令和5年度第1回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の議事録

日時

令和6年3月13日(水)

場所

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)

議題

(1)介護保険における福祉用具及び住宅改修の種目に係る検討について
(2)介護保険における福祉用具の選定の判断基準の見直し案に係る検討について
(3)その他

議事

令和5年度第1回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会

○小河係長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから令和5年度第1回「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」を開催させていただきたいと存じます。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 また、本日は、オンライン会議システムを併用しての実施とさせていただいております。動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。
 構成員の皆様の出席の状況でございますが、本日は、全ての構成員に御出席をいただいております。
 また、事務局でございますが、人事異動により体制に変更がございました。
 まず新たに着任をいたしました高齢者支援課長の峰村より御挨拶を申し上げます。

○高齢者支援課長
 皆さん、こんにちは。私、昨年の7月から高齢者支援課長を拝命しております峰村と申します。
 本日は、業務多忙の中、本検討会に御参加いただきまして、ありがとうございます。
 まず今日の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げたいと思います。
 構成員の先生方におかれましては、日頃より当省の政策に多大なる御理解と御指導、御協力をいただいておりますこと、この場をお借りしまして、感謝を申し上げます。
 本日の議題の一つ目の話でございますけれども、福祉用具への新たな種目、種類の追加とか、拡充につきましては、令和2年度において本検討会でいろいろと御議論いただきまして、その際に福祉用具の七つの要件に基づきまして、評価・検討の視点を整理していただいて、それに基づいて評価・検討いただいております。
 また、新規提案については年に1回程度、継続提案については必要なデータが整備され次第随時という形で、本検討会を開催しているところでございます。令和2年度から4回目ぐらいだと思いますけれども、この間、新たな福祉用具の追加は、一つにとどまってございまして、提案者への支援というか、サポートをどうしていくかというのは、これからの課題だと思っていまして、我々の中でも少し考えを始めているところございます。
 本日は、この開催に当たりまして、委員の皆様には、事前に多くの提案資料についてお目通しいただいて、様々な御意見とか、御助言をいただいております。ありがとうございます。今日は、その御意見とか、事前評価の結果を踏まえまして、事務局から今回の検討対象となっております福祉用具に関する資料をまとめておりますので、改めて御意見をいただければと考えております。
 また、議題の二つ目でございますが、介護保険における福祉用具の選定の判断基準については、本評価検討会において、大分前になりますけれども、平成16年に御議論いただいた上で策定をされております。それ以降、見直しがなされておりませんでした。別途、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会を2年ほど開催してきましたけれども、その中でも判断基準の見直しが必要ではないかという御意見をいただいているところでございます。
 そのため、今年度、老健事業を活用しまして、判断基準の見直し案、改定案を作成したところでございます。そうした経緯もございますので、本改定案についても、本日、委員の皆様から御意見をいただければと考えてございます。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○小河係長
 また、このほか、福祉用具住宅改修指導官の内田、福祉用具住宅改修係長の私、小河につきましても、人事異動により新たに着任をしてございます。
 それでは、議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 まず資料の確認を行います。
 電子媒体でお送りをしてございます資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページ上に掲載をしてございます。
 まず議事次第がございます。
 資料1、本検討会の開催要項。
 資料2、本検討会の構成員の一覧。
 資料3、検討を要する福祉用具の種目について。
 資料4、介護保険における福祉用具の選定の判断基準の見直し。
 資料5、介護保険における福祉用具の選定の判断基準の改正案。こちらは全文になってございます。
 続きまして、参考資料でございます。多くて恐縮でございます。
 参考資料1-1、介護保険法の規定。
 参考資料1-2、給付対象種目を定める告示。
 参考資料1-3、告示に関する解釈通知。
 参考資料2、福祉用具・住宅改修の概要。
 参考資料3、介護保険福祉用具における種目の評価・検討方法。
 参考資料4、介護保険福祉用具における評価・検討の視点。
 参考資料5、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会これまでの議論の整理、こちらは概要になってございます。
 参考資料6、あり方検討会の対応の方向性に関する取りまとめ。
 参考資料7、令和6年度介護報酬改定の主な事項についてでございます。
 資料の不足等がございましたら、オンラインで御出席の委員の皆様におかれましては、恐縮でございますけれども、ホームページからダウンロードいただくなどの対応をお願いいたします。
 次に、オンライン会議における発言方法等について、確認をさせていただきます。
 オンラインで御参加の委員の皆様、画面下のアイコンのマイクにつきましては、基本的にミュートにしていただきますけれども、御発言される際におかれましては、Zoomツールバーのリアクションから手を挙げるをクリックしていただきまして、検討会座長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をいただくようお願いを申し上げます。
 御発言が終わりました後は、手を下ろすをクリックいただきまして、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 発言希望の御意思が座長に伝わっていないと思われる場合におかれましては、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能でございますが、原則としましては、手を挙げる機能にて意思表示をお願いいたします。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。報道の皆様を含め、ここで御退室いただくことになりますのでよろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)

