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第6回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会 工作物に関するワーキンググループ 議事録
労働基準局安全衛生部化学物質対策課
日時
令和4年10月11日(火) 14:00~17:00
場所
労働委員会会館講堂(7F)
(東京都港区芝公園1-5-32)
(東京都港区芝公園1-5-32)
議題
- (1)工作物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等について
- (2)その他
議事
○副主任中央労働衛生専門官 定刻となりましたので開始させていただきます。本日は、大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。ただいまより、第6回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループを開催いたします。本日の委員の出席状況ですが、全員が御出席となっております。それでは、以下の議事進行を梅崎座長にお願いしたく存じます。
○梅崎座長 第6回の検討会を始めさせていただきます。それでは、最初に事務局から資料の確認をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 資料の確認に入ります。お手元の資料につきまして、次第に沿って御説明いたします。資料1、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書案。参考資料1、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書(令和2年4月13日)。参考資料2として、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(令和2年4月14日)。参考資料3、開催要綱となっております。
○梅崎座長 皆様、資料はございますでしょうか。それでは、本日の議事に移りたいと思います。まず最初は、(1)建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書案についてです。よろしくお願いします。本日は、皆様に前回御議論いただいた第5回のワーキンググループの議論を踏まえて、資料1の報告書案を用意しております。まず最初に、事務局から資料について一通りの説明をお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 それでは、まず報告書の案でございます。本編に関しては3~18ページまで、19ページ以降については石綿の使用の実態についての参考資料という位置付けとなっております。表紙をめくって2枚目ですが、目次がございます。大きく3つございまして、1として検討の経緯、2として事前調査、この事前調査につきましては、(1)事前調査の対象となる工作物について、(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてとしていまして、3の講習の実施体制についてとして、(1)の工作物石綿事前調査者(仮称)の教育内容から、(6)の今後のスケジュールとしています。
3ページ目に移ります。本文に入ります。1、検討の経緯になります。これまでのワーキンググループの中で資料として御用意し、説明した内容を整理したものになります。その内容について御説明いたしますと、工作物に関する石綿に係る事前調査については、「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書」において、次のとおりとされているところです。③として、「工作物及び船舶の事前調査についても、その適切な実施を確保するため、調査を実施する者に一定の知識等を付与するための仕組みや、付与すべき知識の内容等については、さらに検討を深める必要があるため、以下の点に留意しつつ、引き続き厚生労働省と関係機関が連携して検討を進めること」としております。こちらですが、aとbが関係するものでございまして、aが建築物に関する事前調査に必要な知識等と共通する内容の有無、bは工作物について多種多様なものがある中で、必要な知識等に共通点の多いものをグループ化して取り扱うことの可否です。そして、上記課題に対して、工作物ワーキンググループ検討会において、令和4年7月から本日までの令和4年10月の3回にわたり、妥当と考えられる工作物の事前調査の資格要件について検討が重ねられ、本ワーキンググループとしては、工作物に関する石綿に係る事前調査については、下記のとおりとすることが適当であるとしました。
(1)の本検討会ワーキンググループの検討事項ですが、本検討会ワーキンググループにおいては、工作物に係る石綿事前調査者の要件の検討として、調査対象となる工作物が多種多様な中で、対象の範囲や調査方法(グルーピング化など)、使用実態の把握方法、講習と教育の内容などについて、下記の論点案に沿って議論、整理したとしておりまして、こちらにはその主な論点案を記載しているところです。そして、(2)の検討会スケジュールで、議論していただいた内容について記載しています。
4ページの2、事前調査についてです。(1)事前調査の対象のとなる工作物についてということに関してですが、事業者は、建築物等の解体等の作業を行うときは、工事の規模、請負金額にかかわらず、石綿等の使用の有無を調査(事前調査)しなければならない。このうち、事前調査結果の報告対象となる工作物については、告示278号により、石綿等が使用されているおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めたものに限られている。なお書きとしてですが、本告示については、関係省庁からの新たな知見に基づき、随時見直しを行っていくという一文を記載しています。
その次に黒マルで書きました特定工作物告示に掲げる工作物ですけれども、事前調査結果の報告対象となる工作物の要件として、①の反応槽から⑯の鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板までを、令和2年厚生労働省告示第278号、繰り返しになりますが、特定工作物告示に掲げる工作物としています。
また書きとして、5ページ目ですが、石綿則における建築物と工作物の定義は下記のとおりとなっているということで、このような形で記載しています。石綿障害予防規則の第3条に建築物、工作物とあって、解釈例規で建築物と工作物の定義に関する規定がなされているということでございます。
5ページ目の一番下ですが、調査対象となる工作物の区分です。石綿則と特定工作物告示を踏まえると、工作物はその特徴から次のように分けることができるということで、6ページ目にお示ししております。6ページ目の資料は、これまでのワーキンググループでお示ししてきた資料でございまして、まず左側に区分として、特定工作物告示の工作物とその他の工作物があります。特定工作物告示に掲げる工作物として下の※印ですが、「石綿の使用のおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるものであり、事前調査結果の報告対象となる工作物」ということになります。右側が対象工作物についてですが、項目の変更はありませんが、一部記載について変更した箇所がございますので、併せて御説明いたします。
まず、大きく上段と中段と下段に分かれまして、上段は「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」ということで、大きく、炉の設備、電気設備、配管及び貯蔵設備でございます。そのうち、炉の設備は反応槽から焼却設備ということで、熱を扱う設備、保温断熱、耐火が必要というものです。電気設備は、発電設備から送電設備(ケーブルを含む)ということで、括弧書きで電気を扱う設備、絶縁が必要な設備、火災もあるので耐火も必要というものです。
3つ目のマルですが、前回のワーキンググループでは「プラント系配管」と書かせていただいておりました。ここに炉設備の中の焼却設備の次に記載していた貯蔵設備と、中段の建築物一体設備等において煙突の前に記載していた貯蔵設備は、それぞれ圧力下で使用されることから、上段中の当初プラント系配管とした高温・高圧(耐圧)下で使用される高圧配管のところに移しました。また、既存の整理として、この配管には下水管と農業用パイプラインが含まれること、上水道管は除かれることから、これらを明示的に整理したところで、「プラント系配管」改め、「配管及び貯蔵設備」とさせていただいています。
中段でございますが、前回の資料では括弧書きで「建築物と一体になっている設備である工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物」と書いてありました、ここでは省略した定義として「建築物一体設備等」と書かせていただいております。繰り返しになりますが、ここにありました煙突の前の貯蔵設備ですが、配管及び貯蔵設備のほうに移しております。
そして、下段ですが、その他の工作物として、上記以外の工作物ということで、「建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたもののうち、上記の各欄に掲げるもの以外のもの」ということで、具体的には、エレベーターやエスカレーター、コンクリート擁壁、電柱といったものを挙げております。電線につきましては、これは前回のワーキンググループの資料には載せてありましたけれども、委員から指摘のあったとおり、石綿が入っているおそれがあるものと位置づけてきたものですので、ここでは電線は除いてあるということです。
6ページの一番下ですが、関係省庁において、用途や仕様の確認、調査結果から石綿が使用されていないことが確認され、事前調査を行う必要がないと整理された工作物として、7ページから8ページに整理してございます。
そして、8ページ目のイ、工作物における石綿の使用実態として、先ほどのアの分類ごとに、工作物における石綿の使用実態を調査するために、業界団体等にヒアリング又はアンケートを実施したところです。また、塗料、接着剤、パテ、モルタル、その他不定形材料の工作物における使用実態についても同時に調査したところです。ヒアリング結果の詳細は、別紙1に示すとおりでありますが、石綿の用途としては、①防火・耐火、②断熱・保温、③絶縁、④漏出防止に始まり、最後は⑨コンクリート補修、⑩の接着ということでございます。
そして、不定形建材についての調査結果は次のとおりであったということでして、基本的には不定型建築物ということで、以前のワーキンググループの資料でお出ししたものでございます。塗料は炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物のいずれにも防錆目的、ケーブルの絶縁性、駅地下の防水や漏れ防止対策など幅広く使用されている。接着剤については、壁の中の断熱や床材、特定工作物では断熱材を貼り合わせるために使用の可能性ありとなっている。その他工作物ではコンクリート補修に使用されている。パテ(補修材)では、電気設備でケーブルでの貫通処理用パテ、隙間埋めとして、建築物一体設備等でトンネル構築(側壁・天井部)でエポキシ樹脂系コーキング材として使用されている。モルタルについては、炉設備のボイラー耐火モルタルや、焼却炉耐火煉瓦積み作業の目地など、配管を除き、規模の大小によらず基礎の設置調整などに使用されているということがございます。
そして、11ページ目でございます。以上のヒアリング等結果を踏まえて、工作物の区分と石綿の用途・主な建材との関係は以下のとおり整理できるということでございます。工作物を、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他の工作物に分類し、それぞれの工作物の区分ごとに、石綿の用途と主な建材を整理したものになります。使用実態の区分としては、「○」、「△」、「空欄」がありますが、○は「使用しており、石綿が入っている可能性がある」、△は「使用しているが、石綿が入っているかどうか分からない」、空欄は「使用していない」ものとして分けています。
