第178回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和6年5月15日(水)13:00~14:07

場所

全国都市会館 大ホール

議題

1.マイナ保険証の利用促進等について

(報告事項)
1.妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会の設置について

議事

議事内容
○池上課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第178回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御参加いただきまして大変ありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀委員、河野委員、前葉委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、伊奈川委員より途中から御出席なさるとの御連絡を、藤井委員より途中退席されるとの御連絡をそれぞれいただいています。
 なお、オンライン参加予定の兼子委員、中村委員、まだちょっとつながっていないようでございますけれども、間もなく御参加いただけるものと考えてございます。
 また、本日の会議より、部会長とも御相談の上、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行ってございます。
 なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退席をお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○池上課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。内堀委員の代理として根本和代参考人、前葉委員の代理として木崎彰参考人、以上2名の出席につき御承認を賜れればと思いますが、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、早速議事のほうに入ってまいります。
 本日は「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。
 では、まず「マイナ保険証の利用促進等について」、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料1、マイナ保険証の利用促進等について御説明いたします。
 まず、資料の1ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン資格確認の利用状況でございます。直近4月のマイナ保険証の利用件数は1210万件と前月に比べまして200万件増加し、利用率も6.56%と、これまで利用率が最も高かった昨年4月の6.30%を超えて過去最高となりましたが、更なる底上げが必要であると考えております。
 資料の2ページでございます。
 こちらは施設類型別のマイナ保険証利用率の推移でございます。上から青色の折れ線グラフが病院、赤色が歯科診療所、黄色が医科診療所、緑色が薬局となっておりまして、特に薬局の伸びが大きくなっております。
 資料3ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらはマイナ保険証の利用率の施設分布を見たグラフとなっております。左のグラフ、全体を見てみますと、利用率が3%未満の施設が占める割合は36.3%となっていますがいますがいますがいますがいますがいますがいますがいますがおりますけれども、一部の施設では利用率が60%を超えるようなところもございまして、ばらつきが見られるところでございます。
 また、右側、施設類型別に見てみますと、利用率が3%未満の施設が占める割合は、病院については17.0%、医科診療所は34.4%、歯科診療所は20.6%、薬局は50.8%となっております。
 資料4ページでございます。
 厚生労働省が今年2月に、18歳以上のマイナンバーカード保有者を対象にウェブアンケートを実施した結果につきまして、一部クロス集計を行っております。上半分のグラフは、これまでもお示しをしてございますけれども、37.0%、約4割の方がマイナ保険証を「(今後も)利用したい」と回答されております。さらに、赤字の部分になりますが、マイナ保険証を「利用したことがある」と回答した方について見ますと、約67.7%、3人に2人がマイナ保険証を「(今後も)利用したい」と考えているとの結果となっております。
 資料5ページを御覧いただきたいと思います。国民の皆様に安心してマイナ保険証を御利用いただけるよう、登録済みデータの点検、そして新規の誤り事案の発生防止の取組を完了しております。まず①登録済みデータの点検につきましては、昨年11月に全ての登録済みデータ1.6億件につきまして、住民基本台帳情報との突合を完了し、確認が必要な約139万件について閲覧停止をした上で、今年の4月までに保険者等による確認作業を終了しております。
 また、②、新規の誤り事案の発生防止につきましては、今後の新規加入者の登録時に、全てのデータについて住民基本台帳情報とのシステムによる突合を実施することとしており、今月7日から稼働しております。
 資料6ページを御覧いただきたいと思います。
 登録済みデータの確認作業の結果でございますけれども、赤枠で囲んでおりますとおり、4月までに不一致データの確認作業を終了し、確認済みの全てのデータについて閲覧停止を解除しております。また、※印にございますように、検知された誤登録数は529件となっております。この点につきましては、注書きを付してございますけれども、4月25日に公表した保険者から報告があった誤登録件数、このときは545件と報告しておりましたが、この誤登録件数につきまして、実施機関において確認したところ、報告誤り等により件数が減少しております。
 資料の7ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは先月、4月25日に開催されました「医療DX推進フォーラム~使ってイイナ!マイナ保険証~」の御報告になっております。上から3つ目、位置づけの2つ目の○でございますけれども、先ほど御説明いたしましたとおり、マイナ保険証に関し、紐付け誤り等に関する点検作業が完了する4月に厚生労働大臣、経済産業大臣、デジタル大臣をはじめ、経済界、医療界、保険者等の関係者が一体となってマイナ保険証利用促進宣言を行うことにより、医療DX推進の機運醸成を図ることとしたものでございます。
 プログラムのところにございますように、国、医療界、保険者、経済界が一体となったマイナ保険証利用促進宣言、また、医療DX推進に関するPR動画の披露、各団体による医療DXの取組事例の報告・共有を行っております。
 資料の8ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらがマイナ保険証利用促進宣言となります。国、医療機関・薬局、保険者、事業主、それぞれが取り組む内容を盛り込んでおります。
 次に、資料9ページでございます。
