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令和6年4月15日 第101回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和6年度第1回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録
日時
令和6年4月15日(月) 18:00~21:00
場所
WEB会議(厚生労働省 専用第22-24会議室(18階))
4月15日合同部会 議事録
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第101回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和6年度第1回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
加えて、長谷川委員及び宮川委員より御欠席される旨の御連絡を、宮入委員より遅れて御出席される旨の御連絡をいただいております。
また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
次に、事務局側で人事異動がございましたので、紹介させていただきます。
4月1日付で田中予防接種健康被害救済推進室長が着任し、予防接種課の野口の後任として早田、夏木が着任しております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、15価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容につきましては、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、舟越委員、石井委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、新型コロナ、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決には参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金等の受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
宮入委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
申請資料作成関与に係る申告でございますが、伊藤澄信委員が第一三共株式会社、KMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会及びデンカ株式会社のインフルエンザワクチンの申請資料の作成に関与されているため、インフルエンザワクチンの審議の際に、退出するに該当します。また、宮入委員がファイザー株式会社の13価肺炎球菌ワクチンの申請資料の作成に関与されているため、13価肺炎球菌ワクチンの審議の際に、退出するに該当いたします。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ただいま事務局より審議の参加について御報告をいただきましたが、伊藤澄信委員及び宮入委員は、それぞれインフルエンザワクチン、13価肺炎球菌ワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議には御参加いただけません。
しかし、規定上、申請資料の作成に関与している場合であっても、分科会等が認めた場合には意見を述べることができるとされております。両委員におかれましては、当該ワクチンについて深い知識をお持ちであるために、ぜひ御意見をいただきたいと思っておりますが、委員の皆様、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。皆さん、うなずいていただいたと理解いたしました。
それでは、部会として承認いただけたということで、審議に入らせていただきます。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 審議に入る前に、本日の資料について説明いたします。
議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-9、資料2-1から31、資料3、参考資料1から18になります。
資料の不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 皆様、よろしいでしょうか。
それでは、審議を始めたいと思います。
議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」についてです。
資料1-1-1から資料1-5について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間における副反応疑い事例の報告状況について御説明いたします。
まず、資料1-1-1、医療機関からの副反応疑い報告状況について御報告いたします。
今回の集計対象期間は2024年1月28日までとしております。
まず、コミナティRTU筋注でございます。接種者数は2386万4305、副反応疑いの報告頻度は0.0005%、重篤は0.0003%、死亡報告数は19件でございます。参考として上段に10月29日までの副反応報告頻度を掲載しておりまして、副反応疑いの報告頻度は0.0003%、重篤は0.0001%、また、ホームページ上に参考としてリンクを掲載しておりますが、起源株2価コミナティ総数における副反応疑いの報告頻度、それらと比べましても大きな違いはございません。
続きまして、コミナティ6か月から4歳の乳幼児用及び5歳から11歳の小児用につきましてでございます。接種者数はそれぞれ6万1044と13万6313であり、いずれも副反応疑い報告はございませんでした。
続いて、同ページ下段、スパイクバックスでございます。接種者数は295万8605、副反応疑いの報告頻度は0.0014%、重篤は0.0008%、死亡報告数は10件でございます。こちらも参考ですが、10月29日までの報告頻度につきましては0.0009%、重篤は0.0004%、スパイクバックス起源2価総数の副反応疑い頻度と比べましても大きな違いはございません。
続きまして、昨年12月4日から接種を開始しました第一三共社製のダイチロナ筋注の集計について、今回より御報告をさせていただきます。接種者数は1万9042、副反応疑い報告の報告頻度は0.0053%、重篤及び死亡報告はございませんでした。
続いて、ヌバキソビッドでございます。こちらは2022年5月からの接種者数ですが、35万252、副反応疑いの報告頻度は0.0123%であり、新たな副反応疑い報告はなく、死亡についても前回部会以降新たな報告はございませんでした。
症状別報告件数につきましては4ページ以降、性別、年齢別につきましては15ページ、ロット別については16ページ以降、医療機関からの副反応疑い報告についての図表を22ページ以降にまとめておりますので、御確認をお願いいたします。
資料1-1-1については以上でございます。
続いて、資料1-2-1、製造販売業者からの副反応疑い報告状況についておまとめをしております。資料を御確認ください。
医療機関報告と全体の傾向は変わりませんが、コミナティ乳幼児用で1件、小児用で2件の副反応疑い報告がありましたので、御報告をさせていただきます。
資料1-2-2-2をご覧ください。まず、コミナティ乳幼児用の報告事例をお示しいたします。
No.228の症例でございます。6か月の女児の副反応疑い報告がございました。本事例の詳細につきましては、資料1-2-3-2にございますので、併せてご覧ください。
本事例の経過についてでございますが、ワクチン接種翌日であります2023年11月12日から発熱があり、クリニックに受診した同月17日まで発熱が続き、何らかの細菌感染を思わせる所見があったとのことですが、尿の培養では有意な細菌の検出なく、確定診断には至っておりません。その後の転帰としては、回復として報告がされております。
評価としては、資料1-2-2-2に記載されております因果関係評価の専門家意見のとおり、γとしております。
続きまして、資料1-2-2-3をご覧ください。コミナティ小児用の報告事例をお示しいたします。
本日特に先生方に御議論いただきたい事例として、コミナティ小児用の事例について御報告をさせていただきます。
No.226の症例をご覧ください。本事例の詳細については、資料1-2-3-3にございますので、そちらも併せて御確認をいただきたいと思います。
No.226、6歳女児、ワクチン接種後に心筋炎を生じた事例でございます。本事例は、2023年10月7日にコミナティ小児用2回目を接種しております。10月22日に腹痛と徐脈があり外来を受診し、房室ブロックが見られており、経過に基づき、心筋炎であると診断されております。
本事例の既往歴としまして、コロナ感染による劇症型心筋炎をワクチン接種の1年前に発症しており、その際にはVA-ECMOによる治療を有するなど、房室ブロック、致死性不整脈が出ていた旨の記載が症例票にもございます。
本事例についての論点は幾つかあるかと思いますが、前回の部会におきましても、前回の部会は小児ではなく13歳の男性ではございますが、2回目ワクチンの接種後に心筋炎を生じた後、4回目の接種後に再び心筋炎を生じたという事例を先生方に御議論いただいておりました。前回事例はワクチンの接種後に心筋炎を発症して、再度のワクチン接種後に再び心筋炎を発症した事例でして、今回はコロナ感染による心筋炎を発症した後、ワクチン接種後に再び心筋炎を発症した事例ということで、背景は異なりますが、いずれも新型コロナ関連の心筋炎の後のワクチン接種後の心筋炎というところが共通しておりまして、前回審議会での事例も踏まえまして、ぜひ本事例につきましても御意見をいただければと考えております。
念のため、規模感として参考にいただければと思いますけれども、事務局で心筋炎、心膜炎が報告基準に設定された日以降の症例につきまして、心筋炎、心膜炎の事例かつ症例票の原疾患、合併症、既往歴の欄に心筋炎、心膜炎の関連事象が記載されている報告について機械的に抽出を行っております。機械的な抽出ですので、原疾患、合併症、既往歴のところに記載いただいていなければ症例は引っかかってこないのですけれども、その条件で抽出をしたところ、28件が抽出されました。それらについて1例ずつ既往とされる心筋炎の原因を確認したところ、コロナ感染によるものが今回の事例を含め計3件ございました。ただし、今回の事例を除いた残りの2件は、経過や既往から見て同一症例の可能性がございまして、報告件数として計3件、恐らく症例数で言えば2例になるかと思いますけれども、そのような規模感であるということを御報告いたします。残りの事例は、例えばインフルエンザ感染によるもの、ウイルス性心筋炎とだけ記載があるもの、強皮症、細菌性などの記載があったものなどございますけれども、原因の詳細な記載がないものが大半でございました。先ほどから繰り返しておりますけれども、機械的な抽出ですので、前回審議されたワクチン接種後の心筋炎事例は、実はこの手法では抽出できなかったのですけれども、おおよその規模感として御参考としていただければと思います。
なお、欧州学会のコメントでは、慎重に解釈するべきとはされておりますけれども、心筋炎の既往を持つ方におけるワクチン接種につきましては、心筋炎の再発やその他の重篤な副反応のリスクとは関連していないことが示唆されていることが述べられておりまして、また、CDCのガイダンスでも、コロナ感染によるものを含めコロナワクチン接種前の心筋炎、心膜炎の既往を有する方、コロナワクチン接種後3週間以上経過した心筋炎、心膜炎の既往を有する方へは、心筋炎、心膜炎が完全に改善している場合、コロナワクチンについて、原文では「may receive」となっていますけれども、そのニュアンスで記載がされているところではございます。他にも論文などを事務局でも検索を行いましたが、現時点でコロナ感染による心筋炎を発症した方へのコロナワクチン接種に係る心筋炎の発症リスクについての大規模なデータは承知していないところです。
本邦の添付文書では、心臓血管系疾患等の基礎疾患を有する方へは、健康状態及び体質を勘案して、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種することとしておりまして、また、既往のありなしに関係なくワクチンによって心筋炎が生じ得ることについては注意喚起を行っているところであり、これまでも事務連絡等で周知を行っているところではございますが、本事例について、後に御議論いただくお時間を取らせていただきますので、そこで御意見をお願いできればと考えております。
続きまして、死亡事例につきまして御報告をいたします。
資料1-3-1をご覧ください。コミナティ接種後の死亡事例について御報告いたします。
1ページの報告状況をご覧ください。今回の集計対象期間までに死亡として報告された事例は26件でございました。参考1として頻度をお示ししておりますが、100万回当たりは1.1件でございます。参考ですけれども、コミナティ起源株2価総数における100万回当たりの頻度は6.1件となっております。
2ページ以降、死亡として報告された事例の一覧をお示ししております。No.11以降が今回の報告事例になります。今回も不明1例を除きまして全例70歳以上となっておりまして、因果関係評価はγとなっております。事例の経過等につきまして、御確認をお願いいたします。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックス接種後の死亡事例につきまして御報告をいたします。
1ページ、報告状況でございます。今回集計対象期間までに死亡として報告された事例は11件ございました。参考1、頻度でございますが、100万回当たりは3.7件でございます。こちらも参考でございますけれども、起源株2価総数における100万回当たりの頻度は2.7件となっております。
2ページ以降、死亡として報告された事例の一覧をお示ししております。今回の報告事例につきましてはNo.3以降でございます。事例の経過等につきまして、こちらも御確認をお願いいたします。
資料1-3-2の説明は以上でございます。
続きまして、資料1-3-3、資料1-3-4、資料1-3-5、資料1-3-6について、今回の集計対象期間においていずれも報告はございませんでしたので、以降の説明は省略をさせていただきます。
続きまして、資料1-4-1をご覧ください。コミナティ接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回コミナティ接種後の心筋炎として報告された事例が3件ございました。7ページをご覧ください。死亡事例としてNo.82、79歳男性の症例でございます。本事例につきましては、先ほどの死亡事例1-3-1にも経過を掲載しているところでございますけれども、この事例を含めまして残りの事例につきましてもブライトン分類4、専門家の因果関係評価はγとして評価を行っております。
再度資料の1ページに戻っていただきまして、心膜炎の報告状況でございますけれども、新たな報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-2、スパイクバックス接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回スパイクバックスにおいて、集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-3でございます。ヌバキソビッド接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例でございます。
今回ヌバキソビッド接種後の心筋炎として計上したものが、1件ございます。7ページをご覧ください。No.2がその事例でございます。こちら、年齢、既往歴、発症日が不明でありまして、接種したワクチンも不明であるものの、ヌバキソビッドの製造販売業者から報告いただきましたので、専門家評価を行い、ヌバキソビッドの報告件数に計上させていただいたものでございます。因果関係評価としてはγとなります。
続きまして、資料1-4-4をご覧ください。コミナティ小児用接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回心筋炎として報告された事例が1件ございました。この事例につきましては、先ほど御紹介させていただきましたので、ここでの説明は割愛をさせていただきます。先ほどの事例以外に心筋炎また心膜炎についての報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-5にコミナティ乳幼児、また、1-4-6にダイチロナ筋注接種後の報告でございますけれども、いずれも今回の集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
最後に資料1-5、乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんについてでございます。
こちらにつきましても、今回集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
資料1-1から1-5までの説明については以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
前回の本部会におきまして研究班から大曲参考人にお越しいただきまして、新型コロナワクチン接種後の症状に関する実態調査について報告をいただきましたが、その際の議論を踏まえまして、事務局において情報収集を依頼いたしました。これにつきまして、資料1-6が提出されております。また、コロナワクチンの状況につきましても資料1-7でまとめていただいていますので、事務局からこの2つを併せまして説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○事務局 それでは、事務局より資料1-6を説明いたします。よろしくお願いいたします。
