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第49回患者申出療養評価会議 議事録
日時
令和6年4月25日(木)16:00~18:00
場所
オンライン開催
出席者
- 構成員等
- 福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 上村(尚)構成員 上村(夕)構成員 新谷構成員 辻構成員 寺田構成員
手良向構成員 直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員 渡辺構成員
- 事務局
- 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 研究開発政策課長 治験推進室長
研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他
議題
- 1 患者申出療養の総括報告書に関する評価について
(患-1)(参考資料1)(参考資料2) - 2 患者申出療養の試験実施計画の変更について
(患-2) - 3 通知等の改正について(報告)
(患-3)(患-4) - 4 重大な不適合の報告と対応について
(患-5) - 5 その他
議事
- 議事内容
- 16:00開会
○福井座長
それでは、4時になりましたので、ただいまより第49回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
最初に、先生方の出欠状況ですが、磯部構成員、井上悠輔構成員、田島構成員が御欠席となっております。その他の構成員は全員御出席です。
本日御欠席の構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
次に、事務局の異動がございました。事務局より紹介をお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
4月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。高江慎一医薬局医療機器審査管理課長でございます。本日不在でございますが、異動の御紹介をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。患-1、参考資料1、参考資料2というものがございまして、患-1、患-2それぞれ縦置きのものがございます。患-2、実施計画の変更でございますが、こちらも縦置きのものがございます。患-3、患-4につきましては通知になりますが、こちらはそれぞれ縦置きのものがございまして、最後に患-5、縦置きの1枚紙がございます。
資料については以上でございます。
資料について不足、誤り等がございましたら、事務局のほうまで御連絡のほどよろしくお願いいたします。
今回の患者申出療養評価会議におきましては、対面とオンラインを組み合わせて開催させていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は会議資料のページまたはタブレット資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
また、頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
○福井座長
資料等についてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、今回検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に関する医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づき、患-2に係る技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価に加わらないこととなります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
出席されている先生方におかれましては、このほか利益相反はないということでよろしいですか。山口先生、どうぞ。
○山口構成員
2番目のほうの研究組織の追加の件ですけれども、これは追加ががん研有明病院になっているので、私も辞退したいと思います。よろしくお願います。
○福井座長
患-2では追加医療機関が確かにがん研有明病院となっております。山口先生から患-2について辞退の申出がございました。当該医療技術等の評価の公平性に著しい疑念を生じさせる可能性があると認められるため、山口先生におかれましては、患-2について、患者申出療養評価会議運営細則第4条第6項の規定に基づき、当該技術に関する検討結果の取りまとめには加わっていただかないこととしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。よろしいですか。
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、本日の議題に入りたいと思います。本日、議題は「その他」を含めまして5つ用意されております。議題1、事務局から「患者申出療養の総括報告書に関する評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
