2024年2月7日 第15回政策評価に関する有識者会議 労働WG 議事録

日時

令和6年2月7日(金)10:00~12:06

場所

厚生労働省専用第15会議室

出席者

玄田座長、新田委員代理阿部様、皆川委員、村上委員

議事

議事内容
第15回政策評価に関する有識者会議労働WG
  • 開催日時:令和6年2月7日(水) 10:00~12:06
  • 開催場所:厚生労働省専用第15会議室
  • 出席者:玄田座長、新田委員代理阿部様、皆川委員、村上委員
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 では少し早いですけれども、皆様おそろいですので始めさせていただきたいと思います。ただいまから「第15回政策評価に関する有識者会議労働WG」を開催いたします。政策評価の担当をしております浅沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におきましては、お忙しい中お集まりいただき、感謝申し上げます。本日、松浦委員並びに岩佐委員におかれましては、御都合がつかず会議を御欠席となりました。また、新田委員におかれましても御都合がつかず、代理として日本経済団体連合会労働政策本部上席主幹の阿部様に御参加いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、人事異動により昨年7月に政策立案総括審議官として青山が、9月に調査分析・評価担当参事官として三村が着任しております。会議に先立ちまして、審議官の青山から御挨拶申し上げます。
○政策立案総括審議官
 青山でございます。今日は委員の皆様、大変お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。日頃から厚生労働行政への御理解、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。お疲れさまです。
 御案内のとおり、政策評価につきましては、その目的は、評価結果を政策へ適切に反映して、効率的で質の良い高い行政を実現させること。また、評価結果を公表することにより、国民に対する説明責任を果すことでございます。
 折しもエビデンスに基づく政策立案(EBPM)が非常に重要で、今、本当に政府全体で取り組んでおりまして、内閣官房のほうから、いろいろな話が来ます。厚生労働省における政策評価につきましても、昨年度からロジックモデルの作成を導入するなど、政策の進捗状況を正しく知り、状況変化に応じた政策の見直し・改善につなげていくための取組を進めてまいりました。皆様にはその過程でも大変御指導いただきありがとうございました。
 政策評価は行政の自己評価ということではありますけれども、その客観性・公平性を担保しながらPDCAサイクルを回していくためには、有識者の皆様の知見を頂き、生かしていくことが非常に重要だと考えております。
 今日の会議は、第5期基本計画にて設定されている施策目標のうち、令和7年、来年の夏に事後評価を行うこととなっているものの事前分析について、目標設定の妥当性を中心に幅広い観点から、関係部局も来ておりますので、委員の皆様から御助言を頂きたいと思っております。どうぞ忌憚のない御審議をよろしくお願いいたします。本日はよろしくお願いいたします。以上です。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 よろしくお願いいたします。本日の会議では、事前に御案内したとおりペーパーレスとしてタブレットでの会議とさせていただきます。資料となるファイルは、タブレット内のファイルとある青いアイコンの中に格納されております。下にスクロールすると次のページに、横にスクロールすると次の資料にまいります。
 それではこの後の議事進行については、座長の玄田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○玄田座長
 それではどうぞよろしくお願いいたします。本日は議事次第にありますとおり、「令和6年度実施施策に関する政策評価の事前分析表(案)」を中心に委員の皆様に御議論いただきます。
 それでは、本日の議論の進め方について事務局より御説明をお願いいたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 議事の進め方について御説明いたします。お手元の議事次第を御覧ください。本日は令和6年度事前分析表のうち、令和7年度に実績評価を行うもの、つまり令和7年の夏に開催する本WGにおいて評価書を御議論いただく施策目標について御意見を頂きたいと考えております。
 具体的には、議事次第に記載されている5つの施策目標について御議論いただきます。テーマによって多少時間が異なっていくかもしれないのですが、まず、担当課より5分程度で説明を行い、その後、15分程度で御議論いただくという形で進めていただきたいと思います。説明を終えた課は随時退出いたします。
 なお、会議資料の「概要(事前分析表(案)のポイント)」の中に、事前分析表の確認すべき主な事項をまとめておりますので、こちらも適宜参考にしていただいた上で、委員の皆様から御意見を頂ければ幸いです。
 また、本日は都合により議事次第2の(1)と(2)の順序を入れ替えて、(2)の施策番号Ⅳ-1-1を先に、次に(1)の施策番号Ⅲ-3-2の順に進めていきたいと思います。また、御欠席の岩佐委員及び松浦委員よりコメントを預かっていますので、御出席の皆様に御指摘等を頂いた上で、時間があったら事務局より代読させていただきたいと考えております。事務局からは以上です。
○玄田座長
 御説明ありがとうございました。何か事前に確認しておくべきことはありますか。よろしいですか。それではよろしくお願いいたします。では1つ目のテーマ、「施策番号Ⅳ-1-1 女性の活躍推進や男女労働者の均等な機会と待遇の確保対策、ハラスメント対策、仕事と家庭の両立支援策等を推進すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。
○雇用環境・均等局総務課長
 雇用環境・均等局総務課長をやっております牛島と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。隣に座っておりますのが在宅労働課長の原田でございます。テレワーク、フリーランス関係、こちらの担当です。
 それでは私から、恐縮ですが座って御説明いたします。お手元の概要、ポイントと書いてある資料があるかと思います。施策目標Ⅳ-1-1です。
 表紙をめくりますと、1枚紙の全体概要があるかと思います。こちらで御説明いたします。施策目標は非常に広範になっている女性活躍、ハラスメント、仕事と家庭の両立支援、又は多様な働き方といったところが盛り込まれております。1つずつ申し上げますと、女性活躍推進の関係、現状のところにありますが、行政の相談件数等については、ここにある数のとおりとなっております。
 一方、3つ目のポツにあるとおり、社会全体の状況につきましては、女性就業率、また女性の出産後の就業継続、こういったものは着実に上がっているという状況になっております。また、企業の課長相当職に占める女性割合も傾向的には上昇という形になっておりますが、右側のワーク・ライフ・バランスの状態も含めて、いろいろな課題が存在しているというところ、1つはパワハラ・セクハラ、こういったところが引き続きいろいろな問題として顕在化しております。
 また、就業率は上がっているとはいえ、「M字カーブ」の解消というのはまだ道半ば、加えて最近では「L字カーブ」というところの問題も指摘されていると。また、女性管理職割合、こちらも国際的に見れば低調であるというところがありまして、達成目標としては、まずは男女雇用機会均等法の履行確保。こういったものを通じて、女性が活躍できる環境を整備していきたいという考えでおります。測定指標についてはここにある5つの指標、又は6、7、8にある参考指標3つという形で事前分析表の中に盛り込んでいるというのが事務局の案になっております。
 2つ目、仕事と生活の両立に関する状況。こちらも皆様、御案内のところもありますが、一定程度の進展は見られていると思っております。一方で、女性の労働力率と潜在的労働力率の差というものは、引き続き大きく存在している、縮まっているとはいえ、存在をしているという点。また、その大きな理由として、育児、子育て、こういったところが非常に大きなウェイトを占めているというところ、また、その背景にありますが、育休取得率、男女間の差が大きくなっていると、男性も実は育児休業を取りたかったという人が多く存在しているという、そういったところが背景にあります。私どもとしては、まずは女性が二者択一を迫られる状況も存在している。その背景にあることとして、男性がなかなか育児・家事に参加しづらい環境にあるというところを分析として考えております。そういったところをクリアにするために私どもとして事務局の案では、男性育休取得率等の指標を2つ業績目標の指標として掲げ、また参考指標として「くるみん」取得企業数といったところと、あともう1つ挙げているというところが仕事と生活の両立支援の関係になります。
 3つ目、柔軟な働き方のところです。こちらについては自営型テレワーカー、あとフリーランス、こういったところの新しい働き方の拡大というところの前提において、こういった新しい働き方でのトラブル、問題というものをいかにクリアしていくのか、消していくのかというところに注力していくべきという考えでおります。達成目標としては自営型テレワーク又はフリーランスも然りですが、安心して働ける、若しくは良好な就業形態というところを達成目標として掲げておりまして、指標としては恐縮ですが、番号が左と右で1つずつかぶっておりますが、指標でいくと12、13、14、15、正確には13からという形になりますが、ここにあるような各種セミナーの内容に関する業務指標というところを念頭に指標設定しているという内容になっております。非常に短時間で恐縮ですが、事務局の冒頭の説明は以上となります。是非、いろいろな御示唆等を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
○玄田座長
 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問などお願いします。皆川さん、いかがですか。
○皆川委員
 それでは、今、御説明いただいたテレワークの所で1点お伺いしたいのです。現在、自営型テレワークガイドライン周知セミナー、自営型テレワークに関するアクセス、再就職へのアクセス支援という形で、主に自営型テレワークを念頭にというか、対象とされた施策となっていますが、最近、フリーランスという形で広がりをもって割と捉えられる働き方も認識されているかと思うのですが、これが自営型テレワークのところに絞られているのは、何か理由とかそういうことはおありでしょうか。
○玄田座長
 御回答をお願いします。
○雇用環境・均等局在宅労働課長
 在宅労働課長の原田です。お答え申し上げます。自営型テレワークにつきましては、従来から、注文者の委託を受けて、通信機器を活用して自宅等で作業を行う方々について、就業環境の整備等に関しての相談ですとかセミナー等を実施するという施策で実施してきております。御案内のように、近年、自営型テレワークと呼ばれる方々も含めたフリーランスという形での働き方が広がってきていることがありまして、昨年、法律を制定したということもありますので、それらを含めて、フリーランスの施策全体の中で、自営型テレワークも含めた施策について、今後、見直し等も含めて考えていくということだと思っております。
○玄田座長
 皆川さん、いかがですか。
○皆川委員
 ありがとうございます。確かに、自営型テレワークについては、働き方改革の推進の頃から、1つモデルと言いますか、フリーランスの働き方の1つの在り方として焦点が当たってきたところだと思いますので、ここで自営型テレワークのガイドライン等に焦点を絞って目標を立てられるということは、1つあり得るかと思うのですが、今、御案内のありましたフリーランス新法はまだ施行されていませんので、ちょっとフリーランス全般に広げるのは目標設定としてはまだ早いのかという感じもするのです。今後、フリーランス全般というのですか、それを念頭に置いて、例えば、厚生労働省の管轄ですと、ハラスメントへの対応とか、受託の、委託する事業主の対応とか、育児・介護への配慮といったところの何か目標も、どういった施策を推し進めていくかという目標も、今後、御検討いただければと思います。ありがとうございました。