○小河係長 それでは、以降の進行を井上座長にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

○井上座長
 改めまして国立障害者リハビリテーションセンターの井上でございます。座長を務めさせていただきます。
 ちょうど一昨日が3月11日ということで、東日本大震災の話題などがいろいろと取り上げられていましたけれども、今年初めに起こった能登半島の地震では、まだ避難生活ですとか、あとはいろいろな御不便とか、御不安な中で生活されている方もいらっしゃるかと思いますので、少しこの場を借りまして、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 福祉用具の世界も震災があった能登へいろいろと支援をされているというお話も伺っておりますので、改めてこういった分野の重要性の認識が深まってきたのではないかというところと、これから仮設住宅などもできてきますので、まさに生活支援に移行していくフェーズに入ってまいりますので、またこういう福祉用具の分野の重要性がさらに高まってくるところも予想されますので、ぜひいい形で福祉用具を活用していただいて、生活の再建というのですか、そういったところに役立てていただければと思っております。
 あと、介護保険も報酬の改定ですとか、先ほど峰村課長からもお話がありましたけれども、あり方の検討会というところで、こちらも福祉用具の重要性がますます高まってきているところでございますので、今日、こういう貴重な場でございますので、構成員の皆さんには忌憚のない御意見をいただいて、また、今日の議論と次につなげるようなところでいろいろな御意見をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事次第に沿って議事を進めさせていただきたいと思います。
 まず議題「(1)介護保険における福祉用具の種目に係る検討について」というところで、これは事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○内田指導官 事務局でございます。
 資料3、検討を要する福祉用具の種目についてを御覧ください。
 1ページ目です。本日、評価・御検討いただきます福祉用具に関する提案は、令和4年11月1日から令和5年10月31日までに受け付けた提案の新規2件となります。
 本日の評価・検討に当たっては、介護保険制度における福祉用具の範囲の考え方である七つの要件及び令和2年度に整理した評価・検討の視点に沿って、事前に御意見をいただきました。
 提案者より提案された追加資料は、全て構成員の皆様に御確認いただいており、また、提案の概要の記載内容につきましては、提案者にあらかじめ確認いただいております。
 総合的評価(案)については、事前の評価・検討の御意見を基に事務局で案として整理させていただきました内容となります。
 総合的評価(案)の要件1から要件7の○×△の表記は、○は要件に該当、△は検証を含む資料が不十分であり、追加が必要、×は要件に合致しない、または資料がなく、評価・検討ができないなどとなりますが、構成員の意見等を反映しての判断で記載しております。
 それでは、順に資料について説明させていただきますが、時間の都合上、提案の概要と評価・検討の結果について、説明させていただきます。
 2枚目です。服薬支援機器についてでございます。
 概要としまして、服薬支援機器を福祉用具貸与の種目とすることを提案したい。本機器は、服薬したことを忘れたり、飲むべきときに薬を飲むことに気づけないなど、適切なタイミングで適切な薬を手に取ることが困難な認知症高齢者等を対象とし、機器にあらかじめセットした薬が音や光とともに自動で出てくることで、服薬のタイミングを知らせて、対象者が適切な薬を手に取ることを支援するものである。薬の飲み忘れや薬を重複して飲んでしまうこと、服薬量の間違いの改善に有効であり、対象者の自立支援につながるため、本気の種目追加を認めていただきたいということです。
 以降、要件に沿って提案の概要、また、構成員の意見という形で記載をさせていただいております。
 詳細の説明は割愛いたしまして、資料の18ページ、構成員の意見、総合的評価を読ませていただきます。
 一つ目の○です。検証データ数が不足しており、本機器の有効性・安全性に関する判断は困難ではないか。また、安全性の観点から、薬の飲み忘れが完全になくならない原因の分析が不十分であり、介護保険対象とするには、機器使用における適応判断及びリスク管理を明確にできないのではないか。服薬管理、服薬支援のどちらの位置づけであっても、生命の危機に直結するような薬が含まれる以上、飲み忘れの頻度の低減、重複して飲むことの低減というデータを持って有効性があると結論づけることは難しいのではないか。
 二つ目の○でございます。利用者の適用範囲や利用できない薬の範囲、リスクマネジメント等、安全性に関するさらなる検討が必要ではないか。この点が整備されれば、在宅の生活の支援を行う福祉用具としての要件を満たす余地もあるのではないか。
 三つ目です。当該機器の対象者を明確にするとともに、訪問看護や服薬指導と連携して活用することにより、高齢者の自立を支援し、かつ薬の飲み忘れや飲み過ぎの防止、服薬量の間違いや服薬効果の確認、残薬の減少等に資するものではないか。
 一般高齢者にも有効な機器であると考えられるため、一般製品との差別化を明確にする必要があるのではないか。差別化に当たっては、家族等に加え、医療従事者や薬局と連携の上、使用し、服薬の状況を家族等が確認するなど、介護サービスのシステムの中に位置づけて本機器を使用することが必要ではないか。
 一つ飛ばして、本機器は、安全性(コンセントが抜けるなどの意図しない電源喪失時における機器動作が服薬に与える影響等)に課題がある。
 次の○です。現状、薬局経由(薬剤師による居宅療養管理指導の範囲)で類似製品の利用が進んでいる状況で、福祉用具として新たに追加する必要があるか、疑問である。
 次の○です。費用対効果の検討が必要ではあるが、高齢者向け住宅や居住系施設等のように定期的な管理が可能な環境であれば、介護の生産性向上や業務負担軽減の用具として活用することを検討できるのではないか。
 最後の○でございます。令和2年度第4回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会において、服薬管理機器について議論された中で、総合評価として以下のとおり結論づけた経緯を踏まえ、再度、本検討会で議論するに当たり、服薬支援機器の取扱いにおける考え方を議論、整理するべきではないか。
 二つの意見としましては、利用安全の観点から、医学的管理の下でなされるものとして整理が必要である。
 そのため、服薬管理は、医学的観点から使用されることが妥当であり、介護保険の福祉用具になじまない。
 以上の構成員の意見、また、それぞれの委員の7要件に関する○×△を整理したものが、ここに示している事務局案の1~7までの○×△でございます。
 それを基に事務局の総合評価(案)でございます。下の二つの丸です。
 本機器の有効性や安全性に関しては、適用の対象となる利用者や薬の範囲、医療専門職の関与の必要性やその有効性、一般的な生活用品の使用時と比較した有効性や安全性の違い等を整理し、利用者等が在宅生活の中で適切かつ安全に本機器を使用できることについて具体的に示した場合は、在宅生活における服薬を支援する福祉用具として検討できると考える。
 本提案においては、検証データ数が不足していることに加え、本機器使用時における安全利用に関する分析が不十分であることなどの理由から、本機器の有効性・安全性に関して判断することは困難である。在宅での使用例に基づき、自立支援や安全利用のための対策を示すことや提案されている効果について、定量的なデータを用いた検証結果が得られる必要があると評価をし、総合評価(案)としましては、否とさせていただいております。
 以上になります。

○井上座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの事務局の御説明を踏まえまして、マル1服薬支援機器について、各委員から総合的な評価も含めて御発言をお願いいたします。
 なお、御発言の際は、資料も分量がありますので、提案番号とページ数をお示しいただいて、御意見等をいただければと思います。
 それでは、構成員の皆様、忌憚のない御意見をお願いいたします。御意見のある方は挙手をいただければと思いますが、いかがでしょうか。五島構成員、お願いします。

○五島構成員 会場から五島です。御説明をどうもありがとうございました。
 否については、賛成いたします。
 評価の過程の中で、服薬支援機器は、昔からデンマークとか、アメリカなどで、認知症の高齢者の在宅の自立支援ということで普及をしているところで、日本でこうした形で提案があったことかと思うのですけれども、今、1包化が在宅で結構進んでいる中において、服薬の支援、飲み過ぎだとか、飲み忘れであるとか、くわえて適切な量の服薬を管理する、また地域性もあると思います。介護保険の種目の在り方で検討する中において、きちんと個々の利用者の各種サービスの中に当該機器を適用していくことを考える時期ではないかと思いました。
 自分としては、有効性とか、安全性のところが×となっておりますけれども、△、あるいは機械としてはある程度限界のところに来ているのではないかという思いがありまして、むしろ今回の調査結果を拝見させていただいて、少数でもよかったので、運用の中でうまく飲めなかった件数がどれだけあったのかとか、逆にそういう人たちはどういう状態や状況だったのかということを明確にしていただきたかった。ある意味適用の話になってくると思います。
 そのあたりをきちんとしながら、服薬支援の機器を上手に使っていけば、家族やヘルパー、訪問看護の看護師も含めて、服薬の支援であったり、本人の自立のところでその効果を見ていくようなことができるものに十分なるのではないかと思いましたので、再度、提案するのであれば、適用の話をしっかりと出していただけるとよいのではないか。
 これは介護に限らず、例えば薬の服薬効果が明確に出ているかどうかとか、家に薬が異常に残っていることがないかとか、医療の視点で見たときに在宅での薬の状況がどうなのかというところは、経済的な部分にとっても非常に重要なことになると思いますので、そういうところでも寄与するものでないかと思ったところです。
 もう一つは、この提案はたしか自治体からの提案だったと思うのですけれども、必ずしも地域にきちんとした薬局が近くにあるとか、医療機関で状況を随時確認することができない中において、前回の委員会では、在宅での実証が難しいという話もある中において、自治体自らがこうした地域のニーズに応じて実施をしたことは、一つ意義があることではないか。手前みそではなくて、自治体自らの課題を解決しようということで、こういう特区を使って実施をしたことは、母集団が少ないという結果はありましたけれども、非常に意義があることではないかと思いました。
 機器単体で見た有効性の評価だけではなくて、医療・介護サービス費用全体に係るマクロ的な視点から、こうした服薬支援機器を使うことによる効果というか、評価のような視点も持ちながら判断をしていくことが重要ではないかと思ったところです。
 以上です。

○井上座長 ありがとうございます。
 在宅の生活の中での自立というキーワードですとか、適応の問題、サービスの中に機器を位置づけていくという御提案、あとは、確かに自治体の在宅での検証という、データを取ることが非常に難しいところでやっていただいています。そのあたりも今後引き続き発展させていくという御意見だったと思います。
 大河内構成員、先ほど手を挙げられていたと思います。お願いいたします。

○大河内構成員 まず数の問題がこういう検討会ではいつも問題になるのですけれども、こういう提案をする自治体や業者の方々は、なぜ最初に統計学者を入れてくださらないでしょうか。介入研究の場合、アウトカムを計算するための必要なnはまずするものなのです。どういうアウトカムであれば、どれぐらいの数が必要だというものに基づいて提案をするので、今後の提案に関しては、どういうアウトカムでどういうものを期待するからnはこうです。だから、この数でやりましたというのが前提にあるべきではないかと思います。多くのところがそれでうまくいっていないと思います。
 2番目は、これを服薬支援ということで、実は別の厚労省の厚生科学研究でしょうか、在宅での減薬のプロトコルとか、そういったものをつくるのにも関わってきたのですけれども、今、訪問薬剤師さんという方がおられて、薬の管理はむしろ訪問薬剤師さんにお願いするという方向にあるのではないかと私は考えていたのですが、この管理で介護保険の枠組みの中で薬剤師の役割はないのです。そうすると、この部分を機械的に介護保険で補うことができるのかということと、訪問薬剤師の役割が介護保険と医療保険のグレーエリアを新しくつくってしまうことが危惧されました。
 ほかの構成員の意見にもあったように、これは医療に関するものであるから、医学的管理の中で考えるべきであるという意見があったことに私は賛成で、お薬の問題を介護保険の中に入れてしまうと、制度をさらに複雑にしてしまうので、むしろ訪問薬剤師などにおいてこういったものを設置する、つまり介護保険の福祉用具ではないところで使うほうが妥当ではないかと私は考えております。
 以上です。

