第2回エックス線装置に係る放射線障害防止対策に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

日時

令和6年3月13日(水)13:30~

場所

中央合同庁舎5号館15階 専用第12会議室

議題

  1. (1)各論点に関する議論
  2. (2)その他

議事

議事内容
○大内専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第2回エックス線装置に係る放射線障害防止に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、年度末の御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。はじめに本日の出席状況です。前回に引き続き9名の構成員の皆様全員に御出席いただいております。
 続いて配布資料の確認です。机上に配布しておりますのは、議事次第、資料1「検討事項の整理」、参考資料1「関係参照条文」となります。足りない資料等ございましたら、適宜、事務局にお声がけください。それでは、以後の進行を飯本座長にお願いいたします。
○飯本座長 前回に引き続きまして座長を務めます飯本です。よろしくお願いいたします。それでは、本日の議事に入らせていただきますが、皆さんのお手元に資料の1番があると思います。1ページ目をめくっていただきますと、今回は第2回になりますが、検討会では、前回フリーディスカッションしていただきまして、皆さんの視点での幾つかの論点、いろいろな御意見を頂きました。それをベースに今日は論点を5つにまとめていただいていますので、これについて御説明いただいた後、皆さんと一緒にディスカッションをさせていただく、そのような流れでいきたいと思います。5つありますので、前半、後半2つに分けてまいりたいと思います。最初に論点の1番と2番を始めさせていただきます。事務局よろしくお願いいたします。
○東補佐 事務局です。座長からもお話がありましたが、資料1「検討事項の整理」というペーパーを用いまして説明させていただきます。1枚めくっていただきますと、課題の設定となっております。第1回検討会では、関係団体の皆様から取組等御説明いただくとともに、事務局から今後の議論に向けた論点案ということで整理し、皆様から御意見を頂いたところです。こちらに基づきまして、具体的に5つの課題ということで、「インターロック及び警報装置」「エックス線作業主任者」「特別教育等ユーザー教育」「管理区域の適用・運用」「業者・業界団体が行う安全活動への支援」という5つの点に整理しましたので、これに基づいて御議論することとしたいと考えております。
 続いて2ページ、議論の進め方・留意する事項ということですが、各論に入る前に、1回目で頂いた御意見の中で、議論全般にわたっての留意すべきポイントも頂いたので、こちらのほうもまとめました。御意見そのものはこちらの四角囲みにまとめているとおりですが、それらをまとめたものが下のほうになります。それぞれの各課題について、様々な機器、ユーザーがいるということを前提にした、リスクマネジメントの視点を持って検討していくことが必要ではないか。その一方で対象機器や対象者といった、対象を明確にした上で措置等を考えていく、グレーテットアプローチの視点、それぞれのレベルに応じた対策という観点が必要ではないかということ。それから、今回の災害の対策防止対策、当然そこが出発点であるわけですが、ものによってはそこから拡大し、エックス線装置を使用する場面全般を対象とした議論としていくべきではないかといったところ。このような観点を持って議論を進めることとしていきたいと考えております。
 続きまして各論に入ります。まず3ページです。論点1、インターロック及び警報装置についてということです。まずこちらは、第1回検討会でいただいた御意見ということで、上のほうの四角で囲っている中に書いてあります。皆様方からはおおむね必要だという御意見でした。そういったことで、法令に規定することを考えているというところで、具体的には下の対応方針案という箱になりますが、電離則第17条に、特定エックス線装置を放射線装置室において使用する場合には、まず1つとして、室の内外のいずれにおいても、エックス線装置への電力の供給が分かるように周知しなければならない。警報装置というところの議論をさせていただいたかと思います。それから、放射線装置室の出入口にインターロックを設けなければならないということを規定してはどうかと考えているところです。
 次の4ページに、更に御意見を頂きたい事項として、要検討事項ということでまとめております。まず1つ目が周知(警報)の方法についてです。音、表示方法を電離則に規定するかとありますが、どこまでを共通ルールとするかということについて御意見を頂きたいと思っています。さらに、この次のスライドの5ページ目に、電離則第17条の条文をそのままつけておりますが、その2行目の所で、管電圧150キロボルト以下のエックス線装置を使用するときを除き、自動警報装置によらなければならないというようになっています。150キロボルト超のものに自動警報装置を義務づけているという形になっていますが、そちらを備え付ける対象についてどのように考えるかという観点。
 また2つ目が、インターロックの方法についてです。5ページ目の一番下に解釈を示した通達を載せておりまして、現行法令上、解釈として装置稼動中に出入口を閉鎖する機能というように、インターロックについて規定されておりますが、これに電源の遮断という話が前回はいろいろ実際の対応として出ていたところかなと思っておりますので、そういったものも加えてよいかという観点の御意見も伺いたいと考えております。
 5ページ目以降は、この論点1に関する補足資料ということで付けております。5ページ目が関連条文ということで、電離則の第17条、また、安衛則の第28条は、安全衛生装置有効保持の観点、それから一番下が昭和64年1月1日付け基発第1号ということで、この電離則第17条に関する解釈を示した通達について記載しています。
 6ページは補足資料のイメージ図で、第1回のときに非破壊検査工業会様から御提出いただいた資料を改めて載せています。
 続いて論点2に入らせていただきます。7ページ目を御覧ください。エックス線作業主任者についてということで、まず作業主任者の職務についてです。1つ目のポツについては、保健物理学会のワーキンググループの報告書に記載があったものです。エックス線作業主任者には、環境安全の整備と維持についての、より強い権厳が付与され、責任を伴うリーダーシップを期待する。被ばく線量の評価や記録、緊急時の措置、特別の教育、作業環境測定など、安全管理上の実務取りまとめを行う、安全に関する責任者として位置づけることも考えられるというものです。2つ目のポツについて。作業主任者の職務については、他の作業主任者の規定も見ながら検討が必要。安全装置の点検も必要ではないかというものです。
 また、作業主任者の能力向上、あるいは有効期限についてという観点から、エックス線作業主任者に関して、一度免許を取得すると更新がない。有効期限等について考える必要もあるのではないかといった御意見を頂いているところです。
 下の対応方針案についてです。電離則第47条の規定を9ページ目に付けていますが、こちらにエックス線作業主任者の職務が各種規定されております。そちらのほうに労働安全衛生法令のほかの作業主任者に関する規定、例えば有機溶剤中毒防止規則ですとか、酸素欠乏症等防止規則といった、各特別規則の中にある作業主任者の規定を参考として、以下について規定してはどうかと考えています。1つ目としては、労働者の被ばく線量を少なくするための作業方法の決定、労働者の指揮といった観点。2つ目としてはエックス線装置の安全装置の点検。先ほど論点の1つ目のインターロックのところでお話をしたことですので、併せてこういう形の規定はいかがかと考えています。作業主任者の専門能力を発揮していただくという観点で、事業者にこういったことを主任者にやってもらうのだよということを明記したらどうかというものです。
 また、現行の電離則第47条に規定の各項目についてですが、こちらも内容についてはいずれも必要かとは考えますが、横並びではないのかなと思うところもありますので、位置付けを整理したいと考えています。
 続いて8ページ目です。対応方針案の続きということで、作業主任者の能力向上と有効期限についての観点です。このエックス線作業主任者以外の作業主任者免許について、有効期限を設けているものはないということです。労働安全衛生法令上、作業主任者以外も含めて見ますと、免許に有効期限を設けているものは、ボイラー溶接士免許のみとなっておりますが、このボイラー溶接士に関しては、溶接の技術・技能という観点から設けているものではないかと考えています。
 また、作業主任者をめぐる課題に関しましては、1回目の御意見等も踏まえると、能力の向上や情報のアップデートという観点ではないかと考えられることから、まずは作業主任者の能力向上に向けた対応策を考えていくこととしてはどうかと考えています。
 これに関連して、令和6年度の補助金での調査研究事業になりますが、「エックス線作業主任者等に対する効果的な教育に関する研究」を行う予定で、正に作業主任者に対する教育の積極的、先進的な事例を取りまとめつつ、必要な教育内容等について精査していく、あるいは、まとめたものを周知していくということが考えられるのではないかと考えています。
 要検討事項として書かせていただいております。まず作業主任者の職務についてですが、対応方針案①②ということで、事務局で記載しております。
 また保健物理学会のワーキンググループの報告書の中に、先ほども申し上げた何点かが記載されています。被ばく線量の評価や記録や作業環境測定について、具体的にどういうことを想定されているのかを可能であればお示しいただいた上で、そういったことを含めて、どこまでを作業主任者の職務として電離則に規定するかというところについて、御意見を頂けると有り難いと思っております。併せて先ほども対応方針でも少し書きましたが、現行の電離則第47条の規定の各項目の整理についても、御意見がございましたらお伺いしたいと思っております。
 また、作業主任者の能力向上と有効期限についてですが、先ほどの対応方針案の最後の所で、調査を行い、まとめて周知を図っていくということを記載していますが、行政としてほかにどのような対応が考えられるか、期待されるかといった観点の御意見も伺いたいと思っています。
