第177回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和6年4月10日(水)16:00~17:08

場所

日比谷スカイカンファレンス

議題

1.マイナ保険証の利用促進等について
2.出産費用の見える化等について
(報告事項)
1.令和6・7年度の後期高齢者医療制度の保険料改定について
 

議事

議事内容
○池上課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第177回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御参加いただきまして大変ありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、菊池委員、河野委員、村上委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、伊奈川委員、藤井委員より途中から出席なさるとの御連絡を、内堀委員より途中退席されるとの御連絡をそれぞれいただいております。
 また、前葉委員におかれましては、御参加が遅れているようですけれども、間もなく御参加いただけるかと思います。
 なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退席をお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○池上課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。村上委員の代理として佐保昌一参考人、横本委員の代理として井上隆参考人、以上2名の出席につき御承認を賜れればと思いますが、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、早速議事のほうに入ってまいりたいと存じます。
 本日は「マイナ保険証の利用促進等について」「出産費用の見える化等について」を議題といたします。
 では、まず「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料1、マイナ保険証の利用促進等について御説明いたします。
 まず、1ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン資格確認の利用状況でございます。直近3月のマイナ保険証の利用件数は1010万件と初めて1000万件を超え、利用率につきましては、左側のオンライン資格確認の利用件数を分母といたしまして、利用率は5.47%と引き続き増加傾向となっておりますけれども、より一層の利用促進が課題となっている状況でございます。
 2ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは施設類型別のマイナ保険証利用率の推移でございます。青色の折れ線グラフが病院、黄色が医科診療所、赤色が歯科診療所、緑色が薬局となってございます。
 3ページをお開きいただきたいと思います。
 皆様御承知のとおり、本年12月2日に健康保険証の新規発行が終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することとしておりますけれども、冒頭申し上げましたとおり、マイナ保険証についてはより一層の利用促進が課題となっている状況でございます。
 このため、上の箱の中にございますように、医療機関、保険者、経済界の代表が集います、今月25日に開催される日本健康会議におきまして「マイナ保険証利用促進宣言」を行い、これを皮切りに5月から7月をマイナ保険証利用促進集中取組月間と位置づけまして、医療DXのパスポートとなるマイナ保険証の利用促進に総力を挙げて取り組むこととしております。
 集中取組月間におきましては、医療機関等におけるマイナ保険証利用促進のための支援金につきまして、この期間における利用人数の増加に応じて、診療所、薬局については最大10万円、病院については20万円を支給する一時金へと見直すとともに、この一時金の支給条件といたしまして、医療機関・薬局の窓口での共通ポスターの掲示、また、来院患者への声かけとマイナ保険証の利用を求めるチラシの配布、こうしたことを求めることとしております。
 また、資料②にございますとおり、新聞広告、テレビCMなど、あらゆるメディアを動員いたしまして、集中的な広報を展開していくこととしております。
 資料の4ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらが支援金の見直しの内容になっております。本年5月から7月のマイナ保険証の利用人数が昨年、令和5年10月の利用人数から増加した量に応じまして、先ほど申し上げました診療所、薬局に対し最大10万円、病院は20万円を一時金として支給することといたします。
 ※の一番上にございますとおり、この一時金は利用率のさらなる底上げのため、医療現場のモチベーションとなるよう、医療機関・薬局にとって利用率よりも把握しやすい利用人数を要件といたします。また、定額とすることによりまして、医療現場にとってより分かりやすい形にしております。こうしたことによりまして、医療現場の窓口において集中的に取り組んでいただく声かけでありますとか、あるいは新たなチラシ配布等の利用促進の取組を後押しするものでございます。
 また、2つ目の※にございますように、もともと用意しておりました支援金につきましては、今年の1月から5月の前半期については現行の要件で支給をいたしますけれども、先ほど申し上げましたとおり、利用率のさらなる底上げのため、また、今回の診療報酬で6月から医療DX推進体制整備加算が設けられることとなったことも踏まえまして、6月から11月の後半期の支援金を集中取組月間中の一時金として見直すこととしたものでございます。
 3つ目の※にございますように、一時金につきましては、5月から7月のいずれかの月のマイナ保険証の利用人数について、昨年10月の利用率の実績、それから、その月の利用人数からの増加量に応じて支給いたします。左下に表がございますけれども、例えば昨年10月の利用率の実績が3%未満の診療所につきましては、昨年10月の利用人数から30人以上増加した場合には3万円、50人以上増加した場合には5万円、70人以上増加した場合には7万円、80人以上増加した場合には10万円となります。また、この表は2段になってございますけれども、下の段は病院の要件になっております。
 1つ飛ばしまして、5つ目の※になりますけれども、昨年10月診療分のレセプト件数が150件以下の施設、小規模施設でございますが、こうした小規模施設につきましては規模に配慮した区分を設定することとしておりまして、右下の表を御覧いただきたいと思います。
 また、右下の表の下に※を振ってございますけれども、小規模施設であっても、昨年10月の利用率の実績が10%以上で利用人数を増加させた場合などにつきましては、左側の表の要件を満たすこととなりますため、左側の金額が適用されます。
