第45回労働政策審議会人材開発分科会 議事録

人材開発総務担当参事官室

日時

令和6年2月28日(水)13:00~15:00

場所

会場:中央合同庁舎5号館 専用第21会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)

議題

  1. (1) 職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
  2. (2) 雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準の一部を改正する件案要綱について(諮問)
  3. (3) 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について(報告)
  4. (4)青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針の改正について(報告)
  5. (5)令和6年度予算案の概要等について
  6. (6)その他

議事

議事内容

○武石分科会長 定刻となりましたので、ただいまから「第45回労働政策審議会人材開発分科会」を開催いたします。本日、本分科会はオンライン併用での開催といたします。
 本日の出欠状況ですが、労働者代表の篠原委員、使用者代表の宮田委員、渡邉委員が御欠席です。また、公益代表の石﨑委員、使用者代表の美野川委員が遅れて御出席の予定となっております。なお、岸本人材開発統括官、原口大臣官房審議官、堀海外人材育成担当参事官は、公務により途中から参加とのことです。
 それでは議事に入ります。議題(1)職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令案要綱について(諮問)です。内容について、キャリア形成支援室長より、資料の御説明をお願いいたします。
○佐藤キャリア形成支援室長 キャリア形成支援室長の佐藤です。よろしくお願いします。議題(1)について説明いたします。まず、資料1-1が諮問文になっており、職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令案ということで、御審議をお願いしております。概要について、資料1-2で御説明いたします。
 職業能力開発促進法施行規則四十八条の十七は、キャリアコンサルタントの更新講習について規定している項ですが、この更新講習について大臣が指定する際の基準について定めた省令が別途あり、こちらの基準について定めた省令を改正するものです。資料1-2の真ん中辺りより少し下に、(参考)として、キャリアコンサルタントの更新講習について簡単に記載しております。キャリアコンサルタントの登録は5年ごとの更新制になっております。更新を受けようとする方については、厚生労働大臣が指定する講習を受けていただくことが必要となり、知識講習8時間、技能講習30時間という講習を受けていただくことになっております。
 一番上の所、今般の改正の内容については、知識講習については、現状、定員を30人以下と上限を定めているのですが、この定員要件の上限を撤廃するという案になっています。その背景としては、キャリアコンサルタント登録制度等について、運用に関する専門的事項を御検討いただく検討会で、昨年12月に報告書をまとめていただきました。その中で、知識講習については、「コロナ禍を経て、オンラインやオンデマンドでの講習が一般的になっており、知識講習については定員が多くとも、講習内容に係る質疑応答や習得度の確認・評価・受講者へのフォロー等が確実に行える方法であれば、更新講習として必要とされる質の担保は可能と考えられる」として、定員要件は撤廃すべきではないかという御提言を頂いたことを踏まえて改正を行おうとしているものです。昨年12月の検討会の報告書の概要について、参考としてお付けしていますので、簡単に御紹介いたします。
 まず、キャリアコンサルタントを取り巻く現状として、DXの加速化などの社会環境の変化などが進む中で、リ・スキリングを進める必要があるなど、それを支援するキャリアコンサルタントの役割に対する期待が高まっています。その一方で、キャリアコンサルティングを御利用いただいている労働者の方、あるいは企業はまだ少ないという現状がある中で、課題として、キャリアコンサルタントの能力向上や活動の促進が必要であるということです。もう1つはキャリアコンサルティングについて普及の促進を図っていく、もっと御利用いただくということが必要ではないかということで、大きく2つの課題を掲げております。
 その課題を踏まえ、キャリアコンサルタントの能力向上については、講習をしっかりと受講していただくとか、スーパービジョンの機会を拡充していくこと、また、キャリアコンサルティングの普及促進については、キャリアコンサルティングの効果について分かりやすく発信していくことや、相談窓口を整備していくこととしております。さらに、今後の検討課題として、社会的な期待にしっかりキャリアコンサルタントが応えることができるように能力要件や能力体系あるいは更新要件についても見直しが必要なのではないかといったことも含めた提言を頂いているところです。その中の1つとして、黄色の所ですが、今般の知識講習の定員上限の撤廃についても御提言の中に含まれているというところで、今般、様々な御提言を頂いた中で、当面実施できる事項として、今般の省令改正を行ってまいりたいということです。
 資料1-2の1ページに戻り、改正の概要についてもう一度御紹介いたします。真ん中の辺りですが、「更新講習のうち知識講習について、定員要件を廃止する。」とありますが、その際、受講者へのフォロー等が確実に行える方法(質問や意見交換ができる仕組み)を設けることが必要になってきます。こちらについては、更新講習の大臣指定を申請する際の要領で規定することを考えております。
 また、更新講習については、今般改正する知識講習のほかに技能講習もありますが、技能講習については、講義の場合は30人以下、演習の場合は20人以下という定員の上限を設けております。技能講習については、相手の状態を認識しながら講習を進めていくということの重要性が、知識講習と比べて高いと考えられるということを踏まえ、見直しについては今般、急いで行うことではなく、その可能性について引き続き検討していくことを考えております。