具体的にはということで、工作物の区分として、例えば12ページの炉設備群の反応炉について見てみますと、石綿の用途が防火・耐火である場合、その主な建材が吹付石綿、耐火被覆材に「○:使用しており、石綿が入っている可能性がある。」となり、また、防音・吸音である場合は、吹付石綿、建材は空欄であり、石綿が使用されていない。詳細は次の表のとおりであるというように整理してあります。
13ページです。(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてです。整理したものは、14ページの表のとおりです。前回のワーキンググループを踏まえて、右側に「事前調査の資格」の欄という形で整理し直したものでして、13ページはその引用です。工作物における事前調査のうち資格を必要とする範囲は、以下のように整理できる。まず、工作物については、令和2年厚生労働省告示第278号に掲げる工作物である「特定工作物」と「それ以外の工作物」とに分けられる。
第2パラグラフですが、この「特定工作物」については、さらに「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」として炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備から構成されるものと、「建築物一体設備等」として煙突、トンネルの天井板、プラットホームの上屋、遮音壁、軽量盛り土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板から構成されるものに分けられる。
第3パラで、これらについては、上段の建築物とは異なり、当該工作物の事前調査については、新設する工作物石綿事前調査者、ここでは仮称としていますが、これが行うとすべきであるということです。また、建築物一体設備等については、工作物石綿事前調査者に加え、建築物石綿含有建材調査者(一般建築物石綿含有建材調査者又は特定建築物石綿含有建材調査者)も事前調査を実施できるとすべきである。
その他の工作物ですが、括弧書きでエレベーター、エスカレーター等としていますけれども、石綿の含有のおそれが低いことを踏まえ、事前調査について、特に資格を要しないこととすべきである。ただし、その他の工作物であっても、石綿を含有するおそれのある塗料、モルタル等の材料を使用している工作物について、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体等を行う場合の事前調査については、工作物石綿事前調査者又は建築物石綿含有建材調査者(一般建築物石綿含有建材調査者又は特定建築物石綿含有建材調査者)が事前調査を実施することとすべきである。
なお書きとしてですが、資格が必要でない事前調査についても、調査者が調査を適切に実施できるよう、様式やチェックリストを作成する必要がある。以上をまとめると、次の表のとおりであるということでして、14ページの表については、6ページの工作物の区分で修正した内容との整合性を図りつつ、右側の事前調査の資格の欄を設けたという整理です。
15ページに移りたいと思います。大きな3番目の柱でして、講習の実施体制についてです。(1)工作物石綿事前調査者(仮称)の教育内容です。こちらですが、工作物石綿事前調査者の「教育内容」全般ということで、既存の建築物石綿含有建材調査者の教育内容は、建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識1が1時間、建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識2も1時間、石綿含有建材の建築図面調査が4時間、現地調査の実際と留意点が4時間、建築物石綿含有建材調査報告書の作成が1時間の計11時間となっています。
これを踏まえ、工作物石綿事前調査者の「教育内容」の項目については、建築物石綿含有建材調査者講習も参考にしながら、次に掲げる方針とすべきである。①から⑤までありまして、①科目は、建築物石綿含有建材調査者講習と基本的に同じ構成とする。②石綿基礎知識の1と2は、建築物石綿含有建材調査者講習と同じ内容とする。③報告書の作成は、基本的に建築物の講習と同じ内容とする。④石綿使用に係る工作物の図面調査について、多数の工作物をまとめて教育する。グループ化にあたっては、2(1)のイの整理に合わせる。⑤現地調査の実際と留意点について、多数の工作物をまとめて教育する。グループ化にあたっては、先ほどの2(1)イの整理に合わせるとなっております。
以上を踏まえて、工作物石綿事前調査者講習は、学科講習及び試験によって行うこととします。講習科目・内容・時間は次のとおりとすべきであるということで、この下から記載しています。15ページから16ページにかけて、科目・内容・時間の整理になります。上から、基礎知識の1、基礎知識の2、15ページの下ですが、石綿使用に係る工作物の図面調査ですが、工作物に関する内容になっております。16ページですが、現地調査の実際と留意点、報告書の作成に関して整理しております。
ここからが、工作物石綿事前調査者講習の石綿使用に係る工作物の図面調査の教育内容ということで、現地調査の留意点と教育内容になります。イの部分ですが、建築物石綿含有建材調査者の「教育内容」のうち、「図面調査」については、石綿含有建材の建築図面調査(4時間)の科目に対して、内容は建築一般、建築設備と防火材料、石綿含有建材、建築図面その他の建築物石綿含有建材調査を行う際に必要となる情報収集に関する事項となっている。
これを踏まえて、石綿使用に係る工作物図面調査について、図面の種類、工作物のグルーピング、教育内容などは次のように整理すべきであるということで、①から④まであります。
①建築物と一体の設備については、建築図面と一体となっており、それ以外の設備は、建築物とは別の図面となっている。②図面調査は、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物でグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、前述の2(1)イの整理表のとおりとする。③図面を見る際に、②以外に注意すべき点も教育する。④建築物と一体になっている部分の事前調査は、建築物の資格者の教育内容で対応可能である。
ウは現地調査の実際と留意点の教育の内容です。内容は調査計画、事前準備、現地調査、試料採取、現地調査の記録方法、建材中の石綿分析その他の現地調査に関する事項と、現行の建築物石綿含有建材調査者の教育内容になります。これを踏まえ、工作物石綿事前調査者講習の現地調査の実際と留意点について、次のように整理すべきであるということで、①から③まであります。①図面調査は、炉設備からその他の工作物まででグルーピング、どれかでグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、2(1)イの整理表のとおりとすべきである。②実地調査を行う際に、①以外に注意すべき点も教育する。③建築物と一体になっている部分の事前調査については、建築物の資格者に対する教育で対応可能であるという整理になっています。
ここから下は、(2)受講資格、(3)受講免除、(4)指定講師要件、(5)登録制の有無、(6)今後のスケジュールです。
まず、17ページの(2)受講資格ですが、建築物の講習の受講資格は、学歴や実務経験、資格によっていることから、これを踏まえ、工作物石綿事前調査者講習の受講資格の考え方についても、学歴等に応じた実務経験や課程の捉え方は次のように整理すべきであるということで、①受講資格の考え方は、学歴等に応じて実務経験を求めるという建築の考え方を踏襲する。②学科や課程については、建築や船舶と異なり、「工作物に関する学科」というものはないので、「工学に関する学科」といった形にする。
(3)受講免除ですが、建築物石綿含有建材調査者講習と同様に、工作物石綿事前調査者講習においても、石綿作業主任者技能講習を修了した者に対する一定の科目の受講免除を設けるとともに、建築物及び工作物における石綿事前調査における基礎知識1と2、受講報告書の作成については同一に扱ってよいものとする。これにより、建築物の講習(特定の調査者講習と一般の調査者講習)を受講した者については、工作物石綿事前調査者講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきである。同様に、工作物石綿事前調査者講習の受講科目については、建築物石綿含有建材調査者講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきであるという整理になっております。
(4)講師要件ですが、(2)受講資格と同じような考え方でして、建築物の講習の講師要件は、教育歴や学位、課程の捉え方となっていることから、工作物石綿事前調査者講習の「講師要件」については、次の考え方とすべきであるということで、①講師要件の考え方は、高等教育機関の教育歴や、学位等で決めるという建築物の考え方を踏襲する。②学科や課程については、建築や船舶と異なり、「工作物に関する学科」というものはないので、「工学に関する学科」といった形にするという整理になっています。
(5)登録制の有無です。登録制の有無は、本人の確認をするということで、18ページです。講習の実施体制については、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成30年10月23日厚生労働省告示・国土交通省告示・環境省告示第1号)がありまして、それを参考に、次のとおりすべきとしております。①から④までとなっていて、①調査者の必要人数については、建築物の必要人数と見込む約11~12万人に対して、工作物はその規模から約6~8万人程度と相当の数が見込まれるため、講習の品質管理のため、建築物石綿含有建材調査者講習と同様、登録講習機関による講習とすべきである。②工作物石綿事前調査者講習登録方法としては、工作物石綿事前調査者講習のみの登録、2ポツ目として、工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習と同時の登録のいずれでもよいこととすべきである。なお書きで、工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習と同時の登録を行った場合でも、受講者の便宜のため、工作物のみの講習は必ず実施させるべきである。③工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習を同時に実施する場合、工作物石綿事前調査者講習の石綿基礎知識と報告書作成の科目については、建築物石綿含有建材調査者講習も当該科目と同じ内容であるから重ねて実施する必要はないとすべきである。④登録基準は、建築物石綿含有建材調査者講習に準ずることとすべきであるというふうに整理しております。
注釈にあるのは、前回ワーキンググループでお示しした工作物の調査者の必要人数の算定根拠を書いております。
(6)今後のスケジュールです。施行までに必要な人数の調査者の育成が可能となるよう、省令の公布後というスケジューリングをしていますが、こちらを改定した場合、改正省令公布後、少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきであるという整理にさせていただいております。
19ページ目ですが、冒頭に御説明しました別紙1、工作物における石綿の使用実態でして、これも、この前のワーキンググループの中で示した資料を提示しており、19ページから29ページまでありまして、30ページ以降は参考資料1として検討会の開催要綱を付けております。以上で報告書の説明を終わります。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいま事務局から説明がありました資料1の報告書案について、項目ごとに1つずつ検討を進めていきたいと思います。