2ページをご覧ください。これまでの経緯を示してございます。令和6年1月26日開催の合同部会におきまして、大曲参考人から、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査の第3報を御報告いただきました。御報告の中で、全例が単一施設・医師からの報告であったということですが、入院症例において5例のIgA腎症の事例を報告いただきました。また、全例が退院し、外来通院で治療が継続されていたことも報告いただきました。実態調査という取組の性質上、ワクチンとの因果関係を評価することは困難ということではありますが、国内外の他の情報を収集等も含めて検討する必要があると御指摘をいただいたものと認識しております。この報告を踏まえまして、座長からの御指摘として、事務局において情報収集の上、今後、審議会において改めて提示するよう御指示を頂戴しましたので、今回の部会で提示させていただくものです。
3ページをご覧ください。IgA腎症の概要を示しております。本疾患は、日本をはじめアジア太平洋地域に多く見られ、北欧や北米では比較的少ないとされております。また、初期は無症状であり、上気道感染などにより肉眼的血尿を伴う臨床症状が増悪することが知られております。
4ページをご覧ください。我が国の医療機関及び製造販売業者から提出されたワクチン接種後に生じたIgA腎症の報告数を示しております。2024年1月までに医療機関から17件、製造販売業者から93件が報告されております。ワクチンとの因果関係評価につきましては、αとして因果関係を否定できないと評価された例はございませんでした。
5ページをご覧ください。こちらは海外規制当局等における対応状況のまとめでございます。欧米の規制当局に加えてIgA腎症の有病率がより高いと考えられるアジア諸国における規制当局等の対応状況について調査を行いました。散発的な腎関連疾患の報告はあるものの、特段のリスク評価の対象としての設定や注意喚起を行っているものは確認できませんでした。
6ページに以上のまとめを示してございます。
資料1-6に関連した事務局の説明は以上でございます。
引き続きまして、資料1-7の説明を申し上げます。今回も先生方の御議論に活用いただけますよう、資料1-7を御用意しました。
2ページをご覧ください。資料構成をお示しします。1.副反応疑い報告全体の概要について、2.その他、3.今回の審議会における論点についてまとめ、効率的に御議論いただける資料構成としております。
4ページをご覧ください。ファイザー社のXBB対応ワクチンにつきまして、接種開始から本年1月28日までに副反応疑い報告として報告された事例についてまとめております。12歳以上では2300万回強が接種されており、副反応疑い報告は医療機関から126例、製造販売業者から153例が報告されています。小児用では13万回強が接種されており、副反応疑い報告は医療機関からは0、製造販売業者から2例が報告されております。乳幼児用では6万回程度接種されており、副反応疑い報告例はございませんでした。
5ページをご覧ください。モデルナ社のワクチンにつきましては、295万回程度接種されております。副反応疑い報告につきましては、医療機関から42例、製造販売業者から31例が報告されています。武田社の従来型ワクチンにつきましては、集計期間が2022年5月からとなっております。35万回程度接種されておりまして、副反応疑い報告につきましては、医療機関から43例、製造販売業者から40例が報告されています。第一三共社のXBB対応ワクチンにつきましては、集計期間が2023年12月からとなっております。1万9000回程度接種されておりまして、副反応疑い報告につきましては、医療機関から1例、製造販売業者から報告例はございませんでした。
7ページをご覧ください。こちらは集計時点において接種に用いられていたワクチンの一覧であり、御参考です。
次に、論点をお示しいたします。9ページをご覧ください。死亡例についてまとめてございます。今回ファイザー社ワクチンで26例、モデルナ社ワクチンで11例、武田社ワクチンで3例の報告があり、第一三共社の報告例はございませんでした。症状につきましては、発熱、呼吸不全、酸素飽和度低下等が報告されておりました。専門家による評価につきましては、各社のワクチンにつきまして、いずれもγ評価となっております。
こういった点を踏まえまして、下の論点でございますけれども、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかというのが事務局案でございます。
10ページをご覧ください。こちらは心筋炎及び心膜炎についてまとめてございます。心筋炎は、ファイザー社で3例、モデルナ社で1例、武田社から2例報告されております。また、心膜炎につきましては、今回は報告例はございませんでした。
12歳以上の者における新型コロナワクチンに係る心筋炎、心膜炎に関するこれまでの検討結果も踏まえ、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいか。ただし、後ほど述べますとおり、今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うこととしてはどうかという事務局案としてございます。
11ページをご覧ください。こちらは小児の報告例についてまとめてございます。小児の副反応は、ファイザー社で2例報告されております。心筋炎は、ファイザー社で1例報告されております。また、心膜炎については、今回は報告がございませんでした。先ほども御説明申し上げたとおり、今回、小児ファイザー社ワクチンの接種後の1例におきまして、新型コロナウイルス感染症による心筋炎の既往のある6歳の方でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例がございました。また、前回1月の合同部会の審議におきまして、過去にワクチン接種後に心筋炎を生じた既往例のある13歳の方でモデルナ社ワクチン接種後に心筋炎が報告された事例がございました。なお、いずれの症例につきましても、専門家評価についてはワクチンと心筋炎の因果関係評価はγ評価となっております。
こういった報告状況を踏まえて、事務局より下段の論点のまとめにおきまして、1つ目の○といたしまして、今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うこととしてはどうか。2つ目の○といたしまして、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかという事務局案としてございます。
12ページをご覧ください。こちらは乳幼児の報告についてまとめてございます。乳幼児の副反応はファイザーで1例報告されております。なお、心筋炎、心膜炎に係る報告事例はございませんでした。
こういった報告状況を踏まえ、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかという事務局案としてございます。
最後、13ページでございます。副反応につきましては、死亡、心筋炎、心膜炎、小児、乳幼児のワクチン接種後の状況、ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査に関する情報についてまとめてお示ししたところでございます。また、研究班の伊藤先生から健康状態に関する調査の状況についても御報告いただきまして、御議論いただくところでございます。これらの項目に関する検討も含め、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められず、現時点において、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、引き続き、国内外の情報を収集することとしてはどうかというまとめとしてございます。これらの点について御議論いただけたらと思います。
資料1-7に関連した事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて、資料1-9の健康状況調査報告につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-9、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の報告について簡潔に御紹介申し上げます。容量が大きいことから、ファイルが3つに分かれておりますので、それぞれご覧いただくことをお願いいたします。
まず、スライド1から193と題した資料をご覧ください。
今回は前回に続きまして、令和5年度秋開始接種のデータをまとめて報告いたします。集計対象期間は本年3月3日までとなっておりまして、対象のワクチンは令和5年秋開始接種に使用した4つのワクチン、1つ目がXBB.1.5に対応したファイザー社1価ワクチン、2つ目がXBB.1.5に対応したモデルナ社1価ワクチン、3つ目が武田(ノババックス)社ワクチン、4つ目がXBB.1.5に対応した第一三共社の1価ワクチンとなります。
飛びまして、99ページをご覧ください。当日有効回答者数は5回目接種が922名、前回と比較して16名増加しております。
飛びまして、123ページ、6回目接種の方が308名、前回と比較して9名増加しております。
飛びまして、147ページ、7回目接種の方が504名、前回と比較して1名増加となっております。回答いただいております。
このうち第一三共社ワクチンにつきましては、有効回答者数は5回目、6回目、7回目接種を合わせて13名となっております。
続きまして、違うファイルになりますけれども、スライド193から437と題した資料をご覧ください。
まず、PDFとして1ページ、資料は194ページから、症状の分析結果を掲載しております。
さらに飛びまして、PDFとして75ページ、資料としては268ページとなってございます。こちらからワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
例えば最も有効回答者数の多かった接種5回目後について御説明いたしますと、PDFとしては81ページ、82ページ、資料としては274ページと275ページに、接種後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきましては、前回の御報告と比較して大きな変化はございません。
次のファイルになります。スライド438から529と題した資料をご覧ください。
PDFとして57ページから78ページまで、資料としては494ページから515ページまででございますが、こちらが接種後に医療機関を受診した方の割合、医療機関での診断結果、入院状況をお示ししております。
また、PDFとして79ページ、資料としては516ページからは、3回目、4回目、5回目、6回目または7回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。前回から特筆すべき変化はございません。
次に、PDFとして85ページ、資料としては522ページになります。こちらからは新型コロナワクチンの接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。
今回の資料は、3月3日までをデータロックとして整理しております。この調査自体といたしましては、3月12日までデータ収集を行っておりますが、健康状況に関する回答はございませんでしたので、健康状況としてはこの3月3日までのものとなります。
また、この調査につきましては、令和5年度まで実施いたしました。令和6年度は新型コロナワクチンが定期接種となることに伴いまして、新型コロナワクチンの健康状況調査につきましても、ほかの定期接種ワクチンと同じ枠組みで実施してまいります。
資料1-9につきましては、御説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて、資料1-8について、伊藤澄信委員から説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
特例臨時接種が3月末で終了しましたので、3月末で本調査の新規登録も終了いたしました。本日は国内で開発製造されております第一三共社のオミクロン株のXBB.1.5対応1価ワクチンの結果と、ファイザー社及びモデルナ社のXBB.1.5対応の1価ワクチンを接種された方の接種記録をまとめたものを中心に報告させていただきます。以後、XBB対応1価ワクチンと省略させていただきます。
2ページをご覧いただければと思います。JCHOの楠先生が3月末で退任されましたので、注釈をつけております。
7ページをご覧いただければと思います。第一三共社ワクチンはメッセンジャーRNAワクチンで、12月上旬から接種が開始されましたが、本調査では1月からNHO、JCHO、順天堂大学で接種を開始しています。3月31日までにちょうど300人の方が追加接種されています。一般の方も含めて募集しておりましたが、医療従事者の方が主な被接種者の方でした。
8ページです。幾何平均抗体価倍率を示したくて、接種前と接種1か月後の抗S抗体、中和抗体の両者を測定した66名の結果を示しております。接種前に抗N抗体が陰性だと抗S抗体や中和抗体の前値が低いのですが、接種後の抗S抗体価には違いがないようです。中和抗体も同様に抗N抗体陰性と陽性で違いがありますが、表の右端の幾何平均抗体価倍率はご覧、抗N抗体陽性と陰性で違いはありませんでした。XBB.1.5に対して11.43倍でした。交差免疫になりますが、BA.5は3.68倍でした。
抗体価採血に同意された方が224人で、そのうち接種前抗N抗体が陽性だった方が114人、62.5%でした。感染したと報告いただいた方は96人、42.9%でした。感染された方を時期別に見ますと、2022年12月以前に感染された方は49人で、そのうち抗N抗体は11人、22.4%が陰性になりました。2023年1月以降に感染された方は45人が陽性で、昨年2月と今年1月に感染された方の2人が陰性でしたが、2023年、昨年の1月以降の感染者では、感染された方の95.7%が抗N抗体陽性でした。後で説明いたしますが、ファイザー社とモデルナ社のXBBの1,224人のデータセットでも、1年以上前に感染された方の抗N抗体は27.0%の方が陰転化していましたので、抗N抗体も感染後1年を過ぎますと陰転化することが分かります。また、感染したという自覚症状と抗N抗体の一致率がこちらのデータセットで59.3%でしたから、以前から御報告しておりますが、感染しても4割の方は気がついていない、すなわち不顕性感染であることが、複数のデータセットからも確認できました。
11ページからは、発熱、局所疼痛、全身倦怠感、頭痛の接種日からの時系列変化と年代別の副反応の発現比率を示しております。これだと少し分かりにくいので、55ページをご覧いただければと思いますが、第一三共、ファイザー、モデルナ社のXBB対応1価ワクチン追加接種の副反応の頻度を示しました。第一三共社の副反応の頻度は、ほぼファイザー社の頻度と変わりがありませんでした。
戻っていただいて、15ページ、16ページです。発赤とかゆみも含めた10日以降の症状継続の方はこの資料では2人で、直近先週末までの211人のデータでは3人に症状がでていました。接種後9日から10日後に発赤があって、それが接種後13日から25日まで続いていたということで、添付文書に記載のある遅発性反応と思います。COVIDアームはファイザー社、モデルナ社の2回目以降はほぼ出ていなかったので、同じものと言いにくいと思っています。3人のうち2人は2日から5日ぐらいまで発赤があって、それが1回消失した後、また9日から10日に出てきている状況でした。ですから、その点も少し違いがありそうだと思います。
17ページに光視症あるいは飛蚊症としてPMDA報告がされましたが、施設からはPMDA報告に該当しないとして取下げ依頼が出ております。このため、現在までのところ、第一三共社、ファイザー社、モデルナ社の3ワクチンとも、PMDA報告に該当する症例はありません。
21ページからは、ファイザー社のXBB対応1価ワクチン追加接種の結果です。基本的にはリバイスで、29ページの抗S抗体価は3か月後までの結果です。抗S抗体価を従属変数として回帰分析しますと、抗N抗体が陽性か否かというのが一番強い要因で、年齢に伴って抗体価が低下しましたが、性別は関係がないという結果でした。
30ページの中和抗体は、接種前と1か月後のBA.5とXBBの中和抗体の結果がそろっている81人の方の結果です。ワクチンの元株であるXBBに対する幾何平均抗体価倍率が3.77倍で、交差免疫であるBA.5に対して1.93倍という結果でした。抗N抗体が陰性か陽性かで幾何平均抗体価倍率に違いはありませんでした。
32ページからの時系列、性別、年齢ごとの違いについて説明は省略させていただきますが、36ページは前回提示をさせていただきました同一被験者における回数別の副反応の結果です。対象者数が1割ほど増えましたので再度掲示しておりますが、基本的に変わりありません。オミクロン対応の2価ワクチンとXBB対応1価ワクチンは、起源株1価ワクチンの2回目及び追加接種に比べると、副反応の頻度が低くなっています。
43ページは、モデルナ社のXBB対応の1価ワクチンの追加接種の結果です。年齢別抗N抗体陰性、陽性の抗S抗体価です。
44ページは、ファイザー社と同様に接種前と接種後のBA.5、XBBの中和抗体価がそろった70人の結果です。こちらのXBBの幾何平均抗体価倍率は4.78倍で、BA.5、こちらは交差免疫になるかと思いますが、2.64倍でした。ファイザー社に比べて少し高めに出ていますが、どちらも第一三共社に比べて低いようです。いずれのメッセンジャーRNAワクチンでも、抗N抗体が陰性の方は接種1か月後の抗体価の絶対値が低いことと、幾何平均抗体価倍率は少し高めの結果が得られています。
49ページは、36ページのファイザー社のものと同様の今回モデルナ社のXBB対応1価ワクチンを接種された方で過去にモデルナ社のワクチンを接種された際の結果を抽出したものです。モデルナ社の初回シリーズは自衛隊の方々が対象でしたので、追加接種に該当する被接種者の方はデータセットにいらっしゃいませんので、そこは空欄にしています。ファイザー社に比べて対象者数が少ないので、比較するのが困難なのですが、XBB対応1価ワクチンとオミクロン対応の2価ワクチン、起源株1価ワクチンの差ははっきりしません。追加接種以降は1回50マイクログラムで接種量は変わっていませんので、副反応の頻度にほぼ違いがないことが分かります。ファイザー社とモデルナ社が同じ傾向を示せば、接種回数が増える、あるいは従来株からオミクロン株対応に変わると副反応の頻度が減少するという仮説ができるのですが、この結果からはそうではないようです。絶え間なく製造工程をリファインしているという話も耳にしますので、ヒトの生物学的要因よりはそちらのほうが関係しているのかもしれません。
