第59回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録|厚生労働省

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和6年3月13日(水)15:30~17:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 共用第9会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間について
(2)その他

議事

議事内容
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、定刻になりましたので、第59回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。
本日も御多忙のところ、委員の方々には御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開・頭撮り可となっております。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほど、お願い申し上げます。
また、傍聴される方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
次に、本日の出席状況について御報告申し上げます。清元委員から御欠席の連絡をいただいております。現在、委員11名のうち10名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定に基づきまして、本日の会議は成立したことを御報告申し上げます。
本部会の資料につきましては、あらかじめ送付させていただきました電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から、番号05の利益相反関係書類までを用意してございます。
資料の不足等、御不明な点がございましたら事務局までお申し出ください。
なお、本日は頭撮りの申出はありませんでしたので、このまま進めさせていただきます。
それでは、ここからの進行につきましては、脇田部会長よりお願いいたします。
○脇田部会長 皆様、御参加いただきまして、ありがとうございます。今日もどうぞよろしくお願いします。
まず最初に、いつもどおり事務局から審議参加に関する遵守事項についての御報告をお願いします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
引き続き、審議参加の取扱いにつきまして御報告申し上げます。本日御出席いただいている委員から、予防接種・ワクチン分科会審議会参加規程に基づきまして、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請書類への関与について申告をいただきました。委員からの申告内容につきましては、番号05の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。本日は、議事内容に関しまして、退室や、審議または議決に参加しないに該当する方はいらっしゃいませんでした。
また、毎回のお願いででございますが、各委員におかれましては、講演料等の受け取りにつきまして、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、お願い申し上げます。
事務局からの報告は以上になります。
○脇田部会長 御報告ありがとうございました。
それでは、議事に入ってまいりますが、議事次第を御覧ください。今日の議題は「予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間について」、2番目として「その他」となっています。
まず最初の議題「予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間について」、進めたいと思います。こちらは、昨年の6月に一度議論させていただいたのですが、予防接種基本計画の見直しについての議論の一部ということになります。今日は、この基本計画見直しの論点の一つとして、予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間についてというところで議論を進めて、委員の皆様から御意見いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
最初に、事務局から資料1の説明をしていただきますので、お願いいたします。
○松岡予防接種課課長補佐 事務局でございます。
それでは、資料1に基づきまして御説明させていただきます。「予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間について」を御覧いただければと思います。
まず、1ページ目でございます。先ほど脇田部会長からも御案内いただきましたように、基本計画の見直し等の論点として、予防接種事務デジタル化、また接種記録を挙げさせていただいているところであり、本日はこれらについて御審議をいただければと考えております。
2ページ目、お開きください。本日のテーマでございますが、【1】全体スキーム、また【3】予防接種データベースにつきましては、現在の検討状況について御説明さしあげ、意見をいただきたいと思っております。【2】接種記録の保存期間については、御議論いただきたい点ということで論点を挙げさせていただいており、特に、この保存期間について御審議いただければと考えております。
続きまして、4ページ目をお開きください。まず、全体スキームのこれまでの経緯でございますが、予防接種事務デジタル化に関しましては、予防接種法改正が令和4年になされているところでございます。
続きまして、5ページ目でございますが、こちらが改正の概要ということで、(2)予防接種事務のデジタル化等ということで、オンライン対象者の確認の導入、予防接種データベースの整備という大きな柱、2つを整備しているところでございます。
続きまして、6ページ、おめくりいただければと思います。では、現状と改正後、どういったことが可能になるかといったところを表している資料でございます。現状は、御承知のとおり、今、予防接種事務に関しましては、紙の予診票を使っておりまして、請求自体も紙で行っているといった流れになっております。また、有効性・安全性に関する調査・研究につきましても、厚生労働省が自治体の実施状況を把握できないといった点や、有効性・安全性に関する調査のための情報基盤がないといった現状でございますが、改正後に関しましては、右の箱のところでございます。
個人番号カード、マイナンバーカードを用いたオンライン対象者確認を実施するなど、事務をデジタル化していく。また、対象者の確認とか費用請求もオンラインで行うことにより、接種記録の管理、費用請求、支払事務の効率化にもつながるというふうに考えております。
また、マル2といたしまして、データベースの構築ということにより、効率的・効果的な調査・研究を可能とするということで、匿名データベースを整備していくということを考えております。これにより、予防接種の有効性・安全性に関する調査・研究を充実させていくといったところでございます。
7ページ目が現状のイメージの図でございます。
8ページ目、おめくりください。こちらがデジタル化後のイメージということでございますが、左の真ん中のところに予防接種記録・予診情報管理システムといったものや、右のところに予防接種データベースといったシステムのほうを記載させていただいております。こちらのシステム、まさにデジタル化に必要なシステムというものを、今、準備を進めているところでございます。
続きまして、9ページ目でございます。こちらはこれまでいただいた委員の御意見等をまとめたものでございます。上が御意見でございますが、1つ目が予防接種記録と診療録のひもづけということでございますが、こういったことに関しても議論を進めていくべきだといった御意見。
また、2つ目に再勧奨のシステム化といったところで、まだ接種が完了していない人に対する通知というものに早急に取り組んでいただきたいといった御意見をいただいております。
また、下の部分に関しましては、予防接種基本計画に現在記載している事項でございます。本人による接種歴の確認方法として、母子健康手帳の活用が重要であるといった点や、接種スケジュールの確認方法といたしまして、国民一人一人が自分の情報をインターネット上で確認できる仕組みを通じ、接種スケジュールや予防接種歴の確認が可能となるよう、必要な準備を行うと定めております。
また、接種率の把握方法についても、接種率を把握するため、データベースを整理するといった点。また、国が保有するレセプトデータ並びにその他各種調査及び統計の活用を図るよう努めると定めているところでございます。
続きまして、10ページ目以降が現在の検討状況でございます。