 また、小規模施設区分の上限でございます5万円を超えた場合、通常の基準、すなわち左側の表に沿って一時金の支給を受けることが可能でございます。例えば昨年10月の利用率の実績が3%未満の小規模施設であって、昨年10月の利用人数から70人以上増加した場合、左側の表に沿って7万円、80人以上増加した場合は10万円となります。
 戻りまして、4つ目の※でございますけれども、こちらについては先ほど御説明いたしましたとおり、窓口でのポスター掲示と来院患者への声かけとマイナ保険証の利用を求めるチラシの配布をこの一時金の支給条件とすることとしております。
 5ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらが先ほど御説明いたしました一時金の支給条件となる共通のポスターとチラシになっております。
 資料の6ページでございます。
 こちらは参考でございますけれども、現行の支援金の概要になっております。繰り返しになりますが、1月から5月の前半期については現行の要件で支給をいたしますけれども、6月から11月の後半期の支援金については集中取組月間中の一時金として見直すこととしております。
 7ページを御覧いただきたいと思います。
 令和6年度診療報酬改定におけるマイナ保険証利用等に関する診療報酬上の評価イメージになっております。右下に医療DX推進体制整備加算とございますけれども、今回の診療報酬改定におきまして、本年6月からマイナ保険証、電子処方箋などの医療DX推進体制を評価する加算が新たに設けられることとなっております。
 8ページと9ページでございますけれども、2月29日の医療保険部会でお示しいたしました利用促進支援策を活用いただくためのチェックリストを一部更新したものでございます。
 主な変更点といたしましては、①窓口での声かけといたしまして、マイナンバーカードで資格確認できた患者に対して、特段の理由なく改めて健康保険証の提示を求めるようなことをしていませんか。また、②、チラシ・ポスター等の配布・掲示といたしまして、受付などに保険証を提示くださいといったプレートなどを置いていませんか。その場合、マイナンバーカードの利用または保険証の提示をお願いしますとの修正をお願いいたします。こうした事項を追加しており、8ページが医療機関向け、9ページが薬局向けとなっております。
 資料の10ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらはマイナ保険証利用促進のためのリーフレットの御紹介でございます。患者様対応用の周知広報物を拡充しておりますので、厚生労働省ホームページよりダウンロードしていただきまして、医療機関・薬局の皆様におかれましては、ぜひ施設内での周知に御活用いただければと思います。
 また、次の資料11ページでございます。
 医療機関・薬局の窓口におけるマイナ保険証の利用案内についてでございます。先ほど御説明いたしました医療DX推進体制整備加算の施設基準におきましては、マイナ保険証を促進するなど、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組み、その旨を医療機関・薬局内の見やすい場所に掲示することが要件となっております。
 この要件に関しましては、マイナ保険証の提示を求める案内や掲示を行う必要があり、「保険証をお出しください」といった単に従来の保険証の提示のみを求める案内や掲示を行うことは当該要件を満たさないことをQ&Aで案内しております。
 資料の12ページでございます。
 こちらは、これまでのオンラインセミナーの御紹介でございます。厚生労働省では、各医療機関・薬局におけるマイナ保険証の利用促進に役立つ動画を多数御用意しております。ぜひこちらのほうも御覧いただければと思います。
 13ページにお進みいただきたいと思います。
 マイナンバーカードに係る広報の計画でございます。
 2つ目の○にございますように、健保連事業を活用し、若者/高齢者のターゲット別の動画を作成しております。今月25日に開催する日本健康会議で披露する予定であり、今年度複数のピークを設け、集中的に放映することとしております。
 また、政府広報の活用についても現在検討しているところでございます。
 資料14ページでございます。
 日本健康会議を通じた医療DXの推進について、繰り返しになりますけれども、今月25日、17時からイイノホールにおきまして「医療DX推進フォーラム『使ってイイナ!マイナ保険証』」を開催いたします。マイナ保険証利用促進宣言、PR動画の披露、各団体による取組事例の報告を行い、これを皮切りに5月から7月を集中取組月間としてマイナ保険証の利用促進に総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 資料15ページ以下は参考資料になっております。
 資料1の説明につきましては以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
 では、内堀委員が途中で退席と伺っておりますので、内堀委員にお願いしたいと存じます。冒頭に事務局から報告があったとおり、途中退席となるので議題1以外の議題についても発言したいとの御意向を伺っておりますので、併せて御発言いただいて構いません。では、内堀委員、よろしくお願いします。
○内堀委員 田辺部会長、ありがとうございます。
 それでは、議題1、2、報告事項についてコンパクトに発言をさせていただきます。
 まず、議題の1です。マイナ保険証は、患者本人の健康・医療データに基づく質の高い医療の提供につながるなど、患者と医療現場の双方にとって多くのメリットが期待されています。一方で、これまで使い慣れた保険証とは仕組みが大きく変わることから、高齢者などデジタルに不安を感じる方にも分かりやすく、安心して利用できるものとなる必要があります。
 国においては、マイナ保険証と診察券の一体化をはじめとした利活用範囲の拡大など、一層の利便性向上を図るとともに、万全のセキュリティー対策により国民の信頼と理解が得られるよう、引き続き丁寧な取組をお願いします。
 都道府県としても、関係機関と連携しつつ、様々な機会を通じて利用促進に取り組んでいくことが必要であります。その取組を実効性のあるものとするため、都道府県や保険者協議会に対しても、国において必要な財政支援等の措置をお願いいたします。
 次に、議題の2です。出産費用に関しては、令和5年4月から出産育児一時金の額が50万円に引き上げられましたが、分娩取扱施設によって費用やサービスには様々な違いがあります。出産費用の見える化を適切に行うことなどを通して、希望する誰もが安心して出産できる制度としていただくようお願いします。
 最後は報告事項です。今回の後期高齢者の保険料負担の見直しは、高齢者世代と現役世代のそれぞれの人口動態に対処できる持続可能な仕組みとするために行われたものと理解しています。引き続き医療保険制度における給付と負担の見直しについて検討を行う場合は、制度設計者である国の責任において、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、特に低所得者に十分配慮した制度の在り方を検討していただくようお願いします。
