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第2回2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会 議事録
能力評価担当参事官室
日時
令和6年2月27日(火)10:00~12:00
場所
会場:中央合同庁舎5号館 専用21会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
議題
(1)招致に向けた取組について
(2)WSI検証訪問について
(3)国際大会出場者のキャリアパス好事例の発表について
(4)国際大会招致(基本計画)(案)について(非公開)
(2)WSI検証訪問について
(3)国際大会出場者のキャリアパス好事例の発表について
(4)国際大会招致(基本計画)(案)について(非公開)
議事
- 議事内容
○事務局(渡邉) 定刻となりましたので、ただいまから「第2回2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会」を開催いたします。私は事務局の厚生労働省人材開発統括官能力評価担当参事官室補佐の渡邉と申します。よろしくお願いいたします。
まず、お手元にお配りしている本日の資料の確認です。議事次第に記載をさせていただいておりますが、過不足はありませんでしょうか。御確認をいただければと思います。もし、不足しているものがありましたら挙手をしていただければと思っております。なお、本日の議題(4)資料4、それから、参考3、4の資料につきましては、非公開の情報となりますので取扱いについては十分御注意をお願いしたいと思います。資料は大丈夫でしょうか。
それでは、本日の出席者紹介については配布の座席表で代えさせていただきます。欠席は日本労働組合総連合会愛知県連合会会長の可知洋二構成員、ものつくり大学教授の三原斉構成員が所用にて欠席です。続いてオンラインでの参加の方について御紹介させていただきます。日立インダストリアルプロダクツの阿部晴希構成員、愛知県経営者協会専務理事の岩原明彦構成員、愛知県商工会議所連合会専務理事の内田吉彦構成員、読売新聞東京本社編集局管理部専門委員の大津和夫構成員、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会の土田久美子構成員、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の冨高裕子構成員、一般社団法人日本エステティック協会の幡野徳絵構成員、最後に中部経済連合会専務理事の増田義則構成員につきましては、本日オンライン参加となっております。
また、本日の議事次第の議題 (3)国際大会出場のキャリアパス好事例の発表ということで、本日は2名お招きしております。1人目は豊田自動織機グループ株式会社シャインズ サービス部副部長の細野晃一様、2人目はエクシオグループ株式会社アクセスエンジニアリング本部エンジニアリング企画部門担当課長の中山拓也様に本日御登壇いただく予定です。
それでは、以降の進行を垣本座長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○垣本座長 おはようございます。前回に続きまして座長を務めさせていただきます、職業能力開発総合大学校の垣本です。来週にWSI (ワールドスキルズインターナショナル)合同メンバーの検証訪問が迫りました。ちょうど1週間後になります。そして、6月7日に提案書の提出です。もう6か月を切ったと思ったのですが、投票は9月9日ということですね。そちらに向けて魅力のある基本計画といいますか、提案書を作成していただくように、構成員の皆様の御意見を頂きたいと思います。活発な御発言をよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。議題 (1)招致に向けた取組について、議題 (2)WSI (ワールドスキルズインターナショナル)検証訪問について、2点まとめて事務局から説明をお願いいたします。
○事務局(安達) 厚生労働省参事官の安達です。座って説明いたします。まず、議題1、招致に向けた取組についてです。現在、WSIに接触をしているところ、具体的な国名については非公表ですが、日本以外に複数の国がWSIに対して、この2028年大会について招致に関する関心を表明しているということで、招致プロセスを進めているとの情報を得ているところです。本日出席の愛知県さん、中央職業能力開発協会さん等とも連携しながら招致に向けた周知・広報等に取り組んでまいりたいと思っております。
まず、これまでの取組状況、今後の対応予定の部分につきまして、資料1に沿って説明いたします。まず、関係省庁さんに対する協力要請を行わせていただいております。また、特に外務省さんとも連携をしながら今後、在外公館を通じた各国への働き掛けといった部分に、今取り組む方向で調整を進めております。
2点目です。厚生労働省のホームページにおいて、この招致に関する情報のコーナーを設けさせていただき、周知・SNS等を通じた発信を行うこととしているところです。
3つ目です。競技関係団体、取り分けエキスパートと言われる競技関係者などに対して、1月25日に招致の説明会を開催しました。更に、参考資料1を御覧ください。今、画面にも写っておりますが、1枚目が英文、2枚目に日本語文も付けております。各国のWSIの加盟国の組織宛てに、支持要請レターを2月14日付けで62か国に発信した状況です。
参考資料2を御覧ください。この各国に対して、これは日本語文ですが英文で、簡単なリーフレットも併せて送付し、招致に関する基本情報を提示するとともに、協力をお願いすることを進めております。併せて、このリーフレットにつきましては、既に厚生労働省のホームページにも掲載しており、英文についても今後掲載する方向で準備をしているところです。また、イベント等における取組で、愛知県さんで県内の商業施設での周知イベントを2月17日に開催したところです。また先週末行われた技能グランプリにおいても、ブースを設け、周知活動を行ったところです。