○井上座長 統計学者は非常に重要なところだと思います。それと、今、薬剤師が訪問をしていく中で医療との切り分けという御意見だったと思います。ありがとうございます。
 久留構成員、お願いいたします。

○久留構成員 ありがとうございます。久留でございます。
 今、五島構成員、大河内構成員の御発言とも関連をいたしますが、今回の裁定の否ということについて、反対するものではございません。今回提案された案件につきましては、あくまで現行の判断基準に基づく判断になりますので、事務局の御整理でいいのではないかと思っております。
 ただ、これまでの福祉用具の貸与につきましては、福祉用具を貸与することにより、自立支援や介護者の負担軽減を図ることが目的化されておりますので、介護保険が施行されてから24年を迎えておりまして、この間、多様なサービスが用意されてきております。それぞれのサービスの充実はもとより、今、大河内先生のお話にもありましたが、介護保険の中に居宅療養管理指導がありますし、その中に服薬指導も薬剤師の関与の下で位置づけられています。
 こういうことを考えますと、今後の介護保険を見たときに、各種サービスを効果的に組み合わせることによって相乗効果が見込めるものです。今回の服薬の機器につきましては、皆様の御懸念点というのは、今、大河内先生がおっしゃったような医学的管理の問題もありますし、それが福祉用具貸与という中で、福祉用具専門相談員の関与のみで完結できるかという懸念はあるわけでございますので、そういったことを考えたときに、ほかのサービスとして訪問看護や居宅療養管理指導、訪問介護、こういったものがありますし、また、居宅ケアマネさんもいらっしゃるわけで、こうした中で考えますと、福祉用具の貸与と他のサービスを組み合わせることによって、医学的管理を補うことが施行できれば、この機器の本来の目的は達せられるのではないか。
 先ほど五島委員がおっしゃったように、機器そのものの完成度が高いことを考えますと、今回の御提案にあったような自治体さんで、そういう組み合わせによっての施行みたいなものを検証いただいて、そのデータに基づいて、今回、懸念があった安全性や有効性についてこのような改善が図られる、もしくは補完ができたという御提案があってもいいのではないか。むしろ機器の開発を阻むことよりは、それをどう生かしていくかということを私どもは考えていくべきではないか。
 折しも厚労省では、複合型サービスの検討という形でこういう考え方の取組が始まっているところですので、高齢者支援課におかれましても、ぜひそういったところを勘案いただいて、将来的に良い機器が世の中に普及していくような方向性での御指導をいただければと思っております。
 以上です。

○井上座長
 サービスの組合せという一歩踏み込んだ御意見をいただけたと思います。ありがとうございます。
 そのほか、ございますでしょうか。松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 今、これまでにお話が出ていますけれども、介護保険の居宅療養管理指導とか、医療保険での在宅患者訪問薬剤管理というようなところで薬局が関与して、利用者の負担なしで機器を在宅で使っていただき、薬局側が負担するような形のビジネスモデルが徐々に広がっています。そういうビジネスの工夫をされて、機器が既に無償で利用者に届き始めているという中で、改めて介護保険の福祉用具として本当に必要なのかどうかという点は、少し気になっております。
 それ以外に今回提案されている機器に関してですけれども、安全性について、特にバックアップ用の乾電池では1日、2日しか使えないとか、また電源が戻ったときに設定が結構大変だということで、例えば1人で暮らしておられるような利用者の方がこのまま福祉用具として提供されても、意図しない電源の喪失、停電であったり、間違ってコンセントが抜けてしまったりということがあったときは難しいのではないか。抜けていること自体がすぐ分かるように安全設計するとか、機器としての設計にもう少し改善する余地はあるのではないかという点が気になりました。
 現状、今回御提案の機器以外にも、昨年度の時点で13種類ぐらいですか、類似の福祉服薬支援の機器が既に販売されているということで、今回の機器に限らずに考えたときには、そういう細かい点以外は、実際の生活では役に立つものだと思いますけれども、皆様、これまで御指摘された点をいろいろと整理する必要があると思いますので、全体の判断としては特に異論はございません。
 以上です。

○井上座長
 物としての安全性、また、使い方の安全性もあるかと思いますけれども、そういったところをありがとうございました。
 そのほか、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に事務局で整理していただいた総合的評価の記載内容ですとか、評価・検討の結果の案とか、そういったところで追加すべき点などはございませんでしょうか。この文言も含めて、御指摘、御意見があれば、いただければと思いますが、いかがでしょうか。渡邉構成員、お願いいたします。

○渡邉構成員
 私も皆さんの御意見に賛同しておりまして、結果も対象ではないということで賛成いたします。意見としては、只今、井上座長が言及されたところで、最終案の総合的な評価のマル1の一番上の○の本機器の有効性・安全性に関してのところの追記です。
 一般的な生活用品との使用時と比較した有効性・安全性の違いと書いてありますが、それもそうなのですが、そもそも一般の商品との差別化が問題だと思っています。
 要介護認定を受けていなくても服薬管理が必要な方はたくさんおり、その方々が使う製品は介護保険の対象ではない一般製品になります。一般製品との差別化がしにくいということが給付対象ではないという判断理由にしていますので、その辺を少し分かりやすいように記述していただければと思っています。
 以上です。

○井上座長
 ありがとうございます。
 事務局、よろしいでしょうか。コメントはございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、渡邉構成員、そういった形で文言を事務局でつくっていただいて、修正ということでよろしいでしょうか。

○渡邉構成員
 ありがとうございます。

○井上座長
 ありがとうございました。一般用具との切り分けのところですね。
 服薬支援機器も複雑さというか、単純なカレンダーのところから機械的なところまでありますので、そういう製品ラインナップの中でどういう方が使うと有効なのか、そんなところも整理していく必要もあると思いました。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、事務局で結果の確認をお願いいたします。

○内田指導官
 本日の構成員の御意見、御議論を踏まえまして、新規提案いただきました服薬支援機器については、否とさせていただきます。

○井上座長
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、食事支援機器につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○内田指導官
 続きまして、同じ資料3の19ページでございます。食事支援機器について、説明いたします。
 19ページ上段の提案に関してです。本機器は、自立して食事をすることができない人の食事の選択、摂取、栄養摂取を支援し、日常生活における食事時の活動の能力を拡張することを目的としている。先天性・後天性の神経学的、身体的な上肢の障害を抱えて日常生活を過ごし、自立して食事を取ることができない方を対象とする。操作が簡単で使いやすい設計がされており、様々な国において上肢を使うことができない方に食べ物を食べたいときに食べることができる環境を提供するという機器で提案をいただいております。
 その後、各要件に沿って、提案の概要、また、構成員の方からの御意見を記載しているところです。
 ページが飛びまして、27ページに各構成員の意見、それから、7要件に関するまとめを整理させていただいておりますので、そちらを読ませていただきます。
 各構成員の意見、上からになります。障害者には一定有用かと考えられるが、提出された実証結果は米国のものであり、多くは若年の障害者であった。日本の要介護者と食事の内容でのデータ収集を行っていないため、評価項目に沿って評価することは難しいのではないか。想定ユーザーを明確にした上で、要介護者等に有用である結果を示していただきたい。また、白米やみそ汁、麺類等の日本特有の食文化も踏まえた評価も必要ではないか。
 二つ目の丸です。国内での販売実績がない、レンタルの体制が未整備、業界高齢者の有効性評価が未実施等、本制度の対象とするには、準備や情報が十分に備わっているとは言い難いのではないか。
 次の○です。保険給付の対象となる筋萎縮性側索硬化症の方においても、喉や舌の筋肉低下により適用除外となる場合もあるのではないか。高齢者の場合、とりわけ医師やセラピストによる継続した状況確認が必要ではないか。なお、医師やセラピストによる継続した状況把握が必要なのであれば、治療用でなくとも医療機器との解釈ができるのではないか。
 次の○です。本機器の操作アーム等がデリケートな動きをしたと仮定しても、利用者の座位姿勢の保持が正しい食べる姿勢になっていない場合、誤嚥の危険性が高いのではないか。高齢者においては、誤嚥性肺炎等の発生率が高いことを踏まえると、当該機器の利用者選定に当たっては、嚥下機能のアセスメントが極めて重要であり、福祉用具専門相談員のみの判断では難しいのではないか。
 まずは老健施設やデイサービス等の医療従事者が所属する施設等で評価してみてはどうか。
 次の○です。上肢に障害があり、認知機能及び嚥下に問題がなく、かつ食事への意欲がある方が対象である中、特定の難病等の疾患を持たない要介護の方において適応する利用者が考えにくく、要介護度での利用者範囲が定義しにくいのではないか。本機器は、身体に装着するものではないものの、有する機能は、電動義手と同様と思われるため、障害者総合支援法による補装具費、日常生活用具においての給付が適するのではないか。
 下から二つ目の○です。希望小売価格からすると、非常に高価な機器であり、介護保険での給付対象とするには、経済的合理性に疑問がある。高額かつ対象が限定されることを踏まえると、保険給付対象であっても高額な自己負担となり、利用促進が期待できないのではないかという御意見をいただいております。
 7要件に関する○×△は御参照ください。
 その上で、事務局の総合評価(案)でございます。下の二つを読みます。
 本提案においては、日本特有の食文化を踏まえた国内の要介護者における検証データ数が不足していることに加え、本機器使用時における安全利用に関する分析が不十分であることなどの理由から、本機器の有効性・安全性に関して判断することは困難である。在宅での使用例に基づき、自立支援や安全利用のための対策を示すことや提案されている効果についての定量的なデータを用いた検証結果が得られる必要がある。
 また、本機器の使用に際し、障害者の身体状況に応じた個別の対応が必要であると考えられることから、利用者の適用の範囲等について、整理が必要であるとしております。その上で、評価結果(案)としては否とさせていただいております。
 以上です。