 また、今後の見直しにおいても、医療費等の増加に伴う公費負担の財源について、地方公共団体にとって過度な負担とならないよう、国において十分な財政措置を講じ、持続的で安定的な制度とするようお願いいたします。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○田辺部会長 内堀委員、ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 まず、今回提案いただきましたマイナ保険証の利用促進に関する取組には異論はございません。その中で、今、御紹介がありましたけれども、マイナ保険証の利用促進に向けた集中的な広報展開については、健保連としても厚労省の御協力もいただいてCM動画を作成して、5月からテレビも含めて公表する予定でございます。この動画については、医療機関や地方自治体でも使っていただける形で現在準備を進めておりますので、引き続き政府とも連携しながら、健保組合としても事業者である企業、また、加入者向けの周知広報に取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 今の御発言と一部重複するかもしれませんが、マイナンバーを健康保険証として利活用することは、デジタル社会の入り口の大変重要な、エポックメイキングなことだと思っていまして、より加速していくことを心から期待しています。
そういった意味では、4月25日の日本健康会議における取り組みを是非ともいいキックオフにしていただいて、ここからより加速していただきたいというのが第1点目でございまして、これは内容に異論は全くなく、ぜひ大いに進めてくださいということです。
 そこでプラスして、2点目に提案です。マイナンバーカードは生命と健康を守る上でとても大切な役割を今後果たしていくと思っています。例えば今回1月1日の能登の大きな地震がありましたけれども、避難所にカードリーダーが設置されたり、医療・健康データとリンクがいち早くできるとするならば、例えば、どこの避難所に誰がいらっしゃる、どこに避難している、自分の家族はどこに避難しているという情報がデータベースとして分かるようになりますし、仮に避難した方がエコノミー症候群、その他のことで体調を壊されて医療的なケアが必要だ、救急車の対応が必要だとなった場合にも、マイナ保険証の活用により、過去の投薬歴あるいは過去の健診歴、その人の体質まで一瞬にして分かるという対応をしながら、医療スタッフがそれを見て医療的に対応可能になるわけです。こういった非常に大きな、また、重要な役割があるわけですので、こういった「生命と健康を守る」という本来の機能のことをもっともっと発信していただけないかなと心から思っています。
 このことについては、今日もこの会議の取材に来られている報道機関の皆さんや、あるいは各メディアの皆さんがぜひ御理解いただいて、発信いただくことがとても大切だと思っています。
 その上では、厚生労働省並びに政府の広報部門におかれて、毎回毎回のリリースなどが必要ですし、仮にそれが記事掲載などの発信にはならないとしても、このような役割がある、こういう機能があるということを的確に、記者レクと言うと大げさかもしれませんけれども、いずれにしても適宜説明をしていただいたり、よりよいところ、より大切なところを的確に捉えて、例えばテレビの解説コーナーですとか、新聞や雑誌等での、そういったコメントコーナーでもより分かりやすく伝えてくださるように働きかけていくことも必要だと思っています。
 なかなかそうやって働きかけても機会はとらえられないよ、ほかのニュースが多くてできないよということはあるかもしれませんけれども、これは愚直に繰り返し繰り返し、正しい、また、より効果的だということをデフォルメすることなく客観的に、そして、医学的に科学的にお伝えしていきながら、全体にどんどんアナウンス効果としても、また、理解としても広がっていくことによって、この利活用も増えていくと期待しています。そのことによってお一人おひとりの命を守り、また、健康をケアしてより適切な介護とか医療につながるように、そういったことが叶うことを心から願っていますので、ぜひそういったことも検討していただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 先日の2月の部会でも申し上げましたけれども、この利用促進につきましては事業者サイドからの呼びかけも重要と認識しておりまして、私ども経団連におきましても企業向けの周知活動をやっております。また、近々、人事担当者向け数百人規模で説明会を開催するという予定にもしております。引き続き、関係団体との協力の上、働きかけを行ってまいります。
 もう一つは、やはり医療機関の窓口での呼びかけです。さらに、マイナンバーカードの空き領域を利用した利用者の利便性の向上、こういうものもしっかりやっていただきたいと思います。
 同時に、やはり最終的な目標は、今後の人手不足の中で医療の効率化を図るということでございますので、こちらのDXにつきましてもしっかりと取組を進めていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
 私は先に1点質問した上で、マイナンバーカードを普及促進する自治体の長としてのこれまで取り組んできたこととの関係で後ほど意見を申し述べたいと思うのですが、1ページで赤いグラフの利用率が令和5年4月をピークに下がってきたというところの原因ですね。一方で、利用件数はこの赤いグラフがシャープに下がっているほどは下がっていないということは、分母が増えていたのかなとも想像できるのですが、そこで、令和5年12月を底にしてまた上がり始めた理由ですね。この辺りをまず教えていただければと思います。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○中園室長 御質問ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
 1ページ目、真ん中のところの赤い折れ線グラフについて、まず昨年の4月がピークの率として出ております。これは療担規則上のオンライン資格確認の義務化の施行のタイミングがこの4月、一旦ピークとしてあった。その後、左側の緑色のグラフ、オンライン資格確認の導入というのは、経過措置などを適用しつつ順次御導入いただいてきたというところがございます。その関係もありまして、その間の分母のオンライン資格確認の件数というのは、昨年度4月以降、しばらく右肩上がりで続いていたという状況でございました。
 他方、昨年の5月に資格情報とマイナンバーとのひもづけ誤り、それによる薬剤情報等の個人情報を閲覧してしまった事案などが報道されたところでございます。この間、そういった点で国民の皆様に不安を与えてしまったということについて、私どもは大変申し訳なく思っております。その後、新規のデータの入力に当たっての事務の徹底でございますとか、あるいは保険者におけるデータの自主点検の取組、さらには入念的に登録済みデータを住基情報に当てまして、その突合を昨年11月末に完了してございます。この間、突合の際に何らか差異のあったデータについての確認作業というものも継続して進めてきているという状況でございます。
