら進めているのが今の状況でございます。
ただ、先ほど、私、経済安全保障法ということを申し上げたとおり、こうした枠組みの検討に当たっては、関先生が政治的な観点とおっしゃった観点と一致するかどうか分かりませんが、そうした観点も持ちながら、私どもは政策を打っているつもりでございます。
いずれにいたしましても、サプライチェーンの強靱化につきましては、またきちんと整理をした形でここで御議論いただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
どうぞ。
○原構成員 保険薬局協会の原です。
今まで出たサプライチェーンの強靱化のところですけれども、そもそもこの会議体はそこが元々のテーマであったと思いますので、そのときに以前も話題になったのは、見える化をしなければいけない、マッピングしなければいけないということがありました。今、特定の国とありましたけれども、世の中を見ていても非常に地政学的リスクが高まっているときであって、いつ変わるか分からないということもたくさんありますので、ふだんからマッピングしていくということは前からこの会議では出ていたと思っています。そうなった場合に何が足りないのだということを皆さんでチェックしていかなければいけないという話はあったと思いますし、その結果、ほかのページにもありましたが、一定の在庫を持つというのが、製品として在庫を持つだけではなくて、こういう場合には原材料をある程度持ちましょうとか、あるいは持つに当たってどうしても企業さんには負担がかかるので、倉庫代がどうしたとか、決算上どうだとか、そういう話は過去に出ているはずなのです。最初の1回目から3回目ぐらいまでは結構出ている話がたくさんありましたので、そこのところが後発品のメーカーさんの問題で、全部話がそっちに流れてちょっと止まっていた感じはしますので、今までお話が出たように、再度ここは見直す必要があるのかなと思いました。これは意見です。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○蛭田構成員 蛭田でございます。
今のサプライチェーンの強靱化に関しましては、日本だけの問題ではなくて世界的に問題とされているのですね。特にアメリカですとサプライチェーンのレジリエンスに関するレポートも出されていて、その中には、米国政府の方針として友好国との連携も図っていくということも打ち出されていますので、ぜひそういった他国の状況、また、友好国との連携ということも考慮しながら進めていただきたいと思っています。ぜひご検討いただきたく、よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございました。
藤川さん、どうぞ。
○藤川構成員 藤川です。
ちょっと私も補足で、この4年前ですかね。安定確保会議が始まったときには想定されなくて、今、多分皆さんが困っていることが幾つかあって、その1つは、急激な円安になっていて、恐らく原材料を買っている方のコストが上がっているとか、あと原燃料のコストとか、人件費が上がって、皆さんの製造コストも上がっているというようなことが、恐らく4年前はここまでになるとは想定されていなかったと思うのです。そういったところも含めて、輸入品ですからサプライチェーンの問題も絡んでくるのですけれども、4年前にはあまり想定されなかったことを取り込んだほうがいいのかどうかというのも検討していただいたほうがいいかなと思います。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
だんだん話が広がってきましたけれども、いかがでしょうか。
坂巻先生、どうぞ。
○坂巻構成員 坂巻でございます。
ちょっと資料に戻りまして、20ページの1.総論の➂なのですけれども、前回私がマネジメントシステムで厚労省は何をするんだということを申し上げたのです。そうしたら、今回は、厚労省、製薬企業のみならず、医療機関、薬局とさらに広げていただきまして、私は最後に、あまり広げてもしようがないから、取りあえず今回は製薬企業のマネジメントに絞ったらどうかというふうに提案したつもりだったのですけれども、本当に厚労省もやるんですかと。質問ではないですけれども、ちょっと皮肉っぽい言い方をして申し訳ないですが、もう一度製薬企業に取りあえず限定して、製薬企業が安定供給に対して何をすべきか、どういう体制をつくるのかというところに立ち返ったほうがいいのではないかなと思うのです。