○玄田座長
 村上さん、どうぞ。
○村上委員
 4点ほどありますので、続けて御意見申し上げます。1点目は、達成目標1についてです。課題として、パワハラ・セクハラについても社会問題として顕在化しているとありますし、実際、パワハラに関する労働局での相談件数も5万件を超えていると承知しております。測定指標1の是正割合については、均等法のみとなっていますが、均等法だけではなくて、労働施策総合推進法や育児・介護休業法のハラスメントに関する内容も入れることを検討してはどうかというのが、1点目の意見です。
 続いて、測定指標3に「女性の活躍推進企業データベース」への年間アクセス件数があります。アクセス件数というのは、女性の活躍のための環境整備と無関係とは思いませんが、もう少し中身を見ていくことも必要ではないかと思います。例えば、男女の賃金の差異についても、企業の取組状況の公表が義務付けられましたので、どのように取り組んでいるのかについても、指標として追加することも検討いただけないかと思っております。その際、賃金の差異については、公表した後で、各社が現状をどのように分析して、どんな課題があって、どうやって是正していくのかということが重要です。厚生労働省として任意の説明欄の活用を推奨されておりますが、説明欄を活用している割合を指標とすることも考えられるのではないかと思います。
 次に、達成目標2です。長時間労働を前提とした働き方の見直しについてです。課題として、女性が仕事と子育て・介護などの二者択一を迫られる状況が存在すると書かれております。その観点から、男性の育児休業の取得を目標に掲げることも重要だと思いますが、共働き、共育てという観点からは、育休だけではなく、男性が日常的に家事、育児をどの程度分担しているのかも重要であると思います。日本の男性の無償労働の時間数が圧倒的に低いということは国際的に見ても言われております。そうした要因が男性の長時間労働にあるとすれば、過労死防止大綱などでも、週労働時間60時間以上の雇用者の割合も目標になっておりますので、そういったことも参考に、何か数値を指標に追加することも考えられるのではないかと思います。
 最後に、達成目標3の、先ほども発言のありました自営型テレワークです。フリーランス・トラブルの110番に対する満足度を指標として設定するということは大事なことだと思いますが、相談件数も増加傾向にあるということであれば、参考指標に相談件数も入れてはどうかと考えます。以上です。
○玄田座長
 ありがとうございます。では4点、1つずつお答えいただければと思います。
○雇用環境・均等局総務課長
 よろしくお願いします。4点のうち3点、私からお答え申し上げます。1つ目がハラスメント関係の達成指標を入れてはどうかという御指摘だったかと理解しました。もう釈迦に説法で恐縮です。達成指標1の均等法の部分には、当然のことながら、セクハラの件数も入っているので、一部ちょっと包含をしているような形にはなっております。ずっとこちらでこれまでやってきたところがありますので、どうしてもこのままの継続ということを私ども念頭に置きましたが、確かに委員の御指摘のとおり、ハラスメント、令和4年度からのパワハラが全企業規模で防止措置義務化されておることもありますので、こちらについては、今日の御指摘を踏まえて、どのような指標が設けられるのかというところはありますが、少しここは検討させていただきたいと思います。
 2つ目の、女活データベースの所に絡めてですが、男女の賃金差異の関係の指標を設けてはどうかということが御指摘としてあったかと思います。こちらも、男女賃金差異をストレートに数値目標に設定するのは、なかなか困難な部分があるかと思っております。先般の雇均分科会において、開示義務の実施状況について状況の報告を申し上げたところでして、その報告の内容を、もう少しブレイクダウンして少し分析をしていくべきではないかという御示唆等も頂いているところです。現状において、説明欄の活用の数自体を実際問題把握できていないところもありますので、御示唆については受け止めつつ、こちらについては、現時点でストレートに設定することまでは、なかなか難しいところは御理解を頂けないかというところです。
 3つ目の点、男性の育休取得率だけではなくて、長時間労働の状況についても数値目標を設定すべきではないかという御指摘だったかと思います。こちらについては、委員が言われることについては、至極ごもっともというところもございますし、男女の育児、家事の分担責任をどのように均していくのかは非常に重要な観点かと思います。ただ、こちらも、いろいろな家庭での家事分担を夫婦間、パートナー間でどのように分担するかについての、その時間自体を設定するというのは、これはライフスタイルにも関わる問題なので、なかなか難しい部分はあろうかと思います。
 一方で、御提案がありました週60時間の労働時間、言わば長時間労働全般についての目標ということになりますと、ほかの。
○玄田座長
 ちょっと、簡潔ぎみにお願いします。
○雇用環境・均等局総務課長
 恐縮です。ほかの行政分野、言わば長時間労働の是正をストレートに掲げている事前分析表がありまして、そこでは、週60時間労働者の割合を一定以下にするというところがありますので、そういったところも併せ見ながら、進捗管理を私どもとしてはできればと思っております。ちょっと長くなりまして申し訳ございませんでした。
○玄田座長
 では、4番目の点について。
○雇用環境・均等局在宅労働課長
 達成目標3-15の、フリーランス・トラブル110番の参考欄に相談件数を加えてはどうかという御指摘を頂きました。御指摘のとおり対応させていただきたいと考えております。
○玄田座長
 それでは、阿部さん、いかがでしょうか。
○新田委員代理阿部様
 経団連の阿部です。本日、新田の代理で参加させていただいております。どうぞよろしくお願いします。私から、達成目標2について、2点、お願いと提案です。まず、男性の育児休業取得率についてです。目標を見ますと、令和7年度までに毎年10ポイント以上引き上げていくとされております。この実現には、人材不足に苦慮している中小企業への支援が不可欠です。その達成手段を見ると、令和6年度に両立支援等の助成金による支援等が拡充されることになっております。こうした施策を活用しながら、企業としても、男性の育児休業取得に取り組んでいく必要がありますが、一方で、育休取得者の急激な増加が周囲の社員の負担増や企業の生産性の抑制につながることがあってはいけないと思っておりますので、こうした点に十分配慮した丁寧な政策運営をお願いしたいと思います。
 2点目について、達成目標2には、仕事と育児・介護の両立ということで、介護の問題についても含んでおりますが、測定指標を見ますと、介護に関するものが設定されておりません。今後、介護の問題も重要になってきますので、介護に関する測定指標の設定を検討しても良いのではないかと考えております。
○玄田座長
 1点目は御要望だと思いますが、2点目の介護指標の測定については、検討状況等はいかがでしょうか。
○雇用環境・均等局総務課長
 介護の関係につきましては、介護の状況は非常に多種多様ですので、介護休業の取得自体を目標と設定するのはなかなか難しいところがあります。一方で、介護の目標を掲げていながら何の指標もないということについては、そこはちょっと受け止めさせていただいて、どういう指標が設定できるのかも現時点においては持ち合わせていないところではありますが、検討させていただきたいと思います。
○玄田座長
 どうぞ、阿部様。
○新田委員代理阿部様
 ありがとうございます。労働者は、自分が介護に直面して初めてどうしようかと考えるため、介護保険制度やその利用方法について、労働者の認知や理解が進んでいない、浸透していないという指摘もございます。例えばですが、厚生労働省として、介護保険や育介法による両立支援制度の周知に取り組んでいただいて、その認知度を確認するといったこともあるのではないかと考えております。
○玄田座長
 是非、御検討ください。ちょっと時間があれなので。
○雇用環境・均等局総務課長
 ありがとうございます。定期的に取れるかという視点もちょっとありますので、そこも含めて。
○玄田座長
 御検討ください。それでは、大分時間も押してまいりましたので、本施策目標につきまして、岩佐委員及び松浦委員からもコメントをお預かりしていますので、事務局より代読をお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 では、私から代読させていただきます。まず、岩佐委員から、課題1及び達成目標1に関して、「こちらの達成目標1との関係で、指標1の是正割合というのが最初にくるのは違和感があります。指標としては大き過ぎるかもしれませんが、基本は指標4と指標5の25~44歳の女性就業率、それから民間企業の課長相当職に占める女性割合を前に持ってきて指標1とすべきなのではないか」という御意見がありました。また、同じく達成目標1と課題1に関して、松浦委員からのコメントとして、「測定指標の2、「常用労働者数300人以下の事業主の一般事業主行動計画策定届出件数」については、届出が義務である101人以上と、努力義務である100人以下で意味合いが異なるので、区分してみる必要があるのではないか」という御意見を頂きました。
 次に、課題2及び達成目標2に移ります。岩佐委員から、まず1つ目、「育児について、男性の育児休業取得率をアウトカムにするのは適切と思います。育児のために仕事を離れる例が一定数あり、それが女性に偏在しているのではないかと思いますが、アウトカムとして、男性の育児休業取得率を上げることで、女性の離職が少しは減少するということが期待できるように思います。また、特に女性に対するハラスメント(パワハラ、セクハラ等)に対してしっかり対応することが被害の救済のほか、啓蒙的な効果があると思いますので、参考指標7及び8として数字を明確に出しているので、とても有り難いと考えている。この指標は、本来減少するのが望ましいと考えるべきかもしれませんが、現在表面化しているのは圧倒的に氷山の一角と思われるので、むしろ、しばらくは増加していくべき数値と思います」とのコメントを頂きました。
 また、介護との両立についても、少し阿部上席主幹から頂いたコメントと重複するかもしれませんがコメントを頂いております。「介護との両立については、測定指標が設けられていませんので、何らかの指標を設定する必要があると思います。育児休業とは異なり、そもそも介護休業の取得数が非常に少なく、その中で男性の取得率が女性と比較すると少ないという状況なので、介護休業の取得数そのものを増やすことを指標とするべきであるように思います。ただ、育児休業と違い、介護休業を取得する者の年齢は一定上の層になり、40~50代などですので、介護休業を取ることがそもそも困難である。例えば、管理職のポストが少ない中で、人減らしの対象になりやすい年齢であるといった指摘もありまして、育児休業とは違う配慮が必要なのかもしれない。ただ、私としましては、本来、育児も介護も、家族だけが抱えるのではなく、仕事を一定制限し、社会的な資源を利用して対応すべきなので、意識の変革も含め、介護休業を取りやすくする、実数を増やしていくことが必要と今のところ思っております」というコメントを頂きました。
 また最後に、自営型テレワークについてコメントを頂きました。「自営型テレワークについて、ガイドライン等の支援する仕組みがあることを周知するということが重要と考えますので、アクセス数やe-ラーニングの受講数そのものを増加させていくことが重要と思いました。なお、今回、御指摘のWEBページ、「Home Worker's Web」の存在を初めて知りました。弁護士会や司法書士会、行政書士会にもこのようなページがあることを広報することで、私ども専門職もきめ細やかな行政の対応や指標、若しくはガイドラインを知ることができ、トラブルに巻き込まれている人の救済につながる面があるのではないかと思いました」とのコメントを頂きました。私からの代読は以上です。
