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- 2024年5月13日 第2回危機対応医薬品等に関する小委員会 議事録
2024年5月13日 第2回危機対応医薬品等に関する小委員会 議事録
健康・生活衛生局感染症対策課パンデミック対策推進室
日時
令和6年5月13日(月)16:00~18:00
場所
Web開催
事務局:厚生労働省 仮設第2会議室
事務局:厚生労働省 仮設第2会議室
議題
- (1)新型インフルエンザ等対策政府行動計画(案)について(報告)
- (2)危機対応医薬品等に関する小委員会の今後の進め方について
- (3)危機対応医薬品等に関する小委員会作業班の設置について
- (4)抗インフルエンザ薬の今後の備蓄(確保)方針について
議事
- 議事内容
- ○竹下室長 ただいまから、厚生科学審議会感染症部会第2回危機対応医薬品等に関する小委員会を開催します。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
私、本日議事進行を務めさせていただきます、健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課パンデミック対策推進室の竹下と申します。よろしくお願いいたします。
傍聴の方におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
なお、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
本日はウェブ会議での開催となりますので、御発言の際は挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、座長の指名の後に御発言ください。
なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じるかと存じますが、御了承をお願いします。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、委員の紹介をさせていただきます。
通信の確認も踏まえて、お名前を申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
それでは、五十音順に、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、岩本愛吉委員。
○岩本委員 岩本です。よろしくお願いいたします。
○竹下室長 よろしくお願いいたします。
国立研究開発法人国立国際医療研究センター、大曲貴夫委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○竹下室長 国際医療福祉大学医学部、加藤康幸委員。加藤委員からは御欠席の連絡を受けております。
国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長、齋藤智也委員。
○齋藤委員長 齋藤です。よろしくお願いします。
○竹下室長 よろしくお願いします。
東京理科大学薬学部薬学科、鹿野真弓委員。
○鹿野委員 鹿野です。よろしくお願いいたします。
○竹下室長 お願いします。
学校法人川崎学園川崎医科大学、中野貴司委員。
○中野委員 中野でございます。よろしくお願いします。
○竹下室長 よろしくお願いします。
国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター、長谷川秀樹委員。
○長谷川委員 長谷川です。よろしくお願いします。
○竹下室長 お願いします。
大阪公立大学公衆衛生学、福島若葉委員。
○福島委員 福島です。よろしくお願いいたします。
○竹下室長 お願いします。
公益財団法人日本医師会、宮川政昭委員。宮川委員からは御欠席の連絡を受けております。
早稲田大学社会科学部、横野恵委員。
○横野委員 横野です。よろしくお願いいたします。
○竹下室長 お願いします。
東京大学医科学研究所・先端医療研究センター、四柳宏委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○竹下室長 よろしくお願いします。
本日は委員11名のうち9名が御出席となりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立していることを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
(カメラ退室)
○竹下室長 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
資料は、議事次第、委員名簿、資料1、資料1の参考資料1及び2、資料2、資料2の参考資料1及び2、資料3-1、資料3-2、資料4になります。
不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は齋藤委員長にお願いいたします。
○齋藤委員長 本日もお集まりいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
議事に入る前に、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○竹下室長 本日御出席の委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金などの受け取り状況等について申告をいただき、事務局において当該内容を確認いたしました。
その結果、岩本委員、中野委員に関しまして、「厚生科学審議会感染症部会審議参加規程」に基づき、議題4、抗インフルエンザ薬の今後の備蓄方針においては、一時御退席をいただくこととなります。
以上、御報告いたします。
○齋藤委員長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に入りたいと思います。
まずは資料1、報告案件になりますけれども、こちらから事務局から説明をお願いいたします。
○竹下室長 それでは、資料1について御説明させていただきます。資料1「新型インフルエンザ等対策政府行動計画改定の概要」でございます。こちらは4月24日、第11回内閣感染症危機管理統括庁新型インフルエンザ等対策推進会議においての資料でございます。
めくっていただきまして、こちらに新型インフルエンザ等対策政府行動計画改定の概要の記載がございます。こちらの内容につきましては、前回の会議で先生方にも御議論いただいた内容を含んでおります。大きい議論の内容は、先生方に議論いただいた内容も入れさせていただきながら、統括庁で議論いただいたものを踏まえて作成されているものでございます。内容としましては、今回政府行動計画が平時の準備や感染症発生対策の内容を示すものとして、大幅な改定としては2013年以来の改定ということで、今回は新型コロナウイルスや新型インフルエンザ以外を含めた幅広い感染症の危機に対応できるものということで、平時からパンデミックのときにも対応できるものになっております。