11ページ目、お開きください。こちら、医療DXの推進に関する工程表ということで、昨年の6月に決定されたものでございます。ここには、国や地方単独の医療費助成、予防接種、母子保健に関する事業の手続の際に活用できる、マイナンバーカードを利用した情報連携について、希望する自治体や医療機関から運用を開始するといったことが記載されており、予防接種だけではなくて、医療費助成、母子保健といったところに関して、全体としてマイナンバーカードを活用した事業というものを先行して実施していくといったところが定められております。
12ページ目をお開きください。こちらが実際のサービス概要でございまして、真ん中のところ、今、デジタル庁でPublic Medical Hubといった情報連携基盤というものを開発しておりまして、自治体のシステムとも連携してマイナンバーカードを活用したデジタル予診票により、マイナンバーカードで実際に接種が受けられるといった環境の準備を進めているところでございます。
続きまして、13ページ目、こちらがそのイメージでございます。左真ん中のところでございますが、Public Medical Hubを基盤としてデジタル化を先行して実施していくといった事業を、今、実施しているところでございます。
14ページ目をお開きください。こちらが先行実施自治体、今、予防接種分野におきましては9自治体ということで、御参加いただいております。こちらは御紹介でございます。
続きまして、15ページ目、お開きください。こちらは工程表ということで、スケジュール。真ん中下のところに予防接種の部分がございます。先ほど申し上げた先行実施というものを6年度、7年度実施していきまして、令和8年度以降に全国的に予防接種を運用していくといったスケジュールを引いているところでございます。
続きまして、16ページ目でございます。こちらは全国医療情報プラットフォームということで、全体として進めているイメージ図でございます。予防接種のみならず、医療情報基盤、介護情報基盤といった全体でこういった医療DXを進めていくといったところで、今、準備を進めているところでございます。
続きまして、17ページ目でございます。こちらは実際に予防接種事務がデジタル化すれば、どういったことが実現できるのかといったものをまとめたものになります。
まず、接種対象者におかれましては、予診票の電子化により、何度も手書きする手間がなくなるといった点や、接種勧奨の通知をスマートフォンで受け取ることができる。また、過去の接種記録自身もスマートフォンで参照できるようになっていく。また、里帰り出産等の例外的な住所地外接種を希望する方の事前申請等の現在の手続を不要としていくことを考えております。
また、医療機関におかれましては、電子的に過去の接種記録の確認や接種間隔等をシステムでチェック可能ということで、間違い接種防止につながるといった点。また、接種記録を電子的に登録することができ、市町村に紙の予診票や請求書の送付が不要となるという点の実現を目指しております。
また、市町村におかれましては、接種対象者のスマートフォンにデジタル予診票や接種勧奨のお知らせをダイレクトに送付できるといった点。また、医療機関が電子的に登録した接種記録というものが市町村に連携され、記録のシステムへの入力が不要となるといったところ。また、転出入があった場合でも、市町村間で連携して住民の過去の接種記録を閲覧できるといったところの実現を目指して、今、取り組んでいるところでございます。
18ページ目でございます。こちらは医療機関での業務フローのイメージでございます。受付のところで、接種を受けられる方がマイナンバーカードを提示していただきまして、医療機関のほうでオンライン資格確認システムによる本人確認を行うといったところ。ここでシステムチェックによる接種間隔の確認だったり、予診票の確認を行っていく。
その上で、医師が予診票等を確認して予診を実施した後、予防接種を実施していただきまして、実際に接種記録をレセプトコンピュータ等に入力していただくということで、右下にあるような請求・郵送業務といったものの削減に繋がるかと考えております。
19ページ目でございます。こちらはこういったデジタル化の取組に関する自治体のアンケートの結果でございます。自治体職員の業務省力化、住民の利便性向上といった点、デジタル化することによって、おおむね賛同いただいているといったところでございます。
続きまして、20ページ目でございます。同様に医療機関に関しましてアンケートをさせていただいておりまして、医療機関におかれましてもデジタル化に前向きな回答をいただいているといったところでございます。
続きまして、21ページ目でございます。こちらから、これまでいただいた御意見等への検討状況ということで、現時点の検討状況について記載させていただいております。今後、変更となる可能性はありますが、例えば接種記録と診療録の紐づけにつきましては、通常の診療の際に、ここにあるような予防接種記録に同意するといったボタンを設けることで、薬剤情報と同様に、過去の接種記録についても本人同意の下、医療機関で閲覧できないかといったことも検討しているところでございます。
続きまして、22ページ目でございます。再勧奨のシステム化に関しましては、自治体が自治体端末、自治体のシステムを操作することにより、保護者等のスマホのアプリに対して接種勧奨の通知を送付できるようにすることを今、検討しているところでございます。
また、接種勧奨や再勧奨のタイミングにつきましては、自治体によって現状、様々な方法がございますので、その点も踏まえて、自治体が自由なタイミングで通知を実施できることを可能にする方向で検討しているところでございます。
続きまして、23ページ目でございます。本人による接種歴の確認方法でございますが、予防接種の接種記録については、現行もマイナポータルアプリにおいて閲覧できるほか、民間アプリにおいても閲覧することが可能となっております。
母子健康手帳につきましては、現在、右下にあるように、こども家庭庁において電子的な交付の検討が行われているところでございますので、今後、厚生労働省としても連携して検討していくことを考えております。
24ページ目でございます。こちらは接種スケジュールの確認方法ということで、イメージとしてマイナポータルアプリでの表示イメージを記載させていただいております。左のところですが、今、受けられる予防接種・ワクチンは何かといったものが表示されるようになっておりまして、一番右のところ、予診票のイメージでございますが、質問項目を「はい」「いいえ」で並べて、これをチェックしていくことでデジタル予診票ということで、今、先行的に手を挙げていただいている自治体とも協議しながら、こういった画面の構築等も進めているところでございます。
25ページ目でございます。こちらは接種率の把握方法ということで、デジタル化が実現すれば接種記録が電子的に登録され、即時にシステムに反映されるといったことも可能となりますので、ここのイメージにありますような接種数の推移だったり、接種率の推移といったものも分かりやすい形で公表できないかといったことも、現在検討しているところでございます。
続きまして、26ページ目以降が保存期間の部分でございます。
27ページ目、お開きください。令和元年12月に予防接種記録につきましては議論いただいたところでございます。右の検討のところでございますが、接種記録の電子化の状況、今後の活用の可能性等を踏まえ、接種記録の保存方法・保存期間等の在り方について、どう考えるか。
また、予防接種記録のさらなる活用の在り方について、どう考えるかといった点について御意見、御審議をいただいているところでございます。
接種記録の活用についてということで、28ページ目でございます。こちらは自治体、保護者、医療機関等の活用方法について示しているものでございます。
29ページ目でございます。こちら、保存期間のルールといったことで整理させていただいております。現行、接種記録は5年間保存しなければならないということで予防接種法施行規則に定めているところでございます。
また、5年間保存のルールに併せ、自治体間でやり取りできる接種歴の情報やマイナポータルで閲覧できる接種記録も5年分となっているのが現状でございます。
他の情報の保存期間等につきましては、下の表に示しているとおりでございまして、健診情報等は5年の保存期間を設けているものが多いといった状況になっております。
おめくりいただきまして、31ページ目でございます。当時いただいた御意見でございます。5年という区切り、接種記録を延長するといったところには、当時議論いただいて御賛同いただいているところでございますが、改めまして、今日、論点として挙げさせていただいているところでございます。
32ページ目以降が、その後の御議論いただきたい点としてまとめております。
まず、33ページ目でございますが、予防接種における接種歴の意義についてでございますが、ここにありますように、BCGワクチンや風しんワクチンのように、10年以上効果が継続するといったワクチンもございまして、長期にわたり接種記録を保存することが適切と考えられる事例も存在しているところでございます。
また、34ページ目、お開きください。風しんの追加的対策でございますが、こちらにつきましては、40代~50代の男性が対象ということで、過去の接種歴が数十年後の予防接種施策に影響を与えることもあるといった事例もございます。