 こちらは使ってイイナ!マイナ保険証 動画広報コンテンツの御紹介になっております。健康保険組合連合会におきまして、令和5年度に動画広報コンテンツを制作しており、若年層、高齢層のターゲット別のメリットに訴求するものや、マイナ保険証の使い方を分かりやすく伝えるものなど、複数種類を用意しております。今回の医療DX推進フォーラムを皮切りに、動画広報を集中的に展開していくこととしておりまして、この5月からテレビCMの放映も開始しております。
 また、本動画につきましては、医療機関・薬局の待合室、保険者、企業などの施設内広告として活用できるよう、健保連におきましてダウンロードサイトを今月中を目途に立ち上げる予定と伺っております。
 10ページを御覧いただきたいと思います。
 マイナ保険証利用促進集中取組月間における表彰についてでございます。上の箱の中にありますとおり、マイナ保険証の利用率向上は、地域の医療機関・薬局の取組によるところが大きいことから、地域全体での今後の取組を盛り立てていくため、集中取組月間である今月から7月にかけまして、取組が進んでいる地域の関係団体や保険者を表彰することとしております。
 表彰対象・内容は記載のとおりでございますが、具体的には、資料11ページを御覧いただきたいと思います。
 4月の利用実績に基づきまして、都道府県としては、鹿児島県、富山県、石川県を、また、医療関係団体といたしましては、施設類型ごとに、ここに掲げております地域における団体を対象に表彰することとしております。また、一番下の※印にございますように、被用者保険・市町村国保につきましても、利用率を集計した上で表彰を行う予定としております。
 資料12ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらはマイナ保険証利用促進集中取組月間における主な取組を線表にまとめたものでございます。赤の帯が厚生労働省、緑の帯が他省庁の取組、黄色の帯がその他の団体となっております。政府全体の周知広報の取組として、また、関係団体の皆様の御協力を得ながら、総力を挙げてマイナ保険証の利用を促進してまいりたいと考えております。
 資料13ページ以降は参考資料となっております。
 都道府県の表彰対象の根拠となる利用実績を14ページから16ページに掲載しております。
 また、資料の17ページでございますけれども、今月8日に本年3月時点の国家公務員共済組合のマイナ保険証の利用状況を公表しておりまして、その公表資料を入れてございます。
 資料1の説明については、以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら、挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 今御説明がございましたけれども、4月25日の日本健康会議で採択されました「マイナ保険証利用促進宣言」については保険者としても重く受け止めて、事業主とも連携をして、迅速かつ正確なデータ登録を徹底し、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 一方で、実際の運用に当たっては、作業を外部の業者に委託しているケースや、中間サーバーを経由したデータ登録作業においてシステム変更が必要となるケースもございますので、円滑かつ効率的な対応ができるように、電子申請の活用も含めて、国のほうにおいても引き続き御支援をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、藤井委員、よろしくお願いいたします。早期に御退室と聞いていますので、その他の事項に関しても御言及いただいて差し支えございません。よろしくお願いします。
○藤井委員 恐れ入ります。スケジュールの都合で先に発言させていただき、ありがとうございます。
 まず、マイナ保険証の利用促進について、5月から集中取組月間となり、紐付け誤りを防ぐ仕組みの導入や、CMを放送されているということも承知しております。ぜひこの機会を逃がさずに、普及拡大に向けたさらなるPRを行っていただきたいと思います。
 資料1の14ページを見ますと、能登半島地震の被害を大きく受けた地域で、マイナ保険証利用率の増加が全国平均よりも大きいということが読み取れます。これは、予期せぬ災害等を自分ごととして捉え、マイナ保険証は地震のときに命を守るものだと実感されたからではないでしょうか。何回も申し上げていますが、マイナ保険証は「命のカード」だということで、危機感を訴えるようなPRを行っていただくことも大切ではないかと考えます。
 また、多角的なPRというのを考えたらいかがかと思います。特に若い世代、現役世代の利用率が低いということは、私も大変問題だと思っております。例えば観光協会などの場で、旅先など普段と異なった環境にあっても、予めマイナ保険証としての登録をしておくことによって医療サービスが受けられる、ということをPRしますと、かなりの感度を持って受け取られることは私も実感をしております。ぜひ、こうしたPRもやっていただければと思います。
 続きまして、報告事項について発言させていただきたいと思います。
 まず、出産費用の見える化につきましては、妊産婦の経済負担を軽減し、安全・安心に出産できる環境を整えるものだと理解をしております。安心して出産・子育てをするためには、出産だけではなく、産後ケアや保育園、また学童の充実など、切れ目のない支援ができる環境の整備が重要と考えます。見える化にとどまらない総合的な議論がなされることを期待いたします。特に中小企業にとって、女性の活用・活躍というのは避けて通れない問題でございます。企業としては、出産した後の女性のサポートというのは大変重要だと考えていますので、ぜひ検討いただきたいと思います。
 検討に当たっては、健康保険財政の全体を俯瞰して、ワイズスペンディングとなるような議論を行っていただきたいと思います。要するに財源をどうするかということです。中小企業としても子育て支援はもちろん重要ですが、それにより医療サービスの低下を来すようになっては困ります。健康経営を推進して、医療の無駄をできるだけ省く。その結果として子育て支援ができる、という構図が望ましいと考えますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、横本委員、よろしくお願いいたします。
○横本委員 それでは、マイナ保険証利用の促進につきまして、コメントさせていただきます。
 1ページにありますとおり、マイナ保険証の利用率はいまだ1桁ということですけれども、利用件数は3月に1000万件を超え、4月も1200万件に増えている点に注目したいと思っています。
 それから、4ページ目、マイナ保険証の利用経験者の3人に2人が今後もマイナ保険証を利用したいと回答しております。したがいまして、今後の利用促進に向けて、いまだマイナ保険証を使ったことのない方に、医療機関・薬局の窓口にて一度利用いただくことがより重要だと考えております。今月からの集中取組月間では、特に医療機関・薬局の窓口での声かけなど、現場での一層の働きかけを徹底していただきたいと考えます。
 経団連といたしましても、先月、マイナ保険証への円滑な移行、利用促進に向けまして、厚生労働省保険局、健保連をお招きしまして説明会を行いました。企業の人事担当者など300人強が参加するなど、会員企業の関心は高まっております。今後も引き続き、経済界として、宣言のとおりマイナ保険証への円滑な移行、利用促進に協力してまいりたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、根本参考人、よろしくお願いいたします。