○井上座長
 ありがとうございます。
 ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、マル2になります食事支援機器について、各構成員の皆さんから総合的な評価も含めて御発言をお願いいたします。
 こちらにつきましても、提案番号とページ数をお示しいただきながら御発言をいただけると助かります。
 構成員の皆様、いかがでしょうか。五島構成員、お願いいたします。

○五島構成員
 御説明をどうもありがとうございました。
 今、内田指導官から御説明していただいたことに全くの賛成ということで、そのとおりでいいのではないかという立場であります。
 今回提出された資料の御説明をいただきましたように、国内の日本の高齢の要介護者を対象にしたデータではないことと、若年の障害者を対象にしたデータということで、七つの項目を想定しながら評価をすることが困難な状況でしたので、リトライをするのであれば、きちんと日本の要介護高齢者を想定した視点での評価結果を提出していただくことが必要ではないかと思いました。
 介護保険の中で適応としてALSの方、また、アメリカではALSの高齢者にも利用されているようなことが少しありましたけれども、御説明にもありましたように、喉とか、舌の筋力が徐々に低下していく中において、現行の福祉用具の貸与種目の中で必ず医師の処方を受けてから使うべきものが一定まだないということだと思いますので、これを専門相談員であるとか、ケアプランの中に位置づけることに対しては、ハードルを越えないといけないのではないかと思ったところでございます。
 一方で、重度の障害者です。特に首から下が不自由な障害の方にとっては、有効な用具ではないかと思います。障害の方においては、既に障害者総合支援法の日常生活用具の中に食事支援という項目がありますので、ちょっと高額ではあるのですけれども、重度の障害の方になりますと、朝晩であるとか、常に介護されている方が食事を介助されている実態があるわけです。実際の費用対効果を見ながら、障害者の方が使う用具は高額のものを給付するケースもありますので、障害者の制度の中で使えるということもあるのではないかと思いました。
 また、製品の概要でいいますと、アメリカの食事と日本の食事は違うと思います。白米であったり、みそ汁であったり、麺類であったり、そういうものが全く食べられないようなものをどう判断するのかということも慎重に判断してあげないといけないのではないかと思ったところでございます。
 以上です。

○井上座長
 データはまだ取れていないところもありますので、そこのところと安全性への問題、障害との区分けというか、そんなところだったと思います。ありがとうございます。
 濵田構成員、お願いいたします。

○濵田構成員
 ありがとうございます。
 本件についてということでは特になく、結果のとおりでと思っておりますが、今回、海外の製品ということで、例えば先ほどの服薬支援ですと、ある程度類似の商品が出ていて、いわゆる動き方なども想定できるのですが、今回の器具については、どのような使用場面になるのか、いろいろと資料もいただきましたけれども、想定しにくい部分もあったりしますので、使用場面の動画のようなものもあると、これはこの製品に限らずということでありますが、少し判断の参考になるというのは感じました。
 感想のようなことで恐縮ですが、以上です。

○井上座長
 分かります。書面で見ているだけだと、どうやって使えばいいのか分からないところがあると思いますので、そういう動画ですとか、工夫して資料を提出いただけると、我々としても非常に助かりますし、しっかりとした判断ができると思います。ありがとうございました。
 そのほか、御意見等はいかがでしょうか。久留構成員、お願いいたします。

○久留構成員
 ありがとうございます。
 今、井上座長がおっしゃった動画につきましては、事務局より後日送付された動画を拝見いたしました。それを見ても、被験者の方が健常者ではなかったと思うのですけれども、27ページの四つ目の○に書かれておりますように、座位姿勢の保持がきちんとできている方でないと、機器の位置が変わらない以上、口の位置が変わってきてしまうので、誤嚥の危険性が増すことになりますので、今回の総合的評価は妥当だろうと思います。
 ただ一方で、この手の機器もこれからいろいろと手が挙がってくるのだろうと思うのですけれども、先ほど五島委員がおっしゃった医師の判断に基づくということはないにしろ、介護保険の福祉用具貸与については、基本的には自己決定なわけです。御本人が選択されて、これでよしとされれば、仮にこれが給付対象になったとしても、その場合には御本人の判断で利用されることになりますけれども、ただ、今回、福祉用具貸与の旧分科会での御審議で入れられた選択性も自己決定が前提になっています。
 一方で、本当に自己責任が問えるかという問題があるわけです。ついこの間、学校給食でウズラの卵を喉に詰まらせて小学生が死亡した例がありましたけれども、あの例をとってみても、自己責任という形にはなっていないわけです。給食をつくった側の問題、それを学校の教室という空間の中で、どのような管理下でそれが食されたのかというところまでが問われることになりますと、ましてや高齢者が利用する介護給付になりますと、自己責任だけでは問えない部分が出てくる。
 そういうことから鑑み、この機器を見たときにどこまでの安全性が担保されているのかということについては、翻って事務局が御説明なさったように、十分な検証結果が得られていないという結論としては、そうだろうと思うのですけれども、大河内先生が先ほどおっしゃったようなデータをどのようにきちんとされるか。
 特に今回の場合、日本人のデータがないということもありますので、そういったことを総合的に勘案して、否で妥当だとは思いますけれども、今回の機器で我々が示唆として得なければいけないのは、自己決定と自己責任のところをきちんと見ながら、その利用に対して最大限の配慮をしていくべきだろうと考えております。
 以上です。

○井上座長
 ありがとうございます。
 自己決定、自己責任、非常に重要な指摘だったと思いますし、安全性のところは、どこに危ないことがあるのかというところもまだ見えていないような印象も受けましたので、そういうところをしっかり出していただくところと、安全性に問題がある点でも、用具につきましても、介護保険制度の中ではいろいろな工夫をしながら対象にしていくところもありますので、安全性の議論をもっと進めながら、一緒に対処を考えていくところが必要になると思いました。
 そのほか、御意見はございますでしょうか。大串構成員、お願いいたします。

○大串構成員
 少し観点が違うかもしれませんけれども、使用者の自立を促す機器をなっているのかということは考えないといけないと思っていて、ここにはあまり載っていなかったのですけれども、恐らくその方のお食事を助ける点においては、介護者のマンパワーをある程度機械で補う機能が十分あると思います。しかしながら、例えばお食事の準備を自分の手で食べなくなってしまう、もしくは手を使わないことになると、それを何とか介助してあげるとか、使っていくことが自立支援が該当すると思いました。
 ただ、本機器がもともと手のない方とか、手が使えない方をうまく補完するものとして出されているものであるので、その点においては、この機械はもともとの役割を果たしていると思ったわけです。
 要支援や要介護の高齢者の方が実際に使ってみるようなデータがあった時点で、改めて機械の意義を考えることが必要だと思ったので、本機械の条件、検証のシチュエーションでは判断ができなかったというのが私の考えになっております。

