第1回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 議事録

日時

令和6年5月20日(月)15:00~17:00

場所

厚生労働省専用14会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)

出席者

構成員(五十音順)

議題

  1. (1)検討会の開催、座長の選任等について
  2. (2)精神保健医療福祉の現状について
  3. (3)その他

議事

内容
○原田課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第1回「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」を開催いたします。
 本日、司会進行をさせていただきます精神・障害保健課の原田と申します。
 御出席いただいている構成員の皆様方におかれましては、貴重なお時間を確保いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の会議は、会場への御参集とオンライン会議システムを併用しての実施となり、全26名の構成員のうち、会場にお越しいただきました方が今は20名、オンラインでの御出席は5名となっております。なお、上田構成員、北村構成員につきましては、遅れて御出席いただく予定となっております。
 まず、本日の資料について確認をさせていただきます。
 議事次第の1枚紙と座席図。資料1として、検討会の開催要綱。資料2として、「精神保健医療福祉の現状等について」。参考資料として、令和4年6月社会保障審議会障害者部会の報告書。
 資料は以上でございます。不足がございましたら事務局までお申し出ください。
 また、傍聴の方につきましては、同様の資料を厚生労働省のホームページに掲載しておりますので、そちらを御覧いただきますようお願いいたします。
 次に、オンラインで御参加の場合、カメラは常に映る状態にしておいてください。また、御発言の都度、マイクをオンにしていただき、発言後はオフにする操作をお願いいたします。会議の途中で何か不都合が生じましたら、お手数ですが、事務局まで御連絡いただければ幸いです。
 それでは、開会に当たり、まず障害保健福祉部長の辺見より御挨拶を申し上げます。
○辺見部長 障害保健福祉部長の辺見でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は御多忙のところ、第1回「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。また、構成員の皆様におかれましては、日頃より障害保健医療福祉行政の推進に御理解と御協力を賜りまして、この場をお借りいたしまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
 精神保健医療福祉の施策につきましては、入院医療中心から地域生活中心へ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、こうした理念の下、精神障害者の地域生活に対する支援の充実を図ってきたところでございます。
 令和4年に成立をいたしました精神保健福祉法の改正法では、患者の権利擁護を一層進めるため、医療保護入院の入院期間を法定化するなどの措置が盛り込まれ、今年、令和6年4月1日から本格的に施行されたところでございます。今回の改正につきましては、それに先立つ検討会や社会保障審議会の障害者部会等で議論を重ねてきたところではございますが、新しい制度の施行状況を踏まえまして、さらなる精神保健医療福祉の施策の推進について幅広く御検討をいただく場としてこの検討会を開催するものでございます。構成員の皆様におかれましては、様々な観点から御議論をいただきたいと考えております。
 構成員の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りますよう、重ねてお願いを申し上げ、開会に当たっての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○原田課長補佐 冒頭の頭撮り撮影に関しましては、こちらで終了とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○原田課長補佐 まず、資料1の本検討会の開催要綱について説明をさせていただきたいと思います。資料1を御確認ください。
 開催要綱です。
1.趣旨
 近年の精神保健医療福祉施策は、「入院医療中心から地域生活中心へ」「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」という理念の下、精神障害者等に対する支援の充実が図られてきた。
 令和4年に成立した精神保健福祉法の改正法では、患者の権利擁護を一層進めるため、医療保護入院の入院期間を法定化する等の措置が盛り込まれ、令和6年4月1日から本格的に施行されたところである。
 こうした状況を踏まえ、精神保健医療福祉の今後の施策推進について、幅広く検討する場として、「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」を開催する。
2.検討事項
 (1)精神保健医療福祉に関する現状と課題について
 (2)課題への対応について
 (3)その他
3.構成等
 (1)検討会は、社会・援護局障害保健福祉部長が参集し、開催する。
 (2)構成員は、別紙のとおりとする。
 (3)検討会に座長及び座長代理を置く。
 (4)座長は、構成員の互選により選出し、座長代理は、構成員の中から座長が指名する。
 (5)座長は、必要に応じ意見を聴取するため、参考人を招へいすることができる。
 (6)その他、検討会の運営に関し、必要な事項は座長が定める。
4.その他
 (1)検討会の庶務は、社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課が行う。
 (2)検討会の議事、資料及び議事録は原則として公開とする。内容により非公開にする必要があると座長が認めた場合には、非公開である旨及びその理由を明示するとともに、座長が認める範囲において議事要旨を公開する。
 別紙に、構成員名簿が載ってございますが、後ほど紹介を兼ねて御発言いただくことから、省略とさせていただきます。
 それでは、資料1の開催要綱の3の(4)に基づきまして、座長を決めさせていただきたいと思います。座長は構成員の互選により選出しまして、座長代理は構成員の中から座長が指名することになっております。どなたか推薦をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
 藤井構成員、お願いします。
○藤井構成員 国立精神・神経医療研究センターの藤井でございます。
 座長につきまして、平成3年から4年にかけて実施されました「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」で座長をお務めになった田辺構成員を推薦させていただきます。
○原田課長補佐 ありがとうございます。
 ただいま藤井構成員から田辺構成員を御推薦いただく御意見がございました。皆様、ほかに御意見はございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○原田課長補佐 ありがとうございます。
 他の御意見はございませんでしたので、田辺構成員に本検討会の座長としてお願いをしたいと思います。田辺座長には恐縮ですが、席の移動は行わず、そのままの席で進行をお願いしたいと思います。今、機材の準備をいたしますので少々お待ちくださいませ。
(機材準備)
○原田課長補佐 それでは、ここからの議事進行につきましては田辺座長にお願いしたいと思いますので、座長、よろしくお願いいたします。
○田辺座長 座長を務めます田辺でございます。よろしくお願いいたします。
 本検討会の座長ということでございますけれども、私の所属自体は東京大学大学院法学政治学研究科でございます。構成員の皆様方の御協力を得まして、実りある議論にしていきたいと思いますので、どうぞ御協力のほう、よろしくお願いいたします。
 まず、私のほうで座長代理を指名させていただきたいと存じます。座長代理につきましては、同じく令和3年から4年の検討会にて座長代理を務められました神庭構成員にお願いしたいと存じますが、神庭構成員、いかがでございましょうか。
○神庭構成員 了解しました。
○田辺座長 ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。
 では、早速、具体的な議題に入ってまいりたいと思います。
 議題(2)の「精神保健医療福祉の現状等について」でございます。資料2につきまして、事務局より簡潔に御説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○小林課長 精神・障害保健課長の小林でございます。
 私から資料2に基づきまして、「精神保健医療福祉の現状等について」ということで、ごく簡単に駆け足で現状について御紹介させていただければと考えてございます。
 2ページ目、3ページ目に目次がございますけれども、右下に番号が振ってございますが4ページをご覧ください。精神疾患を有する患者数の推移について示しております。
 直近の数字で、令和2年は約615万名が総患者数になってございます。なお、この図で平成29年までと比べて令和2年がかなり突出したような形になっていますけれども、右側に※2と書いてございますが、統計方法の変更によるものですのでご留意ください。
 5ページ目は、参考までに精神疾患のほか、糖尿病やがんなどの患者の推移を示しています。
 6ページにつきましては、外来の患者さんの疾病ごとの推移を示したものでございます。気分障害、神経症の障害、その他の精神及び行動の障害という順番に多くなっています。
 7ページは年齢別に示してございます。
 8ページは入院患者数の推移を疾病別に示してございますけれども、現状では統合失調症等の方が最多でございますが、傾向を見ますと平成14年以降、割合としては一貫して下がってきているという傾向が見てとれると思います。
 9ページにつきましては、入院患者数を年齢階層別にお示しをしたものでございます。
 10ページ目は、9ページ目の内容とも関連しますけれども、5歳区切りで患者さんの年齢の推移を表したものでございます。この図を見ていただきますと、精神疾患を有する入院患者のピークは高齢化している、右側に寄っていっていることが見てとれるかと思います。
 11ページ目でございますけれども、入院患者数の推移の在院期間別内訳を示したものでございます。令和2年時点で27万人強の方が入院されてございますけれども、1年以上入院している方が17万人で、6割強を占めています。5年以上入院している患者の数は、経年的に減少してきている傾向にございます。
 12ページ目でございますけれども、精神病床を退院した患者さんの退院後の行き先を示しています。1年未満で退院した方については家庭に帰られる方、退院される方が最多でございますけれども、1年以上で退院した患者さんについては、他の病院や診療所に入院・転院するとか、その他、死亡や不明という割合が高い傾向にございます。
 13ページ目は参考までに医療費の状況についてお示しをしてございます。令和3年の国民医療費全体は約45兆円でございますけれども、そのうち医科診療医療費が32兆円で、そのうちの約6.1%の2兆円弱が精神及び行動の障害の方による医療費でございます。
 14ページからは、医療提供施設等についての概要をお示ししています。
 15ページ、16ページにつきましては、医療法に基づく各病院等の定義とか人員配置基準、構造設備の基準をお示ししてございます。
 17ページは、医療機関及び精神病床数の推移を示しています。
 18ページ、19ページは、精神科に従事する医師、看護師の職員の数の推移を示しています。
 20ページ、21ページでございますけれども、精神保健福祉士並びに公認心理師の方の登録者数の推移及び勤務先の状況についてお示ししています。
 23ページ目からは、精神保健医療福祉の法制度について御紹介しています。
 23ページは、精神保健福祉法に基づく入院の形態について、改めてのおさらいでございますけれども、法律の第20条に任意入院について規定がございますが、それ以外にも措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院といった入院の形態が法定化されているところでございます。
 24ページは、入院形態別の患者さんの数をお示ししています。左側の図にございますように、経年的に入院患者の数は減少傾向ですが、右側のグラフを見ていただきますと分かりますように、患者さんの占める割合では、医療保護入院の患者の割合がこのところ上昇傾向にあり、5割強を占めている状況でございます。
 精神保健指定医制度の概要について、25ページ目にお示ししております。患者の意思によらない入院や行動制限の必要性について判定を行っていただく医師ということで、人権の問題について専門的な知識を有していただく必要があるということで定められているものでございます。令和5年4月時点で1万6500名強の方が指定医として登録されている状況にございます。