大きな項目としましては、平時の準備の充実、対策項目の拡充と横断的視点の設定、対策項目につきましては、全体を3期(準備期、初動期、対応期)と分けて記載をしていることと、項目自体も以前は6項目だったものを13項目に拡充するということがございます。また、5つの横断的な視点を設定しておりまして、この5つの横断的な視点は、人材育成や国と地方公共団体との連携、DXの推進、研究開発の支援、国際連携といった内容を横断的な視点として各項目に組み込んで強化したものでございます。幅広い感染症というところに関しましても、インフルエンザ、コロナ以外の呼吸器感染症も念頭に置いて、中長期的に複数の波が来ることも想定したということの対策になっております。また、状況の変化に応じて、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを踏まえて、柔軟かつ機動的に対策を切り替えるということが記載されております。デジタルトランスフォーメーションの推進も先ほど横断的な視点の中に記載がありますとお伝えしましたけれども、こちらも今回の対策において非常に重要な視点だったということでしたので、大きな項目として挙げさせていただいております。また、実効性確保のための取組ということで、毎年度のフォローアップも行うことや、6年ごとの改定といったことも盛り込まれております。
次のページをお願いします。具体の13の項目につきましては、こちらに記載があるように、実施体制や情報収集・分析、サーベイランスといった形で13項目記載されております。一つ一つ御説明は割愛させていただきますが、先生方からいただいた意見も含めていただいていると承知しております。
次、お願いします。こちらでは横断的な5つの視点というところですけれども、これもいろいろなところでかなり議論されていた中で、人材育成、国と地方自治体との連携、デジタルトランスフォーメーションの推進というところもすごく議論が出ていたところです。また、研究開発への支援は今回のMCM検討会にも強く関わってくるところでございますが、平時から有事におけるワクチン、診断薬、治療薬の開発につながるよう、医療機関、研究機関、製薬企業等の連携を推進し、企業等の研究開発を支援、初期段階から国が中心となり、疫学・臨床情報を収集し、関係機関での臨床研究・研究開発に活用といった形で、まさにこの小委員会で議論していただく内容に関しても明記されたものと承知しております。
資料1の参考資料1がそれをさらに細かく書いてあるものでして、資料1の参考資料2が本文でございます。こういった形で議論されたというものを報告させていただきました。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございました。
こちらは報告案件となりますけれども、今の事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆様からコメントがあればいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。特にワクチン、検査、医薬品、こういったものは個別の項目として立ててしっかりと記載されているというところで、前回議論した際の御意見も取り入れていただいているということですけれども、委員の先生方からございますでしょうか。
岩本委員、お願いいたします。
○岩本委員 今の説明の中では「検査、診断」のことがあまり出てこなかったのですけれども、資料1の参考資料1の2ページで「PCR検査手法の確立」が10番の検査のところで取りあげられています。COVID-19のときには感染研を中心に初期の検査体制がつくられたわけですけれども、実際には中国が2020年1月10日ぐらいに国際的にウイルスのシークエンスを発表していたわけです。しかし、日本ではそこからウイルスの分離だとかが先行して、まず感染研がつくった検査法を拡大する形で検査体制がかなりゆっくりとつくられていきました。今すぐどうこうできるわけではないのと、日本の規制の在り方が必ずしも合致していないのかとも思うのですけれども、次回のパンデミック以降には、ウイルスのシークエンスが出たときに、即様々な研究者や検査機関あるいは企業がそれぞれ独自のPCRのシステムをつくり始める状況になるのが、より競争も活発になり、望ましいのではないでしょうか。各方面から独自の検査方法を申請して、それを国が製品として承認することで国主導の検査システムとしていくを作っていく方が望ましいのではないでしょうか。この前のCOVIDのときの経験が必ずしも議論に生かされていない気がしましたので、あえて申し上げました。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
検査体制の確立というところでの役割についてコメントがございましたが、事務局からただいまのコメントに関して御返答等はありますでしょうか。
○竹下室長 ありがとうございます。
参考資料1に説明がありますけれども、10番の検査というところに研究開発の支援も準備期、初動期のところを含めて記載がございます。これは新たな検査診断技術の開発を見据えた検査診断技術の開発方針の整理ということだけではなくて、研究機関、検査機関等の研究開発体制の構築や育成・振興、海外の遺伝子情報の入手の仕組みや搬送体制の確認など、まさに実際の開発に直結するような記載がございます。今回も中国がシークエンスデータを出してから、国立感染症研究所でも速やかに分離またはPCRのプライマー開発も行うと同時に、ほかの研究機関というか民間検査会社などが開発できるようなパネルの作成などもやっておりましたので、こういった取組も踏まえた上で、さらに先生からいただいた御意見などを参考にしながら対策を進めていきたいと考えております。
以上です。
○岩本委員 報告事項なのであえていろいろ申し上げる気はないのだけれども、要するに、感染研の先生方もふだん一生懸命PCRを中心に研究しているわけではありません。「必ずしもPCRが得意ではない」というのは実際に感染研の先生の言葉として聞いたことがあります。、その辺りはもう少し迅速にそれぞれが頑張ることはできるのではないかと思います。
もう一点は、JIHSと地方衛生研究所との間の連携や国と地方公共団体ということが書いてあるのですけれども、僕はこの小委員会には一人の有識者として参加しているので、あえてAMEDのことを強く申し上げにくいのですけれども、AMEDの中にもパンデミック、COVID-19を契機としてSCARDAという組織ができました。アカデミアの中心的な機関を、アカデミアの先生方全員に連絡を取るのは大変ですけれども、SCARDAが中心的なアカデミアの機関取りまとめ役みたいな形だと思いますので、ぜひ厚労省を中心とした先生方とアカデミアの先生方との連携が行くような方向を考えていただきたいと思っております。今のところSCARDAもワクチン開発という目的だけが強調されておりますが、ワクチンだけで対策できるわけではないので、医薬品を含めた検査システム全体のファンディングのことも非常に大事なので、その辺り、AMEDも頑張りますけれども、厚労省の御支援もお願いしたいと思う次第です。
以上です。
○齋藤委員長 岩本先生、ありがとうございます。
今の2件目の件に関しまして、事務局からコメント等はございますか。
○竹下室長 ありがとうございます。
本文には「国及びJIHSは、AMEDと連携し」ということできちんと記載を残しておりますので、そういったことも踏まえた上で、引き続きAMEDとも連携していきながら進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○岩本委員 よろしくお願いします。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
ほかの委員の先生方、議題1に関しまして、いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。