○井上座長
 福祉用具で非常に重要な使い方というか、どういう方にどういうふうに使えばいいか、そこも併せて検討していく必要があると御意見だったと思います。ありがとうございます。
 そのほか、御意見はございますでしょうか。
 事務局でまとめていただいた総合的評価の記載内容ですとか、結果の修正が必要な点といったところも含めて御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 まず全体の総合評価としては、私も異論はございません。
 ただ、食事支援について、こういうテクノロジーを使った機器に関しましては、外国でも開発がいろいろと進んでいて、今回の御提案の機器も海外で開発されたものですけれども、ほかにも幾つかも上市されているのは承知しております。そういう意味で役に立っているものができているのだろうと思います。
 私がスウェーデンで伺った話ですけれども、利用の判断とOTとか、PTとか、看護師とか、そういう方でアセスメントして、安全にきちんと使えるかどうかということは確認されていることを伺ったりしていますので、今回のような介護保険での福祉用具の貸与でうまくできるかどうかというところは、よく考えないといけないと思います。
 あと、価格に関しては、今回のものはすごく高価ということで、以前、日本国内で開発されて、介護保険対象ではないですけれども、利用されていた機器の販売が終了してしまったということで、今後、類似した機器というのは、国内でも広がってほしいと思ってはいるのですが、今回のものに関して言いますと、介護保険の福祉用具としてこれだけの価格のものを使ってしまうと、ほかのサービスと両立しないということで、利用促進の意味でも今回のものではまだ難しいという感想を持っております。
 これからいろいろな機器が入ってきて、ある程度普及して評価されていくことになったときに、改めて種目としてこういうものを検討する余地はあるのではないかとは思っておりますけれども、先ほどの給付のときにどう判断するかということも含めて、現状ではまだ難しいと思っております。
 以上です。

○井上座長
 ありがとうございます。
 安全性の面に加えて、価格といった御指摘もあったと思いますし、以前、製品としてあった国内のものに比べても大分高いところもありますので、そのあたりもビジネスモデル等との兼ね合いもあるかもしれませんが、御検討を進めていただければと思います。
 そのほか、御意見等はございますでしょうか。五島構成員、お願いいたします。

○五島構成員
 先ほどの意見と重なるところがあるのですけれども、今回提案していただいた資料の中身を見ると、今、議論になっていますが、医師が必ず処方した上で使用することが記載されていたのです。先ほど久留構成員から話がありましたけれども、日本の介護保険のシステムではそうなっていないと思いますので、この後、継続して介護保険の対象品目として実証していくのであれば、ターゲットユーザーを高齢者のどういう状態の人やどういう状況の中ということを置いた上での実施をしていただかないと、判断ができないと思いました。

○井上座長
 ありがとうございます。
 どういう方がどういうふうに使うかというポイントです。それと、海外物なので、海外では、医療機器と福祉用具が同じカテゴリーの中で議論をされていきますので、そういったところから日本に入れたときに、どのようにそこを整理していくかというポイントもあると思いました。
 そのほか、御意見はございますでしょうか。文言等のコメントもよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、事務局から結果の確認をお願いいたします。

○内田指導官
 事務局でございます。
 いただきました御意見、御議論も踏まえまして、新規提案いただきました食事支援機器については、否とさせていただきます。
 ここで福祉用具の種目に係る検討の部分で幾つか報告をさせていただきます。
 昨年度開催した本検討会における議論の結果を踏まえ、排せつ予測支援機器及び装着型介助支援機器、介護専用になります。あと、入浴用補助椅子Aについては、評価・検討の継続とさせていただき、引き続き提案者による検討が行われているところです。
 なお、装着型介助支援機器及び入浴用補助椅子Aについては、追加データの収集に関し、今月内に提案者と事務局で面談を行う予定となっております。
 継続案件につきましては、皆様の御助言をいただきながら、必要なデータ等が整備され次第、本検討会を開催し、評価・検討してまいりたいと考えておりますので、引き続き御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 以上となります。

○井上座長
 御報告もいただきまして、ありがとうございます。
 改めましてですけれども、食事支援機器については否ということと、前半で御議論をいただきました服薬支援機器につきましても否ということで、この委員会としての結論とさせていただきます。
 皆様、改めましてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 あとは、継続案件の御報告もいただきまして、ありがとうございます。なるべく役に立つものはしっかりと給付の中に入れていけるような考え方もこの委員会にあると思いますので、引き続き少しエンカレッジをしながら、厚労省にもサポートをいただきながら、さらなる検討を進めていただいているということでしたので、またこの会でぜひ議論をさせていただくということで進めていただければと思います。
 あと、今日、二つの機器を御議論いただきましたけれども、少し共通しているのは、境界領域というのでしょうか、服薬のところは医療との関係、後半の食事支援に関しましては障害との関連というところがありましたので、このあたりは介護保険という枠の中できっちり考えるという考え方もありますけれども、今日、久留構成員からもありましたが、いろいろな組合せですとか、福祉用具の在り方というか、存在意義というか、そういうところを考えながら、いろいろなところとの連携というのですか、組合せなり何なり、そういう中で発展をしていく考え方もあると思った次第でございます。
 もう一つは、後半のところで確かに介護保険で特定疾患の方も対象になっているところで気づきというのですか、改めてそういうところもありましたので、そのあたりも今後少し頭の中に入れながら考えていく必要があると思った次第でございます。
 それでは、最初の1番目の議題に関しましては、これで終了ということで、次の議題に移りたいと思います。
 次の議題でございます。「(2)介護保険における福祉用具の選定の判断基準の見直しに係る検討について」ということで、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○内田指導官
 事務局から説明させていただきます。
 介護保険における福祉用具の選定の判断基準改定案に関して、資料は、全部記しているのが資料5になります。九十数ページありますので、資料5を見つつも、説明自体は資料4を活用しながら説明させていただきたいと思っております。
 資料4は、見直しの背景とスケジュールを示させていただいております。資料5を見ていただいてもお分かりのように、種目ごとに記載されておりまして、平成16年につくったときには、種目に関して使用が想定しにくい状態像と使用が想定しにくい要介護度が記載されているものでした。今回はその後の留意点のところを少し詳細として加えた流れでございます。
 資料4を基に説明していきますが、平成16年につくって、それ以降、見直しがされていなかった状況もありましたので、介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会のこれまでの議論の整理というところで、その後、給付対象として追加されたものであるとか、軽度とされているものの利用も踏まえた検討であるとか、多職種連携の促進等の観点からということで、見直しの必要性について御指摘をいただいたところでありました。それを受けて、今年の老健事業の中で検討を重ねて、今回、改定案を提示させていただいているところであります。
 資料4の1ページ目の中段にあります老健事業の中では、文献調査から福祉用具の利用事例、事故、ヒヤリ・ハット事例の調査を含め、有識者へのヒアリングも実施して、検討委員会、ワーキンググループ、地域検討会といった複数の会議体での協議の結果を踏まえ、改定案を策定したという形になっております。
 その下の段の主な利用場面としましては、特に介護支援専門員さんを中心にケアプランに福祉用具を位置づける場合に活用するという整理をしているところです。
 次のページの判断基準の見直しに関する主な意見に関しては、あり方検討会においていただいた主な意見を九つ載せているところです。
 先ほど申しましたとおり、給付対象になったものを追加したり、医師やリハビリテーション専門職とか、多職種の連携促進等々の御意見をいただいて、整理をしているところでございます。
 こういった御意見を受けて、次の3ページ目、4ページ目に構成と主な事項を記しつつ、右側には具体的な改定の内容案という形で整理をさせていただいております。
 まず「はしがき」のところは、改定に至った経緯等を記載しつつ、判断基準の構成としては、先ほど申しました留意点にボリュームを持たせているところです。
 また、利用者の心身の状況等を踏まえたサービス計画の作成など、介護支援専門員や福祉用具専門相談員の役割を記載しております。
 例外的な給付を行う場合の取扱いが確認できるようにというところで示しておりますし、平成16年は要支援という記載であったものを、現状の要支援1、要支援2に分けて記載をしております。
 種目全般に関する留意点は、一番追記したところが分かりやすいと思っておりますが、選定については、後ほども出てきますが、五つの視点です。利用目的や利用者の状況、介護者の状況、住環境の状況、他の福祉用具との状況等々、自立支援の観点からそれぞれ適切かどうかを確認していく視点を追加しております。
 また、令和6年度に一部の種目・種類を対象とした福祉用具貸与と販売の選択性がある部分に関しても、追記をしているところです。
 適切なケアマネジメントのため、介護支援専門員や福祉用具専門相談員が必要性について、医師やリハビリテーション専門職へ意見を求めることが望ましい具体例を記載しているところです。
 これまでの事故情報であったり、ヒヤリ・ハット情報を蓄積しているものに関して、注意喚起を目的に記載をしているところであります。
 後半の4ページは、その詳細といいますか、改めて平成17年以降に新たに給付対象となった種目であるとか、給付対象から外れた種目等々を記載しておりますし、重複になりますが、種目ごとの留意点に関しては五つの視点、医師やリハ専門職等の意見を求めることが望ましいであるとか、それぞれの注意喚起であるとか、発出された文書等も載せているところであります。
 以上が今回の判断基準の見直しの説明となります。