 25ページの下のほうでございますけれども、平成27年と28年に不適正なケースレポートの申請事案がございまして、それを契機として、下にございますような口頭試問の導入とかケースレポートの見直しなどの改正がなされて、令和元年の7月から運用されています。
 26ページには、精神保健指定医の職務の内容につきまして、法律上の規定についてお示ししています。
 27ページにおきましては、精神医療審査会についての規定でございます。法12条において、入院措置及び定期の入院の必要性並びに退院等の請求による入院の必要性に関する審査を行っていただく機関ということで、都道府県に設置をされています。
 28ページでございますけれども、行動制限に関するルールを示しています。法律の第36条の中で、行動制限のうち、隔離その他の行動の制限については指定医が必要と認める場合でなければ行うことができないという定めがございます。
 37条でございますけれども、精神科病院に入院中の者の処遇について必要な基準を厚生労働大臣が定めることができると規定され、これを受けて告示が定められてございます。具体的には、※印でございますけれども、昭和63年厚生省告示129号として、患者の隔離、身体的拘束について基準が示されてございます。
 29ページからは、障害者総合支援法に基づく給付等についての概要をお示ししています。
 30ページがそのサービスの全体像でございますけれども、31ページ、32ページで障害福祉サービス等の体系について、主なサービスメニューについてお示しをしてございます。
 33ページは、精神障害者における障害福祉サービス等の利用状況を示していますが、就労継続支援B型、計画相談支援、居宅介護などの利用者が多い状況です。
 34ページからは、精神保健医療福祉のこれまでの取組等について紹介しています。
 35ページ、36ページで、精神保健福祉法の法制度の歴史的な経緯について整理をしてございます。そもそも精神衛生法という法律が制定されたのが昭和25年でございますけれども、その後、社会状況などを踏まえて見直しが都度行われてきたところでございます。昭和58年には宇都宮病院事件という社会を震撼させる事件がございましたけれども、そういった事件を契機として、昭和62年に大きな見直しがなされてございます。その際には法律の名称が「精神衛生法」から「精神保健法」に変更されています。
 また、その後も平成5年の改正などもございましたけれども、平成5年に「障害者基本法」の成立ですとか、あるいは平成6年には「地域保健法」の成立などを契機といたしまして、平成7年にまた大きな見直しがなされてございます。その際には、法律の名称が「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」、長いので俗称で「精神保健福祉法」と言われてございますけれども、この平成7年の法改正の際に法律の名称も再び変更となってございます。
 36ページには、平成7年以降の改正の経緯についてお示ししてございます。この後で説明いたしますけれども、平成16年に「精神保健医療福祉の改革ビジョン」が厚生労働大臣を本部長とする省内の会議で決定されました。平成16年以降の取組について、37ページから御説明をさせていただきます。
 37ページでございますけれども、平成16年9月に定められました「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の主な概要についての考え方をお示ししてございますけれども、この改革ビジョンにおきまして、入院医療中心から地域生活中心へという理念が示されてございます。それ以降、様々な施策が展開されてきたということでございます。
 38ページを御覧いただければと思いますけれども、今申し上げました平成16年9月の改革ビジョンの策定以降、それぞれの時期にここに挙げているような様々な検討会を開催して議論を重ねてきたところでございます。これらの議論を踏まえまして、精神保健福祉法の改正、予算事業の創設や見直し、医療計画への反映、さらには中医協での議論での参考資料として診療報酬への反映などもなされたということでございます。
 いろいろな検討会が開催されてきましたが、検討会によっては、特定の課題について特化したような検討会、例えば3番の「精神科救急医療体制に関する検討会」とか、9番もそうですけれども、精神科の救急医療体制に特化した検討会もございますれば、特段のテーマを定めずに精神保健福祉全般について様々な課題を幅広く議論いただくような場として開催されたものもございます。今回、先生方にお集まりいただいております検討会も、特段の課題を絞らずに幅広く御意見をいただく場として開催をしているものでございます。
 2番の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」というのが平成22年に開催されてございますけれども、この会議の成果については平成25年の法改正に直結しています。また10番にございます「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」は、令和3年から令和4年にかけて開催されたものでございますけれども、この会議の議論が令和4年の法改正につながっていったという経緯がございます。
 39ページを御覧いただければと思います。こちらは38ページの資料で申し上げますと、6番の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」で示された考え方でございます。新たな長期入院を防ぐため、多職種の活用を中心とした精神病床の機能分化及び地域移行の推進により、精神病床の適正化、不必要な病床の削減といった構造改革を目指す方向性が示されました。病床の整備については、39ページの考え方に基づいてその後の政策が展開されていったという経緯がございます。
 40ページをご覧ください。「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」、平成29年2月に取りまとめられたものでございますけれども、この検討会において、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すことが新たな理念として掲げられたところでございます。いわゆる「にも包括」と我々は短縮して呼んでございますけれども、平成29年以降、「にも包括」という考えに基づきまして、第7次の医療計画あるいは様々な事業の展開がなされてきました。
 41ページには、平成17年の法改正の概要を一枚紙でお示しをしてございます。詳細については説明を省かせていただきます。
 42ページには、平成25年の法改正の概要をお示ししてございます。精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定をするといった規定とか、保護者制度の廃止などが盛り込まれてございます。
 43ページ、平成25年の法改正で定められました指針の内容でございます。平成26年に厚生労働省告示第65号として策定されています。
 44ページ以降は、令和4年の法改正について御紹介しています。
 45ページは、田辺先生を座長としておまとめをいただきました「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の要綱でございます。次の46ページがその報告書の全体の概要でございます。地域における相談支援体制、第8次医療計画の策定に向けたこと、あるいは精神科病院に入院する患者への訪問相談、医療保護入院、患者の意思に基づいた退院後支援、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとする取組、精神病床における人員配置の充実、虐待の防止など幅広いテーマについてご議論いただきました。
 この検討会での議論も踏まえつつ、47ページにございます「社会保障審議会障害者部会」でもまた議論が深められ、報告書が取りまとめられてございます。その概要を47ページにお示しをしてございますけれども、報告書本体は参考資料としてつけさせていただいてございます。
 この令和3~4年の検討会とか障害者部会での御議論を踏まえまして、48ページにある内容で令和4年の法改正が行われてございます。障害者総合支援法等の「束ね法」の中で精神保健福祉法の改正も行われました。
 49ページでございますけれども、令和4年の法改正の際に附則として幾つか規定が設けられてございます。附則の第2条でございます。政府は、この法律の施行後5年を目途として、精神保健福祉法、それ以外の法律もございますけれども、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることが掲げられてございます。5年後を目途として法改正を行っていく必要あることが示されてございます。
 また、附則の第3条でございますけれども、政府は、精神保健福祉法の規定による本人の同意がない場合の入院の制度の在り方等に関し、精神疾患の特性及び精神障害者の実情等を勘案するとともに、障害者の権利に関する条約の実施について精神障害者等の意見を聴きつつ、必要な措置を講ずることについて検討するものとされてございます。非自発的入院の在り方についても検討する必要があるということが、法律の中で明記されています。
 50ページ、51ページは、この法改正の際の衆議院ないし参議院における附帯決議についてお示ししています。今後の施策の展開に当たりましては、この附帯決議の趣旨についても考慮する必要があるということでお示ししています。
 52ページは、障害者の権利に関する条約と総括所見についてお示ししています。先ほど紹介した附則第3条の中でも言及されている障害者の権利に関する条約には、身体の自由及び安全に関する規定がございます。また、日本の第1回政府報告に関する総括所見が、ここに示されているような内容で委員会から示されています。
 53ページ目からは、法改正の概要について簡単にまとめています。時間もございますので、ごく簡単に紹介しますが、53ページには、法律の第1条の目的規定を示しています。赤字で示してございますけれども、「障害者基本法の基本的な理念にのっとり、精神障害者の権利の擁護を図りつつ」ということが条文上に追記されました。権利の擁護が改めて強調されているということでございます。
 54ページでございますけれども、医療保護入院の制度について、従前は入院期間の定めがございませんでしたが、令和4年の法改正により、入院期間は入院してから6か月を経過するまでは3か月以内、6か月を経過した後は6か月以内、という入院期間が法定化されました。基本的にはその期間を過ぎた場合には退院していただく、あるいは医療保護入院に切り換えていただくのが原則でございますけれども、どうしても必要な場合においては入院期間を更新することができる仕組みとなっています。
 55ページは、更新の手続についてお示ししています。
 56ペーには、家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合の取扱いでございます。
 57ページでございますけれども、入院者訪問支援事業は、令和6年の法改正で盛り込まれた新しい取組でございます。医療保護入院の患者さんに対しまして、外部からの訪問支援員の方が病院を訪ねていって、本人に対して困り事の相談などを行っていく、傾聴していくという事業でございます。今年度から始まった事業でございまして、この事業の運用状況などもフォローアップする必要があると考えています。
 58ページから61ページには、今年の4月から施行された精神病院における虐待防止措置の義務化について紹介しています。法律の40条の2でございますけれども、病院の管理者は、虐待防止のための研修や普及啓発、相談体制の整備等を行う必要あり、指定医はそれに協力しなければならないということが規定されてございます。また、虐待を発見した者から都道府県等への通報の義務化がなされてございます。
 60ページは、虐待通報があった際の自治体における対応について、フローを示しています。
 これに関しまして、61ページのような内容で要綱を定めてお示しをしています。
 62ページでございますけれども、自治体の相談支援の対象についての見直しも行われています。
 これに関係しまして、63ページにお示ししている検討チームを昨年開催致しました。ここでの検討を踏まえまして、市町村、保健所、あるいは精神保健福祉センターにおける運営要領の見直しを昨年11月に行ったところでございます。
 関連事項について、64ページ以降に幾つかお示ししています。
 65ページは医療計画についてでございます。医療計画におきまして、現行は5疾病6事業といってございますけれども、平成23年から精神医療についての規定が盛り込まれてございます。
 66ページが、今年度から始まります第8次医療計画の概要についてでございます。
 67ページは、その中での基準病床数の考え方をお示ししています。平成26年~平成29年の入院患者数の変化とか、1年以上の長期入院者に対する新たな政策展開を踏まえ、基準病床数を見直していく。あわせて、障害福祉計画におきましても、基準病床数の算定を踏まえた目標が示されてございます。具体的には、令和2年と比べて3.3万人減少させるという目標値が示されてございます。