今、岩本委員からも御指摘がありましたように、まさにこの計画で書かれている文言を具体化していく、そこについていろいろと意見をしっかりとこの委員会で議論していけるといいのかと思っております。
もしほかになければ、ここで議題1につきましてはおしまいにして、次の議事に入りたいと思います。
それでは、事務局から資料2、資料3について御説明をお願いいたします。
○石原補佐 資料2について御説明さしあげます。議題2、資料2ですけれども、「危機対応医薬品等に関する小委員会に関する今後の進め方(案)」についてでございます。
危機対応医薬品等、以後「MCM」と呼ばせていただきますけれども、MCMに関する本小委員会の役割でございます。MCMに関する本小委員会では、感染症に対するMCMの利用可能性確保に関する技術的事項の検討を行うため、以下のとおり事務を所管しております。(1)我が国における感染症MCMの利用可能性確保に関する調査審議でございます。(2)新型インフルエンザ等対策政府行動計画等に定められた事項のうち、MCMの利用可能性確保に関する厚生労働省が所管する次のような専門的・技術的事項に関する調査審議でございます。1、重点感染症の指定に関する事項、2、MCMの研究開発・確保・利活用に関する事項、3、その他、MCMに関し必要と認める事項でございます。以上の役割につきましては、令和5年12月22日の感染症部会におけます本小委員会の設置についてに記載している事項でございます。
次に、本小委員会で検討すべき具体の事項ということで、小委員会では、所掌事務を受けまして、MCMのエコシステムにおける次のような具体的な検討事項を整理する必要があると思っております。
ここで、参考資料1に移らせていただいて、こちらで御説明さしあげます。本資料、参考資料1となってございますけれども、MCMのエコシステムを描いた図となってございます。
初めに具体的な事項として、(1)全体像として、エコシステム全体の方向性の検討を行いたいと存じます。(2)上流のところ、リスク評価・重点感染症の指定、MCMの優先順位と要件設定ということが記載されてございますけれども、本小委員会での当面の事項としましては、重点感染症の暫定リストの考え方と更新の是非の検討。(3)上流、少し参りまして、研究開発のところでございます。本小委員会ではMCMの研究開発支援の方向性を検討いただきたいと思っております。(4)下流に参りまして、一般流通、一般調達・備蓄、アクセス・共有への対応ということで、MCMの備蓄(確保)の検討と、そのMCMの未承認薬導入の検討を行っていただきたいと存じます。(5)さらに下流に参りまして、モニタリング・評価のところでございます。エコシステム全体のモニタリング方法の検討、PDCAサイクルといったことの御議論をいただきたいと思います。上流・下流全体を通しまして、行動計画・ガイドラインの方向性の検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、各課題の進め方でございます。(1)は飛ばさせていただきまして、(2)重点感染症の暫定リストの考え方と更新の是非の検討というところでは、重点感染症の考え方については、作業班において、WHO R&D Blueprint for Epidemicsの更新を考慮しまして、評価のスコアリング方法も含めて検討を行う方針でございます。重点感染症作業班の設置に向けた要項の作成及び委員の指名ということで、こちらは後ほど資料3で御説明申し上げます。(3)MCMの研究開発支援の方向性というところで、対象疾患のモダリティー及び研究開発の進捗を踏まえたマッピング案及び技術戦略案の策定、2つ目に、研究開発の対象に応じた研究開発を促進する支援メニューの検討と、進捗を評価するマイルストーンの設定などを検討いただきたいと存じます。要件の検討ですけれども、対象疾患の国内外の患者数、国内外の市場性などを要件として検討してまいりたいと存じ上げます。次に、(4)MCMの備蓄(確保)の検討、MCMの未承認薬の導入の検討ということで、これまでに上記で申し上げました(1)から(3)の進捗に合わせて御検討いただきたいと考えております。(5)エコシステム全体のモニタリング方法の検討、PDCAサイクルとして、海外の先行事例を参考に、国内の体制に応じた体制を今後検討していっていただきたいと思っております。最後、(6)は行動計画・ガイドラインの方向性の検討ということで、詳細は省いております。
資料2の参考資料1につきましては、先ほど図をお示ししながら御説明したところです。
資料2の参考資料2、R5年度「国内外の感染症治療薬開発動向等調査事業」の概要ということで、昨年度調査しました国内外のMCMの開発動向についてまとめたものと、それについて、令和6年3月22日に、調査結果、それから、専門家の皆様に御議論いただいて検討していただいた事項についてまとめてございます。
次のページに参りまして、議論でまとまった内容を記載しております。こちらは参考資料2ですので、詳細についてはここで割愛させていただきます。
以上、資料2についての御説明でございます。
引き続き、資料3-1について御説明申し上げます。先ほど申し上げました危機対応医薬品等に関する小委員会作業班の設置についての案でございます。
本設置の趣旨でございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、新たな感染症の発生に備える観点から、公衆衛生危機発生時にその対抗手段となるワクチン、診断薬、治療薬等を含む医薬品、以後、また「MCM」と呼ばせていただきます。MCMについて、研究開発や備蓄を通じて利用可能性を確保することは重要であり、令和3年6月1日に「ワクチン開発・生産体制強化戦略」が閣議決定されました。それを受け、公衆衛生危機管理上MCMの国内における利用可能性を確保することが必要な感染症ということで、こちら、以後「重点感染症」と呼びます。重点感染症について、その考え方及び暫定リストを令和4年3月に取りまとめたところでございます。
また、平時から、我が国におけるMCMの利用可能性確保に関する技術的事項の検討の手順や評価方法についても検討を行うため、令和6年3月5日に、厚生科学審議会感染症部会の下に本小委員会が設置されたところでございます。
今般、MCMに関する重要事項のうち個別の分野について調査審議するため、この本小委員会の設置についてということで、感染症部会で12月22日に決定されたところでございますが、こちらの設置についての中で本作業班についても設置することが記載されてございます。
本作業班の所掌事務でございます。次の事務をつかさどることといたします。(1)重点感染症作業班として、重点感染症の考え方と指定及びそのリストの更新について、公衆衛生及び安全保障上の観点、MCMの必要性の観点から、専門的・技術的事項の深掘りを行い検討することといたします。
3として、この作業班の班員でございますけれども、(1)班員としては、微生物学、臨床医学、ワクチン等これらの関連分野の専門的知見を有する者の中から、MCMに関する小委員会の委員長が指名する者により構成することとしたいと思います。(2)作業班に、班長を置く。班長は、MCMに関する小委員会の委員長が指名することとする。(3)班長は、副班長を指名することができる。(4)班長は、必要に応じて、各疾患の専門家や有識者から成る参考人を招致することができる。