患者申出療養の総括報告書に関する評価についてでございます。こちらにつきましては、今回患者申出療養告示番号旧1番、パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法について総括報告書が提出されましたので、その評価主担当を山口構成員、副担当を手良向構成員にお願いしているところでございます。
技術の概要につきましては、参考資料1でお示ししています概要図を御覧いただければと思います。対象症例ですが、病理学的に腺がんになることが確認された胃がん症例。腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の症例。主要臓器機能が比較的保たれていること。PSが0~2の症例。年齢が20歳以上85歳未満であること。
プロトコルに関しましては、審査腹腔鏡・腹腔ポート留置。
化学療法については、お示ししているとおりでございます。
一番最後の箱ですが、研究デザインとしましては、多施設共同の非対照探索的臨床研究となってございます。
試験期間、予定症例数、主要評価項目、副次評価項目についてはお示ししているとおりでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、この技術の評価結果について御説明をいただきたいと思います。最初に山口構成員から御説明をお願いいたします。
○山口構成員
それでは、患-1の3ページ目を御覧いただけますでしょうか。まず、有効性に関してですが、従来の医療技術を用いるのと同程度といたしました。かなり絶望的な状況の疾患ではありますけれども、今までの臨床試験と同じ程度の成果が出ているということで、劣ってはいないのではないかと思います。
ただ、これは前から言われていることですが、最終的な評価を得るためには、現在の標準治療を対照においた比較試験を1回行って差が出なかったわけですが、比較試験を最終的にはやる必要があるかと思います。
安全性に関してあまり問題はありませんが、ポートに関わる合併症があります。カテーテルを用いた治療に慣れているところで行う場合には、そういう合併症には注意が十分必要だろうと思います。全身投与に比べると局所投与に特有の合併症がありますが、このような合併症は全身化学療法ではあり得ないということに留意する必要があると思います。
技術的な成熟度ですが、これは「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」としました。最初の頃は、これをたくさんやっていた施設は比較的合併症も少なかったのですけれども、後から参加したところのほうが少し多い傾向が見られますので、技術的成熟度はまだ十分でないと思います。
総合的なコメントとしては、カテーテルに関わる合併症は10%ありますが、適切に対応可能で、極めて重篤な状況になったものはないと考えられます。それから、プロトコル治療後に72例が後治療1、39例が後治療2を受けています。このプロトコルでは、プロトコルの治療が終わった後の化学療法を規定していませんので、いろんな種類の化学療法が行われています。古いものから新しいものまで。これらの治療が治療成績に影響を与えた可能性は否定できないと考えます。したがって、今後は後治療も規定した比較試験がきちんと行われることが望ましいと考えます。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、手良向構成員から御説明をお願いいたします。
○手良向構成員
手良向です。
先ほどの資料を出していただけますでしょうか。
まず、有効性ですが、先行試験というのはランダム化試験ですが、先行試験から研究対象を少し広げたにもかかわらず、ほぼ同様の効果が認められているということで、標準治療と比較しても、もちろん同時対照ではありませんから厳密には比較できませんけれども、全生存時間においてはやや有効であるというふうに見てとれるので、それが示唆されたということで、Bとつけています。
安全性ですが、これも研究対象を広げたにもかかわらず、有害事象の発現頻度は特に上昇していなかったということ、重篤な有害事象は全て管理可能で、腹腔ポート関連の合併症も基本的には全て回復していたということで、Bとしました。
技術的成熟度については、先ほど山口先生のコメントがあり、私はその辺についてはあまり詳しくありませんが、全国19施設で行われて特に問題はなかったということなので、Aと判断しています。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。どうぞ。
○山口構成員
これはずっと問題になっているのですけれども、先ほど申し上げましたように極めて予後が悪い病態であり、有効な治療の開発が求められています。本研究の対象がP1と言って、肉眼的に腹膜播種があるやつと、播種は見えないのだけれども、おなかの中を開けてみるとがん細胞がいたという2つが含まれています。もともとがん細胞がいたというだけでは、手術したら10%ぐらい治るのです。あまりに予後が違うものを2つ一緒に対象にしてやっています。5年生存率15.3%ですけれども、Pがあった、つまり肉眼的に腹膜播種があったものに関しては6.8%しかないのに対して、細胞診だけプラスのやつは44.9%もあるのです。ですから、ターゲットを絞ってもう一回比較試験をするとかして、本当に有効性が期待できるものを対象にやれば、恐らく比較試験、いい結果が出るのではないかなという具合に考えました。コメントです。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、何か御意見ございますでしょうか。天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