 以下9ページ目以降、補足資料となっています。9ページ目は関連の条文ということで、電離則第47条、エックス線作業主任者の職務について規定しているもの。その次が有機溶剤中毒予防規則にある有機溶剤作業主任者の職務について、参考として記載させていただいております。また、労働安全衛生規則の点検の関係について、参考として記載しています。
 10ページ目も補足資料ということで、こちらは先ほど話しました、補助金での調査研究事業についてです。このような研究について現在、公募した後の実施していただく先生の選定を行っているということです。研究の背景及び目標の所に少し書いておりますが、作業主任者や作業に従事する労働者の能力向上に向けた取組状況、放射線防護のための具体的な措置内容について調査をするとともに、効果的な教育内容や実施頻度等について検討し取りまとめていただくというところまでを、ここでの目標としているものです。こちらからの説明は以上になります。よろしくお願いします。
○飯本座長 ありがとうございました。前回もたくさんの意見があった中で、まず2つの論点を丁寧にまとめていただいたと思います。これをベースに皆さんとディスカッションを進めていきたいと思います。今回この時間の範囲内で、全ての意見が出尽くすとはとても思えないので、少し時間を置いて、皆さんの関係の方とこの資料を使いながら、それぞれでディスカッションしていただいて、こんな意見があるとか、こんな見方があるみたいなものをたくさん集めていただくことが大切ではないかと思っています。ですので、今日の段階では、個人的な意見もあるでしょうし、後になって意見が変わる所もあるかもしれませんが、まずはどんどん出していただいて、後日、更に何か追加や変更があれば事務局に送っていただきながら、第3回に向けて整理をしていくという形がいいのではないかと思っています。ですので遠慮することなく、是非御発言いただければと思います。まず、2ページ目の内容はよろしいですか。御意見ということで、全体に関わる所を最初に触れていただいて、こんな姿勢とアプローチでいくということだと思います。そこを頭の中に置いていただきつつ、3ページの1つ目の論点で、インターロック及び警報装置についてということで御説明いただいたということです。まず、この点について、何でも結構ですので御意見を頂きたいと思います。この書いてある内容で、前回の御発言ともし違う所があれば訂正いただきたいと思います。事務局が整理いただいた内容や御意見で、誤解があったりはしませんか。大丈夫ですか。郡構成員、どうぞ。
○郡構成員 三菱重工パワー検査の郡です。3ページの上の四角の上から4つ目のポツの「ガンマ線装置については、使用する際に照射時に音がする」という記載ですが、この音に関しては、線源を送り出すときの操作音と言いますか、線源が動くときのワイヤーがこすれるような音であって、警報音とはまた違いますので、その点は御留意いただきたいと思います。
○飯本座長 ありがとうございました。そのような理解で読んでいただくということになります。ほかにいかがですか。田北構成員、どうぞ。
○田北構成員 IHI検査計測の田北と申します。この中で「インターロックを切る作業も想定されるなら」という文言があるのですが、そういうときは装置が故障したときとか、あとは定期的なメンテナンスや修理等になると思うのですが、こういうのは通常業務とは違って、普通の使用ではないということが考えられるので、重複したミスが起きやすい、インターロックを切って、更に中に入るということなので、この修理・点検・メンテナンスに関する何か特別な文言があってもいいのかなという気がしています。
 あとはこのきっかけになった事故例ですが、20分間で100mSvを超えるような被ばくをしていることを考えますと、特定のエックス線装置、ものすごい被ばく線量を伴うようなものも何か文言に入れる。10~150キロボルトは警報装置がいらないとか、そういう感じに読めますが、例えばミリアンが高いもの。今回の装置で言いますと、50キロボルトで50ミリアンペアというのは非常に高い。私が知る画像で見る診断のエックス線装置というのは、5ミリアンペアとか、高くても10ミリアンペアですが、電圧が低いのに電流が高いことから、線量が高いという装置。それから、1メガでぎりぎり950エレクトロンボルトのライナップなどがありますが、線量が高くちょっと被ばくしたら、もう計画外被ばくが年間50mSvを超える、従事者の限度を超えるような被ばくに対して文言を入れるというか、何か縛りを付けるようなことも考えてもいいのかなという気がしております。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。この5つ目のポツのインターロックを切る作業の所ですが、正確にはどうなのかなと思いながら、今、拝聴していたのですが、インターロックを切っても作業ができることがあるので、何らかの仕組みが必要かもしれないという、そんな意味もあるかなという気もいたしました。今の御指摘のような見方もありますし、実際にインターロックを切って作業ができる状況がありますので、そこも含めて我々は考えていかなければいけないというように思いました。ありがとうございます。ほかにいかがですか。ここに書いてある内容で、少し言葉を足したほうがいい、あるいは少し解釈を付け加えたいことがあればお願いします。古渡構成員、どうぞ。
○古渡構成員 量研機構の古渡です。よろしくお願いいたします。先ほど飯本先生、田北先生からもお話があった点ですが、インターロック自体が基発の1号では、部屋に付ける装置、中に入れなくなるようにする道具と定義されております。
 一方で、装置を自動的に止めるためには、装置側に何らかの仕掛けがいるわけです。その装置に対しての仕掛けをしなければならないということは、一言も書いていないということになりますので、例えば、こういう装置の場合は、緊急停止ボタンがなければならないとか、こういう装置については、人が何かをしない限りエックス線が出るようにしてはいけないとか、フェールセーフの考え方を設けるような規則があれば、それはいいとは思うのですが。非常に厳しくなるかと思いますので、よくよく考えた上で、そこは導入がいるのかなと思う一方で、繰り返しになってしまいますが、インターロックは部屋に作る仕掛けなので、それだけではもしかしたら片手落ちなのではないかと考えるところです。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。少し意見まで入ってきましたので、だんだんとそちらのほうに移っていきたいと思います。3、4ページにもかかりますが、対応方針案を提示いただいていて、更には加えて検討したいという項目が上がっています。この辺りの所で、それぞれの先生方のお考えがあれば頂きたいと思いますが、いかがですか。まず釜田構成員からお願いします。
○釜田構成員 非破壊検査工業会の釜田と申します。エックス線装置と被ばく線量を見たほうがいいと思いますが、被ばくの危険性という観点から、まずはグレーデッドアプローチではないですが、まず装置の性能・性質の規制をするべきではないかなと。というのは、例えば同じ50キロボルトで大体10μアンペアぐらいの、可搬型の蛍光X線分析計もあります。この場合に、インターロックですよ、何ですよと言われても、何もできない。空中で使えますよと言いますが、言ったらそんなに大きな被ばくの原因にはならないというか、そういう安全対策が取られていると。
 それに加えて、逆に今回のエックス線の同じ蛍光X線分析装置ですが、50キロボルトで50ミリアンペアというような大きな線量であれば、本当に短い時間で誰でも被ばくをしてしまうということで、装置のそういう取扱いの方法、被ばくの原因となる出力とか、そういうものでまずは規制をすべきではないかと思います。ある程度以上のものは必ず部屋がいるということになりますので、部屋の中に入れます。では、部屋の中に入れるのですが、そのときの自動警報装置などというものも、そこも同じだと思いますが、150キロボルト未満はいらないよと言うのではなく、変な話、50キロボルトで50ミリアンペア出るような装置だったら必ずいるのではないかということを考えていかないといけないのではないかと思います。
 それに基づいて部屋がいる、いらない。部屋の中に入るということ自体というか、それは管理区域の中に入るのですよということで、実際には部屋に入れなくしているから、外側だから安全だよということになりますが、例えば、メンテナンスのために中に入るということになったら、それはインターロックの設備は切られている、無い状態と一緒ですから、そういうときの対策というのはそれなりに取ってくれないと駄目ですよ。2段階と言ったらおかしいですが、まずは管理区域の外側、要は部屋の外側にいるときの話と、それにプラスアルファ、今度はそういうものの中に入ってメンテナンスをしないといけないということになったときには、それなりの対策を取らないといけない。例えば、中で出ていることが分かるようにするのも1つでしょうし、逆に言ったら、電源が入らないようにしておくのも1つの話だと思います。機械の調整上、どうしても電源を入れておかないといけないということもあるでしょうから、その場合にはそういうものが非常停止スイッチだったり、エックス線が出ていることが分かるようにすると。そういうふうに、いろいろな場合がたくさんあるのかもしれませんが、段階的に少し整理をしておけば、それからどういうふうな規制をするのかということは非常に簡単ではないかと考えます。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。大変具体的な御意見を頂いたと思いますので、今後の整理の参考になるかと思います。ほかに構成員の先生方からいかがですか。対応方針案、要検討事項に絡めて御意見があれば是非お願いします。山脇構成員、どうぞ。
○山脇構成員 連合の山脇です。対応方針案で具体的に示されている①②を規定することについては、前回検討会での私の意見をおおむね反映いただいたものと思いますので賛成です。その上で、今回検討の対象を特定エックス線装置に限定している趣旨について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
また、要検討事項については、前回申し上げた通り、今回の事故を教訓とし、重層的な安全対策が実施されることが重要だと思っています。仮に安全対策の1つが働かなくても、その次の安全対策が機能することにより、安全が確保される状態を目指すことを考えるべきだと思います。