○根本参考人 ありがとうございます。
 マイナ保険証は、医療DXを進める上での基盤となるものであり、患者本人の健康、医療データに基づく質の高い医療の実現が期待されるなど、患者と医療現場の双方に多くのメリットがあります。このたび全ての登録済みデータの点検が完了し、誤り事案の発生を防止する新たな取組が開始されたところですが、国においては、引き続き丁寧な取組を行うとともに、国民が分かりやすく、安心して利用できるよう、マイナ保険証のメリットや安全性について、より一層の周知広報をお願いいたします。
 また、医療費助成の受給者証としての利用など、利活用範囲の拡大に向けた取組について、セキュリティー確保や個人情報保護との両立を図りつつ、着実に進めるようお願いいたします。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
  では、猪口委員、よろしくお願いします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 マイナ保険証の利用促進ですけれどもまず国民と患者さんが抱いているマイナ保険証に関する不安を払拭すべきだということを以前より申し上げてまいりました。今回の資料1の5ページに、再び紐付け誤りが生じないよう、登録済みデータの点検と新規の誤り事案の発生防止策の取組が完了したことも記載されています。しかし、国民はこうした状況を理解できていないと思いますので、こうした内容を国民や患者さんにしっかりとアピールすることも、マイナ保険証の利用促進に資する取組の1つではないかと考えます。
 また、実際にマイナ保険証の利用率が高い病院の取組の一例として、マイナ保険証専用の受付レーンに補助スタッフを配置したことで利用率が伸びたということも聞いておりますので、このような人的支援についても御検討いただければと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 4ページの調査結果ですけれども、理由は聞いているのでしょうか。何%利用したいとかそういう数値はが出ているのですが、特にネガティブなアンサーについては、その理由を聞かないと、こういうデータの利用価値がないのではないかと思います。
 それから、ちょっと気になることがあったので御質問したいのですが、新聞によりますと、マイナポイントの利用者が思ったよりも多くて、セブン銀行が58億だかの損益が出たというのですが、これに対して国としては何か補填するのでしょうか。大分前ですが、私は、なぜセブン銀行だけかということを質問したのですが、この辺りが気になります。
 それから、もう一つ非常に大きな問題は、今日の東京新聞に出ていましたが、カード偽造の問題ですね。いずれ出るのではないかとは思っていたのですが、偽造が出てきたということで、それに対して何か対処しているか。これは厚労省の問題というよりか、デジタル庁の問題だと思うのですが、その辺のところが大変気になるので、お答えいただければ幸いです。
○田辺部会長 ありがとうございます。
 では、よろしくお願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長です。
 御質問ありがとうございます。まず1点目、今日の資料の4ページ目の意識調査に関して、利用しないと考えていらっしゃる方の理由については、現時点の集計ではそこまでの深掘りはできておりませんが、今後さらにクロス集計などをかけていく中で、御指摘の理由などを把握していきたいと考えています。
 2点目、マイナンバーカードの保険証の利用登録においては、マイナポータルやセブン銀行ATMを利用いただくか、医療機関・薬局における顔認証付きカードリーダーを利用した登録という3つの方法がございます。現在、マイナポイントのキャンペーンによる取組は終了しておりますので、今後、セブン銀行ATMでの登録も、引き続き利用されていくものと私どもとしても期待しております。損益が出ているということの御指摘については、セブン銀行様における取組として御協力いただいているものであり、私ども、現時点で何らかの対応については検討しておりませんが、引き続きセブン銀行様の御協力も得ながら、マイナンバーカードの保険証利用登録を進めていきたいと考えています。
 3点目、大阪の八尾市で、マイナンバーカードを単純に印刷したものを貼り付けて、顔写真を貼った形で、それを提示して、別の方に成り済ましてスマートフォンの機種変更を行ったとの事案がございました。これについてはデジタル庁において対応しておりますが、現行の券面においても確認すべきポイントがありますので、これを分かりやすい形でチェックポイントとして、今後デジタル庁において示そうとしていると伺っています。
 なお、オンライン資格確認等システムにおいて顔認証付きカードリーダーなどを用いた本人確認の機能においては、ICチップの中に入っている電子証明書に基づいて電子的な本人確認を行っております。したがって、こういう電子的な証明書により本人確認を行っているという対応を、医療機関・薬局のオンライン資格確認等システムの仕組みにおいて行っていますので、今回の八尾市での事例に対するセキュリティ対策としては、既にシステム上に組み込まれているものとなります。
 以上でございます。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますか。
 では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 今回の推進していただいている現状を分かりやすく、見える化もしていただいて、説明くださり、ありがとうございます。ただ、途中経過のデータを拝見いたしますと、なかなかまだ格差もあるなと感じています。途中で伸びているところが鹿児島とか幾つかありますけれども、そういったところが具体的に何をどうされたのかというのは、調べていらっしゃるかと思いますが、我々にも教えていただくとありがたいと思いますし、各地方公共団体はそれを参考に、さらにアクセルを踏まなければいけないなと思っているところです。それらも含めまして、3つ意見を申し上げたいと思います。
 1つは、もっと広報の中で、マイナ保険証の意義や有用性、有効性を周知すべきだと思っています。現状ではまだまだ足らないと思います。例えばプレスの説明会、解説番組、解説記事、あるいはクイズ番組でもいいのですけれども、健康番組もありますが、そういうときにマイナ保険証を話題として取り上げていただいて、「こんな意味がありますよ」ということをお知らせしたらいいと思います。
この会議でも、あるいは実際に有識者の方の御発言でも出ていますが、大臣クラスからも発言がこの間の健康会議でありましたけれども、救急を呼んだときにもバイタルデータがすぐ分かりますから救命にすぐ入れるとか、避難所にいても健康チェックを過去の投薬記録も含めて全部分かるようにリンクできるとか、そういった有効・有益な事例のことをもっと周知していただくと、より多くの方々が関心を持ち、必要性も感じて、利用促進になっていくだろうと感じているところですので、ぜひお願いしたいと思います。
