第50回患者申出療養評価会議 議事録

日時

令和6年5月23日(木)16:00~18:00

場所

オンライン開催

出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 磯部構成員 井上構成員 上村(尚)構成員 上村(夕)構成員 新谷構成員
田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員
渡辺構成員


【事務局】
医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 研究開発政策課長 治験推進室長
研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他

議題

  1. 1 患者申出療養の試験実施計画の変更について
     (患-1)
     (患-2)

    2 患者申出療養の追加実施医療機関について
     (患-3)

    3 重大な不適合の報告と対応について
     (患-4)

    4 その他

議事

 
16:00開会

 ○福井座長
 定刻になりましたので、ただいまより第50回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の皆様の出欠状況ですが、本日は、18名全員が出席されております。ありがとうございます。
 次に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
 お世話になっております。事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 それでは資料の確認となります。患-1、患-2それぞれ実施計画の変更でございますが、縦置きの資料となっているところでございます。患-3、こちらは横置きの資料、一枚紙のものとなってございまして、患-4は縦置きの資料と、それに別紙1がついているものとなってございます。
 資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 今回の患者申出療養評価会議におきましては、対面とオンラインを組み合わせて開催させていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。
 申請書類等については送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は会議資料のページまたはタブレット資料のページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
資料はいつも大部で恐縮ですけれども、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。次に今回検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から報告をお願いします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 松井構成員より、「患-1」について報告がございました。松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。出席されている先生方におかれましては、このほか利益相反はないということでよろしいでしょうか。
○寺田構成員
京大の寺田です。
 患の2番目の議題について追加の実施機関に京都大学が含まれていますので、審議について辞退させていただきたいと思っております。
○福井座長
 よろしくお願いします。そのほか、よろしいでしょうか。
 山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 患-3のところにがん研有明病院が追加医療施設になっていますので、審議は辞退したいと思います。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 患-3につきましては報告事項となりますので、大丈夫でございます。
○山口構成員
 失礼しました。
○福井座長
 ありがとうございます。そのほかはよろしいですか。
 井上構成員、どうぞ。
○井上構成員
 寺田先生と同じで、患-2について、京都大学が関わりますので、私のほうも審査を辞退させていただきます。よろしくお願いします。
○福井座長
 ありがとうございます。そのほかよろしいでしょうか。
 利益相反のあるテーマにつきましては、検討結果の取りまとめには加わらないということでよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。それでは次が、事務局から試験実施計画の変更についての資料が提出されております。これは患-1になりますでしょうか。よろしくお願いします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは患-1、患者申出療養の試験実施計画の変更について、資料をもとに御説明差し上げます。患-1を御覧いただければと思います。
 申請医療機関は国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院となります。
 患者申出療養の名称につきましては、小児・AYAがんに対する遺伝子パネル検査結果等に基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養となります。
 適応症、試験の概要、実施期間、予定症例数についてはお示ししているとおりでございます。
 2ページ目にいっていただきまして、現在の登録状況、2024年4月30日現在ですけれども、合計の症例数は4例となってございます。
 変更の内容でございます。①クリゾチニブ(ファイザー株式会社)の医薬品追加、②事務局の体制変更とその他記載整備となってございます。
 変更申請する理由につきましては、①につきましては企業から医薬品を無償提供いただけることとなったため、②が事務局の体制に変更が生じたためとなってございます。
 また、これまでに医薬品コホートとしては7種類が登録されてございまして、今回のクリゾチニブと合わせて8種類の医薬品コホートとなるということとなってございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。本患者申出療養の実施計画の変更について判断が必要でございますが、何か御質問、御意見ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。恐れ入りますけれども、松井構成員におかれましては、申請医療機関、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院の御所属になりますので、御退出をお願いすることになります。よろしくお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
告示番号5の技術について実施計画の変更を認めることとしたいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
 それでは、そのようにさせていただきます。松井構成員にはお戻りいただきます。