まず最初に、第2章の事前調査について、その中でも4ページの(1)の事前調査の対象となる工作物についてと、13ページの(2)の資格を必要とする事前調査の範囲について、この2つについて御意見がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。(1)は4ページ目から、(2)が13ページ目からです。この2つのページからよろしくお願いいたします。御意見ございますでしょうか。どんな御意見でも結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
○出野委員 解体業連合会の出野です。全体的に前回の委員会の検討内容とほぼ同じで、私も総論的には賛成いたします。それで、余りに細かくてお叱りを受けそうなのですが、4点ほどあります。
まず最初に、工作物の定義ですが、これが建築基準法で使っている定義と違うと思うのですが、これをどこかに注記しておく必要はないかと思いました。全く同じであれば別に問題ないのですが、ちょっとずれているような気もしましたので。
それから、更に細かい話なのですが、5ページの報告対象になる工作物の①から⑯までの、これは限定列挙だと思うのですが、これも今さらかもしれませんが、⑫のトンネルは道路のトンネルと頭に付くのでしょうか。トンネル一般という、全てということですか。それから、⑬のプラットホームも、「鉄道の駅の」などというような接頭語は付かないのですか。これも全て、プラットホームと呼ばれるようなものは全部入るのではないかということで、少し疑問に思いました。
それから、8ページのイの下のほうに黒ポツが4つありますが、1つ目の「塗料は」という文章があります。「建築物と一体になっている設備である工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物」と3つ併記されているわけですが、この建材類似の工作物というのはどういうイメージを持てばいいのかなと、ちょっと疑問に思いましたので、詳しく説明していただければ有り難いなと思いました。
最後、13ページの資格を必要とする事前調査の範囲についてですが、その他の工作物とあって括弧書きでエレベーター、エスカレーターうんぬんとあります。こういったその他の工作物については、原則的に事前調査をする際に特定の資格は必要ないというのが原則で、ただしというので、ただし書きで例外があるわけです。この例外をもし設けるのでしたら、相当限定的だと思いますので、かなり詳しくきちんと細かく定めないと、現場の方は相当迷うのではないかという気がしますので、この辺りは是非丁寧に記載をしていただければ有り難いなと思いました。以上、細かいのですが、4点です。
○梅崎座長 ありがとうございます。いずれも大事な指摘だと思いますので、事務局のほうで、もし整理できましたらお答えをお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 出野委員、御質問ありがとうございます。4点頂きましたが、まず1点目の工作物の定義です。こちらの報告書の案の5ページ目につきましては、これまでの繰り返しの資料となっておりまして、一字一句読み上げをしておりませんでしたが、報告書の5ページ目、解釈例規として2つの黒マルがありまして、建築物と併せてしっかりここで御説明させていただきたいと思います。
それから、建築基準法の定義とどう違うかという御質問ですが、まず1つ目の内容ですが、石綿則の第3条に事前調査の項目というものがありまして、事業者は建築物、工作物又は船舶の解体等作業を行ったときは事前調査をしなければならないという根拠条文がありまして、その解釈例規をこちらにお示ししております。1つ目ですが、「第1項の「建築物」とは、全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備を含むものである」という整理をしております。その上で、2つ目、「第1項の「工作物」とは、建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたものの全てをいい、例えば、煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレーター等又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備等及びこれらの間を接続する配管等の設備等があること」と、少し長いのですが、さらになお書きで、「建築物内に設置されたエレベーターについては、かご等は工作物であるが、昇降路の壁面は建築物であることに留意すること」という整理をさせていただいております。石綿則では、工作物はこのように整理されております。
2点目の特定工作物ですが、4ページ目から5ページ目に石綿等が使用されるおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるもの、厚生労働省告示第278号ということで、いわゆる特定工作物告示というものがあります。今日の資料には、特定工作物告示の解釈例規は示していないのですが、⑬のプラットホームはそのままであり、⑫トンネルの天井板とあるトンネルについては、施行通達第3細部事項の2(3)特定工作物告示のイの(ウ)における、トンネルの天井板(第12号関係)について、トンネルには鉄道施設は含まないこと、この鉄道施設とは括弧書きで「鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第8条第1項に規定する鉄道施設をいい、軌道法(大正10年法律第76号)による軌道施設を含む。」という整理がされております。今日の資料には出していないのですが、特定工作物告示において、トンネルの天井板に関してはこのようにお示ししているところでございます。
3点目の塗料の、3つの定義の話、建材類似に関して、8ページのイの1つ目にあります建築物一体設備等の建材類似の工作物、建材ではないけれどもそれに近いものということで、関係省庁との調整の中でも建材類似という形で使っていただいているというような状況でございます。
4点目の資格の件です。13ページ目に整理しましたその他工作物については、そのものについては石綿の含有のおそれが低いことを踏まえ、事前調査について登録の資格を要しないこととすべきであるとしたところです。このただし書きについては、相当詳しく細かく示さないといけないということですが、その足掛かりというか、参考の一助になるものとして、この報告書案の中に整理している8ページ目の下段から9ページの表に整理しました工作物における石綿の使用実態として、塗料だけを挙げさせていただいたのですが、塗料等をはじめ接着剤、パテに使われている各工作物の使用実態について各業界団体にヒアリングをした結果ということになるのですけれども、こちらの整理を参考にしていただきつつ、事前調査においてはどこにある可能性があるのかということのために今回使っていただくということと、周知についてもしっかりと行っていく必要があると考えております。
今回の報告書案の中でも、なお書きで書かせていただいていましたが、13ページの最後の3行からのなお書きのとおりであり、資格が必要でない事前調査についても、各調査者が調査を適切に実施できるよう、様式やチェックリストを作成する必要があるということで、テキストの作りこみを含めて、しっかりと参考になるものを作り上げるようにしたいと思っています。
○梅崎座長 事務局の方、追加でお願いいたします。
○化学物質対策課長 少しだけ追加ですが、工作物の定義が建築基準法とどうかということなのですが、我々がお答えすることではないかもしれませんが、建築基準法には工作物の定義というのは、法律にも政令にもないのです。そういう意味では、一致しているかどうかはお答えしにくいところではあります。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。小島委員、お願いします。
○小島委員 建災防の小島です。前々回も少しお話させていただいたと思うのですが、要するに事前調査というのは漏れのない調査が大前提に立つということで、例えば焼却設備と定義されている部分があります。しかし、現実的には建物、上家があって、典型的なのが清掃工場などがそうですが、そういった所の何らかの形でのすみ分けというのでしょうか、文章で定義するのは難しいかもしれませんが、何かポンチ絵のようなもので、ここまでを清掃工場の焼却設備、ここから先は例えば建築設備、あるいはこのラインはここまではといった、ここでいうところの一体設備ではなくて、焼却設備と建築物というものの分かれ方を整理していただいたらいいのかなと思います。
勝手な解釈にならないように、繰り返しますが、漏れのない、1つの建物に対して漏れのない調査をしないといけないという大前提に立ったときに、そういうもの、例えば参考資料などでも結構ですので、付け加えていただいたら有り難いかなと思います。以上です。
○化学物質対策課長 今の御質問は、建築設備になるのか、ならないのかということなのかなという気がしました。6ページに注書きで、建築設備が何なのかという定義はありまして、「建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備の配管」になります。この中で焼却設備を読むのはかなり難しいと思いますのと、それから、あくまで建築設備というのは建築物に付随する形で、建築物はもともと居住者のためのものなので、居住者のために使う設備を基本的には書いてありまして、焼却設備のように建屋の中には入っているのですが、居住者のためにある設備ではないようなものは、建築物の中にあっても工作物といった整理です。
工作物の定義は、先ほど井上が御説明しましたが、建築物以外のものであって建築物の中に設置されているものも工作物ということになっていますので、そういった形で、本来の建築物の用途として使われる設備なのか、そうではない設備なのかというところで分けていくのかなと考えております。
○梅崎座長 6ページに戻るという御回答のようですが、よろしいでしょうか。ほかにありますか。細かい質問でも御意見でも結構ですので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。皆さんのコメントも議論も出尽くしたような気もしますので、そうしましたら、この(1)と(2)の論点についてはここで議論を終了したいと思います。提示された方向性で合意が得られたと考えますので、次の項目に進ませていただきます。
次に、15ページの3番、講習の実施体制について御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。小菅委員、お願いします。
○小菅委員 17ページの受講資格、に関してですが、要件とする学科、課程については、工学に関する学科となっています。工学は機械や電気など様々な分野に分かれており、受講者が保有している知識は異なる可能性があります。同様のことは講師についても言えます。講習の実施に当たっては、講習教材の作成を工夫するなど、受講者の専門性にかかわらず調査者に求められる質がしっかりと担保されるように取り組んでいただきたいと思います。
2つ目の意見として、直接該当する箇所があるわけではないのですが、今回特定工作物の調査者に関しては、調査者講習を受講することで有資格者となりますが、現時点ではその後の資格の質を担保するための仕組みについては、特に組み込まれていません。調査者が適切な調査を継続して実施していくためには、資格取得後も一定の知識が維持されることが重要ですので、有資格者の質の担保にも取り組んで頂きたいと思います。
最後に質問ですが、18ページの今後のスケジュールに関して、公布後から施行まで少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきということですが、そのように考える根拠を御説明いただければと思います。
○梅崎座長 事務局のほうよろしいでしょうか。では、お願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 小菅委員、御意見と御質問ありがとうございます。3点のうちのまず1点目の御意見でございます。受講資格と講師要件については、工学に関する学科が、これまでの建築などと違って範囲が広いのではないかという御指摘を含む御意見だったと思いますが、工学系でも、機械や制御といったものを含めまして幾つか工学に関するバックグラウンドがあるのですけれども、そうしたものはいずれも、基本の工作物の中で事前調査を行うに当たっての1つの共通普遍的なバックグラウンドだと考えていまして、この労働安全衛生法の法全体での体系で見た場合でも、同じように工学に関する要件というのも課している、そういうところもあるということを踏まえて、対象者のバックグラウンドとして求められるものとして定めていると御理解いただければと思います。