更に、この後発表が行われますが、国際大会出場者のキャリアパス好事例を今現在収集しており、この情報についてもホームページに掲載できればと思っております。また、開催地の愛知県の紹介リーフレットを今現在作っており、こちらについてもでき次第、様々な所でPRを進めていきたいと思っているところです。
前回の検討会で、この招致活動を行うにあたって、選手の御協力を得ながらPRをするのがいいのではないかというお話を頂いたところ、現在選手の方に御協力いただき、招致の動画を作っております。動画が完成した段階で、ホームページ等に掲載できればと思っているところです。来年度は、委託事業の中で周知広報等は更に広く強化しようと思っており、例えば専用のホームページを開設する等により、更に取組を強化したいと考えているところです。資料1については以上です。
続きまして、資料2のWSIの検証訪問です。先ほど座長からお話いただいたとおり、3月3日~6日の日程で、WSIの会長をはじめとする3名の方がWSIの検証訪問に来られることになっております。日程は、下にあります3月4日~5日においては、愛知県において競技会場、エクスカーション施設等の視察を行い、5日に愛知県から東京に移動があり、6日に厚生労働省の訪問を行う日程です。この検討会で頂いた開催計画に対する御意見等も踏まえて、先方に関する質疑にお答えしながら、この検証訪問で出た宿題等については次回の検討会等で御紹介しながら、最終的な開催計画の取りまとめにつなげていきたいと考えております。資料1、2に関する説明は以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。ただいま事務局より議題1、招致に向けた取組について、議題2、WSI(ワールドスキルズインターナショナル)検証訪問についてを続けて説明していただきました。ここで構成員の皆様、御意見、コメント等がありましたらよろしくお願いいたします。オンラインで参加の構成員の方も、積極的によろしくお願いします。いかがでしょうか。林構成員、お願いします。
○林構成員 林です。確認というか、あれですが広報関係で、今こういったチラシを作っているとのことですが、具体的にこれから多分SNSで分かりやすく伝えることでは、何か動画みたいな形のPRは、これから予定しているのでしょうか。今、現状としてはチラシを作ってということですか。
○事務局(安達) 今、正に動画を1つ作ろうということで準備をしており、できれば年度内には厚生労働省のホームページ等に掲載したいと思っております。また、来年度においてもチラシだけではなく、おっしゃるような動画による広報の在り方も検討して、しっかりと活用させていただければと考えております。ありがとうございます。
○垣本座長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等、ある方いらっしゃいますでしょうか。
私から、1つお聞きしてよろしいですか。既にデータを送られたということですが、送った相手国からのリアクションがありましたら教えていただきたいのですが。
○事務局(安達) まだ送って、実はそんなに日がたっていないものですから、十分に刈り取れている状況にはない。要は、「送っていただいてありがとうございます」以上のものが現時点で送られているわけではありませんが、おっしゃるとおりレターを送った後の反応も踏まえながら、今後の招致活動をどうするかというのを検討していかないといけないと思っておりますので、送って終わりというわけではなく、送った後の反応をよく踏まえながら、戦略的に広報なり招致活動を行っていきたいと考えております。ありがとうございます。
○垣本座長 よろしくお願いいたします。それでは、ほかに構成員の方御質問、御意見等はございますでしょうか。
私からも1つお聞きしたいのですが、先ほど選手の動画を載せるという話がありましたが、いつ頃に、どういうところに載せるのかといった情報も教えていただけたらと思います。
○事務局(安達) 今のところ、厚生労働省のホームページの中に、今、コーナーを設けると申し上げましたが、そこの中に見えるように準備を進めているところです。具体的な掲載先が整理できましたら、後日URLの送付等によって掲載をさせていただきたいと思うとともに、可能な範囲で、構成員の皆様にPRを御協力いただければ幸いです。以上です。
○垣本座長 よろしくお願いいたします。動画の作成は、構成員の皆様からのお力添えも必要かと思います。ほかに、構成員の皆様から御質問、御意見等、今の資料1と2に関してですが、ございますでしょうか。
○林構成員 林です。重ねてすみません。こういった、これからの関係の招致に向けた取組のところで、実績として幾つか、特に下には愛知県内の商業施設の管理向け招致イベント実施と書いてありますが、こういった今後の何か広く周知するイベントや取組を、事前にスケジュールでありますみたいな形で、厚労省さんのホームページ上で告知という形で出される予定でしょうか。そうすることにより、なるべく幅広い皆さんへの周知や関係企業さん、団体さんへの周知が図れるかなと思いますので。
○事務局(安達) この正に事前に周知することは重要ですので、ここは我々もそうですし、今日御出席いただいている愛知県さんなり、中央職業能力開発協会さんとも連携しながら幅広にイベントを開催するとともに、事前の広報もしっかりとやっていきたいと思います。ありがとうございます。
○垣本座長 ありがとうございました。ほかに構成員の方から御意見、御質問等はございますでしょうか。それでは、また後ほどでも資料1、2に関して御質問等が生じた場合には、そのことに併せて御質問していただけたらと思いますので、先に議事を進めたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次の議題です。議題3、国際大会出場者のキャリアパス好事例の発表についてです。事例1つ目、サービス業の事例として、豊田自動織機グループ株式会社シャインズ、サービス部部長の細野晃一様からお願いしたいと思います。