次に、本作業班の運営でございます。(1)作業班は、原則公開といたします。ただし、個人情報の保護に支障を及ぼすおそれがある場合は、知的財産権その他個人もしくは団体の権利利益が不当に侵害されるおそれがある場合、または国の安全が害されるおそれがある場合については、班長の判断により、会議、議事録及び資料を非公開とすることができます。その場合、非公開とする理由を厚生労働省のホームページに掲載することといたします。(2)作業班における審議への参加については、「厚生科学審議会感染症部会審議参加規程」の規定を準用することといたします。(3)作業班の運営でございますけれども、MCMに関する小委員会の設置についてに定めるところによるほか、この決定の定めるところによるということでございます。(4)作業班の班員、参考人等は、作業班において、非公開となる議事について議論した内容を他言してはならず、守秘する義務を負う。(5)作業班の庶務は、厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課が行うものといたします。最後、(6)その他作業班の運営に関し必要な事項は、班長が定めることといたします。
資料3-1のイメージ図が、資料3-2となります。今、申し上げました作業班の構成案について、イメージ像を描かせていただいております。
重点感染症の対象となり得る疾患は、疾患が多岐にわたり、専門性も高いため、疾患ごとの検討は、作業班のコアメンバーと各疾患の専門家や有識者から成る参考人で構成し、検討を行うこととしたいと存じます。
こちらの作業班のイメージですけれども、次のページに参りまして、各参考人リストのところは、現在の重点感染症の暫定リストを基に、少し想定をイメージとして書かせていただいているところでございます。
以上で資料3-1、3-2の説明を終了いたします。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それでは、今の事務局からの御説明を踏まえて、委員の皆様、御意見をいただきたいと思いますが、まず、MCMのこの委員会の主な進め方についてと、この委員会の下に設置する作業班についての案をいただいております。
事務局に1点確認したいのですけれども、最初の全体像の中で、一番下に「行動計画・ガイドライン」と書いてありますけれども、これは新型インフルの政府行動計画・ガイドラインのことでよろしかったでしょうか。
○石原補佐 そのとおりでございます。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それでは、委員の先生方から御意見等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
では、大曲委員、お願いいたします。
○大曲委員 委員長、ありがとうございます。
まず、御提示いただいた案件に関しては賛成でありまして、こう変えるべきとか、そういうものはございません。あとは期待するところを少しだけ述べたいと思います。
実際、コロナの間に本当に猛スピードで研究開発をやるという真っただ中におったわけですけれども、そこで感じたのは、多くのいろいろな専門の先生方が、事前から準備ができていなかった、つまり、こういう有事のときにみんなで協力して動く体制ができていなかったことの反省を述べられていたのが大変印象的でした。私自身もそう思いました。ですから、このような委員会、そして、その下の作業班がある中で、ふだんから関連する分野の今、出ているエコシステムの中のいろいろな段階にいらっしゃる方が集まって情報を集める、インテリジェンスを収集する、戦略を決めていくことは非常に重要だと思いますので、ぜひこれは進める必要があると思います。また、有事にはとにかく情報も増えますし、扱う人も増やさないと回らないと思うので、参考人を増やしたりという形で機動的に動けるように、この仕組みはそういうことも考えておく必要があると思います。
似たような話になるのですが、特に平時も有事もそうなのですけれども、作業班の全体像、委員会自体の像も示されましたが、もちろん情報をどう扱うかというのは、非常に機微に触れる情報もありますので、注意が必要なのだと思うのですが、なるたけ少なくともここに関わる方々の中では全ての情報が共有されるということと、それに基づく議論が自由に行われるような環境をぜひつくっていただければと思います。共有されてこそ非常にいいアイデアが生まれることもあります。そういう意味では、思ったのは、まさに今、エコシステムの図が出ていますけれども、それぞれ専門家はこのエコシステムの中で担う役割が違うと思うのです。全体の流れはなかなか見られていないと思います。自分自身がそれはすごく感じます。全体の流れを見渡せるような経験を積んでいらっしゃる人がこの委員会なり作業班の中に入っていただいて活躍してくださることが、全体の流れを円滑にするという意味で非常に重要ではないかと思いましたので、コメントをさせていただきました。
私からは以上でございます。
○齋藤委員長 貴重な御意見をありがとうございます。
ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
では、中野委員、お願いいたします。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
大曲委員の意見とある程度似ているのかもしれませんけれども、この作業班をつくっていただくことに賛成ですし、御紹介いただいた様々な詳細な内容に関しても、特に異論はございません。
この中で、いつも思っているのですけれども、例えば重点感染症作業班ですか、コアメンバーということで、微生物学、臨床医学、公衆衛生関連等の専門家ということで、もちろんこの個々のところが全体を取りまとめる一番大切なところになってくると思うのですけれども、今のところ、次のスライドの重点感染症の暫定リストの中には、具体的な病原体名や感染症名が出ていますけれども、なかなか個々の疾患1つずつを見ると、それに関する各領域の専門家がどれぐらいいらっしゃるか。正直、日頃からこの病原体のことばかり、病気のことばかりやっている各分野の専門の方、造詣の深い方で、それほどすぐに幾つかの班をつくることは難しいと思うのです。ですから、示していただいている表でいいと思うのですけれども、重点感染症作業班というコアメンバーの方々がある程度全体を見渡してこの行動計画の役に立つような重点感染症に対する対処法を検討していく、そういう感覚でいったほうがいいかと思っています。
そう申しますのは、私、ワクチンの分野でファクトシートなどしっかり作っていただいていて、特に国立感染症研究所の先生方には非常にお世話になっているわけですけれども、きっと個々の疾患それぞれに対するファクトなどいろいろなことを取りまとめて整理していただくのはすごく途方もない精力が要って、ワクチンの場合は具体的に入手できるワクチンと疾患名が明らかなので、ある程度そういう方法で対処していくことになると思うのですけれども、今回は新興・再興感染症として場合によっては相手のえたいがまだしっかり見えていないので、全体を見通して資料3-2の1ページのような形で計画できる形で進めていくのがいいかと思っております。
以上でございます。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
恐らく今の進め方で、グループ感染症ごとに作業班をつくるというよりは、あくまでコアメンバープラスそれぞれの分野の参考人で進めるということで、中野先生の御認識とずれてはいないのかと思いましたが、事務局からこの進め方についてございますか。
○竹下室長 事務局でございます。