そんな中で、テキストの工夫を行うこと、御意見にありましたバックグラウンドに関係なく、質が担保できるような講習をということに関しての御意見として受け止めたいと思います。
2点目の調査者講習に関して、取得後の質の担保ということでございます。これは大事な御指摘でございまして、現行の建築物の調査者講習に関しましては、一応、受講者した後の資格そのものは引き続き有効というような形になるのですけれども、私たちの中では、今年度から資格取得後の資格の質の担保も念頭に置きました講習機関が集まって、その後のどういうものをレベルアップしていくということ、御指摘いただいているような資格を取られた方たちの質の担保、近年は講習機関の質の担保につながるかということで、意見の取り寄せをしているのですが、コンソーシアムというものを設置して、今後研修会を経て、今回の質の担保につながるような取組みをしていきたいということで、進めていく予定でございます。
3点目の今後のスケジュールです。2年又は2年半という形ですけれども、冒頭に読み上げましたように、改正の省令が公布されて少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきというようなことを書かせていただいた次第でございますが、その根拠といたしましては、改正省令が公布された以降、それと前後するかもしれませんが、まず質の高いテキストを、広範にわたる工作物の使用実体を踏まえて進めていくこと、今後、講師の養成と確保に例えば1年ないし1年半の時間を有するということがございます。そして、その後に第2段階として講習の実施ということがございますが、急に資格が必要になるということでは不利益となる可能性もございますので、その講習を受ける準備期間として1年ないし1年以上ということから、最低でも2年間から2年半の期間を担保すべきだとさせていただくところでございます。
なお、建築物の調査者に関しては、令和2年1月の改正石綿則の公布に対して、来年の令和5年10月に施行され、建築物の調査者の資格が必要になりますけれども、この間も同じような考え方で、3年少々の準備期間を頂いているということでございます。18ページの上にも書きましたけれども、必要な調査者数の確保の規模感も加味しての話でございますので、全て勘案して実施していきたいと思います。以上です。
○梅崎座長 では、どうぞお願いいたします。
○小菅委員 御説明ありがとうございました。最初の意見に対しては是非よろしくお願いいたします。質問に対しては、調査者に求められる質をしっかり担保するとともに、施行までの必要な人数の調査者の育成、調査機関数の確保、講習教材の策定、講師の育成等について必要な準備期間をしっかりと確保していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 今の御意見は大変重要だと思います。是非その点も踏まえて、事務局のほうでは御対応いただきたいと思います。ほかに御質問はございますでしょうか。御質問、御意見がありましたらお願いいたします。講習の実施体制、やられる方もいらっしゃいますのでちょっと細かい意見でも結構ですのでどうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。小島委員、お願いいたします。
○小島委員 細かい質問で申し訳ないですが、17ページの受講資格の所ですが、現在の建築物の事前調査の講習では、一応石綿作業主任者も資格に入っていたと記憶していますが、これは今回は①の所に書かれてあることがそれに該当するという位置付けでよろしいのでしょうか。石綿作業主任者は含まれるかどうかということをお聞きしたいのです。
○副主任中央労働衛生専門官 結論から言うと含まれるということでして、建築物の調査者講習のときに、工作物に関しても石綿作業主任者技能講習修了者が受講資格とする予定でございます。
○梅崎座長 そういうことでよろしいでしょうか。ほかに御質問ありましたら、どんな細かいことでも結構ですので、お願いいたします。いかがでしょうか。
○出野委員 蛇足みたいな発言で申し訳ないですけれども、2点ほどです。先ほどの小菅委員と小島委員の意見にちょっと関連する内容かと思いますが、建築物の事前調査者講習をやっていますよね。これはいいのですけれども、前回のこの委員会でも発言しましたけれども、粗製濫造と言ったら言葉は乱暴ですが、ほとんど座学といいますか、実地研修がないということで、なかなか能力が担保されないという意見があちこちから聞こえてまいります。そういうこともあって、事前調査及び実際の除去作業についての技能者の能力向上、これを今後どうされるのか。何か案がおありなのか、検討されているのか、そういうことをお伺いしたいと思います。かなり急がないと、余りペーパー資格者ばかり増えてもしょうがないのかなという気がしています。
もう1点は同じような内容なのですけれども、現場で事前調査を行う、あるいは除去作業を行う、そういう方を対象にあれこれといろいろ策を講じているわけですけれども、その上の段階である現場の管理者、具体的には建設の主任技術者や監理技術者レベルの方の教育も、両方やる必要があるのかなと思っています。
例えば石綿の除去現場を管理する主任技術者、あるいは監理技術者の方は、石綿に関する知識はほとんどないという例もかなりあると聞いています。ですから、管理技術者の場合には監理技術者講習というのが5年に1回あって、その中で徹底的にやっていただくということ、徹底的にやっていただく時間はないでしょうけれども、何か工夫をしていただくということ、これが1つです。ところが、主任技術者レベルになると何もないのです。自分で勉強しなさいと、多分そういうレベルだと思うのです。その辺りは、少し制度的、仕組み的に抜けているのかなという感じがしますので、今後何か策をお考えになっているのであれば、教えていただきたいと思います。以上です。
○梅崎座長 お願いします。
○化学物質対策課長 御質問ありがとうございます。1点目、能力向上ということにつきましては非常に重要であるという認識はしておりまして、先ほど井上からも説明しましたけれども、講習機関のコンソーシアムというものを作って、その中で具体的にどういった能力向上がそもそもできるのかということも含めて、幅広く検討させていただきたいと考えています。
それから、監理技術者とか主任技術者につきましては、これは国交省の制度ですので、厚労省からちょっとものを申し上げにくいのですけれども、国交省と環境省と3省で取り組んでおりますので、その連携の中で、技師あるいは管理者の教育といいますか、能力向上といいますか、そういったことが入れられるかどうか、協議をしながら進めたいと思っています。
○梅崎座長 今のは大変重要な御指摘だと思いますので、是非そういうのも含めて事務局としては対応をお願いしたいです。ほかにございますでしょうか。研修実施体制は非常に重要な話ですので、どんな質問でも結構ですから、是非よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
それでは、講習の実施体制につきましても、大体御意見は出尽くしたと思いますので、この論点についてはこれで終了したいと思います。おおむね事務局から提示された方向性で御異論ないと思いますが、同時にこの場で非常に貴重な御意見も頂きましたので、是非そのような御意見につきましては、事務局のほうでも更に検討いただいて、今後の施策に活用していくということ、是非よろしくお願いしたいと思います。
以上で、本日のこの報告書案の議論はほぼ終了なのですが、この報告書案でちょっと言い忘れていたという方がいらっしゃいましたら、どうぞ是非この機会にお願いいたします。一旦、ここで工作物については締めてしまいますので、もし御議論がありましたら、この報告書に限ってということになるのですけれども、是非お願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、以上で本日の議題につきましては、一通り御議論を頂きました。本日は、前回、前々回に引き続いて、たくさんの御意見を出していただいて、本当にありがとうございました。この工作物における石綿使用の現状、あるいは解体・改修工事の現状や教育内容、建築の資格者と役割分担などにつきまして、非常に大事な御意見を頂けたと考えています。
今後の進め方なのですが、本日御指摘いただいた課題、あるいは宿題事項、そういった点も含めて、事務局としては本日の委員の先生方の御意見を踏まえて、報告書案を整理して、僭越ながら座長預かりとさせていただいて、最終的な報告書の取りまとめにつきましては御一任いただいて、ワーキンググループの報告書として確定したいと考えていますが、そのような考えでよろしいでしょうか。特段の御異議がなければ、座長と事務局のほうで本日の意見を調整した上で、最終報告書として取りまとめたいと思います。それでは、事務局の方から何かありますか。
○副主任中央労働衛生専門官 特にございません。本日は、今回のテーマとしては最後ということになりまして、これまでの議論を尽くされた委員の皆様方に、本来ならば安全衛生部長の美濃から一言御挨拶させていただくところですが、今、別件対応中でございますので、恐縮でございますが、化学物質対策課長の安井から一言御挨拶をさせていただきます。
○化学物質対策課長 化学物質対策課長の安井でございます。御参集の皆様におかれましては、平素から化学物質の関係あるいは石綿の関係でお世話になっておりまして、厚く御礼申し上げます。本ワーキンググループでは、事前調査者についての、まず工作物の分類、それに対応する資格者の整理、それから資格者を養成するための体制と、大きく3点につきまして御議論いただきました。
事前の説明も含めまして、非常に多種多様といいますか、様々な御意見を頂きまして、我々もそれを踏まえて勉強しながら、あるいは調査をしながら、一歩一歩ということですが、最終的には様々な御意見を頂いたお陰をもちまして、かなり充実した報告書になったのではないかと考えています。厚く御礼申し上げます。
本日の報告書案は、この後、親検討会であります建築物の解体・改修等における石綿防止対策等検討会、こちらは11月2日に開催する予定ですけれども、そちらのほうにお諮りして、検討会報告書という形で最終的な形でまとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
第4回の冒頭の御挨拶でも、部長のほうから申し上げましたけれども、令和2年7月の石綿則の大きな改正を踏まえまして、令和5年10月から事前調査者が義務付けられるということです。そちらの現在の育成状況は約5万人ということでして、こちらの報告書に書いています11~12万人ぐらいが必要だということですから、今のピッチであれば間に合うのではないかと考えていますけれども、今日も御指摘を賜りましたように、事前調査者の質の担保も含めて引き続き取り組んでまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
工作物については、これからまず制度改正をして、石綿則の省令の改正、登録講習規程を定めている3省告示、それからその省令と3省告示をつなぐブリッジ告示というのがありまして、その3種類を改正する形で公布をいたします。その後、先ほど井上が申し上げましたとおり、2年から2年半程度の周知期間を置いて施行するという形にしたいと思っています。引き続き、工作物の調査者の育成につきまして御協力を頂きたいと思います。
最後になりますけれども、本ワーキンググループでの御議論につきまして、様々な御意見を頂きまして誠にありがとうございます。以上で閉会の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○梅崎座長 ありがとうございます。本日の議題はこれで全て終わりました。それでは、議事進行を事務局にお返しします。
