2024年2月22日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 

日時

2024年2月22日 15:00~17:00

開催方法

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)


事務局(2月22日時点)
  • 大坪 寛子(健康・生活衛生局長)
  • 岡部 史哉(総務課長)
  • 原澤 朋史(総務課長補佐)
  • 近藤 恵美子(食品基準審査課長)
  • 田中 里依(食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
  • 佐野 喜彦(新開発食品保健対策室長兼器具・容器包装基準審査室長)
  • 森田 剛史(食品監視安全課長)
  • 三木 輝(食品監視分析官)
  • 福島 和子(輸入食品安全対策室長)
  • 飯塚 涉(HACCP推進室長兼食中毒被害情報管理室長)

議題

  1. 1.審議事項 
    1.食品中の農薬等の残留基準の新規設定について
   
 2.報告事項​

    1.乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について

 3.文書による報告事項
    1.食品中の農薬等の残留基準の一部改正について(食品健康影響評価の結果に変更がないもの等)

 4.その他の報告事項
    1.食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について
    2.令和5年食中毒発生状況について
    3.令和6年度輸入食品監視指導計画(案)とその概要について

 

議事

 
発言内容

○原澤補佐 先生方、お待たせいたしました。事務局です。画面をオンにしていただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。定刻を過ぎてしまって恐縮です。ただいまより、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催します。こちらの音声は届いておりますでしょうか。ありがとうございます。それでは、本日司会を務めます、健康・生活衛生局総務課課長補佐の原澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日もWebでの審議とさせていただきます。何か不具合等がありましたら、お電話又はチャット機能にて事務局まで御連絡いただければ随時対応いたしますので、御連絡いただきますようよろしくお願いいたします。
 はじめに、本日の分科会委員の出席状況について確認いたします。欠席の御連絡を頂いている委員は、今村委員、木下委員、郷野委員、瀧本委員、辻委員、脇田委員の方々から御欠席の御連絡を頂戴しております。現在、分科会委員総数22名のうち、合田委員が本日御参加の予定なのですがまだ御出席の確認ができておりませんので、現時点で14名の御出席を頂いております。現時点において出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立しますことを御報告いたします。なお、森委員より途中退席される旨を伺っておりますので、併せて報告いたします。また、当方の局長等については、公務のため適宜退室させていただく場合があります。冒頭、他の公務の対応のため遅れておりますが、その点も含め御了承いただければと思います。
 続いて、一般傍聴についてです。ライブ配信による動画中継での傍聴としております。一般傍聴の方におかれては、厚生労働省ホームページに分科会の資料を公開しておりますので、適宜御確認いただきますようお願いいたします。
 続いて、審議の進行方法について説明いたします。審議中に御意見、御質問のある委員におかれては、カメラをオンにされた上で挙手をお願いいたします。分科会長から順に発言者を御指名いただきますので、その順に御発言をお願いいたします。御発言されるとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。冒頭、事務局の不手際で大変失礼いたしました。続いて議事に移らせていただきます。
 本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますように、食品中の農薬等の残留基準の新規設定について御審議いただいた後、事務局から報告事項について御報告いたします。それでは、村田分科会長、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 御多忙のところ、お集まりくださりありがとうございます。それでは、(1)審議事項1食品中の農薬等の残留基準の新規設定について審議を行います。事務局から御説明願います。
○田中室長 ご説明いたします。資料1です。本日の審議事項1つ目、フェノキシエタノールの動物用医薬品の承認申請に伴う食品中の規格基準、残留基準の新規設定です。薬機法に基づき、動物用医薬品として国内承認申請があり、それに伴う使用基準を設定することについて農林水産大臣から意見聴取がありまして、基準値の設定をするものです。本件については、1月に開催された農薬・動物用医薬品部会で御審議を頂きました。
