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職業安定局雇用開発企画課建設・港湾対策室
第65回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録
日時
場所
(東京都千代田霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
議事
まずは、マスコミの方への留意事項を申し上げます。カメラ等の撮影をされる場合は、議事が始まる前までとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。また、本日の議題(3)「実施計画の変更認定及び建設業務労働者就業機会確保事業の新規許可について」は、「審議会等会合の公開に関する方針」の「審議会等会合の公開に関する考え方」のうち、「個人に関する情報を保護する必要がある」及び「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当いたしますので、非公開の取扱いとさせていただきます。したがって、傍聴していただいている方については、この議題の前に御退出いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
さて、本日の専門委員会では公益代表の小野委員、使用者代表の岩田委員及び若鶴委員におかれましては、オンラインでの御参加となっております。会議の進行中に通信トラブル等で接続が切断された場合や音声が聞こえなくなった場合などトラブルがありましたら、操作マニュアルに記載の事務局担当者まで御連絡をお願いいたします。また、委員の皆様におかれましては、御発言の際はできるだけ聞き取りやすい発音と速度でお話いただきますようお願いいたします。
次に、配付資料の確認をさせていただきます。会場にお集まりの委員におかれましては、お手元の資料を御覧ください。オンライン参加の委員におかれましても、事前に同様の資料を送付しておりますので御確認ください。資料は議事次第、配付資料が資料1-1から資料2まで、参考資料が参考資料1から参考資料4までの合計7種類です。資料に不足等はございませんでしょうか。ここまでで御不明な点がありましたら、お申出いただきますようお願いいたします。
まず始めに、令和5年4月27日付け及び同年9月19日付けで委員の交代がありましたので、新たに選任されました委員を御紹介いたします。参考資料3が最新の委員名簿となっておりますので御覧ください。使用者代表委員として、一般社団法人建設産業専門団体連合会会長の岩田委員、株式会社奥村組管理本部働き方改革推進専門部長の堀川委員、労働者代表委員として、日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員の初野委員が就任されております。皆様から一言、御挨拶をお願いしたいと思います。岩田委員は音声がまだつながっていないようですので、堀川委員に御挨拶をお願いしたいと思います。
○堀川委員 ただいま御紹介いただきました、株式会社奥村組の堀川と申します。初めて参加いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○布施補佐 ありがとうございました。続きまして初野委員、お願いいたします。
○初野委員 皆様、御安全に。日本基幹産業労働組合連合会の初野浩子と申します。出身は東亜道路労働組合になります。よろしくお願いいたします。
○布施補佐 ありがとうございました。本日の専門委員会には、オブザーバーとして国土交通省不動産・建設経済局建設市場整備課専門工事業・建設関連業振興室の沖川室長に御出席いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、事務局を代表して高齢・障害者雇用開発審議官の田中より御挨拶申し上げます。
○田中審議官 本日は皆様方お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。また、日頃より労働行政の推進に多大な御理解、御協力を頂いておりますこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
建設業の専門の委員会でございますけれども、建設業におきましても昨今の人手不足の中で、実際に建設業が「地域の守り手」として役割を果たしていくために、建設業を支える担い手の確保が極めて重要な課題となっております。若者とか女性の入職や定着の促進もございますし、そもそも今おられる方を含めて処遇改善をしていくこと、それから働き方改革、生産性向上、こういったようなことを一体となって取り組んでいく必要がございます。
こうした課題に対応するために、この委員会で御議論いただきまして策定した令和3年度からの「第10次建設雇用改善計画」に基づきまして、行政としても様々な施策を展開しているところです。本日はこの計画に基づく施策を効果的かつ着実に推進するために、どういった取組をどのように進めていく必要があるか、皆様の専門的な見地からの御意見を頂戴すると、そういうことで開催をさせていただいております。私も建設業以外の会合などに参加をさせていただくこともありますが、特に建設業におきましては、業界全体として人手不足に対応してよりよい環境を作る、それから、女性や若者も含めて人手を確保していくということについて、非常に真剣に取り組んでおられるというふうに思っております。そういうような観点から、今日も積極的に御意見を頂戴できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○布施補佐 これから議事に入りますので、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。それでは、本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の中村委員が御都合により欠席となっております。事務局からの説明は以上です。以後の進行は、勇上座長からお願いしたいと思います。勇上座長、よろしくお願いいたします。
○勇上座長 おはようございます。勇上です。どうぞよろしくお願いします。それでは、早速ですが議事に入りたいと思います。本日は、議事次第にありますとおり、議題は4つあります。1つ目は、「建設雇用改善計画(第十次)の実施状況について」です。2つ目は、「建設業の人材確保・育成に係る令和6年度予算案の概要について」です。3つ目は、「実施計画の変更認定及び建設業務労働者就業機会確保事業の新規許可について」です。4つ目は、「その他」となっています。なお、3つ目の議題については、先ほど事務局から御説明があったとおり非公開とさせていただきますので、議事の進行上、4つ目の「その他」を先に行い、3つ目の議題を最後に行うこととさせていただきます。
それでは、1つ目の議題である「建設雇用改善計画(第十次)の実施状況について」、事務局より御説明をお願いします。
○村前補佐 厚生労働省職業安定局建設・港湾対策室の村前です。よろしくお願いいたします。私から、議題(1)について御説明いたします。資料1-1「第10次建設雇用改善計画の概要」の1ページを御覧ください。第10次計画の計画期間については、資料の一番左上にありますとおり、令和3~7年度の5か年度となっております。本年度は、計画開始3年目の中間年となっております。「計画の背景」については、皆様も御承知のことと思いますが、建設業は他産業と比べて有効求人倍率は高いこと、年齢構成は高齢層の割合が高い一方で、若年層が低い状況にあり、新規学卒者の入職・定着が低い状況にあること、さらに労働条件の改善の立ち遅れなどの課題を掲げております。
こうした状況を踏まえまして、「計画の課題」に記載しておりますとおり、施策の最重点事項として、1.担い手の確保・育成、2.魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備、3.職業能力開発の促進の3つの事項を掲げ、建設労働者の雇用改善に取り組むこととしております。下のグラフについては、建設労働者の現状をデータでお示ししておりますが、説明は省略させていただきます。
資料の2ページを御覧ください。本資料は、第10次計画の施策の基本的事項や計画の推進体制に関する項目を整理しております。本日は、この施策の基本的事項の項目ごとに、その施策の実施状況について説明を差し上げたいと思います。