ありがとうございます。
今、山口先生の御意見と同様の意見になりますが、有効性に関しては、お二人の委員の方から従来の医療技術と同様、あるいは従来の医療技術よりもやや有効との評価をいただいている一方で、実際の有効性の評価には標準治療を対照においた比較試験を行う必要があるとされています。従来の医療技術より有効であれば、早期保険適用をいただくことが必要だと考えますし、従来の医療技術よりも劣るのであれば、有効性が期待できない治療を患者さんが受けることになりますので、早期の比較試験の実施が必要と思うのですが、現状、厚生労働省のほうで今後の標準治療を対照群においた比較試験の実施の状況について、何か把握されていることはありますでしょうか。
○福井座長
事務局、どうぞ。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
御指摘の点、東大側にも事前に確認をさせていただきまして、詳細のところは割愛しますが、何らかの比較試験での検証というところを予定しているということは回答いただいているところでございます。
以上でございます。
○福井座長
よろしいでしょうか。
○天野構成員
ありがとうございます。
かねてから私以外の構成員も含めて複数の方々から早期に比較試験を行うべきだという指摘があると思いますので、改めて厚生労働省のほうからも念押しをいただけるとよいかと思いました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
まさに今、天野構成員がおっしゃった方向で厚生労働省としてもお願いできればと。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
基本的には各アカデミアのほうで検証されていくものというところでございますので、基本的には各エビデンスが整い、有効性・安全性が認められたものというところをこういった保険外併用療法に位置づけつつ、検証した上で、保険適用の是非というところを議論するものだと承知しているところでございます。
以上でございます。
○福井座長
よろしいでしょうか。今後比較試験をぜひ行ってほしいというコメントを研究者の先生方に伝えていただくことはいいのではないかと思いますけれども。
○医療課課長補佐
会議からのコメントという形でお伝えさせていただくようにいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、そのように扱うということでよろしいでしょうか。
○天野構成員
はい。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、議題2に移りたいと思います。試験実施計画の変更について資料が提出されておりますので、説明を事務局からお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
患-2の御説明となります。「患者申出療養の研究実施計画の変更について」でございます。申請医療機関は国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院。患者申出療養の名称は「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」となってございます。
適応症、試験の概要、試験実施期間、予定症例数については、お示ししているとおりでございます。
2ページ目にめくっていただきまして、現在の登録状況をお示ししてございますが、2024年3月31日時点では合計687症例となっているところでございます。
変更内容でございます。臨床研究法上の実施医療機関として、以下の1施設を追加。がん研究会有明病院となってございます。
変更申請する理由でございます。全国の患者さんに対応できる実施体制とするため、本試験では全てのがんゲノム医療中核病院で実施することにしている。当該施設、がん研有明のこととなりますが、2023年度に新たにがんゲノム医療中核拠点病院に指定されたため、臨床研究法上の実施医療機関の追加手続を行い、研究計画の記載整備を行ったところ。なお、追加された実施医療機関において、本療養を希望する患者から申出があった場合には、別途患者申出療養制度としての協力医療機関の追加手続が必要となるとなってございます。
御説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
本患者申出療養の実施計画の変更について判断していただくことになりますけれども、この点につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。恐れ入りますが、松井構成員と山口構成員におかれましては御退出をお願いすることになりますので、よろしくお願いいたします。
(松井構成員、山口構成員退席)
○福井座長
それでは、告示番号5の技術につきまして、実施計画の変更。がん研有明病院を追加することを認めるということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