5歳から11歳の追加接種については、1価が起源株、2価がBA.4-5株、1価のXBB株対応ワクチンが比較できるように3行に並べてグラフを作りましたが、3つのワクチンに大きな違いはなさそうです。基本はアップデートですので、説明は省略させていただきます。
説明は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、いつも詳細かつ興味深い御報告をありがとうございます。
どうもありがとうございました。
それでは、事務局から報告があったこれまでの副反応疑い事例、健康状況に関する調査等について、論点に沿って議論を進めていきたいと思います。今回ダイチロナの初めての報告もございまして、先ほど事務局から紹介のありました新型コロナウイルスの心筋炎の重症の方、既往のある方でXBBワクチン接種後に心筋炎が発症した方もいらっしゃいました。副反応疑い事例に関して新型コロナワクチンの安全性評価について、まず、死亡事例について、次いで、心筋炎及び心膜炎について、小児、乳幼児接種について、そのほかの論点について、そして、全体のまとめと今後の論点についてという順で議論をお願いできればと思います。
まず、死亡事例について議論をお願いできればと思います。資料1-7にまとめをつくっていただいてございまして、9ページにおいて事務局から挙げられておりますワクチン接種と副反応疑い報告との観点でワクチンの安全性に関わる新たな懸念があるかどうか、それについてどう考えるか、御意見、質問がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。こちら、よろしいですか。
これまでの死亡に関わる副反応疑い報告の状況及び国内外のCOVID-19メッセンジャーRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも含めると、現時点においてはワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えてよいかということでございますが、特段の御意見がなければこの方向でのまとめとさせていただけたらと思います。ありがとうございます。
続きましては、心筋炎及び心膜炎の事例についての議論ということでございまして、こちらは10ページをご覧ください。事務局から2点挙げられてございます。実際は小児の接種についてというところでかぶるのですが、よろしければこちらにおきまして、心筋炎、心膜炎の事例につきまして御議論を頂戴できればと思っております。こちらは皆様御案内のとおりで、繰り返しになってしまいますが、6歳の女児の方で1年前に新型コロナウイルスによる重症の心筋炎、房室ブロック、致死性不整脈でVA-ECMOまでやった方が、約1年後にワクチンを接種されまして、10日前後ぐらいでしょうか。心筋炎を発症された方がいらっしゃったということでございます。こちらにつきまして、まとめを含めて御意見がいただければと思いますが、いかがでしょうか。
まず、藤井委員から御意見をいただければと思います。
○藤井委員 藤井でございます。
詳細な報告をありがとうございました。症例226、6歳女児の症例は大変気になります。この患者さんは、お話があったように1年前にコロナ感染で心筋炎を発症してECMO治療まで行っていますが、1年後にコロナワクチンの2回目接種後に心筋炎と判断されています。非常に幸いなことに重症になることなく改善はしていますが、臨床的には重要なメッセージが幾つか含まれていると思います。CDCのガイダンスでは「may receive」という控えめな表現だったようですが、臨床に携わっている者からしますと、まれなことが2回続いていますので、慎重な判断が求められるように思います。
事務局からは接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うという考え方を示されていますが、個人的にはとても賛成です。問題は、この注意喚起の方法になるかと思います。これには恐らく2つの立場があって、1つ目は、医療関係者に対してです。このような症例が実は臨床現場に隠れている可能性も考えられるので、医療者に対する十分な情報提供は必要と思います。もう一方は、接種される御家族への判断材料としての情報提供です。心筋炎の既往がある方でこのようなことがあったことは、御家族によっては重要な判断材料になるかと思います。個人的には因果関係は否定できないとすることが強いメッセージになるとは思いますが、疫学的には一例からの判断は難しいということもありますので、今後は注意喚起の方法をどのようにするか議論することが重要だと思います。
以上です。
○森尾座長 藤井委員、どうもありがとうございました。
それでは、伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
今、藤井委員から言われたとおりだと思うのですが、専門家の因果関係はγにはなっていますが、臨床医としては貴重で診療においては大変示唆に富む症例だと思います。今回は一例報告に相当する代物ですので、添付文書の改訂にまで踏み込むことは難しいと思いますが、今までは心筋炎になった方が、COVIDに再度感染しないためにワクチンを接種するのもいいのかなと思っていましたが、COVID感染とワクチンとの交差反応が起きる可能性が出てきましたので、心筋炎の既往のある方にSARS-CoV-2のワクチンの接種を推奨しないほうがいいかもしれないと、従来と逆な考え方が必要という印象を持っています。最終的な判断はもちろん接種医がするわけですけれども、本事例のようなケースがあったことについては、学会などを通じて全ての医療従事者には知っておいていただきたいと思います。そういう意味で、今回提案をされたような形で十分かもしれませんが、様々な機会で広報していただきたい。今回、全世界の情報を再度事務局で調べていただいたことについて敬意を表しますが、こういった情報を広げていくことの重要性を強く感じた次第です。
どちらかというと意見ですが、以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、どうもありがとうございました。
2人とも事務局のまとめ方につきましては御賛同いただいている中で、注意喚起、情報共有の提供の方法が非常に重要であるということでございまして、医療関係者への情報提供に加えて御家族の方にも届くようにということで、何よりしっかりした判断の中でどうするかという、先ほど伊藤委員がおっしゃいましたけれども、非常に真逆の判断ということがあるので、一例一例の方でしっかり御判断いただくということかと思っております。
ほかにいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今の意見を聞いておりまして、今後注意をしていこうということであれば、例えば多くの人に知っていただくためには、予診票の中にこれまで心筋炎、心膜炎と診断されたことはありますかといった質問を入れることで、受ける側も接種する側もそれに対して注意を払うという一つの方法になり得るのではないかと思いました。できるかどうかはもちろん時間がかかると思いますけれども、一つの案として提案してみたいと思います。
以上です。
○森尾座長 効果的にお伝えするという点で重要なポイントかと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
今、事務局から注意喚起ということで出させていただいておりますけれども、実際には事務連絡という形で通達をするということでしょうか。
高橋調整官、何かございますか。
○事務局 まず、藤井先生からどのように周知していくのかという御指摘をいただきました。私どもといたしましては、過去にもこちらの部会の御審議を踏まえて再周知といった形で事務連絡を発出いたしまして、自治体経由で管内の医療機関にお知らせいただくという方法を取ってまいりましたので、基本的には同じような形で事務連絡という形で周知いたしたいと考えております。
○森尾座長 ありがとうございます。
学会等におかれましても、何か伝達の方法を考えるなど、それ以降のつなぎということですか、必要かとは思います。
ほかにいかがでしょうか。
どうもありがとうございました。
論点のまとめの中で、今回の事例は1例ということでございますが、前回ワクチン接種後の心筋炎で接種後に心筋炎というのもございましたので、ぜひしっかりと既往歴に注意を払うということと、接種後に症状が出れば速やかに医療機関を受診してということで注意喚起、事務連絡の中でその後の展開についてはぜひいろいろな形で発信していただきたいということかと思っております。
12歳以上の方について、現時点で新たな安全性に関する懸念は認められないということで、よろしいですか。
それでは、そのような形で後ほどまとめさせていただけたらと思います。どうも御意見をありがとうございました。
それでは、小児、乳幼児接種についてということでございます。一部かぶってしまうのですが、これは1-7の11ページにまとめが記載されてございます。こちらにつきまして、加えて何か御意見がありましたらいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
先ほどの接続なのですけれども、過去の審議会の議論におきまして、「これまでの報告事例によると、心筋炎関連事象はワクチン接種後4日程度の間に、胸痛や息切れが出現している」とされていることから、これまでの注意喚起におきましては、「接種後4日以内に胸の痛み、動悸、息切れ、むくみなどの症状が見られた場合には速やかに医療機関を受診するなど」としておりましたが、今回の症例は接種後2週間、10日と言っていいのでしょうか、そこで発症していることから、改めて注意喚起する際には日数を書かずに「ワクチン接種後」という形にさせていただくのがよろしいかと。「4日以内」にもしこだわるということであればそれなのですけれども、「ワクチン接種後」ということでよろしいですか。
それでは、日にちは記載せずにということで注意喚起を考えさせていただけたらと思います。ありがとうございます。
ちょっと気になりましたけれども、岡委員、腹痛というのは、子供はどうなのですか。
○岡委員 ありがとうございます。
この患者さんが腹痛を訴えていたというのは、心筋炎の典型的な心不全の症状ということですので、そのことも含めて別に腹痛と記載をしなくても心不全の症状だという形で医療側の方は捉えていただけるかと思います。
○森尾座長 医療側の知識の展開が必要だということですね。ありがとうございました。
ほかには小児、乳幼児接種について、よろしいですか。
ありがとうございます。
乳幼児のほうの論点につきましては12ページに記載がされておりまして、こちらにつきましては新たな懸念は認められないというまとめ方でさせていただいておりますが、何か御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、そのほかの論点についてということでございまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から質問、御意見がありましたら承りたいと思います。また、伊藤澄信委員の御発表に関する御質問等がありましたらこちらで承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございました。
それでは、全体のまとめと今後の論点についてということで、これまで議論された内容をまとめたいと思います。
これまで確認できた内容としましては、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますが、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況に、動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
続いて、心筋炎、心膜炎、小児に関する副反応疑い報告の状況についてでございますが、こちらについて整理して今まで議論を行っていただきました。
今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、こちらは恐らく既往をしっかり問診していただくことも重要だと思いますが、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合には速やかに医療機関を受診するよう改めて注意喚起をしておく。実際には事務連絡という形で御報告いただき、その後の展開が重要だという御意見も頂戴いたしました。
心筋炎、心膜炎、小児のワクチン接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
そのほかの論点、死亡事例、乳幼児でございますが、死亡事例や乳幼児に関する副反応疑い報告の状況について整理し、議論を行ったところ、これらの観点については、現時点においては、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
コホート調査及び健康状況に関する調査の状況でございますが、ワクチン接種後の健康状況に関する調査の結果について報告され、議論を行わせていただきました。
ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査につきましては、前回の論点を踏まえて事務局において情報収集を行い、本日IgA腎症に関わる現在の状況について報告がなされ、議論を行わせていただきました。
全体の報告状況のまとめでございますが、ファイザー社、モデルナ社、武田社、第一三共社ワクチンの接種については、これまで継続的に注視し、議論してきた内容も踏まえると、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えてよいのではないかという形でまとめておりますが、このような形でよろしいでしょうか。何か追加で御意見等がありましたら承りたいと思います。
ありがとうございます。
以上、今回報告のあった具体的な事例などを踏まえまして、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において新たな懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、首肯していただいたものと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、これで議題1を終了させていただきまして、議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」の議題に入りたいと思います。
事務局から資料2-1から資料2-31の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2023年10月から12月末までにおける副反応が疑われる症例の報告状況について御説明いたします。
資料は2-1から2-31及び参考資料18になります。資料数が多く、また、委員には事前に資料を配付しておりますので、本合同部会における説明では、特筆すべき点や専門家評価対象になっている症状の報告状況を中心に御説明させていただきます。
まず、資料2-1から2-25に関してですが、今回の集計対象期間におきまして、各ワクチンの副反応疑いの報告頻度はこれまでに比べて特段高いということはございませんでした。
なお、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度につきましては、資料2-17、資料2-19の1ページ下段にお示ししているとおり、いずれのワクチンにつきましても急ぎの検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っている状況でございます。
また、資料2-26は、インフルエンザワクチンについてです。
今シーズンのインフルエンザワクチンについて、2023年10月から2023年12月末までの結果をお示ししております。接種可能延べ人数は約5400万人となっています。製造販売業者からの報告は20例、医療機関からの報告は57例、うち重篤なものが34例です。製造販売業者からの報告頻度は0.000037%、医療機関からの報告頻度は0.00011%となっております。
2ページからは、報告について内訳別の集計結果をお示ししております。
3ページの下段では、参考として2021年から2022年シーズン、2022年から2023年シーズンを記載しておりまして、今回の報告頻度は過去と比べて特段高いという状況ではございませんでした。
続いて、専門家評価対象となっている症状の報告状況について御説明いたします。
まず、資料2-27、ワクチン接種後の後遺症報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、ワクチン接種後に後遺症が生じたとする報告が、対象期間前の再評価の症例で5例、対象期間内に5例ございました。因果関係評価の結果につきましては、いずれも情報不足などにより評価できないとされております。
続いて、資料2-28、ワクチン接種後のADEM疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、報告対象期間前の再評価の症例で4例、報告対象期間内に5例ございました。因果関係評価の結果につきましては、いずれも情報不足などにより評価できないとされております。
続いて、資料2-29、ワクチン接種後のGBS疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、報告対象期間前の再評価の症例で1例、報告対象期間内に3例ございました。報告対象期間内の症例はいずれもブライトン分類4、因果関係は評価できないとされておりますが、再評価の症例はブライトン分類1、因果関係が否定できないとされております。