中野委員の御指摘のとおりで、コアのメンバーの委員に基本的に中心になっていただきながら、それぞれの疾患など、そういった専門の委員にも入っていただくことを想定しています。これはどの病気が大事かということもそうなのですけれども、モダリティーについても今回ある程度方向性を出していきたいという思いがございまして、モダリティーになってくると、実際にこの病気に使う治療薬としてはどのようなものがよりいいのかなど、そういうより現実的な話になっていくと思いますので、それぞれの専門の分野の委員の方々の意見が非常に重要になってくるのではないかと思っています。そういった意味でいいますと、コアの先生方にもちろんこの作業班を回していただくのですけれども、大曲先生からも御指摘があったように、この作業班であったり、その上の小委員会または感染症部会になるかもしれませんが、それぞれのところで必要な委員の方にはもちろん適宜入っていただくことも含めて考えていく必要性があると思っていますが、今、御指名させていただいている委員の方々はまさに日本を代表する方々と考えておりますので、こういった先生方の意見を聞きながら進めていきたいと考えております。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それでは、そのほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
岩本委員、お願いいたします。
○岩本委員 この前、事前レクを受けたときに申し上げたのですけれども、エコシステムはどこがエコなのかと思っていまして、PDCAサイクルが使い古されたからえこ都言っているのかと思うだけで、必ずしもエコシステムと呼ばなくてもいいような気もしております。と。
作業班ですけれども、作業班が何をやるのだというところがよく見えないと思います。治療薬の話が出ましたけれども、例えばSCARDAはワクチンは開発対象になっていますけれども、治療薬は対象になっておりません。実際問題、過去を振り返りますと、コロナのときにかなりの額の研究費が出ました。しかし、企業も研究者もほとんどコロナのプロテアーゼや、ポリメラーゼに焦点を絞って開発がなされました。平時というか、少し落ち着いて考えると、ウイルスの増殖を止めるためにウイルスのどこが弱点なのか全く新機軸の標的を見つける研究が大事で、特に僕はコロナとインフルの2つの感染症が最も大事だと思っていますけれども、そういうところについては、きちんとした基礎をやる研究費が確保されるべきだと思います。
特にインフルの場合には、長谷川先生がいるところで僕がインフルエンザの講釈をしてもしようがないのだけれども、2009年のパンデミックより前、2008年にヨーロッパでタミフル耐性のH1N1が流行していたわけです。インフルエンザの特徴といsて、ウイルスが置き換わって流行株が感受性のウイルスに戻ったために今は問題になっていませんが、ほとんどの薬がノイラミニダーゼをターゲットとした治療薬となっています。タミフル耐性の現実例がある中で、それ以外の薬としては塩野義が作ったキャッピング構造と関係した薬とか、長い間ずっと、催奇性の非常に疑われるアビガンがずっと備蓄対象になっている状況です。新たなより安全で効果の高いようなものが出てこないというのは、非常に残念です。
今、問題になっているウイルス感染症はどちらかというと急性の感染症なので勝負が短いわけですけれども、私の専門としているHIVの場合には3剤を長く使います。インテグラーゼ阻害薬のように、当初は難しくてとてもできるわけがないと思われていた薬が開発され、非常に飲みやすくて、薬の相互作用もほとんどない、日本のメーカーも作っていますけれども、そのような薬が新たな他の感染症治療薬でも開発されて欲しいと思っています。基礎研究が大事で、ぜひ日本から出すべきだと思います。コロナの経験も生かしながら、私はインフルエンザとコロナが大事だと言いましたけれども、ほかの重点化でも今までに対象とされていないようなターゲットで面白いものがあれば、それを標的とした医薬品開発を考えていくことが結果的にグローバルな新薬を作るという意味でも非常に大事な点かと思いますので、ぜひとも厚労省でもよく考えていただきたいと思っております。
以上です。
○齋藤委員長 コメントありがとうございます。
続いて、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
私も全体として特に反対するものはないのですが、岩本先生のおっしゃったとおり、この作業班が具体的に何を求められていて何をするかが今の段階では見えてこないのですが、これは危惧される危機を起こすような感染症に対する薬をどうするのかと、薬だけがターゲットではないということだと思うのですけれども、検査やワクチンを含めてだと思うのですが、具体的にこの作業班が何をするのかが見えない。何をすべきかを示す作業班なのか、実際にそれを動かしていく班なのか何なのかをもう少し知りたいと思いました。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
その辺、後ほどまた事務局に御説明いただきますが、先に福島委員からお願いいたします。
○福島委員 ありがとうございます。
岩本先生、長谷川先生の御意見と関連するかもしれないのですけれども、重点感染症作業班を置くというところには賛成いたします。先ほどエコシステムの図を見せていただきましたけれども、資料2の参考資料1、これは前回の小委員会で委員で供覧しましたが、下の黄色の部分にあたる、この小委員会での当面の検討事項が本当に多岐にわたるので、小委員会としてこれを本当に担えるのかどうかといった懸念も示されたかと思います。今般の作業班設置によってこの黄色の部分でいいますと左上ですか、重点感染症の暫定リストの考え方と更新の是非の検討というところを作業班で担い、まずは今あるリストが一定時間経過していますので、改めて見直すという考えでよいのかどうか、事務局への確認事項が1点です。
もう一点は、今後の見込みとして答えられる範囲でお答えいただきたいのですけれども、このエコシステムの小委員会での当面の検討事項それぞれについて作業班を置くような御予定があるのかどうかということ。その場合は、それぞれの作業班で検討が回っていくわけですけれども、その結果を小委員会にタイミングよく上げていくためのスケジュール感といいますか、気づくとこの作業班ですごく議論が進んでしまっていて小委員会が把握できないということも危惧されますので、その辺りのスケジュールはどのようにお考えでしょうかということをお聞きしたいと思います。この2点です。
○齋藤委員長 どうもありがとうございます。
では、まずこの作業班の具体的な役割とタイムラインについてということで、事務局から御回答いただければと思います。
○竹下室長 まさに非常に重要な点を御質問いただいて、本当にありがとうございます。
資料2の参考資料1を見ていただくのが一番分かりやすいと思っていまして、まさにMCM小委員会で実施することは何かというと、この一番下の下段のところ、福島委員に御指摘いただいた黄色いところでございます。そういったことを実際に具体的に私たちとしても進めていく必要性があると考えておりまして、まず、この重点感染症の作業班を設置させていただいたということを今回提案させていただいております。
特にこの重点感染症のところでどういった病気、どういった疾患が対象かというところはここである程度決まっていくことによって、その後の開発支援の方向性とか、そういったところも議論が進められるのではないかと考えております。当然全てを早くやるとするのが一番いいのかもしれませんけれども、物事は順番があると思いますので、こういったところを議論していきながら一つ一つ検討していくと考えておりますし、場合によってはそれに併せて必要なところは作業班を設置して、そこは深掘りしていく必要性があると思っています。