 68ページは、現状把握のための指標の例ということで、ストラクチャー、プロセス、アウトカムの様々な指標の例を指針の中でお示ししています。
 69ページは、第7期障害福祉計画及び第3期障害児福祉計画の全体像でございますけれども、赤字の部分が精神障害に関する部分の記載でございます。
 70ページ以降が、診療報酬改定と障害福祉サービス等の報酬改定について簡単にお示ししています。
 71ページは、診療報酬改定でございますけれども、今般の令和6年度の改定におきまして、精神科地域包括ケア病棟入院料が定められてございます。また、在宅精神療法に関する見直し、情報通信機器を用いた場合の取扱い、それから精神科入退院支援加算を新たに設けるなどの改定が行われました。
 72ページにおきましては、障害福祉サービス等報酬改定における精神障害者の地域生活の支援のための項目についてお示ししています。
 73ページからは、にも包括関連の施策でございます。
 にも包括につきましては、74ページにお示ししているように、令和2年から令和3年にかけて、にも包括に係る検討会を開催しています。そこで検討された内容を一枚紙でお示ししてございます。
 75ページには、この検討会で示されたかかりつけ精神科医の考え方として、かかりつけ医の機能、地域の精神科医療への貢献、精神科救急医療体制の参画、にも包括の構築に資する拠点機能という役割がお示しされているところでございます。
 76ページでございますけれども、にも包括検討会の議論の一環といたしまして、精神科救急医療体制についても御議論が行われたところでございます。
 精神科救急の内容について76ページ、77ページにお示ししてございます。
 78ページには、精神科救急医療体制整備事業という平成20年度から開始された国庫補助事業の概要をお示ししています。
 79ページには、にも包括の推進に係る構築推進事業、構築支援事業といった予算事業について御紹介しています。
 80ページは、普及啓発の関係でございますけれども、世界メンタルヘルスデーといった取組、精神障害に関する理解を深めていただくためのイベントを開催してございます。
 81ページでございますけれども、心のサポーター養成事業という、市民が精神障害者に寄り添えるような、支援につなげるような取組を進めています。
 今回紹介した内容以外にも、例えば災害時における取組とか、様々な精神保健医療福祉の取組を行っているところでございます。
 なお、この検討会で何を議論していただくのかということでございます。繰り返しになりますけれども、今申し上げたような様々な課題について幅広く御議論をいただくことを考えてございますが、令和3~4年に開催されました検討会の議論を踏まえまして令和4年の法改正につながったわけでございますけれども、医療保護入院の入院期間を定める、あるいは更新制度が設けられる、入院者訪問支援事業、虐待防止の措置など様々な新制度が本年4月から施行されていますが、取組状況についてのモニタリングとかフォローアップを行っていただく。必要があればまた見直しについても考えていく必要があると認識しています。
 あるいは、令和6年度からの第8次医療計画が今年度からスタートしてございますが、近いうちに中間見直しの議論も必要となってきます。あるいは、前回の検討会での宿題事項として、例えば、行動制限の最小化についても、引き続き、様々な方々の意見、当事者の意見を聴きながら検討を深めていく必要があると認識しています。
 あるいは、附則3条の中で、非自発的入院の在り方についても見直すことが求められてございます。そういった内容について幅広くこの検討会で御議論をいただき、特に制度の在り方に係る議論につきましては、1年ぐらいをめどに今後の議論を進めていく上での基本的な考え方を検討していただき、併せて個別の課題についても議論を深めていただくことを考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○田辺座長 御説明ありがとうございました。
 それでは、本日はキックオフでございますので、続きまして各構成員より、自己紹介を兼ねて精神保健医療福祉の現状や課題などに関するお考えを御披露いただきたいと思います。
 短時間で誠に恐縮でございますけれども、お一人当たり2分~3分で御発言いただき、後ほど時間があれば追加発言を受けたいと思っております。時間管理のため、事務局は3分が経過した時点で、ベルでお知らせいただくようお願いいたします。
 それでは、小学校みたいで申し訳ございませんけれども、あいうえお順で構成員名簿順にまず家保構成員から御発言をお願いいたします。よろしくお願いします。
○家保構成員 口火を切らせていただきます。高知県で保健医療担当の理事をやっております家保と申します。あわせて、全国衛生部長会長ということで、各都道府県の衛生部局の代表を務めさせていただいております。
 都道府県といいましても、東京都から鳥取県まで人口でいうとかなり格差がございます。ただ、役割は同じということで、それなりに苦しみを抱えながらやっております。今回の改正で、包括を進められることは地域展開の観点からいうと非常にありがたいことだと思っていますけれども、都道府県と同様に市町村もかなりの格差がございます。実際にやろうと思っても、人口が300万の大都市であれば簡単にできることが、1万を下回る町村では、職員もいない、予算もないというところで、法的に規定されても実施できるかというと難しいところがありますので、それをいかに進めていくかというのが大きな課題になるかなと思います。
 外来を支える精神科のクリニックに関しても、先ほどの17ページに平成23年から令和2年の間に800か所ぐらいクリニックが増えていますが、どの地域が増えているのかというと大都市部だけで、地方ではクリニックが閉めてしまっているところが結構あります。日本の保健医療の仕組みの良いところである、全国同じシステムで動かしているところを維持していくのかというのが今後課題となりそうなので、それを支援するような仕組みを、ぜひとも皆様から御意見いただきたいと思います。どこに住んでも、精神障害を持たれている方が地域で安心して暮らしていくことができることは大事なことだと思います。
 あと、入院については高齢者がかなり増えてきております。合併症でがん末期の方、緩和ケアが適切な方、心不全の状態の方など、精神科単科の病院でそういう医療機能を持つことが非常に難しいというお話も聞いていますので、外部からの応援ができるような仕組み、またそれを評価するようなことをやっていただければいいのかなと思います。自宅でケアができたり、退院でできたらいいと思いますけれども、環境が変わるといろいろ負担の部分もありますので、そういうところも考えていただければなと思います。
 あと、指定医の関係で言いますと、確保がかなり厳しい地域もございますので、ほかの診療科も皆同じですけれども、医師確保をどうにかしないと、万一のときの対応がしづらいというところがあります。その辺りは都道府県としても頑張りますけれども、仕組みとして支援するようなことを考えていただければありがたいです。
 口火としてはこれぐらいで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○田辺座長 ありがとうございました。
 続いて、池原構成員、よろしくお願いいたします。
○池原構成員 弁護士の池原と申します。
 振り返ってみると、平成11年の法改正の頃に専門家委員会ということで、厚生労働省さんの法改正に向けた検討会に参加させていただいて、それからもう随分時間が経過してしまったなと思います。
 私自身が弁護士になったのは、ちょうど精神衛生法が精神保健法に変わる頃で、もう精神保健法とか精神保健福祉法という法制度と一緒に生きてきたなみたいな感じがしております。家族の方とか当事者の方の相談とか権利擁護をその間ずっとさせてきていただいておりました。
 皆さん御承知のように、障害者権利条約に基づいて、2022年に日本に対してなかなか厳しい指摘あるいは勧告を受けていまして、これが2028年に改めて第2回の締約国報告が予定されているので、それまでにどれだけ総括所見に従った誠実な法制度改正の努力を私たちの国ができるのかどうかということとか、権利条約の目標に向けてその制度や政策をどう変えていけるかということがすごく大きな長期的な目標かなと思っております。
 考えてみますと、1950年に精神衛生法ができて、この大きな骨格は措置入院と、当時は同意入院という制度でしたけれども、この2つの強制入院の骨組みは現在の精神保健福祉法にも受け継がれていて、そういう意味で言うと、まだまだ私たちの法制度は新しい21世紀のパラダイムに従えていないと思います。
 そこが、いわば入院中心主義から地域生活中心へと切り換えていくことが、掛け声は一生懸命で、あるいは理念としてはあるのですけれども、思うほど進展しないという大きなハードルになっている、桎梏になっているのではないかと思っております。ぜひ皆さんと建設的にいろいろなお話をして、よりよい制度の改革に向かっていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、岩上構成員、よろしくお願いいたします。
○岩上構成員 全国地域で暮らそうネットワークの代表の岩上でございます。
 私は長く検討会の委員をしておりまして、その間、検討会の意見が必ずしもまとまらない、あるいは外部からの反対の声が上がりまして、政策反映ができないことを経験していました。
 そこで、前回の田辺座長にも大変お世話になりましたけれども、「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」では、1回の法改正で全てを達成するということではなく、3回ぐらいかけてしっかり良質な支援体制をつくっていきましょう、池原構成員も話していただきましたが、建設的に話し合っていきましょうということをお願いしまして、それについては構成員の皆さんからも賛同いただいたと認識しています。
 前回の報告書では、その中でまだまだ今後取り組まなければならない課題が明確に示されていて、それの中には先ほどもお話がありましたように、非同意入院の在り方とか大臣指針の見直しといった良質な精神医療体制をどのようにつくっていくのかということをこの会でしっかり議論ができればと思っています。
 その際に、大変失礼な物言いですが、絵に描いた餅にならないためには、田辺座長とかが御専門だと思いますが、人口減少等の社会構造、社会状況を踏まえて議論しなければいけない。あるいは、この間の経験としては、どうしても精神科病院に課題を抱えているみたいな議論になりがちなのです。そうではなくて、精神科病院というのは、地域共生社会を目指していく上での我が国にとっての重要な社会資源であるという認識に立った上で、しっかり議論をしていく必要があると思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、上田構成員、よろしくお願いいたします。
○上田構成員 公益社団法人日本精神神経科診療所協会の事務局長をしております上田容子と申します。これまでは、上ノ山副会長がこのような場所に参加していたと思うのですけれども、このたびは事務局長の私が出席させていただくことになりました。
 日精診として考えていることを多少お話しさせていただきたいと思います。
 平成16年に精神保健医療福祉の改革ビジョンで、精神科医療もホスピタルベーストからコミュニティベーストに大きな流れが形成されてきているのは皆様御承知のことと思います。
 厚労省の令和2年度の報告によりますと、精神疾患患者数は614.8万人で、そのうち外来患者数は586.1万人となっております。これはすなわち、精神疾患患者の95.3%は外来でケアされているという現状があることになります。
 そして、疾病別の内訳を見てみますと、気分障害圏、神経症性障害圏とともに、その他の精神及び行動の障害の割合が急速に増加しております。この急増は、その他の精神及び行動障害というのは発達障害圏を示唆しているのですけれども、発達障害の基盤として二次症状としての適応障害、あるいは気分障害、神経症性障害など様々な病状を呈するために、職場での不適応を呈することも多く、また就労自体が困難な方も多く、就労を目指して多機関と協力して支援しているのが現状です。
 しかし、かかりつけ精神科医機能の図を見ますと、入院患者の退院促進や退院後のフォローにのみ重点が置かれているようにも見えてしまいます。586万人とされる外来患者のほとんどは、実は入院の経験がなかったり、あるいは今後も入院を経験しない方も多く含まれていることを理解していただきたいと思っております。
 例えば、私のクリニックではこの1年間で医療保護入院の患者さんは2人で、静養入院という形の任意入院が1人でした。一般的な精神科診療所では大なり小なりそのような割合かと理解しております。
 とはいえ、診療所が軽症者の方ばかりを見ているわけではなくて、入院を必要としないけれども重症の人であったり、長期にわたりしっかりとした治療が必要な人もたくさんいらっしゃいます。また、デポ剤などの有効な薬物療法とともにきめ細かく診察することで入院を辛うじて予防できている方もたくさんおられます。
 にも包括にしましても、かかりつけ精神科医の概念にしましても、現在の精神疾患を有する患者の現状の全体像には即していないのではないかと日精診としては感じております。