 2点目は施設での対応の向上ということです。先般、とある医療機関に行きまして、月が改まると保険証の確認がありますので、再診受付端末機に「マイナンバーカードを差し込んでいいですか」と聞いてみたら、「まだ、システムのコンバート、バージョンアップしていません」ということだったのです。要は、そういうところを早くなくしていかないと、結局は従来と同じく保険証提示になってしまうのです。きっと、そこにコストがかかる面があったりすると思います。ぜひ国や厚生労働省で指導されるなり、サポートされるなりすることも必要と思っています。
 こういったときに、ついついよくありがちなのは、システムの改修に費用がかかるとかいう話になるのですけれども、だったら著作権を公の機関や病院の側も持って、あまり過剰なコストがかからないような改善を可能にできる法制度にしていくとかいうことも含めて有効な対策も必要ではないのかなと思います。海外ではそういった事例があるように聞いていますので、全てが全て、たとえば、システムなどにおける小規模なマイナー改修でもコストが過大にかかるというのは改めるべきではないだろうかと思っているところです。特に、初診と再診の場合は毎月のマイナカードによる保険資格のチェックになっていきますので、ぜひマイナンバーカードの保険証が、そういうふうによりよく使える環境を整えるというのが2点目です。
 3点目は、もっと広く活用できるようなカードになってほしいと思っています。よりカードの利用率を高めるためにも、今はマイナ保険証に注目が集まっていますけれども、本来だったら行政サービス全てをマイナンバーカードで提供できるようにしていくとか、必要な手続きをより簡便に迅速、公平にできるようにするとかいう、いわゆるデジタルガバナンスの改革をもっともっと進めるべきだと思います。このあたりの改革はデジタル庁が中核だと思いますが、ぜひそういったことになるように、厚生労働省も今回、スタートアップをされているわけですので、ぜひ関係機関にも働きかけていただいて、やっていただくことがとても大切だと思っています。
 これら3つのことを踏まえて4点目に申し上げたいのは、先ほど偽造のことが出ました。私も考えてみましたが、この後、多分、偽造だとか、カードの悪用とか、カードに搭載されている個人に関する番号やデータを盗み取ろうという動きが出てくるおそれがあると思うのです。どういうふうな方法があるのかといいますと、メールを送って、「あなたの確認のために次のところをクリックしてアクセスして書いてください」というのがあったりします。例えば、九州の人に契約もしていない東京電力を名のるサイトからメールが来ます。1日数件も来ます。内容は「料金幾らですのでいつまでに払ってください」というものだったりします。大体締切日は翌日になっています。「確認したかったら次のところで確認してください」。これは明らかに個人情報を盗む方法だと思うのですね。トラップだと思います。きっとこういうものが本当に多くの方に行っていると思うのです。九州まで東京電力は別に直接の関係ないですから変ですね。何でこんなことが起こるんだろうと思うのです。あと、えカードを持ってもいないカード会社を名のるところからも来ます。本当にこんなのがどんどん来るわけですので、多くの国民の皆さんも混乱しているし、迷惑とお感じだろうと思うのです。
 そこでこれらを予防するには、カードに関する悪用、偽造をした場合は厳罰に処するという法律体系をつくったほうがいいのではないかと思います。番号制度そのものが、マイナンバーカードという名前ができる前に議論がありまして、番号制度のときにどうやってそういった不正を防ぐかという議論の中で、専門家会議でも予防策の意見として出ていたのは、法律によって、個人情報をのぞいたり悪用したりするといかに無駄かと罰則を定める方法です。つまり、あくせくしてそんなことをやっても、かえって厳罰に処されて損だ嫌だなとなれば、その予防策になるだろうという識者の方の御意見もありました。まさにそういったこともそろそろ準備していかないといけないのではないかと感じます。さっき言いましたようなメールが本当に多くの方々に送られて、どれが本物の正しいメールか分からなくなるということにもなります。本来はあってはいけないことなのですけれども、悪用や偽造とかに関わるよからぬトラブルを防ぐための予防も、どこかで、法務省なのか、デジタル庁とリンクなのか分かりませんけれども、ぜひ検討いただいて、早めにガードを準備していただくほうが、先ほどほかの委員も御心配されたトラブルを未然に回避できると思います。そういったことも含めて、ぜひ御検討いただきたいなと改めて思うところです。
 なお、5ページ目に出ていますが、ミスがないように仕組みを整えることは確保できたというお知らせがありますね。「紐付け誤りが生じない仕組みを確保」という記述です。まさにこれもとても大切なことをしていただいているので、ここから先は、このことがよりよく安定した基盤の大もとになって、蓄積されたデータが有用に活用される、あるいは個人でも自分の健康データ等、医療に関するデータを見て自己健康管理に生かすことができる。これが本当に医療、健康のリテラシーを高めていくことになるので、ぜひこのことが叶うように、今後ともお力添えをお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
 様々な取組について御報告いただきまして、ありがとうございました。横尾委員からは先ほど好事例の横展開といったお話がありました。私からは、ちょっとお伺いしづらいのですけれども、スライド17、国の共済組合の利用状況について、2023年11月と比べて利用率は伸びているということではありますけれども、思ったほど高くないなというような感想を持っております。これはどういった背景でこういう状況になっているのだろうかということですとか、今後、利用率向上に向けてこういうことをやっていくのだということがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長です。
 御質問ありがとうございます。17ページ目に国家公務員における国家公務員共済組合の利用状況の実績についてお出しさせていただきました。やはり率先垂範して、マイナ保険証をぜひ御利用いただきたいと私どもとしても考えております。共済組合ともしっかりと連携をして、マイナ保険証のメリット、あるいはそのメリットについて被保険者本人に加えて、被扶養者の方も含めた形で周知広報を行っていきたいと考えております。
 また、具体的な取組としては、例えば厚生労働省においては、政務からのビデオメッセージの配信や、省内幹部から実際に利用した際の感想や、そうした発信の際に併せて具体的なメリットなどについてコラム形式でお知らせを行うなどしています。引き続き、きめ細かい形で、共済組合の加入者への周知広報を行っていきたいと考えております。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
 では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 マイナンバーカードの保険証利用の促進に関しましては、薬局での取組においては、スライド2で御説明もいただきましたように、薬局において徐々に効果が出ているところであります。引き続き働きかけてまいりたいと思っています。