 そのような観点で申し上げると、警報については、光による警報に加えて、音による発砲を行うなど、複数の手段により周知が図られるようにすべきではないかと思います。また、要検討事項の自動警報装置を備え付ける対象については、すべての特定エックス線装置を対象に自動警報装置を備えるべきだと考えています。
 続いて、インターロックについてですが、放射線装置が使用される際には常に有効な状態にしておく必要があると考えています。
 あわせて、既存の装置にどのように対応するかも大きな課題だと考えます。経過措置として一定期間を設けたとしても、今回の改正を踏まえた改修を行うべきではないかということを申し上げておきたいと思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。1点目の所で、特定エックス線装置に限る、限らないの部分を事務局からお願いします。
○東補佐 事務局です。特定エックス線装置というのは、労働安全衛生法令において、エックス線装置の中でも一定の機器については、構造規格を満たさなければならないものとなっており、対象としているものの線引きが10keV以上のエックス線装置としています。
 この電離則の中で外部放射線からの防護という規定が幾つかある中の1つとして、今回電離則の第17条も位置付けられています。その辺は第1回のときに少しお話させていただきました。要はこの第17条の周りの規定、第11条以降ぐらいだったと思いますが、その中には、外部放射線防護のために装置・機器に対して講ずべき措置の観点と、作業にあたり講ずべき措置の観点の2点があると思います。主にこの装置に関する規定に関しては、およそ特定エックス線装置に対して掛けられている規制だったと理解しています。それは恐らく本当に小さい装置、要は構造規格の対象にもならないレベルの装置となってしまうと、まず、行政としても把握が困難というところもありますし、本当に小さいものになると、そもそも措置を講ずること自体が現実的かどうかというところの観点もあろうかと思います。その辺りで、気持ちとして全てかけているところではあるのですが、現実的な対応として特定エックス線装置という形で義務付けているものという理解でおります。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。よろしいですか。この法令を見ますと、第17条になりますが、エネルギーで切っているわけです。先ほど釜田構成員からの話もありましたが、必ずしもエネルギーだけが話題になるわけでもなく、被ばくのリスクをどうするかという話が根本にある中で、どういう仕分けをするといいだろうかということの1つの解がこれだったということだと思います。
 そういう意味では、山脇構成員から御指摘いただいた点は大変重要で、我々はどういうエックス線装置をスコープにするか。あるいはどういう作業をスコープにして議論を深めていくかで、この整理ができていくはずですので、見方に注意がいるなと思いました。ありがとうございます。ほかにいかがですか。松島構成員、どうぞ。
○松島構成員 日本検査工業会の松島です。今の論点の本筋とは少しずれるかもしれませんが、1つ感じたことはインターロックの件です。本来の装置の目的のために、メッキ厚とか透視とか、そういうものに使われる作業の下でのインターロックと、修理メンテナンスを行う際のインターロックでは、これはレベルが大分本来は違うのではないかと。修理メンテナンスの人は回路も全部分かっているわけです。本当のスペシャリストでしたら、こことここをジャンプすればインターロックは全部解除できることは分かっているわけです。そういうような極端なところまでいかないかもしれませんが、メンテナンスと実際の目的の作業ではレベルが違うなという感じがします。ただ今回の事故はメンテナンスなのです。実際にインターロックがジャンプされていたということもありましたので、これを分けて考えなければいけないのかなという気がしました。
○飯本座長 ありがとうございます。インターロックを解除して作業するケースには、どういうものがあるかということを整理しつつ、議論を進めていくということだと思います。研究所、大学の中でも、インターロックを解除するケースがあるということは認知していて、産業界とはまた違う形もあるなと思いながら、その整理はいるということだと思います。ありがとうございました。ほかにいかがですか。郡構成員、どうぞ。
○郡構成員 三菱重工パワー検査の郡です。対応方針案の放射線装置室にインターロックを設けるという点で、その前提として、2ページ目のエックス線装置の分類です。エックス線照射室型と防護ボックス型と可搬型・開放型とありますが、例えば、可搬式のものを放射線照射室の中に入れて使うようなケースとかもありますので、この前提として、装置の区分を明確にしてはどうかということです。可搬式のものでしたら、非常にたくさん使ってますし、1つの部屋の中に複数台置いていたり、そういったケースもありますので、そちらは分けて考えればよいかと思います。
 あとは4ページ目の要検討事項のインターロックの方法についての電源の遮断の所です。この電源の遮断というのは、どこまでが電源の遮断なのかと。装置に電源を供給していますが、装置で突然電源が切れると困るようなケースはありますので、そこは例えばエックス線の照射が停止するような機構とか、そういった具体的なところになりますが、何か限定するような考え方は必要ではないかと感じました。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。これも今後の整理に役に立つ御意見を頂いたと思います。私どもが目指しているのは、被ばくのリスクを下げるために何ができるかということですので、電源を切ることで被ばくのリスクはもちろん下がる、ゼロになるということだと思いますが、ケース・バイ・ケースで、どういう方法が使いやすいかというのも頭に浮かべながら議論を進めるという御意見だったと思います。ほかにいかがですか。
○夏原構成員 島津製作所の夏原です。今回の事故報告を前回受けたときに少し違和感があって、今日、書いている中身をもう少し頭の中で見ていて、また変な違和感があるのです。何かと言いますと、目の前にある装置はエックス線装置であるというのは、残念ながら今回事故をした人は分かっていたわけです。それではなぜ事故が起きたのかという議論の中で、安全装置が当然付いていたにもかかわらず、安全装置の解除をその人がやったのか、誰がやったのかということまでは事故報告では書かれていませんでした。しかし、安全装置が外されていたと。その安全装置を誰が責任を持って点検して報告するか。いわゆる事業所には当然安全衛生責任者、工場長などがおられるはずですが、そこに対して、○○工場の○○装置は安全であることを確認しましたという報告が、きちんとした作業でなされていたら、例えばインターロックが壊れていることが見つかって、この事故は防げたのではないかと勝手な解釈ですが思います。
 最初の1、2、3のページから言いますと、そういう点検業務や、別紙で付けていただいている法律の8、9ページで、私も一応免許は持っていますが、エックス線作業主任者の職務や責務や任務は何だっただろうかというのを、皆さんの御意見を聞いている最中にさっと読んでいたのですが、今言ったようなことがここに一切書いていなくて、法律でそこの管理区域のエックス線作業主任者の方がきちんと点検しなさいと、確か習ったような記憶はあるのですが、こういった法律をまた改めて読んでみますと、そういうことが一切書いていなくて、もしこれが書いてあったら、今回は犯人探しではないですが、どういう理由だったかというのも、また言えたのではないかと思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。今、頂いた内容は、後のお話にも関わってくると思いますが、作業主任者あるいは事業主、ユーザーがどういう範囲で安全について考え、やらなければならないかという辺りを明確にすべきだということだと思います。ですから、教育の所にも関係ありそうですし、今のお話はまたきっと出てくるだろうと思います。重要な点の御指摘をありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。それぞれ5つの項目が、当然のことながらお互いに絡み合っていますので、感じるところをどんどん言っていただく形で結構かと思いますが、基本、1つずつまいります。よろしくお願いします。一旦ここで切りまして、次の話題になります。7ページ以降になります。エックス線作業主任者について、この範囲の中で、まず、皆さんに御発言いただいた内容をまとめた部分がありますが、いかがですか。その部分はよろしいですか。そうであれば、対応方針案、要検討事項の所で皆さんから御意見を頂きたいと思います。御意見がある方は挙手をお願いします。
○古渡構成員 量研機構の古渡です。まず、7ページ目の作業主任者の職務について意見を述べさせていただきたいと思います。事務局より御提案いただいた①②に関して、まず①の労働者の指揮の所ですが、現在の電離則47条によりますと、労働者が出てくるのは、六項の労働者が管理区域の中とか、線錐とかに立ち入っていないことを確認することとなっていて、放射線防護の対応になっているのは、四項の放射線業務従事者が受ける線量ができるだけ少なくなるように照射条件等を調整することとなっています。今回、夏原先生からもありましたが、メンテナンスの方というのは、まず放射線業務従事者なのか、労働者なのか、どちらなのか。実はホウガン関係で言いますと、放射線業務従事者は労働者に含まれるので、労働者なわけですが、まず労働者の指揮という所で、放射線業務従事者でない方々の放射線防護、つまり、ここには入ってはいけないとか、あなたはここに近付いてはいけないという指揮まで含めるのかというところを考えるべきなのかというのが1点です。