○井上座長
 ありがとうございます。
 あり方検討会の指摘を受けて、これの見直しをしていただいたところです。
 あと、あり方検討会で選択性という言葉が先ほどから出ておりますけれども、購入と貸与を選択できるようにしていく形で、令和6年度から一部の種目について、制度の改定もあるところも踏まえて、基準の見直しの作成をいただいたところだと思います。
 渡邉構成員がこちらの検討会の座長をお務めでいらっしゃいますけれども、補足等はございますでしょうか。

○渡邉構成員
 補足としては、いかに現場で使いやすいものにするかということにとても留意して作成させていただきました。
 また、介護保険が始まって、これまでいろいろな専門職の方が現場でのノウハウを蓄積されてきましたので、それを多く吸い上げるためにたくさんのワーキンググループで意見を吸い上げ、妥当性があると判断したものを留意点に加えさせていただいています。
 もう一点、事故に関しては、安全利用は大切ですので、必ず選定のときに留意し、事例を参照できるように事故情報を参照できる形を取っているところでございます。
 以上です。

○井上座長
 非常に多くの議論をまとめていただいたということで、ありがとうございます。
 それでは、この件につきまして、構成員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、いただきたいと思います。
 こちらにつきましても、ページ数等をお示しいただきながら、御発言いただけると助かります。
 大河内構成員、お願いいたします。

○大河内構成員
 今の事故情報の件は、まさに今のページで構わないのですけれども、リファレンスできることはとても重要だと思いますし、できればこういう事故があったことを即時に情報収集されて、公開されるような仕組みがあるとなおいいと思いますが、薬剤と同じように公的なものですから、もしそれをするのであれば、そのような収集できる仕組みも併せてやっていただけたらと思います。厚労省の方、御検討をお願いいたします。

○井上座長
 ありがとうございます。
 厚労省の事務局からございますでしょうか。よろしいでしょうか。

○内田指導官
 安全利用に関しての事故情報の収集に関しては、御意見をいただいて、ありがとうございます。我々としても大切な情報だと思っておりますので、改めて体制を含めて検討したいと思います。

○井上座長
 重大事故などは消費者庁ですとか、経産省もやっていますか。事故の情報を収集して分析しておりますので、そういったところとの連携なども必要かもしれませんし、厚労省としてどういう形でやるのかという、その辺のポイントもあると思いますが、何かございますか。
 大河内構成員、御指摘ありがとうございました。
 そのほか、御意見はございますでしょうか。久留構成員、お願いいたします。

○久留構成員
 ありがとうございます。
 今、大河内構成員がおっしゃったような薬剤の世界で行われている情報共有のシステムは非常に即時性もありますし、効果も高いと思われますし、事故防止にもつながるということでございますので、ぜひ私も御検討いただきたいということを重ねて要望したいと思います。
 ただ一方、資料5ですけれども、10ページに関連して、渡邊委員が座長として取りまとめいただいたことに対して敬意を表しますが、ここの部分なのですけれども、事故報告につきましては、介護保険法の指定基準上、各市町村保険者に報告する義務があって、これまで報告の義務があったのですけれども、どんな情報をどのぐらいの内容で報告すればいいかという規定がなかったので、国で標準様式をつくられたと承知をしております。
 今回、介護保険の見直しの中での事故情報については、国が一元的に集約し、分析してフィードバックをしていくという取組もされると伺っておりますので、期待をしているところですけれども、事故情報は情報共有しただけではあまり意味がなくて、そこからいかにインシデント、アクシデントに至らないように現場が業務を改善したり、注意をしながら介護行為を提供していくようなことが大事です。
 こういったお取りまとめいただいた判断基準の情報が福祉用具の関係者だけにとどまるのではなくて、10ページにも書いてありますように、2段落目は、介護保険の貸与の指定基準の文面だと思いますが、当該福祉用具の使用方法、使用上の留意事項等について、十分な説明を利用者の家族や訪問介護員等に行った上でと書いてあるわけですから、サービス担当者会議などを踏まえて、より広範囲な関係者に情報を共有し、さらに情報の共有を受けた専門家たちは、それぞれのサービスの場面でいかに事故を起こさないような取組をしていくかということを考えていただかなければいけません。
 福祉用具貸与につきましては、当然福祉用具専門相談員が関与する場面が非常に限られておりますので、日常的に福祉用具が使われている場面に毎日のように訪問しているような訪問介護員や訪問看護の方々、リハの方々は、機器使用についてきちんと認識をした上でこういった情報を共有することが非常に大事だと思います。したがって、サービス担当者間の情報共有が重要だと書いてあるのですけれども、その情報の共有で止まるのではなくて、さらにそれぞれの場面において機器活用のインシデント、アクシデントの防止に留意するように考えていただくようなことも少し書き加えていただけると、より効果が高いと考えました。
 それと、先ほど井上座長もおっしゃっていましたように、最後のページを見ますと、福祉用具の関係の団体が並んでいるのですけれども、これ自体はそれで構わないのですが、先ほどお話もありましたように、国民生活センターですとか、経産省ですとか、消費者庁、こういったところも様々に情報を寄せられている、または持っていることが勘案できますので、こういったところもより連携を強めていく、より情報の幅を広く持って、ウイングを広げたほうがより多くの情報が集まってきますので、せっかく国が一元的に集約し、分析してフィードバックするとおっしゃっているわけなので、そのところも含めてできていくと、非常に有効なシステムになっていくのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○井上座長
 ありがとうございます。
 福祉用具はいろいろなところと絡んできますので、そういった中でのこういう事故ですとか、ヒヤリ・ハットの情報を集約していくのが重要だと思いました。
 あとは、サービス担当者会議に関する記載の御意見をいただきましたけれども、こちらを反映させることは可能なのでしょうか。事務局は御意見として賜る形になりますか。

○内田指導官
 御意見としていただきつつ、中身に関しても少し検討させていただきたいと思っております。

○井上座長
 よろしいですか。ありがとうございます。
 井上構成員、お願いします。

○井上構成員
 おまとめいただき、ありがとうございました。
 今、資料5を拝見しているのですけれども、私が見ていて、すごく分かりやすくなっていると思って、ありがたく思っています。
 いろいろな委員の方がおっしゃっていましたけれども、ケアマネジャーのほか、相談員、そして、実際の現場で働いている介護職なども使うことも想定されているということなので、具体的な車椅子から移動用リフトまでのつり具の部分のところで新しくなったものは、いつから新しくなって加わっているかを入れていただけるといいと思いました。この後にもし新しいものが加わったら、追加されるだろうと思いましたので、私がもし働く立場だったら、新しくなっているのはこれなのかということを確認したいと思いましたので、そこを入れていただけるとうれしいと思っています。よろしくお願いいたします。