次に、資料2-30、ワクチン接種後のアナフィラキシー疑いの報告一覧でございます。
今回の報告対象期間におきまして、アナフィラキシー疑いが生じたとする報告が、対象期間前の再評価の症例で7例、対象期間内の症例で15例ございました。因果関係評価の結果につきましては、このうち4症例におきまして、ブライトン分類がレベル3以上、かつ因果関係が否定できないとされております。
最後に、資料2-31、ワクチン接種後の死亡事例の報告一覧でございます。
報告対象期間前の症例で今回専門家により評価された症例は1例、報告対象期間内に報告された症例は12例あり、現在調査中であるNo.1、No.5、No.14を除き、因果関係評価はγと評価されております。また、対象期間後の報告につきまして、2024年4月2日までに7例が報告されており、そのうちNo.6、No.8、No.17については、因果関係評価はγと評価されております。また、調査中の症例につきましては、次回以降の本部会にて評価を行う予定となっております。
新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料2の説明は以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今回インフルエンザワクチンに対するまとめと報告がございました。
また、簡潔に御説明いただきましたけれども、委員の皆様にはそれぞれのワクチンに対する資料は大部になりますけれども、読み込んでいただきまして、ありがとうございます。
それでは、事務局からの説明につきまして、質問、御意見がありましたら承りたいと思います。ご覧になって気になった点を含めまして、まとめてになりますけれども、御意見、質問等をいただければと思います。いかがでしょうか。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 まとめてですけれども、まず、資料2の帯状疱疹ワクチンですが、こちらは2点ございます。帯状疱疹ワクチンについては、地域、自治体での助成制度に差がありまして、水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンいずれか、または帯状疱疹ワクチンのみ、もしくは水痘ワクチンについて、乳児と高齢者が交ざっていて副反応のラインリストが読みにくいので、頻度や副反応の傾向が見にくくなっていると感じています。分けていただくなどの検討をいただけるかお願いいたします。
2つ目として、帯状疱疹ワクチンでは今回死亡症例がラインリストに挙がっていますが、因果関係評価などはいかがでしょうか。まず、資料2-6についての質問です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
1点目は年齢が大分違うので分けて出していただけたらということと、2点目は死亡例についての解釈ということでございますけれども、事務局からいかがでしょうか。
○事務局 お答えさせていただきます。
1点目の質問に対してですが、高齢者の帯状疱疹予防には、帯状疱疹ワクチン以外に水痘ワクチンが使用される可能性が想定されます。この場合、水痘ワクチンにおける副反応の発現頻度について、分母となる接種可能延べ人数は出荷数から推計するため、小児と高齢者のどちらに使用されたか判別することが困難であり、小児と高齢者の報告頻度について分けてお示しすることは難しいと考えております。なお、定例ワクチンの症例ラインリストについては、現在発生日順で資料を作成しているところ、次回以降は年齢でも区別を行い、小児と高齢者をご評価しやすい形で資料を作成させていただきたく存じます。
2点目の質問についてです。帯状疱疹ワクチン接種後の死亡事例については、今回の部会では報告対象期間内に4例報告されております。死亡事例については、現在1例は調査中となっております。残りの3例のうち2例については、非医療専門家から報告された情報であり、詳細な経過などの情報が不明であることから、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。残りの1例に関しては、医師からの報告となっておりますが、ワクチンの接種から4日後に心肺停止で発見された症例であり、解剖の実施の有無が不明であることなどから、情報不足として因果関係は評価できないとされております。なお、調査中の症例につきましては、次回以降の審議会にて評価をさせていただく予定です。
以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
舟越委員、いかがでしょうか。
○舟越委員 よく分かりました。
次が資料2-19ですが、Hibワクチンの接種対象者としてペグセタコプランという薬について接種患者に対する健康保険適用が2023年8月に拡大されたかと思います。副反応のラインリストを見ている中では特段上がっていないと思いますが、同一の報告などは現時点では上がっていないという認識でよろしいでしょうか。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
その点、事務局、いかがでしょう。何か情報をお持ちでしたらお願いいたします。
○事務局 お答えさせていただきます。
ペグセタコプランについては、発作性夜間ヘモグロビン尿症を効能・効果として承認されているものと承知しております。今回報告された症例に関しては、基礎疾患等の欄に発作性夜間ヘモグロビン尿症が記載されている症例はないことから、当局で把握できる情報の限りでは、報告は上がっていないものと認識しております。
以上です。
○舟越委員 よく分かりました。
私からは以上になります。
○森尾座長 舟越委員、どうもありがとうございます。
ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 多屋です。
おたふくかぜワクチンの資料2-4についてお願いしたいことがございます。今年の1月24日に小委員会で、日本小児科学会で7万弱のおたふくかぜワクチン接種後の副反応調査を行いまして、発表をいたしました。この資料2-4の4ページから5ページにかけて、髄膜炎の報告などがそれだと思います。それぞれの会社から同じ症例と考えられる方が報告されてきております。アスタリスクをつけていただいてはいるのですけれども、その上の集計表(2ページ)ですと、無菌性髄膜炎が今期19人と多くなっておりますが、これは実際には倍の数字になっているということ、それから、主治医がRSウイルス肺炎でワクチンの副反応ではないと明記された症例もこちらにはリストされていますので、そういった情報があることを理解してこの表をご覧いただきたいと思いました。もし可能であれば、同じ症例と思われるものについては1つにまとめていただくなど、これらの数字から頻度を出している関係から検討していただければと思いました。
おたふくかぜワクチンについては以上です。
2点目、ロタウイルスワクチンなのですけれども、毎回腸重積症についてとても分かりやすい資料をつくっていただいており、いつも拝見させていただいております。定期接種になっても腸重積症が多くなったり、重篤な症例が多くなったりしていることはないということがこの表から分かって、非常に重宝する資料となっています。資料2-25です。そこで質問なのですけれども、これは前からだったかもしれないのですけれども、ロタリックスのワクチンで定期接種後、ブライトン分類で1に該当される腸重積症の割合がかなり減って、以前は80%だったのが40%ぐらいになっているのですけれども、これは何か理由がありますでしょうかということが2点目です。
3点目、これが最後なのですけれども、今年度はHPVワクチンのキャッチアップ接種の終了年度となります。接種率がなかなか伸び悩んでいる中、啓発がされていると思うのですけれども、子宮頸がん等緊急接種促進事業のときに、あと半年だからということで体調が悪くても無理をされて接種をされたという方がいらっしゃったかと思います。キャッチアップの期間が短いからといって、体調が悪いけれども無理をして接種することがないような工夫も必要ではないかと思いました。
以上の3点です。
○森尾座長 多屋委員、ありがとうございました。
事務局が答えを用意している間にまとめさせていただきますと、1つ目は無菌性髄膜炎、ムンプスワクチンで、報告が出ると一気に増えてくるということで、アスタリスクだけだとなかなか気がつかないし、メッセージ性もということで、ここら辺はこれから工夫ができればということで、以前からの課題と承っております。
2つ目がロタウイルスワクチンのほうで、定期接種になっても腸重積症はあまり変わっていないということは重要なポイントだということと、ブライトン分類の1が減っているのはなぜかということですね。
3つ目がHPVのキャッチアップ接種で、迫ってくると無理に打つ方がいらっしゃるので、それに対してあまり無理しないでというメッセージ、逆に頑張って打ってというメッセージもきっとあるのかと思いましたが、これのバランスということかと思っております。
いかがでしょうか。事務局から1つずつ御意見をいただけたらと思います。
○事務局 お答えさせていただきます。
1点目のおたふくかぜワクチンに関する御質問に対してです。製造販売業者は4要件、患者を識別できる情報、情報源、副作用名、疑われる医薬品名がそろった情報を知った場合には、その情報の発生源によらず、医薬品医療機器等法に基づき、個別症例ごとの報告が義務づけられています。特に製造販売承認を得ている成分について、自社製品かどうかが不明な場合も報告の対象としています。これは報告漏れを防ぐ観点から幅広く情報を収集する方針に基づくもので、ワクチンのみならず治療用医薬品でも同様の対応を課しています。この方針から、一定程度の重複が発生することは承知をしておりますが、少なくともリスクを過小に見積もることがない取扱いを優先すべきという考え方によるものです。
なお、特にワクチンについては、現状、医薬品に比べ短い期間での集計が行われており、また、出荷数量等に基づく推計接種者数による頻度等も算出していることも勘案し、今回のおたふくかぜワクチンの無菌性髄膜炎の報告には重複の可能性があるため、御懸念の点に対応するため、同一の文献に基づいて報告された症例が分かるよう注釈をつけさせていただいております。
また、医薬品医療機器等法に基づく副作用の運用につきましては、医療関係者または製造販売業者が因果関係を否定できないと判断した場合に報告の義務が発生しますので、医療機関側で因果関係が否定的と考えても、製造販売業者が因果関係が否定できないと判断すれば、報告が提出されます。
続いて、2点目の御質問に対する回答になります。資料2-25、2ページ及び8ページの表のうち、うち、確認された腸重積症例の割合に関して御質問いただいているものと存じます。ロタリックスに関して、定期接種化後、ブライトン分類で1以上に相当する腸重積症の割合については、直近の1年は40%台で報告されており、定期接種化前と比較して減少しているように見えますが、定期接種化前後で異なる要素があるかは明確ではありません。定期接種化後に報告された症例では、文献・学会からの情報に基づく報告である割合が、定期接種化前よりかなり高くなっており、そのことの影響は可能性の一つとして考えられるかもしれませんが、あくまで推測であり、明確な理由は分かりません。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○事務局 予防接種課から多屋委員の御質問に御回答させていただきます。
御指摘いただいて、ありがとうございます。御指摘のとおり、HPVのキャッチアップ接種につきましては、本年度が最終年度になってございまして、必要な周知に取り組んでまいりたいと考えているところでございますが、先生御指摘のとおり、体調の悪い状態で駆け込みという形にならないようにというところで、接種に当たっては予診をしていただくところもございますし、基本的には熱がないかといったところもあらかじめ記載していただくところでございますので、こういった運用をしっかりしていただくことと、周知に当たっても、例えば接種には6か月ぐらいかかるということもございますので、早めの周知ということも含めてすることによって、駆け込みということをなるべくないようにというところも含めて必要な対応をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
多屋委員、よろしいでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございました。
HPVにつきましては、接種を勧めることと、無理して接種をしない、体調をよく見て接種することを周知していただけるということで、ありがとうございました。
ロタウイルスワクチンについては、原因は分からないけれども、表をしっかり今後も見ていくということで理解しました。
一方、おたふくかぜワクチンにつきましては、迅速な報告という意味では2倍になってしまうのは最初は致し方ないのですけれども、明らかにラインリストで1人の方が2人になってしまっていますので、どこかのタイミングで1つにまとめるなど、そういった工夫はしていただけたらと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○森尾座長 多屋委員、どうもありがとうございます。事務局には恐らく継続した宿題かと思っております。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただけたらと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べ特段高いことはない。
インフルエンザワクチンに関して、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め10例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
ADEMの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含めると9例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め4例報告され、対象期間前の再評価症例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされました。そのほかの症例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
アナフィラキシーの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め22例報告され、MRワクチンと日本脳炎ワクチンの同時接種の症例等の4例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされました。そのほかの症例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
死亡症例は、2024年4月2日時点までに20例報告されました。現在調査中の症例を除き、いずれも情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていました。
このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるか御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと理解いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、議題3「HPVワクチンについて」に入りたいと思います。
それでは、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
HPVワクチンについての報告事項としまして、最近の状況を踏まえた接種の状況について御説明申し上げます。お手元の資料3「HPVワクチンについて」をご覧ください。
2ページ、HPVワクチン接種状況の推移マル1でございます。平成25年度から令和4年度までのHPVワクチン定期接種被接種者数の推移を示した表です。令和4年度の接種者数は、地域保健・健康増進事業報告での最新の接種者数を基に算出しております。なお、令和4年4月からは積極的勧奨が再開され、キャッチアップ接種が開始となり、令和4年度の接種者数にはキャッチアップ接種の数値も含まれております。
3ページに移っていただきまして、HPVワクチンの接種状況の推移マル2でございます。上段のグラフで記載されております縦軸は、実際にワクチンを接種した数ではなく、ワクチン製剤の施設納入数となります。先ほどお示しした地域保健・健康増進事業報告で実際の接種者数が報告されるまでには時間を要しますので、こちらの施設納入数で接種者数の傾向を把握しております。棒グラフは四半期ごとでまとめて、令和6年3月末までの納入数の推移で示しております。
下段の表、副反応疑い報告についてですが、こちらは令和5年12月までのデータで示しております。先ほどお示ししたとおり、接種の実数の増加に伴い副反応疑い報告の実数に関しても多少増えてございますが、一番下のグラフの割合で見ると、特に変化はなく推移しております。
以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今、御説明いただきましたHPVワクチンについて、資料3の説明について、委員から質問、コメント、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございます。
HPVワクチン、先ほど多屋委員から質問いただき、事務局から御説明いただきましたけれども、こちらにつきましては、情報を提供して接種の機会を逃さないようにということと、無理して打たないようにというメッセージを含めた適切な発信が重要だということでまとめていただいたと理解しております。どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上となりますが、そのほか、全体を通じて御質問、御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