 現在の問題としましては、子供のいじめや不登校、自殺をはじめとする児童精神科の問題、メンタル不調による休職者の急増に関する産業メンタルヘルスの問題、産後うつ病をはじめとする周産期のメンタルヘルスの問題、発達特性を持った人たちの問題、トラウマを有して病態が複雑なトラウマ関連障害の人たちの問題など、実は精神科医療には様々な問題、課題があると思っております。
 我々は、入院を必ずしも必要としないけれども、治療に一手間も二手間も必要とする人たちの診療に当たっております。診療所は多職種を有し複数の医師がいる多機能のものが実は少数で、医者が1人の単機能の診療所が大部分なのですけれども、医者やスタッフが1人で何役もこなして診療やケアに当たっていたり、あるいは外部機関と連携をすることで包括的な医療を目指しています。
 今後、全国の精神科診療所を有力な社会資源と位置づけて、我が国独自の精神保健医療福祉体制の構築を希望しています。私ども診療所は、積極的に地域医療に参加し、多機関との協力連携を進めていきたいと思っております。
  にも包括の対象を精神障害の有無や程度にかかわらずとしたところが画期的なものであり、単に精神障害を有する方だけでなく、精神保健上の課題を抱えた方を含め、精神保健医療福祉のニーズを有する方に対して、その意向やニーズに応じて身近な地域で切れ目なく医療サービスを利用し、安心して暮らせるようにする体系を構築するものとなっております。
 これは精神科診療所の守備範囲と重なります。診療所は、利用者の身近にあって、一次予防、二次予防、三次予防の広い範囲をカバーしているとされています。診療所は多様な精神疾患の医療サービスの提供にとどまらず、保健医療サービスや障害福祉サービスを含めた幅広い領域をカバーして連携していくことを期待されると考えております。ただ、これは必ずしもフルスペックで、いろいろな職種やいろいろな医者がいなければいけないということではないかなと思っております。
 昨今、チェーン化したクリニックが大都市を中心に猛烈な勢いで増加しておりまして、医療というよりは商業ベースに乗っかった運営をし、毎回診察医が変わったり、休職診断書を書くことを目的としたようなクリニックもあるようでございます。
 このたびの診療報酬改定において、早期診療体制充実加算が新設され、どのような医療機関がちゃんとしたものであるのか、望ましいものなのか、国の考える理想的な医療機関のイメージが示唆されたように思っております。担当医を決めることが言及されたことは望ましいのですけれども、例えば、時間外対応加算1が条件の一部になっていますが、1人の精神科医のクリニックではそれを実行しようとしたら、医者、スタッフはオーバーワークとなり健康を害してしまいますし、いつでも連絡可能であるということが疾患においては、診療の枠を逸脱してしまい、逆に治療的でないという問題もございます。
 ただ、大規模なチェーン化したようなクリニックだったりしますとマンパワーがあったりして、逆に対応が可能になってしまうこともございます。コンビニチェーンクリニックを牽制したいつもりが、コンビニ的な医療を国が求めているように見えなくもなく、非常に矛盾があるようにも感じてなりません。
 膨大に増える精神科医療費を抑えたい気持ちは我々も理解しておりますけれども、精神科医でない医者が精神料を算定する問題もそこにはあります。指定医を唯一の国家資格と位置づけ、重要視する体裁になっていることに反論はございませんが、強制入院そのものに反対する理念から、自らの意思で指定医を取得しなかった者や、児童・思春期や産業メンタルヘルスを長年やっていらっしゃるような精神科医は非指定医である方も少なくありません。臨床能力にたけたベテラン精神科医であっても、非精神科医と同等の扱われ方になっていることはやるせない思いがございます。
○田辺座長 すみません。時間を過ぎておりますので、おまとめいただければと思います。
○上田構成員 すみません。もうすぐ終わります。
 主たる標榜科目を精神科としている医療機関や医師でなくては精神料を算定できない決まりが望まれると考えております。
 長々話しまして申し訳ございません。日精診としましては、我々をどしどし活用していただきたく、また、病院の機能を持っていらっしゃる方々とも連携・協力を積極的に行っていく所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、よろしくお願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 日本医師会の担当の江澤でございます。これまでもいろいろ議論に参加させていただいておりますので、また皆さんよろしくお願いしたいと思います。
 私からは、今日は多分総論的な話なので、今、日精診の先生からいろいろお話がありましたけれども、まずは外来におきましては、精神科あるいは心療内科の役割を踏まえ、一方で、かかりつけ医機能というものが別の検討会で議論されておりますから、そちらの議論の状況も踏まえた上で、今後、かかりつけ精神科医機能というものもどこかで議論していく必要があろうかと思います。
 特に、通院精神療法の実態が、今回の診療報酬改定で、先ほどの早期診療体制充実加算等において、かなりハードルが上がった部分もございますので、実態をしっかりと把握して、今後に向けていく必要があるのだろうと思います。
 また、入院患者さんに占める後期高齢者の数が増加しておりまして、今後、介護の必要性も高まっておりますし、併せて毎回議論になる身体合併症が現状どうなっているのかという実態も把握していく必要があろうかと思います。
 資料の11ページにありますように、以前から長期入院の是正が常に課題になっていたところでございます。また、再入院の問題で地域定着をどのように図っていくのか、そして今回、診療報酬改定では精神科地域包括ケア病棟というものも新設されましたので、そういったものの動向も踏まえながら、地域の精神科の医療提供体制にどういった影響やどういったものがうまく寄与しているのかということは非常に見ていく必要があるかと思います。
 また、同じく診療報酬改定では、今回は入院・外来・在宅等において、これまで効果があると認められた包括的支援マネジメント、いわゆる多職種協働で取り組み、成果を上げているものでございますけれども、こういったものの仕組みと、あるいは地域の実態というものがどのようになっているかというのはこれから見ていく必要がありますから、そういった意味ではデータに基づいた分析も必要ではないかなと思っています。
 また、24ページありますように、医療保護入院が半数超という状況になっておりますので、これまでのいろいろな会議で多く議論に時間を割いたのが、精神科における非同意入院の在り方あるいは身体拘束・虐待といったものが、これまで相当なボリュームで議論してきたことと思います。
 今、一般の医療においても、2025年から40年かけて85歳以上の方が増える中で、侵襲の強い治す医療よりも、治して支える医療を選択する傾向が高まっています。したがって、何が重要になるかというと、やはり障害者の方々の意思決定支援というものはますます重要性が高まりますから、その辺りの意思決定支援を現状を踏まえ、どのように見直していくのか、そして、これまでの議論から出てきました入院者訪問支援事業の実態もよく見て、医療機関の中における意思決定支援をサポートするものですけれども、入院患者さんの意思決定支援をサポートする中で、どのように活用されて寄与しているのかという形で、今後の政策に生かしていく必要があろうかと思います。
 最後に、時々不適切な事例が報道されます。今回の精神患者さんへの過剰な訪問看護や、あるいは障害サービスのいろいろな不適切な事例があります。やはり大事なのは専門性をしっかり担保している事業所が質の高いサービスを提供するという形にしていかないと、コンサルタントの草刈り場になっているような感もありますから、サービスの質というのは、精神科医療においても障害福祉サービス等においても極めて重要だと考えております。
 以上でございます。
 課題を幾つか申し上げましたが、今後、第2回以降にいろいろな議論があるかと思いますから、意見はそのときにまたいろいろ発言させていただきます。よろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございます。
 それでは、岡田構成員、よろしくお願いいたします。
○岡田構成員 全国精神保健福祉会連合会の岡田と申します。
 このような精神保健医療福祉に関する検討の機会を設けていただけたこと、そして、家族として発言の機会をいただけたことに大変感謝をしております。
 私が所属します精神障害者家族会の全国組織では、障害がある人とその家族の体験から2022年に精神保健医療福祉への提言をまとめました。本日は自己紹介を兼ねてということですので、その内容から2点に絞って少しお話をさせていただきます。
 1点目は精神科医療についてなのですけれども、まず初めに確認したいこととしては精神科医療の重要性についてです。これまでも現在も、精神疾患・精神障害は凄惨な事件と直結するかのようなイメージが強く、社会から排除されがちな傾向が長く続いておりますが、精神疾患・精神障害は複雑で高等な機能を持つ脳という臓器に関する人間にとってはとても重要な病であって、その治療のための精神科医療は全ての人々にとって大変に重要な医療であることを強調したい。その上で、精神疾患・精神障害がある人がその人生をより豊かに全うすることを目指し、それを支援する医療であってほしいという強い希望がございます。
 その重要な精神科医療へのアクセスについての課題として、先ほど御説明にもありましたように、現在は日本独自の医療保護入院という強制入院が一番多い医療へのアクセスになっておりますが、国連障害者権利委員会の総括所見にもあるように、人権擁護の視点であったり、入院中心から地域生活中心へという方向性から考えましても、一市民である家族の同意を必要とする強制入院ではなく、アウトリーチによる医療アクセスが中心となる方向性を目指すべきと考えております。また、入院における行動制限最小化の課題といたしまして、身体拘束ゼロを目指すための具体策を検討すべきとも考えております。
 2点目としましては、家族支援についてです。精神保健医療福祉の分野では、特にこれまで長い間、家族は本人の保護者であり、本人をケアする存在として位置づけられてきました。そのことは、家族に精神障害がある本人は保護しなければならない存在、ケアしてあげなければならない存在として認識されることになって、それに加えて家族はもともと精神疾患・精神障害への偏見を持ちながらその症状を目の当たりにすることで、以前と変わってしまった本人への信頼を見失ってしまいます。そのため、自己犠牲もいとわずに本人を抱え込んでしまったり、本人を拒絶していなかったものとしてしまうことさえあります。このような状況は、本人が地域で生きる力とその機会を奪うことにもつながっております。
 これまでの法律では、長い間、家族を保護者やケアラーとして位置づけてきましたけれども、それを払拭するために、精神保健福祉法をはじめ障害者基本法、障害者総合支援法など法律上に家族支援をきちんと位置づけて、本人支援とともに家族支援体制をつくる必要があると考えております。
 ちなみに、近年成立しました発達障害者支援法、認知症基本法には、家族支援が明確に位置づけられております。本人支援のためにも家族支援は重要な視点です。精神障害をはじめとする障害に関する法律に家族支援を位置づける必要があると考えております。
 以上になります。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、岡部構成員、よろしくお願いいたします。
○岡部構成員 日本相談支援専門員協会の岡部と申します。どうぞよろしくお願いします。
 私は協会の立場から、先ほど岩上構成員もおっしゃっていましたが、人口減少に伴う担い手の不足が一番大きな問題だと思っています。病院におかれましても看護師さんが少ないという問題はありますし、最近、地域で支えるための相談支援にスポットが当たって、令和6年の報酬改定でも随分相談支援が独立していけるような状況をつくっていただきましたけれども、そうであっても今現在、計画相談支援事業所で働く従業員は全国で2万7000人ぐらいだと言われています。これは先ほど20ページに記載いただいた医療機関26.5%、これを数にすると2万8000人ぐらいだと思いますので、病院で働くソーシャルワーカーと地域で働く相談支援専門員は同じぐらいの数だと見ています。
 2万7000人の相談支援専門員がいるのですが、まだまだ精神障害の方の対応というのは二の足を踏む人たちが多くて、その辺の力もつけていかなくてはいけないと思っていますけれども、なかなか一朝一夕にスキルアップをすることは難しいので、いろいろな研修や仕掛けをしても、精神の方に適切に対応するという力は時間がかかります。
 そういったことから、私もそうなのですが、精神科病院で働いてある程度精神科の経験があるソーシャルワーカーが地域に出て働けるようになると、地域で支えやすくなるということを実感しておりますし、そういった動きのほうが地域で精神の方を支える体制は早く構築できるのではないかなという思いも持っております。