続きまして、35ページ目は記録に関する自治体のアンケート結果でございますが、自治体のアンケートに関しましても、デジタル化に合わせて接種記録の保存期間延長が必要である旨の意見が寄せられているといった状況でございます。
36ページ目、お開きください。こちらは他の制度における情報の保存期間ということでございます。2つ目の○の太字のところでございますが、オンライン資格確認等システムへの保存が検討されている6情報(電子カルテ情報)の保存期間については、5年間程度を基本とする。それを超えて長期的に保存することが望ましいと医師が判断した場合には、当該情報を保存できるシステムを構築するとされたところでございます。
37ページ目が実際の6情報の保存期間ということでまとめている資料でございまして、続きまして、38ページ目でございます。保存期間に関連する法令等ということでございまして、オンライン資格確認等システムに保存される情報の保存期間及び関連する法令等ということで、特定健診は5年、薬剤は3年、6情報については5年となっているところでございます。
39ページ目、まとめでございます。上のまとめの部分、予防接種のデジタル化が実現すれば、長期にわたる記録の保存が容易となる。
また、過去の接種歴が、生涯にわたり、接種可否の判断等に影響を与える可能性があるといった点。例えば、風しん対策のように、過去の接種歴が数十年後の予防接種施策に影響を与えることもあるといったところがございます。
また、自治体からも接種記録の保存期間の延長を求める声をいただいているところでございます。
こういった点を踏まえまして、事務局案として2点挙げさせていただいております。
1つ目は、予防接種に関する記録について、予防接種のデジタル化に合わせ、現状の5年から延長することとしてはどうかといった点。
また、個人情報の取扱いや他の同様の制度との均衡性等の観点から、配慮すべき点について整理した上で、具体的な期間や運用ルールを定めてはどうかといったところを事務局案として御提示させていただいております。
一旦、ここで切らせていただいて御審議いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
まず、議題1の予防接種事務デジタル化及び接種記録の保存期間について、3つの論点といいますか、パートに分けてということですが、最初の2つですね。1番目の全体のスキームを説明していただきました。それから、2番目の接種記録の保存期間についての御説明があり、それで、2番目のパートについては、まとめと事務局案ということで案を示していただきました。つまり、現状、保存期間が5年間ということですけれども、これが予防接種の接種記録というところで、それがもう少し長期に閲覧であったり、活用が可能とするべきではないかというところですね。
今回は、5年間をどのように具体的に延長するかというところまでは整理がされていませんので、これをお認めいただければ、その点をさらに整理して具体的な議論をしていくというルールを定めていくということだと理解しています。ですので、デジタル化についても意見をいただき、それから保存期間については、具体的な事務局案に関する御意見をいただければと思っておりますので、委員の皆さんから御意見があればお願いしたいと思います。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。御説明どうもありがとうございました。
私も、デジタル化と保存期間を延ばすということに賛成でございます。例えば、がん登録情報というのは、がん登録推進法の施行令で個人が識別できる状態で100年保管するということです。そこまでやる必要はないのかなと思いますが、風しんとかを考えると、例えば自分の孫が結婚して、自分が風しんの抗体があるかどうかということもかなり重要なこととなるので、長期間の保管が必要ではないかと考えております。
それから、災害多発国なので、母子手帳が災害の際に失われてしまって過去歴が分からないということもありますので、長期間の保存が必要かなということです。
それから、現場の行政では、子供のときに接種を受けて、それで高校を卒業されて海外の大学に行くときに、市町村に予防接種の歴の証明を発行してくれという依頼が結構来るのです。年間、かなりの数が来て、本人が母子手帳を持ってくる場合はいいのですけれども、分からないと言われたときに困ってしまったりするので、こういう国際化の時代は、併せて、そういう一定期間、市民の利便性ということを考えると、長期間の保存が必要かなと思います。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続けて意見を伺ってまいります。白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
予防接種のデジタル化については、今までも要望というか、日本のDXが遅れているということの一つとしても挙げられたと思いますし、総論として賛成だと思います。
ただ、コロナのことを考えてみますと、デジタル化が遅れていたという中で、これはワクチンに限りませんけれども、HER-SYSのようにデータベースがかなり大きくなると、全国的に広がると不具合やトラブルがあって、うまく動かなかったということもありますので、各論でいろいろなシステムの具体が分かってくると、またいろいろな意見も出てくるかなと思いますし、市町村業務としても負担が少ないように、持続可能な方法としての対応をぜひいただきたいと思います。
先ほど坂元委員がおっしゃいましたけれども、災害時のシステムや、サイバーセキュリティ対策とか、市町村はいろいろ工夫している中で、なかなか統一したものがないと思いますが、災害とか停電とかの際にも、そういう意味でのバックアップも必要かなと思いますし、その場合にシステムサポート窓口も重要と思います。
1点質問ですけれども、17ページでシステム機能のイメージというところの真ん中に国保中央会があるのですが、もちろん平時でこういうことをやっていくということだと思うのですが、コロナのようなパンデミックの際の臨時接種なんかも国保中央会が入って、このシステムを動かせる形になるのか、その辺を教えていただきたいなと思いました。
また、長期の記録の保存については、その接種については子供だけでなく、高齢者もありますので、生涯、自分の接種歴が分かるというような形で残していただくというか、そういう構造が望ましいと思っています。
以上です。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、伊東亜矢子委員、お願いします。
○伊東委員 ありがとうございます。
大きな基本的なスキームと保存期間延長というところについては、異議ございませんので、賛成でございます。
1点、資料24ページにデジタル予診票のイメージを出していただいていましたが、今後の運用に関わるところだと思うのですけれども、どうしてもデジタルで、配られた説明書を読みましたか、副反応を理解しましたかという、そのポチをしただけでは理解が十分でないということは当然あると思いますので、医療現場で実際に接種の際に、その予診票が取れているから大丈夫ということではなくて、説明の部分はきちんと口頭でも補完していただくという運用が必要なのではないかなと思いましたので、意見でございます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、宮入委員、お願いします。
○宮入委員 ありがとうございます。
私も、デジタル化ということと保存期間の延長ということに関して、全く異論はありません。1つ、その背景となるコンセプトとしては、利便性の向上だけではなく、このシステムをもって国民の健康を、長期にわたって、生涯にわたってサポートしていくのだというコンセプトが示されると、おのずとどのくらいの期間が必要なのかといった答えが出てくるかなと思いましたので、方針について、検討していただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 デジタル化の推進については、ぜひ進めていく必要があると思いますが、既にこれまでにも御意見が出ているところですが、そのデジタル化に当たって、なるべく入力の手間が増えないように、できるだけの対応をしていただきたい。特に電子カルテにきちんと入力するということをもって、その情報がしっかり利用できるというような体制の構築がぜひ必要だろうと思っています。
それから、予防接種記録の保管については、先ほどがん登録のお話も出ましたが、費用に対する考慮をしなくてよいのであれば、生存している間は全て記録が残るというのが最も合理的だろうと思うのですね。ただし、それに対する費用があまりにかかり過ぎるから、そこに行くまでの間には年数を制限しなければいけないというような考慮が必要かどうかというのは、よく考えてみる必要があると思います。
それから、他のデジタル化の進捗が進んでいる国では、どういう対応が行われておるのかということを私は全然承知していないので、その辺りの情報も踏まえて判断していったらよいのではないかと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、磯部委員、お願いします。
○磯部委員 磯部です。
私もデジタル化と記録の保存の延長という方向には異論ございません。