○井上座長
 ありがとうございます。
 新しくなったというのは、新しい機器ということですか。項目ですか。

○井上構成員
 種目で増えているものです。

○井上座長
 種目で増えているものについてということですね。ありがとうございます。
 事務局でこのあたりはいかがですか。

○内田指導官
 こちらも検討させていただきたいと思っております。

○井上座長
 貴重な御意見をありがとうございます。
 岩元構成員、手を挙げられていますでしょうか。お願いいたします。

○岩元構成員
 ありがとうございます。
 ガイドラインの策定に当たっては、私も議論に参加させていただいた立場でございまして、この場で内容についてどうこうということを申し上げることはないのですけれども、一方で、私ども福祉用具の関係者の中で今の話題の中心は、どうしても選択性のところに偏っていまして、判断基準の改定に関する興味関心が意外と薄いようにも感じております。
 ただ、今回の改定の作業を通じて改めて感じたのは、こういった判断基準が示されたときにそれを正しく理解して、しっかりと運用することの重要性に気がつきました。せっかくこれだけまとまりましたので、正しく理解していただいて、いわゆるこれをきちんと読んできちんと使えば、ローカルルールのようなものもなくなるはずでございますし、そこら辺をしっかりと全国に知らしめていく、そして、正しい運用をしていただくことにも、我々福祉用具の関係者として心を配っていかなければいけないと強く感じておるところでございます。意見というよりも、私の思いをお伝えしてしまいました。
 以上です。

○井上座長
 作成に御尽力いただいた思いがあると思います。ありがとうございます。
 正しく理解してそれを普及というか、そういう形で広めていくところは大事なポイントだと思いますが、事務局からこのあたりの今の段階でお考えなどはございますでしょうか。

○内田指導官
 老健事業の検討委員会でも、後半で分かりやすいものができた、つくるのが目的というよりは、この後、いかに周知をしていくか、より現場でこれを使っていただくような形で対応や検討が必要だという御意見もいただいておりますので、我々としましても、発出後はどのように使われたか等々も含めて確認しつつ、対応を進めていきたいと思っております。

○井上座長
 岩元構成員の専門相談員協会さんに御協力をいただきながら進めていくとよろしいのではないかと思いますし、ぜひ御協力をお願いできればと思います。ありがとうございます。
 松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員
 ありがとうございます。
 先ほど最後の93ページ目の事故・ヒヤリ・ハット関連情報のところで消費者庁という言葉が出ましたけれども、あと、製品評価技術基盤機構、NITEさんにも事故の情報をまとめられていると思いますので、そこも情報としてはあるといいと思いつつ、それにプラスして、こういうところにありますとたくさんリンクを書けば書くほど、何か探すのが大変だという印象も与えてしまうと思っていまして、どこか1か所に入れると、そういうところを横断的に検索できるとか、そういう仕組みがあるといいと思いました。
 あと、このドキュメント自体も90ページを超えていて、かなり大量ですので、PDFでダウンロードできますとか、冊子で配るというだけでなく、PDFの中でページのリンクを整理し見やすくしておくこともあるかもしれませんし、見たいところだけをぱぱっと開けるようなウェブサイトにしたものとか、あるいはアプリの形なのか、将来的には使いやすいものがツールとして出てくるといいと思いました。
 以上です。

○井上座長
 ポータルサイトのようなものですね。
 どうぞお願いいたします。

○高齢者支援課長
 ありがとうございます。
 先ほど久留構成員からも我々が御説明すべきところをいろいろと御紹介いただいたのですけれども、まさに今御指摘いただいたような分かりやすいポータルサイトをつくるべきというのは、これまでのあり方検討会の中で御意見をいただいておりますし、関係団体の皆様からも御要望をいただいていますので、これについては、厚労省においても検討しておりますので、ぜひそういう分かりやすい情報発信を心がけていきたいと思っています。

○井上座長
 ありがとうございます。
 大串構成員、お願いいたします。

○大串構成員
 今のことに関連するのですけれども、使い方を知るというよりは、今、サイトを四つほど見ましたが、重大事故のところだけ取り上げられているわけです。しかしながら、もちろん重大事故も問題なのですけれども、転倒、転落とか、そういうものは機械を使いながらだと、側溝に落ちたとか、電動車椅子などが大変多いのですが、むしろそれよりも実際に日常の中で使うところで注意する点も大事だと思っています。ヒヤリ・ハットも含めてうまく分かりやすい表現の仕方をしないと、怖がってしまうだけではなくて、上手に使っていただきたいことにおいては、そういう点も必要だと思います。
 あと、各県で特化した問題と思われるところを都道府県によってまとめられているところもあって、以前、私がそういう情報共有というか、そういうサイトをつくったこともあったのですけれども、運営がすごく大変なのです。先ほど言ったような皆さんの情報が集約されて、ここもレベルで表現されていないところがあって、いわゆる医療安全の観点からは、レベル1からレベル5までのきちっとした分け方をするとか、ある程度の共通の基準を設けることも必要だと思います。その辺のところで、こちらからいろいろなところに関わってくる部署で御提案をいただくほうがいいと思ったわけなので、少し考えていただければと思います。

○井上座長
 レベル分けですとか、分かりやすい形で表現できるところと現場での問題なので、このあたりも厚労省でお考えいただいて、進めていただければと思います。ありがとうございました。
 そうしましたら、五島構成員からお願いします。

○五島構成員
 五島です。御説明をどうもありがとうございました。
 渡邉構成員をはじめ、特に作業療法士協会の方でしょうか、非常に御尽力いただいて、よいものができたのではないかと思いました。改めて拝見させていただいて、そう感じたところでございます。
 種目のあり方検討会の方に私は入らせていただいていて、2ページにありますような主な意見ということで、あり方検討会で積み残しになっていたような課題のことを全てガイドラインの中にみんな入れていくような作業になって、すごく大変な作業になるのではないかという中で、このようによくまとめられたと思っているところです。
 その上で2点ほどですけれども、先ほどの安全性の部分について、いろいろと情報を開示していただいて、こういうところをつなげていくことはすごく重要なことだと思います。
 一方で、医療現場の事故と在宅や施設で起こっている福祉用具の事故は、多少違うのだと思います。まず処方をして、共有して、医薬的管理下の中で効果があるかどうか使われる器具とは異なるのだと思います。
 様々な状態の変化があって、いろいろな環境の中で福祉用具が仕事をしているということですので、原因の特定が容易でないわけです。本人に起因することであったり、介護者やメンテナンスの不足から生じることもあるわけです。
 協会では、そうしたところで福祉用具介護・ロボット実用化支援事業の中で先ほど話が出た消費者庁とか、NITEとか、市町村で集めている実際のファクトの情報を基に事故・ヒヤリ・ハット情報として加工して、むしろこういう要因で事故やヒヤリ・ハットが起きますという情報発信などもしているものですから、併せて通知になるのか、ここに書き込むことは難しいかもしれませんので、そうしたところも含めて情報発信するなり、プラットフォームの中に掲載されるといいのではないかと思ったところです。
 もう一点は、資料の2ページにありますように、今回の判断基準の中で自治体職員を含む関係者で広く共有できる内容への見直しというところで、私はすごく重要なことではないかと思っていまして、先週の金曜日の課長会議の資料の中でもありましたように、保険者の機能強化推進交付金に係る評価指標という項目があると思うのですけれども、そこの中に福祉用具についてもリハビリテーションの専門職が関与して、適切な利用を推進するという指標を設けている項目があるのです。
 その中の資料を見ますと、専門職がこの分野に関しては関与していない、あまり関与できていないということが課長会議の資料でうたわれていたかと思います。判断基準自体、ですから専門相談員やケアマネにとどまることなく、自治体職員もここに書かれているような、改めて記載していただいた選定に当たっての留意点とか、リハ職が関与する望ましい例なども出ておりますので、そうしたところにも広めていただいて、状態像に合った福祉用具の利用から給付の適正化につながるような資料になるのではないかと思いましたので、そうした部分も通知の中に盛り込めるとよいのではないかと思いました。
 一方で、協会では福祉用具のデータベースを運用しているのですけれども、既に商品の点数として1万6000点もあるのです。身体機能に着目するだけではなくて、価格がどのぐらいなのかとか、機能や特徴や性能を見ながら、御自身に真に必要とされるものを選定していくようなことも必要だと思いますので、そうした部分も触れられるとよいと思いました。
 以上でございます。