事前レクのときに山本さんには、山本さんは御存じなかったので御紹介したのですけれども、今日は印刷して持ってきました。アメリカのFDAが今年1月26日に改訂版を出しているのですが、FDAの医薬品評価研究センターというところ、ここがFDAの中で医薬品供給不足を所管しているところなのです。そこに担当者としてDrug Shortage Staffという方がいらっしゃるのですけれども、これはFDA全体のマニュアルです。Manual of Policies and Procedures。水谷課長、これは御存じですか。差し上げますので、後ほどぜひお読みいただきたいと思うのですけれども、医薬品供給不足は様々な原因があるから、FDAの各部署が何をするのかということをきちんと明記されています。こういったものはやはりマネジメントだと思うのです。ここまでのことを本当に今回厚労省はやるのかなというところに、時間の関係もあるし、なかなか難しいし、これこそ時間をかけて議論したほうがいいと思います。そこは繰り返しですけれども、まずは製薬企業の安定供給、何をするのかというところでもう一度原点に立ち返った議論が必要なのだと思います。
今日は机上資料ということで、説明いただきませんでしたけれども、ある企業の取組ということだと思うのですが、もう一度20ページの総論に戻りますと、安定供給とは何か。簡単に言いますと、こういった企業が取組をすると、いわゆる日薬連の定義である限定出荷がなくなるのですかということですね。限定出荷は日薬連の調査をしてみても、今日は具体的に申し上げませんけれども、各企業ごとに何らかの在庫調整をしているのではないかみたいな、毎月の報告を見るとそういった変な動きも見えたりします。そういったことが、本当に企業が安定供給に対して責任を持つ体制をつくることによって限定出荷がなくなるのですか。それはここで質問してもしようがないのですけれども、限定出荷がなくなる体制を本当に企業がつくってくれる、そのためのマネジメントシステムはどうあるべきなのかということを、もう少し焦点を絞り込んだ議論をする必要があるのではないかと思います。
すみません。意見なのか質問なのか分かりませんけれども、意見ということでいえば、取りあえず厚労省のマネジメントというよりも、まずは企業のマネジメントシステムをきちんと確立していくというところでの議論に絞っていただいたほうがいいのではないかと思います。
まずは以上でございます。恐らくまたこの後質問すると思いますけれども。
○清田座長 ありがとうございます。
日薬連、どうですか。
○梶山構成員 ありがとうございます。幅広くマネジメントシステムの中で、まず製薬企業がしっかりとその責任を果たす、これはおっしゃるとおりでございます。ここのところはしっかり対応させていただきたいなと思っています。長い目で見たときに、いろいろな課題がある中で御協力をいただくような場面、こういったところもいろいろシチュエーションとしては考えられるかなと思っておりますが、まずは私どものところでしっかり対応する。これはおっしゃられるとおりだと思っております。
マネジメントシステムに関してでございますけれども、品質の確保された医薬品を製造するということは、まさに先発、後発を問わず製薬企業に係る責務でございますので、こちらにつきまして、しっかりと議論いただいた中身を踏まえながら我々は対応していくということ、そこに関しても異論ないというふうに思っております。
限定出荷との兼ね合いという部分でございますけれども、この限定出荷の理由は、今御指摘いただいたようなことも中にはあるかなと思っておりますが、それこそ限定出荷に至る背景も様々かなと思っていますので、このシステムができたことによって全部がなくなるかどうかというところは、もちろんそこに向かっていきたいとは思っておりますが、いろいろ進めてみないと分からない部分もあるかと思っています。
○清田座長 ありがとうございます。
國廣さん。
○國廣参考人 ありがとうございます。参考人の國廣でございます。
坂巻先生の御指摘のとおりに、机上配布になっているような組織の体制が仮に、これは典型的なジェネリックの会社の組織体制のガイドラインに基づいた体制になるわけですが、これで今の限定出荷が廃止をするのかというのは、そういうことではないのだろうと思っています。ただ、非常に大事な体制という点では、御指摘いただいているところは大事なので、現状を御説明しているのですが、おっしゃるように、複合的なことがありますので、例えば厚労省が4月から始めていただいている供給不安に陥ることを未然に防ぐようなことだとか、こういったこととの合わせになってまいると思います。特に止まったり限定出荷する自社の事情で手前で止めることによって減る部分というのはかなりありますし、この体制を取ることによって未然に防げたりする部分は結構あるわけですね。実際そのような形になりますので、これを取ることによって、そういった部分は合わせで一定程度解消するほうに、軽減するように向かうのだろうと思いますが、問題は、やはり他社品と多品目ある中で、他社品の影響で影響し合いながら、今起こっているものは結構数が多うございまして、こちらはこの体制を取るから解消するというものではないので、全体的な構造を変えていかなければいけないというような問題もあるので、御指摘のとおりでございまして、これで解消するとは思っていませんが、一定部分というのはこれが非常に重要になってくると考えております。