 そういったデータの安全性を高める、さらには新規の入力の際のチェックシステムを構築する。そういった信頼回復のための取組を並行して行っていく中で、医療界、保険者における皆様方のお取組の結果として、またマイナ保険証の利用件数が1月以降伸びてきているという状況にあると認識してございます。
○田辺部会長 では、前葉委員、よろしくお願いします。
○前葉委員 ありがとうございました。よく分かりました。
 そういう経緯があったとして、国民目線で言うと、要するに令和5年の前半というか令和5年に起こっていたことは解決されたという理解をしっかりしていただいて、国民が安心してこのマイナ保険証を使える状態なのだということをしっかりとPRしていただくことが必要かと思いますし、私どももそのような発信をしなければいけないのかなと思いながら聞かせていただきました。
 その際、マイナンバーカードに保険証機能をつけることに対しては、ポイントをつけたりいろいろして一定の促進をしたことがありました。結局、現在においてマイナンバーカードはたくさんの方が持っておられて、それに保険証機能もついているのですが、まだ保険証として使わないという方々にどういうことをするかということで、もちろん医療機関から声をかけていただく、そのことへの支援策をこのような形を講じるというのは私も賛成でございますし、それはやっていただきたいのですが、現実には20円安くなりますよということをありていにあけすけなくというか、露骨に言わないといけないのかなという感じがしておりまして、そういう意味で、今日の参考資料の中で23ページにあるようなこういう掲示ですね。非常に医療機関の皆さんにはここまで金の話を書くかという感じもするかもしれませんが、これをしていただかないと、やはり国民の皆さん、被保険者の皆さんはそろばん勘定を頭の中でしますから、これはぜひお願いをしたいなと。
 
 国民目線で言うと、マイナ保険証のメリットは分かりました。でも、データがちゃんと処理されるのだろうか、あるいは何となく同意を2回求められるところで大丈夫かなと思っているというあの不安な感じは、絶対に完全に払拭するというのはなかなか大変かと思いますが、20円安くなるのですよという話は非常に分かりやすいので、ぜひお願いをしたいなと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 もう何遍も申し上げていますけれども、このマイナ保険証の利用促進というのは医療DXを進める第一歩で、国民や患者さんに今まで以上に安心・安全で質の高い医療を提供していくためのインフラであろうと考えております。ただ、今の利用率の状況は、少しずつ上がってはいますけれども、12月2日までの移行が大丈夫だとはとても言えないかなという気がしております。やはり国民や患者さんが抱いているマイナ保険証に対する不安は、いまだにあるのかもしれません。それを何とか払拭して、使ってみてくださいと言うのが一番いいと思います。特に今回、この間申し上げましたチラシなどの配布もしていただけるということですので、支援策を医療現場に提供し、積極的に周知するというようなことで、マイナ保険証の利用促進のための働きかけを我々としても継続的に行っていきたいと思っております。頑張って増やしていきましょう。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。薬剤師会の渡邊です。
 このマイナ保険証の利用促進のための薬局での取組については、本日の資料の2ページにもあるように、徐々にその効果が出てきているところでございます。御説明のあった集中取組月間も踏まえて、日本薬剤師会としても、マイナ保険証が医療DXの基盤となることを前提に、ポスターの掲示、また、チラシの配布を徹底するように働きかけてまいりたいと思っています。
 それと、以前より要望しておりましたメディアや公共交通機関などにおける国民への直接的な動画広報を実施いただけるというのは大変うれしく思っています。現場における啓発活動と政府の広報が一体的に国民・患者に見えることにより、さらに利用促進につながるものと考えていますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 2点ばかり申し上げたいのですが、一つは、8ページに医療機関向けのチェックリストがありますが、実は私、最近風邪をひいて近所のクリニックに行きました。カードリーダーがあって、やってみますかと言ったら、どうぞと言ったのでやったのですが、やはり診察券と保険証を出してくださいと言われて出しました。おまけに区役所のほうから医療限度額のお知らせも来ているが、それも出してくださいと言うから、そんなの持ってきませんよと言いました。だから、医療機関も分かっていないのだと思います。待っている間、20分ぐらいかな。5~6人来ましたけれども、誰もかざしていませんでした。ということで、医療機関そのものが分かっていないです。紙の保険証を渡したらコピーしていましたから、そういうのが要らなくなるよということ、そういう非常に前段階的なことさえ伝わっていないということでございます。
 それから、もう一つ、いろいろ広報なさるそうですが、これはどのぐらいお金を使うのかと気になるのです。いろいろなテレビ番組とか新聞とかに載せるというのですが、保険証は医療機関に行かない人は使わないわけです。ですから、これを見て、じゃあ医療機関に行ってみようかなんて思う人はいないと思うので、やはり実際に医療機関に行った人にいかに使ってもらうかということで、必要もないのに医療機関に行きましょうみたいなことは全くおかしいと思います。医療機関にちゃんと説明をして、そして、医療機関に行った人に使いましょうねとまず地道にやらないと、めったやたらにテレビ広告、新聞広告をしても無駄ではないかと思います。実際にどのぐらいお金がかかるのか、もし教えていただけるなら教えていただきたいです。
○田辺部会長 分かる範囲でお願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長でございます。
 今回、広報関係の対応予算ということでございますが、厚労省に加えまして、さらにデジタル庁における広報の取組なども併せて行っていくということとしてございますので、今、手元に全体の合算の数字がなくて申し訳ありません。別途、御質問に対しては回答をお届けしたいと思っております。
 また、既存予算のみならず、例えば政府公報でございますとか、政府がそもそも用意している広報の部署あるいはツールといったものがございます。こういったものも有効活用いたしまして行っていきたいとも考えております。