 施行期日等ですが、3月下旬に公布し、4月1日に施行してまいりたいと考えております。概要の説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に対する御質問や御意見がありましたら、こちらで参加されている方は挙手、オンライン参加の方はZoom機能のリアクションから「手を挙げる」マークを押していただき、指名されてからマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか、風神委員、次に守島委員にお願いいたします。
○風神委員 人数の要件を撤廃するということで、以前の会議でも、オンラインのとき、対面のとき、オンデマンドのときのいろいろな職業訓練の効果の違いというものを議論したかと思いますが、事前の御説明のときに、効果がどうであったとしても、更新の際のテストを受けて知識が付いているかどうかの上で、更新が行われるということでしたので、それで知識のレベルというものが担保されるのであるならば、要件を撤廃してもいいのかなと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。守島委員、お願いいたします。
○守島委員 一つ、質問をさせていただきたいのですけれども、オンデマンド、それからオンライン等で質疑応答がちゃんとできるようにすることは、別途考えるというお話でしたけれど、現時点で何か、そこに関するアイディア、何かこういう要件が必要なのではないかといった議論はなさっているのでしょうか。
○武石分科会長 御質問ですので、事務局からお願いいたします。
○佐藤キャリア形成支援室長 現状においても、オンデマンドでの講習の場合については、別途メールやチャット機能などを使って質問や意見交換ができる機会を一定の期間設けるようにということを要件にしております。今般、今回の定員要件の撤廃に伴い、定員を変更する際にも、そういった措置が取られているかどうかということを確認していくということで考えております。
○武石分科会長 ありがとうございます。守島委員、いかがでしょうか。
○守島委員 どうもありがとうございます。ちょっと個人的な経験になってしまうのですが、私の授業をオンデマンドにした途端に、それまでは200人ぐらいだったのが500人ぐらいに増えまして、500人でチャットやメールで質問を取るというのは、実は結構大変というか、ほぼ不可能な状態なので、そういう意味では、別に今の案がいけないとか、駄目だと言っているわけでは全然ありませんし、また、その定員の撤廃ということも全然構わないと思うのですけれども、そこのところを少し注意してお考えにならないと、その双方向でというのは、500人とか、そこまではいかないのかもしれませんけれども、そうなってしまうと結構難しいので、そこのところは丁寧にお考えいただけると有り難いなという感じです。以上です。
○武石分科会長 貴重な御意見をありがとうございます。よろしいでしょうか。
○佐藤キャリア形成支援室長 ありがとうございます。各講習の実施機関で、そういった実行可能性ということも踏まえて、定員を設定していただくことになろうかと思います。あるいは講師お一人ではなくて補助の方も配置してというような形で実施していくかと思いますので、その実行可能性のところについては、申請のときに私どもも確認してまいりたいと思います。
○武石分科会長 ありがとうございました。ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ほかに御意見等がなければ、この案件はこれまでとさせていただき、議題(1)の職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令案要綱について(諮問)は、本分科会として「妥当」と認める旨を労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思います。御意見はありますか。
                                  (異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文(案)の共有をお願いいたします。
                  (報告文(案)の配布とともにZoomにおいて画面共有)
○武石分科会長 共有された報告文(案)により、労働政策審議会会長あて報告することとしてよろしいでしょうか。
                                  (異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。そのように報告させていただくこととし、この議題については、ここまでといたします。
 次に、議題(2)雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準の一部を改正する件案要綱について(諮問)です。内容について、若年者・キャリア形成支援担当参事官より資料の御説明をお願いいたします。
○谷口若年者・キャリア形成支援担当参事官 担当参事官の谷口です。私から、議題(2)について御説明いたします。
 昨年12月の第43回人材開発分科会において、専門実践教育訓練におけるデジタル関係講座の指定基準の見直しについて御審議いただきました。本日は、この件で指定基準を改正する告示案について、お諮りいたします。諮問文は資料2-1ですが、内容については資料2-2により説明させていただきます。
 前回の分科会でお示しした改正案からは内容の変更はありませんが、改正案について、再度、内容を御説明したいと思います。
指定基準の改正内容については、専門実践教育訓練給付の第6類型「第四次産業革命スキル習得講座」について、対象レベルを「ITスキル標準レベル4相当」から「ITスキル標準レベル3以上」に拡充すること、また、第5類型「一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする課程」について、訓練時間の要件を第6類型の要件とそろえた上で、第6類型と統合することが主な改正内容です。
これに伴いまして、特定一般教育訓練の第2類型について、所要の規定の整備を行うこととしております。
新たな指定基準の施行については、令和6年4月から新たな規定に基づく指定講座の募集を開始し、令和6年10月時点より対象講座の運用を開始したいと考えております。
 この見直し案について、先般の分科会で御審議いただきました際に、レベル3の訓練時間の要件を120時間以上から30時間以上に引き下げることに関して、IT未経験者が短時間の講座を受講してスキルを身につけられるのか、また他の類型と比べて遜色のない講座内容と言えるのかといった御意見がありました。
