第9回後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 議事要旨

日時

令和6年2月8日(木) 15: 00~17:00

場所

AP新橋 Bルーム

議題

  1. 1.業界団体からのヒアリング
  2. 2.その他

議事要旨

議事内容
はじめに
○ 製造業支援の観点から、経済産業省がオブザーバーとして出席した。
○ 日本ジェネリック製薬協会及び日本製薬団体連合会が参考人として出席した。(プレゼンテーション実施の後、退出)

議題1  業界団体からのヒアリング
資料1-1について日本ジェネリック製薬協会からプレゼンテーションがあり、続けて、資料1-2について日本製薬団体連合会からプレゼンテーションが行われた。構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
 
・国の財源は新薬創出に使ったほうがいいのではないか。
・ファブレスなど製造や販売が分割されることで責任体制が見えなくなることもあるが、どう補完できるのか。
・品質問題の一つの原因として、開発時点での検討や、生産に対する技術・知識の移転が不十分な場合もあるのではないか。
・品質管理を行う人材育成について、勉強会・交流会、自社の人材教育を通じた強化で十分なのか。人材教育の在り方について、ジェネリック業界としてどう考えているのか。
・ファブレスについて、製造業にいなかった製販業者が教育や知見をどのように深めるか。自社自社内で完結できるのか。
・業界全体で製造販売業者数は漸減していくと思われるところ、人的資源の供給においては責任者の候補や製造管理者の候補を成長させて活発化させていくのか。
・業界団体として、事業再編や、CMO化、コンソーシアム化など構想がある中で、議論はしているのか。企業情報の可視化・品質管理の徹底により管理コストが増えるが、現状の人員体制等で対応可能か。AGの在り方について業界団体の中で議論はあるか。
・有識者検討会の報告書の中で、AGについて、形を変えた先発品企業の長期収載品依存となっていると書かれている点について業界団体としてどう考えるか。ドラッグラグ・ロスについても議論すべきタイミングであり、AGの在り方について、製薬産業の側からもお考えいただきたい。そうでなければ、産業界にいない人が今後の在り方を提案していかなくてはならなくなってしまう。
・JGAとして産業ビジョンを作っていたと思うが、今の段階で5年後、10年後のビジョンがあるか。各論点に対する意見が各論について賛成・反対といった議論に見えるので、こういう姿になるためにこうしてほしいというような議論ができるとよい。日薬連においても、コンソーシアム以外も含めて業界としてビジョンがあるかお示し頂きたい。
・ビジョンを出すのはあくまで業界団体が主導すべき。企業の情報開示や品目絞り込みに関しても、業界団体としてどのくらいが適正な品目絞り込みの数になるのかといった議論もビジョンの中で行っていくべきではないか。また、ビジョンの中ではいつまでにそれをやるのかといった目標設定も出していく必要があるのではないか。
・ 品質問題の背景は、収益性の圧迫と生産量の増大、この超過労働と薬価の切り下げの影響に収益性の悪化がある。GMPは最低限必要なコストがかかる。それを本業の医薬品製造で賄うには、どこかに最低生産供給量の閾値、ボーダーがある。原料と販売価格の収益でバランスが取れていない企業は、GMPに対して十分なフォローができなくなる。一定の収益性・生産供給量を下回っている企業は、業界再編によって、体質の強化、統廃合による合理化を進めていくのは避けては通れない。頑張った会社が大きくなり手を抜いた会社は現状維持か衰退していく、適正に新陳代謝で行われる健全な競争の場であるべきであり、そのように業界を誘導してほしい。
・現状では、後発品の使用促進や薬価など外的な要因が多く難しい面があるが、業界団体としてどういった情報・枠組みがあれば産業ビジョンを作り易くなるか。
・費用面と制度面が解決すれば企業の連携が積極的に進むのか。環境が整ってもなお自発的には動かないであろう要素があるのか。政府などの第三者から指示をされるような仕組みが仮に入ったとして、それは業界として許容できるものなのか。
・コンソーシアムは、品質管理のキャパシティの逼迫などが起きた際の人材不足に対する一つの解として、指導が仰げるリーダー的な会社にみんなが寄っていくというものもあり、必ずしもマイナスではない。

議題2  その他
○ 資料2について事務局から報告があり、構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
 
・産業ビジョンとしてどの程度書き込みができるのか。適正な品目数や企業数といったところまで踏み込めるか。
・例えば法改正や事業の予算や産業界の補助、民間からの投資を促すような施策とか、次につながることまで含めるのか。
・今後のテーマとして、人材育成、生産効率向上の具体策、委受託関係における安定供給責任の在り方、医薬品を安定的に供給する仕組みの在り方についても議論するべきではないか。
・後発品業界の姿として、海外展開の失敗について要因解析みたいなものは参考であったほうがいいのではないか。
・業界再編を促すプレーヤーとして、卸、薬局も考え得る。
・医薬品が本当に足りていないのか、どこかに偏在しているのではないのかといった情報の共有の在り方について、情報の格差によって業界が圧迫されてしまうことを解消できる方法が何かあるのではないか。
・後発品の4割近くが共同開発品だが、共同開発だけなのか、製造委受託にまで結びついていくのか、その辺りの構造の情報があると議論が進むのではないか。

おわりに
○ 事務局から、第11回は3月1日(金)を予定していることを案内し、散会となった。