 本品の用途は動物用の麻酔剤で、すずき目の魚類に適用するものです。国内でこれまでに承認はありません。設定をする基準値については、医薬品としての使用範囲である「すずき目魚類」に設定するとしております。諸外国の状況です。JECFAにおける毒性評価はされておらず、主要国で食品中の基準値は設定をされていません。
 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果です。ADIが0.46mg/kg体重/dayで設定されております。次の4ページを御覧ください。基準値を設定した場合のばく露評価の結果です。推定ばく露量がADIの範囲内となり、特段問題はないものと部会において評価を頂いております。5ページに実際の基準値を載せていますが、魚介類(すずき目魚類に限る。)という形で0.06ppmの基準値を設けています。基準値については魚類における残留のデータに基づいて設定をしております。以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 議論に入る前に、部会での審議の状況について、部会長から御報告いただくことはございませんか。
○穐山委員 部会長の穐山です。繰り返しになってしまうかもしれませんが、部会での概要について御説明いたします。フェノキシエタノールは薬機法の動物用医薬品なので、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等の法律」に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたことから、農林水産省から意見聴取があり、残留基準を設定するものです。これは、すずき目魚類に養殖で用いる麻酔剤です。本年1月に開催した部会において審議を行い、報告書の記載整備に関する指摘がありました。しかし、食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性は認められておらず、閾値が設定できると評価されていること。また魚類への残留や代謝試験の結果から得られたデータに基づき、規制対象物質やばく露評価対象物質の選定に特段問題がなかったこと。また、分析法や残留のデータのばく露評価により残留基準値は適切であり、特段の問題はないという結論に至りました。私からのコメントは以上です。
○村田分科会長 ありがとうございます。それでは、本件について、何か御意見、御質問はございますか。よろしいですか。御意見がないようですので、分科会としては、これで了承したいと思いますがいかがでしょうか。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。
 次に報告事項に移ります。食品衛生分科会規程第8条第1項により、部会の議決をもって分科会の議決とされた事項については、同条第3項の規定に基づき、その決定事項を分科会に報告することとされております。では、(2)報告事項1乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について、事務局から御報告願います。
○近藤課長 それでは、事務局から説明いたします。資料2の3ページを御覧ください。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正に関する報告です。まず始めに、事前に先生方にお送りしている資料から、内容に関わらない軽微な修正をしていますので、その点をご承知おきください。
 まず、Ⅰ.経緯です。乳及び乳製品並びにこれらを主原料とする食品については、いわゆる乳等省令において規格基準が定められております。乳等省令においては、牛乳等は殺菌後直ちに摂氏10℃以下に冷却して保存することと規定されております。当該規定の除外規定として、牛乳等のうち、連続流動式の加熱殺菌機で殺菌した後、あらかじめ殺菌した容器包装に無菌的に充填したもの、これを殺菌後に無菌的に充填する製品と申しますが、こちらはいわゆるLL牛乳に該当します。こちらについて、厚生労働大臣が認めたものについては、摂氏10℃以下で冷却して保存することを要しないとされています。また、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳については、保存性のある容器に入れ、かつ、摂氏120℃で4分間加熱殺菌する方法、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法により殺菌するもの、いわゆるレトルト製品、これは充填後殺菌する製品といいますが、こちらは認められておりません。
 今般、事業者団体から、牛乳等のうち摂氏10℃以下での保存を要しない製品、殺菌後に無菌的に充填する製品と、充填後に殺菌する、いわゆる充填後殺菌製品について、規格基準を設定することについての要望書が提出されました。
 要望書が提出された背景としては、現在は先ほど申しました大臣認定制度となっていますが、製造の機器更新の際には認定のために製造の一時中止が必要になるなど、安定的な製造等に支障が生じている状況もあり、業界団体としては、適切な殺菌方法を規定した規格基準を設定し、またHACCPで管理をすればLL牛乳等の管理が可能と考えるというものです。