コメントとしては、デジタル化を進める際には、常にデジタル化からこぼれ落ちてしまう、そういうものは得意じゃない人に対しても、不合理な不利益をこうむることがないように手当てをしていただくことを常にセットで考えていただきたいということと。
先ほど宮入先生がおっしゃった、単に利便性向上を言うのではなくて、国民の健康を生涯にわたってきちんと維持・向上するという大きな方針、ポリシーの下で改革が進められるべきだというのは、そのとおりだと思います。私も昔、予防接種の記録は一体誰のものなのだろうかということをここで言ったことがあるのですけれども、予防接種の台帳の5年を延ばせばいいというだけでは、多分ないのだろうと思うのですね。先ほど5年としている例として、幾つかカルテのこととか健診記録とか、出てきましたけれども、同じような意味でカルテの情報についても5年じゃなくて、もっと延ばしたほうがいいのではないかとか、ほかにも併せて検討するべき課題があるのではないか。それとのバランスというのは非常に関心があります。
私、医薬品等行政評価・監視委員会の委員長をやっているものですから、薬害の方々なんかは、医師法がカルテ保存義務を5年としているというのは非常に短いということをよくおっしゃっていて、そういうのも念頭にあったものですから、そこは一緒に考えていただきたいということをちょっと申し上げたかった次第です。
あと、この後のデータベースをどう構築するかにも関わるのかもしれませんけれども、現在、5年保存する主体は市町村とかですが、データベースができたときに、そのデータベースを運用する主体は誰なのか。市町村の義務と、データベース化されたときの情報の管理との関係が、ちょっとよく分からないなという気がしたので、それはどこかで教えていただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
ワクチンの接種歴とアレルギー歴に関しては、その人の固有のデータとして保存するのは大切だと思いますので、今回の議論はよかったなと思っています。
一方で、医療現場では、例えば私ども医療従事者は、抗体価を測って、ムンプスの抗体価が低いとワクチンを2回は打てという話になっていて、1回打っても低いと過去にワクチン接種の記録が残っていないからもう一回打てと言われるのですけれども、今回の議論は定期接種についての議論が主だと理解しますが、定期接種外のワクチン、例えばイエローフィーバーもそうですし、将来的に定期接種になるかもしれないワクチンについて、どういう取扱いをしていくのか、現時点でどこの範囲のワクチンを考えているのかを教えていただきたいと思います。
もう一点ですが、現在、予診票は自治体によって違っていると認識していますが、今後、デジタル化によって全国統一の予診票になっていくことを期待していますが、それもいいことだと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
分かりやすく方針をまとめてくださいまして、ありがとうございます。予防接種に関する記録を5年間からさらに延長する。何人かの委員の先生がおっしゃっておられたように、ワクチンの記録という観点からは、長い期間保管することが私も望ましいと思います。ただ、今日の2つの○で書いていただいてあったように、個人情報に関することや配慮すべき点。また、他の制度との兼ね合いも含めて、具体的に何年かというのは、確かに細かいところを詰めていくといろいろな問題が出てくると思いますので、それはきっとこれからの議論になるかと思います。
医師として、小児科医、ワクチンを実際に打っている者としては、有効性の検討、さらには安全性の検討、両観点から長い記録があってしかるべきであって、海外諸国では既にそういった論文も報告されていれば、それに基づいて、その国の予防接種のやり方というのが決まっておりますので、ぜひ長い期間保管していただくように調整いただければと思います。
そして、利便性のことに関して、あまり具体的な御意見がなかったかと思いますので、少し述べさせていただきますと、海外へ渡航する際の日本での接種記録、坂元委員も少し触れられました。接種の現場でも、そのリクエスト、これまでの接種記録を英文で準備してほしい。かなりの数、確かにあると思います。その点の利便性が図れればいいと思いますし、場合によっては、何も英語だけでなくて、フランス語だったり、中国語だったり、スペイン語だったりすることもあるので、せっかくデジタル化をするのであれば、最低限の情報はいろいろなアプリで各国の言語に訳せるとか。
もう一点は、予診票に関しても利便性を図るということがございましたけれども、可能であれば、今、国内には海外にルーツを持つ方、海外と接点のある御家族、すごく増えてきています。日本語の予診票でどれだけ全ての情報が、日本語が堪能な方と同じようにしっかりと伝わっているかなということも思いながら、英語で補足しながら予診していることもありますので、ワクチンに関する説明とか接種に関する説明が、海外から日本にいらして、日本でワクチンを打てる方にも使用できるようなツールになるといいなと思っています。ぜひ充実させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
私のほうからも幾つか意見ですが、デジタル化が実際の事務負担軽減につながるようにというお話がありました。一方で、デジタル化するのだけれども、磯部先生の御意見にもあったように、こぼれ落ちる人がいなくなるようにということで、紙ベースがどうしても残ってしまう、残らざるを得ないというところが出てくる。そうすると、むしろ事務負担が増えないように、また、できるだけ工夫をしていただきたいということがあります。
それから、利便性についてのお話がありました。個人の利便性というのは、もちろん海外渡航の際に有効に使えるということがあるのですけれども、国民全体のワクチン接種がどのように進んでいるか、接種率がどうなっているかという情報を今、得るのは非常に難しい。つまり、予防接種の政策を決める上においても、こういったデジタル記録というものがあると、国民の健康にとって非常に有益であろうと考えますので、全体的な予防接種政策を考える上でも有用であると思っています。
最後に、釜萢先生からもありましたとおり、具体的に考えていく上では、現在、他国でどのように進められているのかというところも参考にしたいと思いますので、事務局のほうで情報収集をぜひお願いしたいと思っておりますというところを私も述べたいと思いました。
さらに追加の御意見がなければ、様々御意見がございました。デジタル化と保存期間延長に関しては、皆さん、おおむね御賛成の御意見だったと思うのですけれども、いろいろ御意見がございました。具体的には、生涯保存するということが必要ではないかということがあったり、磯部先生からは、保存期間に関して、ほかのカルテデータの保存期間についてなどとのバランスというものも考える必要があるのではないか。伊藤先生からは、御質問として、定期接種のものだけを考えているのかということであったり、白井先生から国保の中央会が臨時接種も活用されるのかということがあったかと思いますので、事務局からお返事いただけるところを少しいただきたいと思いますので、お願いします。
○松岡予防接種課課長補佐 御意見ありがとうございます。順次お答えさせていただきます。
まず、坂元委員の御意見ありがとうございます。がん登録100年といった他の制度の部分もございますので、そういったところも参考にしながら進めていけばと思っておりますし、災害の視点でのデジタル化の活用といった視点も非常に重要だと思っております。そういった点も踏まえながら進めていければと思っております。
また、白井委員、おっしゃっていただいた御質問でございます。17ページでございますが、国保中央会のほうでシステムをというような絵になっているが、臨時接種でも活用できるのかといったところでございますが、もちろん定期接種での活用、また臨時接種の活用というものは念頭に置きながら、今、準備を進めているところでございます。
また、伊東委員のほうから、デジタルで予診票で説明だったりといったところがあるのですけれども、口頭・対面での説明での運用も必要だといった点でございますが、これはもちろん重要な点でございます。医師のほうからしっかりと説明していただくことが重要だと思いますので、それは引き続き、デジタルになっても実施していただくことが必要だと考えているところでございます。
また、釜萢委員のほうから、入力の手間が増えないようにといったところで、電子カルテも踏まえながら体制を構築していくべきではないかといった御意見、いただいております。まさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、関係部局とも連携しながら、電子カルテの普及と併せて予防接種のデジタル化というものも進んでいくと思っておりますので、しっかりここは連携しながら進めていければと思っております。
また、保管費用の点も御指摘いただきましたので、この点も当然考慮しながら進めていければと思っておりますし、ほかの委員からも幾つか御意見いただきましたが、ほかの国での対応がどうなっているのか。ここにつきましては、この情報等も可能な限り調べて、また御提示できればと思っております。