○玄田座長
 既に御指摘の点もありましたので、もし何か追加でお答えがあれば。企業、従業員規模の更なる区分ですとか、測定指標の優先度を変えたほうがいいのではないかですとか、ありましたら。
○雇用環境・均等局総務課長
 一つ一つ、ちょっと時間がないかと思いますので、全体的に受け止めさせていただきまして、どういった指標が設定できるのか、先ほど申し上げました、定期的に把握できるものが設定できるのかという点も含めて検討したいと考えております。
○玄田座長
 ありがとうございます。いかがですか。
○雇用環境・均等局在宅労働課長
 自営型テレワークの中でも、e-ラーニング等について、更に周知を図るべきという御指摘を頂きました。今のところは、周知広報につきましては、労働局ですとか各都道府県等にも周知の御協力を頂いているところですが、引き続き、効果的な手法について検討してまいりたいと考えております。以上です。
○玄田座長
 ありがとうございました。1点、達成目標3の関係です。自営型テレワークに注目するということで、自営型テレワーク固有の様々なトラブルがどの程度発生しているかによって相談の内容とか件数も違ってくる可能性があるので、トラブルに関わる発生状況とか、その内容なども、測定指標や参考指標として検討する余地もあるのではないかと思いました。こちらはもう御回答結構ですので、持ち帰って御検討いただければと思います。ほかによろしいでしょうか。では、担当課におかれましては、本日の御意見、御議論などを踏まえて、事前分析表への反映をお願いいたします。ありがとうございました。それでは、次のテーマに移りたいと思いますので、御準備をお願いいたします。
 続きまして、「施策番号Ⅲ-3-2 被災労働者等の社会復帰促進・援護等を図ること」につきまして、担当課から5分程度で説明をお願いいたします。
○労災管理課長
 労災管理課長の松永です。よろしくお願いいたします。
 施策目標Ⅲ-3-2ということで、1番小さな目標が「被災労働者等の社会復帰促進・援護等を図ること」となっております。その1つ上の大目標3の後段部分、社会復帰の促進等を図ることに着目したものです。これは労災保険事業の一部が評価対象となっておりまして、全体像は御案内したかと思いますが、概要の資料の3枚目、「社会復帰促進等事業の概要」を御覧いただければと思います。労災保険の本体事業は、御案内のとおり保険給付ですが、その附帯事業の中で、社会復帰促進等事業を実施しております。
 その柱は大きく3つありまして、そのうちの2つ、社会復帰促進事業と被災労働者等援護事業というのが、今回のこの政策評価の対象となります。3つ目の安全衛生等確保等事業については、別の所で評価を行うことになります。社会復帰促進事業の主な事業は、アフターケアの実施とありますが、これは被災労働者の方が、治ゆ、症状が固定した後の再発、後遺障害に伴う新たな病気の発症を防ぐために、特定の疾病や障害が残る方を対象に、定期的な診察、保健指導、検査等のアフターケアを実施するというものです。また、義肢や車椅子の購入費用の助成をしたり、後で出てきますが、独立行政法人で医療リハビリテーションセンターを設置しまして、そちらで被災労働者の職場等への復帰支援を行っております。
 2つ目の被災労働者等援護事業では、重度の被災労働者のための介護施設、「ケアプラザ」と呼んでおりますが、こちらを設け、重度の被災労働者に必要な施設介護サービスを提供するといったこと、あと労災によって亡くなったり、重度の障害が残ったり、あるいは長期療養が必要となった労働者の御子息の就学費の援助、これも後で出てきますが、労災認定が出るまで時間がかかる場合もありますので、労災保険の指定医療機関に対して、その間の労災診療費を病院に貸し付ける、立替払いをするような事業を実施しています。
 概要資料の2ページ目に戻っていただきまして、今回これらの事業の施策の目標についてです。左下に書いてありますが、まず社会復帰促進の観点では、1つは医学的に職場・自宅復帰可能である医療リハビリテーションセンターの退院患者の割合。2つ目がアフターケアの健康管理手帳の交付申請、それから通院費の請求から決定までに要する期間が1か月以内であったものの割合。参考指標としては、この医療リハビリテーションセンターと職業リハビリテーションセンターとの職業評価会議の実施件数といったものを目標として設定しております。
 右側の援護の事業ですが、こちらはケアプラザの入居者アンケートで、介護サービスが有用であった旨の回答をした入居者の割合。労災の就学等援護経費の申請から決定までに要する期間が1か月以内であったものの割合。労災保険指定医療機関の数。参考指標としては毎月10日までに受け付けた指定医療機関からの貸付の請求について、当月中に支払いを行うものの割合というのも目標として設定をしております。いずれもそれぞれの事業の中で予算額が多いものから、指標を選定しているということになります。
 これらの取組のこれまでの実施状況につきましては、エクセルのほうでまとめている事前分析表を御覧いただければと思います。こちらの2ページ目になりますが、まず社会復帰促進に関しましては、まず医学的に職場復帰。
○玄田座長
 すみません、少し簡潔ぎみにお願いします。
○労災管理課長
 あと結果だけです。1つ目の退院割合については目標80%としておりまして、令和2年度以降は90%の実績となっております。なお、この指標に関して前回とか今回の事前レクでも岩佐委員から御指摘いただいたのですが、医学的判断で復帰可能な患者数というのを、本来、治療を継続すべき患者を退院させるというようなことにならないのかという御指摘を頂いていたのですが、これは本来、継続が必要な方については、分母で計上しないような形で判断することになりますので、そういった懸念はないかなと思っております。また、患者に対しても満足度調査を実施しておりまして、患者の満足度向上に向けた取組も行っております。それから、アフターケアの健康管理手帳については目標80%で、令和2年度以降も達成しております。
 3ページの真ん中のほうになりますが、援護の事業であります。特別介護施設の入居者アンケートについては、回答者割合90%以上としておりまして、令和2年度以降、目標を達成しております。それから、就学援護費の支給決定期間1か月以内についても、80%以上という目標に対して、目標を達成しています。指定医療機関数についても、毎年300件以上ということを目標としておりまして、令和2年度以降達成しているという状況です。来年度も社会復帰の促進・援護が円滑に図れるようにしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○玄田座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等お願いいたします。
○皆川委員
 委員の皆川です。御説明ありがとうございました。私から大きく2点、御質問も兼ねてお話させていただきます。
 まず1点目、達成目標1のほうですが、医学的に職場・自宅復帰可能である退院患者の割合ということですが、私はこの分野はそれほど明るくないのですが、職場に復帰可能と自宅に復帰可能とでは、やはり程度の差があるのではないかと、素人ながらに考えるのですが、その辺りのところ、細かい指標というのは考えられないかということです。それが1点目です。
 2点目は、達成目標2のほうで、6の労災保険指定医療機関数の数値目標を挙げていただいています。恐らくですけれども、例えば新しく病院を開院されるとか、そういったところに指定していくということで、増える大きな要因ではないかと思うのですが、全国的なバランスというか、人口あたりのとか、その辺りのところ、数が増えることは望ましいと思うのです。例えば都会だけ増えて、人口の多い所だけ増えて、地方はということだと、若干バランスとして問題があるかなと思いましたので、その辺のところは参考指標でも構いませんので、何か地域的なバランスとしているものを、もし可能でしたら御検討いただきたいと思います。以上2点です。
○玄田座長
 お願いいたします。
○労災管理課長
 ありがとうございます。1点目の医療リハビリテーションの職場か自宅かというところについては、それはそれぞれデータも取れますので、そういったところも見ながら、自宅になっても、最近は在宅労働とか、そういった形での復帰もあると思いますので、そういうところも前向きに評価して、そのような方を増やしていくというようなことはやっていきたいと思います。
 あと指定医療機関数ですが、御覧のとおり、小さいクリニックとかになりますと、必ず労災患者がどの程度の頻度で来るかによって、指定医療機関になるまでの手続をするかどうかというようなところもあって、なかなか進まないところもありますが、地域的な部分とか、そういったところなど、どのくらいデータが取れるかどうかということも確認させていただきたいと思いますが。そこは満遍なく、不自由なく利用していただけるような取組になっているかどうかも、どれだけ把握できるかは確認しながらやっていきたいと思います。
○皆川委員
 可能な範囲で、よろしくお願いします。
○玄田座長
 よろしいですか。では、村上さんよろしくお願いします。
○村上委員
 ありがとうございます。達成目標1の測定指標1についてです。復帰可能状態になる患者さんの割合を増やす必要があるということですが、ここ数年、目標は80%で設定されています。一方で、その目標値を10ポイント以上超えている実績を踏まえますと、もう少しアウトカム目標を高く設定することも考えられるのではないかと考えます。それがなかなか難しい、あるいはそういう判断をしていませんという理由として、職員のモチベーション低下につながる懸念であるとか、入院患者を選別することにつながる恐れがあると記載があります。意図的な選別の部分については、こうした施設でも国の責任のようなことを懸念しなくてはならないのかということには、やや疑問があり、この点について教えていただければと思います。
○玄田座長
 御回答をお願いします。
○労災管理課長
 御指摘、ありがとうございます。前回も御指摘いただいたようなのですが、目標を高くするようなことで、何か患者さんの選別につながるとか、そういったことはないようです。現場としては当然の取組だと思いますので、そういったことはないかと思います。目標、御指摘も頂きましたけれども、もう少し高くしたほうがいいのではないかというようなこともありまして、その辺は上げ過ぎることによる不整合みたいなところも、どのぐらいあるかというようなことも考えてみたいと思います。御指摘のあったことは受け止めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○玄田座長
 この件に限りませんが、この評価の中で、目標が恒常的に上回っているものについては、果たして目標自体が妥当かということと、既に上回っているのだけれども、やはり目標を設定するということは、やはり分かりやすい理由がないと、なぜこの目標のままなのかということが伝わりにくいので、もし80%を維持するのであれば、それはなるほど、そういう理由があって、例えばリハビリされる方の負担が大きくなるとか、ちょっと明確な理由を御検討いただければと思います。ありがとうございました。
○労災管理課長
 ありがとうございました。すみません。御指摘、受け止めさせていただきたいと思います。
○玄田座長
 では、阿部さんどうぞ。
○新田委員代理阿部様
 ありがとうございます。達成目標1の測定指標2なのですが、令和4年度は実績値もきれいに80%となっておりまして、通常実績となると、数値にばらつきがあるのですが、このような数字になっている要因を教えていただければと思います。確かに令和4年度は右に数字がありまして、3,224分の2,580とすると80.0になりますので、令和4年はそのとおりなのですが、3年連続でということの要因があれば教えていただければと思います。あと残りの20%、一定数を超えるものについて、どういった理由で一定数を超えることになったのかという主要な理由を教えていただきたいと思います。以上、2点お願いします。
○玄田座長
 お願いします。
○補償課長