○清田座長 ありがとうございます。
ジェネリックのお立場から、近野さん、いかがですか。
○近野構成員 今、話に出ておりますとおり、安定供給に対するファクターというのは決して1つではないという中で、確かに責任者の問題というのは一部としては存在すると思います。ただ、これが全てだというふうには私のほうでも考えておりませんで。そういった点では、これを解消したから、例えば他社との供給のバランスが崩れることによって影響を受けてしまう部分というのをどういうふうに、責任者が存在することによって解消するのかというと、決してそうではない。そこはやはり需給の状況を把握していかないと、情報の共有という部分をやっていかないと、こういう部分は解消につながらないのであろうと思っているところです。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
坂巻先生。
○坂巻構成員 今の國廣さん、それから近野さん、お二人の話を聞いていると、こんな議論をしてもしようがないなと思うのですけれども、要するに、他社品の影響で出荷調整することについては何も改善しないと。今までも日薬連は毎月調査して、何の薬が足りないか分かっているわけですね。それに対して増産もしないと、今後もこれで現場での供給不足について改善しないということをお二人ともおっしゃられたわけですけれども、それだったらこんなマネジメントシステムなんかつくってもしようがないという話ですね。
○近野構成員 決してそういうふうに申し上げているわけではなくて、やはりマネジメントシステムが土台となって、さらにそういう情報を共有していくことがこの解消につながるものと考えております。
○清田座長 どうぞ。
○國廣参考人 今、近野さんがおっしゃったこととほぼ近いのですが、各社それぞれに増産計画を立てたり対応しようとするのですが、多品目構造であるのですが、こちらにも書かれているように全体の需給が品目ごとにどの程度かというのを今、情報として報告するようになって、厚労省の中にもそれがだんだん見えるように手続、ステップを踏んでいただいていますので、全体の需給の状態がどうなのかというのも分かりながら、全体としてどれだけ足りないのかという全体の大きな枠組みのシステムが加わることによって、徐々にですけれども、多品目で相互に起こっているようなものも解消していくのではないかなと思っているので、これは短期ではまさにないけれども、ここに書かれているものが一つ一つ組み上がっていけば、少しずつ解消の方向に向かう手立てにはなってくるのではないかなと思っています。
○清田座長 山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 ありがとうございます。まず、私どもの説明が不足している部分があり、そこは大変恐縮でございますけれども、今回御提案しておりますマネジメントシステムにつきましては、足下の供給不安、現在起きている供給不安を解消するというよりは、どちらかといいますと、将来にわたって安定供給を確保するために、要は新たな供給不安が起こらないようにするためにどのような取組が考えられるかという観点で作成、御提案をしているものでございます。
また、別途御指摘をいただきました今回のマネジメントシステムの御提案について、まずは企業部分に特化といいますか、集中して実施をしたほうがいいのではないかという御指摘も併せていただいておりますけれども、その企業にどういう取組、安定供給確保策を取っていただくかという点が非常に重要なポイントであることは御指摘のとおりと我々としても考えております。一方で、各企業の取組だけでは足りない、例えば全体の需給状況の把握ですとか、全体的な調整が必要なケースなどもあるのではないかと考えまして、国の取組や措置についても含めてマネジメントシステムとして御提案をさせていただいております。御指摘いただきました海外の状況なども踏まえて、引き続き検討させていただきたいと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。どうぞ。
○宮川構成員 問題なのは、今、坂巻先生は限定出荷という話もしましたけれども、意図的限定出荷と言ったほうがいいのかもしれないところが見え隠れするから問題だと思います。つまり、出荷と生産が見えていない。本当は生産しているのだけれども、出荷はしていないというようなところがあるというのが見えてくるのです。それは厚労省も含めてしっかりと見ていただいて、しかるべき対応をされないと安定供給はできない。だから、様子見で、例えば薬価のところが見えると、その改定のところの前で、必ずこれに関しては意図的な出荷の停止というか、限定出荷をさせるのです。そういうところも含めていろいろなところがあるので、そういうことが見え隠れしている状況ではマネジメントシステムが生きないのです。