 あと②のエックス線装置の安全装置の点検という所で、エックス線装置については先ほど郡先生からもありましたが、シャッターみたいなものが止まるとか、管球への電源供給が止まれば当然エックス線は出ないわけなので、安全装置というのが何で、どこまで見るのかというのは難しい装置なのかと考えたところもあるので、これは装置の点検ぐらいで、もう少し広くしてみるのもいいのかなと考えたところです。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○釜田構成員 非破壊検査工業の釜田です。まず、エックス線作業主任者の地位がどういう地位にいるのかというのが1つです。放射線取扱主任者の地位の向上ということで、少しレベルを上げようということで、教育訓練や再教育があったりということになってきているのですが、要は法律の47条を見ますと、事業者はエックス線作業主任者に対して、次の事項をやらせなければならないということになるのですが、エックス線作業主任者はどこまでの地位を持つのですかと。駄目だよと言っても、いや、社長がいいよと言ったからいいよなんていう話にもなりかねないのかというところが少し懸念されます。逆にどこまで指揮権を持つのか、責任を持つのか。逆に責任を持たなくて、これは事業所長が言ったからいいのだというような形になり兼ねないかなと考えました。
 職務として確かに作業方法の決定は多分できると思いますが、労働者の指揮ができるのかなというところは少し心配です。要は安全対策に対して、例えば、インターロックを切って中に入って、操作スイッチの対策もしないまま中で作業をしてもいいよと、エックス線作業主任者は言えるのか。それは言えないわけです。エックス線作業者主任者の地位がどこにあって、逆に彼らがどれだけのことができるのかということを明確にしてあげないと、少ししんどいのではないかと思いました。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。先ほど事務局から御説明を頂いた中で、保健物理学会の報告書に基づいて、この辺りは少し書かれていますというのがありましたが、今のことに関係がありますので少し言葉を足しますと、保健物理学会で議論をしたときは、やはり大学であるとか、研究所のメンバーが中心での議論になります。そういう組織ですと、エックス線作業主任者の多くが恐らくRI主任者が兼ねるような形になっているのだと思います。そういった観点からしますと、RI主任者がやっているようなこと、あるいはできていること、期待されていること。主任者というのは、RI規制法の中で例えばユーザーが主任者の指示に従わなければならないとか、あるいは経営層がリスペクトしなければいけないと明解に書かれている背景であるものに対して、今回のこの作業主任者がどうだろうかと考えるわけです。そういう形であればできそうですが、産業界は必ずしもそうではないだろうなと思いながら、ここは保健物理学会としてまとめられていて、可能性はあるかもしれませんが、ほかの作業主任者、つまりエックス線ではない作業主任者とのバランスも考慮しながら、実態に合わせた形での話をしなければならないトーンです。今、正に釜田構成員がおっしゃったような内容を、どういうふうに捉えるかということになるかと思います。これが報告書の内容の趣旨だと理解しています。ほかにいかがですか。
○山脇構成員 前回の検討会で発言した通り、作業主任者の職務について、ほかの作業主任者の規則を参考に検討を進めるという提案には賛成です。
 安全装置の対象については、今回の事故を踏まえると、少なくとも警報装置とインターロックは、安全装置の対象にしていくべきだと考えます。
次に、電離則の規定においては、作業主任者の指揮の範囲が重要だと思います。労働者保護の観点からは、同じ作業をしている放射線従事者の指揮が最低ラインで、関連する作業を行う労働者も極力カバーできるような規定を設定することで、事故防止につなげるべきと考えます。
 そのうえで、9ページの補足資料で、プレス機械作業主任者の「異常を認めたときは、直ちに必要な措置を取ること」に下線が引かれていますが、今般の提案の安全装置の点検に含まれているのか、含まれていないようであれば、是非含めて頂けないかと考えます。続けて、能力向上・有効期限もさせていただいてよろしいですか。
○飯本座長 はい。
○山脇構成員 ありがとうございます。作業主任者の有効期限を設定するというのは効果的な手法だと思います。もし、他の免許との平衡の観点から仮に有効期限を設けることが難しい場合には、定期的な研修や教育を課すことで、常に一定水準の安全衛生に関する知識が担保されるような仕組み作りが必須だと考えます。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。事務局、いかがですか。
○東補佐 今まで構成員の皆様から御意見を頂いておりました実際の作業主任者の地位や、どういうふうにそれが担保されていくのかというところは、確かに実行性があるものにしていくように考えていかなければいけないとは考えているところです。
 一方で、既存の労働安全衛生法、法律第14条で作業主任者というのはもともと規定しているのですが、そちらのほうでは、こういった厚生労働省令に定める作業の区分に応じて作業主任者を選任して、その者に当該作業に従事する労働者の指揮、その他厚生労働省令に定める事項を行わせなければならないという規定はもともとあるわけです。ですので、電離則を見たときに、明確化するのが今回どうかということで考えさせていただいているので、そこは気になるところは十分あるかとは思いますが、もともとのところでも、そのような大元の考え方としてはあるということは御承知おきいただきたいと思います。もちろん我々としても実行性あるものにしていくように、実態を踏まえて考えていかなければいけないというのはもちろんですが、一応、そこのところは補足させていただきたいと思います。
 あと9ページの安全装置の点検と異常の話については、ここは御意見を頂きたいとは思いますが、事務局としてこの資料を作っていた身としては、ある意味セットかなと思って作っていたところはあります。すみません、足りないところがあって申し訳ありませんでした。
○飯本座長 追加説明をありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。ひとまず前半の論点2番までは一旦締めまして、先に進みます。論点3~5番までを事務局から御説明をお願いします。
○東補佐 ありがとうございます。それでは資料の11ページ目、3の特別教育等ユーザー教育についてです。特別教育については皆さん御存じかと思いますが、四角囲みの下に※印で書いております労働安全衛生法第59条第3項に基づく教育で、科目とそれぞれの時間がこのように規定されているものという前提を、改めて申し上げておきたいと思っております。その上で特別教育の対象・内容についてということに関しては、1回目の検討会で、おおむね透過写真撮影の業務から広げていくべきという話を頂いたと認識しております。また、2つ目のポツの最後にありますが、技能講習に格上げすることも含めて検討してみてはどうかという御意見を頂いたところです。また、継続的な教育、レベルに応じた教育についても、4つポツがありますけれども、考える必要があるのではないかという形で示されてきたところかと考えております。
 12ページ目は対応方針案についてです。まず、特別教育の対象・内容に関しては、安衛則第36条の現行の特別教育の対象業務について、現行の「エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務」からエックス線装置を用いた他の業務へも拡大してはどうかと考えています。併せて特別教育の対象者について明確にしてはどうか。また、その内容については、現行の電離則第52条の5を踏まえて、引き続き、「透過写真撮影業務の作業の方法」となっていたところは、対象が広がれば、それに応じて変わるところはありますが、「作業の方法」「エックス線装置の構造及び取扱いの方法」「電離放射線の生体に与える影響」「関係法令」としてはどうかというところを考えております。御意見を頂きたい事項として要検討事項として上げておりますけれども、この特別教育を必要とする対象業務という観点から、装置の種類あるいは用途といったもので、どういったものがあるかという観点、それから、1つのエックス線装置をめぐって、その周りでどういう業務があるのか、例えば操作や点検、保守、あるいは業務の補助といったものも出てくるかと思いますが、そういったものに関してどういった業務、どういった労働者に対して特別教育の対象とすべきかを、幅広に御意見を伺いたいと思っております。
 また、そこで考えていくと、4つ目の論点の話に少し関連しますけれども、いわゆる機器の外側に管理区域が生じない、いわゆるボックス型ということでタイプが異なるものについて、そのユーザーに関してはどのように取扱うべきかといった観点。それから、技能講習の対象とすることについて、どのように考えるかというところ。後ほど補足資料で少し考え方をお話ししたいと思います。また、ユーザーに対する継続的な教育、関係団体が取り組む安全衛生教育の促進に向けて、行政としてどのような対応が考えられる、あるいは期待されるかといった観点での御意見を頂きたいと思っております。
 続いて13ページ目は補足資料、関連条文ということで付けております。
 それから、14ページ目が補足資料として、透過写真撮影の業務の追加の経緯です。1回目の検討の際に、座長から昭和50年の電離則の規定の追加の背景として、どのような災害があったのかを問われたことを受けて確認した資料です。上からいきますけれども、電離則の改正、安衛則の改正と電離則の改正が昭和50年に行われております。ここで安衛則第36条に法第59条第3項の特別の教育を必要とする業務として、エックス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務が追加されたところです。この背景として、昭和48年頃、ガンマ線透過写真撮影作業において、不適切な管理に起因した多くの被ばく事故が明るみに出て、社会的な注目を浴びたことが発端ということです。では、昭和48年の前後辺り、昭和45年から49年頃の主な被ばく事故ということでまとめたものが、下の表になっているところです。見ていただければ分かるとおり、ガンマ線照射装置の関係のものしか見られなく、こういったことを契機に、いわゆる非破壊検査業務としてエックス線も含めて特別教育が追加されてきたのではないかと考えているところです。