 次に、Ⅱ.改正の概要についてです。現在、常温保存が可能であるものの基準として、容器包装詰加圧加熱殺菌食品いわゆるレトルト食品、及び無菌充填豆腐があります。保存特性を踏まえた規格基準が設定されているところですが、これらの規格基準を参考にして検討をしております。
 具体的には次の4ページにあります。1殺菌後に無菌的に充填する製品、これを改正後の省令では「常温保存可能品」としますが、こちらについて、共通する製造方法を有する無菌充填豆腐のリスク管理を参考に、冷蔵の牛乳に対する衛生管理に加え、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を要する加熱殺菌を行うことや、発育し得る微生物が陰性であるといったことを規定します。なお、当該規格基準の設定に伴い、殺菌後に無菌的に充填する製品の大臣認定制度を廃止することといたします。
 また、2充填後に殺菌する製品については、同様の製造工程を有する、いわゆるレトルト食品や、乳飲料、調製液状乳の規格基準を参考として、保存性のある容器に入れ、かつ、摂氏120℃で4分間加熱殺菌する方法、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌したものとして、改正後の省令では充填後殺菌製品とします。なお、充填後に殺菌したものでしても、当該殺菌方法によらず摂氏10℃以下に冷却して保存する必要があるものについては、この乳等省令上の充填後殺菌製品には該当しないということに留意することを施行通知でお示しする予定です。
 次に、Ⅲ.食品安全委員会における評価結果です。現行の規制に基づく衛生管理を前提とすれば、今般の改正により変更となるリスク管理措置以外は現状と変わるものではないため、リスク要因となることはないと考えた。また、現状の牛乳等に対して、今般の改正による新たなリスク管理措置を導入したとしても、以下に示したような理由から人の健康へのリスクが高まるとは考えにくいといった内容の評価結果を頂いております。
 5ページを御覧ください。Ⅳ.審議結果です。部会の審議結果については、乳等省令の改正案について、次ページ以降にお示しする案文の形でまとめて了承されております。説明は以上です。
○村田分科会長 質疑に入る前に、部会での審議の状況について、部会長から御報告いただくことはございませんか。
○五十君委員 部会長の五十君です。ただいま御報告がありましたような内容ですが、少し確認的に述べます。乳等省令においては、牛乳等は殺菌後直ちに摂氏10℃以下に冷却して保存すると規定されていたところなのですが、その除外規定として、殺菌後に無菌的に充填する製品については大臣の承認を必要としていたということになります。これが今回の改正により、いわゆるレトルト食品及び無菌充填食品、2つのタイプがあるわけですが、これについては今後、特に殺菌後に無菌的に充填する製品については大臣承認制度を廃止するという方向性で問題ないだろうという結論になりました。
 先ほど、少しコメントが入ったかと思いますが、充填後に殺菌したものであっても、「充填後殺菌」という言葉は一般的に結構使われている部分もありまして、そちらと混同することがないようにということで、実際には施行通知の中でそういった混同が起こらないようにと、より留意するようにということを示してくれるということで結論に至ったという状況です。よろしくお願いします。
○村田分科会長 五十君先生、どうもありがとうございます。ただいまの事務局及び五十君部会長の御説明について、委員の方から何か御質問、御意見はございますか。よろしいですか。
 次に、(3)文書による報告事項に移ります。食品衛生分科会における確認事項において、特に定められた事項については文書配布により分科会に報告を受けることとされております。この資料に関しては、事前に委員の皆様に配布されていると思います。部会長からの補足の御説明、あるいは委員の方から何か御意見、御質問などはございますか。穐山先生、いかがですか。
○穐山委員 特に私からはコメントはありません。皆さんから何か御質問があれば、お答えいたします。
○村田分科会長 それでは、特段の御意見がなさそうですので、次へ移りたいと思います。続いて、(4)その他の報告事項に移ります。まず、1食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局から御報告願います。
○田中室長 御説明します。資料4の➀を御覧ください。前々回と前回の分科会において御審議・御報告をさせていただいた品目のその後について報告いたします。いずれについても、パブリックコメント、WTO通報を順次進めているところです。以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対して御意見、御質問をお願いいたします。ないようですので、次、2令和5年食中毒発生状況について、事務局から御報告願います。
○飯塚室長 食品監視安全課食中毒被害情報管理室の飯塚です。私からは、令和5年の食中毒発生状況について御報告いたします。事前にお送りしております資料4に13ページ目を1枚追加しましたことを御連絡いたします。