 ただ、それだけでは病院に精神保健福祉士さんがいらっしゃることは非常に大事でありますので、もう一方で、毎回私は発言しておりますけれども、相談支援専門員と一緒にピアサポーターが働けるような体制をさらに進めるような検討も必要ではないかと思っています。限られた人を有効に配置していけるような仕組みも今後考えていかなければいけないのではないかなと思っております。
 私のほうは以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、柄澤構成員、よろしくお願いいたします。
○柄澤構成員 皆様、初めまして。北海道北広島市保健福祉部の柄澤でございます。
 人口5万7000人弱の保健所設置のない一般市町村で保健師をしております。当市では、昨年3月にプロ野球日本ハムファイターズの本拠地となります北海道ボールパークFビレッジが開業しまして、令和5年度は延べ300万人以上のお客様が来場されています。
 私は福祉総合相談室という部署で、子供家庭総合支援拠点、障害者・高齢者の総合相談業務を主に所管しています。この検討会には、全国精神保健福祉相談員会、以下全精相と省略しますが、全精相からの推薦で参加をさせていただいております。
 全精相は、全国の保健所、精神保健福祉センター、市町村等において、精神保健福祉業務に従事する実務者で構成する団体で、会員数が210名を超えました。全精相としましては、精神保健福祉法改正、精神保健福祉業務運営要領の改正、市町村における精神保健に係る相談支援体制整備の推進に関する検討チームで具体的に相談支援体制が示されたこと、併せて精神保健福祉相談員養成講習会に関して、現場の実情に合わせてカリキュラムの改定が行われたことを好意的に受け止めているところでございます。
 直近の課題としましては、精神保健に課題のある者への相談支援につきまして、身近な市町村で普及啓発、当事者支援、家族支援等がスタンダードな取組となり、どこに住んでいても等しく精神保健サービスが提供されることに注力していくことが課題であると認識しております。また、市町村で精神保健相談を進めていくには、医療との連携が不可欠であり、精神科医療のみならず一般医療、救急医療、在宅医療との連携体制構築も課題であると考えます。
 このようなことから、市町村が精神保健相談の体制を整備するには、都道府県の市町村支援はとても重要であると考えており、引き続き自治体体制の強化をお願いしたいところでございます。
 私からは以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、神庭構成員、よろしくお願いいたします。
○神庭構成員 神庭でございます。
 僕は九州大学の精神科におりまして、今は退任して名誉教授になっておりますが、実は過疎地に住んでいまして、過疎地の精神科病院のお手伝いをしております。どれぐらい過疎地かというと、人口当たりの精神科専門医の数で言うとボトム10%の地域で働いていまして、いかに人手が足りないか、医師が少ないかを痛感しております。同時に、東京のメンタルクリニックにも少し関わらせていただいていて、今度は大都会でいかにメンタルクリニックが乱立しているかということも体験しているという事情がございます。
 精神保健福祉法に関しては、今回の改正に向けての種々検討会に参加させていただいておりますが、これも先ほどからお話があったように、今回の改正は国連の障害者権利条約の対日審査と軌を一にしていたこともあってでしょうか、障害者の方の権利擁護という視点から様々議論がなされたと思います。
 権利条約でも指摘されていますように、非自発的な入院、隔離・拘束の問題の2つにインテンシブに議論がされてきたと思いますけれども、非自発的な入院に関しては、医療保護入院に一定の入院期間を区切るという形で結実しております。また、入院者訪問支援事業という形で精神科病院の中と外をつなぐ、壁を取り除く、バリアフリーにするという流れも生まれてきています。どちらも小さな一歩かもしれませんけれども、大事な方向へ向けて動き出したのではないかと思っています。
 ただ、やり残したことは、隔離・拘束をいかに減らすかという問題ではないかと思っています。これに関しては、野村総研のワーキンググループがあって、そちらのほうでも種々検討をいたしました。結局、グッドプラクティスを国内で見つけて、それを広めていこうという流れにとどまった。それも大きな一歩だと思うのですけれども、なぜ日本は国内外から隔離・拘束が多いと言われるのか。その原因がはっきりしないところでの議論が多かったのではないか。やはり徹底的に原因を究明して、原因に対して介入するような方向で今後の対策が考えられていくべきではないかなと思っております。
 以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、北村構成員、よろしくお願いいたします。
○北村構成員 石川県立心の病院の北村といいます。
 全国自治体病院協議会を代表して一言言いたいと思いますけれども、さきに当県で起きました能登半島地震におきましては、全国の皆様方の御支援とか温かいお見舞いの言葉をいただきまして誠にありがとうございました。現地はまだ全く復旧していないという実態があるのですけれども、今後ともよろしくお願いします。
 全自協を代表しまして5つのことを述べたいと思います。
 第1点目は、総合病院の精神病床の減少に歯止めが利かないことです。精神病床と一般病床の診療報酬上の格差が大きいことが原因だと思うのですけれども、このことにつきましては、ちょうど日赤の先生がいらっしゃるので恐らく触れられるのではないかと思いますので、これだけにしておきます。
 2つ目として、一般救急と精神科救急との関係をいま一度考え直すべきではないか。もともと身体管理の難しい人は精神の病院では診られないのですけれども、最近、高齢者の精神科救急が増えていまして、例えば介護施設から夜中に認知症の人が暴れたとか、我々は体に原因があるのではないかなと思うのですけれども、それが夜中の単科の精神科病院では検査も何もできないということで、いろいろ困ったことが起こっています。
 今までは精神科救急は精神科救急、一般救急は一般救急として分けて考えてきたのですけれども、一般救急のほうも高齢者の増加とか認知症の増加によって困ることもいっぱいあると思いますので、いま一度、同じ土俵できちんと考えるべきではないかと思います。特に第三次救急をやっている救命救急センターには、小規格でいいので精神科病床を置けば、半日だけでも取りあえずそこに入ってもらい精神科に転院するとかできると思うので、そういうことが必要ではないかなと思います。
 3つ目は、離島とか僻地の指定医の当直医が確保できなくなっていて、都会でも指定医の資格を取ったら救急の病院からは離れるという人も多いので、同様のことが起こっております。それで、オンライン診療の一形態として、D to P with D、指定医to患者with非指定医ということで、非指定医が当直のときの入院に対して告知等をオンラインで行うということがあってもいいのではないかなと思うので、これは検討の価値があるかなと思います。
 4つ目は、診療報酬体系が入院中心から地域生活支援中心にシフトしていくのは非常にいいことだと思うし、喜ばしいことですが、何せ細かいルールが多過ぎて我々ではとても理解できない。さらに、新設項目が増えるたびに研修が義務づけられて、書類が増えて、会議が増えて、働き方改革の時代に精神科病院の医師は忙しくてたまらないということが起こっております。ですから、普通はスクラップアンドビルドなので、新しいことをするときには何かを潰さなければいけないのに、厚労省は一般科のほうもどんどん増やしていくだけで、もうちょっときちんと考えてほしいというのが現場の本音です。
 最後に、当院では、先ほどからICM、包括的支援マネジメントを一生懸命取り組んできたところ、スーパー救急からの退院者の地域生活日数が351日です。国の目標が316日なので大変優秀だと思うのですが、しかし、頑張れば頑張るほど、患者は救急では受診しなくなりますし、自分の意思で入院を受けようとするので、非同意入院患者も減るので、非同意入院の率が何%という救急病棟の維持が苦しくなっています。
 都会ではいろいろ人がいるのかもしれませんが、田舎ではもともとパイが少ないので、一生懸命医療をすればするほど病院の経営が苦しくなるというところに直面しております。特に、急性期医師配置加算のクロザリルの要件ですけれども、当院は3月に突然患者さんにドタキャンされたおかげで、汚い話ですが、約2000万円の減収になります。この後、2年間クロザリルがちゃんとできるかどうかも難しいぐらい、もう十何年、掘り起こす人はもう掘り起こし尽くしました。それでもこういうのを要件にするのはいかがなものかと。医療の質を問いたいならば、ICMの実施状況とかポリファーマシーの状況とかで医療の質を評価すべきであって、いたずらに一薬剤を使えば点数を上げるなどというのはぜひやめていただきたいということで、声を高らかに宣言して終わりたいと思います。
 以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、桐原構成員、よろしくお願いいたします。
○桐原構成員 全国「精神病」者集団の桐原です。
 障害者権利条約初回政府審査に係る総括所見では、精神障害を理由とした非自発的入院制度や行動制限の廃止、精神保健福祉法の解体という形で、精神医療を一般医療と同一の枠組みに編入していくことなどが勧告されました。
 精神保健福祉法附則第3条には、障害者権利条約の実施について精神障害者等の意見を聴きつつ検討することとされており、この場合の「障害者権利条約の実施」の範囲には勧告への対応が含まれると厚生労働大臣が国会で答弁しています。また、立法府では、障害者権利条約初回政府審査に係る総括所見の勧告に基づいた検討を定めた附帯決議が衆参両院において成立しています。
 さて、医療計画の中間見直しは2027年頃、そして第9次医療計画の開始が2030年頃、障害福祉計画は第7期が2024年頃、第8期が2027年頃、第9期が2030年頃に予定されていて、報酬のトリプル改定が2024年頃と2030年頃に予定されています。この法律の見直しですが、2027年頃と考えられて、そういう意味では障害者権利条約対日審査の第2回政府審査が2028年となっています。このことから2027年までをワンスパンとして勧告への対応を念頭に置きながら、先を見据えた形で法改正を具体的に進めていく必要があると考えています。
 身体拘束なのですが、人身の自由の制約を伴うため、急いで取り組まれるべき切迫した問題であると考えています。勧告が実現されるまでの当面の間、入院している仲間を現行告示下にとどめおくわけにはいかないので、不適切な身体拘束をゼロにするための取組が必要になると考えています。
 取組については、医療現場における研修の実施や都道府県による医療計画指標例の設定というソフト面にとどまらず、行動制限の決め事を定めた告示の改正に及んだものでなければなりません。少なくとも不穏または多動が顕著というだけで拘束されている仲間の拘束が解除されるよう、切迫性、非代替性、一時性の要件を列挙的に示し、これら三要件の一つでも欠如したら解除できるという内容を明示した告示に改正される必要があります。
 さて、構成員の皆様へのお願いになりますが、ここで検討されることは精神障害当事者の私たちにとっては実生活に直接関わることばかりです。私たちは直接的な生活の影響を受ける立場上、合意形成の大切さというのは十分理解しているつもりではありますが、時として必死にならざるを得ないときがあります。引き下がれないと思う場面もあります。そのような私たちの置かれた立場などを十分に理解し、受け止めていただきつつ、合意形成に向けた検討をしていただきましたら大変うれしく思っています。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、柑本構成員、よろしくお願いいたします。
○柑本構成員 ありがとうございます。
 東海大学法学部で刑事法を担当しております柑本と申します。前回の検討会に引き続き本検討会にも出席させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の関心事項も、多くが既に先生方が触れてくださいました点と重なっております。障害者権利委員会の勧告も踏まえた上で、最大限尊重した上で、医療保護入院制度も含む非自発的入院制度の在り方、隔離・身体的拘束を含む行動制限に関する告示の基準の見直し、退院後のケアも含めた地域での支援体制の在り方等々を検討していただきたいと思っております。
 特に私が個人的に検討をお願いしたい点が2つございます。
 1点が、精神医療審査会制度の見直しでございます。前回の検討会でも申し上げていたのですけれども、合議体の委員の構成を、いま一度御検討いただきたいと思います。よりバランスの取れた実践方法を実現するためには、合議体の構成員数を現行の5名から医療、法律、福祉の代表各1名の計3名に削減すべきではないかと思います。
 ぜひその方向で検討を行っていただきたいと思いますし、精神医療審査会の運営はマニュアルに従って行われていますけれども、運用の現状の検証、マニュアルの内容の妥当性等についても検討をお願いできればと思います。
 もう一つの点は、非自発的入院制度につきまして、医療保護入院というのは検討会でいろいろと議論されてきておりますけれども、措置入院の在り方についてもいま一度検討をお願いできればと思います。