この短時間の講座については、受講要件として一定の実務経験や知識を有していることを求めている結果として訓練時間が比較的短くなっているものの、目標としている資格は訓練時間が長い訓練と同じレベル3であるという実態に鑑みて、今回、専門実践の対象にするというものです。頂きました御懸念を踏まえて、今後の指定申請の審査に当たりましては、受講対象者の要件がどうなっているのか、またカリキュラムが適切な内容と期間になっているのか等について、しっかり確認していきたいと考えております。私からの説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に対する御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に、挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。説明にあった御懸念があった部分については私が申し上げたところかと思います。いずれにしても施行後の状況を適宜把握しつつ、検証を行っていただき、必要な見直しを行っていただきたいと思います。
 それから、前回の分科会でも発言しましたが、今回の見直しを機に、指定基準そのものが今日的に適切なのかどうかということも見直しを進めていただきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。御意見として受けとめたいと思いますが、何かありますか。
○谷口若年者・キャリア形成支援担当参事官 御意見、ありがとうございます。先ほども申し上げましたとおり、今後の指定申請の審査に当たりましては、しっかり内容を見ていくとともに、指定対象となりました講座については、専門実践の指定講座として適切なものとなっているのかということについて、訓練の実績とか、効果についてもしっかり見ていきたいと考えております。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。このような形で定義していただいて、分かりやすさという観点からも非常に有効なのではないかと思っています。内容について異論はなく、適切な運用をお願いします。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。ほかに御質問等ありませんでしょうか。
 特にないようであれば、この案件はこれまでとさせていただき、議題(2)の雇用保険法第六十条の二第一項に規定する厚生労働大臣が指定する教育訓練の指定基準の一部を改正する件案要綱について(諮問)は、本分科会として「概ね妥当」と認める旨を労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思います。御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
                  (異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文(案)の共有をお願いいたします。
                 (報告文(案)の配布とともにZoomにおいて画面共有) 
○武石分科会長 今、共有いただいておりますが、共有された報告文(案)により、労働政策審議会会長あてに報告することとしてよろしいでしょうか。
                  (異議なし)
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただくこととし、この議題については、ここまでといたします。
 次に、議題(3)技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について(報告)です。内容について、海外人材育成担当参事官より資料の御説明をお願いいたします。
○堀海外人材育成担当参事官 海外人材育成担当参事官の堀です。資料の3-1、資料3-2を御覧ください。12月の、この分科会で御報告をさせていただきました昨年11月末に取りまとめられました有識者会議の最終報告書を踏まえた、技能実習制度及び特定技能制度の見直しに関する政府の対応方針について、最終報告書からの変更点を中心に御説明させていただきます。
 この対応方針については、2月9日に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において決定されたものです。大きな方向性としては、一番上の枠にありますとおり、共生社会の実現を目指し、日本が魅力ある働き先として選ばれる国になるという観点に立って、地方や中小零細企業における人材確保にも留意しつつ、検討を進めることとされています。
 まず、1の総論についてです。現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、人手不足分野における人材確保と人材育成を目的とする育成就労制度を創設することとしています。
 次に、2の(1)受入れ対象分野については、育成者就労制度については特定技能制度への移行に向けた人材育成を目指すものであることから、その受入れ対象分野は、特定技能制度の特定産業分野に限定して設定するものとしています。この点、最終報告書の記載に加えまして、政府方針においては、特定産業分野が設定されているものについては原則として受入れ対象分野として認める方向で検討する。それ以外の職種についても、現在、技能実習が行われている職種のうち、対応する特定産業分野がないものについては、現行制度が果たしてきた人材確保の機能の実態も確認した上で、特定産業分野への追加を検討することとしています。
 また、対象分野ごとに受入れ見込み数を設定し、受入れ上限数として運用するとともに、これらの設定に当たりましては有識者・労使団体等で構成する新たな会議体の意見を踏まえて政府が判断することとしています。
 続きまして、3の外国人の人材育成について、育成就労制度においては基本的に3年間の就労を通じて特定技能1号の技能水準の人材を育成することとしています。したがいまして、3の(2)人材育成の評価方法については、①就労開始前、②特定技能1号移行時、③特定技能2号移行時のそれぞれについて、日本語能力の試験や技能検定、特定技能評価試験への合格を求めることとしています。なお、②の特定技能1号移行時の日本語能力の試験について、最終報告書では相当講習の受講でも「可」とされていましたが、政府方針においては、しっかり日本語を学んでいただく必要があるという観点から、「日本語能力A2相当以上」の試験の合格を求めることとしています。