○社式会社シャインズ細野副部長 はじめまして、豊田自動織機グループの株式会社シャインズより参りました細野と申します。本日は貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます。私のほうから御用意させていただきました資料について、簡単に御報告申し上げます。
「おもてなしを技能に」というタイトルで記載させていただきました。次のページを御覧ください。背景としまして、皆様も御存じのとおり、昨今、外国人訪日客が増え、我々の業界としましては非常に活況で、大変多くのお客様に御利用頂いております。その裏側では、どの産業もそうなのかもしれませんが、人材不足が業界内では大きな課題の1つとなっております。
そのような中で、多くのホテルをはじめレストラン等々で、各企業とも改めて社員教育というところ、特に若手社員の育成にかなり注力しているということが実状でございます。そのような中で、各種資格試験をはじめコンクール等への参加が、人材育成の場として非常に良いのではないかということで、各コンクール、資格試験の参加者が非常に増えており、高い関心を持って行われているのが実状でございます。
私も個人的には、技能五輪全国大会で先般行われました技能グランプリの競技委員も務めさせていただいたり、業界団体のサービスコンクールなどの運営・審査にも携わらせていただいておりますが、実感として、このコロナが明けてからの各企業様の参加への取組の姿勢というものが、明らかに変わったなということは肌で感じております。
続いて、私どもの企業ですが、先ほども御紹介させていただいたとおり豊田自動織機のグループ会社で、豊田自動織機の社員の方が使っていただく福利厚生の施設として運営させていただいております。当然ながら、ものづくりの親会社の流れを酌んでおりまして、技能や資格の習得には大変理解が深く、サービス業という業界におりながら多大なる支援を頂いている状況です。
先般のWorldSkills Competition SEに参加させていたただいた選手ですが、ちょうどコロナ禍が始まりました2022年の4月入社と同時に、ほぼ仕事がなかなかない状況に陥ってしまいました。その中で教育の一環として、全国大会出場ということを提案し、本人と取り組んだ結果、大変良い成績を頂き、WorldSkills Competitionに出場するという流れになりました。現在は弊社内の洋食部門のレストランに勤務しているという状況です。
次のページを御覧ください。その後の出場者の現状ですが、WorldSkillsという大変大きな大会に出させていただいたこともありまして、例えば、弊社の社内、彼女の所属している部門においても、現場のスタッフとのコミュニケーションが、非常に良い意味で周りの方が彼女を一社員、スタッフとして認めてくれて、円滑に業務ができているのかなと日々見ております。
特に、どうしても職人気質の残る料理部門で、料理長をはじめそういった方々とも対等なといいますか、十分に、伝えることを理解してもらって作業に臨めている姿というものは、大変良かったのかなと思っております。また、私どもも、その選手に対して任せる仕事の幅や質というものも随分広がっており、彼女も非常にやりがいを持って取り組んでいっております。
また、接客サービス業ですので、お客様あっての我々の仕事ですが、その分、親会社の社員の方が利用される施設ということもあって、WorldSkillsへの参加というものが、お客様も大変関心を持っていただいておりまして、その接客の場においても、数々、いろいろとお話等で盛り上がる機会があります。その部分が、自分は、やっぱり知っていただいていると、そして自分は説明する義務や責任があって、それを通してより良いコミュニケーションを取りたいという意識が強く芽生えており、本人も変わってきているのかなと思います。
また、資料画像1として載せておりますが、こちらは親会社の社内報『カレント』という冊子の一部で、2020年の技能五輪全国大会で、豊田自動織機で金賞を取られた選手と弊社の杉浦という選手です。それぞれ全く違う業界に所属しておりますので、その選手同士が、どういう思いで、どういう考えで訓練し、結果を残すことができたかというところを話してもらうことで、新しく何か生まれることがあるのではないかというアイディアの下、こういったこともさせていただいております。
また、我々企業としては、若い社員がこういった形で良い意味で結果を残して頑張っているという姿勢は、なかなか苦戦もしておりますが、リクルート活動においても大変強くアピールできる要素となっております。
加えて、先輩社員、上司に当たる者も大変大きな刺激を受けておりまして、一昨日に行われました技能グランプリにも、選手、杉浦の所属長の人間が良い刺激を受けて、エントリーして、何と敢闘賞のような賞を頂いていたりもします。また、国家技能検定のレストランサービス技能検定1級にも、今年度は弊社から2人の合格者が出まして、非常に強い刺激を先輩や上司にも与えてくれていて、社内的には好循環が生まれているのかなと認識しております。
あと、昨年度から社内の人事考課の一部に、資格取得や技能大会での成績も加えていただくことができ、よりそういったものに挑戦することによって、自分自身のキャリア、キャリアパスにつながるという体制が、少しずつ社内でも取られています。
また、こういった事例を通して今後は、私自身もWorldSkills Competitionに参加させていただいて、非常に若い方の熱い熱量というものをすごく感じました。この部分、もちろん若い方というのは、こうであってしかるべきだと思いますが、指導的な立場の方にも是非感じていただきたいなと思っています。
先ほど来、コンクールや資格試験にエントリーする方が増えているということは申しましたが、その一方で、指導する立場の方の技能であったり、考え方であったり、熱量だったりというところが、もう少し底上げが必要なのではないかとも感じておりますので、仮に2028年に愛知で、そういった熱量のある大会を見る機会が設けられるのであれば、私どもはできれば是非業界団体を通じて、それを見ていただくことで、選手、若い社員並びに指導的立場の人間にも、この技能をいかしていくということを伝えていければと思っております。