資料1-2を御覧ください。「第10次建設雇用改善計画の実施状況について」です。こちらの資料は、第10次計画の進捗状況を取りまとめた資料となっております。右下にページ番号が振ってあります。1ページを御覧ください。こちらの表で第10次計画の実施状況を取りまとめておりますが、時間も限られておりますので、表の中央右側の令和5年度の実施状況について、昨年度からの変更点について進捗状況を御説明いたします。
まず、施策の最重点事項の1番目である担い手の確保・育成、(1)若年労働者の確保・育成についてです。本年度の新たな動きとしましては、建設キャリアアップシステム等の推進による担い手の確保・育成について、上から5つ目のポツを御覧ください。令和4年度は、情報共有や意見交換が中心でしたが、インセンティブ措置やモデル工事の導入など、CCUSの活用が一定程度促進したことから、個別に行政機関と情報共有・意見交換を実施しております。来年度も引き続き個別の行政機関への働き掛けに取り組んでまいります。
次に、一番下のポツを御覧ください。これまでも主要な専門工事業団体と「CCUS評価制度懇談会」を開催してまいりましたが、CCUS技能登録と同時に能力評価に応じたカード発行を可能とするワンストップ申請を議題として、「CCUS評価制度懇談会」の開催に向けて、主要な専門工事業団体との事前調整を実施しております。来年度第1四半期中には開催の予定となっております。
2ページを御覧ください。引き続き、建設キャリアアップシステム等の推進による担い手の確保・育成についてです。都道府県レベルでの働き掛けや現場管理者やCCUS担当者向けの説明会、登録申請等の様々な相談に応じる認定アドバイザー、また、ハローワークにおける制度周知や求人票でのPR、CCUS登録済み企業への応募勧奨など、建設業界挙げての普及促進の効果が現れてきておりまして、建設技能者約300万人のうち技能者登録が2月末時点で138万人となっております。今後は、登録後のレベル判定や就業履歴の蓄積など、活用の促進が期待されております。
このような状況を踏まえまして、上から6つ目のポツに記載しております助成金、建設キャリアアップシステム等普及促進コースについては、来年度以降に、今後のCCUSの登録及び活用の状況を踏まえながら、助成制度の見直しの検討を進めてまいります。なお、現行の助成金制度については、計画の提出状況を地域別に見ますと、首都圏での申請が約8割となっております。更なる活用を促すとともに、余り活用されてない地方の団体に対しても周知に取り組んでまいります。
次に、3ページについては、建設技能者の能力評価制度及び専門工事企業の施工能力等の見える化制度の取組やマイナポータルを通じた連携等の取組を、引き続き実施しております。
4ページを御覧ください。若年労働者とのコミュニケーションスキルの向上に向けた研修の実施や、また教育訓練の充実、キャリアパスの提示に向けた助成金による支援を引き続き実施しておりまして、事業の実施状況については、昨年度と同程度の水準で推移しております。
5ページを御覧ください。(2)女性労働者の活躍・定着の促進の項目となります。取組の進捗状況として、一番上のポツですが、令和5年4月から男性の育児休業取得状況の公表が義務化されましたので、周知啓発に努めつつ、引き続き育児・介護休業法の適正な施行及び履行確保に取り組んでまいります。その他、就労環境の整備に向けた取組を引き続き実施しております。
6ページを御覧ください。一番上のポツにあります建設現場での女性専用トイレ・更衣室等の整備への支援については、リーフレットをリニューアルし、効果的な周知に努め、助成金の活用が増えております。建設労働者が減少傾向にある中、女性労働者は緩やかに増加しておりまして、更なる取組の促進に向けて、令和6年度は、一事業年度当たりの上限額を60万円から90万円に引き上げ、取組の促進に努めてまいります。また、新たな取組として、一番下のポツですが、建設業への女性の入職及び定着の促進に向けて、柔軟な働き方についての事例集を作成しており、年度内に公表しまして、ホームページやSNSを活用するなど広くPRしてまいります。
7ページを御覧ください。女性の活躍推進に向けて、引き続き厚生労働大臣による認定の取組などに取り組んでおります。
次に、(3)高年齢労働者の活躍の促進の項目については、労働局やハローワークによる指導・助言、高齢・障害・求職者雇用支援機構の70歳雇用推進プランナーによる相談・助言など、引き続き事業を実施しております。
8ページを御覧ください。上段の(4)ハローワークにおける支援については、マッチング支援や「人材確保対策コーナー」における支援を引き続き実施しております。
中段以降の2、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備の(1)安定就労の確保の項目については、雇用管理研修の実施や労働基準法関係法令の遵守についての指導など、引き続き実施しておりまして、事業の実施状況は、年度末時点では昨年度と同水準となる見込みです。
9ページを御覧ください。引き続き安定就労の項目です。新たな取組として、1つ目と2つ目のポツですが、一人親方を対象に、昨年度改定した「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」の内容を踏まえた説明会の開催を行っております。また、3つ目のポツ、一人親方本人を対象とした実態調査を実施し、調査結果を踏まえまして、一人親方問題に関する検討会を開催しております。その他、業務請負等の適正化や不安定な雇用形態の労働者に対する対応については、引き続きの取組を継続しております。
次に、10ページを御覧ください。(2)働き方改革の推進の項目です。業界全般への理解・浸透や働き方改革を通じた担い手の確保に向けて、昨年度の取組を継続しておりますが、一番下のポツに、昨年9月に実施された中央建設業審議会・社会資本整備審議会基本問題小委員会の中間とりまとめについて、働き方改革と生産性の向上の観点から記載しております。今後、中間とりまとめを踏まえまして、法改正を含め必要な制度改正を実施してまいります。
次に、11ページについては、適切な賃金水準の維持のための業務効率化の推進、生産性の向上やワーク・ライフ・バランスの推進、過重労働の改善に向けて昨年度の取組を継続しており、事業の実施状況についても、おおむね昨年と同水準で推移しております。
同じく12ページについても、時間外労働の上限規制の適用を見据えた取組や勤務間インターバル制度、長時間労働の改善への取組を継続しており、事業の実施状況についても、年度末時点では昨年と同水準となる見込みです。
次に、13ページについても、完全週休2日制の普及、休暇の取得促進に向けた助成金やコンサルタントによる技術的支援の取組を継続しており、事業の実施状況についても、年度末時点では昨年と同水準となる見込みです。
14ページを御覧ください。(3)賃金の改善の項目です。新たな取組としましては、2つ目のポツ、昨年6月に建設キャリアアップシステムの能力評価に応じた賃金の実態を踏まえ、公共工事設計労務単価が賃金として行き渡った場合に考えられるレベル別年収を試算し、公表しました。また、適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保の観点から、再度、基本問題小委員会の中間とりまとめについて記載しております。
15ページを御覧ください。(4)労働・社会保険、建設業退職金共済制度の加入促進については、労働保険や社会保険の適用促進、建設業退職金共済制度の加入促進に向けた啓発、指導等に引き続き取り組んでおります。
16ページを御覧ください。建設業退職金共済制度の加入促進について、一番下のポツですが、今年度は共済契約者への積極的な周知に加えまして、オーダーメイド型の説明会を開催し、電子申請方式の利用促進に取り組み、電子申請利用共済契約者数は増加しております。
17ページを御覧ください。(5)労働災害の防止の項目です。墜落・転落災害の防止に向けた技術的な助言・支援や健康確保対策の推進に向けた周知・指導、熱中症の予防に向けたキャンペーンの実施などに引き続き取り組んでおりまして、事業の実施状況についても、昨年度と同水準で推移しております。
18ページを御覧ください。引き続き労働災害の防止の項目です。新たな取組として、上から5つ目のポツ、外国人労働者の取組についてですが、安全衛生管理のポイントやこれまで作成しました母国語教材の周知に向けまして、事業者向けの安全衛生管理セミナーを開催しております。そのほかの取組についても、石綿による健康障害の防止に向けた指導や建設工事従事者の安全及び衛生の確保に向けた助言・指導など、引き続き取り組んでおりまして、事業の実施状況についても、年度末時点では昨年度と同水準となる見込みです。