 1点、スライド10に表彰の件が書かれているのですけれども、表彰された都道府県以外への波及効果も重要と思っています。対象地域でこの取組事例の分析であったり、他地域への共有であったりという対応は必要と思います。また、表彰がなされたことが、表彰を受けていない地域のモチベーションの向上につながらないと、ほかのところには見えないことになると思いますので、表彰されたことがぜひほかの地域の数値を上げるような広報をなされる等々のことにより、全体に広がればと思いますので、さらなる利用促進につながる御対応をいただきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、原委員、よろしくお願いします。
○原委員 ありがとうございます。
 私ども国保中央会・国保連合会は審査支払機関という形でございますけれども、国のほうからの委託等を受けまして、マイナ保険証の普及に向けたいろいろなシステムの改修でございますとか、そういったようなことをやっておりますので、そういう意味では当然のことではありますけれども、それ以上に、やはりマイナ保険証の普及というものは、我が国の医療保険制度の安定的な運営でありますとか、医療の質の向上につながるものであると思いますので、今後ともしっかりとその役割を果たしていきたいと思っております。
 そこで発言したかったのは、先ほどの村上委員の御発言と同じようなことを実は聞きたかったのですけれども、私もかつて国家公務員を長くやっておりまして、この結果は非常に残念な結果だなと。やはり政府こそ、あるいは国家公務員こそ真っ先にこれをやってほしいなという思いがございます。
 ただ、これは多分統計的には、先ほど説明がありましたように、全国のデータでいうと、4月の実績で3月から4月にかけて急に伸びたということでございましたけれども、この17ページの資料は3月の時点の利用率なので、4月のデータがもし分かっているのであれば教えていただけないかということでございますが、いかがでしょうか。
○田辺部会長 この点、いかがでしょう。では、回答のほうをお願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長です。
 御指摘、御質問ありがとうございます。先ほども要因として申し上げましたが、例えば利用実績の数値の分析としては、被保険者本人は高い一方で、被扶養者は比較的低くなるといった傾向があります。そのため、被保険者ご本人に加えて、ぜひご家族の被扶養者の方にもそのメリットをお伝えくださいといったメッセージを発信しているところです。また、総じて本省では高い一方で、地方支分部局では低くなってしまうという傾向もございます。地方支分部局に対するきめ細かな周知広報も必要だと考えています。
 今回、年度末時点ということで3月時点の利用実績をまとめさせていただきました。個別集計になりますので、現時点で手元には4月時点の数字は集計されていないところですが、利用状況の推移については、引き続き把握をしていきたいと考えております。
○田辺部会長 ほかにいかがでございましょう。
 では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 ちょっと思いつきというか、前からちょっと考えているのですが、マイナカードを持ち歩きましょうというのをキャンペーンに入れるということは難しいかなという気もするのですが、実は私はいつも持って歩いておりまして、でも、調査によると、持ち歩いているのは持っている人の半分以下らしいですね。大分前に藤井委員が命のカードだとおっしゃって、まさにそうだと思うのですが、でも、ほとんどの人は持ち歩いていないのですね。だから、もしいつも持っていれば緊急時にも役立つので、本当はそうしたほうがいいのではないかと常に思っています。
 危ないということでいえば、キャッシュカードやクレジットカード、Suicaとかはみんな持って歩いているのですよね。何でマイナカードだけあんなになってしまったのか。私の友人とか知人で、金庫の中に入れているとか、引き出しに入れて鍵をかけているって、物すごく恐れているのです。どうしてそういうのがインプットされたかよく分からないのですが、物すごく危険なものだというのが頭の中にあるので、それを払拭できないかといつも思っています。私自身は持って歩いていますし、保険証も持って歩いているので、そんなに危ないものではないということを申し上げたいと思います。
○田辺部会長 横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 関連なのですけれども、まさにそうだと思うのです。だから、正しく伝わっていないのですね。そういう意味では、多くの方が見られるテレビで言えば、クイズ番組なども、整然とクイズに答えながら、「ああそうか、なるほどこういうことか」と分かるように、広報に協力をいただくとか、あるいは政府広報の中で、もうちょっと分かりやすい表現で確実に伝えていくようなことをしていくとか、そういうのが私が最初に申し上げたかったことなのです。
それがないままに、お願いします、お願いしますとポスター貼っても何しても、いや、マイナンバーカードはとても貴重なもので、万一にも紛失すると危ないからちょっとしまっておかないといけないというのがあります。
 かつてこんなことがありました。具合が悪くなったときの緊急時の緊急呼び出しのボタンという事業があるのです。それを調査したことがあるのです。年配のおばあちゃんのところとかに訪ねて行って利用の実情を聞きました。けれども、大概の方は、大事なものだからということで、床の間に置いたり、金庫のそばに置いたり、壁にかけたりしておられました。本来は首にかけるなどして、常時身近に携帯しておかなければいけないのですけれども。だから、身体の不調で倒れたときに手が届かないで、支援を呼べないのですよね。全くそれと同じですね。
そうではなくて、常時手元に持っていらっしゃったら、仮に震災に遭遇してしまったときには避難所へ行って、自分がここにいると知らせることにもなるし、自分の家族の所在や避難先も確認できる、さらに具合が悪くなったら、医療機関に行ってもすぐ過去のデータや投薬記録も見て、お医者様がちゃんと対応してくださる。そういったことをもっともっとお伝えしていただきたいのです。
 たとえば周知に関する簡単な方法としては、サイネージサインが最近、医療機関においてもいっぱい入ってきていますので、本当に1分か2分間の健康会議のPRビデオでもいいのですけれども、より落ち着いて視聴できるようなコンテンツにして、それを医療機関とか、皆さんが座ってちょっと物を聞いたり見たりする時間ですが、「なるほどこういうことか」と分かるようなPRをぜひやってほしいなと思います。特に年配の皆さんは、今袖井委員がおっしゃったように、その理解が必要だと思います。
○田辺部会長 ありがとうございます。
 藤井委員、関連の御発言でしょうか。よろしくお願いします。
○藤井委員 恐れ入ります。先ほどテレビ番組の話が出たと思いますが、当社では、この3月に、健康関連のセルフメディケーションの啓発番組をワンスポンサーで制作・放映いたしました。その制作にあたって、テレビ局のプロデューサーと激しく議論しました。テレビ局は視聴率を気にされるので、どうしても面白い方に振ろうとするのですね。私も頑張って主張しましたので、それなりにメッセージ性の高い番組に仕上がったと考えています。こうした経験を踏まえますと、やはり、何回も申し上げているように、政府からの後押しで、セルフメディケーションや医療費の問題、そしてこのマイナ保険証における「命のカード」の意義などについて、広域メディア、マス媒体を通じ、正しい情報によって、しっかり啓発していただきたいと思います。