 例えば、警察官による措置通報について、自治体によっては警察官に対して一定の要件を満たさない限り通報しないよう申入れをしている、警察官が通報をしても通報を受けてもらえない、受けてもらえても自治体職員の事前調査で医学的判断まで行われてしまって診察にまで結びつかないといった状況があると聞いております。措置入院も入院医療が必要だと判断される人たちを適切に医療に結びつける制度の一つであるわけですから、このような対応は問題であるように思います。
 警察官通報を契機とした措置入院に関する標準的な手続につきましては、「措置入院の運用に関するガイドライン」が取りまとめられておりますので、このガイドラインにのっとった運用がなされているかの検証を行い、措置入院の運用の均てん化に向けた検討を行っていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、小阪構成員、よろしくお願いいたします。
○小阪構成員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
 私たちは当事者性を持つ立場になりますので、本検討会ではできる限り私たちならではの患者側の立場からの思いを言葉として紡いでまいりたいと思っています。ですが、私たち限られた当事者だけでは、どうしても約600万人の精神疾患等を有している方々の思いの全てを代弁することはかないません。だからこそ、本検討会においては、一つ一つの議論を丁寧に行っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 精神保健医療福祉の今後の施策推進ということですと、私たち当事者は特に精神科医療の在り方に対して大変強い関心を持っています。本日この場に御参加されている構成員の皆さんと、まずは合意形成が図れるのではないかという点として、今現在の精神科医療の在り方が国民医療として本来望ましい状態ではないということ、それだけは皆さんおのおの立場や問題意識は違えども合意形成が図れるのではないでしょうか。
 私たちは、いたずらに精神科医療やその関係者・関係団体を批判するつもりは毛頭ありません。むしろ良質で適切な精神科医療に対して感謝の気持ちを抱いている立場です。ですが、まだ精神科医療は私たち国民にとって望ましいありようにはなっていないと思っています。もしかすると、我が国の政策として、精神科医療に様々な問題を押し付けてきた部分も多分にあるのではないでしょうか。今や5疾病となり、患者数も600万人を超える状況となっている今、改めて国民医療としての適切なありようを皆さんとともに考えていきたいと思っています。
 各論として2点ほど触れておきたいと思います。
 1点目は、医療保護入院です。入院形態別在院患者数の推移として、医療保護入院の方が約5割という現状は、本来の国民医療として望ましいありようではないということです。これを当たり前にしないでください。誤解のなきように付け加えますと、医療保護入院制度だけを切り取って議論してしまうと解決の糸口が見えなくなってしまうと思っています。まさに精神保健医療福祉全体の課題として、本人が同意していない形での医療行為を是とするのではなく、精神科医療であっても原則任意入院が当たり前となるよう、保健医療福祉全体として考える必要があると思っています。これには、例えば人員配置基準の見直し等も含まれると思っています。
 2点目は、いざというときに安心して頼りにできる精神科医療であってほしいということです。精神科医療に頼らなければならない切迫した状況というのは、本人にとっても家族にとっても非常に追い詰められている状況にあることと思います。そんなときに、精神科だけには行きたくないと本人に思わせないでください。怖いと思わせないでください。薬漬けにしたくないと御家族に思わせないでください。
 つい先日、私自身が受診をしている精神科病院で、私の診療中に隣の診察室で女性の大きな声が上がりました。先生に怒っているようでした。そうしたら、あっという間に7~8人の看護師が集まってきて取り囲んでいて、患者さんは「入院は嫌だ、入院はしたくない、だって怖いもの」と叫んでいました。私自身が通院している病院ですので医療の質としては悪くないと思っていましたが、それでもやはり怖いという思いがあられる方がいらっしゃるのだと、とても悲しく、せつなく、胸が痛くなりました。
 私たち当事者には、そうした精神科医療に対する複雑な思いもあることを酌んでいただき、私たち国民が困ったときには、安心していざというときに頼りにできる精神科医療であってほしいと切に願います。
 最後になりますが、私たちは精神保健医療福祉にまつわる様々な課題について、批判的立場にとどまることなく、本検討会の構成員の皆様や事務局の厚生労働省の方々とともに、よりよい精神保健医療福祉について一緒に考えていけると信じています。ありがとうございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、小嶋構成員、よろしくお願いします。
○小嶋構成員 TBSで医療問題担当の解説委員をしております小嶋と申します。よろしくお願いいたします。
 日頃からフィールドワーク、すなわち現場に足を運んで、現場で何が起こっているのかを観察し、現場からの声を丹念に拾って、それを行政につなげていこうと活動しております。今、現場を見てきた者として気になっている点を3つ挙げたいと思います。
 1つ目ですけれども、医療の各分野を取材していますと、精神科領域というのは、ほかの診療科に比べてどうしてもエビデンスを創出することが非常に難しい現場であると感じています。それでいいのかというと、必ずしもそうではないと思いますので、社会全体で精神科医療におけるエビデンスの創出という重要性を理解して、社会全体でそれを協力していくという世の中づくりというのも精神科医療を支えるという意味では重要なのではないかと思っております。
 既にいろいろ出ておりますけれども、今、精神科医療の領域では入院から地域へという大きな道筋ができておりますけれども、受け皿としての社会、受け皿としての施設という点で、例えばグループホームなどを取材すると、やはり道筋は示されましたけれども、それを実践するだけのマンパワーとかテクニックが全く不足している、そういう受入れ側の態勢が整っていないという指摘も聞かれます。
 アウトリーチという視点から考えて、例えば地域で支える一つの仕組みとして、日本でも少しずつ広まっておりますけれども、オープンダイアログといった手法などはもっと取り入れて活用してもいいのではないかなとも考えております。もちろんそのためにオープンダイアログそのものの実臨床での効果判定や検証が必要だということはもちろんだと思います。
 3点目です。40年近くいろいろな災害現場も見続けてきましたが、そこで置き去りにされてきた障害を持った多くの被災者、とりわけ精神障害者、例えば統合失調症とか引きこもりとか認知症患者など、外見からはなかなか分かりづらい障害を持った人たちですけれども、そういった災害弱者に対して、東日本大震災以降は、DMATの親戚みたいなものですけれども、DPATの活躍でかなり様相も変わってきたと思います。
 しかし、能登地震を見ても、”とりあえずの声掛け”や”傾聴”という、「ワンポイントでの支援」は広がってきましたが、その先にある、「一人一人に対する継続的な支援」はまだまだではないかと感じています。南海トラフ地震が発生した場合、DPATなどの活動には、本邦の精神科医全員が動員されても足りないという政府の検討会の試算もあります。そういった中で、福祉避難所の充実とか拡大、あるいはピアサポートの積極的活用など、備えるためにやるべきことはたくさんあると思っています。
 すみません。長くなりました。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、田村構成員、よろしくお願いいたします。
○田村構成員 日本精神保健福祉士協会の田村と申します。よろしくお願いいたします。
 前回、前々回の検討会から引き続き参加させていただきます。私ども日本精神保健福祉士協会は、名のとおり精神保健福祉士の職能団体ですけれども、医療機関に勤めている者が35%ぐらい、福祉系の事業所と行政を合わせて3割ぐらい、そのほかに司法や教育、企業その他で働いている者がおります。
 今回の精神保健福祉法の改正につきましては、私たちが日々働いている現場での業務に関する様々な改正がありましたので、対応のための準備をして臨んでおり、今後、適宜状況を把握し御報告できることはしていきたいと思っております。
 特に今回の法改正では、例えば医療保護入院の時限設定がなされたことや、入院者訪問支援事業の新設がありましたので、それらがどのように実行され、そして、さらなる改正の課題がありそうなのかとか、どのような効果がもたらされているかといったことについて把握していきたいと思っております。
 あと、今回、資料をお示しいただいた中で、既に多くの方からご意見が出ていますけれども、精神科医療機関での患者さんの高齢化と、それに伴う形かと思いますが、特に入院が長期になると死亡等で退院となる方の割合が多くなる現状が見られております。平成26年のときよりもそのパーセンテージが上がっていると思いますので、看取りの場としての精神科病院での医療の在り方についても今後考える必要があると思っております。
 それから、隔離や身体的拘束の解消に向けた問題とか、精神医療における人権擁護としての精神医療審査会の在り方については、私どももまだそこにきちんと検討できていないという実感も持っておりますので、今後、特に精神医療審査会に関しては保健福祉に関する学識委員ということで入れていただいていますので、自分たちの質も上げながら、改善策に関しては適宜意見を述べさせていただければと思っております。
 今回の検討会は非常に大きなタイトルで、施策推進に向けてということなのですけれども、私たちの子どもの頃に比べると、精神医療の問題というのは本当に国民全体の誰にとっても大事な問題になっていると思いますし、私の本務先は大学ですが、大学生までの間に精神医療にかかったことがある人は全然珍しくない時代になっています。そういう意味で精神医療は本当に身近なものです。この検討会には本当に多くの方が参画されていますけれども、ほかにもいじめの問題とか罪を犯した方々におけるメンタル不調の問題、また労働者のメンタルヘルスや自殺の問題など、精神医療やメンタルヘルスに関連する施策は、恐らく厚労省内あるいは他省庁でも取り組まれていると思いますし、それらが連携してさらに協議をすることによって、この問題についての国の予算も増やせるのではないかと思うところもあります。ですので、省庁横断的な協議の場、あるいはヒアリングを行うことでもいいと思うのですが、今後検討していただけるといいと思います。
 以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、辻本構成員、よろしくお願いします。
○辻本構成員 全国精神保健福祉センター長会の辻本です。
 私も地域で安全の検討会に引き続いて参加させていただきました。前回の検討会はコロナの最中で、ほぼウェブばかりだったので、今日初めてライブでお会いできて、初めてだと分からなくて挨拶が中途半端になって申し訳なかったです。ただ、やはりこうやってライブで一緒に顔を合わせるのは大事だと思いました。それを非常にうれしく思いました。
 去年の会も、まとまり切れなかったにしても、みんな同じ方向性を見て一生懸命頑張ってやったというのは経験として非常に大きいものがあったので、それはありがたかったです。今回、このような会をまた引き続いてやってもらえるのは、厚労省さんに感謝を申し上げたい。前回のときも、こういう会を引き続いてやろうねと言っていて、実際こうやって開催いただけて、ホッとできたというところがあります。継続性を持ってやっていける。この時期はまだ余裕がある。前回はかつかつのスケジュールだったので大変だったのですけれども、今回はじっくりやっていけるのが非常にありがたいと思います。
 非常にありがたいところで、精神保健福祉法改正法の精神保健福祉センターの立場からちょっとお話しさせてもらうと、さっきの引き続きの話を考えると、今日頂いた資料の16ページのその後をどうしていくかというふうに私は考えました。
 3つ思っているのは、まず1つ目として、対応の方向性として精神保健に関する市町村の支援等による相談支援の体制、いわゆる地域包括ケアシステムの実践なのですが、市町村でにも包括をやることは決まってきたのですけれども、義務化までいっていないので、実際に検討してもらっているにしても努力義務になっている。その後、保健所とか精神保健福祉センターをどうバックアップしていくのか、あるいは先ほど出ました地域の違い、文化の違いとか、その辺の在り方をどうするか、重層的支援体制でやるのかどうかとか、検討をどうバランスを取っていくかを考えていきたいのが一つ。
 2つ目が、医療保護入院、不適切な隔離・身体拘束をゼロとする取組ということで、これは皆さんおっしゃっているのですけれども、障害者総合支援法の附則とか障害者権利条約の勧告に対する検討は当然必要だと思います。非自発的入院、拘束・隔離ですけれども、例えば摂食障害と言われる方の行動制限のあり方はまだまだ法的にどうしていったらいいのか。精神科でもあり、身体科でもあるところの拘束の問題とか、高齢者の支援も同じだと思うのですけれども、その辺をどうしていくのかを整理していただきたいと思います。