○井上座長
 テクノエイド協会さんでは、ヒヤリ・ハットもそうですし、データベースも運用されていますので、御知見をありがとうございました。
 あとは、自治体職員と専門職のところです。それも先ほど判断基準の普及というか、正しい理解とか、そういう中でぜひそういった点も含めて伝えていく工夫も必要だと思って、伺わせていただきました。
 今日、御発言がない石田構成員とか、上野構成員、何かございますでしょうか。全体を通してでもよろしいとは思いますが、石田構成員、御発言はございますか。

○石田構成員
 ありがとうございます。
 幾つか感想めいたことですけれども、まず福祉用具の先ほどの要望の種目については、保険者である市町村からの意欲的な提案であったという感想を持っていて、機能向上については、一定の効果があるのだろうと思っています。地方や現場での人材不足を補う点での提案で、そういった点を試みられたという点について、非常に評価したいと思っています。また、同じ市町村の保険者として、制度の見直しなり、あるいは制度をどう活用するかという努力をしていただいていることについては、敬意を表したいと思っています。
 判断基準の見直しについての市町村への啓発ですけれども、私どもの稲城市の介護保険の職員の中にも保健師、あるいは理学療法士がいて、福祉用具、住宅改修などを実際にケアマネさんへの支援をしている職員がおります。そういった専門職の点からも現場への普及啓発については、試みていたいと思っています。今日はいろいろな御意見を参考にさせていただきました。構成員でありながらも、保険者の立場でどう対応していくかということを少し考えながら聞かせていただきました。大変ありがとうございました。

○井上座長
 前半の意欲的な取組というところでエールをいただきまして、ありがとうございます。前半のところに少し戻ってしまいますけれども、今回の論点でいろいろと分かったところだと思いますので、引き続きの検討をぜひお願いできればと思います。
 上野構成員、御発言はございますでしょうか。

○上野構成員
 御指名ありがとうございます。
 構成員でありながらワーキンググループが編成されていて纏められた事をお知らせいただいたというか、教えていただいたということで聞き入っていたところでした。特に異論は全くありません。むしろ賛成なのですが、だんだん細かく複雑になってきています。介護保険が始まった頃は、基本的ニーズが大半で車椅子とか、ベッドというところから始まり、道具が非常にシンプルでわかりやすかった。もちろん生活様態や高齢者になる世代も変わってきていますし、家族形態や家族の意識も変わってくる中で、道具も変わらざるを得なくなって来ているので仕方がありませんが。
 昨今の道具を見ると、専門的なアプローチが必ず必要で、例えがおかしいのですけれども、セスナ機がグライダーを飛ばすがごとく、上昇気流に乗るまでの専門家の寄り添い方、あるいは帯同の仕方が必要な道具が多くなってきたことは、今日の2点も含めて思いました。
 あと、外国のメーカーさんが提案しているのも視点が変わり良いと思いますが、日本のメーカーさんにもっと頑張っていただきたいです。要するに時代背景や生活文化の違いが埋められない限り、なかなか直ぐには使えないものであります。もっと発展してほしいし、ちゃんとそれを機能的に使いたいという思いがあります。だから、その辺のディスカッションがいっぱいできて、メーカーさん側とも創造的な意見交換ができるといいだろうと思っていました。
 ただ、座位の姿勢に関しては、過去も含めどの道具も非常に疑問がいっぱい残ります。不安定要素が非常に高くて、何の道具でもまずは本人さんのしっかりした体幹なり、座位に似た安定姿勢をどう維持するかみたいな事がいつも必要になってくる。それがあってこそという気がしております。
 それから、いろいろな分野で自治体の方が加わるのは大賛成です。保健とか、福祉という課に絞られてしまうと、他人事になってしまいます。自治体ぐるみで、町ぐるみで高齢者の問題とか、高齢者だけではなくて、今の現役世代がもうすぐ高齢者になることを踏まえて、まちづくりの観点からも一緒に考えてくださるといいです。なので、この項目が入ったのはとてもすばらしいことだと思っています。
 最後に、いろいろな分野の人に入っていただくのは大賛成です。AI等も含めまして、いろいろな視点が入ってくるのは大賛成なのですけれども、私たちが「介護保険とは」とか、あるいは「生活とは」という原点である哲学がぶれていたら本末転倒になりかねません。今後ほかの分野の皆さんたちの指摘や提案が非常に密になってくると、なおさら介護保険としての意識や位置関係を常にはっきりさせておいていただきたい、というのが個人的な感想であります。
 長くなってすみません。

○井上座長
 貴重な御意見をありがとうございます。福祉用具の複雑化というのですか、今日の議論でも機器としての複雑化もありますし、それの活用場面ですとか、周りとの関係の複雑さも出てきていますので、貴重な御指摘だったと思います。
 それと自治体ぐるみとか、いろいろなソリューションも多様化してきているという御指摘もありましたので、そういった中で介護保険の福祉用具・住宅改修の制度がどういうものか、もう少し改めて考えながらこういった議論を進めていくことの必要性も御指摘いただいたと思っております。
 御意見は大体出尽くしたと思いますが、最後にこれだけはということがあれば、構成員の皆様から御意見をいただこうと思いますが、よろしいでしょうか。いろいろ貴重な御意をありがとうございました。
 そうしましたら、判断基準の見直しの件につきましては、今日いただいた御意見を踏まえて、また事務局で取りまとめをいただいて、進めていただくということでお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それ以外で事務局から御報告事項等はございますでしょうか。

○内田指導官
 それでは、事務局よりその他というところで報告をさせていただきます。
 令和6年度介護報酬改定に伴い、令和6年4月より一部種目・種類を対象とした貸与と販売の選択制を導入することとしておりますので、参考資料7に沿って、内容につき簡単に御報告させていただきます。
 参考資料7につきましては、本年1月22日に行われました介護給付費分科会の資料の一部抜粋でございます。
 上段の部分です。一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制の導入として、利用者負担を軽減し、制度の持続可能性の確保を図るとともに、福祉用具の適時・適切な利用、安全を確保する観点から、一部の用具について貸与と販売の選択制を導入する。その際、利用者への十分な説明と多職種の意見や利用者の身体状況等を踏まえた提案などを行うこととするということで、この選択制に関しては、福祉用具貸与、特定福祉用具販売もそうですし、介護予防の貸与・販売に関しても同様であります。
 そこに対象とする種目・種類及び対象者の判断とプロセス、右側に貸与・販売後のモニタリングやメンテナンス等の在り方について、記載をしているところであります。内容に関しては、御参照ください。
 1枚めくったところに、選択制に伴って特定福祉用具販売の種目、また、特定介護予防福祉用具販売の種目に以下のスロープ、歩行器、歩行補助杖を追加する改正を行うという形にしているところです。
 以上、事務局からの報告になります。

○井上座長
 御報告をありがとうございました。
 この件につきまして、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 その他、全体を通してでも構いませんが、構成員の皆様から御意見等あればと思いますが、こちらもよろしいでしょうか。
 そうしましたら、少し予定の時間より早いのですけれども、今日は十分に御意見をいただいたと思います。
 繰り返しになりますけれども、今日、否という形で出たものにつきましても、非常に論点が明確になってきておりますので、引き続き御提案の方々には御検討いただいて、またいい形でこういった福祉用具が前進できるようなところへ御協力をいただければと思います。
 それでは、進行を事務局にお返ししたいと思います。

○小河係長
 井上座長、ありがとうございました。
 本日は各構成員の先生方から貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。
 提案された福祉用具に対する評価や御意見、また、介護保険における福祉用具の選定の判断基準の見直しに対する御意見を踏まえた修正等につきましては、座長に御一任いただく形でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

○小河係長
 ありがとうございます。
 御承諾の意思表示をいただいたと理解いたしました。そのように進めさせていただきたいと存じます。
 なお、本日の結果につきましては、次回以降の介護給付費分科会におきまして、御報告をさせていただく予定でございます。
 また、今後の予定ですけれども、本年度の評価検討会は本日で終了とさせていただきますが、改めてになりますけれども、評価・検討の継続となっている提案につきましては、皆様方の御助言をいただきながら、必要なエビデンス等が整理され次第、随時本検討会を開催する予定でございますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、予定時刻より少し早いですけれども、本日は閉会とさせていただきます。皆様方、ありがとうございました。