 特に若い方々は、インターネットの情報をよく御覧になりますが、インターネットの情報は考査を経て掲載されるものではないため、間違った情報も掲載されてしまいます。しかし、テレビ局や新聞は、考査を経た正しい情報だということを、皆さんもそれなりに分かっているはずですので、ぜひ、各メディアに対して、こうした正しい情報による視聴者や読者への啓発の推進について、強く要請をしていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、池端委員、よろしくお願いします。
○池端委員 ありがとうございます。
 私は、この会議には日本慢性期医療協会として参加させていただいているのですが、同時に福井県医師会の会長も拝命しておりまして、個人的なことになりますが、11ページの福井県医師会として表彰いただく件、ありがとうございます。
 とはいえ、利用率)2桁にもなっていないところで、とても自慢できるようなことではないと思っています。でも、今ほどマイナンバーカードを持っていない方がまだまだ多いということですけれども、当初はマイナンバーカードというのは本当に金庫にしまえと言われていました。私も市役所で登録したときは、大事なものですから大切にしてくださいと言われて、本当にしまわなければいけないようなイメージでしたけれども、保険証はそうでもないということですが、それがちょっと今、なかなか気持ちが戻っていかないのだと思います。
 とはいえ、前々回のこの部会での資料を見させていただくと、携行している人も半分近くまで来ているということで意外に多いなと思いました。となると、やはり医療機関等の窓口で声をかければ半分近くの人が持っている。そこを利用していただければということで、医師会としても、ぜひ進めていきたいと思っています。
 私どもは、発熱外来のときに熱はありますかと聞くときに、同時に、マイナンバーカードは持っていますかと聞くと、持っています、じゃ、それを利用しましょうということで利用促進させていただいていることもあります。
 それから、御案内のとおり、診療報酬改定がこの3月に告示され、6月から施行となりますけれども、医療DX推進体制整備加算等については、9月末までの経過措置はありますけれども、それから一定程度の利用率がないとその加算が取れないことになっていますので、それも含めて、医師会としても各会員の施設に丁寧に説明しながら利用促進を図っていこうと思っておりますで、頑張っていくことをお約束したいと思います。横に日本医師会の副会長もいらっしゃるので、日医とも連携しながら頑張っていきたいと思っています。
 それと同時に、実は今日、福井県にようやく新幹線が通ったので朝一番の「かがやき」で3時間でここへ来たのですね。そのときに切符を思い切ってチケットレースで取ってみようと思って、スマホのモバイルSuicaでチケットを購入しました。初めて利用したのでどきどきして、本当に通れるかなと思ったけれども、本当にスマホだけで新幹線に乗れまして、東京駅も降りました。スマホはほとんどの方々が持っていますし、今検討中とお聞きしていますけれども、もしスマホにマイナ保険証が入っていれば、利用率がぐっと上がるのではないかと思うので、ぜひその点も前向きに検討いただければと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 今回新たに提案のありました10ページにあります表彰につきましては、先ほど横尾委員はじめ数名の委員からもありましたように、利用率の高い自治体や保険者、医療団体の取組を分析して、その好事例の周知・普及につなげていくことが肝要であろうと考えております。分析の視点としましては、簡単ですけれども、マイナ保険証の利用率は、マイナンバーカードが普及しているところが多いとか、そういうことからも因果関係があるかなどが考えられると思います。得られた知見を全国的に利用率向上につなげていくよう、政府の一層の取組をお願いいたしたいと思います。
 今後の普及に当たり、歯科医療機関におきましても、ポスター掲示やリーフレットの配付、また窓口での声かけ等、取組を進めてまいりますけれども、特に国民健康保険や後期高齢者医療においては、12月2日に従来の紙の保険証の廃止までの間に、今回出される保険証がおおむね最後の交付になると思います。保険者におかれましても、従来の紙の保険証の発行が終了するということを保険証郵送の際にリーフレットを同封するなり、周知をしっかりとしていただければと思います。
 また、厚生労働省におきましては、9ページにありますように、使ってイイナ!マイナ保険証動画広報コンテンツにおいて広報されるようになっておりますけれども、さらにマイナ保険証の利便性、有効性、安全性を理解していただけるよう働きかけ、マイナ保険証の所持率、残念ながら国保共済においても6割ですし、使用率も10%になっていないところですけれども、さらに様々な取組をしていただき、より一層を進めていただくようお願いをしたいところであります。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 先般の医療DX推進フォーラムにつきましては、私も参加させていただきまして、改めてマイナ保険証の利用促進に向けた機運の高まりを肌で感じたところでございます。協会としましても、マイナ保険証の一層の普及に向けて、これまでの周知啓発活動に加え、5月から7月の集中取組月間においてさらなる周知啓発に取り組んでいきたいと考えております。今御指摘がありましたような保険証の切替えとか、あるいは医療費の通知とか、そういった機会を捉えまして、加入者の皆さんにリーフレットをお届けするというような活動はもう着手しているところでございます。
 1点関連して申し上げたいことがありまして、マイナ保険証への円滑な切替えを進めるに当たりまして、保険者としては、資格情報のお知らせ、あるいは資格確認書という大きな新しい体制整備が必要でありまして、現在、そうした実務面での重要な取組を全力で進めているということでございます。
 協会では、本年9月に資格情報のお知らせを全加入者約4000万人に対して送付するという非常に重要なオペレーションを予定しております。マイナ保険証の切替えを円滑に進めるに当たっては、全加入者にこの資格情報のお知らせを滞りなくお届けするということが必須なものですけれども、規模の面で困難さはひときわのものがございます。事業主の皆様の御協力も不可欠ですので、関係経済団体にも御協力をお願いしております。この場をお借りいたしまして、改めて御協力をお願い申し上げます。
 この資格情報のお知らせ送付に併せまして、マイナ保険証の啓発チラシの同封も行う予定ですので、この集中取組月間とつながる形で、全加入者に直接お読みいただける重要な機会になると考えているところでございます。また、そのタイミングに、加入者からのマイナンバーに関する問合せを一元的に対応するコールセンターを設置する予定としております。その際、今、社会の新たな課題であります外国人労働者の増加も踏まえまして、協会としましても国際化対応を新たなテーマに加えているところであり、このコールセンターでは22か国語対応を可能とする予定でございます。増加する外国人労働者の不安軽減につながればと考えている次第でございます。