19ページを御覧ください。3、職業能力開発の促進、技能継承の項目です。(1)事業主等の行う職業能力開発の推進への支援については、助成金や公共職業訓練の実施により継続して取り組んでおりまして、事業の実施状況については、いずれも昨年度と同水準で推移しております。
20ページを御覧ください。一番上のポツ、情報技術を活用した能力開発について、これまでもIoT技術等の進展に対応した公共職業訓練を実施しておりましたが、令和4年12月23日に閣議決定されましたデジタル田園都市国家構想総合戦略等を踏まえまして、ものづくり分野におけるDX・GXに対応した在職者訓練を実施しております。そのほか、(2)労働者の自発的な職業能力開発の促進、(3)建設業を担う人材に対する職業訓練の実施については、キャリアコンサルティングの普及促進やジョブ・カード活用の推進、建設労働者育成支援事業などの取組を継続しており、事業の実施状況も昨年度と同水準で推移しております。
21ページを御覧ください。(4)熟練技能の維持・継承及び活用の項目です。技能継承の促進に向けた若者の実技試験受検料の減免措置や、ものづくりマイスター制度や技能五輪大会等の開催、児童・生徒、親に対するイベント等の実施など、引き続き取組を継続しておりまして、事業の実施状況も昨年度と同水準で推移しております。
22ページを御覧ください。(5)デジタル人材の育成の項目です。助成金による支援や企業内訓練の高度化や高等教育等の受講支援など、継続して取り組んでいる内容となりますが、令和4年度の一番下のポツについては、新型コロナへの対応として相談支援等を実施するものでしたので、終了しております。
次に、23ページを御覧ください。4、雇用改善推進体制の整備の項目です。(1)雇用改善を図るための諸条件の整備について、取組の内容としては昨年度から引き続き実施するものですが、今後の動きとしまして、上から5つ目のポツ、これまでも請負代金の設定や工期の確保等の状況について、公共工事、民間工事を問わず、国土交通省と労働基準監督署が建設Gメンとして合同で実地調査に取り組んでまいりましたが、来年度については体制を拡充しまして、調査対象や調査内容の拡充を図るとともに、違反行為に対しては、建設業許可部局から指導監督を行うことにより、請負代金や工期の適正化を推進してまいります。また、適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保などの観点から、ここにも基本問題小委員会の中間とりまとめについて記載しております。
24ページを御覧ください。こちらのページは全て再掲となっておりますので、説明を省略させていただきます。
25ページを御覧ください。(1)雇用改善を図るための諸条件の整備については、こちらも全て再掲の取組ですので、省略いたします。(2)事業主等における雇用管理体制の整備については、雇用管理研修の実施や助成金による支援を引き続き実施しております。事業の実施状況も、昨年度と同水準で推移しております。
26ページを御覧ください。(3)建設関係助成金の活用について、昨年の取組を継続しておりますが、助成金の支給申請の円滑化に向けまして、本年度はオンライン申請を可能とするとともに、申請書類の記載例を作成するなど取り組んでおります。
次に、5、建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業の運営です。(1)事業の適正な運営の確保については、建設業務有料職業紹介事業の計画変更・許可更新の認定団体数が1団体、建設業務労働者就業機会確保事業の計画変更の認定団体数が1団体、新規許可企業数が1社ありました。本事業については、事業実施で設置が義務付けられている雇用管理責任者に対して、法令遵守、知識向上のための講習会の開催を行っておりますが、建設業務労働者就業機会確保事業の責任者講習の受講者数が増加しております。
27ページを御覧ください。(2)事業の活用促進について、建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業に係る相談・援助を実施しておりますが、相談件数が増加しております。
6、外国人労働者への対応の項目ですが、(1)外国人労働者の雇用管理の改善については、引き続きハローワークや労働基準監督署等の指導を実施しております。(2)技能実習生の適正な受入れについては、引き続き法令遵守に向けた周知・指導を実施しており、技能実習の在留資格のうち、建設業の人数は増加しております。
28ページを御覧ください。(3)特定技能外国人の適正な受入れについて、引き続き認定基準の徹底や巡回指導に取り組んでおり、特定技能の在留資格のうち、建設分野の人数は増加しております。
最後に、7、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応について、これまで適正工期等について要請、周知に取り組んでまいりましたが、感染症法上の分類変更に伴いまして、「工期に関する基準」から当該感染症の項目の削除を検討しております。
簡単ではありますが、私からの説明は以上とさせていただきます。委員の皆様方には、今の説明内容を含めまして、第10次計画の取組に関する幅広い意見を頂きたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○勇上座長 御説明、ありがとうございました。ただいま事務局からも御説明がありましたが、本件の内容に限らず、建設業界の現状について幅広に各委員から御意見、御質問等があれば頂戴したいと思います。なお、各委員から幾つか御意見等を伺った上で、後ほど厚労省、国交省からまとめてコメントをさせていただくという流れで進めさせていただきます。
それでは、御質問や御意見等があれば、会場の方は挙手、オンラインの方は挙手、若しくは「手を挙げる」機能で意思表示をお願いいたします。いかがでしょうか。小林委員、お願いいたします。
○小林委員 小林です。御説明、ありがとうございました。今、御説明いただいた資料1-2の2ページ、若年者の確保・育成は今、私たちの業界で非常に重要な所です。下から3つ目のポツで、この計画に基づいて実施を頂いているCCUS等普及促進コースということで、令和6年度の予定に、登録状況や活用状況を踏まえながら制度の見直しを検討と記載いただいております。また、この計画の中でも、このコースそのものは非常に重要な取組の1つということで、14ページと26ページに記載して再掲していただいております。
CCUS等普及促進コースについては、いわゆる若者の確保・育成、また、技能者の処遇改善に向けて中心的なソフトインフラというように捉えて、いわゆる登録等に特化した制度の入口の部分を非常に幅広くカバーしていただいている内容に、今なっていると思います。
御説明の中にもあったように、直近で言うと、技能者登録については、いよいよ140万にもうすぐ届こうかという所まできております。様々な統計が出ておりますが、ほぼ技能者の半分の登録になろうかという状況かと思っております。したがって、お話にもあったように、CCUSの登録そのものは一定進んできたというように評価はできるとは私自身も思っております。
一方で、いわゆる地方、先ほどもコースの活用のほとんどは首都圏、大都市に集中しているとあるように、CCUSについても、いわゆる地方、また、いわゆる町場、小規模零細事業者といった所への普及については、まだなかなか十分に進んでいないというのが現状ですし、さらにはこのコースの対象にもなっているレベル判定については、カードの取得は138万人まで進んでいますが、一方で、処遇改善の要となるレベル判定はまだ7%台と、決して高い水準とは言えないというように思っております。
そういう状況の中で、更に技能者の処遇改善に実効ある制度への見直しといった趣旨での見直し検討かというように思っているので、単に、今やっている入口の部分を全部スクラップして次のフェーズに移っていくということだけではなく、今、対象としている部分は、先ほど申し上げたレベル判定も含めて、必要な部分というのは引き続き続投というところも含めて御検討をお願いしたいと思っております。
いずれにしても、技能者の処遇がしっかり引き上がっていく、現実に技能者の賃金等が、この見直し後の制度によって実感できる増加があるといったところに向けた検討をお願いしたいということ、それとともにもう一点だけ、申請者の活用についても、活用しやすい制度といった観点も含めて、是非、見直しの検討を進めていただければというように思います。よろしくお願いいたします。