松井構成員と山口構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松井構成員、山口構成員着席)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、議題3に移りたいと思います。通知等の改正についての資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
患-3、患-4、併せて御紹介させていただければと思います。
昨年11月の第46回患者申出療養評価会議における患者申出療養に係る運用等の見直し、こちらを取りまとめていただいた内容に沿いまして、このたび局長通知、課長通知それぞれの通知改正を行いましたので、その内容の御報告となります。
まず、患-3でございます。「『健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律に規定する患者申出療養の実施上の留意事項及び申出等の取扱いについて』の一部改正について」、いわゆる局長通知の内容でございます。
2ページ目からが新旧表となってございまして、下線が引いてある部分が、左側が改正後、右側が改正前の内容となってございます。関係法令上の記載の整備というところが主立った内容となってございますが、3ページ目を御覧いただければと思います。
第8の4のところでございますが、こちらを新設する要件といたしまして、「医薬品、医療機器又は再生医療等製品の医薬品医療機器等法上の承認を目指す技術については、企業が医薬品医療機器等法上の承認の取得及び保険適用について必要な手続きを進めること」というところを追記しているところでございます。
以降、溶け込み等の資料となってございますので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、患-4となります。こちらはいわゆる課長通知となってございまして、「『健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律に規定する患者申出療養の申出等の手続の細則について』の一部改正について(通知)」となってございます。いずれも3月27日に発出しているものでございます。
内容につきましては、2ページ目からが新旧表となってございます。まず、1ポツ目で「患者申出療養と告示されていない医療技術に係る手続」といたしまして、承認後の手続としまして、正本1通及び副本7通を臨中から保険局医療課に提出することとなっていたところでございますけれども、こちらを正本1通及び副本1通でよいというふうな改正を行っているところでございます。
続きまして、3ページ目に続いている実施計画でございますけれども、「以下の書類を含むものとして作成する」というところのケのところでございますが、「文献情報として記載した全ての原文及び和訳概要」というところを計画への付記というところで求めているところでございまして、和訳概要についての提出は不要というふうに改正をしてございます。
3ページ目からは同様の改正を行っているところでございます。
6ページ目を御覧いただければと思います。「5.その他」の(4)で新設する要件としまして、「保険局医療課及び臨中への提出書類について」。「保険局医療課及び臨床研究中核病院に提出する申出書等については、電磁的記録媒体により提出することでも差し支えない」というところを図ってございます。11月に御議論いただいたとおり、実施医療機関の事務的負担に配慮した上での改正というふうになっているところでございます。
御説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
非常に細かい変更点などもございますが、ただいまの説明について御質問等ございますでしょうか。一番最後は電磁的記録媒体での提出で、簡略化していただけるという項目にはなっています。それから、正本1通、副本7通のところを、正本1通及び副本1通にしたり、提出物の簡略化が図られたりしているようです。五十嵐先生、どうぞ。
○五十嵐座長代理
五十嵐です。
3ページの下から3行目左側「副本7通」なのですけれども、これはいいのですね。
○福井座長
同じ7なのですね。どうでしょう。私もちょっと気にはなったのですけれども。
○五十嵐座長代理
3ページの下から3行目。改正後も前も「7通」のままなのですけれども、ここはいいのですか。
○医療課課長補佐
すみません。ここは確認させていただきまして、誤記の可能性がありますので、必要に応じて通知訂正等を、検討したいと思います。ありがとうございます。
○福井座長
2ページのほうは「正本1通及び副本7通」が「正本1通及び副本1通」になっているのですね。それで、3ページのほうが。
○五十嵐座長代理
3ページの真ん中のほうも「1通」になっています。
○福井座長
そうなのです。それで、一番下がどういうわけか7のままですので。
○医療課課長補佐
大変お恥ずかしいところでございますが。御指摘ありがとうございます。
○福井座長
では、これは確かめていただくということにしたいと思います。
○医療課課長補佐
ありがとうございます。
○福井座長
そのほか、何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、先ほど五十嵐先が御指摘になった点については、確認した上でということで、認めていただくということにしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、その次が議題4になります。「重大な不適合の報告と対応について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