また、磯部委員から御指摘ありましたデジタル化に乗れない方々への対応というところもセットで考えるべきではないかということで、まさに重要な観点だと思っておりますので、当然、全ての方のデジタル化というのではなく、紙の予診票の対応というのも一定程度残る部分もあるかと思います。併せて、当然考えていきたいと思っております。ありがとうございます。
また、カルテの保存期間だったり、ほかの制度とのバランスも重要だという御意見いただいております。先ほど申し上げたとおり、がんの話だったり、カルテの部分、それぞれの保存期間等の他の制度も見ながら、予防接種の保存期間についても検討を今後進めてまいりたいと思います。
あと、匿名のデータベースを運用する主体はということでございますが、こちらは国のほうで管理するといったところでございます。個人の接種記録については、市町村、自治体で管理するといったところでございます。
また、伊藤先生、御指摘いただきました定期接種以外のイエローフィーバーといった海外渡航用ワクチンだったり、今、入っていない任意接種のワクチンだったりといったところでございますが、まずは定期接種を対象にということで進めているところでございまして、結果的に今、任意であっても、将来的に定期接種に入ったということであれば、当然対象にはなるかと考えております。ただ、今の任意接種の部分だったり、海外渡航用のワクチンにつきましては、また定期接種を進めていく中で今後検討していくといったところで、まずは定期接種でのデジタル化の構築をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、中野委員のほうからは、外国語対応の部分の御指摘もいただきました。こちらもデジタル化に併せて、どこまで対応可能かといったところについても、併せて検討させていただければと思っております。
また、脇田部会長からは、接種率の把握は重要だということで、それが見える化する形、VRSでも実際にそういうことができておりましたので、そういったコロナでの経験も踏まえながら、デジタル化といったところの構築をしっかりと進めてまいりたいと思っております。御意見ありがとうございます。
事務局からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今、事務局からリアクションいただきましたけれども、さらに委員の先生方から御意見、御質問等あればと思いますが、いかがでしょうか。おおむね大丈夫ですか。ありがとうございました。
そうしましたら、今日の議題1の3つの論点の最初の「全体スキーム」「接種記録の保存期間について」ということですけれども、両論点について大きな異論はなかったと考えます。おおむね皆さん御賛同いただいたところですので、全体スキームに関しては御意見がありましたので、事務局におかれましては、その点も考慮していただいてデジタル化を進めていただきたいということだと思います。
それから、保存期間の延長ということですけれども、こちらも5年間というのをさらに延長するという事務局案の方向性で大きな異論はなかったと思います。ただ、まだ具体的にどのようにするのか、延長に当たって配慮すべき点ということ、いろいろな御指摘がありましたので、事務局におかれましては、こちらも様々な御指摘についても改めて整理していただいて、さらに議論を進めるための準備を行っていただきたいと考えております。
というところで最初の2つはまとめてさせていただいて、3番目の「予防接種データベース」のほうに進めさせていただきたいと思います。また、事務局からこちらの御説明をお願いできますか。
○吉原ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。
それでは、40ページ以降、説明させていただきます。
41ページでございます。予防接種データベースについて、これまで令和4年9月の予防接種・ワクチン分科会で御議論いただきまして、幾つか意見をいただいているところでございます。こちらに書かせていただきましたとおり、例えば、多様な意見を聞きながら考えていくプロセスが重要であるとか、副反応の情報も取れるのか。また、システムの運用や分析といったところの手当てについての御意見をいただいたところでございます。
また、従前より予防接種基本計画の記載事項にも書かれているところでございます。
一番下ですが、現状の方向性としましては、予防接種データベースについては、令和7年度からの開発に向けて要件定義中でございます。
今後の予防接種デジタル化を機に、これまで手書きでの報告を前提としていました副反応疑い報告の様式を、報告者の利便性にも考慮し、電子報告に適した様式に改訂し、併せて電子報告を促すことで効率化を図ることについて、予防接種データベースの検討状況とともに、令和5年9月1日開催の第95回副反応検討部会において御報告、御議論いただいたところでございます。
また、NDBとの連結解析を前提に、予防接種データベースに格納する必要な情報や、その収集方法については検討しているところでございます。
42ページは、予防接種デジタル化のイメージの将来像でございますけれども、こちらの右の赤の枠の中がデータベースでございますが、こちらの中に2つ矢印が入っておりますとおり、予防接種記録・予診情報管理システムから接種記録が匿名で入り、またPMDAから副反応疑い報告が匿名で入るというところでございます。こちらのデータベースの管理主体は国でございます。こちらについてデータベースをNDB等のレセプト情報のデータベースと連結し、様々な解析を行うことを将来のイメージとしております。
43ページでございます。予防接種データベースの整備イメージでございます。下の絵の中でございますけれども、一番下の自治体のところから矢印が出ておりますけれども、自治体にある予防接種の実施状況等に係る情報について、これまで既存の情報が既にあるところでございますが、こういった生年月日や接種年月日、接種したワクチン等の実施状況等に係る情報が予防接種データベースに格納されていくことをイメージしております。
また、絵の中の右側一番下、医師等からPMDAに報告されました副反応疑い報告に関する情報についても、こちらも既存の情報ではございますけれども、これらを予防接種データベースの中に格納していくというところでございます。
44ページは、現状の副反応疑い報告の仕組みでございます。こちら、割愛させていただきます。
45ページも、現行の副反応疑い報告制度における報告事項でございます。こちらも割愛させていただきます。
46ページでございます。ワクチンの安全性評価について、こちら、令和2年1月の基本方針部会で御議論いただいた点でございますけれども、下の絵の左側でございますが、現状、リスクの探知として副反応疑い報告等の取組がございますが、こちらについては、予防接種後の一定の基準時間の間に予防接種由来の何らかの事象が発生したことを探知するものでございます。
一方で、右側のところでございますけれども、リスクの検証(疫学調査等)が必要ではないかといった御意見があったかと思います。こちらの2つ目の○でございますけれども、ワクチン接種群/非接種群におけるリスクを比較して安全性を評価するといった取組が必要であるということでございます。
47ページでございますけれども、先ほど申しましたワクチン接種群/非接種群におけるリスクを比較するということ。下の絵の左側にリスクの検証と書いておりますが、これを実現するには、現行のデータでは容易ではありませんで、右側の青い表にありますとおり、個々のデータはあるのですけれども、それぞれ合計のみであったり、またA・Bそれぞれの分類が難しいといった現状がございます。
48ページが、令和4年における法改正の概要でございます。予防接種の有効性及び安全性の向上に関する調査等を可能とするために、市町村等に対し、定期の予防接種等の実施状況に関する情報等の提供を義務づけるよう、以下のような法改正を行ったところでございます。
49ページは、令和5年9月1日に御議論いただきましたワクチンの安全性評価及び副反応疑い報告の現状と今後の方向性についてでございます。こちらの副反応部会で御議論いただきました方向性としましては、下のワクチン安全性評価全般についてのところで申しますと、右の赤枠、方向性のところですが、昨年、令和4年12月の予防接種法の改正に基づき、市町村や保険者等が保有しているワクチン接種歴等の情報を活用し、ワクチンの安全性評価における「リスクの検証」について取り組む方向性で検討する。
また、この取組に向けまして、予防接種データベースに格納する情報や分析手法、反映の在り方については、関係の専門家と連携し、技術的検討を進める方向性となっております。
また、下の副反応疑い報告についてでございますけれども、こちらについては、方向性としましては、運用面では、これまで手書き報告を前提とした様式を、電子報告に適した様式に改訂し、また電子報告を促すことで情報収集の効率化を図るということ。
また、分析面では、副反応疑い報告の情報を予防接種データベースに格納し、接種情報やレセプト情報等との連結解析により、副反応疑い報告のさらなる集団としての分析を行う方向で、技術的検討を進めるといった方向性で了承いただいております。