○副主任中央労働衛生専門官 本日は、長時間にわたりまして御審議ありがとうございました。本年7月以降、短期間で3回の御議論を頂いたところでございます。今、安井のほうから申し上げましたけれども、重ねて申し上げる次第でございますが、11月2日に親検討委員会を開催しまして、本ワーキンググループ報告書、現在は案でございますが、お諮りしていきたいと思っています。本検討会の委員にもなっているワーキンググループ委員の方には、改めて事務局より御案内させていただきます。また、本日の会議録につきましては、各委員に後日御確認いただいた上で公開させていただきます。
それでは、第6回建築物の解体・改修における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループを閉会いたします。本日は誠にありがとうございました。
○梅崎座長 第6回の検討会を始めさせていただきます。それでは、最初に事務局から資料の確認をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 資料の確認に入ります。お手元の資料につきまして、次第に沿って御説明いたします。資料1、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書案。参考資料1、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書(令和2年4月13日)。参考資料2として、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(令和2年4月14日)。参考資料3、開催要綱となっております。
○梅崎座長 皆様、資料はございますでしょうか。それでは、本日の議事に移りたいと思います。まず最初は、(1)建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書案についてです。よろしくお願いします。本日は、皆様に前回御議論いただいた第5回のワーキンググループの議論を踏まえて、資料1の報告書案を用意しております。まず最初に、事務局から資料について一通りの説明をお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 それでは、まず報告書の案でございます。本編に関しては3~18ページまで、19ページ以降については石綿の使用の実態についての参考資料という位置付けとなっております。表紙をめくって2枚目ですが、目次がございます。大きく3つございまして、1として検討の経緯、2として事前調査、この事前調査につきましては、(1)事前調査の対象となる工作物について、(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてとしていまして、3の講習の実施体制についてとして、(1)の工作物石綿事前調査者(仮称)の教育内容から、(6)の今後のスケジュールとしています。
3ページ目に移ります。本文に入ります。1、検討の経緯になります。これまでのワーキンググループの中で資料として御用意し、説明した内容を整理したものになります。その内容について御説明いたしますと、工作物に関する石綿に係る事前調査については、「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書」において、次のとおりとされているところです。③として、「工作物及び船舶の事前調査についても、その適切な実施を確保するため、調査を実施する者に一定の知識等を付与するための仕組みや、付与すべき知識の内容等については、さらに検討を深める必要があるため、以下の点に留意しつつ、引き続き厚生労働省と関係機関が連携して検討を進めること」としております。こちらですが、aとbが関係するものでございまして、aが建築物に関する事前調査に必要な知識等と共通する内容の有無、bは工作物について多種多様なものがある中で、必要な知識等に共通点の多いものをグループ化して取り扱うことの可否です。そして、上記課題に対して、工作物ワーキンググループ検討会において、令和4年7月から本日までの令和4年10月の3回にわたり、妥当と考えられる工作物の事前調査の資格要件について検討が重ねられ、本ワーキンググループとしては、工作物に関する石綿に係る事前調査については、下記のとおりとすることが適当であるとしました。
(1)の本検討会ワーキンググループの検討事項ですが、本検討会ワーキンググループにおいては、工作物に係る石綿事前調査者の要件の検討として、調査対象となる工作物が多種多様な中で、対象の範囲や調査方法(グルーピング化など)、使用実態の把握方法、講習と教育の内容などについて、下記の論点案に沿って議論、整理したとしておりまして、こちらにはその主な論点案を記載しているところです。そして、(2)の検討会スケジュールで、議論していただいた内容について記載しています。
4ページの2、事前調査についてです。(1)事前調査の対象のとなる工作物についてということに関してですが、事業者は、建築物等の解体等の作業を行うときは、工事の規模、請負金額にかかわらず、石綿等の使用の有無を調査(事前調査)しなければならない。このうち、事前調査結果の報告対象となる工作物については、告示278号により、石綿等が使用されているおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めたものに限られている。なお書きとしてですが、本告示については、関係省庁からの新たな知見に基づき、随時見直しを行っていくという一文を記載しています。
その次に黒マルで書きました特定工作物告示に掲げる工作物ですけれども、事前調査結果の報告対象となる工作物の要件として、①の反応槽から⑯の鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板までを、令和2年厚生労働省告示第278号、繰り返しになりますが、特定工作物告示に掲げる工作物としています。
また書きとして、5ページ目ですが、石綿則における建築物と工作物の定義は下記のとおりとなっているということで、このような形で記載しています。石綿障害予防規則の第3条に建築物、工作物とあって、解釈例規で建築物と工作物の定義に関する規定がなされているということでございます。
5ページ目の一番下ですが、調査対象となる工作物の区分です。石綿則と特定工作物告示を踏まえると、工作物はその特徴から次のように分けることができるということで、6ページ目にお示ししております。6ページ目の資料は、これまでのワーキンググループでお示ししてきた資料でございまして、まず左側に区分として、特定工作物告示の工作物とその他の工作物があります。特定工作物告示に掲げる工作物として下の※印ですが、「石綿の使用のおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるものであり、事前調査結果の報告対象となる工作物」ということになります。右側が対象工作物についてですが、項目の変更はありませんが、一部記載について変更した箇所がございますので、併せて御説明いたします。
まず、大きく上段と中段と下段に分かれまして、上段は「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」ということで、大きく、炉の設備、電気設備、配管及び貯蔵設備でございます。そのうち、炉の設備は反応槽から焼却設備ということで、熱を扱う設備、保温断熱、耐火が必要というものです。電気設備は、発電設備から送電設備(ケーブルを含む)ということで、括弧書きで電気を扱う設備、絶縁が必要な設備、火災もあるので耐火も必要というものです。
3つ目のマルですが、前回のワーキンググループでは「プラント系配管」と書かせていただいておりました。ここに炉設備の中の焼却設備の次に記載していた貯蔵設備と、中段の建築物一体設備等において煙突の前に記載していた貯蔵設備は、それぞれ圧力下で使用されることから、上段中の当初プラント系配管とした高温・高圧(耐圧)下で使用される高圧配管のところに移しました。また、既存の整理として、この配管には下水管と農業用パイプラインが含まれること、上水道管は除かれることから、これらを明示的に整理したところで、「プラント系配管」改め、「配管及び貯蔵設備」とさせていただいています。
中段でございますが、前回の資料では括弧書きで「建築物と一体になっている設備である工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物」と書いてありました、ここでは省略した定義として「建築物一体設備等」と書かせていただいております。繰り返しになりますが、ここにありました煙突の前の貯蔵設備ですが、配管及び貯蔵設備のほうに移しております。
そして、下段ですが、その他の工作物として、上記以外の工作物ということで、「建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたもののうち、上記の各欄に掲げるもの以外のもの」ということで、具体的には、エレベーターやエスカレーター、コンクリート擁壁、電柱といったものを挙げております。電線につきましては、これは前回のワーキンググループの資料には載せてありましたけれども、委員から指摘のあったとおり、石綿が入っているおそれがあるものと位置づけてきたものですので、ここでは電線は除いてあるということです。
6ページの一番下ですが、関係省庁において、用途や仕様の確認、調査結果から石綿が使用されていないことが確認され、事前調査を行う必要がないと整理された工作物として、7ページから8ページに整理してございます。
そして、8ページ目のイ、工作物における石綿の使用実態として、先ほどのアの分類ごとに、工作物における石綿の使用実態を調査するために、業界団体等にヒアリング又はアンケートを実施したところです。また、塗料、接着剤、パテ、モルタル、その他不定形材料の工作物における使用実態についても同時に調査したところです。ヒアリング結果の詳細は、別紙1に示すとおりでありますが、石綿の用途としては、①防火・耐火、②断熱・保温、③絶縁、④漏出防止に始まり、最後は⑨コンクリート補修、⑩の接着ということでございます。
そして、不定形建材についての調査結果は次のとおりであったということでして、基本的には不定型建築物ということで、以前のワーキンググループの資料でお出ししたものでございます。塗料は炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物のいずれにも防錆目的、ケーブルの絶縁性、駅地下の防水や漏れ防止対策など幅広く使用されている。接着剤については、壁の中の断熱や床材、特定工作物では断熱材を貼り合わせるために使用の可能性ありとなっている。その他工作物ではコンクリート補修に使用されている。パテ(補修材)では、電気設備でケーブルでの貫通処理用パテ、隙間埋めとして、建築物一体設備等でトンネル構築(側壁・天井部)でエポキシ樹脂系コーキング材として使用されている。モルタルについては、炉設備のボイラー耐火モルタルや、焼却炉耐火煉瓦積み作業の目地など、配管を除き、規模の大小によらず基礎の設置調整などに使用されているということがございます。
そして、11ページ目でございます。以上のヒアリング等結果を踏まえて、工作物の区分と石綿の用途・主な建材との関係は以下のとおり整理できるということでございます。工作物を、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他の工作物に分類し、それぞれの工作物の区分ごとに、石綿の用途と主な建材を整理したものになります。使用実態の区分としては、「○」、「△」、「空欄」がありますが、○は「使用しており、石綿が入っている可能性がある」、△は「使用しているが、石綿が入っているかどうか分からない」、空欄は「使用していない」ものとして分けています。
具体的にはということで、工作物の区分として、例えば12ページの炉設備群の反応炉について見てみますと、石綿の用途が防火・耐火である場合、その主な建材が吹付石綿、耐火被覆材に「○:使用しており、石綿が入っている可能性がある。」となり、また、防音・吸音である場合は、吹付石綿、建材は空欄であり、石綿が使用されていない。詳細は次の表のとおりであるというように整理してあります。