 それと、重要となる審査会の話なのですが、精神保健福センターが事務局を担っているのですが、今回、見直しをいろいろされているところで、マンパワー的に財政的に医者の過不足、委員の過不足があって、非常に難しい状況にあるので、その辺をどう見直すかも検討していただきたいということ。
 最後に3つ目、関係法令の改正云々、先ほど田村先生がおっしゃったのですけれども、医療保健福祉の法律制度が非常に縦割りになっていて、身体化と高齢者の問題もさっき出たのですが、そのほかで精神科医療と地域保健福祉との連携、精神科病院と診療所の連携、身体科、これも救急とか認知症とか高齢者、合併症、そのあたりの連携・協力のあり方。あと介護保険とか医療のデータを保健福祉のほうで使えないか、今後オンライン診療をどうしていくのか、オンラインでの相談窓口をどうしていくかも方向性を出していただきたいと思います。
 精神保健福祉法とか自殺対策基本法とか生活困窮者自立支援法だとか孤立・孤独の推進法、いろいろな法律体系がいっぱい出てくるのですけれども、できるたびに縦割りになっていきそうになるので、そこをうまく連携するような方法を考えていただきたいと思います。
 今日のところは以上にさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 引き続き、長瀬構成員、よろしくお願いします。
○長瀬構成員 日本精神科病院協会の長瀬でございます。
 私はこういった会議体は初めて参加させていただきます。よろしくお願いします。
 まず今年の4月より法改正の施行に伴いまして、精神科病院の入院制度等の進捗部分についての対応を会員病院、関係各所で進めているところでございます。その上で、先ほどもずっと出ていますけれども、地域包括ケアの構築に当たりまして精神科病院が担う役割としましては、当事者の方々の個々のニーズに沿った入院・通院・在宅ケアを貫くシームレスなかかりつけ医機能、当事者を支える精神医療における関係機関の連携的な機能、夜間・時間外の精神科救急体制への中心的実働機能、さらに地域に対して精神医療の理解を深めるための啓発だったり、企画・立案及び協力について非常にやることが多くなっております。
 ただ、実際、これもまた先生方がよく御指摘されているのですけれども、人口をはじめとする社会環境のトレンドによって精神科病院の数と精神病床は減っています。にもかかわらず、資料にもありますように、当事者の方、利用していただく患者さんは増えています。そうなると、長期の方はもちろん減っていますけれども、短期的に入院される方がどうしても増えるわけです。
 そうすると、近年、そういったその対象の方々、当事者の方々の診断や病態や年齢群も多彩さを増して、例えば精神的な御病気と身体的な御病気の両方抱えておられる方、複数の精神科の病気を重複して持っておられる方、当事者お一人お一人が抱える病気の個別性や優先度に対応する柔軟性の高い対応が精神医療に求められている傾向にあります。その結果、一つの病院でなかなか対応できない場合は、ほかの民間病院や公立の連携や協力、役割分担が必要になってきます。
 また、地域移行も、既に先生方が御指摘されていますけれども、当事者の方々へのサービスの提供といたしましては、医療サービスのみならず、障害福祉サービスの提供も大変な課題です。
 障害者自立支援法に始まって、障害者総合支援法、その後の改正法の施行によりまして、地域生活支援にとどまらず、その方の意思やニーズ、能力に沿った段階的な訓練・就労系の支援が求められております。自立支援給付部分としましては、就労移行、就労継続、就労定着支援に代表される訓練・就労系のサービス、施設入所支援、共同生活援助に代表される居宅サービス等に加えまして、近年は障害児の施設給付に関する放課後デイサービスにおいても、精神科病院の専門性の高い多職種の活用が不可欠になってきています。
 このように、精神科病院は通院・入院・在宅といった医療ニーズと地域生活・就労参画といった障害福祉サービス双方に対応して、我々の持つ機能の伸び代をさらに伸ばしていかねばいけないかなという危機感を持っております。
 そのためには、これも先生方は既に御指摘のとおり精神医療を担う様々な医療人材の確保や財源の確保についても大きな課題となっていまして、そういったところにも検討会に御参加の先生方により一層の御配慮と理解を賜りたいと考えております。よろしくどうぞお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、中野構成員、よろしくお願いいたします。
○中野構成員 皆様、こんにちは。日本看護協会の中野と申します。
 前回までは前任者が出席させていただいていましたけれども、前任者から引き継いで今回から初めてこちらの検討に参加させていただいています。よろしくお願いいたします。
 私ども日本看護協会では、国が推進している精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの考え方や、昨今の政策の方向性には賛同しつつ、各論においては様々協力をさせていただいているところなのですけれども、これらの地域で精神障害者の方々を支えていくという政策が実効性のあるものになって、精神障害者や精神保健に関する課題を抱える方々が住み慣れた地域で生活を継続していくためには、訪問看護ステーションや訪問診療等を含む適切な医療のみならず、これに加えて地域の支援体制や受け皿が十分に整備されることが肝になってくるかと思います。
 一方で、現状としては地域資源や支援体制など自治体の「体力」に関しては、地域差があることから、生活域と広域の双方のバランスを図りつつ、新たな資源の創出等も視野に入れて、それぞれの地域でどのように対策が推進できるかの議論も重要ではないかと思います。
 また一方で、精神保健医療福祉に関する施策というのは、縦割りであって、かつ広域で多岐にわたっています。それらの関係性をどう整理して、また、どの保健事業を中心に考えて施策を進めていけばよいのかということは、現場にとっては大変難しい状況があるとお聞きしています。
 例えば、この4月に施行された市町村における精神保健に係る相談体制の整備に関しまして申し上げますと、法改正前から保健と福祉が連携・協働し、分け隔てなく対象に応じた支援の提供ができている地域もあれば、保健と福祉を全く切り分けた形で体制構築されてきたような地域もあるように聞いています。このように地域によって前提条件がかなり違っている中で、施策の重なりや関連性を整理した上で、効率的にどう取り組んでいけるのかといった観点についても、その支援を考えていくことが重要ではないかと思います。
 また、私どもの立場でありますと非常に関係するのが保健師等でありますが、多くの場合、地域差には保健師やその他の専門職の配置や人数の差も影響していると思っています。無論、人材の確保が自治体の裁量であるという状況は十分理解はしていますけれども、その裁量が正しく働くように、業務量に対して、もしくは業務内容に対してどのような人材確保の考え方であるべきかという辺りも何らか支援ができるとよいのではないかなと思います。
 最後に入院医療に関してですけれども、先ほど来、行動制限の在り方ないしは入院の在り方について課題が残っているという御指摘がありますが、併せて入院患者が高齢化している状況を踏まえますと、身体合併症を伴う高齢患者も増えるので、この状況に対応できる体制がこれまで以上に強化されることが必要だと思います。
 例えば、看護に関して認定看護師や専門看護師等の専門性の高い看護師、地域にいるこれらの看護師を施設や医療機関が活用するといった体制整備に向けた議論が、より幅の広い人材においても重要になっていくのではないかなと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、長谷川構成員、よろしくお願いいたします。
○長谷川構成員 皆さんこんにちは。長谷川です。
 今日は外来の日で、オンライン参加ですみません。しかも、検討会は初なので初心者なのですけれども、申し訳ないです。
 今、私がいる病院は精神科病床が残念ながらなくて、リエゾン主体で緩和ケアをやっています。ただ、実は3月まで沼津中央病院という精神科救急をやっている病院で14年精神科救急をやっていました。たくさん非同意とか行動制限をしてきてしまった医者なのですけれども、汗をかく現場の者として参加をさせていただければと思います。
 課題としては大きく2つで、一つは皆さんおっしゃっていましたけれども、拘束です。沼津中央病院では拘束ゼロプロジェクトをやっておりまして、本当に激減しました。ですから、その知見を生かして、これを推進して拡充できるようなことが意見交換できればいいなと思っています。
 もう一つは、ピアサポートです。精神科救急病棟でピアスタッフと一緒に意思決定支援とか集団精神療法をやっていたのですけれども、地域でのピアサポートは随分出てきていますが、今度は病院でのピアサポートというのも少し話題にできたらいいかなと考えています。
 とにかく非同意入院を減らして、行動制限ももちろん減らして、病を抱える方に真に優しい医療、そして地域で本当に活躍できるような体制をさらに皆さんと話し合っていけたらいいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、花村構成員、よろしくお願いします。
○花村構成員 皆さん、こんにちは。花村と申します。
 私は公益社団法人日本公認心理師協会から役員として参りました。ふだんの勤務は埼玉の総合病院で働いておりまして、精神科の先生方とともに精神疾患の方のケアと、総合病院ですので緩和ケア、認知症ケアチームなどにも関わっております。
 本日の資料にもございますけれども、21ページに公認心理師の実態が調査結果として出ておりまして、おかげさまで先生方の皆様方の御支援をもちまして国家資格ができまして、7万人を超える有資格者が出ております。そうなりますと、これをどう活用していくかというのは我々の中でも課題になっております。ただ、期待していただいていることは感じておりますので、今回もこの会議に入れていただいて大変うれしく感謝しております。
 今回の会議の中で示されていますように、地域で精神的な不調を抱える方々の生活を支えていけるように、チームの一員として参画できればと思うのですけれども、この図にもありますように、公認心理師は保健医療の分野で働いている者、福祉分野で働いている者、教育分野で働いている者と同じぐらいの数がおりまして、そのほかに、産業労働分野の企業内のカウンセラーをしている者、家庭裁判所の調査官などしている者、そういったいろいろな分野に公認心理師がおります。領域横断的に支援しなければいけないというのが今回あげられている様々な課題だと思いますので、各領域の公認心理師がいろいろ協力し合って、今回の施策の方向にも参画できればと思っております。
 精神医療福祉の問題が多岐にわたることは、ほかの皆様方もおっしゃられているのですけれども、学校教育などの中で精神保健福祉を正しく伝えていくこともとても大切なことかなと思っております。学校現場におりますスクールカウンセラーは、多くは公認心理師でございますし、精神科の先生方なども参画しておられますし、そして看護師さんや保健師さんが命の教育などもされている中で、「その人を大切にする」という教育の中に精神科医療福祉の正しい知識を、できれば義務教育レベルから子供たちにも伝えていくことができれば、そこに公認心理師も関与して、それも多職種で関与していくことができればと思っております。
 今日参加させていただいているこの会議体は、国の施策に関する会議ですが、地域によって課題は違うと思いますので、各県においてもその県の実情に応じたこういった多職種や多方面の見識をお持ちの方々が集まった会議が活発に行われていくことを期待します。そして、我々の会議と、各地域で行われる会議が連動して各地域の現状を知るなどといった取り組みもできていけると良いと思っております。
 「子供たちが健やかに育つ社会を」ということでは家族全体を支援する視点も切り離せません。病気の親を持つヤングケアラーの問題や、先ほども出ましたけれどもいじめの問題なども含めて、幅広いメンタルヘルスの問題にこの会議の一員として一緒に考えていくことができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、藤井構成員、よろしくお願いいたします。
○藤井構成員 国立精神・神経医療研究センターの藤井と申します。よろしくお願いいたします。
 私は地域精神保健医療福祉に関する、特に政策に関係するところの研究を実施させていただいておりまして、現在様々な観点からの研究を行っておりますけれども、その中の主要テーマの一つとして本人の同意のない入院についての課題整理を行っているところです。
 これにつきましては、当事者の方や御家族から見た課題とか保健医療福祉の専門職から見た課題について整理するだけではなくて、法学的な観点あるいは社会学的観点から多角的に見ていくという課題整理を行っているところです。
 先ほど御説明の中にありましたような附則3条でありますとか、附帯決議あるいは障害者権利委員会からの総括所見に適切に対応していく上では、やはり机上の空論にならないように、実情を踏まえて、しかもそれを多角的に検討していって、現実的かつ望ましい対応策を議論できるとありがたいなと思っているところです。