 ありがとうございます。1点目の80の数字なのですが、これは計算してくると、80以下の所の数字がありまして、ばらつきが少し小さかったということで、きれいな80ではないのですが、一応80を維持しているという数字の80です。
 それから、おっしゃっていただきました残りの20%、一体何がこの期間内にできなかったのか。大きな要素といたしましては、請求書そのものの不備とかがあった場合に、どうしても受付からカウントすると、郵送のやり取りだとか、そういうものが一定あります。それに対する対応といたしましては、やはり窓口で書き方の丁寧な指導、これは行政としてあるべき姿として丁寧な書き方指導だとか、あるいはモデルだとか、こう書くんだよという、そういうのも一応用意はさせていただいているのですが、より一層、そういうもので分かりやすく間違いのないような記載を目指したいというようには考えております。
○新田委員代理阿部様
 80という数字、概数ということで承知しました。もし正確な数字が分かれば、ほかの所も、コンマパーセントの数字まで出していますので、同じような扱いにしていただければと思います。
○玄田座長
 御検討いただければと思います。
○補償課長
 承知いたしました。
○玄田座長
 それでは1点、達成目標1の測定指標なのですが、資料には社会復帰促進事業の主な事業に、義肢・車椅子等の購入費用等の支給という項目もあるようなのですが、こちらについても何らかの測定指標を設定する必要はありませんでしょうか。そちらについてはいかがでしょうか。
○補償課長
 順位として予算の大きいものからということで選ばせていただいておりまして、今後、何を指標とするかというのは、当然不断に検討しなければいけないことなので、受け止めさせていただいて、検討させていただきます。
○玄田座長
 検討項目の1つということでお考えいただければと思います。
 それでは、本施策目標につきまして岩佐委員からコメントをお預かりしておりますので、事務局に代読をお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 既に一番初めの事務局、原課から御説明いただいた点もあるのですが、ひとまずコメントを代読させていただきます。
 まず課題1、達成目標1で、3点です。
 1つ目、「達成目標1を検討する上で、測定指標を指標とすることに違和感があります。必要な当事者にアフターケア手帳が迅速に行き渡り、かつ一定満足のいくリハビリ等の支援を受けることができているかという点を、数値化して検討することは難しいでしょうか」。
 2点目として、「測定指標1は、本来治療を継続すべき人が退院した場合も、肯定的な評価になってしまう危険性はないでしょうか。リハビリが可能な限り、社会内で行われるべきとは思いますが、この数値だけが一人歩きしての目標となってしまう危険はないでしょうか」。
 それから3点目として、「測定指標2を基本指標とすることは理解できますが、1か月の標準処理期間内に処理できないものの理由をどのように分析し、どのように対応しているのかについて、具体的に言及いただけると有り難いです」。
 次に、課題2と達成目標2につきまして、「受給対象者に対しアンケートを取り、その満足度を確認すること自体は重要と思います。ただ、毎年93%以上の人が満足しているのであれば、大まかに目標は達成されているのであり、むしろ、「不満」といった回答にはどのようなものがあるのか。そのうち対応を改善する上で必要と考えられる指摘を分析するという作業が有益のように考えますが、いかがでしょうか」。これは指標4のケアプラザの関係です。以上の点について御指摘、コメントを頂いております。
○玄田座長
 御回答あればお願いします。
○補償課長
 頂きましたうち、3つ目といいますか、1か月での処理。これは先ほど御説明したものでよろしいでしょうか。
○玄田座長
 そうですね。先ほどの請求書等々の具体的な説明がということでしたので承りました。
○補償課長
 あと1つ目の測定指標のアフターケアで手帳が迅速に行きわたって、かつその満足なリハビリうんぬんというところには、若干、指標の整理のところで御説明がいるのかなと。アフターケアとリハビリは少し施策も違いますので、個別に考えるべきかなと考えております。
○玄田座長
 大事なところですね。分かりやすい御説明を頂けるように御検討ください。
○労災管理課長
 あと、医療リハビリテーションで、本来、治療を継続すべき人が退院した場合は、肯定的な評価にならないのかという御懸念のところについては、先ほど申し上げたように、医学的な判断として退院可能な人を計上していくというような形になりますので、その御懸念とかはありませんし、その判断に当たっても複数の担当者で見ていくということなので、数値目標のために一人歩きするということはないような運用をしていきたいと思います。
 あと、ケアプラザの事業の関係で、満足度調査で、満足な人のほうではなくて、不満のほうの声に対する対応といったところの分析、これは、申し上げたように非常に重要なことでありまして、そのアンケート調査をやったときに、不満な人とか、その不満の中身を具体的に書いていただくというようなことをアンケートでやっておりまして、それは施設のほうにもフィードバックをして、その不満に対してどのような対応ができるかということをやっていくということも併せて行っておりますので、そういったことも当然御指摘を踏まえて、しっかりと改善できるような取組をしていきたいと思います。
○玄田座長
 御説明ありがとうございました。ほかに御意見などよろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては本日の御議論、御意見を踏まえて、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは次のテーマに移りたいと思いますので、御準備をよろしくお願いいたします。続きまして、「施策番号Ⅳ-3-2 豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 雇用環境・均等局の勤労者生活課の大隈と申します。よろしくお願いいたします。施策目標Ⅳ-3-2ということで、資料3-1を御覧いただければと思います。2ページに概要が書かれております。「豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」ということで、具体的な施策としては2つあります。左側の中小企業退職金共済制度と右側の財形制度です。
 まず、現状(背景)です。左側の1番です。これはいわゆる中退共ですけれども、独力で退職金制度を設けることが困難な中小企業について、相互共済の仕組みと国の援助で退職金制度を確立すると。これは中小企業の従業員の方の福祉の増進にもなり、中小企業の人材確保などの企業側のメリットもあります。
 今、退職金制度がある企業の割合ですが、これは「就労条件総合調査」で見ると74.9%ですが、企業規模別に見ると、「1,000人以上」では9割ほどでは退職金がありますが、いわゆる中小企業、「30~99人」で見れば7割程度ということで、差がある状況です。
 この中小企業退職金共済制度の被共済者数、労働者側の加入されている方ですが、毎年加入される方、脱退される方がおられますが、その下にあるような数字、大体それぞれ30万人台で推移しておりますけれども、最近少し加入者数のほうが多いのですが、差は余りありませんので、結局ストックとしての期末被共済者数は、おおよそ350万人台ぐらいで推移し、微増ぐらいという感じです。
 その下ですけれども、この制度の運用実態は、国が直接ではなくて、独立行政法人勤労者退職金共済機構が行っておりますが、ここで例えば社労士の方などに普及推進員として委嘱して、企業を訪問するなどの活動をする中で加入を促進するという活動を行っております。
 課題としては、先ほどの数字にあったように中小企業においては、やはり大企業と比べて、いまだ退職金制度が十分に普及しているとは言い難いということがあり、達成目標1としては、この中退共制度の普及・促進を置きたいと。測定指標としては2つあります。アウトカムとして1つ目の、これは新規加入被共済者数と。2つ目はアウトプットの指標ですが、普及推進員等1人当たりの月の平均加入勧奨件数ということで置きたいというのが、まず1つです。
 それから右側ですが、勤労者財産形成促進制度ということで、これは勤労者の財産形成を促進するということで、勤労者の給料から天引きするという形で毎月、着実に貯蓄をし、勤労者を支援する仕組みですが、最近の利用件数は、低金利という状況もあって減少傾向にあります。そこにあるとおり、令和2年で710万ほどあったところ、令和4年で640万ほどということです。
 取組としては、こちらも勤労者退職金共済機構で広報活動などを行っておりますけれども、各種雑誌への記事の掲載や、広報資料、ポスター、パンフレットの作成、それから各種広報ツール、旧Twitterなども含めたものも活用しながら普及・促進を行っております。財形貯蓄の導入割合ですけれども、平成10年代は5、6割ぐらいあったところ、最近は金利が下がっていることや、他の金融商品がいろいろ出ているということもあるかと思いますが、4割を少し切っている状況です。
 課題としては、財形制度の利用が低下しているということで、達成目標としては、財形制度の普及・活用促進を図っていきたいということで、測定指標としては2つあります。アウトカムとして、この財形制度の利用件数をまず1つ置いて、その上でアウトプットとしては、この財形制度の周知回数ということです。
 具体的な数字は、後ろの資料3-2の1ページの下に測定指標があります。達成目標1について、1番目、アウトカムの中小企業退職金共済制度の新規加入被共済者数、これは令和6年度でいうと34万5,000人。2番目のアウトプットの普及推進員の月当たりの平均加入勧奨件数は17件ということで置いております。
 それから次のページが財形ですけれども、これも測定指標の3と書いてあるところ、財形の利用件数は、直近の5年間の平均を直近の数字に掛けて算定するという形で、これは今まで同様の目標の立て方で、それを継続するというものです。それから4番、財形の周知回数、アウトプットは毎年度30回以上ということで置いております。説明は簡単ですが、以上です。
○玄田座長
 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問をお願いいたします。では今度、阿部さんからいかがですか。
○新田委員代理阿部様
 中退共のほうの測定指標1については、毎年度、目標を上回っているということで、加入推奨の取組が着実に進んでいると評価しております。一方で、測定指標2の推進員の勧奨件数について、アウトプットということではあるのですが、やはりこの勧奨の成果として、実際、新規加入事業所が幾つぐらいなのかというところも、参考情報としてあればいいのかと思いました。別にこれを何か指標化するということではなく、参考情報として知りたいというところでございます。
○玄田座長
 いかがでしょうか。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございます。確かにおっしゃるとおり、実際の普及推進員が月17回、回って、具体的に加入につながったのがどれぐらいかなどというところは必要なことですので、この目標と少し別かもしれないですけれども、しっかりフォローしていきたいと思います。
○玄田座長
 参考情報、参考指標として御検討ください。ありがとうございました。皆川さん、いかがでしょうか。
○皆川委員
 達成目標2のところ、勤労者財産形成促進制度の利用件数のところで、利用件数が少し減少傾向にあるというところ、これはなぜかというように資料を見たときに考えていたのですけれども、先ほど御説明いただいて納得というか、御説明いただけて有り難かったです。
 今お伺いするに、やはり金利、利率の問題であるとか、他の金融商品が様々、最近利用できることであるとか、ひょっとしたら人口動向なんかも影響しているかもしれませんし、そういった様々な要因が利用件数の増減に関わってくると思いますので、これは直接、使用に関わるというところではないのですけれども、どういった点が財産形成制度の、例えば魅力を感じるか、感じないかや、選んだ、選ばないというようなところの何かアンケートのような調査などを行っていただいて、今後、更に利用が促進できるような制度で何ができるかというようなことを、少し政策的には考えていったほうがいいのかというように考えましたので、これは意見になりますが、今後そういった取組も行っていただいて、例えば、参考指標のようなところに将来的には挙げていただければということを考えました。意見です。ありがとうございました。