最後に、事務局より次回の開催についてお願いいたします。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡をさしあげます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
それでは、本日の会議をこれで終了いたします。活発な御議論をどうもありがとうございました。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
加えて、長谷川委員及び宮川委員より御欠席される旨の御連絡を、宮入委員より遅れて御出席される旨の御連絡をいただいております。
また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
次に、事務局側で人事異動がございましたので、紹介させていただきます。
4月1日付で田中予防接種健康被害救済推進室長が着任し、予防接種課の野口の後任として早田、夏木が着任しております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、15価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容につきましては、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、舟越委員、石井委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、新型コロナ、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決には参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金等の受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
宮入委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
申請資料作成関与に係る申告でございますが、伊藤澄信委員が第一三共株式会社、KMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会及びデンカ株式会社のインフルエンザワクチンの申請資料の作成に関与されているため、インフルエンザワクチンの審議の際に、退出するに該当します。また、宮入委員がファイザー株式会社の13価肺炎球菌ワクチンの申請資料の作成に関与されているため、13価肺炎球菌ワクチンの審議の際に、退出するに該当いたします。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ただいま事務局より審議の参加について御報告をいただきましたが、伊藤澄信委員及び宮入委員は、それぞれインフルエンザワクチン、13価肺炎球菌ワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議には御参加いただけません。
しかし、規定上、申請資料の作成に関与している場合であっても、分科会等が認めた場合には意見を述べることができるとされております。両委員におかれましては、当該ワクチンについて深い知識をお持ちであるために、ぜひ御意見をいただきたいと思っておりますが、委員の皆様、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。皆さん、うなずいていただいたと理解いたしました。
それでは、部会として承認いただけたということで、審議に入らせていただきます。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 審議に入る前に、本日の資料について説明いたします。
議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-9、資料2-1から31、資料3、参考資料1から18になります。
資料の不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 皆様、よろしいでしょうか。
それでは、審議を始めたいと思います。
議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」についてです。
資料1-1-1から資料1-5について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間における副反応疑い事例の報告状況について御説明いたします。
まず、資料1-1-1、医療機関からの副反応疑い報告状況について御報告いたします。
今回の集計対象期間は2024年1月28日までとしております。
まず、コミナティRTU筋注でございます。接種者数は2386万4305、副反応疑いの報告頻度は0.0005%、重篤は0.0003%、死亡報告数は19件でございます。参考として上段に10月29日までの副反応報告頻度を掲載しておりまして、副反応疑いの報告頻度は0.0003%、重篤は0.0001%、また、ホームページ上に参考としてリンクを掲載しておりますが、起源株2価コミナティ総数における副反応疑いの報告頻度、それらと比べましても大きな違いはございません。
続きまして、コミナティ6か月から4歳の乳幼児用及び5歳から11歳の小児用につきましてでございます。接種者数はそれぞれ6万1044と13万6313であり、いずれも副反応疑い報告はございませんでした。
続いて、同ページ下段、スパイクバックスでございます。接種者数は295万8605、副反応疑いの報告頻度は0.0014%、重篤は0.0008%、死亡報告数は10件でございます。こちらも参考ですが、10月29日までの報告頻度につきましては0.0009%、重篤は0.0004%、スパイクバックス起源2価総数の副反応疑い頻度と比べましても大きな違いはございません。
続きまして、昨年12月4日から接種を開始しました第一三共社製のダイチロナ筋注の集計について、今回より御報告をさせていただきます。接種者数は1万9042、副反応疑い報告の報告頻度は0.0053%、重篤及び死亡報告はございませんでした。
続いて、ヌバキソビッドでございます。こちらは2022年5月からの接種者数ですが、35万252、副反応疑いの報告頻度は0.0123%であり、新たな副反応疑い報告はなく、死亡についても前回部会以降新たな報告はございませんでした。
症状別報告件数につきましては4ページ以降、性別、年齢別につきましては15ページ、ロット別については16ページ以降、医療機関からの副反応疑い報告についての図表を22ページ以降にまとめておりますので、御確認をお願いいたします。
資料1-1-1については以上でございます。
続いて、資料1-2-1、製造販売業者からの副反応疑い報告状況についておまとめをしております。資料を御確認ください。
医療機関報告と全体の傾向は変わりませんが、コミナティ乳幼児用で1件、小児用で2件の副反応疑い報告がありましたので、御報告をさせていただきます。
資料1-2-2-2をご覧ください。まず、コミナティ乳幼児用の報告事例をお示しいたします。
No.228の症例でございます。6か月の女児の副反応疑い報告がございました。本事例の詳細につきましては、資料1-2-3-2にございますので、併せてご覧ください。
本事例の経過についてでございますが、ワクチン接種翌日であります2023年11月12日から発熱があり、クリニックに受診した同月17日まで発熱が続き、何らかの細菌感染を思わせる所見があったとのことですが、尿の培養では有意な細菌の検出なく、確定診断には至っておりません。その後の転帰としては、回復として報告がされております。
評価としては、資料1-2-2-2に記載されております因果関係評価の専門家意見のとおり、γとしております。
続きまして、資料1-2-2-3をご覧ください。コミナティ小児用の報告事例をお示しいたします。
本日特に先生方に御議論いただきたい事例として、コミナティ小児用の事例について御報告をさせていただきます。
No.226の症例をご覧ください。本事例の詳細については、資料1-2-3-3にございますので、そちらも併せて御確認をいただきたいと思います。
No.226、6歳女児、ワクチン接種後に心筋炎を生じた事例でございます。本事例は、2023年10月7日にコミナティ小児用2回目を接種しております。10月22日に腹痛と徐脈があり外来を受診し、房室ブロックが見られており、経過に基づき、心筋炎であると診断されております。
本事例の既往歴としまして、コロナ感染による劇症型心筋炎をワクチン接種の1年前に発症しており、その際にはVA-ECMOによる治療を有するなど、房室ブロック、致死性不整脈が出ていた旨の記載が症例票にもございます。
本事例についての論点は幾つかあるかと思いますが、前回の部会におきましても、前回の部会は小児ではなく13歳の男性ではございますが、2回目ワクチンの接種後に心筋炎を生じた後、4回目の接種後に再び心筋炎を生じたという事例を先生方に御議論いただいておりました。前回事例はワクチンの接種後に心筋炎を発症して、再度のワクチン接種後に再び心筋炎を発症した事例でして、今回はコロナ感染による心筋炎を発症した後、ワクチン接種後に再び心筋炎を発症した事例ということで、背景は異なりますが、いずれも新型コロナ関連の心筋炎の後のワクチン接種後の心筋炎というところが共通しておりまして、前回審議会での事例も踏まえまして、ぜひ本事例につきましても御意見をいただければと考えております。
念のため、規模感として参考にいただければと思いますけれども、事務局で心筋炎、心膜炎が報告基準に設定された日以降の症例につきまして、心筋炎、心膜炎の事例かつ症例票の原疾患、合併症、既往歴の欄に心筋炎、心膜炎の関連事象が記載されている報告について機械的に抽出を行っております。機械的な抽出ですので、原疾患、合併症、既往歴のところに記載いただいていなければ症例は引っかかってこないのですけれども、その条件で抽出をしたところ、28件が抽出されました。それらについて1例ずつ既往とされる心筋炎の原因を確認したところ、コロナ感染によるものが今回の事例を含め計3件ございました。ただし、今回の事例を除いた残りの2件は、経過や既往から見て同一症例の可能性がございまして、報告件数として計3件、恐らく症例数で言えば2例になるかと思いますけれども、そのような規模感であるということを御報告いたします。残りの事例は、例えばインフルエンザ感染によるもの、ウイルス性心筋炎とだけ記載があるもの、強皮症、細菌性などの記載があったものなどございますけれども、原因の詳細な記載がないものが大半でございました。先ほどから繰り返しておりますけれども、機械的な抽出ですので、前回審議されたワクチン接種後の心筋炎事例は、実はこの手法では抽出できなかったのですけれども、おおよその規模感として御参考としていただければと思います。
なお、欧州学会のコメントでは、慎重に解釈するべきとはされておりますけれども、心筋炎の既往を持つ方におけるワクチン接種につきましては、心筋炎の再発やその他の重篤な副反応のリスクとは関連していないことが示唆されていることが述べられておりまして、また、CDCのガイダンスでも、コロナ感染によるものを含めコロナワクチン接種前の心筋炎、心膜炎の既往を有する方、コロナワクチン接種後3週間以上経過した心筋炎、心膜炎の既往を有する方へは、心筋炎、心膜炎が完全に改善している場合、コロナワクチンについて、原文では「may receive」となっていますけれども、そのニュアンスで記載がされているところではございます。他にも論文などを事務局でも検索を行いましたが、現時点でコロナ感染による心筋炎を発症した方へのコロナワクチン接種に係る心筋炎の発症リスクについての大規模なデータは承知していないところです。
本邦の添付文書では、心臓血管系疾患等の基礎疾患を有する方へは、健康状態及び体質を勘案して、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種することとしておりまして、また、既往のありなしに関係なくワクチンによって心筋炎が生じ得ることについては注意喚起を行っているところであり、これまでも事務連絡等で周知を行っているところではございますが、本事例について、後に御議論いただくお時間を取らせていただきますので、そこで御意見をお願いできればと考えております。
続きまして、死亡事例につきまして御報告をいたします。
資料1-3-1をご覧ください。コミナティ接種後の死亡事例について御報告いたします。
1ページの報告状況をご覧ください。今回の集計対象期間までに死亡として報告された事例は26件でございました。参考1として頻度をお示ししておりますが、100万回当たりは1.1件でございます。参考ですけれども、コミナティ起源株2価総数における100万回当たりの頻度は6.1件となっております。
2ページ以降、死亡として報告された事例の一覧をお示ししております。No.11以降が今回の報告事例になります。今回も不明1例を除きまして全例70歳以上となっておりまして、因果関係評価はγとなっております。事例の経過等につきまして、御確認をお願いいたします。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックス接種後の死亡事例につきまして御報告をいたします。
1ページ、報告状況でございます。今回集計対象期間までに死亡として報告された事例は11件ございました。参考1、頻度でございますが、100万回当たりは3.7件でございます。こちらも参考でございますけれども、起源株2価総数における100万回当たりの頻度は2.7件となっております。
2ページ以降、死亡として報告された事例の一覧をお示ししております。今回の報告事例につきましてはNo.3以降でございます。事例の経過等につきまして、こちらも御確認をお願いいたします。
資料1-3-2の説明は以上でございます。
続きまして、資料1-3-3、資料1-3-4、資料1-3-5、資料1-3-6について、今回の集計対象期間においていずれも報告はございませんでしたので、以降の説明は省略をさせていただきます。
続きまして、資料1-4-1をご覧ください。コミナティ接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回コミナティ接種後の心筋炎として報告された事例が3件ございました。7ページをご覧ください。死亡事例としてNo.82、79歳男性の症例でございます。本事例につきましては、先ほどの死亡事例1-3-1にも経過を掲載しているところでございますけれども、この事例を含めまして残りの事例につきましてもブライトン分類4、専門家の因果関係評価はγとして評価を行っております。
再度資料の1ページに戻っていただきまして、心膜炎の報告状況でございますけれども、新たな報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-2、スパイクバックス接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回スパイクバックスにおいて、集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-3でございます。ヌバキソビッド接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例でございます。
今回ヌバキソビッド接種後の心筋炎として計上したものが、1件ございます。7ページをご覧ください。No.2がその事例でございます。こちら、年齢、既往歴、発症日が不明でありまして、接種したワクチンも不明であるものの、ヌバキソビッドの製造販売業者から報告いただきましたので、専門家評価を行い、ヌバキソビッドの報告件数に計上させていただいたものでございます。因果関係評価としてはγとなります。
続きまして、資料1-4-4をご覧ください。コミナティ小児用接種後の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
今回心筋炎として報告された事例が1件ございました。この事例につきましては、先ほど御紹介させていただきましたので、ここでの説明は割愛をさせていただきます。先ほどの事例以外に心筋炎また心膜炎についての報告はございませんでした。
続きまして、資料1-4-5にコミナティ乳幼児、また、1-4-6にダイチロナ筋注接種後の報告でございますけれども、いずれも今回の集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
最後に資料1-5、乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんについてでございます。
こちらにつきましても、今回集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
資料1-1から1-5までの説明については以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
前回の本部会におきまして研究班から大曲参考人にお越しいただきまして、新型コロナワクチン接種後の症状に関する実態調査について報告をいただきましたが、その際の議論を踏まえまして、事務局において情報収集を依頼いたしました。これにつきまして、資料1-6が提出されております。また、コロナワクチンの状況につきましても資料1-7でまとめていただいていますので、事務局からこの2つを併せまして説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○事務局 それでは、事務局より資料1-6を説明いたします。よろしくお願いいたします。
2ページをご覧ください。これまでの経緯を示してございます。令和6年1月26日開催の合同部会におきまして、大曲参考人から、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査の第3報を御報告いただきました。御報告の中で、全例が単一施設・医師からの報告であったということですが、入院症例において5例のIgA腎症の事例を報告いただきました。また、全例が退院し、外来通院で治療が継続されていたことも報告いただきました。実態調査という取組の性質上、ワクチンとの因果関係を評価することは困難ということではありますが、国内外の他の情報を収集等も含めて検討する必要があると御指摘をいただいたものと認識しております。この報告を踏まえまして、座長からの御指摘として、事務局において情報収集の上、今後、審議会において改めて提示するよう御指示を頂戴しましたので、今回の部会で提示させていただくものです。