 続きまして、4の外国人の人権保護・労働者としての権利性の向上について、まず、「やむを得ない事情がある場合」の転籍については、その範囲を拡大・明確化するとともに、手続を柔軟化し、また、一定の要件の下で本人の意向による転籍も認めることとしています。その一定の要件としては、計画的な人材育成の観点から、3年間一つの受入れ機関での就労が効果的であり望ましいものの、同一機関における一定の期間の就労、技能検定基礎級及び一定水準以上の日本語試験の合格、また転籍先が適切であることといった要件を満たした場合としています。
 特に、この一定の期間の就労の要件については、最終報告書では、当分の間、分野によって1年を超える期間の設定を認めるなど、必要な経過措置を設けることを検討するとされていましたが、政府方針においては(注1)にありますように、当分の間、各分野の業務内容等を踏まえ、分野ごとに1年~2年の範囲内で設定する。また、人材育成の観点を踏まえた上で1年とすることを目指しつつも、1年を超える期間を設定する場合、1年経過後は、昇給その他の待遇の向上等を図るための仕組みを検討することとしています。
また、転籍ブローカー等の排除を担保するため、転籍の仲介状況等に係る情報を把握できる仕組みを設けるとともに、不法就労助長罪の法定刑を引き上げ、適切な取締りを行うこととし、また、転籍支援については、監理支援機関が中心となって行うこととしつつ、ハローワーク、外国人育成就労機構が連携して行うこととし、当分の間、民間の職業紹介事業者の関与は認めないといったことが、最終報告書から追加されている部分です。
 次に、5の関係機関の在り方についてです。監理団体を監理支援機関とし、その独立性・中立性を確保するため、外部監査人の設置を義務化することとしています。また、悪質な送出機関を排除するため、原則として「二国間取決め」(MOC)を作成した国からのみ受け入れることとしています。これらの点も最終報告書から追加になった点です。
 また、外国人技能実習機構については、外国人育成就労機構に改組し、特定技能外国人への相談援助業務も行わせるとともに、機能強化を図ることとしています。
 最後に、6の「その他」のうち、最後の○ですが、永住許可制度の適正化です。育成就労制度を通じて、永住につながる特定技能制度による外国人の受入れ数が増加することも予想されることから、永住許可制度の適正化を行うこととしています。例えば、故意に税金や社会保険料を支払わないといったような方については、永住資格の取消し事由として追加するといった一定の措置を講ずることとされています。
 以上が、政府方針の主な内容となりますが、厚生労働省としては、この政府方針を踏まえまして、入管庁など関係省庁とも連携し、早期の法制化を検討しているところです。今後も、この当分科会において、御報告させていただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいま御説明に対する御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。増田委員、小林委員という順番で、お願いいたします。まず、増田委員、お願いいたします。
○増田委員 私は川口商工会議所に所属していますTOMOE株式会社の増田と申します。外国人技能実習生は、川口の中小、特に小規模事業者にとっては非常に重要なテーマです。日本商工会議所からも有識者会議に委員を派遣しており、川口商工会議所の意見を相当入れていただいていると思います。
 その中で、3番の(2)人材育成の評価方法の中の②に、「育成就労制度から特定技能1号への移行時には、技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験及び日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)の合格を要件とし、受入れ機関が外国人に当該試験を受験させる。」とありますが、これは小規模事業者にとっては大変な苦労になるものです。(3)には受入れ機関が支援に積極的に取り組んでいただくと書かれています。是非とも、費用面も含め、日本語の能力アップに向けての御支援を頂きたいということを申し入れたいと思います。よろしくお願いします。
○武石分科会長 ありがとうございます。まとめて御意見を聞いてからでよろしいですか。次に、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。小林です。この新たな育成就労制度、一つの、大きなポイントとしては大きな4の(2)にあるように、本人の意向による転籍というところがあろうかというふうに思います。この有識者会議の中でも、かなりの議論がされたというふうに聞いています。いわゆる引き抜きの所については、初期費用の補填など、防止に向けた一定の対策も既に方向として盛り込んでいただいているところと認識をしています。
 一方で、直接的な引き抜きとは違うのですが、結果として同じようになってしまうというふうに私が懸念しているのは、残念ながら賃金水準は地域によって格差がありますので、いわゆる比較的賃金の高い大都市圏を中心とした、そういう所に本人たちが移転してしまう、転籍してしまうと。こういうふうになると、非常に小さな企業等々は、人を多く雇うことがなかなか難しい所にとっては、大切に育成した外国人がいなくなってしまうということにもつながってしまいますので、引き抜きとともに、このような地域間で人が流れてしまうといったところにも、しっかり注意を払って進めていただきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは滝澤委員、冨髙委員の順番でお願いしたいと思います。滝澤委員、お願いします。
○滝澤委員 御指名ありがとうございます。また、政府方針の御説明もありがとうございました。前回の分科会でも、この件については質問をさせていただきましたが、本日は質問事項2点をお伺いしたいと思います。
 御説明は、あくまでも政府方針を受けての法改正が今国会に提出されるというような報道がなされているところですが、現時点で想定される限りで結構なのですが、この後、順調に国会審議等が進んだ場合に、施行がいつ頃になるのか、想定の範囲で結構ですので教えていただきたいというのが1点です。