「おもてなし」という言葉はもう皆様が知っている言葉ですが、次のステップとして、我々の業界としましてはそれを技能にしていく、形にしていくことで、若い社員が自分がやりたい「おもてなし」を、技能を通して伝えていくといった形にしていけることが、私並びに業界の1つの大きな目標と捉えています。簡単ではございますが、私からは以上です。ありがとうございました。
○垣本座長 細野様ありがとうございました。
続いて事例の2つ目、業界団体の積極的取組事例として、エクシオグループ株式会社アクセスエンジニアリング本部のエンジニアリング企画部門担当課長の中山拓也様からお願いしたいと思います。
○エクシオグループ(株)中山課長 御紹介いただきました、「情報ネットワーク施工」職種分科会長を、中央職業能力開発協会の枠組みの下、やらせていただいております、エクシオグループの中山と申します。どうぞよろしくお願いいたしす。それでは早速内容に移らさせていただきます。
まず、自己紹介としまして、自身のキャリアから御説明させていただきます。弊社エクシオグループは、通信基盤工事をメインとする工事会社でございまして、1995年入社して、現場工事関連業務を約10年ほどやってまいりました。その中で、最後のほうは、現場OJT教育担当ということで、3年ほど勤務社員を現場に連れて、作業を教えるという業務に取り組んだ後、2004年、職業能力開発大学校様により、情報通信分野の競技会が立ち上げられまして、その大会に年齢制限なしという競技で参加しまして、金賞を受賞し、その後、全国大会が始まるということで、技能五輪指導員に従事することになりました。
その後、2005年から2011年まで国際大会指導員という形で参加いたしまして、4大会連続、国際大会で金賞を受賞しまして、その後2017年、2022年とエキスパートという形で参加させていただき、金賞を受賞しております。なお、2021年には同職種の分科会長に就任しまして、2022年、厚生労働省様より、卓越した技能者表彰を受賞したという経緯で現在に至っております。
次のスライドをお願いいたします。情報ネットワーク施工職種は、ただいま9連覇中ということで、2005年から2022年まで、経営者が別の会社も含めて、会社を越えて9連覇を継続しておりまして、こういった経緯もあり、各企業が団結する一助となっていると思いますし、この分科会活動もガッチリと参加企業全体で、スクラムを組んで闘うような仕組みが取れていると思っております。
次のスライドをお願いいたします。そしてその分科会で中心となる3つの大きな活動サイクルになりますが、1つ目は情報の共有化ということで、国際に関する資料の共有、訓練データの開示、想定事例集の共有など、ありとあらゆる情報を各企業間、参加している全企業間で共有して、共有の情報の時間差をなくすといいますか、情報を取得するまで、やはり国際大会というと時間がかかってしまいますので、その時間差をなくすという取組をまず最初に行っております。
2つ目に分科会での訓練指導ということで、国際代表選手が決まったら、ワンチームということで、全企業が協力して選手を指導するという環境を作っておりまして、その中でも非公開課題の作成協力と同時に、指導員・エキスパートもどのように育成していこうかということで検討しながら、同時進行でこの育成業務を進めております。
3つ目に国際大会との整合化ということで、国際大会が終了した次の年の全国大会には即時に、国際大会の課題や要素を取り入れるというような体系を整えております。2月に付議して6月には決定し、10月、11月の全国大会にはそれを反映させるというような経緯で対応してまいります。
また、国際大会の課題を整合させるだけではなくて、材料とか機器の導入判断、ルールの変更なども併せて協議しております。また全国大会で日本と世界では技能の差があって、どうしても全国大会で取り入れられない課題などももちろんございますので、その辺りの課題は、予選会でデモ競技として実施をするなどして、極力国際大会との整合性を図って進むというところも、この3つのサイクルをグルグル回しているということです。
次のスライドをお願いします。この写真が分科会での訓練指導風景ということで、真ん中にいるのが2022年に出場した国際大会の選手になるのですが、この選手を周りで各企業の指導員リーダーの方たちが、取り囲って様子を観察しているという状況の写真です。この五輪参加全指導員の指導を選手は受けられるというメリットもあります。また同時にその指導員は、国際大会の現状の共有と、指導者がどういった考えで指導しているのかという、指導の学びを得る機会になっておりまして、これはもうどこもデメリットがないというか、全方位ウィン・ウィンの取組だと考えて実行しているところでございますし、次大会に別の企業が勝っても、シームレスな移行が可能になる取組ではないかと思っております。
次のスライドをお願いします。弊社のキャリアパスに話が一旦変わりますが、弊社としての技能五輪のキャリアパスを簡単に御説明させていただきます。エクシオグループとしては、先ほど御説明したように、2004年から全国大会の参加、職種自体が2004年からスタートしましたので、今年でちょうど20年となりまして、現在もキャリアバス策定に向けて活動を推進しておりますが、主な流れとしましては、新入社員研修から入りまして、新入社員から選抜をしまして、技能五輪選手になっていく。技能五輪選手になって国際大会、ないしは国内で優秀な成績を残した選手に関してはそのまま指導員ということで、技能五輪の指導員に従事させております。この連続でやるというのは、私自身すごく重要なことだと感じておりまして、選手、教わる側の立場を理解して、次に教える側の立場を理解する。それをワンパッケージとして考えて、一定の基盤を固めようというような取組を行っております。