3ページをご覧ください。IgA腎症の概要を示しております。本疾患は、日本をはじめアジア太平洋地域に多く見られ、北欧や北米では比較的少ないとされております。また、初期は無症状であり、上気道感染などにより肉眼的血尿を伴う臨床症状が増悪することが知られております。
4ページをご覧ください。我が国の医療機関及び製造販売業者から提出されたワクチン接種後に生じたIgA腎症の報告数を示しております。2024年1月までに医療機関から17件、製造販売業者から93件が報告されております。ワクチンとの因果関係評価につきましては、αとして因果関係を否定できないと評価された例はございませんでした。
5ページをご覧ください。こちらは海外規制当局等における対応状況のまとめでございます。欧米の規制当局に加えてIgA腎症の有病率がより高いと考えられるアジア諸国における規制当局等の対応状況について調査を行いました。散発的な腎関連疾患の報告はあるものの、特段のリスク評価の対象としての設定や注意喚起を行っているものは確認できませんでした。
6ページに以上のまとめを示してございます。
資料1-6に関連した事務局の説明は以上でございます。
引き続きまして、資料1-7の説明を申し上げます。今回も先生方の御議論に活用いただけますよう、資料1-7を御用意しました。
2ページをご覧ください。資料構成をお示しします。1.副反応疑い報告全体の概要について、2.その他、3.今回の審議会における論点についてまとめ、効率的に御議論いただける資料構成としております。
4ページをご覧ください。ファイザー社のXBB対応ワクチンにつきまして、接種開始から本年1月28日までに副反応疑い報告として報告された事例についてまとめております。12歳以上では2300万回強が接種されており、副反応疑い報告は医療機関から126例、製造販売業者から153例が報告されています。小児用では13万回強が接種されており、副反応疑い報告は医療機関からは0、製造販売業者から2例が報告されております。乳幼児用では6万回程度接種されており、副反応疑い報告例はございませんでした。
5ページをご覧ください。モデルナ社のワクチンにつきましては、295万回程度接種されております。副反応疑い報告につきましては、医療機関から42例、製造販売業者から31例が報告されています。武田社の従来型ワクチンにつきましては、集計期間が2022年5月からとなっております。35万回程度接種されておりまして、副反応疑い報告につきましては、医療機関から43例、製造販売業者から40例が報告されています。第一三共社のXBB対応ワクチンにつきましては、集計期間が2023年12月からとなっております。1万9000回程度接種されておりまして、副反応疑い報告につきましては、医療機関から1例、製造販売業者から報告例はございませんでした。
7ページをご覧ください。こちらは集計時点において接種に用いられていたワクチンの一覧であり、御参考です。
次に、論点をお示しいたします。9ページをご覧ください。死亡例についてまとめてございます。今回ファイザー社ワクチンで26例、モデルナ社ワクチンで11例、武田社ワクチンで3例の報告があり、第一三共社の報告例はございませんでした。症状につきましては、発熱、呼吸不全、酸素飽和度低下等が報告されておりました。専門家による評価につきましては、各社のワクチンにつきまして、いずれもγ評価となっております。
こういった点を踏まえまして、下の論点でございますけれども、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかというのが事務局案でございます。
10ページをご覧ください。こちらは心筋炎及び心膜炎についてまとめてございます。心筋炎は、ファイザー社で3例、モデルナ社で1例、武田社から2例報告されております。また、心膜炎につきましては、今回は報告例はございませんでした。
12歳以上の者における新型コロナワクチンに係る心筋炎、心膜炎に関するこれまでの検討結果も踏まえ、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいか。ただし、後ほど述べますとおり、今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うこととしてはどうかという事務局案としてございます。
11ページをご覧ください。こちらは小児の報告例についてまとめてございます。小児の副反応は、ファイザー社で2例報告されております。心筋炎は、ファイザー社で1例報告されております。また、心膜炎については、今回は報告がございませんでした。先ほども御説明申し上げたとおり、今回、小児ファイザー社ワクチンの接種後の1例におきまして、新型コロナウイルス感染症による心筋炎の既往のある6歳の方でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例がございました。また、前回1月の合同部会の審議におきまして、過去にワクチン接種後に心筋炎を生じた既往例のある13歳の方でモデルナ社ワクチン接種後に心筋炎が報告された事例がございました。なお、いずれの症例につきましても、専門家評価についてはワクチンと心筋炎の因果関係評価はγ評価となっております。
こういった報告状況を踏まえて、事務局より下段の論点のまとめにおきまして、1つ目の○といたしまして、今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うこととしてはどうか。2つ目の○といたしまして、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかという事務局案としてございます。
12ページをご覧ください。こちらは乳幼児の報告についてまとめてございます。乳幼児の副反応はファイザーで1例報告されております。なお、心筋炎、心膜炎に係る報告事例はございませんでした。
こういった報告状況を踏まえ、現時点においては、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められないと考えてよいかという事務局案としてございます。
最後、13ページでございます。副反応につきましては、死亡、心筋炎、心膜炎、小児、乳幼児のワクチン接種後の状況、ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査に関する情報についてまとめてお示ししたところでございます。また、研究班の伊藤先生から健康状態に関する調査の状況についても御報告いただきまして、御議論いただくところでございます。これらの項目に関する検討も含め、ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められず、現時点において、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、引き続き、国内外の情報を収集することとしてはどうかというまとめとしてございます。これらの点について御議論いただけたらと思います。
資料1-7に関連した事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて、資料1-9の健康状況調査報告につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-9、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の報告について簡潔に御紹介申し上げます。容量が大きいことから、ファイルが3つに分かれておりますので、それぞれご覧いただくことをお願いいたします。
まず、スライド1から193と題した資料をご覧ください。
今回は前回に続きまして、令和5年度秋開始接種のデータをまとめて報告いたします。集計対象期間は本年3月3日までとなっておりまして、対象のワクチンは令和5年秋開始接種に使用した4つのワクチン、1つ目がXBB.1.5に対応したファイザー社1価ワクチン、2つ目がXBB.1.5に対応したモデルナ社1価ワクチン、3つ目が武田(ノババックス)社ワクチン、4つ目がXBB.1.5に対応した第一三共社の1価ワクチンとなります。
飛びまして、99ページをご覧ください。当日有効回答者数は5回目接種が922名、前回と比較して16名増加しております。
飛びまして、123ページ、6回目接種の方が308名、前回と比較して9名増加しております。
飛びまして、147ページ、7回目接種の方が504名、前回と比較して1名増加となっております。回答いただいております。
このうち第一三共社ワクチンにつきましては、有効回答者数は5回目、6回目、7回目接種を合わせて13名となっております。
続きまして、違うファイルになりますけれども、スライド193から437と題した資料をご覧ください。
まず、PDFとして1ページ、資料は194ページから、症状の分析結果を掲載しております。
さらに飛びまして、PDFとして75ページ、資料としては268ページとなってございます。こちらからワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
例えば最も有効回答者数の多かった接種5回目後について御説明いたしますと、PDFとしては81ページ、82ページ、資料としては274ページと275ページに、接種後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきましては、前回の御報告と比較して大きな変化はございません。
次のファイルになります。スライド438から529と題した資料をご覧ください。
PDFとして57ページから78ページまで、資料としては494ページから515ページまででございますが、こちらが接種後に医療機関を受診した方の割合、医療機関での診断結果、入院状況をお示ししております。
また、PDFとして79ページ、資料としては516ページからは、3回目、4回目、5回目、6回目または7回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。前回から特筆すべき変化はございません。
次に、PDFとして85ページ、資料としては522ページになります。こちらからは新型コロナワクチンの接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。
今回の資料は、3月3日までをデータロックとして整理しております。この調査自体といたしましては、3月12日までデータ収集を行っておりますが、健康状況に関する回答はございませんでしたので、健康状況としてはこの3月3日までのものとなります。
また、この調査につきましては、令和5年度まで実施いたしました。令和6年度は新型コロナワクチンが定期接種となることに伴いまして、新型コロナワクチンの健康状況調査につきましても、ほかの定期接種ワクチンと同じ枠組みで実施してまいります。
資料1-9につきましては、御説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて、資料1-8について、伊藤澄信委員から説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
特例臨時接種が3月末で終了しましたので、3月末で本調査の新規登録も終了いたしました。本日は国内で開発製造されております第一三共社のオミクロン株のXBB.1.5対応1価ワクチンの結果と、ファイザー社及びモデルナ社のXBB.1.5対応の1価ワクチンを接種された方の接種記録をまとめたものを中心に報告させていただきます。以後、XBB対応1価ワクチンと省略させていただきます。
2ページをご覧いただければと思います。JCHOの楠先生が3月末で退任されましたので、注釈をつけております。
7ページをご覧いただければと思います。第一三共社ワクチンはメッセンジャーRNAワクチンで、12月上旬から接種が開始されましたが、本調査では1月からNHO、JCHO、順天堂大学で接種を開始しています。3月31日までにちょうど300人の方が追加接種されています。一般の方も含めて募集しておりましたが、医療従事者の方が主な被接種者の方でした。
8ページです。幾何平均抗体価倍率を示したくて、接種前と接種1か月後の抗S抗体、中和抗体の両者を測定した66名の結果を示しております。接種前に抗N抗体が陰性だと抗S抗体や中和抗体の前値が低いのですが、接種後の抗S抗体価には違いがないようです。中和抗体も同様に抗N抗体陰性と陽性で違いがありますが、表の右端の幾何平均抗体価倍率はご覧、抗N抗体陽性と陰性で違いはありませんでした。XBB.1.5に対して11.43倍でした。交差免疫になりますが、BA.5は3.68倍でした。
抗体価採血に同意された方が224人で、そのうち接種前抗N抗体が陽性だった方が114人、62.5%でした。感染したと報告いただいた方は96人、42.9%でした。感染された方を時期別に見ますと、2022年12月以前に感染された方は49人で、そのうち抗N抗体は11人、22.4%が陰性になりました。2023年1月以降に感染された方は45人が陽性で、昨年2月と今年1月に感染された方の2人が陰性でしたが、2023年、昨年の1月以降の感染者では、感染された方の95.7%が抗N抗体陽性でした。後で説明いたしますが、ファイザー社とモデルナ社のXBBの1,224人のデータセットでも、1年以上前に感染された方の抗N抗体は27.0%の方が陰転化していましたので、抗N抗体も感染後1年を過ぎますと陰転化することが分かります。また、感染したという自覚症状と抗N抗体の一致率がこちらのデータセットで59.3%でしたから、以前から御報告しておりますが、感染しても4割の方は気がついていない、すなわち不顕性感染であることが、複数のデータセットからも確認できました。
11ページからは、発熱、局所疼痛、全身倦怠感、頭痛の接種日からの時系列変化と年代別の副反応の発現比率を示しております。これだと少し分かりにくいので、55ページをご覧いただければと思いますが、第一三共、ファイザー、モデルナ社のXBB対応1価ワクチン追加接種の副反応の頻度を示しました。第一三共社の副反応の頻度は、ほぼファイザー社の頻度と変わりがありませんでした。
戻っていただいて、15ページ、16ページです。発赤とかゆみも含めた10日以降の症状継続の方はこの資料では2人で、直近先週末までの211人のデータでは3人に症状がでていました。接種後9日から10日後に発赤があって、それが接種後13日から25日まで続いていたということで、添付文書に記載のある遅発性反応と思います。COVIDアームはファイザー社、モデルナ社の2回目以降はほぼ出ていなかったので、同じものと言いにくいと思っています。3人のうち2人は2日から5日ぐらいまで発赤があって、それが1回消失した後、また9日から10日に出てきている状況でした。ですから、その点も少し違いがありそうだと思います。
17ページに光視症あるいは飛蚊症としてPMDA報告がされましたが、施設からはPMDA報告に該当しないとして取下げ依頼が出ております。このため、現在までのところ、第一三共社、ファイザー社、モデルナ社の3ワクチンとも、PMDA報告に該当する症例はありません。
21ページからは、ファイザー社のXBB対応1価ワクチン追加接種の結果です。基本的にはリバイスで、29ページの抗S抗体価は3か月後までの結果です。抗S抗体価を従属変数として回帰分析しますと、抗N抗体が陽性か否かというのが一番強い要因で、年齢に伴って抗体価が低下しましたが、性別は関係がないという結果でした。
30ページの中和抗体は、接種前と1か月後のBA.5とXBBの中和抗体の結果がそろっている81人の方の結果です。ワクチンの元株であるXBBに対する幾何平均抗体価倍率が3.77倍で、交差免疫であるBA.5に対して1.93倍という結果でした。抗N抗体が陰性か陽性かで幾何平均抗体価倍率に違いはありませんでした。
32ページからの時系列、性別、年齢ごとの違いについて説明は省略させていただきますが、36ページは前回提示をさせていただきました同一被験者における回数別の副反応の結果です。対象者数が1割ほど増えましたので再度掲示しておりますが、基本的に変わりありません。オミクロン対応の2価ワクチンとXBB対応1価ワクチンは、起源株1価ワクチンの2回目及び追加接種に比べると、副反応の頻度が低くなっています。
43ページは、モデルナ社のXBB対応の1価ワクチンの追加接種の結果です。年齢別抗N抗体陰性、陽性の抗S抗体価です。
44ページは、ファイザー社と同様に接種前と接種後のBA.5、XBBの中和抗体価がそろった70人の結果です。こちらのXBBの幾何平均抗体価倍率は4.78倍で、BA.5、こちらは交差免疫になるかと思いますが、2.64倍でした。ファイザー社に比べて少し高めに出ていますが、どちらも第一三共社に比べて低いようです。いずれのメッセンジャーRNAワクチンでも、抗N抗体が陰性の方は接種1か月後の抗体価の絶対値が低いことと、幾何平均抗体価倍率は少し高めの結果が得られています。
49ページは、36ページのファイザー社のものと同様の今回モデルナ社のXBB対応1価ワクチンを接種された方で過去にモデルナ社のワクチンを接種された際の結果を抽出したものです。モデルナ社の初回シリーズは自衛隊の方々が対象でしたので、追加接種に該当する被接種者の方はデータセットにいらっしゃいませんので、そこは空欄にしています。ファイザー社に比べて対象者数が少ないので、比較するのが困難なのですが、XBB対応1価ワクチンとオミクロン対応の2価ワクチン、起源株1価ワクチンの差ははっきりしません。追加接種以降は1回50マイクログラムで接種量は変わっていませんので、副反応の頻度にほぼ違いがないことが分かります。ファイザー社とモデルナ社が同じ傾向を示せば、接種回数が増える、あるいは従来株からオミクロン株対応に変わると副反応の頻度が減少するという仮説ができるのですが、この結果からはそうではないようです。絶え間なく製造工程をリファインしているという話も耳にしますので、ヒトの生物学的要因よりはそちらのほうが関係しているのかもしれません。