(松井構成員 着席)
○福井座長
 ありがとうございます。それでは、事務局より患-2の資料の説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 続きまして、患者申出療養の試験実施計画の変更についてにつきまして、患-2の資料をもとに御説明差し上げます。
 申請医療機関は北海道大学病院、患者申出療養の名称としましてはダブラフェニブ経口投与及びトラメチニブ経口投与の併用療法となってございます。
 適応症、試験の概要、実施期間、予定症例数はお示ししているとおりでございます。
 現在の登録状況としましては、2024年5月現在でございますが、標的病変ある患者が6例、標的病変ない患者が2例、合計8例となってございます。
 2ページ目にいっていただきまして、変更内容でございます。今後追加予定の医療機関として、京都大学医学部附属病院及び国立がん研究センター中央病院を追加するという内容となってございまして、変更申請する理由でございますが、研究開始当初から検討していたように、北大病院に通院・入院する負担を軽減し、研究参加者を登録促進のためとなってございます。
 なお、追加された実施医療機関において、本療養を希望する患者から申出があった場合には、別途、患者申出療養制度としての協力医療機関の追加手続が必要となるとなってございます。
 御説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。本件につきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。
 京都大学医学部附属病院と国立がん研究センター中央病院を追加したいということで、あまり問題ないように思います。もし御質問等ないようでしたら、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
 恐れ入りますけれども、先ほどお申出のございました井上構成員、寺田構成員及び松井構成員におかれましては、御退出をお願いいたします。
(井上構成員・寺田構成員・松井構成員 退席)
○福井座長
 それでは、この告示番号10の技術について実施計画の変更を認めることとしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにさせていただきます。井上構成員、寺田構成員及び松井構成員にお戻りいただきたいと思います。
(井上構成員・寺田構成員・松井構成員 着席)
○福井座長
 それでは、議題の2、患者申出療養の追加実施医療機関について、患-3について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 患-3に基づきまして、患者申出療養の追加実施医療機関について御説明させていただきます。こちら、御報告事項となります。
 告示番号5番、マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療の技術でございますが、こちら、先月の会議の中で実施計画について御承認をいただいているものでございます。既に患者申出療養として前例のある医療として、まだ実施医療機関と認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院において審査がなされました。
 その結果、今回、公益財団法人がん研究会有明病院が新たに追加実施医療機関として認められましたので、その御報告となるものでございます。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。これは御報告ということですので。ありがとうございます。
 それでは、議題3、重大な不適合の報告と対応について、患-4でございます。前回いろいろ御議論いただいたケースでございます。まず、提出されております資料について説明を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 患-4の資料に沿って御説明差し上げたいと思います。
 まず、1.経緯でございますけれども、患者申出療養「インフィグラチニブ経口投与療法」(告示番号3、臨床研究中核病院:名古屋大学医学部附属病院)に係る重大な不適合につきまして、令和6年4月25日の第49回患者申出療養評価会議(以後、当会議)、前回の会議になりますが、において、別紙1を提示して、当会議としての対応について議論を行ったところでございます。
 少し前回の会議の内容も御紹介したいと思いますので、別紙のほうを御覧いただければと思いますが、名古屋大学医学部附属病院から保険局医療課に対しては、令和6年3月19日に御報告があったというところになります。
 内容でございますが、研究計画書の患者要件について、医療機関から患者へ説明がなされ、患者より理解及び遵守しているとの報告があり、同意が取得され、臨床研究が開始されていた。
 令和6年3月13日に、研究計画書が定める要件を、患者が遵守していなかったことについて実施医療機関が把握、同年3月19日に、名古屋大学臨床研究倫理審査委員会に対して報告がなされた。
 遵守されていなかった事項については、臨床研究におけるデータ収集項目に含まれていなかったことから、医療機関として把握できていなかった。
 また、本研究は既に新規患者登録及び治療薬の投与を終了し、総括報告書をまとめている段階にある。
 不適合の判断でございますけれども、研究計画書の要件を満たしておらず、プロトコルの不遵守として重大な不適合と判断されるものです。
 また、名古屋大学医学部附属病院としての対応としましては、再発防止策として、患者情報の収集の徹底、患者・家族への教育の徹底等となります。
 さらに、当該患者は患者申出療養「ペミガチニブ経口投与療法」の対象であるが、「当該試験の参加基準を満たしていないことが判明した場合には、臨床試験を中止する」旨を実施計画等に規定する変更を行うとともに、患者より再同意を取得することを予定している。
 当会議としての対応としては、上記を踏まえ、3に示した名古屋大学医学部附属病院の対応の徹底を求めるというようなところについて御議論いただいたところでございました。
 患-4のほうに戻らせていただきまして、こういった御議論いただいたところでございますが、前回会議におきまして名古屋大学医学部附属病院に対して事実関係のさらなる精査、名古屋大学臨床研究審査委員会における審議を求めることとし、これらの結果を踏まえて、改めて当会議で議論を行うこととされていたところでございます。
 このたび、名古屋大学医学部附属病院より上記に係る報告がなされたところでございます。本件に係る当会議の対応について改めて御議論いただきたいというものになります。
 2.名古屋大学医学部附属病院からの報告内容の概要となってございます。
 医療機関から患者に対しては、要件を逸脱することの具体的リスクについて説明がなされ、患者側も当該リスクを把握した上で同意がなされていたということでございます。
 2ポツ目でございますが、上記の事実関係を踏まえ、名古屋大学臨床研究審査委員会において審議がなされ、再発防止策を徹底した上で、当該患者に対するペミガチニブ経口投与療法の継続することについて差し支えないとの結論に至ったこと、となってございます。