年齢は加算されてしまいますが、その後、現場で従事するというような流れになっておりまして、現場では現場の覚えないといけないことがありますので、そちらを習得しつつ、現在では海外での技術支援の積極的な参加や、昨今の外国人就労者、特定技能生の技能展開などを、メダリストたちが現在行っているという状況です。その後、現場で活躍している元選手たちもいますし、その後、技能五輪の指導主任として戻って、今弊社の主任としてやっている元メダリストの方もいて、そこでまた育成全体に関わる方向性や方針決定などを学んだり、指導員育成なども、現在学んでいるというキャリアになっております。
また右下の技能五輪の活用については、まずは弊社としては、若手技能者の目標の明確化ということを第一に考えて、最近、現場ではどうしても長い期間同じ人間たちが集って1つのことを成し遂げるというのは、なかなか取組が難しいような状況になってきておりますので、2、3年一緒にいられるというところの強みを活用して、選手の技能だけではなくて、精神面や考え方なども育成していければというのが主な活用となっておりますし、もちろん社内の技術力のPRや、採用に関する実績のPRなどは、徐々に時間をかけて成果が現われていっているというところでございます。
次のスライドをお願いします。1つの事例として、最後に御紹介させていただきますが、2009年の国際大会金メダリストの野瀬社員の事例ですが、国際大会終了後、日本で現場作業をやりまして、その後フィリピンに行きまして、現地で駐在をしまして、金メダリストとしてやはり現地でも慕われるような形で、いろいろ皆さんとつながってくれました。現地のスタッフの育成と管理を8年間担当して、最大で800名、フィリピン全土で800人規模のスタッフをコントロールしていたという話です。今年、ちょうど8年の駐在を終えて、日本には帰ってきておりますが、こういう事例もございました。
次のスライドは、情報ネットワーク施工職種が組織で動いている相関図になるのですが、時間の都合上、参考とさせていただいて、私の発表のほうを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○垣本座長 中山様、ありがとうございました。ただいま、2つの好事例について御報告を頂きました。構成員の皆様から御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。新田構成員、お願いします。
○新田構成員 御説明ありがとうございました。2社まとめて質問させていただいてよろしいでしょうか。
○垣本座長 それぞれにお願いします。
○新田構成員 まず、シャインズの細野様に対しては、資料の3ページで、資格取得や技能大会での成績を社内の人事考課に組み込んでいるというご説明がありました。差し支えない範囲でもう少し教えていただきたいと思います。資格取得については手当によって処遇するのが一般的な気がしており、人事考課でこうした資格取得を反映するにあたり、どのようなやり方をされたのかを確認したい趣旨です。それから、技能大会での成績を人事考課上でどのように評価をされたのか、具体的に例えば賃金のどの部分にどういう形でということを、差し支えない範囲で教えていただければと思います。
加えて、御社として、技能五輪で金賞を取られた方の今後のキャリアをどのように考えているのかについてもお伺いできればと思います。
次に、エクシオグループの中山様におかれましては、資料の6ページで、キャリアパスに関する御説明を頂きました。エクシオグループにおいてもシャインズと同じように、技能五輪の成果などを評価して、それを人事考課や処遇に反映しているということであれば、補足の御説明をいただければと思います。
また、技能五輪出場者のキャリアパスについて、5年目プラスアルファの段階で現場に戻り、実際の現場を学んでいるという御説明がありました。予ねてから技能五輪の関係で気になっているのは、技能五輪などの訓練に注力した結果、通常の業務に戻るのにどうしてもタイムラグが生じてしまう点です。実際に、同期入社の社員との間での差が生じているのか、いないのか、また、何か工夫されている点があれば、現状とあわせて御説明をいただけると有り難いです。よろしくお願いいたします。
○垣本座長 御質問ありがとうございました。それでは、それぞれに御回答いただけますか。
○株式会社シャインズ細野副部長 私から回答させていただきます。まず、人事考課についての御質問ですが、弊社では社員1人1人に対して、それぞれ毎年度自分自身が目標とするものを、個人の目標設定というものをさせております。その中の項目の幾つかに、各種資格取得や競技会への参加という目標の設定があります。その中で、自身の自己評価の中で、どの程度の努力をし、どの程度の結果を残してどうであったかを報告をしてもらっています。そこでの評価が、各職位によって、達成度合によって、その評価をポイントにして加えていくと。もともとあったものを更に発展して、そこに技能競技大会やコンクールという項目も、自分の目標としてキャリアとして申請していいという形にさせていただきました。
具体的に賃金幾らという形ではないのですが、その評価ポイントに合わせて年度ごとの評価になりますので、よくある資格を取得するとプラス幾らのという形も他社様ではあるとは聞いておりますが、弊社の場合ではそのような形はとらずに、今申し上げたような形でやらせていただいています。
もう1つ、国際大会で賞を取った人間が、今後どのように社内でという御質問ですが、正直申し上げて私どもも決して大きな企業ではなく小さな企業ですので、その選手を具体的にこのような形でというところまでまだ定まっていないというのが、実は正直なところです。ただ、業界団体では、国際大会の経験者は、例えば業界団体の運営するコンクールが毎年2月にありますが、そういった場では審査運営に携わっていただいて、自身の経験したことを同じ目線で挑戦する若い選手たちに伝えていくという役割を担ってもらうようにしています。簡単ですが、このようなお答えでよろしいでしょうか。
○垣本座長 ありがとうございます。では、次に中山様からよろしくお願いします。
○エクシオグループ(株)中山課長 まず1点目ですが、人事評価に関する所です。弊社としては、一次評価で褒賞などの制度を使い、何か成果を残した選手には褒賞を与えるという形をとっており、直結した人事評価はありません。もちろん、結果を出せば年度の評価は上がるのは上がるのですが、それが直結して未来に継続していくような評価体制には、現在はなっておりません。