5歳から11歳の追加接種については、1価が起源株、2価がBA.4-5株、1価のXBB株対応ワクチンが比較できるように3行に並べてグラフを作りましたが、3つのワクチンに大きな違いはなさそうです。基本はアップデートですので、説明は省略させていただきます。
説明は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、いつも詳細かつ興味深い御報告をありがとうございます。
どうもありがとうございました。
それでは、事務局から報告があったこれまでの副反応疑い事例、健康状況に関する調査等について、論点に沿って議論を進めていきたいと思います。今回ダイチロナの初めての報告もございまして、先ほど事務局から紹介のありました新型コロナウイルスの心筋炎の重症の方、既往のある方でXBBワクチン接種後に心筋炎が発症した方もいらっしゃいました。副反応疑い事例に関して新型コロナワクチンの安全性評価について、まず、死亡事例について、次いで、心筋炎及び心膜炎について、小児、乳幼児接種について、そのほかの論点について、そして、全体のまとめと今後の論点についてという順で議論をお願いできればと思います。
まず、死亡事例について議論をお願いできればと思います。資料1-7にまとめをつくっていただいてございまして、9ページにおいて事務局から挙げられておりますワクチン接種と副反応疑い報告との観点でワクチンの安全性に関わる新たな懸念があるかどうか、それについてどう考えるか、御意見、質問がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。こちら、よろしいですか。
これまでの死亡に関わる副反応疑い報告の状況及び国内外のCOVID-19メッセンジャーRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも含めると、現時点においてはワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えてよいかということでございますが、特段の御意見がなければこの方向でのまとめとさせていただけたらと思います。ありがとうございます。
続きましては、心筋炎及び心膜炎の事例についての議論ということでございまして、こちらは10ページをご覧ください。事務局から2点挙げられてございます。実際は小児の接種についてというところでかぶるのですが、よろしければこちらにおきまして、心筋炎、心膜炎の事例につきまして御議論を頂戴できればと思っております。こちらは皆様御案内のとおりで、繰り返しになってしまいますが、6歳の女児の方で1年前に新型コロナウイルスによる重症の心筋炎、房室ブロック、致死性不整脈でVA-ECMOまでやった方が、約1年後にワクチンを接種されまして、10日前後ぐらいでしょうか。心筋炎を発症された方がいらっしゃったということでございます。こちらにつきまして、まとめを含めて御意見がいただければと思いますが、いかがでしょうか。
まず、藤井委員から御意見をいただければと思います。
○藤井委員 藤井でございます。
詳細な報告をありがとうございました。症例226、6歳女児の症例は大変気になります。この患者さんは、お話があったように1年前にコロナ感染で心筋炎を発症してECMO治療まで行っていますが、1年後にコロナワクチンの2回目接種後に心筋炎と判断されています。非常に幸いなことに重症になることなく改善はしていますが、臨床的には重要なメッセージが幾つか含まれていると思います。CDCのガイダンスでは「may receive」という控えめな表現だったようですが、臨床に携わっている者からしますと、まれなことが2回続いていますので、慎重な判断が求められるように思います。
事務局からは接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合に速やかに医療機関を受診するよう重ねて注意喚起を行うという考え方を示されていますが、個人的にはとても賛成です。問題は、この注意喚起の方法になるかと思います。これには恐らく2つの立場があって、1つ目は、医療関係者に対してです。このような症例が実は臨床現場に隠れている可能性も考えられるので、医療者に対する十分な情報提供は必要と思います。もう一方は、接種される御家族への判断材料としての情報提供です。心筋炎の既往がある方でこのようなことがあったことは、御家族によっては重要な判断材料になるかと思います。個人的には因果関係は否定できないとすることが強いメッセージになるとは思いますが、疫学的には一例からの判断は難しいということもありますので、今後は注意喚起の方法をどのようにするか議論することが重要だと思います。
以上です。
○森尾座長 藤井委員、どうもありがとうございました。
それでは、伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
今、藤井委員から言われたとおりだと思うのですが、専門家の因果関係はγにはなっていますが、臨床医としては貴重で診療においては大変示唆に富む症例だと思います。今回は一例報告に相当する代物ですので、添付文書の改訂にまで踏み込むことは難しいと思いますが、今までは心筋炎になった方が、COVIDに再度感染しないためにワクチンを接種するのもいいのかなと思っていましたが、COVID感染とワクチンとの交差反応が起きる可能性が出てきましたので、心筋炎の既往のある方にSARS-CoV-2のワクチンの接種を推奨しないほうがいいかもしれないと、従来と逆な考え方が必要という印象を持っています。最終的な判断はもちろん接種医がするわけですけれども、本事例のようなケースがあったことについては、学会などを通じて全ての医療従事者には知っておいていただきたいと思います。そういう意味で、今回提案をされたような形で十分かもしれませんが、様々な機会で広報していただきたい。今回、全世界の情報を再度事務局で調べていただいたことについて敬意を表しますが、こういった情報を広げていくことの重要性を強く感じた次第です。
どちらかというと意見ですが、以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、どうもありがとうございました。
2人とも事務局のまとめ方につきましては御賛同いただいている中で、注意喚起、情報共有の提供の方法が非常に重要であるということでございまして、医療関係者への情報提供に加えて御家族の方にも届くようにということで、何よりしっかりした判断の中でどうするかという、先ほど伊藤委員がおっしゃいましたけれども、非常に真逆の判断ということがあるので、一例一例の方でしっかり御判断いただくということかと思っております。
ほかにいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今の意見を聞いておりまして、今後注意をしていこうということであれば、例えば多くの人に知っていただくためには、予診票の中にこれまで心筋炎、心膜炎と診断されたことはありますかといった質問を入れることで、受ける側も接種する側もそれに対して注意を払うという一つの方法になり得るのではないかと思いました。できるかどうかはもちろん時間がかかると思いますけれども、一つの案として提案してみたいと思います。
以上です。
○森尾座長 効果的にお伝えするという点で重要なポイントかと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
今、事務局から注意喚起ということで出させていただいておりますけれども、実際には事務連絡という形で通達をするということでしょうか。
高橋調整官、何かございますか。
○事務局 まず、藤井先生からどのように周知していくのかという御指摘をいただきました。私どもといたしましては、過去にもこちらの部会の御審議を踏まえて再周知といった形で事務連絡を発出いたしまして、自治体経由で管内の医療機関にお知らせいただくという方法を取ってまいりましたので、基本的には同じような形で事務連絡という形で周知いたしたいと考えております。
○森尾座長 ありがとうございます。
学会等におかれましても、何か伝達の方法を考えるなど、それ以降のつなぎということですか、必要かとは思います。
ほかにいかがでしょうか。
どうもありがとうございました。
論点のまとめの中で、今回の事例は1例ということでございますが、前回ワクチン接種後の心筋炎で接種後に心筋炎というのもございましたので、ぜひしっかりと既往歴に注意を払うということと、接種後に症状が出れば速やかに医療機関を受診してということで注意喚起、事務連絡の中でその後の展開についてはぜひいろいろな形で発信していただきたいということかと思っております。
12歳以上の方について、現時点で新たな安全性に関する懸念は認められないということで、よろしいですか。
それでは、そのような形で後ほどまとめさせていただけたらと思います。どうも御意見をありがとうございました。
それでは、小児、乳幼児接種についてということでございます。一部かぶってしまうのですが、これは1-7の11ページにまとめが記載されてございます。こちらにつきまして、加えて何か御意見がありましたらいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
先ほどの接続なのですけれども、過去の審議会の議論におきまして、「これまでの報告事例によると、心筋炎関連事象はワクチン接種後4日程度の間に、胸痛や息切れが出現している」とされていることから、これまでの注意喚起におきましては、「接種後4日以内に胸の痛み、動悸、息切れ、むくみなどの症状が見られた場合には速やかに医療機関を受診するなど」としておりましたが、今回の症例は接種後2週間、10日と言っていいのでしょうか、そこで発症していることから、改めて注意喚起する際には日数を書かずに「ワクチン接種後」という形にさせていただくのがよろしいかと。「4日以内」にもしこだわるということであればそれなのですけれども、「ワクチン接種後」ということでよろしいですか。
それでは、日にちは記載せずにということで注意喚起を考えさせていただけたらと思います。ありがとうございます。
ちょっと気になりましたけれども、岡委員、腹痛というのは、子供はどうなのですか。
○岡委員 ありがとうございます。
この患者さんが腹痛を訴えていたというのは、心筋炎の典型的な心不全の症状ということですので、そのことも含めて別に腹痛と記載をしなくても心不全の症状だという形で医療側の方は捉えていただけるかと思います。
○森尾座長 医療側の知識の展開が必要だということですね。ありがとうございました。
ほかには小児、乳幼児接種について、よろしいですか。
ありがとうございます。
乳幼児のほうの論点につきましては12ページに記載がされておりまして、こちらにつきましては新たな懸念は認められないというまとめ方でさせていただいておりますが、何か御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、そのほかの論点についてということでございまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から質問、御意見がありましたら承りたいと思います。また、伊藤澄信委員の御発表に関する御質問等がありましたらこちらで承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございました。
それでは、全体のまとめと今後の論点についてということで、これまで議論された内容をまとめたいと思います。
これまで確認できた内容としましては、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますが、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況に、動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
続いて、心筋炎、心膜炎、小児に関する副反応疑い報告の状況についてでございますが、こちらについて整理して今まで議論を行っていただきました。
今回、小児・若年者のXBBワクチンについて、累計で新型コロナウイルス関連の心筋炎の既往のある者でワクチン接種後に心筋炎が報告された事例が2例目となったため、今後、小児・若年者への接種機会は減少すると考えるものの、接種に際して新型コロナウイルス関連の心筋炎、心膜炎の既往を有する者に注意を払うとともに、こちらは恐らく既往をしっかり問診していただくことも重要だと思いますが、接種後に心筋炎、心膜炎を疑う症状が生じた場合には速やかに医療機関を受診するよう改めて注意喚起をしておく。実際には事務連絡という形で御報告いただき、その後の展開が重要だという御意見も頂戴いたしました。
心筋炎、心膜炎、小児のワクチン接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
そのほかの論点、死亡事例、乳幼児でございますが、死亡事例や乳幼児に関する副反応疑い報告の状況について整理し、議論を行ったところ、これらの観点については、現時点においては、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
コホート調査及び健康状況に関する調査の状況でございますが、ワクチン接種後の健康状況に関する調査の結果について報告され、議論を行わせていただきました。
ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査につきましては、前回の論点を踏まえて事務局において情報収集を行い、本日IgA腎症に関わる現在の状況について報告がなされ、議論を行わせていただきました。
全体の報告状況のまとめでございますが、ファイザー社、モデルナ社、武田社、第一三共社ワクチンの接種については、これまで継続的に注視し、議論してきた内容も踏まえると、ワクチンの安全性に関わる新たな懸念は認められないと考えてよいのではないかという形でまとめておりますが、このような形でよろしいでしょうか。何か追加で御意見等がありましたら承りたいと思います。
ありがとうございます。
以上、今回報告のあった具体的な事例などを踏まえまして、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において新たな懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、首肯していただいたものと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、これで議題1を終了させていただきまして、議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」の議題に入りたいと思います。
事務局から資料2-1から資料2-31の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2023年10月から12月末までにおける副反応が疑われる症例の報告状況について御説明いたします。
資料は2-1から2-31及び参考資料18になります。資料数が多く、また、委員には事前に資料を配付しておりますので、本合同部会における説明では、特筆すべき点や専門家評価対象になっている症状の報告状況を中心に御説明させていただきます。
まず、資料2-1から2-25に関してですが、今回の集計対象期間におきまして、各ワクチンの副反応疑いの報告頻度はこれまでに比べて特段高いということはございませんでした。
なお、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度につきましては、資料2-17、資料2-19の1ページ下段にお示ししているとおり、いずれのワクチンにつきましても急ぎの検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っている状況でございます。
また、資料2-26は、インフルエンザワクチンについてです。
今シーズンのインフルエンザワクチンについて、2023年10月から2023年12月末までの結果をお示ししております。接種可能延べ人数は約5400万人となっています。製造販売業者からの報告は20例、医療機関からの報告は57例、うち重篤なものが34例です。製造販売業者からの報告頻度は0.000037%、医療機関からの報告頻度は0.00011%となっております。
2ページからは、報告について内訳別の集計結果をお示ししております。
3ページの下段では、参考として2021年から2022年シーズン、2022年から2023年シーズンを記載しておりまして、今回の報告頻度は過去と比べて特段高いという状況ではございませんでした。
続いて、専門家評価対象となっている症状の報告状況について御説明いたします。
まず、資料2-27、ワクチン接種後の後遺症報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、ワクチン接種後に後遺症が生じたとする報告が、対象期間前の再評価の症例で5例、対象期間内に5例ございました。因果関係評価の結果につきましては、いずれも情報不足などにより評価できないとされております。
続いて、資料2-28、ワクチン接種後のADEM疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、報告対象期間前の再評価の症例で4例、報告対象期間内に5例ございました。因果関係評価の結果につきましては、いずれも情報不足などにより評価できないとされております。
続いて、資料2-29、ワクチン接種後のGBS疑いの報告一覧でございます。
今回の集計対象期間におきましては、報告対象期間前の再評価の症例で1例、報告対象期間内に3例ございました。報告対象期間内の症例はいずれもブライトン分類4、因果関係は評価できないとされておりますが、再評価の症例はブライトン分類1、因果関係が否定できないとされております。
次に、資料2-30、ワクチン接種後のアナフィラキシー疑いの報告一覧でございます。
今回の報告対象期間におきまして、アナフィラキシー疑いが生じたとする報告が、対象期間前の再評価の症例で7例、対象期間内の症例で15例ございました。因果関係評価の結果につきましては、このうち4症例におきまして、ブライトン分類がレベル3以上、かつ因果関係が否定できないとされております。