 6ページを御覧ください。こちらは、過去20年の食中毒の事件数と患者数の推移です。事件数が赤いバーで、患者数が青い折れ線です。令和元年までは大体事件数にしますと、年間1,000件ぐらい、患者数は2万人ぐらいで推移しておりました。令和2年、令和3年がやはり新型コロナウイルス感染症の影響もあり、事件数、患者数ともに少なくなっておりましたが、令和5年は事件数が1,021件ということで、コロナ前の状況に近い形になってきております。
 一方、患者数については、1万1,803人ということで、再び増加してきております。コロナ禍が明けて様々な商業経済活動や食にまつわるイベント、フェスなども開催されるようになり、人の動きが戻ってきている影響が出ていると考えられます。
 8ページは患者数500人以上の食中毒事例ですが、昨年は2件ありました。1件目は、石川県で発生した流し素麺の施設で提供された食事によるカンピロバクター食中毒です。ちょうど夏休みの時期でもあり、県内外から多くのお客さんが訪れていたということで、患者数は892名となっております。湧水の原水からカンピロバクターが検出されたということですが、塩素投入装置が壊れていたということが判明した事例です。保健所からは、湧水を使用する際は塩素投入装置を付けるなどの対策をすることや、水質検査の徹底について必要な指導がなされているところですが、残念ながら当該施設は廃業となっております。
 2件目は、八戸市で発生した弁当による細菌性食中毒の事例です。患者数は554名となっております。当該施設が製造した弁当は、北海道から福岡まで広く流通していたものでした。主な原因は、委託製造した米飯の取扱いや、臨時従業員に対する衛生教育が不十分であったことから、必要な措置が取られたところです。
 下段の亡くなられた方が発生した食中毒事例ですが、全部で4件あり、そのうち3件が細菌・ウイルスによる食中毒です。他の1件は、食物性自然毒によるもので、ドクツルタケを食用キノコと間違えて採取した事例です。
 15ページは原因施設別の事件数です。これも例年の傾向ですが、原因施設として一番多いのが飲食店です。これが全体のおおむね半分を占めております。不明が2割ほどありますが、2番目に多いのが家庭で、次いで販売店という結果でした。
 17ページは原因施設別の患者数です。やはり、飲食店が全体のおおむね半分を占めており、次が製造所、仕出屋ということで、こういった所では1件当たりの患者数が多くなる傾向があります。
 23ページが病因物質別の事件数の推移です。一番上がアニサキスです。2番目がカンピロバクターで、3番目がノロウイルスですが、この順位はここ5年ぐらいずっと変わっておらず、トップ3をこの3つの食中毒が占めております。
 24ページは病因物質別の患者数の推移を示したものです。アニサキスの食中毒は、基本的に食中毒1件に対して患者さんが1名ということが多いので、患者数としては少ないです。病因物質別の患者数で多くなっているのはノロウイルスがトップで、1件当たりの患者数が多い傾向が見てとれます。
 25ページは、ノロウイルスの患者数が非常に多く、グラフが見にくくなっておりましたので、細菌による食中毒だけを抽出したものです。トップがカンピロバクターによる食中毒、2番目がウエルシュ菌による食中毒ということで、原因食品としては加熱不十分、又は生の鶏肉によるものが多いのですが、こういったものが多くを占めている状況です。
 最後に、37ページです。令和5年に発生した主な食中毒の対応についてまとめております。加熱不十分な食肉等の提供による食中毒の対応、繁忙期の衛生管理不備による食中毒への対応、アニサキス食中毒への対応、ノロウイルス食中毒への対応の4つですが、それぞれ記載の対応を着実に実施してまいりたいと思っております。
 資料の説明は以上ですが、やはり新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられ、様々な商業経済活動、食にまつわるイベント、フェスなどもコロナ前の状況に戻ってきているということで、大規模食中毒が発生しないように注意喚起をしっかり進めてまいりたいと考えております。説明は以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対して、御意見、御質問をお願いいたします。
○穐山委員 穐山ですが。
○村田分科会長 穐山先生、どうぞ。
○穐山委員 詳細な御説明ありがとうございます。8ページの死者が発生した食中毒事例の令和5年、福岡市ですが、鶏肉のトマト煮でお一人亡くなっているということなのですが、腸管毒性出血系の大腸菌O159、これは鶏肉からの汚染なのかトマトからの汚染なのかが、もし分かれば教えていただけないでしょうか。
○飯塚室長 報告によりますと、保存食の検査の結果、鶏肉のトマト煮から検出されているということで、ちょっとどちらから出たということまでは分かっておりません。
○穐山委員 そうですか。これは施設の給食ですよね。ですから、集団の施設での衛生管理の規範が2016年に改正されているかと思うのですが、その辺りの処置はされていたという理解でよろしいですか。
○飯塚室長 実際に衛生管理は行われていたということですが、やはりその部分が徹底されていなかったということがあり、保健所からは大量調理施設衛生管理マニュアルを参考に衛生管理を行うよう指導がされております。
○穐山委員 はい、ありがとうございました。