50ページ、51ページが、これまで実施されておりますデータベースを活用した予防接種の有効性・安全性の評価等のための利用の活用例でございます。
50ページでございますけれども、こちらは予防接種歴を用いた分析でございますけれども、2つ目の○に記載しておりますが、予防接種記録を解析することによりまして、同時接種の実態把握に使用することが可能となり、AMED研究班の結果から、例えば約70~90%の高い頻度で同時接種が行われているということが明らかになりました。
また、51ページの活用例でございますけれども、こちらは予防接種情報とレセプト情報等の連結解析の具体例でございます。AMEDの研究班の知見でございますけれども、自治体か保有する予防接種記録、国民健康保険等に係るレセプト情報、また新型コロナウイルス感染者等の情報の把握・管理支援システム(HER-SYS)の情報を組み合わせて解析することにより、予防接種歴の有無別で比較したイベントの発生率を評価することが可能であったという知見でございます。
52ページでございます。まとめでございますが、予防接種データベースの構築及び活用というところで、まず予防接種のデジタル化に併せて、匿名を前提として、予防接種の実施状況等に係る情報や、副反応疑い報告に関する情報をデータベースに格納するとともに、NDB等のほかのデータベースとの連結を可能とすることで、予防接種等の有効性及び安全性の向上を図るための調査及び研究に活用できるよう、必要な基盤を整備する方向で検討中でございます。
現時点では、予防接種データベースシステム構築に向けた要件定義等の必要な検討を行うとともに、副反応検討部会での議論も踏まえ、関係の専門家と連携し、技術的及び運用面の検討を進めております。
また、予防接種データベースを活用した研究については、国内の研究班等においても、自治体が保有するデータであって、今後整備する予定の予防接種データベースや他の公的データベースでも格納しているものを活用した分析事例が幾つか報告されております。
また、副反応検討部会における議論でございますが、以上の検討の状況等も踏まえて、副反応検討部会においては、ワクチンの安全性評価に係る予防接種データベースの情報の分析手法等について、引き続き技術的検討を行うこととされております。
事務局からは以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。予防接種データベースの現状についての御報告をいただいたということだと思います。
それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問等あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
池田委員からお願いします。
○池田委員 池田でございます。ありがとうございます。
こうしたデータベース、研究の点でも非常に活用可能性が大きいと考えますので、ぜひこれは推進していただきたいと感じているところでございます。
ちょっと質問と意見、そしてお願いがございますが、まず質問ですが、先ほど議論しておりました、いわゆる記録の保存期間というのと、今回のデータベースに格納されるデータの期間というのは別の話と考えていいのかどうか。研究利用としますと、これはできるだけ長期のデータがあったほうがいいに決まっていますので、先ほどの保存期間とはまた違う話だということでよいのかどうかというのが、まず確認です。
2つ目はお願いでございまして、先ほどのデータの保管などのことと併せまして、こちらのデータベースの活用などについても諸外国のより進んだ事例があるのであれば、そういった事例や課題などについて、私のほうでも調べてみたいと思いますけれども、事務局のほうで把握可能であれば、諸外国の情報などもまた御提供いただければと思っております。
最後に、予防接種のデータベースそのものだけの話ではなくなってしまいますけれども、これまでワクチンの有効性とか感染症の発生などについて、レセプトを使った研究、NDBとか、その他のもので若干行ったことがあるのですが、その際に問題になりますのが、レセプトに記載されている病名とかからは、真の病態が必ずしも詳細には分からないといった問題がございます。したがいまして、この辺りも予防接種に関連した研究に使っていくとなりますと、レセプトの記載内容についてのより正確性というのも求められてきますので、そこは多分、この委員会だけで議論して済む問題ではないと思いますが、一応意見として述べさせていただきます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
後ほどまとめてレスポンスをいただくことにして、次に坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
このデータベースには、予防接種の記録から匿名化して入れるという説明が42と43でありました。43では、どういう情報を入れていくかということなのですが、それとNDBとの連携をやるときに、匿名化で診療記録との突合というのはできるのか、それとも診療記録とデータベースの突合というのは一切考えていないのか。そうすると、池田委員もちょっとおっしゃったのですけれども、元の診療記録のデータベースにいろいろ問題があるというのは分かりますが、匿名化で入れるということは、診療記録との突合ができないのか、それとも何らかの形で突合できて、診療記録との連携でいろいろな調査ができるのか、もしその辺が分かればお教えいただきたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
データベース化は国でということをおっしゃいまして、先ほどの話だとデジタル化は市町村ということで、データは市町村から得られる話だと思うのですが、既に先行自治体でデジタル化しているというところで、このデータベースにもその自治体のデータが入っていっているのでしょうかということが質問です。
あと、先ほども研究的には活用の幅がいろいろ広がるのではないかということの話がありまして、43ページのデータベースは予診票から取れることだと思うのですけれども、この場合、予診票に包括同意というようなチェックを考えていただいているのか、研究でも活用しますよということがあるのか、その辺の仕組みというか、使えるようにするのかということもお聞きしたいです。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、宮入委員、お願いします。
○宮入委員 ありがとうございます。
データベース化について、ぜひ進めていただければと思います。
2つ懸念といいますか、考えていただきたいことがありまして、1つは、先ほどの病名の正確性ということが1点。
あとは、副反応を捉えるシグナルというような機能を果たすためのデータベースと解析となりますと、迅速性が必要とされますが、NDBとかの検討をやっている中で、データがフィックスされて提供されるまでに相当な時間が必要とされることがあり、そこは正確性を図るためには必要なことかもしれませんが、迅速性ということについて何らかの手段を御検討いただければと思っております。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、磯部委員、お願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。磯部です。
私もデータベースを整備していくのは必要だし、意義があると思っておりますので、ぜひ進めていただきたいと思っていますが、今までの御質問の幾つかの背景として、国として、このデータベースをどう活用していくのか。データベースは個別にいろいろなものがたくさんあるわけで、それをどうつなげてやっていくのかというのは、別の会議体でも今、検討中ですけれども、その大きな取組みの中で、この予防接種のデータベースがどう構築されるべきなのかが、現時点ではまだよく分からないということから、例えば同意の取り方はどうなっているのかとかも含めて疑問が出てくるのかなと感じていた次第です。
42ページの自治体のシステムが矢印で中央の予防接種記録システムにつながっていて、それが右の赤い枠にも行くのですが、その関係で、仮に自治体が接種記録をずっと持つのならいいかもしれませんが、10年後はそのデータはもう研究に使えなくなるのかというあたりが私にはいま一つよく分からなくて。もしデータベースとして構築して長い期間、きちんと研究に使えるとするのであれば、それは今度は国の側がきちんと保存をどうするかを考えるものなのかなというふうに考えたものですから、先ほど質問したのでした。
取りあえず、以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
ワクチンの有効性とか安全性の真実を非常に透明性のある形で明らかにして、それを国民の皆さんと共有するためには、研究は不可欠だと思っています。その研究のためには、多数のデータからなるデータベースというのは、とても有効に利活用できると思いますので、データベースを整備いただくことには非常に賛成でございます。