患-5の資料に沿って御説明させていただきます。「患者申出療養に係る重大な不適合の報告と対応について」でございます。
「1.事実関係について」でございます。患者申出療養「インフィグラチニブ経口投与療法(告示番号3、臨床研究中核病院:名古屋大学医学部附属病院)」につきまして、同大学附属病院より保険局医療課に対して、令和6年3月19日に以下のとおりの報告がございました。
研究計画書の患者要件について、医療機器から患者へ説明がなされ、患者より理解及び遵守しているとの報告があり、同意が取得され、臨床研究が開始されたところでございます。
本年3月13日に、研究計画書が定める要件を患者が遵守していなかったことについて実施医療機関、名大側が把握し、同年3月19日に名古屋大学臨床研究倫理審査委員会に対して報告が行われました。
遵守されていなかった事項につきましては、臨床研究におけるデータ収集項目に含まれていなかったことから、医療機関としては把握できていなかったということでございます。
また、本研究は既に新規患者登録及び治療薬の投与を終了し、総括報告書をまとめている段階でございます。
「2.不適合の判断」でございますが、本内容は研究計画書の要件を満たしておらず、臨床研究法上、プロトコルの不遵守として重大な不適合と判断されるものでございます。
「3.名古屋大学医学部附属病院としての対応」でございます。本件につきまして、名古屋大学医学部附属病院においては、再発防止策として、患者情報の収集の徹底、患者・家族への教育の徹底等を行うこととしているところでございます。
併せて、当該患者は、現在インフィグラチニブ経口投与療法自体は終了しているということもございまして、患者申出療養「ペミガチニブ経口投与療法」の対象であるが、「当該試験の参加基準を満たしていないことが判明した場合には、臨床試験を中止する」旨をペミガチニブ経口投与療法の実施計画等に規定する変更を行うとともに、患者より再同意を取得することを予定しているというふうに聴取しているところでございます。
「4.患者申出療養評価会議としての対応(案)」でございますが、上記を踏まえて、3に示しました名古屋大学医学部附属病院の対応の徹底を求めることとしてはどうかというところを御議論いただきたいという内容でございます。
最後に補足を1点させていただければと思います。本件は個人情報を多分に含む内容のため、公表資料につきましては、その点を配慮した資料というものを提示させていただいているところでございます。先生方のお手元にお送りさせていただいた非公表資料につきましては、事案の詳細というところをお示ししているところでございますが、何分こういった会議の場でございますので、個人情報の点につきましては御配慮した上での御議論をいただければというお願いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
個人情報に配慮するためにちょっと分かりにくいというか、抽象的な議論になってしまう点はちょっと気がかりですけれども、ただいまの説明、この事例につきまして何か御質問等ございますでしょうか。最初に渡辺先生でしょうか。
○渡辺構成員
日本医師会の渡辺でございます。
こういう不適合の報告というのは、基本的には研究者の施設の善意というのは変ですけれども、正直に報告されているということと、それに対応策をされているということなので、組織の対応としては問題がないし、むしろ報告していただいたことに感謝する。一方、若干気になるのは、細かいことは、今、事務局がおっしゃったように、詳細はちょっと述べにくいとは思うのですけれども、患者さんが理解しているということがどの程度まで理解されたのかというのが気になるところです。分かりやすく言いますと、例えば遵守する項目ということは理解していたけれども、その理由とかそういうところまで十分患者さんに説明ができていたかどうかというところが気になるところです。それで患者さんが遵守できなかったのか、分かっていてあえてやったのかというところが、この報告書では十分分からないところがあります。
医師側が説明したけれども、患者さんは分かったつもりだけれども、実は理解できていなかったということは往々にしてあることですので、その辺りは今回のこの対応としても十分配慮していただいて、同意書を取ることが目的ではなくて、患者さんが理解して納得してもらうことが必要なのだということを十分組織として対応していただきたいというのが1点。
そういう視点から、本件について、名古屋大学の再発防止策にある患者情報収集の徹底と患者・家族への教育の徹底というのは、もう既に視点が違うと思うのです。患者・家族への理解を徹底してもらうことが大事だと思うので、教育というのは視点が違っているのではないかという気がします。研究者の方々に、もしくはこの組織のほうにぜひ患者さんの視点で対応していただくようにお願いしたいとコメントがあったと、できれば事務局を介して研究者の方にお願いをしたいと思います。
発言は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
先生のおっしゃる内容のほうが理にかなっているように思いますけれども、よろしいですか。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