マネジメントシステムを生かすためには、しっかりとしたディスクロージャーをしていただいて、意図的な限定出荷みたいなことが起きないようなことを各医薬品メーカーがしっかりと取り組んでいただかないといけないのではなかろうかなと思うので、これは厚労省が医薬品メーカーに対してしっかりと監視していただきたいと思っています。
○清田座長 ありがとうございます。意図的限定出荷というのは、私、今日初めて伺ったのですけれども、これに関しましては、厚労省が把握されているかどうか分かりませんけれども、製薬協はいかがですか。意図的限定出荷。
○國廣参考人 どういうことを意図しているか難しいのですが、恐らく、分かりませんけれども、医療機関や卸様や我々もいろいろなことで、多分、サイクル的に薬価改定の前後とか決算とかぶったりして、そういうところで谷間が若干起きていることで一部起こっているようなことなのかなとお聞きしたのですけれども、意図的につくっているのに出荷しないというのはあまり起こらないような気はしているのです。できるだけ供給したいという思いはありますので。
○清田座長 何か今後情報がございましたら、お知らせいただければと思います。
ほかに。坂巻さん。
○坂巻構成員 実際に昨年の9月ぐらいの日薬連の調査を見ると、前の月には全然出していなかったのに突然出したり、あるいはまた止めたりという、素人目にはよく理解できない行動を取られているのですね。恐らく在庫調整というようなことをしているのだろうと思います。それを意図的。そもそも今、右のほうから聞こえたのですけれども、出荷調整はみんな意図的にやっているに決まっているだろうという話なのだけれども、現場の混乱につながるようなよく分からない出荷というのはあると思います。
品質、製造問題に関しても企業経営者の倫理観の話がずっと出てきたのですけれども、このマネジメントシステムの話も同じであって、体制として総管理責任者みたいなものをつくりました。だけれども、本当に安定供給に責任を持つという倫理観がなかったら、幾ら制度、体制だけつくったって無意味なのですね。宮川先生がおっしゃっていることはそういう意味なのですよ。
今までも、失礼ながら製薬企業、特にジェネリック企業に問題の多いところが見えてくるわけですけれども、これまでの出荷の在り方を見ると、本当にちゃんとやれるのか。形だけつくって、実際に物の流れ、製造と在庫の調整について正しくやってくれるのかというところの信頼感が今ないのだということ、そこはきちんと理解していただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
宮川先生、どうぞ。
○宮川構成員 今、坂巻先生が本当に真実に近いところをおっしゃって、医薬品メーカーは、1か月の生産量以上のものが、次の月に2倍、3倍のものが出荷してくるだけの力があるというのはおかしな話なのです。実際にデータは出ているじゃないですか。データはありますよね。私たちも見ています。そういうのにかかわらず、先ほどの答えはおかしいはずなのですよ。それを全部出さなければいけないよということなのですね。そうでなかったら安定供給というのはなされないわけですよ。違いますか。調べればちゃんとデータは出ていますよ。その月その月の生産量があって、そして、次の月、その次の月、その月の生産量以上のものが出荷しているとしたら、出荷調整しているのではないですか。生産はラインが決まっているわけです。だから、私は意図的な限定出荷だという話をしたわけです。それは坂巻先生も事実を知っていらっしゃるわけです。
そういうことが起こっているわけだから、そういうことを言わないで、しっかりとした立てつけをこれからつくってほしい。そうでなければ国民のための医療というものはどうしてもできない。日薬も日医も一生懸命頑張っても、それを解消することはできないということをよく理解していただきたいと思います。事実なのですから、それはそのような形で言い訳をしないで、ぜひしっかりとした立てつけをつくって、真実のことを述べていただきたいと私は思っています。
○清田座長 ありがとうございます。