 さらには、まさに患者さんとして医療機関に来られる方々に、どうお使いいただけますかということを伝えていくということもまた御指摘のとおり大事だろうと思っております。今回開発した5ページ目のチラシにおいても、例えばマイナンバーカードを御利用くださいというメッセージだけではなくて、今回お持ちでない方は次回御持参くださいというメッセージを入れております。これは実際に診療現場でテスト的に使わせていただいた際に、今持ってこられていない方もこういう言葉がもう一言添えてあると次につながるというお声などもいただいて足して言葉であったりもします。こういった実際の医療現場で使っていただいた経験やアドバイスといったものを基に今回チラシやポスターも素材として作っておりますので、ぜひ御活用いただきたいと思います。
 あわせて、待合室などで流していただく、デジタルサイネージとしての動画、待合室で待っていただく際に見ていただくという動画も今、順次開発をして、できたものから上げておりますので、そういったものもぜひ医療現場などにおいて患者さんに対して広報ツールとしてお使いいただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますか。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 これまでも申し上げてきたとおりでございますけれども、私は、このカードは「命のカード」だといつも申し上げていまして、特に若い人であっても、急病になったり、怪我をしたりした時に、まさに命を救えるカードだと申し上げているのでございます。しかし、それは事前にマイナ保険証としての登録が済んでいれば、ということであります。登録自体は薬局を含む医療機関のオンライン資格確認システムで数秒でできる、という御説明が何回か前のこの部会でもございましたので、まずは、「簡単にできるものだ」ということの広報を強化するべきだと思います。
 先ほど袖井委員からもお話がございましたけれども、最近、若手を相手に講演する機会があって、これを聞いてみたのですが、驚いたことに、「12月までに受診するかどうか分からないから登録できない」と言うのですよね。どうして、と尋ねたところ、「だって、受診しないと登録できないのでしょう」ということを何人かが仰るので、「そうではありません。これは受診しなくても登録できますよ」と申し上げました。知らないのです。やはり、情報の出し手と受け手は大分違うものです。私も普段たくさんCMを作っているわけですけれども、若い方というのはとんでもない反応をすることがございますので、受け手がどういう反応をするかということを十分に想定のうえ情報発信をお願いしたいと思っているわけでございます。
 それから、次にマイナ保険証の利用件数について申し上げますと、これまでの取組の成果もあり、ここ数か月で着実に上がってきているというのは好ましい傾向でありますが、「利用している人」ということで言えば、まだまだわずか、ということになるのだと思います。資料に記載されているような取組を引き続き強力に進めていただいて、マイナ保険証利用のさらなる普及・拡大を実現していただきたいと思います。商工会議所としても、保険証としての登録とカードの利用について、機会があるごとに、広報・PRについて引き続き協力してまいる所存でございます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、横尾委員、お願いします。
○横尾委員 先ほどの御発言に関連してなのですけれども、せっかくデジタルサイネージで動画的なものを作っていただくのだったら、それは非常に有効だと思います。実際に私も医療機関での検査や健診に行って、待合室などで待っているときの、情報提供されるデータとか、参考資料とか、あるいはコロナワクチン接種のときの接種会場でビジュアル情報として流してもらったものというのは、かなりの啓発効果があったといろいろな方々からも聞いているところですので、お願いしたいと思います。
 それをさらに広げて考えていくと、例えばそれをそっくりそのままYouTubeにアップして誰でも視聴アクセスできるようにしてあげることはとても大切だと思います。さらにはSNSでシェアしてもオーケーなように、ややコンパクトで分かりやすくしてアップいただくと、より多くの方々が視聴可能になります。もちろん日頃は健康でなかなか病院に行かない若者の動画視聴利用が多いかもしれませんけれども、かなりの方が今、動画でいろいろなことを勉強されたり、知ろうとされていますから、そういったこともぜひ考えていただくと有効ではないでしょうか。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 2月29日の医療保険部会において示された資料におきまして、マイナンバーカードの保有者は73.1%、その中でマイナ保険証の登録状況におきましては77.9%となっており、人口全体の57%しかまだ保険証として普及していないところであります。そのうち、常に携行されている方々に関しては、人口全体の4割強であり、カード保有者の5割、半分の状況であります。
 一方、マイナンバーカードの保有者は73.1%もおられることから、医療機関・薬局等での声かけだけではなく、厚生労働省をはじめとする国が主体となって、12月2日以降は現行の健康保険証の発行が終了するということと、医療機関や調剤薬局に行く際にはマイナンバーカードを持っていかれることを広報するとともに、マイナンバーカードをクレジットカードや運転免許証と同じように常に携行することの大切さや安全性、また、先ほど藤井委員も言われましたけれども、医療機関においてマイナンバーカードと保険証のひもづけが簡単にできることなど、まずは国民に対して分かりやすく丁寧に周知し、国民の意識改革につながるようしっかりと取り組んでいっていただければと思います。
 また、日本歯科医師会としましても、マイナ保険証の利用促進に取り組む立場には変わりなく、マイナーではなく、マイナをメジャーにを合言葉に、歯科医療機関において引き続きポスターやリーフレット、窓口において声かけも積極的に行ってまいります。また、今回示された支援策についてもしっかりと会員に周知をし、活用しつつ、さらなる利用促進につなげていきたいと思っております。
 私からの意見は以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 本テーマにつきましては、5月から7月にかけて集中取組月間として総力を挙げて取り組むという方針につきましては、協会けんぽとしましても全面的に御協力申し上げたいと思っております。具体的なところでは、マイナ保険証の一層の普及に向けまして、引き続き、先ほど御紹介がありました健康保険組合連合会に作成いただいた動画の積極的な活用や、全国で毎日平均約2,000名が訪れます協会けんぽ支部の窓口に個別にポスターを掲示しております。また、手稿するチラシにも既に利用勧奨文言の掲載や、事業所等への啓発チラシの配布、こういったことも可能な限りの接点を通じて周知啓発に取り組んでいこうとしております。
 また、前回発言させていただきました国の広報計画の全体像につきましても、今回お示しいただき、大変ありがとうございます。これも参考にしながら、我々も取り組んでまいりたいと考えております。