○勇上座長 ありがとうございます。引き続き、最川委員、お願いいたします。
○最川委員 西松建設の最川です。資料1-2の10ページ、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備の(2)働き方改革の推進の令和5年度実施状況の1番目のポツなのですけれど、「地方公共団体発注工事において、週休2日の確保やその場合に必要となる労務費等を請負代金に適切に反映するよう、地方公共団体に要請」ということで、これは以前から国交省直轄工事や地方公共団体の工事に、まず工期をしっかり確保していただくことと、休んだときも含めた経費の確保をお願いしてきたわけなのですけれども、まず1点教えていただきたいのは、国交省発注工事で週休2日を全部確保できているのか、それと、地方公共団体発注工事で、どの程度週休2日が確保されて発注されているのかというのを把握されているのか、それと、そのチェック機関があるのかというのをお答えいただきたいのですけれども。
○勇上座長 ありがとうございます。御質問を承りました。あと、もう一方、今、岩田委員にオンラインで手を挙げていただいております。岩田委員、お願いいたします。
○岩田委員 建専連の岩田です。よろしくお願いいたします。まず、女性活躍の部分で、私は鉄筋のほうの業種なのですが、我々全鉄筋のほうでワーキングを立ち上げており、女性専用トイレについての声が多くありました。これは、設置はされているのだけれど使いにくい、要するに、男性が使ってしまうと。「女性専用」と書いてあるにもかかわらず、やはり男性もちょっと用を足したいので、もうバタバタッと入って、結局、女性専用なのか男性専用なのか分からなくなっているということです。少数なので、現場でそういう声は非常に挙げにくいという声がありましたので、せっかく助成金を出して付けていただいているにもかかわらず、活用面では余りいかされていないというのが、まず1点あります。御検討をよろしくお願いします。
それと、建設Gメンについてなのですが、現場のほうへどこまでという、厚労省と国交省と合同という形で、これは非常にいい形でやられているなと。これはうちの所管ではないので国交省に聞いてくださいとか、それぞれ別で入ると問題点を残したままということで、現場は「あ、まあいいのかな」ぐらいの感覚を持ってしまうということがあるので、是非ともここは、これからも合同立入調査を続けていただきたいというのと、居たときに、まず現場の意識というのは、今の所長の方々は、もう間に合わなければ夜中までやって間に合わせるといったような意識できたので、なかなか現場のマインドというのは変わっていないというのが実態としてあります。ですので、指導内容として、現場はこんなもんなんだというような意識を変えるような、そういうようなマインドを変えていくという指導内容にしていただければ非常に有り難いというように思います。これは先日、政府にもお願いを申し上げました。
もう一点、担い手確保についてなのですが、高校生に対する技能検定3級の資格なのですけれども、これは工業高校生であれば経験年数ゼロで、高校2年のときに受けて、1年後に高校3年になったときに2級を受けられるという、非常にメリットがあり、そういう形で当社にも1人入りました。ですので、大分その職種に行こうという意識が絞られた形で入職してきますので、ものすごく意識が高まって定着率もいいというように認識しています。しかしながら、今、工業高校は我々専門工事業界には、ほぼ来ないでしょう。元請さんが工業高校生まで声を掛けて採っていかれているので、やはり専門職種よりも施工管理のほうに流れていってしまうという現実があります。
今、入職としては非常に少ない中ですが、普通高校から来るケースが非常に多くなってきていますので、担い手確保の観点から申し上げると、普通高校も技能検定の3級の対象にしていただければ、普通高校に行っていても、高校を卒業して就職をするという子たちの選択肢の幅が広がりますので、是非とも御検討を頂きたいというように思います。
最後に工業高校生と言いますか、受講料についてもなのですが、都道府県という形になっていますね、都道府県によって相当受講の金額が違うのですね。ですので、大阪や京都などは非常に高いので、学校の先生に言っても、「ちょっとそこまで出しては受けさせることは難しいですね」というような回答がありますので、ここは是非とも、こういうところを助成金の対象にしていただけると子供たちが入ってくる可能性が非常に高くなりますので、御検討をよろしくお願いします。長々とすみません。よろしくお願いいたします。
○勇上座長 ありがとうございます。御質問や御要望を多数頂きましたので、一旦、厚労省、国交省から、回答をお願いいたします。
○島田室長 厚生労働省の建設・港湾対策室の島田です。まず、小林委員から、CCUSの普及促進と更なる活用という中で次のステップについて、普及促進をした上で処遇改善を図って担い手の確保につながるというシステム、仕組みですので、一定の普及が進んだ際には次のことを考えていただきたい旨と併せて、まだ普及促進にも課題があるとありました。そこの所もどうするのか、併せて検討すべきということでしたので、その辺もしっかり考えていきたいと思っております。
最川委員から工期の関係がありました。この関係の数字は国土交通省から頂いているものですが、工期設定における休日の考慮と週休2日工事の実施については、都道府県指定都市においては令和5年度時点で100%を達成している一方、市区町村においては、休日の考慮をしている団体の割合については、令和4年の48%から令和5年には57%と増加の傾向は見られるものの依然として取組は遅れているということで、引き続き働き掛けを行っていくということでございます。
岩田委員からありました女性トイレの関係については、もともと厚生労働省の助成金では女性専用トイレということで、そのための助成を行っているわけですので、用途を変更し、女性だけではなく男性も自由に使っていいといった実態があるとするなら、それは指導の対象なり不支給といったものにも当てはまると思いますので、そういった事例がもしあれば、しっかりと指導等をしていきたいと思っております。
また、建設Gメンの関係についても、これからもしっかりやっていただきたいということと、どのようにマインドを変えていくかというような話もありましたので、関係の部所にもしっかり伝えていきたいと思います。
高校生の入職の関係で、工業高校からなかなか人が採れないという状況もある中で、普通高校も技能検定3級の対象にという話もありました。また、都道府県で受講料が違うということもあり、この辺についても検討を頂けないかということがありましたので、どういった形で何ができるか、これから考えさせていただきたいと思います。
○勇上座長 ありがとうございます。国土交通省はよろしいですか。御発言いただいた小林委員、最川委員、岩田委員はよろしいでしょうか。
○小林委員 はい、ありがとうございます。
○勇上座長 最川委員、どうぞ。
○最川委員 御回答、ありがとうございました。国交省直轄や指定都市の100%は確保できているというのは私も認識しているのですが、地方公共団体の半数がまだ休みが確保できていないという状況で、もう来月から36協定の上限規制が始まりますので、結構切迫している状況というのもありまして。地方公共団体ができなければ民間工事は到底できないと思っていますので、目標は民間工事も含めた残業の上限規制を抑えるところなので、まずは地方公共団体を確実に実施していただきたいのと、建設Gメンで巡視されているということでしたので、元請から協力会社への指導もあるのでしょうけれど、もともとその発注当時がどういうものだったのかと、その着工後の工期がどうだったのか。特に、私どもでよくあるのは、工期は十分確保できているのですが、着工までにいろいろな支障があって、例えば、3か月遅れて着工するとか、半年遅れで着工するというのは結構頻繁にあります。しかし、工事の竣工日時は変わらないというようなことがあるのです。そういうところもチェックして指導していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。強い御要望があったものと思いますのでよろしくお願いします。それでは、オンラインのほうで、小野委員と若鶴委員が手を挙げておられますので、小野委員、若鶴委員の順番でよろしいでしょうか。まず、小野委員、御発言をお願いします。