○玄田座長
 では御意見ということで、何かございますか。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございます。確かに財形が、少し利用が減っているというところで、金利が下がっていて、貯蓄してもそれほど増えないという、ためる側からの話もあるのですけれども、実際、財形の商品を扱っているのは金融機関、銀行だったりするわけで、そこが銀行としても、この商品が利益につながらないという面もあるようで、余り営業活動をやっていない面もあるというようにはお聞きしていて、少しその辺の金融機関側の事情も改めてヒアリングなどはしていきたいと思っています。今後更に改善につなげるための必要な情報として、その辺りも含めて参考の情報として収集して、いかしていきたいと思っております。
○玄田座長
 では村上さん、いかがでしょうか。
○村上委員
 ありがとうございます。達成目標1と2、それぞれについての意見です。まず中退共についてですが、課題において、中小企業では、まだ退職金制度は十分普及しているとは言い難いとございます。加入実績を見れば横ばいで推移しておりますけれども、脱退者も増加傾向にあります。
 こうした中で、その目標は令和5~9年度までの累積目標になっておりますが、目標値の設定の根拠における各年度の目標は年々減少していますので、もう少し高い目標を設定いただけないかと考えております。
 もちろん中退共の退職金制度の普及自体も大事です。会社の積み立てとは別の仕組みのため、仮に企業が倒産などした場合でも、確実に労働者の手に入るということが中退共の魅力、メリットの1つでもあります。是非そういった点でも周知・普及に努めていただきたいと思っております。
 財形については、皆川先生と同じような意見なのですけれども、財形の利用が低下しているのは、金利の問題もそうですけれども、NISAなどほかの金融商品が出てきて、広告も広く展開されているということもあるかと思います。しかし、やはり財形の魅力というのは、天引きで積み立てられることや、非常にローリスクかつ安定して、一定程度、自動的に財産形成できることもあると思います。
NISAか財形かということではなくて、両方必要なのだと思うので、周知に当たりましては、そういったところも含めてPRしていただきたいと思っております。以上です。
○玄田座長
 どうぞ。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございます。中退共のほうなのですけれども、5年間の目標、令和5~9年度までの目標というのを、これは独立行政法人がやっているので、中期目標として立てたものをこちらにも使わせていただいているのですが、この5年間で165万というのは、ある程度、労働力人口などの減るトレンドも考えつつ、少し頑張って、そのままではなくて、やや高めにということで165万。それを1年ずつに割っていきながらということで、5年度の数字を出していますが、これは最低限達成すべき目標だと思いますので、これを上回れるように機構には頑張ってもらいたいと思っています。
 あと財形のほうなのですけれども、御指摘いただいたとおり、NISAやiDeCoなど、若干、投資の側面のある金融商品がたくさん出てきていて、もう大分前からではあるのですけれども、貯蓄から投資へという話があって、特にここ1、2年、非常に強い流れにある中で、財形がなかなか強く出ていけないところもあったのですが、ここに来て、昨年秋の臨時国会で金融商品取引法等の一部改正というのがあって、それを踏まえて、政府として資産形成の基本方針を作るということになっております。その中では投資と貯蓄の役割分担みたいなものも、その基本方針に書き込むような、今、金融審議会でも議論になっていまして、貯蓄はリスクが少なく確実にためていけるし、現金化が必要なときは流動性があるというメリットがありますと。投資は投資で、リターンは高いかもしれないですけれどもリスクもあるということで、その辺りも踏まえて、結局、貯蓄と投資の組合せを選択していくべきというようなことも含めて書かれる予定で、その中で財形は、貯蓄のほうを担うものとして重要な役割を担うというようなことで計画も作っていくことができれば、それも踏まえて、改めて財形をPRしていきたいということでございます。以上でございます。
○玄田座長
 よろしいですか。それでは、こちらの目標につきましても岩佐委員からコメントがありますので、よろしくお願いいたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 岩佐委員からのコメントを代読させていただきます。勤労者財産形成促進制度についてです。「同制度については、労働者のチョイスとして、このような形態での貯蓄形成が可能であるという制度を国が準備することは、恐らく良いことなのかと思いますが、制度利用件数が伸びること自体を施策の目標にするのがよいのかどうかは、岩佐委員自身は、正直よく分からないと。どのような形で財産を形成するかは、本来は、労働者が選択することではないかとも思います。また、本来は年金制度をしっかり安定させるのが筋のようにも思います。
 この項目をやめたほうがいいとまでの意見ではありませんし、少数意見かもしれませんが、素朴な感想を書きました」として、そうしたことを思っているという御指摘というか、コメントを頂いておりますので、御紹介させていただきます。
○玄田座長
 よろしいですか。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 御意見のとおり、正に労働者の選択であるのは間違いないのですけれども、結局、先ほどの貯蓄と投資のそれぞれのメリットの情報を正確に発信して、その上で労働者に選んでいただくという中で、財形も選んでいただけるような形でPRしていければいいのかと思っております。
○玄田座長
 一般的には財形は、やはり非課税の部分というのは得な制度なのですか。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 そうなのですけれども、ただ、今、非常に金利が低いですので、貯蓄して、その利子の部分が非課税といっても、余り金額的にはないので。
○玄田座長
 もう、ほとんど微々たる。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ですから、金利が上がってくると、少しメリットは増してくるかというところです。
○玄田座長
 分かりました。追加としては達成目標1の関係で、特定業種退職金共済制度について、余り言及がないのですけれども、昨今、建設業にも非常に人手不足等々で、福利厚生として一定の意味が今でもあるのではないかと思うのですけれども、この辺りについては、特に特定業種退職金共済制度、目標ですとか、課題というのは設定しなくてよいのかということと、財形が非常に累積としては減っているのですけれども、それでは加入されるというのは、やはり福利厚生面でのメリットがあるとするのならば、むしろ累積数だけではなくて、加入される企業が何をどういう目的で加入されているかということを把握することが、この制度の今後にも、考える上で重要ではないかと思うのですけれども、この辺りはいかがでしょうか。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 1つ目の特定業種の退職金共済制度は、3つありますけれども、業種ごとにそれぞれの事情がありますので、こちらのほうの目標としては設定しておりません。独法としての勤労者退職金共済機構の目標として、新規加入者数などは同等に置いているところです。ちょうど5年に1回、特定業種退職金共済制度は、財政検証というのを労政審のほうでやることになっていて、それが今年の夏からになりますので、ちょうどその中で、場合によっては在り方の検討なども含めた議論になるかと思いますので、こちらでは置かせていただいていないと。
 それから、財形は基本的に最近は人手不足で、人材確保のためにも福利厚生は充実したいというような企業様の声もありますので、その中で財形というものは、1つの役割を担うのかと思いますので、財形を選択された企業の、どういう理由でという辺りは把握していきたいと思っております。
○玄田座長
 財形に限らず、今、福利厚生は非常に関心が以前にも増して高い印象がありますよね。適宜その観点からも、引き続き御検討いただければと思います。ありがとうございました。
 では、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえた上で、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。御説明ありがとうございました。
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 ありがとうございました。
○玄田座長
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。続きまして、「施策番号Ⅴ-5-1 求職者支援訓練の実施や職業訓練受講給付金の支給等を通じ、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○訓練受講支援室室長
 訓練受講支援室室長の岡田です。よろしくお願いいたします。資料4-1の概要の紙で説明させていただきます。資料4-1の2ページ、「【概要】令和6年度事前分析表(案)(施策目標Ⅴ-5-1)」を御覧ください。基本目標Ⅴ-5-1につきまして、求職者支援訓練の実施や職業訓練受講給付金の支給等を通じ、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援することが施策目標です。
 まず、現状の分析の左側部分についてです。求職者支援制度は、雇用保険の給付が受けられない求職者が、月10万円の職業訓練給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度で、ハローワークにおいて訓練開始前から終了後まで一貫した就職支援を実施しています。雇用保険が適用されない、又は雇用保険の受給が終了しても再就職できないといった、雇用保険の給付を受けられずに失業している求職者は現在も一定数存在していることから、引き続き求職者支援制度による支援を行っていく必要があることを踏まえ、達成目標1として、雇用保険を受給できない求職者に対する充実した支援の実施を設定し、測定指標として、訓練修了3か月後の雇用保険適用就職率及び訓練修了者の満足度を設定しています。
 続いて、現状の分析の右側部分についてです。求職者支援訓練の受講促進として、ハローワーク利用者への求職者支援訓練の周知・受講勧奨に加え、関係機関や生活困窮者の支援機関と連携した訓練の周知・広報、SNSなどを活用したアウトリーチ型の周知・広報を実施するとともに、訓練コースの設定を促進しています。しかし、受講者数は増加傾向にあるものの、対象者人員の当初見込みには届いていないことを踏まえ、達成目標2としまして、雇用保険を受給できない求職者に対する求職者支援訓練の受講促進を設定し、測定指標として受講者数を設定しています。
 続いて3ページを御覧ください。「求職者支援制度の概要」についてです。求職者支援制度は最後のセーフティネットである生活保護制度に至る前に、雇用保険制度へ戻す第二のセーフティネットとして平成23年に創設されました。雇用保険を受給できない方が、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講し、再就職、転職、スキルアップを目指す制度であり、ハローワークにおいて訓練開始前から訓練期間中、訓練終了後まで一貫した就職支援を実施しています。具体的な就職支援の流れは、次のページのとおりです。
