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技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第77回)議事要旨
人材開発統括官海外人材育成担当参事官室
日時:令和6年4月23日(火) 10:00~12:00
場所:Web会議
出席者:市田委員、岩崎委員、漆原委員、大迫委員、當間委員、花山委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)関係)クリーンライフ協会、厚生労働省生活衛生課
(ゴム製品製造職種関係)日本ゴム工業会、経済産業省素材産業課
(印刷職種(グラビア印刷作業)関係)全国グラビア協同組合連合会、経済産業省コンテンツ産業課
議題
(1)クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
(2)ゴム製品製造職種の試験の実施・運営状況の報告について
(3)印刷職種(グラビア印刷作業)の試験の実施・運営状況の報告について
【概要】
(1)クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
○ クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)の試行試験結果について、クリーンライフ協会から説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・試行試験で学科試験の不合格者が出たことについて、安全管理の責任者を専任で設置していたが、他の従業員に対する責任者からの指導が不十分だったと説明がされたが、日常的な安全衛生教育のうち、試験で確認すべき内容の規定として、何かしらの工夫が必要ではないかとの質問があった。これに対して、安全衛生に対する考え方や意識が低い部分があることが、今回の試行試験で明らかになったため、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会を中心に、業界を挙げて周知活動に取り組んでいきたいとの説明があった。
・試行試験中、受検者が電気コードに引っ掛かり転倒しそうになったことの要因について質問があった。これに対し、家庭用アイロンのコードが受検者が動く場所にあって発生したものであるため、今後はコードをテープなどで固定する等の対策を行うとの回答があった。
・審査基準の安全衛生業務について、第1号技能実習と第2号技能実習の記載内容が全く同じであるが、具体的な違いは何かとの質問があった。これに対し、事務局から、安全衛生というのは作業を進めるに当たって確実にやらないといけないもののため、第1号でも第2号でも行うべき項目自体は基本的には変わらないこと、一方で第2号の方が行う作業の範囲が広くなり、それに伴う新たな有害性や危険性に対する対応が必要であるため、各項目で求められる知識や技能は第2号の方が幅が広いと考えられる、と事務局としては認識しているとの説明がなされた。
・審査基準の安全衛生業務について、第2号技能実習に「雇入れ時等の安全衛生教育の受講」との記載があるが、雇入れ時教育は雇われたときに行うものであるところ、なぜ第2号技能実習の業務にこの記載があるのかとの質問があった。これに対し、事務局から、雇入れ時の他(「等」の中で)作業内容変更時の安全衛生教育も含めていて、第2号技能実習に移行して作業の範囲が広がり、新たに行う業務に対する安全衛生教育が行われるという趣旨であるとの説明があった。これに対し、「労働衛生上の有害性を防止するための作業」についても、第1号と第2号とで内容が違うのかとの質問があった。クリーンライフ協会から、第2号では、第1号で行う溶剤を補填する作業に加えて、スラッジを取り出してまた新しいものを補填する作業が対象になるが、スラッジやフィルターは特別管理産業廃棄物に該当するため、作業する者や周りの従業員にとって有害とならないよう、作業上配慮する事項に違いがある、試験についても、初級と専門級とでは試験内容が異なるとの回答があった。
・試験の最中に通訳等を設置するのはいかがかとの意見があった。これに対し、日本に来て半年程度実際に暮らしていれば出来るレベルの質問内容等にしているため、現段階では通訳等を各会場に設置することは想定はしていないとの回答があった。
○ 検討の結果、クリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)を移行対象職種・作業に追加することについて了承された。
(2)ゴム製品製造職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ ゴム製品製造職種の試験の実施・運営状況の報告について、日本ゴム工業会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・安全衛生の試験項目の中にゴミの分別に関する問題が含まれているが、環境と安全衛生とでは、ベースになる法律も違うが、環境の問題を入れたのはなぜかとの質問があった。これに対し、安全衛生の中に環境衛生が含まれるのではないかと判断していたが、環境衛生と安全衛生に分ける必要があるということであれば変更するとの回答があった。これに対し、これを見た外国人労働者が、環境対策も安全衛生対策の一つであると理解して、海外にそういった情報を持ち帰らないように、環境と安全衛生は分けた方がいいのではないかとの意見があった。日本ゴム工業会から、御指摘のとおり変更することを検討するとの回答があった。
・試験の失格要件に不安全行動と記載しているが、具体的にどういう行動を不安全行動として失格にしているかとの質問があった。これに対し、重篤な災害が発生するおそれがある行為など、具体的なチェック項目を採点表に記載し、評価しているとの回答があった。
・試験で使用する試料については、全受検者で共通の試料を使っているとのことだが、必ずしも実習時に扱う材料と一致するとは限らないため、公平性が担保されるのかとの質問があった。これに対し、設備で加工する課題については、実習先の設備や材料を使うため、それに合わせた試験を行っており、試験でどのように物を作るかについては、ホームページなどで予め周知している。一方、仕上げ加工作業の課題と寸法検査の課題については、共通の試料を使う。それは、試料により、バリの出方やバリ切りの量が違い、加工する時間が異なる等するため、同じ試料で、同じバリの出方のもので試験をした方が、試験時間や加工スキルについて同じように評価できるためとの回答があった。
○ 報告の結果、日本ゴム工業会の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(3)印刷職種(グラビア印刷作業)の試験の実施・運営状況の報告について
○ 印刷職種(グラビア印刷作業)の試験の実施・運営状況の報告について、全国グラビア協同組合連合会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・インキを回収する写真で保護具を全く着けてないが、特化則やVO規制上の物質が含有しているのでないか、あるいは、局所排気装置などで問題になる濃度以下に収まっているのかとの質問があった。これに対し、本来は御指摘のように、保護具をするのが適切であり、ホームページでもその旨公開しているとの回答があった。また、試験においても、服装等が不十分である場合には減点していること、実際の技能実習の現場においても作業環境管理上適切ではない操作を行うなど、危ない作業を技能実習生が行っていたときには、管理者が注意していることについて補足説明があった。これに対し、試験ではベテランの試験監督者が化学物質のリスクアセスメントを行い、試験における不安全な行動などを規定して判断しているのかとの質問があった。全国グラビア協同組合連合会から、リスクアセスメントは試験会場である各企業が実施しているため試験監督者は行っていないこと、試験では、決められた手順で保護具をして作業をしているか確認し、行われていない場合には減点していること、有機溶剤をこぼすなど危険な行動があったときには、試験を中止する可能性があることについて回答があった。
・試験運営収支について、受検料で翌年度受検の分が前年度に組み込まれるという、決算は管理会計上、問題ないのかという質問があった。これに対し、事務局から、本来は前受金で処理をするべきだと考えるため各年度の会計処理の状況について確認していきたいとの回答があった。
・試験運営収支について、企業負担の交通費の収入があるとの説明に対し、試験監督者の交通費であるのか、また、この負担は受検者が所属する各企業が行うのか、又は、全国グラビア協同組合連合会が一般会計から補填するのかどちらであるかとの質問があった。これに対し、出張試験の場合の旅費交通費であって、受検者が所属する企業に実費負担をしていただいているとの回答があった。
○ 報告の結果、全国グラビア協同組合連合会の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(以上)