 続いて、資料の15ページ目に、技能講習と特別教育についての整理を書いております。左上から、技能講習というと作業主任者のうちの一部、エックス線作業主任者は、技能講習よりも更にその上にある免許というところになっておりますが、作業主任者の一部と、あとは就業制限業務の一部が技能講習で行うこととなっています。就業制限業務(一部)の下に書いてあるポツの業務については、就業制限業務で技能講習が必要なものについて全て記載しています。下のほうは特別教育で、こちらは例ということで幾つか書いておりまして、右側のほうに、そこの考え方の整理を簡単に書いております。こちらは法令上の定義ではございませんが、解説書等で一般的に使われている表現で整理しております。まず、技能講習の対象になる就業制限業務についてですけれども、その業務の性質上、特別な技能・高度な技術を要するもの。一旦災害が発生すると、付近の労働者を巻き込むような大きな災害につながりやすいというところ。実施機関としては、登録教習機関が実施することとなっています。これは法令で規定されています。
 それから、特別教育については、労働者の知識や経験の不足に基づく災害を防止しようとするもので、事業者が実施することになっています。教育機関で行うことも認めてはおりますが、事業者が一義的には実施するという形になっております。特別教育が求められている業務よりも、危険度が高い業務というのが技能講習になっているというのが、一般的な考え方かと思っております。こういったことについて、今回の件に関して見てみますと、下の四角囲みに事務局としての考え方を少し書かせてもらっております。現状はエックス線装置を使用した業務のうち、透過写真撮影の業務以外の業務について、科目や時間が定められている特別教育の対象になっていないということが課題かと考えておりますので、まずは特別教育の対象としてどうかという観点で、先ほどの対応方針案等を書かせていただいたところです。
 続いて、16ページ目、日本検査機器工業界さんのエックス線機器取扱者のための安全講習会というものです。第1回目の検討会で松島構成員から、検査機器工業界の安全講習会の話がありましたので、1枚でまとめているものです。ボックス型のエックス線装置の使用に当たっては、エックス線作業主任者の選任は必要ないとされているものの、やはり従事者、あるいは事業場の安全衛生担当者に、最低限の知識と定期的な教育は安全管理上必要なものである。その一方で、事業者が教育を実施したいと考えても、教育や講習の場がないのが実態だということで、そういったことから食品、物流、アパレル、セキュリティ等の業種の事業場の安全衛生担当者、あるいは労働者や従事者を対象に、ボックス型装置の使用に当たり、必要な知識に限定した「やさしい教育の場」として実施されております。開催プログラムについては、こちらにあります1.5時間と2時間、合わせて3.5時間ということになっております。これまで30回開催し、延べ約1,300人が受講されているということです。こちらは検査機器工業界様の情報を基に我々のほうで作成させていただきました。
 続いて17ページ目、4の論点です。1回目の検討会での御意見の中で、管理区域の要否の判断基準が、3か月で1.3mSvというものしか電離則上示されていないということで、特にボックス型の装置に関しては、エックス線作業主任者の要否を判断するための考え方が事業者によって異なっており、中には安全に対する意識が十分でないメーカーも出てきているため、電離則において管理区域の基準として、時間単位等の線量等の詳細な基準を規定すべきではないかという御意見です。また、機器の輸出に当たっての話ですけれども、海外のほうが機器の漏洩線量等に関する規制が厳しい面も見られるところ、国内法令もこれに合わせてほしいという話も頂いています。一番下のポツになりますが、保健物理学会のワーキンググループの中で、直接このことではないかと思いますけれども、関連する話として、安全管理の観点から、関連法令下で届出を要する機器についてのステークホルダー間の共通理解が急務。具体的な内容は違うかもしれませんが、関係者間の共通理解が急務という観点では、これも同じ話なのかなと思っています。
 対応方針案ということで少し考え方の整理から入らせていただいておりますが、まずボックス型の装置を使用する業務に関しては、エックス線作業主任者の選任は求めていないというところです。これは、機器の外側に管理区域が生じないことを前提としているもので、この前提に関する判断は、やはり確実に行う必要があると考えています。一方で、管理区域の判断基準に関する法令上の規定というのは、放射線審議会の意見具申に沿った国内各法令で斉一的な規定でございます。また、この規定、電離則もそうですし、ほかの法令もそうですが、管理区域の設定に関しては、エックス線装置の使用の場合に限ったものではないところになります。そういったこともありますので、現行の管理区域の判断基準に関する解釈(通知)をベースとして、海外の規定等も参考としつつ、エックス線装置を使用する場合の線量の把握、管理区域の判断基準に関する解釈の明確化(あるいは充実化)を検討し、適正に運用されることを目指してはどうかと考えているところです。
 18ページ目です。その観点に立って、そういった対応方針でいくとした場合に、新たに示していくべき項目があるかどうか、特にボックス型の場合に留意すべきところがあるか。具体的にいうと、後からお話しします平成13年3月30日付けの基発第253号でこの辺りを示していますが、そこで足りない事項があるのかどうか。また、これは我々としても周知の観点からの課題もあるのではないか、どういったことがあるかを示していただきたいと考えております。
 19ページ目は第3条の条文をそのまま付けておりまして、20ページ目以降に、説明に出てきました平成13年3月30日付けの基発第253号の一部抜粋を付けています。少しお話ししますと、赤字で書いている所の一番下になりますが、第3の3の(6)になります。遮へいされた構造の放射線装置等を使用する場合、これはボックス型の話になりますが、放射線装置室等の外側のいずれの箇所においても、実効線量が3月間につき1.3mSvを超えないものについては、当該装置の外側には管理区域が存在しないものとして取り扱って差し支えないという形で示しています。では、具体的にこういう装置として、こういうものがありますよというのを示しているのがア、イ、ウということで、このページの下のほうに書いてあります。扉型でインターロックが付いているもの、空港の手荷物検査等の装置で出てくるようなもの、工場の製造工程で使用されている計測装置等で、製品等の出入口は労働者の手指等が装置内に入ることがないように2重の含鉛防護カーテンで仕切られている形のもの、こういったものがありますよということを示しています。
 次の21ページ目、20の第46条関係の赤字の所です。先ほどのアからウまでに掲げる装置に該当するエックス線装置については、その外側に管理区域が存在しないということで、エックス線作業主任者の選任を要しないことを規定しているところです。このエックス線装置の実効線量のベースになる測定に関してですけれども、別添1の1の(5)のウに書かれています。(ア)のaの所だけ見たいと思いますが、基本的には同じ考え方かと思います。照射1回当たりの1センチメートル線量当量に1時間当たりの照射回数を乗じて、1時間当たりの1センチメートル線量当量を求める。これに3か月間で予想される最大延べ労働時間を乗じて、3月間における1センチメートル線量当量を求めて、これをもって外部放射線による実効線量とするという形の規定になっております。こういった規定を確実に運用していくという観点での話です。
 最後に22ページ目、5の論点は事業者・業界団体が行う安全活動への支援についてです。第1回検討会の中で保健物理学会のワーキンググループ報告書等にも記載がございますが、機器の特性やトラブルシューティング・ヒヤリハットの事例なども多く集めて、水平展開、関係者間と共有していくことがいろいろと有効ではないかということとか、非破壊検査工業会さんのほうでも安全作業基準を出版し、会員企業へ配布しているよという話がありました。あと作業主任者の役割の話に関係してくるところかもしれませんが、実際、事業所内でマネジメントシステムを運用していくことができるよう、分かりやすいツールを開発していく必要などもあるのではないかという話を頂いております。対応方針案については、これまでの関係団体、事業所における積極的な取組・好事例を横展開し、エックス線装置を使用する事業者・労働者の安全意識を更に高めていくことが必要なのではないかというところで、検討事項として、行政として連携して関係者と取り組んでいくべき事項、支援が期待される事項としては具体的にどのようなところがあるかを、率直に御意見を伺いたいと思っております。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。どちらも大変丁寧にまとめていただきました。それでは、1つずついきたいと思います。先ほどと同じような感じでいきますが、11ページ、3の特別教育等ユーザー教育についてです。まず、御発言の趣旨や書いてある内容について何か補足があればお願いします。よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、11ページの内容に基づいて12ページの対応方針案と要検討事項を頂いています。ここに書かれた内容について御意見がございましたら挙手をお願いいたします。あるいは、事務局への質問でも構いませんがいかがでしょうか。山脇構成員。
○山脇構成員 対応方針案の特別教育について、対象業務を広くエックス線装置を用いた業務に拡大すること、対象者を明確化することは賛成です。
 論点2のエックス線作業主任者の職務においては、他の作業主任者の規定を確認いただき、トップランナー方式とすることを念頭に追加の検討をいただいたかと思いますが、この特別教育の対象者についても、他の特別教育を参考に拡充できる項目がないのか検討の上で、今回、提案をいただいているのか確認したいと思います。もし、他の特別教育との比較による検討がされていないのであれば、他の特別教育と比較の上、再検討をいただく余地があるのではないかと思います。
 続いて、要検討事項にある対象者の明確化についてですが、機器の構造のみにより対象者を区切るのではなく、放射線管理区域に侵入する可能性があるかどうかといった対象者の行動に着目していくことも検討に値するのではないか思います。