 続いて、5ページを御覧ください。「求職者支援訓練の受講状況と周知広報の取組」についてです。資料上段の受講状況ですが、受講者数は増加傾向にあるものの、当初見込みの対象者人員数には届いていない状況です。資料下段の周知広報の取組ですが、SNS等を含め様々な周知・広報を展開しています。
 続いて6ページを御覧ください。訓練コースの設定促進についてです。求職者支援訓練を実施する民間教育訓練機関に対し、1デジタル分野の訓練コースの委託費等を上乗せするほか、2オンライン訓練において受講者へのパソコン等の貸与に要した経費を委託費等の対象とすること等を通じて、訓練コースの設定を促進しています。
 続いて7ページを御覧ください。求職者支援訓練の各種実績についてです。資料上段につきまして、求職者支援訓練には基礎的能力を習得する基礎コースと、基礎的能力から実践的能力まで一括して習得する実践コースがあります。実践コースの受講者数が大きく増加している傾向にあります。資料下段につきましては、職業訓練受講給付金の受給者数で、近年増加傾向にあります。
 続いて8ページを御覧ください。資料上段が就職率の推移です。近年基礎コースについては上昇傾向にありますが、実践コースは、ほぼ横ばいとなっています。資料中段はコース数等の推移です。全ての項目において近年増加傾向にあります。資料下段については、参考に雇用失業情勢の推移を掲載しています。簡単ではありますが、説明は以上になります。
○玄田座長
 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等お願いします。村上委員いかがでしょうか。
○村上委員 
 御説明ありがとうございます。まず、達成目標1ですけれども、指標1は雇用保険適用の就職率とされています。就職後の職場定着ということも大変重要かと思っていまして、職場定着率を参考指標とすることも含めて検討いただくことも可能ではないかと思います。
 それから、その下の測定指標2でありますけれども、満足度に加えて希望のコースが受講できない人の割合ですとか、あるいは就職支援への満足度など、今後制度としての役割を高めることにつながるような目標も検討してはどうかと考えます。
 また、達成目標2では、測定指標として求職者支援訓練受講者数がアウトカムとされていて、参考指標では求職者支援訓練設定コース数を示されています。ただコース設定には地域的な偏在もあると伺っています。都市圏は比較的充実していますけれども、地方ではコース数が少ない地域もあると認識しています。地方においても求職者が希望する訓練が受けられるような、何らか地域偏在を解消できるような取組も重要と考えています。そうしたことに寄与するような目標も検討いただきたいと思います。以上です。
○玄田座長
 御意見でしたが、何か御回答がありますか。
○訓練受講支援室室長
 まず、定着率を指標としてはどうかという御意見を頂きました。求職者支援制度は雇用保険を受給できない求職者の安定した就職を促進するものですが、この制度目的を達成しているかを確認するため、安定した雇用が見込まれる雇用保険適用就職率を測定指標として設定しているところでして、職業訓練の参考指標として定着率を設定することは、職場の人間関係や労働条件の問題、家庭の事情等、離職理由が様々であることから、一義的にはちょっと難しいと考えています。定着率を、この制度自体の効果として追い続けるというのは、なかなか難しいというところです。しかし定着も重要ということは、我々は十分に認識しています。
 続きまして、満足度につきまして、満足度を上げるというよりは、改善点を把握するということが重要ではないかということで、御指摘のハローワークによる就職支援への満足度を把握するとともに、要望や課題を把握して、業務改善に役立てることを目的としまして利用者アンケートを実施しているところです。
 また、補足ですが、令和5年度分からはアンケートの実施方法を見直して、サンプル数を増やす予定で、アンケート結果を踏まえ、訓練前、訓練中、受講後において求職者にどのようなニーズがあるかを把握することで業務改善につなげていきたいと思います。
○訓練企画室室長
 訓練企画室室長の桃井です。最後にコースの地域的な偏在についての御意見を頂戴したところです。訓練コースにつきましては、都道府県単位の地域職業能力開発促進協議会において、幅広い関係者の方に御参画いただいて、各地域の人材ニーズや受講者のニーズを踏まえて、適切にコース設定をしているところです。また、御指摘がありました地域偏在ですが、特にデジタル分野などは都市圏の偏在の問題などありますので、地方においてもデジタル分野のコースの設定が促進されるように、デジタル分野の資格取得を目指すコースやデジタルスキル標準に準拠したコースなどについては、訓練実施機関にお支払いする奨励金の加算などの措置も取っており、地域偏在の是正についても努めているところです。回答としては以上となります。
○玄田座長
 今の点で、デジタル分野のコースについては、非常に関心の高いところですし、国全体の施策とも関わるので、デジタルコースに特化して日本全体での普及状況とか、先ほどの地域の取組状況は、多少参考資料とか指標の中で検討してもよろしいのではないかという気は私もします。それ自体は不可能ではない目標設定だと思います。是非御検討いただければと思います。よろしいですか。
○訓練企画室室長
 ありがとうございます。デジタル分野につきましては、「デジタル田園都市国家構想」などにも政府として目標が定められており、そちらのほうでも数値目標を定められて、それに沿って着実に進めているところです。
○玄田座長
 是非御検討いただければと思います。では、阿部様いかがですか。
○新田委員代理阿部様
 既に少し話が出ているのですが、測定指標1を見ますと、基礎コース、実践コースとも目標は未達ではあるのですが、基礎コースの就職率は少しずつ改善していまして、あと測定指標2を見ますと満足度も95%前後ということですので、求職者支援訓練は第二のセーフティネットとして一定の役割を果たしていると受け止めています。
 今後、アンケートのサンプル数を増やして充実させていくという御説明がありましたが、やはり訓練ごとの満足度の差や、動きも分析し、満足度が低かった訓練の修了者の意見を把握して、メニューの新設、拡充、廃止などにいかしていくことが重要だと思いますので、今御説明があったとおり、分析等を進めていただければと思います。要望になります。
○玄田座長
 よろしいでしょうか。何か御意見がありますか。
○訓練受講支援室室長
 ありがとうございます。引き続き、分析に努めてまいります。
○玄田座長
 皆川委員どうぞ。
○皆川委員
 御説明ありがとうございました。私のほうからは達成目標2の4の指標のところについて、一点質問と、併せてお伺いしたい点があります。この求職者支援訓練受講者数は、令和3年度が2万8,260人で、令和4年度が4万289人と、かなり大幅に、令和2年から3年の増加トレンドからすると、ぐんと伸びている数字が出ています。この要因はどのように捉えておられるのかということを、ちょっとお伺いしたいと思います。私は、労働経済については素人ですから、率直にお伺いしたいというところなのですけれども。
 例えば、完全失業率とか失業者の数は資料にも挙げていただいていますが、令和2年度、3年度辺りは大きかったのですけれども、令和4年度には減少しています。8ページの所です。にもかかわらず、先ほどのように、こちらの受講者の方は増えているというところが数字として出ていますので。最近こういうふうに、令和3年度から4年度に上がってくる何か要因があるのであれば、例えば令和6年度の目標の数値が、令和5年度と比べて、傾向からちょっと低く設定されているのですけれども、場合によってはこれを横ばいにするとか、むしろ高めに設定するとか、そういった目標設定の立て方もあるかと思いましたので、その点をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○玄田座長
 御回答をお願いします。
○訓練受講支援室室長
 実績につきましては、令和3年度が前年比プラス19%、令和4年度、対前年比プラス43%となっております。コロナ禍で人手不足感が継続していたことや雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)といった雇用を維持するための支援が行われていたことを踏まえると、求職者支援訓練の利用が一定程度進んだものと考えられます。
 令和4年度が大幅に増えているのですけれども、こちらにつきましては、昨年7月から受講指示の対象に求職者支援訓練が追加されたこと、要は雇用保険の失業手当を受給できる方でも求職者支援訓練を受講できるようになったという、そちらの影響によって、求職者支援訓練はもちろん前から公共職業訓練を受けられたのですが、受講の選択肢の幅が広がったことによって、全体的な受講者が増えたということ。こういったところが大きく寄与しているのかと考えています。
 なお、5万人という設定数につきましては、令和2年度に、コロナ禍において訓練受講者の定員を5万人に増加していまして、こちらはコロナの影響による雇用情勢の悪化や非正規雇用労働者への影響が懸念される中で、労働者のステップアップを目指し、支援訓練の受講機会を確保する観点から、当時の受講者数2.1万人から5万人に増加することとしたものです。
 現状でも5万人の目標にはまだ届いていませんので、引き続き、この5万人という目標に向けて制度を運用してまいりたいと考えています。
○玄田座長
 いいですか。やはり求職者支援制度は、当初の期待の高さというか、第二のセーフティネットとして、非常に重要なものだという認識の下で、2011年度から始まったというのは私も記憶しているのですけれども、令和4年度だけでも予算額が278億で、実際の執行額が176億という、100億円の差がある。これは由々しき問題で、やはり5万人という数字に届かないということもそうですけれども、執行額が全然行っていないというのは、これはある部分うまく制度として成功していないのではないかという批判になって、第二のセーフティネットが余り機能していないから無駄じゃないかとなると、それはそれで大きな問題なので、やはり詳細な検討が必要なのではないでしょうか。
 アウトカムを目標に持つことはもちろん大事なのですけれども、皆川委員が言うように、これは完全にインフェクト・オン・アウトプットの問題なので、結果が全てではないのです。政治はそうなのですけれども、行政はプロセスなので、何の効果があって何の効果がなかったかというのは、やはり検証しなければいけない。
 特に今回の中で、記載がないのですけれども、私が知る限りではコロナ期間中もやはり相当期待があったのに伸びないので、幾つか要件緩和をしたはずで、先ほど御説明もあったので、要件緩和で一定の効果があった部分もあったはずなのです。確か労政審の人材開発分科会などでもそういう指標を見たような記憶があるのですけれども、そういうことの記載が全くないのは、ちょっともの足りないというか、不十分だし、説明責任を果たしていないと思います。
 多分、求職者支援制度の第二のセーフティネットは、恐らく一定の固定した形ではなくて、状況に応じて柔軟に変えていく必要がある、ある種緊急性を考慮しなければいけない制度なので、ときに要件緩和をしたり、ときに要件をある種厳格化するという、柔軟性を持った制度にしていくべきなのでしょう。
 多分、求職者支援制度が最初にできたとき、前身の基金訓練に非常に不正受給の問題があって、かなり要件的に厳しめに設定された制度だと理解していて、それが伸び悩みになった原因だと思っているのですけれども、徐々に要件緩和をしていく中で、もちろん問題が出てきてはいけませんけれども、やはり効果、アウトカムには何があって、その中で一部もし不正みたいなことがあれば、それはそれでちゃんとコントロールしていくという、両面睨みでやっていかないと。
 これは280億円予算を組んで、5万人いかないと言われると、これは制度として相当心配というのを言わざるを得ないので、是非アウトカムだけではなくて、どうすれば効果があるかということの分析をなさっているので、やはりそれをちゃんと御説明いただくことが必要であるように思いますので、よろしくお願いします。何か御回答はありますか。
○訓練受講支援室室長