 名古屋大学医学部附属病院としての再発防止策については、前回会議で提示した内容と同様となってございます。
 3.患者申出療養評価会議としての対応でございますが、上記を踏まえ、2に示した名古屋大学医学部附属病院の対応の徹底を求めることとしてはどうかというところでございます。
 事務局の説明は以上でございます。御議論のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。ただいま御説明がありましたような名古屋大学医学部附属病院からの報告がございました。この案件につきまして、現在、患者さん自身、このトライアルに入っているわけですけれども、そのことの妥当性、それから、今後再発を予防するためにはどうしたらいいのかという2つの大きな観点があるとは思いますけれども、先生方の御意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。
 渡辺先生、どうぞ。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺でございます。
 きっと皆さん意見をおっしゃると思うのですけれども、最初スタートみたいな形で端的に意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1つちょっと確認させていただきたいことは、名古屋大学医学部のほうから報告概要として、患者側も当然リスクを把握した上で同意がなされていたという文書がございます。これに関して、実際にカルテに、説明をちゃんとされたかどうかという議論があったと思うのですけれども、そのようなことを説明して同意したという記載があるかどうかということをちょっと確認させていただければと思います。
 というのが、最初のときはそのような説明が十分なかったと思うのです。患者さんに、例えば後から、医療機関のほうから説明しましたよねと言われたときに、患者さんは、今の状況から言うと、否定できない立場にあるということを考えた場合に、ちゃんとその時点で説明があったかどうか、それで同意を受けたかという記載があるかどうかというのを確認していただけるとありがたいというのが1点ございます。
 2つ目は、再発防止策を取って研究を再開するということに関しては、当該治療を中止した場合の予後を考えると、臨床医の立場としては、やはりこういう選択肢をせざるを得ないかということを感じます。
 ただ、松井構成員が前回御指摘されたことというのは非常に的を射ているところで、その視点の欠如があったということは否めないと思います。非公開の資料、患-4のところに、11/17に臨床研究の中止についてということが記載ありますが、その中には、事前の約束事を守らなかった場合、遵守しなかった場合に臨床試験を中止するという文言が加わっていないことから、そういうことを想定されていなかった中で今回の事案が起きたということになると思うのです。
 やはり松井構成員がおっしゃられたように、患者申出療養という規定をきっちり遵守するということを考えれば、次回以降の患者申出療養の際に、最初にきっちりと決まった規定、基準を遵守しなかった場合は臨床研究を中止するということを明記しておくということが今後必要ではないかと思います。そうすることによって同じような事案を防げるのではないかと思いますが、そのような基準を次回以降に事務局のほうが事前に研究者のほうに伝えていただくことによって、松井構成員が危惧されている点を防止できるのではないかと思います。
 私からは以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。患者側が当該リスクを把握した上で同意されていたという、文書はいろいろ書いてありますけれども、そのところ、事務局から説明をお願いします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 渡辺構成員、まず、御意見、御質問ありがとうございます。御質問の点になりますけれども、事務局のほうで確認させていただいたところでは、文書を用いて説明されていたというところについては把握しているところでございますけれども、カルテには記録があったというところについては確認が取れていないというところになります。
 以上でございます。
○渡辺構成員
 同意を得ることは、ICをするときは文書を見せて説明したというだけでICを取ったことにはならないと思うのです。だから、ちゃんと説明して、患者さんの了解を得たということを文書として記録に残すべきだと思います。同意がなされていたという回答文書に関しては、私はちょっと疑問に感じるところです。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
○医療課長補佐
 すみません。事務局でございます。
 またちょっと座長とも相談させていただければと思いますが、本件、個人情報の観点からいろいろ公表資料では記載していない点もありますので、これからちょっと非公開の議論とするというところについても検討させていただければと思いますが、座長、いかがでしょうか。
○福井座長
 ここから先、個人情報保護の観点から特別な配慮が必要と思われますので、ここから先は非公開で議論ということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
 それでは、お願いします。
○医療課長補佐
 少しお時間をいただければと思います。
(傍聴者退室)
 
患者申出療養評価会議開催要綱に基づき、非公開。
 
(傍聴者入室)
○医療課長補佐
 準備整いましたので、改めてよろしくお願いいたします。
○福井座長
 それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。
 基本的には事務局の提案どおりということになります。名古屋大学の結論、患者さんの治療自体は続けてもらって、今後、このような事例を予防するためにさらに話し合いを続けていただいて、必要な文言をさらに加えていく。
 加えて、五十嵐先生が御提案されましたフォローアップもお願いするという結論にしたいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
 本当にいろいろ御議論ありがとうございました。そのようにさせていただきます。
 本日の議題は、残りは「その他」となりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 患-4につきましては活発な御議論、本当にありがとうございました。事務局からはそのほか特に案件はございません。ありがとうございます。
○福井座長
 構成員の先生方から何か御提案なりございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、次回の開催について説明をお願いします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 次回、日程調整の上、また後日連絡させていただきます。
○福井座長
 それでは、第50回「患者申出療養評価会議」を終了といたします。本日は活発な御議論ありがとうございました。お忙しい中、御出席ありがとうございました。
 以上でございます。
 
 
○非公開部分の議事要旨
 患者申出療養に係る重大な不適合の報告と対応について議論を行った。