技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第75回)議事要旨

人材開発統括官海外人材育成担当参事官室

 

日時:令和6年2月13日(火) 10:00~11:45
場所:Web会議
出席者:漆原委員、大迫委員、後藤委員、當間委員、花山委員、堀委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(空港グランドハンドリング職種関係)日本フライトケータリング協会、国土交通省航空局航空ネットワーク部航空ネットワーク企画課
(漁船漁業職種・養殖業職種関係)大日本水産会、水産庁漁政部企画課
(鉄道施設)日本鉄道施設協会、国土交通省鉄道局技術企画課
 
議題
(1)空港グランドハンドリング職種(インフライトケータリング作業)の職種追加について(試験案等の確認)
(2)漁船漁業職種及び養殖業職種の試験の実施・運営状況の報告について
(3)鉄道施設保守整備職種の試験の実施・運営状況の報告について
 
【概要】
(1)空港グランドハンドリング職種(インフライトケータリング作業)の職種追加について(試験案等の確認)
○ 空港グランドハンドリング職種(インフライトケータリング作業)を移行対象職種として技能実習評価試験及び審査基準を整備することに関して、日本フライトケータリング協会から試験案等について説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・防犯・防テロなどを安全衛生業務に位置付けているが、防犯・防テロなどは安全衛生業務ではないのではないかとの質問があった。これに対して、防犯・防テロなどは、安全衛生業務とは別の業務であるとの回答があった。これに対し、防犯・防テロなどが安全衛生業務とは別の業務ということであれば、安全衛生業務から除いて、別に項目を立てることになるのかとの質問があった。事務局から、法令上の用語として、必須業務、関連業務、周辺業務、安全衛生業務に整理されているところ、どのように記載するかは事務局で整理するとの説明があった。
・安全靴について、どのようなリスクがあって着用を求めているのか、そのリスクに対してどのような安全靴を選択するのか、そのリスクに対する安全衛生教育を行っているのかとの質問があった。これに対し、滑らないこと、落下物やカートで足をはさむことなどを防護することの両方を備えた安全靴を使用しており、安全衛生教育にあたっては安全靴を着用する目的についても教育し、学科試験の問題に加えていきたいとの回答があった。
・試験の採点方式について、加点方式と減点方式が混在しているが、試験の採点において間違えることはないのかとの質問があった。これに対し、製作等作業試験は、してはいけないことについて減点する減点方式とし、判断等試験は、正しい判断について加点する加点方式としており、試行試験を実施した結果、この整理が適切であると考えているとの回答があった。これに対し、試験の採点方式について、マニュアル等に記載しているのかとの質問があった。これに対し、マニュアル、採点基準を作成して各試験監督者の間で差異が出ないようにしており、試験監督者の間で差異が出た問題については、その原因を確認し、マニュアル等を修正しているところであるとの回答があった。
・第1号技能実習の必須業務が、第2号技能実習の必須業務に入っていないが、第2号技能実習では、第1号技能実習の必須業務は全く行わないのかとの質問があった。これに対し、天候や機材トラブル、事故等によって、航空機の出発、到着が大幅に変更になった場合に、その対応の応援としてそれらの業務を行うことはあるが、基本的には行わないとの回答があった。事務局より、審査基準において、第2号技能実習の必須業務に第1号技能実習の必須業務が含まれているのが通常であるが、日本フライトケータリング協会から説明された内容を踏まえて、事務局で改めて整理するとの説明がなされた。
・判断等試験について、写真や図を見て判断する問題であるところ、写真や図を見ることなく文章を読むだけで解答できる問題となっており、判断等試験になっていないのではないかとの質問があった。これに対し、試験問題を再検討する旨の回答があった。
○ 検討の結果、空港グランドハンドリング職種(インフライトケータリング作業)については、次回以降、引き続き、議論が行われることになった。
 
(2)漁船漁業職種及び養殖業職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 漁船漁業職種及び養殖業職種の試験の実施・運営状況について、大日本水産会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・命綱の着用や熱中症、低体温症に対する対策などの安全衛生対策が魚種や時期によって異なったり、また、魚の名前が地域によって異なったりするところ、それらの違いに対応して、地域や魚種などに細かく区分し、その区分ごとに詳細に対応した試験問題を作成しているのかとの質問があった。これに対し、同じ漁法であっても場合によっては南北へ遠距離で移動して大きく環境が変わることもあること、入国時期や試験時期などが技能実習生ごとに異なることなどから、地域や魚種や入国時期が異なる技能実習生ごとなどに細かく区分し、その区分ごとに詳細に対応した試験問題を作成はできないが、命綱に関しては学科試験で出題することはあるとの回答があった。
○ 報告の結果、漁船漁業職種及び養殖業職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
 
(3)鉄道施設保守整備職種の試験の実施・運営状況の報告について
○ 鉄道施設保守整備職種の試験の実施・運営状況について、日本鉄道施設協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・審査基準の安全衛生業務において、「労働衛生上の有害性を防止するための作業」との項目があり、メンタルヘルス、感染症対策などが想定されるが、具体的にどのような作業なのかとの質問があった。これに対し、具体的に想定しているものは無いが、労働者として働くにあたり必要な労働衛生対策は当然講じた上で実習することになるとの回答があった。
・審査基準に除雪作業の記載が無いが、実習生が除雪作業に従事することは無いのかとの質問があった。これに対し、除雪作業については従事することも考えられるが、現時点で受け入れている会社が降雪地域にはないことから、除雪作業への従事実績は無いとの回答があった。
・まくらぎ交換の作業について、第1号技能実習生と第2号技能実習生は同じ現場で実習をするとのことであるが、今後、技能実習生の数が増えていった場合に、第2号技能実習生には第2号技能実習の内容を、第1号技能実習生には第1号技能実習の内容をと、明確に区分して技能実習や試験を実施することは可能なのかとの質問があった。これに対し、1号技能実習ではペアの人の指揮の下に動けることを目標とし、2号技能実習では自ら仕事ができることを目標としていることから、完全に区別されているため、技能実習や試験実施にあたり、混同することはないとの回答があった。
・試験事務の収支について、受検料による収入で全てやりくりできているのかとの質問があった。これに対し、受検料について、学科試験が1万円、実技試験が3万円で合計で4万円に設定しているところ、職種追加からそれほど期間が経過していないことから、想定している技能実習生の人数に達していないため、現在は厳しい状況であるとの回答があった。これに対し、今後、人数が増えたところで、試験事務の収支を整理すべきとの意見があった。これに対し、整理するとの回答があった。
○ 報告の結果、鉄道施設保守整備職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
 
(以上)