それから、2つ目の現場のキャリアが遅れるという話ですが、その御意見は正にそのとおりです。弊社としても、発足当初はこの遅れたキャリアをどうやって取り戻そうかと試行錯誤してきており、今でも解消されたわけではありませんが、ようやく20年たった現在、五輪卒業生が一般の現場で工事長という立場になってきております。また、若手の技能者に関しては、直営班ということで、直接卒業生から直営班のサイクルも出来始めておりますので、その環境を理解した中でのキャリア形成が徐々に整いつつあるということです。もちろん、どうやって時間を取り戻すかは永遠の課題というか、ここで知り得た技能や考え方を活用して時間をスキップしていくという想定の下、五輪に入った当初からそういう指導をして、意識付けをしてやっておりますので、その中でサイクルが今後もできていけばと思っております。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。ほかに構成員の方からお二人に対して御質問、御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。オンラインで参加の構成員の皆様も、積極的によろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
○佐藤構成員 よろしいですか。
○垣本座長 佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 全国技能士会連合会の佐藤と申します。シャインズの細野様にお伺いしたいのですが、技能五輪には比較的最近になって参加されたのではないかと思いますが、参加するきっかけや技術的な問題があったとかモチベーションとか、何か問題意識があって参加されたのかどうかが第1点です。
それから、今回の出場者は2020年4月に入社されて11月に大会に出場されていますが、御社としてはこのような4月に入った社員を7か月で訓練して大会に出場させるのが基本パターンなのか、それともたまたまこの方がそういう方だったのかをお伺いしたいと思います。
○垣本座長 細野様、よろしくお願いいたします。
○株式会社シャインズ細野副部長 御質問にお答えさせていただきます。まず1つ目ですが、私どもの会社は先ほど来申し上げておりますが、豊田自動織機の子会社ということで、技能五輪というものに関しては、弊社内でもそういう大会があって、親会社のほうはそこにかなり注力してやっているということは存じておりました。かつ、私はじめ、私どもの社員の別の者も、技能五輪全国大会の競技員なり補佐員で従事してきたこともあり、いつかどこかのタイミングで弊社からも選手を送りたいという思いがありました。そして、2019年の技能五輪全国大会に、満を持してというか、初めて選手を参加させ、そのときは銅賞を獲得させていただいています。それまでには、もう5年ぐらいにわたり、弊社の選手を出場させるには、どのようなプロセスを踏んでどのように訓練をしていくかということは内々には進めていたという経緯のある中での、このような形になりました。
また、この2020年4月の選手の教育ですが、なかなか小さな企業ですので、サービスに関わる所で実は毎年新入社員は1人ぐらいしか採用できておりません。ですので、入社した方には漏れなくというか、社員の意向を聞いた上で、挑戦してみないかということで、弊社としても人材育成の1つのツールといったら失礼かもしれませんが、そのような形で提案、教育を進めているのが実情です。以上です。
○佐藤構成員 ありがとうございました。
○垣本座長 ありがとうございました。ほかに構成員の方から御質問、御意見等はありますか。
○上岡構成員 よろしいですか。
○垣本座長 上岡構成員、よろしくお願いします。
○上岡構成員 上岡です。エクシオグループの中山様に御質問させていただきたいのですが。6ページのキャリアパスの所で、技能五輪でこのまま五輪の選手が終わって五輪の指導に入っていくといった流れをお示しいただいていますが、全員がそうとは限らないと思っております。この五輪選手指導員従事が終わった後に、そのまま五輪に戻らずに現場に従事される方もいらっしゃると思います。この方のキャリアという面で、技能五輪を通じて何を目的に育成されているのかを教えていただければと思います。
というのも、技能五輪は世界一を目指して訓練しますので、ある特定の部分は非常に高い技能を有していると思いますが、先ほどお話があったとおり、同期と比べると技能面で遅れている部分があるといったことになると、そのまま五輪をやらずに現場で活躍される方もいらっしゃる、そちらのほうが高い技能を、全体的に見ると現場で活躍できる技能を有していると考えております。その中でも、そのタイミングでは技能的に遅れている部分があるにもかかわらず、技能五輪で育成する目的があれば、教えていただければと思います。
○垣本座長 大変興味深い質問ですね。中山様、よろしくお願いします。
○エクシオグループ(株)中山課長 御質問ありがとうございます。上岡さんはよく分かっていると思います。難しい質問だと思いますが、弊社の取組としては、技能をどうやったら熟達させられるかというプロセスを重視しております。どういった考えを持ってどこに着眼をすればとか、自分の心がどうなれば3か月掛かるところが1か月で習得できるのか。そして、日々のミーティングの中でどうやってこのタスクを実行していくのかということを鍛えているというイメージです。実際に作っているものが大事だというイメージではなくて、作るまでのプロセスをどうアプローチして、どう時間を圧縮していくかということを身に付けてもらいたいという願いの下に、受講カリキュラムを作っております。そこで、卒業した後にその圧縮プロセスを使って、あとは本人の自走になってしまいますが、人生の時間を巻き取ってもらいたいというか、そこを活躍して成長カーブを描いていってもらいたいという思いです。