○小野委員 小野です。御説明ありがとうございます。とても分かりやすかったです。私のほうから少し幅広に話をさせていただきたいと思うのですけれども。今、この計画の中で話をされているというのは、人手不足をどうするかという視点でいろいろな政策が動いているというように私のほうは認識しております。長期的な対策と短期的な対策があるというように思っていて、恐らく、高校生へのアプローチであったり、あるいは女性労働や若者をどういうように増やすかといった問題というのは、じわじわとやっていかなければいけない長期的な視点だというように思っております。短期的な視点としては、これは極めて拙速にやらなければいけない、いろいろな施策があるというように思っており、今日大きな議題になっているCCUSの話と、もう1つが外国人労働者問題だというように私は認識しております。
CCUSについては2点、質問と要望があります。質問は、まず、今、ちょうど5年計画の中の真ん中の年に当たっているわけですが、CCUSの普及と運用は、どのぐらいの目標値をこの5か年で掲げられていて、今、現時点でどのぐらい達成されているのかというのを教えていただきたいと思っております。話を聞いていると、何となく目標達成は見込めるレベルなのだろうなというように思っておりますが、今の状況として、どのような感じかというのを教えていただきたいと思います。
もう1つ、CCUSに関してですが、横断的に国交省などと一緒に取り組まれているというように存じますが、国交省のほうでいろいろと取り組まれた内容を国として公表されたりとかという動きはあるようですが、私のほうでちゃんと追えて、個人的に追えなければいけない問題かもしれないのですけれども、そこまでちょっと知識、情報が回っておりませんので、要望としては、横断的にやっていらっしゃる国交省での取組を、この委員会のメールで構わないので、こういう公表をしたよということを教えて、タイムリーに情報共有をしていただければ、このような委員会の席ででも、より知識が深まると思いますのでお願いしたいと思っております。
最後に、外国人労働者に関することなのですけれども、コロナ後、特定技能外国人はかなり増えております。建設労働業界に関しては、もう外国人労働者がいなければ回っていかない状況になっているというように私は思っておりまして、短期的な政策として、労働力として非常に重要だというように思っております。ですので、この特定技能外国人が、いかに働きやすい環境を作るか、職場を作るかということは、短期的に非常に力を入れていかなければいけない問題なのではないかというように思っています。というのは、特定技能に関しては労働移動が始まりますので、悪い所から良い所へ、あるいは地方から都会へという形で労働移動が起こる可能性があるので、その辺についての対策をどう考えていくかということが1つの問題になるのではないかというように思います。あと、特定技能外国人は、建設労働業界に関しては第2号が認められておりますので、そちらについて、今はどのぐらいの人数がいて、どういうような動きになっているかということも併せて追っていっていただければというように思います。以上のことについて、質問の回答と、何か御意見があればお願いしたいと思います。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、まとめてお答えいただきますので、若鶴委員、お願いいたします。
○若鶴委員 では、いろいろお話させていただきます。まず今年度は国交省さんと厚労省さんでタッグを組んでいただいて、特に女優を使った動画の配信とか、上限規制が始まるという話を積極的に世の中に発信していただきました。これは本当に有り難いと思っております。とにかくこういった形で世の中に、今、建設業は変わりつつあるということを、まず皆さんに理解していただくことが大事だと思っております。最近ちょっと危惧しているのが、この動画を見なくなってしまったことです。特に上限規制は、今はまだ始まるところですけれども、この4月から本格化しますので、それ以降もできれば、こういった情報発信を継続してやっていただきたいと思っているというのが1点目です。
もう1点は、この4月から上限規制を開始するわけですけれども、いろいろ内容を見ますと、やはり民間の建築工事の発注者の理解が、どれぐらい進むかということだと思っております。建設業の労働環境というのは、結局は1つ1つの工事請負契約書に依存いたします。そこで発注者と元請がどういう契約を交わすかで、ほぼ勝負がついてしまいます。そこで先ほど、建設Gメンという話がありましたけれども、こういった仕組みですとか、工期に関する基準を使って、我々は冗談で言っているのですが、例えば発注者Gメンとかいう仕組みのようなのを作っていただく。とにかく発注者に工期と経費に関する理解を頂かないと、そこでしわ寄せが出ると、結局は下に行ってしまうことになりますので、そういった取組を何とかやっていただきたいと希望しております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。それでは今、御質問、御要望、御意見を頂きましたので、厚労省より回答をお願いいたします。
○島田室長 まず小野委員から、中長期的・短期的な取組という中で、CCUSの関係で言いますと、どこまで普及が進んでいくのかということがありました。これについては、令和7年度末までに150万人の技能登録者という目標が掲げられています。令和5年度2月の段階で138万人なので、令和7年度中の150万人は達成できるのではないかという水準で推移していると考えております。
あと、情報提供のお話も頂きました。今言ったような情報がタイムリーに共有されていれば、こういった場の議論も深まりますので、委員の皆様方にいろいろな施策の状況について、何らかの方法で共有できないか考えていきたいと思います。
また、外国人労働者に関する御意見もありました。短期的な視点で見て、外国人抜きにはもう建設業界は回らないのではないかという中で、現在、特定技能2号の外国人労働者数がどれぐらいいるのかという点については令和5年12月末現在、30人という状況になっております。
若鶴委員からは2024年問題の関係で、引き続き広報をやっていただきたいというお話がありました。これはまだ2024年4月ですから、引き続きしっかり広報していくということでございます。
また、建設Gメンの話と絡めて発注者と受注者、特に発注者の理解という御意見も頂きました。どういった取組ができるのかというところかと思いますが、引き続き国土交通省のほうでいろいろ検討していくということかと思います。
○勇上座長 小野委員と若鶴委員、よろしいでしょうか。
○若鶴委員 ありがとうございました。
○勇上座長 それでは引き続き御意見をお願いします。蟹澤委員、お願いします。
○蟹澤委員 芝浦工業大学の蟹澤です。この第10次雇用改善計画は非常に大切なことで、着実に実行していただいてありがとうございます。この4月から、いわゆる2024年問題になるわけで、労働時間規制と残業の規制が非常に注目されますけれども、もっと幅広に捉えると、例えば10月から、もう消費税のインボイスが始まっています。それから厚労省関係で言うと、4月以降は安衛則改正で本足場が原則義務化されるとか、化学物質の対応にも強化がある。アスベストは、もう既に施行されていますけれども、そういう状況があります。
何が言いたいかというと、ダンピングをしようと思えば、ますますする要素が増える、真面目にやっている人と真面目でない人の差が、ますます開きやすい状況が2024年4月からできるのです。これを建設業は非常に危惧しています。昔から「正直者は馬鹿を見る」という言葉が、繰り返し言われています。2024年以降、その要素が非常に増えてしまう。ですから、よりしっかりと周知していただく必要があるだろうと。
その上で、幾つか具体的に申し上げます。まずCCUSです。担い手の確保とか建設業の様々な労働問題とか、いろいろなことに対して、もうこれなしでは成し得ないのではないでしょうか。要するに、これが厚労省と国交省の共通の問題を考える上での基盤になるだろうというものになってきている。その上でより普及するためには、これは以前から申し上げているのですが、業界の悲願と言われていることの御検討を、なお進めてほしいのです。1つは、安全衛生関係の資格の原本承認の話です。要するに、CCUSに登録してしまったものであれば、紙のものを持ち歩かなくても原本として認めると。これは厚労省の通達で済むと、私は聞いています。これは是非、より検討を進めていただく。建設業全体が非常に期待をして、これがあればより普及するだろうということです。いろいろな問題もあるかもしれませんが、是非、これについて検討を進めていただきたい。