○村田分科会長 それでは、最後に3令和6年度輸入食品監視指導計画(案)とその概要について、事務局から御説明願います。
○福島室長 皆様、こんにちは。食品監視安全課輸入食品安全対策室の福島です。私からは、令和6年度輸入食品監視指導計画(案)について御説明いたします。資料4の48、49ページ辺りを御覧ください。
 私どもは、輸入食品の安全性を確保するために、食品衛生法の第23条に基づき、毎年度、次年度の監視指導計画(案)を作成することとなっております。また、この作成に当たっては、広く国民の皆様の御意見をお聞きすることになっており、この計画案について1月23日から昨日、2月21日までパブリックコメントを実施していたところです。頂いた御意見は10件弱ありましたので、ただいま内容を確認しているところです。これに加えて、1月26日、1月30日に大阪と東京それぞれで意見交換会も実施いたしましたし、これ以外にも消費者団体の皆様で設けていただいた勉強会等で御説明する機会も頂きましたので、そちらで丁寧なリスクコミュニケーションに努めているところです。今後、こうしたリスコミ等で頂いた御意見も参考にしつつ、計画案を完成させ、年度内に公表することとしております。
 計画の内容は、基本的な方向性については例年同様の内容です。すなわち、輸出国段階と輸入時、それから国内流通時の3段階で、輸入食品の安全性を確保していくという内容です。特に重点的に実施すべき事項として、48ページの5番目の項目の所にも並べておりますが、中でもモニタリング検査といって、これは輸入される食品が私どもの食品衛生法に合致しているかどうかを、幅広い食品についてトレンドを見るために実施している検査ですが、こちらの実施件数としては前年度同様の約10万件という計画案にしております。対象品目や検査項目については、過去の違反事例や海外での健康被害の発生状況等を踏まえ、効率的な検査を実施できるように努めてまいります。
 食品の輸入制度についての丁寧なリスクコミュニケーションや、検疫所でこういった監視指導に当たる食品衛生監視員の資質向上といったものも併せて、引き続き輸入食品の安全性確保に取り組んでまいりたいと思います。簡単ですが、私の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対して、御意見、御質問をお願いいたします。よろしいですか。以上で、報告事項の議事は終わりました。
 今回が最後の分科会となりますが、全体を通じて委員の方から何か御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。
○五十君委員 五十君ですが、よろしいでしょうか。
○村田分科会長 はい、どうぞ。
○五十君委員 私から、食品規格部会として質問というか確認をさせていただきたいと思います。今、食品安全委員会が自ら行った有機フッ素化合物、PFASと略しているかと思いますが、それに関わる食品健康影響評価について、令和6年2月7日より審議結果(案)のパブリックコメントの意見募集が開始されていると承知しております。最終的な評価書となった場合、各関連省庁に評価結果が通知されるものと考えております。これまでは、主にこのPFASは水の問題でしたが、今後は、食品全体の枠組みでの対応が求められると思われます。厚生労働省としては、今後どのように対応するかについて確認させていただければと思い、質問いたしました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。事務局から御返答願いますか。
○近藤課長 食品基準審査課長の近藤です。御質問ありがとうございました。五十君委員から御発言がありましたとおり、2月の上旬から3月の上旬まで、食品安全委員会でPFAS、有機フッ素化合物の食品健康影響評価の評価書(案)についてパブコメをしていると承知しております。現在の評価書(案)においては、PFASについては健康影響に関する情報が不足しており、不明な点等が多いものの、通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む)からは、食品を通じて摂取される程度のPFAS及びPFOAによって著しい健康影響が生じる状況ではないとされており、まずは今回設定したPFOS及びPFOAのTDIを踏まえた対応に取り組むことが重要であり、PFASにばく露され得る媒体、飲料水、食品等における濃度分布に関するデータの収集を早急に進め、こうした調査結果等を基に、高い濃度が検出された媒体に対する対応を進めることが重要であると。今、食品に関連する部分を要約して御説明させていただきましたが、そのような内容とされております。
 厚生労働省のこれまでの取組ですが、水道水及び水環境における公共用水域や地下水の目標値、これはPFOS、PFOA合算で50ng/Lとされておりますが、これを超えてPFOS、PFOAが検出された場合等の対応として、厚生労働省の水道課及び環境省が自治体に周知をいたしました手引きを参考として、食品又は添加物の製造等に使用される水に関する業務の参考とするようにということで、令和2年6月に自治体の食品衛生担当宛に事務連絡を発出しているところです。また、厚生労働科学研究において、食品中のPFOS及びPFOAの摂取量調査、トータルダイエットスタディーに活用するための分析法の開発の研究に取り組んできているといったことを進めてきております。