13ページです。(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてです。整理したものは、14ページの表のとおりです。前回のワーキンググループを踏まえて、右側に「事前調査の資格」の欄という形で整理し直したものでして、13ページはその引用です。工作物における事前調査のうち資格を必要とする範囲は、以下のように整理できる。まず、工作物については、令和2年厚生労働省告示第278号に掲げる工作物である「特定工作物」と「それ以外の工作物」とに分けられる。
第2パラグラフですが、この「特定工作物」については、さらに「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」として炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備から構成されるものと、「建築物一体設備等」として煙突、トンネルの天井板、プラットホームの上屋、遮音壁、軽量盛り土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板から構成されるものに分けられる。
第3パラで、これらについては、上段の建築物とは異なり、当該工作物の事前調査については、新設する工作物石綿事前調査者、ここでは仮称としていますが、これが行うとすべきであるということです。また、建築物一体設備等については、工作物石綿事前調査者に加え、建築物石綿含有建材調査者(一般建築物石綿含有建材調査者又は特定建築物石綿含有建材調査者)も事前調査を実施できるとすべきである。
その他の工作物ですが、括弧書きでエレベーター、エスカレーター等としていますけれども、石綿の含有のおそれが低いことを踏まえ、事前調査について、特に資格を要しないこととすべきである。ただし、その他の工作物であっても、石綿を含有するおそれのある塗料、モルタル等の材料を使用している工作物について、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体等を行う場合の事前調査については、工作物石綿事前調査者又は建築物石綿含有建材調査者(一般建築物石綿含有建材調査者又は特定建築物石綿含有建材調査者)が事前調査を実施することとすべきである。
なお書きとしてですが、資格が必要でない事前調査についても、調査者が調査を適切に実施できるよう、様式やチェックリストを作成する必要がある。以上をまとめると、次の表のとおりであるということでして、14ページの表については、6ページの工作物の区分で修正した内容との整合性を図りつつ、右側の事前調査の資格の欄を設けたという整理です。
15ページに移りたいと思います。大きな3番目の柱でして、講習の実施体制についてです。(1)工作物石綿事前調査者(仮称)の教育内容です。こちらですが、工作物石綿事前調査者の「教育内容」全般ということで、既存の建築物石綿含有建材調査者の教育内容は、建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識1が1時間、建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識2も1時間、石綿含有建材の建築図面調査が4時間、現地調査の実際と留意点が4時間、建築物石綿含有建材調査報告書の作成が1時間の計11時間となっています。
これを踏まえ、工作物石綿事前調査者の「教育内容」の項目については、建築物石綿含有建材調査者講習も参考にしながら、次に掲げる方針とすべきである。①から⑤までありまして、①科目は、建築物石綿含有建材調査者講習と基本的に同じ構成とする。②石綿基礎知識の1と2は、建築物石綿含有建材調査者講習と同じ内容とする。③報告書の作成は、基本的に建築物の講習と同じ内容とする。④石綿使用に係る工作物の図面調査について、多数の工作物をまとめて教育する。グループ化にあたっては、2(1)のイの整理に合わせる。⑤現地調査の実際と留意点について、多数の工作物をまとめて教育する。グループ化にあたっては、先ほどの2(1)イの整理に合わせるとなっております。
以上を踏まえて、工作物石綿事前調査者講習は、学科講習及び試験によって行うこととします。講習科目・内容・時間は次のとおりとすべきであるということで、この下から記載しています。15ページから16ページにかけて、科目・内容・時間の整理になります。上から、基礎知識の1、基礎知識の2、15ページの下ですが、石綿使用に係る工作物の図面調査ですが、工作物に関する内容になっております。16ページですが、現地調査の実際と留意点、報告書の作成に関して整理しております。
ここからが、工作物石綿事前調査者講習の石綿使用に係る工作物の図面調査の教育内容ということで、現地調査の留意点と教育内容になります。イの部分ですが、建築物石綿含有建材調査者の「教育内容」のうち、「図面調査」については、石綿含有建材の建築図面調査(4時間)の科目に対して、内容は建築一般、建築設備と防火材料、石綿含有建材、建築図面その他の建築物石綿含有建材調査を行う際に必要となる情報収集に関する事項となっている。
これを踏まえて、石綿使用に係る工作物図面調査について、図面の種類、工作物のグルーピング、教育内容などは次のように整理すべきであるということで、①から④まであります。
①建築物と一体の設備については、建築図面と一体となっており、それ以外の設備は、建築物とは別の図面となっている。②図面調査は、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物でグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、前述の2(1)イの整理表のとおりとする。③図面を見る際に、②以外に注意すべき点も教育する。④建築物と一体になっている部分の事前調査は、建築物の資格者の教育内容で対応可能である。
ウは現地調査の実際と留意点の教育の内容です。内容は調査計画、事前準備、現地調査、試料採取、現地調査の記録方法、建材中の石綿分析その他の現地調査に関する事項と、現行の建築物石綿含有建材調査者の教育内容になります。これを踏まえ、工作物石綿事前調査者講習の現地調査の実際と留意点について、次のように整理すべきであるということで、①から③まであります。①図面調査は、炉設備からその他の工作物まででグルーピング、どれかでグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、2(1)イの整理表のとおりとすべきである。②実地調査を行う際に、①以外に注意すべき点も教育する。③建築物と一体になっている部分の事前調査については、建築物の資格者に対する教育で対応可能であるという整理になっています。
ここから下は、(2)受講資格、(3)受講免除、(4)指定講師要件、(5)登録制の有無、(6)今後のスケジュールです。
まず、17ページの(2)受講資格ですが、建築物の講習の受講資格は、学歴や実務経験、資格によっていることから、これを踏まえ、工作物石綿事前調査者講習の受講資格の考え方についても、学歴等に応じた実務経験や課程の捉え方は次のように整理すべきであるということで、①受講資格の考え方は、学歴等に応じて実務経験を求めるという建築の考え方を踏襲する。②学科や課程については、建築や船舶と異なり、「工作物に関する学科」というものはないので、「工学に関する学科」といった形にする。
(3)受講免除ですが、建築物石綿含有建材調査者講習と同様に、工作物石綿事前調査者講習においても、石綿作業主任者技能講習を修了した者に対する一定の科目の受講免除を設けるとともに、建築物及び工作物における石綿事前調査における基礎知識1と2、受講報告書の作成については同一に扱ってよいものとする。これにより、建築物の講習(特定の調査者講習と一般の調査者講習)を受講した者については、工作物石綿事前調査者講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきである。同様に、工作物石綿事前調査者講習の受講科目については、建築物石綿含有建材調査者講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきであるという整理になっております。
(4)講師要件ですが、(2)受講資格と同じような考え方でして、建築物の講習の講師要件は、教育歴や学位、課程の捉え方となっていることから、工作物石綿事前調査者講習の「講師要件」については、次の考え方とすべきであるということで、①講師要件の考え方は、高等教育機関の教育歴や、学位等で決めるという建築物の考え方を踏襲する。②学科や課程については、建築や船舶と異なり、「工作物に関する学科」というものはないので、「工学に関する学科」といった形にするという整理になっています。
(5)登録制の有無です。登録制の有無は、本人の確認をするということで、18ページです。講習の実施体制については、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成30年10月23日厚生労働省告示・国土交通省告示・環境省告示第1号)がありまして、それを参考に、次のとおりすべきとしております。①から④までとなっていて、①調査者の必要人数については、建築物の必要人数と見込む約11~12万人に対して、工作物はその規模から約6~8万人程度と相当の数が見込まれるため、講習の品質管理のため、建築物石綿含有建材調査者講習と同様、登録講習機関による講習とすべきである。②工作物石綿事前調査者講習登録方法としては、工作物石綿事前調査者講習のみの登録、2ポツ目として、工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習と同時の登録のいずれでもよいこととすべきである。なお書きで、工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習と同時の登録を行った場合でも、受講者の便宜のため、工作物のみの講習は必ず実施させるべきである。③工作物石綿事前調査者講習と建築物石綿含有建材調査者講習を同時に実施する場合、工作物石綿事前調査者講習の石綿基礎知識と報告書作成の科目については、建築物石綿含有建材調査者講習も当該科目と同じ内容であるから重ねて実施する必要はないとすべきである。④登録基準は、建築物石綿含有建材調査者講習に準ずることとすべきであるというふうに整理しております。
注釈にあるのは、前回ワーキンググループでお示しした工作物の調査者の必要人数の算定根拠を書いております。
(6)今後のスケジュールです。施行までに必要な人数の調査者の育成が可能となるよう、省令の公布後というスケジューリングをしていますが、こちらを改定した場合、改正省令公布後、少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきであるという整理にさせていただいております。
19ページ目ですが、冒頭に御説明しました別紙1、工作物における石綿の使用実態でして、これも、この前のワーキンググループの中で示した資料を提示しており、19ページから29ページまでありまして、30ページ以降は参考資料1として検討会の開催要綱を付けております。以上で報告書の説明を終わります。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいま事務局から説明がありました資料1の報告書案について、項目ごとに1つずつ検討を進めていきたいと思います。
まず最初に、第2章の事前調査について、その中でも4ページの(1)の事前調査の対象となる工作物についてと、13ページの(2)の資格を必要とする事前調査の範囲について、この2つについて御意見がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。(1)は4ページ目から、(2)が13ページ目からです。この2つのページからよろしくお願いいたします。御意見ございますでしょうか。どんな御意見でも結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
○出野委員 解体業連合会の出野です。全体的に前回の委員会の検討内容とほぼ同じで、私も総論的には賛成いたします。それで、余りに細かくてお叱りを受けそうなのですが、4点ほどあります。