ただ、多くの委員が御指摘になられたように、私も一番気になっていますことは、他の情報との連結解析です。1人の人の人生の中で、どのようなワクチンをいつ打ったといった記録がある一方で、いつ御病気になられた、あるいは不幸にいつ亡くなられた。さらには、御病気にしても、病名として確定してついているものとか疑い病名としてついているものとか、あるいはどのような検査が実施されたかとか、場合によっては、情報の質というか、解析するに際しては、1つの病名とか検査名というメッセージと同等には扱えないようなメッセージもたくさんあるように思うのですね。
それと、データベースは研究としてはとても役に立つマテリアルで、恐らくn数、対象数が増えると、解析をやれば有意差が容易に出たりして、あたかもこの因子があれば、こうであるという結論を早急に導きがちなときもしばしばあるかと思うのですが、さっき申し上げたデータの質とか交絡因子とか、いろいろなことがあると思いますので、この解析とかに際しては、私たち研究者自らの自戒の意味も含めて、とても注意が必要だなと思っています。そのような形でいい形で整備できれば最もいいなと思っております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。
一通り御意見いただいたと思いますので、様々な御意見ありがとうございました。そうしましたら、データベースの構築については、おおむね賛成ということですけれども、様々御意見ありました。事務局のほうから、もしレスポンスいただければお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○吉原ワクチン情報分析専門官 事務局でございます。順に答えさせていただきます。
まず、池田先生から、予防接種記録のデータ保存期間についての御質問がありました。こちらについては別でございまして、先ほど御議論いただきました記録のほかの期間とはまた異なりまして、データとしてどの程度保管できるかということについては、また今後検討ということでございます。
また、諸外国の情報を示してほしいという御意見について承知いたしました。対応について検討させていただきたく思います。
また、池田先生からおっしゃいました、レセプトの病名から真の病態が分からないのではないかという御意見。こちらの御意見については、例えば宮入先生の病名の正確性に関する御意見とか、中野先生から、レセプト情報に入っている情報の質がどうかといった観点、類似の観点があるかと思いますけれども、こちらについては、レセプト情報につきましては、様々な解析時のリミテーションや留意点があるかと思いますので、今後、活用に当たっては、どのように活用するか。もちろん審議会の資料にも専門家の先生と御相談して検討すると書いていますように、まさに専門家の先生と相談して、そういった留意点についても把握した上で検討を進めていきたいと考えております。
また、坂元先生から御質問いただきました診療記録との突合のところでございますけれども、今回の取組といいますのは、42ページの表にありますとおり、予防接種データベースとレセプトの突合でございます。ですので、レセプトに格納されている情報という範囲において、突合して解析できるということでございます。
また、宮入先生から、副反応のシグナルの解析には迅速性が重要であるという御意見いただきました。迅速性についての重要性があるという点について理解しております。具体的にどのような流れでデータを利活用できるのかというところについては、今後検討していきたいと考えております。
○松岡予防接種課課長補佐 あと、白井委員、御質問いただきました予防接種データベース、匿名化したデータベースにデータを入れるに当たって、本人・国民の同意が必要かといったところでございますが、こちらに関しましては、令和4年の予防接種法改正の際に、匿名化したデータを同意なく利用することが可能となっておりまして、そういった規定を設けておりますので、同意は必要ないといったところでございます。
以上でございます。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。
1点補足させていただきますと、坂元先生からお尋ねいただいた診療記録。先ほど申し上げたとおり、診療記録というよりはレセプトデータであるということは御理解いただければと思いますが、さらに匿名状態で突合できるのかというところを御質問いただいたかと思っておりまして、個人が個人であるというふうに分からない状態にしたままで、ただIDは振って、それが同一の人であるということはIDを振ることで特定して、それを予防接種記録とNDBの記録とでつなぐと。
テクニカルには、いわゆるID5という名前でレセプトの中で呼んでいるIDがあるのですけれども、そういった形で同一のIDを振ることが技術的に可能であろうかというところも含めて検討しておりまして、そういった形で連結することで、同じAさんの接種記録とAさんのレセプト情報をつなぐ。しかも、それがAさんかどうか分からない状態でつなぐということを実現しようと考えているところでございます。
以上、補足でございます。
○松岡予防接種課課長補佐 すみません、事務局からもう一点補足させていただきます。白井委員から、先行自治体のデータがデータベースに入っているのかといった御質問いただきました。こちらにつきましては、結論は今、入っておりません。あくまで先行自治体に関しましては、マイナンバーカードを使ったデジタル予診票だったり、接種記録だったりといった1次利用の部分のみを今、先行して実施しているといった状況でございます。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
おおむね答えていただいたかなと思うのですが、よろしいですか。さらに追加の御意見、御質問等あればと思いますが、よろしいですか。
どうぞ、磯部委員。
○磯部委員 結局、赤い四角のデータベースに集めるというのは、国が主体的に行う話であるということが当然前提だということなのですね。どこか外部の民間事業者などに委託して実施してもらうことが現実には想定されるのでしょうか。それと、連結するものとしてNDBが挙がっていますけれども、そことだけということなのか、その他のデータベースもあり得るのかという点を教えてください。
○脇田部会長 ありがとうございます。42ページですかね。
○磯部委員 ごめんなさい、42ページです。
○脇田部会長 事務局、いかがでしょうか。データの赤い枠に持ってくるところは外部委託があり得るのか、あるいはNDBだけでなくて、ほかのデータベースとの連結も可能性としてはあるかということですね。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。お答えさせていただきます。
42ページ目の右側のデータベースの主体等ということですけれども、先生御認識のとおり、厚生労働省で保有するというところが基本でございまして、その管理主体については、まだ検討中ではございますが、例えば他の公的なデータベース、NDBとか介護DBに関しては、その運用自体は委託している部分もございますので、その辺りは今後検討させていただく必要があるかなと思ってございます。
また、ほかのデータベースにどうつなぐかというところで、ここに「等」と書いておりますけれども、特に保険局の議論ではありますけれども、NDBと他の公的データベースとどうつないでいくかという議論は、IDをどうするかとか、様々技術的な論点はあると承知しておりますけれども、様々なデータベースとつなげるかというところは技術的に検討しているところでございまして、それをどう組み合わせて使えるかということは、当然NDBに閉じたものではないと御理解いただければと思っております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
さらにありますか。大丈夫ですか。ありがとうございました。
それでは、3番目の予防接種データベースについても、おおむね皆様から御賛同いただきましたが、さらに様々な御指摘があったと思います。重要なものもたくさんありますので、事務局と、このデータベースに関係するところにおいては、この議論を踏まえまして、引き続き準備を行っていただくということをお願いしたいと思っております。
というところで、議題1は以上となりますが、続きまして「その他」で報告事項があると伺っております。「新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定について」ということで、事務局からの資料がありますので、御説明をお願いしてもよろしいですか。
○坂西予防接種課課長補佐 それでは、参考資料1「新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定について」、御説明します。
表紙をおめくりいただきまして、右下のページ番号で1のページを御覧ください。新型インフルエンザ等対策政府行動計画は、新型インフルエンザ等対策特別措置法第6条の規定に基づきまして、新型インフルエンザ等の発生に備え、対策の基本的方針及び平時の準備や感染症発生時の措置の内容を示すとともに、都道府県行動計画等の基準となるべき事項を定めるものとなっております。