 以上ちょっと御紹介させていただきました。以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに意見がないようでございますので、本議題につきましては、これまでとしたいと存じます。
 次に、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、保険課長のほうから報告をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 保険課長でございます。
 資料2に基づいて説明します。表紙をおめくりいただきまして、薄い紫色のところです。
 令和5年12月に閣議決定されました「こども未来戦略」におきまして、2026年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等のさらなる強化について検討を進めるとされていることを踏まえまして、今般、妊娠・出産・産後に関する様々な支援について、さらなる強化の方向性について具体的な検討を行うべく、有識者に集まっていただき、検討会を開催したいと考えております。
 この検討会ですけれども、昨年の9月にこの医療保険部会の場で出産費用の見える化について御議論いただいたときに、私からも、委員のご意見を踏まえまして、検討会の設置について検討しますとお伝えしたところでございます。
 検討会の構成員につきましては、出産ということについて、直接携わっている方々が一体どういう内容のことをされているのかであったり、出産をされた方と実際に分娩に関わるお仕事をされている方がそれぞれの立場からご意見を述べていただいて、意見交換をしていただくことが重要と考えておりまして、その観点から、こういった構成員の方々に入っていただいて開催したいと考えております。
 具体的な構成員については、今まさに調整をしている最中ですが、資料にある属性の方々から、この書かれているような観点に基づいて御参集いただくことを考えております。あわせて、必要に応じて学識経験者や実務経験者の出席を得て、ヒアリング等をさせていただくということも考えているところでございます。
 また、検討事項は、ここに(1)(2)(3)とありますけれども、出産に関する医療保険制度としての支援の在り方はどうすべきか、地域の周産期医療提供体制への影響も含めての在り方、これは今後の周産期医療提供体制をどうするのかという点も議論の対象になるということでございます。さらに、妊娠、また、出産後の新生児も含めたケアについても幅広くというのが、この閣議決定に書かれた文言と整合性があるだろうということで、こういうことも検討することを考えております。
 これを踏まえまして、この(1)(2)(3)の検討事項に対応するためには、厚生労働省の保険局長だけではなくて、医政局長、また、こども家庭庁の成育局長、これは母子保健課を所管している担当局長でございますけれども、この3局長の共同での主催の下でこういった検討会をして、議論をしていくということでございます。
 事務方からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、報告事項ではございますけれども、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 この検討会の設置について、日本医師会として意見を言わせていただきます。妊産婦さんが真に求める支援策とはどういったものなのか。当事者の声を聞きつつ、地域の分娩施設が安心・安全なお産をしっかりと提供できるよう、医療提供者の声も聞きながら、国民にとって望ましい周産期医療の在り方を検討していただきたいと思います。
 妊娠・出産・産後といっても、妊産婦さん一人一人それぞれのケースがあり、それらをどう議論に反映していくか、非常に困難な議題であると考えています。また、保険適用によって地域医療にどのような影響があるのか、かえって悪い影響が出ることがないのかということも含めて、十分に検討した上で議論を進めていただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 出産の支援策等に関する検討会の設置については、これまで我々が早期設置を要望してきた事項であり、出産費用の保険適用に向けた検討の第一歩としてつくっていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。その上で、検討会の議論に向けて3点コメントをしたいと思います。
 1点目は、国が進める少子化対策の実効性を高めて、妊婦の方々が安心して出産できる環境を整備するに当たっては、透明性や公平性の担保を図る観点から、出産費用の内訳等を把握することのみならず、データを基に、地域差の要因等も含めて、費用の構造の整理、分析を行うことは大前提だと思っております。そのためにも、早急に調査、分析等を行っていただいて、その結果を踏まえた議論をしていただくことが必要だと思います。
 2点目でございます。これまで繰り返し申し上げておりますが、保険適用に向けての議論は、課題が多く、丁寧に行う必要があるため、時間がかかると考えております。本件は、医療保険制度全体の枠組みにも関わる問題でもあり、医療保険部会や中医協での議論も必要になると思います。この検討会の位置づけも含め、法改正に向けてどのような工程、計画を想定しているのか等、全体像を明確にしていただければと思っております。
 3点目でございます。この保険適用の議論は国が進める少子化対策の一環として検討されると理解をしておりますが、その際には、保険料を負担している現役世代の負担軽減の観点も重要になると考えます。出産費用の保険適用が、少子化対策の対象となる現役世代の負担増とならないように十分配慮して議論をいただければと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。検討会の設置に当たり3点申し上げたいと思います。
 1つ目は、やや小さな話なのですが、構成員の部分でございまして、以下の属性から参集するとなっておりますけれども、被保険者の立場というものも重要ではないかと思っておりまして、恐らく医療保険者等に入っているのだろうと思いますけれども、そのことを申し上げたいと思います。
 2点目は、検討事項についてです。検討事項には、出産だけではなくて、(2)で妊娠期・産前産後に関する強化策が書かれておりますが、これまでの議論を踏まえまして、検討会では、どの地域であっても安全・安心に出産できる環境整備に向けて、提供体制や費用の地域差なども分析の上、正常分娩の保険適用についてしっかり議論いただきたいと考えております。
 また、子供を産み育てるに当たりましては、出産時だけでなくて、切れ目のない支援は重要でございますので、妊娠期・産前産後に関しても実効性のある支援の充実に向けて検討いただきたいと思います。
 なお、子ども・子育て支援金の使途に関しましては、こども家庭審議会の部会で議論すると聞いておりますので、検討事項はきちんと分けて御議論をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 本件につきましては、先ほどの佐野委員からの御指摘のとおり、医療保険制度の在り方に関わる大変重要なテーマでありまして、今回設置される検討会において、他制度への影響や財政面への検証も含めた議論を尽くしていただくようお願いいたしたいと思います。