まず最初に、工作物の定義ですが、これが建築基準法で使っている定義と違うと思うのですが、これをどこかに注記しておく必要はないかと思いました。全く同じであれば別に問題ないのですが、ちょっとずれているような気もしましたので。
それから、更に細かい話なのですが、5ページの報告対象になる工作物の①から⑯までの、これは限定列挙だと思うのですが、これも今さらかもしれませんが、⑫のトンネルは道路のトンネルと頭に付くのでしょうか。トンネル一般という、全てということですか。それから、⑬のプラットホームも、「鉄道の駅の」などというような接頭語は付かないのですか。これも全て、プラットホームと呼ばれるようなものは全部入るのではないかということで、少し疑問に思いました。
それから、8ページのイの下のほうに黒ポツが4つありますが、1つ目の「塗料は」という文章があります。「建築物と一体になっている設備である工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物」と3つ併記されているわけですが、この建材類似の工作物というのはどういうイメージを持てばいいのかなと、ちょっと疑問に思いましたので、詳しく説明していただければ有り難いなと思いました。
最後、13ページの資格を必要とする事前調査の範囲についてですが、その他の工作物とあって括弧書きでエレベーター、エスカレーターうんぬんとあります。こういったその他の工作物については、原則的に事前調査をする際に特定の資格は必要ないというのが原則で、ただしというので、ただし書きで例外があるわけです。この例外をもし設けるのでしたら、相当限定的だと思いますので、かなり詳しくきちんと細かく定めないと、現場の方は相当迷うのではないかという気がしますので、この辺りは是非丁寧に記載をしていただければ有り難いなと思いました。以上、細かいのですが、4点です。
○梅崎座長 ありがとうございます。いずれも大事な指摘だと思いますので、事務局のほうで、もし整理できましたらお答えをお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 出野委員、御質問ありがとうございます。4点頂きましたが、まず1点目の工作物の定義です。こちらの報告書の案の5ページ目につきましては、これまでの繰り返しの資料となっておりまして、一字一句読み上げをしておりませんでしたが、報告書の5ページ目、解釈例規として2つの黒マルがありまして、建築物と併せてしっかりここで御説明させていただきたいと思います。
それから、建築基準法の定義とどう違うかという御質問ですが、まず1つ目の内容ですが、石綿則の第3条に事前調査の項目というものがありまして、事業者は建築物、工作物又は船舶の解体等作業を行ったときは事前調査をしなければならないという根拠条文がありまして、その解釈例規をこちらにお示ししております。1つ目ですが、「第1項の「建築物」とは、全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備を含むものである」という整理をしております。その上で、2つ目、「第1項の「工作物」とは、建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたものの全てをいい、例えば、煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレーター等又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備等及びこれらの間を接続する配管等の設備等があること」と、少し長いのですが、さらになお書きで、「建築物内に設置されたエレベーターについては、かご等は工作物であるが、昇降路の壁面は建築物であることに留意すること」という整理をさせていただいております。石綿則では、工作物はこのように整理されております。
2点目の特定工作物ですが、4ページ目から5ページ目に石綿等が使用されるおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるもの、厚生労働省告示第278号ということで、いわゆる特定工作物告示というものがあります。今日の資料には、特定工作物告示の解釈例規は示していないのですが、⑬のプラットホームはそのままであり、⑫トンネルの天井板とあるトンネルについては、施行通達第3細部事項の2(3)特定工作物告示のイの(ウ)における、トンネルの天井板(第12号関係)について、トンネルには鉄道施設は含まないこと、この鉄道施設とは括弧書きで「鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第8条第1項に規定する鉄道施設をいい、軌道法(大正10年法律第76号)による軌道施設を含む。」という整理がされております。今日の資料には出していないのですが、特定工作物告示において、トンネルの天井板に関してはこのようにお示ししているところでございます。
3点目の塗料の、3つの定義の話、建材類似に関して、8ページのイの1つ目にあります建築物一体設備等の建材類似の工作物、建材ではないけれどもそれに近いものということで、関係省庁との調整の中でも建材類似という形で使っていただいているというような状況でございます。
4点目の資格の件です。13ページ目に整理しましたその他工作物については、そのものについては石綿の含有のおそれが低いことを踏まえ、事前調査について登録の資格を要しないこととすべきであるとしたところです。このただし書きについては、相当詳しく細かく示さないといけないということですが、その足掛かりというか、参考の一助になるものとして、この報告書案の中に整理している8ページ目の下段から9ページの表に整理しました工作物における石綿の使用実態として、塗料だけを挙げさせていただいたのですが、塗料等をはじめ接着剤、パテに使われている各工作物の使用実態について各業界団体にヒアリングをした結果ということになるのですけれども、こちらの整理を参考にしていただきつつ、事前調査においてはどこにある可能性があるのかということのために今回使っていただくということと、周知についてもしっかりと行っていく必要があると考えております。
今回の報告書案の中でも、なお書きで書かせていただいていましたが、13ページの最後の3行からのなお書きのとおりであり、資格が必要でない事前調査についても、各調査者が調査を適切に実施できるよう、様式やチェックリストを作成する必要があるということで、テキストの作りこみを含めて、しっかりと参考になるものを作り上げるようにしたいと思っています。
○梅崎座長 事務局の方、追加でお願いいたします。
○化学物質対策課長 少しだけ追加ですが、工作物の定義が建築基準法とどうかということなのですが、我々がお答えすることではないかもしれませんが、建築基準法には工作物の定義というのは、法律にも政令にもないのです。そういう意味では、一致しているかどうかはお答えしにくいところではあります。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。小島委員、お願いします。
○小島委員 建災防の小島です。前々回も少しお話させていただいたと思うのですが、要するに事前調査というのは漏れのない調査が大前提に立つということで、例えば焼却設備と定義されている部分があります。しかし、現実的には建物、上家があって、典型的なのが清掃工場などがそうですが、そういった所の何らかの形でのすみ分けというのでしょうか、文章で定義するのは難しいかもしれませんが、何かポンチ絵のようなもので、ここまでを清掃工場の焼却設備、ここから先は例えば建築設備、あるいはこのラインはここまではといった、ここでいうところの一体設備ではなくて、焼却設備と建築物というものの分かれ方を整理していただいたらいいのかなと思います。
勝手な解釈にならないように、繰り返しますが、漏れのない、1つの建物に対して漏れのない調査をしないといけないという大前提に立ったときに、そういうもの、例えば参考資料などでも結構ですので、付け加えていただいたら有り難いかなと思います。以上です。
○化学物質対策課長 今の御質問は、建築設備になるのか、ならないのかということなのかなという気がしました。6ページに注書きで、建築設備が何なのかという定義はありまして、「建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備の配管」になります。この中で焼却設備を読むのはかなり難しいと思いますのと、それから、あくまで建築設備というのは建築物に付随する形で、建築物はもともと居住者のためのものなので、居住者のために使う設備を基本的には書いてありまして、焼却設備のように建屋の中には入っているのですが、居住者のためにある設備ではないようなものは、建築物の中にあっても工作物といった整理です。
工作物の定義は、先ほど井上が御説明しましたが、建築物以外のものであって建築物の中に設置されているものも工作物ということになっていますので、そういった形で、本来の建築物の用途として使われる設備なのか、そうではない設備なのかというところで分けていくのかなと考えております。
○梅崎座長 6ページに戻るという御回答のようですが、よろしいでしょうか。ほかにありますか。細かい質問でも御意見でも結構ですので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。皆さんのコメントも議論も出尽くしたような気もしますので、そうしましたら、この(1)と(2)の論点についてはここで議論を終了したいと思います。提示された方向性で合意が得られたと考えますので、次の項目に進ませていただきます。
次に、15ページの3番、講習の実施体制について御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。小菅委員、お願いします。
○小菅委員 17ページの受講資格、に関してですが、要件とする学科、課程については、工学に関する学科となっています。工学は機械や電気など様々な分野に分かれており、受講者が保有している知識は異なる可能性があります。同様のことは講師についても言えます。講習の実施に当たっては、講習教材の作成を工夫するなど、受講者の専門性にかかわらず調査者に求められる質がしっかりと担保されるように取り組んでいただきたいと思います。
2つ目の意見として、直接該当する箇所があるわけではないのですが、今回特定工作物の調査者に関しては、調査者講習を受講することで有資格者となりますが、現時点ではその後の資格の質を担保するための仕組みについては、特に組み込まれていません。調査者が適切な調査を継続して実施していくためには、資格取得後も一定の知識が維持されることが重要ですので、有資格者の質の担保にも取り組んで頂きたいと思います。
最後に質問ですが、18ページの今後のスケジュールに関して、公布後から施行まで少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきということですが、そのように考える根拠を御説明いただければと思います。
○梅崎座長 事務局のほうよろしいでしょうか。では、お願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 小菅委員、御意見と御質問ありがとうございます。3点のうちのまず1点目の御意見でございます。受講資格と講師要件については、工学に関する学科が、これまでの建築などと違って範囲が広いのではないかという御指摘を含む御意見だったと思いますが、工学系でも、機械や制御といったものを含めまして幾つか工学に関するバックグラウンドがあるのですけれども、そうしたものはいずれも、基本の工作物の中で事前調査を行うに当たっての1つの共通普遍的なバックグラウンドだと考えていまして、この労働安全衛生法の法全体での体系で見た場合でも、同じように工学に関する要件というのも課している、そういうところもあるということを踏まえて、対象者のバックグラウンドとして求められるものとして定めていると御理解いただければと思います。
そんな中で、テキストの工夫を行うこと、御意見にありましたバックグラウンドに関係なく、質が担保できるような講習をということに関しての御意見として受け止めたいと思います。