 先ほどの評価書(案)の内容について触れさせていただいたとおり、通常の一般的な国民の食生活から食品を通じて摂取される程度のPFOS、PFOAによって、著しい健康影響が生じる状況にはないと今の案ではされておりますが、厚生労働省としては最終的な評価書の内容を確認するとともに、食品中の摂取量調査に活用する分析法の検討の継続、あるいは水道水の代替として摂取される可能性のあるミネラルウォーターといったものの含有実態調査などを行っていきたいと考えております。
 なお、先ほど分科会長から「最後の」というお話がありましたが、皆様御承知のとおり、本年の4月から食品基準行政が消費者庁に移管されることとなっております。消費者庁、厚労省を含め、またその他の関係省庁とも連携を取って対応していきたいと考えているところです。事務局からの御質問への御説明は以上です。
○村田分科会長 五十君先生、今の回答でよろしいですか。
○五十君委員 はい、方向を明示していただきましたので、その方向で進めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。ほかに御意見等がありましたら、お願いいたします。穐山先生、いかがでしょうか。
○穐山委員 一言何かコメントということですか。
○村田分科会長 はい、お願いいたします。
○穐山委員 ごめんなさい、今日は風邪をひいて声がよくなくて、お聞き苦しいところがあって、申し訳ございませんでした。私は、残留農薬動物用医薬品等の部会で5、6年ぐらいやってきて、ここに参加させていただいております。残留農薬部会は結構頻繁に部会が開かれるので、いつも私からのコメントが多くて申し訳ございませんでした。ただ、部会でチェックして、分科会でもう1回チェックするという二重チェックは、非常にいいシステムだと思っております。消費者庁に移ったとしても、引き続きこういった二重でのチェックを是非お願いしていただきたいと思っております。
 こういった微生物などは私の専門外ですが、それからゲノム編集といった問題も、この分科会で話し合うことができて、非常に勉強になりました。先生方にいろいろ教えていただき、どうもありがとうございました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。有薗先生、いかがでしょうか。
○有薗委員 有薗です。私は、容器包装の委員会の代表として参加させていただいています。この後に関しては、ポジティブリストの制度の導入ということで、規格基準が令和7年の6月に向けて、まだまだいろいろ整理しないといけないことがあり、続けてまた皆様に御意見も頂こうと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○村田分科会長 どうぞよろしくお願いします。神村先生、いかがでしょうか。
○神村委員 医師会の神村です。私は食中毒分科会にも参加させていただいておりますが、その中で今回御報告いただきました令和5年の食中毒事案、大量に発生したもの、あるいは死者が出たもの。加熱不十分ということが多かったのですが、その根底にあるのは繁忙期、あるいは受注が多すぎたオーバーキャパシティーによるところが多かったように聞いております。オーバーキャパシティーになると、一気に集中した勤務は、働き手の方も慣れない方が急にアルバイトで入ったりとか、いろいろと不都合が起こっているような状況もあると思いますので、その辺りを今後どのように徹底していただくのかが少し心配ではあります。以上です。
○村田分科会長 ありがとうございます。苅田委員、いかがでしょうか。
○苅田委員 私は、こちらの厚労省の食品分科会のほかに、食品安全委員会の、先ほども出ましたPFASの評価値を決めるワーキンググループにも参加していましたので、今、パブリックコメントがどのように出て、今後どのようになっていくか注視しているところです。その先の管理やマネジメントについても、どのように進められていくのかをすごく注視していきたいと思っています。
 それから、大学の教員としては、今回のような食品のいろいろなトピックス、食品中毒の発生状況などをいち早く認めて分かりやすく資料を作っていただけるということで、大変講義などに役立たせていただいています。ありがとうございます。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。続いて合田委員、いかがでしょうか。
○合田委員 最初、入れなくて申し訳ございません。5分ほど遅れて入りました。私が担当している部会の1つが、放射性物質対策部会であったのですが、これは非常に幸いなことに、それに関する問題がこの期間になかったので、大変よかったと思っております。
 私は、もともと国立衛研に入ったときの最初の部が食品関係のことを長くやっておりましたので、そういう意味ではここでされていた議論は、非常によく分かるというのでしょうか、食品衛生は、こういう形で最後にいろいろなことが決められているのだと。そういう意味では、高い位置からこの目で見させていただいて、大変勉強になったと思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いします。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。杉本先生、いかがでしょうか。