もちろん、皆が皆そういう夢物語みたいな所に到達するわけではないですが、育成理念というか、育成の方針としては、そういう形でやっております。もちろん、指導員をやらずに現場に行く選手たちもたくさんいますので、その辺りの選手たちも、それはそれで直結して直営班という形で、現場は現場のサイクルで、きちんと回せるような仕組みで対応しております。回答にはなっていないかもしれないのですが、以上です。
○垣本座長 ありがとうございます。私から、今の質問に関して興味を持っているのでお聞きしたいのですが。かなり歴史があると思うのですが、今の中山様から見て、競技から外れて現場に戻ったときにキャッチアップしていける度合いは、どのようなものなのでしょうか。やはり、五輪に打ち込んだ分、身に付けたもので乗り越えていかれているのか、あるいは中には困難を感じている方もいらっしゃるのかということなのですが、いかがでしょうか。
○エクシオグループ(株)中山課長 過去の事例でいくと、国際大会まで経験して卒業した選手で現場に出た選手は、実際に今現場で働いている人たちに1年間で追い越したという実績もあります。それとは別に、全員が全員もちろん必要な状況で訓練はしていくのですが、その中でも現場と御本人の肌が合わないというか、この業務は合わないといって迷っている卒業生たちもいます。極力、今は現場も含め、管理も含め、今までは現場に特化して五輪選手の卒業生は現場にというアプローチをしていたのですが、それだけではないなと最近思い出してきており、管理がよければ管理のほうに移行するというプロセスも、今後キャリアとして考えていこうと思っております。
○垣本座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。まだ時間があると思うのですが、御質問のある方はいらっしゃいますか。林構成員、よろしくお願いします。
○林構成員 林です。中山様の今回の事例について、コメントになってしまうのですが。私も、今日初めてこの分科会での取組を拝見させていただき、やはり9連覇されている実績は、こういった取組で個社ではなくて各企業が連携して取り組まれている非常にいい事例なのだろうと思いながら、拝見いたしました。そういった人材育成の観点から、企業がいろいろな若手の選手の方に一緒に関わっていることは、具体的に非常にすばらしい事例だと思っております。
8ページに、職種別分科会とあります。これは厚労省さんに確認かもしれませんが、こういった事例に関しては、分科会ごとで好事例の取組は何か共有されていらっしゃるのでしょうか。
○事務局(安達) 選手強化に当たっては、職種ごとに個別企業のみに任せるのではなくて、ある程度職種ごとに参加企業が集まって強化に取り組んでいこうという方向性の下に、今御指摘のあった職種別分科会を開いております。また、今お話のあったこの情報ネットワーク施工職種というのは最大の好事例ということで、このような好事例をほかの分科会でも広げるということで、選手強化委員会などの機会を通じて周知を図ろうとしているところです。
それぞれの企業を巻き込んでいくということも含めて、いろいろなノウハウなり、職種におけるノウハウのような独自の紙では書けないようなものもあろうかと思いますので、そういうことも含めて横展開できるものはできればと思っております。
○林構成員 ありがとうございます。6ページにも技能五輪の活用についての発信の部分も書かれておりますが、こういった形の選手の方々のモチベーションにつながるような取組は非常にすばらしいと思いましたので、是非共有できる情報は頂ければと思いました。
○垣本座長 貴重な御意見ありがとうございます。ほかに構成員の皆さんから、御意見、御質問のある方はいらっしゃいますか。いかがでしょうか。それでは、私から細野様にお聞きしたいのですが。今日お話を伺って、大抵は後輩の育成というのは下向きに考えるのですが、上司の方もグランプリに挑戦されたということで、非常にいい視点だと思うのですが。会社の取組が広がっていっている中で、どのような経緯で全体としてそのような考えの下に進められているのか、その辺りを教えていただきたいのですが。
○株式会社シャインズ細野副部長 御質問に答えさせていただきます。まず、弊社の社内的なところから申し上げますと、私どものサービス業も、各種技能と言いましょうか、資格というのは幾つかあるのは御存じのことかと思いますが、その中で特に今回、弊社のような少しクローズのお客様を相手にする社内で勤めておりますと、なかなか外の世界が見えにくくなる嫌いがありまして、キャリアを積んでいけばいくほど、どうしても自分の会社のみの見える点でしか、なかなか仕事ができなくなってきてしまうところもあります。
その中で今回はワールドスキルズの選手として若手社員がなったことで、世界大会ってどういう大会なんだろうから始まりまして、競技の内容は、課題はというところで、本当の意味で各先輩上司に当たる人間が新しい気付きと言いましょうか、何か自分でもできることがないのかなというところを感じてくれまして、それを自分だったらこの資格かな、コンクールかなというところを考えてくれて、エントリーや挑戦してくれた。決して会社から促してとか、私が誰かに言うことでやったものではなく、今回に関しては本当に自発的にそれぞれが動いてくれたということでございます。
従いまして、業界団体に関しても、先ほど分科会という話もありましたが、実はレストランサービス職種にも分科会組織はあります。構成メンバーの中では、都内にございます有名なホテルさんといいましょうか、大手ホテルさんの過去の技能グランプリ優勝者とか、それこそワールドスキルズの静岡大会に出た元選手であったりとかいうメンバーで構成しています。
その分科会が立ち上がったのも、実はロシア大会以後、今、私どもの業界団体である一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会の下、立ち上がりました。そのメンバーの多くが国際大会の分科会、かつ、全国大会の分科会の委員も兼ねて、また、業界団体の各コンクールやイベント、資格試験の課題作成等にも、多くの委員が携わっているということで、今、一つワールドスキルズという大きな世界に向けての目標があることで、この刺激を受けて、業界団体の中ではもっと新しい取組をしていこう、ワールドスキルズの良いところを取り入れて、国内のコンクールや資格試験にいかそうという1つの流れが起き始めております。その部分は私もそのメンバーの1人として、より確実に、かつ少しスピード感を持って広げていきたいと思っております。そういう意味での2028年というのは、我々の業界にとっても是非国内でやっていただくこと、それが効果、成果につながる必要になるのではないかと思っております。以上です。