 御指摘ありがとうございます。すみません、先ほど説明が漏れておりましたけれども、コロナ禍において特例措置を講じ、さらに令和5年4月には、コロナ禍の特例措置の一部を恒久化する改正を行っています。コロナ禍の特例措置では、世帯収入要件ですとか本人収入要件、訓練出席要件等の緩和や、対象者の追加等といった緩和措置を講じていまして、こういった特例措置の効果検証の結果を踏まえまして、令和5年4月に一部要件の恒久化等を行ったものです。
 こういった特例措置の効果もあって、受講者数の増加につながっているものと分析していますけれども、そういったところを踏まえた上でも、5万人に達していないではないかというのは、もちろん御指摘のとおりです。我々も、令和2年度から順次訓練コースの拡充等を図っていまして、また、制度の周知や受講給付金等の要件緩和もあり、現状では受講者数は増加傾向にあります。特に令和4年度の求職者支援訓練の受講者数は対前年度比で大きく増加していますので、こうした増加の動きや人材育成の必要等を鑑みまして、令和5年度の当初見込みとして5万人の受講者数を見込んだところです。
○玄田座長
 私は別にこの制度を否定しているわけではなくて、受講者数とかだけだとちょっと弱いので、もっとアピールすべき点として、こういうことをやると効果があるのだということで、制度の必要性を、より皆さんに分かっていただけるようなデータであるとか説明を加えたほうがよろしいのではないかという意見ですので、是非、今後御検討いただければと思います。アウトカムだけだとちょっと厳しいかもしれないような気がしました。以上です。
○訓練受講支援室室長
 令和6年度におきましても、受講者数の動きや雇用失業情勢ですとか、政策的な必要性、訓練の効果等を勘案しながら、もちろん周知・広報等も含めて積極的に求職者への情報提供、周知活動に取り組んでまいりたいと思います。
○玄田座長
 分かりました。では、岩佐委員からのコメントをよろしくお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 岩佐委員から2点コメントを頂いております。まず、1点目が村上委員と阿部上席主幹からの御指摘とちょっと重複するのですけれども、測定指標の2、「求職者支援訓練修了者における満足度については、高い数字となっており、満足度を増やす又は維持することを目標とするよりは、不満足であるという意見等を参考にして、更なる改善点があるかということを検討する段階なのではないかと思いました。
 若しくは、今の測定指標をそのままにして、併せて、不満足とされる点を分析して、更に満足度を上げるという施策の説明をしていただけると有り難いです」。
 それから2点目、こちらも村上委員の御指摘と重複してしまうのですけれども、「就職後の定着率も参考指標としてでもよいので、分かれば有り難い」とのコメントを頂きました。
 こちらは既に担当課から回答を頂いているところであるのですけれども、御紹介させていただきました。
○玄田座長
 では、ありがとうございました。それでは担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。御説明ありがとうございました。
 それでは最後、次の説明に移りたいと思います。続きまして、「施策番号Ⅵ-2-2 障害者等の職業能力開発を推進すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。御準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○特別支援室室長
 人材開発統括官特別支援室の菊地です。よろしくお願いいたします。基本目標Ⅵ-2-2の1、施策目標2の障害者等の職業能力開発を推進することについて、資料5-1の概要資料に基づき説明いたします。
 2ページを御覧ください。1つ目の障害者の職業能力開発の所で、取組の概要を記載しております。障害者訓練の関連施策については、職業能力開発促進法のほか、第5次障害者基本計画等の各種の計画に基づき取組を行っております。下にありますとおり、実施主体によって大きく3つに分けることができます。
 1つ目のポツとして、障害者職業能力開発校での障害の態様を十分に考慮したきめ細かい支援や、職業訓練内容の充実等による職業訓練の推進ということで、全国19か所に設置しております障害者の職業能力開発校によるものです。このうち、特に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営いたします2校については、先駆的職業訓練の実施を通じて、障害者訓練に関する実践的情報の収集や提供などを行っております。また、一般の公共職業能力開発校も含めて、精神障害及び発達障害者への対応をはじめとする指導技法の普及にも努めているところです。
 2つ目のポツとして、障害者の多様なニーズに対応した委託訓練の実施ということで、企業や社会福祉法人、NPO法人、そして、民間教育訓練機関などの多様な訓練委託先を活用して職業訓練を実施するものです。3つ目のポツとして、一般の公共職業能力開発校における障害者が入校しやすい環境の整備です。これらの制度の概要については、この資料の後ろの3~5ページに掲載させていただいております。
 2ページに戻ります。2点目として、求職障害者の増加としております。これは、民間企業における障害者の雇用者数が20年連続で過去最高を更新するなど、障害者雇用が進展する中で、資料7ページにあるように、ハローワークにおける障害者の新規求職申込件数が増加の傾向にあります。求職者の就職を実現するに当たり、障害者訓練を要する場合もあるところ、一般の訓練校では受入れが困難な重度の障害者の方々も一定数いらっしゃいます。
 最後の3点目として、求職障害者の障害の多様化が挙げられます。資料の8、9ページにありますとおり、これまで身体障害者や知的障害者が多数を占めている状況があったのですが、最近では特に精神障害者や発達障害者の新規求職申込件数が伸びており、約半数が精神障害者となるなど、求職障害者の障害の多様化が進んできていることにより、多様な職業訓練のニーズが存在しております。こうした現状を踏まえ、課題を大きく2つに分けております。1つ目の課題として、一般の公共職業能力開発校において職業訓練を受けることが困難な障害者に対する職業訓練機会を提供することです。これに対する達成目標としては、障害者職業能力開発校における効果的な職業訓練の推進として、測定指標としては、アウトカム指標は障害者職業能力開発校の修了者における就職率、そしてアウトプット指標は、障害者職業能力開発校における訓練受講者数というものを設定しております。
 また、もう1つの求職障害者の多様化に伴う課題です。1つ目として障害者の障害特性を踏まえつつニーズに応じたきめ細かな職業訓練の提供。2つ目として、一般校においても精神障害者等を受け入れるための環境整備を挙げております。これに対する達成目標は2つあり、1つ目が民間の多様な機関等を活用した効果的な障害者委託訓練の推進。それから、一般の公共職業能力開発校における精神障害者等の受入体制等の強化。測定指標としてアウトカム指標は障害者委託訓練修了者における就職率、アウトプット指標は障害者委託訓練の受講者数、そして一般の公共職業能力開発校における訓練受講者数を設定しております。
 具体的な数値については、資料5-2の事前分析表に記載しておりますので、これらの説明は省略いたします。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○玄田座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見などをお願いいたします。村上さん、いかがでしょうか。
○村上委員
 測定指標の1と3についてです。就職率がアウトカムとされておりますが、参考指標として障害種別ごとの数値も示して、障害種別・特性に応じた分析や改善につなげていくことも考えられるのではないかというのが1点です。
 もう1つは、障害者の方は定着率がやはり課題になるということがあります。とりわけ、先ほども御説明がありました精神障害の方については、いろいろな調査においても定着率が低いということが把握されております。障害種別ごとの定着率を参考指標とし、障害特性に応じて定着を阻害する要因が何なのかということも分析していただいて、訓練内容だけではないかもしれませんが、訓練内容に何か反映できることがあるのであれば、つなげていくことも考えられるのではないかと思います。以上です。
○玄田座長
 御回答の前に、今日御欠席の2人の委員からも、定着率については御要望が出ておりますので、3倍の勢いがあると思って御回答をお願いいたします。
○特別支援室室長
 御質問ありがとうございます。まず、障害の特性、種別によっての内訳といいますか、就職率の話なのですが、そもそも障害種別によって就職率に差が起きております。その障害種別に応じた支援策を考えるのも当然必要と考えておりますが、訓練受講者においては複数の障害を持っている方も結構いらっしゃると思われます。また、年齢層やこれまでの離転職歴などがあったりして、障害種別以外にも就職に影響する要素があることから、障害種別ごとによる目標というか数字でやるというのは、なかなか難しいかと思っています。ただ、やはり重要な話ですので、そこは何かできないか検討はしたいと思いますが、今の時点では難しいかと思っております。
 また、定着率のお話ですが、先ほど求職者支援訓練の話の中でもありましたが、離職理由は職場環境などいろいろあるので、一様に数字をどうこうというのはなかなか難しいと思うのです。特に障害者の場合は、障害者の職場定着支援というのは、実はハローワークをはじめ、就業・生活支援センターや地域障害者職業センター、それから地域の福祉サービスなど、各種関係機関がそれぞれ一緒になって取組をやっているところです。職業訓練は、基本的に就職の前段階を準備することがメインであって、その後、関係各位一緒に定着支援というものをやっているのですが、定着率を訓練の成果として図るというのは、なかなか難しいのかと。
○玄田座長
 難しいというのは。別の要因があるからですか。
○特別支援室室長
 例えば、定着率。いろいろな組織が一緒になって取り組んでおり、その中で、仮に定着率が低かったからといって、そんなに。
○玄田座長
 障害者の定着率というのは、施策番号がここしかないのではないですか。ほかにもあるのですか。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 障害者の就労支援については、またそれはそれとして障害福祉サービス関係、障害者雇用促進法に基づく取組などに関する施策目標がありますので、そちらでもカバーしております。
○玄田座長
 では、そこは別の所で評価するということでよろしいですか。
○特別支援室室長
 はい。ただ、我々としても定着状況は非常に大事だと思っていますので、関係機関と連携しながら改善をできるものはしていこうと思っております。
○玄田座長
 はい、分かりました。皆川さん、いかがでしょうか。
○皆川委員
 御説明ありがとうございました。私からは、全般に関わる所かもしれませんが、達成目標の2の委託訓練の受講者数についてお伺いいたします。目標が3,700人から少しダウンしてきている一方で、障害者委託訓練の受講者数は増えてきているというトレンドにあることは、大変望ましいと思うのです。率直に、この数字を拝見して、例えば令和3年度の達成数が2,556人で、令和4年度も2,556人ということで、数字が大体同じになっているのですが、何かこういうトレンドになっているというか、目標までに達していないわけですが、この要因はどのような所にあるのでしょうか。定員や受入先の受け入れる状況など、何人受け入れられるのか、地域的なものなど、いろいろなことが考えられると思うのですが、この辺り、伸びてはきているのですが、少し横ばいということについて、これを上げていくために、あるいは上がらないことの要因はどのようなところかをお伺いしたいと思います。
 と申しますのは、この制度の趣旨のように、多様な民間のアクターと協働して受け入れて委託訓練を行っていくという裾野の広い取組だと思いますので、そこで少し伸びがということであると、何か原因があるのかと考えます。その辺りは、どのように分析されておられるかをお伺いしたいと思います。
○玄田座長