○杉本委員 杉本です。私は添加物を担当させていただいています。添加物、第10版の食品添加物公定書が出たところで、今回9から10に上がるにおいて、結構細かな所を見て改正を行っています。これから、また10版が終わって、現在11版の検討会を開催し、審議を行っているところですが、これから5年後、またたくさん変わる所もあります。それから、その間に新規指定や改正案件が出てくると思いますが、これからも何とぞ内容について確認していただけると助かります。
 また、添加物を担当していますが、他の内容についてこの中で議論をしたことにおいて勉強になりましたので、有り難く思っております。どうもありがとうございます。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。続いて曽根先生、いかがでしょうか。
○曽根委員 私は、新開発食品を担当させていただきました。この間、ゲノム編集食品が非常に大きなトピックでしたが、大体軌道に乗ったということで、新しい製品もどんどん上市をされてきております。今のトピックは、いわゆる培養肉といわれている新しい食品に移っております。今、これは技術的にも非常に進歩している途中であり、諸外国との競争もあり、一方でやはり国民の理解を得ていきながら進めなければいけないというリスクコミュニケーションの問題もあり、今後、相当な議論が必要ということです。
 そのようなトピックの中で、同時に健康食品による健康障害のモニタリングもさせていただきました。こちらに関しては、医療機関や薬局などの厚労省の管轄の現場とのコラボレーションが今後も非常に重要になってくるということで、是非、消費者庁と厚労省との連携をしっかりしてサポートしていただければと思っております。以上です。ありがとうございました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。高田委員、いかがでしょうか。
○高田委員 すみません。神戸市の高田です。私は、と畜情報に基づくと畜検査を行っています食肉衛生検査所という機関から臨時委員ということで、令和4年からこの分科会に参加をさせていただいておりました。私から特段意見を言う機会も余りなかったのですが、有識者の先生方の貴重な知識や御意見を拝聴することができ、大変勉強になり、参考になりました。また、今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、次に内藤先生、いかがでしょうか。
○内藤委員 東京都の内藤です。私は行政の食品衛生業務を担当しておりますので、こういった食品添加物、また農薬といった基準の設定については、どちらかというと非常に専門性が高く、審議に参加するというよりは勉強させていただいたということで、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 それから、今日は事務局から食中毒の話があったので、1点、東京都の状況を紹介させていただきます。先ほど御担当の方からあったとおり、東京都も令和4年と5年と比較すると、非常に食中毒が増えてきて、いわゆるコロナの前に戻ったという状況になります。そういった中で特徴的なのが、やはりお弁当の食中毒が多いということです。イベントが再開される中で、1度に大量の食事を提供する機会が増える中で、そういったことに慣れていない事業者が中毒を起こすというような事案がありますので、都としてもこういった通達、監視指導を重点項目にして、来年度も引き続き監視指導をしっかり行っていきたいと思います。いろいろありがとうございました。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。次に藤原先生、どうぞ。
○藤原委員 藤原です。私は、食品安全の研究をしているということで、この委員会に4年ほど所属しております。このような委員会に入る前の、法規だけで基準を読んでいたときより、実際に参加してみて、このように食品安全行政は動いていくのだと、非常に勉強になりました。先生方に御礼申し上げます。
 先ほど曽根先生からもお話があったように、今、培養肉が非常に進んでおります。実は、一緒に研究を進めている韓国の研究機関なども、あと2年ぐらいで実際の発売に向けて動こうということで、食品医薬品安全所と各研究機関とで動いているようなのです。その中で、法規をどのように整備していくのか、既存の法規がどの部分が障害になっているのかを、今、実践的に法規を緩和するなり、廃止するなりの段階まで進んでいるようなので、日本の行政のほうもそろそろどのような方向性で、どう動いていくべきなのかを検討すべき時期にきているのかと思います。
 もちろん、厚生労働省も含めて、いろいろな各省庁が動いているというニュースはお聞きするのですが、実践的な面でどのようにしていくのかは、この先ここにいらっしゃる先生方や皆さんのお力添えが必要なのかと思っております。引き続き注視しつつ、研究を進めてまいりながら、先生方からいろいろ学ばせていただければと思います。ありがとうございます。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。二村先生、いかがですか。