作業班で議論した内容が独立して動いていって小委員会が把握できないことにならないように、当然考えたいと思っています。基本的には作業班で議論された内容は小委員会で議論をいただいて、そこで確定していく形を取っていくことを考えておりますので、作業班だけで進んで小委員会が置いていかれることは基本的にあまり考えていませんし、そういうことにならないように対応していきたいと考えています。
先ほどの岩本委員のお話ともつながってくるのですけれども、実際にその中でAMEDでの研究開発の状況とか、それ以外の情報も含めて、具体的に重点感染症がある程度決まったときにこういった研究が進んでいる、こういった研究の見込みがよりあるのではないかというところは、AMEDともきちんと連携して、そこのところに進めていきたいと考えています。
そういった形で、こちらにも書いていますけれども、厚生労働省がマイルストーンをある程度設定していくとか、そういうことをやりながら、研究開発の推進を進めていくと考えています。ただ、そのときに、実際に製薬会社が最終的なつくる局面のところに参加していただくかどうかというところはございます。そういった意味では、この下流で書いてあるような実際のMCMとしての備蓄や確保、場合によってはそういうことが必要なものがあるのか、それと未承認薬としての対応でいいのか、それとも一般流通でもやっていけるのかというところもきちんと私たちのほうでも情報を集めながら先生方と御議論させていただいて、その方向性を決めていく形を取っていきたいと考えています。
実際、そういった形で全体を回していったときに、エコシステムという言葉で、ほかの例えばシステムや流れという方法もあるかもしれませんけれども、全体を通してうまくいっているかどうか、さらに改善する点がないかも先生方から御意見を回していただきたいと考えております。
以上でございます。
○齋藤委員長 御説明ありがとうございました。
エコシステムという言葉について御意見があったところですが、いろいろな開発資源などが循環していくという意味でのエコシステムという言葉もありますが、どちらかというとこれは開発の時点から実際に使われるところまでを一気通貫で想定した始まりから終わりまでをエコシステムという形で呼んでいるのかと思います。この全体として一気通貫でうまくいかないと、いざというときに使えないので、それを広く見渡しながら作業していく、そういう考え方なのかと思います。
ほかの先生方、御意見が追加でございましたら。
それでは、大曲委員、お願いいたします。
○大曲委員 追加で簡単に、聞いていて1つ思い出しましたので、質問は、これまでももっとMCMに限らず感染症一般ぐらいに広げて考えると、どういう研究開発が行われているかというのは、政府機関の中でも数か所で検討されていると思っています。あるいはそこに関係する機関もそうですね。そこに集まってくる知見が非常に重要なのではないかと思っておるのですが、そこで得られたような知見は、例えば参考人を通じてあるいは厚労省の担当部門を通じて、この小委員会あるいは作業班に集まってくると考えておいてもいいものでしょうか。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
一通り御意見をいただいて、事務局の回答をいただきたいと思います。
では、横野委員、お願いいたします。
○横野委員 十分理解ができていないところもあるかと思うのですけれども、全体の時間的なスケール感はどれくらいのものと想定すればいいのかというところについて、イメージをお伺いできればと思っています。今、お示しいただいているスライドでも上流から下流となっていて、この真ん中のあたりで開発支援を行うというケースだと、ここにすごく時間がかかるということになって、下流まで行く場合は基本的に年単位で考えることになるのだろうと思っています。
もう一つは、具体的な方向性について検討する上で、重点感染症のリストについての考え方次第で変わってくるところ、その考え方に依存するところもあると思いますので、依存するところと依存しないところとどのように切り分けて、下流につながるような作業を前倒しというか、リストの議論を待たないでやっていくような部分もあるのかどうかについてお考えがあればお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それでは、中野委員、お願いいたします。
○中野委員 中野です。ありがとうございます。
今、出ているMCMのエコシステムの中で、薬事承認ということでコメントをさせてください。重点感染症のリストに挙がった疾患であった場合も、同じような過程で薬事承認がされるのかどうかは結構大事なことかと思っています。なぜならば、いざその感染症がもうパンデミックが起こってしまってからであれば、特例承認とか、緊急承認とか、いろいろなシステムがあるのでしょうけれども、今日もずっと当初から話しているように、平時からの備えという観点からいくと、平時の場合はどうするのか。なかなか現在、国民の皆さんや社会の確実な了解、どういう形で準備するかというのはまだ得られていない気がするのです。ですから、間違いなく重点感染症ということであれば、そういったことも場合によっては想定してもいいのかと思ったりして考えていました。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それでは、鹿野委員、お願いいたします。
○鹿野委員 ありがとうございます。
先ほども御質問で出ていたのですけれども、この下のほうのMCM小委員会での当面の検討事項は幾つかあって、重点感染症の暫定リストについての作業班が立つということですが、ほかの項目もそれぞれ作業班を立てるのかを確認したいと思いました。
先ほどの御質問にもありましたが、スケジュール感といいますか、それぞれの項目についてどれぐらい時間をかけて何らかの方向性を出していくのかが感覚的によく分からないのかと。上の感染症分科会なりに上げていくということだったかと思うのですが、それは各年度なのか、今年度だけなのか分からないのですが、年度単位でそれぞれの項目について検討状況を上げていくとか、そのようなイメージなのでしょうか。進め方について教えていただければと思いました。
以上です。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
幾つか御質問、御意見をいただきましたが、まず、委員会での情報共有についてどのような形で行っていくのか、それから、特に委員会の進め方、タイムラインについて、そして、個別の作業班を立てるのかという点、まず、この辺りで御回答いただければと思います。
事務局、いかがでしょうか。
○竹下室長 事務局から回答させていただきます。
もちろん感染症のいろいろな情報について、ここのところで議論していただく上では、当然先生方には共有して対応していただかなければいけないことがあると考えております。情報の内容、いろいろありますので、そういったものは先生方に共有できる形に整理した形でお示しすることになると考えております。
また、まずは作業班ですけれども、ほかの作業班についても立てることはあると想定しております。そのときには、具体的に作業班でやっていただきたいことをより明確にしていく必要性があると思いますので、そういったところを明確にした上で立てることになるのではないかと考えております。