 先ほど小林課長から資料の説明のところで、精神保健福祉法やその法制度の改正の経緯についても御説明がありましたけれども、精神保健福祉法やその前の精神保健法ができた時代というのは、この法律で医療保護入院や措置入院の対象となる方としては、主として成人の統合失調症の方とか重度の気分障害の方を想定していたのではないかと思うのですけれども、現在では疾病構造とか年齢構成が大きく変化していることが、資料の最初のほうに出てきたグラフを見ても明らかになってきています。加えて、身体合併症の対応ニーズも非常に増してきているところですし、認知症の増加とか児童・思春期の患者さんの増加といったことも含めて、こういう社会の変化や疾病構造、年齢構成の変化も踏まえて入院の仕組みについて考えていくことが必要なのではないかと思います。
 それと同時に、先ほど上田構成員から御指摘がありましたとおり、精神科医療を利用している方やメンタルヘルスの課題を抱えている方は、大半が地域にいらっしゃるわけですね。ですので、地域で精神的な不調のある方を支える仕組み、すなわち市町村や保健所、精神保健福祉センターの相談支援の在り方や精神科医療機関がそれにどのように協力していくのかといったこと、それに外来精神科医療や危機のときの介入の在り方、精神科救急医療の在り方について、前回までまさに安心検討会で様々な議論が行われましたけれども、それに引き続いて議論をしていって、できれば良質指針の改正もそろそろ視野に入ってくるところかと思いますので、その改正について検討する必要があると思います。
 その際、基本となる考え方はもちろんにも包括だと思うのですけれども、今申し上げたような社会情勢とか人口構成の変化を考えると、精神保健福祉医療の課題を精神保健福祉医療の限られた枠内のみで議論していくことには無理が出てきているのではないかと考えます。先ほど田村構成員が省庁横断的な議論を進めるべきとおっしゃったことに全く賛成ですし、医療の中で言うと、例えば医療計画において、救急医療とか周産期医療とか災害医療などを含む、いわゆる6事業の中でも精神科医療の役割は重要だと考えますので、そのようなほかの分野における精神科医療の位置づけについても検討していく必要があるのではないかと考えています。
 非常に大きな課題を議論する検討会ですので、議論が多岐にわたるかと思いますけれども、今後、できる限り建設的な議論に御協力させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、水野構成員、よろしくお願いいたします。
○水野構成員 この検討会から参加させていただきます、水野と申します。
 大学で民法を教えております。民法は市民の妥協と共存のルールの法律ですので、ワンイシューの正義を語るというよりも、自由と平等という対立する正義のように、他の正義とのバランスや、社会全体の中で他への影響を考えながら、その正義の実現を考えます。やはり専門によって癖があるようでして、民法学者は、人体と同じように社会も複雑系だという発想ですから、とかく歯切れが悪くなる傾向がありますけれども、お許しいただければと思います。
 私が大学生だったときに三ヶ月章先生が、明治民法ができたときの話をなさったのを覚えています。「権利」という言葉も、「義務」という言葉も、「時効」という言葉も何も日本語になくて、そういう言葉を全部翻訳語でつくるところから始めて、明治維新から30年かかって、条約改正のために民法を必死でつくったのです。そういう立法作業を、三ヶ月先生はちょうど1964年の東京オリンピックの前の突貫工事、東京中をほじくり返したあの騒ぎと同じだったのだと言われました。私は東京オリンピック当時小学生で、その記憶が辛うじてありましたので、先生が言わんとするところは分かったのですが、今の私の教え子の学生たちに1964年の東京オリンピックのときにと言ったら、「先生、そのときに生きていたのですか」と古代人を見るような顔で見られます。たしかに私も年を取りましたが、さすがに戦後の生まれですので1945年の敗戦の年は記憶にないのですけれども、両親は生きていましたし、1945年はそんなに遠くないと思うのです。今年から1945年まで遡ると79年間、同じ79年分を1945年から前に遡りましたら、もう明治維新より前で、2年ほど江戸幕府に入り込んでしまいます。それぐらい日本という国はものすごく圧縮された近代化を遂げてきたのだと思います。
 民法で言いますと、翻訳語をつくって条文をつくるのは何とかなったのですが、民法という制度を動かす専門家である司法インフラ、つまり裁判官とか検察官とか公証人とか、そういうプロフェッショナルをつくるほうはもっと大変です。
 一応つくることはつくったのですけれども、西洋で民法を回しているだけの人数をつくることはとてもできない。それは分かっておりましたから、起草者たちは、母法では遺産分割も離婚もみんなそういう司法インフラが関与してやることになっているのですけれども、それをみんな家族に丸投げという形でつくり直しました。それでも民法には、母法に由来する司法関与が、少しだけ残っている部分があります。
 例えば、不在者の財産管理とか親権制限とか成年後見とか、私人の意思に基づかずに公的な関与をしなくてはならない部分で、民法の中に司法チェックが残ったまま条文化されています。そして、それらの部分は日本では、全て機能不全を起こしています。禁治産者の強制入院もそうです。強制入院は機能不全のまま使われず、別の法律の医療保護入院に取って代わられて、あげく、禁治産を成年後見に改正するときに廃止されてしまいました。また、児童虐待の場合の親権制限も機能不全を起こしているのは御存じのとおりです。
 万人が万人を監視する社会と言われた徳川時代の社会から、非常に圧縮された近代化を遂げてきたため、共同体の監視が急速に失われて家族が孤立し、日本社会は、多くの限界を抱えています。今から裁判官の数をいきなり数倍に増やして西欧並みにしようという対策は無理なので、ありものを使ってどうやって我々の社会を動かしていくかを考えなくてはいけません。
 日本社会は、司法インフラはとても貧弱ですが、行政インフラがものすごくしっかりしていまして、戸籍とか不動産登記とか印鑑証明などの行政インフラを使って資本主義を動かしてきました。虚偽登記など特有の問題は抱えていますが、これも一つの有効な工夫でした。どうやって日本のありものを使って何ができるのかを、この場で御一緒に考えていくことによって、次の時代を築いていかざるを得ないのだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、森構成員、よろしくお願いいたします。
○森構成員 精神保健福祉事業団体連絡会の共同代理の森と申します。福祉の事業所は550事業所があるのですけれども、そこがつくっております代表として参加させていただきました。前回の地域で安心して暮らせる検討会に引き続き、参加させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 多くの方がいろいろな御意見を言われて、私のほうがいろいろなことを勉強させていただくというような感じかなと思っております。我が国の精神医療を見ると、諸外国に比べて入院者が多いとか、入院期間が長いとか、非自発的入院者が多いという傾向がある。やはりこういう諸外国の状況と日本の精神医療を見てみる必要がある。そのときに、医療だけに目を向けるのではなくて、精神医療がその社会、その国でどういう位置づけをされているか、社会の在り方に少し目を向ける必要があるのではないかなという気がしています。日本はどうも医療に偏重して、丸投げしてしまって、医師に過剰の責任を押し付けているのではないかなという気がしておりません。
 私は福祉事業で特に就労支援を進めているのですけれども、障害者職業総合センターが就労支援機関と精神医療機関の効果的な情報交換の在り方に関する研究というのを出しました。その中で、医師の意見で多かったのが、医師というのは職業能力の判断は専門外だと、意見書を書けば責任がかかってくる、できれば書きたくないという意見がすごく多かった。でも、やはりそういうものを求めていってしまっている。こういうものが社会の中でどうしても出てきてしまって、家族だとか医療にもう丸投げしてしまっているような気がしてなりません。
 私自身は、社会をつくり上げていく、変革していくということが自分のテーマにありますので、現在は私の事業所で、東京大学の先端研の近藤先生に指導を受けながら、有志で超時間雇用モデルを動かし始めました。これは本当に雇用率に関係がない。雇用率が課せられる事業所というのは全事業所の本当に数パーセントで、95%以上が障害者を受け入れなくてもいいという前提の下に成り立っている会社運営です。そういうところへ、特に精神障害者の人が多いのですが、雇用されると目の色が変わってきて、すごく障害者の人たちが元気になっていく。この雇用モデルに親和性が非常に高いIPSの援助付き雇用の考え方などは、医師に偏重した責任を持つようなシステムではなくて、就労支援、生活支援、医療の支援と、多くの専門家がシステム的に配置されて、障害者が一般企業で働く支援を求めていくようなやり方をやっています。
 医療につなげていく方法も、社会の中でこういう多くの人が関わっていくような在り方が必要ではないかなという気がしてなりません。重い症状が出る前の予防的な支援ができるような社会環境、重い症状が出たときに時間をかけて、人手をかけて、医療の必要性だとか入院の必要性を本人に理解してもらえるようなシステムが本来は要るのではないか。にも包括がその役割を非常に重く受け止めて実現していかなくてはいけないのではないかなと思っております。そういう観点でこの会議に参加させて言わせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、山口構成員、よろしくお願いいたします。
○山口構成員 保健所長会の代表として初めて参加させていただきます山口と申します。よろしくお願いします。
 もう今まで皆さんの話で言いたいことは全部言ってあるのですが、保健所としては、日頃から法律や通知を基に精神障害者が地域で安心して生活できるように、地域移行支援、地域定着に向けた支援をしているところです。しかしながら、なかなか地域移行は思うように進んでおりませんし、今年度からの市町村における相談支援事業に関しても、合意形成等に本当に苦慮している市町村もございまして、難渋しているところもあります。
 保健所の立場から全国の状況を見てみますと、法に基づいていると言っても具体的な事業に対する対応状況は本当に地域によって異なっております。例えば、23条に基づく警察官通報対応について、人口10万対の措置入院率を都道府県別に見てみますと、令和4年度は実は49倍もの都道府県格差が確認できました。人権擁護の観点からもこの格差への迅速な対応が必要だと考えます。本当は5年も待っていられないという印象があります。ほぼ全員の構成員の方から非自発的入院についてのコメントをいただきましたけれども、措置や医療保護については、入院後の処遇が公費かどうかということ以外は、入院後については保健所で届出を見る限り入院中の処遇については違いが分からないという実態があります。そういうわけで、非自発的入院については,措置、医療保護、医療観察制度との関係も含めて、現状を踏まえた法の見直しを今回していただきたいと考えております。
 その他、退院後支援、地域移行なども本当に課題が残っていて、にも包括支援体制の構築を目指して精神保健サービスを全国で均一に展開するには、多くの組織と協働するには法律の後ろ盾が必要です。現状や今の時代に合った法の見直しは本当に喫緊の課題と考えております。
 なお、昨年度、保健所長会の事業として、措置通報について保健所の立場からまとめました。これは私が分担事業者としてまとめさせていただいているのですが、日本公衆衛生協会のホームページにありますので、よろしかったら見ていただければと思います。
 以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
 構成員の皆様方から本当に貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。
 今後、事務局等と御相談を申し上げながら、課題をある程度明らかにすると同時に、今回いただきました意見は実に幅広く、実にそこに問題があったかというものでございますので、幅広く取りあえず議論をしてまいりたいと思います。
 2巡目ということをあらかじめ申し上げていたのですが、時間を超過しておりますので、言い足りなかった方々は次回以降に意見を賜ればと思っております。
 それでは、事務局から連絡事項はございますでしょうか。
○原田課長補佐 本日はありがとうございました。
 次回の予定ですが、第2回検討会につきましては、構成員の皆様方と日程調整の上、改めて御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上となります。
○田辺座長 ありがとうございました。
 それでは、本日は貴重な御意見をいただきまして、非常に多い情報量を皆様方も浴びたという感じがあるのかもしれませんけれども、お疲れさまでございました。次回以降もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。