 もう1点、御説明の中でありました資料の2の(1)受入れ対象分野についてです。今回の新たな育成就労については、特定産業分野に限定しているということで、特定技能に認められている分野に限って実習生を受け入れるということと理解していますが、現在、この特定技能に加わっていない産業分野をどのように追加、今後、検討していくのかということに対して、有識者、労使団体等で構成する新たな会議体の意見を踏まえての政府の判断ということになっています。ここのところを、より具体的な御説明を頂ければ、お願いしたいと思います。以上、2点です。
○武石分科会長 ありがとうございます。後ほど、御質問に対して事務局からまとめて御説明いただきたいと思います。では、冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。私は、この有識者会議に参画しており、御説明いただいた政府方針は、有識者会議の最終報告書と比較すると、監理団体などの要件の厳格化など強化される部分は維持されていると思いますが、一方で、受入れ対象分野については、特に(1)の2つ目の○の部分は、新たに付け加わえられており、ここについてはかなり大幅に変更されたという印象を受けています。
 また、足下では、その分野追加が厳格化される新制度移行前の段階で、特定技能への分野追加を進めようという動きもありますので、こうした状況で、本当に新制度が適正化できるのかについては、非常に懸念しているところです。今回の見直しの根幹は、当然のことながら外国人労働者の権利保護からスタートしていますし、その点で厚生労働省が担う役割はとても大きい考えています。新しい制度が外国人労働者の権利を守る、また安心して働ける制度となるように、しっかり御対応いただきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。石原委員、どうぞ。
○石原委員 ありがとうございます。やはり技能実習制度から発展しての育成就労制度で、やはりすごく2つの矛盾するものを抱えているところが難易度が高いと思います。1つは外国人労働者の人権の保護、権利の保護というところについてですが、一方で今回、明確にうたうというふうに言っていらっしゃるとおり、特に地方は中小零細企業における人材確保、労働力の確保というところもきちんと視野に入れるのだといった瞬間に、矛盾することが様々出てくるのではないかと思っています。すごく気になっているのは、例えば4番の(2)の(注1)や(注2)の所ですが、日本語能力がある程度高くなっていなければ、本人の意向による転籍はできませんよと言うときに、それは例えば受入れ元の、受入れ先である企業側が、そういうことに関してどれくらい協力してくださるのか。例えばこれを邪魔するということも本来であれば可能だと思うのですが、その辺りの何か矛盾する、自分の所から労働者が出ていってほしくないという企業側のニーズと、彼らの権利をきちんと認めようと、人権をきちんと保護していこうという動きのところに、コンフリクトがどうしても生じると思いますが、それがどのように解消されるのか、今一つよく分からないなと思っています。どんな打ち手があるのかなという辺りを、もう少し具体的に聞ければと思いました。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。では、一旦、ここで、いろいろな御意見や御質問がありましたので、堀参事官、お願いいたします。
○堀海外人材育成担当参事官 御質問ありがとうございました。まず増田委員から日本語能力の向上について御意見を頂きました。受入れ機関において、しっかり取り組んでいただきたいというところではありますが、3の(3)にありますように、日本語能力の向上方策として、先般の国会で、日本語教育機関の認定等に関する法律の仕組みもできていますので、そういったところがしっかりできていけば、育成就労制度における日本語能力の向上に向けた講習なども充実させていくということができるかと思っています。これについては、入管庁や文部科学省とも連携して、日本語学習の支援を進めていきたいと思っています。
 また、小林委員から、転籍について地方への配慮ということもご指摘いただきました。この最終報告書が出た後にも、様々な御意見、地方から都会へ人材が流出するのではないかといった御意見もあったところです。それも踏まえまして、この本人意向の転籍については、ア、イ、ウと、一定の期間の就労、日本語能力や技能検定基礎級に受かっていることに加えて、ウとして転籍先が適切であると認められることという要件を満たすということが設定されています。これは、転籍先が転籍者ばかりを受け入れるということではなく、しっかり育成についても取り組んでいらっしゃる所ということで、その適正性も見定めた上で、受け入れていただくということを要件として課したいと思っているところです。
 また、滝澤委員から、施行日についての御質問を頂きました。これは今、正に法案の作成中であり、施行に当たりましては、この政府方針におきましても移行期間を十分に確保し、しっかり周知を行っていくことが必要であるというようなことを御指摘いただいていますので、それを踏まえて、施行日についても検討していきたいと思っています。
 それから滝澤委員から、受入れ分野について、特定技能に入っていない分野についても検討するということを御指摘を頂いています。お話がありましたとおり、その設定の在り方については、有識者・労使団体等で構成する新たな会議体の意見も踏まえて政府が判断することとされていますので、そういった御意見もしっかりと踏まえながら検討していくことになると思っています。
 また冨髙委員から、この点に関して、2の(1)の2番目の○の所が追加されていることについて御指摘を頂きました。これについて、今、技能実習を行っていらっしゃる業界の方々から、特定技能に入っていないと移行できないのかというような御意見等もあったところです。方向性としては、ここに書いてあるとおり、特定産業分野があるものについては原則、受入れ対象分野として認める方向で検討し、技能実習を行っている職種のうち特定産業分野がないものついては、その実態を確認した上で追加を検討するということが記載されているところですが、いずれにしましても、この設定については新たな会議体の御意見も踏まえて、しっかり判断していくということが方向性として示されているところです。
 それから冨髙委員から、この権利性の向上が今回の重要な視点ではないかということは正におっしゃるとおりです。4番の転籍の所が御議論になったわけですが、この労働者の権利性をしっかり確保しながら、一方で、人材確保の機能も果たしていくということが重要だと思っているところです。