 個別の施策ではありますが、19ページから23ページにあるような個々の医療機関等での好事例の共有というのは非常に効果的だと考えておりますので、こうした面での展開も引き続きよろしくお願いできればと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がないようでございますので、本議題につきましてはこれまでとしたいと存じます。
 次に「出産費用の見える化等について」を議題といたします。それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 保険課長でございます。
 資料2に基づき、出産費用の見える化等について説明をさせていただきます。
 出産費用の見える化についての準備状況と今後の方針です。
 出産費用の見える化につきましては、妊婦の方々が費用やサービスを踏まえて適切に選択できる環境整備が必要としまして、令和4年12月にこの医療保険部会でおまとめいただきました議論の整理において大枠が示されました。それに基づきまして、具体的にどのような項目についてウェブサイトで公表していくかにつきまして研究班で整理を行った上で、昨年の9月7日にその内容につきましてこの医療保険部会で議論していただいたところでございます。
 これを受けまして、昨年から全国の分娩取扱施設に対しまして調査票を送付いたしまして、掲載する個々の分娩取扱施設の情報を収集させていただいたところでございます。おかげさまで、資料にございますが、現時点で96%の分娩取扱施設が掲載していただけるということで情報をいただいているところでございます。
 2024年の春にはこの運用を開始できますように、引き続き掲載情報の収集を進めます。残りの4%のところも含めまして収集を進めまして、ウェブサイトの開設についての準備をしていくところでございます。
 その上で、今後の方針なのですけれども、出産費用の見える化を推進、定着させたいということを考えておりまして、出産育児一時金の直接支払制度、これは被保険者に出産育児一時金をお渡しする制度において、分娩取扱施設に直接保険者からその費用をお支払いするというものです。この制度の実施要綱なのですけれども、ここに年間分娩件数が21件以上の分娩取扱施設については、直接支払制度を利用する場合には、この情報提供ウェブサイトにおいて出産費用等の情報の公表を行うことを規定することとします。情報提供ウェブサイトの運用開始前にこうした実施要綱の改正をしてはどうかと考えているところでございます。
 その上で、今後、年間分娩件数21件以上で、情報提供ウェブサイトにおける出産費用の情報公表をまだ行っていただけていない分娩取扱施設につきましては、私たち、どこが分娩取扱施設で情報をいただけていないかということは分かっておりますので、個別個別に当たらせていただきまして、また、産科医会等の御協力もいただいた上で、情報をいただけるよう対応しようと思っています。
 あわせて、この間、私たちとしては、しっかりと情報をいただくということを努力させていただいた上で、分娩取扱施設にご対応をいただけないということがもし万が一あれば、出産育児一時金の直接支払制度の利用については停止するというような形で進めていくということを考えているところでございます。これにつきましては、システム改修が必要となりますので、実際の利用停止につきましては令和7年夏を予定しているところでございます。
 説明は以上でございます。
○田辺部会長 説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら、挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンを通じてお知らせいただければ幸いです。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 出産費用の見える化については、妊婦の方々のための「情報提供ウェブサイト」の活用は極めて重要だと思っていますし、この効果検証も含めてしっかりと実施をお願いしたいと思っております。
 その上で、本件については、こども未来戦略においても、「2026年度を目途に出産費用の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等のさらなる強化について検討を進める」とされておりますので、その検討に向けて2点コメントしたいと思います。
 まず1点目は、この保険適用の導入議論を行うに当たっては、出産費用の内訳の把握はもちろんですけれども、地域差の要因も含めて費用の構造の整理、分析を行うことは不可欠だと考えております。
 それから、2点目は、昨年9月のこの部会でも申し上げましたが、保険適用に向けての議論は課題が大変たくさんあります。丁寧に議論を行う必要もありますし、相当時間がかかると考えております。様々な関係者が多様な立場、意見を反映するための検討体制が必要であり、そうした検討の場の設置をこれまでもお願いしております。そういうことも含め、今後どのように保険適用の検討を進めていくのか、その工程並びに計画等を策定の上、可能な限り早期の検討開始をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、猪口委員、よろしくお願いします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 まず、1ページの全国の分娩施設の調査で、96%がウェブサイトに掲載見込みということで非常に高いと思います。これは、分娩施設が今回のこの見える化に対して全国的によく努力をしていただけた結果だと考えております。
 ただ、下の段、年間分娩件数が21件以上の分娩取扱施設については、直接支払制度を利用する場合には情報提供ウェブサイトに情報公開を行うことという条件にしてはどうかという提案ですが、この4%の公開をしないという施設が、直接支払制度の利用条件となるという認識のない中での回答であったと思われますので、残り4%の施設に関しては丁寧に対応をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 分娩取扱施設の96%が掲載見込みということで、24年の春の運用開始に向け早期に収集をお願いしたいと思いますし、直接支払制度の見直しにつきましても賛同いたします。
 その上で、今後、26年の正常分娩の保険適用に向けて、やはり見える化の内容というものは不断に検討を続けていくべきだと思いますし、利用者等も含めて関係者の間でしっかりと前向きな議論が行われることを期待したいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、佐保参考人、よろしくお願いします。
○佐保参考人 ありがとうございます。
 私からは1点意見と1点質問をさせていただきます。
 資料を見ますと96%が掲載見込みで、あと4%のみということでございますが、昨年の通常国会で参議院厚生労働委員会の附帯決議の中で「正常分娩に要する費用が明らかになるよう必要な取組を進める」とされていることも踏まえ、全ての分娩取扱施設の情報が掲載されるよう御対応いただき、妊婦の方々が適切に医療機関等を選択できる環境整備を図るとともに、出産費用の保険適用への議論に向けて取組を進めていただきたいと思っております。