 保険者としましては、健康保険法に規定されている出産に対する給付としてこれまで積み上げられてきた考え方から、現下の最重要政策の1つである子ども・子育てへのより手厚い体制づくりという考え方の下、この分野への新たな分かち合いを健康保険が手助けしていくという考え方を援用していくという、その方向性は理解できるものと考えております。その際、出産に関連する広義の医療費全体についても、これを機会に医療費適正化の観点から幅広い御議論をいただければと考えおります。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 幾つか教えてほしいのです。まず言葉についてですけれども、このタイトルにあります「妊産婦等」の「等」というのはどこまでのことなのか。次に、「支援策等」なのですけれども、これはどういうことまでをイメージされているのか。次に、下の検討事項に行きまして、ここの「出産に関する支援等に更なる」という、この「等」もどういったイメージをお持ちか、もし分かれば教えてほしいと思います。
 それと、タイトルでは「妊娠・出産・産後」なのですけれども、検討事項(2)の記述では「妊娠期・産前産後に関する」ということなので、微妙に「産前」が、片方は入っていて、片方は入っていないのですけれども、何か意味があるのか教えてください。
○田辺部会長 では、よろしくお願いします。
○山下課長 御指摘ありがとうございます。
 まず、タイトル名の「妊産婦等」のところの等は、配偶者とかパートナーとか、また、生まれてきた新生児のお子さんの話とかも当然含まれるだろうということでの等でございます。
 また、「支援策等」の等なのですけれども、もちろんいろいろな支援もある中で、また、医療提供体制の在り方を考えるときの話も、支援がなくても考えていかなくてはいけないところ、支援というツールではない形もあると思っていますので、そこも等という形で読めるようにしているということでございます。
 また、検討事項の「妊娠期・産前産後」と「妊娠・出産・産後」というところについて、特段この題名との違いはあまり意識していなくて、ここは同じ趣旨だという理解でおります。
○横尾委員 それはちょっと認識が違うのではないかなと個人的に思います。「産前」というと、十月十日、妊娠して赤ちゃんが生まれてきますので、教育の分野で言うと胎教というのもあったりしますし、そういった環境を整えることが新生児のメンタルとか、その後の成長の基本になるという議論というか経験知を人類は持っていると思うのです。けれども、そういったところを含まないというのは結構大きな意味があるのではないかなと私は個人的に感じるので、産前も含めていただいたほうがいいかなと思っています。このタイトルに一々書かなくていいかもしれませんが、ただ、検討事項(2)には産前産後と書いてあるので、恐らくそういうこともちゃんと把握してやっていこうという捉え方でいいのですよね。
○山下課長 失礼しました。時期としては、もちろんそういうつもりです。タイトルと検討事項の言葉が異なっていますが、意図するところは違わないという話です。スキームとしては、産前産後も含めて考えていきますという話でございます。
○田辺部会長 横尾委員、よろしゅうございますか。どうぞ。
○横尾委員 必ずしもこの議論でなく、ちょっと余分なお尋ねになるかもしれませんけれども、例えば一部の政策研究課題としてもテーマになっているし、有志首長でもネットワークを立ち上げて研究し、今後政策提案とかをしなければいけないねと言っていることの1つに、医療的ケアを必要とするお子さんたちがいらっしゃいます。この場合は、出生とともに医療的ケアを必要とされるわけですね。ですから、そういったこともこの検討会では考慮の中に入れて、どういうケアがいいのかとか、そういったことも含めてお考えいただけるのか、その辺はいかがでしょうか。それとも別途そういった検討するところがあるのでしょうか。
○山下課長 ありがとうございます。今のところ、生まれてくる子の議論について何か排除するということはいたしません。しかし、このメンバーの中に、関連する方すべてに参画してもらおうとすると、すごい数の方々になってしまうと思います。なので、そういう話になった場合には、もちろん、専門的な検討会等も別途ございますので、基本的にはそちらでやっていただきますけれども、議論の中で当然そういう話も出てくることについて、この検討会で排除するつもりはないということでございます。
○横尾委員 最後にすみません。例えば今、妊娠しているお母さんとか、女性の方とか、あるいはもう出産間際の方とか、あるいはさらに最近お生まれになった赤ちゃんがいらっしゃる方とかは、この検討会の動向や発信内容にはすごく注目をされると思うのです。
ですから、検討会としてのプレスリリースであったり、ある段階での中間まとめとか整理ということが今後あったりすると思うのですけれども、その際にぜひそのメッセージがいい意味でポジティブに人々に伝わっていくように、前向きに明るくなるものであってほしいと思っています。ともすると、様々な事件報道などにより、子育ては大変だ大変だという報道情報がついつい出がちでありますけれども、実は人として、家族としての大きな喜びもある訳ですし、一人一人の一般人は医療的にそんなに詳しくはないわけですけれども、お医者様の指導をいただきながら、「元気な赤ちゃんとして育てたい」、「健やかに子供には育ってほしい」というのが、みんなが切に願っていることだと思うのです。ですから、ぜひそういったよいメッセージになるような発信を、この検討会としてもしていただきたいなというふうに期待をして、終わります。 以上です。○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、菊池委員、よろしくお願いします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 このような検討会が設置されるのは大変結構なことだと思いますが、その際の視点としてぜひお持ちいただきたいのは、制度とか、提供体制の在り方とか、もちろんそういった議論は大事ですが、部会長も御一緒させていただいている全世代型社会保障構築会議でも、社会保障の柱として、子ども・子育て支援、医療・介護体制の構築と並んで地域共生社会の推進がある中で、地域共生社会を推進するに当たって、子どもの視点が弱いのではないかと言われますね。
 せっかくの機会ですので、地域医療計画課や母子保健課なども加わられるということですし、現在国会で審議されている子ども・子育て支援法改正法案においても、妊産婦の支援からやっていくという形で強化されつつあるところですので、こういう構成員を入れてくださいとか、社会・援護局を入れてくださいといった話ではないのですが、ぜひ地域で支えるという視点を持ちながら御議論を進めていただきたい。特定の制度とか、体制とか、それをどうしようかというのももちろん大事ですけれども、広く子どもと子どもを養育する世帯、保護者をどう支えていくか。そういう視点をぜひ持ちながら議論を進めていただきたいということを申し上げさせていただきます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見等なければ、本日はこれまでとしたいと存じます。
 次回の開催日につきましては、追って事務局のほうより連絡いたします。
 本日は御多忙の折、御参加いただきありがとうございました。
 それでは、閉会いたします。