 御回答、お願いします。
○特別支援室室長
 近年の障害者雇用の進展の中、法定雇用率が上がっている中で、やはり雇用される方が増えていく反対に、委託訓練を受ける方も訓練を経ずに就職されてしまうというのもあって、減ってきているというのもあります。そのために実績が伸びてきていないというところもありながら、裏を返すと予算的なものもあるのですが、やはり実績を問われるところもありますので、余り目標と実績の乖離がありすぎると、そこはやはり実績に応じて予算も組むべきではないかという財政当局からの話は当然あります。そこは、いろいろな条件を勘案して、このような人数ということになっております。
○皆川委員
 分かりました。
○特別支援室室長補佐
 令和2年度は特に減っていると思うのですが、当時やはりコロナ禍で障害者の方は就職活動自体を少し控えられたり、それから皆で集まって訓練ということに少し抵抗感を感じられたりということもあり、そういうことで減ったという要因もあるかと思います。コロナが一段落して実績はまた上げ基調になってきたかとは思いますので、この辺りは注視して我々も見ていきたいと思っております。
○皆川委員
 ありがとうございました。受入先の状況など、今お話いただいたように、障害者雇用率は上がっていてダイレクトに行かれる方が多いというのも、それはそれで結構なことかと思います。その辺りは、実際の委託受講を希望される方の状況や受入先の状況などを見て、目標値を設定していただければと思います。ありがとうございました。
○玄田座長
 阿部様、どうぞ。
○新田委員代理阿部様
 測定指標1の就職率については順調に向上しており、直近の令和4年度では実績値は目標値を上回っております。今お話がありましたとおり、コロナ禍を経て雇用環境も改善しており、また、この4月には法定雇用率の引上げも控えており、企業には更なる障害者雇用への対応が求められているところです。ですので、この測定指標1について、障害者基本計画に定められた70%という数値にとらわれることなく、目標の上方修正も視野に入れながら、取組を維持・強化していただきたいと思います。
○玄田座長
 いかがですか。
○特別支援室室長
 御意見ありがとうございます。やはり目標は超えたらいいという話ではなくて、常に高く目指していきたいと思っております。今回、令和4年度で70%という目標を超えましたが、これで良しとするのではなくて、引き続きこれをもっと上げられるように、更に上がっていくことによって、目標も更に上げていくというところを目指していきたいと思っております。
○玄田座長
 当初の御説明の中に、精神障害者について幾つか言及があったのですが、非常に皆さんの要望も強い部分ですので、参考指標等で精神障害の方の態様状況のようなものも情報提供するということは、いかがでしょうか。
○特別支援室室長
 ちょっとどういう形でできるかはあれですが、検討したいと思います。
○玄田座長
 障害者の場合は、やはり年齢構成の問題も無視できないと思うのですが、受講者もある程度ゆっくりと高齢化が進んでいるという問題はあるのでしょうか。
○特別支援室室長補佐
 年齢の所は、そもそもハローワークに来られる求職者の中で、身体については比較的年齢が高めの方が多いという状況があります。結果的には、訓練を受講される方も結構年配の方が受講されるケースが多いように聞いております。知的は比較的若年層が多くて、支援学校から直接訓練に入るパターンが多いです。精神障害については、比較的年齢は偏りなく受講されているかと思いますので、就職歴のある方が受講されるケースも多いかと感じております。
○玄田座長
 ありがとうございます。やはり、障害者の能力開発ということでいきますと、全体の数字だけではなくて、その障害の種別と年齢構成の問題は無視できないと思いますので、その辺りも目配りを頂くような御説明の仕方や情報提供の仕方など御検討いただけると、大変よろしいかと思います。ありがとうございました。
 最後は本施策目標について、欠席の岩佐委員、松浦委員からコメントがありますので、よろしくお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 代読させていただきます。まず玄田座長からも御案内させていただいたのですが、松浦委員と岩佐委員から、村上委員から御指摘いただいたものと重複するのですが、「課題1、2、共に就職率も重要な指標と思いますが、定着率が分かればそれが知りたい」というコメントを岩佐委員から頂いております。それから松浦委員からも、「障害者雇用率に関する規制が強化される中で、雇用率達成が目的化し、せっかくの能力開発の成果が必ずしもいかされていない就業の場しか用意されないケースもあると聞く。就職率ももちろん重要ではあるが、上述のようなケースを踏まえると、その後の就業の質をウォッチすることも大切である。このため、就業後の定着率・満足度などが把握できるのであれば、そうした指標に加えることについても一考の余地があるのではないかと考える」とのコメントを頂きました。
 それから岩佐委員から、「これも数値化しにくいのかもしれないですが、職業能力開発校や委託訓練を修了し、就職した人、就職できなかった人に対する支援の体制、つまりアフターフォローの体制がどうなっているかも知りたい」とのコメントを頂きました。以上です。
○玄田座長
 頂いたコメントは、別の施策目標にも関わる部分でもありますので、まずそれを整理して全体として評価いただければと思います。本日は貴重な御説明を頂き、ありがとうございました。本日の議論を踏まえて、事前分析表への反映をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○特別支援室室長
 ありがとうございました。
○玄田座長
 本日予定しておりました議事は、こちらで全て終了となりました。本日は、誠に熱心かつ有意義な御審議を頂きまして、ありがとうございます。この会は恒例として、終わった後に全体的な感想みたいなものも各委員の方に一言頂いておりますので、よろしければ皆川委員、村上委員、阿部様の順番で、全体を通じて感じたことなどありましたら、よろしくお願いいたします。
○村上委員
 本日はどうもありがとうございました。前回も少し申し上げたかもしれないのですが、目標の位置付けは様々だなということを感じました。必達目標のような、絶対上回らなければいけないということで、最低限の目標を置いている所と、目指すほうの目標を置いている所といろいろあって、それを判別しながら評価することは、とても重要だと感じたところです。ありがとうございました。
○玄田座長
 皆川さん、お願いします。
○皆川委員
 本日はどうもありがとうございました。今日の質疑の中でもお話させていただいたのですが、私は法律の専門家なもので、数字の分析などには全く素人なものですから、数値目標が出てきたときに、やはりどうしても素人的な見方になってしまうのです。例えば、この数字が伸びているのに、この目標の設定自体が少し下がっているのは、トレンドとしてどうなのかとか、また、最後の精神障害の方の委託訓練率などの所でも、例えば実績値が横ばいになっていて、目標値もどうするかといったところで少し差があるといったときに、要因がどうなっているのかというのは素人なりに気になります。
 今日は座長からもお話がありましたように、そういったところのプロセスをどのようにやっていくか、もう少し説明をしていただけると、このワーキンググループだけではなくて、社会的に政策として、こういった状況にあるのでこういったことを分析しながら進めていると。その結果こういうことになっているというようなことが分かると、より政策評価の意義が増すかと思いましたので、座長からお話があったような形で、もう少し説明を分かりやすくするとか、背景となるデータや要因分析などを充実させていただけるとよいかと考えた次第です。ありがとうございました。
○玄田座長
 阿部様、どうぞ。
○新田委員代理阿部様
 本日は、委員の新田の代理出席ですので、個人的な意見ということでお話いたします。厚労省の労働分野全体の政策目標ということで、ここですべての施策の指標を取り上げるわけにはいかないと思います。そのため、代表的な施策、そこさえ押さえれば、ほかの施策も全体の目標にかなって進められるといった代表的なものを取り上げられていると思います。目標の測定指標としてなぜ取り上げたのかをしっかりと説明できるものを今後も取り上げていただいて、それについてどう達成しているのかを確認していく必要があります。
 私も村上委員の意見と同じで、必ずしもそれを達成しなければいけないという目標ばかりではなく、そのプロセスが重要なものもあると思います。目標を控え目に設定して、それさえ達成すればいいということではないと思いますので、目標設定と評価とのバランスは難しいとは思うのですが、やはりどういったことを行政として取り組んでいくかという視点で、そこを見ていく必要があると感じました。
○玄田座長
 ありがとうございました。私も1点申し上げると、今回の事前分析表(案)のフォーマットが、大分定着してきたかなという感じはしました。前回、前々回ですと、課題と達成目標と測定指標に同じことが書いてあって、何を言っているのかよく分からないみたいな、多分説明する側も若干戸惑いがあったような印象があったのですが、今日は特にそういう指摘もなかったので、大分このフォーマットが共有されてきて、よかったのではないかという気がいたしました。説明時間も、大体皆さん5分程度で守っていただいたので、こういう形で大分固まってきて、よかったのではないかと思っています。
 それから、今回財形や中退共などいろいろあって、それをすぐに何かということではないですが、制度の評価と同時に、これを持ってきた歴史的意味や、また、それは今後必要かという質問があった社会環境の変化の中で、効果以前に、この制度や施策そのものをどう考えるかというのは、とても大きな問題で、この評価委員会の対象ではないような気もするけれども、本当はそういう大きなことも踏まえて考えないと、なかなか評価は難しい面もあるのかという気もしました。
 それから、先ほど求職者支援制度の所で強めに言いましたが、非常に期待の大きいものであって、予算も大きいものが見かけ上余り効果がないように見えると、それは変な意味で必要ないのではないかとなると、それはとても困るのです。私たちは別に財務省ではないですから、お金の割に成果が出てないじゃないかと言うつもりもないですが、むしろこの目標の数字が達成されていないことの裏側にある理由みたいなものも、うまく説明する場所があったりするといいのかと。毎回言っていますが、この評価委員会は別にジャッジする所ではないので、駄目じゃないかということをする場ではないので、やはり納得したいというところだと思いますので、またそういうことも、どういう形になるか分かりませんが今後反映できるとよろしいかと思います。
 青山さん、感想などありますか。
○政策立案総括審議官
 今、玄田座長のお話や皆さんのお話でごもっともな、プロセスというところで、やはり今回ロジックモデルというのは政策の目的から何を目指すか、そのために何を図るかという領域になるべくつながるように努力してきたつもりで、この図も大分努力していただいたと思います。
 おっしゃるとおり、どうしても最後は数字になってしまうので、別に数字をとがめているつもりはなくて、裏にある事情も含めて丁寧に説明するということを、きちんと省内に浸透させて、丁寧に説明するように心がけたいと思いました。どうもありがとうございました。
○玄田座長
 ありがとうございました。それでは、本日の議論の取扱いについて、事務局より御説明をお願いいたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 本日頂いた御意見等の取扱いですが、まず事前分析表の記載に関する指摘については、担当課において必要な修正をいたします。その後、当室で取りまとめの上、総務省への通知、及び厚生労働省ホームページの公表手続を進めさせていただきます。取りまとまりましたら、皆様にも最終版を送付いたします。
 また、本日の会議の場で伝え切れなかった御意見がありましたら、2月15日(木)までに事務局まで御連絡をお願いします。説明は以上です。
○玄田座長
 では、以上をもちまして、本日の会議を終了といたします。本日もどうもありがとうございました。