最後に、資料2-31、ワクチン接種後の死亡事例の報告一覧でございます。
報告対象期間前の症例で今回専門家により評価された症例は1例、報告対象期間内に報告された症例は12例あり、現在調査中であるNo.1、No.5、No.14を除き、因果関係評価はγと評価されております。また、対象期間後の報告につきまして、2024年4月2日までに7例が報告されており、そのうちNo.6、No.8、No.17については、因果関係評価はγと評価されております。また、調査中の症例につきましては、次回以降の本部会にて評価を行う予定となっております。
新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料2の説明は以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今回インフルエンザワクチンに対するまとめと報告がございました。
また、簡潔に御説明いただきましたけれども、委員の皆様にはそれぞれのワクチンに対する資料は大部になりますけれども、読み込んでいただきまして、ありがとうございます。
それでは、事務局からの説明につきまして、質問、御意見がありましたら承りたいと思います。ご覧になって気になった点を含めまして、まとめてになりますけれども、御意見、質問等をいただければと思います。いかがでしょうか。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 まとめてですけれども、まず、資料2の帯状疱疹ワクチンですが、こちらは2点ございます。帯状疱疹ワクチンについては、地域、自治体での助成制度に差がありまして、水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンいずれか、または帯状疱疹ワクチンのみ、もしくは水痘ワクチンについて、乳児と高齢者が交ざっていて副反応のラインリストが読みにくいので、頻度や副反応の傾向が見にくくなっていると感じています。分けていただくなどの検討をいただけるかお願いいたします。
2つ目として、帯状疱疹ワクチンでは今回死亡症例がラインリストに挙がっていますが、因果関係評価などはいかがでしょうか。まず、資料2-6についての質問です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
1点目は年齢が大分違うので分けて出していただけたらということと、2点目は死亡例についての解釈ということでございますけれども、事務局からいかがでしょうか。
○事務局 お答えさせていただきます。
1点目の質問に対してですが、高齢者の帯状疱疹予防には、帯状疱疹ワクチン以外に水痘ワクチンが使用される可能性が想定されます。この場合、水痘ワクチンにおける副反応の発現頻度について、分母となる接種可能延べ人数は出荷数から推計するため、小児と高齢者のどちらに使用されたか判別することが困難であり、小児と高齢者の報告頻度について分けてお示しすることは難しいと考えております。なお、定例ワクチンの症例ラインリストについては、現在発生日順で資料を作成しているところ、次回以降は年齢でも区別を行い、小児と高齢者をご評価しやすい形で資料を作成させていただきたく存じます。
2点目の質問についてです。帯状疱疹ワクチン接種後の死亡事例については、今回の部会では報告対象期間内に4例報告されております。死亡事例については、現在1例は調査中となっております。残りの3例のうち2例については、非医療専門家から報告された情報であり、詳細な経過などの情報が不明であることから、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。残りの1例に関しては、医師からの報告となっておりますが、ワクチンの接種から4日後に心肺停止で発見された症例であり、解剖の実施の有無が不明であることなどから、情報不足として因果関係は評価できないとされております。なお、調査中の症例につきましては、次回以降の審議会にて評価をさせていただく予定です。
以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
舟越委員、いかがでしょうか。
○舟越委員 よく分かりました。
次が資料2-19ですが、Hibワクチンの接種対象者としてペグセタコプランという薬について接種患者に対する健康保険適用が2023年8月に拡大されたかと思います。副反応のラインリストを見ている中では特段上がっていないと思いますが、同一の報告などは現時点では上がっていないという認識でよろしいでしょうか。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
その点、事務局、いかがでしょう。何か情報をお持ちでしたらお願いいたします。
○事務局 お答えさせていただきます。
ペグセタコプランについては、発作性夜間ヘモグロビン尿症を効能・効果として承認されているものと承知しております。今回報告された症例に関しては、基礎疾患等の欄に発作性夜間ヘモグロビン尿症が記載されている症例はないことから、当局で把握できる情報の限りでは、報告は上がっていないものと認識しております。
以上です。
○舟越委員 よく分かりました。
私からは以上になります。
○森尾座長 舟越委員、どうもありがとうございます。
ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 多屋です。
おたふくかぜワクチンの資料2-4についてお願いしたいことがございます。今年の1月24日に小委員会で、日本小児科学会で7万弱のおたふくかぜワクチン接種後の副反応調査を行いまして、発表をいたしました。この資料2-4の4ページから5ページにかけて、髄膜炎の報告などがそれだと思います。それぞれの会社から同じ症例と考えられる方が報告されてきております。アスタリスクをつけていただいてはいるのですけれども、その上の集計表(2ページ)ですと、無菌性髄膜炎が今期19人と多くなっておりますが、これは実際には倍の数字になっているということ、それから、主治医がRSウイルス肺炎でワクチンの副反応ではないと明記された症例もこちらにはリストされていますので、そういった情報があることを理解してこの表をご覧いただきたいと思いました。もし可能であれば、同じ症例と思われるものについては1つにまとめていただくなど、これらの数字から頻度を出している関係から検討していただければと思いました。
おたふくかぜワクチンについては以上です。
2点目、ロタウイルスワクチンなのですけれども、毎回腸重積症についてとても分かりやすい資料をつくっていただいており、いつも拝見させていただいております。定期接種になっても腸重積症が多くなったり、重篤な症例が多くなったりしていることはないということがこの表から分かって、非常に重宝する資料となっています。資料2-25です。そこで質問なのですけれども、これは前からだったかもしれないのですけれども、ロタリックスのワクチンで定期接種後、ブライトン分類で1に該当される腸重積症の割合がかなり減って、以前は80%だったのが40%ぐらいになっているのですけれども、これは何か理由がありますでしょうかということが2点目です。
3点目、これが最後なのですけれども、今年度はHPVワクチンのキャッチアップ接種の終了年度となります。接種率がなかなか伸び悩んでいる中、啓発がされていると思うのですけれども、子宮頸がん等緊急接種促進事業のときに、あと半年だからということで体調が悪くても無理をされて接種をされたという方がいらっしゃったかと思います。キャッチアップの期間が短いからといって、体調が悪いけれども無理をして接種することがないような工夫も必要ではないかと思いました。
以上の3点です。
○森尾座長 多屋委員、ありがとうございました。
事務局が答えを用意している間にまとめさせていただきますと、1つ目は無菌性髄膜炎、ムンプスワクチンで、報告が出ると一気に増えてくるということで、アスタリスクだけだとなかなか気がつかないし、メッセージ性もということで、ここら辺はこれから工夫ができればということで、以前からの課題と承っております。
2つ目がロタウイルスワクチンのほうで、定期接種になっても腸重積症はあまり変わっていないということは重要なポイントだということと、ブライトン分類の1が減っているのはなぜかということですね。
3つ目がHPVのキャッチアップ接種で、迫ってくると無理に打つ方がいらっしゃるので、それに対してあまり無理しないでというメッセージ、逆に頑張って打ってというメッセージもきっとあるのかと思いましたが、これのバランスということかと思っております。
いかがでしょうか。事務局から1つずつ御意見をいただけたらと思います。
○事務局 お答えさせていただきます。
1点目のおたふくかぜワクチンに関する御質問に対してです。製造販売業者は4要件、患者を識別できる情報、情報源、副作用名、疑われる医薬品名がそろった情報を知った場合には、その情報の発生源によらず、医薬品医療機器等法に基づき、個別症例ごとの報告が義務づけられています。特に製造販売承認を得ている成分について、自社製品かどうかが不明な場合も報告の対象としています。これは報告漏れを防ぐ観点から幅広く情報を収集する方針に基づくもので、ワクチンのみならず治療用医薬品でも同様の対応を課しています。この方針から、一定程度の重複が発生することは承知をしておりますが、少なくともリスクを過小に見積もることがない取扱いを優先すべきという考え方によるものです。
なお、特にワクチンについては、現状、医薬品に比べ短い期間での集計が行われており、また、出荷数量等に基づく推計接種者数による頻度等も算出していることも勘案し、今回のおたふくかぜワクチンの無菌性髄膜炎の報告には重複の可能性があるため、御懸念の点に対応するため、同一の文献に基づいて報告された症例が分かるよう注釈をつけさせていただいております。
また、医薬品医療機器等法に基づく副作用の運用につきましては、医療関係者または製造販売業者が因果関係を否定できないと判断した場合に報告の義務が発生しますので、医療機関側で因果関係が否定的と考えても、製造販売業者が因果関係が否定できないと判断すれば、報告が提出されます。
続いて、2点目の御質問に対する回答になります。資料2-25、2ページ及び8ページの表のうち、うち、確認された腸重積症例の割合に関して御質問いただいているものと存じます。ロタリックスに関して、定期接種化後、ブライトン分類で1以上に相当する腸重積症の割合については、直近の1年は40%台で報告されており、定期接種化前と比較して減少しているように見えますが、定期接種化前後で異なる要素があるかは明確ではありません。定期接種化後に報告された症例では、文献・学会からの情報に基づく報告である割合が、定期接種化前よりかなり高くなっており、そのことの影響は可能性の一つとして考えられるかもしれませんが、あくまで推測であり、明確な理由は分かりません。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○事務局 予防接種課から多屋委員の御質問に御回答させていただきます。
御指摘いただいて、ありがとうございます。御指摘のとおり、HPVのキャッチアップ接種につきましては、本年度が最終年度になってございまして、必要な周知に取り組んでまいりたいと考えているところでございますが、先生御指摘のとおり、体調の悪い状態で駆け込みという形にならないようにというところで、接種に当たっては予診をしていただくところもございますし、基本的には熱がないかといったところもあらかじめ記載していただくところでございますので、こういった運用をしっかりしていただくことと、周知に当たっても、例えば接種には6か月ぐらいかかるということもございますので、早めの周知ということも含めてすることによって、駆け込みということをなるべくないようにというところも含めて必要な対応をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
多屋委員、よろしいでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございました。
HPVにつきましては、接種を勧めることと、無理して接種をしない、体調をよく見て接種することを周知していただけるということで、ありがとうございました。
ロタウイルスワクチンについては、原因は分からないけれども、表をしっかり今後も見ていくということで理解しました。
一方、おたふくかぜワクチンにつきましては、迅速な報告という意味では2倍になってしまうのは最初は致し方ないのですけれども、明らかにラインリストで1人の方が2人になってしまっていますので、どこかのタイミングで1つにまとめるなど、そういった工夫はしていただけたらと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○森尾座長 多屋委員、どうもありがとうございます。事務局には恐らく継続した宿題かと思っております。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただけたらと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べ特段高いことはない。
インフルエンザワクチンに関して、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め10例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
ADEMの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含めると9例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め4例報告され、対象期間前の再評価症例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされました。そのほかの症例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
アナフィラキシーの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め22例報告され、MRワクチンと日本脳炎ワクチンの同時接種の症例等の4例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされました。そのほかの症例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
死亡症例は、2024年4月2日時点までに20例報告されました。現在調査中の症例を除き、いずれも情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていました。
このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるか御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと理解いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、議題3「HPVワクチンについて」に入りたいと思います。
それでは、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
HPVワクチンについての報告事項としまして、最近の状況を踏まえた接種の状況について御説明申し上げます。お手元の資料3「HPVワクチンについて」をご覧ください。
2ページ、HPVワクチン接種状況の推移マル1でございます。平成25年度から令和4年度までのHPVワクチン定期接種被接種者数の推移を示した表です。令和4年度の接種者数は、地域保健・健康増進事業報告での最新の接種者数を基に算出しております。なお、令和4年4月からは積極的勧奨が再開され、キャッチアップ接種が開始となり、令和4年度の接種者数にはキャッチアップ接種の数値も含まれております。
3ページに移っていただきまして、HPVワクチンの接種状況の推移マル2でございます。上段のグラフで記載されております縦軸は、実際にワクチンを接種した数ではなく、ワクチン製剤の施設納入数となります。先ほどお示しした地域保健・健康増進事業報告で実際の接種者数が報告されるまでには時間を要しますので、こちらの施設納入数で接種者数の傾向を把握しております。棒グラフは四半期ごとでまとめて、令和6年3月末までの納入数の推移で示しております。
下段の表、副反応疑い報告についてですが、こちらは令和5年12月までのデータで示しております。先ほどお示ししたとおり、接種の実数の増加に伴い副反応疑い報告の実数に関しても多少増えてございますが、一番下のグラフの割合で見ると、特に変化はなく推移しております。
以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今、御説明いただきましたHPVワクチンについて、資料3の説明について、委員から質問、コメント、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございます。
HPVワクチン、先ほど多屋委員から質問いただき、事務局から御説明いただきましたけれども、こちらにつきましては、情報を提供して接種の機会を逃さないようにということと、無理して打たないようにというメッセージを含めた適切な発信が重要だということでまとめていただいたと理解しております。どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上となりますが、そのほか、全体を通じて御質問、御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
最後に、事務局より次回の開催についてお願いいたします。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡をさしあげます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
それでは、本日の会議をこれで終了いたします。活発な御議論をどうもありがとうございました。