おっしゃるとおりだと思います。しっかりそのようなところ、また、今後の対応、またほかの研究につきましても、本当にこういったところで患者さんと医療機関側での。これは多分研究にかかわらず、広く医療に関わるような内容でもあるかと思いますけれども、徹底していくことが重要かと思いますので、しっかりお伝えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○福井座長
それでは、天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
ありがとうございます。
2点ございます。1点は今の渡辺構成員の御指摘と同様ですが、私も患者というか、素人ですので、医療関係者の方から見れば、まさかそんなことはやらないだろう、まさかそんな理解はしていないだろうと思われることでも、十分理解していなかったり、医療者から見たら信じられないというか、思わぬ行動を患者さんが取るというお話を実際私も患者会で聞いていますし、私自身もそういったことがあったのではないかと思っておりますので、渡辺構成員御指摘のように、なぜそういった項目が入っているのかということについて理解していただくことが大切だということを改めて申し上げたいというのが1点。
2点目は、念のための確認ですが、今回不適合ということで厚労省のほうに報告いただいていますが、名古屋大学のほうでCRBでの審査、あるいは厚労省への報告等が何か問題があったとか遅れたとか、そういったことは一切ないという理解でよろしいでしょうか。
○医療課課長補佐
天野構成員、御質問ありがとうございます。事務局でございます。
臨床研究法等に規定するような、また患者申出療養の通知上で規定するような手続については瑕疵なく行われているものと承知しているところでございます。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、直江先生、どうぞ。
○直江構成員
私は2点ございます。
1つは、非常に微妙な問題事例の会ですけれども、今日は傍聴者の方はいらっしゃるのでしたか。事務局さん、いかがでしょうか。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
記者もおりますし、この会議自体の議事録自体も公開されるものと御理解いただければと思います。
○直江構成員
そうなのですか。まず1つは、ちょっと重要な案件ですので、この会は別に非公開にする必要はなかったのかなと何となく思ったのですけれども、その点はいかがなのでしょうか。
○医療課課長補佐
ちょっとお待ちください。確認いたします。
○福井座長
事前の相談のところでは、その可能性については話し合いをしませんでした。
患者申出療養評価会議の開催要綱の第11項のところに「議事の公開」というセクションがございまして、「会議は公開とする。ただし、座長は、対象となる患者が特定されるなど、個人情報保護の観点から特別な配慮が必要と認める場合等にあっては、会議を非公開とすることができる」という文章があります。
それでは、もしよろしければこれから非公開の時間としてディスカッションするということでよろしいでしょうか。
○直江構成員
はい。私は2つ目のことが聞きたいものですから、ぜひそのようにお願いできたらと思います。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
承知しました。準備をさせていただきますので、少々お時間をいただければと思います。
(傍聴者退室)
患者申出療養評価会議開催要綱に基づき、非公開。
(傍聴者入室)
○医療課課長補佐
事務局でございます。
準備が整いましたので、では、ここから改めて公開の場での議論というところでよろしくお願いいたします。
○福井座長
それでは、ただいまの案件「重大な不適合の報告と対応について」でございますが、ただいまいろいろいただいた御意見を名古屋大学のほうに伝えまして、それについて再度御意見、ないしは被験者の方からの事情を伺っていただくと。その上で、そのデータをまた本会議のほうに上げていただいて、それで最終結論を出すということで、1つステップを踏みたいと思いますが、いかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
大変難しい案件で恐縮ですけれども、時間を取って申し訳ありませんが、そのようにさせていただきたいと思います。
事務局のほうはどうですか。よろしいですか。
○医療課課長補佐
はい。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、議題5に「その他」がございますが、事務局から何かありますでしょうか。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
事務局からは特にございません。
○福井座長
構成員の先生方から何かございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課課長補佐
事務局でございます。
次回は日程調整の上、後日連絡させていただきます。また、先ほどの患-5につきましては、名大側と調整の上、また御提示できるよう準備を進めてまいります。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、第49回「患者申出療養評価会議」をこれで終了いたします。本日はお忙しい中、重要な議論をいただきまして本当にありがとうございました。
以上でございます。
○非公開部分の議事要旨
患者申出療養に係る重大な不適合の報告と対応について議論を行った。