水谷課長からお願いします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 どうもありがとうございます。まず、今回、安定供給確保のマネジメントシステムということで御議論いただいております。これはあえて申し上げれば、1つの大きな枠組み、基盤と捉えていただければと考えております。したがって、これができれば足下の課題も含めて全て解決するとか、そうしたものとして御提示しているというよりは、やはり安定供給確保ということについて、その場その場で特定の医薬品、そうしたものが出てきたときに個別に対応する。そうしたことを繰り返してきた中で、私たちは1つこの分野について骨格となる基盤をつくる必要があるのではないか。そうしたことでこうしたものを御提示しております。これは入口のところもそうですし、未然に防ぐための情報収集、そして、実際に問題が起きたときの供給不安を解消する仕組みを含めて、いわば大きな基盤をつくろうという試みでございますので、そうしたものとしてまず御議論いただきたい。そういう意味で、これはメーカーに限ることなく、厚労省もそうですし、卸も、それから医療機関、薬局も、そして医療を受ける国民の皆様にも、これは実際に供給不安が起きたときにそうした御協力をこれまでもお願いしてきておりますので、そうしたことも含めた一つのマネジメントシステムとして御議論いただいております。
一方で、足下の供給不安の状況について、今の限定出荷が25%程度、そうしたものがずっと続いている状況の中で、本当にそれがそうした状況なのかどうかという観点は点検が必要だと思っております。個別の企業が、意図的にという言葉が正しいかどうか分かりませんが、結果として出せるものに対してきちんと出していないのではないか。そうしたお声があるということだと思いますので、それは今の限定出荷、出荷停止が約4分の1あるという状況が、いわば合成の誤謬のような形でそういうものを生み出しているのではないかということについて点検が必要だと。
これは今日、製薬メーカーの方々、あえていえば苦しい答弁をされてございますが、一方で、彼らもそうした問題意識を持って、今、点検しようとしているということは申し上げておきたいと思います。私ども厚生労働省と業界団体とで協力をしながら、そこら辺のデータをつまびらかにしつつ、どういう対応をしていけるかということ、これは今回御議論いただいているマネジメントシステムの基盤に立った上で、実際の施策というのはそれぞれいろいろな中身があることだと思っておりますので、そうしたものの1つとして、特に今の足下の供給不安を解消するためにはどうしてもそうした手を打っていかないといけない。つまり、マネジメントシステムをつくったら自然とこの25%がゼロ%になっていくものだとは私も思っておりませんし、これは業界団体も思っていないと思いますので、そこはまた整理をして、きちんとこの場で御議論をいただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
今回でこれを締めるわけではありませんので、次も今のいろいろな御意見をいただいたのを中心に議論していただくことになろうかと思います。
どうぞ。
○安部構成員 安部でございます。
「4.供給不安解消策」のところで、厚労省が、卸、医療機関、薬局に対して一定の取組に関する協力の要請を行えるようにすることを検討してはどうかと提案されています。これは現場で起きている状況をしっかりと把握するという観点からも、それから、これまでも在庫でありますとか、購入の方法でありますとか、そういったことについては厚労省から協力要請があり、我々も協力してきたところでありますので、引き続き努力をするということが必要かと思います。
また、現在、医薬品供給情報の報告・収集・整理・分析・提供等に係る体制整備のための調査研究事業が進んでいると理解しておりますので、その中で、いわゆる製薬企業という川上だけのサプライの問題ではなく、我々現場でのサプライの問題も整理されてくるかと思っているわけです。その際に、余りにも現場に負担がかかって、そして、やってみたけれども全く効果が上がらないというようなことでは困りますので、そこはしっかり議論していただきたいのですが、特に我々として困るのは、製薬企業のほうでしっかりと増産していただいて、マクロでは在庫は足りているけれども、現場では全然足りていないというような状況が起きると、現場では一層混乱することになりますので、やはり現場の状況というのはしっかりと速やかに把握する必要があると思っています。
そういう意味では、医療用解熱鎮痛薬等110番という制度で、我々から厚労省のほうに相談する窓口がありますし、また、今も継続していると思いますが後発医薬品の安定供給に関する苦情を受け付ける仕組みがあります。それらのように、これからマネジメントシステムを考える際にも、あまり大きな単位で在庫を把握するということよりも、ファクトとして起きている困難事例などを速やかに収集できるような仕組みが必要ではないかと思いますし、非常に精緻なマネジメントシステムをつくっても、どうしても漏れが生じ、現場としては困ることがたくさん起きてくると思います。そこを拾っていくのは非常に重要なポイントかと思いますので、この研究事業においても、厚労省においても、しっかりその辺は御検討いただければと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