 技能講習の対象とするかについては、前回の検討会において特別教育ではなく、技能講習に格上げすることを検討してはどうかと発言いたしました。こうした発言を踏まえ、技能講習と特別教育の違いを整理いただいたものと思っています。この点、感謝申し上げます。15ページの技能講習の2段落目には、「いったん、災害が発生すると、付近の労働者を巻き込むような大きな災害につながりやすい」という記載がありますが、今回の見直しにより、エックス線を用いて行う作業全般に対象が拡大をされた場合、そのような作業において付近の労働者を巻き込むような大きな災害につながることは想定されないのか、事務局の考えを教えていただきたいと思います。このことが技能講習に格上げするか否かの判断の基準のひとつになるのではないかと思った次第です。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。事務局に質問が2つありましたが、後ほど、ほかの構成員も関連のことがあればお答えいただければと思います。まず1点目は、ほかの教育について参考にされたのかということ。もう1点は15ページ、付近の労働者を巻き込むような事例はありそうかという2点になります。お願いします。
○東補佐 まず1点目、業務の規定は、本当にそれぞれ全然違う業務を位置付けているところになるので、正直、どこまで参考になるのかはよく分からなかったところもあり、そこはほかの規定を参考にしているものではございません。確認したいとは思っております。ただ、その一方で、同じエックス線装置の中であれば幅広に取りたいという思いは前回の議論からも感じられたので、そのように対応してまいりたいとは思いますが、安衛法、安衛則、電離則の立て付けの中で、ある程度業務を明確にしていかなければいけないところもあるのかなと思っており、そこが悩ましいというのが正直なところです。
 2点目は、技能講習関係のお話です。大きな災害につながりやすいといえるかどうかのお話に関しては、確かに、エックス線装置自体も非常に危険なところはあろうかと思います。今回起きた災害のような取扱い方法、それに至るまでのステップで間違いがあると、その場で作業している人に関しては災害が起こり得るかと思います。ただ、その一方で、この建設機械、フォークリフト、ショベルローダー等にあるように、その業務と関係のない人にまで被害が及ぶかどうかというと、そこは管理区域の設定等々の観点で、余り考える必要はないと考えているところです。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。よろしいですか。今のやり取りも含めてで結構ですが、ほかの構成員の先生方から何か御質問、あるいは御意見があればお願いします。古渡構成員どうぞ。
○古渡構成員 量研機構放医研の古渡です。私もその対応方針案をお示しいただいた中の3ポツ目、特別教育の内容の点ですが、ここについては、やはりエックス線の事項について、是非、入れていただきたいとは思います。というのは、本検討会が始まりましたのは、そのエックス線の被ばくを契機にして、このように規則を改正してはどうかという流れになっておりますので、やはり、本当に少ないですがエックス線の過剰被ばくは起こるのだ。これは国内だけではなく、海外の事例も含めてそういった教育の項目、長い時間は必要ないと思いますが、必ず入れていただきたいと考えるところです。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。釜田構成員。
○釜田構成員 ポニー工業の釜田です。エックス線を用いる業務を拡大することについては賛成です。是非とも幅広にしていただいて、明確にしていただくのが賢明かと感じます。それと、ボックス型に関してですが、本当に管理区域が存在しないのですかという問い合わせをしてみたいと思います。
 というのは、蓋を開けてインターロックが切れて、蓋を開けて手が入るということは手が被ばくしてしまうではないですか。ということは、1.3mSv、3か月を超える可能性が出てくるのではないかということになると思います。ただ、一概に外側に管理区域は存在しないというのは、インターロックが正常であることが1つの条件になると思うのですが、機械ですので故障する可能性はあると。あくまで、3か月で1.3mSvを超えるかどうかというところが一番大きな話になると思いますので、こういうおそれというもの、あくまでもおそれですので、100%ないことが確認、100%である必要があるのかどうかはまた別の議論だとは思いますが、そのようなところは必要ではないかとは感じます。
 あと、技能講習、講習というかそのような教育に関しては、そういう意味からすると、ある程度広げていっていただければなと思います。というのは、作業主任者は管理区域が存在しないからいらないのではなく、やはり、ある程度どういうタイプのボックス型に対して必要だとするのか。例えば、それも作業主任者に聞いてもいいのではないかと感じます。
 それで、実際に、その管理区域はインターロックで守られているのですが、そのインターロックが切れて中に手を突っ込むときには、もしかしたら、エックス線が出っぱなしかもしれないという知識はどこかで持ってもらうほうがいいと思いますし、そのようなところから考えると、やはり、作業主任者というものに関する適用の範囲、どこまで範囲とするのかは考えなければいけないとは思いますが、余り広げても仕方がないとは思うのですが、少し広げてもいいのではないかと感じました。
 それに伴って技能講習というのは、逆にいえば、一般のユーザーに関してはここまで必要ないのではないか。要は、インターロックを切って中に入って仕事をするわけではない。というよりは、例えば、どのような切り分けをするかは少し難しいのですが、メンテナンス業務で中に入って何らかの作業をするの方は技能講習等を受けていただいて知識を広めていただく、逆に言えばそういった方が、そのような装置に対してメンテナンス業務を行うのだと。言ったら、1つのインターロックが切れた危険な状態でも作業するということにつながってくると思うのですが、そういう切り分けをどうするのかは難しいとは思いますが、そういう考え方も1つあるのではないかと感じました。以上です。
○飯本座長 ありがとうございました。具体的に幾つか頂いていると思いますが、そのうちの幾つかは前の項目である作業主任者の育成のみならず、それ以外の管理者の教育にも触れられましたし、この後に議論する管理区域の考え方にも触れられました。皆さんの御意見を頂きたいと思います。その前のお話で山脇構成員から、行動に着目して教育の対象をどうするかみたいなものもありましたので、全て含めて御意見があれば頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。夏原構成員。
○夏原構成員 島津製作所の夏原です。12ページで具体的に要検討事項で書かれているものをそのまま賛成しますと言って帰ってしまうと、実は、会社に戻れないぐらいきついことが書いてあり、このままで承認しますというのは、立場上、難しいです。
 というのは、今回、事故は起きているのですが、そのエックス線の分析装置という分類項でいうと、今回、参加しているNDT工業会とJIMA以外にも、分析をやっている工業会はほかに幾つも団体があります。この規定だけがここで決定して前に進んでしまうと、すごい大騒ぎが起きてしまうと思います。
 ですので、先ほどコメントがあったように、人が入れる装置に限定するとか、文書としてはこれでいいと思うのですが、その除外事項を「○○は除外する」ということを真剣に議論していただきたいと思います。このままの一行だけで、広くエックス線装置全てが特別の教育がいることを決定されてしまうと、世の中のいろいろな人が困ると思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。私が冒頭で申し上げたとおり、もちろん今日が全でもありませんし、是非持ち帰っていただき、多くの方と議論を詰めていただいて、事務局に御意見を集めていただければと思います。法令をどうするかという話も、もちろんあるわけですが、その後ろには法令を更に上手に理解し、現場に適応するためには、追加的にどんなルールがあればいいか、あるいは、事業所としてどうできるかみたいな考え方もほかに待っています。いろいろなものを組み合わせながら、我々のやりたいことは、「仲間を守りたい」だと思いますので、そのような観点で何ができそうかということを前向きに議論できればと思います。ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。本当にこの項目だけではなく、いろいろな項目に関わってきますので、資料を使いながらどんどん飛んでいただいても構いませんので、是非、御発言ください。
 それでは、17ページに飛びます。論点4の管理区域の適用・運用についてです。いかがでしょうか。まずは、前回の検討会で頂いた御意見について、いかがでしょうか。よろしいですか。では、対応方針案、要検討事項の部分で御意見があれば挙手を頂きたいと思います。いかがでしょうか。先ほど、釜田構成員が触れられた項目だと思います。
 いろいろな装置がどんどん開発されてきて、古くは、何となく1つの括りで安全について考えれば良かったものが、1つの例としてインターロックが付いている、付いていないというものもありますし、そもそもインターロックがないような装置も世の中にあったり、インターロックが付いていても外しては使うことができないものもあれば、外して使うこともできてしまうものもあったりするわけです。装置の種類だけで何か整理ができるかというと、どうもそうではなくて、使い方も大事だと思いながら、正に、グレーデッドアプローチで考えていくこともあるだろうと。そんな流れで、そのボックス型のところもきっと出てくるかなと釜田構成員の話を聞きながら思いました。
 空港の中も含めていろいろな所でエックス線は使われていますが、ボックス型の定義もきっと広がってくるのだろうなと思いながら、この辺は実例を集めながら議論することになると思います。事務局どうぞ。
○東補佐 構成員の皆様から特にこの項目は御意見がないようなので、事務局の担当の考えたことをお話したいと思います。先ほどの釜田構成員のお話で、管理区域がないという一言で本当にいいのか、どうなのかという趣旨のお話があったと思います。これはどこかに規定があるかと思いますが、まず、内部は管理区域ですよね。それで、表示はしっかりやりましょうというのは、それは当然出てくるでしょうし、その上でボックス型と一言で言っていますが、やはりボックス型の中にも幾つかタイプはあるのだと思います。
 扉型のものもあれば、カーテン型のものもあるという、そのような仕切り方がいいのかどうかはあると思いますが、そのような中で、前回、いろいろ出ていた漏洩線量の話ですが、今回、この通知の中のところを充実化していくみたいな感じの話なのであれば、例えば、カーテン型の場合は、結構、漏洩する可能性は何となく素人目で見てもありそうな感じはします。