もう1つ、CCUSのインセンティブということで言うと、建退共と電子申請の連携強化があります。聞くところによると、今はシステム上の問題よりも、中退共に入っている方の二重加入問題をどうするかということがあるらしいのです。これも具体的にどうするかという検討が必要な事項です。私は、多少乱暴に言うと、せっかく現場でタッチして建退共制度に入っているのであれば、ボーナス的に二重加入はあってもいいのではないかと思います。今は法律上できないということがあると思いますけれども、何かそれくらいのことまで考えて、しっかりと建退共をやっている人には還元があるよというようなことを、私は考えたほうがいいのではないかと思います。
今日は別の検討がありますが、もう1つは就業機会の確保です。これは非常に素晴らしい制度なのに、残念ながら余り活用が進んでいない。これが承認された後も、維持メンテナンスをしていくにも非常にハードルが高いという問題があります。この制度はCCUSができる前にできた制度なので、そろそろCCUSに入っている技能者、登録している建設業者であれば、何かもうちょっと緩和措置があって、制度を使いやすくしてもいいのではないか。要するにCCUSを前提とした制度設計を、多少やり直していただいてもいいのではないかと思います。
それから、CCUSが中心ですが、こういう活動をやっているという周知の問題です。先ほど日建連からも、建築工事の民間発注者の問題だという話がありましたけれども、私は、民間発注者が一番言うことを聞くのに向いているのは、エンドユーザーだと思います。「建設業でこういう働き方改革が始まって」と言うと、一般マスコミに報道されるのは、残念ながら運輸のほうが多い。最近は建設業も多くなってきましたけれども、この辺で是非、国交省と厚労省でエンドユーザー向けの訴求を増やしていく。
奥村組さんが火付け役なのですが、西松建設さんも奥村組さんも個別でテレビコマーシャルをやっています。個社もいいのですが、もうちょっと業界全体でというのがあってもいいのではないかと思います。やはり住宅業界を聞いていると、エンドユーザーから「アスベストの調査なんてやらなくてもいいよ」という指南というか、そういうことがあるそうなので、やはりしっかりと。それから私は前から、何よりも悪徳リフォームみたいなものは、CCUSに入っている業者かどうかを確認すれば、非常に分かりやすい手段ではないかと思いますので、そのようなエンドユーザーへの周知も、是非考えていただきたいと思います。
次に、働き方改革の問題です。すごく大きいのは、偽装一人親方が増えるという懸念が業界からされているわけです。この問題をどうにかしなければいけない。これには意図的に偽装する場合と、知識不足がゆえに偽装になってしまう場合と、2つの問題があるのですが、後者の知識が足りなくて偽装になってしまうという問題は、やはり一層、町場戸建業界への周知をしていただかないと。町場の業界というのは、CCUSの加入も極めて低いのです。大工は国勢調査の数に対して、CCUSの加入者は1桁、5%未満しかいないのです。やはりここのところもしっかりとやってもらい、自分の所の専属大工は、ちゃんと社会保険を負担しなければ社員でないとか、偽装一人親方になるということを、よりしっかりと周知していただく必要があるのではないかと思います。
もう1つは、例えば元請団体です。社会保険未加入対策が強化されてから、労災保険の特別加入者数が激増してきましたけれども、ついに2021年から2022年に向けて減りました。しかし、まだ非常に高止まりしている。特別加入も日額3,500円から1万円と、ずっと段階を追ってたくさんあるのですけれども、最近は3,500円にたくさん入っているという問題があるのです。要するに元請が、「とにかく何かに入ってくれ」と。それだったら掛金の安い3,500円ということですが、3,500円では万が一事故に遭ったときに、何の保障にもならないわけです。今、ゼネコンさんの一部は、1万円以上でないと加入とはみなさないという活動を自主的にやり始めている元請もいると聞いております。やはりこの辺についても担い手確保など、いろいろな観点から、入ればいいというものではないという辺りの情報も必要ではないかと思います。
あと、女性活躍や働き方改革など、いろいろ含めて朝礼問題というのがあると思うのです。これは安衛法上の元方責任で、しっかりと現場の安全を守るということで、非常に厳密に元請の方が、朝礼には絶対に来なくてはいけないと強くやっているのです。しかし女性にしても、これからは男性も育休とか育児に参加しなければいけないのですが、やはり保育園問題などがあって、朝礼に来なければいけないというのがすごくきついと。これを例えば1日午前と午後に分けてやってもらうなり、ITを活用して、もうちょっとフレキシブルにやってもらうことがあれば、女性活躍も進むのではないかというのは必ず聞く声です。建設業界は、安衛法上の責任だという非常に強い意思の下に守っていらっしゃるのですけれども、何かうまい形で厚労省からのサジェスチョンがあると、その辺についても少し進むのではないかと思います。
また、これは生産性向上に対しても効き目があるのです。朝、朝礼に出ても昼くらいまで手待ちで仕事がない人というのは、現場の中にいっぱいいるのです。そのためにも朝礼問題というのは、せっかくですから直接御検討いただけたらと思います。
もう1つは、CCUSの能力評価の問題です。能力評価が普及していないというのは、やはり手続が面倒くさいのです。韓国が同じような制度を持っていて、ほぼ全員の能力評価がされているのです。どうやってやったかというと、資格条件などから自動認定しているという話なのです。今、白カードに張り付いているという話があります。全てを資格条件だけでやるというのは、業界にも抵抗があると思いますけれども、例えばブルーかどうかというのは、ある程度の資格を持っているかどうかで分かるわけですし、ゴールドについては基幹技能者が持っていれば分かるわけです。この制度を推進するのだったら、ブルーにするのとゴールドにするのは、半ば自動的にやってもいいのではないかということは、考えていただいてもいいのではないかと思います。外国人についても、特定技能の要件が今は1級技能士ということになっていますけれども、そちらにももっと活用いただくと。
それから、外国人問題で言うと、日本は特にこの間の円安で、到底競争力がなくなっています。ベトナムなどに行くと、もう日本には行きません、台湾や韓国へ行ったほうがよほど稼げますという話になっているのです。そのためにも今いる方々をいろいろなもので。特に労働移動がないと、処遇というのは低い所に張り付きますので、このためにも是非、能力評価を進めることが必要です。
かつ、建設業は特定技能の2号が結構増えてきました。ただ皆さん、結構手探りで個社で対応しているのです。ですから厚労省なり国交省から、特定技能に移行するためにはこういう手続が要りますとか、そういう指南書があってもいいのではないでしょうか。そうやって特定に、特に2号になっていただいて、ずっと日本と行き来していただける。もっと言えば、これは日本人もそうですが、その先のいわゆる高度人材になるような道筋も示していただくようなものがあれば、また制度上、そういう方々の応援ができれば、技能士だけでなく、施工管を取るとか測量士を取るとかいう道筋も幾つかあるのですけれども、そのようなこともお考えいただけたらいいかと思います。
まとまりのない話でしたけれども、全体を通しての要望と言いますか、質問ではありませんし、すぐにできることとできないことがあると思いますので、意見として申し上げました。ありがとうございました。
○勇上座長 蟹澤委員、御意見をありがとうございます。小倉委員、お願いします。
○小倉委員 全建総連の小倉です。私からは第10次計画と建設関係助成金の全般について、意見を申し述べたいと思います。細かいお話は、先ほど蟹澤委員からありましたので、私どもとしても問題意識としては、かなり共有しているところです。
それぞれの部分で申し上げますと、先ほど来、多くの委員から御発言があるとおり、今、建設業は大きな変革期を迎えているというように認識しております。直近で申し上げれば、2月16日に公共工事設計労務単価が5.9%、12年連続で引き上げが公表されましたし、3月8日には建設業法と入契法の改正法案が閣議決定され、5月には議員立法である公共工事品確法を含めて、国会で審議がされるように見込まれていることを承知しているところです。同日には首相官邸で岸田首相と斉藤国交大臣、関係閣僚を含めて建設業4団体との意見交換会が開催され、その中で本年の賃金については5%を十分上回る数字を目指すといった申合せがされたということです。こうした動きについては、私どもとしても極めて高く評価をしているところです。