また、スケジュール感なのですけれども、これは横野委員の御質問とも重ねて回答させていただきたいのですけれども、これは薬というか、対象となる疾患によって変わってくるのではないかと考えております。重点感染症である程度感染症が指定された段階で、それに関連する治療薬が既に例えば他国で製剤化、製品化されているものであったりとか、他国でもどこでも製品化されていないものであったりとか、そういったいろいろ薬によって開発ステージが大きく異なるのではないかと考えています。それぞれに合わせてそのものを検討することになったときに、そこの段階での整理が必要になってくると考えております。例えばある程度もう製剤化できる状況のものであれば、まさにその調達というステージが必要かどうかを検討しなくてはいけなくなってきますし、全く製剤の候補薬もないようであれば、それこそ基礎研究から頑張っていただかなければいけないところもあると思います。それはまさに重点感染症が何になるかによってその後のスケジュールが変わってくると考えております。実際にそのときにそれを判断するためには、最初の大曲委員からの御質問があったように、情報がないと判断できないことになると思いますので、そういったことも含めて先生方と相談させていただきたいと思っております。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
それから、中野委員からコメントのありました薬事承認について、同じ過程でほかの重点感染症とそれ以外でまた違うパスがあり得るのかという御指摘がありましたが、これは恐らく今の資料の研究開発支援の方向性とも関係するのではないかと思いますが、この点、事務局からコメントがございましたらお願いいたします。
○竹下室長 事務局から回答させていただきます。
今回の最終的なところまで決まっているものではございませんが、資料1の参考資料2にあります政府行動計画の中の治療薬・治療法の準備期というところに「必要な薬事規制の整備」というものも項目として現時点で案としては出ております。こちらでは「平時においては患者の発生がない感染症危機対応医薬品等の特性を踏まえ、緊急時において限られたデータしか得られていない場合であっても、緊急性に鑑みて柔軟に薬事審査を行うことができるよう必要な薬事規制の整備を行うとともに」という形での文章もございます。こういった文章も含めた上で、もちろんこういった内容の検討も進むと思っております。もし何かこちらのほうで先生方に提供できることが分かってきたり、明確になってきたら、先生方にも改めて整理して御説明させていただくことになると思います。
○齋藤委員長 御説明ありがとうございました。
では、委員の先生から何か追加はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
かなり行動計画の中にもいろいろと前向きな取組について書き込まれているかと思いますので、今後どういう形で進めるかというところで、皆さんの具体的なアイデアをどんどんいただければと思います。
それでは、特に追加の御意見がなければ、本日事務局から御報告いただいた方向で対応を進めていければと思います。ありがとうございました。
では、次の議事に入りたいと思います。
恐れ入りますが、岩本委員、中野委員につきましては、一時御退席をお願いいたします。
議題が終了次第、事務局より御連絡さしあげます。
(岩本委員、中野委員退室)
○齋藤委員長 それでは、事務局から資料4について御説明をお願いいたします。
○竹下室長 それでは、資料4について御説明させていただきます。「抗インフルエンザ薬の今後の備蓄方針について」ということでして、これはまさに現行の政府行動計画・ガイドラインでも示されている国として確保している薬剤でございます。これは新型インフルエンザ対策ということになっております。
次のページをお願いします。最初のほうで新しい行動計画の議論をしている中で恐縮ですけれども、現行の現時点の新型インフルエンザ等対策政府行動計画で示されている内容でございます。こちらでは全罹患者、大体被害想定としては全人口の25%が罹患すると想定ということになりますけれども、その他の医療対応に必要な目標量を備蓄することが行動計画で決められております。
ガイドラインでは、これも現行のガイドラインになりますけれども、こちらでは備蓄目標量4500万人ということでして、流通備蓄、これは市場にあるものが1000万人分、残りのものを国と都道府県で均等に分けているものになっていますが、こちらを行政備蓄として合わせて3500万人分の4500万人分を備蓄することになっております。また、備蓄薬剤の種類については、いろいろな耐性の問題であったりとか、子供に使いやすいとか、そういったことも含めて多様性を持たせるということでして、オセルタミビル、オセルタミビルのドライシロップ、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、バロキサビル、ファビピラビルが備蓄対象になっています。なお、ファビピラビルに関しましては、耐性が出てほかの4剤、あとは依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビルについても有効性がないようなときに使うものということで、4500万人とは別に200万人分を備蓄している状況でございます。こういった状況で、今、決まっているのですけれども、この内容について今般の改定でもガイドラインで記載を続けていくことを考えております。
次、お願いいたします。今回併せて御相談したかったのは、抗インフルエンザ薬の今後の備蓄方針でございます。これまでファビピラビルは一般流通していないことから国が備蓄することとして、目標量の4500万人とは別に200万人分を備蓄していました。ただ、パンデミック初期の研究において、有効性があると示されたら、ファビピラビルについてもほかの薬剤と同様に活用される可能性があることや、催奇形性などの課題はあるものの、パンデミック時に丁寧な注意喚起を行った上での使用が想定されることから、今後は備蓄目標量4500万人分の内数として備蓄することとしてはどうかということを考えたいと思います。なお、ファビピラビルについては、引き続きほかの抗インフルエンザ薬が無効または効果が不十分な場合で、厚生労働大臣が使用すると判断した場合のみ使用するということで、季節性のインフルエンザなどに使うことを前提とするものではないというところに関しましては、これまでの方向性を変えない方向で考えたいと思っております。
以上について御審議いただければと思います。
○齋藤委員長 ありがとうございました。
それでは、事務局からの今の御説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。抗インフルエンザ薬の今後の備蓄方針ということで案を示していただいたところですが、いかがでしょうか。特に御意見はございませんでしょうか。備蓄のラインアップとしては変わらないわけなのですが、数としてこれまで別に200万人分として取っていたものを政府備蓄の内数の中で備蓄していくということですけれども、御質問、御意見等はございますでしょうか。
それでは、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 特に問題ないと思うのですが、内側に入ることの意味はどこにあるのでしょう。今後この内に入ってそこの割合が増えていくということなのか、変わらないということなのか、入る意味合いはどこにあるのでしょうか。