 そういった所の測定をどうするか。その辺りをやっていく感じになるのかなと思いながらまとめさせていただきました。今、座長もおっしゃられたように、いろいろな実例を見ながら考えていく感じなのかなと思っております。
○飯本座長 ありがとうございました。装置の外側でどうなりそうか。漏洩線量の話、装置の中に体の一部が入ってしまう可能性がある。そのときの線量がどうなりそうなのか、これはかなり違う話ですが、頭の中に浮かべながら整理するということ。
 やはり、被ばくのリスクがどのぐらいあるのか。そのリスクがあったときに、どのぐらいの線量になりそうなのかというのでも、随分、対応が違うような気がしますので、そんな観点での整理がいるということだと思います。
○東補佐 あとは、やはり故障の話も幾つか出てきましたが、その故障はどういうところを考えるのか。機器そのものの故障なのか、作業の中で何か物が詰まったみたいな故障、いわゆる通常作業の中で出てくる業務としてあり得るのか。それとも、完全にメーカーの方が対応するような機器そのものの故障なのか。その辺りも御意見を伺いながら考えたいと思っていたところです。
○飯本座長 少し具体的事例を集めていただく時間がいるかと思いますので、まずは、今日、出てきているものを見ていただき、是非、関係者と情報交換していただいて、関連の情報があれば事務局にお寄せいただければと思います。具体例がたくさんあることが非常に重要だと思いますので、是非、よろしくお願いいたします。ほか、いかがでしょうか。古渡構成員どうぞ。
○古渡構成員 量研機構の古渡です。御存じの先生方がいらしたら質問、要望になるのかと思うのですが、18ページの要検討事項、3つ目のポツの基発の部分で検討を求められていると思うのですが、やはり、この基発が出たのがICRPの90年勧告の導入だったのかなと思いますので、そこからアップデートしていることもたくさんありますから、やはり、それは直さなければならない、直したほうがいいところはあるのかなと思いますので、そこは修正というか、追記という形になるとは思いますが、是非、追記いただきたいと思っております。
 それと、私は不勉強で存じ上げないのですが、先ほど来より出ているボックス型エックス線装置の漏洩線量を測定する際は、多分、チャンピオンデータが出るように、きちんとカーテンは閉じた状態で測定をされると思うのですが、やはり、通常の使用状態が実態に合った測定をした上で漏洩線量がない。単純に計算すると、2.5μSv/は超えてませんとか、そのようなことをやるのかと思うのですが、そこの部分を実際どうされているのか。
 それと、少し気にしているのは、使っている放射線の線量計がきちんとエックス線を測れるものを使わないと、そもそも、何をしているのか分からないことになりますので、基発に載せるかはともかくとして、何らかの形で周知や明確化はいると考えているところです。まとまりがなくてすみません。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。これも宿題になりそうで、是非、皆さんのお近くの所で関係ありそうな情報があれば出していただきたいですし、古渡先生御専門の内容でも幾つか追記したいところは、もしかしたらあるかもしれませんので、その辺りも含めて、後ほど事務局にお話いただければと思います。ほか、いかがでしょうか。では、田北構成員から先にお願いします。その後、夏原構成員お願いします。
○田北構成員 IHIの田北です。全ての法令を見たわけではないので分からないのですが、例えば、ボックス型とか、そういう装置に対しては非常停止ボタンが付いている場合が多いのですが、これは法令で定めて付けなければいけないのか。あるいは付けるようにするとか、なければ、そのようにしたほうがいいかなと考えました。
○夏原構成員 島津製作所の夏原です。17ページで、御意見を頂きたいと書かれている所の文面で、前回の話で重要度が高い部分が反映されていないと思うので指摘しておきたいと思います。要は、先ほどから管理区域の話をああだこうだと言っていますが、いわゆるエックス線装置を可搬型ポータブルで、あちこち持って行って照射する場合に、管理区域を設定してエックス線作業主任者の方が安全管理者で安全を確認して作業するのは法律及び現場の流れです。
 そこで問題となるのが、一緒に作業している人々が必ず全員エックス線作業主任者を持っていないということ。もう1つは、1.3mSvを気にしながら計算して、3か月間での被ばく線量を気にしながら作業されている方が現場にたくさんいるのが現状です。ボックス型と称してしゃべっているものは、3か月間測って1.3mSvを論じているのだなと。前回の会議で申し上げたとおり、JIMA工業会としては、それを時間当たりに計算して2.5μSv/hourの計算を弾き出し、それは前回の議事録に書いてあるのですが、その数字の2.5より下でなければ、いわゆる免許がいるという立て付けというか、考え方を工業会に参加している三十数社には説明している状況です。
 だから、法律の考え方が、このボックス型とボックス型でない場合で、業界が向こうとこちらに分かれていますが、考え方の線引きが起きているという事実も前提に、先ほど、人が入れるものはどうだこうだとコメントを出してしまいましたが、人が入れる、入れないではなく、フリーでやっている世界のエックス線防護ボックスの中で、いわゆる数字が幾つ以下でないと駄目なんだと規定して、自主的にやっている分析装置等は全部それなのですが、そのような分類がはっきり分かれていることを、今回の17ページでは、されていないので少し気になります。以上です。
○飯本座長 重要なポイントを指摘していただきまして、ありがとうございます。また、これは足していただきつつ議論を深めたいと思いますが、大事なことは、どんな形であれ、ボックス型であれ、新たに設定する形であれ、管理区域というものがあったとして、その範囲の中に人が入って作業するのかどうかということと、その外にどのぐらいのリークがあるかどうかということを2つ分けて考えるということは、恐らく変わりないので、ただ、その運用の仕方が決定的に違いそうですね。だから、その辺りのことも具体的に現場でどういう形になっているかということを勉強させていただきながら、良い道を探っていくということになろうかと思います。大事なポイントをありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 今、議事録の話を言及いただいたのですけれども、ちょうど構成員の先生方に前回の議事録を確認いただいている時期だと思います。この後、チェックが終わって、全体の合意がとれたところで公開されると思っていますので、しっかり議事録を見ていただいて、直す所は直して公開という形になります。また、そこも御確認いただければと思います。ありがとうございます。
 では、最後の5番目の論点、22ページの安全活動への支援についてです。書かれた内容について、いかがでしょうか。まずは皆さんの御意見の反映について、よろしいですか。では5番の対応方針案、それから要検討事項という所で御意見があればお願いします。では、黒島構成員から松島構成員の順番でまいります。
○黒島構成員 基幹労連の黒島です。発言の機会をありがとうございます。今回示された対応方針案については、賛成の立場です。記載にあるように、好事例の横展開と継続的な教育、そして研修を組み合わせることで、エックス線装置による労働災害防止の実効性を高めていくことが極めて重要であると考えています。教育研修側との連携についても御検討いただければと思います。
また、事業者・労働者という点では、他の委員からも意見があったように、操業という意味のオペレーターとして従事する労働者なのか、事業者という意味でのオペレーターなのかをすみ分けた上で、資料の提供を頂けたら有り難いな思います。特別教育の内容については、先ほど古渡構成員からも発言がありましたが、エックス線装置の事故例を共有頂きたいと考えます。現場で働く者としては、エックス線装置の使用中にこうなったら恐いという危機感、安全意識を高めるという啓発が極めて重要だというように思います。
 また、情報の発信や共有については、情報が必要な所に適切に届くように、ホームページへの掲載、厚労省のメルマガによる発信など、具体的な方策について、今後も積極的に御検討いただければと思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。どうぞ。
○松島構成員 日本検査機器工業会の松島でございます。教育関係が、私ども業界団体としては貢献できる1つの道だと思っておりますが、その中で、それでは講習会はどんな種類を想定したらいいのかなと。先ほどの特別教育、特別教育というとちょっと言葉が限定したものになるのですね。特別な教育の意味だと思います。これは撮影に従事する方にある程度限定されているのですね。ですから特別という言葉を使っているわけです。しかし基本的には、その前提になる、先ほどおっしゃられた技能講習又は基本的な安全講習、これがあって然るべきだと思います。
 それから講習会を運営するというと、収支のことも考えなければいけないものですから、集客力を考えますと、私どもで考えているのは一番レベルの低い安全講習会。そして2番目がエックス線主任者受験のための講習会。そして今の現行法では、唯一特別講習だけが規定されていますので、これが1つある。しかし、その間にはもう1つ技能講習会、これがあって然るべきで、実際には4つではないかと。
 ただ、技能講習のようなものを受けさせるためには、もう少し法律上で明記しなければいけない点があると思います。事業者が安全教育をしなければいけないという言葉が、あちこち出てはきますよね。出てはくるのですが、ここには何年に1回とか、罰則規定も何も書いていないものですから、ほとんど実施されていないというのが現状だと思います。