○二村委員 私は、食品添加物、それから農薬・動物用医薬品部会、食品規格部会と関わらせていただきました。議論に参加する中で、食品の安全や安心を守るための社会的な制度や仕組みがどのように機能しているのかを、非常に詳しく見ることができました。一方で、このようにきちんと管理されているのだということが、なかなか消費者にしっかり伝わっていないと思うような場面もあり、この後、基準行政は消費者庁に移管になりますが、引き続きしっかり管理をしていただくとともに、このように社会的にやっているのだということが伝わっていくようなコミュニケーションも期待をしたいと思います。
 それから、新開発食品部会に、何度か参考人ということでゲノム編集やバイオニックに少しだけ関わらせていただいて、本当に技術の変化というものが大きいのだということをとても感じています。そのときに、それに対応した新しい課題も出てくると思います。それから、技術だけではなくて、労働経済の環境や国際情勢など、社会の変化もすごく大きく早い時代だと思います。そういったときに、変化への対応が遅れることがないようにしていく必要があるのだということも、とても感じているところです。引き続き、省庁が分かれることで対応が遅れることがないように、むしろそれがきちんと強化をされるようになっていくことを期待したいと思っております。どうもありがとうございました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。続いて堀内先生、いかがでしょうか。
○原澤補佐 村田分科会長、事務局です。すみません、堀内先生は本日御欠席です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 そうですか。分かりました。では、松嵜先生、いかがですか。
○松嵜委員 松嵜です。全く専門的な知識が追いつかない中、消費者の立場で参加させていただいたのだと思います。ものすごく国民の健康を守るのにとても大事な会議だと思って参加していました。
 素朴な疑問を大切にしてきたのですが、最後に素朴な疑問として、毎回毎回たくさんの農薬などが承認されていくわけですが、本当に素朴で申し訳ないのですが、総量がどんどん増えているようなイメージで、それが大丈夫なのかということが少し心配になっています。
 それから、先ほども少し出てきましたが、リスクコミュニケーションというか、どんなことになっているのか国民が分かるような表示やアナウンスメントをして、それをすごく分かりやすくその情報を得ることができて、自分で選択をすることができて、何か健康被害があったときに、どこにどうやって伝えればいいのかということが、適宜、皆さん分かりながら、いろいろな選択ができるといいと思いました。以上です。いろいろありがとうございました。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。今日御出席の先生方全員に、一応御意見等を伺いました。どうもありがとうございます。
 それでは、最後に事務局から何か連絡事項はありますか。
○原澤補佐 事務局です。委員の先生方、本日も長時間の御審議を頂きまして、誠にありがとうございました。本日は、薬事・食品衛生審議会改組の前の最後の分科会となりますので、閉会に当たり、健康・生活衛生局長の大坪より御挨拶を申し上げます。
○大坪局長 皆様、お疲れさまでした。健康・生活衛生局長の大坪です。長い時間、御丁寧な御審議を誠にありがとうございます。
 先ほど、お話が出ておりますが、もう間もなく4月1日より食品衛生基準行政が消費者庁に移り、引き続き、厚生労働省において食品衛生監視を担当させていただくこととなります。これまで、ワンフロアで食品基準審査課と食品監視安全課の両課が一緒に仕事をしてきたわけですが、食品基準行政が消費者庁に動くということで、引き続き、よくよく連携を取っていけるように、どれぐらいの頻度で顔を合わせて話をしましょうかといったところも、しっかり話をしているところで、消費者庁ともこの2課ともしっかり連携を取って進めてまいりたいと考えております。
 併せて、薬事・食品衛生審議会が薬事審議会に改組をされます。それに伴い、本日御審議を頂きました食品衛生分科会が廃止となります。本日、最後の会議となります。これに伴い、この議論のあり方、議論の場所については、新たに設置をさせていただくこととなりますので、御承知おきを頂ければと思います。
 本日、最後の衛生分科会に際し、先生方におかれまして、これまで大変貴重な御指導、御意見を頂戴いたしましたこと、改めて御礼を申し上げます。今日もお話が出ておりましたが、かなり専門的な御議論が多く、また国内外でも様々状況が変わっていく中で、キャッチアップをしながら、その都度ごとに迅速に御意見を頂いてまいりましたことに感謝を申し上げるとともに、引き続きの御指導、御支援を頂けますよう、よろしくお願いいたします。本日も、これまでも、本当にありがとうございました。
○原澤補佐 事務局からの最後の御挨拶等は以上です、村田分科会長、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 本日は、長い時間の御審議、誠にありがとうございました。これをもちまして、閉会といたします。どうもありがとうございました。