○齋藤委員長 御質問ありがとうございます。
ただいまの御質問について、事務局から御回答をお願いします。
○竹下室長 ありがとうございます。
全体での備蓄総数が4700万から4500万になるところが、一番大きな違いだと考えております。
○齋藤委員長 ただいまの御回答でよろしいでしょうか。
○長谷川委員 分かりました。数が200万人分減るところがポイントということですね。特に問題ないと思います。
○齋藤委員長 では、横野委員、お願いいたします。
○横野委員 私はこの考え方自体はこれでいいと思うのですけれども、1枚目のスライドにありました新型インフルエンザ等対策ガイドラインの中の考え方、多様性を持たせるということと、割合については市場流通割合や想定する新型インフルエンザウイルスによる疾病の重症度を踏まえるという考え方と合致していることの確認をここでしておく必要があるのではないかと思いますので、そのようなガイドラインの考え方に合致しているということでよろしいのでしょうか。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○竹下室長 ありがとうございます。
まさに御指摘のとおり、多様性といった意味でいうと同じような数、同じような薬剤のままですし、割合についても市場流通割合はこれまでどおりその観点を踏まえた上での備蓄を行っていこうと考えております。
○横野委員 ありがとうございます。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
四柳委員、お願いいたします。
○四柳委員 ありがとうございます。
全体的なところに関しては、大きな異存はございません。
気になったことは、確かに人口の推移などいろいろなことを考えると、備蓄が200万減ることは妥当に見えますが、高齢者比率が増えていくことを考えると、本当にそういった人に対して抗インフルエンザ薬が届くのかということが気になりました。ワクチン接種率が十分ではないことも踏まえて、える必要があるかということ、使用期限ぎりぎりに来たものをどうしていったらいいのかということの検討が必要だと思います、なかなか難しいところだとは思いますけれども、実際にいざというときに皆さんに届かなければ困ると思って発言させていただきました。
以上です。
○齋藤委員長 御意見ありがとうございます。
この件、事務局からございますでしょうか。
○竹下室長 御質問ありがとうございます。
まさにそういったパンデミックが起きたときに薬剤が届かないといけないというところが一番のポイントでございますので、全罹患者、今、被害想定が大体全人口の25%ということですけれども、これに加えて医療対応に必要な目標ということで、例えば季節性インフルエンザが同時に流行する場合とか、そういったことも踏まえた現状の数になっております。当然ワクチンのそのときの開発状況であったりとか、そのときの有効性もありますけれども、こういったものを踏まえた上で、まずは市場流通のもの、要するに、これは製薬会社と卸にあるものになってきますけれども、こういったものを使って、その次にもし足りなくなってくるようであったら都道府県が備蓄しているものを使っていく、それでも難しいときは国のものを出していくという形で備蓄をしているところでございます。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
では、鹿野委員、お願いいたします。
○鹿野委員 ありがとうございます。
難しい問題だと思うのですけれども、備蓄の期限が切れたものは基本は全部廃棄だとは思うのですが、それなりの金額を使っていて廃棄されることについては時々ニュースなどでも報道されて、周囲の方にもったいないとか、何かほかに使い道がないのかと私も聞かれたりするのですけれども、その辺はもうやむを得ないのでしょうか。簡単に有効期限を延ばすことも、それもまた医薬品の有効性、安全性の担保の観点からは望ましくないことは分かるのですけれども、ある意味、社会的コンセンサスといいますか、国民に対する情報提供とか、これはやむを得ないという、優先的にやらなくてはいけないことではないのですけれども、どこかで考えていただけるといいのかと思います。
以上です。
○齋藤委員長 どうもありがとうございます。
今の点につきまして、事務局からございますでしょうか。
○竹下室長 御質問ありがとうございます。
実際に備蓄しているものは非常に多くの人数の分もありますし、それなりの予算を使っているところがございます。私たちとしましては、なるべくこれがきちんとした数になるようにということで、これまでも何度もいろいろな状況とか科学的な知見とかを踏まえて数字を見直していく形で適正な数にしていくことや、以前も先生方からも議論のあった原薬で一部備蓄できないかというところがございましたので、一部の製剤については原薬で備蓄するようにする方向にしたり、有効期間も科学的にきちんと妥当性のあるところとして10年間までは延長ができるところまで確認しておりますので、そういった形で有効期間を延長する形で、なるべく効率的という言い方は語弊がありますけれども、適切な形で備蓄できる形を目指していく姿勢はこれまでも行っておりますし、今後もそういう形は引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○鹿野委員 ありがとうございます。
○齋藤委員長 ありがとうございます。
この備蓄をいかに効率的に使っていくのか、あるいは必要な人に確実に届けていくのかは、このMCMのアベイラビリティーを考える上で、非常にずっといろいろなテーマで様々な工夫をこれまでも繰り返してきたと思いますが、またそういったこともこの委員会での議論になるのかと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
もし特に追加の御意見がなければ、本日御報告いただいた方向で対応を進めていただければと思います。どうもありがとうございました。
それでは、事務局は岩本委員、中野委員へ入室の御案内をお願いいたします。
(岩本委員、中野委員入室)
○齋藤委員長 岩本委員、中野委員、どうもお待たせいたしました。
それでは、本日の議題は以上となります。
最後に、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。
○竹下室長 ありがとうございます。
先ほどMCMの小委員会でいろいろ議論をしていただく中で、いろいろなステージのところの議論をしていただくとお話をさせていただいております。重点感染症の作業班をつくっていただくということであったり、下流の話もありましたけれども、インフルエンザの治療薬については、こういった形でまずこれまでの流れを受けた形での議論、備蓄に関しての変更等についての議論をさせていただいております。コロナの治療薬については、いろいろな知見なども踏まえた上で、今後また議論をしていく方向で考えていきたいと思っておりますが、そういった形でもよろしいでしょうか。
○齋藤委員長 今、御提起いただいた件につきまして、委員の先生から御意見はありますでしょうか。
特に御異論ないようであれば、その形で進めていただければと思います。
お返しします。
○竹下室長 本日は活発な御議論をいただき、大変ありがとうございました。
委員の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
また、次回日程につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。