このような建設労働者の処遇改善や担い手確保・育成に向けて、かつてないほど環境が整備され、機運が高まっているといった状況なので、厚生労働省と国土交通省のより一層の連携の強化、官民一体となった取組の加速化が不可欠であると考えているところです。また、他産業を上回る処遇の実現をより確実なものにするために、建設関係助成金の重要性は以前にも増して高まっていると認識しております。こうしたことから、引き続き建設業界のニーズも踏まえつつ施策を後押しする観点から、効果的な活用・充実化が必要だと考えておりますし、2025年度から議論が開始される第11次計画に向けて、新たなフェーズにふさわしい内容になるといったことを期待したいと思っております。私からは以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。包括的な御要望を頂いたものと思います。山中委員、よろしくお願いいたします。
○山中委員 日建協の山中です。よろしくお願いします。御説明、ありがとうございました。ほかの委員の方々と重なる部分がありましたので、私からは1点だけ、重ねてお願いするところです。資料1-2の12ページの長時間労働の改善の取組と、13ページの4週8閉所の実現という所です。民間工事での週休2日確保は難しい課題でありながらも、達成していかないといけない重要なものだと認識しています。今後は民間企業に対しても働き掛けではなく、要請していただくようにお願いしたいと思っています。
日建協で実施した、1万9,000名ほどに回答していただいているアンケートがあります。その中で2023年11月に、外勤者の5.9%が月に100時間以上の残業をしていることが分かっております。また、その9割の方は、実際の残業時間と会社への勤務時間の報告に乖離があるという回答をしています。時間外労働の上限規制適用後はこのような法令遵守のために組合員が忖度をして、サービス残業をすることが更に増えることが予想されます。勤務実態が把握できなければ、長時間労働者への心と体のケアもできませんので、上限規制適用後の長時間労働の改善については、国からも強力な御支援を頂きたいと思います。以上です。
○勇上座長 御意見、ありがとうございます。お三方から包括的な内容について御意見を頂きました。事務局では、それぞれの御意見をお受け止めいただければと思いますが、それでよろしいですか。この後3つの議題がありますので、一旦ここで議題(1)については議論を終えさせていただきまして、もしこの件に関して御質問、御意見等がありましたら、最後に伺いたいと思います。
それでは2つ目の議題である「建設業の人材確保・育成に係る令和6年度予算案の概要について」、事務局より御説明をお願いいたします。
○村前補佐 建設業の人材確保・育成に係る令和6年度予算案の概要について、御説明差し上げます。資料2を御覧ください。資料の右下に番号を付しております、1ページを御覧ください。
令和6年度の予算案については、今年度同様、資料中央に記載のとおりCCUSの普及促進に向けた取組など、厚生労働省と国土交通省が連携して魅力ある職場づくり、人材確保、人材育成に取り組んでいくこととしています。
2ページ目を御覧ください。人材確保、人材育成、魅力ある職場づくりの推進について、左側に国土交通省の取組、右側に厚生労働省の取組といった形で整理しています。◆は、建設業に特化した支援となっております。◇は、他産業も含む支援となっています。以下、厚生労働省の予算案について、昨年度との違いを中心に説明させていただきます。
3ページを御覧ください。まず人材確保についてです。一番上の建設事業主等に対する助成金による支援について、予算規模は若干減少しているものの、引き続き70億円規模を維持し、資料には記載がありませんが、女性作業員施設設置助成の上限額引き上げなど、支援内容の充実を図っているところです。2つ下のハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援は、昨年度に引き続き事業内容を拡充しており、令和5年度補正予算を措置しつつ、令和6年度予算案では「人材確保対策コーナー」の設置箇所を増設するとともに、就職支援ナビゲーターや就職支援コーディネーターの増員を行う予定となっています。
4ページを御覧ください。人材育成についてですが、一番上の中小建設事業主等への支援として、訓練から就職支援までパッケージで支援を行う建設労働者育成支援事業について、来年度も継続して実施することとしています。その他の事業についても、今年度とほぼ同規模で継続実施の予定となっております。
5ページを御覧ください。魅力ある職場づくりの推進についてですが、一番上の働き方改革推進支援助成金による支援について、3億円増額となっています。これは、時間外労働の上限規制が適用される建設業等の業種が、他の業種と比べて労働時間が長い実態があることを踏まえ、これらの業種等に対応した「業種別課題対応コース」を設置しまして、当該コースの一部成果目標の助成上限額を引き上げることなどにより、要求額が増加しております。
以下、その他の取組については、継続事業ということで、今年度と同様のスキームで事業を実施する予定となっております。私からの説明は以上です。ありがとうございました。
○勇上座長 ありがとうございました。ただいま事務局より御説明がありました内容について、御意見、御質問等がありましたら御発言をお願いいたします。特に御発言はありませんか。
それでは御発言がないようですので、次の議題に移りたいと存じます。冒頭に御案内申し上げましたとおり、4つ目の議題「その他」を先に行うこととさせていただきます。それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○村前補佐 それでは、「その他」の項目としてお手元にお配りしております参考資料2について、御説明をさせていただきます。「人材確保等支援助成金作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)(作業員宿舎等経費助成)(石川県)の概要」についてという資料になっております。
1月1日に発生した能登半島地震の復旧・復興に当たり、被害が甚大な半島地域は主要都市から離れておりまして、建設需要が増大していく中で、建設労働者を確保しようとする中小建設事業主が工事現場で作業員宿舎等を賃借する場合の費用について、人材確保等支援助成金により支援を行います。
制度の概要としては、1月1日以降に石川県内で開始する工事現場において、中小建設事業主が1.作業員宿舎、2.賃貸住宅、3.作業員施設の賃借を行う場合に対象費用を助成いたします。作業員宿舎については建設労働者1人当たり25万円、賃貸住宅と作業員施設については賃借費用の3分の2を助成いたします。1.から3.を合わせて一事業年度当たりの上限を200万円としております。
制度の検討に当たりましては、現下の作業員宿舎の確保の課題に対応するため、小規模な建設工事が多数発生することが予想されるので、小規模な作業員宿舎や複数事業に係る作業員宿舎も対象にしていることや早期支給の観点から、事業の完了を待たずに民間工事に従事する建設労働者の人数の規模を判定して支給することとしております。なお、制度の創設に当たりましては、省令の改正について2月29日に労働政策審議会に諮問を行いまして、3月1日に公布・施行しております。以上です。
○勇上座長 御説明ありがとうございました。ただいま事務局より御説明があった内容について御意見、御質問等がありましたら御発言をお願いいたします。特に御発言はありませんか。よろしいでしょうか。特にないようですので、そうしましたら次の議題に移りたいと思います。次の議題は最後ですけれども、よろしいでしょうか。
それでは、議題(3)「実施計画の変更認定及び建設業務労働者就業機会確保事業の新規許可について」です。こちらについては非公開とさせていただきますので、傍聴の方はここで御退席をお願いいたします。
○勇上座長 本日予定されておりました議題は全て終了しました。少し早く進行しましたので、先ほどの議題などを含めて御意見などございましたらお伺いしたいと思います。それでは、堀川委員から、次に最川委員によろしくお願いいたします。
○堀川委員 奥村組の堀川でございます。本日は、様々に御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。どの時点で発言したら良いか分からなかったもので、今、述べさせていただきます。