 石原委員からも、そういった観点から御質問を頂きました。人材確保と人材育成の両立を図っていくということで、受入れ機関においても、例えば日本語学習の点についても、試験をあえて受けさせないなどといった所にはペナルティ、あるいは受けさせることについてのインセンティブなど、そういったことも考えて、その両立をしっかり図っていくという観点から、制度設計をしっかり検討していきたいと思っています。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。御質問、御意見を頂いた委員の皆様、よろしいでしょうか。何か追加等はよろしいですか。それ以外に御意見、御質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。特にないでしょうか、大丈夫ですか。
 ありがとうございます。それでは、特に御意見等、追加がないようであれば、この案件はここまでとさせていただきます。
 次に議題(4)青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針の改正について(報告)として事務局から御報告していただきます。内容について、若年者・キャリア形成支援担当参事官より、資料の御説明をお願いいたします。
○谷口若年者・キャリア形成支援担当参事官 担当参事官の谷口でございます。議題(4)につきまして御報告いたします。こちらは本年1月30日に、告示の改正を行いましたので、その御報告です。改正の概要につきまして、資料4の1ページを御覧ください。
 「青少年の雇用の促進等に関する法律」、いわゆる若者法に基づく「事業主等指針」におきましては、青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主などが講ずべき措置について規定しておりますが、今回の改正は労働基準法施行規則及び職業安定法施行規則における改正を反映するものとなっております。
 (1)労働基準法施行規則の改正に伴う改正についてです。労働基準法に基づき労働契約の締結時に明示すべきとされている労働条件につきましては、労働基準法施行規則において定められておりますところ、労働契約を更新する場合の基準に関する事項に、通算契約期間又は更新回数に上限がある場合は当該上限を含むこととすること、また、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項に、その変更の範囲を含むこととするという改正が行われました。加えて、有期労働契約の契約期間内に労働者が期間の定めのない労働契約の締結の申込み、いわゆる「無期転換申込み」を行うことができる場合に、当該有期労働契約を締結する際に明示しなければならない事項についても新たに規定されました。これらの内容について、青少年と労働契約を締結するに当たっても遵守されますよう、若者法に基づく「事業主等指針」においても、改正内容を反映することといたしました。
 続きまして、資料の2ページを御覧ください。先ほど御説明しました労働基準法施行規則の改正を受けまして、職業安定法施行規則についても改正が行われております。職業安定法上、労働者の募集等を行う場合に労働条件の明示を行うことが義務付けられております。その上で、特に書面の交付等により明示しなければならない事項が、職業安定法施行規則で規定されておりますところ、労働基準法施行規則の改正により追加になった事項についても書面の交付等により明示することするという改正が行われております。こちらも同様に、青少年の募集等に当たりましても、この労働条件明示の規定が遵守されますよう、若者法に基づく「事業主等指針」においても、この改正内容を反映することといたしました。適用期日については、これらの労働基準法施行規則、職業安定法施行規則の改正について、令和6年4月1日施行となっておりますので、今回の「事業主等指針」の改正についても、同日からの適用としております。御報告は以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。松浦委員、お願いいたします。
○松浦委員 ありがとうございます。先ほどの御報告の内容につきましては、労働条件分科会で確認されました職業安定法施行規則の改正内容と同じですので異存はございません。有期契約労働者の方々に無期転換申込権が発生する契約更新時に、労働条件明示がしっかりと行われることで、今よりも無期転換を選択しやすくなると受け止めています。
 一方で、無期転換ルールそのものを御存じない、正しく理解されていない事業者や労働者の方も未だにいらっしゃいますので、今回の改正内容と併せて、雇用の安定を図るという無期転換ルールの趣旨や内容の理解が促進されるよう、事業者等に対して、是非、分かりやすい周知をお願いしたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。御要望として承りたいと思います。ほかにいかがでしょうか。石﨑委員、お願いいたします。
○石﨑委員 ありがとうございます。私も今回の御提案内容につきましては全く異存はございませんけれども、先ほど頂いた御発言の趣旨と重なる部分がございますが、今回の明示の対象となるのは、特に青少年ということが想定されておりますので、その明示の際にも労働条件がきちんと分かりやすく伝わるような配慮をお願いしたいというところで、その辺りの行政側の御指導のほうをお願いしたいと思っている次第でございます。私からは以上になります。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。お二人の委員から、同様の御要望がありましたが、事務局から何かございますでしょうか。
○谷口若年者・キャリア形成支援担当参事官 御意見ありがとうございます。今回の改正につきましては、労働基準法施行規則の改正、また職業安定法施行規則の改正に伴う改正で、同日に施行されます。様々な労働関係法令の改正が4月1日に施行されるということで、それぞれきちんと事業者の皆様や労働者の皆様に周知されるように努めていきたいと考えております。以上です。
○武石分科会長 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。ほかに、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、特にないようであれば、この案件については以上とさせていただきます。
