技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第76回)議事要旨

人材開発統括官海外人材育成担当参事官室

 

日時:令和6年3月26日(火) 10:00~12:00
場所:Web会議
出席者:市田委員、岩崎委員、漆原委員、大迫委員、後藤委員、當間委員、花山委員、堀委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(牛豚食肉処理加工業職種関係)全国食肉学校、農林水産省食肉鶏卵課、農林水産省食品流通課
(そう菜製造業職種関係)外国人食品産業技能評価機構、日本惣菜協会、農林水産省外食・食文化課
(缶詰巻締関係)日本缶詰びん詰レトルト食品協会、農林水産省食品製造課
 
議題
(1)牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の職種追加について(試験案等の確認)
(2)そう菜製造業職種の試験の実施・運営状況の報告について
(3)缶詰巻締職種の試験の実施・運営状況の報告について
 
【概要】
(1)牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の職種追加について(試験案等の確認)
○ 牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の試行試験結果について、全国食肉学校から説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・試験監督者のスーパーバイザーを任命し、適宜、試験に同行させるとのことだが、何を行う者であるかとの質問があった。これに対して、スーパーバイザーは、試験監督者が、マニュアルに沿って試験運営を実施しているかどうかや正しく採点できているかどうかを巡回して確認する者であり、本件について監督者マニュアルに記載するとの説明があった。
・試験監督者間の採点のばらつきが大きい箇所について、試験監督者に問題はなかったのかとの質問があった。これに対し、点数の差が大きいことについては、1問の配点の大きさに因るものであるとの回答があった。また、採点基準についてマニュアル化した上で、試行試験を担当した監督者で再度試験を実施したところ、採点に全く差が出ず、マニュアル整備と監督者のトレーニングによって、点数のばらつきがなくなることを確認しており、今後も監督者の採点のばらつきをなくすための模擬試験を定期的に実施するとの説明があった。
・試験時に長靴を着用するとのことだが、耐滑性のものを使用しているということで良いかとの質問があった。これに対し、耐滑性の長靴を使用するとの回答があった。
○ 検討の結果、牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の試行試験結果について了承されるとともに、これまでの会議での議論を踏まえ、当該職種について移行対象職種・作業に追加することについて了承された。
 
(2)そう菜製造業職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ そう菜製造業職種の試験の実施・運営状況の報告について、外国人食品産業技能評価機構から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・試験のときには、基本的にニトリルの手袋を使うような指導など、安全上の観点で指導をしているかとの質問があった。これに対し、試験ではニトリル手袋の使用を推奨していることに加えて、労働安全衛生管理の学習テキストには、耐火用の手袋を何種類も挙げて、「加熱作業のときにはこれを使いなさい」と記載しているとの回答があった。
・受検者数約2万人に対して、試験監督者数が129 人で対応可能なのかとの質問があった。これに対し、これまでも受検者数の増加に伴い順次試験監督者を増やしており、今後も、受検者数が増えれば増加が必要だと思っているが、現在のところは129人で運営できているとの回答があった。
・試験の頻度はどの程度かとの質問があった。これに対して、地域や季節によって異なるが、首都圏では、繁忙期には週5日で開催しているところもあるとの回答があった。
○ 報告の結果、外国人食品産業技能評価機構の技能実習評価試験について、より一層適切な実施に努めることとされた。
 
(3)缶詰巻締職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 缶詰巻締職種の試験の実施・運営状況の報告について、日本缶詰びん詰レトルト食品協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・学科試験の問題について、技能や知識を問う問題になっていない点が見られるので、修正することとの意見があった。これに対し、修正について検討するとの回答があった。
・缶詰巻締では、手袋の扱いなど食品衛生管理も重要だと思うが、実技試験で当該観点での評価を実施してはどうかの意見があった。これに対し、試験用の機械が1台であり、受検生を1人ずつ順番に評価していくため、現状でも試験時間が長くなっており、これ以上試験内容を追加するのは難しいとの回答があった。
・服装や装備、手洗いを試験実施前に確認することが可能ではないかという質問があった。これに対し、服装や装備の着用状況は実技試験の評価の項目に含めている、(缶詰製造工程中の「密封」の技能を確認する試験のため)手洗いについては洗い場がないような場所でも試験を実施しており確認することが難しい、との回答があった。
・採点基準で表現が曖昧な部分、例えば、「迅速に」や「おおむね正確に」について、試験監督者によってばらつきが出ないように、定量的に記載いただきたいとの意見があった。これに対し、御指摘のとおり修正することを検討するとの回答があった。
・試験監督者数は足りているとのことだが、根拠を示していただきたいとの意見があった。これに対し、1つの受入企業での受入れ実習生の数はそれほど多くないが、受検者が4名以上であれば試験監督者は2名配置するという実施要領の下、実習実施者に試験の希望日を聞いた上で、希望日の中から実施できているとの回答があった。
・令和4年度の試験業務に係る収支状況が赤字であるが、暦年の決算の状況をご報告いただきたいとの意見があった。これに対し、確認し報告するとの回答があった。
○ 報告の結果、缶詰巻締職種の技能実習評価試験について、今回の会議での指摘事項を踏まえ、関係資料等の準備・修正ができ次第、速やかに会議へ報告することとなった。
 
(以上)