○垣本座長 横展開だけでなく、縦にも展開し、更に面として広がって行く。大変貴重なお話でした。ありがとうございました。細野様、中山様に関しては、この後退席されますので、ここはということでお聞きになりたいことがありましたら、オンラインで参加の構成員の方も、是非よろしくお願いします。
○大津構成員 読売新聞の大津です。よろしくお願いします。細野さんに1つ質問ですが、解説していただいた3ページ、今後の課題として、やや抽象的な質問になって恐縮ですが、おもてなしを業界内の精神論だけにするのではなく、確かな技能にしていく必要があって、正におっしゃるとおりだと思うのですが、こうしたことを考えていくときに、細野さん御自身として、企業を、それから業界としてどのようなことを、どのように確かな技能にしていく上で、必要なことを考えていくかをお聞かせいただけますか。
もう1点、中山さんへの質問があり、中山さんの配付資料4ページですが、分科会での訓練指導ということです。特に2で「指導員・エキスパート育成の実施」と書いていますが、これは各企業の事情であるとか、いろいろな御事情があろうかと思って、どういう点に一番壁を感じていらしていて、その壁を低くするためにどのような知恵と工夫が、今後求められているのかをお聞かせいただけますか。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。では、細野様から御回答をよろしくお願いします。
○株式会社シャインズ細野副部長 御質問ありがとうございます。まず、おもてなしを技能にというところのプロセスですが、先ほどらい少し申し上げさせていただいておりますように、各種技能検定、あと、少し近年、熱の高まりある各種コンクール等の取組の中で、特にまず今実施しているところは、技能五輪の全国大会はじめ、グランプリ、業界団体のコンクールも、これまではどうしても選手というのは、参加して、成績が出て、それでおしまいという形でした。そこに少しワールドスキルズの良い部分を取り入れさせていただいて、各選手ごとにリザルトサマリーとでも言いましょうか、その結果をフィードバックして、そこに試験官のコメントを添えて、後日伝えさせていただくことを、遅ればせながら本年度より少しずつ始めさせていただいております。
若い選手というのは、自分の結果がどうしてもどうであったかは、各選手ごとに違うとは思うのですが、何ができて、何が良くなかったかと、何が評価してもらえたかというところが、一番大切なところであるのかなと。また、それは所属する企業や学校の上司や先輩に当たる方たちにとっても、一番欲しい情報なのではないかというところで、コンクールなどは極力オープンにした形で運営していこうということで、取組を少し変えさせていただいています。それがばく然とした形でのおもてなしの精神論でなくて、少しずつ選手のステップアップしていく中で技能を習得していくという過程にしていきたいと思っています。
また、あと、業界団体には、働き掛け、一緒に考えさせていただいておりますが、国家技能検定でのプロセスもそうですが、業界として習得していくべき技能の教本みたいなものもございますが、ここにも今後少し手を加えさせていただいて、今の現状に即した形の教本に作り変える作業、それを今検討として進めていくという段階にきております。若手社員が伸びていく過程を見ていますと、技能を習得して、それを自信にして、おもてなしというのは、実は裏側ではちゃんとロジックなるもの、組立てがあるものなんだということを伝えていけると、自信を持ってできるのではないか。そう思って進めております。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。よろしかったでしょうか。では、中山様から回答をお願いします。育成の課題ですね。
○エクシオグループ(株)中山課長 御質問ありがとうございます。分科会での訓練指導に当たる指導員・エキスパートの育成ですが、業界としては、今、参加している企業の指導員の年齢層は、20代中盤から20代後半ぐらいの指導員が主な年齢層になっており、その辺りの若手の指導層をどうやって成長させようかというところも、この分科会の取組としてやっております。それは1つには、競技会を対する、例えば予選会とかで学生への競技会を主催する経験を持つとか、評価する立場の感覚をつかむとかというところも含めて、この運営から携わせることをやっております。また、各指導員の共同体による運営や評価なども指導員層でやってもらうことによって、指導のやり方の共有ができるようにと思って活動しております。
また、エキスパート育成ですが、毎回ベテランの方がエキスパートになるわけではないかと思いますので、その辺りのフォローをどのようにやっていこうかというところは、今でも試行錯誤しており、やはり技能五輪国際大会となると、どうしてもインプットとアウトプットのアンバランスが生じ、インプットは大量の情報をインプットしないといけないのですが、アウトプットすることだけに時間が消費していってしまいますので、その辺りのインプットをどうやって効率的にやらせようかというところが、今の分科会での議題となっているところです。ちょっと回答にはなってなかったかもしれないですが、以上です。
○垣本座長 大津様、よろしいでしょうか。
○大津構成員 はい、ありがとうございました。
○垣本座長 御質問をいろいろ頂いたきまして、ありがとうございました。次の議題については非公開となりますので、マスコミの方と一般の御来場の人はここまでとなりますので、ここで御退席をお願いします。
今、好事例を発表いただきました。細野様、中山様、ここで御退席ということです。本日はありがとうございました。
(以下非公開)