この政府行動計画につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症対応の経験を振り返りつつ、次なる感染症危機への準備や対策を万全なものとする観点から、感染症に係る危機管理の対応方針の企画立案、各省の総合調整を一元的に所掌する内閣感染症危機管理統括庁と、内閣に設置されました新型インフルエンザ等対策推進会議において、関係省庁も連携しまして政府行動計画の改定の検討が進められております。
現在、改定に向けて検討中の政府行動計画につきましては、1ページの上側の各論項目に記載のとおり、各論部分は13項目から構成される予定となっており、その中には、マル7、「ワクチン」の項目が盛り込まれる予定となっております。本日は、このマル7、「ワクチン」の項目の改定につきまして検討されている内容の概要を御説明いたします。
ページをおめくりいただきまして、2ページを御覧ください。2ページでは、マル7、「ワクチン」の項目の記載の考え方、ポイント、主な論点をまとめております。
上の枠の記載の考え方、ポイントでございますが、従来の政府行動計画においては、新型インフルエンザに重点を置いておりましたが、今般得た知見を踏まえ、新型コロナウイルス等を含む新型インフルエンザ等感染症への対策を充実化することとしております。
また、特に、マル7、「ワクチン」の章では、基本理念として「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき平時から緊急時におけるワクチンの迅速な開発・供給を可能とするために必要な施策に取り組むことが重要であるとともに、デジタル化を推進し、迅速に接種体制を構築することを明記することとしております。
その上で、政府行動計画の3つの段階、具体的には、準備期、初動期、対応期に分けて、それぞれの段階において取り組むべき内容をまとめることとしており、主なものとして、準備期については、平時におけるパンデミックワクチン等の研究開発やデジタル化等による接種体制の準備について、初動期については、発生した感染症に対応するワクチンの研究開発やワクチンの確保について、対応期については、特定接種及び住民接種の体制構築について記載することとしております。
このほか、有事における迅速な接種体制の確立のため、平時から地方自治体等の関係機関と連携した接種体制の構築を行うことや、ワクチンの情報に関する基本的な情報等の提供、国際連携、接種後の副反応情報等の収集や情報提供について、各段階で記載することとしております。また、特定接種や住民接種等に係る細かい運用面については、政府行動計画に関連して定める予定としていますガイドラインに記載することとしております。
また、下の枠内ですが、マル7、「ワクチン」の項目の主な論点として、平時からのパンデミックワクチン等の開発のあり方について、有事におけるワクチンの確保について、デジタル技術を活用した迅速な接種体制の構築についてを検討することとしております。
おめくりいただきまして、3ページ目以降は、準備期、初動期、対応期のそれぞれについて、目的と主な論点について、現在検討中の内容をまとめております。これらの内容につきましては、個別の御説明は省略させていただきますが、現在検討されております内容について御意見、コメント等がありましたらいただけますと幸いです。
御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
こちらは新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定ということが、現在、内閣官房の有識者会議で進められているというところで、その中のワクチン関係に関して情報提供ということで、皆様からもし御質問、御意見等があればお願いしたいというものであります。それでは、もし御質問、御意見等あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
コロナを経験してということでの新型インフルエンザ等対策計画になってくるのだと思うのですけれども、ワクチンができて、割と乗り切ったところもあるなというふうに思いますが、平時というか、準備期になると思うのですけれども、これにおいてはワクチンの開発ということを述べていただいているのですが、国民側というか、住民側から見て、ワクチンをどういうふうに受け入れたらいいのかとか、そういうそもそものところも、ここに挙げていただいている啓発とか、情報提供とかリスコミに入るかもしれませんが、ワクチンの反響が大きかったと思いますので、準備期のワクチンの項目にもそういうところを論点に入れていただいたほうがいいのかなと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 意見ですけれども、今回のコロナワクチンは国のほうも非常に努力していただいたのですが、何せワクチンの供給が海外依存ということで、自治体のほうにもなかなか思うように供給が来なかったということもありますので、これは意見として、緊急時に備えて国内での生産拠点の確保と、それから、海外も含めた何らかのワクチンの供給体制の整備というのもしっかりやっていく必要があるだろうと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
第一三共の、国内で需給できるワクチンが、3年たってようやくできたと思いますが、今回のコロナワクチンでは遅れが目立った、スピード感の欠如。海外はワープスピード、100日という形で目標が出されておりますが、今のままではわが国ではそれができないのではないかという危機感を持っています。様々なところで少しスピードアップができるようなこと、今後の対応から言うと、例えば有事のときにはある程度変えられるようなことも初めから想定しておいたほうがいいのではないかという気がします。そういった文言が入ってくれるといいなと思いました。
以上、意見です。
○脇田部会長 ありがとうございました。まさにワンハンドレッドデイズミッションというのを実現するために、どこが有事において短縮可能なのかということですね。
そのほか、いかがでしょうか。ありがとうございました。
白井先生からは、コミュニケーションに関して、行動計画の改定においてリスコミの部分は当然あるのですけれども、それもワクチンの中で非常に重要ではないかといった御意見がありました。
坂元委員からも、ワクチンの生産拠点を国内でしっかり確保していくというところ。
そして、伊藤委員からは、ワクチン開発のスピード感の欠如というのは国内の話だと思いますけれども、そこをどのように改善できるかということを考える必要があるといった御意見でした。
特に事務局からは何かありますか。はい。
○坂西予防接種課課長補佐 それでは、事務局のほうから御説明させていただきます。
まず、白井委員からの御指摘に関しましては、資料の3ページでございます。下側の主な論点の一番下から2行目の最後からです。平時よりワクチンに係る情報提供、このようなものも実施するということを盛り込んでおりますので、御指摘を踏まえまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
また、坂元委員から御指摘がありましたことに関しましては、4ページでございます。主な論点の大きな項目の2つ目、ワクチン確保のところです。2行目の中ほどからですが、国内でのワクチン確保を原則としつつ、国際的な状況も配慮しながら、海外のワクチンの製造販売業者に対して情報収集を行うほか、供給に係る交渉等を行うといった内容も盛り込んでいまして、国内での生産体制をきちんと整えるということに取り組みつつ、必要な場合には、海外からの輸入も含めて、きちんと対応できるように検討を進めてまいりたいと考えております。
また、伊藤委員から御指摘がありました迅速な開発に関しましては、まさに今回の大きなテーマ全体に係るところでございます。まず、ワクチンに関しましては、国の戦略も定められておりますけれども、そのほかに実際に有事になったときにどういったことを各省がやるのかということも、できる限り明らかにしながら迅速に対応できるようにしていきたいと考えております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
委員の皆様からさらに追加で御意見、御質問等あればと思いますが、いかがですか。よろしいですかね。ありがとうございました。
それでは、この新型インフルエンザ等対策行動計画の改定についてのワクチンに関するところ、今回御報告いただきましたけれども、今日、委員の先生方から御意見ありましたので、それも踏まえて進めていただければと考えております。
それでは、準備しました議題は以上になりますが、委員の皆様から最後に何か追加で御発言等ありますでしょうか。よろしいですか。
それでは、事務局からお願いいたします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日も活発な御意見、御議論をいただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そうしましたら、今日も本当に活発な御議論ありがとうございました。
それでは、今日の基本方針部会、これで終了したいと思います。また、次回、引き続きよろしくお願いいたします。