 だから、法律的にもエックス線装置を使用する事業者は、毎年安全講習を行わなければいけないというような文言を追加していただくと、底辺の安全講習会に参加する人も増えるだろうし、資格を持った方々の技能講習、こういったものへの参加も増えてくると思うのですね。増えてくると実際にこれが運営できるように回っていくと。特別教育の場合は参加者が少ないということもあって、今現在は2か所しか講習会をやっていない。そこでまた名乗りを挙げていただいたNDT工業会さんが、今度、新たにスタートするということが望ましいですが、もっともっと増えないと、これは足りない講習会なのですね。そういった観点で少しレベルと目的を考えながら講習会を計画していきたい。そして役割分担がそれぞれありますので分けていきたいと、そんな観点で御支援を頂ければと思っております。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。古渡構成員。
○古渡構成員 ありがとうございます。量研機構の古渡でございます。私のほうからは、やはりグレーデッドアプローチを、ユーザーの皆様への教育に対しても適用すべきという点で、余りエックス線装置を使わないような方に対しても、食品の現場などにもあるというように認識していますが、エックス線について、さほど気を留めなくても被ばく事故というのは、なかなか起きないのかなと思うわけなのですが、そういった方に対しても、「手を突っ込んだりすると危ないんですよ」というようなところが伝わるようなコンテンツというのは是非、作るべきなのかなと思います。
 それに対して講義とか講習というのは、なかなか大変なのかなと思いますので、例えばe-ラーニングのような形を取るとか、ムービーを作っていただくとか、そういったことは、是非、考えるところなのかなと思います。
 それと、私のラボのことでちょっと恐縮なのですけれども、外国の方が一緒に働くという事例で、私の大学の先輩も外国の方で一緒に働いているのですけれども、やはり外国の方向けに、日本語がまだ上達段階なのかなという方に対しても、平易な分かりやすい日本語で伝えるようなコンテンツであるとか、場合によっては英語やその他の言語での、平易な内容の教育が広く行き渡る形、やはりe-ラーニングのようなものがいいのかなと思いますので、そういったことも検討していただければなと思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。田北構成員。
○田北構成員 教育ということで、各社で使っている装置が全然違ったりとか、場所が違うとか、いろいろなことがあるので、例えば各社で持ち帰ってリスクアセスメントを開けるような教育とか、そうすると各社で教育がやりやすくなると。それで自社の事例に基づいた危険の考え方がいろいろできて、いいのではないかなと思います。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。正にここは安全文化の醸成や強化のところの話になっていて、教育がどのメンバーに、つまり管理者やユーザー、管理者にもきっといろいろなレベルがあるのだと思いますけれども、どういう教育が必要かということを思い浮かべながら、恐らく事業者や、あるいはそれに近い関係の団体さんが考えを深めていくのではないかなと思います。既にそういう活動をされていますし、松島構成員からも具体的なお話が出ましたけれども、そういう流れが広がっていく中で、国からどういったサポートがあると、よりその動きがうまくいくかという観点になるのだろうなと思ったりしています。
 そういう意味では、この22ページの最後の要検討事項というのは、行政としてサポートいただきたいのは、こういう背景の中で、この部分というように、具体的に出てくると大変よろしいかと思います。そのうちの1つが先ほど松島構成員から上がってきたと思いますので、是非、具体例を積み上げていただいて、この場で共有をしてディスカッションを深めていければいいかなと思ったところです。
○飯本座長 どうぞ、夏原構成員。
○夏原構成員 先ほどの質問ですが、意見のあったe-ラーニングでやったらいいではないですかというのが、実は、e-ラーニングをやった場合に問合せをしたら、それに対応しなければならないというような基発が数年前に出ていて、だから、もし、この本件だけは解除いただけると、すごい業界を上げて大喜びみたいな。そういう基発が出ていますので、今回、釜田さんのほうで実施されるに当たって、そういう期間を設けて、問合せがあったときは、どんな質問でも対応して説明してあげますよというような取組に、わざわざなっているのは、その基発の法律厳守を目指すと、そうなっているのですね。
 我々、日本検査機器工業会のほうも、e-ラーニングは松島会長と何度か相談したのですけれども、この基発が出ている限り、フルタイム、事務所でしっかり答えられる人間をスタンバイしておくかというのは、事実上は無理なので、e-ラーニング方式は当工業会はやっていません。やれませんという、そういう状況です。
○飯本座長 ありがとうございます。釜田構成員、何かありますか。大丈夫ですか。
○釜田構成員 ポニー工業の釜田です。確かに、その辺のところの業界というのは大変なのですけれども、一応、その業界の中でやらないといけないというか、やはりそのエックス線を使って、我々としてはどちらかというと、非破壊検査が主体ではあります。ということで、やはりどちらかというとオープンのエリアの中で使うことが多いということで、非常に危険性が高いと。作業する方の危険性も高いですし、その周りの方に及ぼす危険性もある。と言いながら大体世の中はやりますから、余りソチはいらないのかなというように感じます。
 要望としては、「これを受けないといけないんですよ」、「受けてくださいね」というような後ろ盾があると非常に有り難い。やはり資料を作ったり教育したりということに関しては、ある程度費用が掛かってくるので、その分の回収ができないと、実は工業会としてもやっていけないという形になりますので、それを法律で作ってくださいというわけにはいかないとは思うのですけれども、「こういうのがあるので、受けていただくと非常にいいですよ」などというような話でバックアップしていただくと、非常に有り難い。本当は法律で作ってくださいと言いたいところですが、なかなか言い切れないという形でございます。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。本件のみならず、全体として現場実態はどうなっていて、現場としては何ができそうで、何が今の段階では難しそうだということを精査しながら、目標は何しろ被ばくする人をつくらない。そのためには何ができるかの1つとして、例えば教育があり、もちろん教育することが目的ではないわけで、教育をすることによって、しっかりと安全文化が醸成されて、そういう流れをつくることが目的だと思いますので、まずは現場が今はどうなっているか、それからできそうなこと、できなさそうなこと、何を変えていけばみたいな議論に、具体的に広がっていけばよろしいかというように思います。ありがとうございました。大変重要な情報を頂いたと思います。ほか、いかがでしょうか。どうぞ、山脇構成員。
○山脇構成員 ありがとうございます。先ほど他の構成員から教育手法の話がありました。オンラインやe-ラーニングといった手法自体が否定されるものではありませんが、効果はあくまでも対面で行ったものと同等であるということが前提でなければならないと思います。オンラインでもe-ラーニングでも、対面と同等の効果が期待できないのであれば、その手法はとることができないと思います。以上です。
○飯本座長 大変、本質的なところだと思います。ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは一通り終わったのですけれども、全体を通じて論点1番から5番まで、またこの範囲を超えて関連のことがあれば、御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、釜田構成員。
○釜田構成員 14ページの補足説明の件、これは工業会が関係することでございますので、ちょっと御説明をしておきます。実際にこのように45年から49年の中で、非破壊検査に関する事故が非常に多かったということで、これを受けて放射性同位元素等安全管理委員会というものが設立されてきたという形でございます。
 この中で主任者を集めて、どうしたらいいんだということを検討しようということで始まった話でございます。見るも無残な惨憺たることが書いてあるわけですけれども、とにかくアイソトープを使うということに関して、非常に装置のこともございましたし、それを取り扱う作業者の意識ということもございました。そういうところを改善するために、我々は活動してきたという形で、これは過去のことであるというように御理解いただければと感じております。以上です。
○飯本座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。議論に関して御協力いただきまして、大変ありがとうございます。たくさんの意見も頂きましたし、理解も深まりました。
 この後なのですけれども、今日、この資料を皆さん見ていただいて、対応方針案ですとか、要検討事項が具体的に挙がっていますので、それをお持ち帰りいただいて、今日の話の範囲を超える部分もあるかもしれませんけれども、是非、周辺の方と議論を深めていただいて、この対応方針案と要検討事項に関して、どういう情報が集まったか、どういう意見があったかというのを、具体的に事務局にお寄せいただけると大変よろしいかと思います。
 期限はいつというようには、なかなかやりづらいのだと思いますけれども、私の印象だと1か月ぐらいでうまく集めていただいて、皆さんの可能な範囲で、それを事務局にお寄せいただけると、次の委員会では、それを基に議論を更に具体的に詰められるかと思いますので、今日は個人的な意見も含めて頂いたかと思いますが、是非、皆様の周辺の方の御意見も集めていただければと思います。ペース配分はそんな感じでよろしいですか。ありがとうございます。
 では、直接、具体的に事務局のほうに皆さんの情報をお集めいただければと思います。また引き続き、事務局も前回の議論あるいは今回の議論を踏まえて、集められる情報があれば、国内外を含めて集めていただければと思います。よろしいでしょうか。よろしければ、事務局にマイクをお返しいたします。よろしくお願いします。
○大内専門官 次回の検討会の日程ですが、5月の後半を想定しております。数日中に皆様の御予定を伺いたいと思っております。引き続きお忙しいところと思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○飯本座長 では、御協力いただきましてありがとうございます。また引き続き、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。