これは山本さん、いかがですか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 御指摘ありがとうございます。御指摘の事業におきましては、医薬品の流通上の状況、在庫の状況などについて情報収集して、その情報の活用の可能性やなどについて検討を行っていく事業でございまして、当然ながら、その中では、薬局や医療機関を含めた現場の方々、関係者のフィージビリティーなども含めて検討していくこととしてございます。また、御指摘いただいたようなそのほかの手段での医薬品の流通状況、需給状況の情報収集の可能性については、様々な方策について引き続き検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○清田座長 よろしいでしょうか。そろそろ時間も迫ってまいりましたので。
どうぞ。
○川上構成員 マネジメントシステムということで少し意見を述べたいと思います。供給不足のことについて議論が多くなされているのですけれども、一方で、作った医薬品がきちんと使われていって、回転していくことがシステムとしては大事なのではないかと思います。特にジェネリックとかバイオシミラーは、幾ら作られて流通したとしても、それを現場が適切に使っていかなければ、企業さんとしても回っていかないと思います。医療費適正化計画の観点からの推進策もあると思うので、都道府県の役割などが関わってくる部分もあろうかと思います。
それから、現場の需要行動に関して言うと、さまざまな医薬品関連の政策も動いていきますし、その中で薬価が引き上げられたり、診療報酬上のインセンティブの措置があったりと、いろいろなものが影響してくると思います。そういった様々な施策、制度、実施したことが、その後どういった影響を与えて、全体の受給に関係してくるのかをトータルでウオッチしたり、検討していくような機能も併せてマネジメントシステムに持っていただけるとありがたいと思う次第でございます。
以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
坂巻先生、どうぞ。
○坂巻構成員 短く言います。マネジメントシステムという言葉だけが踊っているような気がするのです。一般的にマネジメントシステムといった場合には、やはり各担当者がどの時点で何をするか、こういった業務プロセスを明確にすることだと思います。今のお話の中だと、精神論だけを議論しているような感じがしますので、今申し上げたように、どういったタイミングで、誰が何をするのかというところを明確に示していただきたいと思います。
それから、安部構成員からお話がありましたけれども、こういったマネジメントにおいては情報が重要になります。今、企業からの情報提供を義務づけていますけれども、これもアメリカの例をお話ししますと、3月18日だったと記憶していますけれども、医療関係者、一般の方からも供給不足情報についてFDAにダイレクトに情報提供する仕組みが公開されました。こういったことも含めて、医療の現場で今何が足りないのかということの情報収集の仕組みについても今後議論していただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございました。
では、どうぞ。
○成川構成員 各論で1点だけ。論点の➁の中に安定確保医薬品の記載がございまして、先ほど三村構成員からもお触れいただきました。当時、この選定のプロセスに私も関わらせていただき、あれから3年、4年たったというのを思い出しながら聞いていました。最近ですと、後発品の企業指標の要素にもこれが組み入れられまして、薬価にも間接的に反映されるような形になってきている。つまり、安定確保医薬品の重みがだいぶ増しているというふうに理解をしています。
一方で、この間に新薬もいろいろと承認をされてきていますし、診療ガイドラインの改訂などで薬の使用の優先順位も変わってきていますので、そういう意味で、現在の安定確保医薬品リストの再検討というか、再確認をするにはちょうどいい機会ではないかなと思っていますので発言させていただきました。
以上です。
○清田座長 ありがとうございました。
ほかによろしいですか。ありがとうございました。
そうしましたらば、大枠の御議論をいただきましたので、引き続き、詳細につきましては、この会議で議論していくこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、そのように進めたいと思います。
本日はこれまでとさせていただきますが、事務局から何かございますでしょうか。
○山本医薬品産業・ベンチャー等支援政策室長 事務局でございます。
次回の日程等につきましては、詳細が決まり次第、メール等にて構成員の先生方に御連絡をさせていただきます。
○清田座長 本日の会議は以上となります。皆様御多忙の中、本当にありがとうございました。