2点目の調査者講習に関して、取得後の質の担保ということでございます。これは大事な御指摘でございまして、現行の建築物の調査者講習に関しましては、一応、受講者した後の資格そのものは引き続き有効というような形になるのですけれども、私たちの中では、今年度から資格取得後の資格の質の担保も念頭に置きました講習機関が集まって、その後のどういうものをレベルアップしていくということ、御指摘いただいているような資格を取られた方たちの質の担保、近年は講習機関の質の担保につながるかということで、意見の取り寄せをしているのですが、コンソーシアムというものを設置して、今後研修会を経て、今回の質の担保につながるような取組みをしていきたいということで、進めていく予定でございます。
3点目の今後のスケジュールです。2年又は2年半という形ですけれども、冒頭に読み上げましたように、改正の省令が公布されて少なくとも2年から2年半程度の期間を確保すべきというようなことを書かせていただいた次第でございますが、その根拠といたしましては、改正省令が公布された以降、それと前後するかもしれませんが、まず質の高いテキストを、広範にわたる工作物の使用実体を踏まえて進めていくこと、今後、講師の養成と確保に例えば1年ないし1年半の時間を有するということがございます。そして、その後に第2段階として講習の実施ということがございますが、急に資格が必要になるということでは不利益となる可能性もございますので、その講習を受ける準備期間として1年ないし1年以上ということから、最低でも2年間から2年半の期間を担保すべきだとさせていただくところでございます。
なお、建築物の調査者に関しては、令和2年1月の改正石綿則の公布に対して、来年の令和5年10月に施行され、建築物の調査者の資格が必要になりますけれども、この間も同じような考え方で、3年少々の準備期間を頂いているということでございます。18ページの上にも書きましたけれども、必要な調査者数の確保の規模感も加味しての話でございますので、全て勘案して実施していきたいと思います。以上です。
○梅崎座長 では、どうぞお願いいたします。
○小菅委員 御説明ありがとうございました。最初の意見に対しては是非よろしくお願いいたします。質問に対しては、調査者に求められる質をしっかり担保するとともに、施行までの必要な人数の調査者の育成、調査機関数の確保、講習教材の策定、講師の育成等について必要な準備期間をしっかりと確保していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 今の御意見は大変重要だと思います。是非その点も踏まえて、事務局のほうでは御対応いただきたいと思います。ほかに御質問はございますでしょうか。御質問、御意見がありましたらお願いいたします。講習の実施体制、やられる方もいらっしゃいますのでちょっと細かい意見でも結構ですのでどうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。小島委員、お願いいたします。
○小島委員 細かい質問で申し訳ないですが、17ページの受講資格の所ですが、現在の建築物の事前調査の講習では、一応石綿作業主任者も資格に入っていたと記憶していますが、これは今回は①の所に書かれてあることがそれに該当するという位置付けでよろしいのでしょうか。石綿作業主任者は含まれるかどうかということをお聞きしたいのです。
○副主任中央労働衛生専門官 結論から言うと含まれるということでして、建築物の調査者講習のときに、工作物に関しても石綿作業主任者技能講習修了者が受講資格とする予定でございます。
○梅崎座長 そういうことでよろしいでしょうか。ほかに御質問ありましたら、どんな細かいことでも結構ですので、お願いいたします。いかがでしょうか。
○出野委員 蛇足みたいな発言で申し訳ないですけれども、2点ほどです。先ほどの小菅委員と小島委員の意見にちょっと関連する内容かと思いますが、建築物の事前調査者講習をやっていますよね。これはいいのですけれども、前回のこの委員会でも発言しましたけれども、粗製濫造と言ったら言葉は乱暴ですが、ほとんど座学といいますか、実地研修がないということで、なかなか能力が担保されないという意見があちこちから聞こえてまいります。そういうこともあって、事前調査及び実際の除去作業についての技能者の能力向上、これを今後どうされるのか。何か案がおありなのか、検討されているのか、そういうことをお伺いしたいと思います。かなり急がないと、余りペーパー資格者ばかり増えてもしょうがないのかなという気がしています。
もう1点は同じような内容なのですけれども、現場で事前調査を行う、あるいは除去作業を行う、そういう方を対象にあれこれといろいろ策を講じているわけですけれども、その上の段階である現場の管理者、具体的には建設の主任技術者や監理技術者レベルの方の教育も、両方やる必要があるのかなと思っています。
例えば石綿の除去現場を管理する主任技術者、あるいは監理技術者の方は、石綿に関する知識はほとんどないという例もかなりあると聞いています。ですから、管理技術者の場合には監理技術者講習というのが5年に1回あって、その中で徹底的にやっていただくということ、徹底的にやっていただく時間はないでしょうけれども、何か工夫をしていただくということ、これが1つです。ところが、主任技術者レベルになると何もないのです。自分で勉強しなさいと、多分そういうレベルだと思うのです。その辺りは、少し制度的、仕組み的に抜けているのかなという感じがしますので、今後何か策をお考えになっているのであれば、教えていただきたいと思います。以上です。
○梅崎座長 お願いします。
○化学物質対策課長 御質問ありがとうございます。1点目、能力向上ということにつきましては非常に重要であるという認識はしておりまして、先ほど井上からも説明しましたけれども、講習機関のコンソーシアムというものを作って、その中で具体的にどういった能力向上がそもそもできるのかということも含めて、幅広く検討させていただきたいと考えています。
それから、監理技術者とか主任技術者につきましては、これは国交省の制度ですので、厚労省からちょっとものを申し上げにくいのですけれども、国交省と環境省と3省で取り組んでおりますので、その連携の中で、技師あるいは管理者の教育といいますか、能力向上といいますか、そういったことが入れられるかどうか、協議をしながら進めたいと思っています。
○梅崎座長 今のは大変重要な御指摘だと思いますので、是非そういうのも含めて事務局としては対応をお願いしたいです。ほかにございますでしょうか。研修実施体制は非常に重要な話ですので、どんな質問でも結構ですから、是非よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
それでは、講習の実施体制につきましても、大体御意見は出尽くしたと思いますので、この論点についてはこれで終了したいと思います。おおむね事務局から提示された方向性で御異論ないと思いますが、同時にこの場で非常に貴重な御意見も頂きましたので、是非そのような御意見につきましては、事務局のほうでも更に検討いただいて、今後の施策に活用していくということ、是非よろしくお願いしたいと思います。
以上で、本日のこの報告書案の議論はほぼ終了なのですが、この報告書案でちょっと言い忘れていたという方がいらっしゃいましたら、どうぞ是非この機会にお願いいたします。一旦、ここで工作物については締めてしまいますので、もし御議論がありましたら、この報告書に限ってということになるのですけれども、是非お願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、以上で本日の議題につきましては、一通り御議論を頂きました。本日は、前回、前々回に引き続いて、たくさんの御意見を出していただいて、本当にありがとうございました。この工作物における石綿使用の現状、あるいは解体・改修工事の現状や教育内容、建築の資格者と役割分担などにつきまして、非常に大事な御意見を頂けたと考えています。
今後の進め方なのですが、本日御指摘いただいた課題、あるいは宿題事項、そういった点も含めて、事務局としては本日の委員の先生方の御意見を踏まえて、報告書案を整理して、僭越ながら座長預かりとさせていただいて、最終的な報告書の取りまとめにつきましては御一任いただいて、ワーキンググループの報告書として確定したいと考えていますが、そのような考えでよろしいでしょうか。特段の御異議がなければ、座長と事務局のほうで本日の意見を調整した上で、最終報告書として取りまとめたいと思います。それでは、事務局の方から何かありますか。
○副主任中央労働衛生専門官 特にございません。本日は、今回のテーマとしては最後ということになりまして、これまでの議論を尽くされた委員の皆様方に、本来ならば安全衛生部長の美濃から一言御挨拶させていただくところですが、今、別件対応中でございますので、恐縮でございますが、化学物質対策課長の安井から一言御挨拶をさせていただきます。
○化学物質対策課長 化学物質対策課長の安井でございます。御参集の皆様におかれましては、平素から化学物質の関係あるいは石綿の関係でお世話になっておりまして、厚く御礼申し上げます。本ワーキンググループでは、事前調査者についての、まず工作物の分類、それに対応する資格者の整理、それから資格者を養成するための体制と、大きく3点につきまして御議論いただきました。
事前の説明も含めまして、非常に多種多様といいますか、様々な御意見を頂きまして、我々もそれを踏まえて勉強しながら、あるいは調査をしながら、一歩一歩ということですが、最終的には様々な御意見を頂いたお陰をもちまして、かなり充実した報告書になったのではないかと考えています。厚く御礼申し上げます。
本日の報告書案は、この後、親検討会であります建築物の解体・改修等における石綿防止対策等検討会、こちらは11月2日に開催する予定ですけれども、そちらのほうにお諮りして、検討会報告書という形で最終的な形でまとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
第4回の冒頭の御挨拶でも、部長のほうから申し上げましたけれども、令和2年7月の石綿則の大きな改正を踏まえまして、令和5年10月から事前調査者が義務付けられるということです。そちらの現在の育成状況は約5万人ということでして、こちらの報告書に書いています11~12万人ぐらいが必要だということですから、今のピッチであれば間に合うのではないかと考えていますけれども、今日も御指摘を賜りましたように、事前調査者の質の担保も含めて引き続き取り組んでまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
工作物については、これからまず制度改正をして、石綿則の省令の改正、登録講習規程を定めている3省告示、それからその省令と3省告示をつなぐブリッジ告示というのがありまして、その3種類を改正する形で公布をいたします。その後、先ほど井上が申し上げましたとおり、2年から2年半程度の周知期間を置いて施行するという形にしたいと思っています。引き続き、工作物の調査者の育成につきまして御協力を頂きたいと思います。
最後になりますけれども、本ワーキンググループでの御議論につきまして、様々な御意見を頂きまして誠にありがとうございます。以上で閉会の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○梅崎座長 ありがとうございます。本日の議題はこれで全て終わりました。それでは、議事進行を事務局にお返しします。
○副主任中央労働衛生専門官 本日は、長時間にわたりまして御審議ありがとうございました。本年7月以降、短期間で3回の御議論を頂いたところでございます。今、安井のほうから申し上げましたけれども、重ねて申し上げる次第でございますが、11月2日に親検討委員会を開催しまして、本ワーキンググループ報告書、現在は案でございますが、お諮りしていきたいと思っています。本検討会の委員にもなっているワーキンググループ委員の方には、改めて事務局より御案内させていただきます。また、本日の会議録につきましては、各委員に後日御確認いただいた上で公開させていただきます。
それでは、第6回建築物の解体・改修における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループを閉会いたします。本日は誠にありがとうございました。