様々な建設雇用改善計画におきまして、私が携わってきた中で、女性活躍、そして、働き方改革というところ、これから建設業の人手不足を解消するには、ここが肝要かと思っております。
女性活躍につきましても、この10年、女性活躍推進法ができてから、様々に厚生労働省のほうで制度、法律を整備されまして、かなり進んできたところではございますが、実際に、では建設業界においてこれが受け入れられているか、現場サイドでそのような働き方が実現されているかというところは、これからだと思っております。それを実現するためには前提を、やはり働き方改革、長時間労働の解消というところが肝要になってくる。2024年4月以降の上限規制の適用について、どれだけ法令遵守をできるかというところが課題になってくるかと思っております。
36協定、労働基準法で出された改正の内容、私も、昨年、一昨年と数度、意見交換会に参加させていただいたのですが、実際のところ、では、どうすればいいのか、どう対応すればいいのか、事業主についても、やはり中小建設事業主の方々、まだ分からないところが多いという御意見をお伺いしております。
1つの例を挙げますと、労働基準法の33条と139条の違いはどうなるのか、といったところですが、ただ、この1月1日に不幸にも、能登半島に大きな地震がございまして、その直後に、厚生労働省から33条の解釈について、新たな通達を出されたかと思います。このように迅速に、ではどのように対応すればいいか、というところを今後もお示しいただいて、それを周知していただくことが、この労働時間の上限規制を定着させるためには必要ではないかと思っております。共有して、取り組んで、それが職場環境の改善につながり、ひいては若年労働者、そして女性の入職が増えていくのではないかと思っております。現在、国土交通省のホームページを拝見しましたら、労働時間法制に関しましても、「まとめサイト」という非常に分かりやすいページを作っていただいております。このように、周知徹底で、私どもにお話いただく機会を設けていただければと思っております。長々と話してしまいましたが、こちらを要望として伝えさせていただきます。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。続きまして、最川委員にお願いいたします。
○最川委員 2点要望があります。1点は広報の仕方の話ですが、予算で、どこで見ればいいのかということを、私なりにまだ答えが出ていないのですけれども、建設業の魅力を伝える方法として、やはり災害復旧対応とか大雪のときにすぐに道路を復旧させるとか、皆さんに余り知られていないと思いますが、建設業界では、要請があればすぐ現場に飛んで行って対応しています。当社でも能登の災害復旧工事に参加させていただきましたが、関係者には本当に頑張っていただいています。その社員のお子さんから、そういう復旧工事にお父さんが携わっていることを本当に誇りに思うと言われたと聞きました。そういう事は、社員の子供だから分かっているのですが、世の中には伝わっていない。今、高校生とかに普及活動もやられていると思うのですが、やはり小中学生の頃から建設業の魅力というのを伝えていければ、やりがいの意味で、長期的に入職者が増えていくのではないかと思います。私も建設業に入りたいというのは、親が建設をやっていたから入ったのもありますし、そういう魅力の伝え方、特に災害復旧は、日本列島はいろいろ台風、大雪、地震等が頻繁に発生していますので、長期的に常に活動されている報告を、映像のようなもので広報していくのが一番効果的ではないかと思います。そういう予算の取り方とかを検討していただきたいのが1点です。
それと、蟹澤先生から先ほどもお話があったのですが、就業機会確保事業は良い制度だと思いますけれども、活用がほとんどされていない。これは法律で建設業は派遣が禁止ということもあるのですが、1年間通して安定して仕事がないために従業員として抱え続けることが難しくなり、一人親方が増えたりということがあると思います。特に建築工事で言えば、内装工事などは、やはり仕事が1年間通してあるようにするためには、この制度は私は前から使えるのではないかと思っていました。それが、CCUSで身分がはっきりしているとか登録会社がクリーンで悪用されないことが分かっていれば、簡単に利用できるような制度というのを今後考えていただきたいというのがあります。以上、2点要望です。
○勇上座長 ありがとうございます。かなり具体的な御要望を頂きました。厚生労働省の方はいかがでしょうか。
○島田室長 今、頂きました御要望につきましては、過去から言われていることでもあります。特に、最後の就業機会確保事業の部分については、CCUSで施工体制の見える化とか重層下請構造の中での雇用関係の不明確という点の課題が、仮になくなった場合は、今後、この事業の在り方の検討もあるかとは思いますので、まず、CCUSを通じて、しっかりそこをやっていきながら、そこはまた考えていくということを考えております。
○勇上座長 小林委員、お願いします。
○小林委員 小林でございます。今日の議題(1)の後段の所で、小倉委員から建設関係助成金について、第11次計画に向けて、次のフェーズを見据えた検討を求める、こういう意見がございました。これにも関連するかと思いますけれども、今日の主な議題でありました第10次計画の進捗、また、この委員会そのものでも重要課題であると私は認識しております技能者の確保・育成、これは業界としても最大の課題の1つということで、全体の認識は合意できているのではないかと、また、重要性は年々大きくなっていると認識しております。業界全体で確保・育成、また、先ほど堀川委員からも御発言がありました女性の活躍といったところについては、個社での対応ももちろん大事ですが、業界全体で推し進めていく、こういったことが、今、正に強く求められているところだと思います。
他方で、建設関係助成金、雇用保険二事業の1,000分の1の部分で運営されてございますけれども、ここは、言わば業界全体で取り組む基金制度としての性格も有しているのではないかと。これはあくまで私の個人的な見解ですけれども、そのように認識しております。いずれにしても、今日、議論した中身を含めて、更に強く推し進める取組が必要な中で、建設関係助成金についても、例えば業界全体の合意をもちろん前提に、この今の1,000分の1に捉われず一定の上限を設けるだとか、そのような変更をして、必要な施策を必要な期間、業界全体の合意をもとに進めていく、このような見直しも私は必要なのではないかと思っております。
状況としては、本来であれば、先ほどの小倉委員の要望からすれば、第11次計画に向けてというように言いたいところでもありますけれども、これら課題の状況でいけば、本当に喫緊の課題でありますので、今日の議題とは少しずれますけれども、建設関係助成金の取扱いについて、更に大きく一歩踏み出すような議論、これはこの専門委員会でのみ活発に行える議論だというように私は認識しておりますので、是非、議題の1つとして、検討の1つとして挙げていただくように要望したいと思います。
○勇上座長 ありがとうございます。厚生労働省には御要望として受け止めていただきたいと思います。ほかによろしいですか。特にないようでしたら、本日の審議は、この辺りとさせていただきたいと思います。
それでは、今後の日程等について、事務局からお願いします。
○布施補佐 長時間にわたり、お疲れ様でございました。本日の議事録につきましては、後日、委員の皆様に内容を御確認いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また、本日、非公開として使用しました議題(3)の資料につきましては、個人情報等が含まれますので、取扱いには御留意いただきますようお願いいたします。
また、本専門委員会につきましては、通常、年1回の開催とさせていただいております。次回の開催時期につきましては、特段の事情がなければ、来年度末、令和7年2~3月頃として、委員の皆様には改めて日程調整の御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局からの連絡事項は以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、本日の専門委員会はこれで終了します。本日はお忙しいところ、御出席を賜り、ありがとうございました。オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては、適宜御退室をお願いいたします。どうもありがとうございました。