 次に、議題(5)令和6年度予算案の概要等についてです。内容について、人材開発総務担当参事官より、資料の御説明をお願いいたします。
○宇野人材開発総務担当参事官 私から、議題(5)の令和6年度予算案の概要と、併せて参考資料について御説明申し上げます。まず、資料5「令和6年度予算案の概要」を御覧ください。令和6年度予算については、昨年10月12日に開催した第42回分科会において、概算要求の概要を説明いたしました。その後、昨年12月に令和6年度予算案として取りまとめられ、本年1月に国会に提出し、現在は衆議院で審議中となっているところです。
 人材開発統括官部門の予算については、1ページを御覧ください。一番下の段ですが、総額で2,373億2,135万1,000円となっており、昨年度より約60.4億円増、率でいうと2.6%増となっております。会計別に見ますと、一般会計は概算要求時点の政府全体のルールにより、裁量的経費の削減額の3倍まで要求できることから、概算要求時129億2,976万7,000円で要求しておりましたが、査定により約7.2億円減少し、122億1,413万5,000円、前年比は2%減となっております。また、労働保険特別会計は、雇用勘定の増により、2,251億721万6,000円、前年比は2.9%増となっております。
 2ページは、当局の重点事項を掲載しております。昨年度御説明した概算要求から大きく変更した点を2点、御説明申し上げます。まず左側のリ・スキリングによる能力向上支援の上から5つ目、「生成AIを含むデジタル人材育成のための「実践の場」を開拓するモデル事業の実施」についてです。概算要求時の資料では、1つ上のデジタル推進人材の育成とまとめて、1つの柱となっておりましたが、令和5年度補正予算で、この実践の場を開拓するモデル事業を前倒し要求したところですので、項目を独立させて掲載しております。
 もう1点は、右側の下の「技能者人材の育成・技能振興の支援」です。上から2つ目の「各種技能競技大会等の推進」という項目を新たに追加しております。概要については、18ページを御覧ください。ここにありますとおり、特に下の段の技能五輪国際競技大会は、2年に1回開催されるようで、本年9月に第47回大会がフランスのリヨンで開かれることとなっております。これについて、4年後の第49回大会について、日本の愛知県に招致すべく、昨年11月に立候補を表明したところです。このため、各種技能競技大会等の推進という予算項目については、招致経費や技能五輪国際大会出場選手等に対する強化訓練等の実施などにより、前年度より5億円増の予算となっております。なお、第49回大会の招致は、本年9月にフランスリヨン大会と併せて開催されます主催団体の総会で決定される予定です。以上、令和6年度予算の説明でした。
 続いて、参考資料2と3について説明させていただきます。まず、参考資料2を御覧ください。「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」については、本分科会において、令和3年10月の第29回分科会から令和4年6月の第37回分科会にかけて、労使各側による真摯な御議論により取りまとめられたものです。その際、公的支援策について、厚生労働省だけではなく関係府省の施策も併せて一覧性のある形で示すよう御意見があったことから、別冊として取りまとめたところです。今般、令和6年度予算案に合わせて別冊の内容を改定いたしましたので、今回配布させていただきました。この改定版については、今後ホームページ等で掲載する予定となっております。
 最後に、参考資料3を御覧ください。人材開発分科会における年度目標に係る第3四半期、12月までの実績をお示しております。私からの説明は以上です。
○武石分科会長 予算の概要と、併せて参考資料についても御説明を頂きました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。岡野委員、田村委員の順番でお願いします。岡野委員、お願いします。
○岡野委員 岡野です。人材開発分科会の掌握する人材育成に資する取組においては、労働者が安心して働き、持てる能力を発揮するために、雇用形態や働き方に関わることなく幅広く実施されることが重要であると認識しています。本日の共有は変化点のポイントのみとなりましたが、人への投資の重要性は更に増している中で、非正規雇用で働く皆様や、中小企業への支援など含めて、引き続き各種取組を、より良い方に進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございます。では、田村委員、お願いいたします。
○田村委員 参考資料3の人材開発分科会における年度目標における実績を御紹介いただきました。報告いただいた実績においては、ジョブ・カードの作成者数、公共職業訓練の委託訓練の就職率、あるいは求職者訓練の実践コースの就職率が目標未達の可能性があるのではないかと思います。その性格上、年度後半に改善していくような数字もあると理解していますが、年度目標の達成に向けて、より一層の取組をお願いしたいということを申し上げます。私からは以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問はありますか。滝澤委員、お願いいたします。
○滝澤委員 御指名ありがとうございます。滝澤です。令和6年度予算案の説明の中で、2028年の技能五輪国際大会の招致活動が行われているという御説明がありました。この技能五輪国際大会は、日本のものづくりの発展のため、ものづくりに力を入れている企業やその従業員の方々のモチベーションが上がるように、是非とも招致を成功させていただきたいとお願い申し上げます。
 御説明では、本年9月のリヨンにおける第47回大会において開催地が決定されるということですので、それ以降、また、もし招致に成功した暁には、開催に向けた準備等が行われることになろうかと思いますが、逐次また、情報提供いただければ幸いです。以上です。
○武石分科会長 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 参考資料3について、先ほど御指摘もありましたが、目標の達成が難しい幾つかの項目があると理解をしております。もう残り1か月ですので、来年度に向けた検討も必要なのかと思っております。また、こういった情報の共有は大変参考になって有り難いと考えております。
○武石分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。少し御意見が多かったと思いますが、事務局から御説明をお願いいたします。