 次は1点質問でございますが、情報提供ウェブサイトは今年春開始予定とのことですが、どのような方法で広報、周知していくのかなど、具体的な対応策や今後の予定などを教えていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 ありがとうございます。
 出産費用の見える化のウェブサイトは、まさに出産を控えている方々、これから妊娠についても考えていくような世代の方々から大変関心をいただいているということを承知しています。あわせて、そうした方々が読むような雑誌などがあるということも私も承知しております。こういった媒体に関わる方々からの問合せを非常にたくさんいただいておりまして、今後、このウェブサイトがどこに掲載されるのか、これは厚生労働省のホームページとして作る予定なのですけれども、そういった情報をこれらの媒体などにも掲載をいただいて、出産を控えている方々などに広く見ていただきたいということを考えているところでございます。
○佐保参考人 ありがとうございます。
 今、山下課長のほうからお話があったとおり、今の段階では妊婦の方々に分かりやすく情報が行き届くように周知することが重要と思いますので、御対応をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
 出産費用の見える化等につきましては、妊産婦の方々が見て分かりやすい形で公表するということをぜひ第一に進めていただきたいと考えております。
 また、この方向性につきましては、公開を始めて終わりではなく、常によりよく分かりやすい、充実した形での公表がどう実現していくのかという点について、絶え間ない議論を進めていただきたいと考えております。
 直接支払制度の要綱を改正することについて、今回公表される情報の中で出産に係る費用については特に関心の高い項目であり、今後の出産に関する支援に係る議論にも資することでありますので、お示しいただいた方法での改正に賛成いたしたいと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がないようでございますので、本議題につきましてはこれまでとしたいと存じます。
 次に、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、高齢者医療課長から報告をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○安中課長 高齢者医療課長でございます。
 資料3を御覧ください。
 令和6・7年度の高齢者医療制度における保険料の改定がございましたので、御報告をさせていただきます。
 1ページを御覧いただきたいと思います。
 今回は、2年に1度の保険料改定の中で医療費の伸びに伴ういわゆる自然増に対応する部分に加えて、今年度から制度改正が行われております。その影響も踏まえた形の改定になっております。具体的には枠囲みの1行目からでございますが、昨年の全世代型の法改正を受けまして、今年度より出産育児一時金の費用の一部について後期高齢者医療制度からも支援をするという仕組みが導入されております。また、後期高齢者の負担率、いわゆる医療給付費の何%を後期高齢者の保険料で賄うかという負担率ですが、この設定方法につきまして見直しが行われまして、後期高齢者1人当たりの保険料と現役世代1人当たりの後期高齢者支援金の伸び率が同じになるような見直しが行われたところでございます。
 こうした内容も踏まえまして、保険料の改定が各広域連合で行われました結果、全国平均は以下のとおりとなっております。
 まず、令和6年度につきましては、平均の保険料額が全国で見ますと年額で8万4988円、月額で7,082円となっておりまして、前年度から7.7%の増加となっております。
 令和7年度につきましては、真ん中の絵に書いておりますようなグレーの経過措置部分の見直しの終了に伴いまして、若干保険料額が上がっておりまして、月額で7,192円、令和6年度からは1.6%の増加が見込まれております。
 全ての被保険者に御負担いただく均等割額、それから、所得の一定程度以上の方について御負担いただく所得割率につきましては、ここに記載のとおりの率となっております。
 なお、一番下に参考と書いておりますけれども、昨年の法改正時に試算でお示ししておりました令和6年度、令和7年度の保険料の見込み額と比較しますと、実際の保険料額は若干低くなっております。その背景としましては、当時、試算で使っておりました高齢者人口の伸びが実際にはそれほどでもなかったということで、後期高齢者負担率が若干下がった効果あるいは令和6年度の診療報酬改定の効果などが影響しております。
 全体像は以上でございますけれども、それぞれ所得に応じた保険料の賦課となっております。真ん中の絵にありますように、①から③までの配慮措置というのを講じております。まず、153万円以下の所得の方、全体の約6割の方につきましては、制度見直しに伴う負担増がなく、いわゆる自然増部分だけの対応となっております。また、その上の153万円から211万円の層につきましては、令和6年度につきましては制度見直しに伴う負担増がない形での保険料設定となっております。それ以上の部分につきまして、特に年間の賦課上限額につきましては80万円まで最終的に引き上げることになっておりますけれども、段階的に引き上げるということで激変緩和措置が講じられているところでございます。
 詳細につきましては下段の点線の中に記載しておりますので、御覧いただければと思います。
 以上のような制度改正の影響も今回ございますので、2ページ目にございますように、今後、保険料改定の内容について周知広報をしっかり行っていきたいと考えております。1から4までございますけれども、まず今年の6月から7月にかけまして、各広域連合から全ての被保険者の皆様に保険料額決定通知書というものが送られます。あるいは同じ時期に保険証の送付も行われます。こうした機会をつかまえまして、制度改正の背景や内容について解説したリーフレット、下の絵の左側と真ん中のところにサンプルを載せておりますけれども、こうしたものを同封してお知らせをすることを考えております。これはお一人お一人に送っていくということでございます。
 あわせて、厚生労働省のコールセンターを6月から設けまして、こうした制度へのお問合せに対応することといたしております。
 3番目としては、ホームページでも同じ内容を周知していくことを考えております。
 また、自治体の窓口等に手続でいらっしゃる方もおられるかと思いますので、右下にありますようなポスターを自治体窓口にも掲示して、制度改正の背景や内容の解説ということに御活用いただきたいと考えております。
 3ページ目以降は参考資料でございますけれども、3ページ、4ページはそれぞれ昨年の法改正の際にこの場でも御議論いただきました出産育児一時金の支援の話、それから、4ページ目は高齢者負担率の見直しについての資料でございます。