○宇野人材開発総務担当参事官 最初に岡野委員から重要な御指摘を頂き、ありがとうございました。今回、説明は十分にできておりませんでしたが、今回の概算要求ないし予算案の内容においても、中小企業に対する人材育成の支援策もそうですし、正規、非正規、特に非正規に対する人材育成は、これは釈迦に説法ですがデータ面から見ても、非正規に対する人材育成が正規に対して割合が低いというデータも我々の調査でありますので、そういった中で何か新しい取組はできないかということで、試行事業も今回進めているところです。
 また、この分科会の御議論を踏まえ、より効果的な人材育成支援策については真摯に進めていきたいと思っておりますので、御指導をよろしくお願いいたします。
 また、田村委員と平田委員から、参考資料3の年度目標の進捗状況について御指摘いただき、ありがとうございました。この年度目標については、今年度からこういう形でお示しし、かつ昨年12月に開いた中間目標の時点で、未達の可能性があるものについてテコ入れをするという形で御説明させていただきました。それは、現に我々も進めているところですので、残り1か月ですが、目標の達成に向けて引き続き進めていきたいと思っております。先ほど、平田委員がおっしゃいましたとおり、もし目標が達成しなかった場合に、何でそうなのかという振り返りの部分も検討しながら、実際には6月の分科会で新しい年度目標を設定することになりますので、そのときに各担当部局で説明できるように進めていきたいと思っております。
 滝澤委員の御意見については、担当の参事官から説明いたします。
○安達能力評価担当参事官 能力評価担当参事官の安達です。技能五輪に関するお尋ねについて、お答えいたします。発言があったとおりですが、昨年11月に技能五輪の2028年大会の招致を表明するということで、現在、有識者の皆様にも御参画いただいた上で、開催計画のあり方、また本年9月の決定に向けて招致のあり方を含めて御議論いただいているところです。大変力強い御支援のお言葉を頂いたと思っておりますので、招致活動を含め、しっかりと検討、実施をしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○武石分科会長 御説明ありがとうございました。御意見等いただいた皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに、この件に関して御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。それでは、特にないようであれば、この案件については、これまでといたします。
 議題については以上となりますが、全体を通して委員の皆様から何かありますか。石原委員、どうぞ。
○石原委員 すみません、質問なのですが、先ほどの2枚の諮問に対する回答というのでしょうか。その中で、「妥当と認める」と「おおむね妥当と認める」という文言の差とは何なのかということの説明を頂いても大丈夫でしょうか。
○宇野人材開発総務担当参事官 「妥当」と「おおむね妥当」は、やはり「おおむね」という言葉が入っており、公益もそうですが、特に労使の御意見の中で、妥当だというところもあれば、御意見とか、いろいろと確認したい点もあり、そのような条件付きというものを含めて、全体としては進めていいですよというようなところの違いのニュアンスが、この2つには含まれているということです。
○石原委員 そのように書いてある場合、例えば「概ね妥当と認める」と書いた案件に関しては、更なる議論が必ず行われるというような仕組みになっているのかという意味では、いかがですか。
○武石分科会長 事務局、お願いいたします。
○宇野人材開発総務担当参事官 「妥当」にしても、「概ね妥当」にしても、それは当然、我々としては政策を推進するに当たっては説明責任が一定程度付随してきます。かつ、妥当だというものだとしても、当然やっていく中で見直しの必要性のあるものは見直しをきちんと、また分科会で御報告しますし、その上でまた必要な対策を取っていくことになります。
 ただ、そのときの公労使、取り分け労使の御意見を反映させる形で今回、正に分科会の御趣旨をお示しいただいたのかということで、今回はこのような表現になっていることを御理解いただければと思います。
○武石分科会長 石原委員、よろしいですか。
○石原委員 ありがとうございました。
○武石分科会長 ほかにいかがでしょうか。増田委員、お願いいたします。
○増田委員 今、予算の中にもありましたように、多様な人材に対する支援の中で、外国人の技能実習生や、障害者に対する多様なニーズとあります。昨今、外国人技能実習生にもあり得るメンタルの弱い方々、パニック症や躁うつ病といった方々のケアのために、メンタルヘルス対策を導入している企業は、大企業では多くみられますが、中小企業では導入はなかなか進んでいない状況です。発症する前・してしまった後に活用できる支援策は現状で何かあるのでしょうか。
○武石分科会長 ありがとうございます。事務局、お願いします。
○宇野人材開発総務担当参事官 総務担当参事官です。今お尋ねの件は、労働政策全体の中では比較的、今実際に労働者として働いていらっしゃる方々の健康や、安全衛生を含めての支援の部分での施策は、労働基準局でいうと安全衛生部になります。
 また、実際に、今はメンタルの部分を例に出されましたが、そういうことについての支援としては、例えば休職された場合に、その方々が復帰される際に、それを支援するリワーク支援のようなものは障害者雇用対策課の中でやっておりますし、様々な労働政策の中で取り組んでいるところです。
 我々、この分科会の所掌の中でも、必要な取組については、今日の御意見を踏まえて何ができるかということは検討していきたいと思いますし、それぞれの持ち場持ち場というか、所掌の中での施策等と連携して、働く方々が健康で活躍できるような社会、活躍できるような職場としていくために努力してまいりたいと思っております。
○武石分科会長 御説明いただきましたが、増田委員、よろしいですか。
○増田委員 はい。
○武石分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ほかにないようであれば、本日の議論は以上となります。
 次回の開催日程については、決まり次第、事務局から御連絡をしていただきます。以上をもちまして、第45回労働政策審議会人材開発分科会を終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。