 また、5ページ目につきましては各年齢階級別の医療費や保険料の比較の表でございまして、ここで言いますと、青い棒グラフの76.9万円と書いておりますところが75歳の部分でございます。ここより右側がいわゆる後期高齢者医療制度に御加入の方の医療費ということになっております。御参照いただければと思います。
 説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、報告事項ではございますけれども、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
 では、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 全国後期高齢者医療広域連合を代表して来ていますので、幾つか意見を申し上げたいと思います。
 今も説明がございましたように、この制度は後期高齢者の方々、75歳以上の国民の皆さんの健康と医療アクセスを確保して、安心して暮らすことができるようなことを支える制度と皆さんも認識されていることと思っています。その保険料につきましては、若い世代の皆さんの支援、そして、公的な支援などを取り混ぜて、高齢者の負担比率も決められて、その範囲内で各高齢者の皆さんに負担をいただくというのが基本ベースになっています。
 加えて、今回、出産一時金あるいは保育などに関する子育てに関することの費用の一部も後期高齢者の皆さんでも負担能力に応じて負担をしていただこうという全世代型社会保障制度の考え方に基づいた対応となっているところです。
 これらについては、やはりしっかりと理解をいただく必要もあると思いますので、説明の後段で触れていただきました周知や広報ということがとても大切と思っています。広域連合の実務を担う各事務局は、全国の都道府県別にございます。広域連合ではできるだけ後期高齢者の皆さんの負担がそう過大にならないようにということを願いながらも事務作業をし、そして、現状の医療費支出を細かく分析もして、それぞれの広域連合ごとに試算を繰り返し、また、一部基金などを活用しての抑制策も取りながらやっているわけです。
 今回、この会議でこういった情報が出てきているわけですけれども、既に3月の間に広域連合では、各広域連合議会において新年度と7年度の料金等についての議決がされているところでございます。これを全部集めればランキング的な表ができますので、既にネット上では全国ランキングみたいなものとか、数字の順番とかで出ているところです。大きな関心を持って見ている方も多いと思いますし、そのことによって負担が増えるなと思う方も当然いらっしゃるかと思いますが、これは医療費が増えている以上、持続可能な制度としてこの制度が続いていくためにも必要なことですので、こういったことへの理解を求める周知広報も必要だろうと思っています。
 その上で、医療費の適正化を含め、負担ができるだけ増えない方法はどうしたらいいかとなりますと、単純に数字を少なくして、後期高齢者の皆さんの数字を減らしますよというだけではなくて、本質的に考えていくならば、やはり健康を維持し、どのように改善ができるのか。あるいは最近の例で言いますと、フレイル対策をどのようにやっていくのか。加えて、多くの方が心配している認知症の対策なども含めて、より健康で健やかな日々を、それぞれの年を重ね、高齢者となった皆さんが長寿に恵まれながら暮らすことができるものをどう支えるかということをやはりしっかりと考えていくべきだと思っています。
 そういった意味では、例えば私ども自治体、多久市でもあるいはほかの自治体でもそのための対策をされているわけですけれども、健康増進のために百歳体操というものを取り入れたり、あるいはフレイル対策にそれぞれの医師会の皆さんの協力をいただきながらされたり、いろいろなことをされているわけです。こういったことをより多くの皆さんに知っていただく必要があるかなと思っています。
 そして、全国的にも食生活改善推進員さん等がおられまして、自分の食事が、例えば血圧に響くとか、健康にもよい影響もあれば、適当にやっていると悪い影響にもなりますので、こういった啓発も必要です。「自らの健康は自ら守る」ということをやはりしっかりと意識をしていただけるように導くことと、それをしっかりとサポートしていくことがとても大切だと思っています。食事や軽い運動、そして、日常活動で体を動かすことの中での歩数を伸ばすこと、あるいは作業の負荷による筋トレ、など日常の中での運動もあります。日常活動の中で適切にこれらの実践があるならば、健康あるいは筋力の回復になるわけですから、こういったこともやはりより啓発すべきだと思っています。
 最近のテレビや報道等を見てみますと、こういった健康に関する番組がどんどん増えてきていますし、そういったことを解説するコーナーもどんどん増えてきています。多くの方が関心を持っていらっしゃると思いますので、ぜひこういったものも受けながら、厚生労働省、政府におかれましては、説明の最後に担当の高齢者医療課長からも触れていただいたように、健康を大切にして、そのことが健やかで自分らしい暮らしのできる、生活の質をちゃんと確保できながら生活できる、年配になってからの暮らしということを確保できますよということを、厳しい厳しいコロナ禍を経ただけにこそ、健康の価値、意義ということを多くの方が痛感されていますので、ぜひここでより充実した周知や広報に努めていただきますよう、ぜひお願いしたいと思っているところです。よろしくお願いいたします。
 以上です。○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 後期高齢者の保険料改定について御報告いただきましたが、今般の制度改正は世代間の負担のアンバランス是正のために実施されたと理解しております。
後期高齢者の医療給付費については約5割は公費、また、約4割は現役世代の拠出金で賄われているというのが現実でございます。今回、この資料の5ページにグラフを示していただいておりますけれども、保険料はこのグラフの緑色の部分だけでございます。そういう面で、やはり保険料改定に際しても、保険料の変更だけに焦点を当てるのではなくて、負担の全体像についてもきちんと示していただいて、国民の理解を深めるような形での対応をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 今の佐野委員の御発言のとおり、私ども保険者としては全く同感でございまして、ぜひこの保険料負担に関する全体像、そうしたことについて丁寧に周知、広報に努めていただきたいと念じておりますので、よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御意見等がなければ、本日はこれまでとしたいと存じます。
 次回の開催日については、追って事務局より御連絡申し上げます。
 本日は、御多忙の折、御参加いただきありがとうございました。また、円滑な議事の進行に御協力いただきまして、ありがとうございました。
 これで散会いたします。